CDレビュー
テクニカル & 変態系
(プログレメタル、プログレブラック含む)
technical & avantgarde

掲載バンドは上からABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


  音楽ページトップへ   *変態メタル特集ページ



ABIGOR「Fractal Possession」

オーストリアのブラックメタルバンド、アビゴルのアルバム。2007作
このバンドの初期2作は世界的に見てもブラックメタルの名盤たりえる内容であったが、
しだいにそのサウンドは初期のドラマティックな路線から変化してゆき、
2001年の6thを最後に音沙汰がなくなっていたが、いつのまにか7作目を出していた。
どことなくモダンな雰囲気のイントロから激しくブラストで疾走を開始、
唐突でアヴァンギャルドな展開を盛り込んだ独自のブラックメタルを形成している。
初期のような幻想的な作風ではなくなったが、妖しげでプログレッシブな感性と
サイバーな香りを漂わせた世界観はなかなか面白い。ドラムの音が軽いのが少し残念。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ABIGORTime Is the Sulphur in the Veins of the Saint

オーストリアのブラックメタルバンド、アビゴルの2010年作
デビューから15年以上のベテランで、初期のプリミティブなブラックメタル路線から、
前作からはプログレッシブでサイバーな方向性へとシフトしていたが、
おそらく8作目である本作は、19分、18分という大曲2曲という極端な構成となった。
暴虐なブラストビートでたたみかけながら、アヴァンギャルドな展開と起伏に富んだ
プログレッシブな構成と、デジタリィでサイバーな世界観を合わせた個性的なサウンドである。
ドラマティック度・・8 サイバーブラック度・・8 知的アヴァンギャル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


AGHORA「AGHORA」

アメリカのプログレメタルバンド、アゴーラの2000年作
プログレッシブなリズム感覚と個性的なアレンジ、そしてやわらかな女性ヴォーカルの歌声とともに、
ときおり民族調の雰囲気もただよわせた異色作。CYNICのリズム隊も参加しているということで話題になったが、
サウンドはいわゆるProgMetalではなく、浮遊感を漂わせたつかみ所のなさが面白い。
むしろクリムゾン系のへヴィプログレの深化系とでもいった方が良いのかもしれない。
たとえばGORDIAN KNOTや90年代KING CRIMSONなどが楽しめれば、より鑑賞しやすい作品だと思う。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

AGHORA「Formless」

すっかり忘れていた頃に出ていた、アゴーラの2nd。2007年作
前作同様、テクニカルな変拍子リズムに浮遊感のあるプログレ的作風だが、
複雑なギターリフの上に新加入のディアナ嬢の美声が乗る
ゴシックともプログレメタルとも言えないような不思議な質感のサウンドだ。
メタリックな部分ではむしろヘヴィになっていて、KING CRIMSON風でもあった前作よりは
ある意味で分かりやすくなっている。変わったProgMetalが好きな方には充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


AKERCOCKE「THE GOAT OF MENDES」

イギリスのブラックメタルバンド、アカーコッケ(?)の1st(?)。2001作
いきなり剛速のブラストに「ぐむぉぉぉ」低音デス声炸裂の本気系ブラック、
かと思いや、リズムはなんだか唐突に変拍子とか。途中おねーちゃんの喘ぎも入り
一筋縄ではいかないサウンド。やがて高音ブラック声も交じり、奇妙なリフに唐突な曲展開。
こりゃ、変態系アヴァン・プログレ・剛速ブラックだぁ。曲によってはシンセやアコギも入り、
それなりにシンフォニックな叙情もあって面白い。PCで見られるビデオクリップは、
低予算な作りながら裸もでてきます(笑)。なんなんだ、こいつら ? いや、変態でしょう。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で購入

AKERCOCKE「CHORONZON」

イギリスの変態ブラックメタルバンド、アカーコッケの2nd。2003作
1stの時点から、奇妙で唐突な展開や変拍子などを取り入れた
プログレッシブなアプローチが面白い暴虐ブラックサウンドだったが、
この2ndではさらに全体的にアレンジの整合感のようなものが出てきて、
テクニカルなプログレ的展開がごく自然に聴こえるようになっている。
とはいうものの、剛速な所はブラストしまくりで、わめきまくりなので、軟弱さはなく、
むしろノーマル声パートや静寂部分とのメリハリがついた感じがする。
演奏力もかなり高く、変態ブラックとしては非常に有望株。
テクニカル度・・8 変態度・・9シンフォニック度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

AKERCOCKE「Antichrist」

イギリスの変態系ブラックメタルバンド、アカーコッケの4th。2007作
1stのころから変態系ブラックとして注目していたが、今作はその暴虐さに磨きがかかり、
まるで古き良きデスメタルのようにブルータルに突進している。
ブラストビートに続く唐突な叙情パートの入れ方や、ノーマル声での歌唱などに
プログレッシブなセンスを感じさせつつ、あくまでブラックメタルとしての過激さも追求している。
英国のバンドとしてはここまで硬派な音楽性を追求するバンドも珍しいだろうし、
暴虐さの中にEMPERORあたりにも通じる荘厳さを感じさせるのは大したもの。
このスラッシーな質感は、むしろオールドなデスメタルファンに受けるのではないかと思う。
メロディアス度・・6 暴虐度・・9 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ALARUMNatural Causes

オーストラリアのテクニカルメタル、アラルムの2011年作
ギター、ベース&ヴォーカル、ドラムの3人組で、変則リズムを多用したテクニカルなサウンド。
モダンな硬質感とともに、ダミ声入りのヴォーカルで疾走するメタルコア的な激しさもありながら、
むしろ軽やかなフュージョンメタル風味や、ギターシンセなどを使用したメロディアスさも覗かせる。
ヘンタイ一歩手前というくらいの複雑な楽曲と、巧みなフレーズを聴かせるギタリストのセンスも含め、
テクニカルかつクールなアンサンブルはなかなか見事なものだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 フュージョンメタル度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ANGIZIA「Das Tagebuch Der Hanna Anik」

オーストリアのアヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの2nd。1997作
クラシカルなピアノに、絶叫ブラック系Vo、そして美しいソプラノヴォイス。
優雅さと暗黒性が同居したサウンドは、DEVIL DOLLにも通じる誇大妄想的というか、
シアトリカルな雰囲気をかもしだしており、音にはややチープさがあるがつい引き込まれる。
室内楽風の軽やかなピアノに絡むメタリックなギター、というミスマッチ感覚も独特で
ときおり現れるフルートなどもいい味を出している。オペラ風になる男女ヴォーカルといいい、
こけおどし感とクラシカルなテイストが混ざり合う、奇妙なゴシックサウンドである。
クラシカル度・・8 暗黒度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ANGIZIA「39 JAHRE FUR DEN LEIERKASTENMANN」

オーストリアの男女Voクラシカル・アヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの4th。2001作
1st「DIE KEMENATEN SCHARLACHROTER LICHTER」
3rd「DAS SCHACHBRETT DES TROMMELBUBEN ZACHARIAS」
は最初に聴いていたので、そのクラシカルにして本格的な誇大妄想的サウンドは、
高密度かつ高品質でプログレ、変態、ゴシック好きとしては評価せざるをえないものがあった。
前作ではほぼ女性声メインのサウンドだったが、今回から男のわめきVoが復活。
サウンドはメタル色は希薄で、クラシックに裏打ちされたピアノ、ヴァイオリンを用いた格調高いものから
軽快なアコーディオンの上を男女Voが歌を掛け合うといったおちゃらけたものまであり、
芸術性とアヴァンギャルドな精神が奇妙に融合した作風となっている。
ところによってはDEVIL DOLLなどのリスナーも惹きつけるような大仰なシリアスパートもあり、
野郎Voのドイツ語の歌唱はMr.Doctorのようだし、女性声のオペラティックな歌唱も良い。
やはり今後も目が離せないバンドのひとつといえそうだ。
テクニカル度・・7 変態度・・9クラシカル度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ANGIZIA「EIN TOTER FAHRT GERN RINGELSPIEL」

オーストリアのアヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの5th。2004作
前作「39 Jahre fur den Leierkastenmann」が変態系ゴシックとしては相当の傑作だったが、
今回も期待通りの出来。まるでDEVIL DOLLのようなシアトリカルなドイツ語ヴォーカルに、
アコーディオンやクラリネットの愉快な音色は、一聴した質感ではコミカルですらある。
メタリックな要素はあまりなく、民族調のアヴァンギャルドサウンドであるが、
ときにクラシカルなピアノやヴァイオリン、オペラティックな女性Voなどが現れ、
彼らの持つアカデミックで豊かな音楽的なバックボーンを聴かせるあたりはさすが。
全24曲75分という大作で、コンセプト作っぽいが詳細は不明。…まごうことなき変態。
暗黒愉快度・・8 シアトリカル度・・9 変態度・・10 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


Anomalous「Ohmnivalent」

アメリカのテクニカルデス、アノマロスの2011年作
BRAIN DRILLTHE FACELESSに在籍したドラマーを擁するバンドで、
こちらも上記バンドを彷彿とさせるような超絶テクニカル変態デスメタル。
ブラストビートでたたみかける暴虐さとスウィープを含んだテクニカルなギターワークで、
音の隙間を埋めてゆくような濃厚サウンドだ。ヘンタイすぎたBDに比べると
こちらはまだ音に美意識というか、シリアスな格好良さのようなものがあって、
変則リズムの中にも、やりすぎ一歩手前で抑えるような構築センスが感じられる。
ブルータルかつテクニカル、そして荘厳なドラマティックさもかいま見える濃密作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ANTI-DEPRESSIVE DELIVERY
「FEEL MELT RELEASE ESCAPE」


ノルウェーのプログレメタルバンド、アンチ・デプレッシブ・デリバリーのアルバム。2004作
面白いことに、このバンドメンバーは皆デスメタル関係でバンド活動をしていた経緯をもつ。
したがってサウンドの方は、いわゆるDREAM THEATER系のProgMetalとも、
シンフォニック系のプログレハードとも異なり、変拍子リズムを使用したギターリフに
時々デスチックになるドラミング、そこにヴィンデージ調のキーボードが重なり
目新しくないようでいて、意外にこのタイプはいない、というものになっている。
時に古めかしいハモンドや、まるでANEKDOTENのようなメロトロンが盛大に鳴り響き、
メロディにはキャッチーさをかいま見せつつも北欧のバンドらしいさびれた風情をかもしだす。
難解さよりはプログレ・ロック的なノリがあるので、複雑すぎる変態系が苦手な人にも聴けるだろう。
ACT、ANEKDOTEN、PAIN OF SALVATION、MATS/MORGANあたりに通じる要素も感じられる。
テクニカル度・・8 変態度・・7メロディアス度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で購入


ATHEISTPiece of Time」

アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの1st。1990作
2nd、3rdも素晴らしいが、1stである本作も、デビュー作とは思えないクオリティの高さ。
手数、テクニックとも抜群のドラムを土台にした変則リズムの上に、
存在感あるベースと、縦横無尽なリフ、フレーズを奏でるギターが乗る。
その複雑な楽曲はWATCHTOWERなどを思わせるが、ちょうどこのくらいの時期から
テクニカル化してゆくDEATHにも通じるだろう。この年代を考えれば、非常に難解で、
ある意味芸術的なデスメタルといっていい。今聴いても充分刺激的な傑作だ。
ボーナストラックには初期のデモ音源を9曲収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATHEISTUnquestionable Presence

アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの2nd。1991作
サウンドはテクニカルかつプログレッシブ。曲はかなり唐突な展開が満載で、ようするに変態系
ヴォーカルは一応ダミ声系なのだが、全体的にも暴虐度は高くなく、リフにもメロディらしきものが多いので
デスメタルというよりはアヴァンギャルドなプログレ・ジャズロック・メタルとして聴いた方がいいかもしれない。
ある意味、テクニカルデスの名作DEATHの「Individual Thought Patterns」を上回るほどの怪作。
リマスター再発盤には、デモ音源等を多数収録。変態メタル好きはぜひ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATHEIST 「ELEMENTS」

アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの3rd。1993作
1990年代初頭に、複雑かつ変態的なデスメタル作品を3枚出して消えた彼らだが、
15年ほど経た今になっても、その革新的なサウンドには古くささはない。
変則リズムの上に乗る奇妙なリフと、ときにジャズやカントリー風のグルーヴィなアレンジもまじえ
およそデスメタルらしからぬ様々な要素とともに知的に展開してゆく楽曲はとても面白い。
この3作目にいたって、デスメタル的な禍々しさはほとんどなくなり、
テクニカルな変態的プログレメタルとして楽しむことができる音になっている。
ボーナストラックとして1992年のラジオでのライブ音源を収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATHEIST「Unquestionable Presence Live at Wacken

アメリカ伝説のテクニカルデスメタルバンド、エイシストのライブ+ベスト。2009作
1990〜93年の間に3作のアルバムを出して消えたこのバンドだが、そのテクニカルさと
デスメタルとは思えない知的な構築性などから、いまだコアなファンが多い。
本作は2枚組で、Disc1には2006年のWackenでの復活ライブを収録、
あの変態的なまでの楽曲を、時を超えて再現しているという、それだけでもう感動的である。
Disc2にはバンドの歴史を綴るベスト盤的な選曲で、90年代初等からこれほど複雑かつ
センスあるデスメタルをやっていたということを、あらためて凄いと思わせる内容だ。
ライブ演奏・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ(芸術)度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATHEIST「Jupiter」

アメリカのテクニカルデスメタル、エイシストの復活作。2010年作
1990〜93年の間に3作を出して消えた彼らが、昨年ライブアルバム&ベストを出したと思ったら、
案の定スタジオ新作も用意していた。存在感の大きかったベースも含めてメンバーに若干の変化があるものの、
音を聴いてみればなんの心配もなし。のっけから変則リズムとキメの連続による変態系テクニカルメタルが炸裂。
ヴォーカルの声はやや迫力に欠けるが、むしろデス要素が薄まって聴きやすくなったといえるかもしれない。
ただ30分強のアルバムなので物足りなさもあり、そしてインパクトはあるが、ひとつひとつのリフとフレーズ、
曲としての印象の点では、まだかつての音ほどではない。ともかく復活したからには、今後に期待する。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイデス度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ATROX「Contentum」

ノルウェーの女性Vo変態ゴシックメタルバンド、アトロックスの2nd。2000作
変則リズム入りのけっこうテクニカルな演奏の上に
「気が狂ったケイト・ブッシュ」といった感じのモニカ嬢の歌が乗る。
この歌声は、色っぽいのだか、エキセントリックなのだか、気持ち悪いのだか
…非常にビミョーな線なのだが、まあ面白いのは確か。
バックの北欧らしい透明感のあるキーボードが案外にいい感じだし
ギターもときにややフォーキーなメロディを奏でたりもする。
メロディアス度・・7 変態度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATROX「TRRESTRIALS」

ノルウエーの女性Vo・アヴァンギャルド・ゴシックメタルバンド、アトロックスの3rd。2002作
1stの時点ではまだ粗削りの風変わりなヴァイキングメタルといった感じだったこのバンドだが、
2nd以降女性Voをメインとして同時にアヴァンギャルドさを増してゆく。
四人編成となったこの3rdでは歌は完全にモニカ嬢の独壇場となり、
バックの演奏は変則リズムを含めてまるでプログレメタルのようになっている。
また楽曲はほとんどが6分以上と長めになり、浮遊感のある女性Vo(時折しわがれ声入り)が
起伏に富んだ曲の上に歌を乗せるサウンドには不思議な気持ち悪さが感じられ、
変態音楽好きにはきっと素敵に魅力的に聴こえることだろう。
テクニカル度・・8 変態度・・9 メロディアス度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ATROX「ORGASM」

ノルウェーの変態ゴシックメタルバンド、アトロックスの4th。2003作
1stの頃は田舎臭いヴァイキングメタル風のサウンドだったが、2nd、3rdと
どんどんとアヴァンギャルド化が進み、今作ではのっけから堂々と変拍子を使った
プログレ(変態)メタル的音像となっている。そこに乗る女性Voモニカ嬢の歌唱は、
「狂気に走ったケイト・ブッシュ」といった雰囲気で、どこかキレたような無邪気さを感じさせる。
音的には変態系プログレメタル、女性Vo入りゴシック、どちらのリスナーにもお勧めできるが…
変態好きの方以外にはあえてお勧めはしない…(笑)ジャケからしてボスの絵画のパロディ風だし。
メロディアス度・・7 変態度・・8 女性Vo度…ある意味8 総合・・7.5(変態好きなら8)
Amazon.co.jp で購入


Augury「Fragmentary Evidence」

カナダのプログレッシブ・デスメタル、オーガリーの2009年作
随所にメロディックなフレーズを折り込みながら、ブラスト入りで激しくたたみかける
テクニカルなデスメタルサウンド。低音のデスヴォイスも含めて迫力たっぷりで、
ブルデスとしての激烈さと知的な展開力を併せ持った、質の高い作品だ。
カナダにはCRYPTOPCYという先輩がいるが、それをもっとプログレ寄りに、
よりメロディックにしたという雰囲気か。ブルデスでメロデスなプログレデス!
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


AXAMENTA「eVeR-ARch-][-teCh-tURe」

ベルギーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、アクサメンタの2nd。2006作
知的さをただよわせた構成と、ザクザクとしたスラッシーなリフで硬派に疾走しつつ、
バックにはDIMMU BORGIRCRADLE OF FILTHのような荘厳なシンセワークが美しい。
そしてプログレッシブな曲展開やリズム面での複雑なキメは、EXTOLあたりを思わせるセンスで、
これがまたいちいちカッコいい。メンバーがPAIN OF SALVATIONが好きだというだけあり、
ProgMetal的なコンセプチュアルな雰囲気と濃密な世界観をたっぷりと感じさせる。
ダークな冷気とシアトリカルな構築性、そしてブラックメタルとしての激しさを併せ持ちつつ
オールドなスラッシュメタル的質感も有した、まさにエクストリーム系のミクスチャーサウンド。
大仰かつプログレッシブなデス系メタルが好き方は必聴の傑作だ。
メロディアス度・・7 プログレッシブ度・・8 知的センス度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




BEHOLD...THE ARCTOPUS「Nano-Nucleonic Cyborg Summoning」
アメリカの変態メタルバンド、ビホールド...ジ・アルクトプスのミニアルバム。
ひと言でいうと、WATCHTOWERタイプの変態テクニカルメタル。
全編インストで、せわしない変即リズムのキメの連続で変態メタル好きにはたまらない。
MESHUGGAHあたりのファンにも聴かせたいサウンド。フルアルバムを待ちたい。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

BEHOLD...THE ARCTOPUS「Nano-Nucleonic Cyborg Summoning」
アメリカの変態系メタルバンド、ビホールド...ジ・アークトプスのアルバム。2006作
以前、同タイトルで出ていたミニアルバムにライブ音源等を加えて53分のボリュームになっている。
変即リズムによるキメの連続は、WATCHTOWER系のキワモノテクニカルメタルの王道で、
そのインスト曲におけるせわしないたたみかけが、たまらない者にはたまらない。
この無機質なダークさの中にも妖しい叙情が感じ取れたなら、アナタは立派な変態音楽愛好家♪
ライブ音源も超絶だが音質がいまひとつ。ギター二人にドラムというこの変則3人組に今後とも注目したい。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

BEHOLD...THE ARCTOPUS「Skullgrid」

アメリカの変態系テクニカルメタルバンド、ビホールド...ジ・アークトプスの2nd。2007作
一聴して音に説得力が備わり迫力がでてきた。楽曲の構造にも隙がなくなった。
いわゆるWATCHTOWER系の異常なリズムとキメの連続ながら、
ときにメロディ的なフレーズも織りまぜるなど曲作りにも余裕がでてきた感がある。
ついに彼らも名実共に一流の変態メタルの仲間入りを果たしたといえるだろう。
33分という長さながら、濃密な演奏にはお腹いっぱい。素晴らしき変態メタル。
メロデス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


BELIEVERExtraction From Mortality

アメリカのスラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの1st。1989年作
アメリカでのスラッシュブームが斜陽を迎えた頃にデビューしたこのバンド、
知名度はないが、知的な展開力と得体のしれないスケール感を有しているという点では
MEGADETHあたりにも通じるくらいの評価をしてもいいと思う。まだ本作の時点では
2nd以降に比べると突進するスラッシュ風味が強いのだが、随所にメロディックな質感や
クールなリフを聴かせるなど、すでに只者ではない雰囲気も漂わせている。
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

BELIEVERSanity Obscure」

アメリカのテクニカル・スラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの2nd。1990年作
ダミ声ヴォーカルを乗せてスラッシーに疾走しつつ、唐突な展開を盛り込んだり
変則リズムを聴かせたりと、前作以上に知的なアレンジが光っている。
いかにもオールドなスラッシュリフが古くさくもあるが、このインテレクチュアルなセンスは
もっと評価されるべき。ATHEISTDEATHなどが好きならばチェックして損はないだろう。
6曲目では女性Voにヴァイオリンも加わったクラシカルなアレンジが異色で、
続く3rdではそうしたゴシック的な美しさを前に出した傑作を作るのだが、その後バンドは沈黙。
そして16年のときをへて2009年の復活作で我々を再び驚かせることになる。
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

BELIEVER「Dimensions」

アメリカのテクニカル・スラッシュ・デスメタルバンド、ビリーヴァーの3rd。1993作
テクニカルな変拍子リズムを取り入れた、変態的かつ芸術的な濃密サウンドは、
同年に出たDEATHの歴史的傑作「Individual Thoght Patterns」とタメを張れる出来。
このバンドの場合はただテクニカルなだけでなく、薄暗い雰囲気と摩訶不思議な世界観に
うっすらと叙情性を漂わせていて、デスというよりはむしろProg Metal系リスナーにお勧めしたい。
極めつけは後半の20分超の組曲で、ヴァイオリンにチェロ、ソプラノ女性Voも加わった大曲は
ゴシックメタル的な質感にアヴァンギャルドな芸術性が合体した、キワモノ的センスが光る。
美しいヴァイオリンの音色にうっとりとなりつつ、変拍子に頭を揺らす。嗚呼…変態でよかった(笑)。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 芸術(変態)度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

BELIEVER「Gabriel」

アメリカのテクニカル・スラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの2009年作
1993年の「Dimentions」以来となるアルバムで、メンバーはVo/GとDrを中心に、
新たなメンバーも加わっているようだ。サウンドの方は、かつての2ndの延長上で
スラッシーなザクザクのギターリフを、知的な展開力とともに聴かせるスタイルは変わらず。
よりクリアになった音質で、テクニカルなスラッシュメタルを楽しませてくれる。
また、3rdで聴かせたようなプログレッシブな要素もしっかりあって、思わずにやりとさせられる。
独特のセンス溢れる変則的な知的スラッシュ…キワモノ好きの方にもぜひ。マイスペはこちら
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Believer「Transhuman」

アメリカのテクニカル・スラッシュバンド、ビリーヴァーの2011年作
90年代初頭にアルバム3枚を残して消えたが、その後2009年に復活作「Gabriel」を出し、
それに続く復活後2作目。なにやら荘厳なイントロから、曲が始まるとクールなギターリフと
テクニカルなリズムによるこのバンド独自の知的スラッシュサウンドが展開。
今作では案外シンセによるアレンジが随所に効いていて、ギターの叙情フレーズや、
ヴォーカルの歌い方なども含めて、ずいぶんと音がメロウになっているという印象。
全体的にスピードはやや抑えめであるが、どことなくANNIHILATORあたりに通じる質感もある。
けっこう叙情度・・8 テクニカル度・・8 クールなセンス度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Between the Buried and Me
アメリカのカオティックコア系バンド、ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィの1st。2002作
先に4thを聴いていたので、そちらの完成度に比べると、本作はまだ勢い任せの展開の多い
混沌としたデスメタルという感じで、プログレッシブな壮大さをかもしだすまでには至っていない。
ただ、緩急自在の複雑な楽曲とスラッシーな疾走の中に、エモ風のパートを盛り込むなど
センスの片鱗は覗かせていて、モダンさとオールドなメタルの要素を上手く使い分けている。
メロディアス度・・6 テクニカルでブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Between the Buried and Me 「COLORS」

アメリカのカオティックコア系バンド、ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィの4th。2007作
最近はジャンル分け不能のミクスチャー系のバンドがよく出てくるのだが、これはその極めつけ。
スクリームヴォイスでブルータルに疾走しながらも、プログレ的な美しさにエモのような叙情性もあり、
破天荒な展開の激しさという点ではキワモノ系と言ってもいい。10分以上の長曲を平然とこなしつつ、
コア系メタルのモダンなヘヴィさとともにテクニカルな変則リズムでたたみかけてゆく。
プログレッシブな感性の中に、ポストロック的な壮大な知的ヴイジョンも垣間見え、
単なるアヴァンギャルドなだけのバンドにはない構築センスを感じさせる。
息つく暇のない緊張…混沌たる整合感、プログレッシブでブルータル…つまり非常に格好いいのだ。
メロディアス度・・7 テクニカルでブルータル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Between the Buried and Me 「COLORS LIVE」

ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィのライブアルバム。2008作
新進気鋭のカオティックコア系バンドとして評価が高まり続けているこのバンド、
本作はアルバム「Colors」を完全再現したライブアルバム。CD+DVD
このバンドのサウンドは、プログレからデスメタルまでを極端に取り入れた楽曲が特徴で
本作の演奏も、ゆったりとしたシンセによるイントロからUKエモのようなキャッチーなメロディを
のんびりと聴いていると、いきなりデスヴォイスが始まって、ヘヴィかつテクニカルなカオスが襲来。
強烈なブラストビートと、静と動の唐突な展開でぐちゃぐちゃになりそうなところを絶妙の構成力と
演奏の力量で破綻せずに聴かせてしまうというのがすごいところ。ある意味ProgMetal的である。
DVDでは、彼らのライブでの演奏が映像で見られ、メンバーはみなかなりの技巧派なのだが、
とくにシンセを弾きながら歌うヴォーカル氏の、一見短髪の普通のお兄さん風の人相が、
いきなりキレたようにデス声を歌い出す姿はなかなかのインパクトだ。
ライブ演奏・・9 プログレ度・・8 極端度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Between The Buried And Me「The Great Misdirect」

アメリカのカオティック・メタルバンド、ビットウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーの5th。2009作
上のライブアルバムをはさんで、本作が5作目となる。前作「Colors」もなかなかの力作だったが、
今作も全6曲中、9分、11分、12分、17分という大曲が4つもあり、素晴らしく濃密。
まったりとした3分の序曲はいわば前菜か。2曲目お約束通りProgMetal的展開がスタート。
サウンド面と演奏の向上により音の説得力が増し、スクリームヴォイス入りの激しさと
知的な構成力にはさらなる磨きがかかっている。無茶すぎた以前のような唐突な展開も、
ある種の流れをともなって楽しめるようになっていて、激烈な中でのギターフレーズのメロディが
効果的に聴こえるようになった。曲によってはいままでになくプログレ的な雰囲気も強まっていて、
ますます楽しめる。これだけ激しくて濃密で極端なのに、ちゃんとメロディアスであるという…
いわばその奇跡的な均衡をなしているのが彼らのすごいセンスなのだろう。キワモノ系メタルの傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 変態度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Between The Buried And Me「The Parallex: Hypersleep Dialogue」

アメリカのカオティックメタルバンド、ビトゥウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーのミニ。2011年作
傑作5th「The Great Misdirect」に続く作品で、ミニとはいえ10分前後の曲が3曲と聴き応え充分。
この手のミクスチャー系のテクニカルメタルバンドの中では、そのセンスはずば抜けており、
スクリームヴォイスで激しくたたみかけるブルータルさと、アヴァンギャルドなだけではない知的な構成力、
プログレ的なスケール感とともに、随所にメロディックな聴き心地を盛り込んでいるのも素晴らしい。
混沌と知性、激しさと叙情を同居させた、まさしく現在形のヘンタイメタルバンド。ミニでもやはり必聴です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的(ヘンタイ)センス・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Bible Black「The Black Swan Epilogue」

King Diamond、Mercyful Fate、Memento Moriなどで活躍するマイク・ウィード(元Abstrakt Algebra)と、
元Steel Attack、Fifth Reasonのサイモン・ ヨハンソンを中心に結成されたバイブル・ブラックのアルバム。2009作
ザクザクとしたギターによるヘヴィさと、うっすらとしたシンセ、テクニカルで知的な展開力が合わさった
雰囲気のあるドラマティックなサウンドだ。ダミ声のヴォーカルとともに激しく疾走する部分はメロデス風でもあり、
モダンな硬質感と見事な演奏力で、スケール感のあるエクストリームサウンドを描いている。
プログレメタル的な構築力を聴かせつつ、適度なブルータルさと重厚さでたたみかける力作だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 重厚度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


BIOMECHANICALThe Empires of the Worlds

イギリスのエクストリームメタルバンド、バイオメカニカルの2nd。2005年作
BALANCE OF POWERという経歴のギリシャ生まれのシンガー、ジョン.Kを中心にした、
実質的には彼のワンマンバンドともいうべきユニットで、本作は彼の構想する三部作の2作目だ。
モダンなエクストリームサウンドに、テクニカルで唐突な展開力を盛り込んで
荘厳なオーケストレーションを加えた、せわしなくも重厚な楽曲はとても強烈だ。
スクリームぎみのハントーンオヴォーカルも迫力充分で、スラッシーな突進力に
テクニカルなギターワークも織り込みつつ、ドラマティックに聴かせてくれる。
聴きやすくなったMeshuggahというべきか、こけおどし的な壮大さも気に入ってます。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 壮大度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

BIOMECHANICAL「CANNIBALISED」

イギリスのエクストリームメタルバンド、バイオメカニカルの3rd。2008作
BALANCE OF POWERという経歴のギリシャ生まれのシンガー、ジョン.Kを中心にした、
実質的には彼のワンマンバンドともいうべきユニットで、本作は彼の構想する三部作の最終章。
シンセの重ねによる荘厳なオーケストレーションに、ザクザクとしたギターを乗せて、
デスメタルばりに激しく聴かせる強力作だ。モダンヘヴィネスの質感に絶妙にシンセを絡ませ、
そこにアグレッシブなヴォーカルを加えた、一種の音の塊のような音圧で押し寄せてくる。
このテンションの高さに圧倒されつつも、ただうるさいだけでなく、そこに描かれる壮大なビジョンを
感じることができると、むしろポストロック的な楽しみ方も可能になる。激しくも荘厳なサウンドである。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 壮大度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Blotted Science「The Machinations of Dementia」

アメリカの超絶テクニカルメタルユニット、ブローテッド・サイエンスの2007年作
鬼才ロン・ジャーゾンベクがCannibal Corpseのアレックス・ウェブスターと共に結成したユニットである
Machinations of Dementiaを発展させたプロジェクトで、Behold the Arctopusのドラマーも含めた
トリオ編成。サウンドはSPASTIC INCをさらにヘヴィにした感じの、変態系弾き倒しテクニカルメタルで、
全編変則リズムと、奇妙なキメの連続という、ある意味その筋のリスナーにはたまらない代物。
WATCHTOWERから続いてきた、ヘンタイメタルの正しい進化系。苦笑悶絶と脳内快感に浸るべし。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・10 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Blotted Science 「Animation of Entomology」

アメリカのテクニカルメタルユニット、ブローテッド・サイエンスのミニアルバム。2011年作
本作は約25分のミニアルバムであるが、内容の濃密さではまさに期待を裏切らない。
矢継ぎ早の変則リズムと、唐突かつテクニカル、アヴァンギャルドに展開する楽曲は
特異な音楽理論に裏打ちされた芸術的ともいうべきセンスで、聴き手を圧倒する。
混沌とした流れの中で変化してゆくメロディやフレーズが、脳を心地よく刺激しながら、
激しさの中にもコロコロとした可愛らしさがあってニヤリ。4パートに分かれた組曲も圧巻です。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


BRAINDRILL「Apocalyptic Feasting」

カナダのテクニカルデスメタルバンド、ブレインドリルのアルバム。2008作
これは本当に凄いです。ジャケはおバカ系のSFみたいですが、サウンドはもう…
CRYPTOPSYを超えるくらいの強烈なテクニカルデスメタル。あははー、気が狂ってます。
マシンガンのような凄まじいブラストビートに、テクニカルなギターフレーズが重なり
全編キメとユニゾンの超絶プレイ。これが異常すぎて馬鹿に聴こえる…という。笑
しかしながら、それでいて高速のギタープレイにはメロディらしきフレーズも聴け、
これが騒々しさのわりにちゃんと聴けてしまうという…不思議な整合感なのデス。
メチャクチャなようでいてカッチリしている。驚異の超人的テクニカルデス!腰抜かします。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・10 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

BraindrillQuantum Catastrophe」

カナダのテクニカル・デスメタルバンド、ブレインドリルの2010年作
前作は異常なまでのテンションでたたみかける、ヘンタイ系テクニカルデスの衝撃作であったが、
今作もブルータルなブラストと、矢継ぎ早のキメの連続という濃密バカ系のデスメタル作。
CRYPTOPCYを軽めにして飛び跳ねまくるとこうなる、というような…確信犯的な変態ぶりがいっそ潔く、
思わず笑いが込み上げる。1作目ほどの衝撃はないものの、相変わらず聴いていてヘトヘトになる作品デス。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


BURIED DREAMS「NECROSPHERE」
メキシコのメロディック・デスメタルバンド、ベリード・ドリームスの2nd。2002作
1stの時点から日本盤が発売されていて、北欧的叙情メロディ満載の好作という評価を得ていたが、
続く今作ではキーボードが抜け、全体的に非常にアグレッションに満ちたサウンドとなった。
非常にせわしない、ある意味で無茶な展開をともなった楽曲は、
時折かいま見せるプログレッシブなリズムを含め、テクニカルで疾走感に溢れており、
デスメタルとしてのブルータルさと、ツインギターによる叙情メロディがうまく融合していて密度が濃い。
イモ臭さは微塵もなく、北欧メロデスの要素に熱情的な部分を足した堂々たる作風。
ただ、曲の展開が多すぎて、一曲づつに印象が残りづらいのが現時点での欠点か。
テクニカル度・・8 変態度・・6メロディアス度・・7 総合・・7.5




CANDIRIA「300 PERCENT DENSITY」
アメリカのミクスチャー系メタルバンド、キャンデリアの4th。2001作
重戦車メタルに、ヒップ・ホップやラップ、ジャズなどを取り込んだサウンドで、
ぱっと聴きにはいわゆるMESHUGGAHあたりにも通じる変態系のメタルといっていい音。
咆哮するヴォーカルに、ヘヴィなギターリフと変則リズムによるテクニカルな決めは、
アグレッシブ系の変態メタル…かと思いきや、唐突…というか大胆に顔を出す
ジャズ、ヒップホップ要素もかなり本格的で、その筋の素養も感じさせる。
知的さと破天荒さをあえて混在させたサウンドで、小さくまとめていない所が凄い。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・5 総合・・7.5
Amazon.co.jp で購入


CANVAS SOLARIS「SUBLIMATION」
アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスのアルバム。2004作
WATCH TOWERSPIRAL ARCHITECT系の変拍子テクニカルメタルで、
基本はリフによる変態なキメがメインだが、ときおりギターにメロディらしきものが
現れるのがかろうじてアクセントになっている。
曲云々というと、テクの割にはあまり印象に残らないという言い方もできるが
テクニカルな変態メタルが好きなら聴いておいてもよいサウンドだろう。
演奏は思いの外整然としているので、気持ち悪さはさほどない。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で購入

CANVAS SOLARIS「Penumbra Diffuse」

アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2nd。2006作
変拍子リズムによるテクニカルな変態メタルで、いわゆるWATCHTOWER系のサウンド。
演奏がやや平坦だった前作に比べ、今回は音に垢抜けたようなこけおどし感が加わり、
曲調が明瞭になったおかげで格段に迫力が増した。変則リズムの上で絡まる2本のギターは、
単なるゴリゴリのリフを弾くのではなく、前作以上にメロディを奏でており、ある意味でとても聴きやすい。
また、押すだけでなく、ときおりプログレバンドとしての広がりのある世界観を聴かせ、
シンセやアコースティックギターやパーカッションなども効果的にサウンドにメリハリを付けている。
ベースの充実ぶりも前作には感じなかったものだし、リフそのものに流れが感じられるようになったことで、
複雑な演奏ながら曲としてもしっかり聴ける。この手の変態系メタルとしては、手応えのある快作だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CANVAS SOLARIS「Atomized Dream」

アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの4th。2008作
変態系テクニカルメタルとしてはコンスタントなアルバムリリースで、早4作目。
3人編成のバンドだと思っていたが、今作ではツインギターにシンセを含む5名になっている。
変拍子ばりばりのサウンドであっても、どちらかというとプログレ/フュージョン寄りであったが、
ここにきてさらにメタリックな部分が薄まり、テクニカルプログレというべき雰囲気になった。
ツインギターによるメロディアスなフレーズや、モダンなシンセアレンジによって、
以前よりも音の厚みが増し、インストバンドとしての世界観の強度が上がっている。
テクニカルパートでの演奏ではジャケのような迷宮感覚を生み出しつつも、
独特の浮遊感をともなっていて、どことなくお洒落な空気すら漂わせる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 混沌浮遊度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Canvas SolarisIrradiance」

カナダのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2009年作
毎作、濃密なテクニカル(ヘンタイ)メタル作品で楽しませるこのバンド、
5作目となる本作も、変則リズムの嵐による強力なインストを聴かせる。
ツインギターにシンセを絡めた音の厚みと、メロディアスな聴き心地を含めて
隙のない音象がうねりをまとって展開されてゆく。今作では押しばかりでなく、
メリハリのある構成と叙情的な要素も強まり、メタルフュージョン的な軽やかさに加えて、
ある種の得体の知れないミステリアスさも随所に感じさせるようになった。
文句なしの力作であるが、ただどうしても全編インストという長尺感はあるが。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Cerebus Effect「Acts of Deception」

アメリカのテクニカル・プログレバンド、セレバス・エフェクトのアルバム。2005作
目まぐるしいテクニカルなリズムの変態プログレ。せわしない展開の中にあっても、
メロディがしっかりと感じられて、けっしてメタリックにならないというのが特徴。
変態的なリズム構造とシンセのシンフォニックな美しさとが巧みに組み合わさっている点では、
Leger De Mainあたりを思い出させる部分もあるが、こちらの方がより混沌とした音だ。
もちろん変態プログレメタルファンにも勧められるが、アヴァンギャルドなテクニカルロックでありながら、
硬質さよりも時代的なプログレ精神が前に出ているのが面白い。 オフィシャルサイトで試聴可能。
なお、KeyとDrはこの後、Deluge Granderを結成。そちらも注目すべきバンドである。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8


CONFESSOR「Unraveled」

変態系ドゥームスラッシュバンド、コンフェッサーの2nd。2005作
1992年に伝説的な変態メタル傑作Condemnedを発表後(この1stはその後高額なプレミアが付く)
そのまま消えたかと思われたこのバンドが、なんと10数年ぶりに復活した。
サウンドの方はドゥーミーなスローさと、変則リズムの嵐による変態系サウンドで
浮遊感のあるヴォーカルがややミスマッチながら、アンサンブルがしっかりとしていて案外聴きやすい。
要となるのは、なんといってもスティーブ・シェルトンの超絶なドラムプレイで、
絶妙のタメとグルーブを作り出しながらも、怒濤の変拍子を叩く様は圧巻だ。
昨今なかなか珍しい遅めの変態系メタルということで、じっくりと聴き込んで悶絶しよう。
メロディアス度・・6 遅いけどテクニカル度・・8 遅いけど変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


CRYPTOPSY「NONE SO VILE」

カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーの2nd。1996作
今やテクニカルにしてブルータルなデスメタルのトップに君臨するバンドだが、
彼らの出世作となったのが本作で、ファンの間では今なお最高傑作と名高いアルバム。
その超絶にして暴虐なサウンドは、獰猛なブルータリティとある種の知的な演奏力が同居している。
このバンドの場合、暴虐性を内的世界ではなく外側に発散するスタイルなので音がドライで
MORBID ANGELVADERなどとは、その音楽性は似て非なるものといえるだろう。
32分というミニアルバム並の短さながら、テクニカルにして激烈なサウンドが目一杯詰まっており、
整合感の上がった後のアルバムに比べ、まだ音が荒々しく、突進する生々しく伝わってくる。
メロディアス度・・5 暴虐度・・10 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CRYPTOPSY 「AND THEN YOU'LL BEG」

カナダの超絶デスメタルバンド、クリプトプシーの4th。2000作
変拍子を交えた異常とも思える、ブラスト入り激速リズムが凄い。完全なる変態でしょう。
このバンドの演奏力の高さはライブなどでも実証済みですが、
今回はドラムの超人ぶりとともに、ベースの凄さも分かるような
切り返しの多い曲が並び、聴き終える頃にはへとへとになります。
たまにギターがメロディっぽいものを弾きますが、基本的にはリズム重視のサウンド。
全編暴虐かつテクニカルで物凄いですが、唯一のつまらなさは平坦なわめきVoでしょう。
むしろ歌をなくして、完全インストの変態アルバムを作ることを期待したくなります。
メロディアス度・・2 暴虐度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

CRYPTOPSY「None So Live」

カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーのライブ作。2003作
その変態的なまでに複雑かつブルータルなサウンドで、
聴き手を苦行僧にも近い状態に陥れる、圧殺デスメタル道を突き進むこのバンド。
これは、 2002年は地元カナダ、モントリオールでのステージを収録したライブ作で、
そのとんでもない演奏力で暴虐のかぎりを見せつける、物凄いことになっている。
実際に彼らのライブを見たことはあるが、凄すぎて何をやっているかよく分からないというのが
正直なところだったので(笑)、こうしてCDでその超絶さを再確認するのもよいかと思う。
とくにドラマーの呆れるほどのバカテク&無尽蔵の体力には、聴いていて笑いさえ浮かぶ。
暴虐度・・9 変態度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CRYPTOPSY「Once Was Not」

カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーの5th。2005作
本作はドラマティックなイントロからして、これまでとはやや異なる作風で
もちろん曲に入ると超絶なテクニカルデスメタルには違いないが、
緩急の展開の中にいくぶんモダンなヘヴィネスとメタルコア風味を取り入れている。
強烈なブラストを叩き出すドラムを中心とした激しさと変態的なリズムチェンジとともに
矢継ぎ早の高速リフの嵐は、同郷のBRAINDRILLなどにも多分に影響を与えたことだろう。
続く6thにて本作で覗かせるドラマティック路線はより顕著になる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CRYPTOPSY「Unspoken King」

カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーのアルバム。2008作
ヴォーカルが代わり、新たに女性シンセ奏者も加入した6作目。
怪物的な超絶ドラムを中心にしたブルータルでテクニカルな質感はこれまで通りだが、
そこに歌声を使い分けるヴォーカルとともに、いくぶんモダンな感触を取り入れていて
最近のコア系リスナーにも対応したようなサウンドともなっている。
今までのドライなテクニカル一辺倒のデスメタルから、どことなくミステリアスな
ドラマ性も感じられるようになって、個人的にはこれはこれで気に入った。
なにより、曲としてちゃんと聴けるというのが嬉しい。この脱皮は正解だと思う。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


CYNIC 「FOCUS」

アメリカのプログレッシブ・デスメタルバンド、シニックの1993年作
ともかく、このバンドの出現は、とても大きなインパクトだった。それまでデスメタルといえば、
粗暴な吐き捨てヴォーカルとも重厚なギターリフというイメージがあったのだが、本作で聴かれるサウンドは、
最初から優雅で知的さの漂う、ほとんどデスメタルと言うこともはばかれるような、そんな音なのである。
プログレッシブで空間的な広がりのある音作りは、ほの暗い叙情と繊細な感性とともに、
メタルらしからぬ不思議な浮遊感をかもしだしている。メンバーの技量が高いからだろう、
演奏の余裕がそのまま耳触りの良さにつながっていて、アコースティカルなパートや女性コーラスなど
芸術的なセンスが光っている。ここから25年の歳月をへて復活することを思うと、感無量である。
浮遊感度・・8 デスメタル度・・4 芸術感性度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CYNIC「Traced in Air」

伝説のプログレッシブ・デスメタルバンド、シニックの復活作。2008作
かつて「Focus」というアルバム1枚を残し、コアなリスナーから注目を浴びたこのバンド、
中心人物のショーン・マローンは、その後、GRDIAN KNOTをはじめ、AGHORAへの参加や
ソロワークなど、地道な音楽活動をしていたが、この度ついにCYNICでの新作が叶った。
サウンドの方は、どこかスペイシーで神々しいジャケのイメージとリンクするように、
内的宇宙を思わせるような深みのある雰囲気で、かつての芸術的な感性はそのまま。
テクニカルでありながら、決して弾きまくるのではく、プログレッシブな知性を感じさせる演奏とともに
楽曲アレンジには、むしろ淡々としたヴォーカルとマッチするような繊細さがある。
一部デス声も使用しているが、OPETHなどと同様に、音を通じて静と動、悲しみと怒りの表現を
描いているというイメージで、全体的にも美しくすらあるプログレ的な作品に仕上がっている。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 芸術度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CYNICCarbon Based Anatomy

アメリカのプログレッシブメタル、シニックのミニアルバム。2011年作
2009年に25年ぶりの復活作Traced in Air」を発表し、そのプログレッシブな美しさでファンを喜ばせ、
続くミニ
「Re-Tracedでは意表をついたアレンジで賛否両論を呼んだ。これはそれに続くミニアルバムで、
のっけからしっとりとしたシンセと女性ヴォーカルによるアンビエントな雰囲気で驚かされるが、
2曲めからは彼ららしい知的で芸術的なサウンドを聴かせてくれる。やわらかな聴き心地の中に
もの悲しい情感と未来的なセンスのスケール感を内包し、巧みなアンサンブルで構築してゆく。
ProgMetalとしての質感を残しつつ、ほのかな民俗要素やモダンプログレのアンニュイさも取り込んでいて
そのセンスの良さは、Porcupine Treeなどにも通じるかもしれない。早くフルアルバムが聴きたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




DEATH「Human」

アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの4tn。1991作/リマスター盤
故チャック・シュルディナー率いるこのバンド、初期は暴虐なデスメタルであったが、本作では
CYNICのポール・マズヴィダル、ショーン・レイナート、SADUSのスティーヴ・ディジョルジォを迎え、
知的なテクニカル性を取り入れたサウンドを確立した。激しく絶叫するようなヴォーカルと、
スラッシーかつ独特のギターリフ、ときにメロディアスですらある巧みなフレーズが合わさって、
プログレッシブなリズム感覚とともに、激しくも複雑なデス/スラッシュメタルを聴かせる。
このサウンドは次作で完成系をみることになるが、本作もそれに劣らぬ濃密なアルバムだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

DEATH「Individual Thought Patterns」

アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの5tn。1993作/リマスター盤。
前作「HUMAN」で知的でプログレッシブな展開力を取り入れ始め、それが本作で見事に花開いた。
変則リズム入りのテクニカルさと矢継ぎ早の展開に独自のギターリフ、そこに故チャック・シュルディナーの
絶叫ヴォーカルが絡み、濃密に聴かせる。スラッシーな硬質感とプログレッシブな切り返し、
ときに美しくすらある叙情性などもあって、緊張感に満ちた楽曲は一筋縄ではいかない。
名手ジーン・ホグランのドラムもさすがに素晴らしく、サウンドの説得力をまた高めている。
後の多くのバンドにも影響を与えたであろうテクニカルデスの名作だ。次作「Symbolic」も同等の傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

DEATH「Sound of Perseverance」

アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの7th。1998/2005作
夭逝した鬼才、チャック・シュルディナーの遺作となったアルバムのDVD付きエディション。
サウンドは、歴史的傑作である5th「Individual Thought Patterns」と、6th「Symbolic」
からの流れを受け継いだ、やはりプログレッシブな味わいのある濃密なもので、
独特のリフワークからなるテクニカルな切り返しと変則リズムに圧倒される。
シュルディナーの鬼気せまるようなダミ声ヴォーカルも、いよいよ気持ち悪く、
バンドとしての今後のさらなる深化を思わせるだけに、彼の死は本当に残念である。
デスメタルというよりは、プログレッシブ・スラッシュというべき芸術性にあふれている。
DVDには1998年のライブ映像を収録。画質は上等のブートレグ程度だが、ファンは必見。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

DEATHVivus!」

アメリカのテクニカルデスメタル、デスのライブ音源のカップリング。2012年作
デス・メタル界の奇才、チャック・シュルディナーの死去により幕を閉じたこのバンド、
1998年のライブ音源のカップリングで、DISC1は以前にDVD化もされていた「LIVE in L.A」
DISC2はDYNAMO OPEN AIRのステージを収録した「LIVE in EINDHOVEN」
独特のギターフレーズと、知的でプログレッシブな展開力で構築される楽曲は
デスメタルというよりは、むしろテクニカルスラッシュというべき聴き心地で、
そのエキセントリックなセンスは他に類を見ない個性であった。
あらためてチャックの死への無念とともに、残された音源を鑑賞することで、
このバンドの芸術的なまでの音楽性を確認するような思いである。
テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


DEPRESSIVE AGE「FIRST DEPRESSION」

ドイツの個性派メタルバンド、ディプレッシブ・エイジの1st。1992作
すみません…当時はこのバンドのことをまったく存在すら知りませんでした。
今頃になって聴いてみたのですが、これがなかなか面白い実に個性的なメタルです。
スラッシーなリフでに疾走しつつも、奇妙に浮遊感を漂わせるヴォーカルの歌声に
変則リズムと唐突な曲展開で聴かせるサウンドは、むしろプログレメタル風。
音はヘヴィなのにこの脱力ぎみのハイトーンヴォーカルがなんともミスマッチで、
気持ち悪いんだけど面白いという…当時はキワモノ扱いされたんだろうなあ。
ヘンタイ気味のテクニカルメタル好きには密かにオススメしたいアルバムですな。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Diablo Swing Orchestra「The Butcher's Ballroom」

スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの1st。2006作
女性Voにチェロ奏者を含む6人組で、バンド名のようにスイングジャズを取り入れつつ、
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声とともに、ゴシックメタル的な雰囲気を融合させた
とてもユニークな音楽性。一聴して思い出すのはフィンランドのALAMAAILMAN VASARAT
彼らのような「ユーモア溢れる本気」というような、大人の遊び的な強固な姿勢を感じさせる。
さらにこのバンドの場合、ジャズの素養がしっかりとしていることで、楽曲が嘘くさくなく
そこにメタリックなギターやチェロなどが割と自然に融合しているのがまた凄いところである。
ジャズメタル度・・8オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs for the Damned & Delirious」

スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2nd。2009作
今作はジャケからしてユーモアたっぷりだが、サウンドの方もさらなるジャズとメタルの自然の融合がなされている。
ハネるリズムの上にザクザクとしたギターとサックスが絡み、そこに男女ヴォーカルが絡む濃密な作風で、
演奏自体のレベルも上がってきており、メタリックなスウィングジャズとしての完成度が無駄に高まっている。
軽やかなピアノの音色やら、ヴイヴイいわせるベースの巧みさやら、部分ごとの説得力が大変素晴らしく、
本気ジャズ的メタル遊び…ともいうべき強固な世界観に磨きがかかっているばかりか、
低音の男声とオペラティックな女性声という対比がコントラストとなって、作品としてのテンションも増している。
変態…というにもあまりに高い完成度と天晴れなまでの真摯な遊び心。敬服するしかない強力作である。
ジャズメタル度・・9スウィング度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Die Apokalyptischen ReiterSoft and Stronger

ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの1st。1997年作
のちのシアトリカルな完成度に比べ、本作の時点ではまだ「変態的なブラックメタル」という感じが強い。
ただ、シンフォニックといってもよいシンセアレンジと、どこかフォーキーで牧歌的なメロディを乗せて疾走しつつ
随所にメロウなギターフレーズを織り込んだり、ときに勇壮なヴォーカルパートで歌い上げるなど、
そのとりとめのなさと濃密な感じは、すでに確立しているのがさすがこのバンドである。
ブラックメタル的な激しさから唐突にフォークメタルへと変わるそのヘンテコさに思わずにんまりします。
低音デスヴォイスとダミ声ブラックのヤケクソ気味の掛け合いもなんかすごいし、
「メタル、ウィル、ネヴァー、ダァ〜イ!」という力強い叫びは、恥ずかしさを通り越して格好よい。笑
ちなみにこれは2003年の再発盤で、ボーナスが3曲追加され、ジャケも変わっているようです。
ドラマティック度・・8 濃密度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen ReiterAll You Need Is Love

ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの3rd。2000年作
本作では、のっけからけっこう真剣な感じでブラックメタル度がアップしています。
シンフォニックな美しさに、ギターの泣きメロがじつにいい感じで、ヘンタイ度が薄れた分、マトモに楽しめるのですが
やはり随所にフォーキーな感触やエピックな世界観、そしてどこかプログレッシブな知性を感じさせるアレンジ力で、
只者ではない懐の深さを感じさせてくれます。ラストの10分超の大曲は、後半がまるでジャーマンプログレのようです。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ヘンタイ度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen Reiter「Have a Nice Trip」

ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの4th。2003年作
ジャケのメンバー写真からも一癖ありそうな連中だが、サウンドはのっけからブラックメタルばりに疾走、
…したかと思えば、はっするような泣きの叙情メロディが現れて、なんとも美しい。
勇壮なドイツ語の歌声とともに、中世を思わせるような幻想的な世界観とほのかなトラッド風味、
そして暴虐さとシンフォニックさとの極端なまでの対比が面白い、ある意味、妖しいセンスに満ちている。
ようするに、ロマンにあふれた知的な変態というべきか、異色のゲルマンメタルバンドである。
ボーナスにはMANOWARの“Master of the Wind”のカヴァーを収録。これがまた美しい。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen ReiterSAMURAI」

ドイツのシシアトリカル・エピックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイター5th。2005年作
サウンドはいよいよ力強くなり、ドイツ語による歌声とともに、エピックな重厚さに説得力が加わってきた。
メタルとしてのパワフルでメロディアスな聴き心地に、ときにキャッチーでシンフォニックな風味もまじえつつ
なにものも恐れぬ勢いで突き進む。ブラックメタルばりの激しさから叙情パートへの極端なまでの切り返し、
それを冗談のように本気でやっていて、このごった煮感覚というものは、聴き手をにやにやさせる。
初期に比べていくぶんモダンなアレンジが加わっていて、それを洗練ととるのか、ヘンタイととるのか、
正直、それすらもどうでもいい。彼らなら、なにをやっても許されるのだ。そう思えるような力作。
ドラマティック度・・8 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen ReiterRiders on the Storm

ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの6th。2006年作
どのアルバムの濃密で、ある意味ハズレがないというこのバンドであるが、本作もまた素晴らしい。
のっけからエピックなゲルマン魂で激しくたたみかけてきますよ。シンフォニックで大げさで、
暑苦しくてキャッチーでありつつ、そこに本気の叙情も感じられる。中世的なロマンティシズムに
シンフォニックメタル要素と、モダンなヘヴィロック感覚と分裂症気味の唐突さでもって、
ごった煮なのに嘘くさくないという、その力押しのシアトリカルメタルは、完成の域に近づいている。
素晴らしい、すごい、にんまりだ…あらゆる賛辞を贈りたくなるが、ちょっと待てよおい、と我に返る。傑作。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen Reiter 「Licht」

ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの7th。2008年作
SUBWAY TO SALLYやIn Extremoのようなドイツ語によるトラッドメタル風味と、
シンフォニックな美麗さ、インダストリアル風味も含んだ、シアトリカルな感触で、
本作もまたジャンル分け不能という点ではなかなか個性的なサウンドだ。
ダミ声によるヴォーカルでときに激しく疾走するかと思えば、優雅な叙情性や
牧歌的なトラッドメロディも顔を覗かせるなど、フォークメタルとしても楽しめる。
エピックなドラマ性と叙情美、土着性と演劇性を含んだ濃密な力作である。
2009年の再発盤には、シングルからの2曲に、ライブ音源を4曲追加収録。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen Reiter「MorAL & WahNSInN」

ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの8th。2011年作
今作もジャケからして妖しさプンプンであるが、メロデスばりのツインギターで疾走開始、
…したと思いきや哀愁溢れるアコースティックギターとシンセにドイツ語の歌声が乗り、
すでにのっけからシアトリカルメタルが全開。この異様なクオリティの高さはなんなのだ。
無茶な展開と本気のエピックさに知的なはっちゃけが合わさった、シンフォニック叙情メタル。
中世ゲルマントラッドの世界観とクラシカルな優雅さが、現代的なごった煮センスで絶妙にハマって、
濃密でありながら美しく叙情的という、他に類を見ないサウンドに仕上がっている。
ある意味プログレッシブな深さ…そして、なにも恐れぬセンスに包まれた驚異の傑作!
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ゲルマン度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Die Apokalyptischen ReiterThe Greatest of the Best」

ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターのベスト。2011年作
1997年にデビューしてから2011年までに8枚のアルバムを発表しており、
シンフォニックなブラックメタルにフォーキーな要素やゲルマンの勇壮さを加え、
シアトリカルなエピック感覚を、本気のギャグのように盛り込んだ独自の濃密な作風で
他に類を見ない個性的なサウンドを描き出すこのバンド。ドイツ語の歌声を乗せて、
ときに激しく疾走しつつも、哀愁の叙情を演劇的に含ませたり、フォーキーな土着性や
中世的なエピックな世界観まじえて、不思議な高揚感とともに聴き手を楽しませてくれる。
全20曲をこれでもかと収録でお腹一杯。初の日本盤ということでバンドの認知度が上ることを祈る。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ゲルマン度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Direwolf「Beyond the Lands of Human Existence」
アメリカのプログレッシブ・ブラックメタルユニット、ディアウルフのアルバム。2007作
Vo、G、B、Key、プログラミングをこなすマルチプレイヤー、Direwolf氏の一人ユニットで
打ち込みドラムによる変則リズムにスペイシーなシンセとギターを乗せた、
プログレッシブでシンフォニックなサウンド。ブラストも入って激しく疾走しつつも
打ち込みなのであまりヘヴィにはならず、むしろプログレッシブな浮遊感を漂わせている。
テクニカルなギターフレーズとシンセが絡み、語りのようなヴォーカルが加わると
なかなか個性的なサウンドになる。ARCTURUSあたりが好きなリスナーは聴いてみて損はない。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・7 スペイシー度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


DISILLUSION「BACK TO TIMES OF SPLENDOR」

ドイツのプログレ・デスメタルバンド、ディスイリュージョンの1st。2004作
10,分以上の長めの楽曲をセンスあるアレンジでまとめてゆくところはOPETHに通じるものもあり、
プログレ的なテクニカルで知的な部分と暴虐性の同居という点ではEXTOLあたりにも近いか。
盛大にキーボードを鳴らしながら疾走する部分は、シンフォニックブラック的でありながら、
対照的にノーマル声で歌われるスローパートなどでは到底デスメタルとは思えないマイルドさがある。
テクニカルさと突進力、静寂と美と醜と、なんともいろいろな要素を併せ持った不思議なバンド。
取り立てて新しいことをやっているわけではないのに、聴いていて音に引き寄せられるのは
やはりセンスがいいのだと思う。デビューアルバムとは思えない密度と完成度に唸らされた。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

DISILLUSIONGloria

ドイツのプログレッシブ・デスメタルバンド、ディスイリュージョンの2nd。2006作
プログレッシブかつ知的なエッセンスと展開美が実に見事だった1stから、本作はがらりと方向を変えてきた。
のっけからザクザクのヘヴィロック風味で始まり、「いったいどうしたんだ?」と聴き手に思わせつつ、
よく聴くと楽曲にはキラリと光る知的なアレンジが効いていて、モダンさの中に覗かせるProgMetal的なセンスが絶妙。
一筋縄ではいかない思考回路を持つメンバーたちは、聴き手を驚かせつつ、こっそりほくそ笑んでいることでしょうよ。
OPETHにも通じるような前作の雰囲気を気に入っていた人には、この極端な変化はガッカリかもしれませんが、
ちゃんと鑑賞すればサウンドには奥深いスケール感と、コンセプチュアルな知的センスが詰まっていて、
結局お前らはなんなんだ?と唖然としながらも、つい聴いてしまうだけの世界観がある。これはこれで傑作!
ドラマティック度・・8 知的センス度・・9 世界観度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Ebonylake 「On the Eve of the Grimly」

ノルウェーのプログレッシブ・ゴシックブラックメタル、エボニーレイクの1999年作
女性Vo、女性Keyを含む7人組みで、サウンドは異常ともいえるような変則クラシカル・ブラックメタル。
男女ヴォーカルのシアトリカルな絡みに、シンセ入りでオペラティックな美しさを垣間見せつつも、
ブラストビートで強烈にたたみかける。そのブラストすらも変拍子という始末だから思わずにんまりだ。
こうしたシアトリカルな手法はゴシックメタル的なのであるが、そこを無理やりブラックにしているのが素晴らしい…
というか変態的だ。レビュワーのM氏が某B!誌で「気持ち悪くて二度と聴きたくない」と書いていたのは、
むしろ変態音楽愛好家には最高の褒め言葉であろう。異形のオペラティック変態ブラックメタル。凄いです。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


EISREGEN「Schlangensonne

ドイツのエピック・ゲルマンメタル、エイスレゲンの2010年作
Die Apokalyptischen ReiterEnidなど、ドイツには個性的なバンドが多いのだが、
このバンドも、ドイツ語の歌声とアヴァンギャルドな構築センスで聴かせる、なかなか面白いサウンド。
ダミ声ヴォーカルとともに疾走するブラックメタル要素に、ときにクラシカルなシンセパートや
朗々としたノーマルヴォーカルなども入って、一筋縄ではゆかない濃密な作風である。
中世的なダークな世界観と荘厳なエピックさは、「ドイツ版Solefald」という感じもある。
ドラマティック度・・7 構築センス・・8 ゲルマン度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ELECTROCUTION 250
「ELECTRIC CARTOON MUSIC FROM HELL」


テクニカルメタルユニット、エレクトロキューション250のアルバム。
ジャケットからして卒倒したミッキーなのだが、音楽の方も相当ヤバイ(苦笑)
音楽学校に勤めるアメリカ人のギター(ベース)に、スウェーデン人のKEYとDrというプロジェクト。
このギタリストはかのマイク・ヴァーニーに見いだされた実力の持ち主らしく、
ドラマーはARCH ENEMY〜DARKANE、TIME REQUIEMという経歴。
サウンドはひと言でいうならド変態で、スラッシュメタル風激烈パートから唐突にジャズになったり、
可愛らしいコロコロとしたキーボードのメロディが現れたかと思えば、
テクニカルな変拍子の決めをザクザクのリフでかましたりと、まるで節操がない。
これは本気のギャグであり、変態インストメタルである。MATS/MORGANや、
フレドリック・トーテンダル、WATCHTOWERなどが好きなら、まあ聴いてみるべし。
メロディアス度・・7テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で購入


Electro Quarterstaff「Gretzky」
カナダのテクニカルメタルバンド、エレクトロ・クォータースタッフの2007年作
ジャケも相当イカれているが、内容もけっこうタイヘン…じゃない、ヘンタイ!笑
ブラストビート入りで強烈にたたみかけるテクニカルデスメタル的なサウンドであるが、
ヴォーカルのいないインストというのがかえって面白い。ザクザクしたギターリフで
ダークめの世界観を描きつつも、ヒネくれたユーモアさがいくぶん見え隠れする。
ときおツインギターがメロディアスなフレーズを奏でたりと、案外に聴きやすいが、
やはりヴォーカルがいないということで、「テクニカルなBGM」になってしまうのが惜しい。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Electro QuarterstaffAykroyd

カナダのテクニカルメタルバンド、エレクトロ・クォータースタッフの2011年作
ヴォーカルのいない、オールインストのテクニカル・ヘンタイメタルという前作から、
2作目となる本作も、トリプルギターでヴォーカルレスという異常な編成から繰り出される
強烈なサウンドに圧倒されます。一部ブラストを含んだ変則リズムの嵐に
ブレイクと緩急をつけた無茶な展開の連続で、聴き手をニヤニヤさせるインパクトは
SPASTIC INKBLOTTED SILENCEかというありさまで、ヘンタイ音楽好きの脳を
じつに心地よくほぐしてくれます。ギターはリフだけでなく随所にメロディも奏でるので
楽曲は複雑ながらも案外聴きやすく、ヘンタイ系初心者でもイケるのではないかと。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


EMPEROR
「PROMETHEUS
THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE」

ノルウェーのシンフォニックブラックメタルバンド、エンペラーの4th。2001作
高品質かつプログレッシブ、シンフォニックなブラックメタルとして最高峰の地位を築いた彼ら。
どのアルバムも細かく芸術的にまで作りこまれ(1stはそうでもないが)、
妥協なく暗黒美を極めてきたこのバンドも、ついに終焉を迎えることとなった。
3rdから強くなったアヴァンギャルド/プログレ性を今作でも発揮し、
激烈でありながらも非常に知的で、ある意味メロディアスなサウンドだ。
普通声をたくみに生かし、曲は激速パートとテクニカルパートを見事に融合、
シンフォニックな展開と切り返しの多い楽曲は聴き応え十分。
1stがB級くささのある暴虐ブラックだったことを考えると恐ろしい進歩だ。
今後このバンド以上に「ブラックメタル」というジャンルを深化させるバンドが果たして現れるだろうか。
シンフォニック度・・8テクニカル度・・8 変態度・・8総合・・9
Amazon.co.jp で購入


ENID 「ABSCHIEDSREIGEN」

ドイツのクラシカル(ゴシック/ブラック)メタルバンド、エニドの2nd。2000作
ENIDといえば英国のシンフォニックロックバンドが真っ先に思い浮かぶが、
こちらは同じくクラシカルでも土着的な香りのあるブラックメタル風サウンド。
KOROVAのメンバーも参加していると知りとても聴きたくなったのだが、
そこまでアヴァンギャルドではなく、展開も多いがメロディが優しいので総じて聴きやすい。
録音の問題だろうがドラムが軽く、そのせいでサウンドに重厚さが感じられないのが惜しいが、
クラシカルなピアノの響きは優雅といってよいほどで、雰囲気的にシアトリカルなものも感じられる。
ヴォーカルはダミ声のブラックメタルタイプだが、オペラティックな男声に女性声が絡むパートなどもあり、
なかなか聴き所が多い。古楽やトラッド風の要素もあり、中世ゲルマン調の世界観で聴かせる異色作。
クラシカル度・・8 暴虐度・・6 中世ゲルマン度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ENID「Seelenspiegel」

ドイツのシンフォニック・ゴシック・ブラックメタルバンド、エニドの3rd。2002作
前作はクラシカルな中世ゲルマン風ゴシックとでもいうべきサウンドで気に入ったが、
この3rdではより聴きやすくなったシンフォニックなゴシック・ブラックが楽しめる。
朗々とした男性ノーマル声の歌唱を中心に、楽曲はときに壮麗に、ときにゆるやかに展開し
その芸術的な雰囲気はSOLEFALDあたりにぐっと近づいたような印象を受ける。
ときおりシンフォブラックメタル風のパートもあり、シンセによる土着的なクサメロも効果的で、
クラシカルで大仰でありながらも少し田舎臭い、という不思議な味わいもある。
ただのシンフォブラック、ゴシックでは飽き足らないという方なら、きっと気に入るバンドだろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 暴虐度・・6 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ENID「Gradwanderer」

ドイツのクラシカル(ゴシック/ブラック)メタルバンド、エニドのアルバム。2004作
クラシカルな中世ゲルマン風ゴシックというべき作風で気に入っているバンドのおそらくこれが4作目。
今作も知的でプログレッシブな展開力と朗々としたドイツ語のヴォーカルで聴かせる、
個性的なシンフォニックサウンドは健在。ときおり民族色や優雅なピアノのパートなどを盛り込むなど、
単なるメタルの枠を越えた発想とヨーロピアンな美意識、センスが組み合わさった懐の広さに感動を覚える。
アルバム後半には妖しげなジャズ風味も取り入れていて、ある意味これも大人の変態メタル。
ノルウェーのSolefaldにも通じる芸術性が素晴らしい。クラシカルでシンフォニックな傑作である。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 芸術センス度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Enslaved 「Vertebrae」

ノルウェーのブラックメタルバンド、エンスレイヴドのアルバム。2008作
あれ、Enslavedってこういうバンドでしたっけ?…もっと暴虐に疾走するイメージだったのだが、
長くやっているとサウンドも変化するということか。ノーマルヴォイスを効果的に使ったり
適度に知的な展開力を聴かせるプログレッシブな雰囲気は、むしろSOLEFALDなどに近づいたか。
一聴しただけだと曲が地味に感じるし、暴虐なヴァイキングブラックを好む向きには勧められないが、
SOLEFALDやARCTURUSなど、プログレッシブなバンドが好きなら本作も気に入るかと。
5曲目あたりのシンフォニックブラック的な質感がもう少しあれば、素晴らしい傑作となったかも。
メロディアス度・・7 暴虐度・・6 知的プログレ風味度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

EnslavedAxioma Ethica Odini」

ノルウェーのブラックメタルバンド、エンスレイヴドの2010年作
プログレッシブな香りを感じさせた前作に続き、本作も知的な構築性を感じさせるサウンド。
ブラック的なわめき声とノーマルヴォイスを絡ませながら、ときにキャッチーにすら思えるメロディと
爽やかなギターフレーズが現れて、その緩急のコントラストとギャップがある意味たまらない。
激しいブラスト疾走も残っているが、それはあくまで暴虐さの表現としてスタイリッシュなアレンジに
組み込まれているという印象。知的プログレブラックとしての作風はますます強まってきている。
メロディアス度・・8 暴虐度・・6 知的アレンジ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


EVENT「HUMAN CONDITION」

アメリカのプログレメタルバンド、イヴェントの2nd。2001作
1stの頃から独特のセンスで一筋縄ではいかないプログレッシブ性とメロディ、テクニカル性を融合していた彼ら。
今作ではさらにメタル色は薄くなり、代わって演奏にはフュージョン、テクノ、ジャズ色が増した。
どこかすっとぼけた曲構成や、あえて王道を避けるかのようなひねくれ加減がMATS/MORGANあたりも思わせ、
シンフォニック/メロディアスなプログレメタルが好みの私としてはどっちかというと苦手な音なのだが、
このバンドの音には、それでもどこかにメロディを感じる部分とハードロックにリンクしている部分があり、
ときどき引き込まれるようにして演奏を聴いてしまう。そこが魅力なのかもしれない。
テクニカル度・・9 変態度・・8メロディアス度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で購入


EVIL WINGS 「Brightleaf」

プログレメタルバンド、イーブル・ウイングスの2nd。1996作
DREAM THEATERもどきの1stから脱却したこのアルバムは、独自の迷宮感覚を盛り込んだ展開が見事な名作。
とくに大曲における奇妙さ加減はもう絶品で、メロディアスなのに、ここまでひねくれ、気持ち悪く展開させる楽曲には
唖然とさせられる。高度な演奏技術を持つだけに、よけいその変態を説得力あるものにしているのだ。
どんどんわき道へそれてゆき、けっして元に戻らない曲構造は、まるで迷宮散策のよう。
ここまでくると下手なVoさえもが、演奏に集中させるためのギミックにすら思えてくる。
変拍子の海、イントロを思い出せなくなる曲展開、迷宮の奥底へ突き進む潔さ。
すべてが変態的で、逆を返せば常人には計り知れない天才的なセンスが炸裂している。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 イタリア度・・10 総合・・8.5

EVIL WINGS「SHINE IN THE NEVERENDING SPACE」

イタリアのプログレメタルバンド、イーヴル・ウイングスのライブアルバム。2003作。
メロディアスなDREAM THEATER系ProgMetalでありながら変態系メタルとしても語るべきこのバンド。
ステージは4人編成+1(赤マントの怪しいおねーちゃん)で、ギター兼Voの歌唱はともかく、相変わらず演奏力は抜群。
シンセ入りのメロディアスなProgMetalでありながら、高速フレージングや無茶なキメを
曲に強引に組み入れ、PLANET X的でもある自己満足的精神の追求がとても素晴らしい。
DVDの方では演奏の合間に時折挿入される、意味不明なイラスト(しかも下手)が
妙なサイケ色をかもしだしており、その意味のなさに呆れ、また嬉しくもなる。
映像でステージ中央に立っているマントのおねえさんは、一応コーラスなのだろうが
実際に声を出している曲は少なく、あとはただ視覚的価値としてのみ存在しているようだ。
1st収録の曲“CHRYSALIS”は、せわしない矢継ぎ早の展開→叙情シンフォニックという
無茶な流れの裏名曲で、部分的にはDREAM THEATERを思わせるカッコ良さがありながら、
そのヘンテコなセンスのため、結果として変態度を高めている。必聴&必見のライブ作であります。
テクニカル度・・8 変態度・・8 メロディアス度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で購入


EXTOL「BURIAL」

スウェーデンのテクニカルデスメタルバンド、エクストルの1st。1998作
ジャンルとしてはDEATHが築きあげた「知的なデスメタル」の進化系にあるもので、
テクニカルな演奏とプログレ的な展開、リズムアプローチをデスメタルサウンドで表現したもの。
このバンドの場合凄いのは、時折クリムゾンさえも想起させる芸術性を垣間見せながらも、
デスメタルとしてのへヴィネス、アグレッションをそのまま保っている点である。
何曲か聴いてみて私はMORBID ANGELがプログレ曲を演奏しているような印象にとらわれた。
つまりデスメタルの激烈性ではデスの帝王である彼らにも負けておらず、しかもDEATH以上の
プログレ的精神の実践、それも演奏だけでなく楽曲に内面的な芸術性を植え込むことに成功している。
アコースティックやシンセを効果的に用いながらもそれに頼らず「デスメタル」として「プログレ」している。
そういう意味で彼らは非常に稀有なバンドであり、テクニカル系のプログレデスが好みの人間には
必聴のバンドであることは間違いない。余談だがメンバーの平均年齢は1st当時22才だったという。
テクニカル度・・7 変態度・・8メロディアス度・・6 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

EXTOL「Mesmerized」
スウェーデンのプログレ・デスメタルバンド、エクストルのミニアルバム。1999作
1st「BURIAL」からのシングルカットと未収録曲2曲、リミックス曲3曲を収録。
最近ではテクニカルスラッシュ風のサウンドにシフトしてきているが、
デビュー時はアートな感性のプログレッシブ・デスというにふさわしいものだった。
ここで聴けるサウンドは、まさに1stから2ndへと飛躍を遂げる彼らの若さと、
そして類まれなるセンスが光っている。暴虐でありながらも変則リズムを導入し
知性を感じさせるアレンジと、ほのかな叙情美が合わさった楽曲はやはり見事だ。
3曲のリミックスバージョンは、インダストリアル風なのでやや好みからは外れるが。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 プログレ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

EXTOL「ANDECEIVED」

ノルウェーのプログレッシブデスメタルバンド、エクストルの2nd。
このバンドの場合、変拍子を入れただけの単なるテクニカルデスとは違い、楽曲のアレンジセンスが良く、
結果としてデスメタルとしての重厚さを失わずに、知的なプログレ性との両立に成功している。
咆哮するデス声にギターの音像はヘヴィでありながら、楽曲にはしっかりとフックがあり、
ときおり見せる叙情性も唐突でない範囲で絶妙だ。
例えればPAIN OF SALVATIONをデスメタルにしたような、ミクスチャーの芸術をも感じさせる。
テクニカル度・・8 変態度・・8メロディアス度・・7 総合・・8.5
Amazon.co.jp で購入

EXTOL「SYNERGY」

スウェーデンのプログレッシブ・デスメタルバンド、エクストルの3rd。2003作
アートな感性とテクニカルさを兼ね揃えたこのバンドの期待の新作であるが
まず、全体的に音が軽めになり、ノーマル声で歌われるパート大幅に増えた。
それとともにデス色は大幅減少。あからさまな変拍子リフに疾走する様は、
デスというよりはSPIRAL ARCHTECT系のテクニカルスラッシュの音である。
「ゴリゴリのデスメタルでありながらプログレ」である、という
2ndまでの彼らのアイデンティティに惹かれた向きにとっては今作はやや残念だが、
変態の入った、変拍子入りテクニカルスラッシュが好きには問題なくお薦めできる。
テクニカル度・・8 変態度・・8メロディアス度・・6 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

EXTOL「THE BLUEPRINT DIVES」

スウェーデンのテクニカル・スラッシュデスメタルバンド、エクストルの4th。2005作
1st、2ndと素晴らしきプログレッシブデスメタルを作り上げたが、前作3rdでは脱デス化して、
テクニカルなスラッシュサウンドになっていたが、今作ではさらにモダンなアプローチを取り入れている。
リズムでの遊びは今まで通りだが、雰囲気はよりプログレ的になり、浮遊感のあるヴォーカルが
変拍子リズムの上に乗ると、クールさと知的さを漂わせつつ、どこかに倦怠のムードも漂わせる。
いわば、最近のミクスチャー系メタルバンドの感触にも近いかもしれない。
曲によってはあっけなく終わって、物足りなく感じもするが、そのさらりとかわす薄情さもポイントで、
このバンドの知的センスを愛しているならば、自然体で楽しめる好作といえるだろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




THE FACELESS「PLANETARY DUALITY」

アメリカのテクニカルデスメタルバンド、フェイスレスのアルバム。2008作
激烈なブラストビートでCRYPTOPSYばりに始まったと思いきや、
変則リズムによるキメと、矢継ぎ早の展開に唖然となりつつ、
硬質なリフの合間に聴かせるギターのフレーズにはときおりメロディもある。
咆哮するデスヴォイスの暴虐性とは反対に、知性的な冷徹さも漂わせており、
曲によってはイントロにシンセを使ったり、ミステリアスな雰囲気も感じさせる。
基本的にはドカドカとブルータルで激しいサウンドなのであるが、
曲はどれも短めで、聴き疲れて飽きる前にスパッと終わるのもいっそ潔い。
メロディアス度・・6 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


FATES WARNING「THE SPECTRE WITHIN」

アメリカのプログレメタルバンド、フェイツ・ウォーニングの2nd。1985作
ボーナストラック付きリマスター盤。プログレメタルという言葉がない80年代から
変拍子リズムを多用した楽曲をやっていたこのバンド、欧米ではDREAM THEATERに
匹敵するほどの知名度であるらしい。実のところ彼らこそがプログレメタルの元祖であろう。
私的にはFWの最高作は次の3rd「AWAKING THE GUARDIAN」であると思うが
この2ndでもすでにその方向性は打ち出していて、変則リズムに乗る
ジョン・アーチの独特の節回しの歌声は今聴いても実に個性的。
おそらくアルバム発表当時は奇妙な音楽とみなされたことだろうが、
時代を超えた今になって聴くと、当時から実に先鋭的なリズム感覚を持っていたかが分かる。
プログレメタルをさんざん聴いてきた耳に、この時代の彼らの音はなんと心地よいことだろう。
ラストの大曲“EPITAPH”は一聴の価値あり。ボーナスには貴重なデモ音源やライブトラックが収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フェイツウォーニング節度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で購入

FATES WARNING「AWAKING THE GUARDIAN」

アメリカのプログレッシブメタルバンド、フェイツ・ウォーニングの3rd。1986作
テクニカル・プログレメタルの元祖ともいうべきこのバンドの最高作。
今回はリマスターに加えデモやライブ音源入りのCD、さらには当時のライブ映像が楽しめるDVD付きの
豪華3枚組仕様!これファンには嬉しいプレゼントだ。
やや変態気味の変則リズムに、ジョン・アーチの浮遊感のあるハイトーンヴォーカル…
改めて聴き返しても1986年という早い時期に(DREAM THEATERのデビューよりずっと前)
ここまで複雑なリズムを用いた音楽をやっていたということには驚愕すら覚えるし、
変態メタルの先駆けは彼らだったのだなということが、改めて知れる。
貴重なデモ音源も音質良好で、ファンには大変楽しめる内容。
DVDに関しては、映像、音声共にブート並みなのだが、当時の様子が知れるだけでもよいか。
メロディアス度・・7 ひねくれリズム度・・9 DVDはブート度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


fi5th reasOn「wITHIN OR wITHOUT」
スウェーデンのテクニカルメタルバンド、フィフス・リーズンの1st。2001作
ABSTRAKT ALGEBRAというバンドのGが中心となっているバンドで、
どこかオリエンタルで不可思議なギターリフ、フレーズをメインにしたプログレッシブなサウンド。
いわゆる「プログレメタル」という音とは若干異なり、キーボードもなければキャッチーな叙情もさほどない。
メロディアス好きには縁のないバンドだろうが、こと「ギター」という面では非常に楽しめると思う。
ザクザクとへヴィでありながらも、どこかひねりの効いたリフやフレーズは個性的で、
「変態メタル一歩手前」という感じ。CONCEPTIONARKなどが好きな方なら楽しめると思う。
メロディアス度・・7テクニカル度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


The Fractured Dimension「Towards the Mysterium」

アメリカのテクニカルプログレ(メタル)バンド、フラクチャード・ディメンションのアルバム。2008作
ドラム、ベース、シンセというトリオで、シンセをメインにしたテクニカルメタルというサウンド。
フュージョン、ジャズ的な軽妙な優雅さとプログレッシプな知的さが合わさった楽曲は、
緊張感がありながらも、美麗なシンセワークが音の硬質感をやわらげている。
ギターはすべてゲストであるが、ネオクラシカルなプレイも含めてなかなか効果的。
ゲストの中にはあのロン・ジャーゾンベクの名前もある。PLANET Xなどのファンにもオススメ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 優雅にヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




GIGANQuasi-Hallucinogenic Sonic Landscapes」

アメリカのテクニカル・デスメタル、ガイガンの2011年作
ギター、ベース、シンセをこなすエリック・ヘルセマンを中心にしたバンドで、
ブルータルな激烈さとカオティックなテクニカル性が同居したサウンド。
ブラストビートを含んだオールドスタイルのデスメタルを基本にしつつ、
サイケ的なギターリフでスペイシーな浮遊感をかもしだしているのが面白い。
GORGUTSCRYPTOPCYなど、ヘンタイ系のテクニカルデスとしても楽しめる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




HOYRY-KONE「HUONO PARTURI」

フィンランド産変態チェンバーロックバンド、ホイリーコーンの2nd(だよね?)。
のっけからいきなりグレゴリアンチャントで厳かに始まったかと思えば、
続いて、へヴィでノイジーな変拍子曲が始まり、まずこの落差につんのめる。
変則リズムの上で鳴り響くヴァイオリン、不安をかき立てるチェロの音色。
何故かオペラティックな男性ヴォーカルがとても真面目に歌い上げて、かえっておかしい。
どの曲も途中、奇妙で唐突な展開をみせ、音像としては非常にシリアスなのだが、
ねじくれた楽曲がこれがギャグであることを物語る。つまり大マジに変態をやったらこうなる、と。
しかも、ただの変なひと、ではなく「スーツを着た論理口調のインテリがキレたとき」、のような(笑)。
ちなみに日本盤のタイトルは「偽理髪師」(なんなのコレ?)
メロディアス度・・6テクニカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


I

IHSAHNAdversary

EMPERORイーサーンのソロ作。2006作
EMPERORの解散から早5年、ついにイーサーンが動きだした。サモスの方はZYKLONで活躍中だが、
これを聴けばやはりバンドのブレインはイーさんの方だったのだなと思わせる内容。
基本はシンフォニックブラックであるが、楽曲の展開の多さにはEMPERORとしてのラスト作である
「PROMETHEUS」の延長上にあるもので、SOLEFALDにも通じるプログレッシブな質感だ。
ブラックとしてのおどろおどろしさはなくなったが、プログレブラックとしての魅力はより明快になった。
ときおり聴かせるクラシカルなアレンジもいい感じだし、シンフォプラック的に疾走しつつも
暴虐さはさほどないので、デス嫌いの人間にも受けそう。
このソロ作を機に、EMPERORの再結成などないものだろうか?…とつい期待したくなる。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・7 プログレブラック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

IHSAHN「angL」

EMPERORイーサーンのソロ2作目。2008作
前作「Adversary」はプログレッシブな味わいの好作だったが、
今作も彼の美意識とセンスとが存分に発揮された作品となっている。
クラシカルなシンセアレンジで華麗に聴かせつつ、ときに暴虐な突進力もあり、
かつてのシンフォニックブラックメタルのアイデンティティをまざまざと見せつける。
イーサーンのヴォーカルも情念の深みを増していて、前作よりも迫力があり、
ノーマル声で歌う叙情パートなどはOPETHなどを思わせる部分もある。
シンセをバックにテクニカルなギターリフや、メロウなフレーズが交互に顔を出し、
楽曲は緊張感と荘厳な空気に包まれていて、最後まで聴き手を飽きさせない。
かつてのEMPERORファンのみならず、プログレッシブなメタル好きも必聴だ。
シンフォニック度・・7 プログレッシブ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Ihsahn「After」

元EMPERORのイーサーンのソロアルバム。2010年作
ソロとしてはこれが3作目になるが、EMPEROR時代からのブラックメタルの深化を
さらに芸術的に、プログレッシブになしとげてきた彼の才能には脱帽するばかりだ。
本作では二本のギターを有機的に絡ませつつ、サックスの使用や変則リズムをまじえての
プログレッシブ・ブラックの質感を軸に、前作で聴かせたOPETHばりの緩急の変化とともに
激しくもアヴァンギャルドな感性を炸裂させた、劇的で濃密なアレンジが光っている。
日本のSIGHにも通じる、音楽をアートとしてとらえての楽曲表現の追求が素晴らしい。
ノーマルヴォイスで歌う叙情パートも含めて、ドラマティックなメリハリの効いた見事な傑作だ。
限定盤のDVDには2009年のライブやインタビュー、メイキングを収録。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 楽曲センス・・10 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


In Lingua Mortua「Bellowing Sea」

ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、イン・リングア・モーテュアのアルバム。2007作
なにやら静かで上品なイントロから、曲が始まるとEMPERORばりに疾走するブラックメタルに突入。
しかしながら、ヴァイオリン、サックス、フルート、ピアノなどを使用したクラシカルな優雅さや
どことなく知的さを感じさせる展開美などは、プログレブラックの先輩、Solefaldあたりを思わせる。
そして、なんと、ブラックメタルなのにメロトロン使ってますよ、奥さん!これがなかなかハマっていて、
メロトロンの響きがどこか時代的なレトロさを、いい意味でサウンドにもたらしていたりします。
そういう点ではイーサーンのソロ作などにも通じる芸術的センスがあり、その筋には激しくお勧めです!
クラシカル度・・8 暴虐度・・7 プログレブラック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

In Lingua Mortua「Salon Des Refuses」

ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、イン・リングア・モーテュアの2010年作
前作はヴァイオリン、サックス、フルート、ピアノなどを使用したクラシカルな優雅さと、
なんとプログレバンドばりにメロトロンを使った、独自のスタイルがインパクト大であったが、
本作も激しさの中に知的な感覚を覗かせ、まるでEMPERORと70年代プログレを融合させたような雰囲気である。
ANEKDOTENばりに鳴り響くメロトロン、フルートの音色はレトロな質感をかもしだしており、
緩急をつけた楽曲構造とともに、一種シアトリカルなまでのプログレブラックを展開している。
一般のリスナーにはつかみ所がない音かもしれないが、Solefaldなどのファンならにんまりしそう。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 プログレ(変態)度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


INTO ETERNITY「DEAD OR DREAMING」
カナダのプログレ(デス)メタルバンド、イントゥ・エターニティの2nd。2001作
カナダらしいテクニカルなプログレメタルサウンドをデスメタル的なアグレッシブさと融合
重厚リフとメロディ、そして展開のバランスがセンスよく混在している。
哀愁を帯びたノーマル声の歌唱もなかなか魅力的だし、
やや唐突だが知性を感じる曲アレンジも、この後の3rdに受け継がれてゆく。
変態、というほどやりすぎでもないので、普通のプログレメタルリスナーにも受け入れられるとは思う。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7

INTO ETERNITY「BURIED IN OBLIVION」
カナダのプログレ・デスメタルバンド、イントゥ・エターニティの3rd。2003作
ひと言で言うと、デスメタル風味のあるプログレメタル
巧みなギターフレージングに、テクニカルで展開の多い楽曲、
ノーマル&デス声のツインヴォーカルと、さまざまな要素を持ったサウンドで、
北欧メロデス的要素に加え、DREAM THEATER以降の(もっといえばPAIN OF SALVATION以降の)
プログレメタリックな展開美とミクスチャー精神が感じられる。曲がとてもせわしなく、
展開の多いわりには印象に残らないというこの手のジャンルならではの難点はあるものの、
これを変態ととるか、新たなPROG METALの再構築ととるかで楽しみかたは変わるだろう。
テクニカル度・・8 変態度・・7メロディアス度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で購入

INTO ETERNITYThe Scattering of Ashes

カナダのテクニカルメタルバンド、イントゥ・エターニティの4th。2006年作
テクニカルなプログレメタルとデスメタルを融合させた濃すぎるほどに濃いサウンドだった前作までに比べ
今作では、メジャーレーベルとの契約やメンバーチェンジもあってか、若干音の質感が変化している。
アグレッシブな激しさと展開の多さは残しつつも、聴きやすいキャッチーな部分が増えたという印象で、
以前の作品に耳疲れしていたようなリスナーでも、今回はちゃんと最後まで聴き通せるだろう。
より多くの人間にも聴ける音楽になったという点で評価するべきだろうし、RUSHやDREAM THEATERなどに通じる
構築性にアグレッションを上乗せしたハードなテクニカルメタルとしても、実に堂々たる出来だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

INTO ETERNITYThe Incurable Tragedy」
カナダのプログレッシブ・デスメタルバンド、イントゥ・エターニティーの5th。2008作
初期のせわしないテクニカル路線から前作では聴きやすさと整合感を増し、
高品質な傑作となったが、続く本作は「癌という病の悲劇」をテーマにしたコンセプト作だ。
のっけから激しく疾走する楽曲にハイトーンヴォーカルとデス声が絡み、
まるで怒りと悲しみを爆発させるようなブルータルなプログレッシブメタルを展開。
初期を思わせる唐突な切り返しでたたみかけるサウンドは、切迫した雰囲気を描きつつも
ときおり聴かせるギターのメロディアスなフレーズは、楽曲の中でアクセントになっている。
激しさの中にポストロック的なドラマ性をかもし出す手法は、やりたいことは分かるのだが、
やや空回りしている感じもあり、聴き手はこのせわしなさには情感がついてゆかない。
詰め込まれた力作なのは確かだが、前作の安定感に比べるとやや力みすぎか。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Iwrestledabearonce
アメリカのカオティックコアバンド、アイレッスルドアベアーワンスのミニアルバム。2007年作
強烈なグロウルヴォイスと別人のような美しい声を使い分ける女性ヴォーカルと、
アヴァンギャルドな展開で聴かせるヘンタイ系サウンド。ヘヴィなギターとモダンなシンセアレンジで
ときにブルータルにときにコミカルにと、そのギャップがものすごく、まさにカオスというしかない。
気が狂ったIN THIS MOMENTというか、無茶な展開の連続に唖然としつつニヤリという作品。
メロディアス度・・7 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

IwrestledabearonceIt's All Happening」

アメリカのカオティックコアバンド、アイレッスルドアベアーワンスの2009年作
デビューミニに続くフルアルバムで、やはりジャケのようにカオティックで
やかましく極端な展開で駆け抜けるヘンタイ・アヴァンギャルドメタルが炸裂。
ヘヴィロック的なモダンさと、メタリックでブルータルな激しさを含みつつ、
ヒステリックな女性ヴォーカルの絶叫がけたたましく響きわたる。
一方では、ノーマルな歌声で聴かせるパートやコミカルなテイストなどもあり、
曲はほとんどが3分前後なのだが、そのいわばギャグとスプラッタの二面性が激しく、
濃密さにヘトヘトになる。フルアルバムよりもミニでちょうどよいサウンドかも。笑
メロディアス度・・7 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




KOROVA「A Kiss in the Charnel Fields」

オーストリアのプログレ・ブラックメタルバンド、コロヴァの1st。1995作
先に2nd「Dead Like an Angel」を聴いて、その知性溢れるアートな感性に、
いたく感銘を受けたのだが、探していた本1stをようやく入手。
のっけからドイツ語の男Voと女性スキャット、それに民族調のメロディで始まり
ただならぬ幕開けににやにやしていると、やはり始まったアヴァンギャルド絵巻…
SOLEFALDをもっとぐちゃぐちゃにしたような感じといえばいいのか、
2ndで聴けたセンスある知的さよりも、もっと混沌とした勢いまかせの変態ブラックですね。
ノイジーなギターに咆哮をはじめるヴォーカル、ブラストビートもときおり入ってきて
やかましいのだけど、どこかローカルで田舎めいた感じがするのはENIDなどと同様。
ときおりギターがクサメロを弾いたり、クラシカルなピアノやオーケストレーションなどの使用も
プログレ好きの変態音楽愛好家にはタマランです(笑)SOLEFALDSIGHなどが好きな方はぜひ!
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

KOROVADead Like an Angel

オーストリアのアヴァンギャルドブラックメタルバンド、コロヴァの2nd。1998作
メンバーは、女性ヴォーカル、女性テルミン奏者(!)を含む6人。
インダストリアルな雰囲気と朗々としたドイツ語のヴォーカルはRAMMSTEINなどを思わせるが、
ギターリフのバックには荘厳なオーケストレイションが鳴り響き、壮大かつ変態的な世界観を覗かせる。
さらにオペラティックなソプラノヴォーカルも加わって、クラシカルな質感を増しつつ
アヴァンギャルドな要素が交差してSOLEFALDあたりにも通じる芸術性が現れる。
テルミンやグラスオルガンなど変わった楽器も登場したりと、一筋縄ではいかないアートで
個性的なメタルサウンドを繰り広げている。プログレッシブな音楽が好きな方なら必聴。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 プログレッシブ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

KOROVAKILL 「Waterhells」

オーストリアのプログレッシブ・ブラック・メタルバンド、コロヴァキルの2002年作
KOROVA名義で2枚のアルバムを出したあと、3人編成のバンドとして再出発。
ぱっと聴きには、かつてのごちゃごちゃとしたアヴァンギャルドな作風から
若干整合感が出てきた印象。ただ、インダストリアルちっくなアレンジや、
モダンでときにシンフォニック、そしてデジタリィなシンセワークに女性スキャットなども絡み、
相変わらず個性的でつかみ所のない音楽性ではある。まあそこが魅力なのだが。
全体的には曲自体のインパクトがやや弱くなった感があるが(後半は激しめの曲あり)
変態(知的)形メタルが好きならそこそこ楽しめるはず。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




Last Chance to ReasonLevel 2」

アメリカのテクニカルメタル、ラスト・チャンス・トゥ・リーズンの2011年作
ヘンタイ系のテクニカルメタルというと、最近ではBraindrillなどを筆頭に、いろいろな出てきているが、
このバンドも変則リズムをたっぷり使った、良い意味で気持ちの悪いサウンドをやっている。
スクリームヴォイスを使いつつも、緩急をまじえた楽曲構成はプログレッシブといってもよく、
スペイシーなシンセのアレンジやノーマル声で聴かせるやわらかなパートなどもあって、
Between The Buried And Meあたりにも通じる知的な構築センスがなかなか見事だ。
曲は3〜5分台が中心なのだが、ひねくれたリズムとスイープを使ったテクニカルなギターフレーズで
緊張感を漂わせながら濃密に聴かせる。ヘンタイメタル好きは要チェックのバンドだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Liquid Graveyard「On Evil Days」
スペインのサイケデリックメタル、リキッド・グレイヴヤードの2009年作
女性ヴォーカルを含む4人編成で、スクリームと美しいソプラノを使い分けながら、
テクニカルで浮遊感のある個性的なサウンドを描いてゆく。デスメタルというには激しさはあまりなく、
ようするにデス声入りのサイケメタルとでもいうべきか。さほど強いインパクトはないのだが、
うねりのあるギターリフとともにいくぶんのユルさも含んだ、不思議な感触の作品です。
メロディアス度・・7 サイケメタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Lye by Mistake「Fea Jur」

アメリカのテクニカメルタルバンド、ライ・バイ・ミステイクの2009年作
ギター、ベース、ドラムのトリオ編成で、インストによるテクニカルかつ
アヴァンギャルドなサウンドを繰り広げている。唐突なまでのリズムと、
ヤケクソ気味の変態さが合わさった、濃厚なテクニカルメタルでありつつ、
遊び心とユーモアを感じさせる余裕もあり、フュージョン的な軽やかさも特徴か。
デス色を抜いたMeshuggahというか、MATS/MORGAN的センスというか…そんな感じ。
CANVAS SOLARISやELECTROCUTION 250あたりが気に入った方ならぜひにというヘンタイぶり。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




THE MARS VOLTA「DE-LOUSED IN THE COMATORIUM」

AT THE DRIVE-INのメンバーなどによるバンド、マーズ・ヴォルタのアルバム。2003作
ひと言で言ったら・・・というかひと言では言えない音なのですが(^^;)、
あえていうのなら、「テクニカル・サイケ・プログレ・ロック」とでもいいましょうか。
3拍子系をメインにしたせわしないリズムの上にテクニカルなギターが鳴り、
中性的なVoがエモーショナルに歌い上げます。ドラムの手数の多さは見事。
昨今いわれるポストロックのひと言で片づけるのはいささか気が引けるようなサウンドで
メタラーにはテクニカルメタルとしても鑑賞可能。・・かといってただせわしないだけでなく、
歌をメインにしたパートではじつに美しく聴かせてくれたりもします。
現代版のプログレ?しかもプログレを意識していないところが現代的な音であります。
誤解を恐れずに言うと、PAIN OF SALVATIONあたりのミクスチャー感覚に近いものも感じます。
テクニカル度・・8 変態度・・8メロディアス度・・7 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

THE MARS VOLTA「FRANCES THE MUTE」

アメリカのテクニカル・ミクスチャーロックバンド、ザ・マーズ・ボルタの2nd。2005作
1stでは、テクニカル&変態系ロック好きの我々の腰を存分に抜かせたこのバンド。
今回は組曲的な大曲をメインに、たっぷりとその演奏を聴かせてくれます。
前作のように、1曲ごとを濃密にまとめた作風から一転、
いかにもポストロック的に、あるいはプログレ的に自分達のビジョンを
たたみかける演奏で構築、延々と再現しているという印象。
もちろん、テクニカルパートは変拍子たっぷりで威勢よく聴かせ、
プログレ(変態)メタル的な楽しみ方も可能ですが、今回は大曲におけるゆるやかな進行、
そのコラージュされた音の重なりとか、展開なども大いにアートな感性を感じさせ、
ある意味GODSPEED YOU! BLACK EMPERORにも通じる難解さと壮大さを感じます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

THE MARS VOLTA「Scab Dates」

アルリカの新世代プログレ・ロックバンド、マーズ・ヴォルタのライブアルバム。2005作
のっけから、子供の鳴き声などの不穏な雰囲気のSEに惹きつけられる。
ライブ演奏は予想に反して多くをインプロビゼーションに費やしていて、
内的世界を描き出すポストロック的な手法はじつにプログレッシブ。
バンドの演奏力はやはり大変高く、それだけでなく表現力という点でも
単なる頭でっかちではない、ロックとしての迫力と構築性とを併せ持っているのが感じられる。
作り込まれたスタジオ盤とのあまりの違いに世間では賛否両論のようだが、
「彼らにしか出来ないライブ作品」という点で、個人的にはその挑戦精神を高く評価したい。
メロディアス度・・7 内的プログレ度・・9 即興度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

THE MARS VOLTA「Amputechture」

アメリカのプログレッシブ・ミクスチャーロックバンド、マーズ・ヴォルタの3rd。2006作
テクニカルで変態的なミクスチャー感覚で度肝を抜いたデビュー作、
長大な組曲の中に静寂と鬱ぎみのプログレ感覚を織り込んだ2nd、
そして、まったくアルバムとは雰囲気の異なる即興感覚の演奏のライブ作と、
アルバムごとに進化と深化、そして様々な要素を取捨してきている彼ら。
今回もジャケからしていかにも怪しげかつ意味不明で期待大であるが(笑)、
10分以上の曲が3曲に、他も6〜9分という大曲志向は相変わらず立派。
展開におけるテクニカルな破天荒さはそのままに、今作では長い曲でも濃密さを保っており、
真剣に聴いているととても疲れるのだが、それもまたプログレ者には嬉しい疲労か(笑)
一筋縄でいかないアヴァンギャルドなロックが好きな方、新時代のプログレを聴きたい方は必聴。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

The Mars Volta「The Bedlam in Goliath」

アメリカのプログレロックバンド、マーズ・ヴォルタの4th。2008作
このあやしげなジャケや「ゴリアテの混乱」という意味不明のタイトル通り、
(ゴリアテとは、旧約聖書に出てくる羊飼いの少年ダビデに倒された巨人兵士)
サウンドの方も前作から続く変態型モダンプログレ道を今回もまっしぐら。
アラビックなコード進行でサイケがかった浮遊感をともなうサウンドで、イメージは中近東か。
手数の多いドラムを中心に、これまでよりもさらにグルーブ感のある演奏がかなり生っぽい。
もともとが楽曲よりもイメージを重視した演奏志向のバンドであったので、
この破天荒なスタイルに理不尽さを感じるようなまともなリスナーには向かない。
75分の大作に飽きがくるか来ないかは、ひとえに感覚で聴く変態サイケを好むかどうか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 中近東サイケ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

The Mars Volta「Octahedron」

アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの5th。2009作
じつに素晴らしい創作意欲である。サイケがかった浮遊感と斬新な楽曲構造で毎作感心させられてきたのだが、
本作ではむしろじっくりと聴ける落ち着いた叙情サウンドを核にしてきている。
まるで昨今の英国の薄暗系プログレのような雰囲気もあり、ゆるやかにメロトロンが鳴り響く、
なんとも確信犯的な作りだ。 メロウで煽情的なギターフレーズはこのバンドではこれまで聴かれなかったもので、
彼らの器の大きさというか、センスの多彩さをあらためて思い知らされる。演奏においてはリズム面での
繊細なグルーブの構築を含めて、そのポストロック的なビジョンを描き出す力量もじつに見事だし、
またヴォーカルの表現力が上がったことで、歌もの部分での確かな説得力をしっかりともなっている。
誤解を恐れずに言えば、今DREAM THEATERよりも面白いのはこのバンドなのではないか。
表面的なテクニカルな展開力は控えめだが、それをちゃんと奥底で感じることができるのだ。
全てを出し切らなくともこれだけのものが作れるのだから、まったくおそるべきバンドである。
叙情度・・8 プログレ度・・8 内的センス度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

The Mars Volta 「Noctourniquet

アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの2012年作
2003年のデビュー作から6作目となる本作は、前作で聴かれた叙情的な作風に
エキセントリックなシンセアレンジを加えた、サイケ気味のモダンプログレサウンドを展開。
ときおりテクニカルなアンサンブルを挟みつつ、軽妙さの中に奇妙な偏屈さを感じさせるセンスとともに、
感情豊かに歌い上げるヴォーカルの表現力も、本作の重要な要素になっており、
薄暗い叙情性を繊細に描きながらも、じつにエモーショナルな聴き心地である。
ラウドな音作りも確信犯的で、他のどのバンドにも似ていないという個性はやはり素晴らしい。
ドラマティック度・・8 モダンプログレ度・・8アレンジセンス・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATS/MORGAN「TRENDS AND OTHER DISEASES」

北欧の変態・・・もとい超絶コンビ、マッツ&モルガンの1st。
手数の多い高速変拍子をたたき出すモルガンのDrに、
全盲のキーボーディスト、マッツの不思議なメロディが乗る。
曲はどれもがアヴァンギャルドで、一筋縄ではいかない。
起承転結や構築性とは隔離された、独特の唐突さに支配されたアルバム。
MESHUGGAHのG、フレドリック・トーテンダルゲストも参加。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATS/MORGAN「LIVE」

スウェーデンの超絶テクニカルコンビ、マッツ/モルガンのライブアルバム。
ザッパと共演したことでも知られる彼らだが、このライブでも期待にたがわぬ圧倒的な演奏を披露。
テクニカルで高度な変拍子バリバリの楽曲を、ユーモラスに、余裕すら感じる演奏で突っ走る。
あえてジャンル分けするのなら、ジャズロックだが、メロディが前に出ているので退屈することなく聴け、
しかも真剣に聴けば聴くほどその驚愕の演奏力に腰を抜かすという具合。
モルガンのドラムはマイク・ポートノイばりに手数が多く、正確で豊かな表現力は素晴らしい。
多様な音色を操るマッツのキーボードも<歌がなくとも十分フロント楽器たりえている。
これに似ているバンド(テクニカルでしかもユーモラスという点で)といえば
硬質感のあるなしで異なるが、同じ北欧のサムラということになるのだろうか。
テクニカル度・・10 変態度・・10 メロディアス度・・6 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATS/MORGAN「ON AIR WITH GUESTS」

スウェーデンの変態アヴァンデュオ、マッツ・アンド・モルガンのライブアルバム。2002作。
盲目のキーボーディスト、マッツと超絶バカテクドラマー、モルガンのコンビ。
彼らの作り出す異常にして人智を超えたような楽曲群はライブでこそ本領が発揮されるらしく
「本当にコレライブでやってんの?」と尋ねたくなるような演奏が繰り広げられている。
コロコロとした可愛らしいメロディをとんでもない変拍子に乗せたり、
反復するリズムをずらし、聴覚を麻痺させるようなアレンジをこなすかと思えば
MESHUGGAHフレドリック・トーテンダルをゲストに、ゴリゴリギターの変態メタルまで
「なんだコリャ」の連続で、聴き終える頃にはあっけにとられている。
とくにモルガンのドラムはものすごく、手数、切れ味ともに信じがたいレベル。
これを本当に曲として覚えて叩いているのなら、彼は宇宙人といってよいかもしれない。
変態音楽愛好家、テクニカルプログレ好きはまず聴くこと。悶絶してください。
テクニカル度・・10 変態度・・10メロディアス度・・7 総合・・9
Amazon.co.jp で購入

MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR A FLYNG WITH US」

スウェーデンのテクニカル変態バンド、マッツ アンド モルガンの2005作
今回から正式にギター、ベースが加わり、5人編成でのバンド名義のアルバムとなった。
サウンドの方はこれまでと変わらず、たたみかける変拍子リズムや
コミカルなキーボードの音色、反芻するメロディなどの変態気味のチェンバーロック。
ずっと聴いていると脳内トリップできそうな感覚にも陥る、どこかスペイシーなサウンドで
既成のロックの枠組みにはまったくとらわれない独創的な(異常な)音楽が楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATS/MORGAN BAND「Heat Beats Live」

スウェーデンの超絶アヴァン・レコメンバンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドのライブ音源集。2008作
全盲のシンセ奏者マッツと、KAIPAなどでも活躍する凄腕ドラマー、モルガンのユニットとして
1996年にデビュー、アルバムを2作出した後、2005年バンド編成となり現在までに2作を発表。
本作はライブ音源としては3作目で2005、2007年のライブを収録。とぼけた味わいと緊張感が同居した、
曲になっているのか、なっていないのかと、一聴して理解に苦しむようなアヴァンギャルドさと
即興感たっぷりの演奏を繰り広げている。DVDには1991〜2007年までのライブ映像などを収録。
ライブ演奏・・8 即興度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATS MORGAN BAND「The Music or the Money」

スウェーデンのアヴァン(ポップ)ロックバンド、マッツ・モルガン・バンドのアルバム。2010作
もともとが2枚組であった2ndにボーナス12曲を追加し、ジャケや曲順も変更した2010年新装盤。
全盲のシンセ弾きマッツの常人離れしたシンセワークと、モルガンの技巧的かつ軽妙なドラム、
そして、バンド編成になっての楽曲では、ベースを含めたアンサンブルにも磨きがかかり、
ただアヴァンギャルドなだけではなく、音楽的にもひとつ芯が通ってきたという印象がある。
本作では、マッツの曲とモルガンの曲、そしてバンド編成の曲がバラバラに入っていて、
アートな感性の宇宙人的奇妙さであったり、超絶でテクニカルかつコミカルであったりする…
一括りで言うなら「楽しいヘンタイ」というような、斬新なサウンドが目一杯詰まっている。
頭で理解しようとは思わず、ノリと感性、右脳で楽しむ、ワンダーなアヴァン・プログレ作品である。
テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


MEGACE「Human Errors」

ドイツのテクニカル・スラッシュメタルバンド、メガスの1st。1991作
女性ヴォーカルのテクニカル・スラッシュという当時にしてはなかなか珍しいスタイルで、
せわしない曲調に田舎臭い女性Voが歌を乗せ、ときおり彼女がデス声で歌うのだが、
この声がまたヒステリックで気持ち悪いというか…当時はえらく耳障りに感じたものだ。
今でこそ女性のスクリームヴォイスは珍しくもなくなったが、ある意味その先駆けか。
日本の五人一首の「あの字」嬢の歌唱に通じるものがある、と言えばイメージしやすいだろうか。
曲調もWATCHTOWER系を目指しているようだが、そこまで凄くはなく、どこか中途半端で
B級臭いのだが、女性声のインパクトとともに、キワモノ系のリスナーにはまあまあ楽しめるだろう
おそらくバンド自体も方向性に行き詰まったのか、この1枚を残して音沙汰がなくなる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 女性声インパクト度・・9 総合・・7.5

MEGACEInner War

ドイツのテクニカル・スラッシュメタルバンド、メガスの2nd。1999作
1991年の「Human Errors」、てっきりこの1枚のみで消えたと思っていたら、
8年後にこのアルバムを出していたんですね。まったく気づかなかった。笑
サウンドの方はずいぶん音がパワフルになっていますね。ヘンタイ気味の楽曲はそのままに、
そこに乗るギターリフが力強くなった。そして綺麗声と汚声を使い分ける女性ヴォーカルも
相変わらず少し気持ち悪くていい感じです。今作ではややダーティに歌うパートが増えていて
前作での不気味なヒステリックさよりも、女性メタラー的な強さが感じられるようになってます。
曲によってはメロディアスな部分もありつつ、ヘンテコなProgMetalとしても楽しめるかと。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 女性声インパクト度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


MEKONG DELTA 「Dances Of Death」

ドイツのテクニカルスラッシュメタルバンド、メコン・デルタの3rd。1990作
鬼才ラルフ・ヒューベルトを中心に、クラシックとスラッシュメタルを融合させるという
無茶なテーマをかかげて結成されたこのバンド。メンバー名を伏せながらも、
STRATOVARIUSの名手ヨルグ・マイケルやLiving Deathのメンバーなどが参加していた。
本作は20分におよぶタイトル曲を含め、これまでのアルバム以上に細密に構築された大傑作。
変則リズムの嵐とクラシックの手法で作られた組曲は圧巻のひと言で、荘厳にして美しい。
スラッシーな激しさを失うことなく、これほどの知性と芸術性を兼ね揃えたバンドはそうはいない。
“はげやまの一夜”のカヴァーも見事。次作「Kaleidoscope」も完成度の高い傑作である。
ドラマティック度・・9 知的度・・9 スラッシュ度・・8 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

MEKONG DELTALurking Fear

ドイツのテクニカルメタルバンド、メコン・デルタの復活作。2007作
スラッシュメタルとクラシックの融合、ムソグルスキーの「展覧会の絵」の完全再現など、
異端の偉業ともいうべき音楽活動で、メタルという音楽のディープな深化に貢献してきた
鬼才ラルフ・ヒューベルと率いるこのバンド、約10年の沈黙を破ってまさかの復活だ。
メンバーの方は、リーダーのラルフ・ヒューベル以外はがらりと変わり、
ギターには元Theory in Practiceのピーター・レイク、シンガーにはWOLF SPIDER
ANGEL DUSTCROWSといったマニア好みのバンドで歌っていたレオ・スピーゲル、
そして元GAMMA RAYHELLOWEENのウリ・カッシュがドラムを叩く。
サウンドの方は、たとえメンバーが変わろうとも、楽譜から曲を起こすラルフの作曲法と、
実力者揃いの演奏陣のおかげで、まさに往年のメコンデルタそのものといってよい。
複雑に絡むギターとベースによる細かなキメの連続に、これでもかという変拍子リズム、
そして、ある種荘厳ですらあるクラシカルでストイックな空気が聴き手の脳を刺激する。
変態系メタルとして、芸術的なアートメタルとして、再び味わえる彼らの音楽を存分に楽しみたい。
恒例のクラシック本家取りカヴァーはショスタコーヴィッチの「交響曲第10番」。
なお、輸入盤の限定版では1991年のライブ映像が楽しめるボーナスDVD付き。
ブートレグだが映像、音質ともに良好で、往年の彼らの凄まじい演奏が視覚的にも楽しめる。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 メコンデルタ度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Mekong Delta「Wanderer on the Edge of Time」

ドイツのテクニカルメタルバンド、メコン・デルタの2010年作
2007年の復活作Lurking Fearはまさに感涙ものであったが、3年ぶりとなる本作では
またしてもメンバーががらりと変化、ヴォーカルにTomorrow's EveのMartin LeMar、
ドラムはAXXISのAlex Landenburg、ギターはBenedikt Zimniak(…誰?)とAnnon Vinに在籍していた
Erik Groschというメンツであるが、ブレインであるRalf Hubertさえいれば音楽性が変わるはずもなく、
クラシカルな優雅さとスラッシーな激しさを合わせたメコンデルタ節は健在。美しいイントロで幕をあけ、
変則リズムの嵐でたたみかけるサウンドに思わずにやにや。まさに技巧と芸術のスラッシュメタルだ。
今作はアルバム全体が組曲方式になっているという点でも、かつての名作「Dances of Death」
Visions Fugitives」などを思い出させ、プログレッシブな知的さとクラシカルな美意識が際立っている。
楽曲における極端な静から動への展開も含めて、底の知れない不気味さと壮大さが光る傑作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 技巧と芸術度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


MESHUGGAH「I」

スウェーデンのテクニカル・変態デスメタルバンド、メシュガーのミニアルバム。
ミニといっても21分の大曲1曲、という異常な構成なのはいかにもこのバンドらしい。
例によって無機質かつ冷徹なリフと変則リズムの嵐で聴き手を圧殺するサウンドだ。
メカニカル化の過程という点では、続く「CATCH 33」の荘厳なる完成度の手前だが、
テクニカルスラッシュ的な質感を、このように変態音楽にまで高めてゆく
彼らの“偉業”の一端がこの作品でもしっかり垣間見える。
メロディアス度・・2 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

MESHUGGAH「CATCH THIRTYTHREE(33)」

スウェーデンの変態デスメタルバンド、メシュガーの5th。2005作
鬼才フレドリック・トーテンダル率いるこのバンドの究極の形がついに…
やはり凄いですね。変拍子リズムに乗る反復されるゴリゴリのギターリフ、
この冷徹なまでのメカニカル化には人間の温かみは皆無。
延々と繰り返される異常リズムと、機械化されたリフの波は混沌たる硬質感をともない、
息苦しくもどこか心地よく…いつしか脳内で奇妙な快感へと変わってゆく。
メタルというよりは、これはもはや素晴らしきトリップミュージックですな。
メロディアス度・・3 変態度・・8 トリップ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MESHUGGAH「Nothing」

スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーの2006年作
1991年にデビュー、風変わりなデスメタルという程度であった初期から、
しだいに変則リズムと硬質なギターリフを中心に聴かせる異色の作風へと進化、
3rd「Chaosphere」から4th「Nothing」で、現在に続くスタイルを確立する。
本作はその2002年作「Nothing」をリミックスし、ボーナスDVDの付いた再発盤。
変拍子に乗せるザクザクのギターと、ベースを含めたうねりのあるトリップ感とともに、
無機質な硬質感で独自の世界観を描いている。速さよりも絡みつくような重さで
変態的なサウンドが脳をしびれさせる。DVDには2005年イギリスでのライブとPVを収録。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MESHUGGAH 「ObZen」

スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーの6th。2008作
前作「CATCH THIRTYTHREE」は荘厳なまでの無機質なメカニカル化を極めた作品で、
強烈な印象を残したが、続く今作はジャケからして仏教的な禅を思わせる異色の雰囲気だ。
サウンドの方は相変わらずのテクニカルなリズムに反復リフのキメによるメシュガー節だが、
今回は4、5分台の曲を中心に、意外と曲として聴き安い(以前に比べると)作りになっている。
フレドリック・トーテンダルの8弦ギターの奇妙なリフに加え、うねるようなベースの音も目立っており
硬質一辺倒だった前作よりも、バンドとしてのアンサンブルが前に出てきている印象だ。
ザクザクとした無機質感の中にもリズムのハネとグルーブを打ち出してきたことで、
怪物のような不気味さは減退したが、音楽としてのまとまりの点ではリスナーを増やすかもしれない。
硬質度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MESHUGGAH「Alive」

スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーのライブアルバム。2010作
2008年の「ObZen」発表後のツアーから、東京、トロント、モントリオール、ニューヨークでの公演から
CDに12曲、DVDには曲の合間にツアードキュメンタリーなどを含んだ105分を収録。
演奏はライブにおいてもカッチリとした安定感がさすがで、変拍子とポリリズムの嵐を軽々とこなし、
CDだけではアルバムで聴く以上の驚きはないのだが、DVDの映像で見ると、
メンバーの高度な技量とともに、バンドとしての生々しいうねりとノリがより楽しめる。
フレドリック・トーテンダルの8弦ギターから繰り出されるリフと、存在感あるベースとドラムが合わさり、
独自のグルーブ感とともにモダンなヘヴィネスが生み出される。そのサウンドはやはり圧巻極まりない。
ライブ演奏・・9 ヘンタイ度・・9 DVDで見よ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Meshuggah「Koloss

スウェーデンのテクニカルメタル、メシュガーの2012年作
硬質感あるメカニカルなリフと変則リズムを組み合わせた独自のスタイルで、
Djent系というジャンルも作り出した異色のバンド。7作目となる本作は、
前作「ObZen」での楽曲としての聴きやすさから、硬質なギターリフとうねりのあるベースを含む
変則リズムで構築される、彼ららしいトリップ感のあるテクニカル・デスメタル風のスタイルが戻ってきている。
スピード感はさほどでもないが、その分リフの存在感が際立ち、反復されるフレーズと空間性を感じさせる
よりミステリアスな空気感を漂わせている。曲によってはスラッシーな疾走など、初期に通じる部分もありつつ、
さらにダークで観念的な境地も感じさせる。いわば前々作「Catch 33」を荘厳にしたような力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 荘厳度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


MNEMIC「MECHANICAL SPIN PHENOMENA」
デンマークのテクニカル・メタルバンド、ネミックの1st。2003作
音圧のあるヘヴィリフの応酬に、変則リズムとなれば、思い出すのはMESHUGGAHであるが
そこまでゴリ押しではなく、曲にはかすかにメロディと正常な展開もあり、変態すぎないところがミソ。
ハードコアやオルタナ的な無機質感がありながら曲調には整合性があり
変態系テクニカル(デス)メタルの中では案外聴きやすい部類かもしれない。
曲によってはデジタル風味を取り入れているのも現代的。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で購入

MNEMIC「THE AUDIO INJECTED SOUL」
デンマークのテクニカル(デス)メタルバンド、ネミックの2nd。
MESHUGGAHの登場以降、この手の変態系テクニカルメタルバンドがいくつか現れたが
このバンドはポスト・メシュガーの1番手といってよいかも。
畳みかけるヘヴィリフと、変則リズムに、現代的モダンヘヴィの感覚を盛り込んだ音だが
Voの歌メロなどには叙情性も感じられ、押し一辺倒だけではない。
ヘヴィロック+テクニカルメタル+哀愁という雰囲気で、変態なのだが整合性もあるというサウンドは、
現代的な都会の多重構造を表しているようにも思える。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


MUTANT「THE AEONIC MAJESTY」

THEORY IN PRACTICEのメンバーによるテクニカル・ブラックメタル、ミュータントの2001年作
これはようするにブラックメタル版のセオリー・イン・プラクティスということか?
ブラストビート込みで激走するドラムに、バックにはキーボード、Voはダミ声ブラック。
意外にメロディアス、ドラマティックで曲展開も多く、T.I.P同様変拍子も使用したりしているが、
音像的にはシンフォニックなブラックなので、ヘンタイ系であっても非常に聴きやすい。
テクニカル・シンフォニック・ブラック、という意外とありそうでない新鮮な部分を突いている。
シンフォニック度・・7テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Neglected Fields「Synthinity」

ラトビアのテクニカルデスメタルバンド、ネグレクテッド・フィールズのアルバム。1998作
彼らの2nd「MEPHISTO LETTONICA」は、プログレッシブな感性が光る傑作として
我がサイトの特集ページにも掲載しているが、貴重なデビュー作をようやくゲット。
本作で聴かれるサウンドも、変則的なリズムと知的な展開力が光る
DEATHあたりを思わせる質の高いもので、ギターの奏でるリフにもセンスがあり、
ときおりメロディアスなフレーズが出てきたり、唐突に女性コーラスが入ったりと面白い。
デスメタルとしての暴虐さよりも、テクニカルメタルとしての要素が強いので、
ヴォーカルを別とすればProgMetalのリスナーにも楽しめるバンドだろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 知的センス度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

NEGLECTED FIELDS「MEPHISTO LETTONICA」

ラトビアのプログレッシブデスメタルバンド、ネグレクテッドフィールズの2nd。2000作
テクニカルな変拍子込みの演奏に、デス声とまではいかない歪みVoが歌を乗せる。
基本はDEATH系の音像だが、そこに加わるキーボードが荘厳さを演出している。
激烈さや疾走よりは叙情美にこだわっているようで、
KeyとGによるコンビネーションがメロディに厚みを与えており、
ある意味プログレ性はDEATHあたりよりも強いかもしれない。
メロディアス度・・7テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

NEGLECTED FIELDS「SPLENETIC」

ラトビアのプログレ・デスメタルバンド、ネグレクテッド・フィールズの3rd。2006作
前作「MEPHISTO LETTONICA」DEATHあたりを思わせるような
テクニカルなプログレデスの傑作だったので、期待して聴いてみる。
日本盤ボーナスを除けば35分ほどと、無駄なくシャープにまとまっていて、
全体的には暴虐さがアップしているという印象。せわしないリズム展開に
二本のギターとベースが唸りを上げ、そこにエフェクトのかかったデスヴォイスが絡む。
前作よりもシンセの頻度が減ったことで、複雑な楽曲の中にも突進力が勝っていて
テクニカルメタルでありながらも暴虐音楽としても充分に機能している。
音自体がモダンになったこともあり、若いリスナーなどにも違和感なく聴けるだろう。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




ObscuraCosmogenesis」

ドイツのテクニカルデスメタル、オブスキュラの2009年作
これが2作目ということだが、かつてのDEATHを思わせるようなテクニカルかつ
個性的なプログレッシブ・デスメタルである。変則リズムとキメによる技巧美と
ギターによるメロディアスなフレーズも随所に盛り込み、たたみかける激しさ以上に
知性ある構築性を感じさせる。最近でいうとBraindrillなどに通じるヘンタイ気味のセンスと、
案外古き良きテクラーニカルデスの質感が融合していて、ある意味でバランスがよいサウンドだ。
極端でいながらも聴きやすいという意味で、普通のデスメタルが苦手な方にも楽しめる力作である。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

OBSCURA「Omnivium」

ドイツのテクニカルデスメタル、オブスキュラの2011年作
かつてのDEATHを継承するようなテクニカルデスの力作となった前作に続く3作目。
叙情的なイントロから、ツインギターのメロディで、メロデス風味を増しつつも、
激しい疾走感とテクニカルな切り返しは健在。今作ではさらにノーマル声で歌う
クリアな叙情パートを盛り込んだり、プログレッシブ・デスへとより接近している。
モダンなデスコア風味でブラストする激しさもあるのだが、メロディの度合いが増したことで、
いくぶん間口が広がったともいえる。力作だとは思うが、この先どうしてゆくのか行き詰まりも感じる。
メロディアス度・・8 デスメタル度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


OCTOPUS 「BONSAI」

チリのテクニカル・メタルバンド、オクトパスの2nd。2006作
ギター2人にドラム、ベースという4人組で、オールインストのテクニカルメタルをやっている。
ギター によるヘヴィなリフを主体に、シーケンサーを取り入れたモダンなアプローチもあり、
テクニカルなキメと即興一歩手前の演奏でたたみかけるなど、一筋縄ではいかない。
音像はメタルながらも心はプログレッシブということか。 ときおりMESHUGGAH状態になる。
ザクザクなリフがメインながらも、ときおりメロディアスなフレーズを折り込んでくるので、
聴いていてさほどは疲れない。ヴァイオリンやチェロなどをゲストに迎えた曲もあり、
この手の変態テクニカル系としてはセンスも演奏力も抜群だ。SPASTIC.INK
CANVAS SOLARISなど、変態系メタルマニアは要チェック!
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




RAM-ZET「ESCAPE」

ノルウェーのプログレッシブ・ゴシック/ブラックメタルバンド、ラム・ゼットの2nd。2002作
1stは未聴なのだが、この2ndを聴く限り、ブラックというよりはゴシック系のバンドなのかと思う。
爬虫類声の男Voに美声の女性声が絡まり、曲はデジタリィでありながらシンフォニックでもあり
ときおり疾走するところではブラックメタル要素もある。ようするにプログレ・ゴシックといってもいいサウンド。
インダストリアル系のヘヴィギターにクラシカルなピアノ、キーボード、ヴァイオリン、そして展開の激しい楽曲と、
ゴシックの耽美性とアヴァンギャルドかつ知的なセンスを覗かせながらも、なおメタルとして成り立っているのが凄い。
なんでもあり系のプログレゴシック(ブラック)という点でSOLEFALDなどにも通じるものがある。
テクニカル度・・8 変態度・・8 シンフォニック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

RAM-ZET「INTRA」

ノルウェーのアヴァンギャルド(変態)メタルバンド、ラムゼットの3rd。2005作
男女Voにヴァイオリン入りの6人組みで、インダストリアルがかったヘヴィロックと
ゴシックメタル風の雰囲気にテクニカルな展開を組み合わせた個性的なサウンド。
せわしなさと耽美的なダークさが混在した楽曲はどれも一筋縄では聴けない
ようするに変態…多重人格…分裂症的で、普通の音楽が嫌いな方向き。
前作に比べてややモダンなヘヴィさが増した印象であるが、
女性Voの歌唱やピアノ、ヴァイオリンなどはクラシカルかつプログレッシブで
そのあたりの混在が楽しめるかどうかで、このバンドへの評価が変わってくるかもしれない。
今回はクレイドルばりに疾走するシンフォブラックパートも有り、アグレッシブ感が増している。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

RAM-ZET「Neutralized」

ノルウェーの、アヴァンギャルド・ブラックメタルバンド、ラム・ゼットの4th。2009作
リーダーのZet氏を中心に、女性Vo、女性Vln、女性Keyを含む6人組で、ブラックメタル、ゴシック、
インダストリアルと、様々な要素を詰め込んで分裂症的な変態サウンドを聴かせるこのバンド。
今作もサイバーなインダストリアル色と、シンフォニックブラック風味を融合させた世界観に、
女性ヴォーカルやヴァイオリンなどが耽美に彩りを加える、独自のサウンド構築が素晴らしい。
やや激しすぎだった印象の前作よりも、シンフォニックで美麗な要素が引き立っていて、
スペイシーなシンセワークとともにスケール感が加わった。ARCTURUSの女性声版という感じもある。
シンフォニック度・・8 アヴァンギャル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


RH FACTOR「RODLER HULTBERG」
アメリカのプログレメタルユニット、RH ファクターのアルバム。1998作
LEGER DE MAINのGとDrが中心となったバンドでRUSHのテクニカルな部分を抽出したような
変拍子全開のテクニカル・プログレサウンド(LEGER DE MAINについてはCDレビュー/プログレメタルを参照)
癖のあるVoが好みを分けるかもしれないが、テクニカルメタル好きにはうってつけの内容。
メロディアス度・・7テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


RON JARZONBEK
「SOLITARILY SPEAKING OF THEORETICAL CONFINEMENT」


WATCH TOWERのギタリスト、ロン・ジャーゾンベクのソロ作。2002作
RIOTのドラマーである、ボビー・ジャーゾンベクのお兄さんで、Blotted Scienceでも活躍中。
本作も期待通り、超絶変拍子まくりのインスト作品。全45曲切れ目なし、最短で4秒という曲(?)もあり、
全編変態チックなキメとジャズロック的リズム感覚を強引にメタル音に変換ました的な、
聴いていて乗るに乗れない、素晴らしい内容になっています。
意外にもメロディを奏でるパートもありますが、それが過ぎると再び変態の渦に…。
WATCHTOWER好きの異常なアナタにも自信をもってお薦めできるヘンタイ傑作です。
テクニカル度・・9 変態度・・9メロディアス度・・6 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




SADIST 「Tribe」

イタリアのプログレッシブ・デスメタルバンド、サディストの2nd。1995作
1st「Above the Light」は、絶品のメロディを取り入れた叙情派デスメタルの傑作として名高いが、
それに続く本作では、シンセを大胆に取り入れたプログレッシブなスタイルへと進化した。
ミステリアスなイントロから、ギターではなくシンセをメインにしたフレーズにデス声が絡み、
やがて美しい絶品のギターソロへと続く、インパクトのあるこの1曲目には、初めて聴いたときに震えがきた。
これまでのデスメタルの概念を覆すかのなような、革新的な感性をこのバンドに感じたのである。
その後も、およそデスとは思えないグルーヴィーな演奏と、美しいシンセを絡ませながら、
不思議な浮遊感覚で聴かせてくれる。まさしくプログレッシブなセンスに満ちた傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SADIST「LEGO」
イタリアの元デスメタルバンドサディストの4th。
1stはブルータルパートと非常にメロディアスなギターが絶妙のバランス、メロデスの名盤であった。
2ndではキーボードを大々的に取り入れ、ある種プログレ風味のサウンドを完成させた。
3rdになって少しインダストリアル色が出たかな、と思っていたらこの4thでは完全に脱デスメタル。
テクノちっくな音像の上にへヴィギターと普通の音声、ときおりダミ声、曲はけっこうドラマティックで悪くない。
なんと形容すればいいのか……単に「堕落した」とかいうものではなく、
クオリテイの高さからはこれが「深化」である、とも思える音なのだ。
メロディアス度・・7 デスメタル度・・1 アレンジセンス・・8 総合・・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SADIST 「Sadist」

イタリアの伝説のプログレッシブデスメタルバンド、サディストの復活5th。2007作
メロデスという言葉のなかった時代に、叙情的なメロディを取り入れた1stAbove the Light
そして、大胆にシンセを導入し知的さを増したプログレッシブデス驚異の傑作、2ndTribe
この2枚の作品は、90年代以降のメタルの歴史においても大変重要な作品であるが、
そのSADISTが2000年の4th「Lego」以来、7年ぶりにアルバムを出した。
個人的にも思い入れの深いバンドであるだけに、この復活は嬉しい。
肝心のサウンドの方も、2nd「Tribe」でのプログレッシブなテクニカルさを前面に出した作りで
そこに高い演奏力と知性を加えた、まさにサディスト節ともいうべき充実した内容となっている。
効果的なシンセの使い方は実にプログレ的で、変則リズムとギターリフの応酬に加え、
随所にオリエンタルな音階も取り入れるなど、彼らの独自のセンスが活かされている。
日本でいうとSIGHあたりに近い芸術性があり、知的でプログレッシブなメタルが好きならぜひ聴いてほしい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 サディスト度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SadistSeason in Silence

イタリアのプログレッシブ・デスメタル、サディストの2010年作
気付かないうちに出ていた6作目。前作もプログレッシブな感性あふれる傑作であったが、
今作はジャケのように冬をテーマにした作品で、ミステリアスなイントロから雰囲気満点。
楽曲に入ると、変則リズムに乗るヘヴィなギターリフとデスヴォイスで聴かせつつ、
切り込んでくるようなシンセが加わり、彼ら流の個性的なプログレデスが炸裂。
今作ではシンセによるシンフォニック叙情性も増していて、激しさの中できらきらとした
コントラストになっている。ギターのリフ、メロディックなフレーズも効果的に楽曲を構築する。
その知的でヘンタイなセンス、そしてプログレッシブな美意識に包まれた力作デス。
ドラマティック度・・7 知的アレンジ度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Scorch Trio「Luggumt」
ノルウェーのテクニカル・ジャズロックバンド、スコーチ・トリオの2nd。2005作
フィンランド出身のギタリスト、ラウル・ビューケンヘイムとノルウェーのベース、ドラムによるトリオで、
単なるフリージャズというには、あまりにアヴァンギャルドでテクニカルな演奏をやっている。
手数の多いドラムに、ジャズというよりは70年代ロック風のアナログ感覚をもったギタートーンで、
録音の生々しさも含めて、むしろ変態プログレ系のリスナーなどにも聴いて欲しいようなサウンドだ。
フリージャズロック度・・8 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


SHINING「Blackjazz」

ノルウェーの変態メタル系プログレバンド、シャイニングの5th。2010作
もともとはKING CRIMSON/レコメン系のプログレバンドだったらしいが、今作のインパクトは凄い。
激しくたたみかけるドラムに乗せる歪ませたサックス、そしてまるでブラックメタルばりに
絶叫するスクリームヴォーカルと、タイトルのようにブラックメタルとアヴァン・ジャズロックの融合という
一種異様なまでのサウンドを作り出している。ノイジーでアヴァンギャルドな音像の中に、
インダストリアルなシンセアレンジや、変則リズムのテクニカルな知的さも織り込んで一筋縄ではいかない。
曲によってはMeshuggahあたりのファンにも対応。ラストはクリムゾンの“21世紀の精神異常者”のカヴァー。
変態プログレ度・・8 変態ジャズ度・・7 変態メタル度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


SIGH「IMAGINARY SONICSCAPE」

日本が誇るプログレ・メロディック・デス/ブラックバンドサイの5th。
傑作だった前作に引き続き、今作も内容は充実。まず録音クオリティが上がった。
ギターリフにしろ曲展開にしろ、相変わらず非常に聴きやすく、とてもメロディアス。
前作よりもキーボードのアレンジに気を配っている印象。また、何本か重ねられたギターリフは非常に緻密。
お約束の唐突なキーボード、ピアノパートも健在。場面展開の極端さによりプログレ度を増す手法だ。
もはやデスでもブラックでもないが、彼らの音の個性は確実に強まり、存在している。
メロディアス度・・8プログレ度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SIGH「GALLOWS GALLERY」

日本の芸術的プログレ暗黒美メタルバンド、サイの6th。2005作
2ndの頃まではシンフォニックなブラックメタルをやっていた彼らが、プログレッシブな感性を取り入れ、
知的なアヴァンギャルド性を盛り込んだ作品は、唯一無二の世界観であると思うのだが、
その素晴らしい音楽性の割には日本での知名度はいま一つというのが、残念でならない。
今回も逆輸入盤という形での日本リリースであるが、やはり彼らのサウンドは素晴らしい。
音の方はジャケほどにはダークではなく、ヴォーカルもノーマル声がメインだし、
ゲストによるサックスの使用など、ジャンルを超えたプログレッシブなマインドを匂わせている。
相変わらず素晴らしいのが、キーボードによる美しいオーケストレイションや、曲中でのSEなどで、
その唐突とも思える使用法、楽曲アレンジの方法論は演劇的であり、じつに耳に刺激的。
壮大でクラシカルなサントラ風のパートもあり、ややレトロなオルガンの音色や
サンプリングによる混声コーラスなど、今まで以上に多彩なサウンドが聴ける。
雰囲気としてはSOLEFALDあたりにも近づいたか、という印象だ。
また、クレジットにはガス・G(DREAM EVIL)をはじめ、ゲストも多数参加している。
これを機会に日本の至宝、SIGHのサウンドをより多くの人々に聴いて欲しい。
なお、リマスター再発盤(画像右の青ジャケ)は音質も向上し、ボーナスにデモや別バージョン等を収録。
メロディアス度・・8 内的プログレッシブマイン度・・9 芸術度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


sikTh 「The Trees Are Dead and Dried Out Wait for Something Wild'」
イギリスのアヴァンギャルド・ラウドロックバンド、シクスの1st。2003作
凄いとの噂は聞いていたが、ちゃんと音を聴くのは初めてだったりする。
うねりのある変則リズムの上をヒステリックなツインヴォーカルが絶叫し、
ノーマル声とメロディアスなパートを織りまぜつつ、曲はカオティックに進行してゆく。
プログレメタル的要素とコアな過激さ混ぜ合わせ、エモ風の哀愁メロも取り入れた
モダンなごった煮サウンドだが、彼らの場合はメロディの具合が分かりやすいのがポイント。
確かに変態系であるが、構成力もあり案外聴きやすいのが人気の秘密だろうか。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 変態度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


Skyharbor 「Blinding White Noise」

インドのテクニカルメタル、スカイハーバーの2012年作
インドではMESHUGGAHがけっこうな人気であるらしいが、
このバンドもいわゆるDjent系というべきテクニカルなサウンドをやっている。
ヴォーカルはさほど激しいスクリームではないが、変則リズムとリフによる構築は
「メロディアスになったメシュガー」という印象で、モダンでプログレッシブな味わいだ。
ヴォーカルがエモーショナルに歌い上げる部分など、キャッチーなミクスチャー感覚もあって、
テクニカルメタル、プログレメタル方面のリスナーなどにも幅広く楽しめるだろう。
メロディックな「Illusion」と激しい「Chaos」に分けられたCD2枚組というのもこだわりが見える。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 メシュガー風味度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Sleepytime Gorilla MuseumGrand Opening & Closing」

アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルド・ロックバンド、スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアムの2001年作
プログレ、チェンバー、レコメン、クラシック、メタルなどの要素をごった煮にした、ようするにヘンタイ。
ヴァイオリン入りのクラシカルな優雅さと、メタルばりのヘヴィさが混在し、インダストリアルな無機質さに、
女性声も絡み、おちゃらけた遊び心満載の唐突な展開で聴かせる、濃密かつ大胆なサウンド。
一筋縄ではいかない捉えどころの無さと不気味なスケール感、常人には計り知れない異常なセンス、
メタル化したART BEARSか、気の触れたDEVIL DOLLか…とにかく理性的に狂ってますが、これがじつに格好いい。
まさに先鋭の極み。ヘンタイ大好きなアナタならにやにやすること間違いなし。一般の方は聴かないでください。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Sleepytime Gorilla Museum「Of Natural History」

アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルドロックド、スリーピィタイム・ゴリラ・ミュージアムの2004年作
プログレ、チェンバー、レコメン、クラシック、メタルなどの要素をごった煮にした、ようするにヘンタイバンド。
2作目となる本作も得体のしれない壮大さとシアトリカル妖しさたっぷりで濃密な世界観を構築している。
ゆるやかなカントリー調で始まったかと思えば、変則リズムの上を不穏なチェロの音色が鳴り響き
がなりたてるヴォーカルとともに、チェンバーロック的なアヴァンギャルドサウンドが広がってゆく。
コロコロとしたユーモアを含んだ異常なセンスはMATS/MORGAN的でもあったり、
シアトリカルな変態という点ではRAM-ZETUNXPECTなどのファンにも薦められる。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Sleepytime Gorilla MuseumIn Glorious Times」

スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアムの2007年作
アヴァンギャルドでシアトリカル、まるで先鋭芸術のような音楽は、3作目となる本作で
さらなる孤高の域というべき冴えを見せている。感情過多の男ヴォーカルの歌声、
トランペット、ヴァイオリンなどを含んだチェンバーロック風味と、モダンなヘヴィネス、
女性声も加わって、キワモノ風オペラのような世界観で盛り上げ、聴き手を圧倒してゆく。
メタル的な激しさを含んだ楽曲は、オーケストラルな音の厚みとともに壮大な世界観を形成、
突き抜け方という点においてはDEVIN TOWNSENDにも通じるような天才的なセンスである。
ドラマティック度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


SOLEFALD「THE LINEAR SCAFFOLD」

ノルウェーのシンフォニック・ブラックメタルバンド、ソレファルドのアルバム。1997作
情報が少ないのでブックレットから推察するだけだが、メンバーは2人しかいないようだ。
しかしドラムは打ち込みではないし、キーボード、ギター、ベースと、全部2人だけでやってるのだろうか?
音の方はシンフォニックなブラックメタルだが、時折プログレ的な展開を垣間見せる。
わめき声とチャントのような歌声を混ぜ合わせたり、静寂パートを効果的に使ったりと
とても練られていて仕掛けが多く、知的さと芸術性を感じさせる。一筋縄ではいかない。
激速パートでさえもどこか優雅さと、アートな感性が存在している。
シンフォニック・ブラック+知的なプログレ・クラシック・アヴァンギャルドな要素が交じり合った怪作。
テクニカル度・・7 変態度・・8シンフォニック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SOLEFALD「NEONISM」

ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの2nd。1999作
とにかくこのバンド、ブラックといってもそのアートなセンスはとっくに一介のブラックメタルの範疇を超えている。
実に怪しげなジャケットはもちろん、メンバーは2人で、しかも全部の楽器をこなしているし(ライブどうするんだ?)
暴虐な疾走ブラックで始まったかと思っても、とても一筋縄ではいかないサウンドなのだ。
シンフォニックでありながら、リズムチェンジや意外性の多い展開で、まさしくプログレブラックの名に恥じない。
世間ではアヴァンギャルド過ぎてあまり評価されていないようだが(あとはメタルらしからぬジャケのせいか)
プログレ好き、テクニカルなブラック好きならぜひとも聴いていただきたいバンド。
シンフォニック度・・8テクニカル度・・7 変態度・・8総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SOLEFALD「PILLS AGAINST THE AGELESS ILLS」

ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの3rd。2001作
このバンドの1stを聴いてけっこう衝撃だったのを覚えている。
シンフォニックで暴虐に疾走するかと思えば、妙にアートなセンスで展開する楽曲。
この3rdでも、通り一遍のサウンドではなく、デス・ブラックとしての暗黒性を保ちながら
曲はところどころひねくれた芸術性をかいま見せている。
普通声で歌うパートや、ヴァイオリンやピアノの導入、OPETHにも通じる叙情性、
メロディアスさとアヴァンギャルドさを壊れない範囲で取り込みながら、
見事にサウンドは構築されてゆく。じっくり聴いているとまったく飽きない。
これはまさにプログレファンのためのブラックメタルバンド!!しかもメンバーはたった二人。
ギター、ベース、ドラム、ヴォーカル、キーボードを二人でこなす。ハイセンスな奴ら。
メロディアス度・・8テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SOLEFALD「IN HARMONIA UNIVERSALI」

ノルウエーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの4th。2003作
とにかく私のページを見ているような方々にはぜひにも聴いて欲しいバンド。
1stの時点からすでにただのシンフォニックブラックではない、さまざまなアプローチをやっていて
そのアートな感性とセンスの良さに度肝を抜かれてからは個人的にOPETHと並んで
もっとも「プログレ受けするデス系」バンドとして注目してきたが、本作も期待通りの出来である。
ここに至って激速パートはほとんどなくなり、ブラックの要素としてはVoのしわがれ声くらいだが
それさえも普通声のパートが多いこともあり、もはやデス/ブラックというカテゴライズは不可能か。
今回はキーボードの音色をピアノやハモンドをメインにしており、サウンド的に70年代風の試みがなされている。
それに対してコーラスによる声の重ねやギターのヘヴィさがコントラストになっていて実に奥深い音像だ。
呪術性と芸術性、過去と現在、激烈と静謐を音に詰め込んだ見事な作品。
ブラック系のバンドとしてはプログレファンに楽しめる一番手のバンドであろう。
メロディアス度・・8テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SOLEFALD
「RED FOR FIRE AN ICELANDIC ODYSSEY PART T


ノルウェーの二人組プログレッシブ・シンフォブラックメタルバンド、ソレファルドの5th。2005作
毎回素晴らしいアートな感性溢れるアルバムで、プログレ好きリスナーを虜にしているこのバンド。
今作は、アイスランドの生誕をテーマにしたコンセプト作の1作目らしい。
のっけからサックス、チェロ、ヴァイオリンが絡むイントロで美しく幕を開け、
続いてヴァイキングメタル調のリズムに荘厳な雰囲気をまといつつ、
続くAではヘヴィロック調の重さに加え、いつもの破天荒なSOLEFALD節も健在。
全体的にはコンセプト作であることも影響してか若干展開の過激さ減り、
ヘヴィなリフやゴシック風パートが増えている感じもするが、合間に挿入されるシンセや、
クラシカルなストリングスに女性Vo、がなり声とマイルド声の使い分けなど、プログレッシブな感性は
相変わらず素晴らしく、やはり彼らならではの唯一無二の存在感を示してくれている。
ブックレットの歴史書風の紙の汚れなどにもこだわりを感じる。これはPART Uも楽しみだ。
ちなみに美しいヴァイオリンを弾いているのはRAM-ZETの女性奏者。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・7 プログレ度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SOLEFALD
Black for Death An Icelandic Odyssey Part 2

ノルウェーのアヴァンギャルド・ブラックメタルバンド、ソレファルドの6th。2006作
アイスランドの興亡史を描いたコンセプト作の続編。前作が赤で今作は黒か。
毎回、ただならぬセンスを音で聴かせる彼らだが、今回もヴァイオリンやチェロなどを
導入したプログレッシブな雰囲気の楽曲で、重厚に歴史の物語を形作ってゆく。
シンフォニックな味付けは控えめなので、初めての方にはやや難解な音かもしれないが、
おそらく彼らはあえてコンセプトのために装飾を抑え気味にして表現しているのだろう。
ヴァイキング風の勇ましさと、ほのかなモダンな質感が絶妙で、暴虐さや華美な部分に頼らないで
ここまではっきりと内面からのビジョンが描けるのは、二人だけのメンバーでやっているメリットだろう。
映画的な語りなども入ってくると翻訳が欲しいところだが、いろいろと情景を想像したりして楽しめる。
知的で芸術的、そして想像力をかきたてられる作品。赤と黒、2枚揃えて聴き入るべし。
メロディアス度・・7 プログレッシブ度・・8 世界観度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SolefaldNorron Livskunst」

ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの2010年作
前作が10周年記念のリミックスアルバムであったので、オリジナルアルバムとしては4年ぶりとなる7作目。
2005、2006年作はアイスランド史をテーマにしていたが、本作はおそらくノルウェー史を含んだコンセプト作であろう、
母国語によるヴォーカルによる土着的な雰囲気で、ときに女性Voを絡ませつつ、妖しくも知的なサウンドを聴かせる。
ブラックメタルとしての激しさもある程度残しながら、シンフォニックなシンセアレンジとサックスなどの大人の味付けも含めた
プログレッシブな展開美が光っている。ノルウェイジャンとしての誇りを感じさせる土着質感のプログレブラック作!
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 世界観度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


SolstafirSvartir Sandar」

アイスランドのペイガン・サイケメタル、ソルスタファーの2011年作
CD2枚組の大作で、のっけからいきなり11分の大曲という構成もただ者ではないが、
妖しげな雰囲気のサイケデリック性に包まれた、なかなか個性的な聴き心地。
ポストロックのようなミクスチャー感覚とストーナー的なアナログ風味があって、
それを母国語の歌声でいくぶん土着的に仕上げた…という感じもする。
曲によってはポストブラック的な部分もあるが、メロディアスでもなければ
かといってペイガンブラック的な激しさも希薄という、ある種不思議な聴き心地。
むしろ荒涼感のある辺境アヴァンロックとして楽しむべきか。かなりの異色作である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 構築センス・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


SPASTIC INK「INK COMPLETE」
元WATCHTOWERのロン・ジャーゾンベクボビー・ジャーゾンベク(RIOT〜HALFORD)
兄弟によるテクニカルメタルユニット、スパスティック・インクの1st。2002作
先に日本盤も出ていた2nd「INK COMPATIBLE 」を聴いていたが
それに比べると本作は音質もやや悪く、曲の方もはるかに実験色が強い。
しかし変態的なまでのリズムとギターとドラムのコンビネーションによる超絶な演奏はさすがで、
テクニカル系のインストメタルとしてマニアにはたまらないサウンドだ。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SPASTIC INK「INK COMPATIBLE」

アメリカのテクニカルメタルバンド、スパスティック・インクの2nd。2004作
メンバーは、WATCH TOWERのギタリスト、ロン・ジャーゾンベクを中心に
その兄のボビー・ジャーゾンベク(RIOT〜HALFORD)、ピート・ペレス(元RIOT)という布陣。
ロン・ジャーゾンベクはソロ作「SOLITARILY SPEAKING OF THEORETICAL CONFINEMENT」
等も発表するなど、精力的に活動しているが、このSPASTIC INKにおいても
いわゆる超絶テクニカル系のサウンドで、我々のような好事家を唸らせてくれる。
曲は矢継ぎ早の展開に、奇妙なブレイクの間を多用した、変則リズムの嵐で
「メタリック変態プログレジャズ」的なアプローチは実に耳に気持ち良く、(←気持ち悪く)
ドラムの素晴らしい技量ともども、聴き込むにつれ気が変になってゆく…(←褒め言葉))
また今作では随所にヴォーカリストの歌唱を盛り込み、演奏だけでへとへとになる耳を
かろうじて歌でなごませてくれる。曲として(意外に)作り込まれているものもあり、
ただの実験音楽ではない、テクニカルメタルのアルバムとしても完成度は高い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で購入


SPIRAL ARCHITECT「A SCEPTIC'S UNIVERSE」

ノルウェーのテクニカルメタルバンド、スパイラル・アーキテクトのアルバム。2000作
かつてWATCHTOWERというバンドが、テクニカルな変拍子型のスラッシュメタルを標榜し、
後続のバンドたちに大いなる影響を与えたが、このバンドはまさに現代版WATCHTOWERともいうべき
凄まじいサウンドで現れた。変則リズムと複雑なキメの連続、テクニカルなギターリフの応酬を
ある種のジャズ的な軽やかさでやってのける。そこにかつてのFATES WARNING的な、
浮遊感のあるヴォーカルメロディが加わり、聴いていて脳がかき回されるような気持ち悪さが
変態メタル好きにはたまらない快感となる。ちなみにバンドはこれ1枚出してから休止したようだ。
たしかに、こんなの2枚も作れない(笑)日本盤ボーナスにはそのFATES WARNINGのカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


STRAPPING YOUNGLAD「Heavy as a Really Heavy Thing」
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの1st。1995作
「超怒級怒濤重低爆音」という邦題もすごいが、かのスティーヴ・ヴァイに見いだされた奇人…
いや奇才デヴィンの才能もまたすごいのだ。モダンな重さのヘヴィロック、メタルを基本にしつつ
クラブ的なミクスチャー感覚も盛り込んで、一筋縄ではいかないサウンドを作り出している。
ブルータル化したスティーブ・ヴァイというような奔放さと浮遊感が懐の深さを感じさせる1枚。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・7 ヘンタイ度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

STRAPPING YOUNGLAD「City」

デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの2nd。1997作
今回の邦題は「歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音」。デビュー作もなかなかすごかったが
本作ではドラムにあのジーン・ホグランを迎えて、サウンドはさらなるパワーアップ、
まだソロプロジェクト的であった前作よりもバンドサウンドとしてのまとまりが感じられる。
歌舞伎町をテーマにしているように、ヘヴィさの中にもきらびやかなモダンさが光っていて
単なるメタル、ヘヴィロックではないスケールの大きさが感じられる。スクリームを使い分ける
デヴィンのヴォーカルの表現力も上がってきている。ヘンタイ的なメタル質感もたまらない。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

STRAPPING YOUNGLAD「No Sleep Till Bedtime」
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドのライブアルバム。1999作
「豪州から(生)鋼鉄重低爆音という通り、1997年オーストラリアでのライブを収録。
アルバム以上にメタリックなヘヴィさと、バンドとしての生々しさが伝わってくる演奏だ。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5(ミニなので)
Amazon.co.jp で詳細を見る

STRAPPING YOUNG LAD

デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの3rd。2003作
「帰ってきた超高速怒轟重低爆音」スタジオアルバムとしては前作から6年ぶりとなるが、
本昨ではデス/ブラックメタル的な暴虐性とともに、重厚かつ激しいサウンドを聴かせる。
ブラストを叩き出すジーン・ホグランの強烈なドラムにデスメタル的なギターリフを絡ませ、
デヴィンのスクリームヴォイスが響き渡る。シンセによるアレンジも荘厳な雰囲気をかもしだし、
いわばシンフォニックなデスメタルとしても鑑賞可能。初期の変態的なミクスチャー感覚よりも、
ブルータルなメタルファンに向けられた作品ともいえる。インダストリアルな知的なデスメタルである。
ドラマティック度・・8 ブルータル度・・9 ヘンタイ度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

STRAPPING YOUNG LAD「ALIEN」

ストラッピング・ヤング・ラッドの4th。2005作
前作で強まったブルータルな路線から、初期のミクスチャーサウンドへ回帰したような作品。
絶叫するデヴィンのヴォーカルとともに、モダンなインダストリアル要素と、シンセによる音の厚み、
知的な構築性にヘヴィなメタリックさが合わさって、得体の知れない荘厳さを生み出している。
デスメタル要素はいくぶん減ったが、音の迫力という点では相変わらず強力で、
ノイジーなラスト曲の衝撃も含めて、新時代のブルータル・ミクスチャーメタルというべき作品である。
ドラマティック度・・8 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

STRAPPING YOUNG LAD「The New Black」

奇才、デヴィン・タウンゼンド率いる、ストラッピング・ヤング・ラッドのアルバム。2006作
ザクザクでありながら知的さを感じさせるギターリフで、ときにブルータルに疾走し、
スラッシーでありつつもどこかひねくれていたりとヘンタイ気味にたたみかけるサウンド。
ジーン・ホグランの存在感のあるドラムプレイもさすがであるが、
ヤケクソ気味にがなりたてるデヴィンのヴォーカルもインパクト大だ。
ときにブラスなども加わって、ミクスチャー気味に、そして遊び心と大仰なハッタリ精神で、
オールドなメタルのアグレッションとモダンさを混在させて聴かせるサウンドは一聴の価値ありだ。
メロディアス度・・6 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


STURMGEIST「MEISTER MEPHISTO」
SOLEFALDのCorneliusによるプロジェクト、スタームゲイストのアルバム。2005作
サウンドはやはりSOLEFALDに通じるミクスチャー的な雰囲気で、
ドイツ語の歌唱とデジタリィな質感からRAMMSTEINを彷彿とさせる部分もある。
ヘヴィなギターリフとパックのキーボードの重ねにはセンスを感じるものの
リズム的な展開はさほど多くないので、変態メタルとしてはやや物足りないか。
メロディアス度・・7 変態度・・7 ジャーマンなヘヴィロック風度・・8 総合・・7


SYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE」

アメリカのミクスチャー・メタルバンド、システム・オブ・ア・ダウンの3rd。2005作
聴いてみてびっくり。これは変態系テクニカルメタルといってもいいサウンドです。
突進するアグレッシブさと、ひょいとジャンプするような唐突な展開、
個性的な型破りなヴォーカルスタイルにどこか民族調のメロディ…
無茶なようでいて整合感もあるという、ジャンル分け不能な不思議な音。
ポストロックの深遠さと、ハードコア、メタル、あるいはラップや民族風味も取り入れ、
「知性ある馬鹿の掟破り」といった感覚で、自由な発想で作られた音楽はかなりのインパクト。
曲がつながっていて全37分。どうやらこの続きは別アルバムとして出るらしい。
左側開きのデジパックジャケといい(輸入盤)どこまでも型破りなバンドである。
メロディアス度・・7 テクニカルメタル度・・8 変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SYSTEM OF A DOWN「Hypnotize」

アメリカのミクスチャー・メタルバンド、システム・オブ・ア・ダウンの4th。
前作「MEZMERIZ」を聴いた時は、その型破りなインパクトに驚いたが、それに続く4作目。
一聴したところ、突進力が増していて、ヘヴイロック風のメタル度が高まり、良く言えば分かりやすくなっているという印象。
全体的に前作にあった“ごった煮”サウンドを整備して仕上げてきたなという感じで、ひっちゃかめっちゃかな変態性よりも
むしろ直線的なクールな質感の演奏部分が増えている。もちろん個性的なサウンドであるのに変わりはないし、
メタリックな硬質さとやや奇妙な歌メロとのメリハリ、短い曲を間髪おかずに続けてゆく変わり身の早さなどは健在で、
アルバムとして一気に聴けてしまうだけのものはあるが、インパクトの点では前作よりも薄れたのは否めない。
しかし言い方を変えれば、変態度が下がったおかげで、もう少し普通のリスナーにもとっつきが良くなった、
とも言えるかもしれない。このバンドをまだ知らない人々には充分に刺激的であるのは確か。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




TAAL「MISTER GREEN」

フランスのメタル風、シンフォニック・チェンバーロックバンド、タールのアルバム。2000作
のっけからけっこうヘヴィなメタル風ギターサウンド、かと思いきや女性声のコーラス、
オーケストラ曲風に展開する壮大調の楽曲、テクニカルなのにおちゃらけたメロディなど、
なんといえばいいのか一言では言い表せない音楽をやっている。変態気味チェンバーだが、
要は曲を大げさにしてメタルギターを弾きまくったらこうなる、という感じか(笑)。
しかし引きの部分で意外に繊細な部分もあり、そこが彼らの本気度なのだと思われる。
管弦楽器をゲストに盛り上がる様はある意味シンフォニーとさえいってよい。
プログレ度・・8 いろんな意味で壮大度・・9 何故かメタルギター度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

TAAL「SKYMIND」

フランスのシンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2nd。2002作
1stの方も強引なメタルギターに管楽器をフィーチャーした、エセ壮大系の無茶なサウンドだったが、
この2ndにして、さらに楽曲のアレンジの細やかさが増し、サウンドのクオリティが高まった。
相変わらずのこけおどしメタルサウンドと管楽器、ストリングスの合体は素晴らしく、
時折聴かせるしっとり(?)とした叙情クラシカルパートも本物に聴こえるし、
おちゃらけたメロディや無茶な展開も、馬鹿にできずに、むしろシリアスに聴き通せる。
「本物」なのだ。本物の音で壮大な「悪ノリ」をしているのがこのバンドの魅力なのだ。
結果、まったくもって、シンフォニックでありながら、手の込んだいたずら心満載の
大仰なシンフォニーロックに聴こえてしまう。びっくりでニヤリ。オペラチックな女性Vo曲もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 本気だから度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る


ThanatoSchizO「schizo level」
ポルトガルの男女Voゴシック(デス)メタルバンド、タナトスィーゾ(?)の1st。2001作
ときにブラックメタル調に疾走したり、デス声にソプラノ女性コーラスが絡み、
キーボードがクラシカルな音色を奏でたり、はては変態的なリフやリズムが顔を出したりと、
ひとことでいうと“無節操なアヴァンギャルドゴシックデス”といったところ。
いろいろな要素が混在していてなかなか面白いし、決して嫌いではないのだが
SOLEFALDなどに比べると、ごった煮アレンジを美しく聴かせるセンスがまだまだで、
ひっかかりが多い分聴き疲れするのが難点か。変態好きには楽しめるバンドかと。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・7 変態度・・8 総合・・7.5


THEORY IN PRACTICE「THIRD EYE FUNCTION」

スウェーデンのテクニカルデス三人組、セオリーインプラクティスの1st。1997作
めくるめく変拍子リズムに乗るへヴィリフ、そして展開の嵐。
かつてDEATHが築いたアーティスティックなテクニカルデスの継承者。
2ndにおいては物悲しいピアノやシンセを効果的に導入していたが、
この1stの段階ではあくまでギターリフメインによる複雑楽曲の構築が主題のようだ。
そのリズムへのこだわりはMEKONG DELTAにも通じる部分があり、
プログレ好きのメタラーにとっては耳をくすぐるサウンドである。
テクニカル度・・8 変態度・・8 メロディアス度・・5 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Theory in PracticeThe Armageddon Theories

スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、セオリー・イン・プラクティスの2nd。1999作
Dr/Vo、B/Key、Gという3人編成であるが、素晴らしく濃密なテクニカルデスをやっている。
DEATHを思わせる矢継ぎ早の展開に、さらに激しさを加えた、たたみかけるような展開には圧倒される。
それでいて、メロディアスな叙情性もしっかりと有していて、ときにシンセをまじえながら重厚に聴かせ、
緻密なギターリフと手数の多いドラムが見事に合わさって、ときに荘厳ともいうべき圧巻のサウンドとなる。
続く3rdも悪くはないが、音の密度と美しさでは本作を最高作とするべきだろう。北欧テクニカルデスメタルの傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

THEORY IN PRACTICE「COLONISING THE SUN」

ノルウェーのテクニカル・デスメタルバンド、セオリー・イン・プラクティスの3rd。2002作
DEATHに影響を受けたというこのバンド、今作では専任Drを加えた四人編成になっているが、音楽性は変わらず
変拍子リズムを多用したテクニカルなプレイに、ときおりキーボードなどによる叙情を絡ませるもの。
デスメタルとしての要素はほとんどデス声のみなので、普通のテクニカルメタル好きにもアピールする。
じっくり聴くとヘトヘトに疲れるという…いわゆる「変態系」のメタル(+アートな感性)なので、
こうしたインタープレイ重視の楽曲を無意味と感じる人間にはあまりお薦めは出来ない。今回も濃密デス。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で購入


THOUGHT INDUSTRY「Songs for Insects」

アメリカの変わり種メタルバンド、ソート・インダストリーの1st。1992作
変態メタル好きとしては聴いておかなくてはならぬバンドということで、ようやく入手。
一度見たら忘れられない鬼才ダリの絵画を使ったジャケは相当のインパクト。
奇妙な展開を多用したサウンドは、基本的にはメタルであるのだが、
スラッシュ風であったり、インダストリアルであったりと、聴いていて耳が疲れるが、
すでにこの時点で他のどんなバンドにも似ていないという個性がある。
FATES WARNINGMEKONG DELTAなどと同様、プログレッシブで異色な雰囲気が漂う。
メロディアス度・・6 プログレ度・・7 変態度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

THOUGHT INDUSTRY
「mOds carve the Pig: assassins, tOads and gOd's Flesh」

アメリカの変態系スラッシュメタルバンド、ソート・インダストリーの2nd。1993作
ともかく15年も前にこんなバンドがいたのだ。知的で破壊的、テクニカルで叙情もある多面性…
つまりは分裂症の変態メタルフリークを満足させる、素晴らしいバンド。
ダリのジャケで有名な1stに続くこのアルバムは、破天荒だった前作を引き継ぎつつも
より整合感(なのか?)の増した変態スラッシュサウンドを繰り広げている。
勢いのある唐突な展開と硬質なリフ攻勢をかけておいて、いきなりの引きが表れる様は
GALACTIC COWBOYSあたりを思い出させるが、プログレッシブな構成力はこちらが上。
3rd以降は、ダークな叙情を増した翳りあるロックサウンドにシフトして、そちらも良い出来であるが
馬鹿げたまでの変態精神を味わいたいのなら本作を聴くべきだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

THOUGHT INDUSTRY
「Outer Space Is Just a Martini Away」

アメリカの変態系メタルバンド、ソート・インダストリーの3rd。1996作
最近になって1st、4thを聴き、いまさらながら彼らのオリジナリティ溢れるサウンドに感心いたしております。
さて、この3rdですが、かつては日本盤も出ていたらしいですね。
音のほうは、唐突なスラッシュ風味もあった1stよりはずっと整理されていて、
ややダークでメロウな質感の、一聴すると落ち着いた感じのサウンドですが、よくよく聴くと
タイプはまったく異なりますが、AWAKE期のDREAM THEATERにも通じるリズムセンスを感じたりもします。
愛想は良くないけれど、彼らの非凡な感性を感じられる内的なプログレッシブ作品です。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

THOUGHT INDUSTRY「Black Umbrella 」

ソート・インダストリーの4th。1997作
アルバムとしては、かつて日本盤も出ていた1stのダリのジャケが有名だろうが、
この4thアルバムは案外聴きやすく、メタル的なヘヴィさはさほどない。
キャッチーな歌メロがなかなか心地よい、メロディアスロックという印象。
なんというか、サウンドには不思議な浮遊感とややダークめの哀愁があり、
アコースティカルだったりオルタナ/サイケ調だったりするギターが知性的に導入されており、
うっすらとしたキーボードによる味付けも、よくよく聴けばなかなか凝っている。
インパクトはさほどではないが、じっくり聴けば他のバンドにはない独自のセンスが感じられる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 浮遊度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


TormentaLa Ligne Apre

フランスのテクニカルメタルユニット、トーメンタの2011年作
Cheval De FriseやElusiv、Let Jesus Bleedといったバンドに参加していた
ギターとドラムによるユニットで、オールインストによるテクニカルロック/メタルサウンド。
メタリックなリフの反復による無機質さと、アナログ的なドラムが叩き出す変則リズム、
随所にミスティックなアヴァンギャルド性も盛り込んで、緊張感を漂わせる演奏だ。
MATS/MORGANやフレドリック・トーテンダルなどに通じる雰囲気もあるが、
こちらはもっとポストロック的なイメージ力を刺激するゆるやかな作風といえる。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 緊張感・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Trioscapes 「Separate Realities」

Between the Buried and Meのベーシストを中心にしたユニット、トリオスケープの2012年作
ベース、サックス、ドラムという変則的なトリオ編成で、サックスの音色がリードをとる
ジャムセッション的なテクニカルサウンド。手数の多いドラムとうねりのあるベースのアンサンブルが、
けっこうヘヴィなグルーブ感をかもしだしていて、ジャズともフュージョンとも異なる聴き心地だ。
鳴り響くサックスにエフェクトをかけたベースも絡んだりして、変則リズムと切り返しの応酬は
さすがというべき演奏である。カオティックな雰囲気も含めて、キワモノ系テクニカルメタルとしても楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 アンサンブル度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


TWISTED INTO FORM
「Then Comes Affliction to Awaken the Dreamer」


ノルウェーのテクニカルメタルユニット、ツイステッド・イントウ・フォームのアルバム。2006作
SPIRAL ARCHITECTEXTOLのメンバーなどによるユニットで、当然ながら、
サウンドも変則リズムたっぷりのテクニカルメタル。浮遊感のあるヴォーカルも含めて、
FATES WARNINGを思わせる雰囲気で、知的な変態精神をしっかり継承している。
ギターのフレーズはときに叙情的でもあり、演奏と歌唱のリズムが交差するさまは、
ある種ドラマティックですらある。キモチイイ・テクニカル・ヘンタイ・メタル♪
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




UNEXPECTUn A Flesh Aquarium

カナダのカオティック・クラシカルメタルバンド、アンエクスペクトの2nd。2006作
これまでまったく未チェックのバンドであったが、やっていることは相当物凄い。
ヴァイオリンに男女Voも含む7人組で、変態的かつアヴァンギャルドなサウンドには
ゴシックメタルやブラックメタル風の要素もありつつ、変則リズムと矢継ぎ早の展開に唖然となる。
男女ヴォーカルのオペラティックな絡みには、なかなかシアトリカルな要素もあり、
ピアノやヴァイオリンのクラシカルな響きを聴かせつつも、デス声やブラストビートなども折り込んで、
優雅なのかやかましいのかまったく分からない、変態メタルの濃密さがパーツごとに凝縮されている。
これを聴いて思い出したのはイギリスのEBONYLAKEであるが、こちらの方がさらに濃い(笑)
全体を包むのはゴシックメタル風の雰囲気だが、クラシカルでアヴァンギャルドな極端な音には
耽美系の変態メタルファン(?)にはたまらないものがあるだろう。まずは聴いてください。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


VARGTON PROJECT「Progxprimetal」
スウェーデンのテクニカル系ユニット、ヴァーグトン・プロジェクトの2011年作
ギタリスト、マッツ・ヘドベルグを中心に、ドラムはモルガン・アグレン(MATS/MORGAN)
ヴォーカルにビヨルン・ヤンソン(TEARS OF ANGERやRIDE THE SKY)が参加、
サウンドは、変則的なテクニカルメタル風味もあるが、むしろギタリストのソロ作的な雰囲気で、
ヘヴィなリフとメロディックなフレーズをまじえつつ、アラビックなメロディを挿入したりと、
適度にラフな力の抜け具合とともに、よく言えば玄人好み、悪くいうととっつきの悪い作品。
ラーズ・エリック・マットソンやKAIPAのハンス・ルンディンなどがゲスト参加。
メロディック度・・7 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




WALTARI
「YEAH! YEAH! DIE! DIE! DEATH METAL SYMPHONY IN DEEP C

フィンランドが誇るミクスチャーメタルバンド、ワルタリの1996年作。
これは彼らがデスメタルとオーケストラを融合させて完成させた一大叙事詩である。す・・すごすぎる。
いや、本物のオーケストラを使用したデスメタルと言えばセリオンなどを筆頭にいくつか挙げることはできるが
このアルバムに関してはそんな次元をはるかに超越している。つまり、「本物」なのだ。
これはシンフォニーであり、映画サントラ並みの雄大さがあり、しかもデスメタルだ。
チープさのかけらもない壮大かつ大掛かりな音響。デスメタルの疾走激速パートですらも
完全にオーケストラと融合されている。これは…ある意味とてつもないキワモノ的傑作だ。
デスメタルを真摯に取り入れ(もちろんデス声&ブラスト入り)それをオーケストラと完璧に一体化させた。
これはスラッシュをクラシック化させたメコンデルタに匹敵する偉業・・かもしれない。
デスメタル度・・8 オーケストラ度・・10 楽曲融合度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

WALTARI「Space Avenue」
ワルタリの6th。1997年作
デスメタル的な異色作だった「Yeah! Yeah! Die! Die!〜」の次のアルバムで、
前作から一転、デジタルなビートによるインダストリアルな質感とときにラップノリのヴォーカル、
そこにメタル的なギターが合わさって、ミックスされるとキャッチーなロックになるという不思議な感覚。
メタルとして聴くのではなく、知的ないたずら心と浮遊感のあるミクスチャーロックとして鑑賞すべし。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

WALTARIRare Species」
フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの8th。2004年作
キャッチーなメロディと適度なハードさに北欧的な美しいシンセアレンジ、
デジタルなミクスチャー感覚に知的な構築センスをただよわせた作風は
単なるハードロックとも言えない、メタル的なギターとテクノ感覚を合わせたような聴き心地。
ひとつところにとどまらない個性的なサウンドであるが、このとぼけた感じを楽しめるかどうかで
作品への評価が変わりそうだ。ラストは何故かメガデスになる。笑
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

WALTARI「Blood Sample」
ワルタリの2005年作
今作はなにやらゴシックロック風のメランコリックな作風で始まる。
ギターにしろシンセにしろ、それっぽいことがすぐ出来てしまう、なんとも芸達者なバンドだ。
ブラックメタルばりのブラストビートやメロパワ風の疾走など、なんでもありながら、
ロックとしての軽快なキャッチーさがあるので難解さはない。アルバムをPART1、2に分けた構成で、
全17曲で75分以上という力作であるが、アルバム後半は一転してダンサブルなサウンドになったり、
サイケロック風味などもあり、このつかみ所のなさが長尺に感じられてしまうかもしれない。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

WALTARIRelease Date」

ワルタリの2007年作
いつになくメタリックで重厚な始まりからして耳を引かれるがキャッチーな聴き心地はいつも通り。
なんと36分の大曲も含めて、ProgMetal的な構築性も感じさせつつ、ときにサイケ調の浮遊感や
哀愁のメロディなども含んで展開する楽曲は、これまで以上にギターリフが前に出ていることもあって、
メタルとしての濃密さが感じられる。ブラスト入りで激しく疾走したり、絶叫するヴォーカルなど、
アレンジの極端さはむしろヘンタイ系メタルとしても鑑賞可能だ。モダンなメタルコア風味もいくらかあり、
その多様なミクスチャーセンスとスケール感に、このバンドの器の大きさをあらためて知る思い。
キャッチー度・・8 メタル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

WALTARI「Below Zero」

フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの2009年作
すでにキャリア20年以上のベテランであるが、アルバムごとに探求的なアプローチで楽しませてくれる。
本作も、従来のモダンなミクスチャー感覚とキャッチーなメロディで、雰囲気のあるサウンド作りがさすが。
ヘヴィなギターリフと、ときにシンフォニックなまでのシンセアレンジ、そして独自の浮遊感の中に
フィンランドらしい哀愁の叙情も散りばめている。楽曲は4、5分台と比較的シンプルにまとまっているので、
以前のアルバムのように聴き疲れもしない。メロディアスさと知的な構築センスを合わせた傑作です。
メロディアス度・・8 知的アレンジ度・・8 フィンラン度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


WATCHTOWEREnergetic Disassembly
アメリカのテクニカルメタルバンド、ウォッチタワーの1st。1985作
このバンドの2ndControl and Resistanceは変態メタルの元祖ともいうべき
歴史的な傑作であるが、そんな彼らの知られざる1stがこれ。
曲は2ndほどの複雑さはないものの、手数の多いドラムのプレイは圧巻だし
ヒステリックな高音ヴォーカルと、変即リズムに絡みつくギターリフはやはり変態だ。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

WATCHTOWER「Control and Resistance」

元祖超絶テクニカルメタルバンド、ウォッチタワーの1st。1989作
とにかく、この変拍子とキメの連続のような楽曲は聴いていてほとほと呆れる。
甲高いヴォーカルとともに、スラッシュというにはヘヴィさには欠ける音なのだが、
鬼才ロン・ジャーゾンベクを中心にした演奏陣のキレは当時としては信じがたいものであったろう。
なんというか、予測のつかない展開と何度聴いても覚えられない曲に、イライラしつつもニヤリとさせられ
じつに脳が活性化されるのである。変態メタル好きならばその元祖として必ず押さえておくべき作品だ。
ロンはこの後、兄のボビーとともにSPASTIC INCを結成する。そちらもまた呆れるほど凄い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


WHITE ARMS OF ATHENAAstrodrama」

アメリカのテクニカルメタル、ホワイト・アームズ・オブ・アテナの2011年作
スクリームヴォイスとときに激しいブラスト入りで、テクニカルな演奏を聴かせるサウンド。
デスメタル的なヘヴィさもありつつ、ノーマルヴォイスを含めた叙情的なパートも入れながら、
プログレッシブで知的な展開力を見せつけるあたりは、Between The Buried And Meにも通じる感触だ。
一方では軽やかなジャズロック風味というような、遊び心がサウンドに空間的な余裕を生み出していて
テクニカルなだけではないエクスペンタルな聴き心地だ。この手が好きな方なら間違いなく楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


■その他、バンド紹介、特集等は音楽ページTOPからそれぞれのページでご覧になれます