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CDレビュー プログレ
フランス・スペイン・ポルトガル・ギリシャ
PROGRESSIVE ROCK/FRANCE,SPAIN,PORTOGAL
掲載バンドは上からABC順になっています
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A
ALAMEDA「Misterioso Manantial」

スペインのプログレ・ポップバンド、アラメダの2nd。1980作
いかにもスパニッシュなギターに、哀愁漂うスペイン語の歌声、
そこにたおやかなピアノや、プログレ的なシンセが絡むサウンドは、
TREANAにも通じる雰囲気だが、それよりも軽やかで淡いイメージ。
ジャズやフュージョンタッチの質感に、ボサノバのようなパーカッション、
フランメンコロックというよりは、もっとポップな大衆感覚がある。
プログレとして聴くには軽いのだが、スパニッシュポップとして気軽に楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・9 総合・・7.5
ALAMEDA「AIRE CALIDO/NOCHE ANDALUZA」

スペインのプログレバンド、アラメダの3rd+4th。1981/1982作
ややフュージョンタッチだった2ndに比べ、3rdでは哀愁度が増しており、
美しいピアノにストリングスをバックに叙情的な歌声が響きわたる、
前作よりもギターの比重も増え、シンフォニックロックとしても充分楽しめる。
4thはさらにシンフォ度が上がり、ピアノとストリングスの絡みとメリハリのついた楽曲で、
哀愁に満ちたスパニッシュの空気をドラマティックに聴かせてくれる。
また、フラメンコロック的な熱情も感じられ、濃密な叙情の点では本作が一番か。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・9 総合・・8
Alan Stivell「Symphonie Celtique」

フランスのトラッドミュージシャン、アラン・スティーベルのアルバム。1979/2005作
ケルティックハープの奏者であり作曲家である彼の代表作というべき作品で、
ハープをはじめフルート、バグパイプ、ギター、マンドリン、ヴァイオリン、オーボエ、サックス、パーカッション、
それにシンセといった、20名以上の演奏者と、男女ヴォーカル、コーラス隊も参加した壮大なアルバムだ。
3つのパートに分かれた組曲的な構成で、アコースティカルな美しさと土着性、そこに多くの楽器が絡み、
ときにしっとりと美しく、ときに雄大な、まるで伝説を語るように、幻想的なサウンドを描き出している。
シンセやピアノの味付けなどによるシンフォニックな壮麗さと、ケルティックな神秘性が同居していて
フランス語によるアランの歌声も味わいがある。タイトル通り、シンフォニックなケルティックの傑作。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 雄大度・・10 総合・・8.5
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Alan Stivell「Terre Des Vivants」
フランスのケルト系アーティスト、アラン・スティーベルのアルバム。1981/2007作
ハープ奏者として名高いアーティストだが、本作ではシンセやギターの入った
シンフォニックロック的な作風で、意外とプログレリスナー向きのサウンドだ。
やや泥臭いフランス語の歌唱に、フルートやハープ、ピアノなどの音色が連なると
ケルティックというよりも、土着的なチェンバー・ジャズロックというような質感もある。
メンバーにはMAGMAのClaude Engel、Jannick Topをはじめ、David Roseらも参加。
バグパイプ、ハープが奏でる素朴な音の中にもクラシカルな優雅さがかいま見える。
途中なにやらファンキーなナンバーもあったりして、時代的なごった煮感も面白い。
ケルティック度・・7 プログレ度・・7 フレンチトラッ度・・8 総合・・7.5
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Alfredo Carrion 「Los Andares del Alquinmista」

LOS CANAIOSの「CICLOS」でも知られる作曲家、アルフレド・カリオンのアルバム。1976作
アコースティックギターの素朴な音色とオペラティックな女性Voの歌声で始まり、そこにシンセや
ストリングスが加わると、クラシカルな趣と、異国的な情緒が合わさった独特のサウンドとなる。
繊細な曲調の中に芸術的な香りを含んだセンスは、GUALBERTOのアルバムなどにも通じる。
イタリアでいうとOPUS AVANTRAか。中世を思わせるチェンバロの音色やフルートも美しい。
タイトル曲でもある「錬金術師」は、オーケストレーションも入ったクラシカルな大曲。
艶やかなピアノに絡むストリングス、混声コーラスも加わったスケールの大きなサウンドを聴かせる。
クラシカル度・・8 芸術度・・8 素朴な妖しさ度・・8 総合・・8
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AMAROK「ELS NOSTRES AMICS」
スペインのシンフォニック・トラッドバンド、アマロックの1st。1994作
美声の女性ヴォーカルの歌声をメインに、アコースティカルなトラッドメロディと
シンフォニックなシンセを合わせた極上のサウンドはこの1stからすでに健在。
3rdあたりからエスニック風味を取り入れるなど幅を広げてゆく彼らだが、
この1stでは純粋なシンフォニックトラッドが楽しめ、とてもうっとり。
シンフォニックトラッ度・・9 陽だまりのような静寂度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
AMAROK「Canciones de los mundos perdidos」
スペインのシンフォニックトラッドバンド、アマロックの2nd。1995作
トラッドとしてもなかなか本格派で、そこにたおやかな女性ヴォーカルの歌声、
美しいシンセにつややかなピアノが加わり、聴き手を幽玄の世界へといざないます。
アコースティカルな繊細さがしっとりとしていて、実に耳に心地よいサウンドです。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・6 トラッ度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
AMAROK「TIERRA DE ESPECIAS(スパイスの大地)」
スペインのシンフォニックトラッドバンド、アマロックの4th。2000作
トラッドにシンセや女性Voを取り入れ、独自のシンフォニックな作風を定着した彼らが
今作ではエスニック風味を付加し、異国情緒漂うアルバムを完成させた。
たおやかなフルートの音色、ヴァイオリン、美しい女性ヴォーカルが作り出すサウンドは
夢見心地でありながらロック色も失わず、トラッドとロックの融合に成功している。
シンフォニック度・・8 エスニックトラッ度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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AMAROK「MUJER LUNA(月の女)」
スペインのシンフォニック・トラッドバンド、アマロックの5th。2002年作
今作では3rd以降の中近東的アプローチに加え、よりキーボードを効果的に使ったサウンドになった。
2nd以前の繊細なシンフォニック・トラッドも捨てがたいのだが、こうしたプログレ寄りの楽曲の中にも、
エスニックテイストとトラッド要素を組み込むセンスの良さは相変わらず。
また、アコースティックパートや女性ヴォーカルの歌唱は、曲の中で映えていて実に美しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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AMAROK 「Quentadharken」

スペインのトラッドシンフォバンド、アマロックの6th。2004作
民族的要素とプログレ感覚を融合させた、クオリティの高い作品を毎回発表しているこのバンド。
前作「月の女」に続くこのアルバムも、まったく素晴らしいトラッドプログレをやっている。
たおやかなフルートにサックス、ヴァイオリンにアコギ、そこにキーボードが絡み、
プログレ的なドラムが加わると、ある種、摩訶不思議なトラッドロックサウンドとなる。
そして、音には嘘臭さがなく、本物のバスクの香り漂うトラッドとプログレとの
驚嘆すべき完全なる融合を成し遂げている。スパニッシュで歌われる女性Voの歌唱も素晴らしく、
曲によってはエレキギターも加わり、スペイシーなシンセワークも現れる。
一方ではピアノ、フルート、アコーディオンなどの音色が実に繊細で、一筋縄ではいかない器の大きさを感じさせる。
たおやかにして大胆、そして異国的で優美なシンフォニックプログレトラッド最高の1枚。必聴作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 トラッ度・・8 総合・・9.5
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AMAROK「Sol De Medianoche」

スペインのトラッドプログレバンド、アマロックの7th。2007作
前作「Quentadharken」が大変素晴らしい傑作だったので、期待していたが、
今作もやはり期待を裏切らない出来。たおやかなフルートにヴァイオリンが鳴り響き、
軽快なアンサンブルにプログレ的なリズム、そしてスパニッシュな女性Voが歌い上げる。
前作ほどは派手な展開が少なくなり、感触的にはよりトラッド要素に比重が置かれているが、
その分スムーズに聴けるかもしれない。もちろん随所に聴かせるELP的なキーボードも健在だし、
ゆるやかなトラッドとプログレ的なマニアックな要素を絶妙に融合させる手法は円熟の境地。
これぞまさしくプログレトラッドの至宝。ラストにはELPの“奈落のボレロ”のトラッドカヴァー(?)も収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8.5
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AMAROK 「Retrospectiva」

スペインのトラッド・プログレバンド、アマロックのベストアルバム。2007作
これは初期の4作から選ばれた10曲に、未発曲5曲、ライブ音源を加えた
企画ものアルバム。初期のサウンドは、アコースティックを基本にゆったりとしたシンセと
女性Voによるたおやかな癒し系であったのが、3rdあたりからアラビックな要素を取り入れ、
よりプログレッシブに深化してゆくその過程が分かる。
初期作が廃盤であることからも、新しくファンになったリスナーにはありがたいだろう。
未発曲の出来も遜色なく、土着的すぎないトラッド色を含んだセンスがやはり見事だ。
ラストのライブ音源は何故か途中からPFMの“Celebration”になる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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AMAROK「Canciones de los mundos perdidos」

スペインのトラッドプログレバンド、アマロックのアルバム。2009作
ケルティックなトラッドとプログレを絶妙に融合させ、これまでに7作+ベストを出しているこのバンド、
本作は1995年の2ndを、オリジナルテープから新たにミックスし直したアルバムだ。
美しい女性ヴォーカルの歌声と、アコースティカルなトラッド色、繊細なストリングスの音色が混じり
じつにたおやかなサウンドを描き出している。リミックスにより、いっそう空間的な広がりが感じられ、
シンフォニックな美麗さが強まった一方で、素朴なケルト風味もとても魅力的だ。未発音源も4曲追加収録。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細トラッ度・・9 総合・・8.5
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ANGE「Par lesfils de Mandrin」
フランスのプログレバンド、アンジュの5th。1976作。邦題「マンドランの息子たちの誓い」
アンジュという名前は知っていても、これまでに聴いたのは3rd「新ノア記」くらい、
そんな私のようなリスナーも多いのではないかと思う。フランスのGENESISとも呼ばれる彼らだが、
名作とされる3rdを聴いたときも正直あまりピンとこなかった。
語り口調のフランス語で歌われるクリスチャン・デカンの歌唱はとても演劇的で、
なにかの物語を綴っているのは分かるが、フレンチに堪能でないと完全には楽しめないのも確か。
このアルバムにしても、よりいっそう物語的なコンセプト作らしいので
歌詞の意味が分からずに音楽だけを聴くにはやや厳しいかもしれない。
音の方はドラマティックというよりは牧歌的な雰囲気で、ゆるやかにお話が語られるという感じ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 シアトリカル度・・9 総合・・7
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ANGE「Guet-apens」

アンジュの6th。1977作。邦題「異次元への罠」
歌詞がメインだった前作よりも、一聴して音のダイナミズムが増している。
シンフォニックなキーボードをバックにデカンの濃いヴォーカルが乗ると、
まさにこれぞフレンチロックという独特の高揚感が押し寄せる。
また、しっとりとした叙情性も備えていて、オーケストラルなシンセにフルートの音色も美しく、
サウンド的に言うならばバンドの代表作というべきアルバムかもしれない。
もちろんデカンのシアトリカルな歌唱も健在で、ラストの大曲ではその劇的さが炸裂する。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 シアトリカル度・・8 総合・・8
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ANGE「Les Larmes du Dalai Lama」
フランスのプログレバンド、アンジュの1992年作
正直なところ自分は彼らの70年代の作品で気に入っているのは「Guet-apens」くらいのもので、
本作に関しても予備知識なしで買ってみたのだが、70年代のメンバーが集ったラスト作であるらしい。
1曲目からいかにも暑苦しいフランス語の歌声とともに、ダライ・ラマのテーマが描かれる。
曲はどれも比較的キャッチーなメロディで、明快なギターフレーズと美しいシンセもいい仕事をしている。
そしてなによりクリスチャン・デカンの歌の存在感。繊細さと濃密さの同居。これぞアンジュというアルバムだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フランス度・・9 総合・・7.5
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ANGE「Souffleurs De Vers」

フランスのプログレバンド、アンジュのアルバム。2007作
仏シンフォ界きっての大御所、メンバーは変わってもクリスチャン・デカンの歌声さえあれば、
それはまぎれもなくANGEサウンドなのだ。今作でも濃密なフレンチシンフォをたっぷりと聴かせてくれるが、
当然ながら70年代の頃よりもサウンドは重厚になっていてギターとシンセの絡みによるシンフォニックな音の上に
フランス語によるデカンの濃〜い歌声が乗る。数曲で聴ける女性Voも良いアクセントだし、
独特のシアトリカルな雰囲気と、世界観を描き出す音像の勢いが素晴らしい。
曲によってはヴォーカルにエフェクトをかけたり、ややモダンなアレンジも聴かれるが、時代とともに変化をしながら、
息子と一緒に同じバンド…しかもプログレをやっているというのは、なかなかに凄いことだと思う。
シンフォニック度・・8 濃密シアトリカル度・・9 フレンチ度・・9 総合・・8
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APHELANDRA
フランスのシンフォニックロックバンド、アフェランドラのアルバム。1976作
詳細は不明なバンドだが、クレジットにCLEARLIGHTのCrille Verdeauxの名前もある。
クラシカルなピアノやシンセをメインにしたインストメインのシンフォニック作で、
確かに雰囲気といい、さほど媚びのない曲調といい70年代の音作りである。
しっとりとした雰囲気の17分の大曲から、続くAではエレクトリックヴァイオリンが鳴り響く
ジャズロック的なアンサンブルも聴かせてくれ、なかなかあなどれない。
最近のシンフォ系のバンドよりも、ずっとストイックでジャズやクラシック寄りの匂いがする。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 しっとり度・・8 総合・・7.5
ARACHNOID
フランスのヘヴィシンフォバンド、アラクノイのアルバム。1978作
プログレ衰退期の70年代後半にアルバム1枚のみを残して姿を消したというパターンはけっこう多い。
いくらいいものを作っても時代が悪ければ評価をされないというのは悲しいことだ。
さて、このアラクノイのサウンドはひと言でいうなら「ヘヴィシンフォ」ということになる。
メロトロンを使用し、初期〜中期のクリムゾン的なイメージで、叙情性と攻撃性が同居したサウンドだ。
そこにフランスらしく、少々ヒネた展開と、ダークな雰囲気で構築される楽曲はなかなかの迫力。
荒々しい歌が耳障りに感じる部分もあるが、それを含めてKCタイプのヘヴィシンフォとしては
かなりクオリティの高いバンドだったのだと思う。
メロディアス度・・7 ヘヴィシンフォ度・・8 クリムゾン度・・8 総合・・7.5
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ARRAKEEN「MOSAIQUE」
フランスのシンフォニックバンド、アラキーンの2nd。1992作
清涼感のある女性ヴォーカルの歌声が実に美しいシンフォニックロック作。
メロウなフレーズを奏でるギターは、Prog Metalファンには名の知れたシリル・エイチャード。
ギターの音色にはメタル色もあるのでプログレハードとしても案外楽しめます。
それにしても、この女性Voはとても私好みの声質で、透明感のある綺麗な歌声にうっとりです。
美しいフランス語の響きに、メタリックなギターフレーズが印象的な、90年代フランス屈指の傑作。
シンフォニック度・・8 けっこうメタリック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
ART ZOYD「Les Espaces Inquiets/PhaseW/ArchivesU」

フランスのチェンバーロックバンド、アート・ゾイドのアルバム。1982/1983作
ベルギーのUnivers Zeroと並ぶ暗黒系チェンバーの大御所で、本作は1982年の「フェイズW」、
1983年の「不吉な空間」、そして1984-87年の未発音源をCD2枚に収録したもの。
「不吉な空間」はシンセを大幅に取り入れ、サンプリングやSE的な使用方法とともに、
ダークなチェロの響きが不穏な緊迫感を感じさせるサウンド。管楽器とシンセが合わさると、
クラシカルなプログレとしても美しい。アヴァンギャルドでダークな世界観にうっとりだ。
「フェイズW」はもともとが2枚組の大作で、こちらはまだシンセではなくピアノと管楽器による
いかにもチェンバーロックというサウンド。生音であるぶん、いくらか素朴な雰囲気であるが、
Univers Zeroにも通じる優雅なダークさともいうべき空気が場を支配している。
クラシカル度・・8 ロック度・・6 ダーク度・・9 総合・・8
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ART ZOYD「uBIQUe」
フランスのチェンバーロックバンド、アート・ゾイド(アール・ゾイ)のアルバム。2001作
40人を超えるオーケストラとの競演作。チェンバー系にさほど詳しくない私はこのバンドのCDは
「フェイズW」くらいしか持っていないのだが、クラシックと前衛を取り込んだ不思議な静寂をもった
そのサウンドにはプログレうんぬんというものを通り越した、とても興味深いものがある。
不穏な空気をかもしだすダークな世界観は今作でも変わらず、
生オケといえどもこのバンドにとっては単なる表現手段としての道具にすぎないようで、
決して優美にも大仰にもならない、いわば冷たい暗闇をともなった音だ。
クラシカル度・・7 ロック度・・6 ダーク度・・9 総合・・7.5
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ASGARD「TRADITION & RENOUVEAU」
フランスのプログレ・トラッドバンド、アスガールの2nd。1978作
「アスガルド」と読みたい気はするが日本盤の表記が「アスガール」なのでそれに習おう。
アコースティックギターにキーボード、そこに男Voが田舎臭い歌メロを乗せるというサウンド。
70年代ではありそうでなさそうなスタイルかも。今でいうヴァイキングメタル的発想か?
この少々イモ臭い叙情が心地よく感じられるかがミソ。Voの声ははあまり好みでない。
フランス語というのも、どうなんだろう。この手にはマッチしていない気も・・。
たまに聴くにはなごめるし、田舎くさいトラッドシンフォ好きなら聴いて損はないかな。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 田舎叙情度・・8 総合・・7
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ATILA「INTENCION+REVIURE」
スペインのハードシンフォバンド、アッティラの2nd+3rd。1976、1999(1978)作
スペインのハードシンフォニック、というとまず思い浮かぶのはBLOQUEであるが、
このATILAも同様にさほどスペイン臭を感じさせないサウンドである。
ブロッケに比べキーボードの活躍が多く、そこにややブルージーでHR色のあるギターがかぶさり、
全体的にドラマテイックで哀愁漂う楽曲を構築している。
10分を超える大曲も多いが、とくに3rdのライブ再現においては、演奏のテンションに加え、
楽曲のドラマティック性と緊張感から中だるみせずに聴き通せる。
今回は2ndのリマスターに3rdの楽曲を1999年にライブで再現した音源のカップリングとなっているが、
これは3rdのオリジナル音源が権利のために使用できないせいらしい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Atoll「Tertio」

フランスのプログレバンド、アトールの3rd。1977作
タイ・フォンとともにフランスプログレを代表するこバンド、2ndの「組曲・夢魔」が前衛的な傑作だとするなら、
こちら「サードアルバム」の方はシンフォニック寄りのメロディアスな傑作というべきだろう。
クリスチャン・ベアの伸びやかなギターフレーズとともに始まる1曲目“パリは燃えているか”は
フランス語による歌声とサビでの「パリ〜!」の叫びが印象的な佳曲。美しいシンセでしっとりと聴かせる“神々”、
いかにもメロディアスなプログレ曲“天翔ける鹿”、そしてハイライトは2パートに分かれた“トンネル”で
シンフォニックな叙情とフランスらしい湿りけを感じさせるサウンドが素晴らしい。バンドの最高傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フランス度・・8 総合・・8
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ATOLL「LLLIAN,J'ENTENDS GRONDER LA TERRE」
フランスの名バンド、アトールの復活作、2003作
70年代に「組曲夢魔」、「サードアルバム」といった傑作アルバムを発表し、
世界的にフレンチプログレを知らしめた名バンド、アトールが新作を出した。
オリジナルメンバーは、ギターのクリスチャン・ベアのみで、1987年の際結成後は「新生アトール」、
いわゆる「ヌーヴェル・アトール」と呼ばれる。方向性としては1990年の「OCEAN」に通じるような
やわらかみのあるメロディアスロックで、往年のファンからするとややもの足りないだろうが、
「OCEAN」でのしっとりとした雰囲気が好きだった私には充分楽しめる。
クリスチャン・ベアのギターはときにジャジーにそしてメロウに奏でられ、
シンフォニックなシンセと女性コーラス、そしてフランス語の歌唱は優雅な響きで心地よく耳に届く。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとりフレンチ度・・9 総合・・8
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AZABACHE「dias de luna」
スペインのシンフォニックロックバンド、アザバチェのアルバム。1979作
タイトなリズムにメロディアスなギターと、メロトロンをはじめ美しいキーボードワーク。
歌唱はスペイン語ながら、サウンドにはあまり土臭さははないので、
スパニッシュロック初心者でも普通に聴けるだろう。
音の中のかすかな田舎臭さにはジャーマン系のシンフォを思わせる雰囲気もあり、
ピアノやキーボードのやわらかみのあるメロディが素晴らしい。
70年代スパニッシュシンフォの傑作と言えるだけの内容だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・8
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AZAHAR「ELIXIR」

スペインのシンフォニックロックバンド、アザールの1977年作
ドラムレスの4人組で、メロトロンをたっぷりと使ったシンフォニックロック。
ドラムがいない分ロック的な躍動感は希薄だが、その分スペイシーな質感で、
シンセとギターを中心に聴かせる。インスト曲ではスペイン臭さはあまりないが、
力のこもった歌声が加わってくると、やはりスパニッシュな哀愁があふれ出す。
美しいシンセをメインにした幻想的な雰囲気はオーストリアのEELA CRAIG
あたりも思い出させるが、そこに哀愁と泣きのギターが加わったという感じか。
シンフォニック度・・7 スペイシー度・・8 スペイン度・・8 総合・・7.5
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C
CAI「Noche Abierta」
スペインのプログレバンド、カイの2nd。1980作。邦題は「無限の夜」。
クラシカルなピアノの音色と、哀愁を漂わせつつもキャッチーなメロディを歌うヴォーカル。
あまりスパニッシュ臭さのないスタイリッシュなサウンドは、適度にテクニカルな構築性があり
むしろPFMなどのイタリアのバンドに近い感触があって、なかなか質が高い。
曲は軽やかなインストを中心に、ときおり歌ものもあるが、どれもスペイン的な押しの強さよりは
繊細で比較的あっさりとした控えめなものなので、インパクトの点ではやや弱いかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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Canarios 「Ciclos」

スペインのロックバンド、カナリオスのアルバム。1974作
もともとこのLos Canariosは、60年代にBeat Pop/Rockバンドとして結成されたのであるが、
いったいどういう経緯があったのか、突如ヴィヴァルディの「四季」をロック化した驚異の名作を生み出した。
なにやらたたごとではないイントロから、オペラティックな女性声が歌いだし、まるで生まれ落ちるかのように
“春”のテーマが始まると、壮麗にしてクラシカルなサウンドがすべてを支配する。
きらびやかなシンセにオーケストラルなストリングスが合わさり、ギターが叙情メロディを重ねる。
この躍動感、ダイナミズムといったら、冬眠していた動物たちもいっせいに目を覚ますに違いない。
クラシックのロック化という点でも歴史的な作品であり、完成度という点でも奇跡的なアルバムだ。
クラシカル度・・10 シンフォニック度・・9 大仰度・・9 総合・・9
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CARPE DIEM「En Regardant Passer le Temps」

フランスのプログレバンド、カルプ・ディアンの1st。
まずこの美しい点描画のジャケに惹かれるが、内容もなかなかのもの。
サックス、フルートのメロディを中心に、やや薄暗いジャズロックを展開するが
カッチリとした硬質感よりも、10分台の大曲を幻想的な雰囲気で聴かせるのが個性的。
しっとりしたたおやかな部分はむしろシンフォニックといってもよい感触で
やわらかなヴォーカルにフルートが重なるとじつに美しい。
サウンドにはどこかミステリアスな翳りがあり、泣きのギターにしろシンセにしろ
テクニックを聴かせるよりは、たゆたうような儚い世界観を聴き手にイメージさせてくれる。
シンフォニック度・・8 ジャズロック度・・7 儚い幻想美度・・8 総合・・7.5
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CARPE DIEM「Cueille le Jour」

フランスのシンフォニックロックバンド、カルプ・ディアンの2nd。1977作
サックスを中心にしたジャズロック風のシンフォニックロックという個性的なバンド。
のっけから21分の組曲で、1stをより洗練させた叙情美でしっとりと聴かせる。
インストをメインにしながら決してうるさすぎない演奏で、ハモンドなどの音色も
どこか薄暗い雰囲気で、サウンドにヨーロピアンな幻想美をまとわせる。
点描のジャケが美しい1stの方が有名だが、全体の完成度ではこちらだろう。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 しっとり薄暗度・・8 総合・・8
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CHANCE「ESCAPE TO HORIZON」
フランスのシンフォニックロックユニット、チャンスの2nd。2000作
一人でKEY、B、Drをこなすローラン・シモネッティ氏のソロ的作品。
広がりのあるシンセサウンドをメインにした、ゆったりとしたシンフォニックサウンドで
GANDALFあたりにも通じる作りだが、こちらの方がややマニア受けするシンフォ寄りか。
ゲストの奏でるメロウなギターも、ときに華麗に弾きまくるキーボードに乗って曲に彩りを添えている。
全編インストであるが、シンフォパートの後にはゆるやかな静寂パートも多く、
展開にメリハリが効いていてなかなかに楽しめる作品だ。
ちなみに四人のゲストギタリストのうちの一人はロイネ・ストルトである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 流麗度・・8 総合・・8
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Ciccada「A child in the Mirror」

ギリシャのシンフォニックロック、チッカーダの2010年作
女性Voをフロントにした4人編成で、アコーディオン、フルートなどが叙情的な
土着的なシンフォニックロックで、むしろ北欧のバンドのような質感もある。
イタリアのDFAのメンバーが関わっているということもあり、軽やかなチェンバーロック色も
いくぶん覗かせていて、とくにインスト曲でのクラシカルな優雅な質感は個性的だ。
女性ヴォーカルの歌声も美しく、アコースティカルな楽曲をバックにしっとりと楽しめるが、
ハードめのギターも入ったテクニカルな要素もあり、音のメリハりのつけかたにもセンスを感じさせる。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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CLEARLIGHT「SYMPHONY」
フランスを代表するメロディアス系プログレバンド、クリアライトの1st。1975作
フランスのMIKE OLDFIELDとも言うべき、20分の組曲が2曲という大作志向のこのアルバム。
@はまず、ソリーナの音色に導かれて、効果音や即興的なサックス、そこにギターが加わり、
アヴァンギャルドに響きわたる。リズムパートはなく、どこか怪しげな雰囲気ものといった様相。
いわゆるシンフォニックロックというものではなく、どちらかというとジャーマン系の
サイケ、エレクトロニクスサウンドに通じるようなイメージだが、そこはフランスというお国柄か、
美しいピアノの音色がたおやかに場を彩りふんわりとした繊細な浮遊感が存在している。
Aになると、リズムが加わり、シンフォジャズロック的な演奏にサイケ色が加わった雰囲気で
トータル的にインスト作でありながら、不思議な世界観と質感を持ったサウンドとなっている。
あるいはこれはフランスからの「チューブラーベルズ」への回答だったのかもしれない。
シンフォニック度・・7 ロック度・・5 しっとり浮遊度・・9 総合・・7.5
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CLEARLIGHT「FOREVER BLOWING BUBBLES」
フランスのシンフォニックロックバンド、クリアライトの2nd。1975作
大作だった1stに比べ比較的コンパクトな楽曲を連ねた作風となっている。
Cyrille Verdeauxのシンセに絡む、デビッド・クロスのヴァイオリンが美しい。
全体的にややジャズロック風のインスト演奏を感じさせつつも、独特の浮遊感と、
シンセミュージックとしてのプログレッシブな雰囲気はさすがで
緊張感よりはむしろ空間的な叙情美を感じさせるサウンドだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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CLEARLIGHT「Les Contes Du Singe Fou」
フランスのシンフォニックロックバンド、クリアライトの3rd。1976作
「狂った猿の物語」というタイトル通り、カラフルな衣装をまとったチンパンジーのジャケが
やや異色な感じを与える。サウンドとしては、前2作よりもヴォーカルの頻度が高く、
GENESIS的な質感の分かりやすいシンフォニックロックサウンドになっている。
MAGMA LIVEにも参加したDidier Lockwoodが奏でるヴァイオリンが
Cyrille Verdeauxのピアノと絡まりあい、美しいコントラストを描きつつ曲を盛り上げる。
しっとりとしたクラシカルさとメロディアスな歌メロのバランスがとれた好作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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CLEARLIGHT「Crille Verdeaux-VISIONS」
クリアライトの4th。1978作。
タイトル表記からするとシリル・ヴェルドーのソロ的扱いなのか。
鳥のさえずりや美しいフルートから始まるこのアルバムはたおやかな安らぎに満ちたメロディアスな作品。
艶やかなヴァイオリンとキーボートとの掛け合いも楽しく、そして流麗なピアノがクラシカルな格調高さを付加している。
サイケ色のあった1stよりは構築された聴きやすさがあって安心できる。ピアノの音色でしっとり、フルートの音色にうっとり。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 たおやか度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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CLEARLIGHT MOSAIQUE「In Your Hands」

フランスのシンフォニックロックバンド、クリアライト(モザイク)の5th。1994作
内容は3rd「狂った猿の物語」のリメイクということらしいが、詳しいことは不明。
キーボードのCyrille VERDEAUXと、ヴォーカルのGunnar AMUNOSONの二人を中心に、
ヨーロピアンなクラシカルさと東洋的な質感がミックスされたような雰囲気で、
サウンドにはかつてよりもモダンなアレンジ、アプローチがなされている。
シンセ、ピアノを中心に、ギター、ヴァイオリンなどが美しく絡む浮遊感のある楽曲は、
Voの声質もあってかやや重厚さには欠けるが、その分平和的なたおやかさがあり
プログレというよりも、空間的なスピリチュアルミュージックとしても聴けるかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 スピリチュアル度・・8 総合・・7.5
CLEARLIGHT「Infinite Symphony」
フランスのシンフォニックロックバンド、クリアライトのアルバム。2003作
事実上Cyrille Verdeauxのソロバンドといってよいだろうが、今作は1975年作の
「Clearight Symphony」の続編ともいうべき内容で6楽章からなる長大な作品。
たおやかなピアノの上をヴァイオリンとサックスが交わる第一楽章は、
クラシカルなジャズロックともいうべき軽やかなサウンド。変わってしっとりとした第二楽章では
繊細なフルートの音色が美しく、楽曲は徐々にシリアスに盛り上がってゆく。
第三楽章ではガブリエルのようなVoも入って、シンフォニックさを増してゆき、
THE ENIDを思わせる第五楽章では、まさにクラシカルシンフォニーという優雅さが包み込む。
総じて、昨今のシンフォバンドのような陽性のキャッチーさはないが、
本気で作られた構築美としてのシンフォニックロックが楽しめる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 構築美度・・9 総合・・8
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Cyrille Verdeaux「Rhapsodies Pour La Planete Bleue」

フレンチシンフォの代表格、CLEARLIGHTを率いるシリル・ヴェルドーのソロ作。1988作
KUNDALINI OPERA組曲と題されたソロ作シリーズの第五部で、
ゲストにChristian Boule(g/synth)、Don Lax(vln)等を迎え、シリアスなシンフォニックスタイルを展開。
リズムセクションは最小限で、基本はスペイシーでクラシカルなシンセワークを軸にした、
雄大かつ優美な音空間が構築されている。地球全体を見つめながら、大自然との融合、
人間の内的なパワーなどを、ある種の宗教観をともなって、ミニマムなサウンドで表現。
スペイシーなシンフォニックサウンドは、ときにトリップミュージック的でありながらも、
クラシックに裏打ちされたピアノ、シンセによるオーケストレーションなどは壮麗で耳に心地よい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 内的度・・9 総合・・8
Cloverseeds「Cloverseeds」
フランスのハードプログレバンド、クローバーシーズの2010年作
ジャケの雰囲気などから、ポーランドか、もしくはイギリスのバンドかと思ったら、
この手のモダンな薄暗系ハードプログレがフランスからも出てくるとは。
いくぶんメタリックなギターとともに、ゴシックメタル風味のメランコリックな翳りある世界観で、
やはりRiversideあたりに通じる聴き心地もありながら、ロックとしてのモダンなセンスは
案外COHEED AND CAMBRIAなどにも近いか。現時点では、メロディにしろ楽曲にしろ
インパクト不足な感もあるが、メタルとプログレの垣根を超えるような存在として今後に期待。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダン派薄暗系度・・8 総合・・7.5
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D
DANIEL VEGA「La noche que precede a la batalla」
スペインのアーティスト、ダニエル ヴェガのアルバム。1976作。邦題は「嵐の前の静かな夜」
たおやかなアコースティックギターにフルート、そして異国的なパーカッションにエレキも加わり、
単なるアコースティカルというだけではない、一種独特なサウンドとなる。
スパニッシュ風味のアコギは素晴らしいテクニックで見事な音色を聴かせ
ジャズロック的なピアノにサックスなども現れて、合計25分ほどの短いアルバムの中にも
さまざまな表情を覗かせる。歌パートではイタリアンロック的な叙情をかもしだしつつも、
どこかにうす暗さと哀愁を感じるのもポイント。人間的で奥深い世界観のある作品だ。
メロディアス度・・7 スパニッシュ度・・8 哀愁度・・9 総合・・7.5
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David Rose「Distance Between Dreams」

フランスのジャズロックバンド、TRANSIT EXPRESSのヴァイオリニスト、
デヴィッド・ローズのソロアルバム。1977年作/紙ジャケSHM-CD
トランジット・エクスプレスのメンバーが参加していることで、ソロ名義ながらも、
実質的にはトランジットの4作目ともいわれる本作は、美しいピアノと
デヴィッド・ローズの艶やかなヴァイオリンの音色で聴かせる優雅なジャズロック作品。
緊張感をただよわせる部分は、Mahavishnu Orchestraにも通じるもので、
プログレッシプロックとジャズ、クラシックのクロスオーバー的な味わいがある。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・8 総合・・8
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Delired Cameleon Family
Clearlightのメンバーを中心にしたフランスのサイケユニット、
デライアド・カメレオン・ファミリーのアルバム。1975作
「錯乱したカメレオン一家」という奇妙なバンド名であるが、
サウンドはむしろジャーマンロック的な浮遊感を感じさせるもの。
クリアライトのシリル・ヴェルドーによるシンセワーク、ピアノを中心に、
女性スキャットなども加わり、POPOL VUHあたりを思わせる静謐感と、
東洋的な世界観を描き出している。後半は、サックス、ギターにリズムも入った
MAGMAっぽいジャズロックになり、その移り身の早さはさすがフランス。
浮遊度・・8 静謐度・・7 ジャズロック度・・7 総合・・7.5
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Delusion Squared
フランスの女性Voシンフォロックバンド、デリュージョン・スカーレッドの2010年作
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と、ゆるやかに聴かせる繊細な楽曲は、
WISHING TREEあたりにも近い感触。そこにモダンなロック感覚とプログレ性を盛り込んで
スタイリッシュなサウンドを描いている。一聴してシンプルながらもじつは計算された音である。
ときおり覗かせるアンニュイなけだるさもフランスっぽくてよろしい。マイスペはこちら
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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DEMIANS「Building an Empire」

フランスのミュージシャンNicolas Chapel氏の個人ユニット、デミアンズの2008年作
うっすらとしたシンセにいくぶんヘヴィめのギターとともに、メランコリックな叙情を描く
いわゆるPorcupine Tree系のサウンド。PTに比べるとシンフォニックな要素が強く、
暗すぎない程度のメロウさや、ストリングスなどのアレンジも入った泣きもよろしい。
16分の大曲も含めて、ゆったりと聴かせる耳心地の良さがいい感じですね。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 薄暗メロウ度・・8 総合・・8
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]U ALFONSO(DOUZE ALFONSO)「THE LOST FRONTIER」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの1st。1996作
クラシカルなピアノ、時に盛り上がり、時に静謐なキーボードが美しく、
雄大なオーケストレーションを用いながらも、フルートやアコーディオン等の
素朴な音色も上手く取り入れた、センスのよいサウンド。
インスト中心ながら、数曲あるしっとりとした女性Vo曲が実に美しい。
嘘くさくなく、自然と人間、そして世界とを、音に感じられる
「自然派タイプ」のシンフォニック作品である。ロック色は薄い。
シンフォニック度・・8 ロック度・・6 雄大度・・9 総合・・8
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]U ALFONSO「Odyssees」

フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの2nd。1999作
しっとりとしたシンセで聴かせるゆるやかなシンフォ作。
フランス語で聴かせる男女ヴォーカルも優雅な味わいがあり、
GENESIS的なメロウなギターワークとともに、やわらかなサウンドを生み出している。
過剰な盛り上がりやドラマティックさがなく、自然体でじつに耳に優しいシンフォ作品だ
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・8 しっとり優雅度・・9 総合・・8
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]U ALFONSO(DOUZE ALFONSO)「THIS IS」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソのライブアルバム。1998年作
現在のフランスシンフォでは筆頭級のバンド。1998年のライブ音源。
アルバム同様、ナチュラルな壮大さを感じるシンフォニックロックをやっている。
女性Voの美しい歌唱や、典雅なピアノの響き、たおやかなアコースティックギターなど
いわゆる英国あたりのポンプ派生のシンフォとは正反対のサウンド。
しっとり、ゆるやかで耳にしみ入るようなやわらかみのあるシンフォサウンドだ。
方向性としてはGANDALFあたりにも近い大自然との融合を感じる。
シンフォニック度・・8 しとりゆるゆか度・・10 雄大度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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DOUZEALFONSO「Claude Monet, Vol.1 1883-1889」

フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソのアルバム。2001作
印象派を代表する画家、クロード・モネの生涯をテーマにしたコンセプト作。
ゆるやかなアコーディオンとフランス語の語りで始まる、ロマンティックな美しさに包まれた作品。
クラシカルなピアノ、12弦ギターのアコースティックな響き、ゲストも含めた男女ヴォーカルの歌声、
どれもがしっとりと優雅な雰囲気で、フランスからしか出て来ないやわらかなサウンドを描いている。
ハープやフルートも美しい。エスプリの効いた洒落た味わいが、繊細なシンフォニックと絶妙に融合された傑作だ。
モネの絵画をたっぷりとあしらったブックレットも素晴らしい。2005年には続編となるアルバムを出している
シンフォニック度・・8 フランス度・・9 しっとり繊細度・・9 総合・・8.5
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XII ALFONSO(DOUZE ALFONSO)
「Claude Monet Vol.2 1889-1904」

フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの4作目。2005作
クロード・モネの生涯をテーマにしたコンセプト作の続編。
マイルドかつエレガントな空気を漂わせるサウンドは、フランス語の語りを入れたシアトリカルな雰囲気で、
クラシカルなピアノやアコースティカルな美しさも前作同様にさすがの説得力がある。
こうなるとANGEなどと同様、フランス語が理解できればいっそう楽しめる作品なのだと思うが、
演奏自体のセンスも現代のフレンチシンフォ界ではピカイチのバンドであるから、
優雅な音だけを聴いてもうっとりとできる。モネの絵画がちりばめられたブックレットも大変美しい。
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・9 たおやか優雅度・・9 総合・・8
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XII Alfonso「Under」

フランスのシンフォニックロックバンド、ドゥーゾ・アルフォンソの5作目。2008作
今やフランスのシンフォニック系の代表ともいうべき存在であるこのバンド、
クロード・モネをテーマにした大作に続く本作は、人類の歴史や進化などをテーマにした
シリアスなコンセプト作である。アコースティカルな質感を聴かせるゆったりとした叙情性は
じつに繊細で、むしろMIKE OLDFIELDのような自然との融合を感じさせるサウンドである。
映画的な音声を取り入れたり、メロディにオリエンタルな旋律を使ったりと、多様なアレンジが光る。
中でもキング牧師の演説が曲のリズムに乗って、「歌」に聴こえるのはすごいアイディアである。
一聴しての派手さはないが、バンドとしての知性と芸術的なセンスを存分に感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 繊細芸術度・・9 総合・・8
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DRAMA「STIGMATA OF CHANGE」
フランスのシンフォニックロックバンド、ドラマの3rd。
ゆるやかでしっとりとしたサウンドで、そこにハケット風のメロウなギターがかぶさる。
全体的に涼やかなタイプの音で、同郷のSAENSのような大仰なハードさはないので、
聴いていて力はこもらないが、そのぶん朝の空気のような心地よさがある。
組曲方式のタイトル曲にしても、濃密に盛り上がるのではなく、
あくまで涼しげに鳴らしすぎず、コテコテ好きにはやや物足りないかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 しっとりメロウ度・・8 総合・・7.5
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E
eclat「Le Cri de la Terre」

フランスのプログレバンド、エクラのアルバム。2002作
1998年には来日も果たすなど、コアなリスナーには認知度もあるバンド、
テクニカルなアンサンブルと、巧みなシンセワークによるシンフォニック要素が合わさり
知的な混沌ともいうべき、浮遊感のあるインストプログレを展開している。
一筋縄ではいかないひねくれた質感はいかにもフランス的で、大人の叙情的を聴かせる
メロディアスなギターワークと軽やかなフュージョン・ジャズロック的な聴き安さの中に、
不思議なスケール感をかもしだしている。クラシカルなシンセの入れかたもさりげなく見事だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽やかひねくれ度・・8 総合・・8
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EDHELS「ANGEL'S PROMISE」
モナコ公国出身のシンフォニックロックバンド、エドルスの4th。1997作
当時はフランスのバンドとして紹介されていた記憶があるが、昔聴いた彼らの2nd、3rdは
自主制作ながらもGENESIS系の80年代シンフォとしてはなかなかの出来だった。
8年ぶりとなるこのアルバムは、以前よりもシリアスな雰囲気を強くした作風になっている。
インスト曲においてはデジタルなモダンさの中にも、幻想的なシアトリカルさをイメージさせる音で
音の隙間を上手く聴かせる大人のアレンジが心憎い。一方、ヴォーカル曲ではシンプルな聴きやすさがあり、
全体的には、派手さはないが空間美を覗かせるセンスの良い作品になっている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 空間センス・・8 総合・・7.5
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EDHELS「SALTIMBANQUES」
フランスのプログレバンド、エドルスの5th。2004作
タイトルからしてサルティンバンコ(大道芸人)をテーマにしているのだろうか。
前作からさらに力が抜けて、ダークめのプログレフュージョンになっている。
メンバーは3人。シンセとギターをメインに、3〜5分前後のインスト曲中心の演奏で、
翳りのあるメロディアスなサウンドには若干の屈折感があるのがやはりお国柄か。
盛り上がったり展開する場面はほとんどなく、総じてゆったりとした大人のフュージョンロックといった趣。
初期のMINIMUM VITALをさらに静かにしたような雰囲気で、聴きようによっては退屈かもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フランス度・・8 総合・・7
Eye 2 Eye「After All...」

フランスのシンフォニックロックバンド、アイ・トゥ・アイの2nd。2008作
美しいピアノにシンセワーク、ギターの奏でるメロウなフレーズ、
10分台の曲をメインにした大作志向やロマンティックな雰囲気も含めて
かつてのPENDRAGONを思わせるような王道のシンフォニックロックである。
翳りある叙情はポーランドなどのバンドにも近いイメージであるが、
フランスの優雅なアンニュイさとも通じているのかもしれない。
メロディの良さという点でも近年のフランスシンフォではトップクラスだろう。
シンフォニック度・・8 優雅な翳り度・・8 総合・・8
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F
FACTORY OF DREAMS「Poles」
ポルトガルの鍵盤奏者とスウェーデン人女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2008年作
ゆったりとしたゴシックメタル的なサウンドに、美声の女性ヴォーカルが歌う
しっとりとしたサウンド。曲は3〜4分台が中心でわりとあっさりしている。
ジェシカ嬢の歌声はやや素人臭いが、声質的にはなかなか好みなのだが、
やはり楽曲にもう少しひねりが欲しいというか、薄暗さも美麗さもやや中途半端。
この煮え切らなさが、むしろ辺境的な魅力と言えなくもないのだが…
ゴシックシンフォ度・・7 女性Vo度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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FACTORY OF
DREAMS「A Strange Utopia」
ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2009年作
萌え度の高いジャケの割にぱっとしなかった前作に比べて、今作ではシンフォニックな美しさと
ゴシックメタル風の雰囲気が増し、EDENBRIDGEあたりを思わせる美麗なサウンドになった。
ギターの奏でるフレーズなども含めて、アレンジにまだまだ垢抜けなさはあるものの、
それが味に思えるくらいには聴けるようになった。美しいシンセワークとともに
ゆるやかに鑑賞できる、ちょっとイモ臭い女性ヴォーカルのシンフォニック・ハード作。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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Factory of Dreams「Melotronical」

ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2011年作
これが3作めで、前作同様、女性ヴォーカルの歌声を中心に、シンフォニックな美麗さと
いくぶんのメタリックな質感で聴かせるサウンド。随所にプログレッシブな構成も取り入れつつ、
女性声と男性声の掛け合いも含めてオペラティックなテイストが増してきていて、
これまで以上にメリハリのついた濃密な作風だ。ジェシカ嬢の歌唱力もずいぶんと向上。
プログレ化したEDENBRIDGEというべきか…美麗にしてドラマティックな力作である。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Framepictures「Remember It」
ポルトガルのハードプログレバンド、フレイムピクチャーズの2010年作
女性シンセ奏者を含む5人組で、キャッチーなメロディのハードプログレサウンド。
適度にテクニカルなリズムに爽やかなギターフレーズと美しいシンセワークが絡み、
陽性のヴォーカルが歌を乗せるスタイルは、むしろSPOCK'S BEARDあたりに通じる
アメリカのバンド的な抜けの良さがある。演奏力や長曲における構成力なども
新人にしてはなかなかレベルが高い。ラストは26分におよぶドラマティックな大曲を聴かせる。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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FUSIOON「MINORISA」
スペインのプログレバンド、フシオーンの3rd。1975作
スパニッシュプログレの名作の一枚に数えられる作品。
基本はジャズロック的なアンサンブルと、やや唐突でアヴァンギャルドな曲展開に、
メロトロン、キーボードによるメロディアスさが組み合わさったサウンド。
GRANADAやTRIANAのようなスペイン臭さはあまりなく、
どちらかというとむしろイタリアっぽい叙情性がそこはかとなく漂っている。
18分、10分、8分という大曲3曲という構成で、技巧的なアンサンブルを聴かせる。
前衛的な曲調のみならず、軽やかなピアノや、ときにゆるやかなシンセの質感も魅力的。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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G
GALADRIEL「Calibrated Collisino Course」
スペインのシンフォニックロック、ガラドリエルの2008年作
1988年の1st、91年の2ndは聴いた記憶があるが、まだ活動していたとは。
のっけからデジタリィなシンセアレンジを使ったモダンな作風に面食らうが、
よく聴けば、いかにもスペイン的なギターや素朴な情緒を織り込んでいて、
古さと新しさの融合という質感が面白い。歌唱がスペイン語ではなく英語なのが残念だが、
センスのあるギターとさりげなく絶妙のシンセワークも含めて、レベルの高い作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・7 総合・・7.5
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GANBARA「Banan-Banan」

スペインのプログレトラッドバンド、ガンバラの2nd。1985作
バスク地方のトラッドを基盤に、ロック的なアプローチを取り入れた聴きやすいサウンドに、
美声の女性ヴォーカルのスペイン語の歌唱が異国情緒を誘う。
アコースティックギターに、ヴァイオリン、フルート、それにバクパイプなどの
温かみのある音色と、シンセ、ドラムなどのモダンなロックとが融合し
どこか懐かしいが、今の音楽としてもちゃんと楽しめるところが魅力だ。
メロディアス度・・8 トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GANBARA「Buhamien Balleta」

スペインのプログレ・トラッドバンド、ガンバラの4th。1992作
素晴らしかった5thと同様、リリカルでシンフォニックなモダントラッドをやっている。
アコーディオンにヴァイオリン、ハープなどが絡み合い、素朴でありながらも
しっかりとしたアンサンブルを聴かせるところは、AMAROKなどにも近いものがある。
そこに美声の女性Voによるスペイン語の歌唱が入ると、もううっとり…。男Voはいらない(笑)
アコースティック楽器をメインにしつ、うっすらとシンセを取り入れているのもセンスがよい。
メロディアス度・・8 トラッ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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GANBARA「Itsas Zabalean」

スペインのプログレトラッドバンド、ガンバラの5th。1995作
美しいシンセにフルート、アコーディオンにマンドリン、そして清涼な女性Voの歌声。
トラッド的な素朴さと現代的な聴きやすさを融合させたシンフォニックトラッドは、
同じくスペインのAMAROKにも通じる質の高さで、じつに心地よく聴かせてくれる。
スペイン語で歌われる女性Voの歌唱はうっとりとするほど美しく<
ポーランドのQUIDAMもかくやというほど。アコースティックとシンセのバランスも良く
素朴でありながらも、やわらかでシンフォニックな質感がとても耳に優しい。
メロディアス度・・8 しっとりやわらか度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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GERARD MANSET「LA MORT D’ORION」

フランスのシャンソン歌手で作曲家、ジェラール・マンセのアルバム。1971作
クラシカルなヴァイオリンの音色、フランス語の語りに、オペラティックな女性ヴォーカル、
薄暗く、どこか不安感をともなった世界観とアヴァンギャルドな芸術性…
24分のタイトル曲は、シアトリカルな構築と先の読めない展開に、
内的な狂気をはらみながら、どこか醒めた冷たさが恐ろしげな先鋭的な組曲。
クラシカルな作風はイタリアのOPUS AVANTRAに通じる美学も感じさせる。
フルートやピアノのたおやかな響きと、フランス的な倦怠の美意識、
繊細な叙情と張りつめたような不安な空気が同居する、異色の傑作である。
クラシカル度・・8 アヴァンギャル度・・8 芸術度・・9 総合・・8
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GLAZ「AR GEST」
フランスのケルトロックバンド、グラッツの2nd。1996作
鳴り響くヴァイオリンの音色がケルティックな雰囲気をかもしだしつつ、
キュートな女性ヴォーカルの歌声も入って、メロディは実にキャッチーでポップ。
シンセやギターによるロック的なアレンジと適度なトラッド風味が絶妙に融合して、
聴きやすく爽快なサウンドを作り出している。ときにパイプなども鳴りながら、適度な土着性と
ファンタジックな世界観で聴かせる。普通に女性声のメロディックロックとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GLAZ「Holen AR Bed/Le Sel De La Terre」

フランスのケルトロックバンド、グラッツの3rd。1998作
1stの頃から、ファンタジックなジャケや、素敵な女性ヴォーカルの歌声が好みで、
とても気に入っていたバンドなのだが、残念なことにこの3作目がラスト作となってしまったようだ。
サウンドの方は、キャッチーだった前作「Ar Gest」よりもぐっとメロウになり、トラッド風味が増している。
フランス語による女性ヴォーカルの歌声も美しく、シンセをバックにしたバグパイプの響きとともに、
しっとりと聴かせてくれる。ピアノやフルートなども効果的に使われ、ギターとドラムが入ってくると、
シンフォニックロックとしても爽やかに楽しめる。派手さはないがずっと愛聴したいアルバムだ。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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GONG「Camembert Electrique」

ゴングの2nd。1971作
オーストラリア出身の流浪のヒッピー、デイヴィッド・アレンはイギリスに渡り、
ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズなどと交流、SOFT MACHINE誕生にも関わるが、
やがてバンドを離れたアレンはフランスを拠点に活動をはじめ、ゴングを結成、
独自のユートピア思想に基づいたサイケなジャズロックを作り出してゆく。
本作のサウンドは、ジャズロックを主体にしたフリーキーな音楽性で、のちの作品に比べると
楽曲としての構築性は薄く、その分自由度の高いこのバンドの本質が感じられる。
プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 ゆる度・・8 総合・・7.5
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GONG「Flying Teapot」

ゴングの3rd。1973作
本作はデイヴィッド・アレンのヒッピー的なユートピア幻想を物語化したというべき、
ラジオ・ノーム・インヴィジブル(電波の精の物語)三部作の幕開けを告げる作品である。
サウンドはジャズロックというよりはサイケがかったゆるやかな展開で聴かせる、
幻想的な作風がずっと強まってきた。また音階に東洋的なものを取り入れ出していて、
奇妙なオリエンタル感覚が耳心地がいい。むしろソフトロック的な感触でも楽しめる。
プログレ度・・7 サイケ度・・8 ゆる度・・9 総合・・8
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GONG「Angel's Egg」

ゴングの4th。1973作
前作「Flyng Teapot」でのゆるいサウンドから、さらにトリップ感を強めつつも
演奏自体のアンサンブルはずいぶんテクニカルになってきている。
サイケな世界観の強度が強まったことで、作品としての説得力も増した。
ストーリーにそった妖しい展開と、やわらかな浮遊感が存分に味わえる。
プログレ度・・8 サイケ度・・9 ゆる度・・9 総合・・8
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GONG「YOU」

ゴングの5th。1974作
ラジオ・ノーム・インヴィジブル三部作の完結編で、初期GONGを代表する傑作。
優雅なフルートの音色と、物語を語るようなナレーションで幕を開ける本作は、
サウンド面でのメリハリがいっそうついて、サイケなストーリーものでありながら
音楽作品としての完成度がぐっと高まった。中近東的なテイストで聴かせる
サイケプログレとしてのノリはOZRIC TENTACLESの原型ともいえるだろう。
そして壮大な(?)ストーリーの完結となる10分を超えるラストの2曲は圧巻だ。
プログレ度・・8 サイケ度・・9 ゆる度・・8 総合・・8.5
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GONG 「2032」

1969年の結成から40周年を迎えるサイケデリックロックバンド、ゴングの2009年作
「Flying Teapot」、「Angels Egg」、「YOU」と続いてきたラジオノーム・インビジブルの物語を継承した
シリーズ完結作となる作品だ。すでに70代となったデイヴィッド・アレン、ジリ・スマイスを中心に
復帰したスティーブ・ヒレッジとミケット・ジローディのギターとシンセワークがサウンドを構築する。
ふわふわとした浮遊感あるアレンの歌声に、ジリのコーラスが絡みながら、かつてのヒッピー性と
現代的なモダンなアレンジを巧みに重ね合わせながら、ゆるやかなサイケロックを描いてゆく。
サックスも入った軽やかなジャズ風味に、テクノ風味もあり、スペイシーな広がりを聴かせる音作りは
まさにゴングならではの聴き心地である。さあ2032年、地球と惑星ゴングとの交信は成ったか?
ドラマティック度・・8 サイケ度・・9 ゴング度・・9 総合・・8
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GOTIC「Escenes」

スペインのプログレバンド、ゴティックのアルバム。1978作
CAMELを思わせる繊細なメロディが素晴らしいインストプログレの傑作。
たおやかなフルートの音色にクラヴィネットやムーグなどのシンセ類が絡み
軽やかなアンサンブルで美しい叙情を聴かせる。スペイン特有の土臭さはなく、
ジャケのイメージのように全編メロディアスでやわらかなシンフォニックサウンド。
これが唯一のアルバムというのが残念でならないくらいの完成度だ。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 スペイン度・・7 総合・・8
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GRANADA「Hablo de una Tierra」

スペインのプログレバンド、グラナーダの1st。1975作
ギター、ピアノ、ヴァイオリン、ヴォーカルをこなすカルロス・カルカモを中心にした、
TRIANAとともに70年代スバニッシュロックを代表するバンド。
メロディアスなギターに艶やかなヴァイオリンの音色、吹き鳴らされるフルートなど、
アコースティカルな叙情性もあって、スペイン語の歌唱とともにしっとりと聴かせる。
メロトロンによるシンフォニックな質感に、スパニッシュギターが絡む様も美しい。
TRIANAに比べるとクセの強さは薄いので、スパニッシュ初心者にも聴きやすいだろう。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・7.5
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Gualberto「La A La Vida, Al Dolor」

スペインのアーティスト、グアルベルトの1st。1975作
名作として知られる2ndは優雅でアコースティカルなサウンドが素晴らしい作品であったが、
この1stの方も基本的には方向性は同じで、ゆるやかなアコースティックギターを中心に、
フルート、ヴァイオリンなどで素朴な音色をゆったりと聴かせる作品だ。
インスト指向の2ndに比べて、前半は歌もの的な雰囲気で耳に優しい音であるが、
アルバム後半になるとシタールの音色とともにアラビックな曲もあったり、
エレキギター入りのプログレ色のある曲などもあって、意外と多彩な引き出しが楽しめる。
アコースティカル度・・8 スパニッシュ度・・8 牧歌的度・・8 総合・・8
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GUALBERTO「Vericuetos」
スペインのアーティスト、グアルベルトの2nd。1976作
スパニッシュプログレの名作の一枚に数えられるアルバム。全編インストで
基本はジャズロック的なサウンドなのだが、ヴァイオリン入りのクラシカルなアンサンブルが素晴らしく、
即興的でありながらも、優雅で芸術的な構築性も感じられる。
異国的なシタールの音色、シンセと絡むヴァイオリン、フルートにも独自の美学が見える。
30分ほどの短いアルバムながら、たおやかさと音楽の芸術が詰まった作品だ。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 クラシカル度・・8 総合・・8
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GWENDAL「GLEN RIVER」
フランスのトラッドロックバンド、グウェンダルのアルバム1989作
たおやかなフルート、ヴァイオリン、ハープ等によるゆったりと流れるようなサウンド。
繊細な曲調ながらも、ときにエレキギターやロックドラムが入り、ただのトラッドではない。
全編インストで、ある意味GANDALFなどにも通じる桃源郷的幻想作品でもある。
まどろみながら自然体で聴きたい作品。ただし演奏の質はとても高い
メロディアス度・・8 シンフォニックトラッ度・・9 素朴度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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H
Halloween「Merlin」

フランスのプログレバンド、ハロウィーンのアルバム。1994作
フランスのシンフォニックシーンではベテランと言ってよいバンド。
本作はタイトル通りアーサー王伝説に登場する魔術師マーリンをコンセプトにしたアルバム。
ヴァイオリンが鳴り響くクラシカルな質感と、フランスらしいどこかとぼけたシアトリカルなサウンドで、
フランス語による女性ヴォーカルの歌声も、どこかミステリアスで、ほの暗い叙情と不思議な緊張感が漂う。
MINIMUM VITALやTIEMKOなど、90年代フランスには質の高いシンフォプログレバンドが多かった。
シンフォニック度・・7 シアトリカル度・・8 フランス度・・8 総合・・8
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HARNAKIS 「numb eyes ,the soul revelation」
フランスのシンフォニックロックバンド、ハルナキスのアルバム。1990作
90年代初頭のフレンスのシンフォニックシーンといえば、MINIMUM VITAL、
TIEMKO、EURHYBIA、ECLATあたりしか思いつかないが、
他にもこうしたマイナー系バンドがひっそりと活動していたのである。
幻想的な美しい色合いのジャケから、以前から気にはなっていたバンドであった。
音の方は、この当時のフランスにしては出来がいい部類のシンフォニックロックで、
メロディアスなギターに、プログレ的にカラフルなキーボード、女性ヴォーカル、
そして案外起伏に富んだ軽やかなリズムなど、なかなか聴かせてくれる。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・7 総合・・7.5
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I
iBiO「CUEVAS DE ALTAMIRA」

スペインのプログレバンド、イビオのアルバム。1978作
先史時代の壁画が残るスペインにある「アルタミラ洞窟」をコンセプトとしたアルバム。
ソリーナ、メロトロンなどの美しいシンセとアコースティックギター、そしてスペイン語の歌唱による
シンフォニックサウンドで、繊細な音の中にはイタリアンロックにも通じる叙情性がある。
たおやかなピアノにかぶさる泣きのギターや、軽やかなジャズロック風味もあり、
全体的にインパクトや派手さはさほどないもののじっくりと聴け、飽きさせない作品だ。
スペイン臭さも薄いので初心者にも勧められる。なおバンドは2006年に28年ぶりとなる2ndを発表。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 スペイン度・・7 総合・・8
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ICEBERG「Sentiments」

スペインのジャズロックバンド、アイスベルグの3rd。1977作
基本はテクニカルなジャズロックだが、軽やかにたたみかける演奏の中にも
美しいシンセと泣きのギターがたっぷりとちりばめられたサウンドは、
シンフォニックですらある。歌がないせいもあってかスペイン臭さはあまりなく、
哀愁のメロディを奏でるギターは、ときにまるでセバスチャン・ハーディのようだし、
たおやかなピアノとプログレ的なシンセワークを使い分けるKey奏者のセンスもかなりのもの。
ジャケは不気味だが、内容はシンフォニック・プログレ・ジャズロックの傑作といえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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ITOIZ「EZEKIEL」
スペインの叙情派ロック、イトイスの2nd。1980作
このバンドの1stはハモンドを多用したシンフォニックプログレに近い作風だったが、
続くこの2ndではサックスやフルートが加わり、多少ジャズロック的な印象である。
独特の哀愁はそのままで、アコースティックギターや素朴な歌には都会をはなれた温かみを感じる。
ピアノ、ハモンドも美しく、アンサンブル的にもまとまりがあり、聴き疲れしない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 やわらかな叙情度・・8 総合・・8
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ITOIZ 「Alkolea」

スペインの叙情派ロックバンド、イトイスの3rd。1982作
アコースティックギターに、美しいピアノの音色、サックスも絡みつつ
スペイン語の歌声とともに素朴な叙情を聴かせるサウンド。
代表作とされる2nd「EZEKIEL」よりもさらに洗練された小曲が光る。
どこかイタリアのバンドのようなやわらかな味わいも魅力だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらかな叙情度・・9 総合・・8
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ITZIAR

スペインのプログレ・トラッドバンド、イツィァールのアルバム。1978作
ケルト/トラッド音楽が盛んなスペインバスク地方のバンドで、おそらくこれが唯一のアルバム。
アコーステイックギター、フルートを中心に、うっすらとしたシンセが重なり、
そこに絶品の美しさの女性ヴォーカルが幻想的な歌声を乗せる。
ドラムのリズムが加わるとプログレとしても聴け、ジャケのようなしっとりとした夜の情感を楽しめる。
数曲で男性Voが入るのが気に入らないが、女性Voものスパニッシュトラッドとしては屈指の作品だ。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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J
Jean Pascal Boffo「Jeux de Nains」

フランスのミュージシャン、ジャン・パスカル・ボフォの1st。1986作
童話的なジャケ通りの、繊細かつたおやかなサウンドを聴かせるボフォ。
アルバムとしては2nd「Carillons」の絶品のメロディアスさが白眉だが、
このデビュー作では、さらに純粋でアコースティカルなサウンドを聴かせる。
エレキギターの叙情的なフレーズにうっすらとかぶさるシンセも嫌味がなく
オーストリアのGANDALFあたりにも通じる耳に優しい音が広がる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 たおやか度・・9 総合・・7.5
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Jean-Pierre ALARCEN「TABLEAU N 1 + Same」

フランスのSANDROSEのギタリスト、ジャン・ピエール・アラルサンの初期ソロ作。1978/1979作
3つの楽章からなるTABLEAU 1は本格的なロックシンフォニーで、
自身のギターをモチーフにしながらオーケストラ風にアレンジされた壮大な組曲。
クラシカルでシリアスな緊張感は英国のTHE ENIDなどに通じるものを感じさせる。
3曲目以降は1stソロ作の曲で、こちらはギターを中心としたジャジーなロックアンサンブル。
どちらもクラシックに裏打ちされたジャンのギターワークが堪能できる逸品。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・9 総合・・8
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JEAN PIERRE ALARCEN「TABLEAU 2」
フランス伝説のシンフォバンド、サンドローズのギタリスト、J.P.アラルサンのソロ。1998作。
全5曲75分という長大作。ギタリストのくせに楽曲にはギターは使用されておらず、
おそらくリズムも打ち込み。ピアノ、キーボード、オーケストラのみのシリアスな音像。
一聴したところでは、まるで雄大な映画サントラか、純クラシック作品のようだが、
静寂パートからやがてゆるやかに押し寄せるダイナミズムには
荘厳なる孤高さがあり、英国のENIDを思わせる部分もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 静謐度・・8 総合・・7
K
KOTEBEL「STRUCTURES」
ヴェネズエラ出身のシンフォニックバンド、コテベルの1st。1999作
全編インストで、繊細できらびやかなシンセを中心としたしっとり系のシンフォサウンド。
フルートもかなりの頻度で活躍しており、CAMELの美しい部分を抽出したような印象。
楽曲は壮大な盛り上がりがあるわけではなく、比較的おとなしめなので、
聞き疲れすることはないが、熱情派シンフォファンにはやや物足りないか。
しっとりゆるやかシンフォが好きな方にはお薦めできる。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
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KOTEBEL「MYSTICAE VISIONES」
ベネズエラ出身、現在はスペイン在住という、コテベルの2nd。
本作は35分の大曲をメインに、美しいピアノ、たおやかなフルート、チェロなどによる
クラシカルな静寂感から、キーボードによるTHE ENIDばりのシンフォニックパートまで
流れるような構成が見事。シリアスでありながら硬質感はなく、女性スキャットを用いたり、
アコースティックの温かみを感じさせてくれるパートもあり、しっとりと聴ける。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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KOTEBEL「FRAGMENTS OF LIGHT」
ヴェネズエラ出身、スペイン在住のシンフォニックロックバンド、コテベルの3rd。2003作
CAMELを思わせる軽快な演奏と、THE ENIDばりの繊細なシンフォニック性を併せ持ち、
シリアスかつしっとりとした叙情美を聴かせるアルバムです。
美しいピアノ、キーボードに、フルートが舞い、そこに女性ソプラノがスキャットを載せると
不思議な浮遊感が感じられ、インストメインでありながらも音にはかすかな緊張感がある。
とくに、何に似ているというバンドはないが、PFM、ELP、THE ENIDあたりのシリアスさを
再構築して煮詰めたという印象か。クラシックギターの音色が異国情緒をかもしだしている。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 シリアス度・・9 総合・・8
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KOTEBEL「Omphalos」

スペイン在住のシンフォニックロックバンド、コテベルの4th。2006作
インスト中心ながら、過去3作ともクラシカルでシリアスなシンフォニックロックの好作であったが、
今作もじつにたおやかで格調高いクラシカルシンフォの傑作となった。
美しいピアノにオペラティックな女性ヴォーカル、たおやかなフルートにかぶさるメロトロン、
気品すらあるクラシカルな雰囲気と、シリアスな静謐感が一体となり、
かつてのイタリアンロックにあったような懐の深さも感じさせる。
フルートが舞う躍動的でメロディアスな部分は、CAMALやFOCUSをも思わせ、
ときに嫌味でない程度に弾き鳴らされるキーボード、そしてメロウなギターワークも聴きもので、
ゲストによるチェロも加わってゆるやかに盛り上がってゆく30分の組曲は圧巻だ。
この手のクラシカルシンフォとしてはうるさすぎない、見事に調和のとれたサウンドが光る。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 クラシカル度・・9 総合・・8.5
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Kotebel 「Ouroboros」

スペインのシンフォニックロックバンド、コテベルのアルバム。2009作
これまで4枚のアルバムを発表、前作「Omphalos」はクラシカルシンフォの傑作であったが、
本作は「死と再生」、「不老不死」の象徴であるウロボロス(尾を飲み込む蛇)をテーマに
よりシリアスさを増した力作となった。軽やかなアンサンブルを聴かせる1曲目は序の口で、
続く16分のタイトル組曲は、彼らのクラシカルな構築センスが発揮される圧巻の出来。
キレのよい変拍子を叩き出す鉄壁のリズム隊に、クラシカルなピアノ、シンセワークと
メロウなギターワークが重なり、螺旋を描くように絡みながらサウンドを織り上げてゆく。
シリアスな硬質感の中にもメロディの美しさがあるので、オールインストであっても飽きずに楽しめるし、
このシンセを来日公演で見たあの美女奏者が弾いていると思うだけでも聴き入ってしまう。笑
構築型のクラシカルシンフォとしては世界最高レベルの完成度である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8.5
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M
MAGAMA「.M.D.K.」

フランスのプログレッシブロックバンド、マグマのアルバム。1973作
正式なタイトルは「Mekanik Destructiw Kommandoh」。邦題は「呪われし地球人たちへ」
壮大なコンセプトストーリー「トゥーザムターク」の第三楽章で、マグマの最高作といえば本作だろう。
ジャズロックを基盤にしながらも、コバイヤ語による呪術的なヴォーカルと男女コーラスが、
宇宙的で異色の世界観を形成し、脅迫的に盛り上がってゆくそのサウンドには圧倒される。
多くのバンドにも影響を与えたであろう、ブラスの使い方などもサウンドに壮大な効果を与えていて、
いわゆる後のチェンバーロック系バンドのようなクラシカルな質感も有している。
文字にして解説のしようがない音楽であり、その芸術的な音のうねりに触れていただくのが一番だろう。
個人的には代表作である「ライブ」よりも、こちらの方がコンセプトとしての凄さが分かりやすい。
ジャズロック度・・8 アンサンブル度・・8 壮大度・・10 総合・・9
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MAGMA「Kohntarkosz」

マグマの4th。1974作
鬼才、クリスチャン・ヴァンデの描く壮大な世界観は前作「MDK」とともにまさに絶頂期。
2つのパートに分かれた「コンタルコス」は、歌とコーラスが主導だった前作よりも、
アンサンブルの緊張感が増していて、シリアスな硬質感がサウンドを構築してゆく。
より迫力を増したヴァンデのドラムを中心に、ヤニック・トップのベースの存在感も強まった。
得体の知れない壮大さで押し寄せてきた「MDK」よりは、むしろ静謐感の中での
静かなアンサンブルの掛け合いが増したことで、バンドとしての演奏の質は高まっている。
とくに“Kohntarkosz Part Two”の後半部でのたたみかけるサウンドは圧巻だ。
ジャズロック度・・7 アンサンブル度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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MAGMA「K.A (Kohntarkosz Anteria)」

フランスの大御所バンド、マグマのアルバム。2004作
スタジオアルバムとしては20年ぶりの作品ということで、
タイトルからして往年の名作「Kohntarkosz」の続編かと思わせるが、
実際のところは70年代の未発曲を再編成したものらしい。
全3曲で、それぞれ11、15、21分という大曲構成で、音の方もかつてを思わせる
マグマファンにはたまらないサウンド。反復する変則リズムと男女コーラスで、
ゆるやかな盛り上がりを繰り返してゆくあのマグマ節は健在だ。
あるいはマグマ初心者にも勧められる出来といってもよいだろう。
プログレ度・・8 壮大度・・9 コバイヤ度・・9 総合・・8
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Stella Vander「D'Epreuves D'Amour」
MAGMAのメンバーでもあるステラ・ヴァンデのソロ作。1991作
クリスチャン・ヴァンデの妻としても知られる彼女だが、このアルバムで聴けるのは、
プログレでもジャズロックでもなく、たおやかなピアノをバックにした歌ものである。
フランス語による美しいステラの歌声をメインにしつつ、クラシカルなほの暗さは、
ほのかにMAGAMAに通じる部分もあり、フレンチらしい優雅さもなかなか耳に心地よい。
しっとり歌もの度・・9 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MIGUEL RIOS「La Huerta Atomica」
スペインの歌手、ミゲル・リオスのアルバム。1976作
スペインでは有名な歌手であるらしいが、本作は彼のディスコグラフィー中、最もシンフォニックな作品で
「原子の果樹園」の邦題でかつてマーキーから日本盤発売された。
スペイン語による情熱的な歌唱を中心にしながら、バックのキーボードには
ハモンドにミニムーグ、メロトロンまで使われており、たおやかなピアノによる叙情から、
シンフォニックな盛り上がりまで、なかなかプログレ的で美しい。中にはただの歌もの的な曲もあったり、
ファンキーなノリのものやDでのどんどんと高まってゆく女性の喘ぎ声にはつい照れてしまうが、
ラストの組曲などは壮大で、なかなか聴きどころのあるアルバムである。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・7.5
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MINIMUM VITAL「Esprit d'Amor」
フランスのシンフォニックロックバンド、ミニマム・ヴァイタルの5th。1997作
3rdあたりまでは、わりと正統派のシンフォニックロックをやっていたが、
サイドプロジェクトのVITAL DUOからもうかがえる通り、しだいにトラディショナルなメロディに
モダンなアレンジとポップセンスを取り入れた作風に変化してきている。
このアルバムでは、プログレというよりは聴きやすいフレンチポップ的なテイストが前面に出ていて、
軽やかなリズムと小洒落たシンセアレンジで、プログレ的な要素はほとんどない。
フランス語の女性Voにしてもメジャーなポップテイストを感じさせ、
ときおり聴かせるギターのフレーズなどに、かつてのシンフォバンドの面影を残すくらいか。
全体的にひとつ突き抜けたバンドの新たな形がはっきりと出ており、
プログレうんぬんを意識しなければ、これはこれで質の高い作品だと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 フレンチポップ度・・8 総合・・7.5
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MONA LISA「AVANT QU'LL NE SOIT TROP TRAD」
フランスのシンフォニックロックバンド、モナ リザのアルバム。1978作
以前「限界世界」という邦題で日本発売もされた彼らの代表作。
語り口調のVoといい、同郷のANGEを手本としたようなシアトリカルなサウンド。
しかしただ濃いだけでなく、クラシカルなピアノなどの引きのパートもあり、
70年代のフレンチシンフォとしてはなかなか質が高いと思われる。
同時代のイタリアやイギリスのバンドと比べるとシンセの音がややチープに思えるが
そうしたエセ華麗さ、ともいうべきものもフレンチシンフォの醍醐味なのだろう。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フレンチ度・・8 総合・・7
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MORRIGAN「CHRONIQUES D'LCI-BAS」
フランスのシンフォニックプログレバンド、モリガンのアルバム。1999作
ややショボいカンジのヴァイキングチックなジャケなどから察するに、中世をモチーフにした作風のようで、
音はなかなかハードなギターやドラムに、男臭いVoが歌い上げるというもの。
シンセの頻度はさほど高くなく、ギターのメロディとこのアクの強い野郎Voがメイン。
曲の盛り上がりではそれなりにドラマティックだしシンフォニックではあるが、どこかに野暮ったさがあり、
それはやはりこのヴォーカルに起因するところが大な気がする。
シンフォニック度・・7 野郎Vo度・・9 楽曲・・7 総合・・7
MOTIS「Prince Des Hauteurs」

フランスの古楽プログレバンド、モーティスの3rd。2005作
MOTIS氏を中心にした3人組みで、アコースティックギターやマンドリンの音色に、
美しいシンセワークを加えたゆるやかなシンフォニックサウンド。
土着的なメロディを歌うフランス語の歌唱も特徴的で、
ブズーキやフルートなどの古楽器と、効果的なエレキギターの使用で
ただのトラッドではないモダンなロック感覚が同居しているのが面白い。
バックで響くメロトロンなどもいかにもプログレファン好み。
シンフォニック度・・7 古楽度・・8 フレンチ度・・8 総合・・7.5
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MOTIS「L'homme」

フランスのトラッドプログレバンド、モーティスの4th。2007作
ギター、ベース、マンドリンにシンセもこなすMOTIS氏を中心にした3人組みのユニット。
アコースティックギターにたおやかなフルートが鳴り、そこにドラムが加わると、
古楽ロック的な質感とともに、軽快かつ優雅に聴かせるサウンドとなる。
フランス語の歌唱に、メロトロン、ムーグ、ハモンドなどのシンセ類が重なって
レトロなプログレ要素を併せてかもし出している。なかなか個性的な雰囲気だ。
フランスにはASGARDやGWENDAL、WURTEMBERGといったトラッド寄りのバンドがいたが、
このバンドも質の高さの点で引けをとらない。古めかしさを現代のアンサンブルでよみがえらせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 古楽トラッ度・・8 総合・・8
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MoTis「Live Crescendo」
フランスのトラッドプログレバンド、モーティスのライブアルバム。2007作
古楽とプログレを巧みに融合させた彼らのアルバムは、
なかなか素晴らしいものがあったが、それがライブでどう再現されるのかと興味津々。
ヴォーカルでギターにシンセも弾くリーダーと、ドラム、フルート奏者の三人組。
さすがに音の方は薄いが、アコースティックギターにフルートの音色が絡み、
フランス語によるヴォーカルが合わさると、トラッドな雰囲気がぷんぷんだ。
アルバムのようなプログレ/シンフォ度は高くないが、むしろこのサウンドには
彼らの本質が聴け、ジャケ写真の中世風の衣装とともにその世界観を感じ取れる。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5
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N
NeBeLNeST「NoVa eXPReSS」

フランスのヘヴィプログレバンド、ネベルネストの2nd。2002作
マグマを思わせるスペイシーな雰囲気のジャズロック風味と、
クリムゾン的な叙情とヘヴィネスを合わせたようなインストサウンド。
10分を超える曲もあり、鳴り響くメロトロンの響きとともに、ミステリアスな世界観と
テクニカルな演奏とが一体となった、スケールの大きなサウンドを描いている。
クリムゾン好きはもちろん、ANEKDOTENなどのリスナーにも楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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NEMO「Presages」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモの2nd。2003作
初めて聴くバンドなのだが、2001年のデビューから現在までにすでに6作を出している。
長い曲を展開力のある楽曲でぐいぐい聴かせる王道のシンフォニックサウンドで、
この手のバンドにありがちなもったりとした感触はなく、むしろギターにしろリズムにしろ
ハードめのアプローチもなされているのが特徴的。ピアノやアコースティックギターによる
しっとりとした優雅な部分もあり、フランス語のヴォーカルもなかなかはまっている。
のっけから13分の大曲に、その後も13分、17分という組曲があり、
このバンドのドラマティック性へのこだわりと大作志向がうかがえる。
この時点では曲アレンジにやや無駄が多い部分もあるので、そのあたりが成長しているか
3rd以降の作品も聴いてみたい。フレンチシンフォの若手としては非常に有望株。
シンフォニック度・・8 フランス度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
NEMO「Prelude a la ruine」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモの3rd。2004作
2ndの時点から、大曲指向のドラマティックなハードシンフォスタイルがなかなかだったが、
今作はのっけからモダンなProgMetalのような雰囲気で攻めてきた。
フランス語の歌唱や、クラシカルなピアノの響きにはヨーロピアンな叙情が感じられ、
7〜9分台の長曲をメインにしながらも、力みすぎずにエレガントに聴かせる。
メタリックなギターによる硬質感と、フランス的なやわらかさが同居したサウンドだ。
シンフォニック度・・7 ProgMetal的度・・8 フレンチ度・・7 総合・・7.5
NEMO「Barbares」
フランスのシンフォニックロックバンド、ネモのアルバム。2009作
2001年にデビューしてから、これがすでに7作目となるハードシンフォの中堅。
本作は過去から近未来までの戦争をテーマにしたトータル作で、
いくぶんメタリックな要素もあるドラマティックなシンフォニックロックを聴かせる。
美しいシンセークとモダンなアレンジ、ときにProgMetal的な展開美と
フランス語の歌唱で構築されるサウンドは、シアトリカルな質感も含めて
非常に高品質。7〜9分の曲が主体で、ラストは26分の大曲という力作。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 フランス度・・8 総合・・7.5
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NIL「QUARANTE JOURS SUR LE SINAI」
フランスのプログレバンド、ニルのアルバム。2002作
詳細は不明だが、音の方は初期クリムゾン的なヘヴィシンフォといってもいいもので、
自主レーベルからのアルバムだが、演奏、楽曲ともなかなかセンスがある。
基本はややダークなギターとシンセを中心にしたインストだが、
時折女性Voの美しくも妖しい歌声が入り、曲としてのアクセントになっている。
引きの部分では北欧っぽい薄暗さもあり、唐突な切り返しなどには
ANGLAGARDあたりを思わせる部分もあって、ダークなシンフォ好きにはお薦めできる。
シンフォニック度・・7 妖しげ度・・8 薄暗度・・9 総合・・8
NIL「novo sub sole」
フランスのヘヴィシンフォニックバンド、ニルの2nd。2005作
前作も初期クリムゾン的なヘヴィシンフォサウンドでなかなか面白かったが、
今作はのっけから女性Voの比重が増し、妖しいスキャットヴォイスに耳を奪われる。
ある種ゴシックふうな、たゆうたようなほの暗さと美しさが増していて、
サウンドを通してエキセントリックで芸術的な雰囲気が感じられる。
北欧のPAATOSあたりに通じる浮遊感と倦怠の魅力がある。オフィシャルサイトで試聴可能。
メロディアス度・・7 ほの暗シンフォ度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
O
OMNI「solo fue un sueno」
スペインのシンフォニックロックバンド、オムニの3rd。2007作
CAMELを思わせるメロディアスなギターにたおやかなフルートの音色、
インスト主体ながら、9分、10分という大曲も聴かせてくれる。
うっすらとしたシンセもうるさすぎず、スペインの名作GOTICにも通じる
やわらかみのあるメロディと軽やかさで最後まで心地よく聴き通せる。
アンダルシアの風を運んでくるような泣きの叙情を奏でるギターは、
我々日本人の琴線に触れてやまないだろう。オフィシャルサイトはこちら
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 スパニッシュ度・・7 総合・・7.5
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P
PARTHENON「Mare Tenebris」
スペインのプログレバンド、パルテノンの2005年作
トラッドプログレバンドAMAROKのシンセ奏者を中心にしたバンドで、
ここではトラッド色のない、シンセを主体にしたELPタイプのサウンドをやっている。
クラシカルなセンスのシンセワークは、派手さよりもしっとりとした美しさと優雅さがあって、
そこにギターが絡みながらインスト主体のシンフォニックロックを形成してゆく。
またAMAROKの女性Voも参加していて、何曲かで美しい歌声を聴かせてくれる。
全体的にはサウンドがやや平坦なので単長に感じるところもあるが、まずは優雅な好作品。
シンフォニック度・・7 キーボー度・・8 しっとり優雅度・・8 総合・・7.5
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Priam「3 Distances/Irregular Signs」

フランスのプログレバンド、プリアムの1st。1997作
ギター、シンセ、ベース、ドラムの4人組で、清涼感のあるシンフォニックな
フュージョン/ジャズロックをやっている。オールインストながらギターの奏でるメロディや
美しいシンセのおかげで耳触りがよく、テクニカルであっても案外聴きやすい。
そういう点ではかつてのKENSOあたりに通じるセンスもあり、
モダンなプログレ感覚を嫌味なくさらりと聴かせられる演奏力も見事だ。
中盤の26分の組曲は、繊細なシンフォニックロック風のパートから、
ギターを中心にテクニカルに展開してゆき、見事な構築センスで聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築センス度・・8 総合・・8
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PULSAR「POLLEN」
フランスのシンフォニックロックバンド、ピュルサーの1st。1975作
PULSARといえば、名作と名高い3rd「Halloween」がまず浮かぶが、
このデビュー作の時点から、いわゆる雰囲気ものシンフォとしての萌芽はすでにあった。
スペイシーなシンセを中心とした、ゆったりと静かな曲調で、
どことなく同郷のWAPASSOUに近いものを感じるサウンド。テクニカルな部分は皆無だが、
たとえばジャーマン系のシンセものにも通じるアトモスフィリックな世界観が魅力であろう。
シンフォニック度・・7 ロック度・・6 スペイシー度・・8 総合・・7
PULSAR 「Halloween」

フランスのプログレバンド、ピュルサーの3rd。1977年作
女性Voによる“ダニーボーイ”で幕を開ける本作は、フランスプログレ史上においても5指に入るべき名作。
美しいフルートに幽玄なメロトロンの響き、アコースティックギターのつまびきに包まれて、
ゆったりと曲は進んでゆく、ヘヴィーなギターが加わりダイナミックなリズムとともに、
薄暗い叙情とエクセントリックな夢見心地の狂気のようなものが交差してゆく。
メロウなギターワークとメロトロンの重なりは絶品で、たとえば初期のGENESISの叙情をフランス的な
アートな感性で仕立て上げたという感じか。A、B面をいっぱいに使った全2曲の構成も思い切っているが、
カッチリとした展開というものではなく、むしろ広がりのある幻想的感性を楽しむ作品だと思う。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・9 総合・・8.5
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PULSAR「GORLITZ」
フランスの叙情派バンド、ピュルサー(パルサー)の通算5枚目のアルバム。1989作
PULSARといえば3枚目の「HALLOWEEN」がユーロロック史上の傑作として有名だが、
それ以外のアルバムは意外と知られていない。このアルバムもさして話題にはならなかったようだが、
ヨーロッパの古めかしい鉄道列車が映ったジャケがなんだか旅愁を誘う。
サウンドのほうはゆるやかなキーボード、ギターによる静か目の叙情曲で、
1曲目の19分の大曲からして思わず眠りそう・・・いやいや、繊細で情緒的。
壮大さや刺激を求める方には正反対の音楽。たまにはこういう大人のシンフォもいいか。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 静寂の叙情度・・9 総合・・7
PULSAR「Memory Ashes」

フランスのシンフォニックロックバンド、ピュルサーの2007年作
1977年にフレンチシンフォニックの金字塔というべき傑作「Halloween」を発表、
その後1989年の「GORLITZ」以降音沙汰がなかったが、じつに18年ぶりとなる復活作。
サウンドはしっとりとしたシンセに包まれて、美しいピアノやメロウなギターワーク、
そして女性コーラスなどを含めた、ゆったりとした叙情的な聴き心地。
25分を超えるタイトル組曲をはじめとして、かつてを思わせる幻想的な世界観とともに、
ゆるやかに音が重ねられてゆく。派手さはないがうっとりとなる情緒的な傑作です。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Q
QUARTETO 1111
「ONDE QUANDO COMO PORQUE CANTAMOS PESSOAS VIVAS」

ポルトガルのプログレバンド、カルテット1111のアルバム。1974作
Jose Cidが在籍したことでも知られるバンドで、これが3作目であるらしい。
2曲の大曲による30分弱というアルバムながら、
全編にわたってメロトロンが鳴り響き、やわらかなヴォーカルが心地よい、
しっとりとしたアコースティカルな作風だ。おおらかな叙情性が耳に優しい。
やはりJose Cidのシンセワークは素晴らしく、素朴なサウンドを豊かに彩っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
R
Raison de Plus「Au Bout du Couloir」

フランスのシンフォニックロックバンド、レイソン・デ・プラの1st。1995作
このありえないほどのB級っぽいジャケからは想像もつかないが、
リリカルなメロディ満載のシンフォニックの好作である。いやホントに(笑)
いかにも派手やかなシンセワークに、技術的にはいま一つながらクサメロを奏でるギター、
たおやかなフルートに、ヘナチョコながらときにシアトリカルに歌ったりするヴォーカル。
楽曲はマイナー臭さを残しつつ、ドラマテイックに華麗に盛り上がったりします。
総じて弱いんですが…好きなんです。これぞフレンチシンフォというね。
シンフォニック度・・8 フレンチ度・・9 B級度・・8 総合・・7.5
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RAISON DE PLUS「ICI EST AILLEURS」
フランスのシンフォニックバンド、レイソン・デ・プラの2nd。2002年作。
1stもジャケはともかく中身は素晴らしいクサメロのシンフォニツク作品だったが、
今作も同傾向のリリカルシンフォニック全開の逸品だ。
少し古めのツインキーボードの音色は80年代を思わせ、メロウなギターもつぼを押さえてセンス良い。
曲には適度な疾走感と展開のメリハリがあり、盛り上がりではあくまでメロディアス&シンフォニック。
引きのパートではやさしいフルートの音色でうっとりとなる。
Voの力弱さもこの繊細でソフトなシンフォサウンドにはマッチしている気がする。
シンフォニック度・・9 リリカル度・・9 フレンチ度・・9 総合・・8
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RC2「Future Awaits」
スペインで活動するシンフォニックロックバンド、RC2の2008年作
テクニカルな展開力とさわやかでキャッチーなメロディが合わさったシンフォニックロック。
ヴェネズエラ出身ということだが、歌詞が英語のため南米的な雰囲気はあまりなく、
スタイリッシュなサウンドはむしろアメリカ的という感じもする。
クラシカルなピアノ、シンセワークにヴォーカルの優しい歌唱が重なり
しっとりと聴かせる繊細さもあって、曲は長いのだが聴き疲れはしない。
また、メロディアスなだけでなく、SPOCK'S BEARD的なとぼけた風味や、あるいは
ProgMetal的な構築性も感じられて、新世代の若手らしい貪欲な吸収力もありそうだ。
ただ、現時点ではまだサウンドの焦点を絞るまではいっておらず、いくぶんの散漫さも残る。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲センス・・8 総合・・7.5
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S
SAENS「ESCAPING FROM THE HANS OF GOD」
フランスのシンフォニックロックバンド、サエンスの1st(SENSから改名)。2001。
まずのっけから壮大なシンセ、そこにメロウなギターが絡み女性の合唱コーラス、と大仰極まりない。
曲が始まると少々力んだ演劇的な男Voの歌唱が耳につき、ポーランドのABRAXASあたりを思わせる
静寂パートのピアノやアコギが美しい。歌が入ると一気に濃度が上がる。
ギターのフレージングはメタル的で、部分的にはプログレメタルの音像。
曲が長く、壮大で重厚なシンフォが好きな者にはお薦めできるアルバム。
欠点は、6曲中5曲が10分以上で全73分という気合の入りすぎようだろう。
1曲目(16分)が終わらないうちにレビューを書き終えてしまった(笑)。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・9 総合・・7.5
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SAENS「PROPHET IN A STATISTICAL WORLD」
フランスのシンフォバンド、サエンスの3rd。2004作
2ndも壮大な大作だったと思ったが、今回も73分間のシンフォ大作。
時にややハードめにもなりメロウなフレーズもこなせるなかなか芸達者なギターに、
今回はSF的コンセプトなのか近未来的な雰囲気のキーボード、そしてたおやかなピアノ、
そこに乗るややヘナヘナしたVoと、フランスというよりはかつての英国シンフォの流れにあるようなサウンド。
山あり谷ありの楽曲は、時にゆるやかに、時に混声合唱などを導入して盛り上げつつ
長大なドラマを形作ってゆく。ただ、とにかく曲が長いので気が短い方には向かない。
「シンフォニックな大作…のんびり聴ける人向け」といったところ。
ボーナスDISCには1sからの再録等を収録した全3曲50分。
こちらはもう少し分かりやすいハードシンフォ路線でなかなか。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 よくも悪くも大作度・・8 総合・・7.5
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SANDROSE

フランスのプログレ・ロックバンド、サンドローズのアルバム。1972作
ジャズやクラシックの素養をもつJean-Piere Alarcenを中心に、EDEN ROSEを母体に結成される。
オルガンを基調にした70'sロックサウンドに、表現力豊かな女性ヴォーカル、ローズのソウルフルな歌声が重なると
プログレというよりはむしろ、SAVAGE ROSEなどに通じる女性声R&Bという質感に包まれるが、
ここぞと鳴り響くメロトロンなどはシンフォニックな叙情性を付加しており、思わずうっとりとなる。
アラルサンのメロウなギターワークもやはり見事で、この時代にしか作り得なかったであろう
熱情と美学がアルバムの中には溢れている。フレンチロックの名盤というに足る作品だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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Senogul

スペインのプログレバンド、セノガルのアルバム。2007作
詳細は不明だが、アストゥーリアス地方のバンドらしい。
ブックレットを見ると、基本メンバーはギターにベース、シンセなどの5人だが、
そこにトランペットや各種ホーン、パイプ、アコーディオンなどが多様に加わってくる。
たおやかなピアノでしっとりと聴かせながらも、その実、曲展開はかなり凝っていて
先の読めないような雰囲気がある。クラシカルな美しさを基本にしつつ、ときにタンゴ調になったり、
ジャズやファンク色あればバグパイプが鳴り出して、またチェンバロが優雅に奏でられたりと、
じつにとりとめがないのだが、そこに不思議と整合感があるのである。
決してうるさい音ではないのに楽曲は複雑という、ある意味個性的なシンフォ作だ。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 民族度もあり度・・8 総合・・8
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SENSITIVE TO LIGHT「Almost Human」

フランスのシンフォニックロックバンド、センシティブ・トゥ・ライトのアルバム。2006作
SAENSのメンバーによるニューバンド。ミステリアスで荘厳なイントロから始まるのは、
ハケットばりのメロウなギターに壮大なシンセワークの一大シンフォニックサウンド。
女性Voの歌声に導かれながら、曲はあくまでメロディアスかつドラマティックに進行してゆく。
かつてのSAENSよりもサウンドにはダイナミズムが増していて、楽曲構成も自然になり
肩の力が抜けた分だけ、ひとつずつのメロディ、音の重ねに説得力が加味されている。
長い曲においても、しっとりとしたパートからの盛り上がりが聴き手に高揚感を与えてくれ、
繊細でありながら壮大さとダイナミックさを有した見事なシンフォニック作だ。
曲によってはKARNATAKAあたりを思わせる質感も良い。マイスペにて試聴可能。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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SENSITIVE TO LIGHT「From the Ancient World」

フランスのシンフォニックロックバンド、センシティブ・トゥ・ライトの2nd。2008作
前作「Almost Human」は女性ヴォーカルで聴かせる壮大なシンフォニック傑作だったが、
今作もその延長上の出来。美しいシンセにヘヴィシンフォニック風のギターが絡み、
そこにトレイシー・ヒッチングあたりを思わせる女性ヴォーカルが歌を乗せるサウンド。
のっけから30分の組曲というのもすごいのだが、SAENSE時代から大作指向であったので、
慣れたものなのだろう。巧みに楽曲にメリハリを付けながら盛り上げてゆく手法はさすが。
また今作ではシンフォニックさだけでなく、ややアヴァンギャルドな緊迫感や、ケルト/トラッド的な要素、
あるいはサックスなどを取り入れたジャジーな風味などを織りまぜて、よりカラフルに聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 フランス度・・7 総合・・8
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Seven Reizh「Strinkadenn'Ys」
フランスのトラッドプログレバンド、セブン・レイズのアルバム。2001作
エレキギターとシンセを基調とした、シンフォニックロック的な華麗さと、
パイプやフルートなどによるトラッド要素が混ざり合ったサウンド。
アコースティックな部分でのしっとりとした叙情に、美声の女性Voによる歌声も耳に心地よく、
バックのうっすらとしたシンセとともにケルティックミュージック的な爽やかさもかもし出している。
インスト曲での幻想的な雰囲気は、雰囲気ものとしても楽しめ、呪術的な男Voも出てきたり
けっこうシアトリカルな質感もある。全体的なまとまりには欠けるが質の高いトラッドシンフォ作だ。
シンフォニック度・・7 トラッ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SILVER LINING「The Inner Dragon」
フランスのシンフォニックロックバンド、シルバー・リニングの2004年作
案外ハードめのギターと、ゆるやかなシンセをバックに、
女性奏者の弾くヴァイオリンが艶やかに鳴り響く、なかなかドラマティックなサウンド。
曲調はややもったりとしていて、ドラムやヴォーカルの弱さを気にならなければ
日本のOUTER LIMITSあたりを聴くような感じで、ファンタジックな世界観に浸れる。
どことなく音に漂うマイナー(田舎)臭さも、シンフォニックファンには受けるかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったりファンタジック度・・8 総合・・7.5
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SKEEM

フランスのシンフォニックロックバンド、スキームのアルバム。2001作
まったく知らないバンドだったのだが、聴いてみてこれはなかなかのシンフォニックぶり。
美しいシンセワークを中心に、メロウなフレーズを奏でるギターもいい感じで、
曲は7〜9分台で、比較的ゆったりとした展開で聴かせるシンフォサウンドだ。
同郷のバンドでいうとCHANCEあたりに近い感じだろうか、じつに耳心地がいい。
ヴォーカルが英語なのであまりフランス臭さはない。ジャケに比べて内容は高品質。
シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 フランス度・・7 総合・・8
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T
TAAL「MISTER GREEN」
フランスのメタル風、シンフォニック・チェンバーロックバンド、タールのアルバム。2000作
のっけからけっこうヘヴィなメタル風ギターサウンド、かと思いきや女性声のコーラス、
オーケストラ曲風に展開する壮大調の楽曲、テクニカルなのにおちゃらけたメロディなど、
なんといえばいいのか一言では言い表せない音楽をやっている。変態気味チェンバーだが、
要は曲を大げさにしてメタルギターを弾きまくったらこうなる、という感じか(笑)。
しかし引きの部分で意外に繊細な部分もあり、そこが彼らの本気度なのだと思われる。
管弦楽器をゲストに盛り上がる様はある意味シンフォニーとさえいってよい。
プログレ度・・8 いろんな意味で壮大度・・9 何故かメタルギター度・・9 総合・・8
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TAAL「SKYMIND」
フランスのシンフォニック・チェンバーロックバンド、タールの2nd。2002作
1stの方も強引なメタルギターに管楽器をフィーチャーした、エセ壮大系の無茶なサウンドだったが、
この2ndにして、さらに楽曲のアレンジの細やかさが増し、サウンドのクオリティが高まった。
相変わらずのこけおどしメタルサウンドと管楽器、ストリングスの合体は素晴らしく、
時折聴かせるしっとり(?)とした叙情クラシカルパートも本物に聴こえるし、
おちゃらけたメロディや無茶な展開も、馬鹿にできずに、むしろシリアスに聴き通せる。
「本物」なのだ。本物の音で壮大な「悪ノリ」をしているのがこのバンドの魅力なのだ。
結果、まったくもって、シンフォニックでありながら、手の込んだいたずら心満載の
大仰なシンフォニーロックに聴こえてしまう。びっくりでニヤリ。オペラチックな女性Vo曲もある。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 本気だから度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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TAI PHONG

フランスのメロディックプログレバンド、タイ・フォンの1st。1975年作
「恐るべき静寂」のタイトルと日本の武士をあしらった美しいジャケが魅力的。
サウンドの方も、キャッチーなコーラスハーモニーに日本人好みの繊細な叙情で、
絶妙のアンサンブルとともにメロディアスに聴かせる。メロウなギターに美しいシンセワークも
あまりプログレ、プログレしていない点で、一般のリスナーにも聴きやすいメジャー性がある。
2曲め“SisterJane”の美しさにはうっとり。2nd「ウインドウズ」も甲乙つけがたい傑作。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 叙情美度・・9 総合・・8.5
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TAI PHONG「Windows」

フランスのメロディックプログレバンド、タイ・フォンの2nd。1976/2007作
このバンドの1st「恐るべき静寂」は、日本の武士をデザインした美しいジャケのインパクトとともに、
絶品の叙情とメロディにあふれた名盤として知られるが、2ndとなる本作もまた素晴らしい。
1曲目の“憧憬と失意の季節”でのダイナミックな叙情へのメロディアスな展開美は、
個人的にはタイ・フォンの曲の中でももっとも好きなものだ。センスあるギターワークとシンセが絡み、
そこに哀愁を感じさせるヴォーカルが重なると、プログレうんぬんというよりも絶品のメロディックロックとして
一般の方にも大いに楽しめるはず。しっとりとしたピアノなど、やわらかで繊細な叙情も胸をうつ。
なお、紙ジャケリマスター盤ではこのジャケがエンボス仕様でさらに美しくなっているのも素晴らしい。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 叙情美度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE「De l'Autre Cote de la Foret」

フランスのフォークロックバンド、タンジェリンのアルバム。1975作
ゆるやかなアコースティックギターに優しいフルートの音色、
そして美しい女性ヴォーカルで聴かせる、正統派のフォークロック。英語で歌われる曲などは、
ほとんどブリティッシュフォークの質感で、はかなげな叙情と浮遊感が耳に心地よい。
メロディアス度・・8 アコースティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TANTRA「Holocausto」
ポルトガルのプログレバンド、タントラの2nd。1979作
サウンドはGENESIS的なシンフォニックサウンドに辺境的な味を付加した雰囲気で、
ドラマティックな展開と、8分、10分といった大曲にシアトリカルな壮大さが感じられる。
母国語の歌唱もあいまって異国的な味わいもあるが、音の軽さもあってか、
どこかB級的な匂いも漂わせている。近年復活しアルバムを2枚出している。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 異国度・・8 総合・・7
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TANTRA「TERRA」
ポルトガルのシンフォニックロックバンド、タントラの4th。2003作
1970年代から活動していたバンドらしいが、これは20数年ぶりとなる復活作らしい。
基本はGENESIS系のシンフォニックサウンドだが、部分的にはハードめだったり
母国語のVoや濃いめの雰囲気などにはエキゾチックなものを感じる。
繊細さと少々無骨さのあるハードシンフォな要素が合わさった不思議な壮大さがあり、
この怪しいジャケも含めて、辺境ものシンフォとしてはかなりの力作である。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 異国情緒度・・8 総合・・7.5
THOLLOT「Contact」
フランスのアーティスト、フランコイス・トロのソロアルバム。2002作
MAGMA関連メンバーのPhilippe BussonnetとDanieel Jeand'heurが参加し、
MAGMAを思わせる雰囲気もありつつ、UNIVERS ZEROやPRSENTなど
ベルギー系のチェンバーロック風味もあるダークめサウンド。
音の愛想はよくなく、ギターにしろベースにしろどこか淡々としていて、
いわば濃密な闇ではなく、もっと乾いた薄闇という印象を感じる。
オールインストで曲調も似ているので、この手が好きなリスナーでないと
途中で退屈になるかもしれない。自分はぎりぎりのところ。もう少し粘っこさが欲しい。
メロディアス度・・6 暗黒度・・7 硬質度・・8 総合・7.5
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TIEMKO「Clone」

フランスのプログレバンド、ティアンコの4th。1995作
このバンド4作目を出していたなんて知らなかった。Amazonで発見してさっそくゲット。
3rd「Parade」はフレンチプログレ史上に残るシンフォニック系の傑作なのであるが、
本作も3人編成による巧みなヒネくれ系のプログレサウンドを聴かせてくれる。
シンフォニックといってもいいシンセワークを中心に、どこかミステリアスな雰囲気で
あるいはチェンバーロック的なミニマムな音空間を作り上げてゆくセンスはさすが。
この大仰さのないすっとぼけた感じがいかにもフランス的であり、リズムとシンセの重ねに
デジタルがかったアレンジを取り入れるなど、プログレというにはお洒落ですらある。
ラストの大曲のどこか得体のしれない壮大さは、後のTAALなどにもつながるものがある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 フランス度・・9 総合・・8
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TRIANA「EL PATIO」

スペインのプログレバンド、トリアーナの1st。1975作
スパニッシュプログレの代表格でもある彼らの1st。紙ジャケリマスター盤。
土着的なフランメンコロックにキーボードを取り入れてプログレ化、
熱いスパニッシュの歌唱がはじける濃密なサウンドは彼らならでは。
アコースティカルな叙情性もあり、いかにもフラメンコ的な手拍子も雰囲気を出している。
案外メタルなどでスペイン臭さが耳になれたリスナーにも心地よく聴けるかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・10 総合・・8
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TRIANA 「Hijos Del Agobio」

スペインのプログレバンド、トリアーナの2nd。1977作
暑苦しいまでのスパニッシュロックを見せつける傑作だった1stに比べ
シンセの活躍が増えたことで、音の厚みとともにシンフォニックさがぐんと増している。
フラメンコギターの頻度はやや減ったが、それとともにギターには泣きのフレーズが増した。
スペイン語による歌唱は哀愁を漂わせ、アンダルシアの風をドラマティックに運んでくる。
スパニッシュロックとしては前作であるが、シンフォニックとしてなら本作だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・8
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TRIANA「sombra y luz」
スペインのプログレバンド、トリアーナの3rd。1979作
GRANADAとともに70年代スパニッシュプログレの代表格。リマスター再発だ。
1st、2ndに比べて聴きやすくなった本作は、人によっては最高傑作との評価もあるらしい。
ややハードめのギターを中心に、スペイン語の男ヴォーカルが歌い上げる。
キーボードは案外控えめなので、プログレというよりはブルージーな質感が濃く、
土着的な雰囲気が少ない代わりに、演奏には男っぽい力強さがある。
ときにスパニッシュなギターが鳴り響き、フラメンコ独特の哀愁をかもしだしている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 スペイン度・・8 総合・・7.5
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V
Victor Estrada 「Continuo Despertar」

AMAROKのリーダーである、ビクター・エストラダのアルバム。
アコースティックギターに絡むやわらかなフルートの音色、
クラシカルなピアノとシンセにエレキギターのメロディが加わると、
初期のMIKE OLDFIELDを思わせるような、優しいトラッドロックとなる。
スペイン語の女性ヴォーカルも含めて、やはりAMAROKに近い雰囲気で、
民族調のシンフォニックロックとしても楽しめる曲もある。素朴な音に癒される作品。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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VITAL DUO「EX TEMPORE」
フランスのシンフォニックロックバンド、MINIMUM VITALのメンバーによる
アコースティカルな中世トラッドプログレ、バイタル・デュオのアルバム。2002作
ヴォーカル曲もいくつかあるがほとんどはインスト中心、
古楽を取り入れたアコースティカルなメロディは優雅でたおやか。
マンドリンやアコギの響きでゆるやかに聴かせつつ、曲によってはシンセも入り、
内省的な雰囲気で聴かせる部分はMIKE OLDFIELEDの世界観に通じるものもある。
GRYPHONほどはロック色はないので、14曲聴き通すにはやや飽きるところか。
メロディアス度・・8 アコースティカル度・・8 古楽度・・8 総合・・7.5
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W
WAPASSOU「SALAMMBO」
フランスの静寂系シンフォバンド、ワパスーの3rd。
ドラムレスで、メンバーはギター、ヴァイオリン、キーボードという異色のバンド。
ギュスターヴ・フロベールの小説「サランボ」をテーマに、それぞれ18分、19分という大曲2曲という構成。
クラシカルなピアノと歴史を語るようなナレーションに、映画的な効果音。
幽玄な女性スキャット、古めかしいキーボードの音色に、ヴァイオリンが絡む。
ロック的な要素はほとんどなく、クラシカルでほの暗い、雰囲気ものシンフォというべき作品。
バンドは次作でロマンティシズムの極致ともいうべき最高作、「ルートヴィヒ二世」を発表する。
シンフォニック度・・7 幽玄イメージ度・・9 ロック度・・1 総合・・7.5
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Wolfspring
フランスのハード・プログレバンド、ウルフスプリングの2010年作
フランスのシンフォバンド、NEMOのメンバーらによるユニットで、
メロウな叙情性と、ドラマティックな展開美が光るハードなシンフォニック作。
適度にメタリックでテクニカルなギターワークを中心に、美麗なシンセと
ストリングスアレンジなどもサウンドに空間的な厚みを与えている。
ゆるやかな叙情が耳心地がよく、ProgMetal的にもじっくりと聴ける好作品だ。
シンフォニック度・・7 メロウ度・・8 ProgMetal風味度・・8 総合・・7.5
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WURTEMBERG「Rock Fantasia Opus 9」
フランスのトラッドロックバンド、ウルタンベールのアルバム。1980作
フランスのトラッド系プログレというと、GWENDALなどが思い浮かぶが、
このバンドの特徴は、ジャケにもあるように古楽ハープのプサルテリオンの導入で、
その雅な音色には中世的な(それでいて日本の琴のような)なんともいえぬ趣がある。
全体的にアコースティックな質感ながら、ときにロック的なアンサンブルもかいま見え、
たおやかなピアノやフルートも美しく、格調高く典雅な気分にひたれる。
ラスト2曲はそれぞれバッハとベートベンをモチーフにしたクラシカルなシンフォ曲でこれも白眉。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 古楽トラッ度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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WURTEMBERG「Rock Fantasia Opus 10」
フランスのトラッドロックバンド、ウルタンベールの2008年作
古楽とプログレをクラシカルに融合させたサウンドで、1980年に唯一のアルバムを出したバンドの、
本作は1985〜'86年に録音されていた未発表音源を収録した2作目となる。
メンバーのうち3人がシンセをこなし、かつての作品にくらべるといくぶんモダンになった感触で
古楽というよりは優雅なクラシカルロックというおもむきである。流麗なピアノ、ストリングスの音色を含めた
シンセワークにメロディアスなギターで聴かせる、インストによる聴き心地のいいシンフォニックロック作。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 流麗度・・8 総合・・7.5
XYZ
XANG「DESTINY OF A DREAM」
フランスのシンフォニックロックバンド、クサングのアルバム。
G、B、Key、Drの四人組で、全編インスト作品(なのに何故かブックレットには歌詞が載っている)。
サウンドは随所にメタル色もある軽やか、メロディアスなシンフォニックロック作品。
叙情的なギターフレーズに、バックではいかにもシンフォ的なキーボードが鳴り響き、
時にドラムがツーバスだったり、ギターがメタリックなことをやり始めたりと、
シンフォ好きのプログレメタルリスナーにもお薦めできる。
クオリティは非常に高く、ギタリストのセンスの良さも非常に魅力的。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレメタル度・・7 総合・・8
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XANG「The Last of the Lasts」

フランスのシンフォニックロックバンド、クサングの2nd。2006年作
G、B、Key、Drの四人組で、前作は全編インストのハードシンフォニック作だったが、
本作では第一次大戦をテーマにしているようで、アコースティックなイントロから幕を開け
シンセとギターを中心にしたいくぶんダークな雰囲気のシンフォニックロックを展開。
随所にテクニカルでメタリックな質感も覗かせつつ、インストながらも起伏に富んだ作風だ。
きらびやかでありつつも、プログレ的な音色を使い分けるシンセワークもなかなか見事。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 ハードシンフォ度・・8 総合・・8
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YOCHK'O SEFFER 「Ghilgoul」

ZAOやMAGMAにも参加していた、ピアニストにしてサックス奏者、
ヨシコ・セファーのソロ3作目のアルバム。1978作
どことなくユーモラスなサックスの音色にシリアスなピアノの旋律が絡み、
ストリングスカルテットによる美しい叙情性もあって、クラシカルな美意識が
ミニマムな空間表現に直結したような抜群のセンスに引き込まれる。
ドラムも入ったジャズロック的な曲にしても、バルトークなど現代クラシックを下地にした
硬質な浮遊感と、即興性の上にある構築性が音を引き締めている。
クラシカル度・・8 ジャズロック度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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YOLE「LEAD US AWAY」
フランスのプログレトラッドバンド、ヨレのアルバム。2006作
サウンドはトラッドとプログレの中間のような雰囲気で、シンセやエレキギターも使用していて、
ギターとフルートが軽快にメロディを奏でるあたりはCAMELあたりの影響も感じさせる。
一転して、ミステリアスなシタールの音色にはエスニックな響きもあるが、
歌もの曲ではキャッチーな質感もありと、やや節操がない感じがする。
男女Voである点や、たおやかなフルートの音色など、好みの部分もあるので、
シンフォニックにするのかトラッドでいくのか、もう少し曲の世界観をしぼって構築して欲しい。
メロディアス度・・7 トラッ度・・7 たおやかフルート度・・8 総合・・7
ZAO「Z=7L」

フランスのジャズロックバンド、ザオのアルバム。1973作
MAGMAを脱退したFrancois"Faton"CahenとYochk'o Sefferを中心に結成されたバンドのデビュー作。
優雅なジャズロックと、緊迫感のあるアヴァンギャルドさが融合したサウンドで、
個性的な女性ヴォーカルが加わると、やはりMAGMAを思わせる雰囲気にもなる。
ときにエキセントリックになる女性声も含めて、アートな作風の個性派ジャズロック作。
ジャズロック度・・8 マグマ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8
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ZNR「Traite De Mecanique Populaire」

フランスのチェンバーユニット、ZNRの2nd。1979作
エレクトール・ザズーとジョゼフ・ラカイユの二人を中心にしたユニットで、
ピアノ、ヴァイオリン、管楽器によるクラシカルでジャズ風味のある小品集であるが、
「一般機械論」という謎のタイトルや、曲名にしてもいちいちこまっしゃくれた題名が付けられ、
優雅なサウンドとは裏腹に、知的なひねくれ加減と、アンニュイな醒めた視点がうかがえる。
ひとことで言えば、上品で軽やかなダークさ…とでもいうべき精神性だろうか。
エリック・サティからの影響をさらに時代的に落としこんで表現したようなサウンドは、
表装のやわらかさの奥に、フランスからしか出て来ないアイロニカルな薄闇が垣間見える。
クラシカル度・・8 ロック度・・1 アンニュイ度・・9 総合・・8
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π2 「THE ENDLESS JOURNEY」

スペインのシンフォニックロックバンド、パイ2のアルバム。2005作
シンセ奏者Pito Costa氏を中心にしたユニットで、おそらくこれが3作目。
いかにもプログレ的なムーグシンセの音色に、ハケットのようなメロディアスギター、
ヴォーカルは英語なのでスペイン臭さはほとんどない。ジャケの雰囲気もそうだが、
サウンドからもプログレ/シンフォニック愛好家的な微笑ましさが感じられ、
完成度というよりも非商業的なファンタジー音楽を楽しめる向きにはお勧めだ。
25分のタイトル曲も含めて、牧歌的でほのぼのとした作品。オフィシャルサイトで試聴可
シンフォニック好きぃ♪度・・8 ほのぼの度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
VA/ODYSSEY “THE GREATEST TALE”
古典作「オデュッセイア」をコンセプトにした、フィンランドの雑誌企画のオムニバス・シリーズ第4弾。
全9バンド、CD3枚組みとなる一大シンフォニック大会である。参加バンドは以下の通り
NATHAN MAHL (CANADA)、NEXUS (ARGENTINA)、GLASS HAMMER (USA)、XII ALFONSO (FRANCE)、
SIMON SAYS(SWEDEN)、C.A.P.(ITALY)、TEMPANO(VENEZUELA)、MINIMUM VITAL(FRANCE)、AETHER(BRASIL)
それぞれのバンドが20分以上という大曲(ノルマ?)を書き下ろし、メロトロン、ハモンド、ムーグ等を駆使した
王道の古典的シンフォサウンドを高らかに奏でている。
弾きまくりELPスタイルのネイサン・マール、ドラマティックなネクサス、女性VoとYES的構築美のグラス・ハマー、
たおやかでセンスのよいドゥーゾ・アルフォンソ、キャッチーなサイモン・セッズ、イタリアンな叙情のCAP、
南米らしいメロを聴かせるテンパノ、たおやかなピアノが美しいエーテル、バランスのとれたミニマム・ヴァイタル、
とそれぞれにバンドのカラーを上手く出していて、この手の企画ものとしては成功した作品だろう。
CD3枚、全220分…という超大なボリュームで、まさに“シンフォニックお腹一杯”
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 参加バン度・・8 総合・・7.5
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VA/PROGLIVE 97 CORBIGNY」
フランスMUSEAレーベル主催のシンフォニック系バンドのライブアルバム。1997作
参加バンドは、MINIMUM VITAL、JEAN PASCAL BOFFO、QUIDAM、CYRIL ACHARD、FINISTERRE。
MINIMUM VITAL…現在はVITAL DUOとして活動中。2nd「SARABANDES」からの曲が嬉しい。
総じて、女性Voのマイルドなシンフォニックロックという印象。フルート入り。
JEAN PASCAL BOFFO…MUSEA系ゲタリスト。アコースティックギターのインスト。
2nd「CARILLONS」の頃のファンタジックなシンフォサウンドは影をひそめ
すっかり落ち着いたヒーリング系のアコースティックサウンドになっている。
QUIDAM…ポーランドの女性Voシンフォバンド。メロウなギターに、シンセそして、美しい女性Vo
による王道シンフォサウンド。この中ではこのバンドが実は一番MUSEAっぽかったりして…。
そういえばポーランド語の語感はフランス語に通じるものがある。
CYRIL ACHARD…シリル・エイチャードといえば、「MORBID FEELING」なのだが、
ここでは、彼の1stソロ「CONFUSION」からの曲を演奏している。
テクニカルなギターによるインストで、様式美的なフュージョンメタルな部分と
ジャズやプログレメタルな部分とが交差していて、なかなか楽しめる。
FINISTERRE…イタリアのプログレバンド。たおやかなフルートに、
やや懐古主義的なキーボードがいかにもMELLOW系のシンフォサウンドで、演奏も柔らかめ。
シンフォニック度・・7 バンドクオリティ・・7 マイナー度・・8 総合・・7
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VA/ INFERNO“Dante's Divine Comedy-PART1”
MUSEAレーベル主催の企画アルバム、インフェルノ。2008作
ダンテの「神曲」をテーマに各バンドの曲を集めたCD4枚組で、参加アーティストは
Nuova Era、Yesterdays、Little Tragedies、Nemo、Nexus、Trion + Flamborough
Head、
Willowglass、Brighteye Brison、Ars Nova、Il Castello Di Atlante、Groovector、
CAP、Viima、Entrance、Advent、Tempano、Nathan Mahl、Simon Says、他
濃密かつドラマティックなシンフォニックロックが4時間以上にわたって繰り広げられるが、
Disc1では、女性ヴォーカルでしっとりと聴かせるハンガリーのイエスタデイズや、
ロシアのリトル・トラジディーズのコテコテの濃密シンフォニック曲、
男女Voが美しいイタリアのグリーンウォールあたりが印象に残った。
Disc2では、メロトロン鳴り響くイギリスのウィローグラスの美しさ、
そして日本のアルス・ノヴァの壮麗かつ耽美な大曲はじつに見事。
Disc3ではイタリアのベテランCAPや北欧のシンカドゥスって、まだいたのね。
Disc4ではヴェネズエラのRaimundo Rodulfoがクラシカルでとても良かった。
テーマがあるおかげで、どのバンドもシリアスでドラマティックな作風がお腹一杯楽しめる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 参加バンド・・8 総合・・7.5
The Spaghetti Epic3“The Great Silence”

MUSEAレーベル主催のオムニバスアルバム。2008作
西部劇をテーマにしたSpaghetti Epicシリーズの3作目で、今作で参加しているのは、
ロシアのLittle Tragedies、ハンガリーのYesterdaysとイタリアのN.O.Tの3バンドで、
それぞれ20分におよぶ大曲を披露している。リトトラは西部劇だろうとなんだろうと、
相変わらずリトトラ節で、濃密かつコテコテのシンフォニックまくりでとてもよろしい。笑
イエスタデイズはここでは男ヴォーカルの編成で、メロトロンやフルートなどの
レトロなプログレ感覚とともに、ゆったりとゆるやかな情緒を聴かせてくれる。
N.O.Tは初めて聴いたが、ELP的なシンセにメロディアスなギターを乗せた軽快な作風が
なかなか聴きやすい。自己満足になりがちなこの手のVAの中ではいい作品であると思う。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 西部劇度・・7 総合・・7.5
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