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PROGRESSIVE ROCK/EAST EUROPE
掲載バンドは上からABC順になっています
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A
ABRAXAS
ポーランドのシンフォニックロックバンド、アブラクサスの1st。1996作
今でこそポーランドといえばシンフォニック系の宝庫というイメージだが、90年代においては、
QUIDAMなどとともにこのバンドこそが泣き系シンフォの先駆けであったのだ。
きらびやかなシンセにメロディアスなギターフレーズが絡む軽快なサウンドは、
CAMELやGENESIS、さらにはPENDRAGONなどからの影響を感じさせるが、
それだけではなく母国語によるシアトリカルなヴォーカルや、東欧特有の異色な雰囲気とともに、
メロウな泣きとほの暗さをかもしだしている。独自のポリッシュシンフォが完成された一枚。
シンフォニック度・・8 シアトリカル度・・8 ポーラン度・・8 総合・・7.5
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Abraxas「Centurie」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、アブラクサスの2nd。1998作
1996〜2000年までにライブ作を含めて4作を発表して解散したこのバンド、
基本はかつてのGENESISやANGEなどに通じるシンフォニックロックであるが、
そこに90年代以降のPENDRAGONに代表されるような泣きのメロディとモダンさ、
そしてポーランドらしいほの暗い質感を織り込んだ濃密な作風である。
美麗なシンセと、メロウなギターが合わさると、なかなか耳に心地よいのだが
シアトリカルで不思議な歌い回しのヴォーカルが個性的で、やや好みを分けるところか。
シンフォニック度・・8 シアトリカル度・・8 東欧度・・8 総合・・7.5
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AFTER...「endless lunatic」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、アフターの2005年作
QUIDAMのメンバーも参加しているということで、サウンドの方もやはり
最近のQUIDAMに通じる、ほの暗い叙情で聴かせる耳心地のよいシンフォニックロック。
ギターの奏でるメロウなフレーズはときにPENDRAGONばりの泣きを聴かせ、
マイルドなヴォーカルの歌声は、憂いを含んだ哀愁を感じさせる。
楽曲にあまり派手さはなく、インパクトのある音ではないのだが、
逆に言うと、じわじわとくるこの押しつけがましくなさこそがポーランド的とも。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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AFTER CRYING「FOLD ES EG」
ハンガリーのシンフォニックバンド、アフター・クライングの3rd。
基本はエマーソンなのだが、それ以上に壮大、そしてアカデミックな印象で聴かせるサウンド。
東欧圏のバンドとしては非常に出来の良い、シリアスなクラシカル系キーボードロックが堪能できる。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 ピアノ&キーボー度・・8 総合・・8
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AFTER CRYNG「ELSO EVTIZED」
アフター・クライングの5作目。1996作
CD2枚組で、1枚目は以前のアルバムからのベストに未発表曲、
2枚目は1991年のライブ音源という構成。今や東欧のみならず世界的に見ても、
クラシカル&シリアス系シンフォの最重要バンドとなった感があるこのバンド。
1枚目の方は、この類まれなクラシカル・シンフォニックロックバンドのここまでの歩みが
再確認できる作りで、セレクトされた16曲がたっぷり楽しめる
2枚目ライブの方は、バンド内にすでに小オーケストラがいるようなものなので、
クラシカルさ、重厚さともに損なうことなく、シリアスかつアカデミックな見事な演奏。
ロックに対するバンドの回答ともいうべき次作「6」に至る前の、
静寂と緊張感、そしてクラシックへのこだわりとがここでは聴ける。
ラストは「21世紀の精神異常者」の完コピ演奏でしめる。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 シリアス度・・9 総合・・8.5
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AFTER CRYING「6」
アフター・クライングの6作目。1998作
ELPの東欧版という雰囲気の過去作のイメージから今作を聴くと、その進化の早さに驚かされる。
おおざっぱにいうと重量感、密度を増したという印象で、ここで聴かれる演奏は
ELPと共に、彼らがKING CRIMSONをもルーツにしていることをはっきりと感じさせる。
従来のクラシック要素は、よりロック的ダイナミズムとの深い融合を果たし、「シンフォニー」とさえ
いってよい優雅なクラシカルパートから一転、ドラム、ギターが入るヘヴィパートでの躍動感は
よりくっきりとしたコントラストとなって、長大な組曲2つを含む楽曲にメリハリを加えている。
5人のメンバーに加え、管楽器隊など10人以上のゲストによる大がかりなシンフォニックサウンドは
室内楽的イメージも加わり、「CHEVAL」以降のISRDURS BANEに通じるものを感じる。
また、ラストにはエマーソンへのトリビュートとして爽快なキーボードシンフォ曲をやっているのも興味深い。
現在、北欧のISRDURS BANEと並び、硬質系シンフォとしては最重要のバンドであろう。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 重厚度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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After Crying「Struggle for Life」

ハンガリーのシンフォニックロックバンド、アフター・クライングのライブアルバム
東欧きってのシンフォニックロックバンドの1999年のライブ音源をCD2枚に収録。
アカデミックななクラシカル要素を、KING CRIMSON、ELPから影響を受けた
シリアスなプログレ感覚と融合させ、スケールの大きなサウンドを聴かせる彼らだが
本作の前半は、ピアノをはじめ、サックス、フルート、オーボエ、トランペット、チェロなどによる、
ほとんどクラシックのコンサートのような曲が多く、プログレとして聴くとやや拍子抜けする。
しかしながら、この本物のクラシックの素養こそがこのバンドの持ち味であり、
優雅さと硬質感の狭間にあるバランスが見事なのだともいえる。
Disc1のラストには、ジョン・ウェットンをゲストに迎えての“Starless”も収録。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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AFTER CRYING「BOOTLEG SYMPHONY KONCERTSZIMFONIA」

アフター・クライングのオーケストラとの競演ライブアルバム。2000作
意外にも生のオーケストラとの競演はこれが初めてらしいこのバンド、
もともとスタジオ作からしてクラシック的な手法を多く取り入れていただけに、
その楽曲をオケで再現してもなんら違和感がない。
というか、あまりに自然すぎて、逆にロックとしての「引っ掛かり」が感じられないほどだ。
8人のバンドメンバーに選抜された交響楽団が加わり、美しくも壮大に楽曲を構築してゆく。
サウンドのダイナミズムという点では、会場や録音設備のためか少々物足りなさは残るが、
このバンドのアカデミックな方向性を改めてかいま見れる作品である。
シンフォニック度・・8 クラシック度・・9 録音・・7 総合・・8
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AFTER CRYING「SHOW」
アフター・クライングの7th。2003作
オーケストラ、クラシックとの融合で知られるこのバンド、ライブ作等もあるが、これは6年ぶりのスタジオ録音作。
今や現代系シリアスシンフォの代表格として注目される彼らだが、その深化は止まることなく、
けっして似たような作品を出さないのが凄い。今回は彼らにしてはメッセージ性の強いコンセプト作となっていて、
歌のあるパートの重要性が以前よりも増している。「巨大帝国アメリカ」への批判を根幹のテーマにしながらも、
サウンドの方は彼ららしい重厚なシンフォニックロックで、時折挿入されるクラシック名曲のメロディもとても効果的。
また、クラシックのみならずファンクやラップ的な要素も音の重厚さを失わない程度に折り込まれている。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 重厚度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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Albion「Wabiac cienie」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、アルビオンのアルバム。2005作
美しいシンセとメロウなギター、そして女性ヴォーカルの歌声がやわらかに響く、
初期のQUIDAMやTarquoiseなどに通じる女性声シンフォニック作。
しっとりとした美しさに加え、ポーランドらしいほのかな薄暗い情緒もあり
曲によってはミステリアスな雰囲気も感じさせる。なかなかの好作だ。
シンフォニック度・・8 ポーラン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
AMAROK
ポーランドのシンフォニックロックバンド、アマロックの1st。2001作
スペインにも同名のトラッドシンフォバンドがいるが、こちらはトラッドというよりは
マイク・オールドフィールドの「OMMADAWN」的なインストメインのサウンドで、
ゆったりとしたギターのフレーズにハモンドやメロトロン(サンプリング)等のキーボードが絡む。
時折女性コーラスも出てきたりして、総じて清涼感のある心地よいサウンドである。
ややもったりとしていて、1曲としてのコンパクトさには欠ける気はするが、
そこも含めて気に入れば、とてもいい出来だと思う。
シンフォニック度・・7 清涼度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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AMAROK「NEO WAY」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、アマロックの2nd。2002作
「ポーランドのマイク・オールドフィールド」とも言われた1stに続き
今作も、気取らない自然体のたおやかな音作りで、メロウなギターとシンセをメインに、
曲によっては打ち込み風のアレンジを用いたセンスのよいサウンドを展開している。
いよいよシンフォニックロック/プログレからは離れた感があるが、
たおやかに鳴らされるアコースティックギターやフルートなどが美しく、
自然派メロディック音楽としては、むしろ焦点が絞られたという言い方もできる。
ギターによる土着的メロディはトラディショナルな雰囲気をもかもしだし、女性スキャットも美しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 自然派度・・9 総合・・7.5
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AMAROK「METANOIA」
ポーランドのプログレバンド、アマロックの3rd。2004作
スペインのAMAROKとは同名別バンド。2nd以来久しぶりに聴く。
なんとのっけから打ち込み的なデジタリィなサウンドになっていてびっくり。
かつてポーランドのMIKE OLDFIELDと言われた1stから考えるとえらいギャップである。
まあ、デジタルなビートアレンジを上手く取り入れていると言えなくもないが、
前作よりもさらに土着性が薄れていて、こうなるともうプログレなのかすらも分からない。
彼ららしいメロウなギターを聴かせる部分もあるにはあるが、
全体的には深化と呼ぶにはやや作り込みが足りない気もするし
あるいは今後の方向性の模索段階にきているのかもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 デジタル度・・8 総合・・7
Amaryllis「Inquietum Est Cor」

ポーランドの女性Voシンフォニックバンド、アマリリスの2009年作
女性ヴォーカルにツインギターを含む6人組でシンセはゲスト。しっとりとした女性Voの母国語の歌声に、
メロウなギターとうっすらとしたシンセ、浮遊感のある叙情性と幻想的な薄暗さで聴かせる世界観は、
QUIDAMやVOTUMなど、やはり同郷のバンドに通じる匂いも感じさせる。
いくぶんのメタリックな感触と素朴なシンフォニック性の一方では、PINK FLOYDルーツのサイケ風味もあり、
それがはかなげな美しい女性声と合わさって、なんともいえないゆるやかなサウンドを描いている。
楽曲の間に小曲を織り込んだ構成で、アルバム全体を流れで鑑賞できるのも心憎い。マイスペ
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
ANAMOR「IMAGINACIE」
ポーランドの女性Voシンフォニックバンド、アナモーのアルバム。2002作
かつてのQUIDAMを思わせる伸びやかな女性Voのシンフォサウンド。
メロウなギターフレーズもなかなかよろしく、GENESIS的な雰囲気に
ポーランド語の美しい歌声が合わさり、しっとりとした感触で聴かせてくれる。
QUIDAMやTURQUOISEなど、女性ヴォーカルシンフォ好きにはお勧めの一作。
メロディアス度・・8 ポーラン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
AVIVA「Rokus Tonalis」
ロシアのシンフォニックロックバンド、アヴィバのアルバム。2006作
LITTLE TRAGEDIES、LOST WORLDに続く、ロシアンシンフォニック期待の新鋭は、
ピアノ、キーボードにベースもこなすマルチプレイヤー、アヴィバさんのソロバンド。
クラシックの素養を感じさせるピアノタッチに、ELP的なシンセワーク、インスト中心の楽曲は
シンフォニックでありながら暑苦しさはなく、むしろ涼やかな質感にはチェンバーロック的な
アカデミックさも感じられる。リズムが打ち込みなのが惜しく、曲によってはデジタルな雰囲気もあり、
ロック的なダイナミズムには欠けるが、シンセミュージックとして聴くとそれもまあまあ楽しめる。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・7.5
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AvivA Omnibus「Nutcracker in Fury」

ロシアのプログレバンド、アビバ・オムニバスのアルバム。2008作
前作はシンセ奏者AvivA氏のソロ的なアルバムであったが、
本作ではバンド編成での作品となっている。ELP的なシンセにギターが絡み
けっこうヘヴィめのシンフォニックロックを展開しつつ、クラシカルなテイストを盛り込み
優雅でキャッチーな作風に仕立てている。シリアスになりすぎない童話的なファンタジー性が
オールインストの楽曲において、気楽に楽しめる雰囲気を作り出していて、硬質な印象はない。
反面、Little Tragediesのような分かりやすい派手さは薄いので、プログレ中級者以上向けかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・8
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B
BELIEVE「Hope to See Another Day」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、ビリーヴの1st。2006作
元COLLAGEのMirek Gilを中心にしたバンドで、すでに2nd、3rdは聴いていた。
シンセに絡むヴァイオリンの音色とマイルドな歌声で、薄暗い叙情を聴かせるサウンドは
本作ですでに出来上がっている。UKロックを思わせるモダンロック的な質感に加え、
ときおり聴かせるメロウな泣きのギターフレーズはCAMELやPENDRAGONなどを思わせる。
QUIDAM、SATELLITE、Riversideなどとともに、ほの暗系シンフォの代表格といえるだろう。
メロディアス度・・8 薄暗度・・8 ポーラン度・・8 総合・・8
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BELIEVE「Yesterday Is a Friend」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、ビリーヴの2nd。2008作
今やシンフォ大国と化した感のあるポーランドからまたしても期待のバンドが登場。
元COLLAGEのMirek Gilを中心に、分派したSATELLITEに通じる叙情性と、
ほのかな薄暗さで聴かせるシンフォサウンド。メロウなギターワークに、
女性奏者の奏でるヴァイオリンの響きが重なり、哀愁を漂わせたクラシカルさが美しい。
シンセはゲストメンバーによるもので、むしろギターとヴァイオリンを中心とした曲作りが
美麗なシンフォニックさよりも、素朴な叙情をかもし出していて、それが耳に優しい。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 ゆるやか叙情度・・9 総合・・8
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BELIEVE「This Bread Is Mine」

ポーランドのプログレバンド、ビリーヴのアルバム。2009作
元COLLAGEのMirek Gilを中心に、ヴァイオリン入りの叙情的なサウンドを聴かせるこのバンド。
3作目となる本作ではヴォーカルが交代し、新たにシンセやフルートもこなせるヴォーカルが加入、
サウンド自体は薄暗い叙情で聴かせるいかにもポーランドらしいシンフォニックには変わりないが、
これまでよりもギターとシンセの絡みが増えたことで、いっそうSATELLITEあたりの音に近づいた。
もちろんこのバンドの特徴である、もの悲しいヴァイオリンの音色も随所に聴かれ、
アコースティカルな繊細さとともに、しっとりとセンシティブな叙情美をかもしだしている。
メロディアス度・・8 薄暗度・・8 ポーラン度・・8 総合・・8
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BELIEVE「World Is Round」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、ビリーヴの2010年作
ギターのMirek.Gilを中心に、日本人女性ヴァイオリニストを含む6人組。
4作目となる本作も、薄暗い叙情でしっとりと聴かせるシンフォニックロックで、
うっすらとしたシンセに、マイルドなヴォーカル、メロウなもの悲しさの中をヴァイオリンが鳴り響く。
一方では、曲によってはRiversideあたりにも通じるモダンなヘヴィさもあったり、
意外にメリハリのある作品に仕上がっている。どこをとってもやはりポーランドの音である。マイスペ
メロウ度・・8 薄暗度・・8 ポーラン度・・8 総合・・8
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C
CIRYAM「Szepty Dusz」
ポーランドのハードプログレバンド、シリアムの2004年作
艶やかなヴァイオリンの音色とシンフォニックなシンセ、そして母国語の女性ヴォーカルで聴かせる。
楽曲には、いくぶん唐突な展開力とともに、いかにも辺境的なマイナーバンドの味わいがある。
適度にハードなギターが入ると、メタリックな質感でゴシックとProgMetalの中間という感じにもなる。
同郷のゴシックメタルバンド、MOONLIGHTをプログレ寄りにした感じか。ポリッシュ好きには楽しめる。
シンフォニック度・・7 ポーラン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
CIRYAM「W sercu kamienia」
ポーランドのハードプログレバンド、シリアムのアルバム。2006作
ツインギターに女性Voを含む6人組で、メタリックなギターと美しいなシンセ
そして母国語の女性ヴォーカルの歌声で、ハードなシンフォニックロックを聴かせる。
きらびやかな作風は全体的に嫌いではないが、耳を引くようなメロディにはやや乏しく、
今後は楽曲アレンジの面での個性やクオリティをもっと上げていってもらいたい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
COLLAGE「Moonshine」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、コラージュの2nd。
90年代シンフォニックを代表するアルバムの2003年リマスター盤。
重厚かつシンフォニックな雰囲気に、東欧らしいうす暗い翳りをともなったサウンドは
今でいうオルタナシンフォ系にも通じるものがあり、ARENAや、あるいはPORCUPINE TREEあたりの
ファンにもぜひ聴いて欲しい。美しいメロディの洪水とメロウなギター、湿りけのある叙情に浸れる一枚。
本リマスター盤はボーナストラック1曲に、ビデオ映像2曲入り。
シンフォニック度・・9 メロディアス度・・8 うす暗度・・9 総合・・8.5<プログレ名盤入り>
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COLLAGE「SAFE」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、コラージュの3rd。1995作
ギターのM.ギルとドラムのW.シドコフスキーを中心に結成された、
ポーランドのシンフォニック系では90年代最高のバンドである。
傑作である前作「Moonshine」にくらべると全体的にキャッチーさが増しており
爽やか系のシンフォサウンドになっているので、前作の重厚さが好きだった私にとっては
以前聴いたときはあまり好きになれなかったものだが、こうして聴き直してみると
細かく作り込まれた楽曲の繊細さと録音の良さに改めて感心する。
歌詞は英語なので、東欧という地域性をあまり意識せずに聴け、
メロディアスさと優しい質感に包まれたサウンドは、Yes + Genesisという質感で
シンフォニック系を愛好するリスナーならばとても楽しめるだろう。
バンドはこのアルバムを最後に解散することになるわけだが、
このメロウな叙情はSATELLITEへと受け継がれる。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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COLLAGE「CHANGES」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、コラージュの未発表曲集。2003作
ポーランドのみならず東欧を代表するシンフォニックロックバンドである彼らだが、
クオリティの高い3枚のアルバムを残して解散。メンバーはその後SATELLITEを結成する。
これは彼らが1985〜992年の間に残した未発表音源をまとめたもの。
正規の2nd、3rdの完成度にはおよばないものの「これぞシンフォニック」という美麗なキーボードに、
ほのかに翳りを感じさせる雰囲気はやはり彼らならではのもので、未発曲とは思えない叙情美が楽しめる。
尚、このリマスター盤にはボーナス2曲に、ビデオクリップが2曲追加されている。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
COLLEGIUM MUSICUM「CONTINUO」
旧チェコを代表するプログレバンド、コレギウム・ムジカムの5th。1978作
初期はELP、NICE調のクラシカルな弾きまくりオルガンロックだったようですが、
このアルバムは、冒頭のきらびやかなキーボードにこそ「おおっ」となりますが
あとはときにメロディアスなフレーズを奏でるジャジーなギター、少々癖のあるヴォーカルが
バックのシンセとともに比較的ゆるやかに16分の大曲を形成してゆきます。
クラシカルなピアノなどは美しくて良いですが、正直、曲の構成や展開はあまり好みではないかな。
5分の曲をはさんで、またもや16分の大曲で終わり、というのもやや大味感が残ります。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・7 プログレ度・・7 総合・・7
CZIGLAN ISTVAN「SEVEN GATES OF ALHAMBRA」
1999年に死去したSOLARISのギタリスト、シジグラン・イストバンのアルバム。
39歳という若さでこの世を去ったソラリスのギタリストの遺作で、
本人の死去の後、他のメンバーたちの手によって完成された。
サウンドは美しいシンセやフルート、女性スキャットなどによるサウンドで、
SOLARISほどのロック性はないが、神秘的な静謐感のあるもので、
そこに彼の泣きのギターがかぶさるととたんにシンフォ的な煽情度が増す。
少々楽曲としてのまとまりに欠けるのは本人が逝ってしまったので仕方はないが、
雰囲気もののシンフォとして聴く分には充分鑑賞に耐えられる。
それにしてもこれでSOLARISとしての新作はもうおそらく聴けないことを思うと、
東欧シンフォ界としてはじつに惜しい訃報であった。
シンフォニック度・・8 ソラリス度・・7 遺作度・・9 総合・・8
D
DEVIL DOLL「Eliogabalus」

スロヴェニア出身のシアトリカル・ゴシックバンド、デヴィル・ドールの2nd。1990作
謎の鬼才、Mr.Doctorによる、誇大妄想的な暗黒オペラティックロックを体現するプロジェクト、
本作は、20分、24分という大曲2曲による構成だが、全1曲だった1st「死せる少女に捧ぐ」に比べると
まだずいぶん聴きやすい。艶やかなストリングスの音色に、Mr.Doctorkのかすれたしわがれ声が陰々と響き、
美しいピアノの調べをはさみつつ、ときに物語るように、ときに絶望を吐露するような歌声に引き込まれる。
完成度としては次作「Sacrilegium」が最高だろうが、楽曲としての鑑賞しやすさでは本作をどうぞ。
クラシカル度・・8 暗黒オペラ度・・9 シアトリカル度・・10 総合・・8.5
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DEVIL DOLL「Sacrilegium」

スロヴェニア出身のシアトリカル・ゴシックバンド、デヴィル・ドールの3rd。1992作
最高傑作ともいうべき、この暗黒の異色作を2008年紙ジャケ/リマスター盤で再購入。
とにかく、本作「宗教冒涜」を最初に聴いたときの衝撃というのは大変なものだった。
鬼才Mr.Doctorの描き出す豊穣な闇と美しき狂気…一歩踏み込んだら二度とは抜け出せないような
妖しく耽美なその世界。荘厳なチャーチオルガンと混声コーラスで幕を開け、もの悲しいピアノをバックに
老婆のようなしわがれ声から甲高い絶叫まで声を使い分けるヴォーカルが暗闇のオペラを語り上げてゆく。
クラシカルな優雅さとゴシックホラー的な漆黒の芸術性が合わさった異常ともいうべき全1曲の長大な構成。
もはや演劇か映画か、ともいうべき濃密なドラマ性を有したその音に、衝撃を受けないものはいまい。
アヴァンギャルドな感性を解するものであるほど、この前代未聞の音楽芸術に引き込まれるはずだ。
クラシカル度・・8 暗黒オペラ度・・9 シアトリカル度・・10 総合・・9
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DEVIL DOLL「The sacrilege of fatal arms」


スロヴェニア出身という謎の奇才Mr.Doctor率いるシアトリカル・ゴシックユニット、デヴィルドール。
正規アルバムとしては4枚出しているが、そのどれもがダークで演劇的な妖しい暗闇を感じさせる怪作である。
本作は3rd「SACRILEGIUM」の元となった映画サントラ作品で、かつては限定900枚プレスの希少盤だった。
音の方はというと、日本でたとえるならこれはもうJAシーザー、天上桟敷か…といったぐあい。
バックの演奏、ギター、ドラムなどにはいくぶんメタル色もあり、その点でクラシカルなゴシックメタルとしても聴ける。
高音カナきり声から恐ろしげな囁き、しわがれ声まで使い分けるMr.Doctorの歌声は一聴の価値あり。
ブラックメタルも真っ青な暗黒の世界と壮大なコーラス、そしてオペラティックな展開で濃密に聴かせます。
なお、本作には3種類のジャケがある(日本盤の2008年再発盤は左のジャケ)。詳しくはこのページを参照。
クラシカル度・・9 暗黒度・・9 シアトリカル度・・10 総合・・9
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DEVIL DOLL「DIES IRAE」

スロベニアの暗黒プログレバンド、デヴィル・ドールの4th。1995作
鬼才Mr.Doctorによる、誇大妄想的な暗黒オペラティックロックバンドとして、
コアなリスナーから語り継がれる存在であるが、彼らの作った4枚+1の作品はどれもが濃密な闇と、
アヴァンギャルドかつ芸術的な傑作である。圧倒的な迫力においては、3rd「宗教冒涜」が一番だろうが
楽曲としての完成度の高さではおそらく本作「怒りの日」だろう。16パートに分かれたこの長大な楽曲は、
優美で荘厳なオーケストレーションと、オペラティックな女性スキャットから始まり
しわがれ声と高音を使い分ける、Mr.Doctorのヴォーカルを中心に、シアトリカルに展開してゆく。
つまびかれるピアノすらも不穏な気配を感じさせ、優雅なクラシカルさを深い暗黒の舞台において
緊張感をもたせた演劇性とともに存在させている。このセンスと世界観は誰にも真似ができない。
まさに驚異の怪作だ。火災により一度はマスターテープが焼けてしまったという、いわくつきの本作は、
これからもカルトな音楽ファンを魅了し続けることだろう。2008年リマスター盤は変形ジャケを再現。
クラシカル度・・9 暗黒オペラ度・・9 シアトリカル度・・10 総合・・9
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DRACULAKOMPLET

チェコのホラー・ミュージカルオペラ、「ドラキュラ」のサントラアルバム。1997作
劇の内容についてはよく知らないが、ブックレットの写真などを見ると、
ドラキュラを題材にした異世界風のファンタジックなミュージカルといった雰囲気だ。
さて、音楽の方が凄い。クラシックを基盤にしながら、壮麗なオーケストレイションやたおやかなピアノ、
そこに巻き舌の演劇的なヴォーカルが加わると、まるでDEVIL DOLLを思わせる世界観になる。
J.Aシーザー(天井桟敷)ばりの混声合唱隊に、オペラティックに歌い上げる男性Vo、
そしてヒロイン役だろう美しい女性Voの歌声もサウンドに華を添える。
CD2枚、計2時間にわたって繰り広げられるこのカルトなドラマティック・オペラミュージックは、
単なるサントラの枠を超えて、シアトリカルロック好きの胸を打つだけの強度がある。
気になった方はこのページで試聴できるので、なんとか手に入れていただきたい。
クラシカル度・・8 耽美度・・9 シアトリカル度・・10 総合・・8
E
Eduard ARTEMIEV「Warmth of Earth」

旧ソ連の音楽家、エデュアルド・アルテミエフのアルバム。1984作
アルテミエフの代表作にして、80年代東欧シンフォニックの名作とされるアルバム。
改めて聴きなおしてみてもやっぱりもの凄かった。音を聴いて血涌き肉踊るとはまさにこのこと。
なにやらただ事でない雰囲気のSEから、曲が始まるや、疾走するリズムに炸裂する怒濤のシンセ。
静寂パートに響く美しい女性ヴォーカル…そして、泣きの大叙情。クラシカルな硬質感と
オペラティックな壮大さが合わさり、ときにまるで映画音楽のようにドラマティックな音像になる、
かと思えば、プログレ的なシンセとギターが躍動感溢れるロックのダイナミズムを構築する。
アルテミエフ本人は作曲のみで演奏はしていないということだが、そうした
指揮者と演奏者を分けたクラシック的な方法論から生まれた異色の作品とも言えるだろう。
ともかく、壮大かつ緻密に作られた東欧のシンフォニックロック史上に残る大傑作だ。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 壮大度・・10 総合・・9◆プログレ名作選入り
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EDWARD ARTEMIEV「THREE ODES」
旧ソ連を代表する作曲家、エデュアルド・アルテミエフのアルバム。
すでにバンド作としては1984作の「WARMTH OF EARTH」がCD化され、
そのダイナミズムに溢れた一大シンフォニックサウンドが衝撃的だったが、
これはそれ以前の音源をリマスターしたもので、モスクワオリンピックに使用された楽曲を含む。
共産圏の元、独自に開発されたキーボード群をゴージャスに弾き鳴らし、
オペラチックな男女Voや壮大な混声合唱などが楽曲を盛り上げる。
プログレ、というよりは壮大系サントラやロックオペラのようなのりで、
そのサウンドは、大宇宙に向かって叫びだすがごとく、アドレナリン全開で
「行き着くところまで行ってやる」という、ヤバいぐらいのキレ方である。
じっさいこれらの曲がオリンピックの舞台で大音声で流れたら、
そして私がその場にいたとしたら・・・おそらく大団円の感動にむせび滂沱たる涙を流しながら
夕日に向かって走り出したに違いない。ジャケが地味すぎるのが残念。
シンフォニック度・・9 壮大度・・10 大仰度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
EDWARD ARTEMYEV「SOLARIS,THE MIRROR,STALKER」
エドワルド・アルテミエフの手による、ロシアの巨匠タルコフスキーの映画
「惑星ソラリス」「鏡」「ストーカー」のサントラの編集アルバム。
アルテミエフといえば、プログレ方面からの評価も高い音楽家であるので、
このサントラ作もプログレッシブなキーボードミュージックとして聴ける。
サントラということで当然インストで、シンセのみの涼やかなサウンドだか
その冷徹にして独特の世界を感じさせる質感は彼ならではのもの。
まったくのところロックではないが、シンセ音楽が好きならじっくり聴き入ることができる。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・5 冷やかシンセ度・・9 総合・・7
EDWARD ARTEMIEV 「A Book Of Impressions」
旧ソ連時代から映画音楽やオリンピックの音楽までを手がける、
ロシア最高の作曲家、エデュアルド・アルテミエフのアルバム。2000作
自身のキャリアにおける1975〜1996年の楽曲をリミックスしたもので、
歴史的大傑作「Warmth of Earth」のような、プログレとしてのロック性は薄く、
シンフォニックかつスペイシーなシンセミュージックになっている。
いわゆるベスト盤的な寄せ集め感はなく、東欧らしい冷徹さとミステリアスな質感に
彩られたサウンドは、SVEN GRUNBERGにも通じるような空間美を感じさせる。
シンフォニック度・・8 ロック度・・1 スペイシー度・・9 総合・・7.5
ELECTRA「Die Sixtinische Madonna」
東ドイツのプログレバンド、エレクトラの4th。1980作
このバンドについては詳しくないのだが、これはライブ録音でのアルバム。
美しいピアノや、合唱入りのシンフォニックロックで、1曲めから25分の大曲だ。
ジャケの絵などからキリスト、とりわけ聖母マリアをモチーフとした組曲らしい。
東欧らしいクラシカルなメロディに、合唱隊の荘厳さが加わり、
ある種崇高なサウンドになっていて、ドイツ語によるVoの歌唱も叙情的で、
西欧圏のバンドにはないシアトリカルで格調ある雰囲気になっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 荘厳度・・8 総合・・7.5
EXODUS「the most beautiful day」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、エクソダスのアルバム。1980作
80年代ポーランド最高のシンフォアルバムとしてマニアの間では評価が高いアルバム。
基本はYESタイプで、この頃の東欧バンドにしてはかなりメロディアスな部類。
やわらかみのある男Voの歌唱と、抜けのいいキーボードメロディが印象的で聴きやすい。
ただ、そんな中にもやはりどこかに辺境的なミステリアスな匂いが感じ取れ、
その野暮ったさがブリティッシュロックファンからすると敬遠される部分かもしれない。
反対に、辺境シンフォ好きであれば押さえておきたい一枚だろう。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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F
FUGATO「Neander variations/variaciok」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、フガートのアルバム。2004作
バンドといっても、メンバーはヴァイオリン×2、チェロ、フルート、オーボエ、トランペット等含む
総勢17名という大編成で、ジャケのバンド名の下にある通り、まさに“オーケストラ”だ。
こうしたことから、どうしても思い出すのは、同郷のRUMBLIN' ORCHESTRAだが、
彼らに比べてもこちらの方がシンフォニー度が高く、サウンドは優雅にしてクラシカル。
ある意味、THE ENIDのように、オーケストラ曲をロック化とたものを聴いているような印象だ。
たたみかける大仰さやメロディの愉快さはRUMBLIN' ほどにはないが、
しっとりとした美しいフルート、オーボエなどの音色には聴いていてうっとりとなる。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 ロック度・・7 総合・・8
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G
Gargantua
ポーランドのプログレバンド、ガルガンチュアのアルバム。
サウンドにおけるどこかくぐもったような薄暗さはチェンバーロック的でもあり、
展開のヒネ方にはGENTLE GIANTにも通じる質感がある。基本はインストメインだが、
母国語で歌われるヴォーカルにはやや偏屈な味わいがあり、メロディアスな要素も多分にあるのだが、
どうも一筋縄ではいかない。クラシカルな優雅さと同時に、聴き手を翻弄するかのような
意地の悪さが同居していて、その懐の深さには聴いていてついつい引き込まれる。
シンフォ系のみならずこうしたバンドもいるのだから、やはりポーランドという国はあなどれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 偏屈度・・8 総合・・8
Gourishankar「Close Grip」

ロシアのシンフォニックロックバンド、グリシャンカールの1st。2003作
2nd「2nd Hands」で新時代のプログレ傑作として絶賛を受けたこのバンド、
デビュー作となる本作でも、すでに充分質の高いハードプログレをやっている。
ProgMetal的なテクニカルなアンサンブルにモダンなシンセアレンジを乗せ、
軽やかに聴かせる展開美はさすがのセンス。メタリックなギターにシンセが絡み
メロディアスな叙情性も含めて濃密に構築された、ハードシンフォニックの力作だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 ProgMetal的度・・8 総合・・8
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The GOURISHANKAR「2nd Hands」

ロシアのシンフォニックロックバンド、グリシャンカールの2nd。2007作
LITTLE TRAGEDIESの出現以降、ハイクオリティなバンドの宝庫となった感のあるロシアだが、
またシンフォ系の有望株が現れた。ドラム、ギター、ヴォーカル、キーボードという変則の四人編成で、
ゲストにヴァイオリン、フルートなども加わって、涼やかなシンフォニックサウンドを聴かせる。
基本はインストメインで、モダンな質感の美しいシンセアレンジにかすかな民族色を加え
適度にテクニカルな軽やかさとデジタリィなサンプリングを付加して楽曲を構築している。
Voが加わった曲ではDREAM THEATER的な質感も加わり、プログレメタリックフュージョンとでも
表現したくなるような現代的なサウンドに包まれる。オールドプログレファンには理解しづらいかもしれないが
このこだわりのなさ、雑多なパーツの再構築は、むしろ若いリスナーのプログレへの窓口になるかもしれない。
シンフォニック度・・8 雑食プログレ度・・9 モダンアレンジ度・・9 総合・・8
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H
HARDSCORE「Surf, Wind & Desire」

ベルギーのチェンバープログレバンド、ハードスコアの2nd。2000作
前作「Methane」が良かったので、ずっと気になっていたが、ようやく2ndを発見して購入。
コロコロとしたマリンバや可愛いクラリネットの音色に、どこか浮遊感のある女性ヴォーカル、
しかしリズムはかなり偏屈な変拍子という、ザッパ系のチェンバーロックは相変わらず。
しかし、このバンドの場合、音にしっとりとした湿り気と整頓された聴きやすさがあるので、
この手の初心者でもかなり楽しめると思う。ある種のポップセンスを伴いながら、
ゆるやかなテクニカルサウンドをさらりと聴かせてしまうセンスがなんとも心憎い。
舞台劇風のシアトリカルな大曲なども含めて、軽妙で洒落たサウンドが耳に楽しい作品。
メロディアス度・・8 軽妙度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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HORIZONT「THE PORTRAIT OF A BOY」

旧ソ連のプログレバンド、ホリゾントの2nd。1989作
当時のソ連にプログレという概念があったかどうかはともかく、
内容は硬質感ただようダークかつテクニカルなへヴィプログレサウンドだ。
東欧的な手数の多い無機質なドラムの上にダブルキーボードが重厚に重なり合う。
オールインストの作品で、おそらくなんらかのコンセプトに基いたアルバムであろうが詳しくは不明。
アヴァンギャルドさを含んだ壮大さは、フランスのMAGMAなどにも通じるミスティックな雰囲気もある。
冷徹なアカデミックさとクラシカルな要素が混ざり合い、結果として非常にプログレッシブな音になっている。
シンフォニック度・・7 テクニカル度・・8 演奏・・9 総合・・7.5
I
INDUKTI「S.U.S.A.R.」

ポーランドのヘヴィ・プログレバンド、インダクティのアルバム。2004作
クリムゾン風の硬質感に叙情性を併せ持ったサウンドスタイルは、そう目新しくはないが、
ヘヴィなギターリフに浮遊感のあるヴォーカルライン。そこに瑞々しいヴァイオリン、
ハープなどの美しさが加わり、独自のヘヴィシンフォニックを形成。
モダンな質感と、薄暗い叙情が交差する音楽性は、緊張感と心地よさを同居させており、
単にクリムゾン系ヘヴィシンフォと呼ぶには、このバンドはセンスの良さでも突出している。
ANEKDOTENよりもさらに革新的な香りがする。おそるべしポーランド。
ヘヴィシンフォニック度・・8 プログレ度・・8 硬質&叙情度・・8 総合・・8
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Indukti「Idmen」

ポーランドのヘヴィ・プログレバンド、インダクティの2nd。2009作
1st「S.U.S.A.R.」はポーランド版ANEKDOTENというような傑作であったが、
本作ではのっけからギターによるメタリックなヘヴィさが増している。
その後はやはり独特の薄暗さを内包した叙情をともないながら、
女性ヴァイオリニストの奏でるもの悲しい旋律とともに、重厚に聴かせる。
今回のコンセプトなのか、土着的な闇の中に太古の神秘性を感じさせる世界観が
モダンなプログレと巧みに融合されていて、とくに大曲での迫力には圧倒される。
同郷のRiversideがPINK FLOYDなら、こちらは土着化したメタル・クリムゾンか。
シンフォニックな美しさは薄れたが、重厚なる音世界で構築された力作である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 重厚度・・9 総合・・8
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inSpe
旧ソ連、エストニアのバンド、インスペの1st。1983作
東欧らしい硬質感はあるが、メロディ自体は繊細で美しく美しいフルートの音色はリリカルといってよいほど。
ただしロックとしての熱さよりも、音楽としての完成度を重視しているようで音そのものに愛想はない。
方向はややことなるが、スウェーデンのISILDURS BANEのような冷たさと叙情が混在している。
ギター、キーボード、フルートが重なりドラムが動きだす3曲目半ばあたりになると、
その辺のシンフォバンドを圧倒する重厚さをもった、見事なサウンドとなる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 クールな叙情度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
IN SPE「Typewriter concerto in D」
エストニアのプログレバンド、イン・スペの2nd。1983作
このバンドの1stは80年代東欧プログレの傑作に挙げられる出来だったが、
本作ではそのシリアスな硬質シンフォニックにモダンさが付加され
いくぶんソフィスケイトされたサウンドになっている。
18分におよぶタイトルの組曲などはオールインストでありながら、
東欧的な硬質なシンセにギター、室内楽的なフルート、シロフォン(木琴)、
さらにはタイプライターの音までが合わさって、アイディア多く聴かせる。
前作に比べると全体的にはやや地味な印象であるが、
ラスト曲での美しいシンセサウンドには思わずうっとりとなる。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 東欧度・・8 総合・・7.5
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J
JANOS VARGA PROJECT「THE WINGS OF REVELATION T.」
ハンガリーを代表するプログレバンドEASTのギタリスト、ヤノス・バルガの2000年作
全編インストで、ギター、キーボードによるテクニカルかつメロディアスな演奏。
東欧のバンドらしく非常にしっかりしたアンサンブルで、メロディアスだが甘すぎず、
クサすぎないセンスの良さが感じられる。ある部分CAMEL的なメロディの質感を感じさせるが、
トータル的にはジャジーな部分もあり、知的な構築性を垣間見せるインストプログレの佳作といってよい。
ジャケがヒゲオヤジ(自分の写真)なのが難点。内容は良いのに。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 演奏・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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JANOS VARGA PROJECT「THE WINGS OF REVELATION U.」
ハンガリーのプログレバンドEASTのギタリスト、ヤノス・バルガの2作め
前作同様キーボード、ギター、ドラム、ベースによるインスト作品で、
いかにも東欧らしいテクニカルで切れ味のある演奏を繰り広げている。
かつてのEASTやポーランドのSBBあたりのファンは聴く価値があるだろう。
シリアス系のインストシンフォとしてはかなり高品質だと思うが、
自らの写真をジャケにするのはもうやめるべきだと思う(・・白髭仙人)。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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JULVERNE「emballade...」

ベルギーのチェンバーロックバンド、ジュルベルヌの3rd。1983作
まるでヴィクトリア朝のイギリスのような、レトロな雰囲気のジャケだが、
サウンドの方も郷愁に満ちあふれた、たおやかでクラシカルなアンサンブル。
ピアノ、フルート、ヴァイオリン、サックス、クラリネット、といった室内楽の楽器を中心に
ロック的なリズムを排した、クラシックとジャズの優雅さを漂わせる演奏だ。
シャンソン風の女性Voやそれに絡む男性コーラスなどもどこか年代的で、
いわばなりきり度の高い懐古主義を思わせるユーモアが垣間見える。
ゆったりとした時間の流れと、古き良き時代にトリップできる、不思議な味わいの作品だ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・6 懐古サウン度・・10 総合・・7.5
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K
KARFAGEN「Continium」

ウクライナのシンフォニックロックバンド、カルファゲンの1st。2006作
先に聴いていた2ndは、GANDALFあたりにも通じる自然体のシンフォニック作であったが、
本作もまたじつに美しい。ときにプログレ的なカラフルさをまじえたしっとりとしたシンセワークに
美しいフルートやピアノの音色が重なり、メロウなギターがかぶさるとCAMELばりの叙情美になる。
アコーディオンやパイプの音が入ったケルティックなテイストもあり、インスト中心ながら飽きさせない。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 やわらか叙情度・・9 総合・・8
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KARFAGEN「The Space Between Us」

ウクライナのシンフォニックロックバンド、カルファゲンの2nd。2007作
1stがシンフォファンの間で好評を博したが、短いインターバルで2ndを出してきた。
一聴して肩の力が抜けたような、軽やかかつしっとりとした優しいサウンドで、
清涼感のあるシンセに美しいピアノの音色、前にですぎないギターのアンサンブルは
GANDALFあたりにも通じる自然体のやわらかさがある。
アコーディオンやフルートなどのほのかな民族調の隠し味もあって、薄味でありながらも、
じっくりと楽しめる奥の深さがあるのはPEKKA POHJOLAにも近いか。
センスのよいジャズロック調のアンサンブルと、自然派のシンフォニックが融合した耳に優しい作品。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 やわらか自然体度・・9 総合・・8
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KARFAGEN「Solitary Sandpiper Journey」

ウクライナのシンフォニックロックバンド、カルファゲンの3rd。2009作
過去2作も自然体の叙情美を聴かせる見事なシンフォニック作であったが、
本作もまたCAMELを思わせる甘いトーンのギターと、美しいシンセワークを中心にした
たおやかなシンフォニックロックである。北欧のバンドを思わせる涼やかな爽やかさと
優しいメロディが耳に優しい。インスト主体であるが、数曲で女性ヴォーカルが歌っているので
繊細さの中にもアルバムとしてのメリハリがついている。長大な組曲を含む75分の力作。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 やわらか叙情度・・9 総合・・8
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KOLLAR ATTILA「MUSICAL WITCHCRAFT」
ハンガリーのシンフォバンド、SOLARISのフルート奏者、コラー・アティラのアルバム。1998作
ソラリスのメンバーも参加しており、本家以上にクラシカルな演奏を繰り広げている。
特に楽曲を彩るフルートの表現力は素晴らしく、エレキギターとのコントラストにより
その深みのある音色がいっそう浮き上がっている。アコギとの絡みも実に美しい。
とりあえずフルート好き、クラシカルなシンフォ好きは聴くべし。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 フルート度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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MUSICAL WITCHCRAFTU.「UTOPIA」
SOLARISのフルート奏者、アッティラ・コラーによるプロジェクト作第二弾。2002作
本家ソラリスのコテコテシンフォ路線とは若干趣を異にし、フルートやヴァイオリンなど
アコースティック楽器をメインにしたトラディショナル系シンフォといえるサウンド。
もちろんギターが入ると一気にSOLARISっぽくなるのだが、
全体としてはロック色は抑えぎみでアカデミックなクラシカル性が強いか。
PAR LINDH PROJECTの静かな部分のみを取り出し東欧風(?)にした感じ。
王道のシンフォファンにはややおとなしすぎに聴こえるかもしれない。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 ロック度・・5 総合・・7.5
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KOLINDA「ELFELEJTETT ISTENEK」
ハンガリーのラジカル・トラッドバンド、コリンダのアルバム。2000作
イメージではけっこうプログレ寄りの緊迫感のありそうな音だと思っていたが
このアルバムにおいては落ち着いた感じの正統的なトラッドをやっている
たおやかな女性Voの歌声に、素朴なアコースティック楽器の音色、
所々にはシンセも使用していて、ソフトに音を重ねている。
一聴して地味にも聴こえるが、バンドとしての音には深みが感じられる。
プログレ度・・6 トラッ度・・8 たおやか度・・8 総合・・7.5
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Kormoran「Folk and Roll」

ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランの1st。1984作
活動25年を超える、ハンガリーを代表するトラッドバンドとなった大御所。
このデビュー作では、メンバー4人を中心としたまだ素朴なバンドサウンドで、
後のシンフォニックかつダイナミックな雰囲気はまだないが、
フルートやバグパイプが鳴り響き、それをロックリズムと融合させた
個性的なサウンドはすでに完成されている。泣きのギターによる哀愁もあり。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5
KORMORAN「GODOLLOI KONCERT」
ハンガリーのトラッド・ロックバンド、コルモランのライブ作。
2001年に行われた結成25周年のライブステージというから、相当なベテランバンドである。
聴くのは初めてだが、ヴァイオリン、フルート、パイプなどに混じって、エレキギターやシンセも
普通に入っていて、質感としてはドイツあたりのフォークメタルにも通じるものがある。
写真を見るとメンバーは9人で、男Voと2人の女性Voが混声の歌声を乗せる。
ハンガリアントラッドを基本にしつつも、音に暗さはあまりなく、むしろ愉快でノリの良さを聴かせる。
フィンランドのVARTTINAをよりロックにした感じとも言えるか。躍動感に満ちた演奏で、
土着的なメロディのトラッド曲に加え、泣きのギターを聴かせる熱いロック曲などもあり飽きさせない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 トラッ度・・8 総合・・8
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KORMORAN「TALTOSOK FIAI」
ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランのアルバム。2002作
今作はハンガリーの古き伝承をコンセプトにしており、古いスラヴ言語で歌われている。
エレキギターに絡むフィドルやパイプの音色に、デジタリィなアレンジを取り入れたリズムで
VARTTINAやGARMARNAあたりを思わせるラジカルなトラッドロックをやっている。
民族楽とロックの融合されたサウンドは、古い言語の呪術的なコーラスのせいもあってか
ある種の崇高さをたたえており、ビートを効かせたモダンなアレンジでありながら、
しっかりと伝統の重さを感じさせる。曲によってはギターとシンセの重なりがシンフォニックでもあり、
プログレファンにも充分楽しめる。壮大な太古の世界を現代的サウンドで再現した傑作だ。
メロディアス度・・8 トラッ度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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KORMORAN「A SZERETET HIDJA」

ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランのアルバム。2002作
活動は20年以上にもわたり、その膨大なディスコグラフィーから
ハンガリーではもはや国民的なバンドなのだろう。
土着的な辺境性と、ロックとアコースティックの融合という点で、
とても個性的なバンドだし、プログレリスナーからしてもとても楽しめるサウンドだ。
今作はなにやらコンセプト作らしく、物々しい語りで始まる。
ヴァイオリンにエレキギターが大胆に交わり、濃いめの男性ヴォーカルが歌い上げると
どことなくオペラティックな雰囲気になる。艶めいた女性ヴォーカルの歌唱に、
美しいピアノ、フルートでゆったりと聴かせる曲など、聴き所も多く、
ロックフォーマットされたトラッドサウンドがやはり斬新だ。
哀愁とポップ感覚を持ち合わせた、濃密で異境的なトラッドロックの好作品だ。
メロディアス度・・8 辺境トラッ度・・8 ロック融合度・・9 総合・・8
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KORMORAN「A LOVAK ALMA」

ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランのアルバム。2004作
一体何作目なのかはもはや分からないが、相当のベテランバンドなのは確か。
さて今作は、古楽的なアコースティック要素とモダンでデジタリィなアレンジが融合した、
現代的なトラッドロックサウンドとなっている。ぱっと聴きにはポップですらある女性Voの歌声や
男女のコーラスワークに、ヴァイオリン、パイプ類が重なる部分はVARTTINAあたりを思わせ、
ロックドラムによるビート感覚と、キャッチーなメジャー感のあるメロディをトラッド風に聴かせる。
古くささを感じさせず、老若男女問わずに気軽に親しめる作品に仕上げたベテランらしい
てらいのなさが嬉しい。 バンドのディスコグラフィーについてはこのページを参照。
メロディアス度・・8 トラッ度・・8 モダンなアレンジGoo度・・9 総合・・8
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KORMORAN「Magyarnak Lenni Hivatasunk」
ハンガリーのトラッドロックバンド、コルモランのアルバム。2005作
結成30年にも及ぶベテランバンドで、早くからハンガリアントラッドと
ロックサウンドを融合させた、独自の音楽性を確立していた。
今作も、おそらく伝統曲をベースにしてアレンジしたトラッドロックで
ヴァイオリンやパイプが鳴り響き、母国語の女性ヴォーカルが歌いあげる。
ギター、シンセ、ドラムが加わると、シンフォニックロックとしての醍醐味も味わえ
メロディにはキャッチーな大衆性もある。そのパランス感覚も含めて見事な出来だ。
メロディアス度・・9 トラッ度・・8 東欧度・・10 総合・・8.5
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L
LITTLE TRAGEDIES「PORCELAIN PAVILION」
ロシアのシンフォニック・ユニット、リトル・トラジェディースの1st(正式には2ndか)。2000作
一曲目のクラシカルかつ壮大なシンセが鳴り出した瞬間に衝撃が走りました。
二人組のユニットということですが、多彩なキーボード、シンセ、ピアノをメインにした
格調高いアカデミックなメロディと、ときにポップかつキャッチーな歌を聞かせてくれます。
壮大華麗に弾きまくったかと思えば、しっとりとした叙情もあり、
ロシアのバンドにしては硬質な印象は受けません。母国語の歌唱もいい感じ。
しっかりとしたクラシックの素養を持ちながら、独自のセンスで音楽を作っているという印象で
楽曲には余裕と自信とがうかがえ、ありがちなシンフォニックに陥っていないのが凄いです。
あえてひと言で表すなら、SOLARIS+SAGRADOという感じでしょうか。
シリアスさとクラシカルさ、そして温かみを持ったキーボードシンフォの傑作です。
シンフォニック度・・9 キーボー度・・9 音楽センス・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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LITTLE TRAGEDIES「THE SUN OF SPIRIT」

ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズのアルバム。2000作
録音が1998年となっているので、実質的にはこちらが1stなのかもしれない。
「PORCELAIN PAVILION」はのっけからたたみかけるような大仰さで腰を抜かしたが
今作はゆったりとしたシンセからはじまり、じわじわと盛り上げてゆく感じ。
クールでシリアスでありながらも、音にはどこかやわらかみがあるのがポイント。
相変わらず、過剰なまでにシンフォしているキーボードは
その筋のファンにはたまらないものがあるだろう。まったくロシア恐るべしである。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・9 楽曲・・7 総合・・8
LITTLE TRAGEDIES「RETURN」
ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズの3rd。2003作
いまどき珍しいほどのコテコテのシンフォニックロックをやっているこのバンド。
今回もELPばりに派手なキーボードを中心に、壮麗かつこけおどし感抜群なサウンドで
弾きまくりと盛り上がりまくりの楽曲には、思わずにやにやとしてしまう。
ともかく、全編にわたってのテンションの高さ、元気の良さは相当のもので、
かつてのRUMBLIN' ORCHESTRAあたりを思わせるほどの勢いだ。
一応しっとりとした歌もの系曲もあり、押すだけでないところも聴かせる。
ともかく、派手系の弾きまくりシンフォが好きな方は必聴。
シンフォニック度・・9 ハイテンション度・・10 キーボー度・・9 総合・・8
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LITTLE TRAGEDIES「NEW FAUST」
ロシアのシンフォニックバンド、リトル・トラジェディーズの4作目。2006作
毎回、「超」がつくほどのド級のシンフォニック作を聴かせてくれるこのバンド、
前作も思わず笑ってしまうほどの大盛り上がり大会であったが、この新作はそれをも上回る。
タイトル通り、ゲーテの「ファウスト」を新解釈したコンセプト作で、
クラシックのメロディや古典の文献からの引用など、気合の入った大がかりなCD2枚組となった。
弾きまくりのキーボード、クラシカルかつ優雅なメロディ、むせび泣くギターに怒濤の盛り上がり。
どこを切っても、手抜きなしの濃密シンフォニックサウンドで大変気合入ってます。
そして、物語的に進んでゆく楽曲構成は、2枚組み作品としての流れも見事にかみ合っていて
まるで壮麗な古典絵巻を聴いているかのよう。血湧き肉躍るメロディの大洪水に顔がにやけっぱなし。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 ドラマティック度・・10 総合・・9
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LITTLE TRAGEDIES「The Six Sense」

ロシアのシンフォニックバンド、リトル・トラジェディーズの5th。2006作
これでもかというほどの大仰シンフォの傑作であった前作「NEW FAUST」から
わずか1年足らずでもう新作を作るとは…なんともおそるべき創作意欲である。
さて、今作は従来のコテコテ路線からやや感触を変え、
キレのある展開と、ときおり聴かせるメジャー感のあるキャッチーさがポイント。
もちろんクラシカルに弾きまくり、盛り上げるシンセは相変わらずだが、
ハードエッジな部分と、メロディアスな部分とのメリハリがついている。
ロシア語の歌唱によるシアトリカルな響きに、優雅なチェンバロの音色、
泣きのギターと優しげなサックスの音色がドラマティックに絡まり合う。
今回は濃密でありながらも口当たりがよい傑作。やはりロシア恐るべし。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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LITTLE TRAGEDIES「CHINESE SONGS」

ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズの6th。2007作
毎度毎度、とんでもなく濃く、大仰かつシンフォニックなアルバムで、
シンフォ好きリスナーを力づくでノックアウトし続けてきたこのバンド。
今作ものっけから大仰弾きまくりでくるのかと思いきや…
いつになくしっとりとした典雅な雰囲気で始まってやや肩すかし。
しかし2曲目になると、相変わらずの高血圧ぎみシンフォニックサウンドが炸裂。
ただし、それでもいつもの作品よりは音作りが優雅に聴こえるのは、
タイトル通り、中国の歴史的な世界観をコンセプトにしたせいもあるだろう。
なにせこれまでの作品が凄すぎたので、どうしても地味に聴こえてしまうのだが、
普通のバンドのレベルで考えれば充分に美麗シンフォニックサウンドといってよい。
オフィシャルサイトで過去のアルバムも試聴可能。
シンフォニック度・・8 大仰度・・8 いつになくたおやか度・・9 総合・・8
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Little Tragedies「Chinese Songs Part 2」

ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズのアルバム。2007作
中国の詩歌をテーマにした前作は、このバンドにしてはやや地味であったのだが、これはその続編。
のっけからギターとシンセ、サックスによる優雅なクサメロともいうべき叙情美で押してくる感じは、
やはりそんじょそこらのバンドにはない、このバンドならではの濃厚さが感じられる。
いかにもシンフォニックな大仰シンセワークに、ときにけたたましいくらいのドラム、
そして巻き舌のロシア語ヴォーカルで、いくら繊細に作ろうとしてもこってり味となるボルシチのようだ。笑
シンフォニック度・・8 繊細だが濃密度・・8 ロシア度・・9 総合・・8
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Little Tragedies「Cross」

ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズのアルバム。2008作
2000年にデビューしてから、そのクラシカルかつ大仰きわまりないド級のシンフォニックサウンドで
多くのシンフォ大好きリスナーを悶絶させてきたこのバンドも、これで早8作目となる。
今作は無駄に紙ジャケだし、ジャケデザインもメンバー写真もダサイのだが、内容は最高。
ムーグにハモンドで弾きまくり鳴りまくりのシンセと、クサメロたっぷりのギターを中心に、
きらびやかに盛り上げまくりのシンフォニックロックがこれでもかと炸裂してます。
それでいて古くさいわけではなく、しっかりと楽曲としてよくできているというのは、
基本に作曲センスの良さがあるからなのでしょうな。濃厚な1曲目のあとは、
しっとりとした叙情を聴かせる曲もあり、クラシカルで優雅な趣もなかなか心憎い。
巻き舌ヴォーカルもいい感じです。19分の大曲含む72分のロマン大作。マイスペはこちら
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・8.5
Little Tragedies「The Paris Symphony」
ロシアのシンフォニックロックバンド、リトル・トラジェディーズのアルバム。2009作
今やロシア最強の大仰クラシカルシンフォバンドとしてその名を馳せる彼らだが、
本作はデビュー前の1997年の音源を新たにリリースしたもの。
きらびやかなシンセを中心にした濃密かつ華麗なサウンドは、
すでに確立されていて、聴いていて笑いが込み上げてくるほどに派手で大仰。
ただ後のアルバムのように計算された盛り上がり、構築性にはやや薄く、
音質を含めたサウンド、メロディなどの質の点でもデモの延長という雰囲気。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 大仰度・・9 総合・・7.5
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LIZARD「PSYCHOPULS」
ポーランドのヘヴィシンフォニックロックバンド、リザードの2nd。2004作
1stの段階では、ややマイナーっぽいメロディアスなシンフォニックロックだったと思ったが、
この2ndではKING CRIMSONの「太陽と戦慄」、「RED」期あたりを思わせる音になっている。
ゲストによるヴァイオリンもなかなか効果的で、ポーランドらしいほのかな翳りを垣間見せながら、
適度に緊張感をかもし出すヘヴィ・シンフォニックサウンドを形成している。
演奏にしろ楽曲にしろ、ただのフォロワー以上のセンスを感じるものがある好作。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 ヘヴィシンフォ度・・8 総合・・7.5
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LOONYPARK 「Egoist」

ポーランドの女性Voシンフォバンド、ルーニーパークの2008年作
メロウなギターワークとしっとりとしたシンセ、そこに女性ヴォーカルの歌声を乗せた
いかにもポーランドらしい翳りのあるシンフォニックロック作品です。
かつてのQUIDAMを思わせるようなゆったりとした叙情性が耳に心地よく、
ジャケの雰囲気からは想像がつかないような美しく優しげなサウンドだ。
包み込むようなオーケストラルなシンセワークも見事で、
ほの暗い女性Voのメロディックロックという点ではAll About Eve風味もある。
メロウ度・・8 叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
LOST WORLD「AWAKENING OF THE ELEMENTS」

ロシアのシンフォニックロックバンド、ロスト・ワールドの2nd。2006作
驚異の大仰シンフォバンド、LITTLE TRAGEDIESのおかげで注目されるロシアから、
またハイクオリティなバンドが登場した。三人編成でDrは打ち込み、オールインストながら
ヴァイオリン、フルート入りでクラシカルなメロディを奏でるサウンドは説得力充分。
一方、押すだけではなくアコースティカルな格調高さも有り、リトトラに比べて優雅さも備えている。
シリアスな雰囲気はAFTER CRYINGに通じる重厚さをかもしだしていて、
硬質感のあるピアノとエレクトリックヴァイオリンがハードシンフォな質感でたたみかける。
また、尖ったギターとフルートで聴かせる、ハードなSOLARISという感じの曲もあり、
案外幅広い音楽性を聴かせてくれる。今後の進化にも要注目のバンドである。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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Lunatic soul

RIVERSIDEのMariusz Dudaを中心としたユニット、ルナティック・ソウルのアルバム。2008作
薄暗い叙情と浮遊感で聴かせる、ゆったりとしたサウンドに、けだるげなヴォーカルを乗せた作風は、
RiversideやINDUKTIの静寂部分を取り出したようなイメージ。
アコーステイックギターにシンセ、パーカッションが絡み、フルートの音色がこだまし、
モノクロームの暗がりに包まれた幽玄な世界観を描き出す。
いわば、よりPINK FLOYD的なアプローチとも言えるかもしれない。
エスニックな旋律をハードプログレ的に聴かせる部分もあって、
上記しているバンドに興味があるリスナーなら聴いてみて損はない。
メロディアス度・・7 暗がり度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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M
M.EFEKT「NOVA SYNTEZA 2」

旧チェコのプログレバンド、モドリィ・エフェクトの3rd。1974作
チェコを代表するシンフォニックロックバンドであるが、初期作はなかなか手に入りづらい。
のっけから22分の大作で幕を上げる本作だが、6th以降の洗練された音とは違い、
まだ粗削りで人間臭い演奏を聴かせる。ややジャジーなギターに鳴り響くモーグシンセ、
そこにトランペットなどのホーンセクションも加わると、音はさらにブ厚くなる。
ときの泣きのメロディで盛り上げ、ダイナミックに展開する演奏は迫力充分。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 けたたまし度・・8 総合・・7.5
M EFEKT「SVITANIE」

旧チェコスロバキアのプログレバンド、M・エフェクトの5th。1977作
旧チェコのプログレとしては、Collgium Musicum、Synkopyと並ぶバンドで、
彼らの最高作とも呼ばれるアルバム。KeyのOldrich Veselyが加入したことで、
メロディアスな感触が強まっており、ヤン・アッカーマンにも通じるセンスの良いギターも
なかなか耳に心地よい。シンフォニックさの点では、次作「Svet Hledacu」に譲るが、
FOCUSを思わせるジャジーな要素もあるメロディアスプログレ作としては、かなりのクオリティだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ジャジー度・・7 総合・・7.5
M.EFEKT「Svet Hledacu」
チェコを代表するシンフォニックロックバンド、M・エフェクトの6th。1979作
本作のサウンドは硬質感がありながらも、しっかりとメロディアスなギターがまず格好いい。
ツインキーボードの音の重ねが重厚で、スペイシーなムーグの音使いがいかにも東欧的。
メロウなフレーズから、時折ジャジーになるギタリストの腕前もかなりのもので、
構築型のシンフォニックロックとしてのクオリティは高い。
ボーナストラックに当時のシングル曲の6曲が収録されている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 演奏・・8 総合・・8
M.EFEKT「33」

旧チェコのプログレバンド、M.エフェクトの7th。1981作
SYNKOPYに加入するOidrich Veseleyが脱退し、Keyには初期のメンバーが加入。
サウンドの方は傑作だった前作「Svet Hledacu」よりも いくぶん落ち着いた感があるが、
表現豊かなギターフレージングは相変わらず見事で、その点だけでもFOCUSにも引けをとらない。
スペイシーなシンセが加わるとポーランドのSBBの後期を思わせるような音にもなるが、
歌ものパートとインスト部でのジャジーかつメロディアスな質感がバランス良く、長い曲でも聴きやすい。
東欧的な硬質感もほどよく残っており、メロウであってもべたつかない清涼感が心地よい。
再発盤にはライブやシングルからの音源などを多数収録。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ジャジー度・・7 総合・・8
MINDFLOWERS 「IMPROGRESSIVE」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、マインドフラワーズのアルバム。2002作
G、B、Dr、Keyの4人組みによるオールインストのハードシンフォ。
DREAM THEATER的なプログレメタル色もあり、
ギターは時折ザクザクとかなりメタリックになったりする。
ジャズっぽいたおやかなタッチのピアノや、大曲での大人っぽいメロウな雰囲気は
インストということもあってついBGMになってしまうが、しっかりした演奏力もあるし、
なかなかセンスも良いバンドだと思うので、今後の活動に期待したい。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 DT度・・7 総合・・7.5
MINDFLOWERS「NUANCES」
ハンガリーのテクニカル系プログレバンド、マインド・フラワーズの2nd。
前作では、メタリツクなDREAM THEATER風味もあったと思ったが、
今作では肩の力が抜けた感じでテクニカルなジャズ/フュージョンロックとなっている。
落ち着いた余裕を感じさせる演奏に、PLANET Xばりのリズミカルなたたみかけもあり、
方向性を模索していたような印象だった1stに比べてずっと作品としての味がある。
メンバーはみなまだ若そうなのだが、演奏力はかなりのもので、
センスのあるドラムにベース、ジャズタッチのピアノも弾きこなすキーボード、
そしてかすかにメタリックな色合いをかもしだすギターのプレイもなかなかのもの。
全曲インストなので、この手のジャズロック的音楽演奏が楽しめる人にお勧めしたい。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 フュージョンロック度・・8 総合・・8
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N
NIEMEN「Mourner's Rhapsody」

ポーランドを代表するアーティスト、ニーメンことCzeslaw Niemenのアルバム。1975作
1967年にデビューした旧ソ連出身のアーティストで、初期はポップな音楽をやっていたが
70年代に入るとSBBのメンバーとともに活動するなど、プログレッシブなサウンドへシフト、
「Ode to Venus」、「Aerolit」といった傑作を作り上げる。本作はMAHAVISHNU ORCHESTRA
のメンバーをはじめ、米/英Jazzシーンのミュージシャンを迎えて作られた70年代の傑作のひとつ。
ニーメン自身の弾くメロトロン、ムーグに、ゲストによるヴァイオリンやフルート、パーカッションが重なり
そこに乗る哀愁を感じさせる歌声は、英国でいえばRobert Wyatt的であろうか。
ジャズやブルージーな感触を東欧的な鬱屈とした悲哀にひたしたような世界観は、
唯一無二のものだろう。歌唱の表現という点では間違いなく世界レベルである。
メロディアス度・・8 哀愁度・・9 歌唱度・・9 総合・・8
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O
OMEGA「Szvit」

ハンガリーのハード(シンフォニック)ロックバンド、オメガの5th。1973/1999作
母国ハンガリーはもとより、ヨーロッパでは絶大な人気を誇る伝説的バンド。
かつては、共産主義圏のもと、バンドの望む形では作られなかったアルバムが
1999年のリマスターという形で、本来の曲順となって再発されたのがこれ。
のっけから20分の大曲を入れてくるあたり、バンドとして脂の乗った時期の作品なのだろう。
やや荒々しいハードロック色にブルージーな要素と、オルガン、ムーグシンセによる
プログレ/シンフォニック的な質感が混在したサウンドで、70年代イタリア的な熱さも感じる。
盛り上がりの部分では、QUEEN的なコーラスワークや、ギターとシンセの重ねによって
厚みのあるドラマティックさをかもし出し、これぞ東欧ロックという具合に情熱的にたたみかける。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 濃密度・・8 総合・・7.5
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OMEGA「GAMMAPOLIS」

ハンガリーのハードシンフォニックロックバンド、オメガの9th。1978/2002作
のっけから哀愁ただよう歌メロに演歌泣きのギターで惹きつけられる。
5thの頃よりも音の荒々しさが減って、全体的にソフトなサウンドになっている。
きらびやかなシンセの音色がシンフォニックな質感を生み出しているが、
それ以上に普遍的なロックバンドとしての勢いも感じられる。
プログレとして聴くにはややつらい部分もあるが、東欧ロック最高のきらめきとして
ハンガリーという地域性とともに耳を傾けるに足る内容だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 濃密度・・8 総合・・8
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OMEGA「OMEGAKONCERT/NEPSTADION 1994 NO.2」
ハンガリーのロックバンド、オメガのライブアルバム。
70年代から活動するハンガリーの国民的ロックバンドで、ブックレットの写真を見ても
大観衆に包まれた巨大なステージでのコンサートであったことが分かる。
序盤は3〜4分台のポップな大衆ロックといった雰囲気で、
かつてのような大仰なシンフォニック性は薄れているものの、
中盤あたりからは濃密なハードプログレ的な感じが滲み出てきてなかなか楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 ポップ度・・8 総合・・7
Osada Vida「The Body Parts Party」

ポーランドのハード・プログレバンド、オサダ・ヴィダのアルバム。2008作
PORCUPINE TREEやOPETHの登場以後、メタルとプログレのボーダーレス化が進み
ポーランドではまさに両者の中間というべきRIVERSIDEというバンドが出現、
PINK FLOYD+OPETHともいうべきサウンドがメタル、プログレの両リスナーから評価を受けたが、
この新人バンドもProgMetal風の硬質感を上手く用いながら、構築型のプログレを聴かせてくれる。
ヘヴィすぎないリフを変拍子に乗せつつ、要所ではしっかりと叙情を織り込むバランス感覚と
モダンとレトロの狭間をゆきながら知的さを感じさせる展開力は、なかなか見事だ。
ときおり聴かせる中近東的フレーズや、ゆるやかなパートでの力みすぎない軽妙な演奏など、
新人にしては引き出しの多さとクールな余裕もあって、今後の可能性にも大いに期待出来そうだ。
メロディアス度・・7 構築度・・8 クール度・・9 総合・・8
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Osada Vida「Uninvited Dreams」

ポーランドのハード・プログレバンド、オサダ・ヴィダのアルバム。2010作
新人ながら様々な要素をセンス良く盛り込んだデビュー作に続き、これが2作目となる。
今作もレトロさとモダンさを両立させたハイブリッドなサウンドで、こうした第三世代的感性は
やはりRiversideにも通じる部分がある。メロトロンの響きを含めてANEKDOTEN的な叙情と
薄暗い浮遊感が耳心地よく、やや雑多に思えた前作よりもいくぶん手の内を隠しながら
方向性を絞ってきたという印象。こうなるとPorcupine Tree系のリスナーでも楽しめそうだ。
メロディアス度・・8 薄暗度・・8 ハイブリッ度・・8 総合・・8
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P
PETER PAN「Days」

ポーランドのプログレバンド、ピーター・パンのアルバム2007作
COLLAGE〜SATELLITEのドラマーを中心に結成されたバンドで、
メロディアスでモダンな正統派のシンフォニックロックをやっている。
しっかりと輪郭のあるフレーズを奏でるギターと、それに絡むシンセワークは、
ポーランドというよりはイギリスや北欧のバンドに近い感触で、
ダイナミックなサウンドの中に欧州らしい情感が見え隠れする。
粗野なヴォーカルの歌声にはさして魅力はないが、インストパートでの
ハードエッジな明快さは若いリスナーにも大いにアピールするだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ポーラン度・・7 総合・・8
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Q
QUIDAM「Quidam/Rzeka Wspomnien」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、クィダムの1st。1996/2007作。
美声の女性ヴォーカルで繊細なサウンドを聴かせる本作は、ポーランドの
シンフォニックシーンにおいて名作とされる一枚。CD2枚組みの再発盤。
ゆったりと美しいシンセと叙情的なギターワークで聴かせる楽曲に
母国語で歌われる女性ヴォーカルの絶品の歌声が優しく耳に響く。
ときにハケット時代のGENESISを思わせる幻想的な雰囲気も素晴らしい。
最高傑作は3rdの「The Time Beneath the Sky」だと思うが、
しっとりとした繊細さでは本作が一番だろう。ともかく女性声シンフォが好きな方は必聴。
ボーナスCDには未発曲やライブ音源、CAMELのカヴァーなどを収録している。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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QUIDAM「sny aniolow」

ポーランドの女性Voシンフォニックロックバンド、クィダムの2nd。1998作
以前に英語盤「ANGEL'S DREAMS」を持っていたが、ポーランド語盤に買い直しました。
1stで聴かせたしっとりシンフォニックよりは、軽快でポップな質感を増したサウンドであるが、
女性Voのやわらかな歌声にはやはりうっとり。母国語のエキゾチックな響きはやはりよいな。
たおやかなフルートの音色にも癒されます。終盤のしっとりとしたピアノ曲も美しい。
メロディアス度・・8 軽快キャッチー度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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QUIDAM「BAJA PROG - LIVE IN MEXICO '99」
ポーランドの女性Voシンフォニックロックバンド、クイダムのライブアルバム。1999作
3rd「THE TIME BENEATH THE SKY」における深遠さは、女性Voファンのみならず
すべてのシンフォ/ユーロロックファンに聴いてもらいたいほどの位置に到達した傑作であるが、
このメキシコでの音源は2nd「Sny Aniolow」の後あたりで、サウンドはややキャッチーで
軽快になった時期のライブである。CAMELやDEEP PURPLEのカヴァーも含め、
エミーラ嬢の包み込むような優しい母国語の歌唱は、それだけでもううっとりなのだが、
バックの演奏もバランスが良く、歌ものとしてもシンフォニックとしても高く評価できる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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QUIDAM「THE TIME BENEATH THE SKY」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、クイダムの3rd。2002作
前作はややポップさを前に出した作品だったが、この3rdではぐっとシリアスさを増している。
美しいフルートの音色と、女性ヴォーカルの魅力はもちろん、ギターのエッジがよりはっきりとして
ときおり聴かせるハードなリフなどは、ある種ゴシックメタル的であったりする。
楽曲の雰囲気が多少ダークになった分、アンビエントな女性ヴォーカルものとして
初期ALL ABOUT EVEや、あるいはフランスのMYLENE FARMER的な色合いすらも感じる。
女性声シンフォニックとしても、静謐アンビエント系のゴシックロックとしても類まれなる傑作だ。
LED ZEPPELINの“No Quarter”のカヴァーもハマっている。
シンフォニック度・・8 アンビエント度・・9 女性Vo度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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QUIDAM 「surREvival」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、クィダムの4th。2005作
女性Voバンドとしてシンフォニックファンを魅了したこのバンドだが、
この4作目から男性Voバンドへと変わり、音楽性にも変化が見られる。
これまでの美しいシンフォ路線から、薄暗い叙情を聴かせる
ハードなシンフォニックへとシフトした。ゆるやかなフルートの音色に
マイルドなヴォーカル、メランコリックでもの悲しいメロディがしっとりと包み込む。
ややヘヴィになったギターは、ARENAやRIVERSIDEあたりにも通じる質感がある。
初期とは別物として聴けば充分に楽しめる、ポーランドらしい哀愁を聴かせるアルバムだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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QUIDAM「...laez polPRADU HalfPLUGGED」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、クィダムのライブ作。2006作
初期3作が女性Voだったバンドだが、4作目から男性Voのバンドとなり、
雰囲気もだいぶ変わったが、ゆったりと聴けるシンフォニックとしてはやはり高品質。
このライブアルバムはアコースティック中心ながら、美しいフルートの音色に、
たおやかなピアノ、そしてマイルドな男性Voの歌唱がなかなか耳に心地よい。
メロディにはポーランドらしい翳りと叙情があり、MARILLIONにも通じる質感で
ゆったりと聴ける薄暗系シンフォニックサウンドだ。ライブ録音だが音質も素晴らしい。
PINK FLOYDやTHE MOODY BLUESのカヴァーも収録。
メロディアス度・・8 ゆったり叙情度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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QUIDAM 「ALONE TOGETHER」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、クィダムの5th。2007作
初期の女性Voシンフォ路線から、男性Voのバンドとなってこれが2作目となる。
メロウなギターに、繊細なシンセワークで聴かせるしっとりとした薄暗さは
昨今のオルタナシンフォ系と言われる質感に近い、哀愁を漂わせたサウンドだ。
ゆるやかなピアノと力みのないギターのフレーズが重なり、フルートの音色も加わって
もの悲しくも美しい叙情美にうっとりとできる。過去にとらわれなければ
バンドとしての新たな方向性を確立した作品として、じっくり楽しめる好作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ほの暗度・・9 総合・・8
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R
Rational Diet「On Phenomena And Existence」

ベラルーシのチェンバーロックバンド、ラショナル・ダイエットの2010年作
ヴァイオリン奏者、女性チェロ奏者、女性鍵盤/Voなどを含めた7人編成で
クラシカルなシリアスさとUnivers Zeroなどに通じるダークな緊張感で聴かせるサウンド。
艶やかなヴァイオリンの音色にスキャット的な女性ヴォーカルが絡み、
不穏なチェロの響きとピアノが重なり、そこにギターとドラムが加わると
ミステリアスで壮大なビジョンを描くようなチェンバーロックが構築されてゆく。
重厚さの中にダークな優雅さとユーモアが存在する点も、聴いていてにやりとさせられる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 チェンバー度・・9 総合・・8
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RIVERSIDE「OUT OF MYSELF」
ポーランドのダークプログレバンド、リヴァーサイドの1st。2003年作
今やシンフォ大国となったポーランドからまた新たなバンドが出現。
ソリッドなギターに、涼やかなシンセを鳴らし、クールなシンフォニックを奏でるサウンド。
甘さよりも、ややダークめの叙情を表現しているところは、ゴシック風味も感じさせ
演奏の切れの良さと録音の良さも手伝って、音が重厚に聴こえる。
英国のARENAのモダンな薄暗さに、メタリックなギターとポーランドらしい翳りを足したという印象で、
新人らしからぬ堂々とした雰囲気を感じる。メロウに泣くギターと、マイルドな声質のVoも良いですな。
シンフォニック度・・8 メロウな陰り度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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RIVERSIDE「Second Life Syndrome」

ポーランドのダークプログレバンド、リヴァーサイドの2nd。2005作
前作「Out of Myself」は、湿りけを含んだハードめのシンフォニック作で、その見事なセンスで話題になったこのバンド。
続く本作も期待通りの出来だ。ポーランドという国は、もともとイギリスのポンプロック、シンフォニックロックをよく理解するお国柄のようで、
とくに90年代以降の同国では、英国のプログレシーンが下火になってからも数多くの良質なシンフォバンドが出現している。
COLLAGE、SATELLITEなどが代表格であるが、それに続くこのバンドもポリッシュシーンの“顔”となってゆくだけの逸材であると思う。
おそらく、後期MARILLIONやARENAといった英国バンドからの影響も大きいかと思われるが、そうした湿り気をさらに助長させ、
どこか薄暗い叙情を含んだメロディは、現代的な哀愁の表現としての「泣き」を見事に体現している。
もちろんテクニカルな部分や、流れるような曲構成においても非凡なものがあるのだが、
それらの表面的な要素をあまり感じさせないだけの「雰囲気」を彼らはすでに身に付けている。
メロウなギターにマイルドな歌声を乗せ、ほの暗い叙情で聴かせるシンフォニックハード作である。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・9 総合・・8
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RIVERSIDE「RAPID EYE MOVEMENT」

ポーランドのダークプログレバンド、リヴァーサイドの3rd。2007年作
1stの時点からセンスある展開美と薄暗さのあるメロディが個性的なバンドだったが
前作ではメタリック度を増してOPETHあたりを思わせる雰囲気もかもし出していた。
続く今作も、プログレメタリックな質感に、モダンなメランコリックさを加えたサウンドだが、
アルバム全体を2つのパートに分け、それぞれをコンセプト的に聴かせる手法は
いかにもプログレ的だ。後半ではPINK FLOYDのような鬱ぎみの浮遊感も感じさせる。
インパクトの点では物足りなさもあるが、PORCUPINE TREE系サウンドの愛好家なら聴くべし。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・9 総合・・7.5
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Riverside「Anno Domini High Definition」

ポーランドのハードプログレバンド、リヴァーサイドの2009年作
薄暗い叙情を聴かせるハードプログレとしてPorcupine Tree系のリスナーはもとより
OPETHなどを好むメタルリスナーをも振り向かせ、いよいよ人気も高まってきたこのバンド。
4作目となる本作もじつに見事な作品だ。ゆるやかな浮遊感を増した前作の流れにありつつも、
オルガンの音色も含めてプログレとしての美意識とメリハリのある展開力を強化させている。
しっとりとしたもの悲しさをたたえながら、ハードなところはよりハードに聴かせ、広がりのある音作りで
ミクスチャー的なモダンなアレンジと、レトロなロックの要素を巧みに同居させているのが見事。
ソリッドなセンスとアナログ的な生々しさが融合した現在形プログレの傑作。DVD付き2枚組もあり。
メロウ度・・8 プログレ度・・8 アレンジセンス度・・9 総合・・8.5
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Riverside「Memories in My Head」

ポーランドのハード・プログレバンド、リヴァーサイドのミニアルバム。2011年作
2009年のアルバムは、レトロなプログレとハードな構築美の合わさった傑作だったが、
本作では、少し前にもどったような薄暗い叙情と浮遊感でゆったりと聴かせる作風になっている。
メロウなギターワークにマイルドなヴォーカル、ムーグの音色を含めたアナログ感覚あるシンセ、
耳心地の良さと、派手に盛り上がることをしない楽曲は、Porcupine Tree系というべきスタイルだ。
全3曲ながら30分超の作品で聴き応えがある。次のアルバムがどうなるのか良い意味で予想がつかない。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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RUMBLIN' ORCHESTRA「THE KING'S NEW GARMENT」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、ランブリン・オーケストラの2nd。2000作
1st「SPARTACUS」において現代版TRIUMVIRATかRICK WAKEMANかELPかという、
素晴らしいキーボードシンフォニックロック作品で颯爽と登場したこのバンド。
今回は「裸の王様」をテーマに、より壮大さを増したド級のクラシカルシンフォとなっている。
ヴァイオリン、オーボエ、トロンボーンなどの管弦楽隊を導入し、音の厚みとクラシカルな説得力も増しているが、
しかしこのバンドの素晴らしいところは、そうしたクラシックに裏打ちされた素養を持ちながら
シンフォニックプログレとしてキャッチーで分かりやすい。つまり大衆向けであるということである。
いうなれば同じくクラシカルシンフォニックのAFTER CRYINGの方向性とは180度逆なのだ。
シリアスさよりも、爽快さを追求した作風は今後ともこのバンドの生命線になるだろう。
大仰で、クラシカル、それでも分かりやすいシンフォニックロックを聴くなら、まずこのアルバムをお薦めする
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 壮大華麗度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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S
SATELLITE「A Street Between Sunrise And Sunset」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、サテライトの1st。2003作
元COLLAGEのドラム、ギター、ヴォーカルが中心となって結成したバンド。
音の方はやはりかつてのCOLLAGEに通じる、メロディアスで湿り気のある
叙情派シンフォニックロックで、コラージュの新作といってもよいもの。
名作「MOONSHINE」のような重厚さはないが、全体的によりマイルドに、
ポンプロック的な聴きやすさを追求したような作風となっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 COLLAGE度・・8 総合・・8
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SATELLITE「EVENING GAME」
ポーランドのシンフォニックロックバンド、サテライトの2nd。2004作
今作でもかつてのCOLLAGEから継承された泣きのシンフォサウンドは健在で
メロウなギターのフレーズにピアノが重なる部分などは実に美しい。
ゆったりとした中にもほんのりとした薄暗さが感じられるのはポーランドというお国柄か、
そうした音にこもった黄昏のような哀愁こそがこのバンドの大きな魅力だろう。
シンフォニック度・・8 哀愁度・・8 ポーラン度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SATELLITE 「Into the Night」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、サテライトの3rd。2007作
COLLAGEからの流れを受け継ぐ、正しく薄暗系シンフォニックの後継者であるこのバンド、
前作「Evining Game」は、素晴らしい叙情美の傑作だったが、それに続く本作である。
基本的には、前作からの流れで、しっとりとした美しいシンセワークに、
ここぞと盛り上げる泣きのギター、そしてやわらかなヴォーカルによる繊細なサウンド。
今回はより、楽曲にダイナミズムがつけられ、ときにモダンな質感を感じさせつつも、
ポーランドならではのほの暗い叙情とともに、ハードシンフォニック的な聴き方も可能。
より一般のシンフォファンにも好まれる作風になったというべきだろう。
シンフォニック度・・8 ほの暗叙情度・・8 ポーラン度・・9 総合・・8
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Satellite「Nostalgia」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、サテライトの2009年作
ポーランドを代表するシンフォバンドといってもよいこのバンド、4作目となる本作は、
前作のドラマティック路線から、やや薄暗系に戻ってきた作風であるが、
美しいシンセとメロウなギターワークを中心にした、相変わらず高品質な作品だ。
王道のシンフォニックロック感覚と、モダンなメランコリックさをまぶしたサウンドは
今やポーランドプログレの代名詞とも言ってよいものだろう。さらに今作では、曲によっては
リズム面においてポップロック的な質感もあって、よりメジャーな要素が増してきている。
シンフォニック度・・8 メランコリック度・・8 ポーラン度・・8 総合・・8
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SBB「2&3」
ポーランドのプログレバンドSBB(SZUKAJ,BURZ,BUDUJ)の2ndと3rdのカップリング。1974/1975作
あまりにディスコグラフィーが多すぎて、どれを聴いていいか分からないというバンドだが、
とりあえず傑作とされている3、4作目あたりを聴いてみるのがよろしいかと。
2nd「NOWY HORYZONT」は、まだ音が薄っぺらく、スピード感あるジャズロック風の雰囲気で
スペイシーなキーボードと東欧らしい硬質なギターサウンドが特徴的。地味ながら切れ味のよい演奏はさすが。
3rd「PAMIEC」になるとぐっとシンフォニック度が増し、曲の方も大曲3曲という構成がいかにもプログレ的。
録音も良くなっているので、静かなパートでの空間美も感じられると同時に
ドラムの表現力も増していて、アルバムとしての完成度も上がっている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 スペイシー度・・8 総合・・7.5
SBB「ZE SLOWEM BIEGNE DO CIEBIE」
ポーランドのテクニカルプログレバンド、SBBの4th。1978作
ベースレスのkEY、G、Drという変則編成から繰り出されるサウンドは
メロディアスでありながらもあくまでシャープでクールな感触。
アメリカのテクニカルシンフォバンド、HAPPY THE MANなどに通じる部分があるが
こちらはより冷徹でポップを排した研ぎ澄まされた演奏に、東欧という国柄を感じる
19分台の曲2曲のみというアルバム構成もどこかアカデミック?
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 クール度・・9 総合・・7.5
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SBB「FOLLOW MY DREAM」
ポーランドのベテランバンド、SBBの6th。1978作
西ドイツ配給の1作目ということで、東欧圏を飛び出し世界水準に向けた作品といえる。
それぞれ24分と22分という大曲2曲という構成だが、そのサウンドは初期の頃よりも硬質感が減り、
代わりにメロディアスでシンフォニックな部分が増えて、とても聴きやすくなっている。
英語の歌詞にも代表されるように、いい意味でバンドとして丸くなった感がある。
もちろんちゃんと聴けばバンドとしての演奏、テクニックは相変わらず素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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SBB「WELCOME」
ポーランドのベテランバンド、SBBの7th。1979作
のっけからスピーディで東欧的な硬質さとメロディに溢れた楽曲で幕を開ける。
ある意味アカデミックな雰囲気は、クラシックやジャズの要素を取り入れながら、
バンドとしての鋭い演奏に磨きをかけているような空気が如実に物語っている。
この緊張感あるシンフォニックサウンドはまさに東欧ならではのものだが、
A以降は美しいピアノやヴォーカルなど、むしろしっとりとした聴きやすさが増していて、
このあたりのメロディアスさが“世界を意識した”音作りということなのだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SBB「Karlstad」
ポーランドのプログレバンド、SBBのライブ作。1975/2006作
アルバム、ライブ作ともにCDが多数だが、これは彼らのデビュー翌年の1975年、
スカンジナビア遠征でのライブを収録したもの。この時代のライブ音源にしては思いの外音がよい。
ここで聴けるのはプログレというよりはむしろギターメインの即興的な演奏で、
鳴り響くハモンドをバックにタイトなドラムとのインストバトルが堪能できる。
この時代の東欧ロックでここまでのキレのある演奏力を有していたバンドはそうはいないだろう。
全8曲中、7曲までがこのライブでしか聴けない曲というのも、いかにも彼ららしい。
尚、SBBについてはこのサイトがなかなか詳しいのでご参考までに。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・7
SBB「Absolutely Live '98」
ポーランドのプログレバンド、SBBのライブアルバム。1999作
ライブなどを含めると膨大なディスコグラフィーを誇るこのバンド、
これはタイトル通り1998年ポーランドでのライブ録音を収録。
1980年にいったん解散後、90年代になってライブ活動を再開、
スタジオ作での本格的な復活は2002年まで待つことになるが、
こうしたライブ音源はそれまでの助走的な活動の記録というところか。
ギター、キーボード、ドラムという変則的な三人編成から繰り出されるのは
ときに即興的なジャズロック、フュージョンからシンフォニック、歌ものまで、
ポーランド最大のプログレバンドたる引き出しの多さを感じさせる。
ドラムなどの録音状態はいま一つながら、76分にわたる熱演で、過去の大曲を含めて
たっぷりと聴かせてくれる。詳しいディスコグラフィーはこのページを参照。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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SBB「Iron Curtain」
ポーランドのベテランプログレバンド、SBBのアルバム。2009作
ポーランドの国民的バンドであり、デビューからすでに35年以上。
1981年にいったんは解散するも、1993年に再び活動を再開、多くのライブ作品を含めて
膨大なディスコグラフィーなので、本作がいったい何枚目となるのかは不明。
ここで聴けるのは、かつてのような硬質感を漂わせたクールなテクニカルさはやや薄れ、
成熟した渋さとバランスの良さで聴かせるサウンド。とはいってもスペイシーなシンセワークに、
甘すぎないソリッドなギタープレイは随所にあって、緩急をつけながらもスケール感のあるアレンジが
じつに見事。母国語によるヴォーカル曲も味わいがある。東欧きっての名バンドはまだ色あせない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ベテランの味度・・8 総合・・7.5
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SBB「Blue Trance」
ポーランドのベテランバンド、SBBの2010年作
1974年のデビューから、いったい何作目になるのか見当もつかない。
活動停止などはあったにせよ、ともかく、これだけ継続できるというのが凄い。
本作もトリオ編成による作品で、1曲めから往年のプログレ的なシンセが鳴り響き、
東欧らしいミステリアスなスケール感と、硬質な構築性はかつてのSBBそのままである。
2曲め以降は母国語による歌声とともに、大人の哀愁を漂わせた感触と、枯れた味わいのギターで
じっくり聴かせる作風で、全体的にはプログレというよりはアダルトな東欧ロックとして聴くべき作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 東欧度・・9 総合・・7.5
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SFINX「THE ALBUM‘ZALMOXE’」
ルーマニアのプログレバンド、スフィンクスのアルバム。1978作
組曲「ザルモクセ」のタイトルで東欧の隠れた名作とされている作品。
メロディアスなキーボードと母国語によるキャッチーな歌メロは
イタリア的な繊細さを感じさせる音で、東欧のバンドにしては違和感なく聴ける。
録音的にはやや迫力にかけるが、組曲としての完成度もなかなかで
この一作だけでプログレバンドとしては終わってしまったのが惜しまれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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SOLARIS「MARSBELI KRONIKAK」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、ソラリスのアルバム。1983作
レイ・ブラドベリィのSF小説「火星年代記」をタイトルにしたこの作品は、
ハンガリーのみならず東欧シンフォを代表するアルバムとして名高い。
今は亡きフルート奏者CZIGLAN ISTVANの伸びやかな演奏に、
硬質感のあるギターと東欧らしいスペイシーなシンセが合わさり、
クールでありながらメロディアスなシンフォニックロックを展開している。
全編インスト作品であるが、メリハリのついた楽曲と聴かせるメロディとで
軽やかに聴き通せてしまえる。バンドは一時休止後1990年に復活を遂げる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フルート度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SOLARIS「1990」

ハンガリーのプログレバンド、ソラリスのアルバム。1990作
フルート、ギター、キーボードを中心に、メロディアスかつシンフォニックな楽曲群でたたみかける。
せわしない展開とコテコテのクサいメロディによる濃厚な楽曲を、
ここまで冷静にさらりと、ある意味淡々と演奏してしまうというのがもの凄い。
まさにこれがシンフォニックプログレですという、お手本のようなアルバム。
濃密すぎて胃もたれしないようにどうぞ(笑)画像右は2CDの完全盤。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 全篇コテコテ度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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SOLARIS「LIVE IN LOS ANGELS」
ハンガリーを代表するシンフォニックロックバンド、ソラリスのライブアルバムCD2枚組。1996作
今では東欧にも多くのシンフォ系バンドが存在しているが、元祖と言うべきはEASTとこのSOLARISだったと思う。
さて、本作はアメリカのPROGFEST95でのライブ音源で、音質はなかなか良好。
メロディアスなギターとキーボード、フルートなどが絡み合う様は圧巻だ。
ほぼ全編インストであるが、とにかくメロディにこだわった楽曲と切れの良い演奏でたたみかけてくる。
あまりにも「シンフォ」くさくてあざとさを感じるものの、好き者にはたまらないサウンドなのも確か。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 コテコテ度・・9 総合・・8
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SOLARIS「Nostradamus-Book of Prophecies」

ハンガリーのプログレバンド、ソラリスのアルバム。1999作
1983年に発表された「火星年代記」は、ハンガリーのプログレシーンにおいて、
EASTとともに同国を代表する存在として知られることとなった名作であるが、
本作は「1990」に続く3作目ということになる。タイトル通り、予言者として知られる
ノストラダムスをテーマにしたコンセプト作で、荘厳なチャントにフルートの音色が重なり
中世を思わせる幻想性と、異国的な雰囲気を漂わせたシンフォニックロックが構築される。
硬質感のあるギターはいかにも東欧的であるが、むしろ本作では男女コーラスの歌声を軸に
包み込むようなシンセワーク、そしてフルートこそが楽曲のイメージを豊かなものにしている。
シンフォニック度・・7 幻想度・・8 荘厳度・・8 総合・・8
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SOLARIS 「Back to the roots」
ハンガリーのプログレバンド、ソラリスの未発表曲集。1980-2000
1984年に「火星年代記」でデビューし、ここ日本でもハンガリーを代表する
プログレバンドとして認知され、コアなリスナーの間では常に注目されてきた。その後は、
2枚組みの大傑作「1990」を発表するが、ギタリストのIstvan Cziglanが死去してしまう。
バンドはそれを乗り越えて1999年にはノストラダムスをテーマにしたコンセプト作を発表する。
現在はフルート奏者Attila KollarのMusical Witchcraftが活動中だが、
ソラリスとしての新しい作品はこのアーカイブくらいであるのが残念だ。
本作はおそらくは初期のライブ音源で、デビュー前のものも含まれているようだ。
鳴り響くフルートに重厚なギター、たたみかける演奏力はすでに一線級のものがある。
音質はさほどでもないが、バンド黎明期の情熱が臨場感とともに伝わって来る。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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SOLARIS 「NOAB-archiv 2.」

ハンガリーのプログレバンド、ソラリスの未発表曲集。1980-2005
ハンガリーきってのシンフォニックロックバンドとして、いまだ根強いファンの多いこのバンド、
1983年の「火星年代記」で正式デビューを飾るが、このCDではそれより前の未発音源や
ライブ録音なども聴けソラリスファン、東欧ロックファンはは必聴の内容となっている。
のっけから21分の大曲“NOAB”が最大の聴きどころで、東欧らしいシンセワークに
ギターとフルートが絡み硬質感のメロディの同居した壮大なシンフォニックロックが炸裂する。
未発音源とは思えないクオリティでドラマティックにたたみかける素晴らしい内容。
こうなると他の曲はおまけのようなものだが、この1曲のためだけでも聴く価値はあり。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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STERN MEISSEN「Weisses gold」

旧東ドイツのシンフォニックロックバンド、シュテルン・マイセンの2nd。1978作
4th「Reise zum Mittelpunkt des Menschen」と並んでバンドの最高傑作とされるアルバム。
組曲“錬金術”と題された、37分の大曲は、東欧的な硬質感とクラシカルなメロディを有した
キーボードメインのシンフォニック曲で、シリアスに進行してゆく構成力が見事。
ヴィヴァルディの“四季”をアレンジしたボーナス曲もなかなかのものだ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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STERN-COMBO MEISSEN「Der weite Weg」
旧東ドイツのシンフォニックロックバンド、シュテルン・(コンボ)・マイセンの3rd。1979作
キーボードシンフォの傑作として名高い2nd「錬金術」4th「内的宇宙への旅」に挟まれて
いまひとつ影の薄い本作のようだが、出来はなかなかのものだ。
ヴォーカルパートが増えて、やや歌ものめいている感はあるが、スペイシーなシンセワークは
健在で、重なり合うツインキーボードのシンフォニックな感触にはおもわずにんまりとなる。
AOR的なポップなナンバーでも、どうしても東欧的な硬質感がどこかにあるのが面白い。
3パートに分かれたヴィヴァルディの「四季」のカヴァーはクラシカルで良いが、
これは2ndのリマスター盤にホーナスで収録されていた気が…まあいいか(笑)
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
STERN MEISSEN
「REISE ZUM MITTELPUNKT DES MENSCHEN」

旧東ドイツのプログレバンド、シュテルン・マイセンの4th。1981作
ひとことでいうと、初期のELPを壮大にしたような、スペイシーに乱舞するキーボードを中心にしたサウンド。
東欧らしいアカデミックさに彩られた見事な楽曲は、ダブルキーボードによる多重録音など
アレンジにも細やかな気遣いが感じられて非常に高品質。
楽曲、演奏力ともに、ポーランドのSBBなどと同様、躍動感がありしかも緻密かつソリッド。
キーボードメインのシンフォニックロックアルバムとしては文句なく名盤といっていい。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・10 演奏・・9 総合・・8
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Lift・Electra・Stern-Combo Meissen「SACHSENDREIER・LIVE」
東ドイツを代表する3バンド、シュテルン・コンボ・マイセン、リフト、エレクトラによるライブアルバム。1999作
どれも70年代から活躍するバンドであるが、それらが一同に会して豪華なライブ演奏を繰り広げている。
プログレッシブというには往年よりもむしろ普通のロック寄りの曲が目立つが、
それでもクラシックのカヴァーなどでは瑞々しいシンフォニックな演奏が聴ける。
この中ではやはりSTERN-COMBO MEISSENのクラシカルな曲が白眉。
ラストは3バンド合体しての大演奏で盛り上がる。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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Strawberry Fields「Rivers Dry Gone」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、Satelliteのメンバーの手による、
女性Voロックユニット、ストロベリー・フィールズのアルバム。2009作
ゴシック的な倦怠感のある女性ヴォーカルの歌唱を中心に、モダンロック的な楽曲で聴かせる。
ときおりSatelliteを思わせるような薄暗いシンフォ風味もあるが、
やはりもっと素朴で肩の力が抜けたような、アンニュイな優雅さが前に出ている。
音数的には少ないながらも、退屈かというとそうでもなく、キャッチーな耳馴染みの良さもあって、
ゆったりとした女性声の入ったオルタナ・シンフォとしても楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 薄暗シンフォ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SUNCHILD 「THE WRAP」
ウクライナのプログレバンド、サンチャイルドの2010年作
Karfagenのシンセ奏者を中心としたバンドで、シンフォニックな美麗さと
東欧らしいクールな構築センスが同居したサウンドで、なかなか質は高い。
MARILLIONなどを思わせるメロウな叙情性と適度な硬質さが溶け合って
やわらかな聴き心地の中にも適度な緊張感を作り出している。
38分の大曲を含むドラマティックなモダンシンフォニックの力作である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 モダンシンフォ度・・8 総合・・7.5
SUNCHILD「As Far As the Eye Can See」

ウクライナのプログレバンド、サンチャイルドの2011年作
本作から女性ヴォーカルが加わり、サウンドはよりきらびやかになっている。
のっけから15分の大曲で、男女ヴォーカルの歌声と美しいシンセワークで
やわらかな叙情性が広がってゆく。アレンジ面ではこれまで以上のダイナミズムとともに
メロディックな爽やかさと、いかにもプログレ的な濃厚なインスト部分のバランスもよく、
一方では女性の歌声を活かしたKATE BUSHあたりに通じるキュートなお洒落さや、
フルートやストリングスなど、アコースティカルなやわらかみもあり飽きさせない。これは傑作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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SVANN「GRANICA CZERNI BIELI」
元ABRAXASのメンバーらによる、ポーランドのシンフォニックバンド、スヴァンの1st。2003作
音楽性としては、アブラクサスにあったシアトリカル性をややゴシック風に転換したサウンド。
ギターの泣きなどの煽情力はそのままなので、ミステリアスなシンフォニックロックとしても聴け、
メインシンガーの女性Voの妖艶な歌声はゴシック寄りの女性Voファンにもアピールする。
ABRAXASの男Voが好みを分ける声だっただけに、聴きやすさではこちらが上か。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
SVEN GRUNBERG「BREATH」
エストニア(旧ソ連)のキーボード奏者、スヴェン・グルンベルクの1st。1980年作。
プログレというよりは、Keyのみによる多重録音シンセミュージックです。
スペイシーな広がりを感じるその美しいサウンドは、ジャーマントリップ系に通じるものもあるようですが、
静謐なシンフォサウンドとしても楽しめ、かつまどろめます。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・6 まどろみシンセ度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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SVEN GRUNBERG'S PROGE-ROCK GROUP MESS

スヴェン・グルンベルグ率いるバンド、メスの1975〜1976年の音源をCD化した作品。
旧ロシア最高のキーボーディストの一人であるスヴェンのソロ作「HINGUS(BREATH)」は
スペイシーなシンフォニック作品として傑作の名に値するが、
これはそれ以前の何と彼のバンドの音源。デモ音源なのか正規アルバムにのかは不明だが
ちゃんとギターもいて、リズムセクションが入っているのでいかにもバンドっぽい。
やはりメインはスペイシーな広がりを感じるシンセでヨーロッパのバンドとは一線を画した雰囲気がある。
たゆたうようにゆるやかに曲はながれていくが、時折ギターがメロウなフレーズを奏で出すと
DICEやFOCUSもかくやという涼やかなシンフォニックロックサウンドに変貌する。
ヴォーカルも添え物程度に入っているが、メインはインスト中心。
曲によって出来不出来があるが、旧ロシアのシンフォバンドとしてはかなりの高品質。
シンフォニック度・・8 スペイシー度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
T
TANQUAM「artanasan」
ロシアのシンフォニックユニット、タンクゥアムのアルバム。2005作
女性2人のヴォーカルにキーボード、ドラムという変則4人編成。
サウンドは、シンセがメインのエレクトリックサウンドであるが、どことなく民族色もある。
ゴシックというほどにはダークではないが、ゆるやかなシンセの重ねをバックに
妖しげな女性スキャットが加わると、立派な雰囲気ものサウンドとして成立する。
不気味なジャケとはうらはらに、映画サントラ風の壮大さも垣間見せてくれ、なかなか楽しめる。
今後は、できれば思い切り予算を注ぎ込んで、生楽器入りでより大仰な作品を期待したい。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 雰囲気もの度・・9 総合・・7.5
TOWNSCREAM「MAGYVAROSI IKONOK」
AFTER CRYNGのKey、VEDRES CSABAの別バンド、タウンスクリームのアルバム。1997作
のっけからクラシカルなピアノと変拍子による東欧らしい硬質感のあるシンフォニック曲が炸裂。
全体的にはAFTER CRYINGのシリアスな静謐感を強めた作風で、
そういう点ではやはりISILDURS BANEあたりを彷彿とさせる所も大きい。
そんな中、Fで顔を出すELP風のメロディには彼のプログレ魂を感じる。
また、艶やかなピアノの音色には、本物のクラシックの香りもあり、
アカデミックなシリアス調シンフォニックとして聴けば素晴らしい作品だ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 硬質度・・8 総合・・8
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「A JOURNEY INTO THE SUN WITHIN」

ポーランドの女性Voロックバンド、トラヴェラーズの2011年作
COLLAGE〜SATELLITEのWOJTEK SZADKOWSKIを中心に結成したバンドで、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるゆるやかなシンフォニックロックサウンド。
10分以上が2曲に8分が2曲という大作志向で、モダンなシンセアレンジと
アンニュイな翳りがミックスされて、独特の浮遊感をまとわせた作風になっている。
しっとりとした女性声が耳に優しく、初期のQUIDAMなどを思わせる部分もあり、
随所にプログレ的な感触を匂わせながら、さらりとクールなお洒落さを感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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TURQUOISE
ポーランドのシンフォニックロックバンド、タークォイスの1st。2001作
ポーランドの女性ヴォーカルシンフォといえば、QUIDAMがまず挙げられるが、
このバンドも非常に有望なニューカマーだ。ファンタジックなジャケ絵に負けず、
音の方もしっとりとしたやわらかみのある作りで、母国語で歌う美声の女性Voをメインに、
メロウなギターと幻想的なKEYが一体となった、女性声シンフォの王道といえるサウンドである。
アコースティックや静寂パートを効果的に設けるなど、アレンジ面でも気を使っていて
デビュー作としはてはクイダムの1stに匹敵するくらいの出来だと思う。
ギターのメロディフレーズにもセンスが感じられ、決してただの歌モノになっていないところが良い。
今後の成長しだいでは世界に誇る傑作シンフォを生み出すこともありえるだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
TURQUOISE「PO DRUGIEJ STRONIE」

ポーランドのシンフォニックロックバンド、タークォイスの2nd。2003作
デビュー作は美しい童話的なジャケットに、清涼な女性Voの実に心地よいアルバムだったが、
今作ではその美声Voが交代し、前作の日だまりのような暖かなシンフォ音像はやや影をひそめ、
どちらかというとしっとりとした内的な叙情を感じる音になった。
Voは女性2人に男性がひとりで、母国語で歌われる歌には異国的な雰囲気が増しており、
ギターの奏でる湿り気のあるフレーズにもセンスを感じるものの、
女性Voものシンフォとしては明らかに魅力が半減しているのは否めない。
シンフォニック度・・7 叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
U
UNIVERS ZERO「Ceux du Dehors」

ベルギーのチェンバー・プログレバンド、ユニヴァル・ゼロの3rd。1981作
ジャズロック的なテクニカルなリズムの上を、ピアノやシンセ、
ヴァイオリン、オーボエなどの室内楽的な演奏が乗るスタイル。
それでいて音には不穏な緊張感があり、メロトロンの音色にしてもどこか寒々しい。
クラシカルな質感に現代音楽的なアヴァンギャルドな雰囲気が合わさっている。
初期のミステリアスなダークさを残しながら、次作「UZED」へと至る
テクニカルなアンサンブル志向が融合された濃密なアルバムだ。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・7 薄暗さと緊張感度・・9 総合・・8
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UNIVERS ZERO「UZED」

ベルギーのチェンバー・プログレバンド、ユニヴァル・ゼロの4th。1984作
初期の頃の暗黒性は薄まりつつ、今作は純粋に演奏で聴かせられるテクニカルな側面を押し出し、
構築という点ではバンドの最高作ともいうべき内容になっている。
冷やかなシンセに絡むピアノ、サックス、オーボエなどの室内楽的なアンサンブルと、
ほのかな暗がりを感じさせる静謐感、そして張りつめた緊張感を漂わせて、
アカデミックでありながらもロックとしてのダイナミズムも持ち合わせたサウンドだ。
あるいは暗めのジャズロックとしても鑑賞可能で、これまでコアなリスナー向きだったものを
もう少し間口を広げたことで、バンドの評価を高めた一作とも言えるだろう。
クラシカル度・・7 テクニカル度・・8 薄暗さと緊張感度・・9 総合・・8
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UNIVERS ZERO「THE HARD QUEST」

ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴァル・ゼロのアルバム。1999作
初期の暗黒性はやや薄れ、ある意味聴きやすい作品となっている。
クラリネットにオーボエ、ホーンなどによる室内楽的なサウンドは、
ほのかな薄暗さと硬質感をともないながら、クラシカルに構築されてゆく。
テクニカルな要素よりも、うっすらとしたシンセワークとともに、
雰囲気で世界観を聴かせるアルバムといってよいだろう。
クラシカル度・・8 暗黒度・・7 テクニカル度・・7 総合・・8
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UNIVERS ZERO「rhythmix」

ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴァル・ゼロのアルバム。2002作
1999年の「THE HARD QUEST」に続く、新生UNIVERS ZEROの2作目。
やや聴きやすいアルバムだった前作の流れを引き継ぎつつも、よりディープでクラシカルになり、
オーボエ、ホーン、マリンバ、チェロ、フルートなどを室内楽的に使用しながら、
変拍子リズムを叩き出すドラムとともに、持ち味であるダークな緊張感を漂わせている。
アコーディオンやフルートの音色でここまで張りつめた空気を作れるというのは、
クラシックでいうとバルトーク的な方法論とも言えるだろうか。前作以上の傑作だ。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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Univers Zero「Implosion」

ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロの2004年作
前作「rhythmix」が素晴らしい傑作であったので期待していたが、今作もダークな空間美に
クラシカルな優雅さを封入した独自の暗黒チェンバーサウンドを聴かせてくれる。
有機的に叩かれるドラムと存在感のあるベースのヘヴィさに、ヴァイオリンが絡み、
チェロやサックス、オーボエなどとともに、室内楽的アンサンブルを構築、
スケールの大きな浮遊感と、アヴァンギャルドな不可思議さを濃密に作り上げている。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・9 総合・・8
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Univers Zero「LIVE」

ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロのライブアルバム。2006作
ダークでクラシカルなチェンバーロックとして、強固な世界観が魅力の彼らだが、
このライブ作でも、同様にダークかつ緊張感漂う演奏を繰り広げている。
ときに激しく叩かれるドラムと重々しいベースの上に、オーボエやクラリネット、
ヴァイオリンが重なり、軽やかな重厚さともいうべきサウンドを描き出す。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・8 ダークな緊張感・・8 総合・・8
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Univers Zero「Clivages」

ベルギーのチェンバープログレバンド、ユニヴェル・ゼロの2010年作
シンセとクラリネット、ヴァイオリンが絡み、いつになく流麗に始まる本作は
一聴して従来のダークさよりもクラシカルな美しさが前に出ているが、
本質的な世界観は変わらず。アンサンブルとして音数を絞ってきたことで
静けさの中での張りつめた緊張感はむしろ高まっている。やはり傑作。
クラシカル度・・8 テクニカル度・・7 ダークな緊張感・・9 総合・・8.5
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Univers Zero「Heresie」

ベルギーのチェンバーロックバンド、ユニヴェル・ゼロの2nd。1979/2010作
シリアス系のチェンバーロックの頂点に君臨するこのバンド、本作はかつての2ndアルバムをリミックス、
リマスターし、ジャケも新しくなった2010年新装盤。「異端」というタイトルや、以前のジャケも含めて
3rd以降のテクニカルなアプローチとは一線を画した、おどろおどろしさを押し出した作風で、
かつて聴いたときにはとても怖かった印象がある。呪術的なヴォイスや、緊張感を漂わせた不穏な空気は、
むしろイタリアのJACULAなどを思わせるもので、室内楽の管弦楽器をここまでダークに鳴らすバンドはいない。
新たなリミックス効果か、アンサンブルにおける各楽器の輪郭がはっきりして、より緊張感あふれる音になっている。
25分、13分、12分という大曲構成も含めて、バンドの実験色がもっとも色濃く出ている作品とも言えるだろう。
クラシカル度・・8 ロック度・・6 ダーク度・・9 総合・・8.5
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Y
Yesterdays「Holdfenykert」

ハンガリーのシンフォニックロックバンド、イエスタデイズのアルバム。2007作
美しいフルートの音色に、メロトロン、しっとりと歌う女性ヴォーカルによる
繊細なシンフォニックロック。アコースティカルな素朴さが耳に優しく
女性奏者の吹くたおやかなフルートにメロトロンが重なると、もううっとりだ。
同郷のシンフォバンド、YOU AND Iの元メンバーがいるというのもうなずける。
リリカルかつやわらかな音で聴かせる繊細系シンフォニック作。
シンフォニック度・・7 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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YOU AND I
ハンガリーの女性Voシンフォニックロックバンド、ユー・アンド・アイの1st。
ハンガリーというとSOLARISやEAST、最近ではAFTER CRYINGやRUMBLIN' ORCHESTRAなど
クラシカルかつ濃いめのシンフォニックバンドが多い、というイメージだが、
このバンドは綺麗な声の女性Voを中心にしたたおやか系のサウンドで、
ポーランドのQUIDAMあたりを想起させるものを持っている。
ギターにしろキーボードにしろあまり大仰にはならず、あくまで歌メインの曲構成に好感が持て、
時折見せるIONA的な幽玄さを伴った静謐感もとても心地よい。
メロディアス度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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YOU AND I「GO」
ハンガリーのシンフォニックロックバンド、ユー・アンド・アイの2nd。1998作
美しい女性ヴォーカルの歌声にシンフォニックなキーボード、
ポーランドのQUIDAMを思わせる爽やかな女性声シンフォサウンド。
1stよりもキャッチーなAORテイストが増しており、一般向けに聴き易くなっている。
伸びやかなVOLGYESSYさんの歌声が素晴らしく、しっとりと耳に優しく響きます。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 女性Vo度・・9 総合・・8
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YOU AND I「EXIT」
ハンガリーの女性Voシンフォバンド、ユー・アンド・アイの3rd。2001作
女性声をメインにポーランドのQUIDAMあたりにも通じるサウンドで私的にも「ツボ」であるバンド。
今作はかつてのポップになりかけたYESのような聴きやすさに、女性Voが歌を載せたという路線で、
1stにあったIONAあたりに通じる幽玄さが若干失われてよりポップになってしまっているところが少々残念。
聴きやすくて、爽やかでよい作品だとは思うが、それだけではやはり一味足りない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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