いまさらながらの
   ◆ゴシックメタル特集 〜This is Gothic Metal〜
   
  メタル界に現れた特異なジャンル、ゴシックメタルについて、大まかにその流れを考察しつつ、
   現在までに多様に進化するバンドたちと、その代表作などを振り返り、まとめて紹介したい思います。
            
                                             緑川とうせい



             <ゴシックメタル簡略史>

1990年代に入り、英国で生まれたゴシックメタルは、それまでの「メタル=激しさ」という概念をくつがえし、
スローで陰鬱な雰囲気と、ヨーロピアンなダークな叙情を織りまぜたサウンドを誕生させた。
その代表格がPARADISE LOSTであり、彼らの2nd「Gothic」こそがゴシックメタルの原点とも言われる。
同時期のMY DYING BRIDEANATHEMAらとともに、彼らは英国ゴシックの初期ムーブメントを形成してゆく。


                     イギリス
        PARADISE LOST    MY DYING BRIDE    ANATHEMA
           


その後、こうしたサウンド形態は北欧やオランダ、ドイツなどにも同種のバンドを誕生させることとなる。
北欧ではスウェーデンからKATATONIAが登場し、デス系バンドのTIAMATもそのサウンドをゴシックへ変えてゆく。
ノルウェーからは女性Voをメインにした最初のバンドTHE 3RD AND THE MORTALが現れ、
オランダではTHE GATHERINGがいち早く女性Voフロントのスタイルを確立させ成功させる。

一方ドイツでは、PYOGENESISCREMATORYといったバンドが地道に活動を続けてゆく。

やがて上記のバンドたちに続くようにして、TRISTANIA、THEATRE OF TRAGEDYらの北欧勢、
WITHIN TEMPTATION、AFTER FOREVERらのオランダ勢がシーンにおいて台頭しはじめ、
それぞれが質の高いサウンドで徐々に人気を博してゆくことになる。


         北欧                     オランダ
  KATATONIA   The 3rd and The Mortal       THE GATHERING
          

          ↓                        ↓

  TRISTANIA   THEATRE OF TRAGEDY   WITHIN TEMPTATION  AFTER FOREVER
           

そして現在では、北欧(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)と、オランダを中心に、
ドイツ、イタリア、フランス、さらには東欧
(ポーランド、ハンガリー)などでも、続々と後続バンドが現れ、
ゴシックメタルというジャンルはさらに多様な進化を続けている。





     <ゴシックメタル傑作38選>
       まずはこのあたりからいかが


*大御所バンド

PARADISE LOST 「draconian times」
イギリスのゴシックメタルバンド、パラダイス・ロストの5th。1995作
初期にあった荒さをマイルドな方向に進め、マイナーな耽美要素をメロディアスに昇華したことで
ヘヴィさとダークさ、メロディアスさと耽美さが絶妙のバランスで成り立っている。
ピアノのもの悲しい旋律と、声色を使い分けるニック・ホルムズのヴォーカルが印象的。
初期よりもデス色を薄めたことで、ゴシック初心者にも勧められる音になっており、
ある意味、
過去と現在をつなげるゴシックメタル作品として高品質なアルバムだ。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・8 耽美度・・8 総合・・8 
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MY DYING BRIDE The Angel and the Dark River
イギリスのゴシックメタルバンド、マイ・ダイイング・ブライドの3rd。1995作
明快なリズムセクションとヘヴィなギターにより、しっかりと雰囲気が確立され、
そして、そこに絡むシンセによるメランコリックなメロディも実に美しい。
2nd「Turn Loose the Swans」よりも分かりやすく、重厚なゴシックサウンドを堪能できる。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 メランコリック度・・8 総合・・8
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ANATHEMA 「ETERNITY」
イギリスのゴシックメタルバンド、アナシマの3rd。1996作
イントロにおけるピアノの叙情性からして、バンドとしての方向が美しさの方に向いているのが感じられる。
シンセの頻度が上がったことで、ギターとの重なりで音の厚みがぐっと増しており、
そこに乗るもの悲しい男声のヴォーカルとともに、メランコリックなゴシックサウンドを表現している。
空間的な広がりと音の説得力という点では、やはり傑作といいきれるだけのアルバムだ。
そしてPARADISE LOSTと同様、
英国的な翳りある情緒が音に感じられるのもいい。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・9 英国度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



*男女Voゴシックメタル

TRISTANIA 「WINDOW'S WEEDS」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、トリスタニアの1st。1998作
物悲しいピアノ、ヴァイオリンを効果的に使用し、デス声とソプラノヴォイスの掛け合いもよろしく、
この手の「雰囲気もの」バンドの中でも、彼らは音のつかみ方を知っているだけに雰囲気がいい。
後のアルバムよりも土着的な暗さが保たれている点も、ほどよいマイナー臭さをかもし出している。
ただし、この時点ではどちらかというと男声の方がメインなのがやや惜しまれる点か。
メロディアス度・・8 女性Vo活躍頻度・・5 楽曲・・8 総合・・8Amazon.co.jp で購入


THEATRE OF TRAGEDY 「AEGIS」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、シアター・オブ・トラジディーの3rd。1998作
男女混声のゴシックとしては元祖といってもよいこのバンド、
この3作目では男Voがノーマル声で歌いはじめたことで、クリスティン嬢の歌声にもいっそう魅力が増した。
シンフォニック度が上がり暗黒度は限りなくゼロになった。
ロマンティックな香り漂う倦怠の美麗ゴシックサウンドである。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で購入



THE SINS OF THY BELOVED 「PERPETUAL DESOLATION」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、ザ・シンズ・オブ・ザイ・ビラヴドの2nd。2000作
このアルバムであるが、曲の良さを引き立たせる二つの個性が明確に存在している点が高ポイントである。
1つはヴァイオリンの導入。これが実にいい味を出して、ギター、キーボードの中でアクセントとなっている。
もう1つは・・・女性Voの歌。妖艶な喘ぎや笑いまでもを「歌」として機能させていて耽美度を高めている。
楽曲の密度も素晴らしく、クオリティの高さでは群を抜くアルバムだ。
メロディアス度・・8 女性Vo妖艶度・・8 楽曲・・8 総合・・8.5Amazon.co.jp で購入



SILENTIUM 「SUFFERION-HAMARTIA OF PRUDENCE」
フィンランドのゴシックメタルバンド、サイレンティウムの3rd。2003作
最初のイントロでもう満足。コレですよ、この重厚さ、この絶望感…そして美しさ。
ひとことでいうと
本物の「重悲しさ」がここにある。これこそが「ゴシック」なのです!
美しくもはかなげなピアノ、メランコリックさと悲哀を感じさせるギターフレーズ、
しっとりとした女性Vo、そして漂う倦怠の香り…聴いていてうっとりです。
ゴシックメタルを名乗るからにはこのくらいの音を出して欲しいという見本のようなサウンド。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8 Amazon.co.jp で詳細を見る


SIRENIA 「An Elixir for Existense」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、サイレニアの2nd。2004作
メロウなギターフレーズにきらきらとしたキーボードアレンジ、コーラスワークなどにより、
バランスのとれたシンフォニックなゴシックメタルを形作っている。
デス声の男Voに、美声の女性Voが加わり、ところによりしっとりとした引きの叙情もある。
曲の方はしっかりと展開も練られていて、重すぎず、軽すぎず、
単調なゴシックはダメという方にも聴きやすいはず。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 完成度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


AFTER FOREVER 「INVISIBLE CIRCLES」
オランダのゴシックメタルバンド、アフター・フォーエバーの3rd。2004作
説得力を増したフロール嬢のソプラノヴォイスに、咆哮するデス声とのコントラストも鮮やかで、
静と動、美と醜という、楽曲のメリハリの面でも
過去最高の仕上がり。
クラシカルなストリングスの音色がサウンドを盛り上げつつも、ギターリフはしっかりとメタルしていて、
全体的に重厚さを保ちながら「現代の家族の愛憎」というシリアスなコンセプトを練り上げている。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo・・8 総合・・8Amazon.co.jp で購入



EPICA 「CONSIGN TO OBLIVION」
オランダのゴシックメタルバンド、エピカの2nd。2005作
キーボードやコーラスによる
荘厳なオーケストレイションはどこか宗教的でありながら、
曲は変に重すぎることなく、メタルとしての聴きやすさを保っているのもポイント。
美貌のシモーネ嬢の、ときにオペラティックで、ときに天使のような歌唱は
前作よりもより説得力を増していて、バンドの世界観に貢献している。
クオリティ、密度ともにゴシックメタルの理想形の一枚といっていい。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PENUMBRA 「THE LAST BEWITCHTCHMENT」
フランスのゴシックメタルバンド、ペニュンブラの2nd。2002作
のっけから壮大な合唱コーラス、続いてメロディアスなギターの上にデス声が乗り、
バックには豪勢なオーケストラという、クラシカルでゴージャスなサウンド。
曲のアレンジもこなれていて、ギターの扇情的なフレーズといい、
それに絶妙に絡む
女性コーラス隊や重厚なオーケストラといい実に高密度。
暗黒性よりも壮麗さを重視した音作りで、デス声がなければ
「クラシカルメタル」と言ってもいい出来。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・9 楽曲・・8 総合・・9 Amazon.co.jp で詳細を見る


EVENSONG 「OF MAN'S FIRST DISOBEDIENCE」
ハンガリーのゴシックメタルバンド。イーブンソングの2nd。2000作
ツインギターの扇情的なフレーズにキーボードが絡まり、のっけから素晴らしくシンフォニック。
メロデス的に展開の多い楽曲に、次々にギター、キーボードがクラシカルなフレーズを奏で、
その上を朗々とした男Vo(非デス声)と、たゆたうような女性Voが歌い上げる。
シンフォニックなキーボードワークも実に見事。それにしてもツインギターのよく鳴くこと。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 女性Vo度・・6 総合・・8.5
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THE PROVENANCE 「IHOW WOULD YOU LIKE TO BE SPAT AT」
スウェーデンのゴシックメタルバンド、ザ・プロヴェナンスの3rd。2004作
1stの時点から北欧プログレ的な叙情性を男女Voのゴシックサウンドに取り込んでいたこのバンド、
この3作目も、のっけからバックでメロトロンが鳴り響く、もはやANEKDOTEN状態のサウンド。
レトロな部分と今風のモダンさもミックスされた楽曲構成は見事で、他の追随を許さぬ絶妙な方向性。
インパクトは薄いかもしれないが、サイケ、オルタナ、シンフォニック、そしてゴシックと、
どの耳で聴いても楽しめる。プログレファンにも勧めたい傑作アルバムだ。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・7 北欧度・・8 総合・・8.5 
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ON THORNS I LAY 「Crystal Tears」
ギリシャのゴシックメタルバンド、オン・ソーンズ・アイ・レイの3rd。1999作
マイルドな声質の男Voと、美しい女性Vo、そしてもの悲しいヴィオラの響き。
ドゥーミーなメランコリックさをたたえた楽曲は、
冷たい倦怠の美を感じさせる。
女性ヴォーカルの歌い方も、浮遊感のあるどこか儚いイメージで
たゆたうような曲調には、ヨーロピアンな情緒とほのかな薄闇、そして冷気とを感じさせる。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 メランコリック度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



CHALICE 「AUGMENTED」
オーストラリアのゴシックメタルバンド、シャリスの3rd。2003作
女性Voに女性フルートを擁するこのバンド、前作に比べ曲アレンジや演奏がぐっとこなれてきており
前作まであったB級感が消えて、マイルド&アンビエント色のあるとても美しい作品に仕上がっている。
シラリー嬢の美声はうっとりするほど素敵で、メロウなギターリフに絡むフルートの音色も効果的。
デス色の無い、しっとり系ゴシックメタルが聴きたかったらぜひどうぞ。
メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 しっとり度・・8 総合・・8
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AVRIGUS 「THE SECRET KINGDOM」
オーストラリアのゴシックメタルバンド、アブリグスの1st。
女性Voジュディお姉さんとギター、ベース、ドラム、キーボードをこなすシモン氏の二人組。
のっけから荘厳なキーボード、ミステリアスな女性の歌声、曲が始まるとヘヴィなギター、と
これだけでも音の説得力は抜群。ジャケット内の画像も含めて叙情的な闇を表現している。
曲間に入るSEやシンセの音色は
本気系ゴシックのそれで、二人組とは思えない重厚な世界観だ。
ある種教会的な宗教色も感じる崇高さもあり、声を重ねた合唱パートなどは身震いするほど美しい。
シンフォニック度・・8 耽美重厚度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5Amazon.co.jp で詳細を見る



*フィメール(女性声)ゴシックメタル

THE GATHERING Nighttime Birds
オランダのゴシックメタルバンド、ギャザリングのアルバム。1997作
女性Voをフロントにしての2作目で、前作「Mandylion」と甲乙付けがたい傑作。
メタリックなヘヴィさは押さえ目で、歌中心の楽曲はとても聴きやすい。
豊かな声量と表現力を備えた
アネク嬢の歌声には、大地の母性を感じるほどのスケールがある。
バンドはこの後、メタル色を弱めてゆき、深化をたどってゆくが、最高作を上げるならこの作品か。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・10 総合・・8.5Amazon.co.jp で詳細を見る



WITHIN TEMPTATION 「THE SILENT FORCE」
オランダのゴシックメタルバンド、ウィズイン・テンプテーションの3rd。2004作
サウンドはシンフォニックな音の厚みが増して、このバンドの魅力であるメロディも充実、
曲ごとの盛り上げ方、アレンジの質は、その辺の似た者ゴシックバンドとはやはり格が違う。
バックの大仰なコーラス、オーケストラが音の荘厳さと説得力を付加しているが
大前提となるのはシャロン嬢のヴォーカリストとしてのこの力量あってのもの。
しっとりとし美しく、ときに妖艶に、ときに清艶に聴かせるその声の魅力は
前作よりもさらにワンランクアップしている。女性Voゴシックファンは全員聴くべし。
シンフォニック度・・9 ゴシック度・・8 シャロン嬢・・10 総合・・9
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MOONLIGHT 「FLOE」
ポーランドのゴシックメタルバンド、ムーンライトの4th。2000作
浮遊感のある耽美な曲調に、美しい女性Voが魅力のこのバンド。
今作ではよりシンフォ度、というかアンビエントな雰囲気を増し
女性の歌声をしっとりと聞かせるサウンドとなっている。
チェロやヴァイオリンなど、クラシック系のゲストがバックの演奏をより格調高いものにし、
母国語による歌唱は英語にはない不思議なやわらかさをかもし出している。
メロディアス度・・8 ポーラン度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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LACUNA COIL 「COMALIES」
イタリアのゴシックメタルバンド、ラクーナ・コイルの3rd。2002作
クリスティーナ嬢の美声と演奏面でのメタリックな要素とのバランスがとれ、
シンフォニックなキーボードでの盛り上げなども良く、バンドの最高作といっていい。
こうなると、時にデス声を交える男性Voの存在が邪魔に思えながらも、
逆にそれがアクセントになっていることも確か。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で購入



DREAMS OF SANITY 「Masquerade」
オーストリアのゴシックメタルバンド、ドリームス・オブ・サニティーの2nd。1999作
「オペラ座の怪人」をテーマに、のっけからおなじみの“The Phantom of th Opera”で始まり、
演劇的な美麗さの中、後にELISに加入する
サンドラ嬢の歌声と、
ゲストのLacrimosaのTillo Wolfのデュエットが濃密に響きわたる。
前作もそうだったが、シンフォニックなシンセアレンジや楽曲の展開力などには
プログレファン受けする要素もあり、ロマンと美意識で描かれる幻想的な世界観が素晴らしい。
メロディアス度・・8 ロマン度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


ELIS 「DARK CLOUDS IN A PERFECT SKY」
リヒテンシュタインのゴシックメタルバンド、エリスの2nd。2004作
サビーネ嬢の歌唱はオペラティックで、その美声は楽曲にクラシカルな雰囲気をもたらし、
アルバム全体に堂々とした説得力を付加している。シンフォニックなシンセのアレンジも美しく、
メタリックな要素も残しながらサウンドは軽すぎず重すぎず理想的なバランスを保っており、
女性声ゴシックメタルの傑作といってよいかと思う。ドイツ語で歌われるラストのバラードは感動的。
シンフォニック度・・9 ヨーロピアン度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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LEAVES' EYES 「LOVELORN」
THEATRE OF TRAGEDYのリブ・クリスティン嬢要する、リーヴズ・アイズの1st。2004作。
ゴシックメタルとしてのヘヴィな要素を残しつつも、リブ嬢の可憐な歌声を全面に出した作風は
シンフォニックかつアンビエントな雰囲気が漂う。曲によってはデス声も入りますが、
女性ヴォーカルゴシック好きには間違いなくお薦めできる質の高さ。
いっそうWITHIN化した2nd「VINLAND SAGA」も同様に高クオリティな傑作です。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で購入



XANDRIA 「RAVENHEART」
ドイツのゴシックメタルバンド、キサンドリアの2nd。2004作
サウンドはいかにも王道のゴシックメタルで、曲はだいたい3分〜5分とコンパクトですが、
メタリックなギターにシンセがからみ、ときにシンフォニックに聴かせます。
そしてそこにリサ嬢のキュートな歌唱が乗ると…もううっとり。
WITHIN TEMPTATIONEVANESCENCEが好きならまず薦め。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MANDRAKE Mary Celeste
ドイツのゴシックメタルバンド、マンドレイクの4th。2008作
乗員全員が船から消失したという
「メアリー・セレスト号事件」をテーマにしたアルバム。
シンセ入りで聴かせる重厚なゴシックメタルで、中堅らしい堂々たるサウンドだ。
女性Vo、
バージット嬢の歌声にも、前よりも堂々とした自信がうかがえ、
19世紀のミステリアスな事件をコンセプトにしていることもあってか、
曲自体にさほど派手さはないのだが音に漂う幻想的な空気がとてもよろしい。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


MORTAL LOVE 「I HAVE LOST......」
ノルウェーのゴシックメタルバンド、モータル・ラブの2nd。2005作
キュートな声質の
歌唱をメインにしながら、バックの演奏も重厚さが増していて、
楽曲にはメリハリがついた。美しいピアノやシンフォニックなシンセのアレンジもよろしく、
今となっては意外に数少ない、
正統派フィメールゴシックメタルの正しい継承者と言ってよい。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る




PALE FOREST 「EXIT WOULD」
ノルウェーのゴシックロックバンド、ペール・フォレストの3rd。2001作
とにかくこの
キュートな歌唱、歌声だけで個性になっているのがまず素晴らしい。
曲はキーボード、ピアノなどを控えめに使いながら、アンニュイさと優しさを表現出来ていて
暗黒度はかなり薄いのだが(ゴシックよりはアンビエント寄りか)、決して軽いわけではない。
このまま成長してゆけばさらに素晴らしい女性Voバンドになるに違いない。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・5 女性Vo度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



IMPERIAQueen of Light
ノルウェーのゴシックメタルバンド、インペリアのアルバム。2007作
TRAIL OF TEARSの初代Vo、
ヘレナ嬢率いるバンド。
美しいシンセと、絶品の女性ヴォーカルで聴かせるシンフォニックなゴシックメタルだ。
ギターの煽情的なメロディとクラシカルなシンセワーク、ときにピアノが重なり、
メロデス的な質感にシンフォメタル風の疾走もあり、楽曲の美しさも前作以上。
なにより色気を含んだヘレナ嬢のオペラティックな歌声はやはり素晴らしいのであった。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


DELAIN「April Rain 」
オランダのゴシックメタルバンド、ディレインのアルバム。2009作
WITHIN TEMPTATIONのシンセ奏者を中心に結成されたこのバンド、
若干21歳の
シャルロット嬢の歌唱は格段にその表現力を増し、
シンフォニックなシンセをバックに美しくも艶めいた歌声を聴かせてくれる。
曲によっては、最近のヴィズインよりもウィズインらしい雰囲気のものもあって、
このフィメールゴシックの王道たるサウンドは多くのファンを得るだろう。
メロディと叙情性の点でも、ウィズイン、エピカ、リーヴズ・アイズに匹敵できる作品だ。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



*男声系ゴシックメタル

TIAMATWildhoney
スウェーデンのゴシック(デス)メタルバンド、ティアマットの4th。1997作
3rd「Clouds」からゴシック要素を取り入れ始め、本作ではさらににコンセプチュアルな作風となった。
大胆なシンセの導入により、サウンドにおける広がりも増し、曲間をつなぐインストパートや、
女性コーラスなどもとても効果的で、ゴシック的であると同時に、プログレッシブな世界観を作り上げた。
メタリックな重厚さではなく、
独特の浮遊感のようなものが全体を支配しており、
まるでPINK FLOYD的な、ゆったりとしたメロウなギターを聴かせるあたりも心憎い。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・7 浮遊度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


Heavenwood 「Diva」
ポルトガルのゴシックメタルバンド、ヘヴンウッドの1st1996作
まずはこの美しいジャケに惹かれるが、内容もメロディ満載の好作。
叙情的なフレーズを奏でる二本のギターにキーボードが絡み、
そこに男性デス声が歌を載せるスタイルで、全体的にとても聴きやすい。
PARADISE LOSTをやや元気よくした雰囲気で、男声ゴシックの中でも傑作といってよい一枚だろう。

メロディアス度・・8 ゴシック度・・7 聴きやすさ度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


MOONSPELL 「SIN/Pecado」
ポルトガルのゴシックメタル バンド、ムーンスペルの3rd。1997作
やや過渡期という中庸感があった前作に比べ今までにないスケール感が音に漂っている。
元々ギターの弾くメロディにはセンスがあったが、この作品では中近東的な要素もとりいれるなど。
個性的なサウンドを描くことに成功している。それでいて聴きやすさが失われていないのも見事だ。
なんといってもバンドの自信が音に現れているのが大きく、それが説得力となり聴き手を包み込むのだ。
3作目にして独自のゴシックメタルへの解答を出し、バンドの最高傑作を作り出した。
メロディアス度・・8 マイルドゴシック度・・8 スケール感・・9 総合・・8 Amazon.co.jp で詳細を見

EVEREVE 「Stormbirds」
ドイツのゴシックメタルバンド、エヴァーイヴの2nd。1998作。
EVEREVEの最高傑作。ツインギターとキーボードによる煽情的なメロディが素晴らしく、
アグレッシブなデス声とノーマルヴォイスを使い分けつつ、王道のゴシックメタルサウンドながら、
楽曲にはしっかりとメリハリがある。ギターの弾く
メランコリックなメロディは非常に魅力的で、
ノーマル声パートも含めてメロウでもの悲しい情感を見事に作り出している。
こうしたツインギターと美麗なシンセの絡みはメロデス的な方法論でもあるので、
ゴシックだけでなく多くのメタルリスナーにアピールする魅力があるだろう。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・9 メランコリック度・・9 総合・・8.5 Amazon.co.jp で詳細を見る


CRYPTAL DARKNESS 「CHAPTER U THE FALLEN」
オーストラリアのゴシックメタルバンド、クリプタル・ダークネスの2nd。2001作
暗く、沈む込むようなサウンドに乗るメロウなギターの音色にゆるやかなキーボード、
そして、元MY DYING BRIDEのメンバーが奏でる
もの悲しいヴァイオリンの旋律は絶品。
ドゥーミーな暗さとヘヴィさがありながら、美しいメロディのおかげで意外と聴きやすいのもポイント。
まさに、MY DYING BRIDEの後継者といってもよい本物のゴシックメタルが堪能できる。
シンフォニック度・・8 ドゥームゴシック度・・9 暗黒度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



HIM 「VENUS DOOM」
フィンランドのゴシックロックバンド、ヒムの6th。2007作
ゴシックのカリスマ、ヴィレ・ヴァロのマイルドな歌声で聴かせる叙情性とともに、
沈み込むようなダークさとともに、アルバムを通してのコンセプト的な統一感がある。
これまでハードロック/メタルリスナーからはやや軟弱な存在に見られてきたこのバンドだが、
これを聴けば「おっ、ヒムもカッコいいじゃん」と見直すことになるかもしれない。
個人的にはこの重さと暗さは大歓迎である。ダークだかしっかりと美しい。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 ヘヴィになりました度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る


TO DIE FOR 「JADED」
フィンランドのゴシックメタルバンド、トゥー・ダイ・フォーの3rd。2003作
グラムロック風の雰囲気をまとわせてHIMにも通じる、聴きやすいゴシックロックサウンド。
今作では、いくぶんメタリックな質感をアップさせつつ、キーボードのアレンジにも磨きがかかり、
マイルドな声質の男Voがメロディアスに歌い上げるサウンドは非常に心地よい。
同郷のENTWINEに接近してきた感があるが、こちらはやはりどこかにグラム風の
お洒落な質感があるところがポイント。時折現れるピアノも美しい。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・7 マイル度・・9 総合・・8Amazon.co.jp で購入


ENTWINE 「DIEVERSITY」
フィンランドのゴシックメタルバンド、エントワインの4th。2004作
叙情たっぷりの楽曲は、ピアノやシンセを効果的に使用し、
マイルドな声の男Voの歌唱とあいまって耳に心地よく、冬に聴くにはぴったり。
このバンドの場合、ゴシックといっても、暗さや絶望感などはなく、
もの悲しい叙情美をゆるやかに描いていて、メランコリックロックとしても普通に聴けてしまう。
ピアノの美しさ、そしてときにギターのメロウなフレージングが胸を打つ。
メロディアス度・・8 メランコリック度・・9 マイル度・・9 総合・・8 Amazon.co.jp で購入

LACRIMAS PROFUNDERE 「Songs for the Last View」
ドイツのゴシックメタルバンド、ラクリマス・プロファンデーレの8th。2008作
前作で固まったメランコリック・ゴシックロック路線はそのままに、
ギターリフにはやや重厚さが増し、なかなかドラマティックに聴かせる。
持ち味である哀愁のメロディとHIMを思わせるナルシスティックな倦怠感、
サビでは女性コーラスも加わって、シンセとともに美しいサウンドを作り出す。
ENTWINEなどが好きな方にも勧められる。フィンランドゴシックにも負けないクオリティだ。
メロディアス度・・8 ゴシックロック度・・8 マイル度・・8 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



*非メタル系ゴシック傑作

ELEND 「THE UMBERSUN」
フランスの暗黒クラシカルゴシックバンド、エレンドの4th。1998作
壮大なオーケストレーションと混声合唱団、女性ソプラノに凄絶な男性デス声、
これらが闇の中で交じり合いながら、
叙情的な絶望音楽を構築してゆく。
物凄い雰囲気の作品。これはすでに「暗黒のクラシック」ともいうべき地平である。
暗黒映画サントラのようなスケール感と、「本物」の空気を身につけたこのバンドは
易々とロックフォーマットさえも捨て去り、今後どこへ向かうのだろう。
シンフォニック度・・8 荘厳度・・10 暗黒叙情度・・10 総合・・9Amazon.co.jp で詳細を見る


ARCANA 「Dark Age of Reason」
スウェーデンのゴシックユニット、アルカナの1st。1996作
男女2人のユニットで、メタル色のない静謐感に満ちたゴシックミュージックをやっている。
荘厳なシンセに美しい女性ヴォーカル、そしてグレゴリアンチャント風の男性ヴォーカルが重なり
ダークで神秘的な世界観を描き出している、ELENDなどに比べると重々しい暗さは薄く、
シンフォニックかつアンビエントな美しさも感じられて、夢見心地で聴くことができる。
シンフォニックロック度・・8 暗黒度・・8 メタル度・・0 総合・・8Amazon.co.jp で詳細を見る



LACRIMOSA 「ECHOS」
スイスのゴシックメタルバンド、ラクリモーサの8th。2003作
十年以上も続く耽美ゴシックの二人組。毎回濃密なアルバムを聴かせる彼らだが、
今作ではメタル色をいっさい排した壮大かつクラシカルなシンフォニーとなっている。
ドラム、ベース、ギターすらもなく、ひたすら
荘厳なオーケストラと大仰なコーラスとが
粛々と、ときにたゆたうように、ときに盛り上がりつつ彼らの耽美世界を形成している。
シンフォニック度・・9 荘厳度・・10 メタル度・・2 総合・・8.5Amazon.co.jp で購入




*いかがでしたでしょうか、耽美なるこのゴシックメタル特集。
紹介した35枚のうち15枚以上持っていましたら、なかなかのゴシック通ですよ!


女性Vo特集ページ  ゴシックメタルCDレビューも合わせてご覧ください
*フィンランド系のゴシックバンドについてはフィンランドの音楽特集をご覧ください


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