フィンランド音楽 〜フィニッシュメタルについての考察とお薦めアルバムの紹介
FINNISH MUSIC



今、フィンランドが熱い!
いや…カンジナビアの国なので気候的には実際は寒いのであろうが…
音楽シーン…とくにハードロック、メタルシーンにおいてはもの凄い盛況ぶりを見せている。
今や大ベテランの域に入ったSTRATOVARIUSは、ティモ・トルキの脱退などもへて新たに復活、
それに続くSONATA ARCTICAは、ここ日本でも最大の人気バンドとなり、
女性ヴォーカルのシンフォニックメタルとして、その地位を確立したNIGHTWISH
メロディックデス界において不動の人気を誇るCHILDREN OF BODOMをはじめ多くのバンドが活躍、
現在においても次々と新たなバンドたちが出現し続けている。それもどれもがクオリティの高さを持ったバンドが。
スカンジナビアの東側の根元に位置するこの小さな国で、いったい何が起こっているのだろうか。
実際に現地へ行ったことはないので、そのシーンにおける拡大の要因を断定はできないが
近年になり綺羅、星のように現れるフィニッシュバンドたちの音を聴きながら、そこに何かを感じたいと思う。

                                        緑川 とうせい


フィニッシュ・メタルシーンの発展


やはり近年のフィニッシュメタル勢の活躍を見るに、NIGHTWISHの成功がひとつのきっかけとなった気がする。
それまでは、STRATOVARIUSが孤軍奮闘といった形でシーンを引っ張り、
ベテランのTAROTなどが地道な活動を続けていたが、
結局は、メジャーな音楽シーンにおいては所詮は「メタル」というものはマイナーなジャンルでしかなかった。

(事実、かつてのSTRATOVARIUSは本国よりも日本での人気にその地盤を置いていた)
    
STRATOVARIUS
 「DREAMSPACE」 1994年    「FOURTH DIMENTION」 1995年

そこに、美しきサウンドをひっさげて華麗に登場したのがNIGHTWISHである。
1997年に1st「ANGELS FALL FIRST」、続く1998年には2nd「OCEANBORN」を発表。
彼らのサウンドは、美しいオペラティックな女性Voにきらびやかなシンフォニックテイストをまとっており、
メタル云々を抜きに新鮮な驚きをもって、母国のリスナーの心を捕らえたのではないだろうか。
(2000年に発表された3rd「WISHMASTER」は、フィンランドのチャートで初登場1位を記録した)

    
NIGHTWISH
 
「OCEANBORN」1998年        「WISHMASTER」 2000年

これは本国フィンランドの一般リスナーが、メタル系バンドを認知、支持したという事実であり、
同時に、他の若手バンドたちやレコード会社を勇気づける結果ともなったはずである。
これは商業的な意味でもシーンの拡張、活性化につながらないわけはない。

(実際NIGHTWISHを送り出したレーベル、SPINEFARMは、近年いっそう精力的に若手バンドを輩出している)
こうしてNIGHTWISHの成功以降、フィンランドのメタルシーンは目ざましい拡大を見せる。

そんな中でも、今や日本でも不動の人気を誇るSONATA ARCTICAの登場は
その若く勢いのある高品質なサウンドとともに、この後のさらなる若手の台頭を予感させた。


SONATA ARCTICA
「ECLIPTICA」
2000年

それ以降もTWILIGHTNINGCELESTYDREAMTALECITADELREQUIEM
VIRTUOCITY、BURNING POINT、MYON
といったバンドたちが次々にデビューを果たし、
ストヴァリ、ソナタに続けとばかりに高品質なアルバムを発表、
日本でもけっこうな認知度を得ているのは周知の通りであろう。

一方で、フィンランドという国はメロデス、ゴシック系の方面でも優秀なバンドの宝庫である。
今やメロディックデス系バンドとしては日本でも絶大な人気を誇るCHILDREN OF BODOMがその筆頭。
そのデビュー作は、それまでのデスメタルでは考えられないほどのキャッチーなメロディを
華麗なシンセとともに疾走サウンドに融合させた、実に衝撃的なものだった。


CHILDREN OF BODOM
「SOMETHING WILD」
1998年

そのチルボドを筆頭に、ETERNAL TEARS of SORROWTOC(THRONE OF CHAOS)
KALMAHNORTHER、OMNIUM GATHERUM、CADACROSSCATAMENIA
といったシンフォニックなメロデス、メロブラバンドが続々とその名を連ねる。
こうしたバンド達は、どれも豊かなメロディと表現力、そしてテクニックとを兼ね揃えており
たとえば、ノルウェーのブラックメタル勢における「ピンからキリまで」といった
アンダーグラウンドなシーンと比較してみると、フィンランドのバンドたちは知的水準の高さをうかがわせ、
それぞれのバンドのアルバムにおける品質の確かさにおいても、一線を画しているといっていい。


北欧メロデスの黎明期から、独特の土着的なメロディをいち早く取り入れていたのがAMORPHISである。
傑作アルバム「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」
トラディショナルなメロディとデスヴォイスとを融合させるというサウンドで話題を呼んだ。


AMORPHIS
 「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」
1994年

AMORPHISはこの後、徐々にデス色メタル色を排してゆくが、その後にも土着的メロディを用いた、
いわゆる
“フォークメタル” “ヴァイキングメタル”系のバンドたちが続々と現れ始め、
MOONSORROWFINTROLLといった実力ある中堅を中心に、ENSIFERUMTURISAS
WINTERSUNKORPIKLAANIといった若いバンドたちが続き、すでに独自のジャンルを広げつつある

さらには“ゴシックメタル系”のバンドも、フィンランドのシーンを語るには不可欠だ。
その代表となるのはSENTENCEDだろうか。
初期の頃は暴虐性のともなったメロデスであった彼らだが、アルバムを重ねるにつれ、
激烈さよりは悲しげな哀愁のメロディを聴かせるバンドへと変化をとげてゆく。


SENTENCED
 
「AMOK」 1995年

ここでキーワードとなるのは、「北欧独特の哀愁と叙情」であり、
それを“メランコリック“という形容で表したとき、なにか非常にぴんとくるものがある。
「フィンランドでは音楽をやるか自殺をするかしかやることがない」
という、かつてSENTENCEDのメンバーがインタビューで言っていた言葉が印象深いが、
メランコリック…憂鬱にして倦怠の美

とも置き換えられるその悲しげなメロディは、メタリックなサウンドと融合されたとき
悲痛でありながらもどこか美しいという、泣きの美学となって我々の胸を打つ。
*シンフォニックメタルであるはずのNIGHTWISHまでが時にゴシックメタルとして扱われるのも、
きらびやかなだけでなく、そのどこかに薄暗い耽美性を有しているせいではないかと思う。
そういう意味ではNIGHTWISHの成功は、それまでマニアックなシーンであった
フィンランドのゴシックメタルシーンにも改めてスポットを当てさせたのかもしれない。


そのSENTENCEDをはじめ、欧州ではすでにかなりの人気ぶりである耽美派ゴシックロックのカリスマHIM
それに影響を受けたであろう、TO/DIE/FORENTWINECHARON、といったバンドたちが、
倦怠をまとわせたメランコリックなメロディと、キャッチーな聴きやすさを融合させ良質なアルバムを次々に発表していった。


To/Die/For
 「ALL ETERNITY」
1999年

こうし見てくると、フィンランドという国の音楽には、特殊な風土による独自性が感じられる。
メランコリック・寒々しい叙情・そして土着性、それらを上手く取り入れながら
時代に合った、質の高い音楽を生み出すことに長けているに違いない。
そうしたバンドの音楽が、遠く離れた日本にいる我々にもイメージとしてのフィンランド像を描かせるのだ。

さて、長くなったが、以下ではフィンランドのバンドでお薦めアルバムを紹介したい。

★印で示した点数の中にフィンラン度…なる項目があるが、これは感覚的なもので
「なんとなく“フィンランド”っぽい」 「メランコリック度が高い」といった、
そんな感じで見てもらえればと思う。


                               緑川 とうせい

*注* このページにおける文章、画像等の転載は禁止します。
文章等を転載する場合は必ず管理人緑川に許可を得てからお願いします。


2008.5.3更新


フィンランドのお薦めバンド
メロパワ・シンフォメタル
STRATOVARIUS

ELEMENTS PT1 2003年


ELEMENTS PT2
2003年
ストラトヴァリウスの9th

かつてのような疾走感は薄れたが、テーマにそった壮大さが光る巧みな一作。
オーケストラも導入して、曲によってはメタルらしからぬしっとりとした部分もあり、前作「INFINIT」で一度は燃え尽きたティモ・トルキの「再生の過程」を思わせるような、穏やさと自然体の空気がサウンド全体に感じられる。
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ストラトヴァリウスの10th

前作の続編となる見事な傑作。
4th以降「売れる」アルバムを作ることを義務づけられていたティモ・トルキが、それらを振り払い立ち帰った己の宇宙がここにある。
虚飾で飾らないメロディと、パワフルなサウンドには、メタルに対する確かな情熱とひたむきさがあり、楽曲は比較的シンプルながらも非常に力強く、そして魅力的だ。
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メロディアス度★★★★
疾走度     ★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★★★
NIGHTWISH

CENTURY CHILD
2002年



ONCE
2004年
ナイトウィッシュの4th

ブレイクした前作「Wishmaster」よりもメタリックな疾走度はやや控えめになったが、代わりにシンフォニックな美麗さと音の厚みで勝負に出た意欲作。
磨きがかかったターヤのオペラティックな歌唱も見事な傑作アルバムだ。
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ナイトウィッシュの5th

細かなアレンジの見事さに加え、メタリックな質感とシンフォニック路線が完璧に融合した名作。
いっそうの自信と説得力をともなったサウンドには、バンドとしての絶頂期の力強さが感じられる。
残念ながら、歌姫ターヤはこの後バンドを脱退。
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メロディアス度★★★★★
疾走度     ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★★
SONATA ARCTICA

SILENCE 2001年
ソナタ・アークティカの2nd

きらきらとしたキャッチーなメロディと軽快な疾走感で聴かせるサウンド。
分かりやすいコンパクトな楽曲も魅力で、若いリスナーの心をとらえたのもうなずける。
1st「ECLIPTICA」同様に出来がよいアルバムだ。
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メロディアス度★★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★★
TWILIGHTNING

DELIRIUM VEIL
2003年
トワイライトニングの1st

ソナタに続いてデビューしたバンドだか、メロディアスでありながら、なかなか骨太のサウンドで、デビュー作にして新人離れしたセンスの良さは特筆もの。メロディとスピード、パワーと非常にバランスのよい高品質なアルバムだ。
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メロディアス度★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★

お薦め度    ★★★★
THUNDERSTONE

2002年
サンダーストーンの1st。

メロディアスに疾走するオーソドックスなスタイルでとても聴きやすいが、STRATOVARIUS色が強く、新鮮味はやや薄い。
2nd以降ではオーセンティックな骨太のハードロックサウンドへとシフトしてゆくが、ソナタやストヴァリタイプのメロパワが好きなら本作からどうぞ。

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メロディアス度★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★
DREAMTALE

OCEAN'S HEART 2003年
ドリームテイルの2nd

メロスピとして定型内の作りながら、曲はとにかくシンフォニックでメロディアス。
フィンランドらしさは薄いが、ファンタジックなきらきらとしたサウンドで疾走する楽曲はじつに心地よい。1st「BEYOND REALITY」も同様に、キャッチーなメロスピ作でお薦めだ。
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メロディアス度★★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★★
CARDIANT

MIDDY MOON 2005年
カーディアントの1st。

基本はメロディアスに疾走するタイプだが、最近のソナタよりもずっとメロスピ寄りでメロディの煽情度も高い。
楽曲アレンジも演奏も堂々としていて、クオリティ的にも新人とは思えないレベル。メロウなフレーズを奏でるギターは、クサメロ好きにはたまらないし、ヴォーカルもなかなかしっかりしている。有望な新人だ。
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メロディアス度★★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
OLYMPOS MONS

Medievil 2007年
オリンポス・モンズの2nd

クサいまでの叙情メロディでパワフルに疾走しながら、音にはどこかやわらかみが感じられる。
キャッチーなシンフォニック性に古き良きジャーマンメタル的な懐かしさが加わり、中世の王国や騎士などを歌ったファンタジックな世界観も、娯楽映画的なドラマ性を付加していて、聴き手の気分を盛り上げる。
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メロディアス度★★★★★
疾走度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
ARI KOIVUNEN

FUEL FOR THE FIRE 2007年
アリ・コイヴネンのアルバム

フィンランド版アイドル発掘番組「IDOLS」で優勝を飾りデビューした新人。
CHILDREN OF BODOM、SONATA ARCTICA、NIGHTWISH、STRATOVARIUSなどのメンバーたちが参加し、楽曲、演奏ともに質は高い。ソナタやストヴァリ的な曲が多く、目新しさはあまりないが、北欧らしいメロディックメタルとして普通に楽しめる。
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メロディアス度★★★★
疾走度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★


フィンランドのお薦めバンド
メロディックデス、ブラックメタル
CHILDREN OF BODOM

FOLLOW THE REAPER

2000年
チルドレン・オブ・ボドムの3rd

デスメタルとは思えないメロディアスさと、軽快さで疾走。きらきらとしたキーボードに、テクニカルな様式フレーズを撒き散らす流麗なギターサウンドは今作でついに完成の域に。
40分弱と収録時間は短いが、この完成度の高さはフィンランド産メロデス最高の一枚といっていい。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★★
NORTHER

DREAMS OF ENDLESS WAR

2002年
ノーサーの1st

聴きやすくしたCHILDREN OF BODOMという雰囲気で、楽曲、演奏とも綺麗にまとまっている。
とくにギターのメロディフレーズは、およそデスメタルには似つかわしくないほどキャッチーだ。
時折出てくるフォーキーなフレーズもフィンランドらしくて良いが、キーボードの音などは軽く、全体的に暴虐性は低い。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
MORS PRINCIPIUM EST

THE UNBORN 2005年
モルス・プリンシピアム・エストの2nd

巧みなシンセのアレンジがスケール感を増し、前作よりも大幅に説得力がついた。
疾走だけに頼らない曲作りも見事で、センスあるギターリフにメロディ、女性コーラスの導入や、様々なエフェクトを効果的に取り入れるなど工夫とアイディアが多い。これまでのバンドの良い要素を取り入れながら、細部までアレンジの練られた高品質作だ。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
KALMAH

Black Waltz 2006年
カルマの4th

ETERNAL TEARS OF SORROWCATAMENIAのメンバーなどによるバンドで、聴きやすい疾走メロデスサウンド。
新鮮味は薄いが、シンフォニックな美麗さと暴虐さのバランスがとれた高品質な作品だ。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
OMNIUM GATHERUM

SPIRITS AND AUGUST LIGHT
2002年
オムニウム・ギャザラムの1st

ツインギターの流麗なリフで疾走、バックにはうっすらとしたシンセ。一聴するとありがちなメロデスサウンドなのだが、演奏者の技量とセンスがあればここまでよいサウンドになるのだ、という見本のようなアルバム。巧みなリフワークとそのメロディのつなぎの心地よいこと。暴虐さよりも、この流れるような展開美で聴けてしまう。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
Eternal Tears of Sorrow

「Before」
2006年
エターナル・ティアーズ・オブ・ソロウの5th

ゴシックメタル寄りの耽美な世界観と、美しい流麗なキーボードワークで疾走。音にはあまり暴虐さを感じないので、デスが苦手な方にもお勧めできる。クラシカルなギターとキーボードの重なりで、ゴージャスな雰囲気と同時に、内的な美意識を描くサウンドは見事だ。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
TOC

LOS ANGELS
2004年
TOC(スローン・オブ・ケイオス)の3rd

バンド名をTHRONE OF CHAOSからTOCと変え、よりプログレッシブになったアルバム。
ツインギターとキーボードによる北欧らしい叙情が素晴らしい。この知的なアレンジ力は、もはやメロデスとは呼べないが、むしろ北欧系プログレメタルとしても聴けるだけの傑作だ。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★★
CATAMENIA

ESKHARA」 2002年
カタメニアの4th

シンフォニックなキーボードにプラストビートで暴虐に疾走。
全体的に綺麗で聴きやすいシンフォブラックスタイルで、ときおりヴァイキング風の土着メロディも聴かせる。どのアルバムも同傾向でクオリティは高いが、まずは本作をお勧めする。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
CADACROSS

SO PALE IS THE LIGHT
2001年
カダクロスの1st

北欧らしいやや田舎ぎみのメロディを、透明感のあるキーボードとギターが奏で、曲は速すぎず遅すぎずで聴きやすい。
ヴァイキング調の土着メロディとあいまって、サウンドにはうっとりと聴けるような心地よさがある。2ndは整合感を増し、よりチルボドに接近した音になっている。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
INSOMNIUM

IN THE HALLS OF AWAKING
2002年
インソムニウムの1st

ツインギターの奏でるいかにも北欧らしいメロディで、初期AMORPHISのような土着性をメロデスに持ち込んだようなサウンドだ。
キラキラとしたスタイリッシュな疾走感はないが、やや田舎臭いメロディをふりまくギターのフレーズはじつに魅力的。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★


フィンランドのお薦めバンド
ヴァイキングメタル/フォークメタル

AMORPHIS

Eclipse 2006年
アモルフィスの7th

これまでの民族調の雰囲気はそのままに、今回は曲によってはデス声を復活させたり、メランコリックなゴシックメタル風の要素も取り入れるなど、初期のサウンドが好きな方にもアピールする内容だ。ギターによる煽情メロディも耳に心地よい。ある意味スタイリッシュな音なのだが、フィンランドの土着性は、しっかりとサウンドの奥底に残っている。
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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★
ENSIFERUM

2001年
エンシフェルムの1st

疾走するリズムにたっぷりとトラッドメロディを取り入れたヴァイキングメタル。
ツインギターの奏でる田舎臭いメロディが心地よく、疾走する暴虐さも兼ねそろえていて、メロブラファンにもお薦めできる。

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メロディアス度★★★★
暴虐度     ★★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★
MOONSORROW

KIVENKANTAJA
2003年
ムーンソロウの3rd

これぞシンフォニック・ヴァイキングメタルの傑作。
勇壮にして叙情的な壮大なサウンドで、楽曲にしろ演奏にしろ、凄まじい説得力をともなって耳に響いてくる。
まるで雪に包まれた北欧の森を、勇ましく戦士たちが駆け抜けてゆく様が目に浮かぶようだ。

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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★★
FINNTROLL

NATTFODD
2004年
フィントロールの3rd

陽気なポルカのメロディと、メロデスサウンドを融合させた個性的なスタイル。やりすぎなまでにキャッチーなメロディには思わず聴いていて笑いがこぼれるほど。
シンフォニックかつフォーキーな楽曲の完成度が無駄に…いや、素晴らしく高い傑作。

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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★★
KORPIKLAANI

Tervaskanto 2007年
コルピクラーニの4th

今作はFINNTROLLにも接近した雰囲気でメタリックな部分と、フォーキーな要素のコントラストがくっきりとしてきた。
アコーディオン、フィドルによる民族要素も、土着メロディをきわだたせることで、陽気で愉快でありながら、哀愁の叙情を感じさせてくれる傑作。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★
TURISAS

BATTLE METAL 2004年
チュリサスの1st

壮麗なシンセにヴァイオリンがからみ、まるでRHAPSODYをヴァイキング化したような大仰さで聴かせる。
かとおもえば、アコーディオンやバグパイプなども使用し、トラッド音楽もしっかり取り入れている。
デス色はあまりないので、初心者にもお薦めできる。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
WINTERSUN

2004年
ENSIFERUMを脱退したJARI・MAENPAAのソロプロジェクト、ウインターサンのアルバム

様式美的なネオクラシカル風味もある、シンフォニックなヴァイキングサウンド。
高密度、高クオリティで暴虐かつ華麗に疾走する。
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メロディアス度★★★★★
暴虐度     ★★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★


フィンランドのお薦めバンド
ゴシックロック
HIM

VENUS DOOM 2007年
ヒムの6th

ゴシックロックのカリスマ、ヴィレ・ヴァロの歌唱を中心に、メロウな倦怠の美を聴かせるバンド。

さらに今作では、今までになく沈み込むようなヘヴィなダークさとともに、アルバムを通してのコンセプト的な統一感がある。個人的にはこの重さと暗さは大歓迎である。ダークだがとても美しいサウンドだ。
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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★★★
フィンラン度  ★★★★★
お薦め度    ★★★★
TO DIE FOR

JADED 2003年
トゥー・ダイ・フォーの3rd

マイルドな声質の男Voで、HIMを思わせる聴きやすいゴシックメタル。
今作は初期のアルバムよりもメロディと楽曲の質が向上している。曲調にはどこかグラムロック風のお洒落な雰囲気があるのも特徴で、ヘヴィなものが苦手なメタルリスナー以外にも勧められる。
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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
ENTWINE

DIEVERSITY 2004年
エントワインの4th

メロディアスで聴きやすい楽曲に、マイルドな声質のヴォーカル。
適度にヘヴィで適度にシンフォニックなこのアルバムは、ゴシックロックとしても完成度が非常に高い。フィンランドらしい倦怠の美とメランコリックな雰囲気を味わうには最高のバンドだ。
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メロディアス度★★★★★
ゴシック度   ★★★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★
CHARON

SONGS FOR THE SINNERS
2005年
カローンの5th

HIMのヴィレ・バロを思わせるマイルドな歌声で聴かせる哀愁のゴシックロック。
本作では曲における細かなアレンジ力の向上とともに、サウンドの説得力がぐっと増している。薄暗い叙情に重さも加わって、所々で使われる女性コーラスも良い。HIMENTWINEなどが好きなら、充分に薦められるクオリティだ。
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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
LULLACRY

vol.4 2005年
ララクライの4th

女性Vo、
Tania嬢のキュートでコケティッシュな歌声と、バックのモダンヘヴィなサウンドが上手くコントラストになっている。
初期のアルバムよりもメタリックなヘヴィさと、ハードロックとしてのノリの良さが増している。その一方で、いかにもフィンランド的な哀愁を感じさせる曲もあり、ゴシックメタル的なもの悲しさを巧みなアレンジで聴かせる。
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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
SOULRELIC

Love is a lie we both believed
2005年
ソウルレリックの1st

モダンな質感のあるフィニッシュ・ゴシックロックでHIMTO/DIE/FORに影響を受けていることが一聴して分かる。
ヘヴィすぎないギターに、デジタル風味のあるシンセアレンジ、そして哀愁漂うなヴォーカルは、マイルドな声質もあって耳に心地よい。我々日本人にぐっと訴えかけてくる「泣き」と、ツボを押さえたサビでのコーラスワークが素晴らしい。
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メロディアス度★★★★★
ゴシック度   ★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
Carmen Gray

The Portrait of Carmen Gray
2007年
カルメン・グレイの1st

ヴィジュアル重視の色物バンドかと思いきや、どっこいサウンドの質はとても高い。
フィンランドらしい倦怠と哀愁の叙情をまとわせた楽曲はあくまでメロディアス。キーボード入りの美しいアレンジもいかにも北欧的で、かすかに土着性を含んだメロディを織り込むセンスもにくい。
メジャー志向のキャッチーさとオーセンティックなHRとしてのバランスが見事なサウンドだ。
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メロディアス度★★★★★
ゴシック度   ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
NEGATIVE

SWEET & DECEITFUL
2004年
ネガティブの2nd

美形ヴォーカリスト、ヤンネの甘い歌声に、なかなかメロウなギターが重なる心地よいサウンド。
この2ndからはキーボードも加わって、音には北欧的な美しさが増している。メロディアスで聴きやすい、ゴシック風味の北欧ロック作。
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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
LOVEX

PRETEND OR SURRENDER
2008年
ラヴXの2nd

まるでヴィジュアル系のようなジャケからは音の想像がまるでつかないが、HIMを思わせるメランコリックなメロディをもう少しキャッチーに聴かせるスタイル。それでいてシンフォニックなアレンジなどは、むしろNIGHTWISH的で、きらきらとしたメロディが耳に心地よい。フィンランドのバンドらしく質が高く安心して聴け、メタル、ロック、ゴシックの垣根を超えるような、こだわりのない若者らしさに溢れている。
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メロディアス度★★★★★
ゴシック度   ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★
THE RASMUS

DEAD LETTERS
2004年
ザ・ラスマスの5th

メタルではなく、いわゆるエモーショナルロック系のバンドで、NEGATIVEなどとともに母国では大人気のバンド。
その哀愁ただようロックサウンドには、やはりフィンランドらしいメランコリックな美学が感じられる。2ndも同様にお勧めだ。

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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★

フィンランドのお薦めバンド

ゴシックメタル
SENTENCED

COLD WHITE LIGHT
2002年



THE FUNERAL ALBUM
2005作
センテンストの7th

哀愁ただようメロウなギターフレーズに、切なげなノーマルヴォイスの歌唱。
もはやかつてのメロデスの面影はなく、フィンランドの寒々しい気候を象徴するようなゴシック寄りのサウンドになった。この悲しみと叙情に満ちた美旋律は、いまやフィニッシュ・メランコリック・メタルの代名詞である。
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センテンストの8th

バンドのラスト作である本作は、意外なまでのノリの良いゴシックロックスタイルの曲調に少々面食らうが、やはりフィンランドからしか出て来ない、メロディアスかつもの悲しい倦怠と叙情が、どの曲からも漂ってくる。
音には太いヘヴィな部分もしっかりと残っていて、その合間を縫うピアノの旋律も実に美しい。

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メロディアス度★★★★
ゴシック度   ★★★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★
BATTLELORE

Evernight 2007年
バトルローの4th

戦士やエルフや魔法使いなシーフなどになりきって、ファンタジー世界を描き出すこのバンド。
ヴァイキングメタル風の曲調に、絶叫男Voと女性Voの絡みを乗せるスタイルはこれまでになくハマっていて、全体的にサウンドの説得力は増している。物語的な幻想世界と、メタリックでややモダンなアレンジとのバランスがとれた好作だ。
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メロディアス度★★★
ゴシック度   ★★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★
SILENTIUM

SUFFERION-HAMARTIA OF PRUDENCE
 2001年
サイレンティウムの3rd

この重厚さ、この絶望感…そして美しさ。本物の「重悲しさ」がここにある。
美しくもはかなげなピアノ、メランコリックさと悲哀を感じさせるギターフレーズ、しっとりとした女性Vo、そして漂う倦怠の香りに、聴いていてうっとりとなる。
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メロディアス度★★★★★
ゴシック度   ★★★★★
フィンラン度  ★★★

お薦め度    ★★★★


フィンランドのお薦めバンド
変わったバンドも聴いてみよう
APOCALYPTICA

Cult 2000年


REFLECTIONS 2003年
アポカリプティカの3rd

チェロでメタルを演奏するという、変わり種バンド。
チェロのみというのが信じがたいほど音には厚みがあり、まるでギターのようにエフェクトをかけて歪んだ音も出していて、まさに音像はメタルそのもの。
北欧のバンドらしい寒々しさとダークな部分が感じられるのも特徴で、ときにはヴァイオリンのような叙情的なメロディを奏でる曲もあり、クラシカルかつヘヴィなサウンドを構築する
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アポカリプティカの4th

今作はゲストにSLAYERのデイブ・ロンバルドを迎え、ドラム入りの曲ではますますメタル的なアグレッシブさが増している。
もちろん、クラシカルで美しいチェロの響きを聴かせてくれる曲もあり、その高いクオリティの曲アレンジと独自の世界観には、もはやカルトなバンドからは脱却し、多くのリスナーが注目すべきバンドになったと言える出来だ。
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クラシカル度 ★★★★
メタル度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
ALAMAAILMAN VASARAT

VASARAASIA 2000年


「KAARMELAUTAKUNTA」
2003年
アラマーイルマン・ヴァサラットの1st

サックス、トロンボーン、チェロを中心にフリーキーな旋律を奏でつつ、激しめのドラムに、オルガン、ピアノなどが加わった面白いサウンド。
メロディにはどこかサーカス的な愉快さと哀愁があり、土着性も感じられる。チェンバーロックバンド、Hoyry-koneのメンバーが結成しただけあって、ヘヴィな歪ませたチェロも出てきたり、一筋縄ではいかない。個性的なバンドがが好きな方はぜひ。


アラマーイルマン・ヴァサラットの2nd

前作の延長ながら、チェロ奏者が一人増え、音に厚みが増した。サックス、クラリネットの音色に絡む、トロンボーン、チェロの響きの薄暗さ、そして哀愁をただよわせるオルガンによって、トラッド的な味わいもある個性的な音楽性は、より深みを増した。
前作よりも叙情性が増えてやや落ち着いてきている印象だが、ザクザクとした歪ませチェロも健在で、全体的にも静と動のメリハリがついた作品となっている。
メロディアス度★★★
プログレ度   ★★★★★
フィンラン度  ★★★★

お薦め度    ★★★★
VARTTINA

KOKKO 1996年


VIHMA 1998年
ヴァルティナの6th

ヴァルティナはトラディショナル音楽の現代化をなし遂げた素晴らしいバンドである。
このアルバムは、彼らのなかではもっとも聴きやすい1枚で、女性陣によるコーラス、ヴォーカルはいかにもトラッドメロディであるが、ロックフォーマットのリズムに溶け込ませることで、一般のポップリスナーにも聴かせられる音楽に変えてしまった。
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ヴァルティナ
の7th

前作の聴きやすさに加え、もう少し北欧的なアクのあるトラッド要素を増したアルバム。
高密度なアレンジと変拍子を取り入れた凄まじい演奏力、土着性とポップ性の完全なる融合。
伝統と革新が絶妙のバランスでなされた傑作だ。
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メロディアス度★★★★★
トラッ度     ★★★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★★
GJALLARHORN

RANAROP CALL OF THE SEA WITCH 1997年


SJOFN 2000年
ヤァラルホーンの1st

ヴァイオリン、フィドルの音色に、いかにも北欧的なスキャット、コーラス、そして伸びやかな女性Voの歌唱が、涼やかな風のように響く。
演奏力も素晴らしく、精神性は本格派のトラッドでありながらもアレンジには現代的な解釈もされていて、この手のバンドの中では聴きやすいサウンドだ。
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ヤァラルホーンの2nd

母国語による女性Voの歌唱がいかにも「フィンランド」という雰囲気をかもしだす。
1stよりもラジカルな要素が増していて、リズム的な躍動感があり、聴いていて楽しい。北欧のGARMARNAあたりにも接近した音ともいえる。
後半では伝統に根ざしたしっとりとしたトラッド曲も聞かせてくれ、鳴り響くヴァイオリンの音色にうっとりできる。
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メロディアス度★★★★
トラッ度     ★★★★★
フィンラン度  ★★★★★

お薦め度    ★★★★


さて、いかがだったでしょうか。今回のフィンランド特集。
ここに載っているCDをけっこう持っていたりする」、「好きなバンドがけっこう多いかも…」
という方は、すでに立派なフィニッシュ・メタルファンかもしれません(笑)

このページに載っていないもので、他にもお薦めのフィンランドのバンドがありましたら
メールBBSにてぜひお知らせください。また、CDレビューも合わせてご覧ください。


*また、ROCKファンの為のROCK仮想都市「WeROCK City」のサイトでは、
「FINLAND FEST 2008」などの特集も見られます。こちらもチェック!


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