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北欧シンフォニック新世紀
通常プログレといえば、ブリティッシュロックか、あるいはイタリアンロックを挙げる方が多いことでしょう。
しかし、私の場合は、最も感性に合う音楽性(メロディ)を感じたのは北欧のバンドたちでした。
70年代の北欧のプログレシーンは、KAIPAやSAMLAなど一部のバンドを除いては、録音や機材の面での遅れもあってか、
音楽的なクオリティにおいてイギリスやイタリアのバンドに対抗できるバンドは数えられるくらいしかなかったと思います。
そんな中でも、KAIPAとDICEの残したアルバムは、現在のシンフォニック系バンドの作品にもひけをとらないだけの
素晴らしいメロディと北欧的な叙情美を有していたと思います。

80年代に入ると、北欧のプログレシーンはほぼ壊滅的にしぼんでしまいます。
そこには商業音楽の台頭と、北欧系HR/HM系バンドのめざましい活躍もあり、
プログレッシブロックがもはや一般の人々の関心を買わなくなったということもあったでしょう。
そんな状況下でも、スウェーデンではISILDURS BANE、TRIBUTE、ノルウェーではKERS PINK、
フィンランドではPEKKA POHJOLAといったアーティストが、商業音楽とは無縁に地道な活動を続けてゆきます。

90年代に入ると、マイナーながらスウェーデンからLANDBERK(後のPAATOSの母体)が現れ、
続いて、それまでの北欧シーンの停滞を一変させるような作品が登場します。
それがANGLAGARDの1st「hybris」でした。
北欧的な薄暗さと土着性、そしてメロトロンによるレトロな質感を織りまぜたそのサウンドは、
まさに過去と現在をつなげるシンフォニックロックの金字塔的作品となったのでした。
それに呼応するかのように、KAIPAのギタリストであったロイネ・ストルトが「THE
FLOWER KING」というアルバムで復活します。
そこにはあったのはまぎれもなく、かつてあったプログレッシブな精神と、北欧らしい豊かなメロディの詰め込まれた音楽でした。
ロイネ・ストルトはこの後、THE FLOWER KINGSを結成し、後の北欧シンフォニック興隆の牽引役となるのです。
さらに、ANGLAGARDの後を受けて登場したANEKDOTENは、メロトロンを大々的に使用したレトロなサウンドと
初期クリムゾンのヘヴィさと暗い翳りを有して、あっと言う間にプログレファンの心をつかんだのでした。

そうして、新世紀を迎えた現在、インターネットなどの発達により北欧のバンドたちは世界中でしだいにその認知度を深めてゆきます。
THE FLOWER KINGSを筆頭に、PAR LINDH PROJECT、さらにはKAIPAの復活や、ANEKDOTENの成功などもシーンの拡大に拍車をかけ、
それとともにスウェーデンのみならずノルウェーやフィンランドなどからも、新世代のシンフォニックロック系バンドが次々に登場してゆきます。
こうして、かつては辺境の土地とされていたスカンジナヴィアは、現在ではシンフォニックロックの最重要拠点となりつつあるのです。
以下では、近年の北欧の傑作シンフォニック/プログレ作品を厳選して紹介します。
2007.5.14
緑川 とうせい
北欧シンフォニックプログレ40選
2000年以降の傑作アルバムを厳選しました
シンフォニック系
〜メロウな叙情性を堪能する
THE FLOWER KINGS 「PARADOX HOTEL」
北欧シンフォニックロックの代表、フラワー・キングスの2006年アルバム。
今回はジャケからしてコミック調で、架空のホテルを舞台にしたファンタジックなコンセプト作品。
全体的にゆったりとした優雅なサウンドで、ロイネ・ストルトのメロウなギターフレーズに
トマス・ボーディンの包み込むような優しいキーボードワークが美しい。
CD2枚組みの大作ながら、かつての「RETROPOLIS」のような、力の抜けた自然体の好作品だ。
たたみかけるような演奏ではないし、disc2ではややブルーズ色が入っているが
メロディアスな質感とシンフォニックさの点ではここ近年一番のアルバムかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・9 総合・・8.5
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KAIPA 「MINDREVOLUTIONS」
復活カイパの3作目。2005作。
今作も全79分、シンフォニックサウンドが目一杯詰まっている。
初期のフラキンにあった陽性のメロディと聴きやすさを発揮しつつも、
決して古くさくならない現代風のポップセンスも取り込んでいるのもポイント。
ゆるやかな盛り上がりと爽やかさは北欧プログレ特有の質感で、
ハンス・ルンディンのキーボード、そしてロイネ・ストルトのギターをたっぷりと堪能出来る。
最近のフラキンより上かも…とすら思える、会心のシンフォニックロック作品。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN 「IAM」
THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボーディンのソロ4作目。2005作
23分、21分、18分の組曲3曲。参加メンバーは、TFKでおなじみのヨナス・レインゴールドに、
前作に続き、メインヴォーカルにアンダース・ヨハンソン、ギターにJOCKE JJ MARSHを迎えて
1曲めから爽快なシンフォニックロックが全開の快作。久々にトマスの弾きまくりのキーボードが堪能できる。
グレン・ヒューズバンドのメンバーでもあるJOCKEのギターもなかなか素晴らしく、
また二人の女性Voも効果的に楽曲を彩っていて、いいアクセントになっている。
サウンド的にはむしろフラキンの近作よりも分かりやすいので、曲は長いが初心者の方にも勧められる。
ソロ作というよりは、むしろ“作り込まれたシンフォ大作”というべき見事な作品だ。
シンフォニック度・・8 爽快度・・8 フラキンよりも聴きやすいかも度・・9 総合・・8.5
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PAR LINDH PROJECT 「VENI,VIDI,VICI」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの3rd。2001作
荘厳なイントロに続くのはかつてのELPもかくやというキーボードサウンド。
クラシックの基盤に裏打ちされたパル・リンダーのシンセワークは、フレーズの一つ一つに説得力があり、
また、メタル的なツーバスなどを使ったドラムも、手数が多く、少々やかましいが面白い。
毎回オーケストラやストリングスなどのゲストで分厚い音を作り出す彼らだが、
今回は基本的にはバンドでの演奏というものにこだわっているようで、音数は意外にシンプル。
全体としてクラシカル、シンフォニックでありながら北欧らしさを失っていないのが素晴らしい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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SIMON SAYS 「Tardigrade」
スウェーデンのシンフォバンド、シモン・セッズの3rd。2008作
GENESIS系のシンフォニックロックとして、前作もなかなかの出来だったが、
今作では曲にダイナミズムが加わって、さらによい感じになっている。
これでもかとたたみかけるシンフォニックなシンセワークを中心に、14分、26分という
大曲もドラマティックに展開させてゆく。(5曲目などはまるで“Firth of Fifth”のよう)
ガブリエルをヘナチョコにした感じのヴォーカルは好みが分かれるかもしれないが、
最近ではむしろ珍しい、恥ずかしげもないほどの堂々たるシンフォっぷりが素晴らしい。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 コテコテ度・・10 総合・・8.5
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RETROHEADS 「Retrospective」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、レトロヘッズのアルバム。2004作
Vo、Key、G、Bを一人でこなすTore Bo Bendixenを中心としたバンドで、
インストメインの流麗かつたおやかなシンフォサウンドを作っている。
CAMELかTFKのロイネ・ストルトかというようなメロウなギターが心地よく、
まるでフラキンのメロディアスな部分を取り出したような印象。
北欧らしい涼やかな叙情に、温かみのある少し素朴なメロディが耳に優しい。
北欧シンフォ好きはツボを突かれることうけあいの一作。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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ETCETERA 「Tales of Ardour and Deceit」
デンマークのシンフォニックロックバンド、エトセテラのアルバム。2003作
バンドの詳細は不明だが、G&B&KeyとDrの二人組らしい。
メロトロンをはじめ、広がりのある北欧らしいキーボードワークでメロディアスに聴かせつつ、
どこかヒネた演奏と、先の読めない曲展開がなかなか個性的でもある。
10分以上の大曲を中心にじっくり聴かせるタイプの曲が多く、
きれいなだけの北欧シンフォバンドとは一線を画す、不思議なスケール感がある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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メロディック系
〜やさしいメロディを楽しむ
MOON SAFARI「Lover's End」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2010年作
前作の2枚組アルバムが泣くほど素晴らしかったのだが、今作も繊細な叙情美が
素晴らしい傑作となった。やわらかなヴォーカルハーモニーと、美しいピアノとシンセワーク、
そして、ロイネ・ストルトかアンディ・ラティマーかという泣きのギターフレーズ、
涼やかな北欧の風を運ぶようなこの耳心地の良さには、またしてもうっとりとなる。
誤解を恐れずにいえば、かつての70年代のヒッピー世代におけるユートピア志向を、
感動的なまでの叙情性を込めて、心温まる青春偶像ドラマに仕立て上げたというべき、
ちょっぴり甘酸っぱい思い出を脳裏に甦らせるような、どこかなつかしいメロディがたまらない。
フラキンファンもきっと泣く。優しい叙情に感動。北欧繊細系シンフォニックの大傑作。
メロディアス度・・9 繊細度・・9 青春度・・9 総合・・9
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BROTHER APE 「On the other side」
スウェーデンのメロディアスプログレバンド、ブラザー・エイプのアルバム。2005作
サウンドの方は北欧というよりはアメリカ寄りのキャッチーさと抜けのよさがある。
ほとんどが5分前後のコンパクト曲で、無用な大作志向に走っていないのも聴きやすい。
KANSASあたりのメロディアスさに、ACTなどのさりげないテクニカルさを盛り込んだ
センスのよい現代風のメロディックロックで、ヴォーカルの爽やかな歌唱もあいまって、
SAGAあたりにも通じるプログレハード的な聴き方も可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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Brighteye Brison 「Stories」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの2nd。2006作
やわらかみのある歌メロ、コーラスワークはQUEENあたりを思わせ、
プログレというよりはしっとりとしたメロディアスロックとして鑑賞すると良いかもしれない。
たおやかなピアノ、メロトロンにメロウなギターのフレーズ、そしてマイルドなヴォーカルと
どこにも押しつけがましいところはなく、ゆるやかに、うっとりと楽しむことができる。
もちろん楽曲アレンジのセンスも見事で、ときおりACTあたりも思わせる洒落た展開もある。
優しいメロディアスシンフォ作。紅茶でも飲みながらいかが。マイスペで試聴可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 たおやか度・・9 総合・・8
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MAGIC PIE 「Motions of Desire」
ノルウェーのハードシンフォニックバンド、マジック・パイの1st。2005作
70年代風のハモンドと、ややハード寄りのギターが組み合わさったサウンドは相当の完成度。
テクニカルな展開の後に現れる、キャッチーなメロディが実に爽快で、
そうしたアレンジにおける吹っ切れの良さが大きな魅力となっている。
懐古主義と現代的なウィットという点ではSPOCK'S BEARDにも通じるものがあり、
とくにギターの奏でるメロディはTRANSATLANTICでのロイネ・ストルトをも思わせる。
しょっぱなに20分の大曲をもってきたり、ラストには組曲方式と、およそ新人離れした
自信に満ちていて、このシンプルなりんごジャケからは想像もつかない満腹感が味わえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 キャッチーかつテクニカル度・・9 総合・・8
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OVERHEAD 「METAEPITOME」
フィンランドのシンフォ系プログレバンド、オーバーヘッドの2nd。2004作
今作ものっけから19分の大曲。2作目にして音には自信と余裕すら感じられる。
レトロでありながらも現代的というTRANSATLANTIC(NEAL MORSE)系の感覚はいっそう顕著になり、
キャッチーなメロディセンスとGENESIS系のたおやかシンフォの要素を上手く融合させている。
楽曲におけるダイナミズムの付けかたがこなれてきたせいで、流れの中でドラマティックなメリハリがあり
もともと高かった演奏レベルでの表現力もぐんと上がっている。
こうなったら北欧のTRANSATLANTIC/SPOCK'S BEARDという存在でさらに大きくなっていって欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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Khatsaturjan 「Armed Forces of Simantipak」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、ハチャトゥリアンのアルバム。2005作
サウンドは軽快かつキャッチーメロディで聴かせる今風のシンフォニックロック。
初期のKAYAKにも通じるやわらかく聴きやすい音だが、それでいて北欧独特の清涼感も有している。
若手にしては演奏、アレンジ面ともにそつがなく、曲中におけるアイディアの多さも素晴らしい。
随所にクラシックの素養を見せつつも、それを自分達の表現方法に上手く取り入れていて、
この手にしては古くささも感じさせないし、ギターとキーボードの重ね方も凝っているのだが、
それでいてうるさすぎず、むしろスッキリとした感触で心地よく聴ける。北欧の若手としては非常に有望株。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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VIIMA 「Ajatuksia Maailman Laidalta」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、ヴィイマのアルバム。2006作
女性Voを含む4人組で、サウンドは軽やかなメロディアスシンフォニック。
たおやかな女性ヴォーカルの歌声にフルートも入ってしっとりと聴かせつつ、
CAMELあたりを思わせるギターワークもなかなか良い感じだ。
メロディにはトラッド的な土着性もあり、北欧シンフォとしての立ち位置もしっかりとある。
繊細なピアノやここぞと聴かせるメロトロンも美しい。
昨今北欧のトレンドとなった薄暗さはあまりなく、力まずに楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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ほの暗系
〜北欧の森を思わせる暗がりと倦怠の美
ANEKDOTEN 「GRAVITY」
スウェーデンのヘヴィ・シンフォバンド、アネクドテンの4th。2003作
北欧シンフォとしてはベテランとなるこのバンドだが、今作は非常に聴きやすいアルバムだ。
かつてのヘヴィさ、ダークさをやや抑え目に、バンドとして自然体で作り上げたという印象で、
いつも以上に心地よい歌メロは、プログレファンのみならず一般のリスナーにもアピールできるはず。
もちろん、彼らの最大の持ち味「メロトロン」もここぞという時には盛大に鳴らされ、
楽曲の叙情性に拍車をかけている。ヘヴィで暗鬱さを求めるリスナーには肩すかしだろうが、
純粋に気持ちよく聴けるという点で、評価できるアルバムであると思う。
シンフォニック度・・8 ヘヴィ度・・6 メロトロン度・・9 総合・・8
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PAATOS 「silence of another kind」
スウェーデンの女性Voバンド、パートスの3rd。2006作
ゆるやかなメロトロンの調べとたゆうたような女性ヴォーカル…
北欧らしい寒々しさと倦怠を感じるサウンドは、音数はシンプルで一聴して地味な印象だが、
内的な強度…というか彼らの目指す「密度を減らした薄暗い叙情の表現」という意味では
いままでのアルバムよりもむしろ徹底しており、ほぼ完全に成功しているといっていい。
昨今のPORCUPINE TREE系サウンドにも通じる音で、ある種好みを分けるものがあるだろうが
この鬱屈した美意識を生み出せるのは北欧ならではなのは確かだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧的薄闇度・・9 総合・・8
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CARPTREE 「Insekt」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの4th。2007作
今作では純粋にメロディと雰囲気に磨きがかかり、音の説得力がぐっと増している。
ゆるやかなシンセを中心にゆったりと聴かせる楽曲は、決して派手に盛り上がるわけではなく、
薄暗い叙情美をともなって、じわじわと耳に優しくしみこんでくるという印象だ。
いわゆるポーキュパイン系の北欧版というイメージだが、
もっとやわらかな幻想の空気に包まれているのが良い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったり薄暗度・・9 総合・・8
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THE PROVENANCE 「IHOW WOULD YOU LIKE TO BE SPAT AT」
スウェーデンのゴシック系メタルバンド、ザ・プロヴェナンスの3rd。2004作
1stの時点から北欧プログレ的な叙情性を男女Voのゴシックサウンドに取り込んでいたこのバンド、
この3作目も、のっけからバックでメロトロンが鳴り響く、まさにANEKDOTEN状態。
もはや「激しめのアネクドテン」あるいは「OPETH + メロトロン」というような雰囲気で
レトロな部分と、今風のモダンさもミックスされ、北欧情緒溢れるゴシックロックとして
他の追随を許さぬ絶妙な方向にまで来ている。その分、ややインパクトは薄れたかもしれないが、
サイケ、オルタナ、プログレ、シンフォニック、ゴシックと、どの耳で聴いても楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8.5
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WHITE WILLOW 「Signal to Noise」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの5th。2006作
アルバムごとに方向性が変化しているこのバンドだが、今回は前回までのゴシックメタル風味を保ちつつも
アンビエントな歌唱を聴かせる女性Voとともに、ねっとりとした絡みつくような色香が音にある。
明快なフレージングでアクセントをつけるギターや、もの悲しいフルートの音色も効果的で、
サウンドにはノルウェーのバンドだけにかもし出せるメランコリックな叙情性が溢れている。
曲ももちろん良いが、雰囲気ものとしても過去最高の出来で、新Voの表現力も実に素晴らしいし、
シンセのアレンジなども、嫌味でない位のモダンさの同居に成功していて、作品の完成度を高めている。
シンフォニック度・・8 北欧度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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Makajodama
スウェーデンのチェンバー・プログレバンド、マカジョダマのアルバム。2009作
バンド名も面白いが、「Post Rock meets Prpg Rock」といううたい文句通り、ポストロック的な世界観と
レトロなプログレ感覚が合わさったようなインスト主体のサウンドも、これがなかなか面白い。
ヴァイオリン、チェロ、サックスなどがギターやシンセと絡み、薄暗いチェンバーロックを基本にしつつ、
クリムゾン的なヘヴィプログレの質感もあるという。 どことなく日本の美狂乱っぽくもあったりする。
この妖しさと暗さは聴いていて引き込まれます。 彼らのマイスペにはメンバーが影響を受けたバンドとして、
Dmitri Shostakovich、King Crimson、Can、Univers Zero、Algarnas Tradgard、Godspeed You! Black Emperor、
Third Ear Bandなどの名が。ちなみにANEKDOTENのメンバーが数曲でミックスを担当しているとか。
メロディアス度・・7 チェンバー度・・8 薄暗度・・9 総合・・8
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DIVINE BAZE ORCHESTRA「Dead But Dreaming」
スウェーデンのプログレバンド、ディヴァイン・ベイズ・オーケストラの2010年作
KING CRIMSON風味の薄暗い叙情に、チェンバーロック的なミニマム感覚を合わせた
個性的なシンフォニックプログレ。オルガン、メロトロンが鳴り、レトロめのギタートーンに
どこかとぼけた味わいのヴォーカルで、適度に力の抜けたシリアスとユーモアの境をゆく。
うっすらとした寂寥感は、クリムゾンの“Epitaph”的な世界観で、ANEKDOTENなどとはまた
異なるアプローチでそれをやっているのが面白い。ダークなシンフォニックが好きならチェック。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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Nordagust「In the Mist of Morning」
ノルウェーのシンフォニックロック、ノルダガストの2010年作
結成は90年代とけっこう古いらしいが、満を持してのデビュー作となった。
ギターにシンセ、ヴォーカルをこなすダニエル・ソルヘイムを中心にした3人組で
うっすらとしたシンセ、メロトロンなどをバックにゴシック的なダークな世界観で聴かせるサウンド。
ゲスト参加のMADDER MORTEMの女性Voがスキャット的な声を加えていて、
幻想的でミステリアスな雰囲気を盛り上げる。同郷のWHITE WILLOWあたりにも通じる作風で、
ギターの土着的な旋律はANGLAGARD的でもある。暗がりの叙情をまとった北欧ゴシック・シンフォだ。
シンフォニック度・・8 ダークな叙情度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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レトロなヴィンデージ系
〜鳴り響くオルガン、メロトロン
BEARDFISH「Destined Solitaire」
スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュのアルバム。2009作
鳴り響くハモンドの音色に、70年代的なロックギターと唸るベース、
一聴して音の存在感と説得力が一回り増したことを感じさせる。
今作ではそのレトロなサウンドに、The Flower Kings的なシンフォニックの構築性を加えて
緩急とメリハリを付けながらじっくりと盛り上げてゆく手法がなんとも心憎い。
グルーブ感たっぷりのシンプルな躍動感と、変拍子やシンセなどプログレとしてのお約束も
しっかりと盛り込みつつ、ときにユーモアある軽い脱力感や映画的な効果音なども含めて、
過去と現在、未来をリンクさせるようなコンセプチュアルなビジョンもかいま見える。大変な力作。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・8 濃密度・・9 総合・・8.5
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Wobbler「Afterglow」
ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2nd。2009作
典雅なチェンバロやフルートの音色で始まるイントロから、続く15分の大曲では
盛大にメロトロンが鳴り響き、ANEKDOTENばりに凄まじいプログレが炸裂している。
ハモンドに絡まるリコーダーの響きは中世の世界観を描き、ビブラフォンやチェロなども加わって
インスト主体でありながらも起伏に富んだ展開と多彩な楽器の音色で飽きさせない。
テクニカルな軽やかさと、北欧的な叙情と土着性を同居させたアレンジも見事と言う他はない。
トレンドに敢然と背を向け、メンバーがひとつの幻想を描こうとする強度が音にはあり、
それが強烈な説得力となって、このレトロかつ北欧的なプログレ/シンフォニックを構築している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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AGENTS OF MERCY「Dramarama」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、エージェンツ・オブ・マーシーの2010年作
TFKのロイネ・ストルトとヨナス・レインゴールド、Unifaunのナッド・シルヴァンに加え、
本作ではシンセにラレ・ラーションらが加わった。前作はいかにも往年のGENESISを思わせる
ゆったりとした作風で案外地味であったのだが、今作では古き良き70年代風味に加えて
よりダイナミックなシンフォニック路線…つまりはThe Flower Kingsのイメージに近づいている。
一方では、牧歌的でゆるやかな叙情曲も素晴らしく、ロイネのギターワークはもちろんのこと、
ラレのシンセワークもなかなか見事で、まんまGENESISなVoの歌声がなにやら微笑ましいが、
ただレトロなだけではないセンスを感じさせる力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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KVAZAR 「A GIANT'S LULLABY」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、クヴァザーの2nd。2005作
基本はインスト中心で、音にはさほど派手さはなく、むしろぱっと聴きには地味なのだが、
よくよく聴けば、完成度というかこのバンドの作る世界観に引き込まれる。
70年代北欧的なレトロな質感と、中世音楽的なメロディラインが交わり、
どこか靄がかかったような不思議な空間美を感じさせる。女性ヴォーカルや、荘厳なコーラス、
あるいはジャズタッチのピアノ、ANEKDOTENもかくやというメロトロンにANGLAGARD風のギターフレーズ、
それらが絶妙に顔を出し、決してうるさくならない程度に楽曲に彩りと深みとを与えている。
決して押しつけがましくない、派手すぎない、奥の深いシンフォニック作品だ。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 バランスセンス・・9 総合・・8
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Gargamel「Descending」
ノルウェーのプログレバンド、ガルガメルの2008年作
前作もANEKDOTENタイプのなかなかの力作であったが、本作もメロトロンや
ハモンド、ムーグなど、ヴィンテージな音色を響かせる70年代風の音作り。
ダークな緊張感をただよわせた作風はむしろMORTE MACABREにも近いか。
12分、18分という大曲を含む全4曲という構成で、さすがにやや長尺感があるが、
どこかサイケロック気味の浮遊感と、楽曲の盛り上げ方にメリハリがついたことで、
壮大な雰囲気に耳惹かれる。フルートやチェロ、トロンボーンなどの楽器も、
効果的に使われている。北欧ヴィンテージ系としてもなかなかの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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ファンタジック系
〜繊細なメロディに彩られた幻想美
PAR LINDH & BJORN JOHANSSON 「DREAMSONGS FROM MIDDLE EARTH」
北欧のシンフォニックアーティスト、パル・リンダーとビヨルン・ヨハンソンによるアルバム。2004作
前作「BILBO」に続き、今回もトールキンの「指輪物語」をテーマにしたコンセプト作。
PLPでは弾きまくりのバロックシンフォをやっているパル・リンダーだが、
ここではやや抑え気味にしっとりとしたピアノ、キーボードを聴かせてくれる。
ギター、マンドリン、ブズーキ他、トラッド楽器もこなすビヨルン・ヨハンソンの作曲能力も見事で
ストーリーにそって、曲はゆったりと、たゆたうように流れてゆき、北欧トラディショナル的な
やわらかなメロディが耳に心地よい。アコースティカルで清涼感のあるシンフォサウンドだ。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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PICTORIAL WAND 「A sleeper's awakening」
ノルウェーのシンフォニックロックユニット、ピクトリアル・ワンドのアルバム。2006作
チェロやフルートに男女8人のVoを含む大編成によるCD2枚組み大作。
のっけから、フルートとアコースティックギターの響きが美しく、物語的な語りから曲に入ると
シンフォニックなキーボードにややメタリックなギターも加わり、民族的なゴシックシンフォというサウンドになる。
ナレーション入りのストーリーを配した壮大な作風とファンタジックな雰囲気がなかなか素敵で、
それに加えて北欧フォークロワ的な要素も耳に心地よい。ハードめの北欧シンフォとしても聴け、
アコースティカルな静寂パートからシンフォニックパートへの切り返しなども効果的。
内ジャケのダークで幻想的なイラスト群も含めて、ファンタジー作品としての構築には相当気合が入っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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KERRS PINK 「TIDINGS」
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの5th。2002作
90年代から活動するベテランだが、このバンドの魅力は北欧らしい清涼感と
トラッドテイストのあるギターメロディ、そしてなによりじつに繊細で淡い色彩を感じるその音にある。
TFKやPLPなど、表舞台で活躍するメジャー級シンフォバンドの影で、
こうしたバンドが地道に活動を続けているというのは、なんともほっとする。
CAMELの繊細な部分を抽出して、北欧のメロディで淡く色付けしたサウンドは、
聴いていてなにか優しさに満ちた安らぎを感じさせてくれる。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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アカデミック系
〜クラシカルかつ室内楽的な優雅さを聴く
PEKKA POHJOLA 「VIEWS」
フィンランドの天才音楽家、ペッカ・ポーヨラのアルバム。2001作
シンフォニックでジャズでプログレ…時代に流されない素敵な作品を生み出し続けているペッカ。
「CHANGING WATERS」、「タゲリ鳥の不思議な旅」といった
これまでの素晴らしいアルバムたちと同様、今作もしっとりとした上品で繊細なアルバムだ。
オーケストラを配し、北欧らしいもの悲しい叙情でゆるやかに盛り上がりを見せる楽曲は
クラシックを素養にしたアカデミックさと、人間的な温かみの両方を内包し、静かな感動を呼ぶ。
本物の音楽家の音楽、そして人間ペッカの音楽がここにある。
自然体でありながら、ダイナミズムとリリシズムが合わさったシンフォニックアルバム。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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ISILDURS BANE「Mind vol 2」
北欧知性派プログレの雄、イシルドゥルス・バーネのライブアルバム。2枚組。
70年代から活動しているこのバンドだが、その音楽性はアルバムを重ねるごとに、
どんどん細密化、そして深化し続けている。今作もライブ作ながら、圧倒的高密度の楽曲群で
音楽の芸術を冷徹に表現する様はまさに圧巻のひと言。
全てインスト演奏ながら、それを感じさせぬ生きた楽曲の数々に改めて感嘆し、圧倒される。
「シリアスかつアカデミックな北欧シンフォ」という呼び方はすでにこのバンドの代名詞である。
オーケストラ的な室内楽も導入。もはや全てが孤高の域に入った芸術音楽だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧芸術度・・10 総合・・8.5
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Anssi Tikanmaki Orchestra 「TUNTEMATON MAA」
映画音楽なども手がけるフィンランドのアンシ・ティカンマキによるアルバム。2006作
北欧的な素朴なメロディにやさしげなフルート、アコーディオンの音色、
そこに管弦楽隊が加わると、壮麗なオーケストレイションが現れる。
映画音楽的な1曲めから、続く2曲めは人を食ったようなユーモラスなメロディが確かにペッカ的。
しかしそこから泣きのギターが加わり、シンフォニックに展開する様はかなり極端だが面白い。
オールインスト作品ながら聴き所は多く、オーケストラの緻密なアレンジはもちろん
ときにはメタリックなギターも出てきたり、シリアスな重厚さとモダンな軽さとのギャップが楽しい。
現代クラシックの優雅さとシンフォニックロックのダイナミズムを融合させた大胆な作品だ。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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UZVA 「Uoma」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、ウズヴァの3rd。2006作
過去作は未聴ながら、本作ではヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ハープ、
サックスにマリンバなど、多彩な楽器によるチェンバーロックサウンドをやっている。。
人懐こいメロディのせいもあって、シンフォニックな味わいもあり、ほとんど難解さはない。
インストメインながら曲は長めで、10分台のものや、23分の組曲なんてものもある。
たおやかなフルートの音色や、コロコロとしたマリンバにギターが重なると
ジャズと室内楽とシンフォニックの境界を行き来するプログレサウンドとなる。
音には北欧らしい清涼感があり、同郷のPEKKA POHJOLAにも通じる力の抜け具合が耳に優しい
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 チェンバー度・・8 総合・・8
XL「surreal」
フィンランドのチェンバー・プログレバンド、エックスエルの4th。2002作
デジタリィなシーケンサーによるシンセアレンジと、PEKKAにも通じるような素朴な質感を融合させ、
独自のプログレッシブサウンドを聴かせるこのバンド。本作も進化の過程にある意欲作だ。
ヴァイオリンチェロなどのストリングスに、クラリネット、ホーンといった室内楽的な優雅さと
シーケンサーによるレコメン的なモダンさが合わさり、繊細でありつつ奥深い音楽を聴かせてくれる。
コロコロとしたヴィブラフォンの音色と、美しいストリングス、そしてロック的なギターが合わさると、
「優雅な偏屈」ともいうべき新鮮な感覚に包まれる。既存のスタイルに捕らわれないセンスある作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・9 総合・・8
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Gosta Berlings Saga「Glue Works」
スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2011年作
これが3作目ということだが、聴くのは初めて。ANGLAGARDのマティアス・オルソンがプロデュース、
サウンドは、ムーグやメロトロンなどレトロなシンセが鳴る、ANEKDOTENなどを思わせる
いかにも北欧らしいシンフォニックロックにシリアスなチェンバーロック色が加わったもの。
そう派手さはないものの、じわじわと感じられる静かなダイナミズムと知的なアレンジ、
涼やかな叙情に含まれた硬質な意思のようなものが感じられる、これは通好みの作品だ。
アナログ的なギターサウンドとそのメロウなフレーズにもにんまり。オールインストです。
シンフォニック度・・7 ミステリアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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テクニック系
〜その抜群の構築センス
KARMAKANIC「Who's the Boss in the Factory」
スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの3rd。2008作
1stはProgMetal風、2ndはジャズロック寄りのサウンドであったが、
本作はよりメロディアスさを前に出して、結果としてフラキンに近い雰囲気になった。
少しレトロなプログレ的シンセワークにたおやかなピアノも美しく、
曲は適度にテクニカルでありつつ、じっくりと歌を聴かせる部分も多く、
全体的にはやはりシンフォニック。存在感あるヨナス・レインゴールドのベースに
ゾルタン・チョースのタイトなドラムも見事で、バンドの核をになっている。
テクニカルな演奏力と、メロディ聴かせるバランスのとれた高品質作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 演奏度・・9 総合・・8
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LALLE LARSSON'S WEAVEWORLD「Infinity Of Worlds」
スウェーデンのプログレバンド、レイル・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2010年作
ヘンタイメタル系のELECTROCUTION 250や、KARMAKANIC、AGENTS OF MERCYでも活躍する
才能豊かなシンセ奏者。本作はかつてのU.K.を思わせるようなスタイリッシュなアンサンブルで聴かせる
インストプログレの傑作。軽やかなフュージョン/ジャズロック風味と、ときにメタリックさを匂わせる
硬質な構築センスが冴え渡る。ジャズタッチのピアノを弾くかと思えば、古き良きプログレ風味や、
さらには壮麗でミステリアスな世界観も生み出す、ラレ・ラーションのシンセワークは絶品だ。
たとえばPLANET Xあたりにも通じる聴き心地もあり、ProgMetalのリスナーなどにも楽しめるサウンドだろう。
限定盤には「室内オーケストラとメタル・バンドの為の“7つの大罪”組曲」と題された大曲のライブ音源と
未発曲などを収録したボーナスCD付き。こちらだけでもお腹いっぱいになるほどのボリュームだ。
メロディアス度・・8 スリリング度・・9 構築センス・・9 総合・・8.5
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プログレハード系
〜キャッチーなメロをハードめに
ACT 「SILENCE」
スウェーデンのプログレハードバンド、アクトの4th。2006作
1stの時点から絶品のメロディセンスと、プログレ的なリズムアプローチの妙が冴えていたが、
今作でもキャッチーでありながら哀愁の叙情を感じさせるそのメロディはいっそう引き立ち、
ちょっとした細かなアレンジの面でも、その類まれな知性を感じさせるのがやはり素晴らしい。
歌メロにかぶさる絶品のストリングスアレンジなども、泣きのつぼを刺激しまくりだし、
ラストの9パートに分かれた20分の組曲は、ドラマティックでそしてしっかりとプログレしており、
これまでの彼らの大曲では最高の出来映え。メロディの充実という点でまさに傑作アルバムといえる。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 楽曲センス・・10 総合・・9
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FLAGSHIP 「maiden voyage」
スウェーデンのプログレハードユニット、フラッグシップのアルバム。2005作
一聴してKANSASからの影響を感じさせるプログレハード作。
難解な部分は微塵もなく、メロディには分かりやすさと哀愁があり、
美しいピアノの音色やヴォーカルの歌いかたもどこか古き良きロマンを感じさせる。
ヴァイオリン的なシンセの音色とギターの絡みもなかなか確信犯的で、
KANSASをはじめ70年代のアメリカ系プログレハードを現代に甦らせたかのようなサウンド。
クオリティも高いです。そして当のKANSASのケリー・リヴグレンもゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 KANSAS度・・8 総合・・8
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上記紹介作品のうち、15枚以上持っているという方は、なかなかの北欧シンフォ好きですヨ♪
*「レトロなヴィンデージロック」特集
*CDレビュープログレ・北欧ページ
*プログレ名作選も併せてご覧ください。