NFLプレイオフプレビュウ2004


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NFLプレイオフプレビュウ:NFC編


・第1シード PHIイーグルス(13勝3敗、東1位)
…優勝確率:35%
 ヘロヘロの泥試合が繰り広げられたNFCの中で、攻守に圧倒的な安定感を見せてあっさりと地区制圧したPHI。今年こそは悲願のスーパーボウル進出は堅い、かと思っていたら、WRテレル・オーウェンス故障離脱ではんぱじゃない暗雲が。これが竜の巣か。大駒オーウェンス抜きとなると、残るはヘタレWRトッド・ピンクストン以下、大舞台で役に立つとは思えない存在感薄いレシーバー陣と、デュース・ステイリー、コレル・バクハルタが抜けてリーグ下位に低迷しているランオフェンスという、小駒、それも歩とか香車ばかり。結局、昨季以上にQBドノヴァン・マクナヴへの依存度が高いオフェンスということに。そのマクナヴも今季はオーウェンスに依存してただけにオフェンスは不安大。
 それでもプレイオフで重要なディフェンスとスペシャルチームはしっかりしてますし、低レベルのNFCということで対戦相手にも恵まれてる(やたらと守備弱いチーム多い)ことを考えると、スーパー進出本命であることには違いないのですが、優勝確率35%というのはかなり寒い本命と見ての数字。これでオーウェンスいたら優勝確率60%くらいつけてたのですけど。ここ4試合は得点20点以下に抑えられ、ラスト2連敗してレギュラーシーズン終了というのも(メンバ落としていたとはいえ)どうにも嫌な感じです。あとは第1シードによるホームアドバンテージというのをどこまで活かせるか。PHIのファンはかなり辛辣で、味方にも容赦ない(特にピンクストンに)ことを考えると、他チームほどホームの利がない感じはしますが、対戦相手の多くがドーム球場をホームとしているチームなだけに、ファンよりも寒風が大きな味方になるかも。オーウェンスはスーパーボウルの頃には帰ってくるという話ですが、そこまでたどり着けるかどうか。


・第2シード ATLファルコンズ(11勝5敗、南1位)
…優勝確率:30%
 緑の鷲たちが失速気味となると、にわかに可能性が高まってくるのがハイパーアスリートQBマイケル・ヴィック率いる鷹の団。その最大の武器はヴィック、ウォリック・ダン、TJ・ダケットの3人が繰り出す、リーグ1位のジェットストリームランアタック。久しぶりに1000y走った好調ダンは、小柄ながら9TDと意外に決定力の高さもあり。パワー型の樽生ダケットは、チェンジ・オブ・ペースになってリズムを生む。そして膠着した状況では、ヴィックがスクランブルで相手守備をグチャグチャに攪拌。実はヴィックのQBレートは70台とヴィニー・テスタヴァーディ並でしかないのですが、既存のQBレートでは計り知れないところにこの怪物の恐ろしさはあります。なにせQBなのにPHIのエースRBブライアン・ウエストブルックよりも走っているという。それはヴィックが凄いのか、ウエストブルックがダメダメなのかは微妙なところですが。2年前のプレイオフではランボーフィールドでのGBに勝ったこともあり、プレッシャ、寒さに対する実績あるのも心強い。
 ディフェンスは並レベルですが、フロント7はまずまず活きが良い。アレン・ロッサムのリターンも武器になりえる切れ味。旋風を巻き起こせる材料は揃っています。最大の不安要素は、ジム・モーラJrHCが父親からプレイオフでの弱さを遺伝で受け継いでいないかというところ。顔からすると間違いなく受け継いでそうですが果たして。

・第3シード GBパッカーズ(10勝6敗、北1位)
…優勝確率:15%
 序盤の大不振から盛り返し、見事に地区優勝を果たした鉄人QBブレット・ファーヴと愉快な仲間たち。MINが序盤の大好調から盛り返していつものポジションに勝手に収まったことにも助けられたとはいえ、1勝4敗から10勝まで持ってきたのだから立派。ジェヴォン・ウォーカーのブレイクと、ドナルド・ドライバーの復活で、パス攻撃が活性化したのが大きかったです。近年、プレイの波が大きいファーヴも、シーズン序盤に一度ズンドコまで落ち込んだことが逆に良い方向に作用した感じで、QBレートは90台をキープ。RBアーマン・グリーンはコンディションがいまいちなだけに、プレイオフでもやはりこの男の豪腕次第か。Kライアン・ロングウェルは好調で、勝負を托せる。
 このチームは選手よりも攻守コーディネイタの頭脳に問題あり。特に守備コーディネイタのボブ・スロウィックはしばしば脳死寸前に陥る傾向があります。ヤバイと思ったら脳に電流流すなり、いっそひと思いに殺ってしまうなりの対処が必要かと思われます。そこさえ何とかすれば、寒さには強いチームですし、後半持ち直してきた勢いもあるとなれば一発あってもおかしくない。

・第4シード SEAシーホークス(9勝7敗、西1位)
…優勝確率:5%
 今季、私の期待を裏切ったチームの一つ。まあ、私の期待など裏切られてなんぼですけど。昨季、プレイオフに出てGB相手に敗れたものの好勝負を披露、今季はいまいち地味な存在からの躍進を確信していたのですが、今季も昨季以上に地味なままでした。派手なニュースはジェリー・ライス加入くらい。なんとか最終週で地区優勝を果たしはしましたが、勝ち星が昨季より減少では、停滞のシーズンだったと言うべき。何年、停滞してるんだかこのチームは。
 攻守のバランスが持ち味ですが、それゆえに突出した飛び道具に欠けるのが弱味。スマートではあるのですが、勝利への執着があまり伝わってこない気がします。シーホークスに限らず、シアトルのスポーツチームには全般的に「スマートさ」「突き抜けなさ」が感じられるので、そういう土地柄なのかもしれませんが。しかしお前らには来年もあるかもしれないが、ハセルベックの毛には来年はないのです。そのことを肝に銘じて、勝負への執着心を見せてもらいたい。

・第5シード STLラムズ(8勝8敗、西2位)
…優勝確率:10%
 劇的な展開でワイルドカードに滑り込んだSTL。今季は新人RBスティーヴン・ジャクソンを起用し、珍しく(ある程度)コツコツと陣地を進める普通のランアタックもしようと(してあっさり失敗)していたのですが、最後に来て開き直ったのか全球フルスイングの一発狙いにシフトした模様。最終週のNYJ戦では、かつてのSTLらしい、タイム・オブ・ポゼッションという概念を放棄したオフェンスで一発TDを連発し、相手にもガンガン取られるという試合をしていました。元々、守備にもスペシャルチームにも大穴開いてるだけに、飛距離で勝負するような戦い方は正解。かなり穴の大きいスイングなだけにあっさり三振する可能性も高いですが、相手としては一発あるのはやはり脅威です。あとはバットに聞いてくれ。

・第6シード MINヴァイキングス(8勝8敗、北2位)
…優勝確率:5%
 劇的な展開でワイルドカードから滑り落ち損ねたMIN。大爆笑ならず。あれは惜しかった。後半になると調子を落とすのはあいかわらず。WRランディ・モスへのパス一辺倒な、破壊力はあるけど単調な「戦術はモス」攻撃に対して、シーズン後半になると相手が慣れてくるのがその要因では。かといって攻撃のバリエーションを広げようにも、ボール集めないとモスは不貞腐れて使いものにならなくなるわけですが。相手に読まれていてもモスで行かざるをえない。男らしい、のかそれは。
2005/1/10.

NFLプレイオフプレビュウ:AFC編


第1シード PITスティーラーズ(15勝1敗、北1位)
…優勝確率:40%(攻撃B+、守備A+)
 すっかり死にかけだと思ったところから甦ったイエロー&ブラック。そのカギとなったのは、ディック・ルボウの復帰による"ブリッツバーグ"の復活(守備リーグ1位)と、マイク村木の放逐によるPIT伝統のランアタックの再建(ラン攻撃リーグ2位)、そしてトミー・マドックスの蒸発(最終週にて生存確認された模様)による新人QBベン・ロスリスバーガーのブレイク(攻撃新人王)。この三要素のミックスアップにより、元々タレントはそれなりに揃っていたチームが核融合を起こして大爆発。マドックスが元気だった頃に喫したわずか1敗のみ、ロスリスバーガーが先発してからは無敗という準パーフェクト・シーズンを達成。AFCの中ではレベル低めの地区(といってもNFCのほとんどの地区よりは厳しいですけど)での記録とはいえ、15勝の中にはWEEK8でのNEの連勝記録ストップした1勝なども含まれているのでその価値は高いです。
 強力ディフェンス、手堅いラン攻撃、試合終盤でも頼りになるQB、おまけにホームアドバンテージまで揃ってるとなれば、頭一つ抜けた存在といっても良いです。普通に戦えばスーパーボウルはすぐそこ。逆に考えると、このチームがコケるような「普通じゃない」状況とはどんなものか。3年前にプレイオフに出た時は、ポンコツスペシャルチームのために派手に自爆したわけですが、ベテランPクリス・ガードッキはまずまず一流ですし、Kジェフ・リードは微妙ですがとりあえずクリス・ブラウンよりは当てになるので、まずは大丈夫。ディフェンスはラン守備1位、パス守備4位という鬼っぷりですが、穴になるとしたら、やはり総入れ替えしたDBの中でなぜか居残ってるCBチャド・すっとこスコットのあたりか。弱い者イジメ大好きなIND、NEには注意が必要です。オフェンスでは、危険なのはラン攻撃が止められてパスを投げざるをえない状況に追い込まれた時。とてもそうは見えないといっても一応ルーキーであるQBロスリスバーガーに、過度の負担がかかるような状況は避けたいところです。

第2シード NEペイトリオッツ(14勝2敗、東1位)
…優勝確率:30%(攻撃B+、守備A)
 2年連続での14勝という堂々の成績を引っ提げて、ここ5年で3回目のスーパー制覇に挑む王者NE。WR、CBに怪我人が続出して苦しい状況となっても、WRトロイ・ブラウンを両面使いしたり、Kアダム・ヴィナティエリにパス投げさせたりであっさり乗り切ってしまうやりくり名人ぶりを発揮。またWRの駒が不足気味な中でも安定して勝ち続けられたのは、新加入のRBコーリー・ディロンによる地上戦の確立によるところが大。シーズン前の買い物の的確さも光るマメな王者。ディロンの存在により、QBトム・ブレイディの巧みなプレイアクションも威力が増したのかロングパスが増え、QBレートは自身初の90台(というのも意外な気がしますが)をマーク。あれだけWRを欠きながら自己最高レートを出すというのは、ブレイディの本物さの証明ということなのか、今までのRBモドキ(アントワン・スミス、ケヴィン・フォーク)へのプレイアクションがいかに効果薄だったかということなのか、そこはよく分かりませんが。
 PITにはレギュラシーズンで敗れていますが、あの時は連勝記録へのプレッシャもあったのか、らしからぬ自爆っぷりによるところが大きく、参考にはし辛い。プレイオフとなるとまた鬼神の如く勝負強さを発揮するのがNE。なにせトム・ブレイディはプレイオフで6戦6勝。やはりPIT打倒の一番手はこのチームです。ただマイアミ劇場に寄り道したせいで第1シード取りそこなったのは痛いかも。

第3シード INDコルツ(12勝4敗、南1位)
…優勝確率:15%(攻撃A+、守備C)
 今年もQBペイトン・マニング率いるハイパーオフェンスの力でここまでは来ました。ここまでは。このチームはここからが問題なわけです。昨季までのプレイオフでの苦い経験を活かし、守備を強化する、ことはあいかわらず全くなく、ハイパーオフェンスに更に磨きをかけることに専念しての再挑戦。これで勝てばポリシーを貫いて成功を収めた男たちプロジェクトXということになりますが、また負けるようなことがあればちっとも懲りないただのバカということに。
 しかしそのオフェンス、今季はWRレジー・ウェイン、ブランドン・ストークリーが大きく成長し、マーヴィン・ハリソンとともに1000y&10TDトリオを結成、ハリソン頼みだったこれまでより確かにハイパー化。マニングのオーディブルもますます冴えを見せており、激しいブリッツに対しても一瞬のスキをついてビッグプレイを決める凄みが出てきてます。イリーガル・コンタクトの適用厳格化も、昨プレイオフでNEのフィジカルなディフェンスに苦しんだことを考えると大きなプラスですし、その天敵NEもDBに故障者が多い。久しぶりにNFLのシーズンTD記録を更新したという勢いもありますし、いよいよチャンスなのか。
 問題なのは、その記録更新の勢いをトニー・ダンジーHCがなぜか必死で止めようとしてること。下手したら記録達成そのものを妨害しようとしてましたから。えええ。ダン・マリーノにお歳暮でも貰ったのでしょうか。おかげで、せっかく記録達成したというのにマニングとダンジーの間には微妙な空気が漂っており、勢いもあるんだかないんだかよく分からない状態でプレイオフに突入することに。幸いというか、NE戦の前にWCプレイオフがあるので、そこでDENを燃料に再加速できれば、突き抜けるダッシュ力は秘めてるのですが。

第4シード SDチャージャーズ(12勝4敗、西1位)
…優勝確率:5%(攻撃A-、守備B-)
 全くのノーマークからまさかの快進撃。まるで昨季まではマークしておきながら今季に限ってノーマークにした私をあざ笑うかのように。プレイオフ出場12チームの中で最もシンデレラの香りを漂わせているチームですが、果たして階段を駆け上がれるか。個人的にはいまだにQBドリュー・ブリーズを全く信用できないので、シンデレラになどなられてたまるかと思わないでもない。TEとRBにばっかりパス投げてるQBが、プレイオフで勝てるのか勝っていいのかという。
 DBが致命的に弱いだけに、パスの鬼INDとの対戦が回避できそうな組み合わせはありがたいです。そしてラン守備は妙に強いので、ランの鬼PITは抑えられる可能性もなくはない。そのわりに優勝確率5%と低く見てるのは、攻撃パターンが単純でQBに経験がないので、PITの凶悪ブリッツ、NEの変幻ディフェンスのプレッシャをモロにくらってブリーズが潰されると考えて。というか、潰されろ。そしてダグ・フルーティにスイッチしろ。AFCの下位シードは、どうしても「PITとNEのどちらか一方もしくは両方に勝てるのか」ということを考えないといけないので厳しいです。

第5シード NYジェッツ(10勝6敗、東2位)
…優勝確率:5%(攻撃B-、守備B)
 このチームも下馬評は低かったらしいですが、衰えを囁かれていたRBカーティス・マーティン31歳がここにきてリーディング・ラッシャーに輝くという、ゴキブリ並のしぶとい生命力を発揮したこともあって二桁勝利、堂々のプレイオフ進出を果たしました。マーティンに象徴されるように、堅実でミス(TO、反則)が少なく、これといった穴もない優等生チーム。格上チームを相手に回しても接戦に持ち込めるしぶとさがあります。ただ、QBチャド・ペニントンのコンディション低下とWR陣の微妙さ加減、そして保守的ではなくなったという噂だけど相変わらず3rd&ロングでショートパスをコールしたりするポール・ハケットOCのおかげで、オフェンスは決定力・爆発力には欠けますので、その接戦を勝ち切れるかどうかは極めてあやしいところ。活路を見出すとすれば、ミスの少なさを活かして我慢我慢を続けて相手の自爆待ち、という戦い方になるでしょうか。ただ若いSD相手ならともかく、手堅いPIT、勝負の鬼NE相手ではそれも厳しいか。

第6シード DENブロンコス(10勝6敗、西2位)
…優勝確率:5%(攻撃B、守備B)
 このチームはシーズン前からそこそこやるだろうと思われていましたが、本当に「そこそこ」でした良くも悪くも。2年連続での10勝というのは評価に値するものですし、攻守ともにそう悪い数字ではないのですが。クリントン・ポーティスが抜けたオフェンスは、無名だった元FBのRBルーベン・ドローンズが例のごとく台頭して1000y走った(このチームほど1000yラッシュの価値が軽いチームはない)とはいえポーティスほどの爆発力はなく、ゴール前での決定力は低下。それでいてポーティスの代償として獲得したCBチャンプ・ベイリーが期待したほどでもなかったのも誤算で、ディフェンスの決定力もいまいち。Sジョン・リンチだけはやたら元気で、アバラへし折ろうと鬼タックル繰り出してますけど。最終週でWCプレイオフで当たるINDに対して、相手は完全に主力隠したのに対し、自分たちはプレイオフがかかっていたため得意プレイも惜しまず見せざるをえなかったというのも痛い。QBジェイク・プラマーの"分かっちゃいるけど止められない"ブーツレグの止められなさ加減だけが頼みというのでは、"史上最強のプレイオフ6チーム"を生き残るのはさすがに辛いです。
2005/1/11.