テクニカルでプログレッシブデス/ブラック/スラッシュ傑作選



プログレッシブなデスメタル、プログレッシブなブラックメタル…それはなんという素敵な響きだろう。
プログレやメタルが好きで、アートで先鋭的な感性を愛し、極端な異端を好むという、私のようなリスナーには
こうしたバンドたちの音楽は本当に素晴らしく、その変態的なまでの芸術感性が耳に心地よく響くのである。

プログレッシブな知的さとメタルとの融合は、実際にはすでに80年代のうちから行われていて、
METALLICAMEGADETHANNIHILATORなども、知的なセンスを激しいスラッシュメタルの中に取り入れていた。
さらにはVOIVODWATCHTOWERFATES WARNINGといったバンドたちは後のテクニカルメタルバンドたちにも
多大なる影響を与えているし、ドイツではMEKONG DELTACORONERなどが独自のセンスの音楽を作り出していた。

これが、デスメタルとプログレッシブの融合となると、やはり最初に挙げられるのはDEATHATHEISTCYNICであろう。
それまでは邪悪さと怒りの象徴としての音楽であったデスメタルに知的な展開力を取り入れるという発想で
彼らはある種芸術的ですらある先鋭的なサウンドを作り上げたのだ。
ブラックメタルの世界においては、やはり皇帝EMPERORの登場まで待たねばならない。
中心人物イーサーンの、クラシカルな感性は暴虐なるブラックメタルサウンドと融合し、唯一無二の世界観を生み出した。

ここでは、それらプログレッシブで知的なセンスをデス/ブラックメタルと巧みに融合させた傑作を紹介したい。
激しくも芸術的な異端のメタルバンドたちを、右脳的快感とともにうっとりとしながら楽しむことにしよう。

                                                 2009 6/27 緑川 とうせい



◆90年代〜テクニカルメタルの黎明

WATCHTOWER「Control and Resistance」
元祖超絶テクニカルメタルバンド、ウォッチタワーの1st。1989作
とにかく、この変拍子とキメの連続のような楽曲は聴いていてほとほと呆れる。
甲高いヴォーカルとともに、スラッシュというにはヘヴィさには欠ける音なのだが、
鬼才ロン・ジャーゾンベクを中心にした演奏陣のキレは当時としては信じがたいものであったろう。
なんというか、予測のつかない展開と何度聴いても覚えられない曲に、イライラしつつもニヤリとさせられ
じつに脳が活性化されるのである。変態メタル好きならばその元祖として必ず押さえておくべき作品だ。
ロンはこの後、兄のボビーとともにSPASTIC INCを結成する。そちらもまた呆れるほど凄い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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MEKONG DELTA 「Dances Of Death」
ドイツのテクニカルスラッシュメタルバンド、メコン・デルタの3rd。1990作
鬼才ラルフ・ヒューベルトを中心に、クラシックとスラッシュメタルを融合させるという
無茶なテーマをかかげて結成されたこのバンド。メンバー名を伏せながらも、
STRATOVARIUSの名手ヨルグ・マイケルやLiving Deathのメンバーなどが参加していた。
本作は20分におよぶタイトル曲を含め、これまでのアルバム以上に細密に構築された大傑作。
変則リズムの嵐とクラシックの手法で作られた組曲は圧巻のひと言で、荘厳にして美しい。
スラッシーな激しさを失うことなく、これほどの知性と芸術性を兼ね揃えたバンドはそうはいない。
“はげやまの一夜”のカヴァーも見事。次作「Kaleidoscope」も完成度の高い傑作である。
ドラマティック度・・9 知的度・・9 スラッシュ度・・8 総合・・9
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DEATH 「Individual Thought Patterns」
アメリカのデスメタルバンド、デスの5tn。1993作
もともとはバンド名通り、暴虐なデスメタルを標榜していたこのバンドだが、
前作「HUMAN」あたりから、知的な展開力を取り入れ始め、それが本作で見事に花開いた。
変則リズム入りのテクニカルさと矢継ぎ早の展開に、故チャック・シュルディナーの
絶叫ヴォーカルが絡み、恐ろしく濃密に聴かせる。スラッシーな感触とプログレッシブな切り返し、
ときに美しくすらある叙情性などもあって、楽曲は緊張感に満ちていて一筋縄ではいかない。
名手ジーン・ホグランのドラムも素晴らしく、サウンドの説得力を高めている。
後の多くのバンドにも影響を与えたであろう名作だ。次作「Symbolic」も同等の出来。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8.5
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ATHEIST 「ELEMENTS」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、エイシストの3rd。1993作
1990年代初頭に、複雑かつ変態的なデスメタル作品を3枚出して消えた彼らだが、
15年ほど経た今になっても、その革新的なサウンドにはまったく古くささはない。
変則リズムの上に乗る奇妙なリフと、ときに
ジャズやカントリー風のグルーヴィなアレンジもまじえ
およそデスメタルらしからぬ様々な要素とともに知的に展開してゆく楽曲はとても面白い。
この3作目にいたって、デスメタル的な禍々しさはほとんどなくなり、前作以上に多彩なセンスで
テクニカルな変態的プログレメタルを楽しむことができる。ボーナスに1992年のラジオライブ音源を収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8.5
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CYNIC 「FOCUS」
アメリカのプログレッシブ・デスメタルバンド、シニックのアルバム。1993作
ともかく、このバンドの出現は、とても大きなインパクトだった。それまでデスメタルといえば、
粗暴な吐き捨てヴォーカルとも重厚なギターリフというイメージがあったのだが、本作で聴かれるサウンドは、
最初から優雅で知的さの漂う、ほとんどデスメタルと言うこともはばかれるような、そんな音なのである。
プログレッシブで空間的な広がりのある音作りは、ほの暗い叙情と繊細な感性とともに、
メタルらしからぬ不思議な浮遊感をかもしだしている。メンバーの技量が高いからだろう、
演奏の余裕がそのまま耳触りの良さにつながっていて、アコースティカルなパートや女性コーラスなど
芸術的なセンスが光っている。ここから25年の歳月をへて復活することを思うと、感無量である。
浮遊感度・・8 デスメタル度・・4 芸術感性度・・9 総合・・8.5
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ATROCITY 「Longing For Death」
ドイツのデスメタルバンド、アトロシティの2nd。1992作
今でこそ、デジタルなゴシックメタルとして知られるバンドだが、この当時はバリバリのデスメタル。
しかもこのような名盤を残していたのである。なにやら荘厳なイントロからゆったりと始まり、
どことなく知性を感じさせるギターリフと、強烈なデスヴォイスを乗せて、しだいに楽曲は激しさを増す。
ときおりふっと垣間見せる叙情の瞬間がなかなか極端で、この当時はえらく斬新に思えた。
激しくて汚いのがデスメタルという認識を覆した一枚であるし、アメリカではなくドイツからそれが出てきたのも大きい。
プログレッシブかと言われれば、まだその一歩手前のサウンドではあるが、年代を思えばこの完成度の高さは驚異的だし、
彼らがMORGOTHとともに当時ドイツのデスメタルシーンの旗手であったことは忘れて欲しくはない。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 変態度・・7 総合・・8
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SADIST 「Tribe」
イタリアのプログレッシブ・デスメタルバンド、サディストの2nd。1995作
1st「Above the Light」は、絶品のメロディを取り入れた叙情派デスメタルの傑作として名高いが、
それに続く本作では、シンセを大胆に取り入れたプログレッシブなスタイルへと進化した。
ミステリアスなイントロから、ギターではなくシンセをメインにしたフレーズにデス声が絡み、
やがて美しい絶品のギターソロへと続く、インパクトのあるこの1曲目には、初めて聴いたときに震えがきた。
これまでのデスメタルの概念を覆すかのなような、革新的な感性をこのバンドに感じたのである。
その後も、およそデスとは思えないグルーヴィーな演奏と、美しいシンセを絡ませながら、
不思議な浮遊感覚で聴かせてくれる。まさしくプログレッシブなセンスに満ちた傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8.5
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KOROVA 「A Kiss in the Charnel Fields」
オーストリアのプログレ・ブラックメタルバンド、コロヴァの1st。1995作
のっけからドイツ語の男Voと女性スキャット、それに民族調のメロディで始まり
ただならぬ幕開けににやにやしていると、やはり始まったアヴァンギャルド絵巻…
ノイジーなギターに咆哮をはじめるヴォーカル、ブラストビートもときおり入ってきて
やかましいのだけど、どこかローカルで田舎めいた感じがするのはENIDなどと同様。
ときおりギターがクサメロを弾いたり、クラシカルなピアノやオーケストレーションなどの使用も
プログレ好きの変態音楽愛好家にはタマランです(笑)SOLEFALDSIGHなどが好きな方はぜひ!
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 変態度・・9 総合・・8
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EDGE OF SANITY 「Crimson」
スウェーデンのメロディックデスメタルバンド、エッジ・オブ・サニティの5th。1996作
北欧メロデスの元祖とも言われ、プロデューサーとしても活躍するダン・スヴァノを
中心としたこのバンド。本作はSF的なストーリーに基づいたコンセプト作で、
全1曲40分という異色作だ。サウンドの方は難解さはなく、メロデス的に疾走したり、
ゆるやかに聴かせる静寂パートがあったりと、展開にメリハリがあって面白い。
叙情的なメロディを弾くギターも魅力的で、個人的には最高作とされる4thより気に入った。
OPETHのミカエル・オーカーフェルドがゲストで参加しているが、確かにOPETHに通じるような
プログレッシブな知的さが垣間見える。2003年には続編となる「Crimson U」を発表している。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 ドラマティック度・・9 総合・・8
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In The Woods 「Heart of the Ages」
ノルウェーのゴシック・デスメタルバンド、イン・ザ・ウッズの1st。1995作
美しいシンセにメロウなギターフレーズが絡み、幻想的な雰囲気の中
朗々としたヴォーカルが歌を乗せる。曲はプログレッシブな展開とともに、
ときに激しく緩急がつけられ、ブラックメタル的なわめきヴォーカルも現れて、
なかなか飽きさせない。はかなげな女性スキャットや、しっとりとピアノの音色で
聴かせる曲もあり、その知的な構築力とノルウェーの森を思わせるような
薄暗い幻想性を有したサウンドは、年代を考えても傑作と呼ぶに足るだろう。
メロディアス度・・8 プログレゴシック・デス度・・8 幻想度・・9 総合・・8
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◆プログレッシブなデスメタル作品

OPETH 「GHOST REVERISE」
スウェーデンのプログレッシブ・メロディアス・デスメタルバンド、オーペスの8th。2005作
今作は、とにかく美しい。デス声とノーマル声を使い分けるバンドのリーダー、
カエル・オーカーフェルドの表現力も素晴らしく、ときにメロウな旋律を奏でるギター、
そして今作から加入したペル・ヴィバリ
(SPIRITUAL BEGGARS)の絶妙なキーボードワークが
サウンドに広がりとやわらかみをもたらし、このバンドの表現する世界観を上手く彩っている。
静と動の対比、聴き込むほどに練り込まれたリズムアレンジとギターリフによる構築の妙。
すべてにおいて完成度の高い
芸術作品。メタル云々よりも、アートなロックとして鑑賞すべきアルバム。
これを聴かずに何を聴くのだ!という、あらゆるメタラーにも、プログレファンにも広く聴いて欲しい1枚。
メロディアス度・・8 プログレッシブマイン度・・9 静謐の美度・・9 総合・・9
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EXTOL「ANDECEIVED」
スウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンド、エクストルの2nd。2000作
このバンドの場合、変拍子を入れただけの単なるテクニカルデスメタルとは違い、
楽曲における細やかなアレンジセンスが素晴らしく、結果としてデスメタルとしての重厚さを失わずに、
知的なプログレ性との両立に成功している。咆哮するデス声にギターの音像はヘヴィでありながら、
展開力のある楽曲にはメロディにもフックがあり、ときおり見せる叙情性も唐突でない範囲で絶妙だ。
例えればPAIN OF SALVATIONをデスメタルにしたような、そんなミクスチャー的な芸術センスも感じさせる。
3rd以降は、しだいにスラッシュメタル的な質感を増すのだが、そちらもまたそれで良い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8.5
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Theory in Practice The Armageddon Theories
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、セオリー・イン・プラクティスの2nd。1999作
Dr/Vo、B/Key、Gという3人編成であるが、素晴らしく濃密なテクニカルデスをやっている。
DEATHを思わせる矢継ぎ早の展開に、さらに激しさを加えた、たたみかけるような展開には圧倒される。
それでいて、メロディアスな叙情性もしっかりと有していて、ときにシンセをまじえながら重厚に聴かせ、
緻密なギターリフと手数の多いドラムが見事に合わさって、ときに荘厳ともいうべき圧巻のサウンドとなる。
続く3rdも悪くはないが、音の密度と美しさでは本作を最高作とするべきだろう。北欧テクニカルデスメタルの傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8.5
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EMBRACED 「WITHIN」
スウェーデンのメロデスバンド、エンブレイストの2nd。2001作
ツインギターにツインキーボード、派手に疾走するかと思えばテクニカルな決めや展開があり、
その辺の北欧系メロデスバンドとはやや異なる印象。もちろんメロデス的な叙情性はちゃんとあり、
ツインリードのメロディに分厚いキーボードか重なると、かなりシンフォニック度が高くなる。
Voのわめき声が普通すぎてつまらないのが残念だが、とにかく演奏力抜群で
とくにこのドラム(なんと元ACTのドラマー!)のセンスあるドラミングは本当に素晴らしい。
日本盤ボーナスのラスト曲は、ピアノが美しいシンフォニック曲で思わずうっとりである。
素晴らしい作品自体のクオリティに比べてジャケが地味すぎるのが惜しい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8楽曲度・・8 総合・・8.5
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TOC 「LOS ANGELS」
フィンランドの元メロデスバンドTHRONE OF CHAOSの3rd。2004作
2ndの時点で、すでにメロデスというよりはデス色のあるメロディックメタルという音だったが、
ここに来てついにデス色を薄め、流麗なツインギターのメロディにかつての面影を残しながら、
楽曲はいっそう聴きやすくなり、鳴り響くキーボードの美しさが際立っている。
Aのシンフォニックなヘヴィバラードの美しさなどは、筆舌に尽くしがたく、
ダークめの叙情という点で、PAIN OF SALVATIONのメロディアスさなどにも通じる。
ヘヴィな部分の音圧はしっかりと残していて、曲によっては彼らお得意のプログレ風味もあり、
アルバムとして、センスの良い、しかも密度の濃い内容なっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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OMNIUM GATHERUM 「Stuck Here on Snakes Way」
フィンランドのメロデスバンド、オムニアム・ギャザラムの3rd。2007作
フィンランド産メロデスバンド数あれど、TOCと並んで私が認める抜群のセンスを擁したこのバンド、
知名度は低いのだが過去2作のクオリティは抜群。今作は日本盤も出ず、ひっそりと売られていた。
のっけから
スラッシュメタル的リフに、変則的な展開で始まり、まるでEXTOLあたりを思わせる。
咆哮するヴォーカルに、センス溢れるギターリフ、モダンなシンセアレンジもどこかプログレッシブで、
楽曲は一聴して地味なのだが、よく聴くととても凝っていてサウンドには知性が溢れている。
3分前後の曲にここまで濃密な要素を取り込めるセンスは、北欧メロデス界のANNIHILATORとでも
言いたくなる。ただのメロデスに飽きている方、プログレッシブなメタルが好きな方にはぜひお勧めしたい。
メロディアス度・・7 スラッシュ風味度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8
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NEGLECTED FIELDS 「MEPHISTO LETTONICA」
ラトビアのプログレッシブ・デスメタルバンド、ネグレクテッド・フィールズのアルバム。2000作
テクニカルな変拍子込みの演奏に、デス声とまではいかない歪みVoが歌を乗せる。
基本はDEATH系の音像だが、そこに加わるキーボードが荘厳さを演出している。
激烈さや疾走する暴虐性よりも、このバンドは叙情美にこだわっているようで、
KeyとGによるコンビネーションがメロディに厚みを与えており、テクニカルでありつつも聴きやすく、
ある意味、プログレ性という点でははDEATHあたりよりも強いかもしれない。
メロディアス度・・7テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
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DISILLUSION「BACK TO TIMES OF SPLENDOR」
ドイツのプログレ・デスメタルバンド、ディスイリュージョンの1st。2004作
10分以上の長めの楽曲をセンスあるアレンジでまとめてゆくところはOPETHに通じるものもあり、
プログレ的なテクニカルで知的な部分と暴虐性の同居という点ではEXTOLあたりにも近いか。
盛大にキーボードを鳴らしながら疾走する部分は、シンフォニックブラック的でありながら、
対照的にノーマル声で歌われるスローパートなどでは到底デスメタルとは思えないマイルドさがある。
テクニカルさと突進力、静寂と美と醜と、なんともいろいろな要素を併せ持った不思議なバンド。
取り立てて新しいことをやっているわけではないのに、聴いていて音に引き寄せられるのは
やはりセンスがいいのだと思う。デビューアルバムとは思えない密度と完成度に唸らされた。
テクニカル度・・8 変態度・・7シンフォニック度・・8 総合・・8
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INTO ETERNITYThe Scattering of Ashes
カナダのテクニカル・メタルバンド、イントゥ・エターニティの4th。2006作
テクニカルな
プログレメタルとデスメタルを融合させた濃すぎるほどに濃いサウンドだった2ndから
続く今作では、メジャーレーベルとの契約やメンバーチェンジもあってか、若干音の質感が変化している。
彼ら特有のアグレッシブさと展開の多さは残しつつも、聴きやすい
キャッチーな部分が増えたという印象。
おそらく、2nd、3rdが好きだったリスナーにはやや薄味に思えることだろうが、
これでより多くの人間にも聴ける音楽になったという点で評価するべきだろう
RUSHDREAM THEATERなどにも通じる構築性に、アグレッションを上乗せした
ハードなテクニカルメタルとしても実に堂々たる出来だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Symbyosis 「On The Wings Of Phoenix」
フランスのプログレ・デスメタルバンド、シンバイオシスのアルバム。2005作
近未来のSFストーリーを題材にしたCD2枚組みの大作で、テクニカルで硬質感のあるギターと、
吐き捨てデスヴォイスを乗せて激しくたたみかけつつ、楽曲には知的な展開力もある。
モダンなアグレッションの中に壮大な作風が見えて来るという、ポストロックばりの雰囲気もあり、
効果的に使われるシンセやコーラスなども、甘すぎないくらいにサウンドに厚みを加えている。
硬派な音作りなので、ぱっと聴きには愛想はよくないが、コンセプチュアルな質感はProgMetal的であるし、
むしろDREAM THEATERをデス化したような部分もあって、その筋にも受けるかもしれない。

メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ProgMetal風度・・8 総合・・8



SADIST 「Sadist」
イタリアの伝説のプログレッシブデスメタルバンド、サディストの5th。2007作
メロデスという言葉のなかった時代に、叙情的なメロディを取り入れた1stAbove the Light
大胆にシンセを導入したプログレッシブデスの傑作、2ndTribe、この2枚の作品はとても衝撃的であったが、、
そのSADISTが2000年の4th「Lego」以来、7年ぶりにアルバムを出した。
肝心のサウンドの方も、2nd「Tribe」での
プログレッシブなテクニカルさを前面に出した作りで
そこに高い演奏力と知性を加えた、まさにサディスト節ともいうべき充実した内容となっている。
効果的なシンセの使い方は実にプログレ的で、変則リズムとギターリフの応酬に加え、
随所にオリエンタルな音階も取り入れるなど、彼らの独自のセンスが活かされている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 サディスト度・・9 総合・・8
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CYNIC 「Traced in Air」
伝説のプログレッシブ・デスメタルバンド、シニックの復活作。2008作
伝説的傑作「Focus」1枚を残し、中心人物のショーン・マローンは、その後、GRDIAN KNOTをはじめ、
AGHORAへの参加やソロワークなど、地道な音楽活動をしていたが、この度ついにCYNICで復活した。
なにやらスペイシーで神々しいジャケのイメージとリンクするように、そのサウンドは内的宇宙を思わせる
深みのある雰囲気で、かつての芸術的な感性はそのまま。テクニカルでありながら、決して弾きまくるのではく、
プログレッシブな知性を感じさせる演奏には、淡々としたヴォーカルとマッチするような繊細さが光る。
一部デス声も使用しているが、OPETHなどと同様に、音を通じて静と動、悲しみと怒りの表現を
描いているというイメージで、全体的にも美しくすらあるプログレ的な作品に仕上がっている。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 芸術度・・8 総合・・8
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Barren Earth 「Curse of the Red River」
フィンランドのゴシック・デスバンド、バレン・アースのアルバム。2010作
いかにもフィンランドらしい叙情的かつメランコリックなフレーズを奏でるツインギターに、
うっすらとしたシンセが絡み、そこに咆哮するスクリームヴォイスを乗せたサウンドは、
ゴシックメタル的でもある。ほのかに漂うプログレッシブな香りはOPETHなどを思わせる部分もあり、
単なるメロデス、ゴシックの枠にとらわれない雰囲気と巧妙なアレンジが気に入った。
ときに土着的な色をまじえながら流麗なメロディを奏でるツインギターのセンスもなかなかだし、
バックで鳴るメロトロン的なシンセの音も、どこかおどろおどろしく幻想的だ。緩急の中にノーマル声を織りまぜたり、
繊細なフルートやピアノの音色も使うなど、キメ細かな構築センスが素晴らしい。
メロディアス度・・8 OPETH風センス度・・9 メランコリック度・・8 総合・・8.5
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◆テクニカルデスの進化形

CRYPTOPSY 「Unspoken King」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーのアルバム。2008作
ヴォーカルが代わり、新たに女性シンセ奏者も加入した6作目。
怪物的な超絶ドラムを中心にしたブルータルでテクニカルな質感はこれまで通りだが、
そこに歌声を使い分けるヴォーカルとともに、いくぶんモダンな感触を取り入れていて
最近のコア系リスナーにも対応したようなサウンドともなっている。
今までのドライなテクニカル一辺倒のデスメタルから、どことなくミステリアスな
ドラマ性も感じられるようになって、個人的にはこれはこれで気に入った。
なにより、曲としてちゃんと聴けるというのが嬉しい。この脱皮は正解だと思う。
メロディアス度・・5 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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MESHUGGAH 「ObZen」
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーの6th。2008作
アルバムごとに硬質なギターリフの強度を高め、無機質なメカニカル化を極めてきたこのバンド。
本作のサウンドも、基本はテクニカルなリズムに反復リフのキメによるメシュガー節なのだが、
今回は4、5分台の曲を中心に、意外と曲として聴き安い(以前に比べると)作りになっている。
フレドリック・トーテンダルの8弦ギターの奇妙なリフに加え、うねるようなベースの音も目立っており
硬質一辺倒だった前作よりも、バンドとしてのアンサンブルが前に出てきている印象だ。
ザクザクとした無機質感の中にもリズムのハネとグルーブを打ち出してきたことで、
怪物のような不気味さは減退したが、音楽としてのまとまりの点ではリスナーを増やすかもしれない。
硬質度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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GORGUTS 「Obscura」
カナダのデスメタルバンド、ゴーガッツの3rd。1998作
1991年にデビューした当時は、暴虐なデスメタルバンドであったようだが、
本作ではなかなか凄まじいテクニカルでヘンタイ気味のサウンドとなっている。
緩急をつけた非常にせわしない展開に、普通ではない耳障りなギターリフなを盛り込んで、
ブルータルな激しさの中にも、奇妙な知的さとメンバーの確かな技量の高さを覗かせている。
強力なドラムももちろんだが、このバンドの場合ベースの上手さもポイントになっていて、
演奏上の密度がそのまま作品としての不気味な気持ち悪さ=変態感覚につながっている。
ヴォーカルの低音デスヴォイスも含めてオールドなデスメタルのスタイルに、極端さを盛り込んだ怪作。
メロディアス度・・5 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Martyr 「Feeding the Abscess」
カナダのテクニカル・デスメタルバンド、マーティアーのアルバム。2007作
デビューは1991年と古く、本作は3作目らしい。サウンドは、いかにもカナダらしいカッチリとした硬質感と、
複雑な展開力、ヴォーカルは吐き捨て形ながらそう汚くもない。ザクザクとしたギターで変則リズムを刻みながらも、
要所ではプログレッシブな美しさをふっと覗かせるなど、テクニカルなだけでない構成力とセンスも持ち合わせている。
全体的には、CRYPTOPSYMESHUGGAHをずっと聴きやすくした感じといえばいいのか、音のスケール感もあるし、
ほのかに古き良きスラッシーなメタル感覚も感じさせる。同郷のVOIVODのカヴァーをやっているのもなんとなくうなずける。

メロディアス度・・6 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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THE FACELESS 「PLANETARY DUALITY」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、フェイスレスのアルバム。2008作
激烈なブラストビートでCRYPTOPSYばりに始まったと思いきや、
変則リズムによるキメと、矢継ぎ早の展開に唖然となりつつ、
硬質なリフの合間に聴かせるギターのフレーズにはときおりメロディもある。
咆哮するデスヴォイスの暴虐性とは反対に、知性的な冷徹さも漂わせており、
曲によってはイントロにシンセを使ったり、ミステリアスな雰囲気も感じさせる。
基本的にはドカドカとブルータルで激しいサウンドなのであるが、
曲はどれも短めで、聴き疲れて飽きる前にスパッと終わるのもいっそ潔い。
メロディアス度・・6 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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BRAINDRILL「Apocalyptic Feasting」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、ブレインドリルのアルバム。2008作
これは本当に凄いです。ジャケはおバカ系のSFみたいですが、サウンドはもう…
CRYPTOPSYを超えるくらいの強烈なテクニカルデスメタル。あははー、気が狂ってます。
マシンガンのような凄まじいブラストビートに、テクニカルなギターフレーズが重なり
全編キメとユニゾンの超絶プレイ。これが異常すぎて馬鹿に聴こえる…という。笑
しかしながら、それでいて高速のギタープレイにはメロディらしきフレーズも聴け、
これが騒々しさのわりにちゃんと聴けてしまうという…不思議な整合感なのデス。
メチャクチャなようでいてカッチリしている。驚異の超人的テクニカルデス!腰抜かします。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・10 総合・・8.5
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Anomalous「Ohmnivalent」
アメリカのテクニカルデス、アノマロスの2011年作
BRAIN DRILLTHE FACELESSに在籍したドラマーを擁するバンドで、
こちらも上記バンドを彷彿とさせるような超絶テクニカル変態デスメタル。
ブラストビートでたたみかける暴虐さとスウィープを含んだテクニカルなギターワークで、
音の隙間を埋めてゆくような濃厚サウンドだ。ヘンタイすぎたBDに比べると
こちらはまだ音に美意識というか、シリアスな格好良さのようなものがあって、
変則リズムの中にも、やりすぎ一歩手前で抑えるような構築センスが感じられる。
ブルータルかつテクニカル、そして荘厳なドラマティックさもかいま見える濃密作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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◆プログレッシブなブラックメタル作品

EMPEROR 「PROMETHEUS THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE
ノルウェーのシンフォニック・ブラックメタルバンド、エンペラーの4th。2001
高品質かつプログレッシブなブラックメタルとして
妥協なく暗黒美を極めてきたこのバンドも、
ついに終焉を迎えることとなった。前作3rdから顕著になった
プログレ的な展開力今作でも存分に発揮し、
激烈でありながらも非常に知性的で、ある意味メロディアスなサウンドだ。
普通声をたくみに生かし、曲は激速パートとテクニカルパートを見事に融合、
シンフォニックな展開と切り返しの多い楽曲は聴き応え十分である。
1stがややマイナー寄りの暴虐ブラックメタルであったことを考えると、恐ろしい進歩だ。
今後このバンド以上にブラックメタルというジャンルを深化させるバンドが果たして現れるだろうか。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・8 知的センス度・・9 総合・・9
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SOLEFALD 「IN HARMONIA UNIVERSALI」
ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの4th。2003作
1stの時点からすでにただのシンフォニックブラックではない、そのアートな感性とセンスの良さから
もっとも「プログレ受けするデス系」バンドとして注目してきたが、本作も期待通りの出来である。
ここに至って激速パートはほとんどなくなり、ブラックの要素としてはVoのしわがれ声くらいだが
それさえも普通声のパートが多いこともあり、もはやデス/ブラックというカテゴライズは不可能か。
今回はキーボードの音色をピアノやハモンドをメインにしており、サウンド的に70年代風の試みがなされている。
それに対してコーラスによる声の重ねやギターのヘヴィさがコントラストになっていて実に奥深い音像だ。
呪術性と芸術性、過去と現在、激烈と静謐を音に詰め込んだ見事な作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8.5
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AKERCOCKE「CHORONZON」
イギリスのブラックメタルバンド、アカーコッケの2nd。2003作
1stの時点から、奇妙で唐突な展開や変拍子などを取り入れた変態ぎみの
プログレッシブなアプローチが面白い暴虐ブラックサウンドだったが、
この2ndではさらに全体的にアレンジの整合感のようなものが出てきて、
テクニカルでプログレ的な展開がごく自然に聴こえるようになっている。
とはいうものの、剛速な所はブラストしまくりで、わめきまくりなので軟弱さは微塵もなく、
むしろその激しさと、ノーマル声パートや静寂部分とのメリハリが明確についた感じがする。
演奏力もかなり高く、変態ブラックとしては非常にクオリティの高いバンドだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8
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AXAMENTA 「eVeR-ARch-][-teCh-tURe」
ベルギーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、アクサメンタの2nd。2006作
知的さをただよわせた構成と、ザクザクとしたスラッシーなリフで硬派に疾走しつつ、
バックにはDIMMU BORGIRCRADLE OF FILTHのような荘厳なシンセワークが美しい。
そしてプログレッシブな曲展開やリズム面での複雑なキメは、EXTOLあたりを思わせるセンスで、
これがまたいちいちカッコいい。メンバーがPAIN OF SALVATIONが好きだというだけあり、
ProgMetal的なコンセプチュアルな雰囲気と濃密な世界観をたっぷりと感じさせる。
ダークな冷気とシアトリカルな構築性、そしてブラックメタルとしての激しさを併せ持ちつつ
オールドなスラッシュメタル的質感も有した、まさにエクストリーム系のミクスチャーサウンドである。
メロディアス度・・7 プログレッシブ度・・8 知的センス度・・9 総合・・8.5
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IHSAHN 「angL」
EMPERORイーサーンのソロ2作目。2008作
前作「Adversary」もプログレッシブな好作だったが、今作でも彼の美意識とセンスとが存分に発揮された
見事な作品となっている。クラシカルなシンセアレンジで華麗に聴かせつつ、ときに暴虐な突進力もあり、
かつてのシンフォニック・ブラックメタルアーティストのアイデンティティをまざまざと見せつける。
イーサーン自身のヴォーカルも情念の深みを増していて、前作よりも迫力があって、
ノーマル声で歌う叙情パートなどはときにOPETHなどを思わせる部分もある。
シンセをバックにテクニカルなギターリフや、メロウなフレーズが交互に顔を出し、
楽曲は緊張感と荘厳な空気に包まれていて、最後まで聴き手を飽きさせない。
シンフォニック度・・7 プログレッシブ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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In Lingua Mortua 「Bellowing Sea」
ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、イン・リングア・モーテュアのアルバム。2007作
なにやら静かで上品なイントロから、曲が始まるとEMPERORばりに疾走するブラックメタルに突入。
しかしながら、ヴァイオリン、サックス、フルート、ピアノなどを使用したクラシカルな優雅さや
どことなく知的さを感じさせる展開美などは、プログレブラックの先輩、Solefaldあたりを思わせる。
そして、なんと、
ブラックメタルなのにメロトロン使ってますよ、奥さん!これがなかなかハマっていて、
メロトロンの響きがどこか時代的なレトロさを、いい意味でサウンドにもたらしていたりします。
そういう点ではイーサーンのソロ作などにも通じる芸術的センスがあり、その筋には激しくお勧めです!
クラシカル度・・8 暴虐度・・7 プログレブラック度・・8 総合・・8
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Enslaved 「Vertebrae」
ノルウェーのヴァイキング・ブラックメタルバンド、エンスレイヴドのアルバム。2008作
あれ、Enslavedってこういうバンドでしたっけ?…もっと暴虐に疾走するイメージだったのだが、
長くやっているとサウンドも変化するということか。ノーマルヴォイスを効果的に使ったり
適度に知的な展開力を聴かせるプログレッシブな雰囲気は、むしろSOLEFALDなどに近づいたか。
一聴しただけだと曲が地味に感じるし、暴虐なヴァイキングブラックを好む向きには勧められないが、
SOLEFALDやARCTURUSなど、プログレッシブなバンドが好きなら本作も気に入るかと。
5曲目あたりのシンフォニックブラック的な質感がもう少しあれば、素晴らしい傑作となったかも。
メロディアス度・・7 暴虐度・・6 知的プログレ風味度・・8 総合・・8
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ABIGORTime Is the Sulphur in the Veins of the Saint
オーストリアのブラックメタルバンド、アビゴルの2010年作
デビューから15年以上のベテランで、初期のプリミティブなブラックメタル路線から、
前作からはプログレッシブでサイバーな方向性へとシフトしていたが、
おそらく8作目である本作は、19分、18分という大曲2曲という極端な構成となった。
暴虐なブラストビートでたたみかけながら、アヴァンギャルドな展開と起伏に富んだ
プログレッシブな構成と、デジタリィでサイバーな世界観を合わせた個性的なサウンドである。
ドラマティック度・・8 サイバーブラック度・・8 知的アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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SIGH「GALLOWS GALLERY」
日本の芸術的プログレ暗黒美メタルバンド、サイの6th。2005作
音の方はジャケほどにはダークではなく、ヴォーカルもノーマル声がメインで、
ゲストによるサックスの使用など、ジャンルを超えたプログレッシブなマインドを匂わせている。
相変わらず素晴らしいのが、
キーボードによる美しいオーケストレイションや、曲中でのSEなどで、
その唐突とも思える使用法、楽曲アレンジの方法論は演劇的であり、じつに耳に刺激的。
壮大でクラシカルなサントラ風のパートもあり、ややレトロなオルガンの音色や
サンプリングによる混声コーラスなど、今まで以上に多彩なサウンドが聴ける。
雰囲気としてはSOLEFALDあたりにも近づいたかという印象だ。日本が誇るアートなブラックメタル。
メロディアス度・・8 内的プログレッシブマイン度・・9 芸術度・・9 総合・・8
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◆変態系テクニカルメタルの系譜

MEKONG DELTALurking Fear
ドイツのテクニカルメタルバンド、メコン・デルタの復活作。2007作
鬼才ラルフ・ヒューベルと率いるバンドの、約10年の沈黙を破ってまさかの復活。
サウンドの方は、たとえメンバーが変わろうとも、楽譜から曲を起こすラルフの作曲法と、
実力者揃いの演奏陣のおかげで、まさに往年のメコンデルタそのものといってよい。
複雑に絡むギターとベースによる細かなキメの連続に、これでもかという変拍子リズム、
そして、ある種荘厳ですらあるクラシカルでストイックな空気が聴き手の脳を刺激する。
変態系メタルとして、芸術的なアートメタルとして、再び味わえる彼らの音楽を存分に楽しみたい。
恒例のクラシック本家取りカヴァーはショスタコーヴィッチの「交響曲第10番」。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 メコンデルタ度・・9 総合・・8.5
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SPIRAL ARCHITECT「A SCEPTIC'S UNIVERSE」
ノルウェーのテクニカルメタルバンド、スパイラル・アーキテクトのアルバム。2000作
かつてWATCHTOWERというバンドが、テクニカルな変拍子型のスラッシュメタルを標榜し、
後続のバンドたちに大いなる影響を与えたが、このバンドはまさに現代版WATCHTOWERともいうべき
凄まじいサウンドで現れた。変則リズム複雑なキメの連続、テクニカルなギターリフの応酬を
ある種のジャズ的な軽やかさでやってのける。そこにかつてのFATES WARNING的な、
浮遊感のあるヴォーカルメロディが加わり、聴いていて脳がかき回されるような気持ち悪さが
変態メタル好きにはたまらない快感となる。ちなみにバンドはこれ1枚出してから休止したようだ。
たしかに、こんなの2枚も作れない(笑)日本盤ボーナスにはそのFATES WARNINGのカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8
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SPASTIC INK「INK COMPATIBLE」
アメリカのテクニカルメタルバンド、スパスティック・インクの2nd。2004作
メンバーは、WATCH TOWERのギタリスト、ロン・ジャーゾンベクを中心に
その兄のボビー・ジャーゾンベク(RIOT〜HALFORD)、ピート・ペレス(元RIOT)という布陣。
サウンドは矢継ぎ早の展開に、奇妙なブレイクの間を多用した、変則リズムの嵐で
「メタリック変態プログレジャズ」的なアプローチは実に耳に気持ち良く、(←気持ち悪く)
ドラムの素晴らしい技量ともども、聴き込むにつれ気が変になってゆく…(←褒め言葉))
曲として(意外に)作り込まれていて、テクニカルメタルのアルバムとしても完成度は高い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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BEHOLD...THE ARCTOPUS「Skullgrid」
アメリカの変態系テクニカルメタルバンド、ビホールド...ジ・アークトプスの2nd。2007作
一聴して音に説得力が備わり迫力がでてきた。楽曲の構造にも隙がなくなった。
いわゆるWATCHTOWER系の異常なリズムとキメの連続ながら、
ときにメロディ的なフレーズも織りまぜるなど曲作りにも余裕がでてきた感がある。
ついに彼らも名実共に一流の変態メタルの仲間入りを果たしたといえるだろう。
33分という長さながら、濃密な演奏にはお腹いっぱい。素晴らしき変態メタル。
メロデス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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CANVAS SOLARIS「Penumbra Diffuse」
アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2nd。2006作
変拍子リズムによる
テクニカルな変態メタルで、いわゆるWATCHTOWER系のサウンド。
演奏がやや平坦だった前作に比べ、今回は音に垢抜けたようなこけおどし感が加わり、
曲調が明瞭になったおかげで格段に迫力が増した。変則リズムの上で絡まる2本のギターは、
単なるゴリゴリのリフを弾くのではなく、前作以上にメロディを奏でており、ある意味でとても聴きやすい。
また、押すだけでなく、ときおりプログレバンドとしての広がりのある世界観を聴かせ、
シンセやアコースティックギターやパーカッションなども効果的にサウンドにメリハリを付けている。
ベースの充実ぶりも前作には感じなかったものだし、リフそのものに流れが感じられるようになったことで、
複雑な演奏ながら曲としてもしっかり聴ける。この手の変態系メタルとしては、手応えのある快作だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
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OCTOPUS 「BONSAI」
チリのテクニカル・メタルバンド、オクトパスの2nd。2006作
ギター2人にドラム、ベースという4人組で、オールインストのテクニカルメタルをやっている。
ギター によるヘヴィなリフを主体に、シーケンサーを取り入れたモダンなアプローチもあり、
テクニカルなキメと即興一歩手前の演奏でたたみかけるなど、一筋縄ではいかない。
音像はメタルながらも心はプログレッシブということか。 ときおりMESHUGGAH状態になる。
ザクザクなリフがメインながらも、ときおりメロディアスなフレーズを折り込んでくるので、
聴いていてさほどは疲れない。ヴァイオリンやチェロなどをゲストに迎えた曲もあり、
この手の
変態テクニカル系としてはセンスも演奏力も抜群だ。SPASTIC.INK
CANVAS SOLARISなど、変態系メタルマニアは要チェック!
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8
総合・・8
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BELIEVER「Gabriel」
アメリカのテクニカル・スラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの復活作。2009作
1993年の「Dimentions」以来となるアルバムで、メンバーはVo/GとDrを中心に、
新たなメンバーも加わっているようだ。サウンドの方は、かつての2ndの延長上で
スラッシーなザクザクのギターリフを、知的な展開力とともに聴かせるスタイルは変わらず。
よりクリアになった音質で、テクニカルなスラッシュメタルを楽しませてくれる。
また、3rdで聴かせたようなプログレッシブな要素もしっかりあって、思わずにやりとさせられる。
独特のセンス溢れる変則的な知的スラッシュ…キワモノ好きの方にもぜひ。マイスペはこちら
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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CONFESSOR「Unraveled」
変態系ドゥームスラッシュバンド、コンフェッサーの2nd。2005作
1992年に伝説的な変態メタル傑作Condemnedを発表後(この1stはその後高額なプレミアが付く)

そのまま消えたかと思われたこのバンドが、なんと10数年ぶりに復活した。
サウンドの方はドゥーミーなスローさと、変則リズムの嵐による変態系サウンドで
浮遊感のあるヴォーカルがややミスマッチながら、アンサンブルがしっかりとしていて案外聴きやすい。
要となるのは、なんといっても
スティーブ・シェルトンの超絶なドラムプレイで、
絶妙のタメとグルーブを作り出しながらも、怒濤の変拍子を叩く様は圧巻だ。
昨今なかなか珍しい
遅めの変態系メタルということで、じっくりと聴き込んで悶絶しよう。
メロディアス度・・6 遅いけどテクニカル度・・8 遅いけど変態度・・9 総合・・8
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◆プログレッシブでゴシック風味もあるバンド

Ebonylake 「On the Eve of the Grimly」
ノルウェーのプログレッシブ・ゴシックブラックメタル、エボニーレイクのアルバム。1999作
女性Vo、女性Keyを含む7人組みで、サウンドは異常ともいえるような変則クラシカル・ブラックメタル。
男女ヴォーカルのシアトリカルな絡みに、シンセ入りでオペラティックな美しさを垣間見せつつも、
ブラストビートで強烈にたたみかける。そのブラストすらも変拍子という始末だから思わずにんまりだ。
こうしたシアトリカルな手法はゴシックメタル的なのであるが、そこを無理やりブラックにしているのが素晴らしい…
というか変態的だ。レビュワーのM氏が某B!誌で「気持ち悪くて二度と聴きたくない」と書いていたのは、
むしろ変態音楽愛好家には最高の褒め言葉であろう。異形のオペラティック変態ブラックメタル。凄いです。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 変態度・・10 総合・・8
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GREEN CARNATION 「LIGHT OF DAY, DAY OF DARKNESS」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、グリーン・カーネーションの2nd。2002作
元々はIN THE WOODSの前身バンドだったが、EMPERORSATYRICON等を渡り歩いた
中心人物のTCHORTが戻ってきたことで再結成されたということらしい。本作はなんと全1曲60分。
IN THE WOODSのメンバーに加え、シンセやコーラス隊を加えた大がかりな構成である。
デス声はほとんど入らず、ゆるやかに展開してゆく楽曲の中をクリーンVoが朗々と歌を載せる。
さすがにギターのメロディなども煽情的で、インナーの写真同様、北欧の自然を感じさせる世界観だ。
長大な楽曲や、プログレ的な叙情美などは、ある部分OPETHなどにも通じるセンスがある。
メロディアス度・・8 北欧的叙情度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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NOVEMBRE「NOVEMBRINE WALTZ」
イタリアのゴシックメタルバンド、ノヴェンブレの4th。2001作
たゆうたような浮遊感のもの悲しい雰囲気のゴシックメタルサウンド。
1曲目の間奏で顔を出す“白鳥の湖”のフレーズもとてもハマっているし、
メロウなギターフレーズとマイルドな声とデス声をたくみに使い分けるセンスなどは、
プログレッシブな感覚という意味でのOPETHなどにも近い部分もある。
疾走するパートもあれば、女性Vo取り入れたり、さらにはアコースティックパートの導入など
案外いろいろな要素が混じっていて、それが上手く合わさり芸術的な質感となっている。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・7 メランコリック度・・8 総合・・8
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RAM-ZET 「ESCAPE」
ノルウェーのインダストリアル・ゴシック・ブラックメタルバンド、ラム・ゼットの2nd。2002作
1stは未聴なのだが、この2ndを聴く限り、ブラックメタルというよりはゴシック側のバンドと思う。
爬虫類声の男Voに美声の女性声が絡まり、曲はデジタリィでありながらシンフォニックでもあり
ときおり疾走するところではブラックメタル要素もある。ようするにプログレ・ゴシックといってもいいサウンド。
インダストリアル系のヘヴィギターにクラシカルなピアノ、キーボード、ヴァイオリン、そして展開の激しい楽曲と、
ゴシックの耽美性とアヴァンギャルドかつ知的なセンスを覗かせながらも、なおメタルとして成り立っているのが凄い。
なんでもあり系のプログレゴシック(ブラック)という点でSOLEFALDなどにも通じるものがある。
テクニカル度・・8 変態度・・8 シンフォニック度・・8 総合・・8
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MYSTIC FOREST 「ROMANCES」
フランスのシンフォブラックユニット、ミスティック・フォレストの4th。2004作
このバンドの作品は初めて聴いたのだが、これはなかなか面白いですね。
ドラムが打ち込みなのが惜しいが、曲間にSEや女性の囁きを取り入れたり
ピアノによるクラシックのメロディを導入したりと、とてもアイディアが豊富で、
随所にアートな感性を感じさせる…いうなればプログレブラック的サウンドだ。
ゆったりとした部分でのギターのメロウなフレージングも実に心地よく、演歌泣きのクサメロに軽く悶絶。
アコーディオンの音色が土着的な質感を生み出していて優雅に疾走する部分などはけっこう新鮮。
クラシカルなピアノの音色に乗るフランス語の囁きがじつに上品に響きます。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 芸術度・・9 総合・・8



Winds 「Prominence and Demise」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、ウインズの3rd。2007作
過去の2作もOPETHGreen Carnationなどに通じる知的な楽曲センスで聴かせた傑作であったが、
このバンドの持ち味であるクラシカルな優雅さとアコースティカルでうす暗い叙情はそのままに、
今作ではよりプログレ風味なアレンジを効かせた、じつに見事なサウンドとなっている。
ときに女性ヴォーカルを効果的にまじえたり、ヴァイオリンなどのストリングスも優雅に鳴り響きつつ、
芸術的な世界観を描き出している。楽曲作りにおいては“プログレッシブなブラック”の質感が出てきて、
むしろSolefaldあたりにも近い雰囲気となった。どちらにしても素晴らしい作品である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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ENID 「Seelenspiegel」
ドイツのシンフォニック・ゴシック・ブラックメタルバンド、エニドの3rd。2002作
前作はクラシカルな中世ゲルマン風ゴシックとでもいうべきサウンドで気に入ったが、
この3rdではより聴きやすくなったシンフォニックなゴシック・ブラックが楽しめる。
朗々とした男性ノーマル声の歌唱を中心に、楽曲はときに壮麗に、ときにゆるやかに展開し
その芸術的な雰囲気はSOLEFALDあたりにぐっと近づいたような印象を受ける。
ときおりシンフォブラックメタル風のパートもあり、シンセによる
土着的なクサメロも効果的で、
クラシカルで大仰でありながらも少し田舎臭い、という不思議な味わいもある。
ただのシンフォブラック、ゴシックでは飽き足らないという方なら、きっと気に入るバンドだろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 暴虐度・・6 総合・・8
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◆ミクスチャー系

STRAPPING YOUNG LAD 「The New Black」
鬼才、デヴィン・タウンゼント率いる、ストラッピング・ヤング・ラッドのアルバム。2006作
ザクザクでありながら知的さを感じさせるギターリフで、ときにブルータルに疾走し、
スラッシーでありつつもどこかひねくれていたりとヘンタイ気味にたたみかけるサウンド。
ジーン・ホグランの存在感のあるドラムプレイもさすがであるが、
ヤケクソ気味にがなりたてるデヴィンのヴォーカルもインパクト大だ。
ときにブラスなども加わって、ミクスチャー気味に、そして遊び心と大仰なハッタリ精神で、
レトロなメタルのアグレッションとモダンさを混在させて聴かせるサウンドは一聴の価値ありだ。
メロディアス度・・6 激烈度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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UNEXPECTUn A Flesh Aquarium
カナダのカオティック・クラシカルメタルバンド、アンエクスペクトの2nd。2006作
ヴァイオリンに男女Voも含む7人組で、変態的かつアヴァンギャルドなサウンドには
ゴシックメタルやブラックメタル風の要素もありつつ、変則リズムと矢継ぎ早の展開に唖然となる。
男女Voのオペラティックな歌唱にはシアトリカルな質感もあり、ピアノやヴァイオリンのクラシカルな響きと
デス声やブラストビートなども折り込んで、優雅なのかやかましいのかまったく分からない、

変態メタルの濃密さ
が凝縮されている。思い出すのはイギリスのEBONY LAKEであるが、
こちらの方がさらに濃い(笑)全体を包むのはゴシックメタル風の雰囲気だが、このアヴァンギャルドで
極端な音には耽美系の変態メタルファン(?)にはたまらないものがあるだろう。まずは聴いてください。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 ヘンタイ度・・10 総合・・8
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Between the Buried and Me 「COLORS」
アメリカのカオティックコア系バンド、ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィの4th。2007作
最近はジャンル分け不能のミクスチャー系のバンドがよく出てくるのだが、これはその極めつけ。
スクリームヴォイスでブルータルに疾走しながらも、プログレ的な美しさにエモのような叙情性もあり、
破天荒な展開の激しさという点ではキワモノ系と言ってもいい。10分以上の長曲を平然とこなしつつ、
コア系メタルのモダンなヘヴィさとともにテクニカルな変則リズムでたたみかけてゆく。
プログレッシブな感性の中に、ポストロック的な壮大な知的ヴイジョンも垣間見え、
単なるアヴァンギャルドなだけのバンドにはない構築センスを感じさせる。
息つく暇のない緊張…混沌たる整合感、プログレッシブでブルータル…つまり非常に格好いいのだ。
メロディアス度・・7 テクニカルでブルータル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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SHINING「Blackjazz」
ノルウェーの変態メタル系プログレバンド、シャイニングの5th。2010作
もともとはKING CRIMSON/レコメン系のプログレバンドだったらしいが、今作のインパクトは凄い。
激しくたたみかけるドラムに乗せる歪ませたサックス、そしてまるでブラックメタルばりに
絶叫するスクリームヴォーカルと、タイトルのようにブラックメタルとアヴァン・ジャズロックの融合という
一種異様なまでのサウンドを作り出している。ノイジーでアヴァンギャルドな音像の中に、
インダストリアルなシンセアレンジや、変則リズムのテクニカルな知的さも織り込んで一筋縄ではいかない。
曲によってはMeshuggahあたりのファンにも対応。ラストはクリムゾンの“21世紀の精神異常者”のカヴァー。
変態プログレ度・・8 変態ジャズ度・・7 変態メタル度・・8 総合・・8
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*CDレビューテクニカル/変態系
*特集ページ「変態な音楽のススメ」
*特集ページ「ブラックメタル傑作選」
も併せてご覧ください


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