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CDレビュー プログレ
イタリア
PROGRESSIVE ROCK/ITALY
掲載バンドは上からABC順になっています
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A
Acqua Fragile「Mass Media Stars」

イタリアのプログレバンド、アクア・フラジーレの2nd。1974作
後にPFMのVoとなるベルナルド・ランゼッティが在籍していたバンドとしても知られる。
サウンドの方はPFMほどテクニック志向でなく、キャッチーな歌メロにコーラスワークで聴かせる
メロディアスなイタリアンロック。ギターにしろシンセにしろ派手さはないのだが、じつにまとまっていて
この時期のイタリアンプログレの中では音にまったく暗いところがなく、爽やかな雰囲気なのも特徴か。
Voの歌唱にはややGENESIS風の歌い回しもあって、イタリアものが苦手な方も普通に楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 爽やか度・・8 イタリア度・・7 総合・・7.5
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Ainur「From Ancient Times」

イタリアのシンフォニックユニット、アイヌルのアルバム。2006作
トールキンのシルマリリオンの物語をコンセプトにした作品で
G、Key、Drの3人組みがメインメンバーながら、男女5人のヴォーカル隊、
ヴァイオリン、チェロ、フルートなどの管弦楽もゲストに加わったプログレオペラ。
アコースティカルな質感に優しい女性Voの歌声、そこにフルートの音が加わると、
もうこの手のゆるやかシンフォ好きにはたまりません。
オペラティックなバリトンVoもいい味を出しており、曲間には物語的なSEも挿入されるなど、
ファンタジックな世界観を形成している。ただ、テクニック的にはさして見る部分はなく、
曲におけるハードエッジな部分はむしろなくてもいいような気がするが。
全体的にはゆったりとした広がりのあるシンフォニックサウンドだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆったりゆるやか度・・9 総合・・7.5
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Ainur「Children of Hurin」

イタリアのシンフォニックロックバンド、アイヌルの2nd。2008作
トールキンの物語をモチーフにした美麗なコンセプト作となった今作は、
たおやかなピアノから幕を開け、レトロなハモンド、ムーグなどのシンセを中心に
艶やかな音色のストリングスとハープ、フルート、クラリネットなどがクラシカルに
楽曲を彩りつつ、女性ヴォーカルの歌声がそこに重なってゆく。全体的には、
優雅でファンタジックなイメージで聴かせる作風で、しっとりとしたピアノで聴かせる部分など
ロック的なダイナミズはやや抑えめで、ゆるやかに紡がれる物語を聴くといった雰囲気だ。
オペラティックな男性ヴォーカルを含めて、大人数による濃密なシンフォニックオペラ作である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Ainur「Lay of Leithian」

イタリアのシンフォニックロックバンド、アイヌルの2010年作
4人のソプラノヴォーカルに、ヴァイオリン、チェロ、ハープ、フルート、フレンチホルン奏者、
さらにはオーケストラも加えた、大人数によるシンフォニックロックプロジェクトの3作目で、
本作は指輪物語の「レイシアンの歌」をテーマにしたコンセプト作である。
物語的な語りなども挿入したり、映画のような構成で聴かせる幻想的な世界観で、
クラシカルな叙情とやや粗めのハードプログレ要素が合わさった大仰な作風。
起伏のある楽曲展開に男女の歌声が重なると、AYREONのような壮大さで、
イタリアらしい妖しげな感触もありつつ濃密なサウンドを描いている。楽曲やメロディそのものに
もう少しインパクトがあればとも思うが、このような大作を仕上げた心意気は天晴れだ。
シンフォニック度・・8 壮大度・・8 ファンタジック度・・9 総合・・8
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Alessandro Farinella「MOMO」
かつてTale Cueなどで活躍したKey奏者、アレッサンドロ・ファリネーラのソロ作。2007作
かなりマニアックなアイテムと思うが、内容の方もシンフォマニア向けという印象。
しっとりとしたシンセワークとピアノ、メロウなギターによるサウンドに、英詞によるヴォーカルが乗る。
3〜5分台とコンパクトな曲の中で、ゆったりとしたイタリアンな叙情たっぷりに聴かせる。
ギリシア神話をテーマにしたコンセプト作らしいが、音にはむしろ牧歌的な素朴さがある。
やや素人臭いVoが全体をマイナー臭くしているのが惜しいが、ゆったりのんびりと聴ける作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ゆったり素朴度・・8 総合・・7
ALICE(Visconti)「La Mia Poca Grande Eta'」

イタリアの女性歌手、アリーチェ・ヴィスコンティの1st。1975作
イタリアのこの手の歌手の中でも特にプログレファンに人気なのが彼女。
後の作品は何枚か聴いたが、一番聴きたかったこのデビュー作がついに紙ジャケ再発された。
邦題「夢の中の少女」と題されたこの作品は、美しいジャケの通りにサウンドも素晴らしく
クラシカルなピアノの音色に、瑞々しい彼女の歌声。そしてイタリア語の響きも美しい。
I POOHの協力もあったということで、バックのストリングスの優雅な響きに包まれて
絶品のメロディと幻想的な雰囲気が合わさった、シンフォニック性も有した傑作だ。
感動的なDあたりの歌メロにぐっとこない日本人はいまい。
ちなみに、彼女はこのデビュー当時21歳。内ジャケ写真のあまりの美女ぶりにもうっとり…
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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ALICE「COSA RESTA...UN FIORE」
イタリアの女性シンガー、アリーチェの2nd。1978作
絶品の傑作だったデビュー作「夢の中の少女」に続く今作は、
前作の幻想的な作風からするとややポップになり、
現実の歌手としての側面をアピールするような雰囲気となっている。
もちろん、彼女の美しい歌声にはなんら変わりはなく、自身の弾くピアノ、
ゆるやかなオーケストレーションをバックに、少し大人になった歌唱を聴かせる。
プログレ/イタリアンロックとしては前作に譲るが、歌ものという点では引けをとらないし
なによりアリーチェという一人の歌手を知る上では、本作も重要な一枚だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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ALUSA FALLAX「Intorno alla mia cattiva educazione」

イタリアンロックバンド、アルーザ・ファラックスのアルバム。1974作
邦題は「私の奇妙な教育法について」。アルバム一枚のみを残して消えたこのバンド、
内容の方は、プログレ的な変拍子を使いつつ、13の小曲をつなげた質の高いもので、
たおやかなフルートに重なるシンセの音色がシンフォニックで、とてもリリカルなサウンドだ。
ヴォーカルはLOCANDA DELLE FATEを思わせる野太い声で好みを分けるが、
クラシカルで優雅な演奏は素晴らしく、イタリアらしい繊細な美しさに彩られた作品である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 うっとりフルート度・・9 総合・・8
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Angelo Branduardi「Alla Fiera Dell Est」

イタリアのシンガー、アンジェロ・ブランドゥアルディの1976年作
Franco Battiatoと並ぶカンタゥトーレの重鎮の一人で本作は70年代の名作とされる。
アコースティカルな牧歌性と、イタリア語によるやわらかな歌声で聴かせるサウンドは、
アコースティックギターにマンドリンの音色にフルート、オーボエ、ヴァイオリンなど
クラシカルな優雅さも含んでいて、PFMなどにも通じる地中海の風を感じさせる。
素朴な叙情と繊細でありなが表現豊かな歌声が素晴らしい傑作だ。
アコースティカル度・・8 素朴な叙情度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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Angelo Branduardi「Chominciamento Di Gioia-Futuro Antico」
イタリアのトラッド系アーティスト、アンジェロ・ブランドゥアルディの1996年作
本作はアコースティックをベースに中世音楽を蘇らせるというコンセプトのようで、
連作でシリーズとなっているようだ。ヴァイオリンや笛の音が鳴り響き
イタリア語による牧歌的な歌唱でゆるやかに聴かせるサウンドは、
まさに中世のイタリアを思わせる世界観。スカボロ・フェアーのカヴァーもあり、
素朴でありながらもバロック的な中世トラッドが全編にわたって楽しめる。
アコースティカル度・・8 トラッ度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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Anna Oxa 「Live Con I New Trolls」

イタリアの女性シンガー、アンナ・オクサのNEW TROLLSとの共演ライブアルバム。1990/2010作
もともとはポップス系のシンガーであるが、1989年のアルバム「Tutti brividi
del mondo」において、
NEW TROLLSのメンバーが全面的に参加し、本作はその直後のコンサートを収録したもの。
1曲めこそポップなスタジオナンバーであるが、Vittorio、AldoのScalzi兄弟を中心にした演奏陣は
イタリアンロックの実力者であるから、伸びやかなオクサの歌唱とともにサウンドをしっかりと構築。
Disc2ではニュー・トロルスのナンバーもまじえた、よりシンフォニックなサウンドが楽しめる。
シンフォニック度・・7 イタリア度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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APOTEOSI
イタリアのプログレバンド、アポテオジのアルバム。1975作
自主制作による唯一のアルバムで、昔からイタリアンロック好事家の間ではレアアイテム扱いされていた。
クラシカルなピアノ、キーボードに艶やかな女性Voと、なかなか雰囲気が良いサウンドで、
押しの強さよりは、ゆるやかなイタリアらしい叙情としっとりとしたマイナーっぽさが魅力。
軽快なリズムと、シンォニックな静寂パートの切り換えが大胆で
15分の組曲もあり、インストパートの充実もなかなか。この1枚だけで消えたのが惜しまれる。
シンォニック度・・7 クラシカル度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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Arcadelt 「Enjoypan」
イタリアのプログレバンド、アルカデルトのミニアルバム。2009作
フランドル楽派の作曲家アルカデルトからバンド名をとったのかは不明だが、
バンドは1996年に「Enjoy」という作品を出していったん活動休止、その後2009年に再結成。
本作はその「Enjoy」からチョイスされた楽曲を、新たにレコーディングした音源ということである。
ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルという4人編成で、優雅で美しいシンセワークと、
メロディアスなギター、マイルドなヴォーカルで聴かせる優しいシンフォニックロックサウンド。
タイプとしてはGENESIS系だろうか。これといって際立った部分はないが、演奏も安定していて
どこをとってもメロディアスで繊細なプログレが楽しめる。バンドのサイトはこちら
メロディアス度・・8 繊細度・・8 イタリア度・・7 総合・・7.5
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AREA「Arbeit Macht Frei」

イタリアのジャズロックバンド、アレアの1st。1973作
イタリアのみならず世界的に見ても、70年代でもっとも個性あるバンドのひとつであり、
そのサウンドは地中海とアラビックな土着性の融合ともいうべきもので、
ひとことで言うならば、民俗的なジャズロックということなのだろうが、
躍動するリズムにはプログレとしての複雑さと、ロックとしてのダイナミズムも備わっている。
巧みな演奏力とアンサンブル、そこに乗るデメトリオ・ストラトスの力強い歌声もインパクト充分で、
このバンドの大きな個性となっている。また楽曲にはイタリアらしい混沌とした芸術性も感じられ
妖しげなフルートの響き、シンセの使い方などはプログレそのものである。濃密な傑作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 躍動する演奏度・・9 総合・・8.5
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AREA「CRAC!」

イタリアのジャズロックバンド、アレアの3rd。1975年作
デメトリオ・ストラトスの個性的なヴォーカルと軽妙かつテクニカルなジャズロックに、
バルカン、アラブ系民俗音楽の要素が溶け込んだ、エキゾチックなサウンドを聴かせる。
よくよく聴けば、変拍子まくりの複雑なリズムに翻弄されるのだが、難解さよりもノリの良さが上回り
アラビックな愉快さに聴き手も乗せられてしまう。テクニカルプログレジャズロックとしてはARTIと双璧。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アラビック度・・8 総合・・8.5
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AREA 「Are(A)zione」

イタリアのジャズロックバンド、アレアのライブアルバム。1975作
存在感抜群のデメトリオ・ストラトスのパワフルな歌声に、バックの演奏もテクニカルで素晴らしい。
ジャズロックを基本としながら、シンセによるプログレ的な側面もしっかりあって、
ハイテンションな即興を交えてのアンサンブルはまさに怒濤の迫力だ。
PFM、ARTIと並ぶ、イタリアの熱き躍動が詰まった傑作ライブアルバムである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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AREA「Maledetti」

アレアの4th。1977年作/邦題は「呪われた人々」
ライブをはさんでの4作目で、前作までのアラビックな色はやや薄れて、
ムーグシンセをにぎやかに鳴らせるプログレ・ジャズロックから始まりつつ
語りのようなヴォーカルとパーカッションによる民俗的な感じの曲もあったりと、
一筋縄ではいかない。アヴァンギャルドなセンスにMAGMAのようなスケール感も感じられ、
単なるジャズロックの範疇を超えた革新性に富んだ作品だ。なんだかんだでこれも傑作!
メロディアス度・・7 プログレ度・・9 民俗度・・7 総合・・8.5
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AREA「1978」

イタリアのジャズロックバンド、アレアの5th。1978年作
ブルガリアントラッド的に跳ねるリズムの上に、デメトリオ・ストラトスの強力な歌声を乗せ、
のっけからたたみかけるジャズロックサウンドは、まったくもってインパクト充分。
アコースティック楽器が主体であるのに、このパワーには圧倒させるばかり。
変拍子入りのテクニカルなキメをさらりとこなし、それでいてまとまりのある聴き心地があるのは、
ある意味で驚異的であるし、中近東やバルカンテイストを巧みに取り入れつつ、イタリア的な情緒を
そこに重ね合わせるセンスというのは、ちょっと他のバンドには真似のできない芸当であろう。
本作発表の翌年、デメトリオ・ストラトスの病死により、バンドは方向性を見失い、解散に至る。
それだけにこの作品の躍動ときらめきは、語り継がれる伝説となり、今なお輝き続けている。
メロディアス度・・7 ジャズロック度・・8 躍動する演奏度・・9 総合・・8.5
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ARIES
イタリアの女性Voシンフォニックロックバンド、アリエスのアルバム。2004作
たおやかなピアノ、キーボードに美しい女性ヴォーカルのシンフォサウンド。
この女性声がまた素敵で、はかなげで繊細なその歌声には
この手のフィメールものが好きであればくらくらすること請け合い。
しっとりとしたピアノの音色も良いが、キーボードをバックにメロウに鳴るギターもなかなかで、
静かなパートとシンフォロックパートとのメリハリもしっかりついている。
時折ゴシック的な雰囲気も垣間見せ、世界観としての奥深さもあるのが素晴らしい。
サウンドとしてはWHITE WILLOWやQUIDAMあたりにも通じる部分もあり、
女性Voものシンフォとしては久々に会心の一作でしょう!
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
ARTI + MESTIERI「Tilt」

イタリアのプログレ・ジャズロックバンド、アルティ・エ・メスティエリの1st。1974作
「芸術と職人」というバンド名をもつこのバンド。
本作はイタリアンプログレ、そして美しいジャズロックとしての最高傑作である。
フリオ・キリコの手数の多いドラムと、艶やかなヴァイオリンの音色、鳴り響くサックス、
プログレ的なシンセとともに、優雅でメロディックな聴き心地と、たたみかける勢いに満ちた
圧倒的なアンサンブルに引き込まれる。一方ではイタリア語の歌唱で聴かせる叙情性もあって、
プログレ性と技巧的なジャズロックのバランスのとれたサウンドである。2nd「明日へのワルツ」も必聴。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 構築度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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ARTI+MESTIERI「GIRO DI VALZER PER DOMANI」
「芸術家と職人」を意味するバンド名をもつジャズロックバンド、アルティ・エ・メスティエリの2nd。1975作。
イタリアンプログレ最高の名盤の1つ、「TILT」はまさに技巧の極地で驚異の出来であったが、
続く2ndではジャズ色を増し、歌も入って、楽曲的には多少落ち着きの出たものとなっている。
ただし。強烈無比のテクニックは健在で、特に伝説のドラマー、フリオ・キリコの手数の多さは変わらず、
ゆったりテンポの曲においても無駄とも思えるもの凄い手数で、やかましいほどに凄い。
メロディアスで緻密なアンサンブルは、切れ味鋭く聴くものの口をあんぐりとさせる。
もはやジャズロックというジャンルを超えた、幅広く全てのプログレファンが聴くべきクオリティ。
イタリアンロックの素晴らしさを知る入門用としては、PFMと並んでこのバンドが最適であろう。
メロディアス度・・8 技巧派ジャズロック度・・9 テクニカル度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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Arti & Mestieri「Estrazioni」
イタリアのプログレ・ジャズロックバンド、アルティ・エ・メスティエリのアルバム。2005作
2000年に復活をとげてからライブ活動なども精力的にこなしている彼らだが、
本作は1975年の2nd「明日へのワルツ」の頃の未発音源を現メンバーの手で蘇らせたもの。
かつての勢いあるテクニカルなサウンドよりも、大人になったジャズロックという雰囲気であるが、
外見的にも一人だけ若いムキムキのフリオ・キリコのドラムはさすがのキレと手数の多さ。
ピアノやハモンドメロトロンのやわらかな鍵盤の音色と、ヴァイオリン、サックスが重なると
叙情味豊かなイタリアンロックの感触になり、優雅な味わいで楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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ARTI & MESTIERI「First Live in Japan」

イタリアの伝説のプログレ・ジャズロックバンド、アルティ・エ・メスティエリのライプ作。2006作
2005年、川崎クラブチッタでの来日公演を収録。イタリアンプログレ名作中の名作である
1st「ティルト」、2nd「明日へのワルツ」からの曲をメインに、オリジナルメンバーである、
ベッペ・クロヴェッラとフリオ・キリコを中心とした白熱の演奏をたっぷりと聴かせてくれる。
年を経ても衰え知らずなフリオ・キリコの超絶なドラムはやはり素晴らしく、
適度な緊張感の漂うリズムの上に、美しいピアノとヴァイオリン、サックスが鳴り響く。
テクニカルなだけではなく、メロディにはイタリアらしい叙情美があるのも彼らならではで、
PFM、BANCOと並んで日本のイタリアンプログレファンに支持されるのもうなずける。
このバンドを知らない方は、まずは70年代の1st、2ndから聴くことを勧めるが、
この素晴らしいライブアルバムから聴き初めても、充分に彼らの魅力は伝わるだろう。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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B
BANCO DEL MUTUO SOCCORSO
バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソの1st。通称「バンコの壺」1972作。リマスター再発盤。
イタリアの1971〜1973年あたりは数多くの「名作」といわれる作品が生まれた数年間だが、
このアルバムもそのひとつ。キーボードをメインにしたプログレという点ではELPとともに
後のバンド達に多くの影響を与えた(日本のGERARDなんかも)。
炸裂するクラシカルなキーボードに70年代なのに妙に熱いギター、そして一転
リリカルパートではたおやかなフルートに素敵なジャコモさんのオペラティックなヴォーカル。
次作「DARWIN」とともにBANCOの代表アルバムだけのインパクトがある。
尚1stと2ndには1991年にバンドが完全再録をほどこした素晴らしいリテイク盤があり、
このオリジナル盤と聴きくらべて楽しむこともできる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・10 総合・・8
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BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「Darwin!」

イタリアのプログレバンド、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソの2nd。1972作
PFMとともにイタリアを代表するこのバンド、1st〜3rdはどれも甲乙つけがたい出来なのだが
もっともイタリア的な濃密さで聴かせるのが本作。個人的にもバンコの最高作だと思う。
クラシカルなピアノの響きにイタリア語の歌声。いかにもイタリア然とした混沌とした空気と
ジャコモ氏の存在感ある歌唱が合わさって、唯一無二の世界観を描き出している。
イタリア臭さの点ではOSANNAの名作「PALEPOLI」と双璧。これぞイタリアンロック!
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・10 総合・・8.5
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BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「io sono nato libero」

イタリアのプログレバンド、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソの3rd。1973作
クラシカルで情熱的なサウンドを聴かせる、PFMとともにイタリアンロックを代表するバンド。
本作「自由の扉」は、アコースティカルで叙情的なメロディと、激しめの展開を含んだ、
15分の大曲で幕を開ける。全体的には、1st、2ndよりはやや落ち着いたサウンドで、
演奏にはバンドとしての余裕のようなものが感じられる。もちろんクラシカルなピアノに、
美しいシンセワーク、そしてジャコモ氏の見事なヴォーカルが映えるナンバーもあり、
バンドの代表作の1つというに足る内容だ。イタリア臭く濃密な2nd「DARWIN!」もぜひ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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BANCO「BANCO/イタリアの輝き〜バンコ登場」
バンコのアルバム。1975作。20bit K2リマスター&紙ジャケ
PFMに続き世界進出を狙った英語版アルバムで、新曲と過去の曲のリメイクからなっている。
このバンドの場合、イタリア特有の癖の強さが魅力であるとも思うが、
この英語盤では、それがやや薄れており、いい意味で聴きやすい音になっている。
この曲調に英語歌詞が合うかどうかはともかく、リメイク曲もよりシンフォニックになっていて
音のきらめきが心地よく伝わってくるという点で、素晴らしい作品だと思う。
時期的には3rd「自由への扉」の後のアルバムで、キャッチーさとプログレ度のバランスも良く
また従来よりもギターが活躍しており、ロックとしてのダイナミズムもUPしているように感じられる。
ラスト曲のキーボードなど、まるでJAP'sプログレのようにロマンティック。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・7 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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BANCO DEL MUTUO SOCCORSO
「COME IN UN'ULTIMA CENA」
バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソの6th。1976作/2005年リマスター&紙ジャケ。
「最後の晩餐」のタイトルで、日本でもバンコの最高作として名高いこのアルバム。
1st、2ndの頃のようなコテコテの攻撃的プログレからはやや落ち着いた、
たおやかでしっとりとした質感が美しい。クラシカルなピアノにキーボード、
そこに乗るジャコモのオペラティックで優しいヴォーカルはやはりこのバンドの顔だ。
全体的にとても聴きやすく、整合感のあるメロディアスさがきらりと光るアルバム。
かつては「こんなおとなしいバンコいやだ!」と思っていたが、今聴くといいですね♪
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・8
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BANCO「...di terra」

イタリアのプログレバンド、バンコの7th。1978作/2005年リマスター&紙ジャケ。
本作はオーケストラとの共演作で全編インストという、彼らの作品の中では異色作になる。
イタリアらしい熱情に溢れたこのバンドのサウンドを想像すると肩すかしをくうが、
オーケストラをバックに、クラシカルなピアノやスペイシーなシンセを乗せつつ、
ギターにサックス、フルートなども加わって、しっかりとプログレ的な質感も感じられる。
バンドの代名詞であるジャコモさんの歌声が聴けないのは寂しい気もするが
クラシカルで格調に富んだサウンドからは、演奏陣の素養の高さが伺える。
オーケストラ入りロックとして聴けば、むしろ非常に出来のいいアルバムだと思う。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・7 総合・・8
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BANCO「canto di primavera」

イタリアのプログレバンド、バンコの8th。1979作/2005年リマスター&紙ジャケ。
「春の歌」というタイトル通り、これまでよりも爽やかでキャッチーなサウンドの作品。
4〜6分ほどの比較的コンパクトな楽曲の中に、伸びやかなジャコモの歌声と、
美しいシンセの重ねで聴かせる、きらびやかで明るめの雰囲気が耳に優しい。
初期のような濃密なイタリア臭さよりも、よりポップな大衆感覚を取り入れている。
プログレとして聴くよりは、メロディアスなイタリアンロックとして楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・8 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・8
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BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「Seguendo le Tracce」

イタリアの名バンド、バンコ(デル・ムトゥオ・ソッコルソ)のライブアルバム。2004作
1975年の全盛期のイタリアでのライブ音源を収録。当時の発掘音源にしては音質が抜群で、
@の“R.I.P”での熱い演奏からして、当時のバンドの勢いが音に感じられる。
たたみかけるキーボードに美しいピアノ、そして情感溢れるジャコモの熱唱と、
ライブでの演奏力と表現力も見事で、彼らのバンドとしての水準の高さが改めて知れる。
曲は1stから3rd、そして75年に発表された英語盤から選ばれた、全盛期のベストセット。
70年代イタリアを代表するプログレバンドの、まさに輝けるライブ作と言っていい。
全盛期バンコ度・・10 ライブ演奏・・9 ライブ音質・・8 総合・・8.5
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BANCO DEL MUTUO SOCCORSO「NO PALCO」
バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソのライブアルバム。2003作
2002年ローマでのデビュー30周年を飾るライブの音源。
70年代のアルバムからも多くとりあげられていて、
それらが現在的なアレンジで美しく甦っている。
もちろんとジャコモ氏のオペラティックVoも健在で、軽やかなタッチのピアノに
畳みかけるキーボードと、クラシカルなバンコ節も全開。
ゲストにマウロ・バガーニも迎え、艶やかなヴァイオリンの音色も美しい。
クラシカル度・・8 イタリア度・・9 バンコ度・・9 総合・・8
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Barrock 「oxian」

イタリアのシンフォニックバンド、バッロックの2nd。1994作
確か1stは「錬金術師」というタイトルで日本盤が出ていたと思ったが、
今作はジャケがぐっとファンタジックになっていたので、思わず購入。
クラシカルなシンセワークにフルートが絡むイントロからしてなにやら引き込まれる。
イタリア語の女性ヴォーカルも加わってオペラティックに歌いあげ、ストーリー的に
世界観を構築してゆく。録音、演奏のレベルはアマチュアに毛が生えた程度だが、
マイナーなシンフォニック特有の純粋な音楽への愛情が感じられるのがよろしい。
シンフォニック度・・8 スリリング度・・5 イタリア度・・8 総合・・7.5
BARROCK「LA STREGA」
イタリアのシンフォニックバンド、バッロックの3rd。1999作
クラシカルな叙情キーボードとメロウなギターをメインにしたシンフォニックロックで、
10数年前に出た1stからなんら変わることがないコテコテのサウンド。
繊細かつ多少古めかしい80年代シンフォの音だが、緊張感は薄い。
やはり曲全体としてもう少し明確なビジョンが欲しい気がする。
今回歌入りは2曲だけなので(しかも歌というよりはスキャット)、
メンバーのほぼ全員が家族らしく、Voはきっと主婦業に忙しかったのだと思われる。
ある意味同人誌的な、「好きなことがずっとできる」という喜びが伝わってくる。
シンフォニック度・・9 スリリング度・・4 新鮮度・・3 総合・・7
Barock Project「Misteriosevoci」
イタリアのシンフォニックロックバンド、バロック・プロジェクトのアルバム。2007作
シンセ奏者を中心とした若手の4人組で、クラシカルなテイストのキーボードロックをやっている。
ムーグシンセの音色やキャッチーなメロディに乗せるイタリア語の歌唱には、
どことなくPFMなどを思わせる軽快さもあるが、こちらはあくまでキーボードが主体。
音の軽さの点で物足りなさはあるが、クラシカルなシンフォが好きなら楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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Biglietto Per L'inferno

イタリアのプログレバンド、ビリエット・ペル・リンフェルノの1974年作
MUSEO ROSENBACH、SEMIRAMISとともに、イタリアンヘヴィプログレの隠れた傑作とされる1枚。
二人のシンセ奏者によるオルガンとムーグを中心に、牧歌的なフルートが叙情を添えつつ、
イタリア語の歌声とともに濃厚に聴かせる作風。静と動のメリハリのある曲調はI Gigantiなどにも通じる。
70年代ブリティッシュロック的な荒々しいハードさとブルージーな雰囲気もありながら、
随所にピアノやアコギなどによる美しさも交えているのがいかにもイタリアのバンドらしい。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・8
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C
CAP 「Il Bianco Regno di Dooah」
イタリアのシンフォニックロックバンド、Consorzio Acqua Potabile、略してCAPの3rd。2003作
イタリアンプログレのマイナーな部分を集約したようなサウンドは今作も変わらず
良く言えばやららかみのある叙情性を、悪く言えばインパクトに欠ける弱さを体現している。
レトロなシンセワークとイタリア語のヴォーカルは、イタリアンシンフォマニアにはたまらないだろうが、
正直、アレンジの部分でのクオリティが弱いので、サウンド的にすべての面で物足りなさが残る。
音は繊細なのだが、メロディ面での煽情力にも欠け、結果としてB級シンフォの王道となっている。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 イタリア度・・8 総合・・7
CELESTE
イタリアンロックバンド、チェレステのアルバム。1976作
イタリアンプログレのバンドには1作のみを残して消えるというバンドも多いのだが、
このバンドもこれが唯一のアルバム。美しいメロトロンと牧歌的な歌唱、
アコースティックギターにフルート、サックスが絡み、初期クリムゾンの叙情を抽出したような感触もある。
クラシカルなピアノの響きにもうっとり。素朴だが、じつに繊細なサウンドだ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 繊細度・・10 総合・・7.5
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CERVELLO「Melos」

イタリアンロックの名作、チェルヴェッロのアルバム。1973作。BMG紙ジャケリマスター盤。
OSANNAの「パレポリ」と並ぶ、イタリアンヘヴィプログレの傑作なので買い換えました。
のっけから神秘的なスキャットコーラスとアコースティックギターの調べで、
不思議な幻想世界へといざなわれる雰囲気です。
キーボードがいないというのが信じられないほど、バンドの音には広がりがあり
アコースティックギターに絡む、エフェクトされたサックス、フルート、ヴィヴラフォンなどが
ときにやわらかく、ときに刺激的に鳴らされ、ときに爆発し、独自のサウンドを形成しています。
神秘的で呪術的…神話をモチーフにした歌詞も文学的で、ある種、崇高さと毒気を併せ持っています。
絶品の演奏力と情景描写力をもったこの作品は、イタリアンロックに生まれた芸術とさえ言えるでしょう。
メロディアス度・・7 イタリア度・・9 神秘性度・・10 総合・・9
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CLARION「CLARION」
ZAUBERのキーボーディストが中心となったシンフォバンド、クラリオンのアルバム。1992作。
ZAUBERの方は未聴だが、この作品を聴いた限りでは非常に繊細な印象のシンフォニック作品だ。
優しくクラシカルなキーボードと、たゆたうようなメロディを奏でるフルート
を中心にしてゆったりと曲が進む。リズム的な展開や起伏はほぼ皆無で、
集中して聞いているとときどき退屈になるが、
夢見心地でぼんやりと聴く分にはうってつけの音楽。
したがって演奏力や曲の完成度を求める向きにはまったく向かない。
シンフォニック度・・8 ゆったり優美度・・9 楽曲・・7 総合・・7
CLARION「BOURREE」
イタリアのシンフォバンド、クラリオンのアルバム。プログレ系バンドのカヴァー集。
メジャーどころではPFM、BANCO、FOCUS、GENTLE GIANT、STEEVE HACKETT
等の曲をシンセ、フルート、オーボエなどで美しく再現している。
繊細かつ叙情味あふれるカヴァーで、ゆったりと楽しめるが、
どうせならもっと名曲クラス(FOCUSなら「SYLVIA」とか)を選んで欲しかった気もするが、
イタリアらしい繊細なシンフォニック叙情美を満喫できる一作。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 選曲・・7 総合・・7.5
Colossus Project「Empire And The Rebellion」
TILIONのメンバーが中心となったシンフォニックロック・ユニット、コロッサス・プロジェクトの2008年作
たおやかなピアノの音色に、ムーグやメロトロンなどヴィンテージのシンセが鳴り響く
キーボード主体のシンフォニックサウンド。コンセプトにはSF的なストーリーがあるのか、
シンセの音にはスペイシーな世界観を描こうとする意図が感じられる。
後半にはサックスなども加わってジャズタッチになったりと、意外と多様なサウンドを聴かせる。
全体的にはやや散漫な印象もあるがなかなかの力作。ゲストにはARS NOVAの熊谷桂子も参加。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・7.5
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CONQUEROR「ISTINTO」
イタリアのシンフォニックロックバンド、コンクゥエラーのアルバム。2003作
キーボード奏者も兼ねる女性Voを中心にした四人組。
サウンドはまあしごく王道のシンフォといった感じで、
メロウなギターに重なるキーボード、イタリア的なクラシカルなピアノが美しく、
垢抜けない感じの女性Voのイタリア語の歌声がなかなか可愛らしい。
ただ、全体的には雰囲気は悪くないのだが、どうもやぼったいというか、
アレンジの面でもう少し印象的な展開などを増やして欲しい気がする。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
CONQUEROR「Storie Fuori Dal Tempo」
イタリアのシンフォニックロックバンド、コンクゥエラーの2nd。2005作
キーボードも兼ねる女性Voを中心に、しっとりとしたイタリアらしいシンフォニックロックをやっている。
1stの時点ではかなりマイナー臭かったサウンドは、やはり相変わらずのマニアックな雰囲気で
イタリア語の女性Voの歌唱に、こちらも女性奏者の吹くフルートの音色がなんともよろしい。
今回はラストに30分の大曲を持って来るなど意欲は充分の力作だが、
ギターには時折サイケな要素も混ざっていて、そのあたりの統一感のなさも気になるし、全体的な音にも
ぼやけたようなもったりとした部分が付きまとっていて、完成度の点ではまだB級の域は出ていない。
かっちりとしたものを求めない女性Voイタリアンシンフォマニアは聴くべし。
シンフォニック度・・7 イタリア度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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CONQUEROR「Madame Zelle」

イタリアのシンフォニックロックバンド、コンクエラーの2010年作
女性ヴォーカル入りのイタリアンシンフォとして、過去3作もなかなかの好作であったが、4作目となる本作は、
第一次世界大戦時に活動した女スパイ、マタ・ハリことマルガレッタ・G・ツェレをテーマとしたコンセプト作となった。
クラシカルで繊細なピアノに、美しいシンセワーク、そしてイタリア語による瑞々しい女性Voの歌声で聴かせる、
優しい叙情性にうっとりとである。また、コンセプト作ということでのドラマティックな構成も光っていて、
インスト部分で世界観やストーリーをイメージさせるだけの説得力も備わっている。やわらかなフルートも美しい。
シンフォニック度・・8 繊細叙情度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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CRYSTAL PHOENIX「THE LEGEND OF THE TWO STONEDRAGON」
イタリアのメロディック・プログレハード、クリスタル・フェニックスのアルバム
女性Voで、ギターも女性、フルートも入り、ケルト・トラッド色もある…
こう書くととても良さそうだが…ひどく微妙…というかマイナー臭い。
まず、ハードロックなのかプログレなのかあやふやで、ギターは時折メタリックなのだが
疾走したりヘヴィになるわけではなく、むしろピアノやフルートの入ったしっとり部分に魅力がある。
女性Voの声質はどうも素人くさく、あやうい音程の上、低血圧タイプ…。
中世っぽいイメージとトラッドな部分には好感がもてるが…。
メロディアス度・・7 女性Vo度・・7 マイナー臭さ度・・9 総合・・7
D
DAEMONIA「DARIO ARGENTO TIBUTE」

GOBLINのクラウディオ・シモネッティが映画監督ダリオ・アルジェント作品のサントラをカヴァーするために
結成された、デモニアの2000年作。アルジェントの作品といえば、「ゾンビ」や「サスペリア」など
ホラー映画でおなじみだが、ゴブリンも彼の映画には多数音楽で参加している。
このアルバムはそれらのセルフカヴァーを含む、サントラ曲をバンドで録音したもので、
音のほうはシモネッティのキーボードをメインにしたダイナミックでハードな作風。
サントラうんぬんを別にしても、「ハードめのキーボードプログレ」として鑑賞に足る出来。
荘厳な女性スキャットや、ホラー的なゴシック調のメロディなど、ダークでありながら
ロックとしての躍動感があり、日本のプログレ女性トリオARS NOVAなどにも通じるものがある。
メロディアス度・・8 ロック度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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DAEMONIA 「LIVE...OR DEAD」
クラウディオ・シモネッティ率いるデモニアのライブアルバム。2001作
ホラー映画の巨匠、ダリオアルジェント監督の作品中の音楽を手がけたゴブリンの
Key奏者、クラウディオ・シモネッティを中心としたバンドのライブ作。
サスぺリア、シャドー、インフェルノ、フェノメナなどの映画用の楽曲をリアレンジ、
ライブならではの躍動感でよりアグレッシブに演奏している。
オペラティックな女性Voや壮大なオーケストラも入り、元曲を知らなくとも、
キーボードメインのシンフォニックハードプログレとして充分楽しめる。
ボーナスとしてスタジオバージョンの“HALLOWEEN”“TUBULAR BELLS”も収録。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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DELIRIUM「V/同世代の群島への旅」
イタリア70年代のプログレバンド、デリリウムの3rd。1974作
1st時はジャズロックであったというこのバンドであるが、このアルバムでは
オーケストラなどを効果的に使ったシンフォ色もある音になっている。
イタリアらしい粗野なヴォーカルが耳につくが、フルート、メロトロンを上手く使い
この当時としてはそれなりに出来のよいサウンドを構築している。
メロディアス度・・7 ジャズロック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
DEUS EX MACHINA「DE REPUBLICA」
イタリアのプログレバンド、デウス・エクス・マキナの3rd。1994作
以前2作目かなんかを聴いたときには、技巧的でありながらあまりメロディアスでなく、
荒っぽさがあったと思ったが、この3rdは良い意味で聴きやすくまとめられている。
もちろんイタリア独特の濃密さと、アヴァンギャルドな感性はそのままだが
ヴァイオリンやアコースティックギターによる叙情的な雰囲気もあり、
変態的なジャズロック風味とメロディアスなプログレが上手く組み合わさっている。
テクニカルなシンフォとしても聴け、同時に変態プログレ好きも満足させられる内容だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
DEUS EX MACHINA「EQUILIBRISMO DA INSOFFERENZA」
イタリアを代表するテクニカルプログレバンド、デウス・エクス・マキーナの4th。1998作。
アレアにも通じる高速ジャズロックテイスト全開で、たたみかけるような変拍子にアクの強いVoが乗る。
なまじ演奏力があるだけに悪乗りしたような曲調で迫られると圧倒されて、聴いていて思わず引いてしまう。
私のようなメロディ重視のリスナーにとっては、イタリア的繊細さと叙情がないこの音には
どうもあまり魅力を感じることは出来ない。ちなみに日本盤のタイトルは「偏狭な曲芸」(言い得て妙^^)
メロディアス度・・3 プログレ度・・8 演奏・・9 総合・・7
DEUS EX MACHINA「ciNque」

イタリアのテクニカルプログレ・ジャズロックバンド、デウス・エクス・マキーナの5th。2002作。
好事家の間では「これぞイタリア!」といった感じの変態的でテクニカルな演奏が愛されているこのバンド。
演奏には今や堂々たる大人の余裕が感じられ、そんな中にも偏屈かつひねくれたリズム、
曲展開などには相変わらずのユーモアがあり、聴いていてなかなか楽しい。
前作あたりよりも、突進力がやや抑え気味目になっていることもあり、かえって聴きやすくなっている。
プログレ的なシンセに、ヴァイオリン、そしてイタリア語の熱い歌唱と、とても濃いのであるが、
ときおりふっとやわらぐ部分で感じる哀愁もまたイタリア的か。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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D.F.A.「4TH」

イタリアのプログレバンド、DFAの4th。2008作
1stの頃から、テクニカルなセンスあるサウンドをやっていたこのバンドだが、
今作では見事な傑作を作り上げた。軽やかなフュージョン的な質感を聴かせつつ、
たおやかなフルートやプログレ的なハモンドなどのシンセが鳴り響き、
テクニカルなギターに絡むと、日本のKENSOなどを思わせる雰囲気もある。
10分以上の大曲が3曲もあるが、単なるテクニック大会に終わらず、
しっかりとした構成力とメロディアスさが備わっているので聴き疲れしない。
ラスト曲は女性ヴォーカル入りでシンフォニックなトラッド風味が耳に優しい。。
テクニカルなプログレ風味とジャズロック風味のバランスがとれた傑作だ。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8.5
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DIVAE「DETERMINAZIONE」
イタリアのシンフォバンド、ディヴァエの1995年作
BALLETTO DI BRONZOのジャンニ・レオーネが参加していることでも話題になった作品。
内容はツインキーボードをメインにしたキーボードシンフォで、
90年代以降のイタリアものシンフォの中でも出来がいい部類に入ると思う。
ハモンドやメロトロンなど、かつての70年代風の音色を用いながら
イタリアらしいクラシカルなメロディを楽しめる。また、シンセ一辺倒でもなく
泣きのギターも現れたりヴォーカルパートもちゃんとしていて、構成的にもよく練られている。
メロディアス度・・8 キーボー度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
DONELLA DEL MONACO「FRAGMENTS 1975-2002」
イタリアンロックの芸術、オパス・アヴァントラのヴォーカリスト、ドネラ・デル・モナコ。
ドネラがバンド時代から歌った未発表曲集や幻のシングル曲等を集めたコンピレーション作品。
アヴァンギャルドでクラシカルなイタリアンロックを標榜していたOPUS AVANTRA、
そのなかでも彼女の崇高にして妖艶な歌は、バンドの核であり聴くものになにごとかを
訴えかけるエネルギーがあった。今回のアルバムでは室内楽的な静謐な楽曲がメインだが、
その中でもオペラ歌手でもあるドネラの歌声は20数年の時を経てなお瑞々しく素晴らしい。
期待していたシングル曲の「FLOWERS ON PRIDE」は残念ながらLPの盤起こしで音質が今ひとつ。
この叙情的でタイトル通りに妖艶な花のような狂おしい美を備えた楽曲は
OPUS AVANTRAの2nd「LORD CROMWELL」にLPバージョンが収録されている。
かつてはじめて聴いたとき身震いし、戦慄さえ覚えたオパスアヴァントラの音楽。
これを機にイタリアンロック奇跡の2枚、1st「INTROSPEZIONE」、2nd「LORD CROMWELL」が
再評価され、多くの芸術を解するリスナーに聴かれることを望んでやまない。
クラシカル度・・8 崇高度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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DONELLA DEL MONACO「SCHONBERG KABARETT」
イタリアの芸術的プログレバンド、OPUS AVANTRAのヴォーカル、
そしてオペラ歌手でもある、ドネラ・デル・モナコのソロ作。1979作
オーストリアの作曲家、アルノルト・シェーンベルクの楽曲にインスパイアされ、
ピアノをバックにドネラがドイツ語で歌う小曲集といった趣の作品。
若き頃の彼女の瑞々しい歌唱と、クラシカルな雰囲気がOPUS AVANTRAに通じるが、
プログレッシブで先進的な美しさではなく、あくまでクラシック的な音である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・3 女性Vo度・8 総合・・7.5
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Donella Del Monaco & Paolo Troncon「Venetia Et Anima」

イタリア伝説のバンド、OPUS AVANTRAの歌姫、ドネラ・デル・モナコと
ピアニストパオロ・トロンコンを中心にした2003年作
アルフレッド・ティソッコは不参加ながら、サウンドはオパス・アヴァントラを受け継ぐもので、
ピアノやストリングスによるクラシカルな崇高さと、ドネラの表現力豊かなオペラティックな歌声で
しっとりと優雅に聴かせる。かつてのアヴァンギャルドな毒気は薄まっているが、
独自の芸術性とともに、随所にシアトリカルな美意識を感じさせる。なかなかの力作だ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Doracor 「Segni Premonitori」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ドラコールの2nd。1998年作
シンフォニック大好き(らしい)コラド氏の一人プロジェクトで、4th以降はそれでもけっこう聴いている。
ドラムもベースも打ち込みらしいのだが、一聴しただけではそれとは分からないくらい頑張って作ってある。
オールインストで8分以上の曲がほとんどながら、どこを切ってもメロディアスで耳触りがよく、
イタリアのシンフォらしいロマンに溢れたサウンドがなかなかよろしい。
ちょっと日本の桜庭統風の部分もあり。キーボードシンフォ好きはいかが。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
DORACOR「TRANSIZIONE」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ドラコールの4th。2001作
以前のアルバムは未聴だが、今作は9人ものメンバーによる大組曲をやっている。
やわらかなシンセをメインにギター、ヴァイオリン、フルート、女性Voが長大な楽曲を
ゆるやかに盛り上げてゆく。イタリアものにしては引きのパートの叙情が秀逸。
26分、7分、17分の全3曲で、内容はよく分からないが、ブックレットの中世の城のCGなどからして
ファンタジックなトータルストーリーがあるものと思われる。この手のマイナー系の中でもメロディの質は高く、
甘い声質の男Voもこの音楽によくマッチしている。ジャケの美しさもよろしい。
プロダクション的に低音(ドラム関係)が弱く、サウンドの迫力が半減しているのが惜しまれる点か。
シンフォニック度・・9 楽曲・・8 サウン度・・6 総合・・7.5
DORACOR「EVANESCENCE」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ドラコールの5th。2005作
相変わらずいかにもシンフォ愛好家を喜ばせる美しいシンセを中心に、今作では
5人のギタリストが参加していて、それぞれに味のあるギターワークを聴かせてくれる。
歌入りの曲もあるが、基本的には短めのインスト曲をメインにつなげた作品なので、
曲単位には物足りなさが残るが、ともかくも耳に心地よいシンフォサウンドではある。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆるやか叙情度・・8 総合・・7.5
DORACOR「ONIRIKA」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ドラコールの6th。2007作
以前に4作目を聴いたとき、まだ個人プロジェクト的な印象だったのだが
今作では、ギターにヴァイオリン、サックス奏者も加わって、バンドっぽくなった。
音の方は、ロマンティシズムにあふれた緩やかなシンフォニックロックで、
この手の叙情シンフォが好きなマニアならにんまりするに違いない。
相変わらず、全体的にはどことなくマイナーな安っぽさも漂っていて、
これといって突き抜けるようなドラマティックさはないのであるが、
泣きのギターに重なる美麗なシンセというお約束は耳に心地よいものです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりシンフォ度・・8 総合・・7.5
E
EMPIRE「BACK TO KNOWLEDGE」
イタリアのプログレユニット、エンパイアの1994年作
キーボード、ドラム、女性ヴォーカルという3人組みで、基本はELPスタイルのサウンド。
軽快なリズムの上をキーボードが弾きまくる、好き者にはたまらない雰囲気だが、
女性VoはハスキーなアメリカンAOR的で、これを面白いととるかミスマッチととるか微妙なところ。
アンサンブルの軽さも、プログレ的なキーボードに比してややモダンすぎる気もする。
“TOCCATA”のパロディのような曲や、“はげ山の一夜”をアレンジした曲もあるが、やはり軽い(笑)
メロディアス度・・8 キーボー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ERIS PLUVIA「Rings of Earthly Lights」

イタリアのシンフォニックロックバンド、エリス・プルーヴァのアルバム。1991作
指輪物語をコンセプトにした繊細な作品で、美しいフルートの音色にサックスが合わさり
メロウなギターに、しっとりとしたピアノ、シンセなどでゆったりと聴かせるサウンドは、まさに夢見心地。
美しいジャケのセンスも素晴らしいが、優しい音作りでこれだけ世界観を表現できるというのもまた素晴らしい。
GANDALFなどを思わせる自然派のヒーリング感覚と、アコースティカルな美意識にもうっとりだ。
やわらかシンフォ度・・9 繊細度・・9 イタリア度・・7 総合・・8
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ETNA「ETNA」
イタリアのプログレ・ジャズロックバンド、エトナのアルバム。1975作
イタリアといえば、超絶技巧ジャズロックバンドARTI+MESTIERIがまず有名だが、
このバンドは派手さではアルティに譲るものの、クオリティの面では充分互角に立ち合える。
非常に作りこまれた緻密な楽曲は、テクニカルで硬質な印象とともに緊張感に満ち、
4人のメンバーの完璧なアンサンブルが一体となって凄まじい音のテンションを形作ってゆく。
ギターが奏でるメロディの質感には時にハードロック色もあり、テクニカルハードのリスナーすらも
唸らせることうけあい。硬質系のイタリアンジャズロックとしては屈指の完成度の傑作です。
メロディアス度・・7 ジャズロック度・・9 テクニカル度・・9 総合・・9◆プログレ名作選入り
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EZRA WINSTON「ANCIENT AFTERNOOMS」
イタリアのプログレバンド、エズラ・ウインストンのアルバム。1990作
1990年という非常な微妙な時期に1枚のアルバムを残して消えたバンド。
しかし本作のクオリティたるやハンパではなく、当時LPのみで出ていたものが近年ついにCD化された。
このバンドのサウンドはPFM的なイタリアの叙情を南米シンフォにも通じる熱情で再現したものといっていい。
吹き鳴らされるフルート、躍動するリズムに乗る美しいシンセとメロディアスなギター、
インストパートでのダイナミズムとイタリア語の歌声で聴かせる叙情溢れる要素が合わさり、
70年代のイタリアンロックを理想的な形で昇華させたというべきサウンド。素晴らしい傑作である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・9
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F
FABRIZIO DE ANDRE 「IN CONCERTO vol.1/vol.2」
イタリアのカンタウトーレシンガー、ファブリツィオ・デ・アンドレのライブアルバム。1979作
1と2をまとめて。基本的には歌ものですが、バックの演奏はPFMの面々なので、
地味ながらもよく聴けば演奏のキレは抜群。さすがです。
ファブリツィオのヴォーカルは、低めの落ち着いた声質で、
イタリア特有の土着性を感じさせる歌い回しとともに、枯れた味わいがあります。
プログレというよりは、もっと素朴で牧歌的なイタリアンサウンドが楽しめます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 イタリア度・・10 総合・・7.5
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FAVERAVOLA「La conta dei cento castagni」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ファヴェラヴォーラのアルバム。2006作
このいかにもなジャケのイメージ通りの、ファンタジー風のコンセプト作で。
たおやかなフルートやヴァィオリン、70年代の香りただようシンセワークとイタリア語の歌唱…
全体的にイタリアのマイナー系らしい繊細な幻想美につつまれていて、
この手が好きな人間にはたまらず、ダメな人間にはただ退屈というサウンドだろう。
マニアックなところだと、BLACK JESTERやASGARDといったバンドのメンバーも参加していて
かつてのLE ORMEあたりに通じる、幻想的な音が好きなら、きっと心地よく聴けるだろう。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 繊細度・・9 総合・・7.5
FESTA MOBILE
「DIARIO DI VIAGGIO DELLA FESTA MOBILE」

イタリアのシンフォニックロックバンド、フェスタ・モービルのアルバム。1973作
バンドというよりはセッションミュージシャンの作ったアルバムということで、
楽曲性よりは演奏、アンサンブルに重きを置いた作りになっている。
1曲目から高速かつ正確無比のピアノ弾きまくりプログレ。
歌もの曲もあるが、とにかくこのテクニックと繊細さを併せ持ったピアノが見事で、
かっちりとしたリズム隊やそこにからむギターなどをねじふせるだけの説得力がある。
当時のイタリアのブログレ熱が生み出した一作、ということになるのだろうか。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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FINISTERRE

イタリアのプログレバンド、フィニステッレの1st。1994作
90年代以降に現れたイタリアのネオプログレシーンの中でも重要なバンドの1つ。
たおやかなピアノの音色に、イタリアの叙情を聴かせるリリカルなフルート、
いかにも70年代リバイバル的なキーボードとともにシンフォニックロック復活を告げるようなサウンドだ。
モダンな要素はほとんどなく、曲もアレンジもどことなく古くさいが、この感触が好きな人にはたまらない。
メンバーのファビオ・ズッファンティとステファノ・マレリはHOSTSONATENなどでも活動しており、
イタリアの叙情シンフォサイドを支える人脈と言ってもよいだろう。
メロディアス度・・8 イタリア度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
FINISTERRE 「Live at ProgDay '97」
イタリアのプログレバンド、フィニステッレのライブアルバム。2000作
ベースのファビオ・ズッファンティはHOSTSONATEN他、多くのバンドに関わる
イタリアンシンフォ職人であるが、彼の本業(?)がこのバンド。
時期としては2nd「In Limine」の後の1997年のプログレデイでのライブ音源。
美しいシンセワークに、メロウなギター、リリカルなフルートを中心とした演奏は
たおやか系のイタリアンシンフォの本道といった感じで耳に心地よい。
ただアルバムでのサウンドに比べると、ライブ演奏という点で幻想的な美しさは薄まり、
あくまで楽曲の再現に終始している感がある。ファンならば聴いてみてもよいだろう。
シンフォニック度・・7 リリカル度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7
Finisterre「La Meccanica Naturale」

イタリアのプログレバンド、フィニステッレの4th。2004作
サイドプロジェクトのHOSTSONATENの方が焦点を絞ったシンフォニックとして
むしろ印象に残っているのだが、こちらの本元を聴くのは2nd以来。
PFMのディチョチョプロデュースということもあってか、今作は肩の力が抜けた自然体の音作りで
イタリアらしい叙情性と、ほどよいレトロな質感に現代風のアレンジを加えたバランス感が冴えている。
コテコテのシンフォにはならない薄味の中に、イタリア語の歌唱とゆるやかなメロディが活きていて
派手さはないもののじっくりと楽しめる繊細な作品となっている。
もちろんメロトロンやメロウなギターによるお約束の質感もあり、聴き終えての満足度も高い。
メロディアス度・・8 ゆったり薄味度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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FINISTERRE PROJECT「HOSTSONATEN」
イタリアのシンフォニックロックバンド、フィニステッレ・プロジェクトの1st。1996作
FINISTERREの方ははジャズロック色などの多様さもあったバンドだか、
今回はジャケットのギュスターブ・モローの絵画が示す通り、
ヨーロピアンなほの暗い情緒をかもしだすしっとり系のシンフォニックロックとなった。
たおやかなフルート、ピアノ、メロトロンといった懐古主義的なシンフォニック性は
メロウなギターフレーズと相まって、耳にしっとりとやさしく響く。
古めかしいだけでなく、メロデイそのものにも魅力があるので、41分の組曲を含め
全体的にリリカルかつ幻想的な叙情美を満喫できる作品となっている。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・3 たおやか情緒度・・9 総合・・8
FORMULA 3「sognando e risognando」

イタリアのプログレバンド、フォルムラ・トレの3rd。1972作。邦題は「夢のまた夢」。
昔キングのシリーズで聴いたときは、地味な印象で売ってしまったのだが
紙ジャケで手に入れたので改めて聴き直してみることにした。
10分台の大曲が3曲もあることから、音にはバンドとしての絶頂期を感じさせ、
特にアルベルト・ラディウスの官能的なギターワークが見事。
また、アコースティカルな部分での叙情的なヴォーカルにも味がある。
シンフォニックという点では続く4thの「神秘なる館」の方が上だと思うが、
本作はイタリアらしい濃密さのあるヘヴィプログレサウンドが楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・7.5
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FORMULA 3「LA GRANDE CASA」

イタリアンロックの名作、フォルムラ・トレの4th。1973作。
BMG紙ジャケリマスター盤。邦題「神秘なる館」
トレのアルバムは3rdの「夢のまた夢」とラスト作である本作しか聴いていないのだが、
個人的にはこのアルバムがバンドの最高傑作だと思う。
アコースティカルなギターの響きと、そこに絡むキーボードが美しいイントロは
シンフォニックロック的な神秘さを感じさせる。
イタリアらしい情緒豊かなヴォーカルが加わる曲では、
彼らの持ち味である歌ものとしての魅力が存分に発揮される。
メロディアス度・・8 アコースティックな美度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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Franco Battiato「Fetus」

イタリアの音楽家、フランコ・バティアートの1st。1972作/2010年紙ジャケリマスター盤
国際的にも著名な芸術家であるバティアートであるが、とくに初期の音楽作品は
プログレッシブな色が強く、1st、2ndはイタリアンロックの名作としても名高い。
子供の話し声から始まる本作は、歌ものとしてのメロディアスな側面と、
前衛的でアーティスティックな感性が混在した、不思議な味わいのある逸品だ。
牧歌的な素朴さを感じさせつつも、シンセの使用法などはどこか前衛的でもあり、
いくぶんほの暗い世界観を感じさせるのが個性的。イタリアの美と芸術を味わえる1枚。
メロディアス度・・7 前衛プログレ度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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Franco Battiato「Pollution」

イタリアの音楽家、フランコ・バティアートの2nd。1972作/2010年紙ジャケリマスター盤
艶やかなストリングスが鳴る、晩餐会のワルツと語りから始まる本作は
前作以上にアヴァンギャルドな風味を増した、前衛プログレの芸術作。
ノイジーなギターに重なるオルガンと爆発音のSE、さらにムーグシンセの響きは、
どこか不気味なものも内包していて、浮遊感のある女性スキャットなどとともに
ダークな美しさを描いている。イタリアらしいクラシカルな美意識を含ませながら、
組曲構成となったラストの12分の大曲では、予測のつかない展開に息をのむ。
メロディアス度・・7 前衛プログレ度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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G
GERMINALE「scogli di sabbia」
イタリアのプログレバンド、ジェルミナーレのアルバム。2005作
Lawrence Alma-Tademaの美しい絵画をジャケにした本作は、ライブ音源や、
カヴァー曲などを合わせた企画ものアルバムらしい。サウンドは比較的正統的なシンフォニックロックで、
爽やかな曲調の中にもかすかにイタリアらしい癖を感じさせる。
たおやかなピアノやフルートも美しく、多くはインストメインの楽曲であるが
女性Voが2曲で歌うなどして、メロディ重視のスタイルなのでとても聴きやすい。
カヴァーはGENESIS、KING CRIMSON、JETHRO TULLなど、どれもバンドなりのアレンジでまとめられ、
ライブ音源の方では軽やかなアンサンブルで、アコースティカルに聴かせる違う一面も覗かせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽やかしっとり度・・8 総合・・7.5
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GIARDINI D'AUTUNNO「FRAMMENTI DI IDEE PERDUTE」
イタリアのプログレバンド、ジャルディーニ・ド・アウトゥーノのアルバム。2003作
詳細は不明だが、G、B、Keyを操るマルチプレイヤーを中心に、Dr、Vo(ゲスト?)の3人組。
メロトロンやハモンドなどのくぐもったシンセサウンドで、中期クリムゾンあたりを思わせる
薄暗さをともなったインストを聴かせる。リズムが入ってのかっちりとした部分もあるが、
むしろシンセミュージック的なもやっとした空間的表現が彼らの特徴だろう。
メロディや展開にはっきりした聴き所がないので、ぱっと聴きにはとっつきが悪いかもしれないが、
ジャケの抽象風景画がよく音を表しているように、ゆったりとした芸術系シンフォとしても聴ける。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 静かな芸術度・・8 総合・・7
Goblin「Il Fantastico Viaggio del
Bagarozzo Mark」

イタリアンロックバンド、ゴブリンのアルバム。1978年作
「マークの幻想の旅」というタイトルで知られる本作は、
ゴブリンの作品中でも、最もシンフォニックで一番好きなアルバムだ。
美しい色彩のジャケのイメージ通り、幻想的なコンセプト作となっていて、
ムーグシンセの音色にメロディアスなギターが重なり、
物語を歌いあげるかのようなヴォーカルとともに、叙情たっぷりに聴かせる。
「サスペリア」や「ゾンビ」といったサントラ作品が有名なこのバンドだが、
そうしたインスト曲を作る方法論も本作中に活かされており、
ヴォーカル曲の合間に小曲をはさむことで、物語的な世界観を演出している。
リマスター盤には、ボーナスとしてライブ映像やインタビューも収録。
メロディアス度・・8 幻想度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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Greenwall「From the Treasure Box」

イタリアのシンフォニックロックバンド、グリーンウォールのアルバム。2005作
女性ヴォーカルにツインキーボードを含む6人編成で、しっとりとした美しいシンフォニックロック作。
うっすらとしたシンセをバックに、幻想的な浮遊感とイタリア語の歌唱で聴かせるサウンドで、
アレンジの中にモダンなポップさを取り入れ、プログレプロパーにならないセンスの良さが光る。
3曲目の間奏部にはPFMの“甦る世界”のフレーズも聴けたりして思わずにやり。
かと思うと、26分を超えるインストメインの大曲もあったり、バンドとしての器の大きさも感じさせる。
ジャケも含めてブックレットの童話的なイラストも美しい。
シンフォニック度・・7 叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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H
H2O「UNOPUNTOSEI」
イタリアのシンフォニックロックバンド、H2Oの1st。1997作。
先に2nd「due」を聴いていたのだが、センスのよいバンドはどのアルバムも良いものだ。
この1stの方は1曲目からたたみかけるキーボードとハケット風のギターが重なり、
これだけでシンフォ好きの耳を奪うだけの心地よいサウンド。
広がりのあるキーボードがなにより素晴らしく、時折BANCOあたりの70年代テイストを
感じさせるが、決して古くさくはならず懐古主義でもない現代形のシンフォ音像である。
2ndは英語だったがここでははまだイタリア語で歌っていて、よりイタリアンロック的に聴こえる。
あまり知名度はないようだが、クオリティとしては間違いなく新世代シンフォの代表格。
JETLAGあたりとともに現在形イタリアンプログレのシーンを引っ張っていって欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 音センス・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
H2O「DUE」
イタリアのシンフォニックバンド、H2Oの2nd。2001作
キーボード主導のシンフォサウンドで、軽快な躍動感があり、リズム面もなかなかタイト。
Voの声質がGENESIS的なものを感じさせるが、メロディの方はむしろ
初期PFMのキャッチーな部分を思わせるところがある。
全4曲という大作主義だが、心地よいメロディとこなれたアレンジのセンスで
だれることなく聴き通せる。キーボードの音色、メロディが実によろしい。
シンフォニック度・・8 軽快度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
HOSTSONATEN「MIRRORGAMES」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ホストソナーテンの1st。1998作
モロー好きの私としてはジャケの美しさだけでも買いのバンドですなな(笑)。
前身のFINISTERRE PROJECT同様、たおやか系のシンフォニックで、今どき珍しいくらいの
大時代的古典派ロマンサウンドが炸裂する。しかしそれが非常に出来が良いときている。
フルート、サックス、メロトロン、ハモンドなどの古めかしい楽器を優雅に弾き鳴らし
ゆるやかに盛り上ってゆく長大な楽曲は、ほのかな薄暗さをも感じさせつつ魅力充分。
たおやかでメロディアスでシンフォニック。耳にやさしくしっとりと。夢うつつに聴きましょう。
フルートで眠りましょう。メロトロンで泣きましょう…。ちなみに右は2010年の再発盤ジャケ。
シンフォニック度・・9 イタリア度・・8 たおやか情緒度・・10 総合・・8.5
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HOSTSONATEN「SPRINGSONG」
イタリアのシンフォニックロックバンド、FINISTERREのメンバーによるプロジェクト。2002作
紙ジャケで、曲ごとに動物が描かれた美しいカードが封入されているという豪華仕様。
まず冒頭から繊細なフルートとヴァイオリンの音色にうっとりと引き込まれる。
アコースティックの合間にはキャメルばりのメロディアスギターが顔を出す。
全体としてロックというよりはシンフォニックトラッド寄りのサウンドで、
「春の歌」という通り、たおやかできらきらとした叙情が詰め込まれている。
ヴァイオリンやフルート入りの繊細系シンフォが好きならまず聴くべきクオリテイ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 アコースティカル度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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HOSTSONATEN「springtides」
イタリアのシンフォニックロックバンド、ホストソナテンの未発曲集。2004作
FINISTERREをはじめ、今やイタリアンシンフォ界のワーカホリックたる活躍で知られる
ファビオ・ズッファンティ率いるバンドの1992年〜2002年の間のデモや未発曲を集めたもの。
たおやかなピアノにフルートの音色で聴かせる、アコースティカルなサウンドは
正規音源でないとはいえ、このバンドの繊細な叙情美をじっくりと楽しめる。
1997年時のデモでは、打ち込みリズムを含めてファビオが一人で作った音源が微笑ましい。
これが1999年以降の音源になると、バンド形態となっていてより音に説得力が増している。
音質等も含めて完璧な作品ではないが、ゆるやかなサウンドにうっとりとできる1枚だ。
シンフォニック度・・7 しっとり叙情美度・・9 音質・・7 総合・・7.5
HOSTSONATEN「Winterthrough」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ホストソナテンのアルバム。2008作
アルバムとしては3作目となり、前作「Springsong」の続編となる。
今作は冬をテーマにした作品で、美しいピアノにサックスが絡み、
たおやかなアコースティックギターの音色などでしっとりと聴かせる作風。
もちろん、メロトロン、ハモンドなどのヴィンテージシンセも使用され、
ばっと聴きはやや地味ながらも、じわじわとした叙情で盛り上げてゆく。
初めとラストを10分超の大曲、その間を1〜3分の小曲を連続させるという手法も、
濃すぎる味付けにならない絶妙の構成で、ゆったりと鑑賞していると6曲目後半でぐっときて、
ラストの大曲でジーンとなる…という具合。叙情派を好むシンフォファンは必聴。
シンフォニック度・・8 しっとり叙情美度・・9 イタリア度・・7 総合・・8
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HUNKA MUNKA 「dedicato a Giovanna G.」

イタリアンロックバンド、フンカ・ムンカのアルバム。1972作
I DIK DIKともつながりのあるバンドで、音楽的にもやはりどこか通じるものがある。
このアルバム、邦題「ジョバンナに捧ぐ」は彼らのアルバムの中でもプログレ色が濃い名作。
クラシカルで壮大なオルガンの響きに乗せる甘い歌声、ときおり意外と激しいドラムは
この時期のイタリア特有のロックの熱さを感じさせる。美しいピアノにストリングスが重なり、
叙情性もたっぷりで、情熱的に歌いあげるヴォーカルはオペラティックですらある。
尚、リマスター再発盤は、ジャケの便器のふた(笑)がパカッと開くLP盤を再現している。
クラシカル度・・8プログレ度・・7 イタリアの情熱度・・9 総合・・7.5
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I
IBIS「SUN SUPREME」

イタリアのプログレバンド、イビスの1st。1974作
NEW TROLLSのメンバーが分裂してできたバンドなので、そのサウンドには
初期のニュートロルスにあったクラシカルさと繊細な部分が色濃く出ている。
演奏は、見事な実力を持ったドラムとイタリア的なきらびやかなキーボードが素晴らしく
テクニカルで重厚でありながら、歌心もあって全体としてどこか素朴で、やさしさが感じられる。
このあと2ndを出したあと、メンバーは再びニュートロルスに合体することになる。
メロディアス度・・8 ニュートロルス度・・8 演奏・・9 総合・・7.5
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I DIK DIK「suite per una donna assolutamente relativa」

イタリアンロックバンド、ディクディクのアルバム1972作
邦題「ある女性に捧げる愛の形」、通称「洗濯女」。リマスター再発盤です。
ポップグループだった彼らが、プログレ的な壮大なキーボードワークを取り入れた異色の作品。
基本はゆったりとした牧歌的な歌ものアルバムであるが、メロトロンやムーグによる大盛り上がりの
バック演奏は、やや古くさい部分があるが、I POOHあたりに通じるものがある。
イタリアの歌もの系が好きな人には聴いて損はない作品。このジャケのインパクトはやっぱり凄いね(笑)。
メロディアス度・・7 プログレ度・・5 壮大度・・7 総合・・7
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Ifsounds「Apeirophobia」

イタリアのシンフォニックロックバンド、イフサウンズの2010年作
なにやら奇妙なジャケだが、サウンドの方もどことなくB級臭い浮遊感とヘタウマの女性ヴォーカルの歌声に男コーラスが絡み、
プログレ的なムーグシンセにロック風のギターが合わさった、濃密で叙情的、かつシアトリカルな面白い作風。
ゲストによるストリングスも美しい。一方では、なんとなくごちゃごちゃとしたつかみ所のなさもあるが、
ラストの27分を超える大曲はアヴァンギャルドな展開からドラマティックに盛り上がる、山あり谷ありの圧巻のプログレ曲だ。
ディープなイタリアンプログレマニアの方なら充分楽しめるだろう。結成は1993年と案外に古いらしい。
シンフォニック度・・7 濃厚プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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i GiGanti「Terra in Bocca」

イタリアンロックバンド、イ・ジガンティのアルバム。1971作
「犯罪の歌」という日本タイトルもインパクトが大きかったが、本作はもともとビートポップバンドであった彼らが
突如プログレッシブな一大組曲を作り上げたということで、イタリアンロック好きにも評価の高い1枚。
アコースティックギターやピアノ、フルートの響きに、哀愁漂うイタリア語の歌唱、
キャッチーなコーラスハーモニーとメロトロンなどが重なり、ときにシンフォニックな美しさと
緊張感をともなったダイナミックな展開がじつに見事だ。クラシカルな濃密さと牧歌的な叙情、
そして爽やかさの中にほのかに漂う翳り…これはまさにイタリアからしか出て来ない音ですな。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・8
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IL BALLETO DI BRONZO「Ys」

イタリアのプログレバンド、イル・バレット・ディ・ブロンゾの2nd。1972作
イタリアンロックの中でもシンセをメインにしたヘヴィプログレとしては筆頭の名作。
妖しい女性スキャットとクラシカルなオルガンの音色からして、すでに引き込まれるが
5つの楽章に分かれた組曲方式で展開される緻密な楽曲は、ELPなどとはまた違った
イタリア独自の濃密な薄暗さに包まれていて、神秘的なまでに妖しく、そして美しい。
ジャンニ・レオーネのシンセプレイは日本のARSNOVAなどにも大きな影響を与えている。
ドラマティック度・・8 キーボー度・・8 イタリア度・・9 総合・・8.5
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IL CASTELLO DI ATLANTE「...COME IL SEGUITARE DELLE STAGIONI」
イタリアのシンフォニックロックバンド、イル・カステッロ・ディ・アトランテの3rd。2001作
90年代のイタリアのマイナープログレシーンをCALLIOPEらとともに盛り上げていたバンド。
バンド名も長いがアルバムタイトルも長い(笑)。サウンドの方は1stからの延長上で
ヴァイオリン入りの爽やかシンフォニックロック。ハードさや緊張感とは無縁の
ひたすら爽快明朗路線で、イタリアらしいクラシカルなエッセンスもたっぷり。
ヴァイオリンに絡むピアノの音色にうっとりしつつワインでも飲みましょうか。
今のご時世に聴くとやや能天気すぎな感もありますが(^^;)、これはここれで気持ちいいかも。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 軽やか度・・8 総合・・7.5
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IL CASTELLO DI ATLANTE「QUINTESSENZA」
イタリアのシンフォニックロックバンド、イル・カステッロ・ディ・アトランテの4tn。2004作
かつて、CALLIOPEなどとともにVinyl Magicレーベルのニュープログレの代表格だったバンドだが、
まだこうして生き残っているとは、なかなか大したものである。サウンドの方は相変わらず、
定型のプログレキーボードサウンドにヴァイオリン入りのシンフォニックロックで、
演奏力、楽曲ともに傑出したものはないのだがなんとなく愉快に聴けてしまうという、
イル・カステッロ節(?)は健在。10分台の大曲をやっても緊張感があまりないのは彼らならでは。
いいオヤジになったプログレ好きの連中が、こうして変わらず頑張っているだけでも微笑ましい。
シンフォニック度・・7 イタリア度・・8 楽曲・・7 総合・・7
Il Giardino delle Delizie (GAN EDEN) 「Lavori In Corso 」

イタリアのシンフォニックロックバンド、イル・ジャルディーノ・デッレ・デリージの2007年作
美しいシンセとイタリア語によるヴォーカルを中心にした叙情的なサウンドで、
ハモンドなどの70年代風のレトロさと、現代的なシンフォニックが融合した雰囲気。
6〜8分台の長めの楽曲はドラマティックに展開するものも多く、
美しいピアノに絡むプログレ的なシンセワークも聴きどころだ。
B級バンドの多い最近のイタリアのシンフォシーンの中では、かなりの力作だろう。
シンフォニック度・・8 イタリア度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA「IO COME IO」
イタリアのハードプログレバンド、ロヴェッショ・デッラ・メダーリャの2nd。1972作
通称RDMとして知られるバンドで、邦題は「我思う故に」。紙ジャケリマスター盤。
RDMといえば、まずは次作の「汚染された世界」の華麗なクラシカルサウンドが思い出されるが、
基本的には彼らはハードロック寄りのバンドであって、この2ndにしても次作のシンフォニックな要素はなく、
比較的シンプルなバンドサウンドとなっている。プログレというよりはやはりハードロック的な感触で、
当時にしてはヘヴィめのギターが、ときにブルージーに鳴り響く。演奏もけっこうラフな感じなので、
3rdのイメージで聴くと肩すかしをくらう。再現されたメダル入りのジャケは見事だが。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 ハードロック度・・8 総合・・6.5
IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA 「Contaminazione」

イタリアのプログレバンド、RDMことロベッショ・デッラ・メダーリャのアルバム。1973作
「汚染された世界」と題された本作は、このバンドのキャリアの中でも異色ともいうべき
壮麗なクラシカル作品となっている。ルイス・エンリケス・バカロフをプロデューサーに迎え
バッハの曲をモチーフに、オーケストラを大胆に取り入れたサウンドは華麗にして濃厚。
きらびやかなシンセに典雅に鳴り響くチェンバロ、躍動するリズムと泣きのストリングス、
そこにイタリア語の歌唱が濃密に合わさり、感動的に盛り上げてゆく。
まさにイタリアからしか出て来ないバロックな傑作である。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 イタリア度・・9 総合・・9
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IL VOLO

元FORMULA 3のアルベルト・ラディウスを中心とした、イル ヴォーロの1st。1974作
紙ジャケ&リマスターで購入。昔聴いたときは、とても地味な印象しかなく、
何故これがイタリアンロックの名作とされているのかいま一つ分からなかったものだが、
こうして年を経た今になって改めて聴いてみると…これが実にいいのだな。
メンバーの誰もが高度な演奏能力を有しているのが分かる巧みなアンサンブルは、
派手な部分や突出した展開はないものの、自然体の構築美を感じさせる。
ラディウスのギターはときにメロウにときにアコースティカルに鳴り、美しいシンセをバックに
しっとりとしたイタリア語の歌唱が美しく乗ると、ここに繊細な叙情が極まる。
プログレうんぬんを抜きにして、穏やかなイタリアンロックとして楽しむ作品。
メロディアス度・・8 たおやか穏やか度・・9 アンサンブル度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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IL VOLO「ESSERE O NON ESSERE?」

たった二作を残して消滅したイタリアの名バンド、イル ヴォーロの2nd。1975作
歌パートが減り、インストとコーラスがメインになった今作は、のっけから勢いのある演奏で始まる。
しかし、すぐにまたアコースティカルな情緒を折りこまれ、バンドの本質が変わっていないのが分かる。
ジャズロック的に跳ねるリズムと、美しいシンセ、ギターが一体となったアンサンブルが素晴らしい。
まさにジャケットのようにブルーの叙情…けっして押しつけがましくない内的な激しさが音にある。
よりロック的なダイナミズムに満ちた2ndと、たおやかな叙情の1st、どちらにも捨てがたい魅力がある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アンサンブル度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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J
JACULA「Tardo Pede in Magiam Versus」

イタリアの暗黒プログレバンド、ヤクラのアルバム。1973作
荘厳なチャーチオルガンの音色から始まり、典雅なチェンバロの響きに
艶めいた女性ヴォーカルの歌声が乗る。ロック色はほぼ皆無で
全編にわたって秘教的な妖しさを漂わせた異色のサウンド。
呪文を唱えるかのような女性のスキャットに身震いするか、あるいは笑うかで
この闇の幻想音楽を楽しめるかどうかが決まるだろう。フルートの音色に乗る
女性声の美しさはOPUS AVANTRAに匹敵する。まさにイタリアンロック異端の一作。
2007年リマスター盤には、ボーナスとしてビデオクリップを収録。
荘厳度・・8 ロック度・・1 妖しさ度・・10 総合・・9
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J.E.T「FEDE SPERANZA CARITA」
イタリアのプログレバンド、ジェットのアルバム。1972作/邦題は「消えゆく希望の灯」
後にMUSEO ROSENBACHのメンバーと合体しマティア・バザールを結成することでも知られ、
本作はいわゆるハード系のプログレとしても語られるアルバムで、
ジャジーでハードなギターと手数の多いギターに、美しいキーボードが絡むサウンド。
バックの演奏は「聖杯伝説」をテーマとしているせいか英国的な雰囲気もあり、
イタリア語の歌唱における叙情性と、荒々しいハードな部分とのメリハリがついている。
とくにCの“王に捧げるシンフォニア”の美しさは白眉。紙ジャケで聖杯くり抜きジャケを再現。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ハードプログレ度・・8 総合・・7.5
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JETLAG「DELUSIONE OTTICA」
イタリアのテクニカルシンフォバンド、ジェット・ラグの1st。2001作
バンド名からしてPFMを思い出すが、音の方はそのPFMのテクニカルな部分を全面的に押し出し、
フルートを吹きまくったという印象。たたみかける変拍子たっぷりの見事なアンサンブルに
イタリア的な乗りの良さが加わり、メロディセンスと展開力も備わっていて新人とは到底思えない。
ジャズロック的な押しの部分と、時折引きのパートでの叙情性も見事でキーボードもハイセンス。
DFAあたりより聴きやすく、演奏面でもまったくひけをとっていない。PFM + BANCO + AREA…?イタリア恐るべし。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・9 楽曲・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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L
LA MASCHERA DI CERA

イタリアのプログレバンド、ラ・マスケーラ・ディ・チェラの1st。2002作
元FINISTERREのメンバーを中心に、70'sイタリアンヘヴィプログレの再現を目指して
結成されたバンドで、音の方も最初の1曲で“あの頃”のレトロな空気が蘇るかのようだ。
薄暗いメロトロンをバックに、叙情的なフルートの音色にイタリア語の歌唱。
ムゼオ、オザンナ、オルメ、といったバンド名が脳裏に思い浮かぶようなサウンドに
鳴り響くオルガン、ムーグの音にはおじさんプログレファンは感涙だろう。
あまりに確信犯すぎるものの、曲としても充分よく出来ているため、
ほとんど本当に70年代の未発掘バンドの音源かとも錯覚したくなるほどだ(笑)
メロディアス度・・8 イタリア度・・9 黄金の70's度・・10 総合・・8
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LA MASCHERA DI CERA「IL GRANDE LABIRINTO」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ラ・マスケーラ・ディ・チェラの2nd。2003作
デビュー作の時点から70年代への懐古主義を鮮明に打ち出しているこのバンド、
今作も古き良きイタリアンロックの質感をベースにしながら、ミステリアスな音世界を作り上げている。
艶やかなピアノ、吹き鳴らされるフルート、そして郷愁漂うようなイタリア語の歌唱。
メロトロンの響きをバックにしつつ、美しさと翳りを含んだ音像は、
ジャケ通りの雰囲気の妖しさを内包しながら、絡みつくように紡がれてゆく。
13分、9分、12分、22分という大曲を聴かせる世界観には、イタリアらしい深い闇と
狂気、そして芸術とが垣間見える。往年のイタリアンヘヴィシンフォも真っ青の1枚。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 70'sイタリア度・・9 総合・・8.5
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LA MASCHERA DI CERA「LuxAde」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ラ・マスケーラ・ディ・チェラの3rd。
70年代のイタリアンヘヴィシンフォを今に蘇らせるというコンセプトのこのバンド、
今作もいかにもレトロな雰囲気をぷんぷん漂わせた高品質作となっている。
鳴り響くメロトロンにハモンド、ムーグのレトロな音色、イタリア語で歌い上げるヴォーカル、
たおやかなフルート、そしてやや薄暗い叙情はかつてのOSANNAあたりを思わせる。
全体的に雰囲気作りの余裕が感じられるようになり、自然な感触で70'sイタリアの風を再現している。
圧巻は24分を超える大曲で、単なる懐古主義にとどまらない表現力を聴かせる。
イタリアンプログレファン、とくにMUSEO ROSENBACHなどが好きな方にはぜひ聴いて欲しい。
メロディアス度・・7 70's度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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La Maschera Di Cera 「Petali Di Fuoco」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ラ・マスケーラ・ディ・チェラの4th。2009作
70年代を思わせるレトロなヴィンテージサウンドを聴かせるこのバンド、
本作もムーグシンセの音色が鳴り響く、古き良きスタイルのイタリアンプログレ作だ。
イタリア語の歌声にフルートの響きは、どこかなつかしい哀愁を漂わせていて、
本作ではそこにいくぶんのスタイリッシュな現代風シンフォニックの質感を加味している。
濃密さは以前の作品ほどではないが、これぞイタリアというハードシンフォニック作である。
シンフォニック度・・8 古き良き度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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LATTE E MIELE「Passio Secundum Mattheum」

イタリアのプログレバンド、ラッテ・エ・ミエーレの1st。1972作
キリストの受難劇をテーマにした壮大なコンセプト作で、
たおやかなピアノにアコースティックギター、物語を語るようなヴォーカル、
そこに混声合唱団が加わって、時代的な荘厳な雰囲気に包まれる。
キーボードプログレとしては次作「パピヨン」の方が完成度は高いと思うが
この大仰なまでの演劇性は、今聴くと音質的にはややチープな部分があるものの、
イタリアからしか出て来ない音であるという点でやはり鑑賞に値する傑作だろう。
クラシカル度・・8 荘厳度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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LATTE E MIELE「PAPILLON」

イタリアのプログレバンド、ラッテ・エ・ミエーレの2nd。1973作
ラッテといえば、荘厳な雰囲気のトータル作「受難劇」が有名であるが
ノンフィクション小説をテーマにした7部構成の“組曲:パピヨン”を含む本作は、
トータル的な完成度ではむしろ上をゆく。ELPばりに鳴り響くオルガンの音色に
イタリアらしいやわらかでクラシカルなメロディが合わさって、
映画的な語りやアコースティカルなパートを含めて、ドラマティックに楽曲は展開してゆく。
むしろ「受難劇」よりも、このバンド本来のやわらかな繊細さが味わえる傑作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 繊細叙情度・・9 総合・・8.5
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LATTE MIELE「AQUILE E SCOIATTOLI」
イタリアのプログレバンド、ラッテ・ミエーレの3rd。1976作。邦題は「鷲と栗鼠」
ラッテエミエーレといえば、キリストの生誕をモチーフにした偏執狂的な大作、1st「受難劇」、
歌劇を思わせるメロディアスな2nd「パピヨン」が代表作とされているが、この3rdもなかなかの出来だ。
ポップさを増した歌ものの曲もあるが、20分を超える組曲では従来のシンフォニック節が炸裂、
イタリアらしい叙情美あふれるメロディアスサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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Latte Miele「Live Tasting」

イタリアのプログレバンド、ラッテ・ミエーレのライブアルバム。2008作
「ミルクと蜂蜜」という名を持つこのバンドは、1972〜76年の間に素晴らしい3枚のアルバムを残し、
とくに1st「受難劇」、2nd「パピヨン」はイタリアンロックの名作として今もなお愛され続けている。
これはなんと、30数年の時をへてそれらの曲をライブで演奏した、まさにファン感涙の作品である。
このライブで聴ける「受難劇」の組曲は、オリジナル以上にシンフォニックロックとしての壮麗さと
モダンさが前に出ていて、たおやかなピアノの響きやオペラティックな歌声とともに、
やわらかな美しさが際立っている。「パピヨン」からは数曲の抜粋のみなのが残念だが、
3rd「鷲と栗鼠」収録の20分を超える大曲“Pavana”が新たなアレンジで聴けるのは嬉しい。
優しいメロディのプログレという点では、イタリアでも屈指のバンドだったのだとあらためて知らされる。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Latte Miele「Marco Polo(sogni e viaggi)」

イタリアのプログレバンド、ラッテ・ミエーレの復活作。2009作
ライブアルバムをはさんでのまさかの復活である。1972年にキリストの「受難劇」をテーマにした
荘厳なコンセプト作でデビューし、その後も「パピヨン」、「鷲と栗鼠」というメロディアスな名作で、
イタリアンロックファンから愛されてきたラッテ・エ・ミエーレが、新たにラッテ・ミエーレとして復活。
本作は「東方見聞録」で知られる冒険家、マルコ・ポーロをテーマにしたコンセプト作で、
全13曲が彼の冒険を描いた各場面を音楽で表現した、じつに素晴らしい内容となっている。
のっけから壮大なオーケストレーションで幕を開け、華麗なシンセとメロウなギターが交差し
とてつもなくドラマティックなその音に一気に引き込まれる。やわらかなハモンドにフルートの音色、
オーケストラによるシンフォニックな音の厚みと、このバンドならではのやわらかなメロディが耳に優しい。
繊細なヴァイオリンが艶やかに奏でられ、優雅にしてクラシカルな、まさにイタリアの音である。
イタリア語の歌唱も含めて、どこかなつかしいような70年代の香りを、現代のダイナミズムで再構築したような
感触の感動的なサウンド。ラッテのファンは当然、イタリアンロック愛好家は全員必聴の歓喜の復活作だ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・10 総合・・8.5
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LA TORRE DELL' ALCHIMISTA
イタリアの懐古的プログレバンド、ラ・トッレ・デル・アルケミスタの1st。2001作
「錬金術師の塔」というバンド名通り、古きよき幻想を現代で蘇らせたようなサウンド。
70年代のイタリアの音。BANCOやCORTE DEI MIRACOLIのように
あのころの「イタリア」をそのまま音にしたようなバンドである。
叙情的なキーボードにフルートはもちろんサンプリングなどではなく生楽器、
ハモンドやメロトロンまでちゃんと本物を使うというこだわりよう。
バンコほど攻撃性がなく、しっとりとしたイタリア的叙情が満喫できる。
演奏、アレンジなどの現代的手法と、70年代の空気を融合させた、
ただのものまねには終わらぬ優れたバンドであるように思う。
メロディアス度・・8 ハモン度・・9 70'sイタリア度・・10 総合・・8
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La Torre Dell' Alchimista「neo」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ラ・トッレ・デル・アルキミスタの2nd。2007年作
70年代の雰囲気を再現した懐古主義的サウンドが見事だった1stに続き
今作もメロトロン、ハモンド、ムーグなどを鳴らしまくるレトロ系シンフォを追求している。
ただ、あまりにも70'sイタリアの音を追求していた1stに比べ、今作は楽曲の構成や演奏などに
90's以降のスタイリッシュさも感じられるようになり、いっそう聴きやすくなった。
ELPを思わせるハモンドの音色にPFMばりのムーグの響き、叙情的なイタリア語の歌唱とヴァイオリン、
そして適度にテクニカルな楽曲には、プログレマニアの喜びそうな要素が詰まっている。
懐かしのレトロ感覚と、現代シンフォニックの構築性が合体したイタリアンシンフォの充実作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 レトロ度・・8 総合・・8
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Le Orme「 Uomo Di Pezza」

イタリアンロックバンド、レ・オルメの4th。1972作/2010年紙ジャケSHM-CD
バンドの結成は古く1967年、初期は普通のポップなロックバンドだったらしいが、
1971年の3rd「Collage」あたりからクラシカルな要素を取り入れはじめ、
やがてイタリアを代表する叙情派のキーボードプログレバンドとなる。
本作は「包帯の男」の邦題で知られる、次作「フェローナとソローナ」と並ぶ人気作。
クラシカルなパイプオルガンの響きから始まり、しっとりとしたピアノを交えた
繊細な美しさとヴォーカルの入った牧歌的な素朴さが同居したサウンドが楽しめる。
一方ではELPを思わせるたたみかける激しさあるが、垢抜けないマイナー臭さが微笑ましい。
クラシカル度・・8 繊細度・・9 イタリア度・・9 総合・・7.5
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LE ORME「FELONA E SORONA」
レ・オルメの5th。1973作/2010年紙ジャケSHM-CD
「フェローナとソローナの伝説」というタイトルと、美しいジャケで知られるオルメの代表作。
同じイタリアのPFMやBANCOなどに比べると、正直なところ演奏力はずいぶん落ちるのだが、
リマスターによる音質向上で、以前に聴いたときよりも野暮ったさは感じなくなった。
ゆったりとしたシンセがメロディをつむぎ、やわらかなヴォーカルの歌声とともに
ジャケのような幻想的なイメージでしっとりと聴かせるサウンドは不思議に魅力的。
くぐもったような薄暗い叙情と粗削りの構成も、このバンドに関しては味わいになっている。
幻想度・・9 繊細度・9 イタリア度・・9 総合・・8
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Le Orme「Contrappunti」

イタリアのプログレバンド、レ・オルメの6th。1974作/邦題は「夜想曲」
正直、この代表作とされる「フェローナとソローナ」も「包帯の男」も以前はぴんとこなかった。
くぐもったような音と、演奏力の稚拙さから、ちと聴くのがつらかったのだが(リマスター盤で再評価)、
本作はのっけからドカドカとハードなドラムで聴かせるインスト曲で始まり、
全体的にも楽曲としてのメリハリがついてきているように思う。
相変わらずのくぐもったオルガンとメロトロンの音色はいかにも幻想的で、
クラシカルなピアノとともにプログレ的な…というかELP的なアンサンブルを聴かせる。
一方では牧歌的な歌もの曲もいかにもイタリアらしい繊細な美に溢れている。
クラシカル度・・8 繊細度・・8 幻想度・・8 総合・・7.5
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LE ORME「ELEMENTI」
イタリア70年代を代表するキーボードシンフォバンド、レ・オルメの2001年作
内省的で繊細な叙情美を体現してきたこのバンドの再始動作は、意外にも爽快で
ダイナミックなイントロに耳を奪われる。ギターの音色をキーボードによって出しているということだが、
それらツインキーボードがカラフルに奏で合い、見事なシンフォニック空間を彩っている。
タイトル通り「元素」をテーマにしたコンセプト作で、短めの曲が連なってアルバム全体を構築してゆく。
ときに優雅なヴァイオリンも顔を出し、やわらかなヴォーカルとともにナイーブな「静」を演出、
そしてダイナミズム溢れるパートへと移行してゆく流れは見事。
たとえレ・オルメを知らずとも、単体で楽しめるシンフォニックの逸品である。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 繊細度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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LE ORME「L' Infinito」

イタリアのプログレバンド、レ・オルメのアルバム。2004作
復活後の2作目となるが、前作の出来があまりによかったので期待していました。
今回はさらに優雅でクラシカル、そして壮大なサウンドになってます。
短い曲をつなげてゆく組曲風の作りは前作同様で、繊細な楽曲に乗るイタリア語の響きも心地よく、
随所で聴かせる美しいヴァイオリンやギターシュミレーターによるギター音色も効果的。
往年のくぐもったような暗さはなくなっていますが、完成度では間違いなく近年の方が上かと。
前作に引き続き、間違いなく傑作といえるだけの作品です。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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Le Orme「LA VIA DELLA SETA」

イタリアのプログレバンド、レ・オルメの2011年作
おそらく2004年の「L' Infinito」以来、7年ぶりとなるスタジオアルバムで、
シルクロード〜東方への旅をコンセプトにした、シンフォニックな傑作になっている。
2〜4分の小曲を連ねてゆく前々作からの作風で、メロウなギターワークに
クラシカルなピアノなどを含めて美しいシンセによるインストを中心に、
イタリア語による歌曲もまじえながら、ゆるやかにシルクロードのロマンを描き出してゆく。
ベテランらしい落ち着いた味わいが耳に優しい。繊細系のシンフォニックロック好作。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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L'ESTATE di san MARTINO 「febo」

イタリアのシンフォニックロックバンド、レスターテ・ディ・サン・マルティノの2007年作
たおやかなピアノの音色にイタリア語の叙情的なヴォーカル、
それをうっすらとしたシンセが包み込む、じつに繊細なシンフォニックサウンド。
イタリア的なメロディにこだわりながらも、音には押しつけがましいところはなく、
時間の流れを忘れるようなゆるやかな幻想美にはうっとりとなる。
アコースティカルな風味もあり、美しいピアノ、フルートなどに耳を傾けつつ
10曲目には女性ヴォーカルもでてきて、しっとりと聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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LEVIATHAN「BEE YOURSELF」
イタリアのシンフォニックロックバンド、リヴァイアサンのアルバム。1990作
BEE(蜂)をかけたつまらないシャレのタイトルとB級的なジャケはひどいが、
サウンドの方は意外にも繊細なメロディが美しいシンフォニックハード作で、
やややぼったいリズムの上に乗るギターのフレーズもメロウでとても心地がよい。
雰囲気は英国のPALLASなどに通じるものがあり、とても聴きやすい作品だ。
ラストの19分の大曲もなかなかにドラマティック。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7
Libra「Musica & Parole」

イタリアのプログレバンド、リブラのアルバム。1975作
アコースティカルにしっとりと始まりつつ、イタリア語の歌声にギターとシンセが絡み、
キャッチーなメロディとともに、ジャズロック的なテクニカルな演奏が繰り広げられる。
ベースのハネる感じがファンキーなノリをかもしだしているが、
それがイタリアンロックの濃密さと上手く融合されているのが面白い。
音質も大変良好で、年代を考えれば非常に厚みのあるサウンドだろう。
一方では繊細な叙情美もあり、ピアノに乗せたしっとりとした歌を聴かせるシンフォ曲もGood。
楽曲のメリハリのつけ方はとても洗練されていて、素晴らしい演奏力とセンスが合わさった
非常に質の高い作品だ。これはイタリアの隠れた傑作といってもいいだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ファンク風ジャズロック度・・8 総合・・8
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LOCANDA DELLE FATE「Forse Le Lucciole」

イタリアのプログレバンド、ロカンダ・デッレ・ファーテのアルバム。1977作
この美しいジャケのイメージ通り、ロマン溢れだすような、美麗なメロディが満載の名作。
美しいピアノに導かれて、メロウなギターと繊細なシンセワークに、しっとりとしたフルートが加わると、
やわらかな情感に包まれた極上のシンフォニックロックとなる。まさに妖精のような優しいサウンドだ。
また、アンサンブル的にも優れた展開力で、リズミカルな軽やかさがキャッチーな聴き心地となっている。
これぞイタリアが生み出した美の結集。ヴォーカルの太めの歌声が粗暴に思われるほどだ。
メロディアス度・・9 美麗度・・9 イタリア度・・8 総合・・8.5
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M
MALAAVIA 「DANZE D'INCENSO」
イタリアのシンフォバンド、マラーヴィアのアルバム。2003作
いかにもプログレ的なキーボードが鳴り響き、たおやかなフルート、女性Voの歌唱と、
この手のシンフォものが好きな方には美味しい要素が揃っている。
全体的にイタリアらしい陽気な雰囲気で、時にサックスやラテンの乗りのパーカッションが鳴り響く。
曲は組曲形式で進行してゆき、舞台っぽい物語性も感じさせながら
女性Voものシンフォとしても普通に聴ける。緊張感はないが明るく楽しいアルバム。
クラシカルなキーボードが前に出てくる場面は「これぞイタリアシンフォ!」という感じですな。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 愉快爽快度・・8 総合・・7.5
MALIBRAN「OLTRE L'IGNOTO」
イタリアのシンフォニックロックバンド、マリブランの4th。2001作
以前に2ndを聴いたことがあったが、フルートなどを用いた繊細で叙情的なB級シンフォニックだった。
さすがに新世紀に入ったアルバムとなれば、以前よりも録音、演奏レベルも上がっており、
一聴くしてかつてのヘナチョコさは影をひそめた、堂々たるシンフォニックロックである。
繊細なフルートの音色、きらびやかなキーボード、イタリア語の歌唱と、
GENESISタイプを基本としつつも、ジャケ通り、イタリアという国を強く感じる音である。
曲にはそれなりにメリハリがあり、ダイナミズムもでてきたので、あとはメロディのインパクトと
曲構成におけるアレンジ力のアップが今後の課題になるだろう。
シンフォニック度・・8 繊細度・・8 楽曲・・7 総合・・7
MALIBRAN「Trasparenze」

イタリアのシンフォニックロックバンド、マリブランの2009年作
デビューは1990年なので、すでにベテランといっていいだろう。 本作は5作目で、
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセ、フルートを一人でこなすジュゼッペ・スカラヴィーリを中心にした、
ほぼ個人バンドとなっている。前作まではよくも悪くもマイナー臭さの残るサウンドであったのだが、
今作では、持ち味であった中世的なロマンあふれる世界観が、強い幻想美をともなって説得力を増している。
美麗なシンセワークとたおやかなフルートの音色、そしてイタリア語の歌声でしっとりと聴かせる楽曲は、
聴き手をロマンの世界に誘うような心地がする。随所にアコースティカルな叙情を織り込むなど、
軽やかなアレンジにもベテランらしい余裕が感じられ、濃密すぎない耳心地のいい作風である。
シンフォニック度・・8 ロマン度・・9 イタリア度・・9 総合・・7.5
MANGALA VALLIS「THE BOOK OF DREAMS」
イタリアのシンフォニックロックバンド、マンガラ・ヴァリスの1st。2001作
Dr、Key、G & Bの3人組で、一聴した感じだとTRANSATLANTICあたりに似たサウンド。
ハモンド、ムーグ、メロトロン等のヴィンテージキーボードを使用した懐古主義的な音像に、
いっそうのGENESIS風味を付加したマニア好みの楽曲で演奏レベルも高い。
歌詞も英語なのでイタリア臭さはなく、軽快な部分はとても耳に心地よい。
ただし、個性は薄いかもしれない。トランスアトラン・ジェネシス(笑)
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・8 イタリア度・・2 総合・・8
MANGALA VALLIS「LYCANTHOPE」
イタリアのシンフォニックロックバンド、マンガラ・ヴァリスの2nd。2005作
イタリアのバンドなのにまるでGENESIS+TRANSATLANTICというサウンドで
シンフォファンを狂喜させた1stに続き、待望の2ndが完成した。
もうのっけから「あ、GENESIS…」という雰囲気のイントロ(笑)
やはりイタリアというよりはかつての英国ポンプに通じるサウンドで、
壮大に鳴り響くメロトロンとメロディアスかつシンフォニックな爽やかさが耳に心地よい。
今回は10分クラスの大曲が多く、前作の分かりやすいドラマティックさよりは
ややゆるやかに盛り上がる系の曲が多く、そういう点でもGENESIS度が増している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 GENESIS度・・8 総合・・8
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Marcella Bella「Original Album Series」

イタリアの女性シンガー、マルセラ・ベッラの5枚組ボックス。
1972年のデビュー作「TU NON HAI LA PIU PALLIDA IDEA DELL’AMORE」
73年作「MI...TI...AMO...」、74年作「METAMORFOSI」、76年作「BELLA」、77年作「FEMMINA」という
70年代の5枚のアルバムを収録したボックス。1作目めにおける美しいストリングスアレンジや、
フルートなども入ったいくぶんプログレ的な叙情は、さすがIL VOLO人脈による演奏である。
そして彼女の清涼な歌声がイタリア語の情感とともに瑞々しく響きわたると、ただうっとりである。
74年作あたりは、メロディアスな聴き心地とシンセを含んだサウンドが上手く融合された傑作であるし、
76年作もなかなかいい。77年作はややポップになっているが、むしろその歌声は初期に比べて艶めいて、
女性ヴォーカル好きにはたまらないだろう。とてもお得な紙ジャケCD5枚ボックスである。
メロディアス度・・8 イタリア度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Mario Panseri「Adolescenza」

イタリアン・カンタウトーレ、マリオ・パンセーリの1973作/2010年紙ジャケリマスター盤
アルベルト・モラヴィアの小説「アゴスティーノ」をテーマにしたコンセプト作であるが、
サウンドの方は美しいピアノ、シンセとクラシカルなストリングスアレンジで
たおやかに聴かせる優雅な歌もの。曲自体はどちらかというとコンパクトで短めなので、
プログレというよりは、シンフォニックなイタリアンロックというべきものだろうが、
耳心地のいいマイルドなヴォーカルと、イタリアらしいやわらかな叙情がじつに素晴らしい。
繊細なフルートの音色に、アコースティックギターによる哀愁も聴き手を惹きつける。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・8
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MAURO PAGANI「地中海の伝説」

PFMのヴァイオリニストとして活躍した、マウロ・パガーニのソロ作。1978作
PFMを脱退したパガーニが己の音楽の原点を見つめ返すべく
地中海音楽に取り組んだ作品。自身の弾くヴァイオリンを軸に、
ときにAREAのメンバーをまじえてジャズロック風に聴かせたり、
土着的な女性ヴォーカルや、アコースティックギター、ピアノなども入って、
異国情緒たっぷりに仕上げたアコースティカルなアルバム。
PFMのようなプログレとして聴くと拍子抜けするだろうが、
クラシカルな要素もあり、なによりマウロの艶やかなヴァイオリンの音色が美しい。
地中海の風を感じ取れるような、芸術的感性に満ちた作品だ。
プログレ度・・7 民族度・・8 地中海度・・10 総合・・8
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MAURO PAGANI「sogno di una notte d'estate」
元PFMのヴァイオリニスト、マウロ・パガーニのソロ作。1983作
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』の舞台劇用に作曲された作品集。
なので「地中海の伝説」のような叙情を想像すると肩すかしをくう。
序盤はダミ声ヴォーカルの入った普通のロック。PFMでのような美しいヴァイオリンや
フルートの音色は聴かれず、ファンキーな乗りの2〜3分台の曲がほとんど。
B面である6曲目からはやや雰囲気が変わり、プログレっぽいシリアスさが出てきて少しだけ安心。
ただ、パガーニ自身もこの作品は正式なソロ作とは認めていないらしく、
どちらかというとサントラ用の小曲集として聴いた方が良いだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・5 イタリア度・・7 総合・・7
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MAXOPHONE
イタリアンロックの名作の1枚、マクソフォーネのアルバム。1975作
かつてプログレをかじり始めの頃、友人に借りて聴いたのだったが、
今になって改めて聴き返すと、その完成度の高さにはやはり唸らされる。
イタリアらしい叙情性を保ちながらも躍動感に溢れる演奏力の高さはPFMにも通じ、
美しいコーラスメロディやリリカルなフルートなどもバランスよく曲を彩っている。
対位法の使われ方なども非常に巧みで、バランスが自然であるので音にはまったく嫌味がない。
聴きやすいが奥も深い。イタリアンプログレ入門用としてはマストアイテムの一枚である。
メロディアス度・・9 イタリア度・・7 楽曲・・9 総合・・9
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MAXOPHONE 「from cocoon to butterfly」

イタリアのプログレバンド、マクソフォーネの未発音源CD+ライブ映像DVD
イタリアンプログレの永遠の傑作である1枚「生命の故郷」を残して消えたこのバンド、
まさかこのようなお宝が発掘されようとは。CDの方はスタジオデモや未発曲などで、
アルバムよりも力の抜けたジャズタッチの雰囲気もあるが、さすがに演奏の質は高く
サックスやトランペット、フルート、ピアノなどを含めたイタリアらしい叙情美が光る。
ただ、あくまで寄せ集めの企画ものなので曲によっては音質の悪いものもあるので注意。
DVDには76年のTV出演時の映像4曲と、2005年の再結成時の映像が1曲、
そしてメンバーのインタビューなどを収録。まさにマニア歓喜のレアアイテムだろう。
メロディアス度・・8 未発音源度・・8 ライブ映像度・・7 総合・・8
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MEN OF LAKE「Music from the Land of Mountains,Lake and Wine」
イタリアのプログレバンド、メン・オブ・レイクの4th。1998作
自主っぽいジャケがB級臭いが、内容は懐の深さを感じさせる叙情的なイタリアンロック。
ロック的なギターに、ハモンド、軽やかなサックスなどが絡まり、ムーグにシンセの音に
かつてのPFMを思わせるようなフルートが合わさるといかにもプログレ的なのだが、
それでいてヴォーカルの声質は渋めで、曲にはアコースティカルでジャジーな質感もある。
リズムがややもったりとしているのが残念だが、テクニックよりもアンサンブル重視の
メロディックロックという雰囲気で、のんびりと楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・7.5
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METAMORFOSI「INFERNO」

イタリアのキーボードプログレバンド、メタモルフォーシの2nd。1973作。
ダンテの「神曲・地獄編」をコンセプトにしたアルバムで、イタリアンキーボードロックの名作とされる。
現在のデジタルシンセよりもぐっと暖かみのある、ムーグハモンドなどの古き良きシンセ群が鳴り響き、
オペラティック男ヴォーカルはやや暑苦しいながらも、サウンドに重々しい世界観を付加している。
バンコやバレット・ディ・ブロンゾにも通じる、実にイタリアらしいキーボードロックだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・7.5
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METAMORFOSI「PARADISO」
70年代に2枚のアルバムを残したイタリアン・プログレバンド、メタモルフォシの復活作。2004
キーボードプログレの傑作アルバムとされた「INFERNO」から30年余、
こうして、バンドがまた活動を始めるとは。VoとKeyはかつてのメンバーで
イタリアらしい熱情をともなった歌声は充分瑞々しく、むしろかつてよりもオペラティックでさえある。
他のメンバーは変わっても、キーボードのこのクラシカルなセンスは、やはりメタモルフォシ。
音色が現代的になった分、クラシカルシンフォとしてのサウンドがよりくっきりとなった。
押しだけでなく、たおやかなピアノパートやアコギなどの音色も美しく、
名バンドへの贔屓目を抜きにしてもクラシカル系イタリアンシンフォの傑作である。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8◆プログレ名作選入り
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MIA MARTINI 「Oltre La Collina...」

イタリアの女性ヴォーカル、ミア・マルティーニの1971年作
もともとはミミ・ベルテという名前でポップな音楽をやっていた彼女が改名して、
まるでキーフのジャケのような本作で再デビュー。サウンドは美しいストリングスに、
しっとりとしたピアノ、アコースティックギターに、イタリア語のヴォーカルで聴かせる、
シンフォニックなラブロック。ハスキーな歌声は魅力充分で、なかなか情熱的である。
ギターに重なる艶やかなストリングスアレンジはときにNEW TROLLSのようで、
イタリアンロック好きなら間違いなく楽しめる。女性ヴォーカルファンもぜひ。
シンフォニック度・・8 イタリア度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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MIA MARTINI 「Il Giorno Dopo」

イタリアの女性ヴォーカル、ミア・マルティーニの1977年作
1971年の 「Oltre La
Collina...」は実に美しい傑作だったが、
本作もイタリア語による彼女の絶品の歌声と、ストリングスによるクラシカルなアレンジで
しっとりと聴かせてくれる。オルガンなども入ったサウンドはプログレリスナーにも楽しめる。
シンフォニック度・・8 イタリア度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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mindflower「Little Enchanted Void」

イタリアのシンフォニックロックバンド、マインドフラワーの2008年作
妖精世界の創造から終末までをテーマにしたコンセプト作ということだが、
細かく分けされた25のパートで、まるでクラシックの組曲を聴くような味わいだ。
つややかなピアノの音色に導かれて、優雅なストリングスの響きが加わり、
クラシカルで繊細なシンフォニックサウンドを描き出す。ときおり入る男性ヴォーカルは
静かに物語を語るようで、派手な盛り上がりはさほどないが、じっくりと楽しめる逸品です。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 イタリア度・・7 総合・・8
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MINSTREL「FAUST」
イタリアのシンフォニックロックバンド、ミンストレルのアルバム。2000作
のっけから演劇的なナレーションで幕を上げる、ゲーテの『ファウスト』をモチーフにしたアルバム。
基本はギター、ベース、ドラム、キーボードの四人編成で、そこにクラリネットが加わったり、
配役によってセリフが入るといった、まさにロックオペラ的手法も取り入れている。
ギターにはややメタル色もあり、部分的にはプログレハード的な質感も感じるので、
案外HRリスナーなどにも聴きやすいかもしれない。演奏力は並み程度だが、
美しいシンセにメロウなギターが重なると、なかなかドラマティックな音になる。
シンフォニック度・・7 ドラマテイック度・・8 演奏・・7 総合・・7
MONTEFELTORO「Il Tempo Di Far La Fantasia」

イタリアのシンフォニックプログレバンド、モンテフェルトロの1st。
まずはこの美しいジャケに心惹かれるが、内容もイメージ通りの繊細なシンフォ作。
のっけから22分の組曲で始まるが、まったく押しつけがましいところがなく
ゆるやかなシンセを中心に、初期GENESISを思わせる幻想性でしっとりと聴かせる。
これだという盛り上がりを期待するのではなく、この夢見心地の世界観に
うっとりと浸れる方にお勧め。ヴォーカルの存在感の薄さもむしろよいのではないか。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・6 夢見度・・9 総合・・7.5
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MONTEFELTORO「IL PESCE ROSSO,」
イタリアのシンフォニックプログレバンド、モンテフェルトロの2nd。2001作
1stは繊細で夢見心地な叙情シンフォニックだったが、続くこの2ndでもその方向性は変わらず。
GENESISの繊細な部分を抽出したようなやわらかくふんわりとした音だ。
バックで常に鳴っているキーボードが幽玄さを演出し、あまり力まない歌がそこに乗る。
この手としては出来はかなりな部類だが、「これだ」という決定的な盛り上がりがないのが
物足りないといえば物足りない。しかしそれがまたこのバンドの魅力でもあるのかも。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・5 夢見度・・9 総合・・7
MOONGARDEN「THE GATES OF OMEGA」
イタリアのシンフォニックバンド、ムーンガーデンの3rd。2001作
GENESIS系の有望株として登場したこのバンドの3rdはCD2枚組の大作。
前作までにあった強引さ、ややあざといGENESIS的展開は、大作になったことで
ゆるやかな静寂の叙情を増したマイルドな作風へと変化を遂げた。
静けさの中にも空間美を感じさせるキーボードの使用法などを含めて
改めてこのバンドのセンスの良さが分かる。ただし気が短い人には向かない(笑)
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 静寂の空間美度・・9 総合・・7.5
MOONGARDEN「Songs From the Lighthouse」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ムーンガーデンの5th。2008作
聴くのは2001年の3作目以来になるが、雰囲気的にはずいぶんモダンなシンフォニックロックになった。
もちろんGENESIS系をベースにした叙情メロディや、鳴り響くメロトロンはそのままだが、
ファンタジックな中にも大人の哀愁を漂わせ、しっとりとした薄暗さを聴かせながら、
じわじわと盛り上げてゆく。かすれた声質のヴォーカルが英語で歌い上げるさまは、
イタリアというよりもむしろ英国のバンドのような雰囲気だ。
メロトロンをバックにした泣きのギターにうっとり。ドラマティックなハードシンフォの力作だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 イタリア度・・7 総合・・8
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Moongarden「A Vulgar Display of Prog」
イタリアのシンフォニックロックバンド、ムーンガーデンの6th。2009年作
前作「Songs From the Lighthouse」はなかなかの力作だったが、
本作も適度にモダンな質感のシンフォニックサウンドを聴かせてくれる。
ときにデジタリイなシンセアレンジと、いくぶんのヘヴィさをともなった作風は、
新世代のハードシンフォニックという雰囲気で、若いプログレファンにも楽しめるだろう。
ラストの17分の大曲も含めて、随所にドラマティックな盛り上がりもある力作。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
MUSEO ROSENBACH「ZARATHUSTRA」
イタリアのヘヴィ・シンフォニックロックバンド、ムゼオ・ローゼンバッハの1973作
70年代に彼らが残したこの唯一のアルバムは、イタリアンヘヴィプログレの名盤として語られている。
ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」をテーマにした、哲学的かつ壮大な内容で、
メロトロンとギターによる重厚なサウンドは、プログレ好きのメタラーにも聴きやすいだろう。
組曲の完成度はもちろん、音に内包されたミステリアスな雰囲気が素晴らしい。
プログレを聴く人間であれば、せめてPFMの「友よ」とこの作品くらいはチェックすべきだろう。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 完成度・・9 総合・・8.5
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MUSEO ROSENBACH「EXIT」
イタリアの70年代に「ZARATHUSTRAZ」という1枚のアルバムを残して消えた、
ムゼオ・ローゼンバッハが2000年になってなんと復活作を出した。。
イタリアンヘヴィプログレの傑作といわれた「ツァラトゥストラ組曲」の音を想像すると、
そこまでの緊張感はないが、かといってポップになったわけでもなく、全体として
古き良きイタリアンロックのテイストを残しているのでそうガッカリする出来でもない。
オリジナルメンバーはBとDrのみだが、それなりにかつての雰囲気はある。
メロディアス度・・7 ヘヴィ度・・6 ツァラトゥストラ度・・7 総合・・7
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N
NARROW PASS「A Room of Fairy Queen's」

イタリアのシンフォニックロックユニット、ナロウ・パスのアルバム。2006作
ERIS PLUVIAに参加していた、Mauro Montobbioというマルチプレイヤーを中心に
LA MASCHERA DI CERAのメンバーなども参加。美しいシンセワークにメロウなギター、
たおやかなフルート、そして女性Voと、これはもうシンフォニック好きにはたまらないサウンド。
ゆったりとした優しいメロディと繊細な感触は、HOSTSONATENあたりにも通じるもので、
すべての面で予定調和ながらとても日本人好みであり、癒し系シンフォとしてのんびりと鑑賞できる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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Narrow Pass「In This World And Beyond」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ナロウ・パスの2008年作
前作は女性ヴォーカルの歌声で聴かせる繊細なシンフォニック作で大いに気に入ったが、
本作もまたアコースティカルな美しさとやわらかな女性ヴォーカルが絶品の好作品だ。
たおやかなフルートの音色にシンセが重なり、メロウなギターフレーズが心地よく響くと、
初期GENESISやスティーブ・ハケットのような優しいシンフォニックロックとなる。
曲はほとんどが7分以上で、ゆったりのんびりと癒されるような繊細系の逸品。
シンフォニック度・・7 しっとり繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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NEW TROLLS「CONCERTO GROSSO PER T」

イタリアの名バンド、ニュー トロルスの3rd。1971作/紙ジャケ&リマスター。
オーケストラのチューニング音から始まるこの作品は、クラシックとロックが華麗に融合した奇跡の一枚である。
とにかく、この美しすぎるストリングの音色!この泣きの旋律の前には言葉を失う。
バンドの演奏パートが無骨に思えてしまうほどに美しい…
映画用のサントラとして作られたとはいえ、この作品がバンドの名を
イタリアンロックを語る上で一段引き上げたことは確かだろう。
バロックとロックの合体。これを聴かずしてクラシカルロックを語るなかれ。
昔は、旧B面にあたるヘヴィなインプロ曲がどうも好きになれなかったが、
今聴き返すと、これはこれでしっかりプログレしているので案外悪くない。
クラシカル度・・9 美麗ストリングス度・・10 後半ヘヴィ度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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NEW TROLLS「ATOMIC SYSTEM」

イタリアの大御所、ニュートロルスの1973作
バンドの最高傑作にも挙げられるアルバムであるから、たたみかけるような演奏と、
クラシカルな要素が合わさった見事なもので、繊細な「CONCERTO GROSSO」に比べればずっとロック寄りで、
躍動感に溢れている。叙情的なイタリア語の歌唱や、フルート、女性コーラスなど、サウンド的にもメリハリがあり、
ムソグルスキーの「はげ山の一夜」のカヴァーも含めて、聴き所は多い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・8
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NEW TROLLS「ALDEBARAN」
イタリアの名バンド、ニュートロルスの1978作
ニュートロルスといえば、「コンチェルトグロッソ」や「アトミックシステム」などが有名だが
この「アルデバラン」はプログレに斜陽の差し始めた78年という時期の作品で、
バンドとしてはワーナーからのメジャーデビュー作ということになる。
さすがに年代的にもプログレというよりはポップなメロディックロックという趣で、
曲名からして“ディスコ組曲”、“あのすばらしき夜”、“愛のハーモニー”といった感じで
非常にキャッチーなサウンドだが、バックのキーボードやストリングスの美しさは
やはり彼らならではで、イタリア語のヴォーカルハーモニーも美しく、完成度は高い。
メロディアス度・・9 プログレ度・・6 ポップ度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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NEW TROLLS「same」

イタリアのプログレ・ロックバンド、ニュートロルスの9th。1979作
トロルスといえば「Concerto Grosso」でのクラシカルさや、
プログレ色の強い「UT」「Atomic System」あたりを思い浮かべる方が多いだろうが
70年代後期になってからのポップな作風もまた素晴らしいのである。
前作「ALDEBARAN」もキャッチーな味わいで聴かせる高品質な傑作であったが、
今作もその流れで、イタリア語の叙情的な歌唱を軸にしたプログレ・ポップロックが楽しめる。
ポップといっても、Poohなどと同様、美しいコーラスハーモニーで繊細なメロディを聴かせてくれ、
イタリアからしか出て来ない優美な感触が実に耳に心地よい。うっとりと楽しめる作品だ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・8
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NEW TROLLS「FS」

イタリアンロックバンド、ニュートロルスのアルバム。1981作
イタリア鉄道をテーマにした作品で、のっけから汽車の音で始まって郷愁を感じさせつつ、
ドラムとギターのメロディが入るとPFMを思わせるようなダイナミックなサウンドになる。
キャッチーなコーラスなどに前2作のポップな感触を残しつつも、意外とハードめのギターとともに、
哀愁のメロディを聴かせる作風で、イタリアンロックとしての味わいが存分に楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・8
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NEW TROLLS
VITTORIO DE SCALZI LA STORIA DEI NEW TROLLS
「CONCERTO GROSSO」
ニュー・トロルスの名作「コンチェルトグロッソ」のライブ再現アルバム。2001作。
イタリアンロックが好きな方なら知らずに通れない名作「コンチェルトグロッソ」から30年、
大がかりなオーケストラとの競演によりダイナミックに蘇った。
バンドとオケのコンビネーションもよく、楽曲はクラシカルで重厚に再現されてゆく。
原曲を知っていればいっそう感慨もひとしおだが、知らない方でも純粋に
オケ入りシンフォの逸品として鑑賞可能だろう。じつに素晴らしい。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・8 オーケストラ度・・8 総合・・8
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NEW TROLLS「Concerto Grosso The Seven Seasons」

イタリアのプログレバンド、ニュートロルスの2007年作
イタリアンロックのクラシカルサイドにおける頂点を極めた 往年の名作「コンチェルトグロッソ」の続編。
これは興奮しないわけれにはいかない。聴いてみての印象は、オーケストラとパンドとの融合が見事なまでに
自然になされている点。かつてのパート1では、バンドサウンドの部分ではやや粗さがあったのだが、
今作においてはすべての音が完璧に楽曲にそった調和の中に存在していて、
実にスムーズに音に浸れるのだ。また、思いの他ギターが活躍しているのもポイントで、
ロックとしての躍動感がしっかりとあるのが素晴らしい。過去のグロッソ1、2を知らない方でも、
この素晴らしきクラシカルロックには感銘を受けずにはおかないだろう。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・7 クラシカル度・・10 総合・・9
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NOVA「Vimana」

OSANNAのエリオ・ダンナと、元CERVELLOのコッラード・ルスティーチを中心としたジャズロック・バンド、
ノヴァの2nd。1976年作。NEW TROLLSのレナート・ロセット、GENESISのフィル・コリンズも参加。
イギリスに渡ったイタリア人たちと、実力のあるメンバーたちによる演奏はさすがに見事で、
エリオのたおやかなフルート、サックスの音色に、コッラードのセンス溢れるギターワーク、
そこに軽快なリズムセクションが同居して、イタリアンロックとブリティッシュの不思議な融合がなされている。
上品でスタイリッシュなモダンさを有しつつも、メロディにはどこかイタリア特有の叙情が残っていて、
プログレッシブ系のジャズロック作としては希有なほどの上質なアルバムといえる。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 されどイタリア度・・8 総合・・8
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NOVA「Wings of Love」

OSANNAのエリオ・ダンナと、元CERVELLOのコッラード・ルスティーチを中心としたノヴァの3rd。1977年作
イタリア出身ながらイギリスに渡って制作された前作「Vimana」は、イタリアの叙情とイギリスのスタイリッシュさが
上手く融合された傑作であったが、続く本作ではそこにさらにアメリカ的なポップさが加わってきている。
フュージョン的な軽快なリズムの上に鳴り響くサックスと、キャッチーなヴォーカルメロディには
モダンで洒落た味わいがあり、シンセによる味付けもアメリカのプログレハード風な感じがする。
ファンキーな陽気さの中にも、フルートの音色やメロディの中には、イタリアらしい叙情が残っていて、
そのクロスオーヴァー具合が不思議な味わいをかもしだしている。多国籍なフュージョンロックの好作。
メロディアス度・・8 フュージョンジャズロック度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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O
Oderigi Lusi「NOTES FROM A LOGBOOK」

イタリアのシンフォ系アーティスト、オデリギ・ルシのアルバム。2007作
再々編OSANNAをはじめMALAAVIAなどのプロジェクトで活躍するシンセ奏者。
今作は、世界中を旅するというコンセプトによるアコースティカルなアルバムで、
PFMを思わせるような軽やかなフルートに美しいピアノ、ヴァイオリンなどの音色が合わさり、
さらには民族的なパーカッションなども入って、地中海音楽的な質感をたっぷり聴かせる。
女性ヴォーカルの歌声とともに、ジャズロック風味やシンフォニック・チェンバー的にも楽しめ、
語りなども入ってくると、やはりMALAAVIAにも通じるシアトリカルな雰囲気も覗かせる。
シンフォニック度・・7 アコースティカル度・・8 民族度・・7 総合・・7.5
OPUS AVANTRA 「Introspezione」

イタリアンロックの輝ける芸術、オパス・アヴァントラの1st。1974作
アヴァンギャルドな感性と気高さ、繊細かつ張りつめたような美意識、
ピアノの一音さえもが空気を描きだすような意志をもっている。
そして、歌姫ドネラ・デル・モナコの崇高な歌声が胸を打つ。
クラシックを基盤にしつつ、ここまで革新的な音楽をいったい誰が創造できるだろう。
この時代、この国からでしか決して生まれえなかった音楽である。
プログレッシブロックを芸術とするのなら、本作こそまさにそれを体現した作品だ。
続く2nd「Lord Cromwell」とともに、イタリアの奇跡ともいうべき名作である。
クラシカル度・・9 アヴァンギャル度・・9 芸術度・・10 総合・・9
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OPUS AVANTRA 「Lord Cromwell Plays Suite for Seven Vices」

イタリアンロックの輝ける芸術、オパス・アヴァントラの2nd。1975作
至高の芸術作品と名高き1st「内省」に続き、本作もクラシカルな優雅さで聴かせる絶品の傑作。
とにかく、荘厳なティンパニの響きから始まる1曲目“Flowers on Pride”の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。
たおやかに鳴らされるフルートと繊細なピアノの音色で、しっとりとゆるやかに盛り上がり、
妖艶のドネラの歌声とオペラティックな男女コーラスが重なってゆく。
アルバム全体としては、1stに比べてヴォーカル曲が減っているが、
むしろクラシカルな構築性は増していて、最後まで優雅な気分で鑑賞できる。
バンドはこの作品のあと活動休止状態となるが、1989年になって3rd「Strata」を発表
往年の輝きはなくなってしまったが、初期を忍ばせるなかなかの好作である。
クラシカル度・・9 アヴァンギャル度・・8 芸術度・・10 総合・・9
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OPUS AVANTRA「Live Concerts Excerpts」

イタリアのプログレバンド、オパス・アヴァントラのライブ作。2007作
イタリアンロック史上の奇跡の名作ともいうべき2作を残し、バンドはいったん活動を停止、
その後1989年に3rd「Strata」を発表するが、かつての輝きはいくぶん失われていた。
本作はその1989年のライブ音源を中心に構成されている。プログレというよりは
前衛的なクラシックともいうべき曲もあり、音質的にも良質とは言い難いが、
当時のバンドの音楽性を生々しく伝えてくれる。歌入りの曲ではアルバム以上に
声量豊かなドネラの歌唱とティソッコの奏でるピアノの響きにうっとりと耳を傾けられる。
1977年の音源はティソッコが前衛音楽に傾倒していた時期ということで、
ピアノを主体にしたミニマムな室内楽的演奏ながら、楽曲はとてもアヴァンギャルド。
一般のリスナーはまず彼らの1st、2ndをチェックしてからこれを聴いて欲しい。
クラシカル度・・9 前衛度・・9 音質・・7 総合・・7.5
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OSANNA「L'uomo」

イタリアンロックバンド、オザンナの1st。1971年作
OSANNAといえば、最高作である3rd「PALEPOLI」がまず思い浮かぶが、
本作もフルートが鳴り響き、アコースティカルな情緒とイタリア語の歌声とともに、
混沌とした情熱をまじえた、やはりイタリアからしか出て来ないサウンドである。
いくぶん荒々しいギターにサックスの音色、ハードロック色やファンキーな部分もありつつ
やわらかなフルートが美しい、静と動の鮮やかなコントラストはなかなか魅力的。
「パレポリ」ほどの完成度はなくとも、イタリアンロックファンには充分に楽しめる好作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・7.5
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OSANNA「Milano Calibro 9」

イタリアンロックバンド、オザンナの2nd。1972年作
映画のサントラとして作られた作品で、NEW TROLLSの「コンチェルト・グロッソ」を思わせる
美しいオーケストレーションで幕を明け、ムーグシンセとフルートが加わって
イタリアらしい情熱的な躍動感と、クラシカルな優雅さが合わさったサウンドを描き出す。
基本的にインストメインの小曲集なので、「パレポリ」に比べると濃密さの点ではやや薄めなのだが、
スリリングな演奏はさすがだし、土着的な部分が苦手な方にはむしろ聴き安い作品かもしれない。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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OSANNA「PALEPOLI」

イタリアのプログレバンド、オザンナの3rd。1973作/紙ジャケリマスター盤
70年代イタリアン・ヘヴィプログレの中でもCERVELLOの「MELOS」と並んで、
もっとも幻想的であり、そして完成度の高いアルバムがこれだ。
妖しい鈴の音とともに太古の儀式を思わせるような雰囲気から、フルートが鳴りだし、
うねるようなギターとメロトロンが合わさって、祝祭めいたサウンドが作られると
やがて幻想都市パレアポリスが目に浮かぶ。イタリア語の歌声による叙情と、
濃密な空気がかもしだす特有の迫力は、このバンドならではのものだ。
吹き鳴らされるフルート、荒々しいギター、フェリーニの映画のような破天荒さと
呪術的な幻想性…すべてにおいてイタリアからしか出て来得ない傑作だ。
メロディアス度・・7 濃密度・・9 イタリア度・・10 総合・・8.5
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OSANNA「Landscape of Life」

イタリアンロックバンド、オザンナの4th。1974年作
傑作「PALEPOLI」に続くアルバムであるが、前作での濃密で混沌とした土着性は薄れ
サックスの音色とともに、ジャズロック的でもある軽快なアンサンブルが強まっている。
それでも、うっすらとしたメロトロンの音色やイタリア語の歌声による叙情性は残っていて、
アコースティカルな部分とたたみかける勢いとのコントラスで聴かせるオザンナ節は健在。
プログレとしてのテクニカルさと軽快なジャズロック色に、イタリアの叙情が合わさった傑作です。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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OSANNA「TAKA BOOM」
イタリアのプログレバンド、オザンナの復活作。2002作
彼らの残したアルバム「PALEPOLI」はイタリアンヘヴィ・プログレの傑作として
今なお語り継がれるが、そのオザンナがこうして復活作を出すとは驚きだ。
過去の曲のリメイクを中心とした作品であるが、のっけから“L'Uomo”の
ダンスビートバージョンで面食らう。全体的にかつてのおどろおどろしさはなく、
モダンなアレンジをほどこされた楽曲は、ある意味分かりやすくキャッチーだ。
基本的にはサックス入りの歌ものという雰囲気で、プログレとして聴くにはやや物足りないが、
「PALEPOLI」からの曲を含む3曲めなど、随所にかつての叙情を感じとれる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 オザンナ度・・8 総合・・7.5
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Osanna & David Jackson「Prog Family」

イタリアンロックバンド、オザンナの2009年作
元Van Der Graaf Generatorのデビッド・ジャクソンを迎え、スタジオライブ形式で録音された作品。
デビッド・クロス(元KING CRIMSON)、ジャンニ・リオーネ(Il Balletto Di Bronzo)といった豪華なゲスト陣もまじえ、
「ミラノ・カリブロ9」や「パレポリ」といった、かつてのアルバムからの楽曲たちを大胆にアレンジ、
現代的な作風で甦ったそのサウンドに思わず感動である。リノ・ヴァイレッティのイタリア語の力強い歌声に、
ギターとサックスが絡み、いわばファンキーに仕上げた雰囲気であるが、そこには70年代イタリアの叙情を
しっかりと残していて、まぎれもなく「今の」オザンナの音になっている。フルートも美しい。往年のファンもぜひ。
ドラマティック度・・8 オザンナ度・・9 イタリア度・・9 総合・・8.5
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P
PANDORA「Dramma di un Poeta Ubriaco」

イタリアのプログレバンド、パンドラの2008年作
ツインシンセとギターによる厚みのあるハードシンフォニックサウンドで、
オールドテイストなオルガンとムーグの音色がいかにもイタリア的。
ヴォーカルも当然イタリア語で歌いあげ、ハードめのギターが加わると
ムゼオ・ローゼンパッハあたりを思わせるヘヴィプログレの質感になるが、
11分、13分という大曲では、引きの叙情も含めたメリハリのある展開美を聴かせる。
楽曲アレンジにはいくぶんの唐突さもあるが、ドラマティックな作風は魅力的だ。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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Paolo Bianchi 「Nero su Bianco」
イタリアのミュージシャン、パオロ・ビアンキの1996年作
元RDMのシンセ奏者Tony Carnevaleが参加した本作は、打ち込みのリズムに、
クラシカルなピアノとシンセで聴かせる優美なインストのシンフォニックロック。
ときにロック的なギターも入ってくるが、楽曲はあくまで優雅で軽やか。
そう言う点ではTony Carnevaleの作品にも通じる質感がある。
クラシックの教育を受けた鍵盤弾きらしい、繊細にして優雅なピアノはさすがである。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 優雅なイタリア度・・8 総合・・7.5
PAOLO RUSTICHELLI-CARLO BORDINI「OPERA PRIMA」
イタリアのシンフォニックロックユニット、ルスティッキエリ & ボルディーニのアルバム。1973作
当時16歳の鍵盤奏者ルスティッキエリと、ドラマーのボルディーニによるデュオで
のっけから壮大なメロトロン、アープシンセによる分厚いキーボードサウンドが度肝を抜く。
つづいて美しいメロトロンをバックに端正なピアノが美しいスローパートにうっとり。
1曲目はイタリアンロックにおいて最高のメロトロン曲といってもいいだろう。
2曲目以降は歌入りで、KEYの歌うダミ声まじりの絶叫が耳につくのが少々痛い。
これでもし専任Voが歌っていたら比類なき名作として語られたであろうに。
まあ欠点のVoを差し引いても必聴クラスのアルバムであるには違いない。
とにかく絶品のピアノ&メロトロンは素晴らしいのひと言。音質向上により、臨場感も増した。
シンフォニック度・・9 メロトロン度・・9 Vo声質・・2 総合・・8.5
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PERIFERIA DEL MONDO「Un Milione Di Voci」
イタリアのプログレバンド、ペリフェリア・デル・モンドの2002年作
シンセにヴァイオリンを含む6人編成で、70年代的なムーグシンセの音色に
サックスが鳴るジャズロック的な軽やかさを含んだプログレをやっている。
古き良きオルガンの音色にギターが重なり、イタリア語のヴォーカルが入ると
なかなか濃密な作風である。艶やかなヴァイオリンやフルートなどの叙情性もあって、
RANDONEあたりと同様に、そこそこ質の高いイタリアンシンフォニックと言えるだろう。
シンフォニック度・・7 濃密度・・8 イタリア度・・10 総合・・7.5
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PERIFERIA DEL MONDO
イタリアのプログレバンド、ペリフェリア・デル・モンドの2006年作
アルバムとしては3作目になるらしい。サウンドはこれぞコテコテのイタリアンプログレ。
鳴り響くフルートに泣きのギター、そこにサックスも入り、ジャズロック的なアンサンブルも
取り入れながら、少し粗野なイタリア語のヴォーカルが歌い上げる。
押しのパートとゆるやかなパートがやや唐突な気もするが、それも含めてイタリア的か。
まったく雰囲気は嫌いではないし、非常にプログレファン受けするサウンドではあるが、
曲の細かなアレンジなどにもう少し気を配っていってもらいたい気もする。
メロディアス度・・7 コテコテ度・・8 イタリア度・・9 総合・・7.5
PFM「Storia di un Minuto」

イタリアのプログレバンド、PFMことプレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1972年作
PFMの記念すべきデビュー作であり、のちの作品のように洗練されきれていない素朴さが魅力。
イントロに続く2曲めの“9月の情景”は、後に“甦る世界”としてリメイクされる名曲で、
イタリア語の叙情美とシンセによる印象的なメロディがじつに耳心地良い。
3曲めの“E' Festa”は、“Celebration”として「Photos of Ghosts」に収録される彼らの代表曲。
間奏部のフルートを含めて、より祝祭の情景が感じられるこちらのイタリア語版が好み。
クラシカルな美しさの“Dove...Quando...”イタリアらしい混沌とした雰囲気の“ハンスの馬車”、
どれもがイタリアからしか出て来ないプログレサウンドという点で、非常に個性的なアルバムです。
叙情度・・9 プログレ度・・8 イタリア度・・10 総合・・8.5
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PFM「Per Un Amico」

イタリアのプログレバンド、PFMことプレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1972年作
「友よ」のタイトルで知られるPFMの2作目にして初期の最高傑作。ともかく1曲め“Appena
Un Po'”の美しさ。
のちに“River of Life”としてリメイクされるのだが、原曲のこちらの方がイタリア語の情感とともに、
はるかに叙情的に迫ってくる。繊細なフルートの音色、艶やかなヴァイオリン、アコースティカルでありつつ
ダイナミックな広がりも備えたPFM最高の名曲のひとつだ。テクニカルなリズムの上にピアノとヴァイオリンが鳴る
“生誕”は“MR. 9 `TIL 5”として「Photos of Ghosts」にてリメイクされる佳曲。間奏部のフルートが楽しい。
しっとりと叙情的な“友よ”、牧歌的でありながら展開に富んだ“晩餐会”、ラストの“ゼラニウム”まで全5曲35分弱であるが、
クラシカルな楽曲の美しさ、卓越した演奏力、どこをとっても質が高く、まさしく「甦る世界」と並ぶ彼らの代表作である。
叙情度・・10 プログレ度・・8 イタリア度・・10 総合・・9◆プログレ名作選入り
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PFM「Photos of Ghosts」

PFMことプレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1973年作
イタリアンロックを代表するバンドであり、日本人にも最も人気のプログレバンドのひとつ、
これはその3作目であり、英語による世界デビュー盤。個人的にも一番最初に耳にしたイタリアの作品で、
美しい点描のジャケと、「幻の映像」という日本タイトルにはひどく胸をときめかせたものだ。
今回は2010年の最新リマスターによる再発で、ボーナストラックも多数収録したまさに必携盤。
まずはなんといっても、1曲目の“River of Life”が素晴らしい。やわらかなフルートとシンセが合わさり
ゆるやかに盛り上がってゆくこの美しさは筆舌に尽くしがたい。続く2曲目の“Celebration”のコミカルなキャッチーさ、
たおやかなピアノで始まる“Old Rain”の優しい情緒、マウロ・パガーニのヴァイオリンにアコースティカルな素朴さと
クラシカルな感触で聴かせる大曲“Il Banchetto”、テクニカルな演奏が見事な“Mr.9'til5”など、
あらためて鑑賞しても、リマスターによる音質向上もあって、どの曲もじつに味わい深く楽しめる。
ボーナストラックには“River of Life”の初期ミックスなど6曲を追加収録。
叙情度・・9 プログレ度・・9 イタリア度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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PREMIATA FORNERIA MARCONI「L'ISOLA DI NIENTE」
プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ、通称PFMの4th、邦題「甦る世界」のイタリア語盤。1974作
PFMの初期5作+ライブアルバムはプログレを聴く人間としては外せないアルバムだと思うので、
未聴の方はぜひリマスター盤が出たことを機に買うのがよいでしょう。さて、さっそく聴いてみると
おお、音質向上〜っ!! のっけから混声コーラスパートからして臨場感が違う。
それにドラムの音も低音がしっかりしていてとても力強い。
本作はPFMのアルバムの中でも最も大曲に力を入れた作品でもあり、
男女コーラス隊の入った一曲目の荘厳さにはやはり圧倒される。
名曲中の名曲“LA LUNA NUOVA”のイントロのヴァイオリンは何度聴いてもワクワクする。
キャッチーかつテクニカルで叙情的、と私にとってプログレ名曲10選に入る一曲なのだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 イタリア度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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PFM「The World Became The World」

プレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1974年作/2010年リマスター
「甦る世界」のタイトルで知られる本作は、まさにPFM絶頂期の傑作だ。
まぎらわしいが緑色のジャケがイタリア語盤で、この青ジャケは英語盤である。
PFMの作品では自分は基本的にイタリア語のものが好きなのだが、本作に関してはこの英語版もお気に入り。
壮大な混声コーラスで幕を開ける“The Mountain”のダイナミズムにまず感動。リマスターによる音も素晴らしく、
ドラマティックに展開する楽曲にぐいぐいと惹きつけられる。イタリア語盤未収録のタイトル曲は美しいメロディに泣きまくり、
そして、本作ハイライト“Four Holes in the Ground”は、躍動する5拍子のリズムとメロディが合わさった名曲中の名曲
イタリアらしさはやや薄れたが、素晴らしい演奏テクニックとダイナミズム、そして叙情が同居した、まさに歴史的な名盤である。
ボーナストラックには“ハンスの馬車”のシングルバージョンなど3曲を追加収録。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・9 イタリア度・・8 総合・・9
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PFM「CHOCOLATE KINGS」

プレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1975年作/2010年リマスター
前作「甦る世界」までの初期の4枚に比べ、本作はファンの人気がいまひとつであるようだが、
内容的にはまったく劣らない。そればかりか彼らの作品中で最もテクニカルな一枚といってもいい。
かつてのUK盤ジャケが太ったマリリン・モンローであったように、巨大化するアメリカを揶揄した作品で、
1曲目の“FROM UNDER”から、その見事な演奏に引き込まれる。ダイナミックなアンサンブルに
マウロ・パガーニのたおやかなフルートとヴァイオリンが加わって、これまで以上に音の厚みと
静と動のメリハリがついたサウンドは、バンドとしてのひとつの頂点というべき輝きに満ちている。
もちろん、テクニックだけでなく、メロディにはしっかりイタリアの情緒と地中海的な優しさが残っていて、
その歌ごころを忘れない楽曲作りには、改めて敬服するばかりである。リマスターによる音質向上も嬉しい。
テクニカルさとメロディアスさと、アコースティックなやわらかみのバランスがとれた傑作アルバムだ。
ボーナスDiscには1976年イギリス、ノッティンガムでのライブ音源を7曲収録。当然ながら素晴らしい演奏に悶絶。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 イタリア度・・7 総合・・9
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PFM「COOK」

イタリアンプログレの大御所、PFMのライブアルバム。1975/2010作
1974年のアメリカライブの模様を録音した1枚ものであったのが、今回はなんと同年のセントラルパークの音源を収録した
CD2枚を加えての3枚組となってのリリース。1曲目の“Four Holes in the Ground”からもう彼らの超絶な演奏が炸裂、
美しいシンセとフルート、ヴァイオリンの叙情、そして緻密なテクニックが融合したサウンドにあらためて感嘆する。
Disc1のハイライトとなるのは“Celebration”から“Mr.Nine till Five”で、アルバム盤以上の怒濤の演奏に口あんぐり。
今回発出のDisc2、3も音質はなかなか良好で、名曲“River of Life”をはじめ、往年のPFMのライブ演奏が楽しめる。
メロディアス度・・8 イタリアの叙情度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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PFM「LIVE IN LINDON 1976」
イタリアの大御所プログレバンド、PFMのライブブートCD。
1976年の「Chocolate Kings」ツアーからイギリス、ロンドンでの録音。
PFMのブートも数多くあるが、これは中でも音質、演奏ともに抜群の部類で、
マウロ・パガーニ在籍時の彼らの全盛期の演奏が楽しめる。
“Four Holes In The Ground”から始まり、“Dove...Quando...”
“Alta Loma Nine Till Five”“La Carrozza Di Hans”まで、
即興を交えた勢いあるライブ演奏は、あの「Cook」にも勝るとも劣らない。
若干のノイズはあるが、おそらくライン録音なので、その辺のブートよりは音質も良い。
プログレ度・・9 ライブ演奏・・9 音質・・7 総合・・8
PFM「JET LAG」
PFMの6thアルバム。1977作
マウロ・パガーニ脱退後のアルバムということもあり、失われたプログレ性からも
以前聴いたときにはまったく好きになれなかったアルバムであるが、
紙ジャケ&リマスターを機に改めて聴いてみると、これが案外聴ける。
もちろん全盛期のたたみかけるような濃密な演奏は影をひそめたが
イタリアンロックとしての叙情性はまだなお健在。
キーボード、ヴァイオリンがゆるやかに旋律を奏で、アンサンブル的に
安定したテクニックを聴かせる方法はなかなか味わい深いものがある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 アンサンブル度・・8 総合・・8
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PFM「Suonare Suonare」

イタリアンロックの大御所Premiata Forneria Marconiのアルバム。1980作
「Jetlag」以降の中期のアルバムは、「ミス・ベーカー」で失望して以来ノーチェックであったが、
近頃は初期PFMの呪縛から解放された気がしているので聴いてみた。
このジャケもそうだが、のっけから力の抜けた牧歌的な雰囲気で、初期のファンは面食らうだろうが、
プレモリのたおやかなシンセワークや、味のあるムッシーダのギターはやはり彼らならでは。
まとまった演奏の中でも、ヴォーカルもとるようになったディ・チョチョの色が前に出てきていて、
全体的には歌もの感が増しているが、大人のプログレファンにはこれくらいのゆるさもたまにはよい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 イタリア度・・8 総合・・7.5
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PFM「ULISSE」
プリミアータ・ファルネリア・マルコーニのアルバム。1997作
正直、1987年作の「MISS BAKER」を聴いたとき、「PFMは終わった…」と思ったのだが
それから10年の月日を経てこをアルバムを発表後、つきものが落ちたかのように
過去の名曲を多く取り入れたライブを行い、2002年には来日も果たしてファンを狂喜させた。
したがって、これはその契機となった復活作ということが言えよう。
音の方はさすがにプログレというよりは、良質なメロディックロックなのであるが
豊穣なメロディに溢れるサウンドは、年季を経て輝きを取り戻したような感がある。
とくにプレモリのキーボードワークが素晴らしく、繊細なピアノから、美しいシンセ、ハモンドまで
かつてのPFMを思わせる瑞々しい演奏を随所に見せてくれている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 豊穣度・・8 総合・・8
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PFM「10ANNI LIVE 71/81」
イタリアンプログレの伝説。PFMのライブ4枚組。1971〜1981までのライブ演奏の記録。
言うまでもなく演奏は超絶技巧。一糸乱れぬアンサンブル。なおかつ叙情的という。
アルバムではどちらかというと整然として格調高いまとまった音作りの彼らですが、
ライブとなると、さすがイタリアの血。血湧き肉踊る切れまくり怒涛の演奏を繰り広げております。
曲の素晴らしさももちろんですが、演奏力だけで聴いていて唖然となりますな。
特に74年までの音は、楽曲と演奏の切れがピークに達した神がかり的な音樂が創造されています。
メロディアス度・・9 プログレ度・・10 演奏力・・10 総合・・9.5
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PFM「www.pfmpfm.it」
イタリアの大御所、PFMの1998年のライブアルバム。CD2枚組。
90年代になって復活を遂げたこのバンド、最近のアルバムをちゃんと聴いたことはないが
往年のクラシカルで情熱的なテクニカルプログレは遠く影を潜めているだろう。
しかしこのライブアルバムでは70年代の名曲をまじえ、なかなかに素晴らしい演奏をやっている。
最近曲はアレンジもシンプルで、「大人のロック」的なノリだが、演奏テクは健在。
かつての中心メンバー、マウロ・パガーニが不参加なのが残念だが、
ゲストによるヴァイオリン、フルートなどで音はブ厚い。
そしてPFM最高の名曲のひとつ「FOUR HOLES IN THE GROUND」では
往年の熱さがよみがえり、聴いていて思わずグッときた。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 演奏・・9 総合・・8
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PFM「:serendipity」

イタリアンロックの大御所バンド、PFMのアルバム。2000作
今作は一聴してモダンなアレンジが耳につき、曲はすべて3分〜5分というコンパクトなもので、
歌メロのポップさには、もはやプログレのプの字も感じられない。
もちろん演奏力は抜群なので、どんな曲をやってもそれなりにサマになってしまうのだが、
プログレバンドとしてのPFMを求める方には許せないかもしれない。
ただ、モダンでキャッチーな中にも、美しいストリングアレンジや、
イタリアらしいアコースティカルな叙情も聴かれ、質の高いイタリアンポップと思えばさすがの出来。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 イタリア度・・7 総合・・7.5
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PFM「LIVE IN JAPAN 2002」
PFM(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)の2002年の来日時のライブアルバム。CD2枚組。
90年代に復活して以来、前回は「www.pfmpfm.it」という同じく2枚組のライブアルバムを出した彼らだが、
今回は日本用のセットリストということで、嬉しいことに半分以上が1stから4枚目までの曲になっている。
のっけから“ハンスの馬車“で始まり、“人生は川のようなもの”、“幻の映像”とたたみかけてくる(涙)。
さらに“PROMENADE THE PUZZLE”、“DOVE...QUANDO”、“晩餐会の三人の客”という往年の曲が続き、
CD2では“MR.9 TIL5”、“9月の情景”、“CELEBRATION”そしてラストの“FOUR
HOLES IN THE GROUND”と、
かつての名曲をたっぷり。演奏もより70年代のアルバムアレンジに近く、それを現代の機材で甦らせたというサウンドで、
メンバーはみないいおっさんのはずに、テクニックはそのままなのがある意味凄い。
ムッシーダのギター、ディ・チョチョのドラム&ヴォーカルはもちろん、プレモリのピアノ、ヴァイオリンもじつに美しい。
聴いていて、「こんなことなら、ライブに行くのだった・・」などとつい思ったりしてしまう(笑)。
70年代PFMファンはもちろんのこと、これから彼らを知る若い方々の入門用にもうってつけ。
日本盤が出て一般店にも置いてあるし、CD2枚組で合計132分、\3000は安いだろう。買うべし。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 70'sPFM度・・9 総合・・9
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PFM+PAGANI「PIAZZA DEL CAMPO」
なんと、マウロ・パガーニ参加のPFMのライブ音源だ!2005作
「一番好きなプログレは?」と訊かれたら、少し考えてから私は
「あの頃のGENESIS…かあの頃のPFM」と答えるだろう。
そんな「あの頃のPFM」が甦った!ついに久々に実現した夢の共演である。
演奏が始まりパガーニのフルートが鳴った瞬間、それは戻ってきた。
“RIVER OF LIFE”〜“PHOTO OF GHOSTS”〜“ハンスの馬車”と、
絶頂期の彼らの名曲がまさに完全再現されてゆく。
メンバーたちの演奏力は時代をへてもまったく衰えておらず、良質の機材のおかげもあり
ムッシーダのギターの音色も、プレモリのキーボードもとても素晴らしい。
相変わらずダイナミックなデイチョチョのドラムも歳を感じさせないほどだし、
そして何より時代を超えて響く、パガーニの優雅なヴァイオリンの響きにうっとりだ。
名曲中の名曲“LA LUNA NUOVA”ではストリングス隊も現れ、感動的なサウンドに華を添える。
ラストは大観衆を煽っての“CELEBRATION”(E' FESTA)で幕を閉じる。
往年のPFMファンにとっては必携のライブアルバム。買うなら曲数も多いしDVD付きの方を!
メロディアス度・・9 ライブ演奏・・9 あの頃のPFM度・・10 総合・・9
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PFM「DRACULA OPERA ROCK」
イタリアの大御所、PFMのアルバム。2005作
タイトル通りロックオペラ「ドラキュラ」のサントラという形の作品だが、
全編PFMによる演奏で、プログレッシブ・オペラともいうべき内容。
オーケストラや合唱入りで、いつになく壮大な作りだが、
そんな中にもメロディアスさとたおやかな叙情は健在で
ムッシーダのギターはややハードめな音色でメロウなフレーズを奏で、
そこに乗るイタリア語の歌唱もオペラティックでドラマティックだ。
全体的にロック度が高めで、往年のPFMサウンドからすると別物だが、
内容としては密度も濃く、クラシカルなロックオペラアルバムとして楽しめる。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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PFM「Stati Di Immaginazione」

イタリアンプログレの大御所、Premiata Forneria Marconiのアルバム。2007作
前作「Dracula」での吹っ切れたようなドラマティックサウンドには驚かされたが、
今作はなんとオールインストで、しかもDVD付きの2枚組仕様という力作だ。
映像と一緒に聴くことで初めて完成されるという、サントラに近い方法論で作られているようだが、
音楽だけを聴いても充分にダイナミックなプログレが楽しめる。
プレモリの脱退により事実上ディ・チョチョとムッシーダの双頭バンドとなった感があるが、
美しいヴァイオリンやシンセもふんだんに使われ、ときにシンフォニックに、ときにアコースティカル
そしてジャジーに紡がれる演奏はじつに流麗で、まさにベテランバンドならではの貫祿がある。
年齢を感じさせないムッシーダのギターワークも素晴らしく、バンドのサウンドに緩急をつけているし、
プログレ的なシンセワークの一方では、たおやかでクラシカルなピアノもしっとりと美しい。
むしろ歌がない分、彼らの素晴らしい演奏を最後まで楽しめる、あるいはお得な一枚とも言える。
映像の方は、環境ドキュメンタリー風のものや、レトロな無声映画風、ダヴィンチやアルキメデスなど、
偉人をテーマにしたもの、CGを使った映画風のものまで多岐にわたり、それぞれに興味深く、
楽曲のテーマが視覚的にダイレクトに伝わってきて、音楽の楽しさが2倍、3倍にも増すのが不思議だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 映像度・・10 総合・・8.5
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PFM「River of Life: Manticore Years Anthology 1973-1977」

マンティコアレーベル時代の曲を集めた、PFMの2枚組アンソロジーアルバム。2010年作
1973年〜77年というバンドの絶頂期である音源をCD2枚に20曲を収録したお得なベスト盤。
定番の名曲“River of Life”は、いつ聴いてもうっとりだし、“The Mountain”、“The World Became the World”など、
「甦る世界」からの曲の完成度は本当に素晴らしい。名曲“Four Holes in the Ground”のライブ音源に悶絶し、すでにもう
お腹いっぱいであるが、ようやくDisc1終了。Disc2はいきなり“Is My Face On
Straight”の16分におよぶライブ音源で
このバンドの即興的な演奏力のすごさ、その一端が味わえる。「Chocolate King」からの名曲“From
Under”や、
“Dove Quando”、“Celebration”などのライブ音源もいい感じだ。初心者のためのPFM入門用にも最適であるが、
本作でしか聴けない未発音源や貴重なライブテイクも多数収録しており、コアなファンでも買わざるを得ない。
メロディアス度・・8 濃密度・・9 これぞPFM度・・10 総合・・8.5
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PFM 「A.D.2010-La Buona Novella 」

イタリアのプログレバンド、ブレミエータ・フォルネリア・マルコーニの2010年作
デビュー40周年となるアルバムで、本作はFABRIZIO DE ANDREの70年作「LA BUONA NOVELLA」
からの楽曲をカヴァーした内容となっている。イタリア語で歌われる叙情的なヴォーカル曲を中心に
ゆるやかなヴァイオリンやアコースティックギターなどによる、大人の味わいのサウンドである。
プログレ要素は薄いのだが、耳心地のよい素朴な味わいと、高い演奏力でじっくりと楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・8
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Phaedra「Ptah」

イタリアのプログレバンド、フェードラの2010年作
二人のヴァイオリン奏者、フルート奏者を含む7人編成で、90年代から活動しているらしい。
優雅なチェンバロの旋律にたおやかなフルート、艶やかなヴァイオリンも加わって、
クラシカルな美意識に包まれた、アコースティカルなプログレが展開される。
リリカルなピアノの音色にアコースティックギター、イタリア語による歌声も牧歌的で、
ときにかつてのPFMを思わせるようなうっとりとする叙情美が楽しめる繊細系クラシカルプログレ作品。
エジブトの創造神“Ptah”をテーマに、組曲方式に紡がれたロックオペラ的な構成も見事。
クラシカル度・・9 叙情度・・9 イタリア度・・9 総合・・8
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Picchio dal Pozzo

イタリアのプログレバンド、ピッキオ・ダル・ポッツォの1976年作
イタリアのバンドにおいては珍しいカンタベリーからの影響を受けたジャズロックで、
メロディックなギターのトーンにサックスやフルートが絡むやわらすなサウンドは、
HATFIELD AND THE NORTHあたりに通じる質感だが、シンセの奏でる叙情性は
やはりイタリアならではのもの。1980年の2ndではより難解な作風になるが、
本作でも随所にアヴァンギャルドな感性が見え隠れする。楽しい1枚だ。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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Pierrot Lunaire

イタリアン・ロックバンド、ピエロ・リュネールの1st。1974作
以前に2nd「GUDRUN」を聴いた記憶があるが、その前衛的だったイメージに比べ
本作はやわらかなピアノやクラシックギター、マンドリン、フルートなの素朴な音色に、
やわらかなイタリア語のヴォーカルで聴かせる、牧歌的な味わいがある。
クラシカルな優雅さの中にも、ひっそりとたたずむような静寂と、あやうい均衡のようなものが
見え隠れするのも魅力。こうした静かな狂気というべき感性は次作で全面に出てくることになる。
クラシカル度・・7 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・7.5
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I Pooh「Opera Prima」

イタリアンロックバンド、イ・プーの4th。1971作/紙ジャケリマスター盤
プログレというよりはポップロックとして人気を得ている彼らだが、
本作は壮大なオーケストラでクラシカルに聴かせる異色のアルバム。
イタリア語のヴォーカルをメインにしたキャッチーなメロディに、
ストリングスやチェンバロなどによるバロック的な荘厳さが加わって、
LATTE E MIELEの1st同様、これぞイタリアンロックという雰囲気が楽しめる。
マスターテープが古いのせいか、音質的にはやや粗いさがあるが、
次作「ミラノの映像」とともに、初期のI Poohを代表する傑作である。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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I POOH「Alessandra」

イタリアンロックバンド、イ・プーの5th。 1972作/紙ジャケリマスター盤
「ミラノの映像」の邦題で知られる本作は、間違いなく初期の最高傑作
艶やかなストリングスに導かれて、ゆるやかな叙情が舞い降りる。
繊細でありながらも情熱的なイタリア語の歌声が響きわたり、
壮麗かつ雄大なオーケストレーションが一体となって、
哀愁のロマンが波のように押し寄せて、涙腺を刺激する。
イタリアからしか出て来ない泣きの叙情美に胸震わせろ。
オーケストラ度・・9 泣きの叙情度・・10 イタリア度・・10 総合・・9
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I Pooh「Parsifal」

イタリアンロックバンド、イ・プーの6th。1973作/紙ジャケリマスター盤
ジャケやメンバー写真の中世風味とともに、この「パルシファル」はファンにも人気が高い。
サウンドの方はしっとりとした歌メロを聴かせる叙情美と、
オーケストラによる壮大な雰囲気が素晴らしい。中盤はやや中庸の曲もあるが、
ラストの2パートに分かれた10分におよぶタイトル曲はクラシカルな優美さが素晴らしい。
「ミラノの映像」「ロマン組曲」に次ぐ、70年代の彼らの代表作のひとつといえるだろう。
クラシカル度・・8 しっとり叙情度・・9 イタリア度・・9 総合・・8.5
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I POOH「Un Po'del Nostro Tempo Migliore」

イタリアのポップロックバンド、イ・プーの7th。1975作/紙ジャケリマスター盤
基本的にはラブロックバンドながら、その叙情味あふれるサウンドで
多くのプログレファンからも愛されるこのバンド、初期の代表作となるのが
4作目の「ミラノの映像」、そしてこの「ロマン組曲」だ。ゆるやかなオーケストラに導かれて…
聴き手は、ジャケットのイメージのようなロマンとノスタルジーの世界へと引き込まれてゆく。
キャッチーですらある歌メロに艶やかなストリングスアレンジが加わり、
ドラマティックかつ優美に盛り上げてゆくサウンド構成が素晴らしい。
あくまで歌心を中心にした楽曲には難解さはなく、プログレ、ラブロックうんぬんを抜きにして、
純粋に音楽として耳に優しく、心地よいのだ。ラストの10分を超える大曲の雄大さも聴きどころ。
メロディアス度・・9 しっとり優美度・・10 イタリア度・・10 総合・・9
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I POOH「FORSE ANCORA POESIA」

イ・プーの8th。 邦題は「ミラノの騎士」紙ジャケリマスター盤
傑作「ロマン組曲」に続くアルバムとしては、ややコンパクトな印象の作品。
アコースティカルな質感とともに、曲によってはオーケストラも導入しながら
曲調にはややポップな大衆性への転換期が感じられるアルバムだが、
しっとりとした詩情たっぷりの優雅さと、やわらかな叙情美はさすがである。
叙情度・・9 ポップ度・・8 イタリア度・・9 総合・・8
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Pooh 「BOOMERANG」

イタリアのポップロックバンド、イ・プーの10th。1978作
結成から数えると実に40年のバンド歴を持つ、イタリアの大ベテラン。
プログレリスナーにとっては3rd「Opera Prima」(1971)、「Alessandra/ミラノの映像」(1972)、
「Persifal」(1973)、Un po' del nostro tempo miglione/ロマン組曲」、
「Forse ancora poesia/ミラノの騎士」(1975)あたりまでが馴染み深いだろうが、
基本的に彼らの魅力はラブロック風の甘くポップなメロディにあるわけで、
その点からすると、このアルバムも充分に楽しめる好作ということができる。
全体的に、曲は3〜4分台のまとまりのよいメロディアスロックという雰囲気ながら、
哀愁漂うイタリア語の歌唱はやはり彼らならでは。ポップの中のドラマティックさにうるうる。
彼らの膨大なディスコグラフィーについてはこのページが詳しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ポップ度・・8 総合・・8
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Pooh「Un Posto Felice」
イタリアのポップロックバンド、イ・プーの1999年作
60年代から活動を続けるイタリアンロックの大ベテラン。
70年代のアルバムはプログレファンからも評価が高いが、
その後ポップ化したことで聴かなくなった方も多いかと思う。
しかしながら彼らの本質はポップで人間的な暖かいメロディーにあり、
その大衆性こそが母国で国民的な人気を誇る理由なのだ。
今作もリズム面では単調なポップロックであるが、
ときに聴かせる泣きのギターや美しいシンセアレンジ、
そして叙情味豊かなヴォーカルメロディは実に耳に心地よい。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 プログレ度・・5 総合・・7.5
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Pooh「Cento Di Queste Vite」

イタリアのポップロックバンド、イ・プーのアルバム。2000作
ポップロックとしての路線を進みながら、イタリア的な叙情性をしっかりと残している。
ロック的なギターに絡むシンセアレンジは相変わらず絶妙で、
キャッチーさとポップ性の中にも、一本筋の通った強さを感じさせる。
ドラマティックな盛り上がりも多く、前作以上に聴き入れる作品だ。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 プログレ度・・6 総合・・8
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Pooh「ASCOLTA」

イタリアのポップロックバンド、イ・プーのアルバム。2004作
デビューは1966年というから、すでにキャリア40年の大ベテラン。
自分が聴いているのは70年代のアルバムだけなのだが、
こうして最近の作品を聴いても、違和感なく楽しめるのはさすが。
のっけから重厚なストリングスをバックにしたシンフォニックなサウンドで、
メロウなギターとともにイタリア語の歌唱がかぶさると、キャッチーな哀愁に満ちた
「これぞイ・プー!」というメロディアスなイタリアンポップ・ロックサウンドになる。
音のダイナミックさは現代風ながら、時代を超えた美しいメロディを聴かせるという点で
商業音楽の渦中にある日本にいながら、彼らの純粋な音楽に心洗われる思いがする。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Presence「Gold」
イタリアのハードプログレバンド、プレゼンスのアルバム。
おそらくこれが3枚めかと思われる。2nd「Black Opera」はクラシカルな雰囲気と
ゴシック風味もあるなかなかの作品だったが、本作も基本はその延長上。
シンセとギターを中心にしたイタリアのヘヴィブログレ的でもある
いかにも妖しげな曲調に女性ヴォーカルの歌声が乗るスタイル。
ドラムが打ち込みなのが惜しいが、8分、13分という大曲もあり
クラシカルでオペラティック、そして耽美な質感を味わえる。
クラシカル度・・8 イタリア度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Procession「Fiaba」
イタリアのプログレバンド、プロセッションの2nd。1974作
サックス/フルート奏者を含む5人組で専任Keyはなしという珍しい編成。
いかにも70'sロック風味のギターを中心に、ややブルージーに聴かせつつ
リリカルなフルートが出てきたと思ったら、せわしなくサックスが吹き鳴らされる。
ヴォーカルが意外と繊細な歌声なので、ただの粗削りのサウンドにはならず、
アコースティカルな曲においてはしっとりとした叙情美が楽しめる。
ゲストでDELIRIUMのシンセ奏者が数曲参加。マニア好みのイタリアンロック作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 イタリア度・・8 総合・・7.5
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Q
QUASAR LUX SYMPHONIAE「MIT」
イタリアのシンフォニックロックバンド、クェーサー・ラックス・シンフォニアの3rd。
ケースが2枚組み仕様なのに、中身は1枚組みという、どうにも謎な作りであるが、
それはともかく、内容は男女Voのクラシカルな雰囲気のしっとり系シンフォ。
ゆるやかなシンセにアコギが絡んだり、ピアノやヴァイオリンが美しかったりと、
全体的に静謐感を漂わせた、たおやかで繊細なサウンド。
イタリアものにしては珍しく、濃くないタイプなので、のんびりと聴ける。
イタリア語による女性ヴォーカルの歌唱がしっとりと耳に響く。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 しっとり度・・8 総合・・7.5
Quasar Lux Symphoniae「Synopsis」

イタリアのシンフォニックロックバンド、クエーサー・ラックス・シンフォニアの2008年作
ずいぶん前に2枚組ケース仕様の1枚アルバムを聴いた記憶があるが、さして印象に残らなかった。
このバンドまだやっていたのか…と驚きつつも、本作の完成度にはさらに驚くことになる。
クラシカルかつ美麗なシンセワークと、泣きの叙情たっぷりのギターに、ストリングスの響き、
これはまるでNEW TROLLSのコンチェルトグロッソか?…というくらいの優雅なサウンドである。
一方では繊細なアコースティカル風味もあって、そこがまたじつにイタリア的なのである。
カンタウトーレ的な男ヴォーカルに、伸びやかな女性ヴォーカルが美しい歌唱を乗せ、
メロウなギターに繊細なピアノがかぷさり、バックではストリングスが鳴り響く。
ラストの14分の大曲まで、美麗なクラシカルシンフォが堪能できる力作です。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 イタリア度・・9 総合・・8.5
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QUELLA VECCHIA LOCANDA

イタリアンロックバンド、クエラ・ヴェッキア・ロカンダの1st。1972作
このペン画と水彩による美しいジャケが見開きで見られるようになったのが嬉しい。
のっけから艶やかなヴァイオリンが鳴り出し、ピアノのとの荒々しい掛け合いが印象的。
たおやかで叙情的な2ndとはやや趣を異にし、ロックとしての躍動感に満ちた1曲目は
シンセの使い方もかなりプログレ的で、ヴォーカル曲としての魅力もある。
吹き鳴らされるフルートにはPFMを思わせる雰囲気もあり、
それでいてヴァイオリンの音色にはクラシカルな格調高さも感じられる。
クラシカル度・・8 イタリア度・・9 ヴァイオリンよりむしろフルート度・・8
総合・・8
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QUELLA VECCHIA LOCANDA「Il Tempo Della Gio」

イタリアンロックバンド、クエラ・ヴェッキア・ロカンダの2nd。1974年作。
「歓喜の時」の邦題で知られる本作は、昔から「泣きのストリングスを聴くにはこの作品ね」
と言われてきたほどの名作だ。イントロのクラシカルなピアノからして美しいのだが、
続いて入って来るアコースティックギターと泣きのヴァイオリンの絡みはまさに絶品。
そして盛り上がりでのストリングスによる大叙情にはただもううっとりだ。
ここまで泣きの叙情を聴かせてくれるヴァイオリン入りロックはそうあるものではない。
やや粗削りだった1stに比べて音自体が洗練されたことで、バンドとしてのアンサンブルも向上している。
ラストのヘヴィな大曲2曲も聴きどころ。NEW TROLLSの「コンチェルト・グロッソ」に匹敵する名作である。
クラシカル度・・9 イタリア度・・8 泣きのヴァイオリン度・・10 総合・・8.5
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R
RACCOMANDATA RICEVUTA RITORNO「Per... Un Mondo Di Cristallo」

イタリアのプログレバンド、ラコマンダータ・リチェヴータ・リトルノの1972年作
「水晶の世界」と題された本作は70年代に発表されたバンド唯一の作品。
神秘的なオルガンが鳴り響き、しっとりとしたフルートとアコースティックギターによる繊細さと
OSANNAを思わせる妖しい祝祭を思わせる展開で、ぐっと耳を惹きつける。
いかにもイタリア然とした芸術性と、頽廃と混沌、そして叙情美…
奇跡的な一枚という点ではCERVELLOの「MELOS」と並ぶ出来である。
ちなみに、バンド名の意味は「到着返信書留郵便」
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・9 総合・・8.5
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RACCOMANDATA RICEVUTA RITORNO「Il Pittore Volante」

イタリアのプログレバンド、ラコマンダータ・リチェヴェータ・リトルノの2010年作
1972年に「水晶の世界」というアルバムを唯一残して解散したが、これはなんと38年ぶりとなる復活作。
中心メンバーであるヴォーカル/ギターのルチアーノ・レゴーリは画家や彫刻家であったり、
プログレメタルバンドDGMに参加したりと、非常に多才な人物で、本作には長年交友のあった
GOBLINのクロウディオ・シモネッティをはじめとして、OSANNAのリーノ・ヴァイレッティや、
DGMのシンセ奏者なども参加している。クラシカルなピアノにいくぶんダークな風味で描かれる
楽曲は往年のイタリアンプログレの質感で、イタリア語によるルチアーノの歌唱も素晴らしい。
先の読めないスリリングな展開と、クラシカルで芸術的な香りを漂わせた豊穣なサウンドは、
イタリアンロックのファンであればうっとりだろう。美しい女性ヴォーカル曲も絶品。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 イタリア度・・9 総合・・8.5
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RANDONE「...ricordo」
Nicola Randone率いるイタリアのプログレバンド、ランドーネの2nd。2004作
現在まで3作を発表しているが、聴くのはこれが初めて。コテコテのイタリアンプログレを予想していたが、
サウンドは意外にもたおやか系のシンフォニックロックで、歌以外はあまりイタリアらしさはない。
いきなり21分の大曲。ゆるやかなハモンドやメロトロンに、ややハードかつメロウなギターが重なって、
そこにゲストの女性Voの歌唱も加わると、スケールの大きさが感じられてなかなか聴き応えがある。
楽曲にこれだという押しの強さがないので、インパクトの点ではやや弱いが、GENESIS系といってもよい
王道のシンフォニック路線なので、この手のファンなら安心して手を出せるアルバムだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・7 総合・・7.5
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RANDONE 「Hybla ActT」
イタリアのシンフォニックロックバンド、ランドーネの3rd。2005作
前作2ndはたおやかなGENESIS系のサウンドで、ややインパクト不足だったが、
今作はとっても濃密なアルバムです。イタリア語による情感たつぷりの歌唱に鳴り響くメロトロン、
ときおり出てくる土着的で暑苦しいメロディとコーラスにいくぶん苦笑しつつ、
サックスにヴァイオリンも入ってゆるやかなアコースティカル要素あり、
かと思えばオペラティックな男性バリトンに女性ヴォーカルが絡んだりと、
とにかく無駄なまでに濃密、そしてコテコテに作られた作品。
好き者にはたまらないだろうが、いくぶんイモ臭さもあって胃もたれも必至か(笑)
ちなみに神話をもとにしたコンセプト作らしく、曲間の小曲を含めて全25曲。
シンフォニック度・・7 コテコテ度・・9 イタリア度・・10 総合・・7.5
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REALE ACCADEMIA DI MUSICA
イタリアのプログレバンド、レアーレ・アカデミア・ディ・ムジカのアルバム。1972作
アコースティックギター、ピアノなどによる非常に繊細な音楽で、しっとりと聴けます。
もちろんエレキやメロトロンもここぞというときにはしっかり活躍しており、
ただ静かなだけの音楽ではなく、プログレとしてなかなかの好作。
派手な部分やインパクトは薄いものの、端正なピアノと歌声にはうっとりできます。
メロディアス度・・8 イタリア度・・7 しっとり繊細度・・8 総合・・7
Riccardo Cocciante 「Mu」

イタリアのアーティスト、リカルド・コッチャンテのアルバム。1972作
カンタウトーレのシンガーとして知られるコッチャンテであるが、
このデビュー作はもっともプログレ色が高い傑作として名高い。
ピアノやオルガン、ムーグ、メロトロンといったシンセをたっぷりと使って
歌ものとしての牧歌性にプログレ的な濃密さを加味したサウンドを聴かせる。
カンタウトーレ的なアコースティカルな叙情にときに美しいコーラスワークもまじり、
情熱的なコッチャンテの歌声にメロトロンの音色がかぶさると、なかなか感動的だ。
参加メンバーにはPaolo Rustichelliの名もあり、さすがのシンセワークを響かせている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イタリア度・・9 総合・・8
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Rohmer

Finisteree、Hostsonatenなどで活躍する、ファビオ・ズッファンティによる
シンフォニックユニット、ロメールの2008年作
しっとりとしたピアノとシンセに包まれて、やわらかなフルートの音色、
デジタル風味のアレンジも含ませつつ、あくまでやわらかで繊細な叙情美…
ときにヴィオラの響きも絡ませつつ、フュージョン的なギターのメロディアスさも加わって
じつに美しい、うっとりとするようなサウンドを描いている。大人の癒し系シンフォニック作。
22分におよぶラスト曲では、シリアスな空間美で聴かせるチェンバー風味も覗かせる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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S
SAINT JUST「Saint Just」

イタリアのプログレ・フォークバンド、サン・ジュストの1st。1973作
クラシカルなピアノ、アコースティックギターなどの素朴なカンタウトーレ風味と
前衛的な鋭さが同居したサウンドに、アラン・ソレンティの妹であるジェニーの美声が響く。
ジャケの雰囲気も合わさってOPUS AVANTRAにも通じる芸術性があり、
ジェニーの歌声も時にエキセントリックな狂気を垣間見せるが、
楽曲自体にはどこか牧歌的な聴きやすさがあり、決して難解ではない。
ミステリアスなRENAISSANCEという雰囲気もあり、繊細で素朴な音色を堪能できる。
イタリアの女性Voものとしては指折りの作品であると言えるだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SAINT JUST「la casa del lago」

サン・ジュストの2nd。1973作。邦題は「湖畔の家」
前作よりもバンドとしての音になり、フォーク的な聴きやすさが増している。
アニー・ハズラム+ケイト・ブッシュといった声質のジェーン・ソレンティの歌声を中心に、
ヴァイオリンにアコギ、サックス、それにプログレ的なシンセが加わったサウンドは、
幻想的なイタリアンロックとしての側面と、素朴なアシッドフォークの質感を併せ持っている。
ミステリアスな静けさと狂気では前作だが、全体としてのまとまりの良さでは本作をとりたい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SANGIULIANO 「TAKE OFF」
イタリアのキーボーディスト、アントニオ・サンジュリアーノのアルバム。1978作
繊細なピアノとスペイシーなキーボードによるシンフォサウンド。
ロック的な要素は希薄で、ジャーマンエレクトロ系バンドにも通じる印象があるが、
こちらはよりイタリアらしくメロディや雰囲気がもっとクラシカル。
おそらく当時の最先端をゆく多重録音は、広がりのある音空間を作り出しており、
女性スキャットやティンパニなども効果的に使われていて、
この手のキーボードプログレが苦手な私でも最後まで聴ける。
ただいくらLP時代とはいえ全3曲32分という短さは少し物足りないか。
シンフォニック度・・8 ロック度・・2 キーボー度・・9 総合・・7
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SENSITIVA IMMAGINE「E TUTTO COMINCIO COSI.../創世伝説」
イタリアのシンフォニックプログレバンド、センシティーヴァ・イッマージネの唯一のアルバム。1980作
元は自主制作カセット作品を、日本のエジソンとマーキーが合同でCD化したもの。
ジャケットからして紙ジャケの豪華仕様。数年前までは中古でも\3000以上の値がついていた。
こうした幻の発掘作品をCD化させていた当時のプログレ熱がうかがえる。
肝心のサウンドの方は、イタリアというよりはGENESIS系の繊細なシンフォニックロックで、
今となっては「これだ」という物凄さはないものの、ギターにしろキーボードにしろバランスの良い音で
クオリティは高いと思う。このCDの出た当時なら、幻の傑作と謳われるのもうなずける。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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[ STRADA(Settimo Strada)「La Leggenda Della Grande Porta」
イタリアのハードプログレバンド、セッティーモ・ストラーダの2008年作
哀愁を漂わせるギターのフレーズに、クラシカルで美しいシンセ、
そしてイタリア語による情感たっぷりのヴォーカルで聴かせるサウンドで、
7〜11分という大曲を叙情的に、ドラマティックに構築してゆく。
音にはいくぶんプログレメタリックな質感もあり、そうしたモダンな感触は
若いリスナーにも対応していて、ハードプログレとして楽しむことができる。
イタリア語による濃密さが前に出ているので、少々耳疲れする部分もあるが、
ゆるやかな叙情パートを上手く配していて、楽曲にメリハリをつけている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 イタリア度・・8 総合・・7.5
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STANDARTE「Curses and Invocations」

イタリアのプログレバンド、スタンダルテの2nd。1996作
1stの時点から、ジャケといいハモンドを使ったレトロなサウンドといい、
70年代ブリティッシュロックへのオマージュ的なことをやっていたバンドだが、
今作ではギターをほぼ使わず、その分メロトロンの使用頻度が上がったことで
シンフォニックな質感が増した。相変わらずやりすぎなほどにレトロさにこだわったサウンドは、
鳴り響くハモンドオルガンとメロトロン、ハープシコードまで加わって、その説得力を増している。
イタリアのバンドにしては珍しく、わざわざ英語で歌っているのもこだわりなのだろうが、
それでも音にはどことなくイタリア臭さが残っているのがむしろ微笑ましい。
今で言うBEARD FISH、BLACK BONZOなどの先駆けともいうべきバンドだろう。
シンフォニック度・・8 70'sレトロ度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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STANDARTE「Stimmung」
イタリアのプログレバンド、スタンダルテの3rd。1998作
レトロなハモンド、メロトロンの音色にブルージーなギターが合わさって
まるで70年代英国へトリップしたかのようなサウンドを聴かせる。
楽曲自体はシンプルで、プログレというよりは70'sブリティッシュロック的だ。
北欧のBEARD FISH、BLACK BONZOらと並び、確信犯的なやりすぎレトロロック。
アルバム後半はライブ音源になっていて、生のメロトロンにハモンドが鳴り響く様は圧巻。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロ度・・9 総合・・7.5
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SUBMARINE SILENCE
イタリアのシンフォニックロック・プロジェクト、サブマリン・サイレンスのアルバム。2002作
MOONGARDENのメンバーを中心にしたプロジェクトで、
ジャケットといい音楽性といい初期GENESISへのオマージュといった雰囲気。
オールインストで、トニー・バンクス的なキーボードとメロウギターを中心にした
まろやかなシンフォニックロック。ゆるやかに鳴り響くメロトロン!
ハケットみたいなメロディアスギター!「この手」が好きな方にはにんまりのサウンド。
メロディアス度・・8 しっとりシンフォ度・・9 メロトロン度・・9 総合・・8
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SYNDONE「INCA」
イタリアの90年代ニュープログレレーベルとして設立されたヴィニールマジックから
カリオペやイルカステッロデアトランテなどと共に登場したシンドーネの2nd。
内容は怒涛のキーボードロック。古き良きハモンドやムーグなどをけたたましくかき鳴らし、
メロディアスかつ高速に引きまくる様は、まるでエマーソンがジャズロックを演奏しているよう。
とにかくELPやTRACEが好きな人ならもろ手を上げて喜ぶサウンドだろう。
コテコテ懐古主義的キーボードロックもここまでやられるとかえっていさぎよい。
インカっぽい(?)地味なジャケに騙されることなかれ。あと歌はイタリア語。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・7.5
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T
TAPROBAN 「POJIDONIAN FIELDS」

イタリアのプログレバンド、タプロバンのアルバム。2006年作
最近ではむしろ珍しくなったトリオ編成のバンドで、ELPタイプかと思いきや、そうでもなく、
むしろGENSISを基本に、かもしだすレトロさを現代的に再構築した、というサウンド。
鳴り響くハモンドの音色に乗せるヴォーカルの歌唱は英語なので、さほどイタリア臭さはない。
アルバムは3部構成に分かれていて、それぞれ組曲形式となっているのだが、
壮麗なシンフォニックの中にもアコースティカルな歌ものパートなどもあり、
濃厚さと爽やかさが両方楽しめる。ここぞとメロトロンの叙情も入ってきて、
かゆいところに手が届くシンフォ作品。クオリティ高いです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
TONY CARNEVALE「LIVE ROCK SYMPHONIC CONCERT」
イタリアのプログレキーボーディスト、トニー・カルネヴァーレのライブアルバム。2003作
元RDMのKEYであるらしいが、ソロ作になってからのそのクラシカルかつ大仰な音楽性は
イタリアのロバート・ジョン・ゴドフレイ(ENID)か北欧のパル・リンダーかというほど。
このライブ作では1995年作のソロ2作目「LA VITA CHE GRIDA」からの曲を中心にしつつも、
のっけから「展覧会の絵」で攻めてくるあたりが、いかにもプログレを意識した構成。
優雅でクラシカルなスタジオ版の音に比べ、このライブではギターやドラムもかなりロックしており、
イタリア然とした躍動感に満ちた熱い演奏が繰り広げられている。BANCOのジャコモ氏も歌入り曲で参加。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 熱情度・・9 総合・・8
THE TRIP「ATLANTIDE」
イタリアのプログレバンド、トリップの3rd。紙ジャケ&24ビットリマスター盤
後にARTIに加入する超絶ドラマー、フリオ・キリコが在籍したバンド。
ギターレスのキーボードトリオの編成で、本作は幻の大陸アトランティスをテーマにした作品。
アルティほどではないが、フリオ・キリコのドラムのキレはやはり素晴らしく
バンドの屋台骨をしっかりと支えている。サウンドにはELPやBANCO色もあるが、
やや粗い感じのヴォーカルや、ブルーズロック的な質感も前に出ている。
紙ジャケで地図が広がる特殊ジャケを忠実に再現。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フリオ・キリコ度・・8 総合・・7
W
The WATCH「Ghost」
イタリアのプログレバンド、The Night Watch改めThe Watchとしての1st。2001年作
いかにも古き良き時代のGENESISを手本にしたサウンドで、ヴォーカルもガブリエル風、
時代的ロマンを感じさせるメロトロンが鳴り響き、楽曲は8〜10分とどれも長い。
正直、これだというインパクトはないが、ハケットばりのメロウなギターワークや
やわらかなシンセに包まれて初期GENESIS好きには耳心地のよい音だろう。
シンフォニック度・・8 古き良き度・・9 GENESIS度・・9 総合・・7.5
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THE WATCH「VACUUM」
イタリアのシンフォバンド、ザ・ウォッチの2nd。2004作
THE NIGHT WATCHから改名。イタリアにはGENESISフォロワーが案外多いようで、
このバンドは、とくになりきり度の点では頭ひとつ抜けてでいる。
なにしろヴォーカルの声質や歌い方がピーター・ガブリエルそっくりなのだ。
楽曲の方はメロトロン入りで、しっとりと聴かせるシンフォニック系。
スリリングさは皆無だが、この懐古主義的なサウンドは初期ジェネシスファンにはたまらないだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 初期GENESIS度・・9 総合・・7.5
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THE WATCH「Planet Earth?」

イタリアのプログレバンド、ウォッチのアルバム。2010作
1997年にThe Night Watchとしてデビューしてから、潔いまでにGENESISフォロワー丸出しで
ファンを楽しませるこのバンド、5作目となる本作でもその姿勢は微塵もブレず。
シンセの使い方からヴォーカルの歌唱までGENESIS大好きな人たちによるシンフォニックロックが
目一杯詰まってますよ。さらに今作ではやわらかな叙情と曲展開のダイナミズムが
これまで以上にかみ合って、単なるフォロワー以上の世界観を生み出している。
アコースティカルな繊細さやメロトロンも美しい。まさにイタリアのGENESISと呼ぶにふさわしい。
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・9 イタリア度・・7 総合・・8
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The Watch 「Timeless」

イタリアのプログレバンド、ウォッチの2011作
2001年にデビューして以来、そのGENESISフォロワー丸出しのサウンドで
マニアに人気のこのバンド、6作目となる本作も、やわらかで繊細な叙情美と
オルガンやムーグ、メロトロンなどのレトロなシンセの音色が合わさって、耳心地のよい
古き良きシンフォニックロックが楽しめる。もろGENESIS的なあざとさが薄れた分、
バンドとしてのメロディセンスが自然体に溶け込んでおり、ゆったりと鑑賞できる。
シンフォニック度・・8 繊細度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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Y
The Yleclipse「Opus」

イタリアのシンフォニックロックバンド、イルクリプスのアルバム。2006作
これが何作目なのかは知りませんが、ともかくコテコテのシンフォです。
分厚いシンセをバックに暑苦しいイタリア語ヴォーカルが歌います。
曲はだいたい7〜9分台でたっぷりと聴きごたえがあり、
ファンタジックな世界観とロマンの塊のような幻想的な作風がたまりません。
個性的かと言われれば疑問符ですが、GENESIS系のシンフォ作としては、
最近のイタリアのバンドの中でもよく出来ている方でしょう。
シンフォニック度・・8 コテコテ度・・9 幻想度・・9 総合・・7.5
The Yleclipse「TRAILS OF AMBERGRIS」

イタリアのシンフォニックロックバンド、イルクリプスのアルバム。2008作
前作もGENESIS系のシンフォとしてはなかなかの出来であったが、
今作ではさらに幻想的な作風を増し、美しいシンセとメロウなギターで聴かせるサウンドだ。
演奏力はさほど高くはないのだが、イタリア語によるヘタウマなヴォーカルと
牧歌的でファンタジックな世界観がけっこう好みなんですなあ。
同様の愛らしいイタリアンシンフォにはFAVERAVOLAというバンドもいますが、
MONTEFELTOROとか、そのあたりの幻想的なB級シンフォがお好みの方はぜひ。
シンフォニック度・・8 幻想度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
YUGEN「Labirinto d'acqua」

イタリアのシンフォニック・チェンバーロックユニット、ユーゲンのアルバム。2006作
THE WATCHと元STORMY SIXのメンバーらによるバンドで
ヴァイオリン、クラリネット、サックスなどの管楽奏者も加わった10人以上の編成。
サウンドはたおやかでほの暗いピアノの音で幕を開け、軽やかな室内楽ロック風アンサンブルで
シンセとピアノ、クラリネット、マリンバなどが絡み合い、クラシカルなジャズロック的演奏を構築する。
オールインストでありながら、テクニカル硬質感とやわらかみが同居している部分は
バンド名の「幽玄」を表現しているのか、シリアスなのだが適度に力が抜けていて叙情的な面も出てくる。
シンフォニックロックとジャズ、チェンバーサウンドが高い次元で融合された一作だ。
シンフォニック度・・7 テクニカル度・・8 チェンバー度・・8 総合・・8
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YUGEN「Iridule」

イタリアのプログレ・チェンバーロックバンド、ユーゲンの2010年作
すでにこれが3作目で、前作はよりチェンバーロック色を増したアルバムであったようだが、
今作ではミステリアスな不穏さとアヴァンギャルドな展開がいっそう大仰に増幅され、
テクニカルなチェンバー、ジャズロックとプログレ的なシンフォニック要素が絶妙に融合、
ある種、奇跡的なまでの均衡を描いている。先の読めないスリリングな展開がたまらない。
サックス、クラリネットなどの管楽器と、クラシカルなピアノ、ヴァイオリン、シンセなどが一体となり、
まるでシンフォ化したUnivers Zeroとでもいうようなプログレ・チェンバーロックが楽しめる。
緊迫感を漂わせながらも、女性Voが入ったり、静かな叙情性も含んでいて、何度聴いても飽きない。
クラシカルチェンバー度・・9 プログレ度・・8 スリリング度・・10 総合・・9
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VA/A TRIBUTE TO CAMEL-HARBOUR OF JOY
イタリアのMELLOWレーベルによるキャメルトリビュートアルバム。
GLASS HAMMER、CAST、FINISTERRE、ZAUBR、CAP他、全20バンドが参加。
イタリアとアメリカのバンドが中心で、いわゆる有名どころはほとんどいない。
もともとがメロディアスなだけに、こうしたマイナー系のシンフォバンドがカヴァーしても
あまり違和感がないのがさすがCAMELといったところ。
耳を惹くテイクとしては、GLASS HAMMERによる“Air born”の美しさ、
FONYAによるシンフォニックなメドレーや、ZAUBERのたおやかなサウンド、
FINISTERREの“Nimrodel”はいかにもイタリアンシンフォ風な仕上がりがよいし、
GALAHADによる大曲“Lady Fantasy”やCAPの“Harbour of Tears”あたりもなかなか。
全体的には出来にバラつきがあるものの、CAMELへの愛情が感じられるトリビュートものだ。
メロディアス度・・8 キャメル愛度・・8 参加バン度・・7 総合・・7
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King of the Witches BLACK WIDOW Tribute
英国伝説のプログレ・ドゥームバンド、ブラック・ウィドウのトリビュートアルバム。2000年作
まさしくこのバンドから生れたイタリアのBlack Widowレーベル主催のオムニバス。
参加バンドは、日本のARSNOVA、Euthering、Eternal Elysiumをはじめ、
イタリアのPresence、Death SS、Standarte他、マニアックなメンツが集結、
本家の黒魔術的な妖しさを強調した、おどろおどろしげな世界観で聴かせる。
ドラマティック度・・7 黒魔術度・・8 参加バンド・・7 総合・・7.5
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