テクニカルメタル Djent/アヴァンメタル、ミクスチャー/変態系
〜technical & avantgarde
                by Tosei Midorikawa

掲載バンドはABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、個人的嗜好が反映されることもあり、納得のいかない評価もあるかと思いますが、どうかご了承ください。

 
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ABIGOR「Fractal Possession」
オーストリアのブラックメタルバンド、アビゴルの2007作
このバンドの初期2作は世界的に見てもブラックメタルの名盤たりえる内容であったが、
しだいにそのサウンドは初期のドラマティックな路線から変化してゆき、
2001年の6thを最後に音沙汰がなくなっていたが、いつのまにか7作目を出していた。
どことなくモダンな雰囲気のイントロから激しくブラストで疾走を開始、
唐突でアヴァンギャルドな展開を盛り込んだ独自のブラックメタルを形成している。
初期のような幻想的な作風ではなくなったが、妖しげでプログレッシブな感性と
サイバーな香りを漂わせた世界観はなかなか面白い。ドラムの音が軽いのが少し残念。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ABIGORTime Is the Sulphur in the Veins of the Saint
オーストリアのブラックメタルバンド、アビゴルの2010年作
デビューから15年以上のベテランで、初期のプリミティブなブラックメタル路線から、
前作からはプログレッシブでサイバーな方向性へとシフトしていたが、
おそらく8作目である本作は、19分、18分という大曲2曲という極端な構成となった。
暴虐なブラストビートでたたみかけながら、アヴァンギャルドな展開と起伏に富んだ
プログレッシブな構成と、デジタリィでサイバーな世界観を合わせた個性的なサウンドである。
ドラマティック度・・8 サイバーブラック度・・8 知的アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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Adversus 「Einer Nacht Gewesenes」
ドイツのアヴァン・ゴシックメタル、アドヴァーサスの2005年作
男女ヴォーカルに、女性ヴァイオリン、女性クラリネット奏者、コントラバス奏者を含む7人編成で、
艶やかなヴァイオリンにクラリネットの優美な音色を含む、オーケストラルなクラシカル性に
ドイツ語によるダミ声男性ヴォーカルに美しい女性ヴォーカルの歌声が絡んで、
オペラティックな優雅さと、ANGIZIAあたりを思わせるアヴァンギャルドなセンスで構築される
なかなか濃密なサウンドだ。インダストリアルなアレンジとクラシカルな壮麗さを合わせ、
いくぶんヘンタイ的に仕上げたという、じつに個性的なサウンドが楽しめる、
Die Apokalyptischen Reiterなどにも通じる、ゲルマンなアヴァンメタル強力作!
ドラマティック度・・8 クラシカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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AKERCOCKE「THE GOAT OF MENDES」
イギリスのブラックメタルバンド、アカーコッケの1st。2001作
いきなり剛速のブラストに「ぐむぉぉぉ」低音デス声炸裂の本気系ブラック、
かと思いや、リズムはなんだか唐突に変拍子とか。途中おねーちゃんの喘ぎも入り
一筋縄ではいかないサウンド。やがて高音ブラック声も交じり、奇妙なリフに唐突な曲展開。
こりゃ、変態系アヴァン・プログレ・剛速ブラックだぁ。曲によってはシンセやアコギも入り、
それなりにシンフォニックな叙情もあって面白い。PCで見られるビデオクリップは、
低予算な作りながら裸もでてきます(笑)。なんなんだ、こいつら ? いや、変態でしょう。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・7 総合・・7.5
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AKERCOCKE「CHORONZON」
イギリスの変態ブラックメタルバンド、アカーコッケの2nd。2003作
1stの時点から、奇妙で唐突な展開や変拍子などを取り入れたプログレッシブなアプローチが面白かったが、
この2ndではさらに全体的にアレンジの整合感のようなものが出てきて、
テクニカルなプログレ的展開がごく自然に聴こえるようになっている。
とはいうものの、剛速な所はブラストしまくりで、わめきまくりなので、軟弱さはなく、
むしろノーマル声パートや静寂部分とのメリハリがついた感じがする。演奏力もかなり高い。
テクニカル度・・8 変態度・・9シンフォニック度・・7 総合・・8
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AKERCOCKEWords That Go Unspoken Deeds That Go Undone
イギリスの変態系ブラックメタルバンド、アカーコックの3rd。2005作
ブルータルな暴虐性と、アヴァンギャルドな楽曲展開で聴かせるサウンドは、
今作でも健在で、知的な芸術性とシアトリカルなセンスで構築される楽曲は、
濃密かつドラマティック。これまでになくメロディックなテイストも含んでいて、
Solefaldあたりに通じるアートなプログレッシブ・ブラックとしても楽しめる。
ブラックメタルとしての激しさもしっかり残しつつ、質の高さを増してきたという印象だ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 変態度・・8 総合・・8
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AKERCOCKE「Antichrist」
イギリスの変態系ブラックメタルバンド、アカーコッケの4th。2007作
1stのころから変態系ブラックとして注目していたが、今作はその暴虐さに磨きがかかり、
まるで古き良きデスメタルのようにブルータルに突進している。
ブラストビートに続く唐突な叙情パートの入れ方や、ノーマル声での歌唱などに
プログレッシブなセンスを感じさせつつ、あくまでブラックメタルとしての過激さも追求している。
英国のバンドとしてはここまで硬派な音楽性を追求するバンドも珍しいだろうし、
暴虐さの中にEMPERORあたりにも通じる荘厳さを感じさせるのは大したもの。
このスラッシーな質感は、むしろオールドなデスメタルファンに受けるのではないかと思う。
メロディアス度・・6 暴虐度・・9 変態度・・8 総合・・8
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AKPHAEZYA 「Anthology 2」
フランスのアヴァンメタル、アクファエズヤの2008年作
ジャケは同人レベルのセンスだが、サウンドの方はなかなか面白い。
美しいピアノに粗めのギターが重なり、女性ヴォーカルのエキセントリックな歌声とともに、
ジャズ風味もある優雅さを聴かせつつ、突然スクリーム入りの激しさが現れたりする。
たとえばRAM-ZETあたりに比べると、アレンジにB級っぽい唐突感があって、
それがよい意味での得体の知れなさにもなっている。楽曲の構築力という点ではまだ深みに欠けるが、
シアトリカルな女性声も含めて、ヘンタイ好きの方ならばけっこう楽しめるかと。
ドラマティック度・・7 ヘンタイ度・・8 女性声度・・7 総合・・7.5


AKPHAEZYA 「Anthology 4」
フランスのアヴァンメタル、アクファエズヤの2012年作
前作に比べて、一聴してメタル的な整合感が増して、ずいぶん聴きやすくなっている。
アコーディオンにシンセもこなす、ヴォーカルのネル嬢の歌声を中心に、
シアトリカルでゴシック的でもある耽美な世界観は、いくぶん叙情性を強めていて、
モダンなアレンジ力を身につけたことで、楽曲の流れにおける説得力が増してきた。
スクリームを乗せた激しさも垣間見せつつ、それをジャズ風味もある優雅さの中に
今作では無理なく取り込んでいる。コロコロとした可愛らしさや毒々しさも含んだ力作だ。
ドラマティック度・・8 ヘンタイ度・・8 女性声度・・8 総合・・8


ALARUMNatural Causes
オーストラリアのテクニカルメタル、アラルムの2011年作
ギター、ベース&ヴォーカル、ドラムの3人組で、変則リズムを多用したテクニカルなサウンド。
モダンな硬質感とともに、ダミ声入りのヴォーカルで疾走するメタルコア的な激しさもありながら、
むしろ軽やかなフュージョンメタル風味や、ギターシンセなどを使用したメロディアスさも覗かせる。
ヘンタイ一歩手前というくらいの複雑な楽曲と、巧みなフレーズを聴かせるギタリストのセンスも含め、
テクニカルかつクールなアンサンブルはなかなか見事なものだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 フュージョンメタル度・・7 総合・・8
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ANGIZIA「Das Tagebuch Der Hanna Anikin」
オーストリアのアヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの2nd。1997作
クラシカルなピアノに、絶叫ブラック系Vo、そして美しい女性ソプラノヴォイス。
優雅さと暗黒性が同居したサウンドは、DEVIL DOLLにも通じる誇大妄想的というか、
シアトリカルな雰囲気をかもしだしており、音にはややチープさがあるがつい引き込まれる。
室内楽風の軽やかなピアノに絡むメタリックなギター、というミスマッチ感覚も独特で
ときおり現れるフルートなどもいい味を出している。オペラ風になる男女ヴォーカルといいい、
こけおどし感とクラシカルなテイストが混ざり合う、奇妙なゴシックサウンドである。
クラシカル度・・8 暗黒度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・7.5
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ANGIZIADas Schachbrett Des Trommelbuben Zacharias
オーストリアのアヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの3rd。1999年作
ブラックメタル的なわめきヴォーカルがメインであった2ndまでとは異なり、
本作では女性ヴォーカルの歌声を前に出した、妖しくクラシカルな雰囲気が強まった。
ドイツ語による男女ヴォーカルの掛け合いに、ピアノ、ヴァイオリンが艶やかに鳴り響き
まるでDEVIL DOLLSLAPP HAPPY風にしたような異色作になっている。
クラシカル度・・8 メタル度・・3 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ANGIZIA「39 Jahre fur den Leierkastenmann」
オーストリアの男女Voクラシカル・アヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの4th。2001作
メタル色はほぼ希薄で、クラシックに裏打ちされたピアノ、ヴァイオリンを用いた格調高い曲調から
軽快なアコーディオンの上を男女Voが歌を掛け合うといったおちゃらけたものまであり、
芸術性とアヴァンギャルドな精神が奇妙に融合した作風となっている。
ところによってはDEVIL DOLLなどのリスナーも惹きつけるような大仰なシリアスパートもあり、
野郎Voのドイツ語の歌唱はときにMr.Doctorのようだし、女性声のオペラティックな歌唱も良い感じだ。
テクニカル度・・7 クラシカル度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8.5
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ANGIZIA「Ein Toter fahrt gern Ringelspiel」
オーストリアのアヴァンギャルド・ゴシックバンド、アンギジアの5th。2004作
前作「39 Jahre fur den Leierkastenmann」が変態系ゴシックとしては相当の傑作だったが、
今回も期待通りの出来。まるでDEVIL DOLLのようなシアトリカルなドイツ語ヴォーカルに、
アコーディオンやクラリネットの愉快な音色は、一聴した質感ではコミカルですらある。
メタリックな要素はあまりなく、民族調のアヴァンギャルドサウンドであるが、
ときにクラシカルなピアノやヴァイオリン、オペラティックな女性Voなどが現れ、
彼らの持つアカデミックで豊かな音楽的なバックボーンを聴かせるあたりはさすが。
全24曲75分という大作で、コンセプト作っぽいが詳細は不明。…まごうことなき変態。
暗黒愉快度・・8 シアトリカル度・・9 アヴァンギャル度・・10 総合・・9
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Animals as Leaders
アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2009年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリストを擁する4人組で、プログラミング専門のメンバーもいるという、
少し変わったインストのテクニカルメタルバンド。変則リズム入りのフュージョンメタル的な
質感はPLANET X的でもあり、手数の多いドラムも含めてメタリックな硬質感は
DREAM THEATERを思わせたりもする。全編インストであるのだが、このギタリストのプレイがじつに巧みで、
フレーズには歌ごごろがあって、じっくり聞き入ってしまう。バックのシンセの空間的なアレンジもセンスがよく、
テクニカルなサウンドの難解さを緩和してくれている。演奏、センスとも抜群のインスト・プログレメタル作品。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 演奏センス・・9 総合・・8
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ANIMALS AS LEADERSWeightless
アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2011年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリストを擁し、前作はインストによるセンス抜群の作品だったが、
今作もなかなか面白い。テクニカルかつメロディアスな抜群のギターフレーズを軸に
メタルフュージョン的な軽やかさにモダンな硬質感を加えたという作風で、3〜4分台の曲が中心ながら
先の読めない展開で濃密なインストメタルを聴かせる。洒落たプログレ感覚に、Djent風味もありつつも、
ただ複雑なだけでなく、しっかりとメロディを乗せられるセンスは見事。インストなのに飽きません。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽妙センス度・・9 総合・・8
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Animals As Leaders 「The Joy of Motion」
アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2014年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリスト、トシン・アバシを中心としたバンドの3作目。
モダンなテクニカル性を前面に出した、Djent的な聴き心地がさらに強まっていて、
Meshuggahを思わせるような超絶的なリズムギターでたたみかける濃密な味わいと、
一方ではしっかりとメロディックなフレーズを聴かせる、耳心地の良さも同居している。
楽曲は3、4分台と短めながら、せわしない変則リズムと、テクニカルなギタープレイの連続で
オールインストであっても恐ろしく中身の詰まった印象である。ときにアコースティックな曲もまじえて、
単なるテクニカルメタルの枠にとどまらないセンスを披露するなど、メリハリに富んだ見事な傑作だ。
メロディック度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8.5

ANIMALS AS LEADERS 「THE MADNESS OF MANY」
アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2016年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリスト、トシン・アバシを中心としたバンドの4作目となる。
エスニックな旋律にヘヴィなギターリフを交えて、テクニカルなリズムに乗せたMeshuggahを思わせる感触に、
随所にメロディックなフレーズを聴かせる、いわばメタル・フュージョン風味も含んだサウンドだ。
オールインストでありながらミステリアスなスケール感を描く技量とセンスはさすがというべきで、
テクニックのみならず自在な表現力のフレージングで楽曲を彩るギタープレイも素晴らしい。
いまやDjent系の代表となった感があるが、その期待通りのテクニカル性と、変則リズムによる軽妙な遊び、
そこにモダンなヘヴィネスとメロディが高度に融合し、より深化を遂げた濃密な作品に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 軽妙だがヘヴィ度・・8 総合・・8.5 
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Anomalous「Ohmnivalent」
アメリカのテクニカルデス、アノマロスの2011年作
BRAIN DRILLTHE FACELESSに在籍したドラマーを擁するバンドで、
こちらも上記バンドを彷彿とさせるような超絶テクニカル変態デスメタル。
ブラストビートでたたみかける暴虐さとスウィープを含んだテクニカルなギターワークで、
音の隙間を埋めてゆくような濃厚サウンドだ。ヘンタイすぎたBDに比べると
こちらはまだ音に美意識というか、シリアスな格好良さのようなものがあって、
変則リズムの中にも、やりすぎ一歩手前で抑えるような構築センスが感じられる。
ブルータルかつテクニカル、そして荘厳なドラマティックさもかいま見える濃密作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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ANTAGONISTE 「The Myth of Mankind」
フランスのアヴァン・ブラックメタル、アンタゴニステの2015年作
適度にモダンなツインギターに、囁くような吐き捨てヴォーカルを乗せ、随所に暴虐なブラスト疾走を含ませつつ、
プログレッシブで知的な構築センスも感じさせるサウンド。絡みつくようなギターリフは、ノイジーではあっても
重すぎることなく、むしろテクニカルで整然とした冷徹さをまとわせている。スペイシーなスケール感とともに
どこか殺伐とした不穏な邪悪さを描くような、得体のしれない迫力というものが見え隠れする。
一方ではスローテンポのドゥームめいたナンバーもあったりと、一筋縄ではいかない。
アヴァンギャルドでアーティスティックなセンスに覆われた異色のアヴァン・ブラックメタル作品。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 知的センス・・8 総合・・8
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ATHEISTPiece of Time」
アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの1st。1990作
2nd、3rdも素晴らしいが、1stである本作も、デビュー作とは思えないクオリティの高さ。
手数、テクニックとも抜群のドラムを土台にした変則リズムの上に、
存在感あるベースと、縦横無尽なリフ、フレーズを奏でるギターが乗る。
その複雑な楽曲はWATCHTOWERなどを思わせるが、ちょうどこのくらいの時期から
テクニカル化してゆくDEATHにも通じるだろう。この年代を考えれば、非常に難解で、ある意味芸術的。
今聴いても充分刺激的な傑作だ。ボーナストラックには初期のデモ音源を9曲収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8.5
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ATHEISTUnquestionable Presence
アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの2nd。1991作
サウンドはテクニカルかつプログレッシブ。曲はかなり唐突な展開が満載で、ようするに変態系
ヴォーカルは一応ダミ声系なのだが、全体的にも暴虐度は高くなく、リフにもメロディらしきものが多いので
デスメタルというよりはアヴァンギャルドなプログレ・ジャズロック・メタルとして聴いた方がいいかもしれない。
ある意味、テクニカルデスの名作DEATHの「Individual Thought Patterns」を上回るほどの怪作。
リマスター再発盤には、デモ音源等を多数収録。変態メタル好きはぜひ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8.5
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ATHEIST 「ELEMENTS」
アメリカのテクニカル・デスメタルバンド、エイシストの3rd。1993作
1990年代初頭に、複雑かつ変態的なデスメタル作品を3枚出して消えた彼らだが、
15年ほど経た今になっても、その革新的なサウンドには古くささはない。
変則リズムの上に乗る奇妙なリフと、ときにジャズやカントリー風のグルーヴィなアレンジもまじえ
およそデスメタルらしからぬ様々な要素とともに知的に展開してゆく楽曲はとても面白い。
この3作目にいたって、デスメタル的な禍々しさはほとんどなくなり、
テクニカルな変態的プログレメタルとして楽しむことができる音になっている。
ボーナストラックとして1992年のラジオでのライブ音源を収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8.5
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ATHEIST「Unquestionable Presence Live at Wacken
アメリカ伝説のテクニカルデスメタルバンド、エイシストのライブ+ベスト。2009作
1990〜93年の間に3作のアルバムを出して消えたこのバンドだが、そのテクニカルさと
デスメタルとは思えない知的な構築性などから、いまだコアなファンが多い。
本作は2枚組で、Disc1には2006年のWackenでの復活ライブを収録、
あの変態的なまでの楽曲を、時を超えて再現しているという、それだけでもう感動的である。
Disc2にはバンドの歴史を綴るベスト盤的な選曲で、90年代初等からこれほど複雑かつ
センスあるデスメタルをやっていたということを、あらためて凄いと思わせる内容だ。
ライブ演奏・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ(芸術)度・・9 総合・・8
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ATHEIST「Jupiter」
アメリカのテクニカルデスメタル、エイシストの復活作。2010年作
1990〜93年の間に3作を出して消えた彼らが、昨年ライブアルバム&ベストを出したと思ったら、
案の定スタジオ新作も用意していた。存在感の大きかったベースも含めてメンバーに若干の変化があるものの、
音を聴いてみればなんの心配もなし。のっけから変則リズムとキメの連続による変態系テクニカルメタルが炸裂。
ヴォーカルの声はやや迫力に欠けるが、むしろデス要素が薄まって聴きやすくなったといえるかもしれない。
ただ30分強のアルバムなので物足りなさもあり、そしてインパクトはあるが、ひとつひとつのリフとフレーズ、
曲としての印象の点では、まだかつての音ほどではない。ともかく復活したからには、今後に期待する。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイデス度・・8 総合・・8
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ATROX「Contentum」
ノルウェーの女性Vo変態ゴシックメタルバンド、アトロックスの2nd。2000作
変則リズム入りのけっこうテクニカルな演奏の上に「気が狂ったケイト・ブッシュ」といったモニカ嬢の歌が乗る。
この歌声は、色っぽいのだか、エキセントリックなのだか、気持ち悪いのだか…非常にビミョーな線なのだが、
まあ面白いのは確か。バックの北欧らしい透明感のあるキーボードが案外にいい感じだし
ギターもときにややフォーキーなメロディを奏でたりもする。
メロディアス度・・7 変態度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ATROX「TRRESTRIALS」
ノルウエーの女性Vo・アヴァンギャルド・ゴシックメタルバンド、アトロックスの3rd。2002作
1stの時点ではまだ粗削りの風変わりなヴァイキングメタルといった感じだったこのバンドだが、
2nd以降女性Voをメインとして同時にアヴァンギャルドさを増してゆく。四人編成となったこの3rdでは
歌は完全にモニカ嬢の独壇場となり、バックの演奏は変則リズムを含めてまるでプログレメタルのようになっている。
また楽曲はほとんどが6分以上と長めになり、浮遊感のある女性Vo(時折しわがれ声入り)が
起伏に富んだ曲の上に歌を乗せるサウンドには不思議な気持ち悪さが感じられ、
変態音楽好きにはきっと素敵に魅力的に聴こえることだろう。
テクニカル度・・8 変態度・・9 メロディアス度・・7 総合・・7.5
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ATROX「ORGASM」
ノルウェーの変態ゴシックメタルバンド、アトロックスの4th。2003作
1stの頃は田舎臭いヴァイキングメタル風のサウンドだったが、2nd、3rdと
どんどんとアヴァンギャルド化が進み、今作ではのっけから堂々と変拍子を使った
プログレ(変態)メタル的音像となっている。そこに乗る女性Voモニカ嬢の歌唱は、
「狂気に走ったケイト・ブッシュ」といった雰囲気で、どこかキレたような無邪気さを感じさせる。
音的には変態系プログレメタル、女性Vo入りゴシック、どちらのリスナーにもお勧めできるが…
変態好きの方以外にはあえてお勧めはしない…(笑)ジャケからしてボスの絵画のパロディ風だし。
メロディアス度・・7 変態度・・8 女性Vo度…ある意味8 総合・・7.5(変態好きなら8)
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Augury「Fragmentary Evidence」
カナダのプログレッシブ・デスメタル、オーガリーの2009年作
随所にメロディックなフレーズを折り込みながら、ブラスト入りで激しくたたみかける
テクニカルなデスメタルサウンド。低音のデスヴォイスも含めて迫力たっぷりで、
ブルデスとしての激烈さと知的な展開力を併せ持った、質の高い作品だ。
カナダにはCRYPTOPCYという先輩がいるが、それをもっとプログレ寄りに、
よりメロディックにしたという雰囲気か。ブルデスでメロデスなプログレデス!
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8.5
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BEHOLD...THE ARCTOPUS「Nano-Nucleonic Cyborg Summoning」
アメリカの変態メタルバンド、ビホールド...ジ・アルクトプスのミニアルバム。
ひと言でいうと、WATCHTOWERタイプの変態テクニカルメタル。
全編インストで、せわしない変即リズムのキメの連続で変態メタル好きにはたまらない。
MESHUGGAHあたりのファンにも聴かせたいサウンド。フルアルバムを待ちたい。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
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BEHOLD...THE ARCTOPUS「Nano-Nucleonic Cyborg Summoning」
アメリカの変態系メタルバンド、ビホールド...ジ・アークトプスの2006作
以前、同タイトルで出ていたミニアルバムにライブ音源等を加えて53分のボリュームになっている。
変即リズムによるキメの連続は、WATCHTOWER系のキワモノテクニカルメタルの王道で、
そのインスト曲におけるせわしないたたみかけが、たまらない者にはたまらない。
この無機質なダークさの中にも妖しい叙情が感じ取れたなら、アナタは立派な変態音楽愛好家♪
ライブ音源も超絶だが音質がいまひとつ。ギター二人にドラムというこの変則3人組に今後とも注目したい。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
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BEHOLD...THE ARCTOPUS「Skullgrid」
アメリカの変態系テクニカルメタルバンド、ビホールド...ジ・アークトプスの2007年作
一聴して音に説得力が備わり迫力がでてきた。楽曲の構造にも隙がなくなった。
いわゆるWATCHTOWER系の異常なリズムとキメの連続ながら、
ときにメロディ的なフレーズも織りまぜるなど曲作りにも余裕がでてきた感がある。
ついに彼らも名実共に一流の変態メタルの仲間入りを果たしたといえるだろう。
33分という短さながら、濃密な演奏にはお腹いっぱい。嗚呼…素晴らしき変態メタル。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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Behold the Arctopus「Horrorscension」
アメリカのテクニカルメタル、ビホールド・ジ・アークトプスの2012年作
矢継ぎ早のキメの連続でたたみかけるインストによるヘンタイ系テクニカルメタルサウンドは、
このミニアルバムでも聴き手をヘトヘトにさせます。とくにかく変則リズムとブレイクで、
楽曲というよりはアヴァンギャルドな音の羅列というような感じもしてしまうのだが、
この手が好きな方ならニヤニヤできるかと。ときにスラッシュ、デスメタル的な疾走感もあり、
音からは得体の知れない不穏さも感じさせる。ラストは10分超の大曲で激しく強烈です。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・7.5
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BELIEVERExtraction From Mortality
アメリカのスラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの1st。1989年作
アメリカでのスラッシュブームが斜陽を迎えた頃にデビューしたこのバンド、
知名度はないが、知的な展開力と得体のしれないスケール感を有しているという点では
MEGADETHあたりにも通じるくらいの評価をしてもいいと思う。まだ本作の時点では
2nd以降に比べると突進するスラッシュ風味が強いのだが、随所にメロディックな質感や
クールなリフを聴かせるなど、すでに只者ではない雰囲気も漂わせている。
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
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BELIEVERSanity Obscure」
アメリカのテクニカル・スラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの2nd。1990年作
ダミ声ヴォーカルを乗せてスラッシーに疾走しつつ、唐突な展開を盛り込んだり
変則リズムを聴かせたりと、前作以上に知的なアレンジが光っている。
いかにもオールドなスラッシュリフが古くさくもあるが、このインテレクチュアルなセンスは
もっと評価されるべき。ATHEISTDEATHなどが好きならばチェックして損はないだろう。
6曲目では女性Voにヴァイオリンも加わったクラシカルなアレンジが異色で、
続く3rdではそうしたゴシック的な美しさを前に出した傑作を作るのだが、その後バンドは沈黙。
そして16年のときをへて2009年の復活作で我々を再び驚かせることになる。
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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BELIEVER「Dimensions」
アメリカのテクニカル・スラッシュ・デスメタルバンド、ビリーヴァーの3rd。1993作
テクニカルな変拍子リズムを取り入れた、変態的かつ芸術的な濃密サウンドは、
同年に出たDEATHの歴史的傑作「Individual Thoght Patterns」とタメを張れる出来。
このバンドの場合はただテクニカルなだけでなく、薄暗い雰囲気と摩訶不思議な世界観に
うっすらと叙情性を漂わせていて、デスというよりはむしろProg Metal系リスナーにお勧めしたい。
極めつけは後半の20分超の組曲で、ヴァイオリンにチェロ、ソプラノ女性Voも加わった大曲は
ゴシックメタル的な質感にアヴァンギャルドな芸術性が合体した、キワモノ的センスが光る。
美しいヴァイオリンの音色にうっとりとなりつつ、変拍子に頭を揺らす。嗚呼…変態でよかった(笑)。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 芸術(変態)度・・9 総合・・8.5
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BELIEVER「Gabriel」
アメリカのテクニカル・スラッシュメタルバンド、ビリーヴァーの2009年作
1993年の「Dimentions」以来となるアルバムで、メンバーはVo/GとDrを中心に、
新たなメンバーも加わっているようだ。サウンドの方は、かつての2ndの延長上で
スラッシーなザクザクのギターリフを、知的な展開力とともに聴かせるスタイルは変わらず。
よりクリアになった音質で、テクニカルなスラッシュメタルを楽しませてくれる。
また、3rdで聴かせたようなプログレッシブな要素もしっかりあって、思わずにやりとさせられる。
独特のセンス溢れる変則的な知的スラッシュ…キワモノ好きの方にもぜひ。マイスペはこちら
スラッシュ度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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Believer「Transhuman」
アメリカのテクニカル・スラッシュバンド、ビリーヴァーの2011年作
復活後2作目。なにやら荘厳なイントロから、曲が始まるとクールなギターリフと
テクニカルなリズムによるこのバンド独自の知的スラッシュサウンドが展開。
今作では案外シンセによるアレンジが随所に効いていて、ギターの叙情フレーズや、
ヴォーカルの歌い方なども含めて、ずいぶんと音がメロウになっているという印象。
全体的にスピードはやや抑えめであるが、どことなくANNIHILATORあたりに通じる質感もある。
けっこう叙情度・・8 テクニカル度・・8 クールなセンス度・・8 総合・・8
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Between the Buried and Me
アメリカのカオティックコア系バンド、ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィの1st。2002作
先に4thを聴いていたので、そちらの完成度に比べると、本作はまだ勢い任せの展開の多い
混沌としたデスメタルという感じで、プログレッシブな壮大さをかもしだすまでには至っていない。
ただ、緩急自在の複雑な楽曲とスラッシーな疾走の中に、エモ風のパートを盛り込むなど
センスの片鱗は覗かせていて、モダンさとオールドなメタルの要素を上手く使い分けている。
メロディアス度・・6 テクニカルでブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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Between the Buried and Me 「COLORS」
アメリカのカオティックコア系バンド、ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィの4th。2007年作
最近はジャンル分け不能のミクスチャー系のバンドがよく出てくるのだが、これはその極めつけ。
スクリームヴォイスでブルータルに疾走しながらも、プログレ的な美しさにエモのような叙情性もあり、
破天荒な展開の激しさという点ではキワモノ系と言ってもいい。10分以上の長曲を平然とこなしつつ、
コア系メタルのモダンなヘヴィさとともにテクニカルな変則リズムでたたみかけてゆく。
プログレッシブな感性の中に、ポストロック的な壮大な知的ヴイジョンも垣間見え、
単なるアヴァンギャルドなだけのバンドにはない構築センスを感じさせる。
息つく暇のない緊張…混沌たる整合感、プログレッシブでブルータル…つまり非常に格好いいのだ。
メロディアス度・・7 テクニカルでブルータル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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Between the Buried and Me 「COLORS LIVE」
ビットウィーン・ザ・バリィド・アンド・ミィのライブアルバム。2008作
本作はアルバム「Colors」を完全再現したライブアルバム。CD+DVD
このバンドのサウンドは、プログレからデスメタルまでを極端に取り入れた楽曲が特徴で
本作の演奏も、ゆったりとしたシンセによるイントロからUKエモのようなキャッチーなメロディを
のんびりと聴いていると、いきなりデスヴォイスが始まって、ヘヴィかつテクニカルなカオスが襲来。
強烈なブラストビートと、静と動の唐突な展開でぐちゃぐちゃになりそうなところを絶妙の構成力と
演奏の力量で破綻せずに聴かせてしまうというのがすごいところ。ある意味ProgMetal的である。
DVDでは、彼らのライブでの演奏が映像で見られ、メンバーはみなかなりの技巧派なのだが、
とくにシンセを弾きながら歌うヴォーカル氏の、一見短髪の普通のお兄さん風の人相が、
いきなりキレたようにデス声を歌い出す姿はなかなかのインパクトだ。
ライブ演奏・・9 プログレ度・・8 極端度・・10 総合・・8
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Between The Buried And Me「The Great Misdirect」
アメリカのカオティック・メタルバンド、ビットウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーの5th。2009年作
上のライブアルバムをはさんで、本作が5作目となる。前作「Colors」もなかなかの力作だったが、
今作も全6曲中、9分、11分、12分、17分という大曲が4つもあり、素晴らしく濃密。
まったりとした3分の序曲はいわば前菜か。2曲目お約束通りProgMetal的展開がスタート。
サウンド面と演奏の向上により音の説得力が増し、スクリームヴォイス入りの激しさと
知的な構成力にはさらなる磨きがかかっている。無茶すぎた以前のような唐突な展開も、
ある種の流れをともなって楽しめるようになっていて、激烈な中でのギターフレーズのメロディが
効果的に聴こえるようになった。曲によってはいままでになくプログレ的な雰囲気も強まっていて、
ますます楽しめる。これだけ激しくて濃密で極端なのに、ちゃんとメロディアスであるという…
いわばその奇跡的な均衡をなしているのが彼らのすごいセンスなのだろう。キワモノ系メタルの傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 変態度・・9 総合・・8.5
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Between The Buried And Me「The Parallex: Hypersleep Dialogue」
アメリカのカオティックメタルバンド、ビトゥウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーのミニ。2011年作
傑作5th「The Great Misdirect」に続く作品で、ミニとはいえ10分前後の曲が3曲と聴き応え充分。
この手のミクスチャー系のテクニカルメタルバンドの中では、そのセンスはずば抜けており、
スクリームヴォイスで激しくたたみかけるブルータルさと、アヴァンギャルドなだけではない知的な構成力、
プログレ的なスケール感とともに、随所にメロディックな聴き心地を盛り込んでいるのも素晴らしい。
混沌と知性、激しさと叙情を同居させた、まさしく現在形のヘンタイメタルバンド。ミニでもやはり必聴です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的(ヘンタイ)センス・・9 総合・・8
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BETWEEN THE BURIED AND ME「The Parallax II」
アメリカのカオティック・メタル、ビトゥイーン・バリイド・アンド・ミーの2012年作
前作ミニの続編となる作品で、スペイシーなコンセプトを感じさせる壮大なアルバム。
サウンドはこれまで以上にエモーショナルな感触で、グロウルヴォーカルを含みながらも、激しさと叙情性の
メリハリに富んだ極端さで、プログレッシブな構築力を聴かせてくれる。10分以上の大曲も多数含み、
混沌とした展開の中にも、知的な整合性とスケール感を描くそのセンスはさすがという他にない。
インパクトの点では初期よりも薄れたが、バンドとしての懐の深さと力量は充実の極致にきている。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 変態度・・8 総合・・8
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Between The Buried And Me 「Coma Ecliptic」
アメリカのテクニカル・アヴァンメタル、ビトウィーン・ザ・バリード・アンド・ミーの2015年作
2002年のデビュー以来、テクニカルでアヴァンギャルドなセンスを炸裂させたサウンドで、
カオティックコアの旗手としての地位を確立、4作目以降からはますます作品のクオリティを高めてきている。
7作目となる本作は、美しいシンセとマイルドなヴォーカルを乗せた繊細な叙情性とともに幕を開け、
ProgMetal的なドラマ性が広がってゆく。随所にスクリームヴォイスを乗せた激しく唐突な展開も健在で、
テクニカルメタルとしての濃密さと、5作目以降の流れであるキャッチーなメロディアス性がパランスよく融合されている。
間髪を置かずに楽曲が連なる流れもコンセプト的で、DREAM THEATER以降の知的なプログレメタル要素を感じさせる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・7 総合・・8
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Beyond Creation 「The Aura」
カナダのテクニカル・デスメタル、ビヨンド・クリエイションの2011年作
6弦フレットレスベース奏者に、7弦&8弦のツインギターというイカれた多弦ヲタク的な編成で、
絶叫系デスヴォイスを乗せ、ブラストビートでたたみかける激しさと、切り返しの多いリズムチェンジで聴かせる
強烈なテクニカルデスメタル。いわゆるピロピロ系のスウィープ奏法のギターフレーズに、
うねるような味のあるベースの技巧もかなりのもの。ギターはメロディックなソロ的な部分も多く、
激しいサウンドなのだが、重さがさほどでもないので凶悪さは薄めで、わりと聴きやすいという。
10分を超える大曲なども含めて、緩急ある構築力はプログレ的でもある。メロ多めの濃密テクデス!
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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Beyond Creation 「Earthborn Evolution」
カナダのテクニカル・デスメタル、ビヨンド・クリエイションの2014年作
激しくたたみかけるサウンドは前作と同じだが、一聴してよりメロディアス志向が強まっている。
ツインギターの絡みによる有機的なリフとメロディックなフレーズはときにフュージョン的でもあり、
緩急ある構成と、キメの多いインストパートでのテクニカルな軽妙さはいっそう際立ってきて、
咆哮するデスヴォイスを覗けば、強烈なテクニカルメタルとして楽しめる部分もしばしば。
フレットレスベースの存在感も前作以上で、手数の多いドラムとのコンビネーションで、
ときにジャズ的な優雅なグルーブをまじえて、激しく濃密なリズムセクションを作り出している。
ここまで来ると、デスメタル的な魅力ではなく、インストによるテクニカルなアンサンブルを楽しむ作品というべきか。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 テクニカル度・・9 総合・・8
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Bible Black「The Black Swan Epilogue」
King Diamond、Mercyful Fate、Memento Moriなどで活躍するマイク・ウィード(元Abstrakt Algebra)と、
元Steel Attack、Fifth Reasonのサイモン・ ヨハンソンを中心に結成されたバイブル・ブラックの2009作
ザクザクとしたギターによるヘヴィさと、うっすらとしたシンセ、テクニカルで知的な展開力が合わさった
雰囲気のあるドラマティックなサウンドだ。ダミ声のヴォーカルとともに激しく疾走する部分はメロデス風でもあり、
モダンな硬質感と見事な演奏力で、スケール感のあるエクストリームサウンドを描いている。
プログレメタル的な構築力を聴かせつつ、適度なブルータルさと重厚さでたたみかける力作だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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BIOMECHANICALThe Empires of the Worlds
イギリスのエクストリームメタルバンド、バイオメカニカルの2nd。2005年作
BALANCE OF POWERという経歴のギリシャ生まれのシンガー、ジョン.Kを中心にした、
実質的には彼のワンマンバンドともいうべきユニットで、本作は彼の構想する三部作の2作目だ。
モダンなエクストリームサウンドに、テクニカルで唐突な展開力を盛り込んで
荘厳なオーケストレーションを加えた、せわしなくも重厚な楽曲はとても強烈だ。
スクリームぎみのハントーンオヴォーカルも迫力充分で、スラッシーな突進力に
テクニカルなギターワークも織り込みつつ、ドラマティックに聴かせてくれる。
聴きやすくなったMeshuggahというべきか、こけおどし的な壮大さも気に入ってます。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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BIOMECHANICAL「CANNIBALISED」
イギリスのエクストリームメタルバンド、バイオメカニカルの3rd。2008作
BALANCE OF POWERという経歴のギリシャ生まれのシンガー、ジョン.Kを中心にした、
実質的には彼のワンマンバンドともいうべきユニットで、本作は彼の構想する三部作の最終章。
シンセの重ねによる荘厳なオーケストレーションに、ザクザクとしたギターを乗せて、
デスメタルばりに激しく聴かせる強力作だ。モダンヘヴィネスの質感に絶妙にシンセを絡ませ、
そこにアグレッシブなヴォーカルを加えた、一種の音の塊のような音圧で押し寄せてくる。
このテンションの高さに圧倒されつつも、ただうるさいだけでなく、そこに描かれる壮大なビジョンを
感じることができると、むしろポストロック的な楽しみ方も可能になる。激しくも荘厳なサウンドである。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Blotted Science「The Machinations of Dementia」
アメリカの超絶テクニカルメタルユニット、ブローテッド・サイエンスの2007年作
鬼才ロン・ジャーゾンベクがCannibal Corpseのアレックス・ウェブスターと共に結成したユニットである
Machinations of Dementiaを発展させたプロジェクトで、Behold the Arctopusのドラマーも含めた
トリオ編成。サウンドはSPASTIC INCをさらにヘヴィにした感じの、変態系弾き倒しテクニカルメタルで、
全編変則リズムと、奇妙なキメの連続という、ある意味その筋のリスナーにはたまらない代物。
WATCHTOWERから続いてきた、ヘンタイメタルの正しい進化系。苦笑悶絶と脳内快感に浸るべし。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・10 総合・・8.5
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Blotted Science 「Animation of Entomology」
アメリカのテクニカルメタルユニット、ブローテッド・サイエンスのミニアルバム。2011年作
本作は約25分のミニアルバムであるが、内容の濃密さではまさに期待を裏切らない。
矢継ぎ早の変則リズムと、唐突かつテクニカル、アヴァンギャルドに展開する楽曲は
特異な音楽理論に裏打ちされた芸術的ともいうべきセンスで、聴き手を圧倒する。
混沌とした流れの中で変化してゆくメロディやフレーズが、脳を心地よく刺激しながら、
激しさの中にもコロコロとした可愛らしさがあってニヤリ。4パートに分かれた組曲も圧巻です。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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THE BOY WILL DROWN「Fetish」
イギリスのテクニカルデスメタル、ザ・ボウイ・ウィル・ドロウンの2009年作
低音デスヴォイス入りで激しくたたみかけるカオティックコア的なサウンドで、
ブラストビートも含む激烈さとヘンタイ気味の矢継ぎ早の展開で聴かせる。
このバンドならではの個性という点ではまだ足りないが、詰め込み型の濃密さで、
BRAINDRILLあたりが好きな方なら普通に(?)楽しめるかもしれない。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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BRAINDRILL「Apocalyptic Feasting」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、ブレインドリルの2008作
これは本当に凄いです。ジャケはおバカ系のSFみたいですが、サウンドはもう…
CRYPTOPSYを超えるくらいの強烈なテクニカルデスメタル。あははー、気が狂ってます。
マシンガンのような凄まじいブラストビートに、テクニカルなギターフレーズが重なり
全編キメとユニゾンの超絶プレイ。これが異常すぎて馬鹿に聴こえる…という。笑
しかしながら、それでいて高速のギタープレイにはメロディらしきフレーズも聴け、
これが騒々しさのわりにちゃんと聴けてしまうという…不思議な整合感なのデス。
メチャクチャなようでいてカッチリしている。驚異の超人的テクニカルデス!腰抜かします。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・10 総合・・8.5
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BraindrillQuantum Catastrophe」
カナダのテクニカル・デスメタルバンド、ブレインドリルの2010年作
前作は異常なまでのテンションでたたみかける、ヘンタイ系テクニカルデスの衝撃作であったが、
今作もブルータルなブラストと、矢継ぎ早のキメの連続という濃密バカ系のデスメタル作。
CRYPTOPCYを軽めにして飛び跳ねまくるとこうなる、というような…確信犯的な変態ぶりがいっそ潔く、
思わず笑いが込み上げる。1作目ほどの衝撃はないものの、相変わらず聴いていてヘトヘトになる作品デス。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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BURIED DREAMS「NECROSPHERE」
メキシコのメロディック・デスメタルバンド、ベリード・ドリームスの2nd。2002作
1stの時点から日本盤が発売されていて、北欧的叙情メロディ満載の好作という評価を得ていたが、
続く今作ではキーボードが抜け、全体的に非常にアグレッションに満ちたサウンドとなった。
非常にせわしない、ある意味で無茶な展開をともなった楽曲は、
時折かいま見せるプログレッシブなリズムを含め、テクニカルで疾走感に溢れており、
デスメタルとしてのブルータルさと、ツインギターによる叙情メロディがうまく融合していて密度が濃い。
イモ臭さは微塵もなく、北欧メロデスの要素に熱情的な部分を足した堂々たる作風。
ただ、曲の展開が多すぎて、一曲づつに印象が残りづらいのが現時点での欠点か。
テクニカル度・・8 変態度・・6メロディアス度・・7 総合・・7.5




CANDIRIA「300 PERCENT DENSITY」
アメリカのミクスチャー系メタルバンド、キャンデリアの4th。2001作
重戦車メタルに、ヒップ・ホップやラップ、ジャズなどを取り込んだサウンドで、
ぱっと聴きにはいわゆるMESHUGGAHあたりにも通じる変態系のメタルといっていい音。
咆哮するヴォーカルに、ヘヴィなギターリフと変則リズムによるテクニカルな決めは、
アグレッシブ系の変態メタル…かと思いきや、唐突…というか大胆に顔を出す
ジャズ、ヒップホップ要素もかなり本格的で、その筋の素養も感じさせる。
知的さと破天荒さをあえて混在させたサウンドで、小さくまとめていない所が凄い。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・5 総合・・7.5
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CANVAS SOLARIS「SUBLIMATION」
アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2004作
WATCH TOWERSPIRAL ARCHITECT系の変拍子テクニカルメタルで、リフによる変態なキメがメインだが、
ときおりギターにメロディらしきものが現れるのがかろうじてアクセントになっている。
曲云々というと、テクの割にはあまり印象に残らないという言い方もできるが
テクニカルな変態メタルが好きなら聴いておいてもよいサウンドだろう。
演奏は思いの外整然としているので、気持ち悪さはさほどない。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・7.5
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CANVAS SOLARIS「Penumbra Diffuse」
アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2nd。2006作
演奏がやや平坦だった前作に比べ、今回は音に垢抜けたようなこけおどし感が加わり、
曲調が明瞭になったおかげで格段に迫力が増した。変則リズムの上で絡まる2本のギターは、
単なるゴリゴリのリフを弾くのではなく、前作以上にメロディを奏でており、ある意味でとても聴きやすい。
また、押すだけでなく、ときおりプログレバンドとしての広がりのある世界観を聴かせ、
シンセやアコースティックギターやパーカッションなども効果的にサウンドにメリハリを付けている。
ベースの充実ぶりも前作には感じなかったものだし、リフそのものに流れが感じられるようになったことで、
複雑な演奏ながら曲としてもしっかり聴ける。この手の変態系メタルとしては、手応えのある快作だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
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CANVAS SOLARIS「Atomized Dream」
アメリカのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの4th。2008作
3人編成のバンドだと思っていたが、今作ではツインギターにシンセを含む5名になっている。
変拍子ばりばりのサウンドであっても、どちらかというとプログレ/フュージョン寄りであったが、
ここにきてさらにメタリックな部分が薄まり、テクニカルプログレというべき雰囲気になった。
ツインギターによるメロディアスなフレーズや、モダンなシンセアレンジによって、
以前よりも音の厚みが増し、インストバンドとしての世界観の強度が上がっている。
テクニカルパートでの演奏ではジャケのような迷宮感覚を生み出しつつも、
独特の浮遊感をともなっていて、どことなくお洒落な空気すら漂わせる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 混沌浮遊度・・9 総合・・8
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Canvas SolarisIrradiance」
カナダのテクニカルメタルバンド、カンバス・ソラリスの2009年作
毎作、濃密なテクニカル(ヘンタイ)メタル作品で楽しませるこのバンド、
5作目となる本作も、変則リズムの嵐による強力なインストを聴かせる。
ツインギターにシンセを絡めた音の厚みと、メロディアスな聴き心地を含めて
隙のない音象がうねりをまとって展開されてゆく。今作では押しばかりでなく、
メリハリのある構成と叙情的な要素も強まり、メタルフュージョン的な軽やかさに加えて、
ある種の得体の知れないミステリアスさも随所に感じさせるようになった。
文句なしの力作であるが、ただどうしても全編インストという長尺感はあるが。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
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Cerebus Effect「Acts of Deception」
アメリカのテクニカル・プログレバンド、セレバス・エフェクトの2005作
目まぐるしいテクニカルなリズムの変態プログレ。せわしない展開の中にあっても、
メロディがしっかりと感じられて、けっしてメタリックにならないというのが特徴。
変態的なリズム構造とシンセのシンフォニックな美しさとが巧みに組み合わさっている点では、
Leger De Mainあたりを思い出させる部分もあるが、こちらの方がより混沌とした音だ。
もちろん変態プログレメタルファンにも勧められるが、アヴァンギャルドなテクニカルロックでありながら、
硬質さよりも時代的なプログレ精神が前に出ているのが面白い。 オフィシャルサイトで試聴可能。
なお、KeyとDrはこの後、Deluge Granderを結成。そちらも注目すべきバンドである。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8


Confessor 「Condemned」
アメリカのドゥームメタル、コンフェッサーの1992年作
長らく廃盤だった、変態系テクニカル・ドゥームメタルの名作が2015年に再発された。
ヘヴィなギターリフとハイトーンヴォーカルを、スローでありながら変則リズムに乗せた
異色のサウンドは、当時では先鋭的すぎておそらくキワモノ扱いされたことだろう。
ブックレットには何故か名前が乗っていないスティーブ・シェルトンのドラムこそがアンサンブルの核であり、
空間的なグルーブ感も含めて、そのプレイセンスは素晴らしい。あまり金がかかってなさそうな録音が残念だが、
ヘンタイ気味で異形のドゥームメタルが楽しめる傑作である。2005年の復活作「Unraveled」も必聴です。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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CONFESSOR「Unraveled」
変態系ドゥームスラッシュバンド、コンフェッサーの2nd。2005作
1992年に1作のみを残しそのまま消えたかと思われたこのバンドが、なんと10数年ぶりに復活した。
サウンドの方はドゥーミーなスローさと、変則リズムの嵐による変態系サウンドで
浮遊感のあるヴォーカルがややミスマッチながら、アンサンブルがしっかりとしていて案外聴きやすい。
要となるのは、なんといってもスティーブ・シェルトンの超絶なドラムプレイで、
絶妙のタメとグルーブを作り出しながらも、怒濤の変拍子を叩く様は圧巻だ。
昨今なかなか珍しい遅めの変態系メタルということで、じっくりと聴き込んで悶絶しよう。
メロディアス度・・6 遅いけどテクニカル度・・8 遅いけど変態度・・9 総合・・8
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CONFESSOR「Live in Norway」
アメリカのテクニカル・ドゥーム・スラッシュメタルバンド、コンフェッサーのライブDVD。2006作
1992年にアルバムを1枚出してそのまま消えたかと思われたこのバンドが、2005年に復活。
2nd「Unraveled」を発表、その年に行ったノルウェーでのライブを収録したのがこのDVDだ。
曲調はやや古めかしいスラッシーなリフと、ゆったりとしたうねるようなリズムによるもので、
その変拍子だらけ、複雑なキメだらけの曲にハイトーンのヴォーカルが歌を乗せる。
分かりやすく言えばWATCHTOWERMESHUGGAHをスローなドゥームメタル化したという
感じだろうか。そして、なんといっても最大の見所はスティーブ・シェルトンのドラムプレイで、
類まれなるグルーブ感と、リズムのタメ、そのプレイのセンスには惚れ惚れする。
ボビー・ジャーゾンベク、ヴァージル・ドナーティと並びうる変態系最強ドラマーの一人だ。
ライブ作品としても、音質、映像ともに抜群の作りで、とくにカメラワークが素晴らしく
ドラムカメラがあるおかげで、じっくりとこの超絶なドラミングを視覚的にも楽しめるのである。
テクニカルなリズムのメタルが好きな方、凄いドラマーのプレイを見たい方はまず必見。
廃盤の1stCondemnedには高額なプレミアが付いているだけに、このDVDで聴けるのは貴重だ。
ライブ映像・・9 ライブ演奏・・9 変態リズム度・・10 総合・・9
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Contrarian 「Polemic」
アメリカのテクニカル・デスメタル、コントラリアンの2015年作
SFちっくなジャケのインパクトもさることながら、サウンドの方もプログレッシブな展開力と、
ブラスト入りの激しさも含んだ、モダンな硬質感に包まれた強力なテクニカルデスメタル。
NILEのドラムが参加していることもあって、安定したリズムと緩急のある展開に加え、
随所に聴かせるギターのセンスあるメロディックなプレイもアクセントになっている。
ヴォーカルは低音グロウルなのだが、バックの演奏が非常にクールでタイトなので、
デスメタルというよりはほとんどプログレメタルのように聴ける部分もしばしば。
ラストはなんと、DEATHのカヴァー。高品質なテクデスが聴きたい方はいかが。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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Control DeniedThe Fragile Art of Existence
DEATHの故チャック・シュルディナーによるメタルバンド、コントロール・ディナイドの1999年作
プログレッシブな知的さをただよわせたデスメタルを標榜したDEATHは、
チャックの死とともに終焉を迎えた。本作は彼のもうひとつの遺産といえるバンドで、
デスメタル色のないDEATHというべき、知的なメタルサウンドである。
テクニカルな変則リズムに、スラッシュ的なギターリフとハイトーンヴォーカルを乗せ、
随所にメロディアスな聴き心地もあるという、比較的正統派の質感であるが、
やはりDEATHを思わせるセンスもあり。再発盤のDisc2には1997、1999年のデモ音源を収録。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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CRYPTOPSY「NONE SO VILE」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーの2nd。1996作
今やテクニカルにしてブルータルなデスメタルのトップに君臨するバンドだが、
彼らの出世作となったのが本作で、ファンの間では今なお最高傑作と名高いアルバム。
その超絶にして暴虐なサウンドは、獰猛なブルータリティとある種の知的な演奏力が同居している。
このバンドの場合、暴虐性を内的世界ではなく外側に発散するスタイルなので音がドライで
MORBID ANGELVADERなどとは、その音楽性は似て非なるものといえるだろう。
32分というミニアルバム並の短さながら、テクニカルにして激烈なサウンドが目一杯詰まっており、
整合感の上がった後のアルバムに比べ、まだ音が荒々しく、突進する生々しく伝わってくる。
メロディアス度・・5 暴虐度・・10 テクニカル度・・9 総合・・8
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CRYPTOPSY 「AND THEN YOU'LL BEG」
カナダの超絶デスメタルバンド、クリプトプシーの4th。2000作
このバンドの演奏力の高さはライブなどでも実証済みですが、
今回はドラムの超人ぶりとともに、ベースの凄さも分かる変拍子と、ブラスト入り激速リズムが凄い。
完全なる変態でしょう。矢継ぎ早の切り返しの多い曲が並び、聴き終える頃にはへとへとになります。
たまにギターがメロディっぽいものを弾きますが、基本的にはリズム重視のサウンド。
全編暴虐かつテクニカルで物凄いですが、唯一のつまらなさは平坦なわめきVoでしょう。
むしろ歌をなくして、完全インストの変態アルバムを作ることを期待したくなります。
メロディアス度・・2 暴虐度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
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CRYPTOPSY「None So Live」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーのライブ作。2003作
その変態的なまでに複雑かつブルータルなサウンドで、聴き手を苦行僧にも近い状態に陥れる、
圧殺デスメタル道を突き進むこのバンド。これは 2002年は地元カナダ、モントリオールでのステージを収録したライブ作で、
そのとんでもない演奏力で暴虐のかぎりを見せつける、物凄いことになっている。
実際に彼らのライブを見たことはあるが、凄すぎて何をやっているかよく分からないというのが
正直なところだったので(笑)、こうしてCDでその超絶さを再確認するのもよいかと思う。
とくにドラマーの呆れるほどのバカテク&無尽蔵の体力には、聴いていて笑いさえ浮かぶ。
暴虐度・・9 変態度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8
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CRYPTOPSY「Once Was Not」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーの5th。2005作
本作はドラマティックなイントロからして、これまでとはやや異なる作風で
もちろん曲に入ると超絶なテクニカルデスメタルには違いないが、
緩急の展開の中にいくぶんモダンなヘヴィネスとメタルコア風味を取り入れている。
強烈なブラストを叩き出すドラムを中心とした激しさと変態的なリズムチェンジとともに
矢継ぎ早の高速リフの嵐は、同郷のBRAINDRILLなどにも多分に影響を与えたことだろう。
続く6thにて本作で覗かせるドラマティック路線はより顕著になる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
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CRYPTOPSY「Unspoken King」
カナダのテクニカルデスメタルバンド、クリプトプシーの2008作
ヴォーカルが代わり、新たに女性シンセ奏者も加入した6作目。
怪物的な超絶ドラムを中心にしたブルータルでテクニカルな質感はこれまで通りだが、
そこに歌声を使い分けるヴォーカルとともに、いくぶんモダンな感触を取り入れていて
最近のコア系リスナーにも対応したようなサウンドともなっている。
今までのドライなテクニカル一辺倒のデスメタルから、どことなくミステリアスな
ドラマ性も感じられるようになって、個人的にはこれはこれで気に入った。
なにより、曲としてちゃんと聴けるというのが嬉しい。この脱皮は正解だと思う。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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Cryptopsy「Cryptopsy」
カナダのテクニカルデス、クリプトプシー2012年作
前作で聴かれたモダンでドラマティックな作風から、本作ではかつての激烈な暴虐路線へ回帰、
ゲボゲボのグロウルヴォーカルとともに、激しくたたみかけるブルータルなサウンドを聴かせる。
ブラストビートを含んだ激しさと、テクニカルな切れ味にベテランらしい貫祿が加わって、
迫力たっぷりの音圧で、聴き手を殺戮の海に引きずり込む。これぞ圧殺テクニカルデス。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・10 テクニカル度・・9 総合・・8
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DEATH「Human」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの4tn。1991作
故チャック・シュルディナー率いるこのバンド、初期は暴虐なデスメタルであったが、本作では
CYNICのポール・マズヴィダル、ショーン・レイナート、SADUSのスティーヴ・ディジョルジォを迎え、
知的なテクニカル性を取り入れたサウンドを確立した。激しく絶叫するようなヴォーカルと、
スラッシーかつ独特のギターリフ、ときにメロディアスですらある巧みなフレーズが合わさって、
プログレッシブなリズム感覚とともに、激しくも複雑なデス/スラッシュメタルを聴かせる。
このサウンドは次作で完成系をみることになるが、本作もそれに劣らぬ濃密なアルバムだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
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DEATH「Individual Thought Patterns」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの5tn。1993作
前作「HUMAN」で知的でプログレッシブな展開力を取り入れ始め、それが本作で見事に花開いた。
変則リズム入りのテクニカルさと矢継ぎ早の展開に独自のギターリフ、そこに故チャック・シュルディナーの
絶叫ヴォーカルが絡み、濃密に聴かせる。スラッシーな硬質感とプログレッシブな切り返し、
ときに美しくすらある叙情性などもあって、緊張感に満ちた楽曲は一筋縄ではいかない。
名手ジーン・ホグランのドラムもさすがに素晴らしく、サウンドの説得力をまた高めている。
後の多くのバンドにも影響を与えたであろうテクニカルデスの名作だ。次作「Symbolic」も同等の傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
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DEATH「Sound of Perseverance」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、デスの7th。1998/2005作
夭逝した鬼才、チャック・シュルディナーの遺作となったアルバムのDVD付きエディション。
サウンドは、歴史的傑作である5th「Individual Thought Patterns」と、6th「Symbolic」
からの流れを受け継いだ、やはりプログレッシブな味わいのある濃密なもので、
独特のリフワークからなるテクニカルな切り返しと変則リズムに圧倒される。
シュルディナーの鬼気せまるようなダミ声ヴォーカルも、いよいよ気持ち悪く、
バンドとしての今後のさらなる深化を思わせるだけに、彼の死は本当に残念である。
デスメタルというよりは、プログレッシブ・スラッシュというべき芸術性にあふれている。
DVDには1998年のライブ映像を収録。画質は上等のブートレグ程度だが、ファンは必見。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 プログレッシブ度・・8 総合・・8.5
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DEATHVivus!」
アメリカのテクニカルデスメタル、デスのライブ音源のカップリング。2012年作
デス・メタル界の奇才、チャック・シュルディナーの死去により幕を閉じたこのバンド、
1998年のライブ音源のカップリングで、DISC1は以前にDVD化もされていた「LIVE in L.A」
DISC2はDYNAMO OPEN AIRのステージを収録した「LIVE in EINDHOVEN」
独特のギターフレーズと、知的でプログレッシブな展開力で構築される楽曲は
デスメタルというよりは、むしろテクニカルスラッシュというべき聴き心地で、
そのエキセントリックなセンスは他に類を見ない個性であった。あらためてチャックの死への無念とともに、
残された音源を鑑賞することで、このバンドの芸術的なまでの音楽性を確認するような思いである。
テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8
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DEPRESSIVE AGE「FIRST DEPRESSION」
ドイツの個性派メタルバンド、ディプレッシブ・エイジの1st。1992作
当時はこのバンドのことをまったく知りませんでしたが、これがなかなか面白い実に個性的なメタル。
スラッシーなリフでに疾走しつつも、奇妙に浮遊感を漂わせるヴォーカルの歌声に
変則リズムと唐突な曲展開で聴かせるサウンドは、むしろプログレメタル風でもある。
音はヘヴィなのにこの脱力ぎみのハイトーンヴォーカルがなんともミスマッチで、
気持ち悪いんだけど面白いという…当時はキワモノ扱いされたんだろうなあ。
ヘンタイ気味のテクニカルメタル好きには密かにオススメしたいアルバムですな。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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DEPRESSIVE AGE「Lying in Wait」
ドイツの個性派メタルバンド、ディプレッシブ・エイジの2nd。1993作
前作はスラッシーな勢いとアヴァンギャルドな雰囲気が合わさった力作だったが、
本作もエッジの効いたギターリフと個性的なヴォーカル、いくぶん唐突な展開とともに、
奇妙なセンスのメタルサウンドを聴かせる。インダストリアルな無期質感を含みつつ、
脱力ぎみのヴォーカルがおかしな味わいになっていて、ヘンタイ・スラッシュぎみの曲調を
いわばMEKONG DELTA的にヘンテコにしている。個性的なスラッシュが好きな方にもオススメ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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DESTROYING THE DEVOID 「PARAMNESIA」
アメリカのプログレッシブ・デスメタル、デストロイング・ザ・デヴォイドの2016年作
DEEDS OF FLESHのCraig Petersによる個人プロジェクトで、自身でギター、ベース、ドラム、ヴォーカルをこなしている。
テクニカルなギターリフとメロディックなフレーズに、きらびやかなシンセに、オーケストレーションなどを加えた、
プログレッシブなシンフォニック・デスメタルというべきサウンド。ブルータルに疾走しながらも、バックにムーグシンセが鳴っていたりと
暴虐さよりも知的な構築力を感じさせる聴き心地で、テクニカルな変則リズムのDjent系の感触と、Fleshgod Apocalypseにも通じる、
荘厳でオーケストラルなデスメタルが融合した濃密な作風である。アルバム後半は3パートに分かれた20分を超える組曲で、
デスメタルというよりはむしろ、プログレッシブな構成と叙情性で展開してゆく見事なサウンドが楽しめる。、
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「The Butcher's Ballroom」
スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの1st。2006作
女性Voにチェロ奏者を含む6人組で、バンド名のようにスイングジャズを取り入れつつ、
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声とともに、ゴシックメタル的な雰囲気を融合させた
とてもユニークな音楽性。一聴して思い出すのはフィンランドのALAMAAILMAN VASARAT
彼らのような「ユーモア溢れる本気」というような、大人の遊び的な強固な姿勢を感じさせる。
さらにこのバンドの場合、ジャズの素養がしっかりとしていることで、楽曲が嘘くさくなく
そこにメタリックなギターやチェロなどが割と自然に融合しているのがまた凄いところである。
ジャズメタル度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs for the Damned & Delirious」
スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2nd。2009作
今作はジャケからしてユーモアたっぷりだが、サウンドの方もさらなるジャズとメタルの自然の融合がなされている。
ハネるリズムの上にザクザクとしたギターとサックスが絡み、そこに男女ヴォーカルが絡む濃密な作風で、
演奏自体のレベルも上がってきており、メタリックなスウィングジャズとしての完成度が無駄に高まっている。
軽やかなピアノの音色やら、ヴイヴイいわせるベースの巧みさやら、部分ごとの説得力が大変素晴らしく、
本気ジャズ的メタル遊び…ともいうべき強固な世界観に磨きがかかっているばかりか、
低音の男声とオペラティックな女性声という対比がコントラストとなって、作品としてのテンションも増している。
変態…というにもあまりに高い完成度と天晴れなまでの真摯な遊び心。敬服するしかない強力作である。
ジャズメタル度・・9 スウィング度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
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Diablo Swing OrchestraPandora's Pinata
スウェーデンのプログレ・ジャズメタル、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2012年作
メタルとスウィングジャズを融合させたような、遊び心たっぷりのサウンドで過去2作も素晴らしかったが、
今作もハジけてます。鳴り響くホーンセクションにヘヴィなギターが合わさり、女性ヴォーカルの歌声が
エキセントリックに響きわたる。お洒落で優雅でアダルトな濃密さに包まれて、メタリックなハードさと
軽やかなミクスチャー感覚が本気で合体。ときにオペラティックなアリアのようなナンバーもあって、
クラシカルな要素も楽しめます。極端さはやや薄まったが相変わらず素敵なバンドです。
ドラマティック度・・7 ジャズメタル度・・8 優雅なヘンタイ度・・8 総合・・8

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Die Apokalyptischen ReiterSoft and Stronger
ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの1st。1997年作
3rd以降のシアトリカルな完成度に比べ、本作の時点ではまだ「変態的なブラックメタル」という感じが強い。
ただ、シンフォニックといってもよいシンセアレンジと、どこかフォーキーで牧歌的なメロディを乗せて疾走しつつ
随所にメロウなギターフレーズを織り込んだり、ときに勇壮なヴォーカルパートで歌い上げるなど、
そのとりとめのなさと濃密な感じは、すでに確立しているのがさすがこのバンドである。
ブラックメタル的な激しさから唐突にフォークメタルへと変わるそのヘンテコさに思わずにんまりします。
低音デスヴォイスとダミ声ブラックのヤケクソ気味の掛け合いもなんかすごいし、
「メタル、ウィル、ネヴァー、ダァ〜イ!」という力強い叫びは、恥ずかしさを通り越して格好よい。笑
ちなみにこれは2003年の再発盤で、ボーナスが3曲追加され、ジャケも変わっているようです。
ドラマティック度・・8 濃密度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter 「Allegro Barbaro」
ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの2nd。1999年作
美しいピアノの旋律にドイツ語のヴォーカルでしっとりと始まったと思いきや、いきなりブラスト疾走が始まり
唐突なリズムチェンジに暴虐なブラックメタル要素を含んだ、ヘンタイ的なサウンドが広がってゆく。
ときにクラシカルでシンフォニックな美しさも垣間見せながら、ヤケクソ気味に展開する変わり身の早さは、
ヘンタイ系メタルの愛好者をにんまりとさせる。異色のアヴァンギャルド・ブラックメタル作である。
ドラマティック度・・8 濃密度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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Die Apokalyptischen ReiterAll You Need Is Love
ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの3rd。2000年作
本作では、のっけからけっこう真剣な感じでブラックメタル度がアップしています。
シンフォニックな美しさに、ギターの泣きメロがじつにいい感じで、ヘンタイ度が薄れた分、マトモに楽しめるのですが
やはり随所にフォーキーな感触やエピックな世界観、そしてどこかプログレッシブな知性を感じさせるアレンジ力で、
只者ではない懐の深さを感じさせてくれます。ラストの10分超の大曲は、後半がまるでジャーマンプログレのようです。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ヘンタイ度・・7 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「Have a Nice Trip」
ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの4th。2003年作
ジャケのメンバー写真からも一癖ありそうな連中だが、サウンドはのっけからブラックメタルばりに疾走、
…したかと思えば、はっするような泣きの叙情メロディが現れて、なんとも美しい。
勇壮なドイツ語の歌声とともに、中世を思わせるような幻想的な世界観とほのかなトラッド風味、
そして暴虐さとシンフォニックさとの極端なまでの対比が面白い、ある意味、妖しいセンスに満ちている。
ようするに、ロマンにあふれた知的な変態というべきか、異色のゲルマンメタルバンドである。
ボーナスにはMANOWARの“Master of the Wind”のカヴァーを収録。これがまた美しい。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「SAMURAI」
ドイツのシシアトリカル・エピックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイター5th。2005年作
サウンドはいよいよ力強くなり、ドイツ語による歌声とともに、エピックな重厚さに説得力が加わってきた。
メタルとしてのパワフルでメロディアスな聴き心地に、ときにキャッチーでシンフォニックな風味もまじえつつ
なにものも恐れぬ勢いで突き進む。ブラックメタルばりの激しさから叙情パートへの極端なまでの切り返し、
それを冗談のように本気でやっていて、このごった煮感覚というものは、聴き手をにやにやさせる。
初期に比べていくぶんモダンなアレンジが加わっていて、それを洗練ととるのか、ヘンタイととるのか、
正直、それすらもどうでもいい。彼らなら、なにをやっても許されるのだ。そう思えるような力作。
ドラマティック度・・8 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen ReiterRiders on the Storm
ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの6th。2006年作
どのアルバムの濃密で、ある意味ハズレがないというこのバンドであるが、本作もまた素晴らしい。
のっけからエピックなゲルマン魂で激しくたたみかけてきますよ。シンフォニックで大げさで、
暑苦しくてキャッチーでありつつ、そこに本気の叙情も感じられる。中世的なロマンティシズムに
シンフォニックメタル要素と、モダンなヘヴィロック感覚と分裂症気味の唐突さでもって、
ごった煮なのに嘘くさくないという、その力押しのシアトリカルメタルは、完成の域に近づいている。
素晴らしい、すごい、にんまりだ…あらゆる賛辞を贈りたくなるが、ちょっと待てよおい、と我に返る。傑作。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8.5
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Die Apokalyptischen Reiter 「Licht」
ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの7th。2008年作
SUBWAY TO SALLYやIn Extremoのようなドイツ語によるトラッドメタル風味と、
シンフォニックな美麗さ、インダストリアル風味も含んだ、シアトリカルな感触で、
本作もまたジャンル分け不能という点ではなかなか個性的なサウンドだ。
ダミ声によるヴォーカルでときに激しく疾走するかと思えば、優雅な叙情性や
牧歌的なトラッドメロディも顔を覗かせるなど、フォークメタルとしても楽しめる。
エピックなドラマ性と叙情美、土着性と演劇性を含んだ濃密な力作である。
2009年の再発盤には、シングルからの2曲に、ライブ音源を4曲追加収録。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「MorAL & WahNSInN」
ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディー・アポカリプティシャン・レイターの8th。2011年作
今作もジャケからして妖しさプンプンであるが、メロデスばりのツインギターで疾走開始、
…したと思いきや哀愁溢れるアコースティックギターとシンセにドイツ語の歌声が乗り、
すでにのっけからシアトリカルメタルが全開。この異様なクオリティの高さはなんなのだ。
無茶な展開と本気のエピックさに知的なはっちゃけが合わさった、シンフォニック叙情メタル。
中世ゲルマントラッドの世界観とクラシカルな優雅さが、現代的なごった煮センスで絶妙にハマって、
濃密でありながら美しく叙情的という、他に類を見ないサウンドに仕上がっている。
ある意味プログレッシブな深さ…そして、なにも恐れぬセンスに包まれた驚異の傑作!
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ゲルマン度・・8 総合・・8.5
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Die Apokalyptischen ReiterThe Greatest of the Best」
ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターのベスト。2011年作
1997年にデビューしてから2011年までに8枚のアルバムを発表しており、
シンフォニックなブラックメタルにフォーキーな要素やゲルマンの勇壮さを加え、
シアトリカルなエピック感覚を、本気のギャグのように盛り込んだ独自の濃密な作風で
他に類を見ない個性的なサウンドを描き出すこのバンド。ドイツ語の歌声を乗せて、
ときに激しく疾走しつつも、哀愁の叙情を演劇的に含ませたり、フォーキーな土着性や
中世的なエピックな世界観まじえて、不思議な高揚感とともに聴き手を楽しませてくれる。
全20曲をこれでもかと収録でお腹一杯。初の日本盤ということでバンドの認知度が上ることを祈る。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ゲルマン度・・9 総合・・8.5
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DISAFFECTED「Rebirth」
ポルトガルのプログレッシブデス、ディスアフェクテッドの2012年作
前作から17年ぶりとなる2ndということらしい。なにやら民族的なイントロからして面白いが、楽曲自体も
東洋的な旋律を含ませたモダンなミクスチャー風味とスペイシーな浮遊感とアヴァンギャルドな展開力で
個性的なサウンドを描き出している。ギターのリフやフレーズなどもプログレッシブな感触を垣間見せ、
ヴォーカルはダミ声だが、ときおり語りなども挿入されたりと、7〜9分という大曲をメインに芸術的で
知的な構築センスで聴かせる力作だ。CYNICなどのアートな感性を好まれる方ならとても楽しめるだろう。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8




Ebonylake 「On the Eve of the Grimly Inventive
ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタル、エボニーレイクの1999年作
女性Vo、女性Keyを含む7人組みで、サウンドは異常ともいえるような変則クラシカル・ブラックメタル。
男女ヴォーカルのシアトリカルな絡みに、シンセ入りでオペラティックな美しさを垣間見せつつも、
ブラストビートで強烈にたたみかける。そのブラストすらも変拍子という始末だから思わずにんまりだ。
こうしたシアトリカルな手法はゴシックメタル的なのであるが、そこを無理やりブラックにしているのが素晴らしい…
というか変態的だ。レビュワーのM氏が某B!誌で「気持ち悪くて二度と聴きたくない」と書いていたのは、
むしろ変態音楽愛好家には最高の褒め言葉であろう。異形のオペラティック変態ブラックメタル。こりゃ凄いです。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
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Ebonylake「In Swathes Of Brooding Light」
ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタル、エボニーレイクの2011年作
1999年に「On the Eve of the Grimly」でアヴァンギャルド・ブラックの極みともいうべき作品で
カルトなヘンタイメタルファンの心を鷲掴みにしたこのバンド、なんと11年ぶりとなる作品が登場。
激しいブラストを織りまぜながら、変則リズムと唐突な展開で聴かせる濃密でシアトリカルなサウンドは
本作でも健在。不穏さをかもし出すエキセントリックなシンセアレンジに、かつてのEMPERORのような
神秘的なギターフレーズと個性的なセンスで、異形のオペラティックメタルというべき世界を描き出す。
9分、10分という大曲もあり、先の読めない楽曲は芸術的な緊張感を漂わせて聴き手を音の渦に引き込んでゆく。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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EISREGEN「Schlangensonne
ドイツのエピック・ゲルマンメタル、エイスレゲンの2010年作
Die Apokalyptischen ReiterEnidなど、ドイツには個性的なバンドが多いのだが、
このバンドも、ドイツ語の歌声とアヴァンギャルドな構築センスで聴かせる、なかなか面白いサウンド。
ダミ声ヴォーカルとともに疾走するブラックメタル要素に、ときにクラシカルなシンセパートや
朗々としたノーマルヴォーカルなども入って、一筋縄ではゆかない濃密な作風である。
中世的なダークな世界観と荘厳なエピックさは、「ドイツ版Solefald」という感じもある。
ドラマティック度・・7 構築センス・・8 ゲルマン度・・8 総合・・8
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Eisregen 「Todestage」
ドイツのアヴァン・ブラックメタル、エイスレゲンの2013年作
1998年にデビュー、本作はすでに10作目となる。ホラーコミックのようなジャけからして怪しいが、サウンドの方も
ヴァイオリンが鳴り響き、ドイツ語のシアトリカルな語りから始まるコンセプトストーリー的な雰囲気を漂わせる。
インダストリアルでモダンアレンジも含みつつ、ヴァイオリンの音色を乗せてブラスト疾走するという、
クラシカルなブラックメタル要素もあって、全体的に激しさとドラマ性のメリハリに富んだ作風だ。
一方ではゴシックメタル的なメランコリックなスローナンバーもあって、ただのブラックメタルではない、
知的な構築センスを感じさせる。まさに濃密なるゲルマン・シアトリカル・メタルである。
ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・8 
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Eisregen 「Marschmusik」
ドイツのアヴァン・ブラックメタル、エイスレゲンの2015年作
90年代から活動し、本作ですでに11作めというキャリアのあるバンド。
ドイツ語による歴史観を含んだ重厚さと、エピックかつペイガンなスケール感とともに
ダークなサウンドを描き出す、その独自のスタイルは本作でも説得力十分の迫力。
ブラックメタルばりの激しい疾走に、スローなドゥームパートなど、緩急のあるアレンジで聴かせる
濃密でプログレッシブな感触は、DIE APOKALYPTISCHEN REITERなどにも通じるだろう。
一筋縄ではいかないゲルマンなアヴァン・ブラックメタルの強力作である。
ドラマティック度・・8 重厚・・8 ゲルマン度・・9 総合・・8
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ELECTROCUTION 250「ELECTRIC CARTOON MUSIC FROM HELL」
テクニカルメタルユニット、エレクトロキューション250の2004年作。
ジャケットからして卒倒したミッキーなのだが、音楽の方も相当ヤバイ(苦笑)
音楽学校に勤めるアメリカ人のギター(ベース)に、スウェーデン人のKEYとDrというプロジェクト。
このギタリストはかのマイク・ヴァーニーに見いだされた実力の持ち主らしく、
ドラマーはARCH ENEMY〜DARKANE、TIME REQUIEMという経歴。
サウンドはひと言でいうならド変態で、スラッシュメタル風激烈パートから唐突にジャズになったり、
可愛らしいコロコロとしたキーボードのメロディが現れたかと思えば、
テクニカルな変拍子の決めをザクザクのリフでかましたりと、まるで節操がない。
これは本気のギャグであり、変態インストメタルである。MATS/MORGANや、
フレドリック・トーテンダル、WATCHTOWERなどが好きなら、まあ聴いてみるべし。
メロディアス度・・7テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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Electro Quarterstaff「Gretzky」
カナダのテクニカルメタルバンド、エレクトロ・クォータースタッフの2007年作
ジャケも相当イカれているが、内容もけっこうタイヘン…じゃない、ヘンタイ!笑
ブラストビート入りで強烈にたたみかけるテクニカルデスメタル的なサウンドであるが、
ヴォーカルのいないインストというのがかえって面白い。ザクザクしたギターリフで
ダークめの世界観を描きつつも、ヒネくれたユーモアさがいくぶん見え隠れする。
ときおツインギターがメロディアスなフレーズを奏でたりと、案外に聴きやすいが、
やはりヴォーカルがいないということで、「テクニカルなBGM」になってしまうのが惜しい。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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Electro Quarterstaff Aykroyd
カナダのテクニカルメタルバンド、エレクトロ・クォータースタッフの2011年作
ヴォーカルのいない、オールインストのテクニカル・ヘンタイメタルという前作から、
2作目となる本作も、トリプルギターでヴォーカルレスという異常な編成から繰り出される
強烈なサウンドに圧倒されます。一部ブラストを含んだ変則リズムの嵐に
ブレイクと緩急をつけた無茶な展開の連続で、聴き手をニヤニヤさせるインパクトは
SPASTIC INKBLOTTED SILENCEかというありさまで、ヘンタイ音楽好きの脳を
じつに心地よくほぐしてくれます。ギターはリフだけでなく随所にメロディも奏でるので
楽曲は複雑ながらも案外聴きやすく、ヘンタイ系初心者でもイケるのではないかと。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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ENID 「ABSCHIEDSREIGEN」
ドイツのクラシカル(ゴシック/ブラック)メタルバンド、イーニッドの2nd。2000作
ENIDといえば英国のシンフォニックロックバンドが真っ先に思い浮かぶが、
こちらは同じくクラシカルでも土着的な香りのあるブラックメタル風サウンド。
KOROVAのメンバーも参加していると知りとても聴きたくなったのだが、
そこまでアヴァンギャルドではなく、展開も多いがメロディが優しいので総じて聴きやすい。
録音の問題だろうがドラムが軽く、そのせいでサウンドに重厚さが感じられないのが惜しいが、
クラシカルなピアノの響きは優雅といってよいほどで、雰囲気的にシアトリカルなものも感じられる。
ヴォーカルはダミ声のブラックメタルタイプだが、オペラティックな男声に女性声が絡むパートなどもあり、
なかなか聴き所が多い。古楽やトラッド風の要素もあり、中世ゲルマン調の世界観で聴かせる異色作。
クラシカル度・・8 暴虐度・・6 中世ゲルマン度・・9 総合・・8
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ENID「Seelenspiegel」
ドイツのシンフォニック・ゴシック・ブラックメタルバンド、イーニッドの3rd。2002作
前作はクラシカルな中世ゲルマン風ゴシックとでもいうべきサウンドで気に入ったが、
この3rdではより聴きやすくなったシンフォニックなゴシック・ブラックが楽しめる。
朗々とした男性ノーマル声の歌唱を中心に、楽曲はときに壮麗に、ときにゆるやかに展開し
その芸術的な雰囲気はSOLEFALDあたりにぐっと近づいたような印象を受ける。
ときおりシンフォブラックメタル風のパートもあり、シンセによる土着的なクサメロも効果的で、
クラシカルで大仰でありながらも少し田舎臭い、という不思議な味わいもある。
ただのシンフォブラック、ゴシックでは飽き足らないという方なら、きっと気に入るバンドだろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 暴虐度・・6 総合・・8
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ENID「Gradwanderer」
ドイツのクラシカル(ゴシック/ブラック)メタルバンド、イーニッドのアルバム。2004作
クラシカルな中世ゲルマン風ゴシックというべき作風で気に入っているバンドのおそらくこれが4作目。
今作も知的でプログレッシブな展開力と朗々としたドイツ語のヴォーカルで聴かせる、
個性的なシンフォニックサウンドは健在。ときおり民族色や優雅なピアノのパートなどを盛り込むなど、
単なるメタルの枠を越えた発想とヨーロピアンな美意識、センスが組み合わさった懐の広さに感動を覚える。
アルバム後半には妖しげなジャズ風味なども取り入れていて、ある意味これも大人の変態メタル。
ノルウェーのSolefaldにも通じる芸術性が素晴らしい。クラシカルでシンフォニックな傑作である。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 芸術センス度・・9 総合・・8.5
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EnidMunsalvaesche
ドイツのクラシカル(ゴシック/ブラック)メタルバンド、イーニッドの2012年作
クラシカルな中世ゲルマン風という、個性的なバンドの8年ぶりとなる5作目。
メタルとは程遠いオーケストラルで壮麗な1曲めは、むしろ英国のエニドのようだが、
2曲からはドイツ語のヴォーカルとともに、ギターやドラムも加わってきてひと安心。
美しいシンセアレンジと勇壮なコーラスが響きわたり、全体的にゆったりとした聴き心地ながらも
物語を思わせるようなエピックな世界観がじわりと広がってゆく。メタル的な激しさは薄いのだが
随所に叙情的なギターフレーズやオーケストラアレンジを含んで優雅でクラシカルな仕上がりだ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・8
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EVENT「HUMAN CONDITION」
アメリカのプログレメタルバンド、イヴェントの2nd。2001作
1stの頃から独特のセンスで一筋縄ではいかないプログレッシブ性とメロディ、テクニカル性を融合していた彼ら。
今作ではさらにメタル色は薄くなり、代わって演奏にはフュージョン、テクノ、ジャズ色が増した。
どこかすっとぼけた曲構成や、あえて王道を避けるかのようなひねくれ加減がMATS/MORGANあたりも思わせ、
シンフォニック/メロディアスなプログレメタルが好みの私としてはどっちかというと苦手な音なのだが、
このバンドの音には、それでもどこかにメロディを感じる部分とハードロックにリンクしている部分があり、
ときどき引き込まれるようにして演奏を聴いてしまう。そこが魅力なのかもしれない。
テクニカル度・・9 変態度・・8 メロディアス度・・7 総合・・8
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EVENTScratching at the Surface
アメリカのテクニカルメタル、イヴェントの2003年作
1998年にデビューして日本盤も出て、マニアから注目されていたこのバンド、
3作目となる本作は、プログレッシブいうよりもロック的なラフさが強まった。
3分台の曲を中心に、KINGS Xを思わせるとぼけた味わいの軽妙なアンサンブルと
肩の力が抜けた大人の余裕を感じさせる浮遊感のあるサウンドを聴かせる。
メロディアス度・・7テクニカル度・・7 変態度・・8 総合・・7.5
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EVIL WINGS 「Brightleaf」
プログレメタルバンド、イーブル・ウイングスの2nd。1996作
DREAM THEATERもどきの1stから脱却したこのアルバムは、独自の迷宮感覚を盛り込んだ展開が見事な名作。
とくに大曲における奇妙さ加減はもう絶品で、メロディアスなのに、ここまでひねくれ、気持ち悪く展開させる楽曲には
唖然とさせられる。高度な演奏技術を持つだけに、よけいその変態を説得力あるものにしているのだ。
どんどんわき道へそれてゆき、けっして元に戻らない曲構造は、まるで迷宮散策のよう。
ここまでくると下手なVoさえもが、演奏に集中させるためのギミックにすら思えてくる。
変拍子の海、イントロを思い出せなくなる曲展開、迷宮の奥底へ突き進む潔さ。
すべてが変態的で、逆を返せば常人には計り知れない天才的なセンスが炸裂している。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 イタリア度・・10 総合・・8.5

EVIL WINGS「SHINE IN THE NEVERENDING SPACE」
イタリアのプログレメタルバンド、イーヴル・ウイングスのライブアルバム。2003作。
メロディアスなDREAM THEATER系ProgMetalでありながら変態系メタルとしても語るべきこのバンド。
ステージは4人編成+1(赤マントの怪しいおねーちゃん)で、ギター兼Voの歌唱はともかく、相変わらず演奏力は抜群。
シンセ入りのメロディアスなProgMetalでありながら、高速フレージングや無茶なキメを
曲に強引に組み入れ、PLANET X的でもある自己満足的精神の追求がとても素晴らしい。
DVDの方では演奏の合間に時折挿入される、意味不明なイラスト(しかも下手)が
妙なサイケ色をかもしだしており、その意味のなさに呆れ、また嬉しくもなる。
映像でステージ中央に立っているマントのおねえさんは、一応コーラスなのだろうが
実際に声を出している曲は少なく、あとはただ視覚的価値としてのみ存在しているようだ。
1st収録の曲“CHRYSALIS”は、せわしない矢継ぎ早の展開→叙情シンフォニックという
無茶な流れの裏名曲で、部分的にはDREAM THEATERを思わせるカッコ良さがありながら、
そのヘンテコなセンスのため、結果として変態度を高めている。必聴&必見のライブ作であります。
テクニカル度・・8 変態度・・8 メロディアス度・・8 総合・・8.5
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THE FACELESS「PLANETARY DUALITY」
アメリカのテクニカルデスメタルバンド、フェイスレスの2008作
激烈なブラストビートでCRYPTOPSYばりに始まったと思いきや、
変則リズムによるキメと、矢継ぎ早の展開に唖然となりつつ、
硬質なリフの合間に聴かせるギターのフレーズにはときおりメロディもある。
咆哮するデスヴォイスの暴虐性とは反対に、知性的な冷徹さも漂わせており、
曲によってはイントロにシンセを使ったり、ミステリアスな雰囲気も感じさせる。
基本的にはドカドカとブルータルで激しいサウンドなのであるが、
曲はどれも短めで、聴き疲れて飽きる前にスパッと終わるのもいっそ潔い。
メロディアス度・・6 暴虐度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8
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The Faceless
「Autotheism」

アメリカのプログレッシブ・デスメタル、フェイスレスの2012年作
クールなテクニカルデスという感じだった前作に比べ、本作ではさらにプログレッシブなセンスを深めた作風となった。
デスヴォイスとノーマルヴォイスを絡ませつつ、ゆったりとしたスローパートを含んだ緩急あるアレンジで、
知的に構築される楽曲は、激しくテクニカルな部分をより際立たせることにも成功している。
また、ギターのメロディックなフレーズやシンセを使った音の厚みも随所に効果的に加わったことで、
ドラマティックな雰囲気とミステリアスで荘厳な世界観がさらに強まった。プログレッシブ・デスの傑作である。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的センス度・・9 総合・・8
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fi5th reasOn「wITHIN OR wITHOUT」
スウェーデンのテクニカルメタルバンド、フィフス・リーズンの1st。2001作
ABSTRAKT ALGEBRAというバンドのGが中心となっているバンドで、
どこかオリエンタルで不可思議なギターリフ、フレーズをメインにしたプログレッシブなサウンド。
いわゆる「プログレメタル」という音とは若干異なり、キーボードもなければキャッチーな叙情もさほどない。
メロディアス好きには縁のないバンドだろうが、こと「ギター」という面では非常に楽しめると思う。
ザクザクとへヴィでありながらも、どこかひねりの効いたリフやフレーズは個性的で、
「変態メタル一歩手前」という感じ。CONCEPTIONARKなどが好きな方なら楽しめると思う。
メロディアス度・・7テクニカル度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
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Fly Machine 「Come Metamorphosis」
アメリカのテクニカル・ドゥームメタルバンド、フライ・マシンの未発音源集。2012年作
CONFESSORのメンバーを中心としたにバンドの1996年のデモ音源のCD化。
サウンドの方は、ゆったりとドゥーミィでありつつも硬質感のあるリフで聴かせるスタイルで、
やはりCONFESSORに通じるテクニカルな変則リズムを含んだプログレッシブな感触だ。
とくにスティーヴ・シェルトンの卓越したドラムプレイはここでも素晴らしく、
タメの効いたリズムと手数の多さでスローな曲でも飽きさせない。知的メタル好きはチェック!
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ドゥームスラッシュ度・・8 総合・・8
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The Fractured Dimension「Towards the Mysterium」
アメリカのテクニカルプログレ(メタル)バンド、フラクチャード・ディメンションの2008作
ドラム、ベース、シンセというトリオで、シンセをメインにしたテクニカルメタルというサウンド。
フュージョン、ジャズ的な軽妙な優雅さとプログレッシプな知的さが合わさった楽曲は、
緊張感がありながらも、美麗なシンセワークが音の硬質感をやわらげている。
ギターはすべてゲストであるが、ネオクラシカルなプレイも含めてなかなか効果的。
ゲストの中にはあのロン・ジャーゾンベクの名前もある。PLANET Xなどのファンにもオススメ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 優雅にヘンタイ度・・8 総合・・8
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Fractured Dimension 「Galaxy Mechanics」
アメリカのテクニカル・プログレメタル、フラクチャード・ディメンションの2015年作
シンセ、ベース、ドラムのトリオ編成を軸に、本作では多数のギタリストを迎えて作られたアルバム。
ドラムには、OBSCURA、BLOTTED SCIENCEなどに参加したハンス・グロースマンを新たに迎え、
ゲストギタリストにはOBSCURAの2人に、U-Z PROJECT、UKZのアレックス・マカチェクなどが参加。
前作の軽妙な作風を受け継いで、フログレ的なシンセアレンジとメタリックなギタープレイが融合した、
一種、シンフォニック感のあるテクニカルメタルが繰り広げられる。オールインストであるが、
美麗なシンセとメロディの流れがある分聴きやすく、PLANET X的なフュージョンメタルとしても楽しめる。
艶やかなヴァイオリンが鳴り響くナンバーなど、前作以上に優雅でメリハリのある力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 軽妙で優雅度・・8 総合・・8
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Fredrik Thordendal 「SOL NIGER WITHIN」
MESHUGGAHを率いるフレドリック・トーデンダルのソロ。1997年作
メシュガーにおける変態度を全面開花させ、さらに好き放題やったらこうなる、という驚異の出来で、
トータル43分全1曲という異常な構成に、変拍子リズムの中を反復するギターリフとダミ声ヴォーカルを乗せ、
随所にフュージョン/ジャズ的感触を含ませながら、一種異様なスケール感を構築してゆく。
コンセプト、歌詞、世界観も含めて、まことにプログレッシブというしかない。まさに変態Djentの先駆けというべき
驚異の怪作であり、エクストリームメタルの到達点のひとつとして長く語り継がれるべきアルバムといっていい。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・10 総合・・9
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GIGAN「Order of the False Eye」
アメリカのテクニカル・デスメタル、ガイガンの2008年作
ギター、ベース、シンセをこなすエリック・ヘルセマンを中心にしたバンドで、
ブルータルな激烈さと複雑な展開が合わさったスタイルのテクニカルデスサウンド。
ブラストビートを含んだ矢継ぎ早のリズムチェンジで変態的なせわしなさを聴かせつつ、
ツインギターのサイケ的なフレーズにはどこかスペイシーな浮遊感があるのが特徴的。
ドラムの音が軽めなのと、基本となるリフはオールドなデスメタル的なので、全体的にヘヴィすぎない聴き心地だ。
テクニカルすぎないテクニカルデスを聴きたい方向け。ラストは21分のエクスペリメンタルなサイケ曲。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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GIGANQuasi-Hallucinogenic Sonic Landscapes」
アメリカのテクニカル・デスメタル、ガイガンの2011年作
ギター、ベース、シンセをこなすエリック・ヘルセマンを中心にしたバンドで、
ブルータルな激烈さとカオティックなテクニカル性が同居したサウンド。
ブラストビートを含んだオールドスタイルのデスメタルを基本にしつつ、
サイケ的なギターリフでスペイシーな浮遊感をかもしだしているのが面白い。
GORGUTSCRYPTOPCYなど、ヘンタイ系のテクニカルデスとしても楽しめる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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GIGAN 「Multi-Dimensional Fractal-Sorcery and Super Science」
アメリカのテクニカル・デスメタル、ガイガンの2013年作
ギター、ベース、シンセをこなすエリック・ハースマンを中心にしたバンドで、
過去2作もなかなか強力な作品だったが、本作もスペイシーな雰囲気の中に、
ミステリアスなブルータルデスメタルを融合させたサウンドが素晴らしい。
ヘンタイ系リズムチェンジを含んだ混沌としたテクニカル性とともに濃密にたたみかける、
これぞ、スペース・テクニカル・デスメタル。激しくとも暴虐過ぎないところが意外と聴きやすい。
ドラマティック度・・7 テクニカルデス度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8






Hail Spirit Noir「Pneuma」
ギリシャのプログレ・ブラック、ヘイル・スピリット・ノアールの2012年作
ジャケからしてすでにサイケな感じが漂っているが、サウンドも当然おかしい。
オルガンの音色が鳴り響く70年代的ロックの質感に、わめき声ヴォーカルが乗り、
そのまったく恐ろしくないユルさが微笑ましくもあるという、不思議な聴き心地。
一応ブラックメタル的なブラスト疾走もあるが、ヘヴィさ、暴虐さのカケラもなく、
サイケな浮遊感とプログレ風味に包まれていて、なかなか楽しいのである。
唐突な展開はヘンタイ系好きにも対応。ユル系ブラックサイケというべき面白作だ。
13分の大曲もありながら全38分という短さもアナログ的。メロトロンも入ってます。
ドラマティック度・・7 サイケ&プログレ度・・8 70年代風味度・・8 総合・・8


HOYRY-KONE 「Hyoenteisiae Voi Rakastaa」
フィンランドのチェンバーロックバンド、ホイリーコーンの1995年作
ロックビートの上に、詠唱のような怪しげなヴォーカルを乗せ、
シアトリカルでアヴァンギャルドな雰囲気をかもしだす異色のサウンド。
ヴァイオリンやチェロ、オーボエなどの音色が室内楽的に合わさりつつ、
シリアスを装った中に冗談めいたシニカルな表情を覗かせる。
一方ではフィンランド語の歌声とともに哀愁を感じさせる叙情もあったりして、一筋繩ではいかない。
日本盤タイトルは「昆虫偏愛」。2作目の「偽理髪師」はさらに素晴らしきヘンタイ傑作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ヘンタイ度・・9 総合・・7.5


HOYRY-KONE「HUONO PARTURI」
フィンランド産変態チェンバーロックバンド、ホイリーコーンの2nd(だよね?)。
のっけからいきなりグレゴリアンチャントで厳かに始まったかと思えば、
続いて、へヴィでノイジーな変拍子曲が始まり、まずこの落差につんのめる。
変則リズムの上で鳴り響くヴァイオリン、不安をかき立てるチェロの音色。
何故かオペラティックな男性ヴォーカルがとても真面目に歌い上げて、かえっておかしい。
どの曲も途中、奇妙で唐突な展開をみせ、音像としては非常にシリアスなのだが、
ねじくれた楽曲がこれがギャグであることを物語る。つまり大マジに変態をやったらこうなる、と。
しかも、ただの変なひと、ではなく「スーツを着た論理口調のインテリがキレたとき」、のような(笑)。
ちなみに日本盤のタイトルは「偽理髪師」(なんなのコレ?)
メロディアス度・・6テクニカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
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I

INANIMATE EXISTENCE 「CALLING FROM A DREAM」
アメリカのテクニカル・デスメタル、イナニメート・イグジステンスの2016年作
うっすらとしたシンセにメロウなギター、女性ヴォーカルの歌声を乗せた浮遊感ある空気感に、
テクニカルデスの硬質感を合わせたというサウンド。男性デスヴォイスとともに激しく疾走しつつ、
スウィープ奏法のピロピロ系ギターに美麗なシンセアレンジ、そして女性声が重なるという、
アヴァンギャルドかつプログレッシブなセンスで描かれる、濃密かつ個性的な聴き心地である。
暴虐すぎず、テクニカル過ぎないメロディアスな聴きやすさで、テクデス、プログレデス、両方のリスナーに対応。
全35分という短めのアルバムであるが、クオリティの高いプログレ・デスメタルにおなかいっぱい。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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INTO ETERNITY「DEAD OR DREAMING」
カナダのプログレ(デス)メタルバンド、イントゥ・エターニティの2nd。2001作
カナダらしいテクニカルなプログレメタルサウンドをデスメタル的なアグレッシブさと融合
重厚リフとメロディ、そして展開のバランスがセンスよく混在している。
哀愁を帯びたノーマル声の歌唱もなかなか魅力的だし、
やや唐突だが知性を感じる曲アレンジも、この後の3rdに受け継がれてゆく。
変態、というほどやりすぎでもないので、普通のプログレメタルリスナーにも受け入れられるとは思う。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7

INTO ETERNITY「BURIED IN OBLIVION」
カナダのプログレ・デスメタルバンド、イントゥ・エターニティの3rd。2003作
巧みなギターフレージングに、テクニカルで展開の多い楽曲、
ノーマル&デス声のツインヴォーカルと、さまざまな要素を持ったサウンドで、
北欧メロデス的要素に加え、DREAM THEATER以降の(もっといえばPAIN OF SALVATION以降の)
プログレメタリックな展開美とミクスチャー精神が感じられる。曲がとてもせわしなく、
展開の多いわりには印象に残らないというこの手のジャンルならではの難点はあるものの、
これを変態ととるか、新たなPROG METALの再構築ととるかで楽しみかたは変わるだろう。
テクニカル度・・8 変態度・・7メロディアス度・・7 総合・・7.5
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INTO ETERNITYThe Scattering of Ashes
カナダのテクニカルメタルバンド、イントゥ・エターニティの4th。2006年作
テクニカルなプログレメタルとデスメタルを融合させた濃すぎるほどに濃いサウンドだった前作までに比べ
今作では、メジャーレーベルとの契約やメンバーチェンジもあってか、若干音の質感が変化している。
アグレッシブな激しさと展開の多さは残しつつも、聴きやすいキャッチーな部分が増えたという印象で、
以前の作品に耳疲れしていたようなリスナーでも、今回はちゃんと最後まで聴き通せるだろう。
より多くの人間にも聴ける音楽になったという点で評価するべきだろうし、RUSHやDREAM THEATERなどに通じる
構築性にアグレッションを上乗せしたハードなテクニカルメタルとしても、実に堂々たる出来だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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INTO ETERNITYThe Incurable Tragedy」
カナダのプログレッシブ・デスメタルバンド、イントゥ・エターニティーの5th。2008作
初期のせわしないテクニカル路線から前作では聴きやすさと整合感を増した高品質な傑作となったが、
続く本作は「癌という病の悲劇」をテーマにした濃密なコンセプト作だ。
のっけから激しく疾走する楽曲にハイトーンヴォーカルとデス声が絡み、
まるで怒りと悲しみを爆発させるようなブルータルなプログレッシブメタルを展開。
初期を思わせる唐突な切り返しでたたみかけるサウンドは、切迫した雰囲気を描きつつも
ときおり聴かせるギターのメロディアスなフレーズは、楽曲の中でアクセントになっている。
激しさの中にポストロック的なドラマ性をかもし出す手法で、濃密に詰め込まれた力作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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Iwrestledabearonce
アメリカのカオティックコアバンド、アイレッスルドアベアーワンスの2007年作
強烈なグロウルヴォイスと別人のような美しい声を使い分ける女性ヴォーカルと、
アヴァンギャルドな展開で聴かせるヘンタイ系サウンド。ヘヴィなギターとモダンなシンセアレンジで
ときにブルータルにときにコミカルにと、そのギャップがものすごく、まさにカオスというしかない。
気が狂ったIN THIS MOMENTというか、無茶な展開の連続に唖然としつつニヤリという作品。
メロディアス度・・7 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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IwrestledabearonceIt's All Happening」
アメリカのカオティックコアバンド、アイレッスルドアベアーワンスの2009年作
デビューミニに続くフルアルバムで、やはりジャケのようにカオティックで
やかましく極端な展開で駆け抜けるヘンタイ・アヴァンギャルドメタルが炸裂。
ヘヴィロック的なモダンさと、メタリックでブルータルな激しさを含みつつ、
ヒステリックな女性ヴォーカルの絶叫がけたたましく響きわたる。
一方では、ノーマルな歌声で聴かせるパートやコミカルなテイストなどもあり、
曲はほとんどが3分前後なのだが、そのいわばギャグとスプラッタの二面性が激しく、
濃密さにヘトヘトになる。フルアルバムよりもミニでちょうどよいサウンドかも。笑
メロディアス度・・7 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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KOROVA「A Kiss in the Charnel Fields」
オーストリアのプログレ・ブラックメタルバンド、コロヴァの1st。1995作
のっけからドイツ語の男Voと女性スキャット、それに民族調のメロディで始まり
ただならぬ幕開けににやにやしていると、やはり始まったアヴァンギャルド絵巻…
SOLEFALDをもっとぐちゃぐちゃにしたような感じといえばいいのか、
2ndで聴けたセンスある知的さよりも、もっと混沌とした勢いまかせの変態ブラックですね。
ノイジーなギターに咆哮をはじめるヴォーカル、ブラストビートもときおり入ってきて
やかましいのだけど、どこかローカルで田舎めいた感じがするのはENIDなどと同様。
ときおりギターがクサメロを弾いたり、クラシカルなピアノやオーケストレーションなどの使用も
プログレ好きの変態音楽愛好家にはタマランです(笑)SOLEFALDSIGHなどが好きな方はぜひ!
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 変態度・・9 総合・・8
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KOROVADead Like an Angel
オーストリアのアヴァンギャルドブラックメタルバンド、コロヴァの2nd。1998作
メンバーは、女性ヴォーカル、女性テルミン奏者(!)を含む6人。
インダストリアルな雰囲気と朗々としたドイツ語のヴォーカルはRAMMSTEINなどを思わせるが、
ギターリフのバックには荘厳なオーケストレイションが鳴り響き、壮大かつ変態的な世界観を覗かせる。
さらにオペラティックなソプラノヴォーカルも加わって、クラシカルな質感を増しつつ
アヴァンギャルドな要素が交差してSOLEFALDあたりにも通じる芸術性が現れる。
テルミンやグラスオルガンなど変わった楽器も登場したりと、一筋縄ではいかないアートで
個性的なメタルサウンドを繰り広げている。プログレッシブな音楽が好きな方なら必聴。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 プログレッシブ度・・9 総合・・8
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KOROVAKILL 「Waterhells」
オーストリアのプログレッシブ・ブラック・メタルバンド、コロヴァキルの2002年作
KOROVA名義で2枚のアルバムを出したあと、3人編成のバンドとして再出発。
ぱっと聴きには、かつてのごちゃごちゃとしたアヴァンギャルドな作風から
若干整合感が出てきた印象。ただ、インダストリアルちっくなアレンジや、
モダンでときにシンフォニック、そしてデジタリィなシンセワークに女性スキャットなども絡み、
相変わらず個性的でつかみ所のない音楽性ではある。まあそこが魅力なのだが。
全体的には曲自体のインパクトがやや弱くなった感があるが(後半は激しめの曲あり)、
変態(知的)形メタルが好きならそこそこ楽しめるはず。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 変態度・・7 総合・・7.5
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Last Chance to ReasonLevel 2」
アメリカのテクニカルメタル、ラスト・チャンス・トゥ・リーズンの2011年作
ヘンタイ系のテクニカルメタルというと、最近ではBraindrillなどを筆頭に、いろいろな出てきているが、
このバンドも変則リズムをたっぷり使った、良い意味で気持ちの悪いサウンドをやっている。
スクリームヴォイスを使いつつも、緩急をまじえた楽曲構成はプログレッシブといってもよく、
スペイシーなシンセのアレンジやノーマル声で聴かせるやわらかなパートなどもあって、
Between The Buried And Meあたりにも通じる知的な構築センスがなかなか見事だ。
曲は3〜5分台が中心なのだが、ひねくれたリズムとスイープを使ったテクニカルなギターフレーズで
緊張感を漂わせながら濃密に聴かせる。ヘンタイメタル好きは要チェックのバンドだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Liquid Graveyard「On Evil Days」
スペインのサイケデリックメタル、リキッド・グレイヴヤードの2009年作
女性ヴォーカルを含む4人編成で、スクリームと美しいソプラノを使い分けながら、
テクニカルで浮遊感のある個性的なサウンドを描いてゆく。デスメタルというには激しさはあまりなく、
ようするにデス声入りのサイケメタルとでもいうべきか。さほど強いインパクトはないのだが、
うねりのあるギターリフとともにいくぶんのユルさも含んだ、不思議な感触の作品です。
メロディアス度・・7 サイケメタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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LOCRIAN 「Infinite Dissolution」
アメリカのエクスペリメンタル・メタル、ロクリアンの2015年作
ノイジーなギターリフが鳴り響くドローン的な感触から、ブラックメタル要素を含んだ激しい疾走感もあり、
モダンな硬質感の中に不穏な空気感を描き出す。いわば、サイバーなドローン・ブラックというべきか。
うっすらとしたシンセアレンジに包まれて、ポストロック的な薄暗さとスケール感も匂わせつつ、
一方ではノイジーなギターが無機質に鳴り響く、ミステリアスでアヴァンギャルドな雰囲気も面白い。
オールインストなので、BGMになってしまいそうなところもあるのだが、ブラックメタル風の疾走パートや
シンセを前に出したテクノメタル風味など、適度にメリハリのついた展開もあって、案外最後まで楽しめる。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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LoinclothIron Balls of Steel」
アメリカのテクニカル・ドゥームメタル、ロインクロースの2011年作
CONFESSORのリズム隊を含むトリオ編成で、硬質なギターリフを中心に
変則リズムでたたみかけるインストサウンド。メロディというものを配したスタイルは
歌のないCONFESSORというような感触で、1〜3分という短い曲を連ねている。
やはりスティーブ・シェルトンのドラムはさすがというもので、タメの効いたグルーブと
金物系の鳴りの面白さを、変則リズムの嵐の中で巧みに表現しているのが素晴らしい。
重厚なるテクニカルメタル。速いだけのバンドよりも、むしろリズムが心地よいのだ。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 硬質度・・9 総合・・8
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Lye by Mistake「Fea Jur」
アメリカのテクニカルメタルバンド、ライ・バイ・ミステイクの2009年作
ギター、ベース、ドラムのトリオ編成で、インストによるテクニカルかつアヴァンギャルドなサウンドを繰り広げている。
唐突なまでのリズムと、ヤケクソ気味の変態さが合わさった、濃厚なテクニカルメタルでありつつ、
遊び心とユーモアを感じさせる余裕もあり、フュージョン的な軽やかさも特徴か。
デス色を抜いたMeshuggahというか、MATS/MORGAN的センスというか…そんな感じ。
CANVAS SOLARISやELECTROCUTION 250あたりが気に入った方ならぜひにというヘンタイぶり。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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THE MARS VOLTA「DE-LOUSED IN THE COMATORIUM」
AT THE DRIVE-INのメンバーなどによるバンド、マーズ・ヴォルタの2003作
ひと言で言ったら・・・テクニカル・サイケ・プログレ・ロックとでもいいましょうか。
3拍子系をメインにしたせわしないリズムの上にテクニカルなギターが鳴り、
中性的なVoがエモーショナルに歌い上げます。ドラムの手数の多さは見事。
昨今いわれるポストロックのひと言で片づけるのはいささか気が引けるようなサウンドで
メタラーにはテクニカルメタルとしても鑑賞可能。・・かといってただせわしないだけでなく、
歌をメインにしたパートではじつに美しく聴かせてくれたりもします。
現代版のプログレ?しかもプログレを意識していないところが現代的な音であります。
テクニカル度・・8 変態度・・8メロディアス度・・7 総合・・8.5
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THE MARS VOLTA「FRANCES THE MUTE」
アメリカのテクニカル・ミクスチャーロックバンド、ザ・マーズ・ボルタの2nd。2005作
1stでは、テクニカル&変態系ロック好きの我々の腰を存分に抜かせたこのバンド。
今回は組曲的な大曲をメインに、たっぷりとその演奏を聴かせてくれます。
前作のように、1曲ごとを濃密にまとめた作風から一転、ポストロック的、あるいはプログレ的に自分達のビジョンを
たたみかける演奏で構築、延々と再現しているという印象。テクニカルパートは変拍子たっぷりで威勢よく聴かせ、
プログレ(変態)メタル的な楽しみ方も可能ですが、今回は大曲におけるゆるやかな進行、
そのコラージュされた音の重なりとか、展開なども大いにアートな感性を感じさせ、
ある意味GODSPEED YOU! BLACK EMPERORにも通じる難解さと壮大さを感じます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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THE MARS VOLTA「Scab Dates」
アルリカの新世代プログレ・ロックバンド、マーズ・ヴォルタのライブアルバム。2005作
のっけから、子供の鳴き声などの不穏な雰囲気のSEに惹きつけられる。
ライブ演奏は予想に反して多くをインプロビゼーションに費やしていて、
内的世界を描き出すポストロック的な手法はじつにプログレッシブ。
バンドの演奏力はやはり大変高く、それだけでなく表現力という点でも
単なる頭でっかちではない、ロックとしての迫力と構築性とを併せ持っているのが感じられる。
作り込まれたスタジオ盤とのあまりの違いに世間では賛否両論のようだが、
「彼らにしか出来ないライブ作品」という点で、個人的にはその挑戦精神を高く評価したい。
メロディアス度・・7 内的プログレ度・・9 即興度・・9 総合・・8
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THE MARS VOLTA「Amputechture」
アメリカのプログレッシブ・ミクスチャーロックバンド、マーズ・ヴォルタの3rd。2006作
テクニカルで変態的なミクスチャー感覚で度肝を抜いたデビュー作、
長大な組曲の中に静寂と鬱ぎみのプログレ感覚を織り込んだ2nd、
そして、まったくアルバムとは雰囲気の異なる即興感覚の演奏のライブ作と、
アルバムごとに進化と深化、そして様々な要素を取捨してきている彼ら。
今回もジャケからしていかにも怪しげかつ意味不明で期待大であるが(笑)、
10分以上の曲が3曲に、他も6〜9分という大曲志向は相変わらず立派。
展開におけるテクニカルな破天荒さはそのままに、今作では長い曲でも濃密さを保っており、
真剣に聴いているととても疲れるのだが、それもまたプログレ者には嬉しい疲労か(笑)
一筋縄でいかないアヴァンギャルドなロックが好きな方、新時代のプログレを聴きたい方は必聴。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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The Mars Volta「The Bedlam in Goliath」
アメリカのプログレロックバンド、マーズ・ヴォルタの4th。2008作
このあやしげなジャケや「ゴリアテの混乱」という意味不明のタイトル通り、
(ゴリアテとは、旧約聖書に出てくる羊飼いの少年ダビデに倒された巨人兵士)
サウンドの方も前作から続く変態型モダンプログレ道を今回もまっしぐら。
アラビックなコード進行でサイケがかった浮遊感をともなうサウンドで、イメージは中近東か。
手数の多いドラムを中心に、これまでよりもさらにグルーブ感のある演奏がかなり生っぽい。
もともとが楽曲よりもイメージを重視した演奏志向のバンドであったので、
この破天荒なスタイルに理不尽さを感じるようなまともなリスナーには向かない。
75分の大作に飽きがくるか来ないかは、ひとえに感覚で聴く変態サイケを好むかどうか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 中近東サイケ度・・9 総合・・8
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The Mars Volta「Octahedron」
アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの5th。2009作
じつに素晴らしい創作意欲である。サイケがかった浮遊感と斬新な楽曲構造で毎作感心させられてきたのだが、
本作ではむしろじっくりと聴ける落ち着いた叙情サウンドを核にしてきている。
まるで昨今の英国の薄暗系プログレのような雰囲気もあり、ゆるやかにメロトロンが鳴り響く、
なんとも確信犯的な作りだ。 メロウで煽情的なギターフレーズはこのバンドではこれまで聴かれなかったもので、
彼らの器の大きさというか、センスの多彩さをあらためて思い知らされる。演奏においてはリズム面での
繊細なグルーブの構築を含めて、そのポストロック的なビジョンを描き出す力量もじつに見事だし、
またヴォーカルの表現力が上がったことで、歌もの部分での確かな説得力をしっかりともなっている。
誤解を恐れずに言えば、今DREAM THEATERよりも面白いのはこのバンドなのではないか。
表面的なテクニカルな展開力は控えめだが、それをちゃんと奥底で感じることができるのだ。
全てを出し切らなくともこれだけのものが作れるのだから、まったくおそるべきバンドである。
叙情度・・8 プログレ度・・8 内的センス度・・9 総合・・8
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The Mars Volta 「Noctourniquet
アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの2012年作
2003年のデビュー作から6作目となる本作は、前作で聴かれた叙情的な作風に
エキセントリックなシンセアレンジを加えた、サイケ気味のモダンプログレサウンドを展開。
ときおりテクニカルなアンサンブルを挟みつつ、軽妙さの中に奇妙な偏屈さを感じさせるセンスとともに、
感情豊かに歌い上げるヴォーカルの表現力も、本作の重要な要素になっており、
薄暗い叙情性を繊細に描きながらも、じつにエモーショナルな聴き心地である。
ラウドな音作りも確信犯的で、他のどのバンドにも似ていないという個性はやはり素晴らしい。
ドラマティック度・・8 モダンプログレ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN「TRENDS AND OTHER DISEASES」
北欧の変態・・・もとい超絶コンビ、マッツ&モルガンの1st。
手数の多い高速変拍子をたたき出すモルガンのDrに、全盲のキーボーディスト、マッツの不思議なメロディが乗る。
曲はどれもがアヴァンギャルドで、一筋縄ではいかない。起承転結や構築性とは隔離された、
独特の唐突さに支配されたアルバム。MESHUGGAHのG、フレドリック・トーテンダルゲストも参加。
テクニカル度・・8 変態度・・9メロディアス度・・7 総合・・8
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MATS/MORGAN「LIVE」
スウェーデンの超絶テクニカルコンビ、マッツ/モルガンのライブアルバム。
ザッパと共演したことでも知られる彼らだが、このライブでも期待にたがわぬ圧倒的な演奏を披露。
テクニカルで高度な変拍子バリバリの楽曲を、ユーモラスに、余裕すら感じる演奏で突っ走る。
あえてジャンル分けするのなら、ジャズロックだが、メロディが前に出ているので退屈することなく聴け、
しかも真剣に聴けば聴くほどその驚愕の演奏力に腰を抜かすという具合。
モルガンのドラムはマイク・ポートノイばりに手数が多く、正確で豊かな表現力は素晴らしい。
多様な音色を操るマッツのキーボードも<歌がなくとも十分フロント楽器たりえている。
これに似ているバンド(テクニカルでしかもユーモラスという点で)といえば
硬質感のあるなしで異なるが、同じ北欧のサムラということになるのだろうか。
テクニカル度・・10 変態度・・10 メロディアス度・・6 総合・・9
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MATS/MORGAN「ON AIR WITH GUESTS」
スウェーデンの変態アヴァンデュオ、マッツ・アンド・モルガンのライブアルバム。2002作。
盲目のキーボーディスト、マッツと超絶バカテクドラマー、モルガンのコンビ。
彼らの作り出す異常にして人智を超えたような楽曲群はライブでこそ本領が発揮されるらしく
「本当にコレライブでやってんの?」と尋ねたくなるような演奏が繰り広げられている。
コロコロとした可愛らしいメロディをとんでもない変拍子に乗せたり、反復するリズムをずらし、
聴覚を麻痺させるようなアレンジをこなすかと思えばMESHUGGAHフレドリック・トーテンダルをゲストに、
ゴリゴリギターの変態メタルまで「なんだコリャ」の連続で、聴き終える頃にはあっけにとられている。
とくにモルガンのドラムはものすごく、手数、切れ味ともに信じがたいレベル。
これを本当に曲として覚えて叩いているのなら、彼は宇宙人といってよいかもしれない。
変態音楽愛好家、テクニカルプログレ好きはまず聴くこと。悶絶してください。
テクニカル度・・10 変態度・・10メロディアス度・・7 総合・・9
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MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR A FLYNG WITH US」
スウェーデンのテクニカル変態バンド、マッツ アンド モルガンの2005作
今回から正式にギター、ベースが加わり、5人編成でのバンド名義のアルバムとなった。
サウンドの方はこれまでと変わらず、たたみかける変拍子リズムや
コミカルなキーボードの音色、反芻するメロディなどの変態気味のチェンバーロック。
ずっと聴いていると脳内トリップできそうな感覚にも陥る、どこかスペイシーなサウンドで
既成のロックの枠組みにはまったくとらわれない独創的な(異常な)音楽が楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN BAND「Heat Beats Live」
スウェーデンの超絶アヴァン・レコメンバンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドのライブ音源集。2008作
全盲のシンセ奏者マッツと、KAIPAなどでも活躍する凄腕ドラマー、モルガンのユニットとして
1996年にデビュー、アルバムを2作出した後、2005年バンド編成となり現在までに2作を発表。
本作はライブ音源としては3作目で2005、2007年のライブを収録。とぼけた味わいと緊張感が同居した、
曲になっているのか、なっていないのかと、一聴して理解に苦しむようなアヴァンギャルドさと
即興感たっぷりの演奏を繰り広げている。DVDには1991〜2007年までのライブ映像などを収録。
ライブ演奏・・8 即興度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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MATS MORGAN BAND「The Music or the Money」
スウェーデンのアヴァン(ポップ)ロックバンド、マッツ・モルガン・バンドの2010作
もともとが2枚組であった2ndにボーナス12曲を追加し、ジャケや曲順も変更した2010年新装盤。
全盲のシンセ弾きマッツの常人離れしたシンセワークと、モルガンの技巧的かつ軽妙なドラム、
そして、バンド編成になっての楽曲では、ベースを含めたアンサンブルにも磨きがかかり、
ただアヴァンギャルドなだけではなく、音楽的にもひとつ芯が通ってきたという印象がある。
本作では、マッツの曲とモルガンの曲、そしてバンド編成の曲がバラバラに入っていて、
アートな感性の宇宙人的奇妙さであったり、超絶でテクニカルかつコミカルであったりする…
一括りで言うなら「楽しいヘンタイ」というような、斬新なサウンドが目一杯詰まっている。
頭で理解しようとは思わず、ノリと感性、右脳で楽しむ、ワンダーなアヴァン・プログレ作品である。
テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・9
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MEGACE「Human Errors」
ドイツのテクニカル・スラッシュメタルバンド、メガスの1st。1991作
女性ヴォーカルのテクニカル・スラッシュという当時にしてはなかなか珍しいスタイルで、
せわしない曲調に田舎臭い女性Voが歌を乗せ、ときおり彼女がデス声で歌うのだが、
この声がまたヒステリックで気持ち悪いというか…当時はえらく耳障りに感じたものだ。
今でこそ女性のスクリームヴォイスは珍しくもなくなったが、ある意味その先駆けか。
日本の五人一首の「あの字」嬢の歌唱に通じるものがある、と言えばイメージしやすいだろうか。
曲調もWATCHTOWER系を目指しているようだが、そこまで凄くはなく、どこか中途半端で
B級臭いのだが、女性声のインパクトとともに、キワモノ系のリスナーにはまあまあ楽しめるだろう
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 女性声インパクト度・・9 総合・・7.5

MEGACEInner War
ドイツのテクニカル・スラッシュメタルバンド、メガスの2nd。1999作
1991年の「Human Errors」、てっきりこの1枚のみで消えたと思っていたら、
8年後にこのアルバムを出していたんですね。まったく気づかなかった。笑
サウンドの方はずいぶん音がパワフルになっていますね。ヘンタイ気味の楽曲はそのままに、
そこに乗るギターリフが力強くなった。そして綺麗声と汚声を使い分ける女性ヴォーカルも
相変わらず少し気持ち悪くていい感じです。今作ではややダーティに歌うパートが増えていて
前作での不気味なヒステリックさよりも、女性メタラー的な強さが感じられるようになってます。
曲によってはメロディアスな部分もありつつ、ヘンテコなProgMetalとしても楽しめるかと。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 女性声インパクト度・・8 総合・・7.5
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MEKONG DELTA 「Dances Of Death」
ドイツのテクニカルスラッシュメタルバンド、メコン・デルタの4th。1990作
鬼才ラルフ・ヒューベルトを中心に、クラシックとスラッシュメタルを融合させるという無茶なテーマをかかげて結成されたこのバンド。
メンバー名を伏せながらも、名手ヨルグ・マイケルやLiving Deathのメンバーなどが参加していた。
本作は20分におよぶタイトル曲を含め、これまでのアルバム以上に細密に構築された大傑作。
変則リズムの嵐とクラシックの手法で作られた組曲は圧巻のひと言で、荘厳にして美しい。
スラッシーな激しさを失うことなく、これほどの知性と芸術性を兼ね揃えたバンドはそうはいない。
“はげ山の一夜”のカヴァーも見事。次作「Kaleidoscope」も完成度の高い傑作である。
ドラマティック度・・9 知的度・・9 スラッシュ度・・8 総合・・9
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MEKONG DELTA 「Kaleidoscope」
ドイツのテクニカル・スラッシュメタル、メコンデルタの1993年作
バンドとしての最高傑作となった前作「Dances of Death」に続くスタジオアルバム。
変則リズムたっぷりに疾走するテクニカル・スラッシュは、ぐっと整合感を増したアンサンブルとともに、
これまでよりもぐっと聴きやすくなっていて、もはやプログレッシブなテクニカルメタルと言ってよい。
Genesis“Dance on a Volcano”のカヴァーや恒例のクラシック本家取り…ハチャトゥリアン“剣の舞”も含め、
知的センスに包まれた見事な構築性は、バンドとしていよいよ次の段階に入ってきたという感じもある。
ドラマティック度・・8 メタル度・・8 知的センス・・9 総合・・8.5
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MEKONG DELTA 「Visions Fugitives」
ドイツのテクニカル・スラッシュメタル、メコンデルタの1994年作
2曲目までは前作からの流れの硬質に構築されたサウンドであるが、
続いて始まる“グループとオーケストらの組曲”と題された20分を超える組曲は
かれらがこれまで培ってきたクラシックカヴァーのアプローチを取り入れたような、
ミステリアスでプログレッシブな聴き心地で、オーケストラルなアレンジを含んだシンフォニックな感触もある。
クラシック的手法とメタルサウンドの融合という探求を完璧に成し遂げ、彼らは次作にていよいよ、
「展覧会の絵」のメタル解釈へと取り掛かるのである。その布石というにはあまりに素晴らしい傑作だ。
クラシカル度・・8 メタル度・・7 探求度・・9 総合・・9
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MEKONG DELTA 「Pictures at An Exhibition
ドイツのテクニカル・スラッシュメタル、メコンデルタの1997年作
鬼才、ラルフ・ヒューベルトを中心にクラシックとスラッシュメタルの融合を実践するこのバンド、
1stの時点からからすでに複雑なリズムアプローチとクラシックのカヴァーなどを行っていたが、
本作は、彼の長年の夢であったムソグルスキーの「展覧会の絵」を完全再現した作品である。
かつてのEL&Pなども手掛けた名曲であるが、それよりもはるかな緻密な研究と解釈がなされ、
キーボードを使わず、ギター、ベース、ドラムのみで壮大な世界を再現してゆくさまは圧巻だ。
これはまさに、クラシックの完全メタル化というかつてない歴史的偉業といってよいだろう。
後半にはオーケストラアレンジを加えたバージョンも収録しているが、こちらはオマケのようなもので
聴き比べてみれば、バンドスタイルでの躍動感ある再現に軍配が上がるだろう。燦然と輝く異色の傑作。
クラシカル度・・9 メタル度・・7 探求度・・10 総合・・8.5
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MEKONG DELTALurking Fear
ドイツのテクニカルメタルバンド、メコン・デルタの復活作。2007作
スラッシュメタルとクラシックの融合、ムソグルスキーの「展覧会の絵」の完全再現など、異端の偉業ともいうべき音楽活動で、
メタルという音楽のディープな深化に貢献してきた鬼才ラルフ・ヒューベルと率いるこのバンド、約10年の沈黙を破ってまさかの復活だ。
メンバーの方は、リーダーのラルフ・ヒューベル以外はがらりと変わり、ギターには元Theory in Practiceのピーター・レイク、
シンガーにはWOLF SPIDERANGEL DUSTCROWSといったマニア好みのバンドで歌っていたレオ・スピーゲル、
そして元GAMMA RAYHELLOWEENのウリ・カッシュがドラムを叩く。サウンドの方は、たとえメンバーが変わろうとも、
楽譜から曲を起こすラルフの作曲法と、実力者揃いの演奏陣のおかげで、まさに往年のメコンデルタそのものといってよい。
複雑に絡むギターとベースによる細かなキメの連続に、これでもかという変拍子リズム、
そして、ある種荘厳ですらあるクラシカルでストイックな空気が聴き手の脳を刺激する。
変態系メタルとして、芸術的なアートメタルとして、再び味わえる彼らの音楽を存分に楽しみたい。
恒例のクラシック本家取りカヴァーはショスタコーヴィッチの「交響曲第10番」。
なお、輸入盤の限定版では1991年のライブ映像が楽しめるボーナスDVD付き。
ブートレグだが映像、音質ともに良好で、往年の彼らの凄まじい演奏が視覚的にも楽しめる。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 メコンデルタ度・・9 総合・・8.5
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Mekong Delta「Wanderer on the Edge of Time」
ドイツのテクニカルメタルバンド、メコン・デルタの2010年作
2007年の復活作Lurking Fearはまさに感涙ものであったが、3年ぶりとなる本作では
またしてもメンバーががらりと変化、ヴォーカルにTomorrow's EveのMartin LeMar、
ドラムはAXXISのAlex Landenburg、ギターはBenedikt Zimniak(…誰?)とAnnon Vinに在籍していた
Erik Groschというメンツであるが、ブレインであるRalf Hubertさえいれば音楽性が変わるはずもなく、
クラシカルな優雅さとスラッシーな激しさを合わせたメコンデルタ節は健在。美しいイントロで幕をあけ、
変則リズムの嵐でたたみかけるサウンドに思わずにやにや。まさに技巧と芸術のスラッシュメタルだ。
今作はアルバム全体が組曲方式になっているという点でも、かつての名作「Dances of Death」
Visions Fugitives」などを思い出させ、プログレッシブな知的さとクラシカルな美意識が際立っている。
楽曲における極端な静から動への展開も含めて、底の知れない不気味さと壮大さが光る傑作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 技巧と芸術度・・9 総合・・8.5
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Mekong Delta Intersections
ドイツのプログレッシブ・スラッシュメタル、メコン・デルタの2012年作
2007年の復活から数えて3作目となる本作は、なんと過去曲のリメイクアルバムとなった。
現メンバーでのリレーコーディングによりで甦った楽曲の数々は、昔からのファンにはなつかしく、
むしろ若いファンにとっては、奇抜なスラッシュメタルとして新鮮に楽しめるに違いない。
初期の作品の頃の荒々しい迫力は薄れているが、その分楽曲のもつ知的な構築性が感じられ、
変則リズムでたたみかけるミステリアスなサウンドは、20年以上たった今でも古さを感じさせない。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 変則スラッシュ度・・8 総合・・8
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MEKONG DELTA 「In a Mirror Darkly」
ドイツのテクニカルスラッシュメタル、メコン・デルタの2014年作
鬼才、ラルフ・ヒューベルトを中心にした知的スラッシュメタルバンド、2007年の復活作から数えての4作目となる。
前作は過去曲のセルフリメイクアルバムであったが、本作は2010年作「Wanderer on the Edge of Time」以来のオリジナル作。
ProgMetal的なテクニカル性と、螺旋構造を描くような知的なギターリフと存在感あるベースとともに描かれるサウンドは
より自然体の一体感をともなって、ある意味とても聴きやすくなった。かつてのCYNICにも通じるようなミステリアスで、
広がりを感じさせる構築センスはじつに素晴らしい。全体的にはスラッシュ的な激しさやクラシカルな要素と変態性は薄まったものの、
むしろプログレメタル的に楽しめる、間口が広がった好作と言えるだろう。一度でいいからライブが観てみたいですわ!
ドラマティック度・・8 知的センス度・・9 ヘンタイ度・・7 総合・・8
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MESHUGGAH「I」
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーのミニアルバム。2004年作
ミニといっても21分の大曲1曲、という異常な構成なのはいかにもこのバンドらしい。
例によって無機質かつ冷徹なリフと変則リズムの嵐で聴き手を圧殺するサウンドだ。
メカニカル化の過程という点では、続く「CATCH 33」の荘厳なる完成度の手前だが、
テクニカルスラッシュ的な質感を、このように変態音楽にまで高めてゆく
彼らの“偉業”の一端がこの作品でもしっかり垣間見える。
メロディアス度・・2 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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MESHUGGAH「CATCH THIRTYTHREE(33)」
スウェーデンの変態デスメタルバンド、メシュガーの5th。2005作
鬼才フレドリック・トーテンダル率いるこのバンドの究極の形がついに…
やはり凄いですね。変拍子リズムに乗る反復されるゴリゴリのギターリフ、
この冷徹なまでのメカニカル化には人間の温かみは皆無。
延々と繰り返される異常リズムと、機械化されたリフの波は混沌たる硬質感をともない、
息苦しくもどこか心地よく…いつしか脳内で奇妙な快感へと変わってゆく。
メタルというよりは、これはもはや素晴らしきトリップミュージックですな。
メロディアス度・・3 変態度・・8 トリップ度・・9 総合・・8
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MESHUGGAH「Nothing」
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーの2006年作
1991年にデビュー、風変わりなデスメタルという程度であった初期から、
しだいに変則リズムと硬質なギターリフを中心に聴かせる異色の作風へと進化、
3rd「Chaosphere」から4th「Nothing」で、現在に続くスタイルを確立する。
本作はその2002年作「Nothing」をリミックスし、ボーナスDVDの付いた再発盤。
変拍子に乗せるザクザクのギターと、ベースを含めたうねりのあるトリップ感とともに、
無機質な硬質感で独自の世界観を描いている。速さよりも絡みつくような重さで
変態的なサウンドが脳をしびれさせる。DVDには2005年イギリスでのライブとPVを収録。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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MESHUGGAH 「ObZen」
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーの6th。2008作
前作「CATCH THIRTYTHREE」は荘厳なまでの無機質なメカニカル化を極めた作品で、
強烈な印象を残したが、続く今作はジャケからして仏教的な禅を思わせる異色の雰囲気だ。
サウンドの方は相変わらずのテクニカルなリズムに反復リフのキメによるメシュガー節だが、
今回は4、5分台の曲を中心に、意外と曲として聴き安い(以前に比べると)作りになっている。
フレドリック・トーテンダルの8弦ギターの奇妙なリフに加え、うねるようなベースの音も目立っており
硬質一辺倒だった前作よりも、バンドとしてのアンサンブルが前に出てきている印象だ。
ザクザクとした無機質感の中にもリズムのハネとグルーブを打ち出してきたことで、
怪物のような不気味さは減退したが、音楽としてのまとまりの点ではリスナーを増やすかもしれない。
硬質度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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MESHUGGAH「Alive」
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、メシュガーのライブアルバム。2010作
2008年の「ObZen」発表後のツアーから、東京、トロント、モントリオール、ニューヨークでの公演から
CDに12曲、DVDには曲の合間にツアードキュメンタリーなどを含んだ105分を収録。
演奏はライブにおいてもカッチリとした安定感がさすがで、変拍子とポリリズムの嵐を軽々とこなし、
CDだけではアルバムで聴く以上の驚きはないのだが、DVDの映像で見ると、
メンバーの高度な技量とともに、バンドとしての生々しいうねりとノリがより楽しめる。
フレドリック・トーテンダルの8弦ギターから繰り出されるリフと、存在感あるベースとドラムが合わさり、
独自のグルーブ感とともにモダンなヘヴィネスが生み出される。そのサウンドはやはり圧巻極まりない。
ライブ演奏・・9 ヘンタイ度・・9 DVDで見よ度・・9 総合・・8
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Meshuggah「Koloss
スウェーデンのテクニカルメタル、メシュガーの2012年作
硬質感あるメカニカルなリフと変則リズムを組み合わせた独自のスタイルで、
Djent系というジャンルも作り出した異色のバンド。7作目となる本作は、
前作「ObZen」での楽曲としての聴きやすさから、硬質なギターリフとうねりのあるベースを含む
変則リズムで構築される、彼ららしいトリップ感のあるテクニカル・デスメタル風のスタイルが戻ってきている。
スピード感はさほどでもないが、その分リフの存在感が際立ち、反復されるフレーズと空間性を感じさせる
よりミステリアスな空気感を漂わせている。曲によってはスラッシーな疾走など、初期に通じる部分もありつつ、
さらにダークで観念的な境地も感じさせる。いわば前々作「Catch 33」を荘厳にしたような力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 荘厳度・・9 総合・・8
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Meshuggah 「The Violent Sleep of Reason」
スウェーデンのテクニカルメタル、メシュガーの2016年作
1991年にデビュー、メカニカルなリフと変則リズムを組み合わせた独自のスタイルで、Djent系の元祖ともされるバンド。
8作目となる本作も、のっけから重厚なギターリフを変拍子まくりのリズムに乗せた、濃密なメシュガーサウンドが炸裂。
ヘヴィで硬質でありながらも、うねりのあるベースの存在感とともに、どこか有機的でトリップ感を覚えるようなサウンドは、
さらに荘厳な説得力を増してきている。ダミ声ヴォーカルまでもが、ときにリズムの一部と化して溶け込んでゆくような感覚…
フレドリック・トーテンダルのかつてのソロ作品「SOL NIGER WITHIN」にも通じるプログレッシブかつアヴァンギャルドな芸術性が、
さらに高度な演奏力とグルーブをまとい、音の塊となって襲い掛かってくる。異端のテクニカルメタルの極北というべきか、
この路線では究極というべき円熟の域に到達した本作は、Djent云々を軽々と超越した孤高の傑作であろう。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・9 荘厳度・・9 総合・・9
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MNEMIC「MECHANICAL SPIN PHENOMENA」
デンマークのテクニカル・メタルバンド、ネミックの1st。2003作
音圧のあるヘヴィリフの応酬に、変則リズムとなれば、思い出すのはMESHUGGAHであるが
そこまでゴリ押しではなく、曲にはかすかにメロディと正常な展開もあり、変態すぎないところがミソ。
ハードコアやオルタナ的な無機質感がありながら曲調には整合性があり
変態系テクニカル(デス)メタルの中では案外聴きやすい部類かもしれない。
曲によってはデジタル風味を取り入れているのも現代的。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
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MNEMIC「THE AUDIO INJECTED SOUL」
デンマークのテクニカル(デス)メタルバンド、ネミックの2nd。
MESHUGGAHの登場以降、この手の変態系テクニカルメタルバンドがいくつか現れたが
このバンドはポスト・メシュガーの1番手といってよいかも。畳みかけるヘヴィリフと、変則リズムに、
現代的モダンヘヴィの感覚を盛り込んだ音だがVoの歌メロなどには叙情性も感じられ、押し一辺倒だけではない。
ヘヴィロック+テクニカルメタル+哀愁という雰囲気で、変態なのだが整合性もあるというサウンドは、
現代的な都会の多重構造を表しているようにも思える。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
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Morgan Agren、Henry Kaiser、Trey Gunn「Invisible Rays」
モルガン・アグレン、ヘンリー・カイザー、トレイ・ガンによるユニットの2011年作
メンバーがメンバーだけに、いったいどんなにヘンタイな音楽なのだろうと、
ジャケを見ながら想像していたが、のっけから22分の大曲で、トレイ・ガンのヘヴィなベースを軸に、
クリムゾンばりの硬質感を描き出しつつ、モルガン・アグレンの手数の多い奔放なドラムと
ヘンリー・カイザーのフリーキーなギターが加わると、ある種、とんでもなく混沌とした聴き心地になる。
それでいて、アンサンブルはときおり奇妙な一体感をともなって、アヴァンギャルドな感性と
硬質でモダンなセンスが交差する。アルバム中盤の小曲はやや雑多な感もあるが、
愛想はよくない技巧派ヘンタイ作品として、その筋の方には楽しめるでろう。
メロディック度・・5 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・7.5


MUTANT「THE AEONIC MAJESTY」
THEORY IN PRACTICEのメンバーによるテクニカル・ブラックメタル、ミュータントの2001年作
これはようするにブラックメタル版のセオリー・イン・プラクティスということか?
ブラストビート込みで激走するドラムに、バックにはキーボード、Voはダミ声ブラック。
意外にメロディアス、ドラマティックで曲展開も多く、T.I.P同様変拍子も使用したりしているが、
音像的にはシンフォニックなブラックなので、ヘンタイ系であっても非常に聴きやすい。
テクニカル・シンフォニック・ブラック、という意外とありそうでない新鮮な部分を突いている。
シンフォニック度・・7テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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My Name is Janet 「Big Unveiling in the Town of Dead」
多国籍エクスペリメンタル系メタルユニット、マイ・ネーム・イズ・ジャネットの2015年作
ロシアのプログレバンド、AVIVAのシンセ奏者を中心にしたユニットで、
モダンできらびやかなシンセアレンジと、適度にメタル寄りのギターが合わさり、
Devin Townsendなどにも通じる、シアトリカルなヴォーカルとともに、ジャンル分け不能な
ボーダーレスなサウンドを描いている。エレクトロな感触やときにヒップホップ的な部分もありつつ、
それをミステリアスな空気感で包み込んだという、エキセントリックなセンスが面白い。
プログレ的なセンスも垣間見せつつ、メタル要素もしっかりあり、怪しくエクスペリメンタルであるという、
とらえどころのないサウンド。個人的にはもっとヘンタイ寄りにすれば、むしろ分かりやすかった気も。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・6 怪しげ度・・8 総合・・7.5
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Neglected Fields「Synthinity」
ラトビアのテクニカルデスメタルバンド、ネグレクテッド・フィールズの1998作
彼らの2nd「MEPHISTO LETTONICA」は、プログレッシブな感性が光る傑作であるが、
デビュー作である本作で聴かれるサウンドも、変則的なリズムと知的な展開力が光る
DEATHあたりを思わせる質の高いもので、ギターの奏でるリフにもセンスがあり、
ときおりメロディアスなフレーズが出てきたり、唐突に女性コーラスが入ったりと面白い。
デスメタルとしての暴虐さよりも、テクニカルメタルとしての要素が強いので、
ヴォーカルを別とすればProgMetalのリスナーにも楽しめるバンドだろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 知的センス度・・8 総合・・8
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NEGLECTED FIELDS「MEPHISTO LETTONICA」
ラトビアのプログレッシブデスメタルバンド、ネグレクテッドフィールズの2nd。2000作
テクニカルな変拍子入りの演奏に、デス声とまではいかないわめきヴォーカルが歌を乗せる。
激烈さや疾走する暴虐性よりも、本作ははむしろ荘厳さと叙情美にこだわっているようで、
随所に壮麗なキーボードアレンジやメロディックなギターが展開力のある楽曲の中に光っている。
4、5分台中心の楽曲は、複雑であっても難解さはなく、案外メロディアスで聴きやすい。
次作「SPLENETIC」を最後にバンドは沈黙することになるが、ラトビアという辺境性を抜きにしても
個性的でセンス豊かなサウンドを描いていた。プログレッシブなテクニカルデスが好きな方はぜひ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 荘厳度・・8 総合・・8
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NEGLECTED FIELDS「SPLENETIC」
ラトビアのプログレ・デスメタルバンド、ネグレクテッド・フィールズの3rd。2006作
前作「MEPHISTO LETTONICA」DEATHを思わせるテクニカルなプログレデスの傑作だったの
日本盤ボーナスを除けば35分ほどと、無駄なくシャープにまとまっていて、
全体的には暴虐さがアップしているという印象。せわしないリズム展開に
二本のギターとベースが唸りを上げ、そこにエフェクトのかかったデスヴォイスが絡む。
前作よりもシンセの頻度が減ったことで、複雑な楽曲の中にも突進力が勝っていて
テクニカルメタルでありながらも暴虐音楽としても充分に機能している。
音自体がモダンになったこともあり、若いリスナーなどにも違和感なく聴けるだろう。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Ne Obliviscaris 「Portal of I」
オーストラリアのプログレ・ブラックメタル、ネ・オブリヴィスカリスの2012年作
のっけから激しいブラストビートが炸裂、ツインギターのリフを乗せてたたみかけ
デスヴォイスとノーマルヴォイスか絡む、重厚なサウンドに圧倒される。
美しいヴァイオリンが鳴り響いたり、メロディックな叙情パートも含んだ極端なまでに
緩急のついた楽曲展開と、ミクスチャーメタル的でもあるモダンなセンスとともに、
知的な構築力を見せつける。そういう点では、Between The Buried And Meなどにも
通じる感触もあるかもしれない。全7曲中、6曲が9分以上という大作志向で聴き応え充分。
ドラマティック度・・8 モダンセンス度・・9 プログレブラック度・・8 総合・・8



NE OBLIVISCARIS 「Citadel」
オーストラリアのプログレ・デスメタル、ネ・オブリヴィスカリスの2014年作
前作も激しくも知的な力作であったが、今作は壮大な雰囲気のイントロから始まり、続く16分の組曲では、
咆哮するデスヴォイスとヘヴィなギターリフを乗せてブラストを含む激烈さでたたみかけつつ、
艶やかなヴァイオリンが鳴り響く唐突なクラシカルパートなども含めて、じつにプログレッシブな味わいだ。
クリーンヴォーカル出てくるメタルコア的なモダンさも含めて、やはりBetween the Buried and Meにも通じる
濃密かつエキセントリックなセンスに包まれている。この路線であれば、個人的にはデス声は減らしてもいいような気もする。
大曲中心の作品なので、プログレッシブな構築性が楽しめる方でないと、ややつかみづらいかもしれない。今回も力作デス。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 濃密度・・8 総合・・8
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ObscuraCosmogenesis」
ドイツのテクニカルデスメタル、オブスキュラの2009年作
これが2作目ということだが、かつてのDEATHを思わせるようなテクニカルかつ
個性的なプログレッシブ・デスメタルである。変則リズムとキメによる技巧美と
ギターによるメロディアスなフレーズも随所に盛り込み、たたみかける激しさ以上に
知性ある構築性を感じさせる。最近でいうとBraindrillなどに通じるヘンタイ気味のセンスと、
案外古き良きテクニカルデスの質感が融合していて、ある意味でバランスがよいサウンドだ。
極端でいながらも聴きやすいという意味で、普通のデスメタルが苦手な方にも楽しめる力作である。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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OBSCURA「Omnivium」
ドイツのテクニカルデスメタル、オブスキュラの2011年作
かつてのDEATHを継承するような力作となった前作に続く3作目。
叙情的なイントロから、ツインギターのメロディで、メロデス風味を増しつつも、
激しい疾走感とテクニカルな切り返しは健在。今作ではさらにノーマル声で歌う
クリアな叙情パートを盛り込んだり、プログレッシブ・デスへとより接近している。
モダンなデスコア風味でブラストする激しさもあるのだが、メロディの度合いが増したことで、
いくぶん間口が広がったともいえる。力作だとは思うが、この先どうしてゆくのか行き詰まりも感じる。
メロディアス度・・8 デスメタル度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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OCTOPUS 「BONSAI」
チリのテクニカル・メタルバンド、オクトパスの2nd。2006作
ギター2人にドラム、ベースという4人組で、オールインストのテクニカルメタルをやっている。
ギター によるヘヴィなリフを主体に、シーケンサーを取り入れたモダンなアプローチもあり、
テクニカルなキメと即興一歩手前の演奏でたたみかけるなど、一筋縄ではいかない。
音像はメタルながらも心はプログレッシブということか。 ときおりMESHUGGAH状態になる。
ザクザクなリフがメインながらも、ときおりメロディアスなフレーズを折り込んでくるので、
聴いていてさほどは疲れない。ヴァイオリンやチェロなどをゲストに迎えた曲もあり、
この手の変態テクニカル系としてはセンスも演奏力も抜群だ。SPASTIC.INK
CANVAS SOLARISなど、変態系メタルマニアは要チェック!
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
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ORAKLE 「Eclats」
フランスのアヴァン・テクニカルメタル、オラクルの2015年作
ツインギターの複雑な絡みとうっすらとしたシンセアレンジ、変則リズムを含んだプログレッシブな味わいのサウンドで、
マイルドなノーマルヴォイスとデスヴォイスを使い分けたモダンな感触は、Between The Buried and Meなどの
カオティック・コア系の雰囲気にも近い。テクニカルで知的な構築力と、随所に激しいブラストパートも含んだ
緩急のついた展開はなかなか面白く、フランス語によるヴォーカルの優雅な味わいも個性になっている。
適度な叙情性も覗かせつつ、先の読めないアヴァンギャルド性と冷徹な知性がサウンドを巧みに彩っていてる。
ヨーロピアンなカオティックコア、あるいはモダンなプログレッシブ・メタルとしても楽しめる強力作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的センス・・9 総合・・8
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Polarization「Chasing the Light」
アメリカのテクニカルメタル、ポラリゼーションの2012年作
ギター、ベース、ドラムというトリオ編成で、変則リズムを多用したオールインストの
テクニカルメタルを基本に、随所にメロディックな要素も聴かせる、プログレメタル的な質感もある。
MESHGGAHをぐっと聴きやすくした感じという点では、インドのSkyharborあたりにも通じるか、
ヘヴィすぎず、変態すぎず、軽やかでモダンな知的さを含んだ高品質なテクニカルメタル作品。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・7 総合・・8
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Procosmian Fannyfiddlers 「The Rolling Court Massacre」
ノルウェーのプログレバンド、プロコスミアン・ファニーフィドラーズの2001年作
ギター、ドラム、ヴォーカル、シンセをこなす、フィスト・アナル氏を中心にした4人編成で
本作はACT I、II に分かれたロックオペラ的な壮大なる(たぶん)コンセプト作品。
軽快なリズムにカントリー的なギターとアコーディオン、プログレ的なシンセが乗り、
アヴァンギャルドな展開に、男女ヴォーカルの歌声…女性Voメインの部分も多いです。
語りによる寸劇も含んだシアトリカルな雰囲気と、コミカルでありつつもどこか哀愁を感じさせる作風は
まぎれもなく本気のヘンタイである。メロトロンをバックに歌が重なるところは妙に感動的であったり、
おちゃらけとエキセントリックな感性が壮大に合わさった、一筋繩ではいかない異色の力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8




RAM-ZET「ESCAPE」
ノルウェーのプログレッシブ・ゴシック/ブラックメタル、ラム・ゼットの2nd。2002作
1stは未聴なのだが、この2ndを聴く限り、ブラックというよりはゴシック系のバンドなのかと思う。
爬虫類声の男Voに美声の女性声が絡まり、曲はデジタリィでありながらシンフォニックでもあり
ときおり疾走するところではブラックメタル要素もある。ようするにプログレ・ゴシックといってもいいサウンド。
インダストリアル系のヘヴィギターにクラシカルなピアノ、キーボード、ヴァイオリン、そして展開の激しい楽曲と、
ゴシックの耽美性とアヴァンギャルドかつ知的なセンスを覗かせながらも、なおメタルとして成り立っているのが凄い。
なんでもあり系のプログレゴシック(ブラック)という点でSOLEFALDなどにも通じるものがある。
テクニカル度・・8 変態度・・8 シンフォニック度・・8 総合・・8
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RAM-ZET「INTRA」
ノルウェーのアヴァンギャルド(変態)メタルバンド、ラムゼットの3rd。2005作
男女Voにヴァイオリン入りの6人組みで、インダストリアルがかったヘヴィロックと
ゴシックメタル風の雰囲気にテクニカルな展開を組み合わせた個性的なサウンド。
せわしなさと耽美的なダークさが混在した楽曲はどれも一筋縄では聴けない
ようするに変態…多重人格…分裂症的で、普通の音楽が嫌いな方向き。
前作に比べてややモダンなヘヴィさが増した印象であるが、女性Voの歌唱やピアノ、ヴァイオリンなどは
クラシカルかつプログレッシブでそんな混在が楽しめるかどうかで、このバンドへの評価が変わってくるかもしれない。
今回はクレイドルばりに疾走するシンフォブラックパートも有り、アグレッシブ感が増している。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
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RAM-ZET「Neutralized」
ノルウェーの、アヴァンギャルド・ブラックメタルバンド、ラム・ゼットの4th。2009作
リーダーのZet氏を中心に、女性Vo、女性Vln、女性Keyを含む6人組で、ブラックメタル、ゴシック、
インダストリアルと、様々な要素を詰め込んで分裂症的な変態サウンドを聴かせるこのバンド。
今作もサイバーなインダストリアル色と、シンフォニックブラック風味を融合させた世界観に、
女性ヴォーカルやヴァイオリンなどが耽美に彩りを加える、独自のサウンド構築が素晴らしい。
やや激しすぎだった印象の前作よりも、シンフォニックで美麗な要素が引き立っていて、
スペイシーなシンセワークとともにスケール感が加わった。ARCTURUSの女性声版という感じもある。
シンフォニック度・・8 アヴァンギャル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Raoul Bjorkenheim, Bill Laswell, Morgan Agren 「Blixt」
ノルウェーのアヴァン・ジャズロック、SCORCH TRIOのギタリスト、ラウル・ビョーケンハイムと
Mats/Morganのモルガン・オーギュレン、そしてアメリカの大御所ベーシスト、ビル・ラズウェルによるユニットの2011年作
それぞれが鬼才というべき強烈な個性を持ったプレイヤーによるトリオであるから、当然のように超絶なバトルと、
テクニカルなアンサンブルでたたみかける。フリーなジャズロックといえばそれまでだが、型にはまらない奔放なギターに、
軽やかにして攻撃的なモルガンのドラム、そしてどっしりとしたベースを響かせるビルによるインタープレイは、
息もつかせぬ緊張感で、もはやジャンル分け不能。アヴァンギャルドでフリーキーでありながら、不思議とアンサンブルの一体感が
楽曲に方向性を与えていて、決してごちゃごちゃな感じにはならないところは、各メンバーのセンスと素養の豊かさだろう。
演奏度・・9 テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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RH FACTOR「RODLER HULTBERG」
アメリカのプログレメタルユニット、RH ファクターのアルバム。1998作
LEGER DE MAINのGとDrが中心となったバンドでRUSHのテクニカルな部分を抽出したような
変拍子全開のテクニカル・プログレサウンド(LEGER DE MAINについてはCDレビュー/プログレメタルを参照)。
癖のあるVoが好みを分けるかもしれないが、テクニカルメタル好きにはうってつけの内容。
メロディアス度・・7テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・7.5
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RON JARZONBEK「SOLITARILY SPEAKING OF THEORETICAL CONFINEMENT」
WATCH TOWERのギタリスト、ロン・ジャーゾンベクのソロ作。2002作
RIOTのドラマーである、ボビー・ジャーゾンベクのお兄さんで、Blotted Scienceでも活躍中。
本作も期待通り、超絶変拍子まくりのインスト作品。全45曲切れ目なし、最短で4秒という曲(?)もあり、
全編変態チックなキメとジャズロック的リズム感覚を強引にメタル音に変換ました的な、
聴いていて乗るに乗れない、素晴らしい内容になっています。意外にもメロディを奏でるパートもありますが、
それが過ぎると再び変態の渦に…。WATCHTOWER好きの異常なアナタにも自信をもってお薦めできるヘンタイ傑作です。
テクニカル度・・9 変態度・・9メロディアス度・・6 総合・・8
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The Safety Fire 「Grind the Ocean」
イギリスのテクニカルメタル、サーフェティ・ファイアの2012年作
テクニカルな変則リズムに、スクリーム気味のヴォーカルを乗せた、モダンなサウンドで、
いわゆるカオティックコアやテクニカル・スクリーモといった雰囲気の聴き心地で、
Between Buried and Meあたりに通じる、緩急のついたヘンタイ気味のせわしない展開と、
適度にエモーショナルな叙情性も含ませた、若手らしいボーダーレス感に包まれている。
より洗練される次作の出来に比べると、まだ荒削りの若さと未完成感を残している。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・7 総合・・7.5
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The Safety Fire 「Mouth of Swords」
イギリスのテクニカルメタル、サフェティ・ファイアの2013年作
変則リズムたっぷりのテクニカル性と、エモーショナルなヴォーカルの歌声を乗せた、
適度なヘヴィさとモダンなセンスに包まれたサウンド。ときにメタルコア系のような激しめのギターリフに
スクリーム気味のヴォーカルも加わったりするいくぶん唐突な展開力は、いかにも若手バンドらしい思い切りの良さで、
いうなれば、THE MARS VOLTAやBetween the Buried and Meあたりにも通じるミクスチャー感覚というべきか。
キャッチーな歌メロとエッジの効いたギターサウンドで聴かせるモダン・プログレメタルの力作である。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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Scorch Trio「Luggumt」
ノルウェーのテクニカル・ジャズロックバンド、スコーチ・トリオの2nd。2005作
フィンランド出身のギタリスト、ラウル・ビューケンヘイムとノルウェーのベース、ドラムによるトリオで、
単なるフリージャズというには、あまりにアヴァンギャルドでテクニカルな演奏をやっている。
手数の多いドラムに、ジャズというよりは70年代ロック風のアナログ感覚をもったギタートーンで、
録音の生々しさも含めて、むしろ変態プログレ系のリスナーなどにも聴いて欲しいようなサウンドだ。
フリージャズロック度・・8 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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SERDCE「Timelessness」
ベラルーシのプログレッシブ・デスメタル、サードスの2014年作
美しいシンセによるイントロから、曲が始まると、変則リズムの上に硬質なギターリフと
ダミ声ヴォーカルを乗せた、いわゆるDjent風味のテクニカル・デスメタルとなる。
随所に巧みなベースプレイやシンセによるきらびやかな味付けがなされていて、
モダンでクールなセンスというのは、かつてのCYNICなどにも通じるものがある。
極端なリズムチェンジなど、唐突な展開も多いのだが、随所にノーマル声を織り交ぜるなど、
デスメタル的な暴虐さよりも知的な構築性やシンセによる美しさが前に出ているので、
激しすぎるブルデスが苦手な方などにも楽しめるだろう。案外軽やかに楽しめるプログレデス。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的センス度・・9 総合・・8
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SHINING「Blackjazz」
ノルウェーの変態メタル系プログレバンド、シャイニングの5th。2010作
もともとはKING CRIMSON/レコメン系のプログレバンドだったらしいが、今作のインパクトは凄い。
激しくたたみかけるドラムに乗せる歪ませたサックス、そしてまるでブラックメタルばりに
絶叫するスクリームヴォーカルと、タイトルのようにブラックメタルとアヴァン・ジャズロックの融合という
一種異様なまでのサウンドを作り出している。ノイジーでアヴァンギャルドな音像の中に、
インダストリアルなシンセアレンジや、変則リズムのテクニカルな知的さも織り込んで一筋縄ではいかない。
曲によってはMeshuggahあたりのファンにも対応。ラストはクリムゾンの“21世紀の精神異常者”のカヴァー。
変態プログレ度・・8 変態ジャズ度・・7 変態メタル度・・8 総合・・8
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SHINING 「Live-Blackjazz」
ノルウェーの変態系ミクスチャーメタルバンド、シャイニングのライブ作品。2012年作
スタジオ作の「Blackjazz」はブラックメタルとアヴァン・ジャズロックの融合というべき異色作であったが、
本作はそれをライブで再現したCD+DVDの2枚組。エレクトロな感じのシンセアレンジに
ヘヴィなギターとダミ声ヴォーカルを乗せたサウンドは、じつにエキセントリックで先鋭的。
ブラックメタル的な激しいブラストを含ませつつ、フリーキーにサックスが鳴り響くジャズ風味が合わさり、
一歩間違えれギャグになってしまうのだが、演奏力の高さもあってか、一種異様な迫力に満ちている。
ラストはKING CRIMSON“21世紀の精神異常者”のカヴァーで、絶叫するウォーカルの異常者的な雰囲気と
ヘヴィなギターに絡むサックスの音色が見事にハマっている。DVD映像ではバンドの迫力がより楽しめます。
ライブ演奏・・8 ジャズメタル度・・7 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Sieges Even 「Life Cycle」
ドイツのテクニカルメタル、シージス・イーブンの1988年作
2作目以降は難解な作風へと深化し、やがてスタイリッシュなプログレメタルになってゆくのだが、
本デビュー作においては、WITCHTOWER系のヘンタイ気味のテクニカルメタルをやっている。
変則リズムに乗せる硬質なリフにハイトーンヴォーカルで聴かせる、唐突なキメと展開は
アヴァンギャルド系メタルが好きな方にはにんまりだろう。本気で聴くとヘトヘトになるという異色作ですな。
メロディック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・7.5
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SIEGES EVENSophisticated
ドイツのプログレメタルバンド、シージス・イーブンの4th。1995作
せわしないテクニカルな展開に、変拍子のキメの連続がたまらない。
しかしヴォーカルは案外キャッチーなメロディも聴かせるというサウンドは、
その対比こそが面白く、この変態的なリズム感はテクニックのなせる技か、
同じドイツのMEKONG DELTAとはまた別の爽やか(?)なヘンタイ感覚である。
DREAM THEATERが「AWAKE」とかいうアルバムを出していたその同じ頃に、
こんなステキな作品があったのです。ああ…タマラン。このリズムの遊び方。
ひと癖ある浮遊感が気持ちよくなってきたら…アナタも立派な変態だ(笑)。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8.5
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SIEGES EVEN「UNEVEN」
シージス・イーブンの5th。1997作
基本的には前作同様のテクニカルメタルで、複雑なリズムの上にシンセとギターが螺旋のように絡まりつつ、
そこにメロディアスな歌メロが合わさって、非常に濃密な作風で楽しませてくれる。
奇妙な違和感が快感へと変わる、変則リズムのキメは前作ほど変態気味ではなく、
むしろ聴きやすくソフィスケイトされた分、一般のProgMetalリスナーにも勧められる。
またアレンジに余裕がでてきた分、プログレ、ジャズロック的な部分も増していて
一筋縄ではいかないセンスと器の広さを感じさせる。テクニカルなプログレ好きもぜひ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8.5
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sikTh 「The Trees Are Dead and Dried Out Wait for Something Wild'」
イギリスのアヴァンギャルド・ラウドロックバンド、シクスの1st。2003作
凄いとの噂は聞いていたが、ちゃんと音を聴くのは初めてだったりする。
うねりのある変則リズムの上をヒステリックなツインヴォーカルが絶叫し、
ノーマル声とメロディアスなパートを織りまぜつつ、曲はカオティックに進行してゆく。
プログレメタル的要素とコアな過激さ混ぜ合わせ、エモ風の哀愁メロも取り入れた
モダンなごった煮サウンドだが、彼らの場合はメロディの具合が分かりやすいのがポイント。
確かに変態系であるが、構成力もあり案外聴きやすいのが人気の秘密だろうか。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 変態度・・8 総合・・7.5
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sikTh 「DEATH OF A DEAD DAY」
イギリスのアヴァンギャルド・ラウドロックバンド、シクスの2nd。2006作
カオティックコアとも呼ばれるような、変態的でありつつも聴きやすいという不思議なサウンドで
デビュー作はなかなかの出来であったが、アメリカのレーベルに移ってのこれが2作目になる。
相変わらず破天荒な展開を見せながら、1stよりは曲調に整合感が出てきた印象で、
ヒステリックなVoが耳障りであるが、テクニカルなヘヴィロックとしてはそこそこ楽しめる。
反面、前作における魅力だった、キャッチーなメロディアスさを聴かせる部分での曲としてのメリハリは
やや減ったという印象もある。メタルというよりはモダンなテクニカルラウドロックの音像なのも若者向け。
8曲めあたりのスケール感を伸ばしてゆけば、ただのテクニカルラウドから一歩成長できるだろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・7.5
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Skyharbor 「Blinding White Noise」
インドのテクニカルメタル、スカイハーバーの2012年作
インドではMESHUGGAHが人気であるらしいが、このバンドもいわゆるDjent系というべきテクニカルなサウンドをやっている。
ヴォーカルはさほど激しいスクリームではないが、変則リズムとリフによる構築は
「メロディアスになったメシュガー」という印象で、モダンでプログレッシブな味わいだ。
ヴォーカルがエモーショナルに歌い上げる部分など、キャッチーなミクスチャー感覚もあって、
テクニカルメタル、プログレメタル方面のリスナーなどにも幅広く楽しめるだろう。
メロディックな「Illusion」と激しい「Chaos」に分けられたCD2枚組というのもこだわりが見える。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 メシュガー風味度・・8 総合・・8
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Skyharbor 「Guiding Lights」
インドのテクニカルメタル、スカイハーバーの2014年作
2枚組の力作であったデビュー作に続き、本作も変則リズムを多用した、いわゆるDjent系というべきサウンドに
エモーショナルなヴォーカルを乗せた、モダンなテクニカルメタルを聴かせる。今作ではさらに優雅なアンサンブルで
フュージョンメタル的なやわらかな感触が強まっていて、失礼ながらインド出身とはとても思えない洗練された作風だ。
楽曲は5〜9分と、比較的長めの曲もあるのだが、緩急のついたリズムとインストパートの展開力に、
やわらかなヴォーカルの歌声で聴き疲れしない。メタルというよりはフュージョンプログレ的にも楽しめる力作。
メロディック度・・8 テクニカル度・・8 優雅度・・8 総合・・8
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Sleepytime Gorilla MuseumGrand Opening & Closing」
アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルド・ロックバンド、スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアムの2001年作
プログレ、チェンバー、レコメン、クラシック、メタルなどの要素をごった煮にした、ようするにヘンタイ。
ヴァイオリン入りのクラシカルな優雅さと、メタルばりのヘヴィさが混在し、インダストリアルな無機質さに、
女性声も絡み、おちゃらけた遊び心満載の唐突な展開で聴かせる、濃密かつ大胆なサウンド。
一筋縄ではいかない捉えどころの無さと不気味なスケール感、常人には計り知れない異常なセンス、
メタル化したART BEARSか、気の触れたDEVIL DOLLか…とにかく理性的に狂ってますが、これがじつに格好いい。
まさに先鋭の極み。ヘンタイ大好きなアナタならにやにやすること間違いなし。一般の方は聴かないでください。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・10 総合・・8
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Sleepytime Gorilla Museum 「Live」
アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルド・ロック、スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアムのライブ。2003年作
スタジオ作品の方は、プログレ、チェンバー、レコメン、クラシック、メタルなどの要素をごった煮にした、
強力なヘンタイ系アヴァンロックなのであるが、本ライブ作品の方は1、2分台の小曲を中心にした構成で
即興じみたさらなるアヴァンロックを聴かせる。ノイジーなギターとヘヴィなベース、変則リズムまくりのドラム、
そして男女ヴォーカルのスキャット的なヴォーカルに、妖しく鳴り響くヴァイオリン…こもり気味の音質もいかにも怪しい。
ザッパやMATS/MORGANを思わせる雰囲気も漂わせるが、こちらはより演劇的な前衛感覚というべきか、
MCなどもそのまま収録しているので、ステージの臨場感が伝わってくる分、純粋に楽曲を楽しみたい向きには微妙かも。
このバンドの特異な存在感、空気感を楽しめるような方にはオススメできる。
ライブ演奏・・8 プログレ度・・8 ヘンタイ度・・10 総合・・8
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Sleepytime Gorilla Museum「Of Natural History」
アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルドロック、スリーピィタイム・ゴリラ・ミュージアムの2004年作
プログレ、チェンバー、レコメン、クラシック、メタルなどの要素をごった煮にした、ようするにヘンタイバンド。
2作目となる本作も得体のしれない壮大さとシアトリカル妖しさたっぷりで濃密な世界観を構築している。
ゆるやかなカントリー調で始まったかと思えば、変則リズムの上を不穏なチェロの音色が鳴り響き
がなりたてるヴォーカルとともに、チェンバーロック的なアヴァンギャルドサウンドが広がってゆく。
コロコロとしたユーモアを含んだ異常なセンスはMATS/MORGAN的でもあったり、
シアトリカルな変態という点ではRAM-ZETUNXPECTなどのファンにも薦められる。
ドラマティック度・・8 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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Sleepytime Gorilla MuseumIn Glorious Times」
アメリカのシアトリカル・アヴァンギャルドロック、スリーピータイム・ゴリラ・ミュージアムの2007年作
アヴァンギャルドでシアトリカル、まるで先鋭芸術のような音楽は、3作目となる本作で
さらなる孤高の域というべき冴えを見せている。感情過多の男ヴォーカルの歌声、
トランペット、ヴァイオリンなどを含んだチェンバーロック風味と、モダンなヘヴィネス、
女性声も加わって、キワモノ風オペラのような世界観で盛り上げ、聴き手を圧倒してゆく。
メタル的な激しさを含んだ楽曲は、オーケストラルな音の厚みとともに壮大な世界観を形成、
突き抜け方という点においてはDEVIN TOWNSENDにも通じるような天才的なセンスである。
ドラマティック度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8.5
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SOLEFALD「THE LINEAR SCAFFOLD」
ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの1997年作
情報が少ないのでブックレットから推察するだけだが、メンバーは2人しかいないようだ。
しかしドラムは打ち込みではないし、キーボード、ギター、ベースと、全部2人だけでやってるのだろうか?
音の方はシンフォニックなブラックメタルだが、時折プログレ的な展開を垣間見せる。
わめき声とチャントのような歌声を混ぜ合わせたり、静寂パートを効果的に使ったりと
とても練られていて仕掛けが多く、知的さと芸術性を感じさせる。一筋縄ではいかない。
激速パートでさえもどこか優雅さと、アートな感性が存在している。
シンフォニック・ブラック+知的なプログレ・クラシック・アヴァンギャルドな要素が交じり合った怪作。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・6 プログレ度・・8 総合・・8
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SOLEFALD「NEONISM」
ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの2nd。1999作
とにかくこのバンドのアートなセンスは、とっくに一介のブラックメタルの範疇を超えている。
実に怪しげなジャケットはもちろん、メンバーは2人で全部の楽器をこなしていて、
暴虐な疾走ブラックで始まったかと思っても、とても一筋縄ではいかないサウンドなのだ。
シンフォニックでありながら、リズムチェンジや意外性の多い展開で、まさしくプログレブラックの名に恥じない。
プログレ好き、テクニカルなブラック好きならぜひとも聴いていただきたいバンド。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 暴虐度・・7 総合・・8.5 ◆メタル名盤特選入り
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SOLEFALD「PILLS AGAINST THE AGELESS ILLS」
ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの3rd。2001作
シンフォニックで暴虐に疾走するかと思えば、妙にアートなセンスで展開する楽曲。
この3rdでも、通り一遍のサウンドではなく、デス・ブラックとしての暗黒性を保ちながら
曲はところどころひねくれた芸術性をかいま見せている。普通声で歌うパートや、ヴァイオリンやピアノの導入、
OPETH
にも通じる叙情性、メロディアスさとアヴァンギャルドさを壊れない範囲で取り込みながら、
見事にサウンドは構築されてゆく。じっくり聴いているとまったく飽きない。
これはまさにプログレファンのためのブラックメタルバンド!!しかもメンバーはたった二人。
ギター、ベース、ドラム、ヴォーカル、キーボードを二人でこなす。ハイセンスな奴ら。
メロディアス度・・8 暴虐度・・8 プログレ度・・8 総合・・8.5 ◆メタル名盤特選入り
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SOLEFALD「IN HARMONIA UNIVERSALI」
ノルウェーのプログレ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの4th。2003作
もっともプログレファン受けするデス系バンドとしてこのバンドを注目してきたが、今作も期待通りの出来である。
ここに至って激速パートはほとんどなくなり、ブラックの要素としてはVoのしわがれ声くらいだが
それさえも普通声のパートが多いこともあり、もはやデス/ブラックというカテゴライズは不可能か。
今回はシンセの音色がピアノやハモンドがメインで、サウンド的に70年代風の試みがなされているのも興味深い。
それに対してコーラスによる声の重ねやギターのヘヴィさがコントラストになっていて実に奥深い音像だ。
呪術性と芸術性、過去と現在、激烈と静謐を音に詰め込んだ見事な作品。
ブラック系のバンドとしてはプログレファンに楽しめる一番手のバンドであろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8.5 ◆メタル名盤特選入り
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SOLEFALD「RED FOR FIRE - AN ICELANDIC ODYSSEY PART T」
ノルウェーの二人組プログレッシブ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの5th。2005作
アイスランドの生誕をテーマにしたコンセプト作の1作目らしい。サックス、チェロ、ヴァイオリンが絡むイントロで美しく幕を開け、
続いてヴァイキングメタル調のリズムに荘厳な雰囲気をまといつつ、続くAではヘヴィロック調の重さに加え、
いつもの破天荒なSOLEFALD節の展開も健在。全体的にはコンセプト作であることも影響してか若干シンフォニックな要素が減り、
ヘヴィなリフやデスメタル風パートが増えている感じもするが、合間に挿入されるシンセや、クラシカルなストリングスに女性Vo、
がなり声とマイルド声の使い分けなど、プログレッシブな感性は相変わらず素晴らしく、やはり彼らならではの唯一無二のセンスである。
ブックレットの歴史書風の紙の汚れなどにもこだわりを感じる。ちなみに美しいヴァイオリンを弾いているのはRAM-ZETの女性奏者。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・7 プログレ度・・8 総合・・8.5
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SOLEFALDBlack for Death - An Icelandic Odyssey Part 2
ノルウェーのアヴァンギャルド・ブラックメタルバンド、ソレファルドの6th。2006作
アイスランドの興亡史を描いたコンセプト作の続編。前作が赤で今作は黒か。
毎回、ただならぬセンスを音で聴かせる彼らだが、今回もヴァイオリンやチェロなどを導入したプログレッシブな雰囲気の楽曲で、
重厚に歴史の物語を形作ってゆく。シンフォニックな味付けは控えめなので、初めての方にはやや難解な音かもしれないが、
おそらく彼らはあえてコンセプトのために装飾を抑え気味にして表現しているのだろう。
ヴァイキング風の勇ましさと、ほのかなモダンな質感が絶妙で、暴虐さや華美な部分に頼らないで
ここまではっきりと内面からのビジョンが描けるのは、二人だけのメンバーでやっているメリットだろう。
映画的な語りなども入ってくると翻訳が欲しいところだが、いろいろと情景を想像したりして楽しめる。
知的で芸術的、そして想像力をかきたてられる作品。赤と黒、2枚揃えて聴き入るべし。
メロディアス度・・7 プログレッシブ度・・8 世界観度・・9 総合・・8.5
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SolefaldNorron Livskunst」
ノルウェーのプログレッシブ・ブラックメタルバンド、ソレファルドの2010年作
前作が10周年記念のリミックスアルバムであったので、オリジナルアルバムとしては4年ぶりとなる7作目。
2005、2006年作はアイスランド史をテーマにしていたが、本作はおそらくノルウェー史を含んだコンセプト作であろう、
母国語によるヴォーカルによる土着的な雰囲気で、ときに女性Voを絡ませつつ、妖しくも知的なサウンドを聴かせる。
ブラックメタルとしての激しさもある程度残しながら、シンフォニックなシンセアレンジや、
サックスなどの大人の味付けも含めたプログレッシブな展開美が光っている。
ノルウェイジャンとしての誇りを感じさせる土着質感のプログレブラック作!
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 世界観度・・9 総合・・8
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Solefald「Norronasongen. Kosmopolis Nord」
ノルウェーのプログレッシブブラックメタル、ソレファルドの2014年作
いかにもノルウェーらしい土着性とエキセントリックなセンスを盛り込んだ前作に続き、
本作も母国語による歌声とともに、寒々しい北の大地を感じさせる雰囲気が広がってゆく。
トラッド的な旋律を含んだプログレッシブな展開力は、このバンドの個性的な神秘性となっていて、
ブラックメタル的な激しさはさらに薄まったが、むしろ薄暗い北欧プログレとして楽しめるかもしれない。
37分のミニアルバムであるが、10分を超える大曲や、これまでにないエレクトロなアレンジなどの曲もあり、
同郷のインダストリアルメタル、Sturmgeistのメンバーがゲスト参加するなど、なかなか新鮮に楽しめる。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・3 構築度・・8 総合・・7.5
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Solefald World Metal. Kosmopolis Sud」
ノルウェーのプログレッシブ・ブラック、ソレファルドの2015年作
1997年にデビューしてから本作で9作目となる。ジャケの感じからしておそらくは前作と対になる作品で、
近年の世界の歴史や事件を絡めて、ノルウェー語、スウェーデン語、ドイツ語、英語、オランダ語、フランス語などを取り入れた異色作。
のっけからずいぶんモダンなアレンジのサウンドにやや戸惑うが、前作にもあったエレクトロな要素を取り入れた、
サイバーなプログレ・ブラックというべき聴き心地である。ノーマルヴォイスを主体にダミ声も絡ませて
メタリックなギターリフにダンサブルなビート、民族的なパーカッションやエピックなコーラスなど、一筋縄ではいかない、
エキセントリックなセンスで構築された楽曲は、ある意味ヘンタイで、変わったメタルが好きな方にはとても面白いだろう。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・5 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Solstafir「Masterpiece of Bitterness」
アイスランドのアヴァン・ブラックメタル、ソルスタフィアの2005年作
いくぶんペイガンブラック的な土着性も含んだ、神秘的なアヴァン・ブラックメタル。
のっけから20分の大曲というのも凄いが、シンセ類はほとんど使わず、ツインギターのリフのみで
寒々しい寂寥感を描くサウンドは、ゆったりとした浮遊感に包まれたある種の硬派なセンスを感じさせる。
たとえば、Solefaldから装飾を取り除いた感じとでも言おうか、サウンドスケープ的なリフレインが続くとおもいきや
いきなり疾走を始めたりと、予測できないセンスを持っている。長尺感はあるが個性的なサイケブラックである。
ドラマティック度・・7 サイケブラック度・・8 神秘的度・・8 総合・・7.5
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Solstafir「Svartir Sandar」
アイスランドのアヴァン・ブラックメタル、ソルスタフィアの2011年作
本作はCD2枚組の大作で、のっけからいきなり11分の大曲という構成もただ者ではないが、
妖しげな雰囲気のサイケデリック性に包まれた、なかなか個性的な聴き心地。
ポストロックのようなミクスチャー感覚とストーナー的なアナログ風味があって、
それを母国語の歌声でいくぶん土着的に仕上げた…という感じもする。
曲によってはポストブラック的な部分もあるが、メロディアスでもなければ
かといってペイガンブラック的な激しさも希薄という、ある種不思議な聴き心地。
むしろ荒涼感のある辺境アヴァンロックとして楽しむべきか。かなりの異色作である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 構築センス・・8 総合・・8
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Solstafir 「Otta」
アイスランドのアヴァン・ブラックメタル、ソルスタフィアの2014年作
サイケ、ペイガン、ポストロックを合わせてブラックメタル風味を加えたという独自の作風で、本作は5作目となる。
マイルドなヴォーカルとともにポストプログレ的にしっとりと始まりつつ、ギターとドラムが加わると、
Solefaldなどを思わせる知的なプログレッシブ・ブラックの感触になる。母国語によるペイガンな土着性に、
美しいシンセアレンジも加わって、寒々しい空気に包まれた雄大なスケール感で描かれてゆくサウンドは、
ときに繊細な叙情を含んでいて、ポストブラック系のリスナーにも楽しめるだろう。曲によっては古き良きHR色もかもしだし、
適度なアナログ感もあって、ストーナーブラック的な聴き方も可能。ラストの11分の大曲までじっくりと楽しめる力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 壮大度・・8 総合・・8 
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SPASTIC INK「INK COMPLETE」
元WATCHTOWERのロン・ジャーゾンベクボビー・ジャーゾンベク(RIOT〜HALFORD)
兄弟によるテクニカルメタルユニット、スパスティック・インクの1st。2002作
先に日本盤も出ていた2nd「INK COMPATIBLE 」を聴いていたが
それに比べると本作は音質もやや悪く、曲の方もはるかに実験色が強い。
しかし変態的なまでのリズムとギターとドラムのコンビネーションによる超絶な演奏はさすがで、
テクニカル系のインストメタルとしてマニアにはたまらないサウンドだ。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・7.5
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SPASTIC INK「INK COMPATIBLE」
アメリカのテクニカルメタルバンド、スパスティック・インクの2nd。2004作
メンバーは、WATCH TOWERのギタリスト、ロン・ジャーゾンベクを中心に
その兄のボビー・ジャーゾンベク(RIOT〜HALFORD)、ピート・ペレス(元RIOT)という布陣。
ロン・ジャーゾンベクはソロ作「SOLITARILY SPEAKING OF THEORETICAL CONFINEMENT」
等も発表するなど、精力的に活動しているが、このバンドにおいてもいわゆる超絶テクニカル系のサウンドで、
我々のような好事家を唸らせてくれる。曲は矢継ぎ早の展開に、奇妙なブレイクの間を多用した、変則リズムの嵐で
「メタリック変態プログレジャズ」的なアプローチは実に耳に気持ち良く、(←気持ち悪く)
ドラムの素晴らしい技量ともども、聴き込むにつれ気が変になってゆく…(←褒め言葉)
また今作では随所にヴォーカリストの歌唱を盛り込み、演奏だけでへとへとになる耳をかろうじて歌でなごませてくれる。
曲として(意外に)作り込まれているものもあり、ただの実験音楽ではない、テクニカルメタルのアルバムとしても完成度は高い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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SPAWN OF POSSESSION「Noctambulant」
スウェーデンのデスメタルバンド、スポーン・オブ・ポゼッションの2nd。2007作
前作もなかなか強力なテクニカルデス作品であったが、本作ではブラストする激しいデスメタル質感と
テクニカルな展開力とともに、モダンな雰囲気が備わってきた。ブレイクを多用したせわしないリズムに
スイープによる早弾きギターが重なる雰囲気は、Braindrillなどにも通じるものがあるだろう。
オールドなデスメタル風味であった前作よりも、現代的な硬質さとキレ味がついたことで、
テクニカルなデスコア好きのリスナーにも対応。聴いていてヘトヘトになる強力作。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Spawn of Possession 「Incurso」
スウェーデンのデスメタルバンド、スポーン・オブ・ポゼッションの3rd。2012年作
過去2作も濃密なテクニカルデスの力作であったが、本作ではシンセを取り入れたイントロカら
荘厳な雰囲気で、全体的にもプログレッシブ・デスというような感触がついてきた。
ツインギターのクールなリフと変則リズム、ブレイクをまじえたテクニカル性とブルータリティが合わさり、
せわしなくたたみかけるヘンタイ系デスメタルが炸裂する。メロディックなフレーズが増したことで、
緩急のつけ方とアレンジのメリハリが際立ち、個人的にはより楽しめるバンドになった。
Decrepit Birthあたりが好きな方もぜひ。知的変態系テクニカルデスメタルの傑作。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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SPIRAL ARCHITECT「A SCEPTIC'S UNIVERSE」
ノルウェーのテクニカルメタルバンド、スパイラル・アーキテクトの2000作
かつてWATCHTOWERというバンドが、テクニカルな変拍子型のスラッシュメタルを標榜し、
後続のバンドたちに大いなる影響を与えたが、このバンドはまさに現代版WATCHTOWERともいうべき
凄まじいサウンドで現れた。変則リズムと複雑なキメの連続、テクニカルなギターリフの応酬を
ある種のジャズ的な軽やかさでやってのける。そこにかつてのFATES WARNING的な、
浮遊感のあるヴォーカルメロディが加わり、聴いていて脳がかき回されるような気持ち悪さが
変態メタル好きにはたまらない快感となる。ちなみにバンドはこれ1枚出してから休止したようだ。
たしかに、こんなの2枚も作れない(笑)日本盤ボーナスにはそのFATES WARNINGのカヴァーを収録。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・9 総合・・8
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STRAPPING YOUNGLAD「Heavy as a Really Heavy Thing」
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの1st。1995作
「超怒級怒濤重低爆音」という邦題もすごいが、かのスティーヴ・ヴァイに見いだされた奇人…
いや奇才デヴィンの才能もまたすごいのだ。モダンな重さのヘヴィロック、メタルを基本にしつつ
クラブ的なミクスチャー感覚も盛り込んで、一筋縄ではいかないサウンドを作り出している。
ブルータル化したスティーブ・ヴァイというような奔放さと浮遊感が懐の深さを感じさせる1枚。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・7 ヘンタイ度・・7 総合・・7.5
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STRAPPING YOUNGLAD「City」
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの2nd。1997作
今回の邦題は「歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音」。デビュー作もなかなかすごかったが
本作ではドラムにあのジーン・ホグランを迎えて、サウンドはさらなるパワーアップ、
まだソロプロジェクト的であった前作よりもバンドサウンドとしてのまとまりが感じられる。
歌舞伎町をテーマにしているように、ヘヴィさの中にもきらびやかなモダンさが光っていて
単なるメタル、ヘヴィロックではないスケールの大きさが感じられる。スクリームを使い分ける
デヴィンのヴォーカルの表現力も上がってきている。ヘンタイ的なメタル質感もたまらない。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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STRAPPING YOUNGLAD「No Sleep Till Bedtime」
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドのライブアルバム。1999作
「豪州から(生)鋼鉄重低爆音という通り、1997年オーストラリアでのライブを収録。
アルバム以上にメタリックなヘヴィさと、バンドとしての生々しさが伝わってくる演奏だ。
メロディアス度・・7 ブルータル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5(ミニなので)
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STRAPPING YOUNG LAD
デヴィン・タウンゼンド率いるメタルバンド、ストラッピング・ヤング・ラッドの3rd。2003作
「帰ってきた超高速怒轟重低爆音」スタジオアルバムとしては前作から6年ぶりとなるが、
本昨ではデス/ブラックメタル的な暴虐性とともに、重厚かつ激しいサウンドを聴かせる。
ブラストを叩き出すジーン・ホグランの強烈なドラムにデスメタル的なギターリフを絡ませ、
デヴィンのスクリームヴォイスが響き渡る。シンセによるアレンジも荘厳な雰囲気をかもしだし、
いわばシンフォニックなデスメタルとしても鑑賞可能。初期の変態的なミクスチャー感覚よりも、
ブルータルなメタルファンに向けられた作品ともいえる。インダストリアルな知的なデスメタルである。
ドラマティック度・・8 ブルータル度・・9 ヘンタイ度・・7 総合・・8
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STRAPPING YOUNG LAD「ALIEN」
ストラッピング・ヤング・ラッドの4th。2005作
前作で強まったブルータルな路線から、初期のミクスチャーサウンドへ回帰したような作品。
絶叫するデヴィンのヴォーカルとともに、モダンなインダストリアル要素と、シンセによる音の厚み、
知的な構築性にヘヴィなメタリックさが合わさって、得体の知れない荘厳さを生み出している。
デスメタル要素はいくぶん減ったが、音の迫力という点では相変わらず強力で、
ノイジーなラスト曲の衝撃も含めて、新時代のブルータル・ミクスチャーメタルというべき作品である。
ドラマティック度・・8 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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STRAPPING YOUNG LAD「The New Black」
奇才、デヴィン・タウンゼンド率いる、ストラッピング・ヤング・ラッドの2006作
ザクザクでありながら知的さを感じさせるギターリフで、ときにブルータルに疾走し、
スラッシーでありつつもどこかひねくれていたりとヘンタイ気味にたたみかけるサウンド。
ジーン・ホグランの存在感のあるドラムプレイもさすがであるが、
ヤケクソ気味にがなりたてるデヴィンのヴォーカルもインパクト大だ。
ときにブラスなども加わって、ミクスチャー気味に、そして遊び心と大仰なハッタリ精神で、
オールドなメタルのアグレッションとモダンさを混在させて聴かせるサウンドは一聴の価値ありだ。
メロディアス度・・6 ブルータル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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STURMGEIST「MEISTER MEPHISTO」
SOLEFALDのCorneliusによるプロジェクト、スタームゲイストの2005作
サウンドはやはりSOLEFALDに通じるミクスチャー的な雰囲気で、
ドイツ語の歌唱とデジタリィな質感からRAMMSTEINを彷彿とさせる部分もある。
ヘヴィなギターリフとパックのキーボードの重ねにはセンスを感じるものの
リズム的な展開はさほど多くないので、変態メタルとしてはやや物足りないか。
メロディアス度・・7 変態度・・7 ジャーマンなヘヴィロック風度・・8 総合・・7


SYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE」
アメリカのミクスチャー・メタルバンド、システム・オブ・ア・ダウンの3rd。2005作
聴いてみてびっくり。これは変態系テクニカルメタルといってもいいサウンドです。
突進するアグレッシブさと、ひょいとジャンプするような唐突な展開、
個性的な型破りなヴォーカルスタイルにどこか民族調のメロディ…無茶なようでいて整合感もあるという、
ジャンル分け不能な不思議な音。ポストロックの深遠さと、ハードコア、メタル、あるいはラップや民族風味も取り入れ、
「知性ある馬鹿の掟破り」といった感覚で、自由な発想で作られた音楽はかなりのインパクト。
曲がつながっていて全37分。どうやらこの続きは別アルバムとして出るらしい。
左側開きのデジパックジャケといい(輸入盤)どこまでも型破りなバンドである。
メロディアス度・・7 テクニカルメタル度・・8 変態度・・9 総合・・8
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SYSTEM OF A DOWN「Hypnotize」
アメリカのミクスチャー・メタルバンド、システム・オブ・ア・ダウンの4th。
前作「MEZMERIZ」を聴いた時は、その型破りなインパクトに驚いたが、それに続く4作目。
一聴したところ、突進力が増していて、ヘヴイロック風のメタル度が高まり、良く言えば分かりやすくなっているという印象。
全体的に前作にあった“ごった煮”サウンドを整備して仕上げてきたなという感じで、ひっちゃかめっちゃかな変態性よりも
むしろ直線的なクールな質感の演奏部分が増えている。もちろん個性的なサウンドであるのに変わりはないし、
メタリックな硬質さとやや奇妙な歌メロとのメリハリ、短い曲を間髪おかずに続けてゆく変わり身の早さなどは健在で、
アルバムとして一気に聴けてしまうだけのものはあるが、インパクトの点では前作よりも薄れたのは否めない。
しかし言い方を変えれば、変態度が下がったおかげで、もう少し普通のリスナーにもとっつきが良くなった、
とも言えるかもしれない。このバンドをまだ知らない人々には充分に刺激的であるのは確か。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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TAAL「MISTER GREEN」
フランスのメタル風、シンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2000作
のっけからけっこうヘヴィなメタル風ギターサウンド、かと思いきや女性声のコーラス、
オーケストラ曲風に展開する壮大調の楽曲、テクニカルなのにおちゃらけたメロディなど、
なんといえばいいのか一言では言い表せない音楽をやっている。変態気味チェンバーだが、
要は曲を大げさにしてメタルギターを弾きまくったらこうなる、という感じか(笑)。
しかし引きの部分で意外に繊細な部分もあり、そこが彼らの本気度なのだと思われる。
管弦楽器をゲストに盛り上がる様はある意味シンフォニーとさえいってよい。
プログレ度・・8 いろんな意味で壮大度・・9 何故かメタルギター度・・9 総合・・8
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TAAL「SKYMIND」
フランスのシンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2nd。2002作
1stの方も強引なメタルギターに管楽器をフィーチャーした、エセ壮大系の無茶なサウンドだったが、
この2ndにして、さらに楽曲のアレンジの細やかさが増し、サウンドのクオリティが高まった。
相変わらずのこけおどしメタルサウンドと管楽器、ストリングスの合体は素晴らしく、
時折聴かせるしっとり(?)とした叙情クラシカルパートも本物に聴こえるし、
おちゃらけたメロディや無茶な展開も、馬鹿にできずに、むしろシリアスに聴き通せる。
「本物」なのだ。本物の音で壮大な「悪ノリ」をしているのがこのバンドの魅力なのだ。
結果、まったくもって、シンフォニックでありながら、手の込んだいたずら心満載の
大仰なシンフォニーロックに聴こえてしまう。びっくりでニヤリ。オペラチックな女性Vo曲もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 本気だから度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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Terminal Function 「Clockwork Sky」
スウェーデンのテクニカルデスメタル、ターミナル・ファンクションの2015年作
変拍子たっぷりのリズムに硬質なギターリフと、ダミ声ヴォーカルを乗せた、MESHUGGAHスタイルのサウンド。
いわゆるDjent的な感触に加え、ときにジャズ、フュージョン的なフレーズを乗せた軽妙なテクニカル性も覗かせる。
暴虐なブラストはあまりないので、むしろテクニカルメタルのデス風味という聴き方もできるかもしれない。
ギターの奏でるメロディセンスもなかなかで、随所に流麗なフレーズを聴かせる適度なメロディアス性もよろしい。
楽曲は3〜4分台が中心で、長すぎることなく聴き疲れもしない。一方では3パートに分かれた組曲方式のナンバーも圧巻だ。
メシュガータイプのエクストリームメタルが好きな方にはオススメしたい高品質作品デス!
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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ThanatoSchizO「schizo level」
ポルトガルの男女Voゴシック(デス)メタルバンド、タナトスィーゾ(?)の1st。2001作
ときにブラックメタル調に疾走したり、デス声にソプラノ女性コーラスが絡み、
キーボードがクラシカルな音色を奏でたり、はては変態的なリフやリズムが顔を出したりと、
ひとことでいうと“無節操なアヴァンギャルドゴシックデス”といったところ。
いろいろな要素が混在していてなかなか面白いし、決して嫌いではないのだが
SOLEFALDなどに比べると、ごった煮アレンジを美しく聴かせるセンスがまだまだで、
ひっかかりが多い分聴き疲れするのが難点か。変態好きには楽しめるバンドかと。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・7 変態度・・8 総合・・7.5


THEORY IN PRACTICE「THIRD EYE FUNCTION」
スウェーデンのテクニカルデスメタル、セオリーインプラクティスの1st。1997年作
めくるめく変拍子リズムに乗るへヴィリフ、そしてテクニカルな展開の嵐。
かつてDEATHが築いたアーティスティックなテクニカルデスの継承者であろう。
2ndにおいては物悲しいピアノやシンセを効果的に導入していたが、
この1stの段階ではあくまでギターリフメインによる複雑楽曲の構築が主題のようだ。
リズムへのこだわりはMEKONG DELTAにも通じる部分があり、プログレ好きのメタラーにとっては耳をくすぐるサウンドである。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・7.5
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Theory in PracticeThe Armageddon Theories
スウェーデンのテクニカル・デスメタルバンド、セオリー・イン・プラクティスの2nd。1999作
Dr/Vo、B/Key、Gという3人編成であるが、素晴らしく濃密なテクニカルデスをやっている。
DEATHを思わせる矢継ぎ早の展開に、さらに激しさを加えた、たたみかけるような展開には圧倒される。
それでいて、メロディアスな叙情性もしっかりと有していて、ときにシンセをまじえながら重厚に聴かせ、
緻密なギターリフと手数の多いドラムが見事に合わさって、ときに荘厳ともいうべき圧巻のサウンドとなる。
続く3rdも悪くはないが、音の密度と美しさでは本作を最高作とするべきだろう。北欧テクニカルデスメタルの傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8.5
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THEORY IN PRACTICE「COLONISING THE SUN」
ノルウェーのテクニカル・デスメタルバンド、セオリー・イン・プラクティスの3rd。2002年作
DEATHに影響を受けたというこのバンド、今作では専任Drを加えた四人編成になっているが、音楽性は変わらず
変拍子リズムを多用したテクニカルなプレイに、ときおりキーボードなどによる叙情を絡ませるもの。
デスメタルとしての要素はほとんどデス声のみなので、普通のテクニカルメタル好きにもアピールする。
じっくり聴くとヘトヘトに疲れるという…いわゆる「変態系」のメタル(+アートな感性)なので、
こうしたインタープレイ重視の楽曲を無意味と感じる人間にはあまりお薦めは出来ない。今回も濃密デス。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・8
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THOUGHT INDUSTRY「Songs for Insects」
アメリカの変わり種メタルバンド、ソート・インダストリーの1st。1992作
一度見たら忘れられない鬼才ダリの絵画を使ったジャケは相当のインパクト。
奇妙な展開を多用したサウンドは、基本的にはメタルであるのだが、
スラッシュ風であったり、インダストリアルであったりと、聴いていて耳が疲れるが、
すでにこの時点で他のどんなバンドにも似ていないという個性がある。
FATES WARNINGMEKONG DELTAなどと同様、プログレッシブで異色な雰囲気が漂う。
メロディアス度・・6 プログレ度・・7 変態度・・8 総合・・7.5
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THOUGHT INDUSTRY「mOds carve the Pig: assassins, tOads and gOd's Flesh」
アメリカの変態系スラッシュメタルバンド、ソート・インダストリーの2nd。1993作
ともかく15年も前にこんなバンドがいたのだ。知的で破壊的、テクニカルで叙情もある多面性…
つまりは分裂症の変態メタルフリークを満足させる、素晴らしいバンド。
ダリのジャケで有名な1stに続くこのアルバムは、破天荒だった前作を引き継ぎつつも
より整合感(なのか?)の増した変態スラッシュサウンドを繰り広げている。
勢いのある唐突な展開と硬質なリフ攻勢をかけておいて、いきなりの引きが表れる様は
GALACTIC COWBOYSあたりを思い出させるが、プログレッシブな構成力はこちらが上。
3rd以降は、ダークな叙情を増した翳りあるロックサウンドにシフトして、そちらも良い出来であるが
馬鹿げたまでの変態精神を味わいたいのなら本作を聴くべきだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・9 総合・・8
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THOUGHT INDUSTRY「Outer Space Is Just a Martini Away」
アメリカの変態系メタルバンド、ソート・インダストリーの3rd。1996作
あらためて1st、4thを聴いて、いまさらながら彼らのオリジナリティ溢れるサウンドに感心いたしております。
さて、この3rdですが、かつては日本盤も出ていたらしいですね。
音のほうは、唐突なスラッシュ風味もあった1stよりはずっと整理されていて、
ややダークでメロウな質感の、一聴すると落ち着いた感じのサウンドですが、よくよく聴くと
タイプはまったく異なりますが、AWAKE期のDREAM THEATERにも通じるリズムセンスを感じたりもします。
愛想は良くないけれど、彼らの非凡な感性を感じられる内的なプログレッシブ作品です。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・7 総合・・7.5
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THOUGHT INDUSTRY「Black Umbrella 」
ソート・インダストリーの4th。1997作
この4thアルバムは案外に聴きやすくなり、メタル的なヘヴィさはさほどない。
キャッチーな歌メロがなかなか心地よい、メロディアスロックという印象。
なんというか、サウンドには不思議な浮遊感とややダークめの哀愁があり、
アコースティカルだったりオルタナ/サイケ調だったりするギターが知性的に導入されており、
うっすらとしたキーボードによる味付けも、よくよく聴けばなかなか凝っている。
インパクトはさほどではないが、じっくり聴けば他のバンドにはない独自のセンスが感じられる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 浮遊度・・8 総合・・7.5
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Thy Catafalque 「The Early Works」
ハンガリーのアヴァン・メタルユニット、ザイ・カタファルケの2015年作
デモ音源『COR CORDIUM』、1st『SUBLUNARY TRAGEDIES』、2nd『MICROCOSMOS』を収録した3枚組作品。
1999年のデモ音源は、ノイジーなギターにダミ声ヴォーカルを乗せて激しく疾走するブラックメタルサウンドで、
むしろMAYHEMあたりに通じる感触。音質はよくないが、すでに10分、15分という大曲を手掛けたり、
随所にシンセによるアレンジが入るなど、楽曲を構築する知的なセンスの片鱗を覗かせている。
同年の1stになると、当然ながら音質も良くなっていて、激烈なブラストでたたみかけるブラックメタル色と
シンフォニックなアレンジに、打ち込みによるドラムの感触も含めて、LIMBONIC ARTあたりに通じる聴き心地で、
いくぶん唐突な展開がプログレッシブな香りを漂わせる。2001年の2ndでは、ノーマル声による物悲しい叙情など、
激しさと静寂パートのコントラストがいっそうくっきりとして、アンビエントな感触も含むアートなセンスが楽しめる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 知的構築度・・8 総合・・7.5
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Thy Catafalque 「Rengeteg」
ハンガリーのアヴァン・ブラックメタル、ザイ・カタファルケの2011年作
ギター、ベース、シンセ、ヴォーカルをこなすTamas Katai氏によるソロユニットで、
ヘヴィなギターリフで描かれるダークな世界観と、母国語の歌声による土着的な感触で
知的でアヴァンギャルドという独特の雰囲気を作り出している。インダストリアルなモダンさを
ミステリアスなスケール感で包み込んだというような作風は、たとえばIHSAHNの近作などにも通じる
個性的な聴き心地だ。女性ヴォーカルが加わった14分の大曲などは、プログレ、ゴシック、ブラックメタルと
さまざまな要素を感じさせる壮大さが光る。プログレッシプ・インダストリアルメタルの力作というべき出来だ。
ドラマティック度・・8 知的アヴァンギャル度・・8 インダストリアル度・・8 総合・・8




TormentaLa Ligne Apre
フランスのテクニカルメタルユニット、トーメンタの2011年作
Cheval De FriseやElusiv、Let Jesus Bleedといったバンドに参加していた
ギターとドラムによるユニットで、オールインストによるテクニカルロック/メタルサウンド。
メタリックなリフの反復による無機質さと、アナログ的なドラムが叩き出す変則リズム、
随所にミスティックなアヴァンギャルド性も盛り込んで、緊張感を漂わせる演奏だ。
MATS/MORGANやフレドリック・トーテンダルなどに通じる雰囲気もあるが、
こちらはもっとポストロック的なイメージ力を刺激するゆるやかな作風といえる。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 緊張感・・8 総合・・8
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Trioscapes 「Separate Realities」
Between the Buried and Meのベーシストを中心にしたユニット、トリオスケープの2012年作
ベース、サックス、ドラムという変則的なトリオ編成で、サックスの音色がリードをとる
ジャムセッション的なテクニカルサウンド。手数の多いドラムとうねりのあるベースのアンサンブルが、
けっこうヘヴィなグルーブ感をかもしだしていて、ジャズともフュージョンとも異なる聴き心地だ。
鳴り響くサックスにエフェクトをかけたベースも絡んだりして、変則リズムと切り返しの応酬は
さすがというべき演奏である。カオティックな雰囲気も含めて、キワモノ系テクニカルメタルとしても楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 アンサンブル度・・9 総合・・8
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TWISTED INTO FORM「Then Comes Affliction to Awaken the Dreamer」
ノルウェーのテクニカルメタルユニット、ツイステッド・イントウ・フォームの2006作
SPIRAL ARCHITECTEXTOLのメンバーなどによるユニットで、当然ながら、
サウンドも変則リズムたっぷりのテクニカルメタル。浮遊感のあるヴォーカルも含めて、
FATES WARNINGを思わせる雰囲気で、知的な変態精神をしっかり継承している。
ギターのフレーズはときに叙情的でもあり、演奏と歌唱のリズムが交差するさまは、
ある種ドラマティックですらある。キモチイイ・テクニカル・ヘンタイ・メタル♪
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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UNEXPECTUn A Flesh Aquarium
カナダのカオティック・クラシカルメタルバンド、アンエクスペクトの2nd。2006作
ヴァイオリンに男女Voも含む7人組で、変態的かつアヴァンギャルドなサウンドには
ゴシックメタルやブラックメタル風の要素もありつつ、変則リズムと矢継ぎ早の展開に唖然となる。
男女ヴォーカルのオペラティックな絡みには、なかなかシアトリカルな要素もあり、
ピアノやヴァイオリンのクラシカルな響きを聴かせつつも、デス声やブラストビートなども折り込んで、
優雅なのかやかましいのかまったく分からない、変態メタルの濃密さがパーツごとに凝縮されている。
これを聴いて思い出したのはイギリスのEBONYLAKEであるが、こちらの方がさらに濃い(笑)
全体を包むのはゴシックメタル風の雰囲気だが、クラシカルでアヴァンギャルドな極端な音には
耽美系の変態メタルファン(?)にはたまらないものがあるだろう。まずは聴いてください。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
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Unexpect 「Fables of the Sleepless」
カナダのアヴァンメタル、アンエクスペクトの2011年作
前作も相当の濃密作であったが、本作もまた凄い。テクニカルなリズムの上を
美しいシンセやヴァイオリンが乱舞し、女性ヴォーカルとスクリームヴォーカルが交差する、
シアトリカルでアヴァンギャルドなセンスが炸裂する。コロコロとした優雅さとモダンなヘヴィネスが同居して
一筋縄ではいかないヘンタイ的なサウンドには圧倒される。美しい女性声によるゴシック風味もありつつ、
いうなれば、RAM-ZETをよりキワモノ化したような、多重人格的なカオティックメタルの怪作である。
ドラマティック度・・8 スリリング度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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VARGTON PROJECT「Progxprimetal」
スウェーデンのテクニカル系ユニット、ヴァーグトン・プロジェクトの2011年作
ギタリスト、マッツ・ヘドベルグを中心に、ドラムはモルガン・アグレン(MATS/MORGAN)
ヴォーカルにビヨルン・ヤンソン(TEARS OF ANGERやRIDE THE SKY)が参加、
サウンドは、変則的なテクニカルメタル風味もあるが、むしろギタリストのソロ作的な雰囲気で、
ヘヴィなリフとメロディックなフレーズをまじえつつ、アラビックなメロディを挿入したりと、
適度にラフな力の抜け具合とともに、よく言えば玄人好み、悪くいうととっつきの悪い作品。
ラーズ・エリック・マットソンやKAIPAのハンス・ルンディンなどがゲスト参加。
メロディック度・・7 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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WALTARI「YEAH! YEAH! DIE! DIE! DEATH METAL SYMPHONY IN DEEP C
フィンランドが誇るミクスチャーメタルバンド、ワルタリの1996年作。
これは彼らがデスメタルとオーケストラを融合させて完成させた一大叙事詩である。す・・すごすぎる。
いや、本物のオーケストラを使用したデスメタルと言えばセリオンなどを筆頭にいくつか挙げることはできるが
このアルバムに関してはそんな次元をはるかに超越している。つまり、「本物」なのだ。
これはシンフォニーであり、映画サントラ並みの雄大さがあり、しかもデスメタルだ。
チープさのかけらもない壮大かつ大掛かりな音響。デスメタルの疾走激速パートですらも
完全にオーケストラと融合されている。これは…ある意味とてつもないキワモノ的傑作だ。
デスメタルを真摯に取り入れ(もちろんデス声&ブラスト入り)それをオーケストラと完璧に一体化させた。
これはスラッシュをクラシック化させたメコンデルタに匹敵する偉業・・かもしれない。
デスメタル度・・8 オーケストラ度・・10 楽曲融合度・・9 総合・・9
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WALTARI「Space Avenue」
ワルタリの6th。1997年作
デスメタル的な異色作だった「Yeah! Yeah! Die! Die!〜」の次のアルバムで、
前作から一転、デジタルなビートによるインダストリアルな質感とときにラップノリのヴォーカル、
そこにメタル的なギターが合わさって、ミックスされるとキャッチーなロックになるという不思議な感覚。
メタルとして聴くのではなく、知的ないたずら心と浮遊感のあるミクスチャーロックとして鑑賞すべし。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARIRare Species」
フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの8th。2004年作
キャッチーなメロディと適度なハードさに北欧的な美しいシンセアレンジ、
デジタルなミクスチャー感覚に知的な構築センスをただよわせた作風は
単なるハードロックとも言えない、メタル的なギターとテクノ感覚を合わせたような聴き心地。
ひとつところにとどまらない個性的なサウンドであるが、このとぼけた感じを楽しめるかどうかで
作品への評価が変わりそうだ。ラストは何故かメガデスになる。笑
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARI「Blood Sample」
ワルタリの2005年作
今作はなにやらゴシックロック風のメランコリックな作風で始まる。
ギターにしろシンセにしろ、それっぽいことがすぐ出来てしまう、なんとも芸達者なバンドだ。
ブラックメタルばりのブラストビートやメロパワ風の疾走など、なんでもありながら、
ロックとしての軽快なキャッチーさがあるので難解さはない。アルバムをPART1、2に分けた構成で、
全17曲で75分以上という力作であるが、アルバム後半は一転してダンサブルなサウンドになったり、
サイケロック風味などもあり、このつかみ所のなさが長尺に感じられてしまうかもしれない。
キャッチー度・・8 メタル度・・7 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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WALTARIRelease Date」
ワルタリの2007年作
いつになくメタリックで重厚な始まりからして耳を引かれるがキャッチーな聴き心地はいつも通り。
なんと36分の大曲も含めて、ProgMetal的な構築性も感じさせつつ、ときにサイケ調の浮遊感や
哀愁のメロディなども含んで展開する楽曲は、これまで以上にギターリフが前に出ていることもあって、
メタルとしての濃密さが感じられる。ブラスト入りで激しく疾走したり、絶叫するヴォーカルなど、
アレンジの極端さはむしろヘンタイ系メタルとしても鑑賞可能だ。モダンなメタルコア風味もいくらかあり、
その多様なミクスチャーセンスとスケール感に、このバンドの器の大きさをあらためて知る思い。
キャッチー度・・8 メタル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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WALTARI「Below Zero」
フィンランドのミクスチャー・メタルバンド、ワルタリの2009年作
すでにキャリア20年以上のベテランであるが、アルバムごとに探求的なアプローチで楽しませてくれる。
本作も、従来のモダンなミクスチャー感覚とキャッチーなメロディで、雰囲気のあるサウンド作りがさすが。
ヘヴィなギターリフと、ときにシンフォニックなまでのシンセアレンジ、そして独自の浮遊感の中に
フィンランドらしい哀愁の叙情も散りばめている。楽曲は4、5分台と比較的シンプルにまとまっているので、
以前のアルバムのように聴き疲れもしない。メロディアスさと知的な構築センスを合わせた傑作です。
メロディアス度・・8 知的アレンジ度・・8 フィンラン度・・8 総合・・8
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WATCHTOWEREnergetic Disassembly
アメリカのテクニカルメタルバンド、ウォッチタワーの1st。1985作
このバンドの2ndControl and Resistanceは変態メタルの元祖ともいうべき
歴史的な傑作であるが、そんな彼らの知られざる1stがこれ。
曲は2ndほどの複雑さはないものの、手数の多いドラムのプレイは圧巻だし
ヒステリックな高音ヴォーカルと、変即リズムに絡みつくギターリフはやはり変態だ。
メロディアス度・・6 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・7.5
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WATCHTOWER「Control and Resistance」
元祖超絶テクニカルメタルバンド、ウォッチタワーの1st。1989作
とにかく、この変拍子とキメの連続のような楽曲は聴いていてほとほと呆れる。
甲高いヴォーカルとともに、スラッシュというにはヘヴィさには欠ける音なのだが、
鬼才ロン・ジャーゾンベクを中心にした演奏陣のキレは当時としては信じがたいものであったろう。
なんというか、予測のつかない展開と何度聴いても覚えられない曲に、イライラしつつもニヤリとさせられ
じつに脳が活性化されるのである。変態メタル好きならばその元祖として必ず押さえておくべき作品だ。
ロンはこの後、兄のボビーとともにSPASTIC INCを結成する。そちらもまた呆れるほど凄い。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・10 総合・・8
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WHITE ARMS OF ATHENAAstrodrama」
アメリカのテクニカルメタル、ホワイト・アームズ・オブ・アテナの2011年作
スクリームヴォイスとときに激しいブラスト入りで、テクニカルな演奏を聴かせるサウンド。
デスメタル的なヘヴィさもありつつ、ノーマルヴォイスを含めた叙情的なパートも入れながら、
プログレッシブで知的な展開力を見せつけるあたりは、Between The Buried And Meにも通じる感触だ。
一方では軽やかなジャズロック風味というような、遊び心がサウンドに空間的な余裕を生み出していて
テクニカルなだけではないエクスペリメンタルな聴き心地だ。この手が好きな方なら間違いなく楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
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White Arms of Athena
アメリカのテクニカルメタル、メタル、ホワイト・アームズ・オブ・アテナの2015年作
前作はBetween The Buried And Meにも通じる強力な内容だったが、2作目となる本作は、
カオティックコア的な激しさとモダンなヘヴィネスは薄まり、代わりに知的な展開力に、
落ち着いた歌パートやエモーショナルな叙情パートが増えたという印象のサウンドだ。
前作にもあった、エクスペリメンタルなセンスは随所に垣間見せ、スペイシーな浮遊感とともに
11分の大曲をゆったりと描いてゆくなど、バンドとしての深化を模索しているような印象もある。
前作ほどのインパクトはないものの、個性的なバンドが好きな方いかかがでしょう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 エクスペリメンタル度・・8 総合・・7.5
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WILL'O'WISP 「Inusto」
イタリアのプログレッシブ・デスメタル、ウィル・オー・ウィスプの2015年作
DARK LUNACYのベース、元SADISTのドラムらによるバンドで、東洋的な雰囲気を取り入れた旋律と、
ブラスト入りでたたみかけるブルータルな激しさに、デジタリィなシンセなどを含んだアレンジと、
緩急の唐突な展開で聴かせる、カオティックコア寄りのサウンド。モダンなDjent風味も含んだ
テクニカル性を前に出しつつも、曲によってはヴァイオリンやフルートの音色や女性スキャットを乗せた
優雅な浮遊感もあったりと、一筋縄ではいかない。プログレッシブデスとしてはSADISTに通じる部分もあり、
よりアヴァンギャルドな得体の知れなさもよい感じだ。ヘンテコなバンドが好きな方には密かにお薦めデス。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7.5
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