CDレビュー プログレ
北欧

スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド
PROGRESSIVE ROCK/SCANDINAVIA

掲載バンドは上からABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


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*北欧シンフォニックロック特集




Agents of Mercy「The Fading Ghosts Of Twilight」

The Flower Kingsのロイネ・ストルト率いる、エージェンツ・オヴ・マーシーの2009年作
メンバーには、GENESIS系シンフォバンド、UnifaunのヴォーカルにTFKのヨナス、レインゴールド、
ドラムにはゾルタン・チョーズ(元TFK、KARMAKANIC)、Pat Mastelotto(KING CRIMSON)などが参加。
楽曲は、ガブリエルそっくりのヴォーカルの歌声に、フラキンのやわらかな部分が合わさったような雰囲気で、
ぱっと聴きの派手さはないが、じっくりと作り込まれた大人のシンフォニックロックという趣だ。
往年のGENESISの質感を、ロイネのセンスで色付けしたという感触の好アルバム。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 フラキン度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCY「Dramarama」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、エージェンツ・オブ・マーシーの2010年作
TFKのロイネ・ストルトとヨナス・レインゴールド、Unifaunのナッド・シルヴァンに加え、
本作ではシンセにラレ・ラーションらが加わった。前作はいかにも往年のGENESISを思わせる
ゆったりとした作風で案外地味であったのだが、今作では古き良き70年代風味に加えて
よりダイナミックなシンフォニック路線…つまりはThe Flower Kingsのイメージに近づいている。
一方では、牧歌的でゆるやかな叙情曲も素晴らしく、ロイネのギターワークはもちろんのこと、
ラレのシンセワークもなかなか見事で、まんまGENESISなVoの歌声がなにやら微笑ましいが、
ただレトロなだけではないセンスを感じさせる力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 叙情度・・8 総合・・8
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AGENTS OF MERCYBlack Forest

スウェーデンのシンフォニックロックユニット、エージェンツ・オブ・マーシーの2011年作
ロイネ・ストルト、ナッド・シルヴァン、ラレ・ラーションらによるGENESIS懐古風サウンドというべき
このバンドもすでに3作目となる。本作はこれまで以上にミスティックな雰囲気とシアトリカルな作風になっていて、
メロトロンを含んだ表情豊かなシンセワークと叙情たっぷりのギター、P.ガブリエルばりのヴォーカルで、
物語的なコンセプトを感じさせるほの暗いミステリアスさとともにゆったりと楽曲を盛り上げてゆく。
まさに、The Flower KingsGENESISを合わせたような、ドラマティックなシンフォニックの傑作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ミスティック度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「VASARAASIA」

フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラメイルマン・ヴァサラットの1st。2000作
サックス、トロンボーン、チェロを中心にフリーキーな旋律を奏でつつ
けっこう激しめのドラムに、オルガン、ピアノなどが加わった面白いサウンド。
メロディにはどこかサーカス的な愉快さと哀愁があり、土着性も感じられる。
変態系チェンバーロックバンド、Hoyry-koneのメンバーが結成しただけあって、
楽曲的にも一筋縄ではいかないアレンジで、ときに唐突に展開する。
そしていきなりヘヴィなギター入りの曲もあったりでびっくり…と思いきや、
これは歪ませたチェロであるらしい。むしろAPOCALYPTICA状態?
ともかく、個性的なバンドが好きな方、激しめのチェンバーが好きな方はぜひ。
メロディアス度・・7 変態度・・8 サーカス度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「KAARMELAUTAKUNTA」

フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラメイルマン・ヴァサラットの2nd。2003年作
サックス、トロンボーン、チェロなどをアヴァンプログレに融合させた個性派バンド、
本作も基本は前作からの延長ながら、チェロ奏者が一人増えて音に厚みが増した。
サックス、クラリネットの音色に絡むトロンボーンやチェロの響きにオルガンも加わり、
哀愁をただよわせたトラッド的な味わいの独自の音楽性はより深みを増してきている。
ゆったりとしたピアノを聴かせる曲など、前作よりも叙情性が増したぶん、
いくぶん落ち着いてきている印象もあるが、ザクザクとした歪ませチェロも健在で、
全体的には静と動のメリハリがついた力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 変態度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARATMAAHAN

アラメイルマン・ヴァサラットの3rd。2007作
一聴してアンサンブル重視となった今作は、Hoyry-koneに近い質感を思わせる。
重々しいチェロの響きを土台にしつつ、軽やかなクラリネットにオルガンの音色を乗せ
土着的で薄暗くも、そこに浮遊感のあるサウンドを作り上げている。
ときにチェンバー/タンゴ的なノリの良さも加わり、サックスの演奏力も増している。
リズム面でのかっちりとしたロック的な整合性が増したことで、
聴きやすさの面ではこれまでの作品で一番かもしれない。
メロディアス度・・8 変態度・・7 哀愁度・・8 総合・・8
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ALAMAAILMAN VASARAT「HUURO KOLKKO」

フィンランドのチェンバー・プログレバンド、アラマーイルマン・ヴァサラットの4th。2009作
トロンボーン、サックス、チェロといった楽器を激しく鳴らして独自の音楽を追求してきたこのバンド
2009年にはついに来日公演も果たし、ますます勢いに乗ってきている。「消えた冒険家」という
意味不明なタイトルの今作でも、のっけから重厚なチェロの音色にサックス、トロンボーンが愉快に絡み、
もはやこのバンドでしか描き出せない、ユーモア溢れるダンディズムといったようなものを匂わせた
独自のサウンドを聴かせる。アヴァンギャルドな天然ポケ的感性の中に、哀愁をにじませているのがいかにも
フィンランド的な情緒であり、メロディカなどの使用も含めて前作以上に音のメリハリがついているのもよろしい。
メロディアス度・・7 変態度・・8 哀愁度・・8 総合・・8
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ANEKDOTEN 「vemod」

スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの1st。1993作
のっけからメロトロンの音色で始まり、続いてクリムゾン的なギターの重ねで
レトロな質感とともに、ヘヴィシンフォニックサウンドが始まってゆく。
この薄暗さと、ある種の終末的な雰囲気は、この後のバンドに大きく影響を与え、
懐古主義的な70年代へのオマージュとともに、北欧プログレの叙情性の指針ともなった。
バンドは2nd、3rdと、そのサウンドの密度を高めながら深化してゆき、現在では
もっとゆるやかな叙情美を追求してゆくことになるが、一聴してのインパクトの点では、
本作を最高作と挙げるファンも多いだろう。90年代北欧シーンの原点となる1枚だ。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANEKDOTEN「NUCLEUS」

スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの2nd。1995作
1st「VEMOD/暗鬱」はリフの繰り返しの多さも含めて、いくぶん粗削りな作風であったのだが、
この2ndになると、楽曲アレンジが緻密になり、展開にドラマティックな起伏がついてきた。
ほとんどスタジオ一発録りだったという1stに比べて、計算されたダイナミズムにより、
メタルファンにも聴けるヘヴィパートがあるかと思うと一転、北欧的な静寂パートへの切り返しが見事。
そして、ここぞとばかりに盛り上がるメロトロンパートでは、「北欧のクリムゾン」と呼ばれる
面目躍如たる寒々しい叙情が襲いかかってくる。次作と並んでバンドの代表作である。
北欧叙情度・・8 重厚度・・8 メロトロン度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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ANEKDOTEN「From Within」

スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンの3rd。1999作
ANGLAGARDに続いて現れたこのバンドは、北欧のクリムゾンとも呼ばれるそのサウンドで
コアなリスナーからの支持とともに90年代プログレの復興に大きな存在感を示した。
本作は、傑作だあった2nd「NUCLEUS」のドラマティックさに加え、1st「vemod」の
ヘヴィなダークさを併せたような最高傑作。鳴り響くメロトロンによる寒々しい叙情美と、
ゆるやかなダイナミズムが融合され、これぞアネクドテンというサウンドが展開される。
4th以降はゆったりとした薄暗系シンフォニックになってゆき、それはそれで好きなのだが
ぐいぐいと押し寄せてくる音のインパクトの点では、本作が絶頂期だったとも言えるだろう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「Official Bootleg Live in Japan」

スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのライブ作。
1997年の初来日公演の模様を収録。1st「Vemod」からの曲を中心に、
2nd「Nucleus」そして、この時点での新作「From Within」からの曲も先行演奏。
肝心のメロトロンは残念ながら空輸の関係からサンプリングとなっているが、
それでも北欧の寒々しい叙情を配した彼らならではのサウンドが堪能できる。
現在の彼らよりはややラフな荒々しさがあるが、それもむしろ魅力的で、
北欧のクリムゾンとも謳われるヘヴィシンフォニックサウンドが炸裂している。
CD2枚組で長尺感があり、音質的にも最高ではないのでファン向けのアイテムではあるが。
ヘヴィシンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 音質(臨場感)・・7 総合・・7.5
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ANEKDOTEN「GRAVITY」

スウェーデンのヘヴィシンフォバンド、アネクドテンの4th。2003作
初期〜中期クリムゾン的ヘヴィネスに北欧的な寒々しい叙情を付加し、独自の地位を築いてきたこのバンド。
来日やアメリカでのライブなど、精力的な活動を続け、一時は休止状態だったらしいが、
こうして無事4thアルバムが完成した。結論から言うと、非常に聴きやすいアルバムである。
かつてのヘヴィさ、ダークさをやや抑え目に、バンドとして自然体で作り上げたという印象で、
いつも以上に心地よい歌メロは、プログレファンのみならず一般のリスナーにもアピールできるはず。
もちろん、彼らの最大の持ち味であるメロトロンもここぞという時には盛大に鳴らされ、
楽曲の叙情性に拍車をかけている。ヘヴィで暗鬱さを求めるリスナーには肩すかしだろうが、
純粋に気持ちよく聴けるという点で、評価できるアルバムであると思う。
シンフォニック度・・8 ヘヴィ度・・6 メロトロン度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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ANEKDOTEN「Waking The Dead Live In Japan 2005」

スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのライブ作。2005作
2005年2月の二度めの来日公演のベストテイクを収録したというだけあって、
その音の迫力と演奏のテンションは彼らのディスコグラフィー中でも最高のもの。
鳴り響くメロトロンの美しさ。北欧らしい薄暗いサウンドの中に聴きやすいメロディを封じ込め、
クリムゾン的なヘヴィさと、サイケロック的な浮遊感を同居させたこのバンドの神髄が味わえる。
曲は「From Within」「Gravity」からのものを中心にしており、ステージ全体の統一感もあるので
アネクドテンをこれから聴くという方の入門用にもうってつけ。見事なライブ作品だ。
ヘヴィシンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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ANEKDOTEN「A Time Of Day」

スウェーデンのヘヴィシンフォニックバンド、アネクドテンのアルバム。2007作
5作目となる本作は、前作の延長上の音作りで、マイルドな薄暗さのある
メロトロン入りロックという趣だ。プログレ的な要素はさらに減少していて、
初期のファンからするとおとなしすぎるサウンドに思えるだろうが、
むしろ独特の内的な叙情美はさらに深まっているとも言え、
このモダンさとゆるやかな音が心地よい人にはたまらないだろう。
今回は曲によって、ハモンドやピアノ、フルートなども効果的に使われ、
暗がりのなかに漂う哀愁と、うすもやのような耽美な質感が巧みに表現されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 メロトロン度・・8 総合・・8
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ANEKDOTEN「Chapters」

スウェーデンのプログレバンド、アネクドテンのベストアルバム。2009作
1993年の衝撃のデビューから15年がたち、今や名実共に北欧のプログレシーンを
代表する存在となったこのバンド。これはバンドの歴史を綴る2枚組みのベストで、
Disc1には3rd「From Within」以降のアルバムから11曲を収録。
メロトロンが鳴り響くレトロな感覚を北欧的な叙情性と合体させたサウンドは、
これ以後の多くのバンドに大きな影響を与えることとなった。
Dusc2には未発音源や別バージョン、初期のデモなどの貴重なテイクを収録。
現在よりもクリムゾン色の強かった、初期の楽曲がまた違った雰囲気で楽しめる。
このバンドの入門用にはもちろん、コアなファンにも対応したベストである。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ANGLAGARD「Hybris」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、アングラガルドの1st。1992作
当時、ANEKDOTENに先駆けて現れたこのバンドが、90年代北欧プログレの
活性化の一端をになったことは間違いがない。個人的にも、当時「ザ・シンフォニック組曲」という
邦題で店頭に並んでいた本作を聴いたときには、かなりの衝撃を受けたものだ。
クリムゾン的な緊張感に北欧の土着メロディを加え、そこに鳴り響くメロトロン、フルートと
好事家にはたまらないサウンドで、北欧の薄暗い森を思わせる神秘的な雰囲気も素晴らしい。
10分台の曲が3曲もあるという大作志向にもしびれたし、ANEKDOTENのヘヴィネスに比べると
ずっとトラディショナルで、素朴な土の香りがするのも魅力的だ。
バンドはこの後2nd「Epiloge」、ライブ盤「Buried ALive」を発表後に解散、再結成の噂もたえないが、
彼らの残した2枚のアルバムは、これからも北欧シンフォの遺産として語り継がれるだろう。
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・9 北欧度・・10 総合・・9
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ANGLAGARD Epilog

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、アングラガルドの2nd。1995作
北欧の90年代シンフォニックの先駆けとして2枚のアルバムを残したこのバンド。
叙情シンフォニックの傑作としては1st「Hybris」をとりますが、
クリムゾン的なメロトロンにハモンドが鳴り響くレトロロックとしてはこちら。
90年代以降のバンドらしいテクニカルな展開力を聴かせつつ、
後のANEKDOTENへと継承される懐古主義的な味わいもある。
フルートなど、静寂パートの美しさは息をのむほどで、
レトロプログレ云々という前に、北欧シンフォの名作といえるだけの出来だ。
シンフォニック度・・8 レトロ度・・8 メロトロン度・・8 総合・・8.5
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Anima MorteFace the Sea of Darkness

スウェーデンのシンフォニックロック、アニマ・モルテの2007年作
北欧らしい薄暗い叙情とミステリアスな雰囲気で聴かせるシンフォニックロック。
たおやかなフルートの音色に、美しいシンセとメロウなギターがかぶさり
かつてのANGLAGARDに通じるような質感と、レトロなヴィンデージ風味も感じられる。
キーボードたっぷりで、MORTE MACABLEをより美しくしたという言い方もできるか。
オールインストなので濃密さの点ではやや物足りないが、メロディの豊穣さで飽きさせない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Anssi Tikanmaki Orchestra「TUNTEMATON MAA」

映画音楽なども手がけるフィンランドのアンシ・ティカンマキによるアルバム。2006作
ペッカ+エニドというタタキにつられ購入。北欧的な素朴なメロディにフルート、アコーディオンの
音色がからまり、そこに管弦楽隊が加わると、壮麗なオーケストレイションが現れる。
映画音楽的な1曲めから、続く2曲めは人を食ったようなユーモラスなメロディが確かにペッカ的。
しかしそこから泣きのギターが加わり、シンフォニックに展開する様はかなり極端だが面白い。
オールインスト作品ながら聴き所は多く、オーケストラの緻密なアレンジはもちろん
ときにはメタリックなギターも出てきたり、シリアスな重厚さとモダンな軽さとのギャップが楽しい。
現代クラシックの優雅さとシンフォニックロックのダイナミズムを融合させ、そこに
北欧トラディショナルの雰囲気をユーモアをまじえてセンスよく取り入れた大胆な作品だ。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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ANSSI TIKANMAKI ORCHESTRA「H2O」

フィンランドのミュージシャン、アンシ・ティカンマキの2009年作
映画音楽なども手がける才人ということであるが、前作「TUNTEMATON MAA」
現代クラシックをプログレ化させたような素晴らしい作品であった。「知られざる国」シリーズの3作目である
本作もまた、美麗なオーケストレーションをたっぷりと取り入れ、それを北欧的な素朴な叙情と融合、
結果としてENID+ペッカ・ポーヨラというような、温かみのあるクラシカルシンフォになっている。
アコーディオンの音色などのユーモラスな雰囲気は、チェンバーロック的でもあり、
単なるシンフォニックロックとは異なるベクトルで生み出された、とても北欧らしい作品だ。
シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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ANTI-DEPRESSIVE DELIVERY
「FEEL MELT RELEASE ESCAPE」


ノルウェーのハードプログレバンド、アンチ・デプレッシブ・デリバリーの2004作
面白いことに、このバンドメンバーは皆デスメタル関係でバンド活動をしていた経緯をもつ。
したがってサウンドの方は、いわゆるDREAM THEATER系のProgMetalとも、
シンフォニック系のプログレハードとも異なり、変拍子リズムを使用したギターリフに
時々デスチックになるドラミング、そこにヴィンデージ調のキーボードが重なり
目新しくないようでいて、意外にこのタイプはいない、というものになっている。
時に古めかしいハモンドや、まるでANEKDOTENのようなメロトロンが盛大に鳴り響き、
メロディにはキャッチーさをかいま見せつつも北欧のバンドらしいさびれた風情をかもしだす。
難解さよりはプログレ・ロック的なノリがあるので、複雑すぎる変態系が苦手な人にも聴けるだろう。
ACT、ANEKDOTEN、PAIN OF SALVATION、MATS/MORGANあたりに通じる要素も感じられる。
メロディアス度・・7テクニカル度・・8 変態度・・7 総合・・8
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Antidepressive Delivery「Chain of Foods」

ノルウェーのプログレバンド、アンチデプレッシブ・デリバリーのアルバム。2009作
前作はレトロなプログレ感覚をプログレメタル的な演奏に融合させた力作であったが、
今作ではぐっと肩の力の抜けたレトトロックをやっている。鳴り響くオルガンの音色に
マイルドなヴォーカルの歌声で、古き良きブリティッシュロック的な演奏を聴かせる。
楽曲も、メロディも盛り上がりもごく自然体なので、プログレうんぬんを考えずに聴き通せる。
前作のミスマッチProgMetalのヘンタイ感覚が好きだったリスナーには肩すかしかもしれないが、
これはこれと割り切って楽しめるのは、さすが技量の高いメンバーのやる音楽である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 レトロロック度・・8 総合・・7.5
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aquaplan 「Old Waves New Seas」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、アクアプランのアルバム。2007作
変拍子入りの軽やかなアンサンブルに母性的な女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンド。
メロウなギターフレーズなども含めて初期のQUIDAMなどを思わせる作風で、
そこに北欧らしい爽やかさと牧歌的な叙情を加味したようなアルバムである。
優雅なピアノで聴かせるジャズタッチの感触もあり、全体的に派手さよりも
繊細でやわらかなサウンドが耳心地よく、ゆったりと楽しめる。
シンフォニック度・・7 繊細叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8




BEARDFISH「fran en plats du ej kan se...」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ビアードフィッシュの1st。2003作
メンバーは皆若そうであるが、音のほうは70年代テイスト溢れるレトロなロックサウンド。
シンフォニックというよりは、かつてのブリティッシュロックを思わせるブルージーな部分もあり、
そこに北欧的なメロディセンスをまぶしたという印象。ハモンド、ムーグなどのシンセワークは
いかにもプログレ的であるが、ギターやヴォーカルには古き良きロックの枯れた味わいがあり、
全体的に新人らしからぬ感性を感じる。最近の北欧ではレトロとモダンの融合がトレンドなのか。
ラストは15分の大曲で、これは北欧シンフォニック好きなら膝を叩く、なかなかの出来。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 70'sロック度・・8 総合・・7

BEARDFISHSleeping in Traffic:Part One

スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの3rd。2007作
1stを聴いた時点ではブルージーでレトロな70'sロック風という印象だったが、
2枚組の2ndに続く本作では一聴して音のダイナミズムが増している。
70年代を思わせる懐古的なロックを基盤にしているのは前作と同じだが、
北欧的な叙情が増して、メロトロンなどもより効果的に使われるようになった。
曲におけるメリハリのつけ方や、聴かせ所をしっかりと盛り上げることで
サウンドと楽曲の説得力が増して、聴いていてぐいぐい引き込まれる。
ブリティッシュハードロック的なヘヴィさと、ブルージーでサイケな質感を
上手に北欧プログレの要素にくるめて作り上げたセンスが光っている。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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BEARDFISH「Sleeping in Traffic:Part Two」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ビアードフィッシュのアルバム。2008作
前作の続編ということだが、どんなコンセプトなのかは詳細は不明。
今作もハモンドなどを掻き鳴らし、70's英国ロック風の演奏はより深みを増しており、
やわらかなメロディをまじえながら、ほんのりと北欧風味も忘れないのが見事。
しかし、このレトロなセンスは、その本気ぶりもさることながら、
ロックとしてのグルーブ感がしっかり曲を支えているのもなかなか素晴らしい。
これはもはやオルガンロックの傑作といってもよいほどだが、よくよく聴けば、
ちゃんと現代的な構築性を持っているので、決して古くさいだけではないのである。
最後には35分の大曲が待ち構えていて、本作が大変な力作であると知れる。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・10 オルガン度・・8 総合・・8
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BEARDFISH「Destined Solitaire」

スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュのアルバム。2009作
前作でやりすぎなまでの70年代懐古的なプログレサウンドを確立したこのバンド、
期待の新作はインパクトのある三面開きのジャケとともに内容もまた濃い濃い。
鳴り響くハモンドの音色に、70年代的なロックギターと唸るベース、
一聴して音の存在感と説得力が一回り増したことを感じさせる。
今作ではそのレトロなサウンドに、The Flower Kings的なシンフォニックの構築性を加えて
緩急とメリハリを付けながらじっくりと盛り上げてゆく手法がなんとも心憎い。
グルーブ感たっぷりのシンプルな躍動感と、変拍子やシンセなどプログレとしてのお約束も
しっかりと盛り込みつつ、ときにユーモアある軽い脱力感や映画的な効果音なども含めて、
過去と現在、未来をリンクさせるようなコンセプチュアルなビジョンもかいま見える。大変な力作。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・8 濃密度・・9 総合・・8.5
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BEARDFISHMammoth

スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの2011年作
70年代的なヴィンテージ感覚を有したサウンドで、密かに北欧プログレの筆頭格にまで
上がりつつあるこのバンド、本作は大傑作となった2009年作に続く6作め。
いかにも70年代英国調のアナログ感覚で鳴り響くギターで、よりロック色が強くなった。
もちろんバックではメロトロンが鳴る、北欧プログレの質感もちゃんとあるが、
より自然体の飾らなさがこのバンドの本質を浮き彫りにしているようだ。
一方では15分の大曲ではプログレファンにんまりの展開力を聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 ヴィンテージ度・・9 北欧度・・7 総合・・8
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BJORN JOHANSSON「DISCUS URSIS」

スウェーデンのマルチミュージシャン、ビヨルン・ヨハンソンのソロ作。1998作
自身でピアノ、キーボード、ギター、ベースを始め、マンドリンやリコーダー、フルートなどの
トラディショナルな古楽器まで演奏。音は北欧の寒々しい叙情性をもったシンフォニックロックで、
ギターとキーボードによるマイナーなメロディで曲を盛り上げる手法は、いかにも北欧らしい。
精神的には初期のMIKE OLDFIELDや、オーストリアのGANDALFに近いものを感じるが、
やはり地域的な違いか、より土着的で冬めいた北欧の自然を音を通して感じる。
メジャー思考とは無縁の作風だが、「北欧の空気」を肌で感じたい人にはうってつけのシンフォ作品。
個人的には傑作といいたい。ラスト曲はほとんど北欧版「オマドーン」。ゲストでパル・リンダーが参加。
シンフォニック度・・9 マイナー美旋律度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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BJORN J:SON LINDH「Svensk Rapsodi」

スウェーデンのミュージシャン、ビヨルン・J:SON・リンデの1989年作
Bo Hanssonと並ぶ、スウェーデンのジャズ/トラッド系ミュージシャンであり
フルート奏者でもある彼が、北欧シンフォニック的な叙情に接近した傑作。
繊細なピアノのつまびきも、どこか北欧の風を思わせるような涼しさがあり、
ジャケットのイメージ通りの世界観が広がる。メロディックなギターやシンセが加わると、
シンフォニックロック的な情感があふれる。美しすぎる北欧の感性の結集。うっとりです。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・9 北欧度・・10 総合・・9


BLACK BONZO

スウェーデンのプログレハードバンド、ブラック・ボンゾの1st。2005作
ユーライア・ヒープ、ディープ・パープルや、70年代のヴァーティゴ・レーベル系などを彷彿とさせる
レトロなプログレ・ハードロックサウンド。鳴り響くハモンドに、古き良き…というコーラスワーク。
URIAH HEEP的な英国然とした音と、北欧独特の時間の止まったような叙情性が合わさって
古くさいのだが間違いなく現在のサウンド…というなんとも不思議な雰囲気が楽しめる。
思い入れのあるヒープファンなどよりはむしろ、こだわりのない最近のリスナーに受けるかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 レトロ&懐古度・・9 総合・・8
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BLACK BONZO「Sound of the Apocalypse」

スウェーデンのレトロ・プログレバンド、ブラック・ボンゾの2nd。2007作
わあっ、のっけからムーグとハモンドの音色が襲ってくるぅっ!!
今作も70年代懐古主義をつらぬくレトロなサウンド炸裂している。
モロURIAH HEEP的な70'sブリティッシュサウンドを聴かせた1stから
基本的には同一路線ながら、今回はJETHRO TULLっぽい雰囲気も取り入れている。
やたらとキャッチーな歌メロに、わざわざ古くささをかもしだすかのようなギターフレーズ、
そして鳴り響くハモンドオルガンには、おじさんロッカーはたまらないものがあるだろう。
ここまでくると、いっそ紙ジャケで英ヴァーティゴレーベルから出してほしい気さえする(笑)
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 たまらなくレトロ度・・9 総合・・8
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BLACK BONZO「Operation Matnual The Guillotine model DRAMA」

スウェーデンのヴィンテージロックバンド、ブラック・ボンゾの3rd。2009作
メロトロンやハモンドオルガンを掻き鳴らし、かつてのDEEP PURPLEURIAH HEEPなど
70年代ブリティッシュロックを思わせるレトロなプログレハードサウンドで、マニアの心を掴んだ彼ら、
3作目となる本作はタイトル通り、ギロチン…つまり断頭台をテーマにしたアルバムであるらしい。
もちろんサウンドの方は、ヴィンテージなオルガンの音色に、古き良きギターリフで聴かせる
相変わらず70's懐古主義的な香りがぷんぷん。聴いていて思わずにんまりである。
今回はアコースティカルな要素も取り入れるなど、肩の力が抜けたより自然体の作風といえ、
前2作に比べるとややインパクトの点では薄いものの、よりやわらかみのあるレトロロックとなっている。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 レトロ&懐古度・・9 総合・・8
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BO HANSSON「MAGICIAN'S HAT」
スウェーデンのプログレミュージシャン、ボ・ハンソンの2nd。1972作
演奏陣にKEBNEKAISEのメンバーを加えて、土着的で素朴なサウンドを聴かせる。
サックスやフルート、パーカッション等が時にジャズ的な雰囲気をかもしだす中、
ボ・ハンソンのオルガン、シンセワークは決してうるさすぎず、むしろ他の楽器との調和を大切にしていて、
全体としてのんびりと聴ける北欧土着プログレ、といった雰囲気のアルバムである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧土着サウン度・・8 総合・・7

BO HANSSON「MUSIC INSPIRED BY WATERSHIP DOWN」
スウェーデンのプログレッシブ・ミュージシャン、ボ・ハンソンのアルバム。1977作
ソロ作としては4作目で、これまでに「指輪物語」を題材にした「THE LORD OF THE RINGS」や、
「ムーミン (楽しいムーミン一家)」を題材にした「MAGICIAN'S HAT」といった作品を発表している。
これは日本でもけっこう知られる「WATERSHIP DOWN (のうさぎたち)」をテーマにしたアルバムで、
同じく北欧のトラッド系プログレバンド、KEBNEKAISEのメンバーも参加している。
ボ・ハンソンのKeyを中心に、トラッドメロディを奏でるギターや、たおやかなフルートなど
ほのぼのとした幻想的なインストゥメンタル・サウンドでまどろみながら聴ける。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ふんわり幻想度・・8 総合・・7.5
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THE BOLLENBERG EXPERIENCE「If Only Stones Could Speak」
スウェーデンのアーティスト、John 'Bo Bo' BollenbergBJORN JOHANSSONを中心とした
プロジェクトバンド、ボーレンバーグ・エクスペリエンスのアルバム。
参加メンバーがものすごく、RICK WAKEMAN(YES)JORDAN RUDESS(DREAM THEATER)
ROINE STOLT(THE FLOWER KINGS)PAR LINDH、、HEATHER FINDLAY(MOSTLY AUTUMN)他、
という大変豪華なメンツ。サウンドはあまり大仰ではないゆったりとしたシンフォニック作で、
ベルギーの歴史的な都市、プルージュをテーマにしたコンセプト作らしい。
ウェイクマン、ルーデスによるシンセはさすがに華麗で、それがB.ヨハンソンの
北欧的な土着系のギターメロなどと合わさって、なかなか面白い味になっている。
ドラムを叩くのは意外にもパル・リンダーで、シンセで参加するはずが、
もしかしてメンバーが豪華すぎて押し出されたのか(笑)
ヘザー嬢が歌をとる曲は実に美しく、いっそ彼女に全曲歌って欲しいほどで、
全体的にあまり派手さはないが中世的な世界観でロマンティックに聴かせる作品だ。
シンフォニック度・・7 ゆったりロマン度・・9 しっとり叙情度・・8 総合・・7.5
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Brighteye Brison「Stories」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの2nd。2006作
やわらかみのある歌メロ、コーラスワークはQUEENあたりをも思わせ、
プログレというよりはしっとりとしたメロディアスロックとして鑑賞すると良いかもしれない。
FLAGSHIPにも参加しているKEYによるたおやかなピアノ、メロトロンに
メロウなギターのフレーズ、そしてマイルドなヴォーカルとどこにも押しつけがましいところはなく、
ゆるやかに、うっとりと楽しむことができる。もちろん楽曲アレンジのセンスも見事で、
ときおりACTあたりを思わせる、ちょっとしたアクセントや洒落た展開があるので飽きることもない。
とても優しいメロディアスシンフォ作。紅茶でも飲みながらいかが。マイスペで試聴可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 たおやか度・・9 総合・・8
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BRIGHTEYE BRISON「BELIEVERS & DECEIVERS」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの3rd。2008作
ツインキーボードを含む5人組で、キャッチーでやわらかなコーラスワークと、
ピアノとメロトロンが絡む、レトロめのプログレ感覚が組合わさったサウンドで、
前作同様にメロディアスなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
今回圧巻なのは20分、34分という大曲で、これが素晴らしい出来。
心地よいヴォーカルメロディと適度にテクニカルな展開力で、
あくまでキャッチーな叙情を大切に構築される楽曲は、かつてのGENESIS
THE FLOWER KINGSなどを思わせるものもありつつ、さらに明快で抜けがよい。
インスト部分の充実は前作以上で、力作というにふさわしいアルバムだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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BROTHER APE「On the other side」

スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプのアルバム。2005作
サウンドの方は北欧というよりはアメリカ寄りのキャッチーさと抜けのよさがある。
ほとんどが5分前後のコンパクト曲で、無用な大作志向に走っていないのも聴きやすい。
KANSASあたりのメロディアスさに、ACTなどのさりげないテクニカルさを盛り込んだ
センスのよい現代風のメロディックロックで、ヴォーカルの爽やかな歌唱もあいまって、
SAGAあたりにも通じるプログレハード的な聴き方も可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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BROTHER APE「SHANGRI-LA」

スウェーデンのメロディアス・シンフォニックロックバンド、ブラザー・エイプの2nd。2006作
前作を聴いて、その素晴らしいメロディとキャッチーで爽快なサウンドが素晴らしかったので、2ndも購入。
バンド名は“猿兄弟”と無骨なのだが、内容はKANSASあたりのプログレハード系の音に
北欧らしい繊細なシンフォ感覚を取り入れた、とてもクオリティが高いもの。
楽曲は5分前後の比較的コンパクトなものが多く、難解さはなく分かりやすいメロディにあふれている。
し最近の北欧シンフォ勢は、OVERHEAD、RETROHEADS、MAGIC PIE、FLAGSHIPなど、
素晴らしいメロディセンスを持ったバンドが多いですな。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽快&キャッチー度・・8 総合・・8
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Brother Ape「Turbulence」

スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2009年作
過去2作はKANSASなどを思わせるキャッチーなメロディのプログレハードという作風であったが
本作ではそこにエモ的なヴォーカルメロディが加わって、よりスタイリッシュなサウンドになった。
メロウなギターとシンセの絡みには、うっすらともの悲しい叙情も含み、
「Porcupine Tree以降」のモダンプログレの感触が強まってきている。
軽やかさの中にもシンフォニックな音像がしっかり残っているのも嬉しい。
これは新たな北欧プログレのひとつの形というべき、完成されたサウンドだ。
メロディアス度・・8 モダンプログレ度・・8 スタイリッシュ度・・9 総合・・8

BROTHER APE「A Rare Moment Of Insight」

スウェーデンのプログレバンド、ブラザー・エイプの2010年作
キャッチーなメロディをモダンなアプローチで聴かせた前作に続き、
本作もスタイリッシュなセンスを押し進めた作風となっている。キレのよいリズムに、
まるでUKロック的な感触のほの暗い叙情が、ぱっと聴きにはプログレ離れしているかに思える。
あるいは、オルタナ風のアレンジが、かすかに残っている北欧シンフォ風味と合わさったというべきか、
完全に脱プログレしているわけではない絶妙さに思わずほくそ笑む。お洒落ですらあるサウンドは、
これみよがしなシンフォ系が苦手なリスナーにも一聴の価値あり。ハイセンスなプログレロックの傑作!
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンセンス度・・9 総合・・8
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The Carpet KnightsLost & So Strange Is My Mind

スウェーデンのプログレバンド、カーペット・ナイツの2005年作
70年代風のヴィンテージロックながら、ハモンドやメロトロンは入らず、
ギターメインのサウンドながら、JETHRO TULLを思わせるフルートも美しく、
ゆるめのサイケロック的に楽しめるサウンドだ。ギターはときおりヘヴィになり、
URIAH HEEPなどにも通じるブリティッシュハードロックの質感もある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロ度・・9 総合・・8
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The Carpet Knights「According to Life」

スウェーデンのプログレバンド、カーペット・ナイツのアルバム。2009作
ヴィンデージロックの盛んなスウェーデンからまたしてもレトロなバンドが登場。
鳴り響くフルートに、70年代的なギターで聴かせる、サイケロック風味のサウンドは
JETHRO TULLを思わせるブルージーな味わいもあり、シンセがない分だけ生々しさがある。
曲によってはメロトロン抜きのANEKDOTENという雰囲気もあり、レトロロック好きはもちろん、
サイケやストーナー好きの方にも楽しめるだろう。じつは結成は1998年で本作はもう6作目らしい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロ度・・9 総合・・8
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CARPTREE
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの1st。2001作
中期以降のMARILLIONのうす暗い叙情性をシンフォ化したようなサウンドで
密かに人気の高いこのバンド。この1stの時点では、後の作品ほどの音の厚みはなく、
どちらかというと牧歌的でおおらかな雰囲気の音作りとなっている。
メロトロンやピアノなどの美しさと、キャッチーなヴォーカルメロディで、
比較的シンプルに聴かせるスタイルで、まだ北欧シンフォ的な味わいは薄い。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 素朴度・・8 総合・・7
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CARPTREESuperhero
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの2nd。2003作
先に3rdを聴いていたが、この2ndは自主制作ということもあってか、
GENESISMARILLIONからの影響をもろに感じさせるサウンドと
そのくぐもったような薄暗さが、よりディープに発揮されている。
ガブリエルかフィッシュかという、やや情感過多のヴォーカルときおりがうざったいものの、
この手の湿りけのあるほの暗いシンフォサウンドが好きなら浸れるだろう。
全体的にはやはり北欧というよりは、ブリティッシュの音に近いか。
シンフォニック度・・7 マリリオン度・・8 ほの暗度・・8 総合・・7.5
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CARPTREEMan Made Machine

スウェーデンの二人組シンフォニックロックユニット、カープトゥリーの3rd
MARILLION+PORCUPINE TREEという雰囲気のダークめのサウンドは、
ほのかにゴシック調の耽美さも有していて、とくに美しいキーボードワークと空間的な美意識に
センスが感じられる。ヴォーカルの歌い方には、GENESISや初期MARILLION系の面影もあり、
北欧というよりは、むしろかつてのブリティッシュロックにおける湿りけと翳りを感じることができる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 うす暗度・・8 総合・・7.5
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CARPTREEInsekt

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カープトゥリーの4th。2007作
薄暗系シンフォとしてマニアにはすでに人気の高いこのバンドだが、
これまでのアルバムは完成度としてはそこそこという程度だった。
今作では純粋にメロディと雰囲気に磨きがかかり、音の説得力がぐっと増している。
ゆるやかなシンセを中心にゆったりと聴かせる楽曲は、決して派手に盛り上がるわけではなく、
薄暗い叙情美をともなって、じわじわと耳に優しくしみこんでくるという印象だ。
いわゆるポーキュパイン系の北欧版というイメージだが、
もっとやわらかな幻想の空気に包まれているのが良い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったり薄暗度・・9 総合・・8
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CATWEAZLEArs Moriendi」
スウェーデンのプログレバンド、キャットウィーズルのアルバム。1996作
邦題は「死の芸術」。アヴァンギャルドなジャケのせいでスルーしていたが、
聴いてみたらしごくまっとうなシンフォニックロックでした。
レトロなシンセワークと、北欧らしい叙情を感じさせつつ
SEや語りなどを挿入してシアトリカルに盛り上げようとしているが、
いかにも自主制作然としたローカルな雰囲気が微笑ましい。
シンフォニック度・・7 北欧度・・8 ローカル度・・8 総合・・7
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circles end「Hang on to That Kite」
ノルウェーのプログレ系ロックバンド、サークルズ・エンドの2nd。2004作
北欧のプログレシーンで期待の若手とされる7人組。オフィシャルサイトで試聴可能
プログレといってもコテコテのタイプではなく、今で言うPT系のオルタナシンフォの質感で
北欧らしいメロトロンなどによる味付けと、比較的軽快でキャッチーなメロディが同居している。
曲は3〜5分台でどれもコンパクトで、難解さや鬱な部分はなく、モダンで洒落たセンスがあり、
プログレ/シンフォうんぬんというよりも、むしろただのロックとして聴けば、より味わい楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 北欧度・・7 総合・・7.5
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CROSPlaygrounds
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、クロスのアルバム。2004作
ドラム以外は全てこなすクロス氏の個人プロジェクト的なバンドらしい。
サウンドは北欧というよりは英国ポンプからの影響が強いもので、
ゆったりとしたシンセの上をメロウなギターと優しげなヴォーカルが乗るスタイル。
耳触りの良さは、PENDRAGONPALLASあたりにも通じる雰囲気があり、
楽曲のメリハリの少なさがやや退屈だが、この手が好きな向きには受け入れられる音だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7




DEATHORGAN「9 to 5」

スウェーデンのオルガンロックバンド、デスオルガンの1st。1995作
ギターレスのオルガントリオ+2人のVoという特異な編成が物語る通り、
レトロなハモンドオルガンの上にアグレッシブなVoが乗るという個性的なサウンド。
ヴォーカルは比較的ノーマル声と、低音デス声という割り振りで、
暴虐さをかもし出しつつも、やはりバックがオルガンなので音に硬質感はなく
愉快な雰囲気とともに、70'sブリティッシュ風のレトロな質感をかもし出している。
まるで1発ギャグ的なインパクトであるが、バンドはこの後2ndを出している。
メロディアス度・・7 ハモン度・・8 インパクト・・9 総合・・7.5
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Den FuleLugumleik

スウェーデンのトラッドロックバンド、1993年作
フィドルにサックス奏者を含む6人編成で、土着的な北欧メロディを
ロック的な躍動感と融合して聴かせるスタイル。 とくに叙情的なフィドルの音色は
KEBNEKAJSEにも近い雰囲気で、北欧的な音が好きな方ならにんまりだろう。
一方では、エレキギターを含んだ軽妙なジャズロック/フュージョン的感触もある。
メロディアス度・・8 トラッ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「The Butcher's Ballroom」

スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの1st。2006作
女性Voにチェロ奏者を含む6人組で、バンド名のようにスイングジャズを取り入れつつ、
オペラティックな女性ヴォーカルの歌声とともに、ゴシックメタル的な雰囲気を融合させた
とてもユニークな音楽性。一聴して思い出すのはフィンランドのALAMAAILMAN VASARAT
彼らのような「ユーモア溢れる本気」というような、大人の遊び的な強固な姿勢を感じさせる。
さらにこのバンドの場合、ジャズの素養がしっかりとしていることで、楽曲が嘘くさくなく
そこにメタリックなギターやチェロなどが割と自然に融合しているのがまた凄いところである。
ジャズメタル度・・8オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs for the Damned & Delirious」

スウェーデンのプログレ・ジャズメタルバンド、ディアブロ・スウィング・オーケストラの2nd。2009作
今作はジャケからしてユーモアたっぷりだが、サウンドの方もさらなるジャズとメタルの自然の融合がなされている。
ハネるリズムの上にザクザクとしたギターとサックスが絡み、そこに男女ヴォーカルが絡む濃密な作風で、
演奏自体のレベルも上がってきており、メタリックなスウィングジャズとしての完成度が無駄に高まっている。
軽やかなピアノの音色やら、ヴイヴイいわせるベースの巧みさやら、部分ごとの説得力が大変素晴らしく、
本気ジャズ的メタル遊び…ともいうべき強固な世界観に磨きがかかっているばかりか、
低音の男声とオペラティックな女性声という対比がコントラストとなって、作品としてのテンションも増している。
変態…というにもあまりに高い完成度と天晴れなまでの真摯な遊び心。敬服するしかない強力作である。
ジャズメタル度・・9スウィング度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8.5
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Diagonal

スウェーデンのレトロ系ロックバンド、ディアゴナルのアルバム。2008作
BLACK BONZOBEARDFISHをはじめ、レトロロックの復興が盛んなスウェーデンから、
またしてもものすごいバンドが登場。メンバー7人中、3人がギターを弾き、
6人がシンセをこなすというから、懐古主義的サウンドでありながら音の厚さがすごい。
70'sブリテイッシュハードロック風のギターにメロトロン、オルガンが重なり
Atomic Roosterもかくやというアンサンブルでたたみかけつつ、ときに美しいピアノや
サックス、クラリネットなども入ったりして、節々にはどこかポストロック的な壮大さもある。
抜けきらない音質もひどくアナログ的で、生々しいドラムの音などはある意味たまらない。
全5曲が10分前後の大曲というレトロプログレの力作。マイスペはこちら
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
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DICE「The Four Riders of the Apocalypse」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ダイスのアルバム。1978作
「北欧の夢」と題された1st以前に録音されたマテリアルで、 「黙示録の四人の御使い達」というタイトル通り
“戦い”、“疾患”、“貪欲”、“死”というテーマにそった、オールインストの組曲を作り上げている。
北欧らしい叙情を聴かせるギターフレーズと、オルガンやメロトロンなどのシンセワーク
そして軽やかに展開する楽曲構成は、土着的なKAIPAに比べて、YESやELPに近い感触だろうか。
緩急を織りまぜた演奏の中に、涼やかメロディとファンタジックな雰囲気が楽しめる好作だ。
ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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DIVINE BAZE ORCHESTRA「Dead But Dreaming」


スウェーデンのプログレバンド、ディヴァイン・ベイズ・オーケストラの2010年作
KING CRIMSON風味の薄暗い叙情に、チェンバーロック的なミニマム感覚を合わせた
個性的なシンフォニックプログレ。オルガン、メロトロンが鳴り、レトロめのギタートーンに
どこかとぼけた味わいのヴォーカルで、適度に力の抜けたシリアスとユーモアの境をゆく。
うっすらとした寂寥感は、クリムゾンの“Epitaph”的な世界観で、ANEKDOTENなどとはまた
異なるアプローチでそれをやっているのが面白い。ダークなシンフォニックが好きならチェック。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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ETCETERA「FIN DE SIECLE」
デンマークのシンフォニックロックバンド、エトセテラのアルバム。1999作
おそらく1stだと思われるが詳細は不明。サウンドの方はゆったりとしたメロディを聴かせる
叙情タイプのシンフォニックロックで、雰囲気的にはTHE FLOWER KINGSを思わせる。
技巧的な部分は少ないが、たおやかなサウンドの中にもキーボードやギターには
なかなかのセンスの良さを感じる。しっとり、じっくりと聴ける北欧シンフォニックの好作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ゆったりたおやか度・・9 総合・・7.5

ETCETERA「Tales of Ardour and Deceit」

デンマークのシンフォニックロックバンド、エトセテラのアルバム。2003作
バンドの詳細は不明だが、G&B&KeyとDrの二人組らしい。
メロトロンをはじめ、広がりのある北欧らしいキーボードワークでメロディアスに聴かせつつ、
どこかヒネた演奏と、先の読めない曲展開がなかなか個性的でもある。
10分以上の大曲を中心にじっくり聴かせるタイプの曲が多く、
きれいなだけの北欧シンフォバンドとは一線を画す、不思議なスケール感がある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・8
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FARMERS MARKET「MUSIKK FRA HYBRIDENE」

ノルウェーの変態民族ロックバンド、ファーマーズ・マーケットの2nd。1997作
世界最強の馬鹿(笑)・・・もとい、馬鹿テク・民族ロック炸裂のバンド。
本作は、007やインディージョンズなどの映画音楽や、ポップソング、ロックの名曲、
あげくの果てにはルパン三世あたりまでを取り込んだ、抱腹絶倒メドレー!!
それも打ち込みなどは使わずすべて人力の生楽器でやっているのが凄い。
素晴らしい演奏力をこんなことに使ってしまっていいのか(笑)。
他の曲も変拍子と馬鹿テク炸裂で、ある意味MATS/MORGANにも通じる、どこかおちゃらけた
ユーモアとともに、ジャンル分け不能の曲が並ぶが、それでも何曲かはバルカン音楽を基本とした
比較的まともなトラッドロックをやっていて、こちらも一線級の出来なのでよけいギャップがおかしい。
ジャケに書かれているのはヨーロッパの地図だが、よく見ると国や都市の場所が変。
タイトルにもあるが、「ハイブリッド諸島」という架空の地域の音楽という設定らしく、
ジャケの地図にもその諸島がちゃんと記されている。これもセンスのあるギャグ。
テクニカル度・・10 すっとぼけ度・・10 トラッ度・・7 総合・・8
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Stian Carstensen Farmers Market

ノルウェーのアヴァン・トラッド/ジャズロックバンド、ファーマーズ・マーケットの3rd。2000作
アコーディオン奏者、スティアン・カシュテンセンを中心に、国籍にとらわれないフリーキーな
トラッドロックを追求するこのバンド。ブルガリアの音楽からの影響を覗かせつつ、
本作ではよりシリアスなバルカントラッドに接近した作風となっている。土着的な女性コーラスに
ガドゥルカ(弦楽器)、タパン、カヴァル(笛)、ガイダ(パイプ)といったブルガリアの民族楽器、
サックス、クラリネット、トランペットなども取り入れながら、牧歌的なバンジョーの音色や、
異国的なタブラやタンブーラの響きなども面白い。もちろん曲によってはこのバンドらしい
テクニカルなアンサンブルが聴け、その軽妙さとトラッドの融合具合が絶妙という。
プログレ度・・7 トラッ度・・8 変態度・・7 総合・・8
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Farmers MarketSurfin' USSR

ノルウェーのアヴァン・トラッド/ジャズロックバンド、ファーマーズ・マーケットの4th。2008作
Stian Carstensenのソロ的な色合いが強かった前作から8年ぶりとなる本作は、
タイトルからして“サーフィンUSA”をもじった強烈なブラックジョークなのだが、サウンドの方は
ハネるリズムの上に、アコーディオンとサックスが鳴り響き、そこに異国的なタブラなども加わって、
相変わらず一種奇妙なアヴァン・ジャズロックを展開。おちゃらけたギャグに本気で取り組む姿勢は
ALAMAAILMAN VASARATなどに通じるものがあり、どことなく哀愁があるのもまた同様。
プログレ度・・8 軽妙度・・9 変態度・・8 総合・・8
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FLAGSHIP「maiden voyage」

スウェーデンのメロディアスプログレバンド、フラッグシップのアルバム。2005作
一聴してKANSASからの影響を感じさせるプログレハード作。
難解な部分は微塵もなく、メロディには分かりやすさと哀愁があり、
美しいピアノの音色やヴォーカルの歌いかたもどこか古き良きロマンを感じさせる。
ヴァイオリン的なシンセの音色とギターの絡みもなかなか確信犯的で、
KANSASをはじめ70年代のアメリカ系プログレハードを現代に甦らせたかのようなサウンド。
クオリティも高いです。そして当のKANSASのケリー・リヴグレンもゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 KANSAS度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Back in the World of Adventures」

Roine Stoltのソロ名義の作品「The Flower King」からバンド名をとり、
新たにザ・フラワー・キングスとしてのバンド体勢となっての1作目。1995年作
1曲目の13分のタイトル曲がまず素晴らしい。希望に満ちたキャッチーなメロディと
ロイネ・ストルトの泣きの叙情ギターが合わさった、まさにユートピア的なシンフォニックロック。
トマス・ボーディンによる温かみのあるシンセワークも素晴らしく、
新たなバンドのスタートを感じさせる爽快な傑作に仕上がっている。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「Retropolis」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの2nd。1996作
「Back in the World of Adventures」とともに初期のフラキンを代表する傑作。
ロイネ・ストルトのメロウなギターワークと、トマス・ボディーンのシンセを中心に、
ファンタジックな香りとともにゆるやかに構築されるサウンドで、北欧的な素朴さと
シンフォニックな質感が合わさった楽曲は、ゆったりと楽しめる聴き心地。
とくにタイトル曲を含め10分を超す大曲が素晴らしく、全体的には地味に思えるものの、
やわらかな叙情という点においては、フラキンの作品中でも屈指の出来だと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「STARDUST WE ARE」

北欧を代表するシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの3rd。1997年作
本作ではCD2枚組の大作となって、そのサウンドにはさらに雄大さが増している。
トマス・ボーディンの華麗なシンセワークにロイネ・ストルトのメロディアスなギターも全開。
とくにDisc2の楽曲がいい感じで、キャッチーなメロディとじわじわくる盛り上げ方が心憎い。
ラストを飾る25分のタイトル曲まで、トータルな流れで楽しめる見事なシンフォニック作品である。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「Flower Power」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの4th。1998年作
のっけからなんと59分の組曲“Garden of Dreams”で幕を開けるCD2枚組の大作。
1995年の1作目から毎年のように作品を作り続けるのも凄いが、それも内容の質あってのこと。
18パートに分かれた長大な組曲は、流れるような展開の中で、シンフォニックな美しさと
クラシカルな華麗さ、ときにジャズ的な軽やかさも含みながら、じわじわと盛り上がってゆく。
ロイネ・ストルトの絶品のギタートーンはもちろん、トマス・ボーディンの繊細なシンセワークも素晴らしく、
メンバーたちの伸びやかなアンサンブルは、確かな音の説得力と適度な緊張感を生み出している。
Disc1が68分、Disc2が73分という、相当な大作だが、心地よいサウンドに浸って聴き通せてしまう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大作度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGS「SPACE REVOLVER」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの5th。2000年作
この頃のTFKは毎年のようにアルバムを出していた。前作「Flower Power」が
濃密なる大作だったのに対し、本作はゆったりとしたメロディアスなシンフォ作。
当時聴いたときは地味な印象しかなかったのだが、それはロイネのギターが控えめで
むしろトマス・ボーディンのシンセワークが楽曲のメインに思えたからだろう。
アルバムの冒頭と最後に分けられた“I'am The Sun”をはじめ、
ゆったりとした歌もの系のシンフォニックナンバーも、今ならそれなりに楽しめるし、
本作から加入のヨナス・レインゴールドのベースも上手く溶け込んでいる。
これが次作「Rainmaker」のトータルな完成度の高さにつながってゆくと思えば、
なかなか悪くない作品だ。美しいシンセワークでゆるやかに聴ける好作だといえる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 トマス・ボーディン度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「THE RAIN MAKER」

スウェーデンのシンフォニックバンド、フラワー・キングスの6th。2001年作
ほとんど毎年のように新作を発表し続けるロイネ・ストルトの音楽への情熱は本当に凄い。
しかも、そのクオリティはどの作品もこの手のシンフォニックロックアルバムの中でも相当に高いのだから。
そして今作であるが、一言で言うと自然体なアルバムで、そのサウンドにはなんの気負いも感じられない。
1曲目冒頭のダークなメタリックなリフに驚くが、その後は適度に余裕のある楽曲がバンドの年季を感じさせる。
メロディの流れ、流麗な楽曲アレンジには無理や誇張がなく、演奏者の楽しさが伝わってくるようだ。
アルバムを重ねるごとに、アレンジとメロディの洗練度を上げて、ついにここまでの質に到達した。
現在シンフォニックの大作をここまでさらりと作ってしまえるバンドは、この「花王」をおいていまい。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲アレンジ・・9 総合・・9
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THE FLOWER KINGS「UNFOLD THE FUTURE」

北欧シンフォニックの代表、ザ・フラワー・キングスの7th。2002年作
フラキンとしてのデビューから8年でほぼ毎年のようにアルバムを発表する勤勉バンド。
今作もCD2枚組の大作。音としては前作「THE RAINMAKER」にあった「分かりやすさ」から一転、
いかにもプログレなある意味「ヒネた」サウンドで、そういう点では「FLOWER POWER」に少し近いか。
CD1枚目の冒頭から堂々と30分の大曲をもってくるあたり、円熟の極みにあるこのバンドらしい。
曲の方は自然体の弾きまくりアンサンブルと構築性とが融合したいつものフラキン節だが、
2枚目の方はよりジャズ風味の演奏で(今回ベースがとても効いている)、やや難解な曲調が
見方によっては評価を分けるだろう。(新加入のゾルタン・チョースのドラムは素晴らしい)
とにかくもシンフォニックプログレの中で、やりたいことをやっているという
ロイネ・ストルトの奔放な音楽創造の楽しさが伝わってくる作品だ。
シンフォニック度・・7 大作度・・9 CD2はジャズロック的度・・9 総合・・8
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THE FLOWER KINGS「ADAM & EVE」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの8th。2004年作
今や北欧シンフォニックというよりも、全世界のシンフォニックロック代表といってもよいTFKの新作。
毎回アルバムにおいて、自身の音楽の全てを費やしたような作品を作りつづけるロイネだが、
今回も「世界の始まり、ときの流れ」といった壮大なテーマを組み入れた80分近い大作。
前回から加わったドラマーのゾルタン・チョースの支えるリズムはしっかりとサウンドの重心を支え
ロイネのメロウなギターフレーズと、トマス・ボーディンの多彩なKEYワークがいつも以上にしっとりと心地よい。
ライブのツアーメンバーであったPAIN OF SALVATIONのダニエル・ギルデンロウも引き続き参加。
また、DVDでも感じたがハッセ・フロバーグのVoの表現力も格段に増していて、楽曲のドラマ性を高めている。
全体的に力の抜け具合が落ち着いた印象のアルバムで、スリリングな要素は希薄ながらじっくりと聴ける。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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CIRCUS BRIMSTONE LIVE「BRIMSTONE IN EUROPE」

バンド名は違うが内容はれっきとしたTHE FLOWER KINGSのライブ作。2005作
Voなしのインスト曲のみということで、あえてTFKの名前を使わずに
わざわざ別バンドのようにしているのがなんとも彼ららしいシャレだが、
音の方はかつてのフラキンの楽曲が楽しめる美味しい内容。
ここでは新ドラマーのMARCUS LILIEQUISTのプレイも聴け、
前任者に比べれば取り立てて凄くはないが、無難にバンドに溶け込んでいるのが分かる。
過去曲でのロイネのメロディアスなギタープレイはファンには嬉しいかぎり。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8

THE FLOWER KINGS「PARADOX HOTEL」

北欧シンフォニックロックの代表、フラワー・キングスの2006年作
今回はジャケからしてコミック調で、架空のホテルを舞台にしたファンタジックなコンセプト作品。
全体的にゆったりとした優雅なサウンドで、ロイネ・ストルトのメロウなギターフレーズに
トマス・ボーディンの包み込むような優しいキーボードワークが美しい。
CD2枚組みの大作ながら、かつての「RETROPOLIS」のような、自然体で聴かせる好作品だ。
たたみかけるような演奏ではないし、disc2ではややブルーズ色が入っているが
メロディアスな質感とシンフォニックさの点では近年一番のアルバムといってよいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・9 総合・・8.5
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THE FLOWER KINGSThe Sum of No Evil

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、フラワー・キングスの10th。2007年作
前作「Paladox Hotel」もかなりの力作だったが、今回はやや原点回帰したような
シンフォニックロックサウンドが復活している。トマス・ボーディンの絶品のシンセアレンジに
枯れた味わいも加わったロイネ・ストルトのギターワーク、そしてマイルドなハッセの歌声は、
バンドとしての一体感と、ゆるやかな希望的メロディを、陽光のように楽曲にもたらしている。
また、前ドラマーであったゾルタンの復帰も個人的には嬉しく、リズム面でのタイトさも素晴らしい。
13分の大曲から始まり、24分、13分、12分と、どれもシンフォニックロックとしての魅力を
詰め込んだ長曲を連ねた、まさにベテランバンドとしての充実ぶりを感じさせる力作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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THE FOUNDATION「DEPARTURE」

スウェーデンのメロディックプログレバンド、ザ・フォウンデーションのアルバム。1984作
詳細は知らないが、メンバーが同郷のTRIBUTEとも関連があったらしい。
音の方は北欧らしい透明感のあるシンフォニックロックで、
キーボード、ギターによるゆったりとしたメロディが心地よい。
CAMELGENESISあたりのマイルドな部分を北欧風にしましたというサウンドで
ここぞという盛り上がりやインパクトには欠けるが、なかなかの好作。
年代にしては機材も良く音質も上々。産業ロック風のきらびやかなキャッチーさも魅力だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 たおやか度・・8 総合・・7.5
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FreddeGredde 「Thirteen Eight」

スウェーデンのマルチプレイヤー、フレドリック・ラーソンによる個人プロジェクト作。2011年作
ギター、ベース、シンセにヴォーカルをすべて一人でこなす、期待の若手ミュージシャン、
美麗なシンフォニック性とキャッチーなメロディアスさで構築されるサウンドは、
聴き心地の良さと軽快な展開力を両立させていて、デビュー作にしては相当質が高い。
甘い歌メロとコーラスはMOON SAFARIあたりにも通じるような人懐こさがあり、アコーディオンなど
アコースティック要素も含め、北欧らしい叙情も素晴らしい。アレンジは凝っているのだが難解さは皆無。
精細さとダイナミック、性と動のメリハリという点では、プログレ化したQUEENともいうべきか。
あるいはACTなどのプログレハード好きにも楽しめるかと。今後に大期待のアーティストです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 プログレ度・・8 総合・・8
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GALLEON「FROM LAND TO OCEAN」
スウェーデンのメロディック・シンフォニックロックバンド、ギャレオンのアルバム。2003作
かつてはZEROレーベルから日本盤も出ており、名前だけは知っている方も多いと思う。
初期のころは北欧的土着メロディがなかなか田舎くさくて良いメロディックロックだった記憶がある。
現在まで地道に活動をしていたとは驚きだが、今回はなんと2枚組の大作となっている。
緊張感の薄いゆったりとした曲調とメロディアスな部分はかつてのまま、歌メロのキャッチーさや、
キーボード、ギターのアレンジなどには初期のフラキンなどを思わせる部分もあり、
全体としてはなかなか心地よいサウンドになっている。ゆったり系シンフォが好きなら楽しめる。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7


Gargamel 「Watch for the Umbles」
ノルウェーのプログレバンド、ガルガメルのアルバム。2006作
チェロ奏者を含む6人組で、ハモンドやメロトロンなどが鳴り響くレトロなヘヴィプログレ。
ダークな部分はやはり初期のANEKDOTENからの影響が強いと思われるが、
こちらはギターの質感などに70's英国ロック的なものが感じられる。
全5曲のうち10分以上の大曲が3曲あり、多少歌も入るがインストパートが多いので
この手が好きでないと長尺感に聴き疲れするだろう。逆にいうと新人にしてはかなりの力作。
音にはサイケロック的な浮遊感もあり、チェロとフルートが絡むとチェンバーロック風味も顔を出す。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 レトロ度・・8 総合・・7.5
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Gargamel「Descending」

ノルウェーのプログレバンド、ガルガメルの2008年作
前作もANEKDOTENタイプのなかなかの力作であったが、本作もメロトロンや
ハモンド、ムーグなど、ヴィンテージな音色を響かせる70年代風の音作り。
ダークな緊張感をただよわせた作風はむしろMORTE MACABREにも近いか。
12分、18分という大曲を含む全4曲という構成で、さすがにやや長尺感があるが、
どこかサイケロック気味の浮遊感と、楽曲の盛り上げ方にメリハリがついたことで、
壮大な雰囲気に耳惹かれる。フルートやチェロ、トロンボーンなどの楽器も、
効果的に使われている。北欧ヴィンテージ系としてもなかなかの力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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GATE「Jygri」

ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの1st。2003作
2nd「ISELILYA」は日本盤も出て話題になったバンドの1stの再発盤。
土着的なメロディを大胆に取り入れたサウンドは、モダンなトラッドロックという趣で、
いくぶんメタリックなギターとシンセが合わさり、そこに艶めいた女性ヴォーカルの歌声が乗る。
母国語の歌声がいかにも北欧の空気を感じさせるが、土臭さをヘヴィなアレンジで包み込んでいて
ラジカルトラッドのリスナーはもとより、メタル、ハードロックのリスナーにも違和感なく聴けるだろう。
より北欧トラッドに接近した2ndよりも、むしろこちらの方がフォークメタルに近いかもしれない。
ボーナスディスクにはデモやライブ音源など4曲を収録。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GATE「ISELILYA」

ノルウェーのラジカルトラッド・ロックバンド、ゴーテの2nd。2004作
メタルコーナーなどに置いてあるので、てっきりゴシックメタルかと思いきや
メタル色はあまりなく、正統的な北欧トラッドを今風に構築し直したというサウンド。
艶のある女性Voをフロントに、いかにも北欧らしいトラッドメロディをバンドサウンドで解釈している。
いうなればGARMARNAあたりにも似た質感でそこにキーボードによるシンフォニック性や、
ときにゴシックメタル的な部分を加味したような雰囲気もある。
寒々しい静寂感と同時に、ロック的なノリの良さ(ときにサイケ調)も併せ持っていて
単なる自己満足ではない聴きやすさがあるのがよい。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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GAZPACHOMissa Atropos」

ノルウェーのプログレ・ロックバンド、ガスパッチョのアルバム。2010年作
ヴァイオリンにシンセ奏者を含む6人編成で、2002年にデビューし本作ですでに6作目となる。
サウンドは、薄暗い叙情でゆるやかに聴かせるアンビエントなシンフォニックプログレで、
Porcupine Tree+ANEKDOTENというような、しっとりとした聴き心地と、ポストロック、エモ的でもある
マイルドなヴォーカルが耳に優しい。泣きのギターとうっすらとした美しいシンセが合わさると、
まるでポーランドのバンドのような翳りあるシンフォニックロックとしても楽しめる。
レトロなバンドが目立つ北欧であるが、モダン派の叙情系バンドとして今後も期待の存在である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Gosta Berlings Saga「Glue Works」

スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2011年作
これが3作目ということだが、聴くのは初めて。ANGLAGARDのマティアス・オルソンがプロデュース、
サウンドは、ムーグやメロトロンなどレトロなシンセが鳴る、ANEKDOTENなどを思わせる
いかにも北欧らしいシンフォニックロックにシリアスなチェンバーロック色が加わったもの。
そう派手さはないものの、じわじわと感じられる静かなダイナミズムと知的なアレンジ、
涼やかな叙情に含まれた硬質な意思のようなものが感じられる、これは通好みの作品だ。
アナログ的なギターサウンドとそのメロウなフレーズにもにんまり。オールインストです。
シンフォニック度・・7 ミステリアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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groovector「ultramarine」

フィンランドのプログレバンド、グルーヴェクターの1st。2000作
キーボードにフルートを含む5人組で、曲はオールインスト。
先に聴いた2ndの方は、軽やかなジャズロック風味もあったが、
本作はハモンドオルガンが鳴り響くレトロな質感と、
リリカルなフルートの音色で聴かせるゆったりとしたシンフォ作だ。
涼やかな北欧の静寂感とともに、ハモンドとフルートが合わさって
10分以上の大曲であっても軽やかに聴かせる。しっとりとしたピアノも美しい。
シンフォニック度・・8 フルート&ハモン度・・9 北欧度・・8 総合・・8

GROOVECTOR「ENIGMATIC ELEMENTS」

フィンランドのプログレバンド、グルーヴェクターの2nd。2003作
涼やかなシンセを中心に、ジャズロック的な軽やかさを持ったアンサンブルは、
一聴して派手さはないものの、クールな質感で非常にセンスの良さを感じさせる。
インストがメインであるが、ヴォーカルパートも効果的に入れられていて、
技巧的であっても決して押しつけがましくならない叙情がある。
ときおり聴かせるギターの北欧らしいメロウなフレーズもとても魅力的だ。
モダンさと涼しげな叙情が一体となった、新世代のシンフォニックサウンドといえるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 さらりと涼やか度・・9 総合・・8




HAIKARA「GEAFAR」
フィンランドのプログレバンド、ハイカラの2nd。1974作。
北欧プログレの傑作といわれるこのアルバムをようやく入手。
そのサウンドは、ジャズ、シンフォニック、ブルース、アヴァンギャルド、と色々な要素をもった
一筋縄では行かないもので、この年代の北欧プログレとしてはとても個性的な音といえる。
ただ、構築と統合の好きな正統派シンフォニックファンの耳からすると、
アルバム全体としてはやや散漫な印象を受けるかもしれない。
出色の出来の大曲を含むが、それ以外の楽曲にはとぼけた要素が多い。
メロディアス度・・7 ジャジーでブルージー度・・7 とぼけたセンス度・・8 総合・・7
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Hasse Frberg & Musical Compation「Future Past」

The Flower Kingsハッセ・フレベリのプロジェクト作。20011年作
TFKにおいても、ロイネ・ストルトと並んでフロントマンであるから、
本作のサウンドも当然、随所にフラキン風味を感じさせるもので、
メロディックなギタープレイとキャッチーな歌メロを中心にしつつ、
そこに古き良きハードポップ/ロック要素も付加したという作風になっている。
シンフォニックなシンセアレンジやしっとりと叙情的なパートも含み、
10分台の大曲も4曲と、普通にフラキンクラスの力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン風味度・・8 総合・・8
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HOYRY-KONE「HUONO PARTURI」

フィンランドの変態系チェンバーロックバンド、ホイリーコーンの2nd。1997年作
のっけからいきなりグレゴリアンチャントみたく始まったかと思えば、続いてへヴィでノイジーな変拍子曲。
どの曲も途中から奇妙な展開をみせ、全体の音像としては非常にシリアスなのだが、
ねじくれた楽曲がこれがギャグであることを物語る。つまり大マジに変態をやったらこうなる、と。
しかし、ただの変なひと、ではなく「スーツを着た論理口調のインテリがキレたとき」、のような(笑)
抜群のテクニックと異常なセンスで聴かせる傑作!ちなみに日本盤のタイトルは「偽理髪師」(なんなのコレ?)
ちなみに後のALAMAAILMAN VASARATの前身バンドでもある。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・10 総合・・8
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I

In The Labyrinth「THE GARDEN OF MYSTERIES」

スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの1st。1996作
フルートに絡むアコースティックギター、マンドリンの音色が牧歌的な味わいをかもしだし、
異国的なパーカッションの響きとともに、不思議な静謐感を生み出している。
美しいピアノ、メロトロンなどがシンフォニックな質感も加えており、
連なるような22曲の小曲がミスティックでファンタジックな世界観をなしている。
「カナーンからの逃亡」、「ミノタウロスの瞑想」といった曲タイトルも想像力をそそる。
中近東的な要素を北欧の冷気と薄暗い叙情で包み込んだ作品だ。
意外とシンフォ度・・8 中近東度・・7 静寂サイケ度・・8 総合・・8
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In The Labyrinth「Walking on Clouds」

スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの2nd。1999作
うっすらとしたシンセをバックに、異国的なシタールの音色が鳴り響き、
タブラのリズムにアコースティックギター、マンドリン、フルートなどが乗る。
中近東的雰囲気をかもしだすサイケロックでありつつ、どこか北欧的な叙情も垣間見える。
やはりメロトロンを含めシンセの使用が空間的なスケール感を生み出していて、
ヴァイオリンやギターフレーズとの絡みでシンフォニックに聴ける部分もしばしば。
これならサイケが苦手な人にも中近東シンフォニックサイケ北欧風という感じで楽しめるだろう。
意外とシンフォ度・・8 中近東度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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In The Labyrinth 「Dryad」

スウェーデンの民族サイケロックバンド、イン・ザ・ラビリンスの3rd。2002作
今作は舞台を中近東から深い森の中に移し、このジャケのようにミスティックな雰囲気になっている。
夜を思わせるシタール、マンドリン、アコギの繊細な響きと、フルート、ヴァイオリンの音色、
そこにかぶさるゆるやかなメロトロンがどこか魔術的な妖しさをかもしだしている。
ヴォーカルの歌メロもぐっと素朴になって、普通に牧歌系のプログレとして聴ける。
雰囲気ものとしては前作以上に気に入った。オフィシャルサイトで試聴可
シンフォニック度・・8 薄暗度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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ISILDURS BANE「Sagan Om Den Irlandska Algen/Sagan Om Ringen

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの1st/4th。
1984年の1stと1988年の4thのカップリング盤。今でこそ北欧随一の知性派バンドとして
知られる彼らだが、初期の作品においては、よりファンタジックで繊細なサウンドを描いていた。
北欧神話をテーマにした1stは、美麗なピアノから、CAMELばりのメロディックなギター、
フルートの音色で聴かせる、じつに美しいインスト作品。素朴な暖かみと北欧的な爽やかさにうっとり。
4thは「指輪物語」をテーマに、シンフォニックな構築性を増した傑作。涼やかな叙情メロディがたまらない。
一方では、テクニカルなリズムを取り入れるなど後の作風の萌芽もかいま見える。初期の最高傑作。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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ISILDURS BANE「Sea Reflections/Eight Moments of Eternity」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの2nd/3rd。
1985年の2ndと1987年の3rdのカップリング盤で、これまでになくサックスやトランペットなど
管楽器を取り入れた軽やかな作風。シンフォニック・ジャズロックとでもいうのか、
繊細な北欧らしさとともに、それを楽しげに聴かせるサウンドだ。テクニックある演奏と、
楽曲の構築力は80年代の北欧のバンドの中では最高レベルといってよいだろう。
3rdではよりスタイリッシュな作風にななり、メロディックなギターとフルートが軽やかに合わさり
日本のKENSOなどを思わせるようなプログレッシブ・フュージョン風味とクラシカルな優雅さが同居している。
シンフォニック度・・7 軽快度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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ISILDURS BANE 「Cheval」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの5th。1989作
初期はいかにも北欧らしい繊細なシンフォニックロックをやっていたが、
3rdあたりから管楽器を取り入れるなど、クラシカルなアプローチを加え、
本作においては、そうしたチェンバーロック的なシリアスさが前に出した傑作を作り上げた。
昨今のバンドのようにシンセに頼ることなく、オーケストラパートのように管弦楽を巧みに使い、
シンフォニックに構築してゆくサウンドは、静と動のメリハリとともにクラシカルな優雅さを漂わせる。
フェルディナンド・シェヴァルという一人の郵便配達員が長い年月をかけて独力で建設したという、
実在する芸術的建築物をテーマにしたコンセプト作。次作「The Voyage」も同様に壮大な傑作である。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・8 優雅度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE 「The Voyage」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの6th。1992作
前作のチェンバーロック風味をさらに強化させ、いっそうの緊張感溢れる構成力でたたみかける。
鳴り響くヴァイオリンの音色に、クラシカルなピアノが重なり、シンフォニーのように優雅でありながらも
現代音楽的な硬質さを併せ持ったサウンドは、凡百のバンドにも真似のできないほどの強度がある。
旅をテーマにした幻想的なコンセプト作で、オールインストながら楽曲のドラマティックさは
90年代初頭のバンドの中でも際立っていた。このクラシカル路線は本作でやり尽くしたということか、
次作「Mind vol.1」からはバンドとしての新たな深化が始まる。底知れぬポテンシャルを秘めたバンドである。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・8 シリアス度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE「MIND Volume 1」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネの7th。1997年作
1989年のアルバム 「Cheval」から、よりシリアスでクラシカルなアプローチにシフトしてきたバンドが、
本作においてさらなる一歩を踏み出したというべき力作。ヴァイオリンやチェロにトランペット、トロンボーン、
ホルン、オーボエ、フルートといった楽器による室内楽的な優雅さと、テクニカルな構築性が一体となり、
じつに高度なアンサンブルを形成、そして楽曲の向こうにシリアスで壮大なビジョンがかいま見える。
まさしく新時代の北欧シンフォニック、そして新たなプログレの形を提示してみせた傑作です。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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ISILDURS BANE「Mind vol 2」

北欧プログレの雄、イシルドゥルス・バーネのライブアルバム。2枚組。
70年代から活動しているこのバンドだが、その音楽性はアルバムを重ねるごとに、
どんどん細密化、そして深化し続けている。今作もライブ作ながら、圧倒的高密度の楽曲群で
音楽の芸術を冷徹に表現する様はまさに圧巻のひと言。
全てインスト演奏ながら、それを感じさせぬ生きた楽曲の数々に改めて感嘆し、圧倒される。
「シリアスかつアカデミックな北欧シンフォ」という呼び方はすでにこのバンドの代名詞である。
オーケストラ的な室内楽も導入。もはや全てが孤高の域に入った芸術音楽だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧芸術度・・10 総合・・8.5
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ISILDURS BANE「MIND vol.4:PASS」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、イシルドゥルス・バーネのアルバム。2003作
「MIND」シリーズの第4弾で、今回はスタジオ作として「vol.1」以来の純粋なバンド作。
なのだが、のっけからなにやらアンビエントな女性Voの歌声が始まってびっくり。
最近作においては、重厚かつアートで難解なインスト作というイメージがあったので、
今作での大幅な歌もの的な転換はかなり意外であった。
もちろん歌パート以外のサウンドには彼ららしい独自の硬質な部分と
シリアス系シンフォとしての濃密さが感じられるが、全体としてやはり歌入りのおかげで
彼らのここ数作の中では最も聴きやすい作品になっている。
女性Voやヴァイオリン、フルート等によるゆったりパートはイシバネらしくないほどに
落ち着いていて、それがかえって物足りなく感じる人もいるかもしれない。
シンフォニック度・・8 重厚度・・7 落ち着き度・・8 総合・・7.5
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JEAVESTONE「Spices, Species & Poet」

フィンランドのサイケ・プログレバンド、ジェーブストーンの2008年作
以前のアルバムは未聴だが、フルートが鳴りながら、古き良きハードロック風味のギターに
やや脱力気味のヴォーカルが絡み、ときおりプログレらしいシンセも現れる。
これは「北欧版GONG」かというようなヒッピーじみた感触であるが、浮遊感がありながらも
案外にしっかり構成させているという点では、OZRIC TENTACLESあたりにも近いか。
レトロな北欧プログレとしても楽しめるが、ぱっと聴きにはただのキャッチーなロックでもOK。
ともかく一筋縄ではいかない、ソフトな耳心地の向こうに玄人好みの奥深さがある。マイスペはこちら
メロディアス度・・8 隠れプログレ度・・9 遊び心度・・9 総合・・8.5
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KAIPA「Inget Nytt Under Solen」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カイパの2nd。1976作
現在はFLOWER KINGSで活躍するロイネ・ストルトの在籍したバンドで、
70年代に発表した1st〜3rdはどれもが北欧プログレを代表する名作として名高い。
なかでも、21分の組曲を含む本作の完成度は最高傑作というにふさわしいものだ。
北欧らしい土着的なメロディに薄暗い叙情性を感じさせるサウンドは、
いくぶんの野暮ったさとともに、どこか我々日本人の琴線に触れる温かみがある。
そしてロイネの奏でるギターフレーズは、組曲の盛り上がりとともに泣きの旋律を響かせる。
70年代の北欧のイメージを決定付けた一枚。すべての叙情派プログレファンに聴いてもらいたい。
シンフォニック度・・8 メロウな叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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KAIPA「The Decca Years 1975-1978」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カイパの70年代のアルバム、
1st「KAIPA」、2nd「INGET NYTT UNDER SOLEN」、3rd「SOLO」の3作に加え
1974年の未発表デモ集、さらには1976〜1978年のライブ音源の入った合計CD5枚組み豪華ボックスセット。
やや土臭いが北欧トラッド的な叙情メロディが美しい1st、20分を超える組曲を収録した最高作と名高い2nd、
いくぶん洗練され聴きやすさを増した3rdと、どれもが70年代北欧シンフォ屈指の名作。
ROINE STOLTの瑞々しいギターメロディと、HANS LUNDINのたおやかなキーボードが美しい。
ライブ音源は音質も良好、1st〜3rdまでの曲が楽しめる。未発表曲の方はデビュー前ということで、
やや粗削りながら情熱的なハモンドロックという感じで、サイケ色もありつつなかなか聴かせてくれる。
ロイネ・ストルトは、現在THE FLOWER KINGSと新生KAIPAでも活躍中だが、
彼の原点はやはりこの70年代の作品にある。昔のKAIPAを未聴の方はこの機会にぜひ!
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 北欧度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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KAIPA「NOTES FROM THE PAST」

北欧伝説のプログレバンド、カイパの復活作。2002作
現在のプログレファンにとって、ロイネ・ストルトといえばTHE FLOWER KINGSなのだろうが、
私にとってはまず真っ先にKAIPAのギタリストなのである。その復活作だから興奮もひとしおだ。
本作の参加メンバーの方は、残念ながら往年のKAIPAのメンバーが集った、という形ではないが
オリジナルメンバーであるキーボードのハンス・ルンディンが参加しているのは非常に嬉しい
非常に北欧的な土着めいた温かみのある彼らしいキーボードワークを聴かせてくれる。
そこにからむロイネのギターはフラワーキングスでの活動を経て洗練された音であるせいか、
全体としてはかつてのKAIPAにあった「田舎めいた雰囲気」「湿り気のある薄暗さ」はさほど感じない。
いうなればフラキンとカイパの音を融合させたような感じであるが、ドラムがMATS/MORGANの片割れ、
MORGANであることも手伝って非常にリズムの切れがよく、70年代の叙情美よりは
やはり現代的シンフォニックの作りである。KAIPAというバンド名をそのまま思い描くと少し違うかなとも思うが、
メロディセンスや曲の出来はいいので、良質のシンフォとしては純粋に楽しめる。
90年代以降の作品でロイネを知り、このアルバムでカイパという存在を知った方は、
次にはぜひ70年代のKAIPAのアルバムを聴いてみて欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「KEYHOLDER」

ロイネ・ストルトとハンス・ルンディンによる新生カイパの第二弾。2003作
前作と同じくドラムはMATS/MORGANのモルガン・アグレン、
ベースはTHE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドという豪華な編成。
今回はよりいっそうロイネ・ストルトとハンス・ルンディンの融合度が増した印象で、
サウンド的にもよりしっくりと聴けるシンフォニックロックである。
メロトロンなどを多用したゆるやかなキーボードワークもあって、北欧らしさとシンフォ度は
むしろフラキンの近作よりも上で、全体的にゆったりと楽しめる雰囲気だ。
シンフォニック度・・8 フラキン度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「MINDREVOLUTIONS」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、復活カイパの3作目。2005作
本も、全79分、シンフォニックサウンドが目一杯詰まっている。
初期のフラキンにあった陽性のメロディと聴きやすさを発揮しつつも、
決して古くさくならない現代風のポップセンスも取り込んでいるのもポイント。
前作に引き続きRITUALの男Voと女性Voのダブルボーカルは
いっそう曲に馴染んでいて、しっとりとしたパートでの柔らかみがじつに心地よい。
ゆるやかな盛り上がりと爽やかさは北欧プログレ特有の質感で、
そこに乗るハンスの懐かしい音色のするキーボード、
そして鳴きまくるロイネのギターを久しぶりにたっぷりと堪能出来る。
最近のフラキンより上かも…とすら思える、会心のシンフォニックロック作品。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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KAIPAAngling Feelings

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、カイパのアルバム。2007作
新生KAIPAとなって4作目のアルバムであるが、今回はロイネ・ストルトは不参加。
他のメンバーはHans Lundin以下、Dr.Morgan Agren(MATS/MORGAN)、Vo.Patrik Lundstorm(RITUAL)
女性Vo.Aleena Gibson、B.Jonas Reingold(THE FLOWER KINGS)というおなじみの顔ぶれで、
ギターにはハンスも参加していたフォークメタルバンドHAGENで弾いていたPer Nilssonが参加、
サウンドの方は、アレンジ面でややモダンになったかなという印象はあるが、
クオリティ的にはロイネ不在を感じさせない出来。ハンス・ルンディンのシンセワークに絡む
パー・ニルソンのギターワークもなかなかよろしく、HAGENでも聴かせてくれた土着メロが心地よい。
モルガン・アグレンとヨナス・レインゴールドの鉄壁のリズム隊は強固なアンサンブルを作り出し、
ゆったりとしたパートにおいてもサウンドを適度に引き締めている。
男女Voの絡み方も、それぞれにアクセントを付けながら曲を引き立たせていて、
歌パートと演奏パートのメリハリがしっかりあることが、作品としての飽きさせない展開力となっている。
メロディの充実度と内容の濃さという点で、またしても傑作といってよい出来だろう。
メロディアス度・・8 意外とテクニカル度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KAIPA「In the Wake of Evolution」

スウェーデンのプログレバンド、カイパの2010年作
70年代に3枚の傑作を残した北欧を代表するプログレバンド、2002年に復活してから5作目となる。
ヨナス・レインゴールド(The Flower Kings)とモルガン・アグレン(MATS/MORGAN)の鉄壁のリズム隊に乗る
ハンス・ルンディンの美麗なシンセワークに、メロウなギターフレーズと男女ヴォーカルの歌声で、
今作も質の高いシンフォニックロックを存分に聴かせてくれる。10分以上が5曲といつになく大作であるが、
カッチリとした展開力とメロディで、プログレ初心者にも安心して楽しめるサウンドである。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「ENTERING THE SPECTRA」

THE FLOWER KINGSヨナス・レインゴールドを中心とした、カーマカニックの1st。2002年作
参加メンバーは、ロイネ・ストルト、トマス・ボーディン、ゾルタン・チョースらTFK組が中心で、
2ndの方を先に聴いていたが、こちらの1stの方がシンフォニック度が高い。
銀河をテーマにしたコンセプト作らしく、雄大なシンセが鳴り響き、
時折フラキン的なメロディラインを感じさせながら、ギターにはハードなエッジ色がある。
シンフォニックハード/プログレメタル的な味わいかたもでき、もちろんフラキンファンにもお薦め。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 ProgMetal風味度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「WHEEL OF LIFE

THE FLOWER KINGSヨナス・レインゴールドを中心にした
スウェーデンのシンフォ・ジャズロックバンド、カーマカニックの2nd。2003作
軽快なジャズロック調に、メロディアスなシンフォの味付けをした雰囲気で
フラキンでも見事なドラムを叩いているゾルタン・チョーズと、ヨナスのリズム隊は
息の合ったアンサンブルを生み出し、長い曲でも意外にさらりと聴かせてくれる。
メロディの新鮮味という点ではさほどのものはないが、気軽な感覚で聴ける
北欧シンフォ・ジャズロックの良作。Vo入りの曲はまるでフラキンのよう。
ロイネ・ストルト、トマス・ボーディンらもゲスト参加。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KARMAKANIC「Who's the Boss in the Factory」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの3rd。2008作
THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心としたこのバンド、
1stはProgMetal風、2ndはジャズロック寄りのサウンドであったが、
本作はよりメロディアスさを前に出して、結果としてフラキンに近い雰囲気になった。
少しレトロなプログレ的シンセワークにたおやかなピアノも美しく、
曲は適度にテクニカルでありつつ、じっくりと歌を聴かせる部分も多く、
全体的にはやはりシンフォニック。存在感あるヨナスのベースに
ゾルタン・チョースのタイトなドラムも見事で、バンドの核をになっている。
テクニカルな演奏力と、メロディ聴かせるバランスのとれた高品質作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 演奏度・・9 総合・・8
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KARMAKANIC & AGENTS OF MERCY「THE POWER OF TWO」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックエージェンツ・オブ・マーシーのライブアルバム。
ヨナス・レインゴールド率いるKARMAKANICと、ロイネ・ストルトのAgents of Mercyの合体バンドによる
2009年アメリカLAでのライブを収録。前半がエージェンツ、後半がカーマの曲という構成で、
ドラムにはSPOCK'S BEARDのニック・ディヴァージリオが参加、しっとりと聴かせるGENESISタイプの
Agents of Mercyはまさにシンフォニックの王道という感じで、叙情豊かな聴き心地はライブでも素晴らしい。
一転してKARMAKANICでは、軽妙な躍動感とアンサンブルの妙で、実力者たちの演奏にじっくり聞き入る。
とくに、ラレ・ラーソンの絶品の鍵盤さばきは、クラシカルにしてテクニカルな驚嘆のプレイぶりである。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「In a Perfect World」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2011年作

THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心に、前作はよりフラキンに近いイメージの
傑作であったが、本作も美麗なシンセワークでしっとりと始まりつつ、ジャズロック的な軽やかさと
キャッチーなメロディも含んで、大人のシンフォニックロックというべきクオリティの高さで聴かせる。
楽曲のアレンジや盛り上げ方など、フラキンとの差別化が難しいくらいに相通ずるものがあるのだが、
そこも含めての雰囲気が好きな方なら、今作も充分楽しめる作品だろうとは思うし、
やはりジャスロック風味の軽妙さには、余裕とウイットに富んだ演奏が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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KATZEN KAPELL

スウェーデンのチェンバー・タンゴグループ、カッツェン・カペルの1st。1994作。
複雑さと難解さを増した2ndにくらべ、この1stではゆったりとした叙情が楽しめる部分が多い。
アコーディオンやヴァイオリン、マリンバなどによるメロディアスでありながら切れがよく、
キャッチーでしかも高度な演奏(ドラムが入るととたんにテクニカルプログレになる)は素晴らしい。
タンゴなのにプログレ。ハイセンスでしっとりの好アルバム。
メロディアス度・・8 タンゴ度・・8 さりげなく技巧度・・9 総合・・8
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KATZEN KAPELL「ALLA HATAR MIN MAN」

スウェーデンのプログレ・チェンバーロックバンド、カッツェン・カペルの2nd。1998作
タンゴや室内楽をベースにした優雅さと、プログレッシブな構成力で聴かせるこのバンド、
コロコロとしたビブラフォンの音色にアコーディオンなどによるやわらかな質感と
ピアノやヴァイオリンなどのクラシカルなシリアスさが合わさって、
予測不能の展開で聴かせる面白さはこのバンドならでは。
1stに比べてよりチェンバー的な複雑さが増した傑作だ。
チェンバー度・・8 クラシカル度・・7 ハイセンス度・・9 総合・・8

KATZEN KAPELL「Maximalism」

スウェーデンのプログレ・チェンバーロックバンド、カッツェン・カペルの4th。2009作
タンゴや室内楽をベースにした優雅さと、プログレッシブな構成力で品のよい音楽を聴かせるこのバンド、
本作も艶やかなヴァイオリンや、アコーディオンの音色を絡ませた、軽妙なサウンドが楽しめる。
しっとりとしたピアノの響きに、ヴァイオリンやビブラフォン、マリンバなどが合わさると
室内楽的な優雅さとクラシカルな情緒に包まれる。ドラムの入った変則リズムはプログレ的で、
相変わらずセンスの良いアレンシが絶妙だ。“上品な緊張感”ともいうべき面白さが漂う傑作。
クラシカル度・・8 軽妙プログレ度・・8 ハイセンス度・・9 総合・・8
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KEBNEKAISE「KEBNEKAISE」
スウェーデンのトラディショナルプログレバンド、ケブネカイゼのベストアルバム。1973〜1977作
1stから3rdまでの曲がセレクトされたベスト盤。内容はElectric Mountainと同じ。
音の特徴は、北欧らしい土着的なトラディショナルをそのままプログレさせたところです。
二本のヴァイオリンやフルートがギターとからみ、叙情的なメロディを奏でてゆく様は実に圧巻。
日本人の演歌的情緒にも通じる北欧トラッドメロディはとても親しみやすく、郷愁ししもに胸に迫ります。
メロディアス度・・9 北欧トラッ度・・10 叙情度・・9 総合・・8

KEBNEKAJSE「RESA MOT OKANT MAL」
スウェーデンのトラディショナル・サイケバンド、ケブネカイゼの1st。1971作
この1stはまだトラッドメロディを導入する以前で、やや明るめのメロディアスサイケという雰囲気。
ヴァイオリン奏者も加入前なので、2nd以降の哀愁のトラッドメロディはあまり感じられない。
しかしギターの弾くメロディには北欧の田舎を想像させるような心地よさを持っている。
これがのちのサウンドへの下地になったのだろう。まず聴くのなら3rdあたりからどうぞ。
メロディアス度・・7 トラッ度・・2 サイケ度・・7 総合・・7
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KEBNEKAISE「U」

スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの2nd。1973作
のっけから牧歌的なメロディでヴァイオリンが鳴り響き、北欧トラッド色全開。
楽曲的には次作ほどのダイナミックさはまだないのだが、
ヴァイオリンに絡むギターのフレーズといい、パーカッションの響きといい
このあまりに田舎くさく、土着的な音には思わず和んでしまう。
ラストの大曲もなかなか圧巻。ボーナスには貴重なライブ音源を収録。
メロディアス度・・8 北欧トラッ度・・9 ヴァイオリン度・・8 総合・・7.5
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KEBNEKAISE「V」

スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの3rd。1975作
ついにCD化!!以前はベストアルバムのみが出ていたのだが、こうして単体で聴ける日が来るとは。
このバンドの素晴らしいところはズバリ、北欧的トラッドメロディを、ロックフォーマットで聴かせる点だ。
ギターとヴァイオリンがときに優雅にときに情熱的にトラッドメロディをユニゾンするさまは圧巻。
そして、そこに絡むパーカッションが言い知れぬ郷愁を聴く者に感じさせる。
この日本人の演歌心にも通じるような土着的メロディには、一聴して心を鷲づかみにされた。
トラッドというにはあまりにダイナミックで分厚い音。シンフォニック・トラッドロックとでも呼ぶしかない。
こうなったら、バンド後期の傑作「Elefanten」などもぜひCD化を望みたい。
メロディアス度・・9 北欧トラッ度・・9 ヴァイオリン度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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KEBNEKAJSE

スウェーデンのトラッド・プログレバンド、ケブネカイゼの復活作。2009作
70年代に5枚のアルバムを残して消えた異色のトラッドロックバンドがまさかの復活!
初期KAIPAをさらにクサくしたような北欧の民族メロディを、そのままサイケロック化したような
このバンドのサウンドは、一聴して日本人の情緒を鷲掴みにするくらいのインパクトがあった。
個人的にも大好きなバンドなので感無量である。さて、30余年ぶりの作品である本作であるが、
のっけからかつてを思わせる、ギターとヴァイオリンを中心にした土着メロディに思わずにんまり。
メンバーは少なくなったが、バンドの本質はなにも変わっていない。田舎くさく、土くさく、
まさに北欧の山林を思わせるような牧歌的な情感で素朴でありつつも雄大に聴かせてくれる
ギターとヴァイオリンがユニゾンして奏でるトラッドメロディと、パーカッションの響き、
これぞ北欧の音楽である。これを聴いて気に入った方は、かつての名作「V」もぜひ。
メロディアス度・・8 土着度・・9 北欧メロ度・・10 総合・・8
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KEBNEKAJSEIdioten

スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの2011年作
70年代に5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが2009年にまさかの復活をはたし、
本作は復活2作目である。北欧の土着トラッドのメロディとサイケ風味の浮遊感を合わせた
独自のサウンドは年月をへても健在。なごむようなギターの牧歌的フレーズとパーカッションの響き、
そしてヴァイオリンが重なり、まさに北欧の山林を思わせるような自然派の演奏がじつに耳心地よい。
オールインストでありながら歌うようなギターのメロディにのんびりと聴き入れる好作品です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・10 総合・・8
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KERRS PINK「ART OF COMPLEX SIMPLICITY」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの4th。1997作
淡い水彩画のジャケのイメージ通り、繊細で透明感のある北欧らしいシンフォニックサウンド。
これまでのアルバムよりもややアコースティック色が強く、
そんな中でトラディショナルなメロディを奏でるヴァイオリンなどは
KEBNEKAISEにも通じる雰囲気で、北欧の土臭さと空気を運んでくれる。
派手な部分はまったくないが、ゆったりとなごめる北欧シンフォサウンド。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・9 総合・・7.5
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KERRS PINK「TIDINGS」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ケルス・ピンクの5th。2002作
このバンドの魅力はいかにも北欧らしい清涼感とトラッドテイストのあるギターメロディ、
そしてなによりじつに繊細で淡い色彩を感じるその音にある。
TFKやPLPなど、表舞台で活躍するメジャー級シンフォバンドの影で、
こうしたバンドが地道に活動を続けているというのは、なんともほっとする。
CAMELの繊細な部分を抽出して、北欧のメロディで淡く色付けしたサウンドは、
聴いていてなにか優しさに満ちた安らぎを感じさせてくれる。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Khatsaturjan 「Armed Forces of Simantipak」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、ハチャトゥリアンの2005年作
クラシカルなものを想像させるバンド名だが、サウンドは軽快かつキャッチーメロディで聴かせる
今風のシンフォニックロック。初期のKAYAKにも通じるやわらかく聴きやすい音で、
それでいて北欧独特の清涼感も有している。しっとりとしたピアノやヴァイオリンも美しい。
4人のメンバーが全員シンセも弾けて、しかもヴォーカルもとれるということからも
若手にしては演奏、アレンジ面ともにそつがなく、曲中におけるアイディアの多さも素晴らしい。
随所にクラシックの素養を見せつつも、それを自分達の表現方法に上手く取り入れていて、
この手にしては古くささも感じさせないし、ギターとキーボードの重ね方も凝っているのだが、
それでいてうるさすぎず、むしろスッキリとした感触で心地よく聴ける。
ややクセのあるヴォーカルが好みを分けるかもしれないが、北欧の若手としては有望株だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲センス・・8 総合・・7.5
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KhatsaturjanDisconcerto Grosso」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、ハチャトゥリアンの2010年作
前作もキャッチーなメロディで聴かせる良質のシンフォニックロック作品であったが、
本作もQUEENを思わせるようなやわらかなメロディで叙情たっぷりの好作だ。
16分、18分というふたつの大曲を軸に、適度にハードなドラマティックさと、
ハモンドなどの古き良き音色のシンセワークと爽やかなコーラスが重なった
いうなれば北欧版Magellanというようなメロディックなサウンドである。
いくぶん唐突な曲展開がマイナー臭さをかもしだしているが、なかなかの力作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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KVAZAR「A GIANT'S LULLABY」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、クヴァザールの2nd。2005作
1stは未聴たが、これがなかなか素晴らしいシンフォ作品。
基本はインスト中心で、音にはさほど派手さはなく、むしろぱっと聴きには地味なのだが、
よくよく聴けば、完成度というかこのバンドの作る世界観に引き込まれる。
70年代北欧的なレトロな質感と、中世音楽的なメロディラインが交わり、
どこか靄がかかったような不思議な空間美を感じさせる。
女性ヴォーカルや、荘厳なチャント風なコーラス、あるいはジャズタッチのピアノ、
ANEKDOTENもかくやというメロトロンにANGLAGARD風のギターフレーズ、
それらが絶妙に顔を出し、決してうるさくならない程度に楽曲に彩りと深みとを与えている。
決して押しつけがましくない、派手すぎない、奥の深いシンフォニック作品だ。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 バランスセンス・・9 総合・・8
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Lalle Larsson's Weaveworld

スウェーデンのプログレバンド、ラレ・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2009年作
ヘンタイメタル系のELECTROCUTION 250や、KARMAKANICにも参加した才能豊かなシンセ奏者で、
Weaveworld名義でのデビュー作になる。ハードエッジなギターと適度な硬質感で聴かせる、
テクニカル・シンフォニックで、ときにジャズタッチのピアノなども含めて、センス抜群のシンセワークが素晴らしい。
フュージョンやジャズ、クラシックの素養を垣間見せつつ、クールな構築性をしっかりとメロディアスに聴かせる、
抜群のクオリティの高さが光る。ハードシンフォニックとしても、プログレフュージョンとしても楽しめる力作だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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LALLE LARSSON'S WEAVEWORLD「Infinity Of Worlds」

スウェーデンのプログレバンド、レイル・ラーソンズ・ウィーヴワールドの2010年作
ヘンタイメタル系のELECTROCUTION 250や、KARMAKANIC、AGENTS OF MERCYでも活躍する
才能豊かなシンセ奏者。本作はかつてのU.K.を思わせるようなスタイリッシュなアンサンブルで聴かせる
インストプログレの傑作。軽やかなフュージョン/ジャズロック風味と、ときにメタリックさを匂わせる
硬質な構築センスが冴え渡る。ジャズタッチのピアノを弾くかと思えば、古き良きプログレ風味や、
さらには壮麗でミステリアスな世界観も生み出す、ラレ・ラーションのシンセワークは絶品だ。
たとえばPLANET Xあたりにも通じる聴き心地もあり、ProgMetalのリスナーなどにも楽しめるサウンドだろう。
限定盤には「室内オーケストラとメタル・バンドの為の“7つの大罪”組曲」と題された大曲のライブ音源と
未発曲などを収録したボーナスCD付き。こちらだけでもお腹いっぱいになるほどのボリュームだ。
メロディアス度・・8 スリリング度・・9 構築センス・・9 総合・・8.5
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LANDBERK「Riktigt Akta」

スウェーデンのプログレバンド、ランドベルクの1st。1992作
実のところ、昔、英語バージョンの「Lonely Land 」(ケルベロスのジャケ)を聴いたときには、
まったくピンと来なかったのだが、この母国語バージョンは土着性があってよいですね。
のっけから古めかしいメロトロンの音が鳴り響き、やわらかでもの寂しい叙情が溢れてくる。
いかにも北欧的なギターフレーズも、繊細なピアノの音も、この70年風のレトロなサウンドを
作りあげる役割を果たすために存在し、決して派手に主張しすぎることはない。
ドラマティックな盛り上がりや展開力とは無縁だが、薄暗い北欧の雰囲気をゆったりと楽しめる点で、
ANGLAGARDANEKDOTENへとつながる90年代以降の北欧シンフォニックのスタイルを
地味ながらも確立した作品といってもよいだろう。レトロサウンドの標榜と懐古主義の先駆け。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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LANDBERK「Indian Summer」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ランドベルクの4th。1996作
90年代北欧シンフォニック最初期に登場したこのバンド、
本作はバンドの最終作にして、ひとつの彼らの到達点を示している。
ゆったりとした楽曲に、重すぎないギターが反復するコードを奏で
派手すぎないシンセワークと、そしてたゆたうような男性ヴォーカルの歌声。
もはやプログレというよりは、薄暗い質感のメロディックロックという感じのサウンドだが、
この時点ですでに後のPAATOSにつながる要素はある程度確立していると言っていい。
一聴して地味に思える音なのだが、その繊細な空気がじわじわと耳に心地よくなってくる。
メロディアス度・・7 ゆったり繊細度・・9 うす暗度・・8 総合・・7.5
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Lauri Porra

STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリー・ポラーのソロ作。2006作
作曲家シベリウスを先祖にもつ彼は音楽院で学んだ才人でもある。
本作で聴けるのはメタルではなく、クラシカルなピアノやジャズテイストなどを織りまぜた
幅広い音楽性で、北欧的な涼やかな情緒も含めて、むしろプログレに近い感触である。
トランペットやサックスの音色などはいかにもジャズ調であるが、型にはまらない柔軟な感性と
フィンランドらしい土着性と哀愁を音に感じさせるあたりは、たとえばPEKKAあたりにも通じる
天才肌のセンスがあるかもしれない。彼の音楽的才能の豊かさを楽しめる一枚だ。
フィンラン度・・8 メタル度・・1 むしろプログレ度・・8 総合・・8
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LAURI PORRA「All Children Have Super Powers」

STRATOVARIUSのベーシスト、ラウリ・ポラーのソロアルバム。2008作
2005年からストヴァリに加わったこのベーシストは、実は音楽院出身で
あのシベリウスを先祖に持つ、ジャズやクラシックの素養もある才人であった。
一見して地味なジャケットながら、このアルバムにおける音楽性はじつに幅広く、
薄暗い叙情を聴かせるしっとりとした曲調はPINK FLOYD的でもあり、
アコースティカルな素朴さとメロディには北欧的な土着性も感じられて耳に優しい。
トランペットの音色やクラシカルなピアノ、美しいシンセにメロウなギターが加わると
北欧シンフォニックロックの質感にもなる。女性コーラスの入ったヒーリング調の曲などもあり、
プログレリスナーにも勧められる繊細でやわらかな作品である。
むしろプログレ度・・8 メタル度・・3 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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LUCIFER WASIn Anadi's Bower

ノルウェーのヴィンテージロックバンド、ルシファー・ワズの2000年作
二人のメロトロン奏者にフルート二人を含む8人編成で、70年代を思わせるレトロなロックをやっている。
ブルージーなギターに絡むフルートが鳴り響くと、やはりJETHRO TULLを思わせるような音だが、
そこにメロトロンが加わると北欧的な薄暗い叙情がほのかに加わるのが良い。
近作に比べるといくぶん大味ながら、フルート、メロトロン入りのレトロロックが好きな方はどうぞ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ヴィンテージ度・・8 総合・・7.5
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LUCIFER WAS「The Crown of Creation」

ノルウェーのヴィンテージロックバンド、ルシファー・ワズのアルバム。2010作
結成は70年代でありながらいったん解散し、1997年に復活したというこのバンド、
本作はフルートやハモンド、メロトロンなどを使用したレトロなサイケプログレに、
男女ヴォーカルとオーケストラ入りのロックオペラ的な壮大さを付加した、異色の力作だ。
2部構成に分かれたシアトリカルな大作主義と、決して嘘くさくないヴィンテージロック感覚、
そこに優雅なクラシカルさが盛り込まれているのだから、濃密なことこのうえない。
大仰なレトロ系プログレとしても懐古的なシンフォニックロックとしても楽しめる。
シンフォニック度・・8 レトロプログレ度・・8 ロックオペラ度・・9 総合・・8
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MAGIC PIE「Motions of Desire」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの1st。2005作
70年代風のハモンドと、現代風のややハードなギターが合わさった構築性のあるメロディアスなサウンド。
テクニカルな展開の後に現れる、キャッチーなメロディが実に爽快で、アレンジの思い切りの良さも大きな魅力。
懐古主義と現代的なウィットという点ではSPOCK'S BEARDにも通じるものがあり、
とくにギターの奏でるメロディはTRANSATLANTICでのロイネ・ストルトをも思わせる。
しょっぱなに20分の大曲をもってきたり、ラストには組曲方式と、およそ新人離れした
自信に満ちていて、このシンプルなりんごジャケからは想像もつかない満腹感が味わえる。
また北欧からメロディアス/テクニカルシンフォの輝けるニューカマーが出現した。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 キャッチーかつテクニカル度・・9 総合・・8
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MAGIC PIECircus of Life」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの2nd。2007作
前作がメロディアスにしてテクニカルな傑作だったので、今作も期待していたが、
なんとのっけから45分の一大組曲。人生のサーカスというテーマのもと、
メロディックな叙情を聴かせつつ、ときにテクニカルにたたみかける、濃密な大曲だ。
このバンドのサウンドには、美しいメロディの中にもどこかとぼけた味わいや哀愁があり、
人間味を感じさせる知的さと確かな演奏力、そしてセンスとが備わっているのが素晴らしい。
二人の専任ヴォーカルのやわらかな歌声や、キャッチーなコーラスワークも心地よく、
そこにハードシンフォニック的な構築性と展開力が合わさった、これぞまさに力作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
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Makajodama

スウェーデンのチェンバー・プログレバンド、マカジョダマのアルバム。2009作
バンド名も面白いが、「Post Rock meets Prpg Rock」といううたい文句通り、ポストロック的な世界観と
レトロなプログレ感覚が合わさったようなインスト主体のサウンドも、これがなかなか面白い。
ヴァイオリン、チェロ、サックスなどがギターやシンセと絡み、薄暗いチェンバーロックを基本にしつつ、
クリムゾン的なヘヴィプログレの質感もあるという。 どことなく日本の美狂乱っぽくもあったりする。
この妖しさと暗さは聴いていて引き込まれます。 彼らのマイスペにはメンバーが影響を受けたバンドとして、
Dmitri Shostakovich、King Crimson、Can、Univers Zero、Algarnas Tradgard、Godspeed You! Black Emperor、
Third Ear Bandなどの名が。ちなみにANEKDOTENのメンバーが数曲でミックスを担当しているとか。
メロディアス度・・7 チェンバー度・・8 薄暗度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN「TRENDS AND OTHER DISEASES」

北欧の変態・・・もとい超絶コンビ、マッツ・アンド・モルガンの1st。1996作
手数の多い高速変拍子をたたき出すモルガンのドラムに、
全盲のキーボーディスト、マッツの不思議な反復メロディが乗る。
曲はどれもがアヴァンギャルドで、一筋縄ではいかない。
起承転結や構築性とは隔離された、独特の唐突さに支配されたアルバム。
MESHUGGAHのG、フレドリック・トーテンダルゲストも参加。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN「LIVE」

スウェーデンの超絶テクニカルコンビ、マッツ・アンド・モルガンのライブ作、2001作
ザッパと共演したことでも知られる彼らだが、このライブでも期待にたがわぬ圧倒的な演奏を披露。
テクニカルで高度な変拍子バリバリの楽曲を、ユーモラスに、余裕すら感じる演奏で突っ走る。
あえてジャンル分けするのなら、ジャズロックだが、メロディが前に出ているので退屈することなく聴け、
しかも真剣に聴けば聴くほどその驚愕の演奏力に腰を抜かす、という具合。
モルガンのドラムはマイク・ポートノイばりに手数が多く、正確で豊かな表現力は素晴らしい。
多様な音色を操るマッツのキーボードも歌がなくとも十分フロント楽器たりえている。
これに似ているバンド(テクニカルでしかもユーモラスという点で)といえば
硬質感のあるなしで異なるが、同じ北欧のサムラということになるのだろうか。
メロディアス度・・6 テクニカル楽曲度・・10 演奏力・・10 総合・・9
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MATS/MORGAN「ON AIR WITH GUESTS」

スウェーデンの変態アヴァンデュオ、マッツ・アンド・モルガンのライブアルバム。2002作。
盲目のキーボーディスト、マッツと超絶バカテクドラマー、モルガンのコンビ。
彼らの作り出す異常にして人智を超えたような楽曲群はライブでこそ本領が発揮されるらしく
「本当にコレライブでやってんの?」と尋ねたくなるような演奏が繰り広げられている。
コロコロとした可愛らしいメロディをとんでもない変拍子に乗せたり、
反復するリズムをずらし、聴覚を麻痺させるようなアレンジをこなすかと思えば
MESHUGGAHのフレドリック・トーテンダルをゲストに、ゴリゴリギターの変態メタルまで
「なんだコリャ」の連続で、聴き終える頃にはあっけにとられている。
とくにモルガンのドラムはものすごく、手数、切れ味ともに信じがたいレベル。
これを本当に曲として覚えて叩いているのなら、彼は宇宙人といってよいかもしれない。
変態音楽愛好家、テクニカルプログレ好きはまず聴くこと。悶絶してください。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・10 変態度・・10 総合・・9
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MATS/MORGAN BAND
「THANKS FOR A FLYNG WITH US」


スウェーデンのテクニカル変態バンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドのアルバム。2005作
今回から正式にギター、ベースが加わり、5人編成でのバンド名義のアルバムとなった。
サウンドの方はこれまでと変わらず、たたみかける変拍子リズムや
コミカルなキーボードの音色、反芻するメロディなどの変態気味のチェンバーロック。
ずっと聴いていると脳内トリップできそうな感覚にも陥る、どこかスペイシーなサウンドで
既成のロックの枠組みにはまったくとらわれない独創的な(異常な)音楽が楽しめる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8
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MATS/MORGAN BAND「Heat Beats Live」

スウェーデンの超絶アヴァン・レコメンバンド、マッツ・アンド・モルガン・バンドのライブ音源集。2008作
全盲のシンセ奏者マッツと、KAIPAなどでも活躍する凄腕ドラマー、モルガンのユニットとして
1996年にデビュー、アルバムを2作出した後、2005年バンド編成となり現在までに2作を発表。
本作はライブ音源としては3作目で2005、2007年のライブを収録。とぼけた味わいと緊張感が同居した、
曲になっているのか、なっていないのかと、一聴して理解に苦しむようなアヴァンギャルドさと
即興感たっぷりの演奏を繰り広げている。DVDには1991〜2007年までのライブ映像などを収録。
モルガンの超絶的なドラムプレイを中心に、視覚的にもこの個性的な連中の演奏が楽しめる。
ライブ演奏・・8 即興度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8.5
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MATS MORGAN BAND「The Music or the Money」

スウェーデンのアヴァン(ポップ)ロックバンド、マッツ・モルガン・バンドのアルバム。2010作
もともとが2枚組であった2ndにボーナス12曲を追加し、ジャケや曲順も変更した2010年新装盤。
全盲のシンセ弾きマッツの常人離れしたシンセワークと、モルガンの技巧的かつ軽妙なドラム、
そして、バンド編成になっての楽曲では、ベースを含めたアンサンブルにも磨きがかかり、
ただアヴァンギャルドなだけではなく、音楽的にもひとつ芯が通ってきたという印象がある。
本作では、マッツの曲とモルガンの曲、そしてバンド編成の曲がバラバラに入っていて、
アートな感性の宇宙人的奇妙さであったり、超絶でテクニカルかつコミカルであったりする…
一括りで言うなら「楽しいヘンタイ」というような、斬新なサウンドが目一杯詰まっている。
頭で理解しようとは思わず、ノリと感性、右脳で楽しむ、ワンダーなアヴァン・プログレ作品である。
テクニカル度・・9 アヴァンギャル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・9
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Maze of TimeTales from the Maze
スウェーデンのシンフォニックロック、メイズ・オブ・タイムの2006年作
メロディックなギターとシンセワークで聴かせる、GENESIS系のシンフォニックサウンド。
やわらかみのあるキャッチーな感触は、MOON SAFARIあたりにも通じるが、
こちらももっとやぼったく、洗練されきれないマイナーさが少々じれったいかもしれない。
曲は8〜9分台と長めで、全体的にスリリングさは希薄ながら安心して楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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Maze of TimeLullaby for Heroes」

スウェーデンのシンフォニックロック、メイズ・オブ・タイムの2009年作
いくぶんメタリックな感じもあるメロディックなギターと美麗なシンセワークで聴かせる、
シンフォニックサウンド。ときにGENESISを思わせるフレーズが出てきてにやりとさせられたり、
古き良きプログレのロマンを継承するようなスタイルで、なかなか楽しめる。
8分以上の曲が4曲、うち10分以上が2曲という大作指向であるが、音そのものに北欧らしさはあまりなく、
展開的にもスリリングさに欠ける点では、やや長尺感は否めない。ゆったりと聴ける叙情派の力作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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Merit & Dana「fran Orup till Bellman」

スウェーデンのミュージシャン、メリット・ヘミングソンとダナ・ドラゴミルによるアルバム。1989作
トラッドをベースにした楽曲に、鍵盤奏者として名高いメリットのシンセワークと、
アコースティカルな笛の音や女性スキャットなどが合わさったサウンド。
単なるトラッドでもシンセ音楽でもない、モダンとレトロの同居した不思議な質感で
聴いていてしっとりと癒されます。プロデュースはあのBjorn J:son Lindh
メロディアス度・・8 シンセ度・・8 トラッ度・・7 総合・・7.5

Merit「Queen of Swedish Hammond Folk Groove」

60年代末期から活動するスウェーデンの女性鍵盤奏者、Merit Hemmingsonのベストアルバム。2005作
サイケロック的な曲調や、民俗調、さらにはジャズなども取り込んだ70年代的なサウンドに、
やわらかなオルガンの音色が響く。そして土着的な北欧の空気を感じさせるサウンドは、
彼女自身のスキャット的な歌声も含めて、やわらかな優しい質感で楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 土着北欧サイケ風味度・・8 総合・・7.5
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Merit Hemmingson「TOUCH THE SOUND」

スウェーデンの女性鍵盤奏者、メリット・ヘミングソンのアルバム。2006作
60年代から活躍するアーティストで、写真を見ると立派なおばさまであるが、
サウンドの方は美しいシンセワークを中心にした、じつに優しいもの。
ハモンドなどのレトロな質感に温かみのあるメロディが合わさり、
ゆったりとコーラス風に歌う女性ヴォーカルに包まれて、
ふんわりとした気分でまどろめる。アコーディオンやフルートなども美しく
北欧らしいトラディショナルな雰囲気もある。プログレというよりは
北欧のヒーリング系サウンドとして聴ける。そんなアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ふんわり温か度・・9 総合・・7.5
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METROGNOM「Twangyluck」

ノルウェーのヘヴィプログレバンド、メトロノームのアルバム。2006作
若手の5人組で、メロトロンやハモンドオルガンを弾きならしながら、
初期ANEKDOTENをラフにしたような雰囲気で、レトロなプログレロックを聴かせる。
全4曲で64分という通り、楽曲は即興ぎみの演奏で押しと引きをまじえつつたたみかける。
手数の多いドラムをはじめ、演奏力もありバンドとしてのグルーブも感じられるので、
今後はさらに曲単位での聴かせ所を構築してゆくとよいだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロロック度・・8 総合・・7.5


MIKROMIDASBrennende Drommer
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ミクロミダスの1st。1999作
先に2ndの方を聴いていたかず、この1stもまるで70年代を思わせるレトロなサウンド。
鳴り響くハモンドにメロトロン、そこに北欧独特の土着的なメロディが乗る。
演奏のキレや楽曲のメリハリはあまりなく、もったりとした印象なのが惜しいが
レトロな感じの北欧プログレが好きな方なら、心地よく聴けるだろう。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・8 北欧度・・8 総合・・7
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MikromidasFaunus
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ミクロミダスの2nd。2004作
ハモンドオルガン、メロトロンなどを使ったレトロなシンフォスタイルで、
ANGLAGARDSINKADUSあたりに通じる、北欧特有の涼やかさを持ったサウンド。
派手な部分や意外性のある展開はなく、淡々としたヴォーカルと優しげなメロディが
全体的にしっとりゆったりとした流れを作っている。あまりに古めかしい音作りだが、
70's北欧プログレの風と土着性が感じられて、マニアには嬉しい作品だろう。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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MOON SAFARI「A Doorway To Summer」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリのアルバム。2005作
若手バンドのデビュー作。自主盤ながらもプロデュースはTHE FLOWER KINGSトマス・ボーディン
サウンドの方もそのTFKからの影響が大きく感じられる、メロディアスシンフォ作。
アコースティック色もけっこう強く、全体的にゆったり、しっとりとした作風で、
最近のフラキンよりも分かりやすく、純粋で素朴な雰囲気に好感がもてる。
若者らしからぬレトロな質感が叙情性とともに哀愁をかもしだしているのは、
最近のバンドの特徴かもしれない。フラキンのメロウな部分が好きな方にはオススメ。
シンフォニック度・・8 ゆったりメロディアス度・・9 フラキン度・・8 総合・・8
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Moon Safari「Blomljud」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2nd。2008作
彼らの1stはThe Flower Kingsのメロディアスさを抽出したような、シンフォニックの好作だったが、
今作も牧歌的なコーラスや、 アコースティカルな素朴さを取り入れた、じつに美しく繊細なアルバムだ。
つややかなピアノの音色にオルガンが重なり、どこかなつかしレトロさとともに
温かみのあるヴォーカルメロディが爽やかに響く。大曲の盛り上げ所では
ロイネ・ストルトばりのギターに思わずにんまりだし、Disc1のラスト曲などはじつに感動的だ。
派手さよりもフォーク的な素朴な情感で聴かせる、とても素敵なメロディアスシンフォ。
鳥の鳴き声を聴きながら日だまりでまどろむような、そんな優しい気分になれる作品です。
CD2枚組みで曲も長いが何度でも聴きたくなる。メロディ派は必聴。マイスペでチェックすべし!
メロディアス度・・10 繊細度・・9 素朴度・・9 総合・・9
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MOON SAFARI「Lover's End」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ムーン・サファリの2010年作
前作の2枚組アルバムが泣くほど素晴らしかったのだが、今作も繊細な叙情美が
素晴らしい傑作となった。やわらかなヴォーカルハーモニーと、美しいピアノとシンセワーク、
そして、ロイネ・ストルトかアンディ・ラティマーかという泣きのギターフレーズ、
涼やかな北欧の風を運ぶようなこの耳心地の良さには、またしてもうっとりとなる。
誤解を恐れずにいえば、かつての70年代のヒッピー世代におけるユートピア志向を、
感動的なまでの叙情性を込めて、心温まる青春偶像ドラマに仕立て上げたというべき、
ちょっぴり甘酸っぱい思い出を脳裏に甦らせるような、どこかなつかしいメロディがたまらない。
フラキンファンもきっと泣く。優しい叙情に感動。北欧繊細系シンフォニックの大傑作。
メロディアス度・・9 繊細度・・9 青春度・・9 総合・・9
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MORTE MACABRE「Symphonic Holocaust」

ANEKDOTENLANDBERKが合体したユニット、モルト・マカブルのアルバム。1998作
元はホラー映画のために作られたサントラということだが、
のっけから壮大にメロトロンが鳴り響き、ほぼANEKDOTEN状態。
ヴォーカルのないインスト作ながら、薄暗い叙情と不穏な空気に包まれたサウンドは
雰囲気ものとしてはなかなかのもの。生々しいドラムと即興的なギターの音も
なかなか恐ろしげで、メロトロンの音をこうも恐ろしく使っているのが面白い。
中盤はいかにもサントラ的な曲もあるが、17分を超えるラストのタイトル曲は圧巻の仕上がり
シンフォニック度・・7 薄暗度・・9 メロトロン度・・8 総合・・8
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MOTORPSYCHO「Little Lucid Moments」

ノルウェーのロックバンド、モーターサイコのアルバム。2008作
デビューは1991年というキャリアの長いバンドながら、日本ではあまりメジャーでないのが不思議。
前作「Black Hole/Blank Canvas」は彼らの作品にしてはドライでストレートな作風であったが、
本作は正式にドラマーを迎えて作られたということもあり、再び心地よいアンサンブルの妙が聴ける。
サイケ、ガレージロック的な生々しさと、抜群の演奏力からくる余裕ある軽やかさで、
大曲におけるビジョンの描き方はプログレ、ポストロック的な深みを感じ取れる。
レイドバックしたような古き良きロックのたたみかける勢いの良さと、自然体の浮遊感が合わさり、
知性的な構築と即興のバランス、甘すぎない叙情を含んだ、一体感の感じられる傑作だ。
壮大度・・8 古き良きロックの塊度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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MOTORPSYCHO「Heavy Metal Fruit」

ノルウェーのベテランロックバンド、モーターサイコの2010年作
前作「Little Lucid Moments」は、じつに素晴らしい出来だったのだが、
本作では、タイトルのように、よりヘヴィなアプローチを効かせた音作りになっている。
絡みつくようなヘヴィなギターに、メロトロンを含むシンセによるシンフォニックさが加わると
ANEKDOTENばりの重厚なシンフォニックサウンドに包まれる。もちろん彼らの持ち味である、
アンサンブルとしての一体感とサイケロック的な浮遊感覚もあり、自由度のある「ユルさ」を含めた
壮大さとメリハリも魅力となっている。大曲におけるじわじわくる盛り上がりは感動的ですらある。
北欧プログレ、北欧サイケ、北欧ポストロック…なんでもいいので、とにかく聴いていただきたい!
壮大度・・8 サイケ/プログレ度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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Mr Brown「Mellan tre ogon med Mr Broun」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ミスター・ブラウンのアルバム。1977作
これまでCD化されていなかったが、幻の傑作というにはいささか地味な内容。
北欧らしい繊細なメロディと、ピアノやハモンドなどが美しいサウンドで、
耳触りのよい雰囲気は初期のDICEなどに通じる質感もある。
これといった盛り上がりやひっかかりのあるメロディなどは少ないが、
アコースティックギターやフルートなどによるしっとりとした叙情はじつに美しい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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THE NEW GROVE PROJECT「FOOLS JOURNEY」

THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトパル・リンダー、さらにはENGLANDのドラマーが参加した
プロジェクトバンド、ザ・ニュー・グローヴ・プロジェクトのアルバム。1997作
メンバーがメンバーなだけに物凄いシンフォニックな音かと思いきや曲の雰囲気は意外と素朴で、
素直な流れるようなサウンド。無理に盛り上げようとはしていない分、さわやかさや雄大さ、
自然体の心地よさが伝わってくる。ロイネのギター、P.リンダーのKeyはさすがに流麗かつハイセンス。
ENGLANDのドラマーもさすがに見事な腕前で、全体としてのびのびとした演奏で楽しませてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 のびのび度・・9 総合・・7.5
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THE NEW GROVE PROJECT 「BRILL」

ENGLANDのドラマーやパル・リンダーらを中心にしたプロジェクトバンド、
ザ・ニュー・グローヴ・プロジェクトの2作目。2004作
前作ではロイネ・ストルトも参加していて話題になったが今作は不参加。
美しいピアノや、北欧らしい清涼感のあるシンセによるインストをメインに
決して大仰にならない、どこか牧歌的な雰囲気がただようサウンドで、
派手さはないがどこか聴いていてなごめるようなアルバム。
PLPよりはやや控えめながらも、パル・リンダーのシンセワークがやはり効いていて、
全体的な完成度はややラフな印象だった前作よりも高い。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 ゆったりなごめます度・・8 総合・・7.5
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Nordagust「In the Mist of Morning」

ノルウェーのシンフォニックロック、ノルダガストの2010年作
結成は90年代とけっこう古いらしいが、満を持してのデビュー作となった。
ギターにシンセ、ヴォーカルをこなすダニエル・ソルヘイムを中心にした3人組で
うっすらとしたシンセ、メロトロンなどをバックにゴシック的なダークな世界観で聴かせるサウンド。
ゲスト参加のMADDER MORTEMの女性Voがスキャット的な声を加えていて、
幻想的でミステリアスな雰囲気を盛り上げる。同郷のWHITE WILLOWあたりにも通じる作風で、
ギターの土着的な旋律はANGLAGARD的でもある。暗がりの叙情をまとった北欧ゴシック・シンフォだ。
シンフォニック度・・8 ダークな叙情度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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Opium CartelNight Blooms」

WHITE WILLOWのギター、Wobblerのシンセ奏者、元ANGLAGARDのドラマーらが参加した
シンフォニックロックバンド、オピウム・カルテルのアルバム。2009作
またレトロな北欧プログレの猛者が集結したものだが、サウンドの方はゆったりとした曲調に
ほの暗い質感で聴かせる、いわゆるポーキュパイン系といえるもの。
牧歌的なアコースティックギターに、フルート、そしてほのかにメロトロンが鳴りつつ、
倦怠ぎみの男ヴォーカルが歌を乗せる。美しい女性ヴォーカルで聴かせる曲も含めて、
やはり北欧からしか出て来ないような、ロハスな叙情というものに包まれた作品だ。
ほの暗度・・8 プログレ度・・7 ゆったりメロウ度・・9 総合・・8
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OPUS EST「OPUST」
スウェーデンのポンプロックバンド、オパス・エストのアルバム。1983作
サウンドは北欧的な叙情よりは、むしろけっこうバタバタしているサウンドで、
80年代という微妙な時期ということもあり、やはりGENESIS系ポンプロックの質感が強い。
メロディアスでキャッチーな楽曲と、ややハードめの曲が混在しており、
アルバム全体の完成度としてはさほどでもないが、
バックの美しいシンセなどにはやはり北欧らしい透明感がある。
メロディアス度・・7 北欧度・・7 楽曲・・7 総合・・7


OVERHEAD「ZUMANTHUM」

フィンランドのシンフォプログレバンド、オーバーヘッドの1st。2002作
基本はGENESIS系だが、そこに北欧的な叙情とメロディセンス、それに
DREAM THEATER以後の構築性とリズムアプローチを付加した雰囲気。
メンバーはみな若そうだが、安定した演奏としっとりとしたメロディアスな部分には
まるでベテランバンドのような落ち着きと余裕とが感じられる(@からして20分の組曲だし)
ロックとしての陽性の跳ね方にはTRANSATLANTIC的なものもあり、
多くのシンフォニックファンが楽しめるサウンドだろう。バンドのサイトで試聴可能。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 軽快&北欧度・・8 総合・・8

OVERHEAD「METAEPITOME」

フィンランドのシンフォプログレバンド、オーバーヘッドの2nd。2004作
今作ものっけから19分の大曲。2作目にして音には自信と余裕すら感じられる。
レトロでありながらも現代的というTRANSATLANTIC(NEAL MORSE)系の感覚はいっそう顕著になり、
キャッチーなメロディセンスとGENESIS系のたおやかシンフォの要素を上手く融合させている。
楽曲におけるダイナミズムの付けかたがこなれてきたせいで、流れの中でドラマティックなメリハリがあり
もともと高かった演奏レベルでの表現力もぐんと上がっている。
こうなったら北欧のTRANSATLANTIC/SPOCK'S BEARDという存在でさらに大きくなっていって欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「And We're Not Here After All」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、オーバーヘッドの3rd。2008作
前作までは北欧版TRANSATLANTICという雰囲気の軽快なサウンドだったが、
今作ではぐっとメロウな雰囲気が増し、ゆったりとした質感に、ほのかな薄暗さと
モダンさを折り込んだ音作りになっている。7分〜11分の大曲をメインに
派手な展開よりはゆるやかに流れてゆく構成で、なかなか耳心地がよい。
シンフォニックロックとしての密度は落ちたが、スタイリッシュな聴きやすさと
北欧的な叙情性はそのままに、センスよくまとめられた好作といえる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・8
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OVERHEAD「Live After All」
フィンランドのシンフォニックロックバンド、オーバーヘッドのライブアルバム。2009作
これまでに3枚のアルバムを出し、実力的にもそろそろ北欧シンフォの中堅になりつつある。
本作は2009年のポーランドでのステージを収録。3rd「And We're Not Here After All」からの曲をメインに、
しっとりとしたシンセワークやフルートなどで、メロディアスでゆるやかな叙情を聴かせる演奏が楽しめる。
サウンド的には、最近のバンド特有の翳りのあるメロウなやわらかさが前に出ていて、
SATELLITERiversideなどポーランドのバンドにも通じる感触もあるが、
2nd以前の曲の方がキャッチーなシンフォニック性が残っていて好みだったりする。
シンフォニック度・・7 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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PAATOS「TIMELOSS」

スウェーデンのシンフォバンド、パートスの1st。2002作
ANEKDOTEN的な(つまりはCRIMSON的な)メロトロンが鳴り響き、
少々サイケ風のキュートな女性Vo(チェロ奏者兼)が歌い出す。
静寂パートではWHITE WILLOW的な静謐感がただよっていて、
この寒々しい雰囲気はやはり北欧からしか出て来ないようなサウンド。
全5曲40分弱というのが物足りないのと、ラストの大曲でジャジーかつアヴァンギャルドに
暴れるのが好みの分かれるところか。LANDBERKのメンバーも参加している。
シンフォニック度・・7 静寂叙情度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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PAATOS「KALLOCAIN」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パートスの2nd。2004作
ANGLAGARDWHITE WILLOWらと比べられ話題を呼んだ前作につづく作品である。
やはり前作に感じられた70年代風のやわらかみと、北欧独自の薄暗さはそのままに、
今回は女性Voの歌唱を前に押し出した、アンビエントな部分が加わっている。
プログレといわれるともの足りない気はするが、このしっとり路線も悪くはない。
効果的に使用されるメロトロンも良い。女性Voものゴシック風プログレとしてはなかなか。
限定版DVD付きには、このバンドのライブ映像も楽しめる。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PAATOS「silence of another kind」

スウェーデンの女性Voシンフォバンド、パートスの3rd。2006作
ゆるやかなメロトロンの調べとたゆうたような女性ヴォーカル…
北欧らしい寒々しさと倦怠を感じるサウンドは、音数はシンプルで一聴して地味な印象だが、
内的な強度…というか彼らの目指す「密度を減らした薄暗い叙情の表現」という意味では
いままでのアルバムよりもむしろ徹底しており、ほぼ完全に成功しているといっていい。
昨今のPORCUPINE TREE系サウンドにも通じるつかみ所のなさが、
好きな者にはたまらず、嫌いなものには退屈とも感じられるだろうが、
この鬱屈した美意識を生み出せるのは北欧ならではなのは確かだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧的薄闇度・・9 総合・・8
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Paatos「SENSORS」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パートスのライブアルバム。2007作
元はLPのみでの販売だったもので、2006年のツアーからオランダ、ドイツ、フランスでの演奏を収録。
これまでにアルバム3枚を発表し、そのレトロな懐古性と北欧ロックの原初的な翳りを
閉じ込めた作品で、シンフォファンから注目されているこのバンド。
このライブ作でも、アルバム以上に伸びやかな歌声を聴かせるペトロネラ嬢の歌唱と、
バックに鳴り響くメロトロンが幽玄な世界観を作り上げている。
ゆるゆかな中にも内に秘めた情感を感じさせる演奏だ。CD盤はボーナス2曲入り。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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PaatosBreathing」

スウェーデンの女性ヴォーカル・シンフォバンド、パートスの2011年作
前作から5年ぶりとなる4作目で、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と
どこかアンニュイな薄暗さで聴かせる独自のサウンドはこれまで通り。
とことなく、後期のThe Ghateringを思わせるような倦怠感とともに、
メロトロンが鳴るANEKDOTEN風味の北欧プログレ要素がゆるやかに混ぜ合わさり、
さりとて決して濃い口にならないクールさもまたこのバンドの魅力だろう。
シンフォニック度・・7 薄暗叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PaidarionHauras Silta」 

フィンランドのシンフォニックロックバンド、パイダリオンのアルバム。2009作
たおやかなフルートの音色に女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるシンフォニック。
母国語による歌唱も含めて、土着的な雰囲気がサウンドのやわらかさとなっていて、
メロウなギターにシンセを加えた幻想的な作風はとても耳心地がよい。
一転してサックス入りの曲では、ジャズロック的なアンサンブルを聴かせるなど
曲調にややとりとめがないのだが、男女ヴォーカルによる牧歌的なプログレという点では
なかなか楽しめる。ただ個人的には女性声を全面に出した作風を期待したいが。
シンフォニック度・・7 しっとり幻想度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Paintbox「bright gold and red」

スウェーデンの女性Voロックユニット、ペイントボックスのアルバム。2008作
ISILDURS BANEのFredrik"Gicken"Johanssonと、女性シンガーLinne Olsson嬢を中心にしたユニットで、
サウンドはアコースティカルでアンビエントな雰囲気の歌もの。ゆったりとした素朴な楽曲は
プログレでもシンフォでもないが、EPHEMERAあたりに通じるやわらかなロハスな感覚と、
うっすらとしたシンセやチェロなども加わった、北欧らしい翳りある叙情が耳に優しい。
ゆったりと心地よくまどろめる女性ヴォーカル作品です。
メロディアス度・・8 素朴度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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PAR LINDH PROJECT「GOTHIC IMPRESSIONS」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの1st。1994年作
今や北欧シンフォを引っ張る存在となったPLPの名作のエディションバージョンで、
一部ヴォーカルパートが変えられたり、バックの混声合唱パートや
メロトロン、キーボードパートが大幅に追加されたりしている。
もともと、この作品は荘厳な、北欧シンフォニックの金字塔的作品だったので
それがさらにクリアーな音質と、大仰さをともなって甦ったわけだ。
美しく響くキーボード、北欧独特のもの悲しいメロディと薄暗い叙情美、
幽玄なるパイプオルガンの響き、ゲストによるたおやかなフルートなどもじつに美しい。
北欧シンフォとしてはまず外せない一枚。世界的に見てもド級のシンフォニック作品である。
シンフォニック度・・9 荘厳度・・10 北欧度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り

PAR LINDH PROJECT「MUNDUS INCOMPERTUS」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの2nd。1998作
1st「Gothic Impressions」は管弦楽、チャーチオルガン、合唱隊などを配したド級のシンフォニック作で、
初めて聴いたときは大変な衝撃だった。多数のゲストを集めたソロプロジェクト的な作品だった前作に比べ
本作では女性ヴォーカルを含む5人編成でのバンドサウンドとなって、前作の壮麗さに加えて
よりロックとしての躍動感がそなわった作品となった。メロディはクラシカルでありながらもキャッチーで
音に難解なところがなく、聴いた瞬間から濃密なシンフォニックロックとして完全に楽しめるという点も魅力。
楽曲を彩る女性ヴォーカルの歌声や、メタルドラマー並に手数の多いツーバスドラムも聴きどころ。
26分の圧巻の組曲を含めて、1990年代を代表するシンフォニックアルバムのマスターピースのひとつである。
シンフォニック度・・9 ダイナミック度・・9 キーボー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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PAR LINDH PROJECT「LIVE IN AMERICA」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パーリンデ・プロジェクトのライブアルバム。CD2枚組。
やりすぎとも言えるド級の壮大キーボードシンフォを打ち鳴らすこのバンドだが、
ライブにおいてもその志は変わらず。音数はいささか減るが、それを補ってあまりあるメンバーのプレイ。
パー・リンデの多彩なKEYワークはもちろんのこと、マグダレーナ嬢のVoもアルバム以上に魅力的。
そしてやかましいまでにハードロック的な手数の多いドラムと、各プレイヤー熱のこもった演奏。
コッテコテで大仰、クラシカル、ファンタジック。なのにさほどくどさを感じないのは北欧というお国柄か。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 演奏・・8 総合・・8
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PAR LINDH PROJECT「VENI,VIDI,VICI」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの3rd。2001作
THE FLOWER KINGSと共に、今や北欧を代表するバンドとなった彼らの作品は、
毎回中身の濃いものだが、このアルバムも期待を裏切らない内容となっている。
荘厳なイントロに続くのはかつてのELPもかくやというキーボードサウンド。
しかしクラシックの基盤に裏打ちされたパル・リンダーのシンセワークは、
ただの物真似には終わらず、フレーズの一つ一つに説得力がある。
また、手数の多いドラムもメタル的なツーバスなどを使ったりと面白い。
毎回オーケストラやストリングスなどのゲストで分厚い音を作り出す彼らだが、
今回は基本的にはバンドでの演奏というものにこだわっているようで、音数は意外にシンプル。
ヴァイオリンも弾きこなすマグダレーナ嬢のVoが曲にアクセントをつけている。
全体としてクラシカル、シンフォニックでありながら北欧らしさを失っていないのが素晴らしい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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PLP「LIVE IN ICELAND」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、PAR LINDH PROJECTのライブアルバム。2002作
今やTHE FLOWER KINGSとともに北欧シンフォニックの第一人者、パル・リンダー率いるこのバンド。
3rd「VENI,VIDI,VICI」でハードかつバロック的なシンフォサウンドを確立させたが、
その演奏はライブにおいても熱情的なダイナミズムを損ねていない。
パル・リンダーのキーボードは言うに及ばず、手数の多いドラム(ツーバス)のプレイや
ツアーメンバーであるギターも効果的に曲に彩りを添えているし、
ヴァイオリンもこなすマグダレーナ嬢の歌唱は、北欧的なけだるげな情感を曲にもたらしている。
全盛期のELPのごとき攻撃性と、優雅なクラシカルさとを北欧テイストで包み込んだ音、である。
数々のライブをこなし、バンドとして円熟されてきたこの大仰シンフォバンドの現在系のライブ。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Par Lindh Project「In Concert-Live in Poland」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトのライブアルバム。2009作
90年代にデビューし、The Flower Kingsとともに北欧のシンフォニックシーンを牽引してきた彼ら、
ライブアルバムとしてはこれが2作目となり、2007年のポーランドでのステージを収録している。
一曲目から“はげ山の一夜”でELPばりのクラシカル・キーボードプログレを聴かせる。
パル・リンダーの鍵盤さばきは、エマーソンほどにテクニカルではないものの、
彼の奏でるメロディには北欧のアーティストらしい温かみが感じられる。
ただトリオのみでの演奏は、やはりアルバムのサウンドに比べると音が薄いのだが、
そこも含めてローカルなキーボードロックとして聴けば楽しめる。同タイトルのDVDもあり。
クラシカル度・・8 キーボー度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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PAR LINDH PROJECT「Time Mirror」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの2011年作
90年代にデビュー、The Flower Kingsとともに北欧のシンフォニックシーンを牽引してきたPLP、
Voのマグダレーナ嬢の死を乗り越え、スタジオアルバムとしては10年ぶりとなる復活作である。
いきなり17分の大曲で幕を開け、ムーグシンセを使用した時代的なキーボードプログレが全開、
クラシカルかつ荘厳なPLPサウンドに翳りなしである。チャーチオルガンの音色とともに、
1st「Gothic Impressions」に回帰したような雰囲気で、ヴォーカルが加わったことで聴きやすさも増した。
いまとなってはいくぶん古めかしさもあるが、北欧版TRACEというような鍵盤プログレが堪能できる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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PAR LINDH & BJORN JOHANSSON「Bilbo」

スウェーデンのミューシシャン、パル・リンダービヨルン・ヨハンソンによるアルバム。1996年作
トールキンの「指輪物語」の一作「ホビットの冒険」をコンセプトにした作品で、北欧らしい寒々しい叙情美と
フルートやクラリネットなどのアコースティカルな繊細さに、シンフォニックな美しさが加わった傑作。
中世的なチェンバロの音色や、荘厳なパイプオルガンなど、PLPとしての1作目である「GOTHIC IMPRESSIONS」
通じる雰囲気もあり、薄暗い叙情性と幻想美にうっとりだ。また、北欧トラッド的なメロディを散りばめているところが
いかにもBJORN JOHANSSONらしい。PLPのマグダレーナ嬢がヴォーカルで参加、ファンタジックな世界観に華を添えている。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8
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PAR LINDH & BJORN JOHANSSON
「DREAMSONGS FROM MIDDLE EARTH」


北欧シンフォニックの名コンビ、パル・リンダービヨルン・ヨハンソンによる2004年作
前作「BILBO」に続き、今回もトールキンの「指輪物語」をテーマにしたコンセプト作。
ギター、マンドリン、ブズーキ他、トラッド楽器もこなすビヨルン・ヨハンソンの作曲能力と
マルチミュージシャンぶりは、彼のソロ作「DISCUS URSI'S DUI」で証明済み。
一方、 PLPでは弾きまくりのバロックシンフォをやっているパル・リンダーだが、
ここではやや抑え気味にしっとりとしたピアノ、キーボードを聴かせてくれる。
ストーリーにそって、曲はゆったりと、たゆたうように流れてゆき、北欧トラディショナル的な
やわらかなメロディが耳に心地よい。アコースティカルで清涼感のあるシンフォサウンド。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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Pekka Pohjola「B the Magpie」

フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの1974年/2010年リマスター
WIGWAMのベーシストとしても知られるペッカの2枚めのソロアルバムで、
「Harakka Bialoipokku/ カササギ鳥の一日」という別題もついている。
クラシカルなピアノの小曲で幕を開け、WIGWAMに通じるジャズロック色と
優雅さを兼ね揃えた軽妙なサウンド。叙情的なサックスの音色が重なりつつ、
アカデミックな知的さと演奏力がありながらもどこかとぼけたような味わいはペッカならでは。
次作「The Mathematician's Air Display」に比べるとジャズ色の強い作品である。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Pekka Pohjola「The Mathematician's Air Display」

フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの1977年/2010年リマスター
WIGWAMのベーシストとしても知られるペッカの3枚めのソロアルバムで、
マイク・オールドフィールド、サリー・オールドフィールドが参加していることでも知られる。
ジャケはUKヴァージン盤のもので、タイトルは「数学家の空中広告」、
北欧らしいメロウなギターと、シンセを中心にした、メロディックなジャズロックで、
素朴な叙情の中にも、どこかとぼけた味わいがあるのがいかにもペッカらしい。
土着的なメロディが美しいタイトル曲や、15分の大曲など聴きどころも多い傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLAUrban Tango

フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1982年作
「都会のタンゴ」という、いかにも洒落っけのあるタイトルだが、サウンドの方も
クラシックやジャズなどの古き良き作曲理論と、ペッカ特有のとぼけた味わいも含んだ
現代的なモダンさを上手く融合させたもので、ボーナスを除く4曲は9分〜15分という大曲。
プログレッシブな知的さを随所に覗かせつつ、派手さよりも繊細さとユーモアに富んだ楽曲は、
哀愁をただよわせたメロディと、ギターによるロック的な躍動感、アンサンブルが心地よい。
“New Impressionist”、“Heavy Jazz”といったペッカ自身も気に入っている曲を含んだ好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アンサンブル度・・8 総合・・8
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PEKKA POHJOLASpace Waltz」

フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1985年作
美麗なシンセに彩られた繊細な叙情でやわらかに聴かせる傑作。
歌うようなペッカのベースに、メロディアスなギターがかぶさり、
しっとりとしたシンフォニックな聴き心地に思わずうっとりとなる。
独特のコミカルな味わいも含めて、力の抜けた自然体のサウンドはあくまで優しく、
プログレ/シンフォニックとしての要素なら、ペッカの作品中でも3本の指に入るだろう。
タイトル曲はもちろん、13分を超える“Risto”もじつに美しい。80年代の傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・9 総合・・8.5
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PEKKA POHJOLA「Changing Waters

フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラの1992年作
美しさと繊細さ、芸術性が極まったペッカを代表する傑作。
北欧の涼やかな風を感じさせる繊細なピアノで始まり、優しくやわらかな情感と、
ほのかなユーモアに包まれたサウンドには、ただうっとりと聴き入るのみ。
プログレ、シンフォニックなどという言葉ではとても表現しきれない、
人間ペッカの作品…その暖かく、はかなく、優美な旋律には感動を覚える。
静かな情緒がじわじわと心を満たしてくれる。これが芸術家の音楽である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 繊細度・・10 総合・・8.5
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PEKKA POHJOLA「Pewit」

フィンランドのアーティスト、ペッカ・ポーヨラのアルバム。1997年作/邦題は「タゲリ島の不思議な旅」
WIGWAMのベーシストという肩書を持つ、ペッカは間違いなくフィンランド最高の音楽家の一人である。
ジャズ、クラシックをプログレッシブに解釈し、独自の人間哲学を自然なやわらかさで音に反映させるサウンドは、
優しく、人間的で、そして深い。決して派手ではないのだが、彼の作品には芸術の魂が存在している。
このアルバムも、前作「Changing Waters」、次作「VIEWS」と並ぶ傑作であり、代表作というべき一枚となった。
1曲めからして、シンフォニックな味わいと、どこか北欧の黄昏を感じるような叙情が絶品で、
メロウなギターと繊細なピアノ、キーボードにより、楽曲はゆるやかな盛り上がりを見せてゆく。
“平凡な音楽”などとシニカルに題されたラストは19分の大曲で、ときにアヴァンギャルドな側面を見せながら、
鳴り渡るドラムを空間的なシンセが包み込んでゆき、ラストはむせび泣くギターも加わってゆく。
シンフォニック度・・8 雄大度・・8 内的芸術度・・9 総合・・8
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PEKKA POHJOLA「VIEWS」

フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの2001年作
シンフォニックでジャズでプログレ…時代に流されない素敵な作品を生み出し続けている
天才肌のアーティスト、ペッカ。「CHANGING WATERS」「タゲリ鳥の不思議な旅」といった
素晴らしいアルバムたちと同様に、今作もしっとりとした上品で繊細なアルバムだ。
壮麗なオーケストラを配し、北欧らしい涼やかな叙情とともにゆるやかに盛り上がりを見せる楽曲は
クラシックを素養にしたアカデミックさと、人間的な温かみの両方を内包し、じわりと静かな感動を呼ぶ。
本物の音楽家が作り出す音楽…そして人間ペッカの心の音楽がここにある。
ゆったりと自然体でありながら、ダイナミズムとリリシズムが合わさったシンフォニックアルバムだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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THE PHASE「REVIEWS」
フィンランドのプログレバンド、フェイズのアルバム。2007作
詳細は不明だが、ギター/ヴォーカル、ベース、ドラムという3人組みで、
本作は1998年〜2007年までに作られたマテリアルであるらしい。
堅実なアンサンブルと、キャッチーな歌メロで聴かせるサウンドは、
プログレというよりはややレトロなメロディアスロックという趣で、
白クマのジャケほどには音のインパクトはないが、ゆったりと楽しめる。
ときおり聴ける北欧的な透明感のある叙情もなかなか耳心地がよく、
むしろキャッチーなプログレハード的な曲がいい感じである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・7 総合・・7.5


PICTORIAL WAND 「A sleeper's awakening」

ノルウェーのシンフォニックロックユニット、ピクトリアル・ワンドのアルバム。2006作
ジャケからして自主制作っぽいが、チェロやフルートに男女8人のVoを含む大編成によるCD2枚組み大作。
のっけから、フルートとアコースティックギターの響きが美しく、物語的な語りから曲に入ると
シンフォニックなキーボードにややメタリックなギターも加わり、民族的なゴシックシンフォというサウンドになる。
WDのタタキでは「ゴシック版AYREONとも記されていたが、ナレーション入りのストーリーを配した壮大な作風と
ファンタジックな雰囲気は確かに重なる部分があり、それに加えて北欧フォークロワ的な要素も耳に心地よい。
メタリックな要素もうるさすぎない程なので、ハードめの北欧シンフォとしても聴け、
アコースティカルな静寂パートからシンフォニックパートへの切り返しなども効果的。
内ジャケのダークで幻想的なイラスト群も含めて、ファンタジー作品としての構築には相当気合が入っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Pictorial Wand「Face of Our Fathers」

ノルウェーのシンフォニックロックユニット、ピクトリアル・ワンドの2nd。2009作
前作はCD2枚組みの大作で、北欧版AYREONともいうべきドラマティックな作品であったが、
今作も物語的なストーリィのあるファンタジックなコンセプト作となっている。
ギター、ベース、シンセをこなすMattis Sorum氏を中心にして、フルート、チェロ、ヴァイオリン、
そして配役にしたがって男女2名ずつがヴォーカルをとるという大所帯の構成で、
北欧的な叙情とともにゴシック的な薄暗さもあるシンフォニックロックを展開する。
楽曲には前作以上にメリハリがあって、土着的でもったりとした部分と
プログレとしてハードに盛り上げる部分とが、上手く噛み合わさっている。
幻想的なシンフォニックロック、北欧的な世界観が好きならチェックすべし。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Positive Wave

フィンランドのプログレバンド、ポジティブ・ウェイブの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を中心に、70年代的なポップなレトロさで聴かせるサウンド。
ブルージーな味わいのギターとサイケ気味のヨレ加減がとても今のバンドとは思えない感じで、
それが北欧トラッド的な土着風味と合わさって、そのユルめの感触がなかなか面白い。
サックスが加わるとジャズロック的な雰囲気にもなったりと、ややとりとめがないが、そこが魅力か。
プログレ度・・7 ゆる系度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5




QOPH「Pyrola」
スウェーデンのロックバンド、クォフのアルバム。2004作
メンバーはG、B、Dr、Voのオーソドックスな4人組で、肝心の音の方は一筋縄ではいかない、
どちらかというとプログレというよりは、サイケやアシッドといった言葉が最初に浮かぶ。
古いのか新しいのか、一聴しただけでは判別しずらい音だ。
おそらくライブではインプロやジャムのノリで熱い演奏を繰り広げそうな、
そんな自然体のスタイルと楽しさとが伝わってくるようだ。
曲によってはキャッチーでポップですらあるメロディも出てくるが、
多面性のある音の表情からはポストロック的な広がりも垣間見える。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 雑食度・・8 総合・・7.5
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RAGNAROK「RAGNAROK」

スウェーデンのアコースティック系シンフォニックバンド、ラグナロクの1st。1976作。
アコースティック系といってもエレキギターも使っているが、要は雰囲気がたおやかなアコースティック風。
涼しげなフルートの調べ、透明感のある静かなメロディの曲に耳を傾けると、
バンド名同様、ゆったりとした暮れなずむ北欧の黄昏が目に浮かぶようだ。
メロディアス度・・8 ゆったり度・・9 北欧度・・9 総合・・7.5
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RAGNAROK「PATH」

スウェーデンのプログレバンド、ラグナロクの復活作。2008作
70年代に活動していたこのバンドが地味に復活。かつてのアルバムがどんな音だったのか
もう手元にCDかせないので思い出せないが、本作で聴けるのはアコースティカルで
素朴な叙情のゆったりとしたサウンド。いかにも北欧的な土着性を感じるギターフレーズや
サイケ的なゆるやかな浮遊感などとともに、のんびりとしたインスト演奏を楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ゆったり北欧度・・8 総合・・7.5
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RETROHEADS「Retrospective」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、レトロヘッズのアルバム。2004作
Vo、Key、G、Bを一人でこなすTore Bo Bendixenを中心としたバンドで、
インストメインの流麗かつたおやかなシンフォサウンドを作っている。
CAMELTFKのロイネ・ストルトかというようなメロウなギターが心地よく、
まるでフラキンのメロディアスな部分を取り出したような印象。
北欧らしい涼やかな叙情に、温かみのある少し素朴なメロディが耳に優しい。
北欧シンフォ好きはツボを突かれることうけあいの一作。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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RETROHEADSIntrospective
ノルウェーのシンフォニックロックバンド、レトロヘッズの2nd。2006作
いかにも北欧シンフォ然とした1stもなかなか良かったが、
今作ではキャッチーで分かりやすいプログレハード的な部分が増している。
レトロなハモンドの音色に、ややブルージーでハードめのギターが合わさり
サウンドにはロック的なメリハリがつけられているのでとても聴きやすい。
もちろん北欧シンフォニック特有のメロトロン入りの叙情美もあり、
歌メロに重なる女性声入りのコーラス隊とともにメロディアスに聴かせる。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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RITUAL

スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの1st。1996作
基本はG、B、Dr、Keyという4人組で、、テクニカルでメロディアスなプログレをやっている。
KAIPAでも歌うPatrik Lundstormの歌唱を中心に、北欧的な牧歌的メロディと
ウィットに富んだキャッチーさをもちつつ、ときにテクニカルにも聴かせるというサウンド。
マンドリンやブズーキ、ハンマー・ダルシマー、リコーダーなど、土着的な要素も織りまぜつつ
シンフォニックに盛り上げたかと思えば、軽やかな切り返しで着地したりと、力の抜け具合も楽しい。
バンドは2nd以後、若干ハードでラフな方向に行ってしまうが、そういう点ではバランスのとれた今作は
90年代北欧シンフォニックの新世代を象徴するようなアルバムといってよいかと思う。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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RITUAL「Think Like a Mountain」
スウェーデンのプログレバンド、リチュアルの3rd。2003作
1996年に出たデビュー作は北欧のバンドらしいメロディセンスと高い演奏力が合わさった
なかなかの傑作だったが、続く2ndではドライな音楽性に方向を変え、それは今作も同じ。
普遍的なロック性を増したギター主導のスタイルは、もはやシンフォニックとは呼べないが、
現在はKAIPAでも歌うPatrik Lundstormの歌唱には、やはりどこか北欧らしい人懐こさがあり、
曲にはときおり民族的な色合いも感じられてこれはこれで悪くない。根っからのプログレファンには
評価の難しいアルバムかもしれないが、演奏力の高さと気取らない自然体の音楽性には好感が持てる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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ROINE STOLT「The Flower King」

今ではバンドとしてのThe Flower Kingsを率いるロイネ・ストルトだが、
そのTFKへとつながるのが、1994年に発表したこのソロ名義のアルバムである。
個人的にもかつてのKAIPAを愛していた自分にとっては、長き沈黙を破って
ロイネがシンフォニックロックへと帰って来たことが嬉しかったし、それだけに
このアルバムの素晴らしさには当時いたく感激した。とくに1曲めのタイトル曲の
泣きのギターフレーズとキャッチーなヴォーカルメロディは、この後のフラキンへの
大きなイメージとなった、それだけの名曲である。全体的にはプログレというよりは
メロウなロックという趣ではあるが、20分の大曲など後の作品につながる大作思考もあり、
ともかく、ここに花王が誕生したという歴史的意義の大きな作品である。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 ロイネのギター度・・9 総合・・8.5
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ROINE STOLT「HYDROPHONIA」

北欧シンフォニックの雄THE FLOWER KINGSのG、ロイネ・ストルトのソロアルバム。1998作
KAIPA解散後、長いブランクを経て、90年代に入りプログレ界に復活。
フラワーキングスを結成し、その後たてつづけにアルバムを発表、
これは彼がフラキンのアルバム発表の合間に制作したソロ作だ。なんと多作な人よ。
内容は歌なしのインストアルバム。つまりはロイネのメロディアスなギタープレイが全編楽しめる。
自身ギター以外にベース、キーボードも弾きこなす。基本は盛り上がり形シンフォニックだが、
ときにジャジーに時に繊細に鳴り響くロイネのギターは、それだけでひとつの表現者たりえている。
北欧的叙情メロディは70年代彼自身か在籍したKAIPAの音を思わせ、また
パッショネイディブな時の熱いプレイは、オランダの名バンドFINCHをも想起させる。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 楽曲度・・8 総合・・8
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ROINE STOLT「WALL STREET VOODOO」

THE FLOWER KINGSロイネ・ストルトのソロ作。2005作
ソロ名義のアルバムということでは1998年の「HYDROPHONIA」以来だと思うが、その間、
TFKの他、TRANSATLANTICTHE TANGENTと、まさにプログレ界では八面六臂の活躍ぶり。
さて、今作だがCD2枚組みの大作で、ウォール街を舞台にした物語的なコンセプト作らしい。
音のほうは、プログレでシンフォニックなものを期待すると肩すかしを食う、
肩の力が抜けたジャズロック風の雰囲気で、TFKの新ドラマーMarcus Liliequistや、
おなじみのNeal Morseも参加。全体的にリラックスした大人のコンセプトロック作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 大人のロック度・・8 総合・・7.5
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RUPHUS「NEW BORN DAY」
ノルウェーのプログレバンド、ルーファスの1st。1973作
個人的に北欧シンフォでは、KAIPADICEより古い作品にはあまり魅力を感じない。
それはやはり70年代前半の北欧シーンにおける機材や録音の厳しさと、
この時期のバンドの粗削りな演奏や曲アレンジが思い浮かぶからなのだが、
このルーファスはこの当時にしてはなかなか聴けるバンドといっていい。
繊細なフルート、メロトロンと少々ジャジーなギターが合わさり、
シンフォニック性とハードロック的要素が組み合わされたサウンドだ。
曲によってはハスキーな女性Voが加わり曲に花を添えている。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・6 ジャジー度・・7 総合・・7




Zamla Mammaz MannaFamiljesprickor」

スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナの1980年作
1976年まではSamla Mammaz Mannaとして活動、その後バンドの頭文字をSからZに変えて復活。
本作はバンド第二期のラスト作にして最高傑作である。「家庭のひび割れ」と題されたタイトルやジャケも個性的だが、
サウンドの方も、土着的な民族色とテクニカルなアンサンブルが一体になった、他に類を見ない個性的なもの。
ユーモアに富んだアヴァンギャルドさは、チェンバーロック、ジャズロックなどの要素も含んでいるが、
ときに北欧的な叙情性をもかいま見せる本作は、このバンドのアルバムの中でもっとも構築させた完成度の高いものだろう。
メロディアスなギターや美しいシンセワークなど、シンフォニック的な味わいもある名盤である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 個性度・・9 総合・・8.5
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Samla Mammas Manna 「kaka」

スウェーデンのプログレバンド、サムラ・ママス・マンナのアルバム。1999作
「S」のSamla名義としては1974年の「踊る鳥人間」以来の作品。
その後頭文字を「Z」にしたZamla名義で、傑作「家庭のひび割れ」を出して解散、
1982年にVon Samlaとしての2作を発表するが、それ以降の音沙汰はあまりなく、
これが久々の再結成作となった。まるでライブを思わせるようなアナウンスで始まり、
相変わらずおちゃらけぶりににやりとなるが、演奏の方はさすがに切れ味鋭く、
タイトなリズムの上を、意外とエッジの効いたギターワークとピアノが絡み、
ラーシュ・ホルメルのアコーディオンの音色がやわらかく重なる。
哀愁のメロディや土着的な要素を折り込みながら、ときに愉快に、ときに泣きを入れつつ、
まるで年季の入ったメロドラマのような古き良き情感を聴かせてくれる。
馬鹿げたおちゃらけやアヴァンギャルドな即興を折り込みながら、
さすがベテランバンドという余裕と、かつてのサムラ節を満喫できるアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 哀愁度・・9 総合・・8
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Samla Mammas Manna「Dear Mamma」

スウェーデンの土着プログレバンド、サムラ・マンマス・マンナのライブアルバム。2002作
2002年スウェーデンでのステージを収録。日本の超絶ドラマー、吉田達也が参加していて、
その強力なドラミングとサムラの軽妙な土着的プログレサウンドが融合している。
故ラーシュ・ホルメルのキーボードに、ギター、ヴァイオリンがテクニカルに絡み、
GENTLE GIANTを思わせる絶妙の演奏と、北欧的な叙情とが合わさり、
野卑な歌声を絡めながら、一種アヴァンギャルドなサウンドを描き出している。
アヴァンギャル度・・8 ライブ演奏・・9 北欧度・・8 総合・・8
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SAVAGE ROSE「Vi Kaemper For At Sejre!」

デンマークのサヴェージ・ローズの1984年作
フォークやブルース、民俗音楽などを取り入れた独自のサウンドで、
70〜80年代のデンマークでは最も有名なバンドのひとつだった。
本作では初期の頃よりも楽曲はシンプルになり、アコーディオンの音色をバックに
歌姫、アニセッテの歌声が響きわたる。政治色の強まったメッセージ性があるようだが、
そのなにかをうったえかけるような魂の歌声は、それだけでインパクト充分。
ハスキーにして母性的、表現力豊かな感情表現、まさに天衣無縫の歌い手である。
メロディアス度・・8 哀愁度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・8.5

Savsge Rose「Kejserens Nye Klader」

デンマークのサヴェージ・ローズの1986年作
デンマークのアイス・スケート協会の依頼で製作された楽曲を収めた作品で
哀愁漂うアコースティックの音色を聴かせるインスト曲が中心の異色作。
他の作品のような重い雰囲気ではなく、北欧らしい叙情が楽しめる1枚だが、
もちろんアニセッテのハスキーな歌唱が魅力的な歌ものも素晴らしい。
プログレ度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

SAVAGE ROSE「GADENS DRONNING」

デンマークのサヴェージ・ローズの1990年作。
紅一点、アニセッテの歌唱がメインにした曲は比較的シンプルな楽曲。
オルガン、アコーディオンなどのバックに魂を振り絞るような彼女の歌唱がとどろく。
日本でいえば、カルメンマキか中島みゆきか、とにかくこの歌声はインパクト大。
ブルースなどからの下地を感じさせるその歌唱は、聴き手の魂に突き刺さり、
やさしさと強さ、すべてを飲み込んだ命の賛歌となる…人間的な命の叫びがここにある。
メロディアス度・・8 ノスタルジック度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り

SAVAGE ROSE

デンマークのサヴェージ・ローズ、韓国版のBESTアルバム。
古くは60年代から活動していたこのバンド、基本はアニセッテの魂の熱唱をメインに
アコーディオン、オルガンなどが素朴でノスタルジックな音色をそえます。
それにしてもこの歌は一聴の価値有りです。まさに命の賛歌。
メロディアス度・・8 ノスタルジック度・・9 魂の歌唱度・・10 総合・・8.5


SCARLET THREADValheista Kaunein

フィンランドのシンフォニックロックバンド、スカーレット・スレッドの2nd。2005作
ツインギターにヴァイオリン入りの5人組で、全編インストの作品になっている。
ややブルージーなギターに絡むヴァイオリンの音色にはトラッド要素が強く
ときおりKEBNEKAISEを思わせるような北欧の土着性を感じられる。
楽曲は4〜6分台で比較的コンパクト。全体的に派手な盛り上がりというものはなく、
トラッド音楽を現代的なロックフォーマットでアレンジしたという雰囲気だ。。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5
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SIENA ROOT「Far from the Sun」

スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの3rd。2008年作
70年代英国を思わせるアナログ感たっぷりのブルージーなロックサウンドに、
サイケ的な浮遊感をまじえた牧歌性をまじえて聴かせる懐古主義的作風だ。
ときおりオルガンなども使用しているがプログレ色は薄く、基本は70'sハードロックの感触。
そこにフルートなどが加わると妖しげなヘヴィサイケ風味になり、なかなかいい感じだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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SIENA ROOT「Different Realities」

スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの4th。2009年作
今作は25分の組曲が2曲という構成で、前作に比べてずいぶんプログレ風味が強まった。
70年代風味のアナログ感覚はそのままに、静かな叙情性とスケール感が増して
楽曲にはメリハリのあるダイナミズムがついてきた。そしてヴォーカルが女性となったことで、
メロウなやわらかみが北欧的な薄暗さとともに耳に心地よく響いてくる。
BEARDFISHあたりと比べると、よりサイケ気味の妖しい雰囲気が魅力である。
アルバム後半になると、パーカッションのリズムにフルートやシタールなどが乗る、
アコースティカルなトラッド&中近東サイケ風味も聴かせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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SIMON SAYS「CEINWEN」
スウェーデンのプログレバンド、シモン・セッズのアルバム。1995作
先に近作「PARADISE SQUARE」を聴いていたが、こちらは1stの自主制作らしい。
録音のせいかサウンドが若干軽いものの、音楽的方向性は同じく
GENESISの叙情性にキャッチーなポップセンスを加えて軽快にしたというもの。
バックに鳴り響くメロトロンはいかにも北欧的で、唸るようなヘヴィなベースとともに
かすかな薄暗さを楽曲にもたらしている。自主制作クラスとしてはなかなかのアルバム。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 キャッチー度・・7 総合・・7

SIMON SAYS「PARADISE SQUARE」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シモン・セッズの2nd。2002作
のっけから「いかにもGENESIS系です」というコテコテのメロディに、
この手のシンフォ好きなら、たまらずにやりとせずにはおられない。
お約束のギターフレーズ、キーボードのシンフォな鳴り方に加え、
ガブリエルを思わせるシアトリカルなヴォーカルの雰囲気も、まさに中期GENESISタイプ。
曲は割とテクニカルな部分もあり、そこが現代風なモダンな部分を感じさせる。
とにかくノリがよく音が適度に跳ねていて、コテコテシンフォになりすぎていないのがポイント。
総じて出来は良いが個性的ではない。次作あたりで素晴らしい傑作を期待したい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SIMON SAYS 「Tardigrade」

スウェーデンのシンフォバンド、シモン・セッズの3rd。2008作
GENESIS系のシンフォニックロックとして、前作もなかなかの出来だったが、
今作では曲にダイナミズムが加わって、さらによい感じになっている。
これでもかとたたみかけるシンフォニックなシンセワークを中心に、14分、26分という
大曲もドラマティックに展開させてゆく。(5曲目などはまるで“Firth of Fifth”のよう)
ガブリエルをヘナチョコにした感じのヴォーカルは好みが分かれるかもしれないが、
最近ではむしろ珍しい、恥ずかしげもないほどの堂々たるシンフォっぷりが素晴らしい。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 コテコテ度・・10 総合・・8.5
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SIMON STEENSLAND「The Zombie Hunter」

スウェーデンのマルチミュージシャン、シモン・スティーンスランドの2nd。1995作
ひとことで言うとMATS/MORGANタイプのアヴァンギャルドなチェンバーロック。
ときにヘヴィになったりもするギターに、コロコロとしたマリンバ、シンセにアコーディオンなど、
ときにサムラを思わせる和み系とおちゃらけ的な音をかもし出しつつ、変態に攻めるというサウンド(笑)
ロック的なビートではないので、変拍子といってもあまりテクニカルに聴こえないかもしれないが、
じわじわと浸食してくるアヴァンギャルドさに、にやにやしながら優雅にお茶を飲むのが正しいかと。
そして当のMATS/MORGANの二人もしっかり参加しており、彼らも楽しそうにひねくれております。
メロディアス度・・7 ひねくれ度・・8 変態度・・8 総合・・8


SINKADUS「LIVE AT PROGFEST '97」
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シンカドゥスのライブアルバム。CD2枚組
北欧らしい幽玄さを体現しているバンドとしてANGLAGARDの後継者とも期待されていて、
1st、2ndともに聴いた覚えがあるが、雰囲気はとてもよいものの曲がやや一本調子で
ダイナミックに欠けるという印象だったが、このアメリカはプログフェストでのライブ演奏はずっと良い。
北欧らしい寒々としたメロトロン、フルートの音色がアルバム以上に効果的で、
このバンドの持ち味である静寂の叙情をきっちりと表現している。
演奏の方もANGRAGALDに遜色なく、スタジオ盤よりもメリハリがきいていて良い。
メロウでほの暗い、北欧シンフォのイメージそのままの音が堪能出来る。
DISK2は1stアルバム前のデモ音源で、はっきりいって「おまけ」にしかすぎないが。
シンフォニック度・・8 北欧度・・10 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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THE SMELL OF INCENSE
「Through the Gates of the Deeper Slumber」

ノルウェーのサイケトラッドバンド、スメル・オブ・インセンスの1997年作
鳴り響くメロトロンにメロウなギターワーク、ヴァイオリンなども加わった
北欧トラッド風の土着性が耳に心地よく、美しい女性ヴォーカルもまたよろしい。
のっけから25分の大曲で、浮遊感もともなったアシッド・フォーク的な質感で聴け
ときに男女ヴォーカルの絡みや北欧シンフォ的な叙情もあるので、
意外とカラフルで飽きずに楽しめる。なかなか良質な北欧トラッドプログレ作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧トラッ度・・8 総合・・8
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THE SMELL OF INCENSE「OF ULLAGES AND DOTTLES」

ノルウェーのサイケフォークバンド、スメル・オブ・インセンスの2nd。2008作
なんと前作から10年ぶりのアルバム。童話ちっくなジャケが可愛い。
メロトロンやハモンドの音色をバックに、サイケがかったギターが絡み
やわらかな女性ヴォーカルが牧歌的に歌い上げる。
前作よりもずいぶんキャッチーになり、むしろ70年代プログレ的な雰囲気で
たとえばEARTH AND FIREなどを思い出す部分もある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Smell of incense「A Curious Miscellany」

ノルウェーのサイケフォークバンド、スメル・オブ・インセンスの2010年作
1992年にデビューしてから、アルバムとしてはこれが4作目となるが、
これは1992〜2005年までに録音された未発音源の作品であるらしい。
ゆったりとしたアコースティカルな牧歌性と、男女ヴォーカルの歌声に、
メロトロンやハモンドを使ったプログレ的な味わいもあるというサウンド。
サイケちっくなゆるさも含めて、いわゆるアシッド・フォークというべき作風であるが、
このふわふわとした夢うつつな感じが、じつに優しくてなごめるのだな。
そしてこのバンドは毎作ジャケが可愛いのだが、今作もじつにメルヘンチック。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ふんわりサイケフォーク度・・9 総合・・7.5
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SPEKTRUM

GALLEONCROSSGRAND STANDなどのメンバーたちによるバンド、スペクトラムの2003年作
ややハードめのギターに、シンフォ系のキーボード、そして女性ヴォーカルで聴かせる
メロディアスシンフォで、THE FLOWER KINGあたりにも通じる質感のあるサウンド。
楽曲は全体的に爽やかで、裏表のない素直な分かりやすさがあり、
いかにも90年代以降の典型的シンフォニックロックといった印象。
メロウなギターワークにこれでもかというハンセが合わさり、ハスキーな女性声とともに、
やや地味めのGALLEONあたりより、むしろ突き抜けたキャッチーさがあって良い。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SWEDISH FAMILY「VINTAGE PROG」

TFKのトマス・ボーディンを中心としたユニット、スウェディッシュ・ファミリーの2004年作
“1969〜1979年に活動していた架空のバンドのベストアルバム”という設定で
サウンドもその通り、ハモンドやムーグ、アコーディオンなどヴィンテージ楽器を使用した
70年代スウェーデン風のプログレ。ジャケも低予算風の紙ジャケというこだわり。
もの悲しくもなつかしいようなアコーディオンの音色や、所々に漂う土着性。
ゆったりとした叙情的な北欧70'sプログレが堪能できます。
シンフォニック度・・7 ほのぼの70's度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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3rd World Electric「Kilimanjaro Secret Brew」

ロイネ・ストルト、ヨナス・レインゴールド、ソルタン・チョース、レイル・ラーソンといった
The Flower Kings、KARMAKANIC関連のメンバーによる、サード・ワールド・エレクトリックの2009年作
パーカッションを含めた軽やかなリズムに、サックスが鳴り響く、フュージョン、ジャズロック風味のサウンド。
さすがに実力あるメンバーだけに、余裕あるアンサンブルで、随所にテクニカルさも折り込みつつ、
肩の力を抜いたような、楽しげで軽快な演奏を聴かせてくれる。シンフォニックなテイストは薄めなので、
フラキンなどのイメージで聴くと拍子抜けかもしれないが、のんびりと大人のジャズ/フュージョンロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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TOMAS BODIN「PINUP GURU」

THE FLOWER KINGSのキーボード奏者、トマス・ボーディンのソロアルバム。2002作
ソロ第2作となる今作も、自身の叙情的なキーボードを駆使した美しいシンフォニックロック作品となっている。
ベース、ドラムとも現フラワーキングスのメンバーなので、音的にはギター抜きのフラキンサウンドだが
その分トマスの繊細なキーボードワークがたっぷりと堪能できる。美しいクラシカル&シンフォニックな曲でうっとり。
全体的には静謐さとジャズタッチの軽やかさが同居した現在系シンフォニックロックの好作といえる。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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TOMAS BODIN「SONIC BOULEVARD」

THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボーディンのソロ2作目。2003作
同時期に3枚めの「IAM」を聴いていたので、どうしてもそちらの壮大華麗さが
耳に残ってしまうが、ちゃんと聴けばこの作品もなかなかの傑作。
北欧らしいゆるやかな叙情と、ほのかな薄暗さを感じつつ、
トマスの繊細なキーボード(メロトロン)に、JOCKE JJ のメロウなギターも実に良い。
部分的にはあるいは再編KAIPAに対抗したような雰囲気もあり、
北欧らしいシンフォ作品としてゆったりと鑑賞可能なアルバム。
シンフォニック度・・8 メロウ度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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TOMAS BODIN 「IAM」

THE FLOWER KINGSのKey、トマス・ボーディンのソロ4作目。2005作
23分、21分、18分の組曲3曲。参加メンバーは、TFKでおなじみのヨナス・レインゴールドに、
前作に続き、メインヴォーカルにアンダース・ヨハンソン、ギターにJOCKE JJ MARSHを迎えて
1曲めから爽快なシンフォニックロックが全開の快作。久々にトマスの弾きまくりのキーボードが堪能できる。
グレン・ヒューズバンドのメンバーでもあるJOCKEのギターもなかなか素晴らしく、
また二人の女性Voも効果的に楽曲を彩っていて、いいアクセントになっている。
サウンド的にはむしろフラキンの近作よりも分かりやすいので、曲は長いが初心者の方にも勧められる。
ソロ作というよりは、むしろ“作り込まれたシンフォ大作”というべき見事な作品だ。
シンフォニック度・・8 爽快度・・8 フラキンよりも聴きやすいかも度・・9 総合・・8.5
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TOMAS BODIN「cinematograaf」

The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボーディンのソロ作。2008作
今作はバンドではなく、トマス一人によるシンセの多重録音作品で、
全編ゆるやかなサントラのようなしっとりと聴かせるシンセアルバムとなっている。
もちろんプログレ的な雰囲気もしっかりあって、美しく優雅な旋律を響かせつつ、
壮大な広がりを感じさせるドラマ性とともに、全3曲という大作志向の中に、
トマスのアーティストとしての確かなセンスが感じ取れる作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりシンセ度・・9 総合・・8

EGGS&DOGS「you are」

The Flower Kingのシンセ奏者、トマス・ボーディンのアルバム。2009作
前作「IAM」の続編である本作は、エッグス・アンド・ドッグスというバンド名義となっていて、
前作にも参加のJocke"JJ"Marshに加え、元TFKのMichael Stolt、Marcus Lilijenquistという4人編成。
シンフォニックの王道という作風であった前作に対し、本作ではより深みのある大人のロックサウンドで、
ロイネの実弟であるマイケル・ストルトの渋みのある歌声とともに、アナログ的な叙情を聴かせる。
トマスのシンセワークも含めて、かつてのフラキン風味を感じさせる部分も多い見事な力作だ。
シンフォニック度・・7 フラキン度・・8 大人のサウン度・・9 総合・・8.5
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TRETTIOARIGA KRIGET「ELDEN AV AR」

スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリゲットの2004年作
70年代後半〜80年代に2枚のアルバムを残したこのバンドがなんと復活作を出した。
かつてを思わせるハード寄りのギターとブルージーな質感に
メロトロンなどの叙情を加えたサウンドで、母国語のヴォーカルが歌を乗せる。
古き良き70'ロック的な質感に加え、年季を経たバンドとしての温かみがあって、
プログレうんぬんというよりはレトロなロックとして楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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TRETTIOARIGA KRICET「I BORJAN OCH SLUTET」

スウェーデンのハードプログレバンド、トレッティオアリガ・クリケットの2007年作
1974〜1980年にかけて5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが、2004年になんと復活、
本作は再結成後の2作目で、前作同様に、ブルージーなハードプログレを聴かせてくれる。
美しいメロトロンの響きに、古き良きハードロック的なギターが重なり、
枯れた味わいの見事なアンサンブルを形成。そこにヴォーカルが入ると
70年代ブリティッシュロック的な雰囲気も漂わせる。スウェーデン語の土着的な質感もいい。
ドラマティック度・・8 ブルーズプログレ度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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Turid「I Retur」

スウェーデンのアシッド・フォークバンド、トゥリドのベストアルバム。
71年作、73年作、75年作のアルバムから編集された全21曲を収録。
やわらかな女性ヴォーカルの歌声で牧歌的に聴かせるフォークサウンドに、
北欧的な土着性を含んだメロディを乗せてゆったりと聴かせる。
母国語の歌唱の雰囲気には、どことなく森の中の魔女的な妖しさもあって、
幻想的な世界観がまた魅力的。英国のフォークよりも涼やかな感触だ。
メロディアス度・・8 牧歌度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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UMO「Beauty And The Beast」

フィンランドの才人、故ペッカ・ポーヨラUMOジャズ・オーケストラとの共演音源作品。2009作
放送局用に録音された1977年〜2004年の音源で、89年まではペッカ本人がベースで参加。
かつてのペッカの楽曲がオケ入りのアレンジで生まれ変わり、その違和感のなさも素晴らしい。
もともと上品なユーモアをメロデイに感じさせる才能が抜群であったが、それがサックスを含めた
優雅なオケとのジャズ風味のアンサンブルに溶け込んでいて、プログレッシブなスイングジャズ、
とでもいうべきサウンドで、ゆったりと楽しめる。ペッカの作曲才能をあらためて感じられる一枚である。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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UZVA「Niittoaika」

フィンランドのチェンバーロックバンド、ウズヴァの2002年作
マリンバ、ビブラフォンのやわらかな響きに艶やかなヴァイオリンが加わった、
北欧らしいゆったりとした叙情に包まれた始まりから、やさしいフルートの音色になごみつつ、
ロック的なアンサンブルが始まると、軽やかなクラシカルチェンバーサウンドとなる。。
適度な民族色を優雅なアンサンブルで組み立てている耳心地のいい演奏で、
日本のバンドで例えるとASTURIAS+KENSOといった雰囲気もあるが、
シリアスさとアヴァンギャルドに展開してゆく組曲もあって、最後まで聴き飽きない。
メロディアス度・・8 優雅なアンサンブル度・・9 北欧度・・8 総合・・8
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UZVA 「Uoma」

フィンランドのチェンバー・プログレバンド、ウズヴァの3rd。2006作
過去作は未聴ながら、本作ではヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ハープ、
サックスにマリンバなど、多彩な楽器によるチェンバーロックサウンドをやっている。。
人懐こいメロディのせいもあって、シンフォニックな味わいもあり、ほとんど難解さはない。
インストメインながら曲は長めで、10分台のものや、23分の組曲なんてものもある。
たおやかなフルートの音色や、コロコロとしたマリンバにギターが重なると
ジャズと室内楽とシンフォニックの境界を行き来するプログレサウンドとなる。
音には北欧らしい清涼感があり、同郷のPEKKA POHJOLAにも通じる力の抜け具合が耳に優しい
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 チェンバー度・・8 総合・・8




Valinor's Tree...and Then There Was Silence
スウェーデンのプログレバンド、ヴァリノアズ・トゥリーのアルバム。2000作
まったく知らないバンドであったが、聴いてみたらこれがゆるやかな叙情と
モダンとレトロの合わさった雰囲気で聴かせる、なかなか耳に心地よいサウンドだ。
PORCUPINE TREEにも通じる、薄暗さと繊細な雰囲気で聴かせつつ、
メロトロン入りのシンセにギターが合わさるとANEKDOTEN風味も顔を出す。
曲が長めなのでややもったりとした部分が緊張感を削ぐが、
静謐感をかもし出すピアノなども美しく、新人のアルバムとしては世界観もなかなか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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VIIMA「Ajatuksia Maailman Laidalta」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、ヴィイマのアルバム。2006作
女性Voを含む4人組で、サウンドは軽やかなメロディアスシンフォニック。
たおやかな女性ヴォーカルの歌声にフルートも入ってしっとりと聴かせつつ、
CAMELあたりを思わせるギターワークもなかなか良い感じだ。
メロディにはトラッド的な土着性もあり、北欧シンフォとしての立ち位置もしっかりとある。
繊細なピアノやここぞと聴かせるメロトロンも美しい。
昨今北欧のトレンドとなった薄暗さはあまりなく、力まずに楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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VIIMA「Kahden Kuun Sirpit」

フィンランドのシンフォニックロックバンド、ヴィイマの2nd。2009作
前作は女性Vo入りの北欧版CAMELという感じのなかなかの好作であったが、
今作では22分の大曲を含む全4曲という構成で、音のスケール感が増している。
北欧の土着性を感じさせるメロウなギターフレーズに、ゆったりとしたシンセ、
そしてフルートの音色が絡み、涼やかな叙情性を描き出す。母国語による歌声も
土臭いトラッド的な質感で、北欧プログレ好きにはたまらない音が詰まっている。
メロディアス度・・8 北欧度・・9 叙情度・・9 総合・・8
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villebrad「Alla Ar Har Utom Jag」
スウェーデンのプログレバンド、ヴィルブラードのアルバム。2006作
ギター兼ヴォーカル、ベース、ドラム兼シンセという三人組で、
古き良き北欧プログレの質感と、モダンなアレンジを融合させたサウンドをやっている。
普通にメロトロンの音色を流しながら、エモに近い歌メロで聴かせるという、
いわば古くて現代的な雰囲気だ。曲は3〜5分台で比較的コンパクト。
純粋なプログレリスナーからは「プログレじゃない」と拒否されるかもしれないが、
あまりジャンルにこだわらないエモ好きの人などには案外素直に受け入れられるだろう。
キャッチーでモダンな浮遊感とともに、音の中に北欧的な叙情はちゃんとあるので、
あるいは今後の変化しだいでは大化けの可能性もある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 むしろエモ?度・・8 総合・・7.5
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VIOLENT SILENCE「KINETIC」
スウェーデンのテクニカルプログレバンド、ヴァイオレント・サイレンスの2nd。2005作
専任Voがいてツインキーボードでギターレスという変則の5人組み。
メタルバンド並みにドカドカ疾走するドラムに乗るのは、やわらかな音色のピコピコキーボード。
変則リズムにまみれた曲調は、これでギターが入ればプログレメタルにでもなりそうなところだが、
そうはならないのが面白いというか、新鮮だが物足りないというか…ありていに言って微妙なところ。
音の質感では一番近いのは、MATS/MORGANあたりかと思うが、そこまで変態ではなく
ヴォーカルの歌唱も含めて、ハードロック/メタル的なキャッチーさと分かりやすさもある。
ギターのいないProg Metalというのが正しいところだが、これはやはりギター入れた方がよいのでは…?
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
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WATERCLIME「Astral Factor」

フォークメタルバンドVintersorgのメンバーによるプログレバンド、ウォータークライムの1st。2006作
ギター、ベース、ヴォーカル、シンセを独りでこなす、Mr.VことAndreas Hedlund氏による
個人プロジェクトで、サウンドはハモンド、メロトロンなどが鳴り響くレトロな70'sロック調の質感と、
Vintersorgでも聴かせる独特のマイルドな歌声に土着性を感じさせるメロディが特徴。
全体的にメタル色は薄く、古き良きブリティッシュロックを思わせるような、牧歌的な雰囲気だ。
ドラムは打ち込みながら、ゆるやかなギターワークとシンフォニックなシンセ類の絡みもセンス良く、
むしろVintersorgよりも叙情美は上で、プログレ、シンフォリスナーの耳にはとても心地よい音だろう。
メロディアス度・・8 メタル度・・3 レトロ&牧歌的度・・9 総合・・8
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WATERCLIME「Imaginative」
Vintersorgのメンバーによるプログレバンド、ウォータークライムの2nd。2007作
前作にあったハードさがとれた分、音はやや優しくなり、もはやメタルファンではなく
完全に北欧プログレのリスナー向けのサウンドになった感じがする。
ハモンドやメロトロンのやわらかな質感に、北欧的な土着メロディと
少しのサイケがかった浮遊感で聴かせる、レトロ風味のプログレだ。
前作よりも主旋律のインパクトがなくなった分、少し音は薄く感じるものの、
ギター、ベース、ヴォーカル、キーボードを一人でこなすMr V氏のマルチプレイヤーぶりが
遺憾なく発揮された、彼の趣味的な音世界が広がる作品だ。
メロディアス度・・8 レトロプログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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WHITE WILLOW「Ignis Fatuus」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの1st。1997作
たおやかなフルートの音色に鳴り響くメロトロン、はかなげな女性ヴォーカルの歌声。
アコースティカルな静寂さは英国フォークにも通じる湿りけがあり、
バンドの全アルバム中、もっとも叙情的な作品と言えるだろう。
当時はANGLAGARDとも比較されていたが、確かに北欧的な薄暗い世界観は
通じるものがある。バンドはこの後、アルバムごとに方向性を変化させてゆく。
シンフォニック度・・7 静寂の叙情度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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WHITE WILLOW「sacrament」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの3rd。2000作
以前レンタルで聴いていたので、CDを買うのが遅れました。
さて、このバンド、1stの時点ではフォーク色の強い静寂系サウンドだったのですが、
2ndからゴシック的な質感も入り始め、この3rdではいっそうゴシックメタル的雰囲気が増しています。
そして、ゆったりとしたシンセとたゆたうような女性ヴォーカルの歌声に酔いつつ、
しっとりと聴いていると、突如、ANEKDOTEN並のヘヴィネスがやってきますのでご注意。
これまでになく楽曲の静と動のメリハリが凄くて、アルバムの全体的な緊張感を高めています。
北欧らしい静寂感と、ANGLAGARDの2ndあたりに通じる緊張感、その両方が味わえる作品です。
メロディアス度・・7 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHITE WILLOW「STORM SEASON」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの4th。2004作
1stの頃はしっとりとしたフォーク風味のサウンドだったが、2nd、3rdとゆくごとに
ゴシックメタル風味を取り入れるなど、楽曲に緩急をつけ始めてきた感がある。
今作も、前作「SACRAMENT」の延長上の雰囲気だが、メンバーが何人か変わっていても
巧みな曲のアレンジや演奏などにはバンドとしての自信と余裕とが感じられる。
女性Voの歌唱の美しさは相変わらずに、もの悲しいチェロの音色やストリングスを効果的に配し、
メロトロンなど70年代風のパーツと、現代的シンフォ音像を上手くかみ合わせている。
そして、そこにゴシック風のメランコリックさを混ぜ合わせた彼らのサウンドは
結果として90年代以降の北欧シンフォの王道的な作品に仕上がっている。
PAATOSとともに、今後の北欧シーンを引っ張ってゆくバンドである。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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WHITE WILLOWSignal to Noise

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ホワイト・ウィローの5th。2006作
アルバムごとにメンバーが変わり、方向性も変化しているこのバンドだが、
今回もヴォーカルを代えてきた。前回までのゴシックメタル風味を保ちつつも
よりアンビエントな歌唱を聴かせる女性Voとともに、ねっとりとした絡みつくような色香が音にある。
明快なフレージングでアクセントをつけるギターや、もの悲しいフルートの音色も効果的で、
サウンドにはノルウェーのバンドだけにかもし出せるメランコリックな叙情性が溢れている。
曲ももちろん良いが、雰囲気ものとしても過去最高の出来で、新Voの表現力も実に素晴らしいし、
シンセのアレンジなども、嫌味でない位のモダンさの同居に成功していて、作品の完成度を高めている。
シンフォニック度・・8 北欧度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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White Willow「Terminal Twilight」

ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの2011年作
1997年のデビュー当時はフォーク風味の強い作風であったが、その後、アルバムごとにメンバーが変わり、
それとともに音楽性も変化、前作は女性Voを全面に出したアンビエントなシンフォニックの傑作であったが、
今作でもヴォーカルが代わり、さらにドラムには元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加している。
そのサウンドは浮遊感を漂わせたサイケ風味のシンフォニックロックで、メロトロンやオルガンなどの
レトロな雰囲気と、、かつてのANGLAGARDを思わせる、いかにも北欧的な薄暗さに包まれた作風。
しっとりとしたピアノにフルートの音色、女性ヴォーカルの歌声も優しく、アコースティカルな牧歌性もあって、
じつにやわらかな耳心地。アナログ感のある音作りはWobblerなどにも近いか。幻想的な北欧プログレの傑作です。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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WOBBLER「HINTERLAND」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、ウォブラーのアルバム。2005作
最近また活気づいている北欧のシーンからまたしても70年代の香りを持った新人が誕生。
ミニムーグ、ハモンド、メロトロンの音色を掻き鳴らすレトロな北欧サウンド。
ELP的なハモンドに、ANGLAGARDANEKDOTEN的なゆるやかなメロトロンの叙情、
ほの暗さとしっとりとした質感を保ちつつ、適度にヘヴィで現代的。
単なる懐古主義サウンドというにはなかなか出来がよいので上記のバンドが好きなら聴いて損はない。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・8 北欧度・・8 総合・・7.5
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Wobbler「Afterglow」

ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2nd。2009作
70年代風のサウンドを聴かせた1stもなかなかの出来だったが、本作は格段に良い。
典雅なチェンバロやフルートの音色で始まるイントロから、続く15分の大曲では
盛大にメロトロンが鳴り響き、ANEKDOTENばりに凄まじいプログレが炸裂している。
ハモンドに絡まるリコーダーの響きは中世の世界観を描き、ビブラフォンやチェロなども加わって
インスト主体でありながらも起伏に富んだ展開と多彩な楽器の音色で飽きさせない。
テクニカルな軽やかさと、北欧的な叙情と土着性を同居させたアレンジも見事と言う他はない。
トレンドに敢然と背を向け、メンバーがひとつの幻想を描こうとする強度が音にはあり、
それが強烈な説得力となって、このレトロかつ北欧的なプログレ/シンフォニックを構築している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 北欧度・・9 総合・・8.5
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WobblerRites at Dawn

ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2011年作
北欧プログレとしては現在BEARDFISHと並ぶ実力者、前作はじつに素晴らしい傑作であったのだが、
今作もそのレトロなシンセワークと優雅な叙情性が合体した濃密なシンフォニックを聴かせてくれる。
やわらかなヴォーカルハーモニーはYES的でもあり、オルガンやムーグなどのシンセはELP色もあるという、
どこを切ってもプログレ好きにはにんまりのサウンド。10分以上の大曲2曲を含めて構築力もさすがだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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XYZ

XINEMABasic Communication
スウェーデンのシンフォニックロックバンド、シネマのアルバム。2006作
昨今活発な北欧のシンフォニック シーンであるが、このバンドは
どちらかというとプログレハード風のストレートなサウンドが持ち味。
ややハードエッジなギターに、キャッチーなコーラスワークが重なり
透明感のあるシンセワークが全体のトーンをシンフォニックに彩る。
YESKANSASなどに通じる軽やかさと、THE FLOWER KINGSあたりを思わせる
北欧の叙情メロディが合わさり、難解さのない爽快なシンフォニックハードとして楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 北欧度・・7 総合・・7.5
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XL「JUKOLA」

フィンランドのチェンバープログレバンド、エックスエルの2nd。1998作
POHJOLAレコーズから配給されていることからも、ペッカも認めるバンドなのだろう。
このバンドの特徴はサウンドの中に大胆にシーケンサーを使っていることで、
モダンでデジタリィなシンセと民族的な要素が融合しているのが面白い。
ゆったりとしたインストを聴かせつつ、ギターはときに泣きのメロディを奏で
バックのシンフォニックなアレンジも手伝って、うっとりとなる場面もしばしば。
緊張感よりも自然体の流れで楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ゆったりインスト度・・8 総合・・8
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XL 「jeti」

フィンランドのプログレ・チェンバーロックバンド、エックスエルの3rd。1999作
Pekka Pohjolaのバック・アップによりデビューしたこのバンドは、
やわらかみのあるチェンバーロックにMIDIヴァイブのデジタルな質感を取り入れた作風で、
「エレクトロ化したシンフォニックロック」というようなモダンな雰囲気を漂わせる。
きらきらとしたシンセ音に、ときにヴァイオリンなどのストリングスが加わって、ゆったりとした
優雅なインストサウンドを聴かせてくれる。これもひとつの新しいプログレの形といえるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり優雅度・9 総合・・8
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XL「surreal」

フィンランドのチェンバー・プログレバンド、エックスエルの4th。2002作
デジタリィなシーケンサーによるシンセアレンジと、PEKKAにも通じるような素朴な質感を融合させ、
独自のプログレッシブサウンドを聴かせるこのバンド。本作も進化の過程にある意欲作だ。
ヴァイオリンチェロなどのストリングスに、クラリネット、ホーンといった室内楽的な優雅さと
シーケンサーによるレコメン的なモダンさが合わさり、繊細でありつつ奥深い音楽を聴かせてくれる。
コロコロとしたヴィブラフォンの音色と、美しいストリングス、そしてロック的なギターが合わさると、
「優雅な偏屈」ともいうべき新鮮な感覚に包まれる。既存のスタイルに捕らわれないセンスある作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・9 総合・・8
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XL「VISUaL」

フィンランドのチェンバープログレバンド、エックスエルの5th。2003作
デジタリィなシーケンサーによるシンセアレンジはさらに自然になり、
聴きやすいリズムの上に乗る、ゆるやかなメロディが耳に心地よい。
きらきらとしたヴィブラフォンの音色に、美しいストリングスも加わって、非常に上品で
繊細なサウンドを構成している。プログレ的な躍動感や展開による盛り上がりはあまりないが、
PEKKA POHJOLAを思わせるような温かみのある好作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり度・9 総合・・8
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VA/Pokstenen-Tribute to Swedish Progressive Rock

Museaレーベル主催による70年代北欧プログレッシブロックのトリビュート作。2009作
参加バンドはBEARDFISH、Simon Says、In The Labtlinthといった北欧のバンドから、
Willowglass、Echoes、Jinetes Negrosなど世界各国のシンフォニック系バンドが多数。
KAIPAをはじめ、DICE、Samla Mammas Manna、Trettioariga Kriget、Bo Hansson、Ragnarok、
さらには、Atlas、Blakulla、Ralph Lundsten、Novemberといったあたりまでをカヴァーしている。
原曲を知っていればより楽しめるだろうが、知らなくても北欧バンド特有のメロウな叙情と
いくぶんの野暮ったさを含んだ楽曲たちはなかなか味わい深く、聴き終える頃にはきっと
北欧プログレに興味を持つに違いない。個人的にはやはりKAIPAとDICEの曲が思い入れ深い。
DICEの「黙示録の四人の御遣い達」を4つのバンドが、それぞれ曲を再現しているのも嬉しい。
メロディアス度・・8 北欧度・・9 マニアック度・・9 総合・・8
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