みんなのヴァイキング&ペイガン/フォークメタル
Viking Metal/Pagan Metal/Folk Metal



◆トラッドメタルの変遷
メタルの中に土着的な要素を本格的に取り入りたのは、英国のSKYCLADが最初であったと思う。
ヴァイオリンによるフォーク/トラッド色を巧みにメタルサウンドと融合させたそのスタイルは、
先鋭的であると同時に、どこか古き良き時代を思わせるような牧歌性を有していた。
スペインのMAGO DE OZなども、早くからフルートやヴァイオリンなどフォーク色を取り入れていた。
北欧神話を含めたヴァイキングメタルなるものを最初に標榜したのは、ノルウェーのBathory、そしてENSLAVEDであったろう。
ただ彼らの場合は、まだ北欧的な土着性を取り入れたブラックメタルという方がしっくりくる音であった。
さらに、現在に通じるヴァイキングメタルのスタイルとして表現したのは、EINHERJERやMITHOTYNであろう。
またトラディショナルな雰囲気という点では、フィンランドのAMORPHISなども元祖のひとつといってよい。
ともかくも、それら先人たちによりなされたフォーク、トラッドとメタルの融合という、
この新たなジャンルは、90年代後半以降、後続のバンドを次々に生み出すことでしだいに確立されていった。
ポルカを取り入れたFINNTROLLや、愉快な酒飲み野郎たちKORPIKLAANIなどは、今では日本でも人気を得ており、
MOONSORROW、TURISAS、ENSIFERUMといったフィンランド勢は、その質の高い音楽性と聴きやすさから、
一般のメロデスファンなどにも受け入れられている。一方ではさらにマニアックなペイガンメタルを好むリスナーもおり、
北欧やドイツのみならず、ロシアをはじめマイナー系バンドの宝庫たる辺境にも熱心なリスナーの目は向けられている。
ここでは、ヴァイキングメタル、フォークメタルなどを一括りにして、
それらのバンドの中でも傑作と思われる、比較的聴きやすいものを厳選した。
このジャンルへの入り口に参考になれば幸いである。
2008.7.1 緑川 とうせい
◆ベテランバンド
SKYCLAD 「IRRATIONAL ANTHEMS」
イギリスのトラッドメタルバンド、スカイクラッドの6th。1996作
ヴァイオリン入りのトラッドメロディをメタルに融合させた元祖。
本作では初期のメタリックな粗雑さは薄れ、本格的なトラッドメタルとしての
雰囲気を漂わせており、マーティン・ウォルキーアの歌声もかつてのダミ声よりも
ずっと聴きやすく歌っていて、牧歌的なバンドのイメージを確かなものにしている。
曲によってはシンセを取り入れていて、現在のフォークメタルへとつながる質感
何故かハチャトゥリアンの“剣の舞”のカヴァーも収録。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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SKYCLAD 「A SEMBLANCE OF NORMALITY」
イギリスのトラッドメタルバンド、スカイクラッドのアルバム。2004作
フォーク/トラッドをメタルと融合させた元祖といえばこのバンド。
本作は初期における曲作りのキーマンであったマーティン・ウォルキーアが脱退してからの2作目となる。
このVoはマーティンのようなダミ声タイプではなく、力まずに歌う無難な声質なので
初期にあった無骨さが取り払われており、以前よりもずっと聴きやすくなっている。
曲の方もケルトな雰囲気はそのままに、効果的にシンセを使用したり
オーケストラの導入などで、音が厚く、ある種シンフォニックにもなっている。
ギターも今風にヘヴィなリフを弾いたり、全体的にイモ臭さが減りややモダンな印象の傑作だ。
メロディアス度・・7 トラッ度・・8 新生スカイクラッ度・・8 総合・・8
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AMORPHIS 「Tales From the Thousand Lakes」
フィンランドのトラディショナルメタルバンド、アモルフィスの2nd。1995作
1stの頃は激しいデスメタルサウンドをやっていた彼らが、なにを思ったのか
本作では土着的な旋律を大胆に取り入れた傑作を作り出した。ちょうどこの頃北欧では
IN FLAMESやDARK TRANQUILLITYなどのメロデスバンドたちが次々に現れていたので、
初期のAMORPHISもそれらのバンドと同義に扱われていたが、むしら彼らの根本とするのは
もっとフィンランドのトラディショナルに基づいた音楽で、それは後のミニアルバム「My
Kantele」でも
明らかだ。まだ本作の時点ではヴォーカルこそデスヴォイスであるが、ギターのリフ、メロディには、
フォーキーな香りとサイケな浮遊感が強く、それが当時はえらく個性的に感じられた。
このバンドの成功が、後のトラッドメタルバンドへ大きな影響を与えたのは間違いない。
メロディアス度・・8 トラッ度・・7 フィンラン度・・9 総合・・8
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AMORPHIS 「Eclipse」
フィンランドのトラディショナルメタルバンド、アモルフィスの7th。2006作
一時期はメタルから離れてサイケロック寄りのサウンドにもなったが、
前作で民族メタルとしてのスタイルを取り戻し、続く今作でもその延長上の路線になっている。
これまでの北欧民族調の雰囲気はそのままに、今回は曲によってはデス声を復活させたり、
あるいはメランコリックなゴシックメタル風の要素も取り入れるなど、
初期AMORPHIS好きにも充分アピールする内容だ。ギターによる煽情メロディも耳に心地よい。
もちろん、かつてよりはずっとモダンな音になっていて、ある意味スタイリッシュなのだが、
彼らの母国であるフィンランドの土着性は、しっかりとそのサウンドの奥底に残っている。
メロディアス度・・8 トラッ度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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◆正統派ヴァイキング系
EINHERJER「Dragons of the North」
北欧の本格派ヴァイキングメタルの元祖というべきこのバンドのデビュー作。
土着的なギターリフと野卑なダミ声ヴォーカルで描き出すサウンドは、
辺境的な情緒を含んで勇壮で神秘的な世界観を構築してゆく。
いまのバンドのようなスタイリッシュさやきらびやかさとは無縁で、
あくまで武骨に北欧のヴァイキングたちの世界を語り描いている。
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MITHOTYN 「In the Sign of the Ravens」
スウェーデンのヴァイキングメタルバンド、ミソティンの1st。1997作
剣を手に中世風のコスチュームに身を包んで、イメージ的にも本格的なヴァイキングメタルを
作り上げたのはこのバンドといってよいだろう。牧歌的で土着的なメロディをギターフレーズで奏で
ダミ声による猛々しいヴォーカルを乗せたサウンドは、後のバンドの規範ともなった。
男臭い勇壮なコーラスに哀愁を漂わせた雰囲気は、戦士のロマンに満ちている。
この後3枚のアルバムを出したあとバンドは解散、メンバーは新たにFALCONERを結成する。
メロディアス度・・8 暴虐度・・6 ヴァイキング度・・9 総合・・8
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Forlorn 「The Crystal Palace」
ノルウェーのヴァイキングメタル、フォーローンの1st。1998年作
うっすらとしたシンセとギターの奏でるメロウなフレーズ、そして母国語の歌声で
土着的な美しいヴァイキングメタルを聴かせる。朗々としたコーラスもよい感じで
北欧神話のエピック性を表現するような作風で、同時期のEINHERJERに比べると
こちらはもっとやわらかな牧歌性が強い。ゆったりとした聴き心地の北欧土着メタルが楽しめる。
2nd以降は方向性が変わってゆくようで、ヴァイキングメタルとしては本作が代表作だろう。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・7 北欧度・・9 総合・・8
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THYRFING 「UNKRAFT」
スウェーデンのヴァイキングメタルバンド、ティルフィングの3rd。2000作
田舎臭いフォーキーなギターリフにデス声という王道的ヴァイキングメタルサウンドだが、
キーボードの絡みを含めたキャッチーなほどのメロディアスさが心地よい。
かつてのMITHOTYNかそれ以上の聴きやすさで、音質も良好。
アコースティックギターや、普通声の歌も効果的に折り込むなど、
楽曲にはメリハリも効いていて、ヴァイキングメタル初心者にもお薦めできる。
ゲイリー・ムーアの“Over Hills and Far Away”のヴァイキングカヴァーも収録。
メロディアス度・・8 田舎メロ度・・9 聴きやすさ度・・8 総合・・8
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MOONSORROW 「KIVENKANTAJA」
フィンランドのヴァイキングメタルバンド、ムーンソロウの3rd。2003作
シンフォニックメタルとさえ言ってもいいほどの音像に、ゆったりとしたヴァイキングメロディ、
曲は長いながらもアコースティックを効果的に取り入れるなど静と動のメリハリもあり、
なにより音の重ねに説得力があるので、聴いていてその世界観にぐいぐい引き込まれる。
普通声とダミ声を使い分け、勇壮な男コーラスに加え、ここぞという場面ではシンセで盛り上げる。
母国語の歌唱もとても音に調和していて、メロディには北欧の寒々しさが込められている。
これぞシンフォニック・ヴァイキングメタルの歴史的傑作と断言できる。
シンフォニック度・・9 メロディアス度・・8 ヴァイキング度・・9 総合・・8.5
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MANEGARM 「Vargstenen」
スウェーデンのヴァイキングメタルバンド、マネガームの5th。2007作
本物の香りをはなつヴァイキングメタルとして、コアなファンの間では評価の高いこのバンド、
今作も、のっけから土着性ぷんぷんの重厚なギターメロディで幕を開け、
期待通りのヴァイキングサウンドが炸裂する。かつてのMITHOTYNを思わせる
猛々しいヴォーカルの咆哮と、勇ましくも哀愁を含んだトラッド音階のメロディが胸にしみる。
激しさだけでなくノーマル声に女性コーラスも入った静のパートを盛り込むなど、
楽曲としてのメリハリも付けられて、ドラマ性の向上に大いに貢献している。
世界観と説得力をともなった本格派のヴァイキングメタル傑作だ。
メロディアス度・・8 ヴァイキング度・・9 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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◆シンフォニック系
TURISAS 「BATTLE METAL」
フィンランドのヴァイキングメタルバンド、チュリサスのアルバム。2004作
タイトルからして「バトルメタル」ブックレットのメンバー写真も…剣をもちそれぞれに闘ってます(笑)。
サウンドの方は、やりすぎな程にシンフォニックで、ヴァイキング云々というよりは
もはやRHAPSODY系のファンタジー属性の大仰シンフォメタル、といってよいほど。
壮麗なシンセに加え、ヴァイオリンや曲によりアコーディオン、バグパイプ等も使用。
もちろんVoはダミ声ですが、ノーマル声のパートや女性コーラスなどもあり、
全体的に暴虐さよりは華麗さ重視で、ヴァイキング初心者にも対応。
さあ、男臭い勇壮なコーラスに導かれ、戦いの物語にいざなわれましょう。
シンフォニック度・・9 暴虐度・・5 ヴァイキング度・・7 総合・・8
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ENSIFERUM
フィンランドのヴァイキングメタルバンド、エンシフェルムの1st。2001作
トラッド的な北欧メロディを疾走メロデスに融合させた聴きやすいヴァイキングメタル。
ツインギターのメロディアスなバックに、キーボードも加わり、音に厚みのある疾走サウンドだ。
デス的な暴虐さはほとんど無く、ジャーマンクサメタル系のリスナーなどでも聴けるだろう。
土着的なクサメロに勇壮な野郎コーラスが曲を盛り上げる。クオリティの高いアルバムだ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・8 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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WINTERSUN
フィンランド のヴァイキング・メタル・バンド、ENSIFERUMを脱退した
JARI MAENPAAのソロプロジェクト、ウインターサンのアルバム。2004作
ENSIFERUMの1stは疾走型のヴァイキングメタルとしては、非常に聴き易いアルバムだったが、
方向性としてはそれを受け継いだもの。思いの外キラキラとしたネオクラ風の曲調に「へ?」となるが、
シンフォニックメタル気味なメロデスとして聴けば非常に高品質。
爆走するブラストに、三連系のヴァイキングリフとメロディ、そして男臭いコーラスが重なり、
勇壮でありながらも洗練されたサウンドで、田舎臭さはさほどない。
アレンジをメロデス風にした、シンフォニック・ヴァイキングメタルだ。
メロディアス度・・8 暴虐度・・8 ヴァイキング度・・7 総合・・8
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EQUILIBRIUM 「TURIS FRATYR」
ドイツのシンフォニック・ヴァイキングメタルバンド、エクリブリウムの1st。
フォーキーなメロディを乗せて壮麗なキーボードで疾走。派手派手しいサウンドと、
ヴァイキング的な勇壮さが一体になって、インパクトはかなりのものだ。
ヴァイキングメタルというにはキーボードに頼りすぎている気もするし
サウンド的にもギターリフの重要度が低くなっている点で、
耳には心地よいが土着的な無骨さ(けっこう大切)に欠けるきらいもある。
言うなれば「シンフォニックなメロスピ、ヴァイキング風味」といったところか。
とにかく「シンフォニックかつ大仰」なものを求める向きは必聴。
シンフォニック度・・8 ヴァイキング度・・7 壮麗度・・9 総合・・8
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Thrudvangar「Zwischen Asgard Und Midgard」
ドイツのペイガンメタルバンド、サルドヴァンガーの2007年作
ツインギターによる重厚さとうっすらとしたシンセを乗せて疾走、
ダミ声ヴォーカルとともに武骨な世界観を描き出す。
メタルとしての激しさと重さを持ったまま、エピックな幻想性と
戦士のような勇壮さを併せ持った高品質な作品だ。
メロディアス度・・7 重厚度・・8 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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◆フォークメタル系
FINNTROLL 「NATTFODD」
フィンランドのポルカ・メタルバンド、フィントロールの3rd。2004作
北欧の舞踏音楽ポルカをブラックメタルと融合させるという無茶なアイデアを実践してしまったこのバンド。
そのサウンドはこの3rdにしてますますシンフォニックになり、ひどく完成度が高まっている(笑)
曲の途中で唐突に現れるコミカルとさえいえる陽気なメロディの上にダミ声ヴォーカルが乗るさまは、
初めてこのバンドを聴く者にはかなりのインパクトだろう。
今作はポルカメロディのアレンジ、シンフォニックな音の重ねにいっそうの説得力(?)が感じられ
愉快なメロディに壮麗な質感も加わって、非常に質の高い傑作となった。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 陽気で楽しいポルカ度・・9 総合・・8.5
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KORPIKLAANI 「Korven Kuningas」
フィンランドのフォークメタルバンド、コルピクラーニの5th。2008作
メインの旋律を奏でるアコーディオンの音色とともに愉快に疾走しつつ、
初期の頃よりもぐっとメタリックな力強さを増したサウンドは
「森界の王」という邦題通り、もはや単なる酒飲みメタルではない、
ファンタジックな世界観を描くだけの説得力とをまとわせている。
今後もFINNTROLLとともに森の住人メタルを突き進んでいってもらいたい。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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VINTERSORG 「Solens Rotter」
スウェーデンのフォーキー(デス)メタルバンド、ヴィンターソーグの6th。2007作
BORKNAGARやWATERCLIMEなど、精力的に活動するvintersorg氏であるが、
メインバンドとなる本作もなかなかの力作となった。
いつもながらに、ブラック声とマイルドな歌声を使い分けつつ、激しさと牧歌性の
メリハリがついた楽曲はプログレッシブな質感もあり、いつも以上に聴き応えがある。
フォーキーなゆるやかな叙情と、ProgMetal的な展開力が一体となった傑作だ。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Falkenbach 「Heralding the Fireblade」
ドイツのペイガン・フォークメタルバンド、ファルケンバックの4th。2005作
波の音に重なるシンセによるイントロから、もうその世界に引き込まれる。
前作同様、マイルドな歌声、フルート、シンセが牧歌的な土着性とともに
幻想的な世界観を描き出す。激しくもない、暗くもない、派手さもない音ながら
フォークメタルとしての強い説得力をともなっているのがじつに見事である。
今作では疾走するパートも入ってきたり、ときおりギターが煽情的なフレーズを奏でたりと
楽曲にはいくぶんメリハリが加わったことで、作品としての完成度も増している。
MOONSORROWあたりが好きな方にもお勧めできるバンドだ。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・7 幻想度・・9 総合・・8
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Finsterforst 「Zum Tode Hin」
ドイツのフォークメタルバンド、フィンスターフォルストのアルバム。2009作
1stはアコーディオン入りで軽快に疾走する作風だったが、本作はぐっとエピックな質感となり、
全5曲ながら全てが10分以上、ラスト曲にいたっては20分という大作指向の作品だ。
アコーディオンの音色に重なるガナり声ヴォーカルは、FINNTROLL風味なのだが、
ツインギターにシンセが加わると、MOONSORROWあたりを思わせる重厚な質感になる。
アコースティカルなパートやブラックメタルばりの激しい疾走もあり、曲は長いのだがドラマティックで
幻想的な世界観にたっぷり浸ることができる。ゲストによるティンホイッスルの音色もいい感じだ。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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ELVENKING 「The Winter Wake」
イタリアのフォークメタルバンド、エルヴェンキングの3rd。2006作
イタリアきってフォークメタルバンド、4thではパワフルなメタル路線にシフトするが、
本作ではまだフォーキーな叙情とやわらかさのあるサウンドで、
力強くないヴォーカルの歌声と、ヴァイオリンやチェロなども含めた愉快な
土着メロディが耳に心地よい。一方でメタルらしてギターリフ、フレーズの存在感も
しっかりとあり、バンドの最高傑作というにふさわしい出来である。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 愉快度・・8 総合・・8
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RUNIC 「LIAR FLAGS」
スペインのフォークメタルバンド、ルーニックのアルバム。2006作
話題のKORPIKLANIに続いて、またしても愉快な森のメタル野郎どもが登場。
耳障りなダミ声ヴォーカルに、けっこうメタリックでまともなギターリフ、バックにはうっすらとしたシンセ、
そしてそこに絡むフルートやバグパイプが、ミスマッチな感触とともにフォーキーな雰囲気をかもしだす。
曲によってはギターリフが普通に格好良く、案外シンフォメタル的な部分もあったりして
そのあたりはコルピあたりよりもしっかりとメタルとしていて、格好いいのが嬉しい。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・7 案外ちゃんとメタル度・・8 総合・・8
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Tuatha De Danann 「Trova Di Danu」
ブラジルのフォークメタルバンド、トゥアサ・デ・ダナンの3rd。2004作
きらきらとしたシンセに、軽やかなホイッスルの音色、そこにキャッチーな歌メロが重なると、
イタリアのELVENKINGをさらに軽くしたような、とても愉快な雰囲気です。
メタリックな力強さはあまりないですが、マンドリンにフルート、ヴァイオリンなどとともに、
楽しげで陽気な土着ロックが繰り広げられております。南米的なフォルクローレを思わせる、
この穏やかでアコースティカルな叙情性は、メタルが苦手な方でも聴けるでしょう。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 フォーキー度・・8 総合・・7.5
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◆ブラック/疾走系
BORKNAGAR 「EPIC」
ノルウェーのシンフォ/フォーク・ブラックメタルバンド、ボークナガーのアルバム。2004作
一聴して前作より音質も良くなり、それにともなってサウンドのマイナー臭さもなくなっている。
疾走するシンフォニックブラックスタイルに、北欧的な土着メロディを盛り込んで、
聴きやすく仕上げている。Vintersorgによるフォーキーなコーラスワークもよい味だ。
暴虐に疾走しつつもとてもマイルドな音なので、この手の初心者にも勧められる。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 フォーキー度・・7 総合・・8
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WINDIR 「LIKFERD」
ノルウェーのヴァイキング・ブラックメタルバンド、ウインダーの4th。2003作
基本は激烈に疾走しつつ、北欧らしい雰囲気を撒き散らすサウンドで、
演奏や音の雰囲気は一線級のバンドに引けをとらないし、
ジャケを含めて漂わせるこのミステリアスな雰囲気も悪くない。
ただ、このバンドの場合音に媚びがないので、メロディの煽情度に「あと一歩感」がつきまとうのだが、
反対に言えば、こうした「我が道を行く」バンドこそが本物のブラックメタラーであるという気もする。
北欧の寒々しさと薄暗さをたっぷりと味わえるアルバム。ただし愛想はあまり良くない。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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ELUVEITIE 「Spirit」
スイスのフォークメタルバンド、エルヴェイティのアルバム。2006作
鳴り響くフィドル(ヴァイオリン)に笛とパイプの音色、そこにヘヴィギターと絶叫Voが重なり、
田舎臭いフォーキーメロとヴァイキングメタル風の勇壮さが一体となったサウンド。
メンバーは大所帯で、ツインギターに女性二人のフィドル隊(!)を含む9人編成。
使用する楽器もアイリッシュフルート、ハーディガーディ、アコーディオンなど、かなり本格的だ。
曲は田舎メロをまった聴かせつつも、ときおりブラックメタル的に疾走したりもする。
この手としては曲の完成度、土着的な説得力ともに相当に高く、
濃密かつフォーキーなメタルサウンドがこれでもかとばかりに繰り出される。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 ブラック/ヴァイキングも有り度・・8
総合・・8
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BLACK MESSIAH 「Oath of a Warrior」
ドイツのペイガン・ヴァイキング・ブラックメタルバンド、ブラック・メサイアの2nd。2005作
シンフォニックなシンセと、クサメロフレーズを掻き鳴らすギターで疾走。
メロディにはヴァイキングメタル色があり、田舎臭い悶絶メロディを連発する。
ブラストの疾走パートにはプリミティブなブラックメタルの雰囲気が漂い
音質の悪さも手伝って、どこか古き良き幻想性を内包しているのが耳に心地よい。
ヴァイオリンやマンドリンなどによる、フォーキーな要素も効果的で
ローカルな質感を上手く魅力にしている点も見事。ベルギーのANCIENT RITESよりさらにクサい。
クサメロディアス度・・9 暴虐度・・7 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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◆メロパワ系
FALCONER 「CHAPTERS FROM A VALE FORLORN」
スウェーデンのヴァイキングメタルバンド、ファルコナーの2nd。2002作
デス声ではなくノーマル声の聴きやすいヴァイキングメタルとして、1stはなかなかの出来だった。
続くこの2ndも同路線。ギターのみによるシンプルな音像ながらメロディは土着的で人懐こく、
マイルドな声質のVoも、この音楽にはよくマッチしている。
トラッド音階のメロディは疲れた耳にも優しく、疾走してもけっしてやかましくならないのがよろしい。
キーボードキラキラのクラシカルなメロスピが増える中、こうしたバンドは貴重な存在だと思う。
メロディアス度・・8 ヴァイキング度・・7 マイル度・・9 総合・・8
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THE STORYTELLER 「TALES OF A HOLY QUEST」
スウェーデンのメロディックメタルバンド、ザ・ストーリーテラーの3rd。2003作
元々トラッド風のメロディを疾走メロパワに取り入れていたバンドだったが、
ここにきてその度合いは高まり、サウンド的にはFALCONERくらいに通じるまでになっている。
もちろん疾走する時のメロスピ風味も損なわれておらずファンには嬉しいかぎり。
歌や演奏に飛び抜けた部分はないものの、きらきらしすぎないマイルドなメロディが
耳に心地よく、メロスピ〜ヴァイキングメタル好きにまで楽しめる好作だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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WUTHERING HEIGHTS 「TO TRAVEL FOR EVERMORE」
デンマークのシンフォニックメタルバンド、ワザリング・ハイツの2nd。2002作
1stの頃からちよっとやぼったいがなかなかメロディの聴かせるバンドだったが、
この2ndからはいっそうケルト風のメロディを強めたサウンドになっている。
シンフォニックな大仰さと疾走感、そしてヴァイキングメタルにも通じるメロディという点で、
イタリアでいうとTHY MAJESTIEあたりに近いか。アコギやピアノなども効果的。
FALCONERにも通じる田舎臭いシンフォメタルが好きならまず喜ぶバンドだろう。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・8
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MAGO DE OZ 「GAIA U」
スペインのフォーキーメタルバンド、マゴ・デ・オズの6th。2005作
のっけから、今までにないシリアスかつ壮大なイントロが荘厳に響きわたり「おおっ」と唸る。
美しいヴァイオリンに女性コーラスが絡み、シンフォニックして大仰な雰囲はRHAPSODYのようだ。
楽曲は力強さと疾走感をともない、メタリックなギターリフにスペイン語の歌唱が映える。
バンドの特徴であるフルート、ヴァイオリンの音色も、以前よりもずっとシリアスな雰囲気で
フォーキーな脱力メロはいくぶん抑え気味となったぶん、シンフォニックメタルとしての質感が増した。
疾走曲での高揚感は彼ら史上最高で、スパニッシュでキャッチー、フォーキーでいながら壮大。
CD2枚組みのラストは21分の大曲だ。これは胸を張って「傑作」と言えるアルバムかもしれない。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 フォーキー度・・8 総合・・8.5
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SAUROM LAMDERTH 「LEGADO DE JUGLARES」
スペインのエピック・フォーキーメタルバンド、サウロム・ラムダースの3rd。2004作
ファンタジックな世界観と、フォーキーなメロディをメタルに融合させたサウンドで
毎回楽しませてくれる彼ら。今作はヴァイオリンが正式メンバーに加わった。
フルートにアコギ、女性コーラスによる牧歌的なイントロからファンタジーの世界に入り込める。
彼らの場合は同郷のMAGO DE OZよりはずっとシリアスでエピックな雰囲気があり、
まるで物語を読んでいるような幻想空間へといざなってくれるのが魅力。
メロディにはスパニッシュ特有のやわらかみがあり、スペイン語の歌唱で疾走しつつ
壮大なコーラスワークやヴァイオリン、フルートによるフォークメロディが心地よく耳に響く。
スペイン臭さと同時に、優雅さ、エピック、ファンタジー、これらを併せ持った個性的なバンドだ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 フォーキー度・・8 総合・・8
ALESTORM 「Black Sails at Midnight」
スコットランドの海賊メタルバンド、エイルストームの2nd。2009作
海賊をバンドキャラクターに、“パイレーツメタル”なる肩書でデビューしたこのバンドであるが、
前作はまだまだサウンド自体の方向性が中途半端であるような感じがあった。
ミニアルバムに続く今作では、楽曲の魅力が増すと同時に、勇壮な雰囲気に磨きがかかって
バンドとしての確かな成長を遂げている。フォーキーなメロディを正統的なメタルに上手く融合させ、
ときにシンフォニックメタル的な華麗さも覗かせるサウンドには、確かな説得力がついてきた。
ジャケやブックレットの作りも含めて物語風に聴かせる手法も、そのイメージとしての強度が増し
男たちの冒険活劇が目の前に見えるようだ。そういう点ではTURISASなどにも通じる雰囲気である。
ドラマティック度・・8 勇壮度・・8 海賊度・・9 総合・・8
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TYR 「By the Light of the Northern Star」
フェロー諸島出身のヴァイキングメタルバンド、テュールの4th。2009作
ヴァイキングメタルといってもこのバンドの場合はデス色はなく、
パワーメタル的な正統派メタルサウンドに、土着的なフレーズを織り込んだもの。
男臭いコーラスに、ジャケの戦士のイメージのようなエピックな世界観を漂わせ
パワフルかつドラマティックに聴かせる。ヴァイキング・パワーメタルの力作。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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◆ゲルマン系
SUBWAY TO SALLY 「Nord Nord Ost」
ドイツの古楽メタルバンド、サブウェイ・トゥ・サリーのアルバム。2005作
ヘヴィなリフに重なる勇壮なドイツ語の歌唱の響きに、胸がときめく。
そこへシンセと、ヴァイオリンが加わり、サウンドをシンフォニックに彩りだす。
モダンでヘヴィな質感と、トラディショナルな要素が見事に融合し、
楽曲は過去最高のアレンジで、オーケストラルな重厚さとともに説得力を帯びる。
トラッドメタルというよりは、壮大なシンフォニックメタルとしても聴ける傑作。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 壮大度・・9 総合・・8.5
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IN EXTREMO 「VEREHRT UND ANGESPIEN」
ドイツの古楽トラッドメタルバンド、イン・エクストレモの2nd。1999作
このバンドのアルバムは何枚か聴いているが、このアルバムはなかなかいい。
のっけから美しいハープの音色、そして無骨な野郎Voの語り。バックにはうっすらとシンセ。
曲に入るとヴァイキングメタル的な勇壮さが現れ、メタリックなギターとハープやバグパイプなどとの
音色が対照的で、ややデジタリィなリズム感覚など、中世と現代の音の融合といった感覚が面白い。
全体的にはケルテイックな繊細さよりは、ゲルマン的な無骨さが持ち味のバンドかと思う。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 トラッ度・・9 総合・・8
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Saltatio Mortis「Wer Wind Sat」
ドイツの古楽メタルバンド、サルタティオ・モーティスの2009作
インダストリアル色の強かった初期の作風から、2007年の「Aus der Asche」では
メタリックな部分が強まり、SUBWAY TO SALLYに並ぶくらいのレベルにきた。
本作もモダンなヘヴィさと土着的な旋律、ドイツ語による歌唱のバランスのとれた作風で
独特の叙情表現に磨きをかけている。勇壮なコーラスにかぶさるパイプの音色、
そしてエピックな雰囲気をかもしだす世界観で、フォーキーなゲルマンロックを作り上げている。
エピック度・・8 メタル度・・7 ゲルマン度・・9 総合・・8
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Nachtgeschrei「Am Rande der Welt」
ドイツのフォークメタルバンド、ナハトゲシュレイのアルバム。2009作
アコーディオン、フルート奏者を含む7人組で、重厚でドラマティックなフォークメタルをやっている。
ゆるやかなアコースティックギターのイントロから、メタリックなギターリフにパイプの音色が絡まり、
ドイツ語のヴォーカルが歌を乗せる。雰囲気としてはSUBWAY TO SALLYに近いが、
こちらの方がエピックなメタル質感が強く、好みかもしれない。やわらかなアコーディオンの音色が
ツインギターと自然に融合されていて、厚みのあるサウンドはこの手のバンドの中でも素晴らしい。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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◆トラッド、フォーク系
LUMSK 「TROLL」
ノルウェーのトラッドメタルバンド、ラムスクの2nd。2005作
女性Voに女性Vin入りの7人組みで、北欧の土着的な要素を強く打ち出したサウンドをやっている。
メタル色や攻撃性よりは、トラッド的なメロディと北欧の寂寥感を聴かせるバンドで、
今回は前作よりも分かりやすい、聴きやすくやわらかみのある雰囲気になっている。
女性Voの活躍頻度も大幅に増し、チェロやフルートなどの管弦楽隊もゲストに
ある種シンフォニックな北欧プログレ的なものも感じさせてくれる。
激しさよりもゆったりとした涼しげな北欧の風景…それらが目に浮かぶ音だ。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・8 ゆったり北欧度・・9 総合・・8
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LYRIEL 「Autumntales」
ドイツのトラッド・ゴシックメタルバンド、リリエルのアルバム。2006作
艶やかなヴァイオリンの音色に可憐な女性ヴォーカルのフォークメタル。
演奏はやややぼったく田舎臭いのだが、好きな人にとってはそこもむしろ魅力かもしれない。
ときに男性Voとの絡みや、チェロ兼コーラス担当の女性声も加わって美しく聴かせる。
メタル的な重厚さやドラマティックさはあまりなく、LUMSKあたりが好きな人にもお勧めできる。
録音面での弱さや演奏、曲におけるマイナー臭さはあるが、それを上回る優美なメロディと
美しい女性ヴォーカルが味わえるので、その手が好きな方は充分聴く価値ありだ。
メロディアス度・・8 フォーク/トラッ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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hardingrock 「grimen」
元EMPERORのIhsahn夫妻参加のフォークメタルユニット、ハーディングロックのアルバム。2007作
ゆるやかなフィドルの音色と物語的な語り、そこに女性ヴォーカルが重なって
しっとりと聴かせつつ、2曲目ではエレキギターも加わって一気にメタル色が濃くなる。
イーサーンのヴォーカルが入ると、やはり彼の色が強くなり、プログレッシブな味わいのある
フォークメタルが炸裂。ブラック声入りのアグレッシブさと、本物のトラッド色が合わさった、
一種独特の世界観が面白く、フォークメタルと北欧トラッドを交互に聴いている気分になる。
奥方Starofash(Ihriel)さんの可憐な歌声もよいアクセントになっており、ゴシック風味とフォーク
トラッドが入り交じり、そこに暗黒ブラック風味をかすかに加えたような不思議なサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 北欧トラッ度・・8 総合・・8
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FEJD 「Storm」
スウェーデンのフォークメタルバンド、フェイドのアルバム。2009作
のっけから幻想的な縦笛の音色に引き込まれるが、ブズーキやバグパイプ、
ハーディガーディ、ニッケルハルパなどを使用した、これは本格派のトラッドメタルだ。
母国語による歌声と伝承的な北欧トラッドの質感が合わさったサウンドは雰囲気たっぷりで、
まるで吟遊詩人の歌うサーガを聴いているような気分に浸れること請け合い。
フィドルにも似たハーディガーディ、ニッケルハルパの素朴な音色に耳を傾けると、
寒々しい北欧の森を吹き抜ける風を感じられるようだ。ゲストによる女性コーラスなども美しく、
幻想的な土着性をたっぷり楽しめる見事なフォークメタル傑作だ。マイスペでぜひチェック!
メロディアス度・・8 メタル度・・7 本格トラッ度・・9 総合・・8.5
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◆辺境マイナー系
CRUACHAN 「The morrigans call」
アイルランドのフォークメタルバンド、クルアチャンの5th。2006作
ケルティックな要素を取り入れたバンドとしては古い部類に入る彼ら、
毎回やや脱力系のマイナー臭さがなかなか好もしいのだが、今作も方向性は同様。
メタリックな楽曲に唐突にヴァイオリン、フィドルなどによる愉快なフォークメロが分け入って来る。
あまり上手くない女性Voとデス声の掛け合いもどこか田舎くさく、この垢抜けなさがまたいい(笑)
ゲストによるアイリッシュフルート、ティンホイッスル、アイリッシュハープなどもマニアックな聴き所。
真剣に聴くよりはややゆるい感じで楽しむと良いだろう。個人的にはKORPIKLAANIよりも好みかな。
メロディアス度・・7 フォーキー度・・8 アイルラン度・・9 総合・・7.5
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WAYLANDER 「REAWAKING PRIDE ONCE LOST」
アイルランドのケルトメタルバンド、ウェイランダーの1st。1998作
先に2ndを聴いていたのだが、ようやく1stも発見。のっけからティンホイッスルの響きににんまり。
ホイッスルの音色とヴォーカルのデス声のミスマッチ感がなかなか楽しく、
昨今人気のフォークメタル勢と比べると、より土着性というか薄暗い無骨さが感じ取れる。
同郷のCRUACHANに近いとは思うが、より重い歴史込みの世界観と攻撃性が音に表れており、
ヴァイキングメタル的な勇ましさも感じられる。
メロディアス度・・7 ケルティック度・・8 無骨度・・8 総合・・7.5
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ARKONA 「Возрождение」
ロシアのシンフォニック・ペイガンメタルバンド、アルコナのアルバム。2004作
キーボード入りで軽快に疾走する楽曲に、女性Voとデス声。
メロディや現地語の歌唱には土着性が感じられ、そこがヴァイキング的な音になっている。
デス声以外は非常に聴きやすく、シンフォニックなメロパワといった感じなので
案外この手の辺境ものに免疫がない方でも聴けるかもしれない。
最近はロシアやウクライナなどにも面白いバンドが増えてきているようだが、
このバンドはその中でもクオリティの高い部類だと思われる。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 土着度・・8 総合・・8
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PAGAN REIGN 「Уделы Былой Веры」
ロシアのヴァイキング(ペイガン)メタルバンド、ペイガン・レインの3rd。2004作
前作よりもサウンドのクオリティが上がり、音に説得力が増してきている。
それによって初期MITHOTYN的な土着性が、寒々しい北の大地の薄暗い叙情とともに
目の前に広がるような印象を受ける。ドラムの演奏力も向上して、ブラックメタル的な疾走感も
前作以上にシリアスな音像で迫力がある。もちろん牧歌的なクサメロのフレーズも随所に聴け、
激しく疾走する部分はENSIFERUMを思わせるくらいの完成度がある。イモ臭さでは前作ですが。
クサメロ度・・8 勇壮度・・8 辺境度・・8 総合・・8
ECHO of DALRIADA 「FERGETEG」
ハンガリーのフォークメタルバンド、エコー・オブ・ダルリアダの1st。2004作
のっけからいかにも辺境臭いフルートの音色、マイナー系特有の音質、そして
クサメロに乗って歌う母国語の女性ヴォーカルと、まさに誰もが望むサウンド(笑)
シンセ入りで疾走しだすと、壮麗なクサシンフォメタルへと早変わり。
「ららら〜ななな〜」と、適当に歌っている感じの女性声スキャットもたまらない。
先に2ndを聴いていたが、土着的なクサさではむしろこちらが上だろう。
クサメロ度・・9 フォーキー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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FOLKEARTH 「Drakkars in the Myst」
世界中各国のメンバーによるフォーク/ペイガンメタルプロジェクト。フォークアースの3作目。2007作。
クサクサのギターリフを乗せて疾走するサウンドは、辺境的な雰囲気がぷんぷん。
シンセによるシンフォニックなアレンジもなかなかツボを押さえていて、
曲間のSEや語りなどもエピックかつドラマティックな空気をかもしだす。
ギリシャ、スペイン、イタリアをはじめ、ベルギー、ドイツ、ロシア、スウェーデン、ノルウェー
アメリカ他、多くの国から参加者がいるためか、異国的な情緒がふんだんに感じられ、
アコースティックギターやフルートなどの素朴な音色と、暴虐なデス声などが混濁して合わさり、
音質のラフさも手伝ってかそのB級的な世界観がなかなかたまらない。
ヴァイキング度・・8 暴虐度・・7 辺境ペイガン度・・10 総合・・7.5
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*CDレビュー・ヴァイキングメタルも併せてご覧ください