CDレビュー プログレ
イギリス 80年代〜現在
PROGRESSIVE ROCK/British 80's〜

掲載バンドは上からABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


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*70年代ブリティッシュロックCDレビュー  *新世代シンフォニックロック特集



Abel Ganz「Shooting Albatross」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アベル・ガンズのアルバム。2009作
現PALLASのVo、アラン・リードも在籍していてたことでも知られる
80年代から活動をしている英国ポンプ/シンフォニックロックのベテラン。
本作は1994年のアルバム以来、じつに15年ぶりとなる新作である。
のっけから15分を超える大曲で、たおやかなピアノや古き良きスタイルのシンセ、
メロウなギターフレーズが合わさったじつに耳心地の良いゆるやかなシンフォニックロック。
その後も23分、12分、14分という大曲で構成されたアルバムは、派手な展開やモダンな感触は
あまりなく、あくまでヴィンテージなやわらかさで聴かせるゆったりとしたもので、
せっかちなリスナーには向かないが、PENDRAGONやPALLASなどが好きなら楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・8
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AmplifierInsider」

イギリスのプログレ・ロックバンド、アンプリフィアーの2006年作
おそらくこれが2作目。先に3作目を聴いていたが、本作もポストロック的なビジョンの深さと
プログレッシブな知的構築性で聴かせる、スケールの大きなロックサウンドだ。
適度なヘヴィさもあるので、メタルファンにはハードプログレとして楽しめるし、
70年代的なアナログ感覚も含んだ、ヴィンデージ系ロック風味もある。
内的プログレ度・・8 壮大度・・8 ポストロック風味度・・9 総合・・8
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AmplifierThe Octopus」

イギリスのプログレ・ロックバンド、アンプリフィアーの2011年作
基本はギター/ヴォーカル、ベース、ドラム、ピアノ(シンセ)という4人編成であるが、
5人のバックヴォーカルやトランペット奏者も含んでいて、まるで大がかりなポストロックバンドのよう。
紙ジャケを開いてみると、PART1、2に分かれたCD2枚組の大作というのにもびっくりだが、
しっとりとしたピアノの音色に、マイルドなヴォーカル、メロウなギターで綴られるサウンドは
PINK FLOYDなどにも通じるような、叙情的でありつつ壮大なビジョンを感じさせるもので、
キャッチーなコーラスワークなど、聴き心地の良さの裏側に、知的なビジョンが見え隠れする。
ギターがヘヴィになると、古き良きオルタナ風味にもなるのだが、アナログ感覚はちゃんとある。
これはプログレ的なポストロックというのが正しいのか、ともかくただものではないセンスが
聴き手の想像力を刺激する。70'sロックの感触が、モダンな知性と融合したというべき力作。
まるで暗号解読のようなブックレットの文字や、付属の意味不明のロゴシールも謎だ。
内的プログレ度・・8 壮大度・・8 ポストロック風味度・・9 総合・・8
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Aquaplanage
イギリスのプログレバンド、アクアプラネージのアルバム。2009作
YESトリビュート・バンドFRAGILEのメンバーを中心に結成されたバンド。
のっけから15分の組曲で、やはりYesを思わせるキャッチーなヴォーカルハーモニーに、
たおやかなフルートなども入りつつ、軽快に聴かせるサウンドはさすが高品質。
オルガンなどの時代的なシンセワークや、むしろアメリカ的な抜けのよい歌メロなどとともに
耳触りのよいプログレを展開。あまり新鮮味はないのだが、安心して楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ARENA「SONGS FROM LION'S CAGE」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの1st。1995作
PENDRAGONやLANDMARQをはじめ、多くのバンドに関わっていたクライブ・ノーランのメインバンド、
本作は「BRAVE」以降のMARILLIONにも通じる、重たくシリアスな音とメタリックなギターサウンドと、
曲の半ばでは必ず訪れるメロディックかつシンフォニックな切り返しが絶品の傑作。
こうした爽快感ではこの1stがもっともアレンジ的にも効果的で、個人的にも気に入っている作品だ。
クライブ・ノーランのメロディと作曲における才能を物語る1枚だろう。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 意外にメタル度・・8 総合・・8
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ARENA「THE VISITOR」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの3rd。1998作
PENDRAGONのクライブ・ノーラン、元MARILLIONのニック・ポインターらによるバンドで
1st「SONGS FROM LION'S CAGE」は繊細なシンフォニック性と
メタリックなメロディアスギターが表裏一体となった傑作アルバムであったが、
本作は、1st、2ndよりも重厚さが増した、ダークな叙情性を追求したコンセプト作である。
今作からギタリストが交代したようだが、メロウでときにメタル的なフレーズを奏でていて
クライブ・ノーランのシンフォニックなキーボードワークにマッチしていてなかなかよろしい。
もう少し楽曲に爽快な抜けがあればとも思うが、ともかくも良質のシンフォニック作品ではある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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ARENA「immortal?」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの4th。2000作
3rd「The Visitor」からVoとBが交代。しかしあくまでバンドの中心は
クライブ・ノーランとミック・ポインターなので、音楽性は大きくは変わらず。
ただ曲のアレンジはモダンになりだしていて、メロディにおける高揚感は前作よりも薄い。
また、やや情感過多のヴォーカルの歌唱も好みを分けるかもしれない。
薄暗い叙情性で聴かせる本作のシンフォニックサウンドは、
その完成形となる次作までのつなぎといえるかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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ARENA「BREAKFAST IN BIARRITZ」
英国を代表するシンフォニックロックバンド、アリーナのライブアルバム。2001作
中心人物クライブ・ノーランは知ってのとおりPENDRAGONSTRANGERS ON A TRAIN
LANDMARQ
等にも関わる英シンフォニック界の重要人物。
日本での知名度よりは、はるかにヨーロッパ各国での人気はすごいようだ。
バンドの音自体は確立しているので、ライブでの演奏を聴いてもさほどの目新しさは感じないが
さすがに実力者揃いのメンバーで、堂々とした演奏を繰り広げている。
ゆったりとしたややダークめのシンフォニックという特徴は、メタルファンなどにもそれなりに支持されるだろう。
なお、初回CDは2枚組で、ボーナスCDにはバンドのドキュメンタリー映像も入っている。
シンフォニック度・・8 新鮮度・・5 演奏・・8 総合・・7.5

ARENA 「CONTAGION」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの5th。2003作
このバンドの持ち味となったややダークめの叙情性は、時代的にもトレンドになってきている。
クライブ・ノーランのキーボードワークに、ジョン・ミッチェルのメロウなギターは
今作でもバンドの音に重要なカラーを植えつけていて、前作以上に質を高めている。
プログレというよりは翳りのあるハードシンフォともいうべきこの音楽性は、
メタルリスナーでも聴けるだけ耳触りの良さがあるが、
同時にまた深い部分での「精神的な癒し音楽」としてのロックの可能性も示唆している。
一方では、13曲めの突き抜けの良さのような爽快で希望的な雰囲気も健在だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンな叙情度・・9 総合・・8
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ARENA「live & life」
イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナのライブアルバム。2004年作
2003年のツアーの音源をCD2枚に収録。クライブ・ノーランの美しいシンセワークに、
ジョン・ミッチェルのメロウなギター、シアトリカルなロブ・ソウデンの歌声で聴かせる
そのサウンドは、かつてのMARILLIONをシンフォニックにアップデートしたようでもあり、
ほのかに薄暗い叙情性は、最近のモダンシンフォニックの先駆けでもあったと再確認できる。
反面、多くの曲が収録されたライブ作では曲のトーンがやや一本調子に感じられるのは、いたしかたなし。
シンフォニック度・・8 モダンプログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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ARENA「PEPPER'S GHOST」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アリーナの6th。2005作
PENDRAGONでも活躍するシンセ奏者、クライブ・ノーランを中心にしたこのバンド、
1995年のデビューから、モダンな叙情を先取りしたようなシンフォニックハードサウンドで、
重厚かつドラマティックなアルバムを作り続けてきた。名実共に英国のシンフォシーンの代表である。
本作は、ミステリーや冒険活劇など、それぞれの曲ごとに7つの物語を題材にした全7曲という構成で、
コンセプトストーリー的な傑作に仕上がった。一曲ごとにドラマティックな盛り上がりがしっかりとあり、
アルバムを通してもダレない質の高さが光る。重厚な音の厚みはメタルファンにも聴かせられるサウンドだ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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ARENAThe Seventh Degree Of Separation

イギリスのシンフォニックロック、アリーナの2011年作
1995年にデビューしてから、英国のネオプログレ/シンフォニックシーンを引っ張る存在のこのバンド、
本作は前作から6年ぶりとなる7作目で、これまでの薄暗いメロウな叙情性に加え
いくぶんレイドパックしたような古き良き質感を覗かせる作風になっている。
もはや職人技というべきクライブ・ノーランのシンセワークに、IT BITESでも活躍する
ジョン・ミッチェルのメロディックなギターで、大人のシンフォニックロックともいうべき
渋みのあるサウンドを描いてゆく。新加入のVo、ポール・マンズィのかすれた声質も
随所にハードロック的な聴き心地もある楽曲にマッチしている。メイキング映像を収録したDVD付き。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 大人のハードシンフォ度・・8 総合・・8
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BIG BIG TRAINGoodbye to the Age of Steam

イギリスのシンフォニックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2nd。1994作
基本はGENESIS系といってよいサウンドながら、キャッチーで繊細なメロディには
現代的なメロディアスロックとしての普遍性もあり、あまりプログレ臭さがないのがよい。
もちろん、ハモンドやメロトロンなどの音色を使ったキーボードワークにはレトロな質感もあり、
かつてのポンプロック的な聴きやすさも有しているが、むしろ優しくアコースティカルな部分や
マイルドなヴォーカルメロディ、ちょっとしたピアノの使い方などにこそ魅力があるように思う。
決して大仰にならない、ナイーブな感性で作られたシンフォニックロック作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・7.5
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Big Big Train「The Difference Machine」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ピッグ・ビッグ・トレインのアルバム。2007作
これまではいかにもなGENESISフォロワー的な精細なポンプロックというイメージだったが、
今作は14分、13分、12分という3つの大曲を軸に、よりドラマティックに攻めてきた。
切り返しの多い曲展開と、メロトロンやガブリエル風のVoというレトロさが合わさって
古めかしくもあるが、現代シンフォとしての構築性をしっかりと感じさせてくれる。
まるでポーランドのバンドのような幻想的な薄暗さもあって、ゆったりと音に入り込んで楽しめる。
あるいはポーキュパイン系のリスナーにも勧められるかもしれない、ほの暗系シンフォ好作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ほの暗度・・9 総合・・8
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Big Big Train「Underfall Yard」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインのアルバム。2009作
初期はいかにもGENESISからの影響の強いサウンドであったが、前作「The Difference Machine」では
幻想的な叙情にいくぶん現代的な薄暗さを取り込んだ傑作を作り上げた。本作はさらなる深みのある作風で、
メロトロンが鳴り響き、やわらかなフルートの音色にトロンボーン、チェロなども入った優雅なサウンドを聴かせつつ、
マイルドなヴォーカルが加わると、キャッチーなコーラスとともに、ほの暗い叙情美が広がってゆく。
GENESIS〜MARILLIONという流れを感じさせながら、メロウなギターのフレーズに幻想的なシンセワークで
シンフォニックロックとしての魅力もしっかりと残している。FROST*やKINOと同様かそれ以上の構築性…
雄大にして繊細なる美意識の伝承者。英国シンフォニックの現在形を示した見事な傑作だ。
シンフォニック度・・8 ほの暗叙情度・・8 構築美度・・9 総合・・8.5
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Big Big Train「Far Skies Deep Time」

イギリスのシンフォニックロックロックバンド、ビッグ・ビッグ・トレインの2010年作
傑作となった2009年作に続くミニアルバムで、1曲目はAnthony Phillpsの未発曲のカヴァー、
アコースティックギターのやわらかな音色に美しいシンセ、フルートも入ってきて、
ヴォーカルの声質も含めて、もうほとんどGENESISそのもの。未発曲にクリスマスソング、
そしてラストは18分の大曲で、ミニといっても全5曲で41分のボリュームだ。
また、元IQのマーティン・オーフォードがゲスト参加している。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 現代版GENESIS度・・9 総合・・8
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Iain Jennings Breathing Space

Mostly Autumのシンセ奏者、イアイン・ジェニングスのプロジェクトバンド、
ブリーシング・スペースのアルバム。2007作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるな爽やかなサウンドは
やはりMostly Autumに通じる素朴なメロディとシンフォニックな美しさがある。
キャッチーなポップ性も有した楽曲は、しっとりとしたフォーキーな質感もあって
ときにメロウなギターとシンセが絡み、じつに耳に優しく響く。
ラストの“Distant Train”はMostly Autumのアルバム「Passengers」収録曲のリメイク。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Breathing Space「Coming Up For Air」

MOSTLY AUTUMNのKey、IAIN JENNINGSを中心にしブリージン グ・スペースのアルバム。2007作
一聴してプログレというよりは、もっとストレートなメロディックロックという雰囲気で、
シンフォニックなシンセワークに、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる。
MOSTLY AUTUMNのようなフォーキーな要素はほとんどなく、
ややモダンなアレンジとともに、爽やかで瑞々しい耳に心地よいサウンドだ。
女性Voシンフォファンならば、これは聴かずにはおれない作品だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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CAAMORA 「SHE」

ARENAPENDRAGONで活躍するクライブ・ノーランと、ポーランド人女性歌手、
アグネイスカ・スウィタ嬢を中心にしたユニット、カーモラのアルバム。2008作。
冒険小説「She-洞窟の女王」をコンセプトにした2枚組の大作で、
ゲストにPALLASのアラン・リード、MAGENTAクリスティーナ嬢、その他、IQ
THRESHOLDなどのメンバーを迎え、4人のVoが物語的に配役を担うという構成だ。
壮麗なシンセワークに美声の女性ヴォーカル、そしてファンタジックなストーリーと、
この手の好きなリスナーにはたまらない要素が揃っているが、
楽曲そのものはPALLASなどを思わせる、しごく正統派のシンフォサウンド。
ロックオペラ的な歌ものが主体なこともあり、曲自体の新鮮味は薄いが、
豪華なブックレットを眺めつつ物語を思い浮かべながら楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 物語度・・9 総合・・8
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CaamoraJourney's End... an acoustic anthology

ARENA、PENDRAGONでおなじみの、クライブ・ノーランとポーランド人女性ヴォーカル、
アグニエスカ・スウィタによるユニット、カーモラのアコースティックライブアルバム。2008作
先に出ていたスタジオアルバムは冒険小説をコンセプトにしたシンフォニックロックの大作だったが、
これはクライブ・ノーランの弾くピアノをバックに女性ヴォーカルが歌う、シンプルな構成でのライブ作。
CAAMORA以外にも、STRANGERS ON A TRAINの曲も聴かせてくれ、コアなリスナーには嬉しいかぎり。
ポーランド、イギリス、チリ、ボリビア、ドイツ、ベルギー、アルゼンチンと、各国でのライブ録音に加え、
デモや未発曲なども多数収録したCD2枚組。MAGENTAのクリスティーナ嬢も参加している。
シンフォニック度・・7 しっとりピアノ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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CASINO

イギリスのシンフォニックユニット、カジノのアルバム。1994作
PENDRAGONARENAでおなじみClive NolanとTwelfth Nightのメンバーらによる
プロジェクトバンドで、タイトル通りカジノを舞台にしたコンセプト作。
きらびやかなシンセを中心に、キャッチーなメロディでプログレハード風に聴かせつつ
ときにアダルトな雰囲気を漂わせた大人のメロディックロック作というおもむき。
ストーリー的な流れでシンフォニックに展開する大曲はとくに素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Castanarc「Journey to the East」

イギリスのシンフォニックバンド、キャスタナルクのアルバム。1984/1991作
これは1984年当初のLP盤音源に手を加えられ1991年にCD化されたもの。
ポンプロック全盛の当時の作品の中で本作の出来の良さは突出しており、
美しいシンセとメロウなハケットを思わせるギターを中心にした叙情性と
甘いヴォーカルで聴かせる、キャッチーな抜けの良さが同居した見事な傑作だ。
バンドはこの1作のみで消滅、その後1998年に復活作を出しているが、
ロマンティックなシンフォニックアルバムとしては本作を超えるものではなかった。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ロマンティック度・・9 総合・・8
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CASTANARC「LITTLE GODS」
かつて80年代に「JOURNY TO THE EAST」というアルバムを残した
イギリスのポンプロックバンド、キャスタナルクが何と密かに復活していた? 1998作
初期のMARILLION的だった音楽性はそのままよりポップ&マイルドになり、
甘い声質のVoやメロウなKEY、ギターなどはPENDRAGONなども想起させる。
いまさら目新しさはないものの、再結成したPALASもしかり、
ポンプロックを聴いた世代にはなじみやすいサウンドだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ポンプロック度・・9 総合・・7.5


Christina「Broken Lives & Bleeding Hearts」

MAGENTAの女性ヴォーカル、クリスティーナのソロアルバム。2010作
現在系英国シンフォニックの代表格のひとつとなったMAGENTAの紅一点、
クリスティーナ・ブース嬢のソロ作で、ロブ・リードをはじめMAGENTAのメンバーをはじめ、
ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、トロイ・ドノックリー(IONA)らもゲスト参加している。
サウンドは、彼女の美声を活かしたメロディアスな歌もの中心で、プログレ的なアレンジは
いくぶん抑え気味にした、聴き心地のよいものになっている。美しいシンセワークに、
メロウなギターをまじえつつ、あくまでしっとりとしたアダルトな感触の女性声ロックである。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Circulus「Clocks Are Like People」
イギリスのフォークロックバンド、サークルスの2nd。2006作
男女ヴォーカルにシンセ、フルートを含む7人組で、
古き良きフォークをモダンにアレンジしたサウンドを聴かせる。
ゆったりとしたフルートの音色と、男女Voの牧歌的な歌声に、
プログレ的なシンセも加わると、のどかなサイケロック風味にもなる。
古楽風のパイプの音色はGRYPHONなどを思わせる部分もあり、
おおらかでレトロな雰囲気のフォークロックが楽しめる。
メロディアス度・・7 おおらかフォーク度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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CITIZEN CAIN「SERPENTS IN CAMOUFLAGE」
イギリスのポンプロックバンド、シティゼン・カインの1st。1993作
IQPENDRAGONなど、80年代からの活躍組はそこそこ知名度はあるが
このバンドのように90年代になってからデビューしたポンプロックバンドというのも珍しい(笑)
音楽性は…やはりかつてのジェネシスクローンと言われたサウンドそのもの。
キャッチーでメロディアスで、そしてどこか垢抜けない…という。
Voの声質も含めてこのバンドの音は少し前のPENDRAGONという感じ。
聴き易くて、耳に優しいが新鮮味はない。ポンプロック好きにはお薦めかも。
現在は4thまで発表し、ちゃんと活動しているらしい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7


Clive Nolan & Agneiszka Swita「CLOSER」
ARENAPENDRAGONなどでおなじみのクライブ・ノーラン
ポーランド人の女性歌手、アグネイスカ・スウィタのユニット。2006作
どういう経緯でこのユニットができたのかは知らないが、
ともかくトレーシー・ヒッチングスを思わせるハスキーな女性Voと
クライブ・ノーランのシンセ、ピアノを中心した5曲入りのミニアルバムだ。
プログレというよりはしっとりとしたシンフォニックな女性Voものという雰囲気で、
かつてのクライブのバンド、STRANGERS ON A TRAINを思わせる、
…とおもったら、4曲目はそのリメイク曲。フルアルバムは出るのだろうか?
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5

CLIVE NORAN & OLIVER WAKEMAN「Jabberwocky」

クライブ・ノーラン(ARENA、PENDRAGON)、オリバー・ウェイクマンによるユニット作。1999作
「不思議の国のアリス」に出てくる怪物、「ジャバーウォック」をテーマにしたコンセプト作で、
クライブ、オリバーの他、PENDRAGONやSHADOWLANDの現メンバーなどに加え、
ヴォーカルにはボブ・カトレイ(MAGNUM)、トレイシー・ヒッチングス(LANDMARQ)らが参加。
リックの息子であるオリバー・ウェイクマンは、さすがに親譲りのクラシカルなプレイを聴かせ、
ベテランのクライブとともに、これぞ英国シンフォニックというサウンドを構築している。
ボブ・カトレイとトレイシー・ヒッチングスの男女ヴォーカルもストーリーによくマッチしていて、
ゆるやかに盛り上がる楽曲とともに、ジャケ通りのファンタジックなイメージで壮麗に聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・7.5
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CLIVE NOLAN & OLIVER WAKEMAN「THE HOUND OF THE BASKERVILLES」
PENDRAGN、ARENAなどで活躍するシンフォニックKEY奏者クライブ・ノーラン
RICK WAKEMANの息子オリバー・ウェイクマンとの共同作品。2002作
この二人の共作としては「JABBERWOCKY」(1998)に続く第二弾となる。
小説「バスカヴィル家の犬」をコンセプトにした内容で、二人のキーボードを中心とした
RICK WAKEMANの「地底探検」を思わせるようなキーボードシンフォ作品。
ゲストとしてボブ・カトレイアルイエン・ルカッセン、トレイシー・ヒッチング、ミッシェル・ヤング等々
多数が参加しており曲ごとに彼らの歌唱や演奏を聞くことができる。
メロディや曲の音像的にはリック・ウェイクマンの初作品に酷似している印象で、
目新しさはないが、それを抜きにすればよく出来た正統派キーボードシンフォ である。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・8 新鮮度・・5 総合・・7.5


COLIN BASS「AN OUTCAST OF THE ISLANDS」

キャメルのベース奏者、コリン・ベースのソロ作。
ポーランドのシンフォニックバンド、QUIDAM、ABRAXASのメンバーをバックにオーケストラを加え、
非常にメロディアスかつドラマティックなサウンドが全篇にわたって続く。
プログレ、というよりはキャメル直系のメロディアスロックの壮大版、という感じ。
たおやかな叙情と劇的な曲の数々にうっとりせずにはいられない。
メロディアス度・・10 シンフォニック度・・9 たおやか度・・9 総合・・9
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COLIN BASS「IN THE MEANTIME」
CAMELのベーシスト、コリン・ベースのソロアルバム。2003作
前作「AN OUTCAST OF THE ISLANDS」がかなり素晴らしかっただけに期待していたのだが、
今作はシンフォというよりはやや落ち着いた渋みのあるメロディアスな歌ものという印象。
引き続きQUIDAMのメンバーも参加している。しっとりとした大人の音楽である。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・6 楽曲・・7 総合・・7


COLIN MASSON「ISLE OF EIGHT」
THE MORRIGANのメンバー、コリン・メイソンのソロ作。2001作
ケルト的メロディを配したトラッド・シンフォバンドであるモリガン同様、
こちらもケルティックテイストのシンフォニックロック作品。
ギター、ベース、キーボードを自身でこなし、ジャケのCGまで描くという多芸ぶり。
全3曲(25分、27分、12分)という大作主義で、やや長尺なところも感じるが
全体としてはインストメインの心地よいたおやかなケルティックシンフォ。
トラッド的アコースティックパートやゲストで歌う女性Voなど、聴きどころも多い反面
「いかにも打ち込み」という安っぽいドラム音が残念。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 サウン度・・7 総合・・7.5


Combination Head「Progress?」
イギリスのシンフォニックロックバンド、コンビネーション・ヘッドの2nd。2007作
モダンさとレトロの融合された正統派のシンフォニックサウンド。
美しいシンセとメロディックなギターのからみはなかなかきらびやかで、
ヴォーカルの歌唱にはアメリカのバンドを思わせるキャッチーな抜けの良さがある。
ハモンドの使い方にしても現代的な音像の中に上手く溶け込ませており、
この辺のスタイリッシュなセンスの良さがバンドの個性にもなっている。
曲も4、5分台とコンパクトで、爽快なノリの中にプログレファンの求める要素を織り込み、
新旧のリスナーのどちらにも対応した、いわばハイブリッドなシンフォサウンドだ。
ンフォニック度・・8 モダンでレトロ度・・8 爽快度・・9 総合・・8
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CREDO 「rhetoric」
イギリスのシンフォニックロックバンド、クレドのアルバム。2005作
新人バンドのようだがメンバー写真を見るとみないい年のオッサン。
サウンドは、かつてのMARILLIONや今で言うARENAあたりに通じるポンプ/シンフォニックで、
キーボードをバックに、ときおりハードめにもなるメロウなギターが耳に心地よい。
全体的にほの暗さのあるしっとりとした雰囲気で、10分以上の大曲もあるのだが、
随所にキャッチーな分かりやすさやプログレメタル風のテクニカルさも聴かせる。
この手としてはなかなか質が高く、TANTALUSあたりが気に入るならこのバンドも聴いて損はない。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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The CuratorSometime Soon

NO-MANやJudy Dybleなどに参加したAlistair Murphyによるソロプロジェクト、キュレイターの2010年作
艶やかなヴァイオリンにしっとりとしたピアノ、妖しげな女性コーラスが合わさって、
彼自身のマイルドな歌声とともに、ゆるやかな味わいのサウンドを描き出す。
キャッチーなメロディアスさに哀愁を含ませながら、美しいシンセ、オルガンが鳴り響く
いかにも英国らしい叙情美にうっとりとなる。ロック色の薄いアンビエントな雰囲気ながら、
女性VoにJudy Dybleをはじめ、元ALL ABOUT EVE〜THE MICEのJulianne Reganらが参加していて、
モノトーンになりそうなサウンドを優しく彩っている。ドラムにはKING CRIMSONのPat Mastelotto、
ヴァイオリンで元NO-MANのSteve Binghamが参加、チェンバー風味の曲などもあり最後まで楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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CYAN「THE CREEPIG VINE」
FIREWORKSの中心人物、ロブ・リードによるバンド、サイアンの3rd。1999作
やわらかみのあるシンフォニックロック作品で、やさしげなキーボード、ピアノに
弾きすぎないメロディアスなギター、中音域のマイルドなヴォーカルと
非常にまとまりのある心地よいサウンドだ。
曲によってはフルートなども入ってトラッドなテイストもあり。
PENDRAGONのニック・バレットもゲスト参加している。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 優しい質感度・・8 総合・・7.5

CYAN「ECHOES」
現在はMAGENTAで活躍するRob Reedを中心にしたシンフォニックロックユニット、
サイアンのアルバム。1999作。初期の楽曲をリミックスしたベスト盤。
いかにもポンプ〜90'シンフォニックといった類型的なシンセワークと、
メロディアスなギターのフレーズが重なり、PENDRAGONにも通じる質感で聴かせる。
曲自体はあまりに王道すぎてやや面白みには欠けるものの、
英国らしい叙情とメロディにこだわる姿勢には敬服するし、
こうしたまっすぐなシンフォが聴きたいという方には心地よい音だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5




Dec Burke「Destroy All Monsters」
FROST*で活躍するヴォーカル/ギタリスト、デック・バークの2010年作
ヴォーカル、ギター、シンセもこなすというマルチプレイヤーで、曲ごとにベース、ドラムのゲストを迎えている。
キャッチーなメロディと壮麗なシンフォニック性が合わさった質の高いサウンドは、
やはりFROST*にも通じるものがあり、モダンなアレンジはIT BITES的でもある。
きらびやかなシンセワークと、プログレハード風味の軽やかさで聴き心地はいいのだが、
全体的にはデジタル気味の音圧バランスがやや一本調子にも感じるのが惜しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンシンフォ度・・8 総合・・7.5
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Dead Heroes ClubTime of Shadow
アイルランドのプログレバンド、デッド・ヒーローズ・クラブの2010年作
古き良きブリティッシュテイストのロック感覚に、シンセやオルガンなどで
シンフォニックな要素を付加したというサウンド。10分以上の大曲もあり、
初期GENESIS的なドラマティックな世界観もなかなか魅力的だ。
全体的には古めかしい感じで、URIAH HEEPなどが好きな方にも楽しめる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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Diagonal

イギリスのレトロ系ロックバンド、ディアゴナルのアルバム。2008作
スウェーデンからはBLACK BONZOBEARDFISHをはじめ、レトロなバンドが増えてきていたが
今度はイギリスからものすごいバンドが登場した。メンバー7人中、3人がギターを弾き、
6人がシンセをこなすというから、懐古主義的サウンドでありながらも音の厚さがすごい。
70'sブリテイッシュハードロック風のギターにメロトロン、オルガンが重なり
Atomic Roosterもかくやというアンサンブルでたたみかけつつ、ときに美しいピアノや
サックス、クラリネットなども入ったりして、節々にはどこかポストロック的な壮大さもある。
抜けきらない音質もひどくアナログ的で、生々しいドラムの音などはある意味たまらない。
全5曲が10分前後の大曲というレトロプログレの力作。マイスペはこちら
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
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Elegant Simplicity「ANHEDONIA」
イギリスのシンフォニックユニット、エレガント・シンプリシティのアルバム。2004作
ギター、ベース、キーボード、フルートをこなすマルチプレイヤーとドラムの2人ユニットで、
曲はオールインストで大曲中心。メロトロンやハモンド、ムーグなどが鳴り響く、
ぱっと聴きにはたまらないサウンドであるが、この手の自主制作にありがちな
自己満足的な長尺感があり、途中から曲として聴くのがつらくなってくる。
シンセの方はいいとしても、ギターの音色は繊細さに欠けてやや耳障りだし、
リズム面もだらだらとしていて、長くてシンフォニックという以外にはさして聴き所がない。
ある意味、自主制作による才能の限界を教えてくれるような一作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・7




Final Conflict「Simple」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ファイナル・コンフリクトの5th。2006作
90年代初頭から活動するバンドで、以前2ndを聴いた記憶があるが、まだ活動していたとは。
サウンドはかつてのポンプロックからの流れを感じるGENESISタイプのシンフォニックロックで、
典型的ではあるが、モダンなシンセアレンジとギターの絡みがなかなか心地よい。
ときにシアトリカルに声を張り上げるヴォーカルなどはやや時代的な大仰さを感じさせ、
メロディには昨今のスタイリッシュなシンフォ系バンドとは一線を画すクサさがある。
PENDRAGONあたりが好きなリスナーなら、まずまず楽しめる作品だと思う。
シンフォニック度・・8 クサメロ度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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FISH「Return to Childhood」
MARILLIONフィッシュによるライブアルバム。2006作
MARILLIONの名作「Misplaced Childhood」の20周年を記念した公演を収録したもの。
MARILLION脱退後のFISH名義のソロ作から選曲されたDisc1は、独特の枯れた味わいの歌声と
キャッチーなメロディで聴かせるメロディックロック。disc2は「Misplaced Childhood」
完全再現を含む演奏で、プログレファンにはやはりこちらが目玉だろう。
時代を超えてポンプロックのコンセプト作品が感動的に蘇る。
メロディアス度・・8 フィッシュ度・・7 マリリオン度・・8 総合・・7.5
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Flash Range「On the Way」
FROST*のメンバーを中心としたユニット、フラッシュ・レンジのミニアルバム。2009作
サウンドの方は、IT BITESを思わせるキャッチーなプログレハードで、
美しいシンセワークにメロディアスなギターで聴かせる、比較的コンパクトなスタイル。
ジョン・ミッチェルがヴォーカルをとることからも、新生IT BITESのリスナーにもアピールするだろう。
爽やかさと叙情の詰まった耳心地のよい音である。フルアルバムに期待したい。
メロディアス度・・8 プログレ度・7 キッャチー度・・8 総合・・7.5
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FROST* 「MILLIONTOWN」

イギリスからKINOに続き、またしてもスーパーバンドの登場。
キーボーディストJEM GODFREYを中心に、ARENAKINOでも活躍するJOHN MITCHELL、
IQのJOHN JOWITT、ANDY EDWARDSらによるフロストのアルバム。2006作
のっけから、メロディアスかつ見事な展開美で聴くものを魅了するサウンドは、
ARENA+IQというか、むしろTRANSATLANTIC風のキャッチーさを合わせた雰囲気だ。
かといって、レトロな部分よりもモダンさと、うっすらとした翳りがあるのはKINOにも通じる。
メンバーが実力者なだけに、音にはせこさというものがまったくなく、
プログレにしては珍しく堂々たるメジャー感すら漂うダイナミズムが素晴らしい。
中盤は今風のモダンな中庸曲もあるが、ラストのタイトル曲での見事な構成力はさすが。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 完成度・・9 総合・・8
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FROST*Experiments in Mass Appeal」

イギリスのプログレバンド、フロストの2nd。2009作
英国ポップシーンのプロデューサーにしてキーボーディスト、Jem Godfreyを中心に
ARENAKINOでも活躍するJOHN MITCHELLらによるスーパーバンドとして結成された。
前作はダイナミズムとモダンなアレンジによるシンフォニックロックの傑作であったが、
今作では、いわゆるUKロック的なキャッチーさと、PORCUPINE TREE系の薄暗さを前に出した
作風になっている。もちろん多彩なシンセワークによるプログレ的なアレンジも聴けるが、
全体的にはより普遍的なメロディックロックへと接近、近年のMARILLIONKINOに通じる
やわらかみとモダンさが特徴的。プログレとして聴くよりは、シンフォニックなUKロックというべきか。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 UKロック度・・8 総合・・8
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GALAHAD「SLEEPERS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2nd。1995作
かつてPENDRAGONらとともに英国ポンプ/シンフォの旗手として期待されていたこのバンド、
当時聴いた1stはあまりぱっとしなかった記憶があるのだが、最新の2007年作が良かったので
いまさらながらこの2ndを聴いてみる。シンフォニックというよりは、MARILLIONなどを思わせる
ゆるやかなメロディックロックという質感で、10分台の大曲もゆったりと聴かせる。
全体的に耳触りは良いが、プログレとしてはひっかかり所が少なく、つい聞き流してしまうのは、
どことなくメジャー感のあるキャッチーな分かりやすさのせいかもしれない。音の軽さも惜しい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7
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GALAHAD「Year Zero」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2003年作
1992年に「未だ綴られぬ伝説」というタイトルで日本盤デビューしたこのバンド、
その後はすっかり忘れ去られたようになっていたが、バンドは地道に活動を続けていた。
本作は初期のサウンドに比べればよりダイナミックなハードシンフォニックになっていて
PALLASあたりに通じるドラマティックで壮大なサウンドはなかなかのものだ。
ハードロック的なギターワークにシンフォニックなシンセが絡み、随所にコーラスもまじえつつ
キャッチーなヴォーカルが歌を乗せるサウンドは、90年代のポンプの質感を残しつつ
PENDRAGON的な泣きの叙情も聴かせてくれる。ヴォーカルの力量は正直いまひとつながら、
正統派の英国シンフォニックの生き残りとして、密かに応援してゆきたいバンドである。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・8 総合・・8
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GALAHAD「EMPIRES NEVER LAST」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ギャラハドの2007年作。
90年代前半のポンプロックムーブメントの時期のバンドと思ったが、まさかまだ活動していたとは。
しかも、かつてのイメージよりもジャケといいサウンドといい重厚になっていて、
ARENAPALLASかというようなドラマティックなハードシンフォを展開している。
ときにメタリックなギターに壮麗なシンセが加わると、ProgMetal系の質感すらも垣間見せ、
これならば軽すぎるシンフォ系プログレがだめという人にも薦められる。
10分台の大曲3つを含む計60分の力作は、バンド史上最高傑作となった。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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THE GIFT 「AWAKE & DREAMING」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ギフトのアルバム。2006作
メロトロンやハモンドを含めたレトロな感じのキーボードにややヘヴィめのギター、
そこにやわらかなヴォーカルが歌を乗せる、基本はGENESIS風でありながらも
モダンな薄暗さと叙情をもったサウンドだ。 長大な組曲2曲というアルバム構成ながら、
新人にしては力みもなく、ゆるやかな空間美を聴かせる場面もあってなかなかの出来。
後期MARILLIONあたりに通じるゆったりとした歌ものになる場面もあるが、
そこも含めて聴き通せるシンフォニックリスナーなら満足できるだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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GPSWindow to the Soul

ASIAのメンバーらによる、プログレハードバンド、GPSのアルバム。2006作
J.ペイン、G.ゴーヴァンの元ASIA組みを中心に、SPOCK'S BEARDのリョウ・オクモトも参加。
ややハードめの質感と英国らしいメロディが合わさった、現代風のプログレハード作だ。
ギターはメタリックなほどに重厚で、ややかすれた声質のジョン・ペインの歌声が乗ると
やはり70年代を通過した大人のサウンドに聴こえる。MAGNUMとかTENなどと同様、
英国然とした誇りが音には感じられ、新鮮味はあまりないが質の高さで聴き通せる。
HRになりそうなサウンドをリョウ・オクモトの流麗なシンセワークが引き戻しているのもポイント。
メロディアス度・・8 英国度・・8 けっこうハー度・・8 総合・・8
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Haken「Aquarius」

イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2010年作
英国からハードシンフォニックの大型新人が登場、ツインギターにツインシンセの6人組で
シンフォニックなシンセワークと、ハードめのギターによる厚みのあるサウンドで、
ドラマティックな壮大さを聴かせる。一方ではとぼけた味わいの展開の妙も取り入れていて、
ヘヴィ・チェンバー的な味わいもあってなかなか面白い。メタリックな重厚さと知的なセンス、
ときにDREAM THEATER的なドラマ性も感じさせる。これは驚愕の新人が現れた。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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HAKEN「VISIONS」

イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2011年作
デビュー作にして新時代のハードシンフォニックの傑作と話題となったこのバンド、
本作も適度にヘヴィなギターワークと、メロディックな叙情性で構築される、
絶品のサウンドが楽しめる。プログレメタル的でもあるインストパートでの展開美は
テクニカルな要素とともに、いかにもプログレ的なシンセアレンジが融合され、
クールでありつつも古き良さもあるという感触が面白い。センスの良さという点では
The TANGENTにもすでに匹敵するだろう。ラストは22分の大曲も圧巻だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス度・・9 総合・・8
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Heather FindlayPhoenix Suite
Mostly AutumnのVo、ヘザー・フィンドレイのミニアルバム。2011年作
残念ながらMostly Autumnを脱退した彼女だが、今後はソロとしてやってゆくのだろうか。
その指針となる5曲入りのミニであるが、いくぶんダークめのメロディアスロックという感じで、
むしろAll About Eveなどにも近い作風。憂いを含んだ彼女のヴォーカルはよいけれど、
シンフォニックな感触はあまりないので、少々物足りなく感じるのはいたしかたなしか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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HENRY FOOL

イギリスのモダン・シンフォニックロックバンド、ヘンリー・フールのアルバム。2001作
PORCUPINE TREEが注目され始めて以降、こうした現代的な薄暗い叙情をもったサウンド…
いわゆるオルタナ・シンフォという言い方ができるバンドが、にわかに増えてきている。
このバンドもメロウな歌ものとしての側面と、プログレッシブで空間的な構築性とを併せ持っており、
悲しみの混じった叙情を表現しながら、ときおり音には怒りや不安感、倦怠感など、
現代的な人間のもつ多面的な感情をにじませた、内省的なサウンドとなっている。
メロトロンなどの使用法にしても、古くささよりもむしろそうしたモダンな哀愁を漂わせているのが特徴で、
かつてのプログレッシブロックでの表現方法とは異なり、人間の深い意識、繊細な感情にうったえる類の音だ。
ミキシングには、当のPORCUPINE TREEのスティーブ・ウィルソンも参加。
メロディアス度・・7 オルタナシンフォ度・・8 内的度・・9 総合・・7.5
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I

IQ「The Wake」

イギリスのポンプロックバンド、アイキューの2nd。1985作
ポンプロックの「POMP」には「華麗な/虚飾の」という意味があり、当時のイギリスではあまりよい意味では使われておらず、
それらがわが国でも初期のMARILLIONあたりへの「GENESISクローン」的な、過分に不当な扱いを容認する状況を生み出した。
もちろんこのバンドを含め、いわゆるポンプロックと呼ばれたバンドの大半がGENESISをルーツとして
生まれたものであることには疑いがないが、現在ではそうした「〜系」バンドという括り方は当然であるし、
最近のバンドにもGENESIS、YES、ELPらの音楽性を臆面もなくさらしている良質なシンフォバンドはたくさんいる。
そこで、まったくの偏見なしであらためてポンプロックでも聴いてみよう、という心境で購入してみた(長い前節 ^^;)
1st「Tales from the Lush Attic」の時点では、はっきりいって「ほぼジェネシス」であったサウンドであったが、
この2ndではGENESIS的部分はそのままに「華麗」な部分のみを抽出し、曲展開に無駄がなくなったという印象。
おそらく多くの人々がポンプという言葉を使うとき、MARILLIONの3rdや本アルバムを挙げるのではないだろうか。
今となって聴くと、古き良きヴィンテージ・シンフォとして普通に気持ちよく聴けるのも、
時代が一回りし、ポンプうんぬんも含めて「シンフォニック」という大きな括り方が可能になったからなのだろう。
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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IQ「Are You Sitting Comfortably?」
アイキューの4th。1989作
「まんまGENESIS」だった1st、「GENESIS味のポンプロック」の2ndに比して、
この3rdまで来るとメジャーデビュー後ということもあり、非常にキャッチーで軽快なサウンドになっている。
ようするに「ポップ」であり、マニア以外にも聴ける音楽であり、もうポンプだなんだと
つまらぬことで非難されるべきではないだけの音楽をやっている。
これを聴くとGENESISルーツで始まったポンプ系バンドも進化はするのだ、ということがわかる。
それはMARILLIONにしてもPENDRAGONにしてもそうで、ルーツは同じでも
バンドを続けてゆく過程で彼らが「本物」になってゆくということを証明してもいるのだ。
ここにあるのは。今聴いてもなんら違和感のない良質のメロディックロックである
シンフォニック度・・8 GENESIS度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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IQ「FOREVER LIVE」
英国ポンプロックバンドの代表格、アイキューのライブアルバム。1996作
1993年の復活作「EVER」にともなうライブからの音源でCD2枚組み。
典型的なGENESISや初期MARILLIONスタイルで、ピーター・ニコルズのVoといい、
すべてがあの頃のポンプロックの音だ。演奏的には1999年の「SUBTERRANEA:THECONCERT」
バンドとしての最高作となった2004年の「DARK MATTER」のようなキレ味はないが、
ゆったりとしたメロディアスポンプ/シンフォとしては、いかにも英国調のサウンドで、懐古的味わいがある。
メロディアス度・・8 なつかしポンプ度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7
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IQ「SUBTERRANEA」

アイキューの6th。CD2枚組。1997作
新生IQとしては前作「EVER」に続く2枚目となるアルバム。
初期のGENESISタイプのポンプロックから一転、この2枚組大作では
シリアス系の雄大なシンフォニックサウンドとなっている。コンセプト的な大作ということもあり、
4枚目あたりまでのキャッチーさにくらべて、やや長尺に感じる部分もなきにしもあらずだか、
全体としてはかなりの力作で盛り上がりの場面ではPENDRAGONばりの叙情性を体現している。
シンフォニック度・・8 シリアス度・・8 壮大度・・8 総合・・7.5
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IQ「SUBTERRANEA THE CONCERT」

イギリスのポンプ・シンフォニック・ロックバンド、アイキューのライブアルバム。1999作
2枚組の大作「SUBTERRANEA」を完全再現したライブ作品(当然CD2枚組)。
実を言うとスタジオ版の印象は、「壮大でシンフォニックだがやや長尺感のある作品」
というものだったのだが、こうしてライブでの演奏を聴くと彼らの実力の確かさがあらためて分かる。
演奏はスタジオ版よりもダイナミックで、楽曲にはメリハリが感じられる。
ドラムの生音や、引きと押しを明確にしたアンサンブルにはバンドの一体感と
表現するべきサウンドの明瞭さがダイレクトに伝わってくる。
ピーター・ニコルズの歌の表現力も素晴らしく、コンセプト作のライブ再現という点では
DREAM THEATERの「METROPOLIS PT2」を思い起こさせるような深みがある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・・8.5
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IQ「The Seventh House」

イギリスのシンフォニック・ロックバンド、アイキューの2001年作
80年代から活動する大ベテラン。GENESISクローンと揶揄された初期の作風から、
1993年の復活後にはドラマティックなシンフォニック性を強め、1997年の大作「SUBTERRANEA」で、
ひとつの結実をみる。本作はその流れを組ながらも、曲ごとのキャッチーなメロディアスさが際立ち、
アルバムとしての聴きやすさではむしろ上回っている。核となるのはピーター・ニコルズの歌唱と
マーティン・オーフォードの華麗なシンセワークで、繊細かつ叙情的な美しさが胸をうつ。
PENDRAGON、PALLASらとともに英国シンフォニックのベテランたるにふさわしい完成度だ。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 完成度・・9 総合・・8
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IQ「DARK MATTER」

イギリスのポンプ・シンフォニック・ロックバンド、アイキューのアルバム。2004作
2作目あたりまではGENESISからの影響が濃い典型的ポンプロックをやっていた彼らだが、
その後復活作である5作目の「EVER」、そして2枚組の大作「SUBTERRANEA」という
シンフォニックロックとしての力作を生み出しながら、現在まで活動をつづけてきた。
さて、今回のアルバムであるが、これが「なにかが吹っ切れたような」会心の一作である。
復活したPALLASの活躍などにも影響を受けたのだろうか、シリアスかつ濃密なシンフォニック作となっている。
「SUBTERRANEA」にあったやや長尺な印象が、ここではタイトな曲展開と切れのある演奏により一掃され、
たとえればTRANSATLANTICあたりに通じる、メロディの明快さと、演奏と曲のバランスの良さが両立されている。
軽快さと説得力を併せ持ったリズムセクションや、とにかくシンフォニックに鳴り響くキーボード、
はっとするようなメロウなギターフレーズ、世界観を見事に表現するヴォーカル、どれもが一級品。至福の52分。
シンフォニック度・・9 メロディアス度・・8 楽曲・・8 総合・・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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IQ「Frequency」

イギリスのシンフォニックロックバンド、アイキューのアルバム。2009作
前作「Dark Matter」がバンド史上最高傑作ともいうべき会心の出来であったので、
大いに期待していたが、バンドを支えてきたシンセ奏者のマーティン・オーフォードが
音楽業界からの引退を表明し、バンドを離脱、新メンバーを迎えてのアルバムとなった。
サウンドは一聴して重厚さが増し、INSIDE OUT系というようなハードシンフォニックの質感。
しかしながら、哀愁を漂わせたギターメロディにピーター・ニコラスの歌声が重なると、
まぎれもないかつてのIQの音となるのが、さすがベテランの存在感である。
また新加入のMark Westworthのシンセワークも、元々DARWIN'S RADIOという
GENESIS系バンドに在籍していたというだけあり、ツボを押さえたプレイが光っている。
全体的には、美しくももの悲しい叙情が散りばめられた、ほの暗い繊細さも魅力のアルバムだ。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ダイナミック度・・7 総合・・8
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IQ「THE WAKE LIVE AT DE BOERDERIJ
英国のシンフォニックロックバンド、アイキューのライブアルバム。2010年作
2009年の「Frequency」はほの暗い哀愁の叙情が光る傑作であったが、
本作は1985年の2nd「The Wake」の完全再現ライブを収録したもの。
コアなファンの間では傑作と名高い作品を、25年後に再現するというのは、
バンドにとってもなかなか意味の大きなことなのだろう。テクノロジーは進化し、
サウンドの広がりとともに、かつて感じたような野暮ったさは微塵もなく、
GENESISルーツの上質なシンフォニックロックとして素直に楽しめる演奏だ。
DVDでは同ライブ映像に加え、「EVer」や「Subterranea」からの曲もボーナス収録。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 GENESIS風度・・8 総合・・7.5
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IT BITES「THE BIG LAD IN THE WINDMILL」

アルバム3枚を残して消えた、イギリスのイット・バイツの1st。1986作
コマーシャルな大衆性とテクニック、そして内にひそめたプログレな感覚を
センスよくまとめて音に詰め込んだおそらく最初のバンド。
キャッチーでポップなメロディをプログレ的感性のアレンジでコンパクトにまとめ、
全体として2nd「ONCE AROUND THE WORLD」の完成度には及ばぬものの、
すでにこの時点で方向性が決まっていたというところが凄い。
個々の演奏力はもちろん、この時代のバンドとしてはしっかりとした商業意識をもっていた
ことが伺えるサウンドで、「ポップ=軟弱」という認識を覆すだけのクオリティ。
もしかしたら現代プログレバンドの影の立役者はこのバンドだったのかも。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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IT BITES「ONCE AROUND THE WORLD」

イギリス80年代に活躍したプログレ・ハードバンド、イット・バイツの2nd。1988作
「ポップなハードロックとプログレを意図的に融合させた最初のバンドは?」という問いに
多くの人がこのバンドを答えるだろう。以前に3rd「EAT ME IN ST LOUIS」を聴いたときには
「これのどこがプログレだ?」と感じてまったく気に入らなかったのだが、
最近はACTなどの良質なバンドに感化されたおかげでポップなに昔ほどの嫌悪を感じなくなった。
あらためて聴いてみたらこれがなかなか良い。キャッチーな楽曲の中にかいま見えるプログレなセンス。
これはACTそのままではないか…いや逆だ。ACTの原点はやはりこのバンドにあったのだなと納得。
聴きやすく、メロディに溢れた、ポップで、隠れたプログレ風味ににやりとする、そんな素敵なアルバムである。
メロディアス度・・8 隠れプログレ度・・8 キャッチーな楽曲センス・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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IT BITES「EAT ME IN ST LOUIS」

イット・バイツの3rd。1989作
2ndに比べるとやや音がドライで、単なるキャッチーなHRにしか聴こえなくても無理ない。
ただ、ポップなものが許せる年齢になって聴き直すと、まあけっこう悪くないんですなぁ。
もちろんこのバンドの最高作はキャッチーなプログレセンスが心地よい2nd「ONCE AROUND THE WORLD」だと思うけれど、
最後のアルバムという意味合いを込めて聴くと、バンドとしてのスタンスと商業的な要素との兼ね合いということまで考えてしまう。
ちょうどこのアルバムが出た年にDREAM THEATERが1stを発表しているというのも暗示的で興味深い。
DTのように「好きなことをやって売れる」という時代が、彼らには訪れなかったのが惜しい。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・8 プログレ度・・6 総合・・8
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IT BITES「CALLING ALL THE HEROES -THE BESTOF IT BITES-
イット・バイツのベストアルバム。1995作
1st〜3rdまでまんべんなく選曲されているが、基本的にシングルカットされたものが多いため、
曲がフェードアウトされるなどアレンジ的にもアルバム版とやや異なり、これここれでけっこう楽しめる。
2nd収録の長めの曲が入れられていないものの、総じて良い選曲だと思う。
こうして聴くと、やはりキャッチーで軽快なセンスという点では抜群のバンドだった。
いかにも適当に撮ったというジャケのつまらないメンバー写真が、
「解散後のベストアルバム」という悲哀と皮肉を感じます。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 プログレ度・・7 総合・・8
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IT BITES「THANKYOU AND GOODNIGHT」

1987〜1989年に3枚のアルバムを残し解散したイギリスのイット・バイツのライブアルバム。1991作
プログレ衰退期の80年代に「新しいプログレの形」を提示してくれたこのバンド、
そのポップでキャッチーなメロディセンスと抜群の演奏力、そしてアレンジ能力は
現在でいえば北欧のACTの元祖とも言うべき存在だったと思う。とくに彼らの2nd「ONCE AROUND THE WORLD」
ポップ性とプログレ性が見事に噛み合った傑作として再評価されるべきアルバムだと思う。
さて、このアルバムはバンド解散後に出されたものでレコード会社とのアルバム契約履行のために作られた。
しかしながら、内容の方は彼らのステージでの魅力を余すところなく伝えてくれ
音質はややラウドであるが、おそらく手直しがされていないだけにダイレクトに躍動的な演奏が伝わってくる。
この楽曲と演奏力があれば、今の時代であればもしかしたらDREAM THEATER並の評価を
勝ち得ていたかもしれないと思うと、あらためてこのバンドの解散が惜しまれると同時に、
彼らは時代に早すぎたバンドだったのだな、という感慨が沸いてくる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・9 総合・・8
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IT BITES「Live in Montreux」
英国のプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。
録音は1987年スイスでのライブからのもので、まさにバンドの絶頂期。
メロディアスでキャッチー、そしてさりげなくテクニカルであるという、
心憎いアレンジの楽曲が巧みな演奏でたっぷりと堪能できる。
公式ライブアルバムである「THANKYOU AND GOODNIGHT」よりもむしろ音質は上で
アレンジ的にもアルバムを意識した丁寧な演奏が光る。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 音質・・8 総合・・8
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IT BITESWhen the Lights Go Down

イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2006作
2008年の復活アルバムは素晴らしい出来だったが、これはその先駆けとなった2006年のライブ作。
フランシス・ダナリーは不在であるが、代わりに歌うジョン・ミッチェルのヴォーカルも
なかなかアダルトな味わいで、過去曲に関してもさほど違和感なく聴ける。
かつてのライブアルバムに比べて、みずみずしい勢いの代わりに
大人のプログレハード的な質感が前にでていて、これはこれでよい。
メンバーもかぶることで、むしろKINOの雰囲気をプラスしたとも言えるか。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 大人のイットバイツ度・・9 総合・・8
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IT BITESThe Tall Ships

イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのアルバム。2008作
先に出た復活ライブアルバムから期待していたが、それを裏切らない出来。
そう、まるであの当時のIT BITESが甦ったようなサウンドだ。涙、涙。
キャッチーなメロディに、テクニカルな隠し味とセンス溢れるアレンジ、
そして泣きの叙情も盛り込んだ、素晴らしきプログレハードを聴かせてくれる。
フランシス・ダナリーは不参加ながら、KINOでも活躍するジョン・ミッチェルの歌声は
まったく違和感がなく、むしろ往年以上の瑞々しさとドラマティックな感触が見事。
過去をなぞるだけでない意義のある復活作だ。ACTなどのファンも絶対にチェック。
メロディアス度・・8 イット・バイツ度・・9 楽曲・・9 総合・・8.5
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IT BITES「It's Live」

イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2010年作
2008年に復活アルバムThe Tall Shipsを発表し、2009年に来日を果たした。そのステージをCD2枚に収録。
キャッチーなメロディをテクニックアルアンサンブルで聴かせるイット・バイツサウンドは再結成後でも不変。
きらびやかなシンセに軽快なリズムとギターワーク、楽しそうなメンバーたちの顔が目に浮かぶようだ。
ジョン・ミッチェルのヴォーカルは大人の味わいがあって、フランシス・ダナリーとはまた違った魅力がある。
“Kiss Like Judas”、“All in Red”、“Yellow Christian”といった往年の楽曲が甦る様はファンには感涙だろうし
新曲の雰囲気も違和感なくセットリストに溶け込んでいる。20年のときをまたいだ来日公演の記録である。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 イット・バイツ度・・9 総合・・8
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JADIS
「MORE THAN MEETS THE EYE SPECIAL EDITION


英国シンフォバンド、ジャディスの1stのリマスター&デモ音源を収録のCDを加えた2枚組。2005作
かつてZEROコーポレーションから配給されていたので、案外HR方面に知名度があるかもしれない。
ゲイリー・チャンドラーのメロウなギターワークを前面に押し出した聴きやすいシンフォニックロックサウンドが持ち味で、
そういう点ではメロディの充実度としてはこの1stの楽曲が一番良かったと言うこともできる。
きらきらとしたキーボードワークも今聴くとサウンドに爽やかなものを与えていて
シンフォニックな部分ではPENDRAGONを、ゆるやかなメロディにはCAMELを思わせるところもある。
全体的に重厚さや奥行きはあまりないが非常に耳に心地よく、
軽やかなメロディアス/シンフォニックロック作品として再評価に足る内容である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽やか度・・9 総合・・8
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JADIS「FANATIC」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ジャディスのおそらく7th。2003作
ゲイリー・チャンドラー率いるこのバンドも、デビューからすでに10年以上、
変わらずこうしてメロディックなシンフォサウンドを続けているというのがまず素晴らしい。
個人的には、このバンドの音は「心地よいのだが何かが足りない」という気がして
さほど熱心に聴いてはこなかったのだが、ゆったりと聴けるシンフォとしては今作も期待を裏切らない。
ゲイリーのウェットでメロウなギターワークを中心に、哀愁漂う英国的な雰囲気も良い。
インパクトや大がかりな盛り上がりは希薄だが、安心して楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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Josh & Co. Limited「Through These Eyes」

Mostly Autumnのブライアン・ジョシュによるユニットの2008年作
ゆったりとした牧歌的なサウンドは、やはりMostly Autumnに通じるものであるが、
本作はあくまで彼のソロ的な作品ということで、ヴォーカルも男性声が中心。
しっとりとした薄暗い叙情とともに、PINK FLOYD的な浮遊感もいくぶんあって、
楽曲は比較的コンパクトながら、のんびりと楽しめる耳心地のよい音だ。
また、Mostly Autumnのオリビア嬢も参加しており、数曲で美しい歌声を聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 モストリーオータム度・・8 総合・・8
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karda estra「eve」
イギリスのクラシカル・ゴシックユニット、カルダ・エストラの2001年作
クラシック界で活躍するRichard Wilemanを中心としたプロジェクトで、
本作は18世紀の小説「THE FUTURE EVE」という作品をテーマにしている。
サウンドはうっすらとした美しいシンセに、アコースティックギターを中心に、
ヴァイオリンやフルート、オーボエなどが絡みつつ、しっとりとした女性スキャットも入ってくる。
ダークさよりもクラシカルな美しさが前に出ていて、幻想的な浮遊感が耳に心地よい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 しっとり幻想度・・9 総合・・7.5
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karda estra「Voivode Dracula」

イギリスのクラシカル・ゴシックユニット、カルダ・エストラのアルバム。2004作
本作のテーマはドラキュラということもあってか、クラシカルな雰囲気は変わらないが
チェンバーロック的な優雅な作風の中にもややダークな質感が増している。
うっすらとしたシンセに絡むオーボエ、クラリネット、ヴァイオリンなども美しく
やわらかな耳触りの良さの中に、雰囲気ものとしての世界観は強度を保っている。
プログレやゴシックとして聴くにはインパクトが足りないかもしれないが、
ART ZOYDなどのような薄暗いチェンバーロックとしてはかなり楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 薄暗チェンバー度・・8 総合・・8
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KARNATAKA「KARNATAKA」
ウェールズの女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの1st。1998作
ケルテイックな女性ヴォーカルロックとしてを開花した次作に比べ
この1stのサウンドは、IONAというよりはALL ABOUT EVEといった雰囲気だ。
ジュリアンヌ・リーガン的な、けだるげな美声Voがしっとりとした曲に歌を乗せている。
ケルト色はまださほどでもなく、壮大さよりもゆったり系のサウンド。
バックのキーボードがギターと重なり、なかなか美しい。化ける前のもう一息の作品。
メロディアス度・・8 トラッ度・・5 女性Vo度・・8 総合・・7

KARNATAKA「THE STORM」

ウェールズの女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの2nd。2000作
イギリスではIONAに次ぐ逸材として注目を集めたバンドの2ndは、
たゆたうような女性ヴォーカルの歌声に、モダンなシンセアレンジによる
幻想的な美しさで聴かせるしっとりとしたサウンドが素晴らしい。
ケルト的な要素はIONAよりも薄く、ギターにしてもロックフィールドに近い音を出していて、
ALL ABOUT EVEあたりの翳りある世界観を上手くアップデートに表現できている。
シンフォニックな壮大さではIONAに一歩譲るが、今後の成長がさらに楽しみなバンドである。
メロディアス度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8
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KARNATAKA「DELICATE FLAME OF DESIRE」

イギリスはウェールズ出身の女性ヴォーカルロックバンド、カルナタカの3rd。2003作
このバンドの色を表す表現としてIONA+ALL ABOUT EVEという言い方が出来るが、
今作では、よりシンフォニックなアレンジが増しており、繊細かつダイナミックな色彩が高まっている。
美貌の女性Voレイチェルの歌唱の素晴らしさは、英国のクラシックロック・ソサエティで大賞をとるほどの実力。
女性ヴォーカルものとしてはもちろん、シンフォニックロックの好作としても楽しめる質の高さである。
ケルティックな要素を控えめにしながら、随所にそれを感じさせる温かみのあるアレンジを聴かせるのはさすが。
シンフォニック度・・8 トラッ度・・7 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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KARNATAKA「STRANGE BEHAVIOUR」

イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカのライブアルバム。CD2枚組。2004作
アルバムを出すたびに着実な向上と人気の度合いを上げてきたこのバンド、
ライブでの実力はDVDでも証明済みだが、こうして音だけを聴いていてもバンドとしての成熟が感じられ、
レイチェル嬢の清涼な歌声とともに一体感のある素晴らしい演奏が堪能できる。
ケルト要素をロックと融合させ、結果として非常に高品質な女性Voものシンフォとして
IONAらとともに活動を続けてきたこのバンドだが、アルバム3枚にDVD2作品を発表し、
このライブ作品を最後に解散。彼らの音楽の軌跡としてこのライブアルバムの価値は大きく、
このバンドの全盛期の瑞々しいサウンドを感動的に我々に伝えてくれる。
ケルティックロック好き、女性Voファンはマストアイテム!
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・9 演奏・・9 総合・・8.5
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KARNATAKA「Gathering Light」

イギリスのケルティックロックバンド、カルナタカの復活作。2010作
かつて美声の女性Vo、レイチェル・ジョーンズを擁して3枚のアルバムを残したが、
その後、夫であるバンドリーダーのイアン・ジョーンズとの離婚もありレイチェルは脱退。
バンドはそのまま消滅したかに思えたが、新たにリサ・フューリィを迎えてここに復活作を完成させた。
サウンドの方は、シンフォニックな美麗さとケルティックなメロディが融合した、
まさにかつてのKARNATAKAを思わせるもので、いっそうダイナミックな音作りが素晴らしい。
躍動感のあるリズムに乗るきらびやかなシンセと、そこにかぶさる泣きのギター、
厚みのあるサウンドに新生バンドとしての意気込みが伝わって来る。
そして3曲目からはお待ちかねのヴォーカル曲。リサ嬢の歌声は落ち着きのある中音域で
レイチェル嬢とはやや雰囲気が違うが、しばらく聴いていると耳に馴染んでくる。
なんにしてもバンドの復活は嬉しいし、Panic Room、The Reasoningともども頑張っていって欲しい。
シンフォニック度・・9 ケルティック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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KINO「PICTURE」

イギリスのモダンプログレバンド、キノのアルバム。2005作
IT BITESARENAMARILLIONPORCUPINE TREEのメンバーが集結した
まさしくスーパーバンドであるが、サウンドの方は意外にもどこかが突出することなく、
バランスのとれたメロディックロックである。メロウなフレーズを弾くギターに、キャッチーな歌メロ。
全体的には、ARENAをやや分かりやすくして後期MARILLIONの湿りけを足したイメージで
とても聴きやすく、繊細なピアノなどによるしっとりとした引きの叙情もよい。
ときおりザクザクとヘヴィになるギターや、そこにからむキーボードの美しさにも
ベテランらしく、さりげないアレンジの細かさが垣間見えてさすが。
派手な展開やテクニカルの応酬はないものの、安心して楽しめる一作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 落ち着き度・・8 総合・・8
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KINO「cutting room froor」
IT BITESのKEY、ARENAのG、MARILLIONのB、元PORCUPINE TREEのDrらによる
イギリスのスーパーバンド、キノのライブやデモ音源等、9曲を収録したCD。2005作
さすがにメンバーは皆実力者なので、デモといっても正規曲とさほど質に変わりなく
ジョン・ミッチェルの哀愁あるヴォーカルや、ジョン・ベックのさりげないが、巧みなキーボードワークなど、
ライブ演奏の方にも安定感があり、彼らの持ち味である翳りのある叙情を感じさせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 演奏・・8 総合・・7.5
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Konchordat「New Crusade」

イギリスのシンフォニックロック、コンコーダットの2011年作
オヤジ二人組によるユニットで、ヴィンデージ感もある美麗なシンセワークを散りばめた、
GENESISタイプを継承する古き良き王道のシンフォニックロックサウンドを聴かせる。
のっけから14分の大曲という力の入れようや、ファンタジックでロマンの香りを感じさせる作風は、
かつてのPENDRAGONPALLASなどにも通じるドラマティックな感触で聴いていてにんまりだ。
いくぶんのやぼったさもあるが、泣きのフレーズを聴かせるギターも含め、メロディのセンスもよろしい。
プログレがモダン化する昨今、こうした往年のシンフォニックを体現するバンドの存在は嬉しいかぎり。
シンフォニック度・・8 GENESIS風度・・8 英国度・・8 総合・・8
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KTU「Quiver」

KING CRIMSONのパット・マステロットとトレイ・ガンによるユニット、ケートゥーの2008年作
フィンランドのアコーディオン奏者を加えたトリオ編成で、独特の浮遊感のあるインストの
チェンバーロックをやっている。ヘヴィなグルーブ感を生み出すトレイ・ガンのワーギターと、
マステロットのタイトなドラムは、やはりKING CRIMSON風味の聴き心地もあるが、
アコーディオンの音色が重なると、チェンバーロック気味の質感になり、なかなか面白い。
広がりのある静謐感の中に、トリオならではの緊張感を漂わせた構築美が楽しめる。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 クリムゾン度・・8 総合・・8
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LANDMARQ「SIENCE OF COINCIDENCE」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ランドマークのアルバム。1998作
かつて日本のZEROレーベルから3枚目までが出ていたので、名前を知っている方もいると思うが、
4作目となる本作からは、QUASAR、STRANGERS ON A TRAINで歌っていたトレイシー・ヒッチングが加わり、
女性ヴォーカルフロントのバンドとなって音ががらりと変わった。曲はよりメロディックになり、生き生きと躍動し、
ロックとしてもシンフォとしても格段に聴きやすくなっている。トレイシーのハスキーな歌声はじつに好みであるので、
むしろ本作こそがバンドの最高傑作となったと言いたい。影でバンドを支えるクライブ・ノーランのプロデュース力も見逃せない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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LANDMARQ「AFTERSHOCK」
イギリスのシンフォニック・ポンプ・ロックバンド、ランドマークのライブアルバム。2002作
ライブアルバムとしては「THUNDERSTRUCK」に続くもので、2000〜2001年時期の録音。
ARENA、PENDRAGONらとともに英国シンフォを支えるバンドとして、精力的にツアーもこなしているらしい。
さて、このライブ音源だが、演奏の方は安定していて安心して聴けるがそれ以上の目新しさはなく、
看板のトレーシー・ヒッチングスの歌唱も、録音のせいもあってか、いつもの情感が感じられない。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 録音・・7 総合・・7


LEGEND「TRIPLE ASPECT」

イギリスのシンフォニックロックバンド、レジェンドの3rd。1996作
かつて女性Voもののハードプログレとして日本盤でも1st、2ndが出ていたが、
剣を持った腕が泉から突き出したジャケといえば、案外知っている方もいるだろう。
本作はバンドのラスト作にして日本未発売。かなりマニアックなアイテムだろう。
1stのエクスカリバーもそうだが、三相の女神をテーマにした今回のジャケも、
ヘタウマなマイナー臭さをただよわせつつ、好きものにはやはりぐっとくる(笑)。
肝心の演奏面では、シンセにしろギターにしろ、さしたる特徴はないし、
リズム的にもやややぼったいのであるが、ソーニャー・クリスティーナを思わせる
デビー嬢の美しい歌声を含めて、どこか靄のかかったようなマイナーっぽさがあり、
それがかえって神秘的な雰囲気をかもしだしていて、なかなか悪くないのだ。
ラストは29分の大作で、アレンジなどはいかにもつたないがそれなりに気合が入っている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAESTOSO「ONE DROP IN A DAY WORLD」

BARCLAY JAMES HARVESTのキーボード奏者、ウォーリーのバンド、マエストソの2nd。2004作
ジャケは地味ながら、内容はドラマティックなシンフォニックロックで、
哀愁ただようメロウなギターメロディに、キーボード、そしてときにメロトロンが合わさり
往年のブリティッシュプログレの質感をそこはかとなく漂わせている。
また、ゆったりとした歌もの曲のほのぼのとした魅力もあり、そういう点でもBJH的か。
きらきらとした大仰さよりは、牧歌的なシンフォニックサウンドが楽しめる。
限定版の2CDにはバージョン違いやデモ等の9曲が収録されている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりほのぼの度・・8 総合・・8
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MAESTOSO「FIDDLING MEANLY」
Barclay James HarvestのWOOLLYによるマエストソのライブアルバム。2005作
2004年ロンドンでのライブを収録。鳴り響くメロトロンにメロディアスなギターで聴かせる
極上のシンフォニックロック。BJH時代の曲も披露してくれファンには嬉しいかぎりだ。
音質的にはややラウドながら、ライブの臨場感がよく伝わってくる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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MAESTOSO「GRIM」

BARCLAY JAMES HARVESTのキーボード奏者であった
WOOLLY WOLSTENHOLMEによるバンド、マエストソの3rd。2005作
タイトルからグリム兄弟をテーマにした作品かと思ったら、どうもそうではないらしく
地名である「Grimroyd」と「grimly」という単語をかけたということらしい。
のっけから、ドラマティックなキーボードとギターに包まれたシンフォサウンドで、
とてもおっさんたちがやっているとは思えない強度の世界観を感じる。
また、アコースティックギターの音色の美しい牧歌的な要素もあり、
コンセプト作としてのメリハリもしっかりついている。
ともかくドラマティックシンフォとして傑作といってよい出来だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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MAESTOSO「Caterwauling」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マエストソのアルバム。2008作
Barclay James HarvestWOOLLY WOLSTENHOLMEのソロバンドで、
前作「GRIM」もドラマティックな傑作だったが、それに続く本作も素晴らしい。
うっすらとしたシンセワークにかぶさる泣きのギターでつかみはOK。
ヴォーカルが入るとBJHを思わせる牧歌的な雰囲気でゆったりと聴け、
盛り上がりではメロトロンを引き鳴らし、これぞシンフォニックというサウンドになる。
ときにクリムゾン的なヘヴィさも顔を覗かせたり、楽曲アレンジのメリハリが大きく、
油断して聴いているとびっくりする。音質のラウドさが少し惜しいものの、
アルバムとしては、70年代的な質感を嫌味なく甦らせた良質のシンフォ作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 70'風度・・8 総合・・8
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MAGENTA「Revolutions」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの1st。2001作
たおやかな声質の女性Voと、どこかフランス的なエレンガントさも漂わせた楽曲は、
壮大さよりは軽やかキャッチーさに彩られていて、長い曲においても聴き疲れがしない。
CD2枚組で、それぞれに19分、20分、24分、21分という大曲を配した構成で
デビュー作にしてこの気合の入り方はなかなかすごい。
ただ、サウンド的に濃密な作風ではないので、つい聴き流してしまいそうになるが、
プログレマニアのみにとどまらないポップな質感に、このバンドの可能性があるのかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5

MAGENTA「SEVEN」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2nd。2004作
CYANのロブ・リードによるバンドで、雰囲気的にはかつてのYESのように
爽やかでキャッチーな典型的シンフォサウンド。
目新しい部分はとくになく、いかにもなキーボードの音色にメロウなギター、
そこに乗る女性Voと、シンフォファンにはお約束の要素が揃っている。
音が軽めのためサウンドに重厚さはないが、爽快系シンフォが好きな方なら
たぶん気に入るだろう。個人的には少し物足りないが。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5

MAGENTA「HOME」
イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの4th。2006作
本作はアメリカに移り住んだ女性を描いたコンセプト作で、歌ものメインの構成となっている。
キーボードはやや控えめで、しっとりとしたピアノに乗るクリスティーナ嬢の歌声…
全体的に内面を描くコンセプト作ということでか、これまでのような爽やかな雰囲気よりも
翳りのある叙情が押し出されていて、聴きようによっては地味すぎて退屈に思える部分もあるが、
バンドの魅力はしっかりと発揮されているので、彼らのサウンドが好きならば心地よく楽しめるだろう。
限定盤2CDのdisc2には「New York Suite」と題された、ストーリーの後日談的な内容となっている。
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAGENTA「Metamorphosis」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの5th。2008作
前作は歌もの中心のコンセプト作で、サウンド的にはやや地味だったのだが、
今作では彼ららしい爽快なシンフォニックサウンドに戻っている。
ロブ・リードのプログレ的なシンセワークはその本領を発揮していて、
オーケストレーションを加えたアレンジも、楽曲の重厚さを増している。
クリスティーナ嬢の歌唱にもいっそうの表現力が加わり、
線の細かった過去作に比べて全体に音のスケール感が増した。
20分を超える大曲2曲をメインに聴かせる、バンドとしての最高傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MAGENTA「HOME-The Complete 2CD Edition

英国のシンフォニックロックバンド、マジェンタの3rd再発盤。2006/2010作
本来は2枚組みとして作られた本作は、レーベルの意向により1CD+ボーナスCDとなっていたが、
本来の構想であった曲順に戻されて甦った。正直、最初のリリース時には地味な作品と思ったのだが、
主人公の女性がリバプールからニューヨークへ渡り、出会いや事件とともに人生を見つめてゆくという
ストーリーを念頭に入れながら、あらためて聴いてみると、ゆるやかに展開してゆくドラマティックな物語を
映画を見るようにして音楽で楽しむことができる。メロウなギターワークに、美しいシンセ、そして
クリスティーナ嬢の歌声が合わさった、しっとりと聴かせる大人のシンフォニックロックである。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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magenta 「chameleon」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2011年作
スタジオアルバムとしては6作目で、ロブ・リードのプログレ的なシンセワークと
女性ヴォーカル、クリスティーナの歌声で聴かせるシンフォニックロックは本作も健在。
前作「Metamorphosis」に比べると、いくぶん初期の作風に戻った感じもあり
キャッチーで軽快な聴き心地と、しっとりとした叙情が同居したサウンドは、
新鮮味はないものの安心して楽しめるクオリティの高さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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MARILLION「Fugazi」

イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの2nd。1984作
GENESIS風味のダイナミックなハードシンフォだった1stから、今作ではややストレートで
軽快な雰囲気となっている。シンフォニックなシンセをバックに、スティーブ・ロザリーのギターは
メロディアスなフレーズを奏でつつ、ときにハードロック的な質感も垣間見せ、
パワフルなドラムの音も含めて録音が良いので、サウンドに迫力がある。
相変わらずフィッシュの歌声は濃厚で、今聴くとやや暑苦しいのだが、
そこも含めてカラフルなサウンドはプログレハードとしても楽しめる。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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MARILLION「Misplaced Childhood」

イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの3rd。邦題は「過ち色の記憶」1985作
リマスター&ボーナスディスク付きの限定盤。物哀しいイントロのメロディから始まる本作は、
主人公が少年の時代の亡霊と出会い、過去への記憶を甦らせるというストーリーのコンセプト作。
きらびやかなシンセとメロウなギター、そして物語を語るようなフィッシュのヴォーカルとともに、
ドラマティックに聴かせる傑作。シンフォニックロックという点ではバンドの最高傑作といえるだろう。
繊細な叙情美とメロディの合わさった英国的なシンフォサウンドだ。Disc2にはデモ音源など17曲を収録。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 叙情度・・9 総合・・8.5
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MARILLIONClutching at Straws」

イギリスのポンプロックバンド、マリリオンの4th。邦題は「旅路の果て」1987作
初期の濃密な作風よりもやや肩の力が抜け、ソフトな叙情性で聴かせる好作。
シンフォニックなシンセは控えめで、スティーブ・ロザリーのギターワーク前に出た印象。
自身の内面を歌うようなフィッシュの歌声は深みを増し、GENESISクローンと言われた
ホンプロックからの脱却が感じ取れる。ここにあるのは良質なメロディックロックであり、
英国的な叙情美ともに、自然体で聴かせるシンフォニックロックである。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「THE THEIVING MAGPIE」
英国ポンプロックの代表格、マリリオンのライブアルバム。CD2枚組。1988作
現在は完全に脱ポンプ、プログレしてしまったこのバンドだが、80年代当時は
IQらとともにGENESIS風のサウンドを標榜して、ポンプロックムーブを引き起こした。
このライブアルバムは、初期の代表作である3rd「MISPLACED CHILDHOOD」
完全再現を含むポンプロックとしての集大成的な作品である。
1枚目は3rdを除くアルバムからの選曲となっていて、やや小粒でポップなメロディの曲もある。
ややわざとらしいフィッシュの歌唱は、ライブで聴くといっそう好き嫌いが分かれるかもしれない。
これが2枚目の「MISPLACED CHILDHOOD」になると、このシアトリカルなVoが
コンセプトサウンドにマッチして、非常にドラマテイックに聴こえてくるから不思議だ。
私はさほど熱心なMARILLION好きではないが、このDISC2を聴くだけでも価値がある。
おそらくPENDRAGONやARENAあたりの原点は、やはりこのサウンドだったのだと思える。
シンフォニック度・・(DISC1・・7 DISC2・・8) ライブ演奏・・8 総合・・7.5

MARILLION「Brave」

イギリスの元ポンプ、現メロディアスロックバンド、マリリオンの7th。1994作
前作「Holidays in Eden」でのポップな路線から一転、壮大なコンセプト作となった。
うっすらとしたシンセワークに、メロウなギタートーン、そしてスティーブ・ボガースの
もの悲しくも優しい歌声で聴かせる、しっとりとした叙情サウンドは、プログレというよりは
今で言う薄暗系ロックの先駆けでもあり、たとえば、同時期のDREAM THEATERにおける
テクニカルなドラマ性とは対照的な構築の仕方である。おそらくは後のARENAなどにも
大きな影響を与えたであろう、このモダン志向の叙情ロックのスタイルは、ひとつの金字塔である。
リマスター盤にはもアコースティックバージョンなど未発曲を収録したの2CDの限定盤もあり。
しっとりメロウ度・・9 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「afraid of sunlight」

イギリスの元ポンプ、現メロディアスロックバンド、マリリオンの8th。1995作
シリアス系のコンセプト作として成功を収めた「BRAVE」に続くこのアルバムは、
前作のダークな部分を残しながらも、楽曲的には分かりやすさを増した作風となっている。
「BRAVE」で身につけた「静寂と自然体の中の叙情」「コンセプト的なつながりのあるアルバム構成」
という新たなオリジナリティを遺憾なく発揮し、等身大のバンドの姿をさらしたサウンドといってもよいだろう。
最近のARENAあたりにも通じるものを感じられるが、それもMARILLIONという大きな存在があったからこそだろう。
聴く側も肩の力を入れずに、ゆったりとこの深遠な楽曲に身を任せられる、そんな音楽である。
それにしてもバラード曲でのステイーブ・ホガースの歌唱は以前にも増して胸を打つ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 深遠度・・8 総合・・8
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MARILLION「Made Again」

英国のメロディックロックバンド、マリリオンのライブアルバム。1996作
CD2枚組で、Disc1は1991年ロンドン、1995年ロッテルダムのライブを収録。
スティーブ・ホガートのマイルドな歌声を中心に、やわらかみのある演奏と
ゆったりとした叙情美で聴かせる、ほの暗さが心地よいサウンドだ。
Disc2は1994年のパリでのライブを収録。名作「Brave」の完全再現で、
哀愁漂うコンセプト作を、楽曲の連なりで再現してゆく様は圧巻だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ゆったり叙情度・・9 総合・・8
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MARILLION「This Strange Engine」
マリリオンの9th。1997作
ここにきてほぼ完全に脱プログレを果たしたこのバンド。
自然体のメロディアスロックを歌ものとして聴かせる術を身に付けた9作目。
ギターはアコギ中心になり、バックの演奏もしごくシンプルに、
そしてホーガスの歌唱の重要度は否が応にも高まっている。
じつに聴きやすく、質の高いメロディアスロックといっていいが、
今作あたりからプログレファンが離れていってしまうのはある意味仕方がない。
しかし、このせつないような内的叙情は実に日本人向けだと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 歌もの度・・8 総合・・7.5

MARILLION「RADIATION」
イギリスのマリリオンの10作目。1998作
初期は「ジェネシスクローン」といわれていたが、Voフィッシュの脱退後、脱ポンプロックを果たし、
今では叙情ロックバンドとしての存在を確固たるものにしているこのバンド。
今作の音の方は、まったくもって自然体のサウンド。プログレ、ポンプの「プ」の字もありません。
プログレであることを期待しなければそれなりに普通に聴けるサウンドだと思います。
彼らは「MARILLION」という名のブリティッシュロックバンドであり、マニアがどう言おうと
そのアイデンティティは今後もゆるぎないでしょう。現在すでに12枚目も発表済み。
メロディアス度・・7 脱プログレ度・・8 楽曲・・7 総合・・7

MARILLION「Marbles」

英国のプログレロックバンド、マリリオンの2004年作
通算13作目のアルバムで、いまとなってはプログレともポンプロックとも異なる
しっとりとした叙情の薄暗系モダンロックというべき作風なのだが、
今作では幻想的な情緒を漂わせたうっすらとしたシンセワークに包まれて
不思議な浮遊感とともにゆるやかなメロウさが楽しめるサウンドになっている。
いくぶんシンフォニックロック的なドラマティックさも戻ってきていて、
かつての「BRAVE」あたりにも通じるコンセプト風味の流れが見事だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりメロウ度・・9 総合・・8
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MARILLION「Live From Cadogan Hall」
英国のプログレロックバンド、マリリオンのライブアルバム。2011年作
スティーヴ・ホガース加入後のアルバムからセレクトされた楽曲で作られたアコースティックアルバム、
「Less Is More」にともなう2009年のライブツアーを収録したCD2枚組。
もともとやわらかな叙情を聴かせる彼らの楽曲が、さらに美しく、耳に優しく
アコースティックにアレンジされ、しっとりと鑑賞できる。シンプルな音数の中でも、
スティーブ・ロザリーのギターワークはさすがの存在感で、表現豊かなホガーズの歌声を引き立てている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 しっとり繊細度・・9 総合・・7.5
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Martin Orford「Classical Music and Popular Songs」

IQのシンセ奏者、マーティン・オーフォードのソロ作。2003作
先に聴いた「The Old Road」があまりに素晴らしかったので、本作も慌てて購入したのだが、
こちらも劣らず素晴らしい。たおやかなフルートの音色から始まり、きらびやかなシンセワークと
キャッチーなヴォーカルメロディによる爽やかなシンフォニックロックサウンドが響きわたる。
ゲイリー・チャンドラー(JADIS)のギターワークもさすがで、繊細でクラシカルな楽曲を引き立たせている。
ゲストのジョン・ウェットン、ピーター・ニコルズ(IQ)が1曲ずつヴォーカルで参加。メロディ派必聴!
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 繊細で爽やか度・・9 総合・・8.5
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Martin Orford「The Old Road」

IQのシンセ奏者、マーティン・オーフォードのソロ作。2008作
突如IQを脱退したオーフォードは、自身の音楽活動のキャリアの最後として本作を制作。
ジョン・ウェットンをはじめ、ジョン・ミッチェル(IT BITES)、ゲイリー・チャンドラー(Jadis)、
スティーブ・ソーンら多数のゲストが参加。オーフォードの美しいシンセワークを軸に、
メロディアスなギターとキャッチーな歌メロで聴かせる、絶品のシンフォ・プログレハード作だ。
TRANSATLANTICばりの爽快なメロディと、古き良きシンフォニックロックの質感が合わさり、
ASIAあたりを思わせるヴォーカルハーモニーがやわらかにかぶさる。JADISばりの泣きのギターも
たっぷりと入って、叙情豊かに繰り広げられるこれは素晴らしいシンフォニックハードの美麗傑作。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・9 プログレハー度・・8 総合・・8.5
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Mary Jane「Eve」
イギリスのフォークロックバンド、マリー・ジェーンの2010年作
女性ヴォーカルにギター、ベース、ドラムというロック編成に、ヴァイオリンなどが加わった
フォーキーな質感と、70年代的な古き良き英国ロックの牧歌性を継承したような雰囲気。
上手すぎない女性ヴォーカルの歌声もむしろローカルな感じでよろしい。
土着的要素が薄めなので、普通にCurved Airのようなプログレとしても聴けたりする。
フォークロック度・・8 英国度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Moria Falls 「The Long Goodbye」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モリア・フォールズの1st。1995作
90年代のネオプログレ・ムーブメントでデビューしたバンド。
なんとなくバンド名などから女性Voのバンドかと思っていたがそうではなかった。
サウンドはGENESISタイプの平均的なシンフォニックロックという感じで、
そこそこメロディアスでゆったりとした楽曲にやや音程のあやうい男Voが歌を乗せる。
ARENAPENDRAGONほどには突き抜けたメロディの魅力はないので、
嫌いな音ではないのだが、全体的にはにさらりと聴き流してしまう中庸感がある。
バンドはこの後2ndを出したようだが、それ以降の音沙汰は聞かない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国ポンプ/シンフォ度・・8 総合・・7
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THE MORRIGAN「RIDES OUT」
イギリスのトラッド・ロックバンド、ザ・モリガンの1st。1990作。
先日新作を発表して健在ぶりを見せた彼らのテープ音源に続く1stで、
トラディショナルなメロディをたっぷりと取り入れ、それをロックフォーマットで
演奏するというスタイルは、この時点ですでに確立している。
エレキギター、キーボードなどをトラッドメロディと上手く融合させ、
繊細な部分とロック的な躍動感との両立に成功させているという点で、
後に出てくるこの手のバンドにも少なからず影響は与えているかもしれない。
曲によっては女性Vo入りで、アルバムの中でアクセントになっている。
メロディアス度・・8 ロック度・・7 トラッ度・・8 総合・・7.5

THE MORRIGAN「MASQUE」

イギリスのシンフォニックトラッドバンド、ザ・モリガンのアルバム。1998作
ロックフォーマットのギター、ドラム、シンセなどにフルートやアコギ、ヴァイオリンなどが
上手く溶け込んでいる。男女ヴォーカルの歌うメロディも伝統的なブリティッシュトラッドのそれだ。
同郷のGRYPHONなどに通じる部分もあり、さわやかなトラッドシンフォロックという感じ。
フォーク/トラッド要素が嘘臭くなく、それらをしっかりと研究し、シンセやギターなどと
違和感なく融合させているのが素晴らしい。トラッド・ロック好きには自信を持ってお勧めできる一作。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 トラッ度・・8 総合・・8.5
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THE MORRIGAN「HIDDEN AGENDA」

英国のケルティック・シンフォバンド、ザ・モリガンの5th。2002作
ケルト風のメロディを取り入れたシンフォものとしては息の長いこのバンド。
今作もフルート、ギターなどによるトラッドメロディをたっぷり使用しており
演奏的にはシンセの比重も増していて、よりシンフォニックロック的になった。
また、ジャケットアートの通りの中世音楽的な世界観もあって、
この手のサウンドが好きな者には心地よい音楽である。
シンフォニック度・・7 トラッ度・・7 中世音楽度・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「FOR ALL WE SHARED」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モーストリィ・オータムの1st。
ヴァイオリンなどを取り入れ、トラディショナルで懐かしい感じのサウンド。
シンフォニックというより、Barclay James Harvestにも通じる土と森の香りがする。
音自体にさして目新しさはないが、男女ヴォーカルの歌声とともに安心して楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 トラッ度・・7 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「THE LAST BRIGHT LIGHT」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの3rd。2001年作
1stではまだイモ臭い印象だったが、この3rdではアレンジに吹っ切れが見られ、
曲の盛り上げ方がより大胆に、全体として引き締まったクオリティに仕上がった。
アコースティック楽器をほどよく取り入れ、民族色も嘘臭くない程度の導入でバランスがよい。
個人的には女性Voをメインにして欲しいが、それを除けばシンフォニックロックの傑作と言い切れる。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 民族度・・5 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「HEROES NEVER DIE/Catch the Spirits」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのベストアルバム。2002作
牧歌的なメロディと女性ヴォーカルの歌声で、しっとりとした英国シンフォを聴かせるこのバンド、
本作は4thまでの曲をピックアップしリレコーディングしたという変則的ベストアルバムで
原曲と聴き比べてはいないが、より音に厚みが増してシンフォニック性を強めている。
ファンなら買いだろう。またこのバンドをまだ聴いたことがない方の入門用にもお薦めだ。
左は1枚組で、右の画像は2枚組のジャケット。それぞれタイトルも違うのでご注意。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「LIVE IN THE USA」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2003作
ケルトテイストのあるシンフォニックロックバンドとして、着実な人気を得ているこのバンド。
このライブ作は、2002年アメリカはトリントンでのステージを収録、全11曲78分たっぷり聴かせてくれる。
決して派手さはないが、まるで自然の風景が目に浮かぶようなゆるやかな楽曲に、
アコギやフルートなどのアコースティカルな要素も調和して、じつに耳に優しい。
ヘザー嬢の歌声にはさほど華やかさはないが、その分バンドの素朴な方向性にマッチしている。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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Mostly AutumnFiddler's Shindig」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2003年作
英国Classic Rock Societyで2001年のベストバンドに輝いた彼らの2002年のライブを収録。
男女ヴォーカルの歌声と、たおやかなフルートの音色、適度にフォーキーな香りを感じさせるメロディで、
素朴で温かみのあるシンフォニックロックをライブにおいてもたっぷり聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 素朴な叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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MOSTLY AUTUMN「PASSENGERS」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリィ・オータムの5th。2003作
初期のイモ臭さから、3rd「THE LAST BRIGHT LIGHT」では一皮剥け、
5作目となるこのアルバムでは楽曲のドラマティック性がいっそう増している。
なによりリズムがダイナミックになり、以前のようなもったりとした印象がなくなりつつある。
さらに女性Vo、アコースティックによるフォーク色も曲に上手く融合され、
いよいよ独自の「田園風シンフォ」サウンドを確かなものにしてきているのが頼もしい。
盛り上がりでは聴いていて純粋に高揚感が味わえるし、素直に頭を横に振りたくなる。
やはり女性Voメインのバラード曲がしっとりと美しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 田園度・・9 総合・・8
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MOSTLY AUTUMNStorms Over Still Water

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの6th。2005作
これまでの田園風シンフォ路線から、一聴してヘヴィになったギターサウンドが耳につく。
このメタリックな質感は新機軸で、シンフォニックな部分での音の厚みがぐっと増している。
もちろん牧歌的なメロディの質感は彼らならではのもので、
男女Voにコーラス、ピアノやフルートなどの美麗な聴かせ所もしっかりとあり
サウンドのメリハリとアレンジの質の向上から、ハードシンフォ系のリスナーから
フォーキーなメタルファンにまで広くアピールする内容になったといえる。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 しっとり度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「STORMS OVER LONDON TOWN」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2006作
現在までにアルバム8枚を出し、名実共に英国シンフォニックの代表格のひとつとなったこのバンド、
本作は6thStorms Over Still Waterにともなうツアーか、2005年ロンドンでの公演を収録。
同アルバムは従来の作品よりもダイナミックなサウンドとなった傑作であったが、
それはこのライブ音源でも同様で、男女ヴォーカルの歌声に壮麗なコーラスワーク、
シンセとギターが重厚に重なると、牧歌的でありつつもシンフォニックな広がりに包まれる。
ノリのよい曲ではロックとしての勢いもあって、プログレと思わずとも楽しめる。
フォーキーな土着性も適度にある。元KARNATAKAのレイチェル嬢もゲスト参加。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「Heart Full of Sky」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの7th。2006作
自主レーベルになっての二作目は、若干のメンバーチェンジを経ての作品となった。
男女Voの歌声に、メロウなギターとシンセ、そして艶やかなヴァイオリンの重なる1曲目は
これまで以上にシリアスな音で、ドラマティックに雄大な叙情を聴かせる。2曲目以降は、
やや肩の力の抜けた田園ロック調の雰囲気で、彼らのルーツであるPINK FLOYD的な
ゆったりとしたロック曲が混じるので、シンフォニック耳にはやや物足りないか。
そんな中でもヘザー嬢のやわらかな歌声は、やはり耳に優しくうっとりとなるし、
曲によってはハードシンフォニック的な盛り上がりを見せて、ときおりテンションがぐっと上がる。
ただ全体的には、ハードエッジな部分と、フロイド的な牧歌性が交互にきて
メリハリはあるのだが少し聴き疲れがするというのが正直なところか。
フルートやヴァイオリンなどのフォーク的な土着性は持ち味なので、そこをもっと伸ばして欲しい。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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MOSTLY AUTUMN「Glass Shadows」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのアルバム。2008作
新たに女性コーラスを加え、フロントのヘザー嬢とフルート奏者のアン・マリー嬢を含めて女性が3人歌をとる。
サウンドの方はシンフォニックさよりも、古き良きブリティッシュロックの素朴さが増し、
リーダーであるブライアン・ジョシュのマイルドな歌声とともに英国的な翳りを感じさせる楽曲は
あえて派手さを抑えて、1ロックバンドとしての原点に立ち戻ったような雰囲気を漂わせる。
最近のシンフォニックリスナーからするとやや地味に聴こえるかもしれないが、
このやわらかな叙情と薄暗さの中にある人間的な温かみは、むしろ現在においては貴重な音だろう。
牧歌的な味わいの中で、ヘザー嬢の絶品の歌声が映えるバラード曲などもじつに感動的だ。
シンフォニック度・・7 ブリティッシュ度・・9 素朴な叙情度・・10 総合・・8.5
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Mostly Autumn「Live 2009 Vol.1/vol.2」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2009年作
1998年にデビューしてから、スタジオアルバム8枚にライブアルバム、さらにはDVDなど、
名実共に現在の英国シンフォを代表する存在となったこのバンド。
今作はそれぞれ別売りの2枚に分けられたライブアルバムを一緒にレビュー。
アコースティックなフルートなどを使った牧歌的なフォーク風味と女性ヴォーカルの歌声、
そこにシンフォニックロックを融合させたスタイルは、古き良き英国ロックの風味も残しながら
耳に優しく響く。ヘザー嬢のやわらかな歌声を中心に、オリビア嬢のコーラスも絡みつつ、
現在はPANIC ROOMでも活躍するアン・マリー嬢のフルートもしっとりと美しい。
個人的には大好きな泣きの叙情曲、“Half The Mountain”が聴けるのも嬉しい。
シンフォニック度・・8 牧歌的度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Mostly AutumnGo Well Diamond Heart」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムの2010年作
いまや英国を代表するシンフォニックバンドとなった彼ら、これまでフロントを務めてきた
女性ヴォーカルのヘザー嬢が脱退し、本作ではオリビア嬢がリードヴォーカルに昇格している。
ケルティックなぬくもりをフォーキーなシンフォニックロックに融合させたサウンドは不変で、
リーダーであるブライアン・ジョシュの描き出す牧歌的な英国ロックに聴き惚れる。
サウンドとしてのクオリティも素晴らしく、録音に手間隙をかけたキメの細かさはこれまで以上で
アコースティカルなやわらかさととロックとしての躍動感の融和が、よりダイナミックに聴こえてくる。
オリビア嬢のヴォーカルはいくぶん地味にも思えるが、しっとりとした世界観にはよく合っており、ラスト曲は感動的。
また、彼らにしては珍しく戦争をテーマにした緊迫感あるナンバーなどもあって、作品としてのメリハリとなっている
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Mostly AutumnThat Night in Leamington

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
バンドを脱退するヘザー・フィンドレイの2010年に行われたラストライブを収録したCD2枚組だ。
これまで看板女性Voとして10年以上活動してきたヘザー嬢がバンドを去るのは残念だが、
PANIC ROOMでも活躍するフルート兼Voのアン・マリー嬢Breathing Spaceオリヴィア嬢という
豪華なヴォーカル陣は健在なので、バンドの今後に不安はない。演奏の方も安定感はさすがで、
過去の代表曲をCD2枚たっぷり楽しめる。MCや観客の反応は、別れの雰囲気をかもしだしていてしんみり。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Mostly Autumn「Still Beautiful: Live 2011」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
長年フロントを務めたヘザー嬢が脱退、代わりにジャケのオリヴィア嬢がメインヴォーカルとなっての
初のライブアルバム。サウンドの方にはとくに大きな変化はないが、曲によっては以前よりもノリのよい
ロック色が増したかなという印象も。もちろんしっとりとしたシンフォニック路線やフルート入りの叙情性も健在、
メロウなギタートーンも含めて円熟した演奏で、新旧まじえた楽曲をCD2枚たっぷり聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Mostly Autumn「Live At High Voltage 2011
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
最近やたらとライブ作品を乱発しているこのバンドだが、本作もヘザー脱退後のステージを収録。
CD2枚組なのだが、Disc2はPCで見られるバックステージを収録というファン向けのアイテム。
正直、演奏の方はどうということもなく、音質も最高とは言い難い、いわばオフィシャルブートレベル。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7
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NICK MAGNUS「INHALING GREEN」

スティーブ・ハケットバンドでもKeyを努める、ニック・マグナスのソロ2作目。1999作
デジタリィな雰囲気の上をキーボードが軽やかにメロディを乗せるという出だしは、
ややポップ過ぎる雰囲気だが、続くAでは、たおやかなフルートとシンセワークで
SFというか、スピリチュアルな宇宙的空間が感じられる雄大なシンフォサウンドになる。
その後も美しいピアノやオーケストレイション、コーラスなどによる壮大な楽曲がつづき
全体的にゆったりとした作風ながら、内的なスケールの大きさを感じさせる作品になっている。
シンフォニック度・・8 スピリチュアル度・・8 雄大度・・8 総合・・8

NICK MAGNUS「HEXAMERON」

スティーブ・ハケットバンドでもKeyをつとめる、ニック・マグナスのソロ作。2004作
ソロ名義としては3作目となる。この作品はたおやかなシンフォニックロック。
キーボード奏者のソロ作にしては、弾きまくるというスイタルではなく、
ゆったりとした落ち着いた感じの曲が並び、雰囲気的にもHACKETTのアルバムのイメージに近い。
バックのメロトロンや、ゲストによる歌も決して押しつけがましくなく、
ケルティックなテイストも上手く取り入れている。インパクトはないが耳に優しく心地よい作品。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 しっとりたおやか度・・9 総合・・8
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NICK MAGNUSChildren of Another God

Steve Hackettバンドに参加するKey奏者、ニック・マグナスのソロ2010年作
ソロ名義としては4作目で、上記スティー・ハケット、ジョン・ハケット兄弟も参加している。
プログレ好きならにんまりとなる、美しいシンセワークと、やわらかなヴォーカルを中心に
メロディアスに聴かせるサウンドは、随所にさわやかなキャッチーさも盛り込んで耳心地がよい。
一方では、ハケットばりのしっとりとした叙情性や女性ヴォーカル入りのナンバーなど、
シンフォニックな繊細さも素晴らしい。派手さはないがじっくり聴きたい傑作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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North Atlantic OscillationGrappling Hooks」

スコットランドのモダンプログレ・ロックバンド、ノース・アトランティック・オシレーションの2010年作
Porcupine TreePineapple Theifに続き、新時代のモダンプログレパンドがデビュー。
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーとドラムという2人のユニットで、
エモ的なやわらかな叙情と、エレクトロがかったモダンなセンスを合わせたサウンドをやっている。
Sigur Rosを思わせるしっとりとしたやわらかな歌声に、楽曲にはポストロック的な壮大さもあり、
デジタルとアナログの両立というべき、調和のとれた聴き心地のいいミクスチャーロックである。
知的なプログレ風味も随所に覗かせつつ、あくまでモダンなバランス感覚で仕上げられている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンロック度・・9 総合・・8
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Ozric Tentacles「Pungent Effulgent & Strangeitude」

イギリスのサイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1989/1991年作のカップリング
80年代半ばから活動するベテランで、アルバム数は20枚近くに及ぶ。
「Pungent Effulgent」は、シーケンサーによるシンセワークを中心に、
ミステリアスな世界観と、東洋的な雰囲気を取り込んだサイケロックサウンド。
アンサンブルの切れ味では次作以降に譲るが、すでに独自の浮遊感を確立している。
「Strangeitude」は初期の代表作というべき傑作。サイケロック的な勢いとエレクトロ感覚が
バランスよく融合し、彼らの嗜好する東洋メロディの巧みな導入がより効果を発揮している。
確かにGONGからの影響が強いサウンドだが、より演奏重視の爽快さがこのバンドの特徴であり、
それは本作でのプログレ的なスケール感とキレの良さで最初の頂点を極めたといってよいだろう。
サイケロック度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Erpland/Jurassic Shift」

プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1990/1993年作のカップリング
「Erpland」は、傑作「Strangeitude」へとつながる前段階のサウンドで、
シンセによる浮遊感が前に出ていて、全体的に比較的おとなしめの雰囲気。
長い曲はややまったりとしてしまうが、ギターの奏でる東洋フレーズも含めて
むしろジャーマンロック的なゆるやかなサイケロック世界を楽しめる。
「Jurassic Shift」は心地よいアンサンブルで聴かせる好作。
この音の気持ちよさは、ドラマーの技量とグルーブ感に負うところが大きい。
シーケンサーのシンセとギターとのバランスもよく、聴きやすくお勧めの1枚だ。
サイケロック度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・8 総合・・8
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Ozric Tentacles「Live Underslunky/Spice Doubt」

プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1992/1998作
2枚のライブアルバムのカップリング盤で、「Live Underslunky」
傑作「Strangeitude」発表後、1991年のツアーからの公演を収録。
抜群の演奏力とグルーブ感、うねるギターにベース、そして格好いいドラム!
この時点ではまだシンセは控えめながら、ときおりプログレ的なフルートも入ってきて
スペイシーな浮遊感に叙情味も加わって、素晴らしいライブ演奏を繰り広げている。
「Spice Doubt」は、どうやらインターネットライブ(?)での音源らしい。
デジタリィなシンセサウンドを前に出しはじめた時期であるが、
スタジオ盤以上の躍動感で、きらきらとしたシンセとハネまくりのリズム、
弾きまくりのギターでたたみかける。狂暴化したトランス音楽という雰囲気とともに、
サイケロックバンドとしての彼らの凄さが改めて認識出来る、痛快な演奏だ。
サイケロック度・・9 プログレ度・・8 爽快度・・9 総合・・8.5
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Ozric Tentacles「Arborescence & Become the Other」

オズリック・テンタクルズの1994/1995年作のカップリング
「Arborescence」は、けたたましいまでのシンセとギターが絡み、
これまでにも増してカラフルな雰囲気でたたみかける好作。
手数の多いドラムの疾走感あふれるリズムに、きらびやかなシンセが
ときにハードロック的なギターとともに重なってゆく、爽快なサウンド。
「Become the Other」も同様の作風だが、ギターとベースが前に出てきていて
バンドアンサンブルが強調されるとともに、変拍子リズムが入ってテクニカルな印象。
中盤にはデジタリィなテクノ風アレンジが顔を出し、新たな志向の変化を予感させる。
サイケロック度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・9 総合・・8
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Ozric Tentacles「Curious Corn/Swirly Termination」

オズリック・テンタクルズの1997/2000年作のカップリング
「Curious Corn」は、前作からの流れを汲みデジタリィなサウンドが強調された作品。
モダンな音の中にもしっかりと演奏にはグルーブ感があり、シーケンサーのシンセに絡む
ギターはときおり中近東風のメロディを奏でるなど、さすがのセンスを聴かせる。
テクノ風のサイケロックという雰囲気で、デジタリィな浮遊感をただよわせるアルバム。
「Swirly Termination」も同路線。デジタリィなテクノサイケ風サウンドながら、
音にはさすがのスケール感があり、シンセをバックに妖しげなギターのフレーズが鳴り響く。
勢いはややなくなったが、独特のモダンサイケが楽しめる。ラストの大曲は見事な出来。
モダンサイケ度・・8 プログレ度・・7 爽快度・・7 総合・・7.5
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Ozric Tentacles「Waterfall Cities」

プログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズの1999作
のっけから変拍子リズムが炸裂し、センス溢れるギターのフレーズとともに
プログレフュージョン的なテクニカルさを聴かせる。
中近東的なメロディがサイケな雰囲気を匂わせつつ、
吹き鳴らされるフルートもエキゾチックな香りを添える。
一方では、シーケンサーを用いたデジタリィな質感も大胆に取り入れていて、
トランス的な浮遊感とともに、ミステリアスな世界観を構築している。
モダンサイケ度・・9 プログレ度・・7 爽快度・・7 総合・・7.5
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Ozric Tentacles「Pyramidion」

イギリスのプログレ・サイケロックバンド、オズリック・テンタクルズのミニアルバム。2001作
ライブ録音を中心とした変則的なアルバムだが、むしろオズテンの魅力がダイレクトに分かる。
切れのよいリズムの上に、テクノちっくなシンセが鳴り響きながら、ロック的なギターが弾きまくる。
今作はエジプト的なモチーフの曲もあってか、そのスペイシーな浮遊感に神秘性も加わっている。
EP扱いだが、5曲で41分と聴き応え充分。ライブ演奏のカッコよさは一聴の価値ありだ。
サイケロック度・・8 デジタリィ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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Ozric TentaclesThe Pongmasters Ball

オズリック・テンタクルズのライブアルバム。2002作
さすがにベテランらしく、彼らはライブにおいてもその演奏力は抜群で、
キラキラとした浮遊感のあるシンセワークに弾きまくりのギター
そしてグルーブ感のあるドラムとベースの存在感が素晴らしい。
曲はどれも長いのだが、トリップするように引き込まれつつ聴くのがよい。
ときに中近東的なフレーズや、吹き鳴らされるフルートを交えて、
スペイシーかつ濃密なサイケロックのライブが堪能出来る。
メロディアス度・・8 サイケロック度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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PALLAS「ARRIVE ALIVE」
英国のポンプ・プログレハード、パラスの初期ライブ+デモ音源集。1981作
PALLASといえばやはり1984年作の「THE SENTINEL」が有名だし、
若いリスナーには復活作となった1999年作「BEAT THE DRUM」
壮大なシンフォニック作「THE CROSS & THE CRUCIBLE」(2001年作)
のほうを思い出すだろうが、この最初期の音源には彼らの原点ともいうべき音が詰まっている。
ポンプというには若干ハードめなギターに、メロトロンが重なり、キャッチーさとロック的な
荒々しさが同居している、当時では意外と新鮮なサウンドだったのではないだろうか。
ポンプロックとして片づけるよりはむしろ、MAGNUM等の英国ロックに通じる感性のバンドだったと思う。
メロディアス度・・7 プログレハー度・・7 音質・・7 総合・・7

PALLAS「The Sentinel」

英国プログレハードの名作、パラスの1984年作/2000年リマスター盤。
若いリスナーは復活後のPALLASしか知らないかもしれないが、
オールドなプログレ者にとってはパラスといえばこのアルバムなのである。
1曲目“Shock Treatment”は三連リズムに乗るキャッチーなメロディで、名曲の呼び声も高い。
ハードロック要素もあるドラマティックなギターワークとシンセによるシンフォニックな味付け、
そして聴きやすいキャッチーな歌メロが合わさったサウンドは、まさに英国産プログレハード。
今聴きなおしてみると、しっとりとしたピアノが美しい、ゆったりとしたナンバーも良い感じ
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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PALLAS「The Wedge」

イギリスのプログレハードバンド、パラスのアルバム。
1986年のアルバム「The Wedge」にEP「The Knightmoves」をカップリングしたもの。
PALLASといえば一般には2nd「The Sentinel」が傑作として知られているが、
キャッチーなプログレハードとしての明快さではむしろ本作の方が上かもしれない。
いかにも80年代的なポップ感覚も含めて、とても聴きやすい作品です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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PALLAS 「THE RIVER SESSION 1」
イギリスのポンプ/プログレハードバンド、パラスのライブアルバム。
1983年のライブ音源で、全5曲だが55分もある(つまり1曲が長い)。
曲は初期のハードロック色の強いものが中心で、シンフォニック色は薄いので
再結成後からこのバンドを聴き始めた方にはやや違和感があるかもしれない。
個人的には、この手のプログレハード系の中では初期のPALLASはけっこう好きだし、
80年代初頭の発掘ライブ音源としては音質も良い部類でなかなか楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレハー度・・8 音質・・7 総合・・7
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PALLAS 「THE RIVER SESSION 2」
イギリスのポンプロックバンド、パラスのライブアルバム。
70年代後半〜80年代にかけて、PENDRAGONIQなどとともに、
ポンプロックと呼ばれたネオプログレッシブロックのムーブメントを作ったバンド。
近年復活したが、このアルバムは1985年、彼らの全盛期のライブ音源だ。
名曲「SHOCK TREATMENT」をはじめ、かつてのPALLASサウンドが楽しめる。
彼らの楽曲は他のポンプ系バンドに比べてややHRよりのプログレハードサウンドで
きらきらとしたキーボードに、キャッチーなメロディが非常に聴きやすい。
正規ライブアルバムではないので音質はそこそこ程度だが、
このバンドが好きな方には実に嬉しいプレゼントだろう。
Dのシンフォニックな盛り上がりは、PENDRAGON風で感動的。
メロディアス度・・8 音質・・7 あの頃のパラス度・・9 総合・・7.5
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PALLAS「BEAT THE DRUM」

英国シンフォニック・ハードの雄、パラスの1998年作
1984年〜86年に2作のアルバムを残し、いったん活動を休止していたバンドが、
10年以上のときをへて復活。サウンドの方はかつてよりさらにドラマティックになり、
シンフォニックなシンセとメロウなギターが絡み、マイルドなヴォーカルの歌声とともに、
ダイナミックなハードシンフォニックサウンドを聴かせてくれる。
かつてのポンプロック的なキャッチーさよりもシリアスな重厚さが前に出ていて、
90年代以降の本格派シンフォニックロックへとシフトされたというべき傑作となった。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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PALLAS「THE CROSS & THE CRUCIBLE」

英国シンフォニック・ハードの雄、パラスの2001年作
80年代に「THE SENTINEL」「THE WEDGE」と傑作を残したこのバンドが復活。
前作「BEAT THE DRUM」において本格派シンフォニックサウンドへと変貌を遂げ、
それに続く今作も、コンセプトをともなった大掛かりな作りのアルバムだ。
いわゆるPENDRAGON的な、ゆったりとしたリズムにメロウなギターとキーボードをのせ、
叙情的な歌とともに、ときに静謐に時に劇的に楽曲を盛り上げてゆく手法だ。
ゆるやかに流れてゆく部分などはやや間延びして退屈にも思えるが、
その分ドラマティックな盛り上がりでは、これぞシンフォニックハードという壮麗さを聴かせる。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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PALLAS「THE BLINDING DARKNESS」

英国シンフォニック・プログレハードの雄、パラスのライブアルバム。2003作
復活後の2作目である「The Cross & The Crucible」からの楽曲を中心に
これでもかというシンフォニックなキーボードとギターでドラマティックに聴かせる白熱のステージ。
後半にはオリジナルメンバーである初代Voも登場し、往年の曲なども聴かせてくれる。
CD2枚組み。同タイトルのDVDも出ているので、ドラマティックシンフォ好きはぜひチェック。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PALLASThe Dreams of Men」

英国シンフォニックハードの雄パラスの復活3作目。2005作
前作「THE CROSS & THE CRUCIBLE」は壮大ながら、やや長尺感のある作品だった。
今作も物語的なコンセプト作で、プロローグのような出だしは静かに始まり、
ゆったりとしたヴォーカルを聴かせながら、それからじわじわと盛り上がってゆく。
シンフォニックなシンセワークとメロディアスなギターが重なり、女性コーラスなども配して
重厚な雰囲気を作りながら、あくまでメロディアスな質感にこだわるのがやはり彼ららしい。
ドラマティックに構築される、シンフォニックハードの力作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8
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PALLAS「XXV」

英国シンフォニックハードの雄、パラスの2011年作
1984年にデビュー、2作の傑作を出したのちに活動休止、10年もの潜伏期間をへて1998年に復活、
その後は2001年、2005年とドラマティックな力作を発表、本作は5年ぶりのスタジオアルバムとなる。
なにやらSF映画的なジャケや、イントロのナレーションから始まる壮大なスケール感にわくわくする。
美麗なシンセワークとメロディックなギター、そしてヴォーカルによるキャッチーな聴き心地で、
これまで通りのPALLAS節というべき、ドラマティックな作風でぐいぐいと聴かせてくれる。
古き良きプログレハードの質感と構築性を融合させ、質の高いサウンドを描く力量はベテランならではで、
より重厚になったハードさが本作の特徴か。1曲ごとのインパクトはさほどではないものの、
ダイナミックさとメロディアスさを合わせた、まさしくシンフォニックハードの力作といえる。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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PANIC ROOM「Visionary Position」

KARNATAKAのメンバーによるシンフォニックロックバンド、パニック・ルームのアルバム。2008作
KARNATAKAではサブヴォーカル&フルートだったアン・マリー嬢をリードヴォーカルに据え、
ギター 、ドラム、シンセは同じメンツというから、サウンドもKARNATAKAの延長上かと思いきや、
ケルティックなテイストは後退し、どちらかというとモダンでアンニュイな雰囲気になっている。
ときにジャズ的なピアノタッチもあるシンセワークに、渋い味わいの落ち着いたギターワーク、
全体的にあまり派手さはないが、しっとりと聴かせる大人のシンフォニックサウンドだ。
たおやかなフルートに美麗なシンセ、そして伸びやかな女性ヴォーカルの歌声で
じわじわと盛り上げるラストの大曲などは、まさに女性Voシンフォの理想形。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Panic Room「Satellite」

イギリスの女性Voロックバンド、パニック・ルームの2nd。2010作
KARNATAKAMostly Autumnアン・マリー嬢を擁するこのバンド、KARNATAKAに比べると
ケルト色はほとんどなく、どちらかというとモダンさのあるアンニュイなロックサウンドだ。
かつてのAll About Eveにも通じる雰囲気で、アン嬢の歌声にも大人の艶が感じられる。
今作も後半以降の曲に魅力が多く、しっとりとしたバラード曲や、WITHIN TEMPTATIONを思わせる
いくぶんハードなシンフォニックナンバーも光っている。ラストの叙情曲にもうっとりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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PARADE「The Fabric」
イギリスの薄暗系ロックバンド、パレードのアルバム。2010作
Mostly AutumnPANIC ROOMでも活躍するアン・マリー嬢を擁するバンドで、
しっとりとしたアンニュイな空気の漂うロックをやっている。上の2バンドに比べると
プログレ/シンフォニック度は薄く、一聴して思い出すのはAll About Eveあたりか。
アコースティカルな繊細さに美しく映える女性ヴォーカルの歌唱にはうっとり。
浮遊感と倦怠、薄暗い叙情で聴かせる好作。随所にモダンなポップさもある。
後半には男声の曲がメインになって、むしろPorcupine Tree風の雰囲気になる。。
メロウ度・・8 アンニュイ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Parallel or 90 degrees「unbranded」

英国のシンフォバンド、パラレル・オア・90・ディグリーズのアルバム。2000作
シンフォニックリスナーの間では、今やTHE TANGENTの方が有名かもしれないが、
Keyのアンディ・ティリソンのメインバンドはこちらなのだった。
やはりタンジェントに通じる美しいシンセワークと、ややハードめのギターによる
シンフォニックサウンドで、90年代以降の英国シンフォの知的な構築性が聴ける。
ドラムもデジタリィな雰囲気があり、あえてモダンなテイストを出そうとしているが
やはりそこかしこにかつてのプログレへのリスペクトが垣間見える。
曲は8分、10分は当たり前で、ラストは25分の大曲。泣きのギターが美しいシンフォ曲や、
サイケ気味にはじける曲など、随所にアンディ・ティリソンという人間のこだわり性が発揮されている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンでレトロ度・・8 総合・・8
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Parallel or 90 Degrees「A Can of Worms-The Best of Po90 1996-2001」
イギリスのプログレバンド、パラレル・オア・ナインティ・ディグリーズのベストアルバム。2009作
今ではThe Tangentでの活躍の方が知名度が高いかもしれないアンディ・ティリソンが率いる
このバンドの1996年〜2001年までのアルバムからの楽曲に、未発音源を加えた2枚組。
簡単にシンフォニックというには、知性を感じさせるセンスと、モダンとレトロの融合された
スタイリッシュなプログレサウンドは、非常に通好みのバンドといえるだろう。
メロディアスであっても決して情感的にならない、このクールさがある種の魅力ともいえる。
彼らのアルバムは多くが廃盤なので、こうしてあらためてバンドのマテリアルを俯瞰できるのは
とてもありがたいし、20分の大曲も含む未発音源もオマケとはいえぬくらい聴きごたえがある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 構築センス・・8 総合・・8
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PENDRAGON「UTRECHT...THE FINAL FRONTIER」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。1995作
時期としては「THE WINDOW OF LIFE」後のツアーのもので、
吹っ切れたようなシンフォニックな傑作「THE MASQUERADE OVETURE」後に比べると
楽曲がまだやや地味目で、端々にはまだポンプロックとしての名残も感じさせる。
ベテランらしく演奏は安定していて、しっかりとしたリズムセクションに
ニック・バレットのメロウなギター、クライブ・ノーランのキーボードが合わさり、
耳に優しいシンフォ音像を形作っているのはこの頃も変わらない。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

PENDRAGON「Masquerade Overture」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのアルバム。1996作
1991年の3rd「THE WORLD」以降、よりダイナミックなサウンドで、かつてのポンプロック路線を
現代版のシンフォニックロックへと昇華してきたこのバンド。本作はまさに決定打というべき傑作となった。
ロマンの香りに満ちたジャケットアートと、「仮面舞踏への序曲」という幻想的なタイトルにも胸踊るが、
厳かな混声合唱の入ったイントロから、ゆるやかに楽曲が始まると、壮大なスケール感に叙情の加わった
シンフォニックロックが炸裂。ニック・パレットの流麗なギターメロディと、クライブ・ノーランの美しいシンセワーク、
繊細さとダイナミズムが交差しながら、盛り上がりでの泣きのメロウさは尋常ではない。
ロマンと幻想の美に彩られた90年代を代表するシンフォニックロック作品の一枚である。
シンフォニック度・・9 繊細度・・9 幻想とロマン度・・10 総合・・9
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PENDRAGON「LIVE IN KRAKOW 1996」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。1997作
1996年ポーランドでの録音。同タイトルのDVDも出ている。
すでにビデオで見ていたが、ポーランドでのこのバンドの人気は大変なものがある。
さて、演奏の方だがスタジオ盤以上にダイナミックかつシンフォニックな仕上がりで驚かされる。
クライブ・ノーランの流麗なキーボードはもちろん、歌いながらメロウなフレーズギターを連発する
ニック・バレットのフロントマンとしての実力も確かなもの。
さらに実はドラムもかなりの実力者で楽曲をいっそう骨太のものにしているのも素晴らしい。
この押しと引きのメリハリ、押し寄せる叙情と泣きにはやはりうっとりとしてしまう。
曲数の多いDVDでもよいので、シンフォファンにはぜひ彼らのライブサウンドを堪能して欲しい。
シンフォニック度・・9 ライブ演奏・・8 叙情と泣き度・・10 総合・・8

PENDRAGON「NOT OF THIS WORLD」

英国が誇るシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのアルバム。2001作
1991年の「THE WORLD」以降、クオリティの高いシンフォニックアルバムを発表し続ける
中心人物のニック・バレット、そしてクライブ・ノーランのシンフォニックロックに注ぐ熱情はもの凄い。
前作「仮面舞踏への序曲」からの流れを引き継いだ、大作志向の楽曲がずらりと並び、
そしてそれらがゆるやかに、ときに激しく盛り上がってゆく様は圧巻のひとことだ。
ニック・バレットのギターはテクニック志向というよりは、繊細なメロディによる叙情性を重視しており、
キャメルのアンディ・ラティマーを思わせる「泣き」の美学を見事に継承している。メタル系のリスナーは
歌が弱いと思うかもしれないが、歌を含めすべての演奏が泣きのシンフォニックを目指しているのが彼らなのだ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・10 幻想とロマン度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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PENDRAGON「ACOUSTICALLY CHALLENGED」
ペンドラゴンのアコースティックライブアルバム。2002作
このバンドの魅力は、壮大に盛り上がるシンフォニック性と、ニックバレットの泣きのギター
だと思っていたので、はたしてそれらがアコースティック編成でどうなるのか。
二本のアコギにクライブ・ノーランのピアノ、キーボードが重なり、
ゆったりとした曲調に、ニック・バレットの甘い歌声がかぶさる。
アコースティックもの、というよりはたやおやかなしっとりシンフォといった趣で
聞き覚えのある過去の曲が、こうして別アレンジで表現されているのもなかなか面白く、
のんびりとしながら耳をかたむけるのにはちょうどよい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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PENDRAGON「PURE」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのアルバム。2008作
前作「Believe」がこれまでの彼らの路線からすると、ややドライになった作風で
次がどうなるのかとやきもきしたが、今作も基本的にはその延長上のサウンド。
かつてのロマン溢れる泣きの叙情に比べれば、ぐっとヘヴィでダークになり、
ニック・バレットの世界を見つめる視線には現実の悲しみに溢れている。
ただ、楽曲におけるメロディの点では、クライブ・ノーランのシンセワークとともに、
メロウな叙情的がたっぷり配されていて、前作よりずっと浸れるサウンドだ。
うっすらと悲しみをただよわせた泣きのギターは、現在のニックにしか出せない音だろう。
古き良き時代をなつかしむ声もあるだろうが、これが現在のPENDRAGONの姿である。
シンフォニック度・・7 メロウな叙情度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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PENDRAGON「Concerto Maximo」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ペンドラゴンのライブアルバム。2009年作
アルバム的にはここのところややダークな作風に変化を始めているが、
ライブでは過去からの曲も多く取り上げていて、ファンなら楽しめる。
ニック・バレットの歌声は、かつてに比べるとやや枯れた雰囲気で
サウンド的にも幻想の美には翳りが加わってきているが、そこも含めて、
長く活動するバンドとしてのゆるやかな変遷を見守る気分になる。
ときを重ねたことでドラマティックな泣きがメロウな泣きへと変化はしたが、
CD2枚に渡って繰り広げられる叙情的なシンフォニックロックは今なお健在だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PENDRAGON「Passion」

イギリスのシンフォニックロック、ペンドラゴンの2011年作
2005年の「Believe」から、ダークでヘヴィなサウンドへと変化してきたが、
本作はそのモダンなヘヴィさを残しつつも、シンフォニックな華麗さを加えた
いわば現代風シンフォというべき力作に仕上がっている。重厚なギターサウンドと
シンセによる音の厚みで、感触としてはむしろARENAあたりに通じる作風でもあるが、
ニック・バレットのかすれた歌声と、随所に聴かせるメロウなギターワークは唯一無二のもの。
モダンプログレとしての叙情とともに、新時代のPENDRAGONサウンドを確立したといってよい力作だ。
シンフォニック度・・8 モダンプログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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PETE BARDEN'S MIRAGE「SPEED OF LIVE」
CAMELのキーボード奏者、故ピート・バーデンスのソロバンドのライブアルバム。
曲の方はオリジナル曲に混じり、「ムーンマッドネス」「スノーグース」などのキャメルの名曲も演奏。
本家よりはダイナミックさに欠けるが、なかなかの好演。
ただミックスをほどこしてないのか、ライブの音そのままという感じでサウンド的にはラフな感じ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 演奏・・6 総合・・6


PILGRYM「pilgrimage」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ピルグリムのアルバム。2004作
Vo、G、B、Keyをこなす2人のメンバーを中心に、ゆったりと繊細に、
かつドラマティックに聴かせるシンフォニックハードサウンド。
ボブ・カトレイのようなアダルトな声質のVoが、やや好みを分けるところだが、
むしろINSIDE OUT系などを好むHRファンなどにはとっつき安いかもしれない。
自主制作らしい音の詰めの甘さとローカルさはあるが、なかなかの好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5


the pineapple thief「Variations On A Dream

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの3rdの再発盤。2004/2011年作
やわらかなヴォールとしっとりとしたシンセワークで、ほの暗い叙情を聴かせるサウンドは、
Porcupine Treeなどの流れを組む、ポスト・プログレッシブともいうべきもので
やわらかみのあるメロウな聴き心地と、もの淋しい哀愁の表現が素晴らしい。
PTはもちろん、フランスのDemiansやドイツのRPWLなどがお好きならぜひ。
再発盤のDisc2には、2003年の10曲入りミニアルバム、「8 days」を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 哀愁の叙情度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「10 Stories Down」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2005作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine Tree系のバンドであるが
本家以上にプログレ寄りのサウンドで、個人的にはPTよりも好み。
本作でも、アコースティカルな叙情を織りまぜつつ、プログレ的なシンセワークと
優しいヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせる楽曲はじつに耳心地がよい。
モダンな翳りの中にもキャッチーなメロディや、ヴァイオリンなども取り入れた
センスあるアレンジが心憎い。ラストは15分の大曲でゆるやかに盛り上げる。
リマスター再発盤は、8 Days Laterと題された8曲入りのボーナスDisc付き。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「Tightly Unwound」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2008作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine Tree系のサウンドだが、
こちらはもっとプログレ色が強く、変拍子入りの巧みなアンサンブルに
ポストロック的でもある深遠な世界観を折り込んでじっくりと構築してゆく。
それなりに技巧的でありつつも、サウンドのやわらかさを保っているのは
マイルドなヴォーカルの歌声と、静かなパートを自然に盛り込むアレンジのセンスだろう。
メロトロンの音色の使い方などは北欧のバンドのようでもあり、
随所にプログレファンを唸らせるものが散りばめられている。
ポーキュパイン系のファンはもとより、RiversideANEKDOTENのリスナーなどにも勧められる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8.5
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the pineapple thief「3000 Days」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのベストアルバム。2009作
2001年のデビュー作から現在までの楽曲をCD2枚組みで20曲収録。
Porcupine Treeタイプの薄暗い叙情を聴かせるバンドとして注目しているのだが、
こうしてあらためてバンドの初期の音源から聴いてみると、聴き心地のよい
自然体のゆるやかな叙情と、ポストロック的な雄大なシリアスさを同居させつつ、
しだいにプログレッシブなアレンジを効かせるようになってきているのが分かる。
とくに静かに盛り上がってゆく10分を超える大曲などは、聴きごたえありだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple ThefLittle Man」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2010作
Porcupine Tree系としては頭ひとつ抜けたクオリティのこのバンド、
本作は入手困難であった2006年のアルバムのリミックス再発盤だ。
マイルドなヴォーカルの歌声と、薄暗い叙情を含んだけだるい世界観で聴かせる
モダンなサウンドはやはり耳心地がよい。ただ全体の完成度としては、
2008年の傑作「Tightly Unwound」にはまだおよばない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple Thief 「Someone Here Is Missing」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2010年作
ベスト盤や再発盤を除くと、2008年の「Tightly Unwound」以来となるアルバム。
Porcupine Treeへの回答ともいうべき傑作であった前作に続き、本作もメロウな叙情と
モダンな軽妙さ、そしてプログレッシブな展開力を盛り込んだ、なかなかの力作だ。
しっとりとした繊細な美しさとともに、ところによりモダンなヘヴィ感覚も盛り込んでいて
いかにも現代的なミクスチャーロックでもある。自然体の作り込みが「らしい」仕上がりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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PORCUPINE TREESignify
イギリスのロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーの4th。1996作
今でこそ、世界的にも人気を得ているこのバンドだが、ロックバンドとしての構築性を
曲の中ではっきりと前に出してきたのはこのアルバムからだろう。
次作「In Absentia」でよりメタリックなダイナミズムを打ち出してくるが、
このバンド本来のメランコリックな翳りある叙情は本作ですでに確立されている。
うっすらとしたシンセワークに、メロウなギターワークが耳に心地よい。
アルバムとしての完成度では後の2枚の方が高いだろうが、
ポーキュパインファンならば、これも聴いて損のない作品だろう。
メロディアス度・・7 メランコリック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「warszawa」
英国の人気バンド、ポーキュパイン・トゥリーのライブアルバム。2001作
2001年ポーランド、ワルシャワでのステージを収録。いわゆるメジャーデビュー前のライブ。
2000年のアルバム「Lightbulb Sun」からの曲がメインであることもあり、
メタリックな質感はほとんどなく、ゆったり淡々とした雰囲気で演奏は進んでゆく。
「In Absentia」以降の曲に比べ、分かりやすいメリハリはあまりないが、
このバンド本来のPINK FLOYD的な鬱ぎみの浮遊感を感じ取ることができる。
メロディアス度・・7 ゆったり浮遊感度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「IN ABSENTIA」

イギリスのプログレ・ロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーの2002年作
彼らの音はいうなれば、現代にマッチした憂鬱なメロディアスロック、ということになるのだろうか。
プログレメタルというほどテクニカルでもないし、厳密にいえばプログレでもない音だが、、
クールな情感とやや暗鬱な叙情をかもしだすサウンドには不思議な魅力もある。
内的世界の描写を淡々とした演奏で表すところなどはポストロック的で、
そういう点では現代版PINK FLOYDと表現されるのもうなずける。
やわらかだが冷たい質感と、しっかりとロックとしてのビートを感じるし、
メロトロン的なキーボードの使い方などはどこか北欧的で、
ANEKDOTEN、さらにはOPETHなどの静寂部分に通じるものもある。
メロディアスでメランコリックな「雰囲気」が気に入れば心地よく聴ける音楽だろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 心地よい浮遊感度・・8 総合・・8
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PORCUPINE TREE「DEADWING」

イギリスのサイケ・プログレバンド、ポーキュパイン・トゥリーの2005年作
通算では9作目となる今作は、基本的にメジャーデビュー作の前作の延長線上で、
ゆるやかに、静寂感をともなったマイルドだがクールなサウンド。
ときおり現れるメタリックなギターがいいアクセントになっていて、
やはりメロトロンの使用やヴォーカルハーモニーの美しさも魅力となっている。
9分の大曲から始まるので、前作よりもプログレ的な雰囲気が強く感じる。
根底にある、メランコリックな軽い鬱的な部分が、浮遊感となって音に漂っていて、
誤解を恐れずに言うと、近年のDREAM THEATERの現代的なダークな部分に相通じるものも感じる。
けっして爽やかな音ではないが、身を任せるに心地よい空間を構築しているのは確か。
しっとりとピアノが美しいバラードや、メロトロンの鳴り渡るシンフォニックなアレンジも聴き所で、
前作よりもやや音に温かみがあるところが英国的にも思える。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 心地よい浮遊感度・・9 総合・・8
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PORCUPINE TREE「Fear Of A Blank Planet」

イギリスのメロディック鬱ロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーのアルバム。2007作
メジャー3作目となる今作だが、いよいよその鬱サウンドには磨きが…いや翳りがかかり、
メロトロン音色をはじめしっとりとしたシンセワークと、ゆるやかなヴォーカルが繊細に響きわたる。
前2作にあった叙情メロディとメタリックな展開美は、今作では長い曲の中でやや影をひそめ、
ありていにいって、聴き込まないと良さが分からないというものになっている。
このような完全な非商業音楽がここまで売れているというのも、良く考えれば恐るべき事態だし、
こういう音楽を欲している人が多いのであれば、この世界は相当ヤバイのではないか…とすら思う(^^;)
もちろん、5曲めあたりは普通に美しいと思うし、全体的にもまあ嫌いではないのだが、
前作のように人に勧められるはっきりとした完成度から、さらに深みに入っている音なのでご用心を。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ディープな鬱ロック度・・9 総合・・7.5
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Porcupine Tree「The Incident」

イギリスのモダン・プログレバンド、ポーキュパイン・トゥリーのアルバム。2009作
2002年のデビュー以降もコンスタントに作品を発表し、今や世界的な知名度を誇るこのバンド、
今作はなんと、14パートに分かれた55分に及ぶタイトル組曲をメインにした2枚組の大作。
鬱ぎみの薄暗ロック作品で賛否がはっきりとした前作に比べ、プログレッシブな雰囲気が戻り
クリムゾン風のヘヴィさとフロイド的な浮遊感を併せ、ポストロック的でもある内的志向の
ゆるやかな世界観構築を聴かせてくれる。派手な盛り上がりがほとんどない分、
前作以上に聴き手を選ぶ作品かもしれないが、この繊細な叙情とほの暗い雰囲気に
浸れる方にはこの上ない傑作となるかもしれない。Disc2はむしろオマケという感じ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 内的叙情度・・8 総合・・8
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PROTOS「ONE DAY A NEW HORIZON」
英国のシンフォバンド、プロトスのアルバム。1982作
かつてはLPのみで250枚限定だっとたいう、コレクターズアイテムのCD化。
サウンドはゆるやかなシンセワークを中心にした、インストのシンフォ作で、
STEVE HACKETTあたりを思わせる繊細なメロディで聴かせる。
ギターにしろドラムにしろ決して前には出すぎず、音がうるさくならない分
濃密さよりも淡白な味わいが耳に優しく、初期CAMELなどの質感にも似ている。
いかにも自主制作然とした録音面での弱さも含めて、やわらかな雰囲気の作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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PROTOS「The Noble Pauper’s Grave」
イギリスのシンフォニックロックバンド、プロトスの2007年作
80年代初頭に活動したバンドで、残した1枚のアルバムが再発されたが、
本作は25年ぶりとなる新作になる。ヴィンテージ色もあるシンセワークと
メロディアスなギターを中心に聴かせるインストのシンフォニックサウンド。
曲間には語りが入るなど、コンセプト的な色合いもあるが、音自体には
難解さはなく、「ややコテコテになったCAMEL」という雰囲気で聴ける。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PURE REASON REVOLUTION「THE DARK THIRD」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2006年作
PINK FLOYD的な浮遊感ある楽曲に、男女Voの歌声が重なり
内的宇宙を感じさせる広がりのあるシンセアレンジがなかなか魅力的で、
薄暗い質感のシンフォニックロックとしても楽しめそう。
オルタナシンフォとポストロックの中間に位置するような雰囲気であるが、
女性ヴォーカルの存在がよいアクセントになっているので、
ゴシックロック風味の美しさもあって聴きやすいサウンドだ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 うす暗浮遊感度・・8 総合・・7.5
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Pure Reason Revolution 「Amor Vincit Omnia」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションのアルバム。2009作
前作はPINK FLOYD+Porcupine Treeというイメージの作品であったと思ったが、
今作では冒頭からデジタリィなアレンジを大胆に取り入れていて、
テクノのようなピコピコのシンセ音を確信犯的に使いながら、
まるでかつてのROXY MUSICもかくやというようなサウンドを聴かせる。
機械的なビートに乗る男女ヴォーカルの歌声と、コーラスワークの重ねも
絶妙という他はなく、この「古めかしいモダンさ」の再現はある意味で職人技だ。
もちろんロック的な躍動感や、ポストロック風味も健在で、UKロック的なマイルドさに加え
古くささをお洒落なまでに変換させるこのアレンジセンスには脱帽である。
メロディアス度・・8 レトロなデジタリィ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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Pure Reason Revolution「Hammer & Anvil」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2010年作
Porcupine Tree風味のプログレ色を覗かせた1作目、エレクトロなアレンジを大胆に取り入れた2作目、
そして本作では、これまであったエレクトロ色とインダストリアルな質感が増したサウンドになっている。
女性ヴォーカルの歌声を前に出し、プログレ要素がなくなった分だけ、ある意味で分かりやすい作風になった。
モダンなインダストリアルロックでありながら、音の中に知的な洒落っけがあるのは、やはり彼らならではだ。
メロディアス度・・8 モダンロック度・・9 アレンジセンス・・9 総合・・8
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QUASAR「The Loreli」
イギリスのシンフォニックロックバンド、クェーサーのアルバム。
STRANGERS ON A TRAIN〜LANDMARQの女性シンガー、トレイシー・ヒッチングが在籍していたバンドで、
まだ若々しいハスキーな彼女の歌声とシンフォ/ポンプロックの王動的なサウンドで爽やかに聴かせる。
スリリングな展開はあまりないが、女性Vo系のシンフォが好きな方ならそこそこ楽しめるかと。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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RA「WAKE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ラーの2007年作
シンセを含む4人組で、メロディックなギターとシンセを中心とした
インストによるシンフォニックロックをやっている。曲は2〜5分台が中心で
比較的コンパクトに分かれていて、フュージョン風味も含んだ軽快な雰囲気。
スリリングさは薄いが、CAMELばりの叙情ギターで聴かせるメロウな質感はなかなかで、
ゲストによるフルート、ヴァイオリンなども美しい。ストーリー的なコンセプト作らしい。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
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The Reasoning「The Awakening」
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングのアルバム。2007作
KARNATAKAレイチェル嬢が参加するバンドということで、聴く前から期待大。
サウンドは男女Voのスタイルで、KARNATAKAよりはハードめな質感は、
雰囲気的にはMOSTLY AUTUMNの方に近いかもしれない。
シンフャニックというにはドライな音だし、もう少しレイチェルの歌を前に出してもよかったが
デビュー作としては手堅くまとまっていると言うこともできる。
自主制作ということで録音面の甘さなども含めて、今後の活動に期待したい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 女性Vo度・・7 総合・・7
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The Reasoning「Dark Angel」

イギリスのシンフォニックロックバンド、リーゾニングの2nd。2008作
KARNATAKAレイチェル嬢擁するこのバンド、前作の時点では
まだ楽曲面での詰めの甘さが感じられたが、本作では叙情性を伸ばし
バンドとしての明確な方向性が現れてきていて、確かな成長が感じられる。
メロウなギターワークにしっとりとしたシンセが合わさったサウンドは
ほのかな薄暗さをともなって、シンフォニックな要素が引き立ってきた。
レイチェル嬢の歌声にはKARNATAKA時代よりもぐっと大人の落ち着きが感じられ
男性ヴォーカルとの掛け合いでは、ゴシックメタル的な雰囲気もかもし出している。
個人的には、女性ヴォーカルのみで聴かせて欲しい気もするが。
シンフォニック度・・8 翳りある叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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The Reasoning「Adverse Camber」

イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングの3rd。2010作
KARNATAKAレイチェル嬢を擁するこのバンド、前作もなかなかの好作であったが、
今作もいくぶんのモダンさとメタリックな質感とともに、ゴシックロック的な翳りある叙情を聴かせる。
レイチェル嬢の浮遊感のある歌声も含めて、All About Eveの現代版という作風だろうか。
前作に比べて音のインパクトはあまりないが、じっくりと聴き入れる好作品である。
シンフォニック度・・7 翳りある叙情度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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THE REASONINGLive in the USA :Bottle of Gettysburg
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングのライブアルバム。2011年作
KARNATAKAのレイチェルを擁するバンドの2011年のアメリカでのライブを収録。
シンセを含んだシンフォニックなメロウさに、ハードロック的な質感もある楽曲と、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドは、アルバムでの印象同様、
決して悪くはないのだが、メロディや盛り上がりに物足りなさを覚える。
音質の迫力のなさとともにローカルな雰囲気が出てしまっているのが残念。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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REGENESIS「LIVE」
ジェネシスのコピーバンド、その名もリジェネシスのライブアルバム。1997作
こんなにも堂々と、コピーバンドのアルバムが売られるというのも驚きだが、
それもGENESISというバンドの偉大さを表しているのかもしれない。
初期のGENESIS(つまりピーター・ガブリエル在籍時)から影響を受けたフォロワーは数知れず…
…というかシンフォニック系と言われるバンドの大半はなんらかの形で影響されているはず。
そして、このバンドはそんな初期GENESISの楽曲をほぼ完全コピーして演奏しているのだからまた凄い。
“Wacher of the Skies”“Firth of Fifth”“Supper's Ready”等の名曲が次々に再現されてゆくのは
初期のファンにとってはたまらないだろう。このバンドのおじさんたち(みな30代以上)にしろ
かつてのロマンの幻影を追いかけながら自分たちの手で再構築している喜びに浸っているのだろう(笑)
演奏力としてはもちろん本家には及ぶべくもないが、Voも含めてなかなか頑張っている。
ジェネシス度・・10(当たり前だ) ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7(ファン以外には価値がないので)
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Rhys Marsh And The Autumn Ghost「Dulcima」

英国出身のアーティスト、リーズ・マルシュによるプロジェクト・ユニットの2009年作
リズ・マルシュはヴォーカル、ギター、シンセ、プログラミングをこなすマルチミュージシャンで、
北欧系のミュージシャンが集ったプロジェクト、Opium Cartelにも参加している。
本作は、しっとりとしたメロトロンが響く、レトロで北欧プログレ的な質感に
男女ヴォーカルが歌を乗せるという、いわゆる薄暗系シンフォニックの作風。
アコースティカルな叙情は英国フォーク風味でもあり、やわらかな耳心地にうっとりだ。
ANGLAGARDのMattias Olsson他、多数のゲストが参加している。
シンフォニック度・・7 薄暗度・・8 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Secret Green 「To Wake the King」

イギリスのシンフォニックロックバンド、シークレット・グリーンのアルバム。2009作
かつてのTHE ENIDのメンバーである、Francis Lickerishを中心としたバンドで、
サウンドのほうはまさしく70年代のエニドを現代に甦らせたような壮麗なシンフォニック。
美麗なオーケストレーションにメロウなギターが鳴り響き、女性ヴォーカルの歌声とともに、
トラッド的な中世風味とファンタジックな世界観を広がりのあるスケール感で聴かせる。
クラシカルで優雅な旋律にロックオペラ的なダイナミズムも加わり、英国的な伝統色も含めて
アーサー王伝説をテーマにした壮大華麗なシンフォニックロックを繰り広げる。これは素晴らしい傑作。
シンフォニック度・・9 美麗度・・10 エニ度・・9 総合・・9
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Simon CollinsU-Catastrophe //」

GENESISのフィル・コリンズの息子であるサイモン・コリンズのアルバム。2008作
プログレというよりはポップ性のあるモダンなロックであるが、
やはりときおりGENESIS風味も覗かせつつ、親譲りのメロディセンスと味のある歌声で、
薄暗さのある叙情を聴かせる、いわばポストロック的感覚を備えたサウンドだ。
モダンな聴きやすさの中に現れる哀愁のメロディはなかなか耳心地がよく、
ポーキュパイン系のリスナーにも楽しめる作品だと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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Solstice「Silent Dance」

イギリスのプログレバンド、ソルスティスの1st。1984作/CD2枚組のDifinitive Edition
まさにポンプロック全盛のイギリスの80年代に現れたこのバンドは、
93年に2nd「New Life」、97年に3rd「Circles」を発表し、その後沈黙。
本作は女性ヴォーカルにヴァイオリンも入った、Curved Airを思わせるスタイルで
サンディ嬢のやわらかな歌唱とフォーキーな牧歌性は、Renaissanceにも通じる優雅さがある。
泣きのギターとそこにかぶさるシンセはシンフォニックロックの質感であるが、
ポンプ派生のバンドのような大仰さはなく、どこか醒めたクールさが漂っているのも特徴だ。
Disc2には1982〜83年のカセットのデモ音源やBBCラジオの音源を収録。
デモの段階でも曲はしっかり完成していて、とくにBBCの音源は躍動感溢れる演奏が素晴らしい。
シンフォニック度・・7 牧歌度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SOLSTICE「NEW LIFE」
New Life
イギリスのシンフォニックニックバンド、ソルスティスの2nd。1993年作
艶やかなヴァイオリンの音色と、透明感のある女性ヴォーカルの歌声を中心に、
英国的にしっとりと聴かせるサウンド。過度な盛り上がりやメロディの聴かせ所はなく、
ポンプロック以降の他のシンフォニックバンドとは一線を画する落ち着きが感じられる。
ときにアコースティカルな質感を聴かせるギターワークもなかなかよろしく、
美しいヴァイオリンの音色とともにゆったりと鑑賞出来る作品だ。
シンフォニック度・・8 ゆったり英国度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Solstice「New Life-the definitive edition」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの2nd。1993/2007作
リマスターに未発曲を収めたボーナスDisc付きの2CD再発盤。
艶やかなヴァイオリンの音色と、女性ヴォーカルの歌声を中心にした
牧歌的で優雅なシンフォニックロック。彼らの3枚のアルバムは、
どれもヴォーカルが代わっているが、本作のハイジ嬢の声質が、
幻想的な楽曲と一番似合っていると思う。いかにも英国的なフォーキーな質感を
シンフォニックに表現したサウンドはポンプ以後のシンフォ勢とは一線を画すものだ。
Disc2には1984〜1985年のデモや貴重なライブ音源などを収録。
シンフォニック度・・8 優雅度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SOLSTICE「Circles」

イギリスのシンフォニックロックバンド、ソルスティスの3rd。1997作
艶やかなヴァイオリンに女性ヴォーカルの歌声で、前作「NEW LIFE」
非シンフォ系好みのリスナーにも受け入れられたなかなかの傑作だったが、
本作では女性Voが交代している。楽曲における英国フォーク調の牧歌性と、
やや垢抜けない女性声が上手くマッチしていて、ヴァイオリンとギターによる
メロディアスな叙情美にも、しっとりとした落ち着きが感じられる。
アルバム後半はまるでポンプ化したAll About Eveのようにもなり、
シンフォニックな盛り上がりとともに、じっくりと楽しめる好作といえるだろう
メロディアス度・・8 牧歌的度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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SPHERE 3「Comeuppance」
イギリスのシンフォニックロックバンド、スフィアー3のアルバム。2002作
G、B、Dr、Keyという4人組で、曲はオールインスト。
プログレというよりはフュージョン的な軽快さで聴かせつつ、
ギターはときおりヘヴィになったり、ジャズ的なシンセ/ピアノも出てきたりして、
テクニカルに聴かせるあたりはPLANET Xなどにも通じる質感がある。
キメ倒しというよりは、あくまでメロディとフレーズを重視しているので、
とても聴きやすいのだが、反面ただのBGMになってしまいがちか。
プログレぎみのT-スクェアという聴き方もできそうなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フュージョン度・・8 総合・・7.5
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Steven WilsonGrace for Drowning

Porcupine Treeスティーブン・ウィルソンのソロ2011年作
PTの他にKING CRIMSONのリミックス、OPETHやORPHAND LANDなどのプロデュースなど
現在もっとも多忙を極めるミュージシャンの一人だろう。本作はVol.1、2に分けられたCD2枚組で、
しっとりとしたピアノやシンセと、繊細なヴォーカルで聴かせる、いわば静謐系の作風であるが、
アコースティカルな素朴さと、KING CRIMSONの静寂部分のような奥深い叙情性が素晴らしい。
もちろんプログレッシブな構築センスと、PT的な薄暗いモダンシンフォの要素も含んで
適度な緊張感とともにその世界観が描かれてゆく。Disc2の23分の大曲も見事な静かなる傑作。
メロウ度・・8 プログレ度・・8 静謐の叙情度・・9 総合・・8
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STEVE THORNE「Emotional Creatures: Part One」
イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンのアルバム。2005作
ギター、ベース、ヴォーカル、キーボードをこなすマルチプレイヤーであるが、
トニー・レヴィンをはじめ、ジェフ・ダウンズ、ゲイリー・チャンドラー(JADIS)、
マーティン・ウォーフォード(IQ)他、というゲスト陣もなかなか豪華。
サウンドの方は英国らしい牧歌的な雰囲気と、ゆるやかなシンフォニック性が合わさったもので、
ジャケのようなファンタジックさの中にも現代世界を生きる人間の苦悩などがコンセプトになっている。
薄暗い中に溢れる叙情と温かみはMARILLIONにも通じる質感があり、
全体的に派手さはないが、しっとりと聴かせるメロディアス作である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 薄暗シンフォとしても聴けます度・・8 総合・・7.5
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STEVE THORNE 「Part Two:Emotional Creatures

イギリスのマルチミュージシャン、スティープ・ソーンの2007年作
前作の続編となるアルバムで、薄暗系のゆるやかな作風であったPart1に比べて
美麗なシンセワークでキャッチーに聴かせる1曲めは、シンフォニックな感触が増している。
2曲以降は、やはりMARILLIONを思わせるほの暗い翳りある作風で、
マイルドなヴォーカルに、ピアノやアコースティックギターなども含んだ優しい耳心地で、
しっとりとした繊細な叙情美を描いてゆく。メロウなギターワークもセンスよく、
作り込まれたゆるやかな楽曲構成で、現代形シンフォニックの傑作というべき内容である。
トニー・レヴィン(KING CRIMSON)、ジェフ・ダウンズ(Yes)、ピート・トレワバス(MARILLION)
ニック・ディヴァージオ(SPOCK'S BEARD)らがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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STRANGEFISH 「FULL SCALE」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ストレンジ・フィッシュのアルバム。2003作
最近の英国シンフォというと、スタイリッシュなセンスを持ったTANTALUSがまず思い浮かぶが、
このバンドも古くささのあまり感じないサウンドで、野暮ったいVoはともかくとして、
演奏の方はTRANSATLANTIC風のメロディも顔を出すなど、なかなか軽快でキャッチー。
10分代の曲が3曲と、大作志向でありながら、キーボードに頼りすぎることなく
大時代的な盛り上がり一辺倒にならない所が魅力で、
そうしたセンスとバランス感覚に、かつてのIT BITES的な知的さも垣間見える。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 現代的構築度・・8 総合・・7.5

STRANGEFISH「Fortune Telling」
イギリスのシンフォニックロックバンド、ストレンジフィッシュの2nd。2005作
今作も1st同様、力みすぎないキャッチーでメロディアスなサウンドを聴かせる。
ACTIT BITESあたりにも通じる、コンパクトなセンスが光る楽曲には難解さはいっさいない。
その力の抜けかたが、コテコテ大仰系好きのシンフォリスナーにはやや物足りないかもしれないが、
普通に聴きやすく、クオリティの高い薄味のメロディアス・シンフォニック作品だ。ヴァイオリンも美しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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STRANGERS ON A TRAINThe Key Part:TheProphecy」

イギリスのシンフォニックバンド、ストレンジャース・オン・ア・トレインの1st。1990作
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランのシンセと、女性ヴォーカル、
トレイシー・ヒッチングのハスキーな歌声を中心に聴かせる美麗なシンフォニック作。
今作ではリズムは入らず、ほとんどがシンセと歌のみの演奏なので、
シンフォニックロックとしてのダイナミズムでは、続編であるUに譲るが、
その分トレイシーの艶のある歌声をたっぷりと堪能できる。画像右は再発盤。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 女性Vo度・・9 総合・・7.5
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STRANGERS ON A TRAINThe Key PartU:The Labyrinth

イギリスのシンフォニックバンド、ストレンジャース・オン・ア・トレインの2nd。1993作
PENDRAGONARENAでも活躍するクライブ・ノーランのプロジェクト、
Voはポンプロック好きならもはや有名なトレーシー・ヒッチング(現LANDMARQ)。
ややかすれ気味のトレーシーのキュートなヴォーカルをメインに、華麗なキーボード群と、
メロディアスで甘美なギターメロが合わさり、ゆるやかなシンフォニック組曲をかなでます。
ペンドラゴンに比べるとややシリアスで格調高く、女性Voの情感溢れる歌が胸に響きます。
ポンプ系人脈で作られたシンフォとしては90年代屈指の一枚。右は再発盤の画像。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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The Syn「Big Sky」
IT BITESのフランシス・ダナリーが在籍する、シンのアルバム。2009作
もともとはYesの母体となったバンドとしてクリス・スクワイアを中心にして活動していたらしいが、
現在ではフランシス・ダナリー、スティーヴ・ナーデリ、トム・ブリズリンという三人編成となっている。
サポートでドラムを叩くのはEcholynのポール・ラムゼイ。サウンドはプログレ色はあまりない
大人の味わいのメロディックロックで、英国風の叙情とアメリカのキャッチーさが融合された質感。
枯れた味わいのヴォーカルとやわらかなメロディで聴かせる、肩の力の抜けた自然体のアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・5 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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THE TANGENT「THE MUSIC THAT DIED ALONE」

PARALLEL OR 90 DEGREESのKeyによるバンド、ザ・タンジェントのアルバム。2003作
参加しているのはTHE FLOWER KINGSのロイネ・ストルト、
VAN DER GRAAF GENERATORのデビッド・ジャクソンら。
PARALLEL OR 90 DEGREESの音はまだ聴いたことはないのだが、
この作品の音に関して言えば切れのよい軽快なシンフォニックロックである。
たとえばフラキンよりはややジャジーな感じというところで、
北欧的なシンフォと英国風の素朴さが融合している、ともいえる。
70年代風の古めかしさを感じる部分もあり、大人のシンフォファンにも楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ジャジー度・・7 楽曲・・8 総合・・8
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THE TANGENT「U:The World That We Drive Through」

Parallel Or 90 DegreesTHE FLOWER KINGSのメンバーによる、
シンフォニックロックバンド、ザ タンジェントの2nd。2004作
いわゆるスーパーバンドとして話題になった1stの好評を受けて発表された2nd。
ロイネ・ストルトはじめ、ベース、ドラムが元あるいは現フラキンのメンバーたちなので、
音のほうも当然ながらフラキン度が高い。ジャズロック的なアンサンブルとリズムの跳ね具合が、
メンバーの技量の高さを感じさせるがその中でも女性ピアニストのしっとりとしたピアノタッチが素晴らしく
またたおやかなフルートの音色も優雅に楽曲に華を添えている。
前作の軽快なシンフォニック性よりは、今回は落ち着いた大人のジャズロック風なパートが増した。
もちろんテクニカルでシンフォニックではあるが、肩の力を抜いてくつろぎながら楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 フラキン度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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THE TANGENTA Place in the Queue

PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソンによる、ザ・タンジェントの3rd。2006作
今回はロイネ・ストルト不参加ということで、どうだろうと思ったが
聴いてみれば、過去作を上回るクオリティのカラフルなシンフォニックロック作である。
のっけから20分の大曲だが、メリハリの効いた構築された展開の中で、
軽やかなジャズロックテイストと、オールドプログレ風のレトロな質感を聴かせてくれる。
メロディアスなギターフレーズはロイネ不在をまったく感じさせず、それに絡むキーボードと、
ときにしっとりとしたピアノも美しく、理知的でありながら優しいサウンドを形成している。
後半はややジャズロック度が高くなるが、総じて構築美とクオリティの高いアルバムだ。
2CDのスペシャルエディション盤には、未発表曲、デモ、ライブ音源等、6曲を収録。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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THE TANGENT「Going Off on One」

テクニカルシンフォプログレのスーパーバンド、タンジェントのライブアルバム。2007作
これまでにスタジオ作を3作発表し、そのどれもが高品質のテクニカルシンフォ作であったが、
このライブ作でもスタジオ盤以上の躍動感あふれる演奏を聴かせてくれる。
オルガン、ムーグを操りながらヴォーカルもこなすアンディ・ティリソンは、
さながらニール・モーズのような活躍ぶりでバンド全体を引っ張り、
ヨナス・レインゴールド(THE FLOWER KINGS)のベースワークもさすがの存在感だ。
CD2枚組みで、のっけから10分、11分、22分という大曲3連発で濃密に聴かせる。
けたたましいシンセによる70年代風のレトロな質感と、軽やかなジャズロック風味が交差し、
内的な幻想性は薄いが、プログレリスナーの耳にはとても分かりやすいサウンドだろう。
ボーナスではKING CRIMSONの“21世紀の精神異常者”も聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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THE TANGENT「Not as Good as the Book」

アンディ・テリィソンを中心にしたシンフォニックロックバンド、タンジェントの4th。2008作
ガイ・マニング、ヨナス・レインゴールドといったメンバーに加え、
今作ではジャッコ.M.ジャグジグ(21st Century Schizoid Band)が参加。
ストーリーに基づくCD2枚組のコンセプト作で、カンタベリー風味もあるジャズロック的なリズムに、
メロディアスなシンフォニック性を重ねた、前作からの延長線上のサウンドながら、
コーラスワークにはいっそうキャッチーな抜けの良さが加わっていて実に爽快だ。
テオ・トラヴィスによるサックス、フルートも曲の中で存在感を増しており、
アコースティカルにしっとりと聴かせる部分もあったりと心憎い。
Disc2は20分台の大曲2曲という構成で、ゆるやかに盛り上げるドラマティックさが見事。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 軽やかジャズロック風味度・・8 総合・・8
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The Tangent「Down and out in Paris and London」

イギリスのプログレバンド、タンジェントのアルバム。2009作
CD2枚組だった前作は、シンフォニックと軽やかなジャズロックが融合された最高傑作であったが、
それに続く本作も1曲目から19分という大曲で始まり、スタイリッシュに構築されたモダンさが光る
プログレ/シンフォニックの傑作となった。アンディ・ティリソンの巧みなシンセ、そしてギターワークに、
フルートやサックスなども加わり、しっとりとした繊細さとクールな軽妙さが絶妙に交わるサウンドは
さすがのセンスの良さである。今回はメロディにほの暗い叙情が加わっていて、やわらかな歌で聴かせる
哀愁とともに、いくぶんレトロな空気を感じさせるシンセアレンジも心憎い。やはり質の高い作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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The Tangent「Comnn」

イギリスのプログレバンド、タンジェントの2011年作
PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソン率いるこのバンドも早くもこれで6作目となにる。
本作はのっけから20分の大曲で、美麗なシンセに叙情的なギターが絡む、シンフォニックの王道だ。
随所に古き良きプログレの感触を含みつつ、The Flower Kingsを思わせるような自然体の構築センスと
大人の味わいを感じさせる哀愁とともに心地よく聴かせてくれる。力みすぎないメロディの流れ方、巧妙な展開美は
さすがというべきもので、ゆるやかな繊細さも含みつつ、ダイナミックでありながら決して派手すぎない
知的な感触は絶品だ。軽やかなフルートやヴァイオリン、ピアノも加わった軽妙なジャズロック風味などもあり、
豊かな音楽性をクールに構成するセンスは、現代シンフォニックのトップクラスといっていいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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TANTALUS「SMOKING ANGELS」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タンタルスの1st。1994作
このバンドの2nd、3rdにおけるセンスの良いメロディとスタイリッシュな楽曲構築はじつに見事だった。
リーダーはキーボードのようで、本1stの時点ではメインメンバーは二人、ギターは2ndでは交代している。
さて、この1stであるが、曲に光る部分はあるが、やはり2ndほどの構築性、方向の一貫性はまだなく
曲によってはプログレではないただの歌ものとかもあって、完成度は後のアルバムに及ぶべくもない。
ただし音の重ね方、メロディの流れなどには他にはないセンスも感じる。
まずは傑作の2nd「JUBAL」、3rd「LUMEN ET CALIGO T」から聴いて欲しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲センス・・8 総合・・7

TANTALUS「JUBAL」

イギリスシンフォニックロックバンド、タンタルスの2nd。2000作
一聴してまず耳を引くのが、同時代的なセンスの良いスタイリッシュな音作り。
かつての80年代シンフォニックのような泥臭さ、無理な大仰さとは決別し、
ある種クールとも思える自己を見つめる視点が音の中に感じられる。
つまりはDREAM THEATER以後のフィルターを確実に通ってきたバンド。
キーボード、ギターともメロディアスで流麗だが、情熱よりも知的さを優先させた質感があり、
その決して感情的に爆発しない冷静さこそがこのバンドの持ち味であるのと思う。
さらにひとつ突き抜けるためにはまだ何かが必要な気もしないではないが、
現時点で、すでに凡百のシンフォバンドが追いつけないものを持っているのも確か。
シンフォニック度・・8 クールな音作り度・・9 楽曲センス・・8 総合・・8

TANTALUS「SHORT STORIES」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タンタルスのアルバム。2001作
2ND「JUBAL」と3rd「LUMEN ET CALIGO T」の間に出されたアルバムで、
内容はシンフォニックな中にもジャズロック色もある、ジャムセッション的なもの。
ゆったりとした演奏の中にも、さすがにときどきセンスの片鱗をかいま見せており、
ギターやキーボードのメロディと音の重ね方、自然で嫌味のないアレンジのどれも一級のレベル。
2nd、3rdの構築的な完成度からすると力の抜けた作風で、やや物足りない感じはするが、
“トッカーターとフーガ”のクラシカルなカヴァーなどは美麗なシンフォニックでやはり見事だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 演奏・・8 総合・・7.5
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TANTALUS「LUMEN ET CALIGO T」

イギリスのシンフォニックバンド、タンタルスの3rd。2002作。
前作「JUBAL」を聴いてそのセンスの良さに驚いたものだが、今作も期待通りの内容。
このバンドの場合PENDRAGONのように70年代ポンプからの派生ではなく
どちらかというとDREAM THEATER以降の知的な構築性をともなったサウンドで、
ツインキーボード、ツインギターの編成だが、やみくもに大仰になることなく、
すっきりとしたスタイリッシュにまとめられた音の重ね方である。
「メタル色を抜いたドリームシアター」という表現が分かりやすいかもしれない。
前作よりもスリリングな部分が減ったが、その分しっとりとしたのびやかなギターメロディなどが楽しめる。
静のパートでここまでちゃんと聴かせられるバンドはそうあるまい。クールでデジタリィな要素を見せながらも、
アコギ、フルートなどのやさしく暖かいパートも有り、70分以上の大作だが密度が濃い。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り


THIEVES' KITCHEN「Head」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーヴス・キッチンの1st。2000作
先に3rdから聴いていたので、軽やかなテクニカルプログレというイメージがあったのだが、
この時点ではもう少しゆったりとしたサウンドで聴かせる。とはいっても、ギターとキーボードの絡みは
細かなフレージングとカッチリとした感触がとても現代的で、音にはメタリックな硬質感もある。
楽曲はインスト中心で、16分、19分という大曲もあり、デビュー作にしてはじつに堂々としたものだ。
ヴォーカルの平坦さと、やや機械的なドラムサウンドが惜しいといえば惜しいが、
クオリティを求めるシンフォニックリスナーにはTANTALUSとともに勧められる英国産バンドだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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THIEVES' KITCHEN「SHIBBOLETH」
イギリスのシンフォニックロックバンド、シーヴス・キッチンの3rd。2003作
軽やかなテクニカルさで聴かせる、モダンなシンフォニックロックであるが、
そこにどこか古き良きメロウな感覚が同居しているのが面白い。
KENSOあたりにも通じる切れのいいジャズロックテイストもあり、
ギターのやや硬質なフレージングが軟弱系のシンフォとは一線を画している。
同じクールさでもTANTALUSのような構築された感覚とは多少違い
自由度の高い伸びやかなシンフォ・ジャズロックということもできる。
メロトロンを含めてヴィンテージ風のシンセと曲調のモダンさとの対比がなされ
女性Voの歌唱もややダウナーな声質ながら、サウンドに華を添えている。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 総合・・7.5
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THIEVES KITCHEN「The Water Road」

イギリスのシンフォニックロックバンド、シーブス・キッチンの2008年作
前作はモダンな雰囲気のテクニカルシンフォという印象だったのだが、
今作ではなんとANGLAGARDのKeyをメンバーに迎えて、サウンドが変化している。
まず耳につくのは美しいピアノにメロトロン。幽玄なメロトロンの響きと、
そこに絡むギターフレーズもどこか北欧的な感触で、とても叙情的だ。
女性ヴォーカルの歌唱も、前作よりもしっとりと聴かせるようになった。
のっけから20分の大曲で、適度にテクニカルに展開しつつも、
やはりメロトロンやフルートなどによる幽玄な味わいが魅力的。
浮遊感のあるテクニカルシンフォニックにメロトロンをプラスした力作。
シンフォニック度・・8 メロトロンいいねぇ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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TOUCHSTONE「Discordant Dreams」
イギリスのシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2008年作
男女ヴォーカルの歌声で聴かせるMostly Autumnタイプのハードシンフォニック作。
叙情的なギターのメロディはIONAあたりにも通じる感触があるが、
ギターの刻みや意外と激しめのドラムなどはもっとハードロック/メタル寄りの雰囲気。
楽曲的にももう少しひねりが欲しいし、個人的にはもっと女性声がメインだとなお嬉しい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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TOUCHSTONE「Live in the USA」
イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンのライブ作。2010作
男女ヴォーカルの歌声と、ややハードエッジなギター、美麗なシンセによる
ハードシンフォニックなサウンドで、期待の新鋭というべきこのバンド。
2009年アメリカでのライブ音源をCD2枚に収録。女性ヴォーカルの美しい歌唱と
スタジオ盤以上にダイナミックな演奏がなかなか魅力的。Mostly Autumnなどに比べると
ずっとハードロック寄りで、叙情性よりもノリの良さが持ち味。個人的には男Voは不要かと。
メロディアス度・・8 ハードシンフォ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TOUCHSTONEWintercoast」

イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2010年作
けっこうヘヴィめのギターが入ったメタリックな質感と、Mostly Autumnあたりにも通じる
美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせるシンフォニックな叙情美が合わさった作風。
相変わらず男ヴォーカルはとくに必要ない気がするが、女性声の活躍頻度はずいぶん増していて、
しっとりとしたバラード曲などはじつに美しい。また楽曲におけるダイナミックさも強まっていて
美麗なシンセをバックにしたギターのメロディアスなフレーズも随所で光っている。
英国産の本格派シンフォバンドとしてモストリー・オータムに並びそうなクオリティにはきている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Touchstone「City Sleeps」

イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2011作
ライブアルバムをはさんでの3作目で、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンドは前作の延長上ながらよりダイナミックになっている。
この手のバンドにしては重厚さの効いたドラムとエッジのあるギターサウンドに、
美麗なシンセワークも含めて、PALLASあたりを思わせるドラマティックな雰囲気だ。
10分超の大曲も2曲あり、メリハリのある展開と、女性Voの美しさに惚れ惚れする。
ここぞというところで聴かせるメロディと盛り上げ方も上手くなった。なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TRACY HITCHINGS「FROM IGNORANCE TO ECSTASY」
イギリスのポンプ&シンフォ界を代表する女性Vo、トレーシー・ヒッチングスのソロ作。1991作
彼女の履歴としてはQUESARSTRANGERS ON A TRAINLANDMARQというところだが、
その間にもオリバー・ウェイクマン(リックの息子)との共作にも参加したり、GANDALFの作品にも
参加したりと、まさにシンフォニック界の女性ヴォーカル請負人である。
さて、このソロ作は1991年ということで、時期的にはSTRANGERS ON A TRAINの直前ということで、
当然のようにクライブ・ノーラン(ARENA、PENDRAGON)がキーボードで参加、
他のメンツもSTRANGERS ON A TRAINや元QUESARのメンバー。
いつものようにシンフォニック全開というよりは、トレーシーの歌をメインにした曲が多く、
彼女のファンは聴いて損はないだろう。というか曲によってはそのまま今のLANDMARQみたい。
キュートでハスキーな声質は好みを分ける部分もあるが、一聴しただけで彼女とわかる個性は素晴らしい。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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TRIPPA「Sorry」

マジェンタのロブ・リードとクリスティーナ・ブースによるユニット、トリッパのアルバム。2007作
1995〜2000年の間に活動していた、いわばMAGENTAの前身ともいうべきバンドで、
本作は唯一の音源であるシングルに、未発表のマテリアル、新曲を加えて作られたもの。
サウンドはモダンなキャッチーさで聴かせるメロディック・ポップロックで、プログレ風味は薄いものの、
むしろその分、クリスティーナ嬢のコケティッシュな歌声の魅力が前に出ている。
キュートな女性Voものということでは、AYREONのルカッセンがやっていたAmbeonを思い出した。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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WILLOWGLASS
イギリスのシンフォニックユニット、ウィローグラスのアルバム。2005作
ギター、ベース、ドラム、キーボード、フルートを一人でこなすアンドリュー・マーシャル氏による
個人プロジェクトで、サウンドはたおやかでレトロな雰囲気のシンフォニックロック。
鳴り響くメロトロンに優しげなフルート、時代性は皆無なスローライフな空気が漂っている。
ジャケも含めたマイナー臭さも魅力で、この手の好事家にはある種たまらないサウンドだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆったり度・・9 総合・・7.5
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THE WISHING TREE「CARNIVAL OF SOULS」

MARILLIONスティーブ・ロザリーによる女性Voユニット、ウィッシング・トゥリーの1996年作
美人で美声の女性ヴォーカル、ハンナ嬢の歌声をメインに、シンフォニックというよりは、
むしろアコースティカル風味のしっとりとした繊細なサウンド。
この清涼で可愛らしい歌声を聴いているだけで癒される音楽ではあるが、
曲はややあっさりしすぎていてプログレファンには退屈かもしれない。
余談だがこのハンナ嬢、この作品にも参加していたENCHANTのドラマーと結婚したらしい。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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the wishing tree「Ostara」

イギリスの女性Voロックユニット、ウィッシング・トゥリーのアルバム。2009作
1996年にアルバムを出してからずっと音沙汰のなかったこのバンド、まさか10年以上もたってから
こうして新作を出して来るとは。スティーブ・ロザリー氏はそれだけ多忙だったのだろうか。
しかしながら、女性ヴォーカルの歌声をメインした、しっとりとやわらかなサウンドは本作でも不変。
ハンナ嬢のキュートな歌唱は倦怠の浮遊感と癒し系の繊細さが同居していて、相変わらず耳心地がよい。
曲そのものはシンプルでさして面白くはないので、あくまで歌ものとしてまったりと聴きましょう。
メロウ度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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WOOLLY WOLSTENHOLME 「MAESTOSO」
Barclay James HarvestのKey、ウーリー・ウォルステンホルムのソロ作。1980作
後にバンドとなるMAESTOSOへとつながる作品だろうが、80年という時代性もあってか
シンフォニックというよりはもっとポップで、むしろAOR的なサウンドが耳につく。
美しいシンセワークはさすがで、泣きのメロディを奏でるギターと合わさるととても叙情的であるが、
基本的には歌もののアルバムで、後期のYESを思わせるキャッチーなコーラスワークが軽やかに響く。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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Woolly Wolstenholme「Black Box Recovered」

Barclay James HarvestのKey、ウォーリー・ウォルステンホルムのソロ作。1980/2004作
これまでCD化されたことのない幻の2ndの音源に加え、1980年の1st「MAESTOSO」のデモを収録。
叙情的な泣きのギターと美しいシンセワーク、そしてBJHを思わせるやわらかな歌メロが合わさった
シンフォニックで美麗なサウンドにうっとり。楽曲には80年代らしいポップな味わいもあり、
シンセ奏者のソロというよりはメロディアスなロックとしての普遍的な質の高さが光る傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらか叙情度・・8 総合・・8
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