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CDレビュー プログレ
ドイツ・オランダ・スイス・オーストリア
PROGRESSIVE ROCK/GERMANY NETHERLAND
掲載バンドは上からABC順になっています
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A
AMON DUUL U「Phallus Dei」

ドイツのサイケロックバンド、アモンデュール2の1st。1969作/邦題は「神の鞭」
AMON DUULから分派したのがこのAD2であるが、
ドラッグからくるアヴァンギャルドなフリーロックを目指したAD1の音楽性に比べて、
こちらはより演奏志向のサウンドなので、むしろ純粋なプログレリスナーには
AD2の方が受けるだろう。ただ、この1stにおいては、インプロヴィセーション的な
反復が多用されていて、3rd以降の構築性よりはずっとフリーな雰囲気がある。
ギターの中近東的なフレーズも特徴で、呪術的なパーカッションの響きに、
女性スキャットなども加わり、神秘的なサイケロックを聴かせる。
メロディアス度・・7 神秘度・・8 構築度・・6 総合・・7.5
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AMON DUULU「Yeti」

ドイツのサイケロックバンド、アモンデュール2の2nd、1970作/邦題は「地獄!」
AD2はAMON DUULから派生した別バンドで、フリーロック的な混沌を目指した
AD1よりは楽曲性が高く、プログレファンにはむしろ評価が高い。
今作はLP時には2枚組で、後半はすべてがインプロヴィセーションになっている。
1曲目は13分の大曲で、サイケロックとしての自由度を荒々しさを失わないくらいの
構築性でまとめていて、次作でのスケール感に比べればややチープであるものの、
ドラッグカルチャー全盛の時代を考えれば、この整合感は立派である。
繰り返しを多用するギターのフレーズに粗野なヴォーカルが乗り、
東洋的な音階や神秘的な女性コーラスなどで味を付けるという、
具現化されていない壮大なヴィジョンのとっかかり的なアルバムだ。
シンフォニック度・・7 壮大度・・8 構築度・・7 総合・・7.5
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AMON DUULU「Tanz der Lemminge」

アモンデュール2の3rd、1971作/邦題は「野ネズミの踊り」または「ロック共同体」
LPでは2枚組だった本作は、15分、19分、18分という大曲で聴かせる力作だ。
ジャケのインパクトでは前作だが、内容の濃密さではこちら。
うっすらとしたシンセに包まれて、ヴァイオリンが鳴り渡り、楽曲は荘厳に始まる。
ゆるやかなアコースティックギターをシンフォニックですらあるキーボードが包み、
ときに薄暗い静謐感をもって、ときに東洋的な雰囲気でもって長曲が綴られてゆく。
サイケロック的な浮遊感と、なにか壮大なヴィジョンが目の前に現れるような感覚、
インプロ的な解放感と楽曲性とが見事なパランスで調和して、すべての音に緊張感をもたらしている。
おそらくドイツという国からしか出て来ないだろう、シンフォニック・サイケロックの傑作である。
シンフォニック度・・8 壮大度・・10 構築度・・8 総合・・9
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AMON DUULU「Carnival in Babylon」

アモンデュール2の4th、1972作/邦題は「バビロンの祭り」
ぐっとメロディ志向が強まり、楽曲の構築性も高まったアルバム。
普遍的なロック色が増したリズムに、ギターとシンセ、そして男女のヴォーカルが乗る。
もちろんただのロックではない、彼らならではの独特の雰囲気は健在で、
メロディアスロックとサイケの中間的なほんわかとした叙情性が心地よい。
また、レナーテ・クナウプの歌声が一番美しく聴けるアルバムでもあるだろう。
次作への橋渡し的なアルバムであるが、やはり質は高い。
メロディアス度・・8 壮大度・・7 構築度・・8 総合・・8
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AMON DUULU「Wolf City」

アモンデュール2の5th、1972作/邦題は「狼の町」
AMON DUULというとドラッグから生まれたフリーロックというイメージがあっただけに、
このアルバムの聴きやすさ、ある種メロディアスなドラマティックさがあるのには驚いたし、
これが自分にとってのAD2のとっかかりで良かったと思う。
プログレというにはなかなかハードなギターに東洋的なシタールの音色、
紅一点、レナーテ・クナウプの中性的な歌声に、鳴り響くヴァイオリンの叙情。
サイケロックの浮遊感は残しつつも、しっかりとした楽曲構成で聴かせてくれる。
現在もっとも好きなのは3rdだが、まず初めに聴くならこれをお勧めしたい。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 構築度・・8 総合・・8
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AMON DUULU「Vive La Trance」
アモンデュール2の6th、1973作/邦題は「恍惚万歳」
コアなファンからはポップになったと揶揄された作品であるが、
聴きやすくなった中にも、サイケロックとしての美しさはちゃんと残っている。
3分台のコンパクトな曲が中心で、キャッチーでポップなアレンジが耳につくが、
囁くようなヴォーカルとともに、ピアノやヴァイオリンの音色が混ざり合い、
今のUKロックにも通じるほのかな薄暗さと叙情をかもしだしている。
レナーテの妖艶な歌声が聴ける3曲目などもじつによろしい。
メロディアス度・・8 ほの暗度・・8 構築度・・9 総合・・8
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AMON DUULU「Live in London」

アモンデュール2のライブアルバム。1973作/1972年のロンドンでのライブを収録。
先に1996年の来日記念のライブアルバムを聴いていたが、
やはりこちらの全盛期の音には勢いがあってよいですね。
ドカドカとした手数の多いドラムに、二本のギターとシンセが絡み、
音には厚みと攻撃性がある。2nd「Yeti」からの3曲でたたみかけ、
インプロを挟んで3rd「Tanz der Lemminge」の大曲を抜粋で演奏。
アルバム以上の迫力で聴かせてくれる。AD2ファンとしては外せないライブ作である。
なお、再発にあたってジャケが変更されている(元はロドニー・マシューズ)。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・8 ドカドカ激しめ度・・9 総合・・8
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Amon Dull U「Hijack」
ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2のアルバム。1974作
初期の壮大な作風からしだいにポップさを増し、前作「恍惚万歳」に続く本作も
分かりやすい歌メロを基調としたロックサウンドとなっている。
サックスなども入ってきてコミカルな味わいもありつつ、
シンセの使用法などにはいくぶんサイケ的な質感が残っている。
また、レナーテの歌う曲はアシッド・フォーク的なおもむきがあって、
アルバム全体的には統一感があまりないが、ゆったりとして聴きやすい佳作である。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 サイケ度・・7 総合・・7.5
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AMON DUULU「Made In Germany」

ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2のアルバム。1975作
オーケストラによる壮麗なイントロからスケールを感じさせる本作は、
世界各国の歴史上の人物をテーマにした長大な作品だ。
初期のような幻想性は薄まって、力の抜けたガレージロック的な雰囲気だが
レナーテ嬢の美しい歌声やバックの雄大なオーケストレーションとともに
どこか奇妙だがある種キャッチーなサイケロックが楽しめる。
のんびりと聴けるという点では、彼らの作品中で一番かもしれない。
メロディアス度・・7 エセ壮大度・・8 サイケ度・・8 総合・・7.5
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Amon Dull U「Pyragony」
ドイツのサイケロックバンド、アモン・デュール2の10th。1976作
前作「Made In Germany」を最後に紅一点のレナーテ・クナウプが脱退、
サウンド的にはいくぶんモダン化のきざしが聴かれるが、オリエンタルなギターフレーズに
美しいシンセが絡む、ある意味メロディアスで浮遊感のあるサイケロックを展開している。
脱力的なヴォーカルの歌声と、キャッチーなポップ感覚でソフトに聴きやすい。
初期の怪しさ、得体のしれない壮大さは影も形もないが、これも新しいサイケの形か。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 サイケ度・・7 総合・・7.5
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ANABIS「Heaven on Earth」
ドイツのシンフォニックロックバンド、アナビスの1st。1981作
16分、13分という2曲の大曲を中心にしっとりと聴かせるシンフォ作。
GENESIS系のゆるやかなメロディと、ゆったりとしたシンセワークが耳に優しい。
ときおりフルートなどが出てくると、同郷のROUSSEAUあたりを思わせる、
やわらかでローカルな叙情性が聴けるのがドイツらしい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・7
Anyone's Daughter 「Adonis」

ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの1st。1978/2010作
ジャーマンシンフォニックの最高峰とされるこのバンドのデビュー作が、オリジナルジャケでついに再発!
ヨーロピアンなロマンの香りに彩られたサウンドは、CAMELばりの甘いギターメロディと
美麗なシンセワークを中心に、その巧みな構築力と優美さにおいてNOVALISをも凌駕する。
優雅な叙情性とテクニックを含めて、24分におよぶタイトル組曲はまさに圧巻の仕上がりで、
起伏に富んだ展開とドラマ性、やわらかなメロディとともに、感動的な大団円へとつながってゆく。
3作目の「Piktors Verwandlungen」と並んで、バンドの代表作たるにふさわしい傑作だ。
リマスター盤のボーナスには1977年のライブ音源に、1978年のビデオ映像を収録。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 幻想ロマン度・・9 総合・・8.5
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ANYONE'S DAUGHTER「Piktors Verwandlungen」

ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターの3rd。1981/2008作
「ピクトルの変身」のタイトルで知られる、ヘルマン・ヘッセの詩をモチーフにした作品で
ライブ録音ながらも、その抜群の演奏と叙情美で、本作はバンドの最高傑作ともされている。
イントロからもう、泣きのギターとシンセが合わさった、まさにドイツのロマンが集約されたような
シンフォニックサウンドが炸裂。曲間にドイツ語によるヘッセの詩の朗読を挟みつつ
その見事なメロディセンスと演奏力で、何度も盛り上がりを迎えながら組曲は進行してゆく。
ドラマーをはじめ、ギターもシンセも、ライブ録音とは思えない巧みな演奏がまったく素晴らしく、
リマスター盤ではさらに音質もダイナミックになっている。ボーナスにはこの組曲の貴重なデモ音源を収録。
美しいジャケも含めて、ドイツのみならず欧州シンフォニックの語り継ぐべき名盤である。必聴。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 ロマン度・・10 総合・・9
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ANYONE'S DAUGHTER
「REQUESTED DOCUMENT LIVE 1980〜1983」
ドイツ最高のシンフォニックプログレバンド、エニワンズドウターの2枚組ライブアルバム。
シンフォ不作といわれたのドイツの、70〜80年代に燦然と輝きを放った彼ら。そのライブ音源の登場だ。
喜びの悲鳴を上げるほど嬉しい。私にとってこの世でもっとも感性に合うシンフォバンドの一つだからだ。
その徹底したロマン主義、メロディアスかつ繊細な楽曲群は20年後の現在聴いてもまったく色あせない。
もともとスタイリッシュな構築センス、甘いメロディを重視しながらも独自のポップ感覚を有していたバンドなだけに
曲、演奏ともタイトで長曲においても無駄を感じさせない。1stの組曲「ADONIS」完全再現は劇的な感動を呼ぶ。
個人的にはGENESISやPFMと同列に扱うべきほどのクオリティをもったバンドだったと思う。
メロディアス度・・9 ロマン度・・10 演奏・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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ANYONE'S DAUGHTER
「REQUESTED DOCUMENT LIVE 1980-1983 VOL.2」

70〜80年代のドイツ最高のシンフォニックバンド、エニワンズ・ドウターの未発表ライブアルバムの第二弾。
なんと、今度はCD+DVDの2枚組。私にとって最高のシンフォニックバンドのひとつ。CAMEL以上にメロディアス、
PENDRAGONばりのロマンティシズム、HAPPY THE MANに匹敵する切れのよい演奏と、欠点はない。
まあ全体的に「甘すぎる」という見方もできるが、しかしそのメロディへのこだわりやロマンへの傾倒など、
やわらかみのあるメロディアス作品が好きな人なら絶対に聴くべきバンドであることは間違いない。
今回のCDは彼らの後期の音で、ややポップになりつつある時期の楽曲が中心。
DVDの方は1981年母国フランクフルトでの映像で、こちらはマスターの状態が悪かったのか
音質、画像ともにあまり良いものではないが、ファンにとっては映像が見られるだけでも価値があるだろう。
ヘッセの詩の朗読と一体になった40分の組曲「PIKTORS VERWANDLUNGEN」が見れるのが嬉しい。
このバンドの音をまだ聴いたことがない人には、選曲等が少々マニアックな本作よりは、
まず彼らの1st「ADONIS」か3rd「ピクトルの変身」、またはこの未発表ライブの「1」の方をお薦めする
メロディアス度・・9 CD音質・・9 DVD音質・・6 総合・・8
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ANYONE'S DAUGHTER「WRONG」
エニワンズ・ドウターの再結成作2枚目。2004作
オリジナルメンバーはギターとキーボードだけとなって、
サウンド的にもかつての繊細なやわらかみのある音とはやや異なり、
ややヘヴィになって、いわゆるINSIDE OUT系という印象も受ける。
ただ曲によっては、かつてを思わせるシンフォニックな面も覗かせてくれ、
一概に「変わってしまった」と落胆するようなアルバムでもないかと。
プログレというよりは、年輪を深めたメンバーによる大人のメロディックロックという雰囲気。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 エニワンズ・ドウター度・・7 総合・・7.5
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Anyone's Daughter「Calw Live」

ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターのライブアルバム。2011年作
1978〜84年までに5枚のアルバムを出し、その後解散、そして2001年に復活をとげアルバム2枚を発表する。
本作は2002年にヘルマン・ヘッセの故郷カルフで行われた、ヘッセ生誕125周年イベントでのライブを収録、
Disc1は2ndの1曲め“Swedish Nights”からスタート、美しいシンセワークにメロウなギター、マイルドな歌声で
かつてのリリカルなサウンドが甦るようだ。同じく2ndからの“Between The Rooms”に続き、
いよいよ名作「Piktors Verwandlungen」の完全再現。ヘッセの詩の朗読をはさみながら、メロディアスかつ
ダイナミックに展開してゆく演奏に聴き惚れます。そういえばあのアルバムもライブ録音だった。
Disc2は2001年の復活作「Danger World」からの楽曲を中心に、いくぶんポップさを増した感触だが、
これはこれでキャッチーなメロディックロックとして充分楽しめる。ラストは何故かイマジンのドイツ語バージョン。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 エニワン度・・9 総合・・8
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ASH RA TEMPEL

ジャーマンロックバンド、アシュ・ラ・テンペルの1st。1971作
クラウス・シュルツとマニュエル・ゲッチングの二人を中心にしたサウンドは、
原初的な混沌と神秘的な暗さを有した、妖しいまでのスケール感がある。
TANGERINE DREAMを思わせるうっすらとしたシンセに、
ドカドカと手数の多いシュルツのドラムとゲッチングのギターが加わると、
フリーキーで呪術的な雰囲気とともに、サイケロックとしての生々しさが現れる。
19分、25分という2曲の大曲は、無秩序なフリーロック的でもありながら、
どことなく人間的な土着性が感じられて、不思議な緊張感に包まれている。
本作のみでシュルツは脱退、シンセを手にソロ活動へと移行してゆく。
サイケ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・8 総合・・8
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ASH RA TEMPEL「Schwingungen」
アシュ・ラ・テンペルの2nd。1972作
シュルツの脱退とともに、ゲストを迎えて制作された本作は、
前作のアヴァンギャルドさがやや薄まり、比較的聴きやすい歌入りの曲で始まる。
2曲目からは前作の延長の混沌としたフリーキーなサイケロックになるが、
得体の知れない勢いは薄れており、叫びたてるヴォーカルとともに
アヴァンギャルドなサウンドはやや形式化されてしまっている気がする。
ゲッチングのギターはむしろ普遍的なフレーズを弾いていて、
この方向性での限界を感じていったこともうなずける。
サイケ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・7 総合・・7
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B
BONFIRE「BONFIRE GOES BANANAS」
オランダのメロディアスプログレバンド、ボンファイアーのアルバム。1975作。
本作1枚みを残して消えたが、そのサウンドはオランダらしい情熱的なメロディアスロックである。
同郷の名バンドFINCHをややジャジーにしたとの印象もあり、
やや荒削りな部分もあるが叙情性も伴ったなかなかの好作品。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ジャズロック度・・7 総合・・7
C
CAN「TAGO MAGO」

ジャーマンロックバンド、カンの3rd。1971作
様々な音楽をひとつの「缶」にぶち込むというコンセプトが名前の由来らしい。
当時ヨーロッパを放浪中のダモ鈴木をド素人ながらヴォーカルに据えるのも、
このバンドだからこそできたことだろう。本作はLP時代は2枚組の大作ながら、
サウンドは壮大なものではなく、荒々しさの残るフリーなガレージロックだ。
セッション録音の生々しさを感じさせる音は、方向性や楽曲うんぬんといった論議を
軽々と吹き飛ばし、好き勝手な演奏をしたら凄いのが出来た…というものだ。
ダモ鈴木の日本語を使ったいい加減なヴォーカルも、どこか味があって許せてしまう。
演奏陣はドラムをはじめとしてテクニックがあり、即興であってもそう散漫な音ではない。
アヴァンギャルド過ぎる後半はさすがに聴き疲れてくるが…
アヴァンギャル度・・8 ロック度・・8 幻想度・・2 総合・・8
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CAN「Ege Bamyasi」

ジャーマンロックバンド、カンの4th。1972/2005作(SACD)
前作のガレージロック的な破天荒さを徐々に聴きやすく収束させてゆく過渡期の、
いわば、次作「FUTURE DAYS」へとつながるような作品。
ダモ鈴木の適当なヴォーカルも相変わらずいい味を出しているが、
バックの演奏が荒々しさよりも、むしろ自然体で軽妙なスタイルなので、
それに合わせてかやや控えめな感じもする。うるさくない分聞き流せるような音だ。
そしてSACDのおかげだろうが、ドラムをはじめ楽器の生っぽさがとても気持ちいい。
メロディアス度・・6 プログレ度・・7 ガレージロック度・・7 総合・・7.5
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CAN「FUTURE DAYS」

カンの5th。1973作
一般的には最高作とされ、とても聴きやすいアルバム。
ほんわりとした意外なほどに美しいシンセに、適度にロックしていながらも
3rdの頃のようなガレージ色は抑え目で、耳心地がよいまとまった演奏を聴かせる。
ポストロック的な内的広がりを描くこのサウンドでは、ダモ鈴木の歌声もおとなしめで、
これを最後にバンドを去ることになったというのも、ある意味うなずける。
即興性よりも構築へ近づいた本作は、プログレとして普通に楽しめるものになっている。
ジャーマンロックの混沌がどうも苦手という方にも勧められる作品だ。
アヴァンギャル度・・6 ロック度・・7 幻想度・・8 総合・・8
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CIRCUS 「MOVIN' ON」
スイスのプログレバンド、サーカスの2nd。1977作
フルートとサックスが優雅に鳴り響くジャズロック的なサウンドは
さほど派手さはないが、軽快でテクニカルなアンサンブルが見事。
同じくスイスのISLANDなどにも通じる部分もあるが、こちらはもっと軽妙な質感で、
ヴォーカルで聴かせる分かりやすい質感もある。クラシカルな上品さを感じさせるところは、
チェンバーロック的でもあり、タイトル曲である22分の大作はとくに見事な出来だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
CLEPSYDRA「HOLOGRAM」
スイスのポンプ/シンフォニックロックバンド、クレプシドラの1st。1997作
日本盤発売にあたって新たにミックスをしたようで、実質的には1991年の録音とのこと。
音の方はかつてのPENDRAGONあたりにも通じるポンプロック的な軽快さと、
内省的な叙情性とを有した聴きやすいもので、ときおりメロウなフレーズを奏でるギターや
繊細なピアノ、キーボードがなかなか耳に心地よい。
2nd発表後、ギタリストのレレ・ホフマンは脱退しSHAKARYを結成。
バンドは新ギタリストを迎えメタル色を強めた3rdを発表した。
メロディアス度・・8 繊細度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
Cluster & Eno

ジャーマンエレクトロバンド、クラスターと、ブライアン・イーノのコラボ作。1977作
「ゾヴィゾーゾー」にてアンビエント・テクノの新たな地平に到達したClusterが
元Roxy MusicのBrian Enoとドッキングして作り上げた本作は、
まさにドイツとイギリスの融合という新たなシンセミュージックを作り上げた。
エレクトロ作品でありながら、自然との融和をはかるような静謐感と、
爽やかな風を思わせるエレピのつまびきに、耳心地よくまどろむことができる。
アンビエント度・・8 ロック度・・1 静謐度・・8 総合・・8
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CODA 「Sounds of Passion」

オランダのシンフォニックロックバンド、コーダのアルバム。1986作
長らく廃盤になっていたアルバムだが、2007年紙ジャケリマスターで再発
80年代を代表するシンフォニックロックの傑作と言われるアルバムながら、以前に聴いたときには
あまりピンとこなかった。しかし、あらためてじっくり聴いてみると、いくつものことに驚かされる。
まずは自主制作同然ながら、サウンドの質の高さ。それから、効果音の取り入れ方。
風の音やシンセによる効果音、それに語りなどが、有機的に曲の一部として機能しているのだ。
タイトル曲である29分の組曲の構成も、インストによる演奏をメインとしながら、
起伏に富んでいて、聴き込むごとにじわじわとプログレとしてのこだわりが随所に感じ取れる。
繊細なピアノに、美しいフルートなど、アコースティカルな部分もとても耳に優しい。
おそらくメンバーたちのマニアックな気質と、シンフォニックロックへの愛情が生み出した
奇跡的な作品なのだと思う。押しつけがましくない、大仰すぎないセンスもまた良しだ。
ボーナスのDisc2には、貴重なデモバージョンなどを63分も収録。こちらもファン必聴である。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 構成度・・9 総合・・8.5
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CODA「WHAT A SYMPHONY」
ポンプロック全盛の80年代「SOUNDS OF PASSION」という本格的シンフォニック作品で登場した
あのオランダのコーダが1996年に突如発表した2nd。CD2枚組。
メンバーはみな金持ちなのか、機材やメンバーも前作以上にゴージャスで
ゲストとしてソプラノ、アルトVo、ヴァイオリン、チェロ、サックス、アコーディオン、マリンバ、その他
という大勢の奏者を集めての大作となっていて聴き応え充分。
シリアスでクラシカルな部分は今でいうとAFTER CRYINGあたりに通じる部分もあるが、
一転、分かりやすいシンフォニック性が現れるとギターの奏でる哀愁ただようクサメロが心地よい。
アカデミックさの中にもキーボードの音などにプログレオヤジ的な愛情が感じられる点がマニア好み。
インナーには地元の市長のお墨付き推薦文なども添えられている。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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Cosmic Jokers「Galactic Supermarket」
マニュエル・ゴッチング、クラウス・シュルツェらによるセッションユニット、
コズミック・ジョーカーズのアルバム。1975作
Ash Ra Tempelのセッション版ともいうべきスタイルで結成され、これが3作目となる。
18分、19分という大曲2曲という構成で、即興をまじえた浮遊感のあるサイケロックを展開。
初期アシュラのアヴァンギャルドさに加え、スペイシーなシュルツェのシンセワークも合わさって、
かつてドラマーだったシュルツェがシンセになっての新しいAsh Ra Tempelという感触もある。
サイケ度・・8 アシュラ度・・8 スペイシー度・・8 総合・・7.5
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D
dAWN 「Loneliness」
スイスのシンフォニックロックバンド、ダウンの2007年作
メロトロンやハモンドが鳴り響くレトロなヴィンテージ色と薄暗い叙情美を聴かせるサウンド。
11分、17分という大曲も、繊細な感性に彩られたゆったりとした聴き心地で楽しめる。
初期GENESIS的な幻想性も感じられる雰囲気に、泣きのギターも入ってきて、
全体的にはインパクトは薄いものの、しっとりとしたメロウな気分で聴ける好作品。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
DRAGONFLY
スイスのプログレバンド、ドラゴンフライのアルバム。1981作
美しい点描のジャケや内容の素晴らしさで、マイナーながらも隠れた傑作とされている。
以前に聴いた時は、まあ悪くはないな…という程度の認識だったのだが、
今になって改めて聴きなおしてみると、これがえらく良かったりする。
まずこの手の単発ものにしては録音がよく、曲のアレンジが細かい。
ロックとしての躍動感とキャッチーなメロディセンスとが上手くまとめられていてとても聴きやすく、
大曲におけるシンフォニックな叙情もYESやGENESISあたりに引けをとらない。
陽性のセンスの良さでは、今でいうSPOCK'S BEARDあたりにも通じるところもある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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E
EARTH AND FIRE「3ORIGINALS」
オランダのプログレバンド、アース・アンド・ファイアの3rd〜5thのカップリングアルバム。
Disc1には、3rd「Atlantis」(1973)、4th「To the world of the future」(1975)、
Disc2には、5th「Gate to infinity」(1977)に加え、シングル曲などを多数収録。
泣きのギターで始まる3rd「Atlantis」は16分のタイトル組曲をメインに、
シンフォニックかつ叙情的に聴かせるバンドの最高傑作。
4thになると、楽曲にややポップな色合いが出てくるが、11分のタイトル曲など、
プログレ的なアプローチも充分健在で、美しいシンセワークにジャーネイ・カーグマンの歌唱が映える。
5thではさらに曲は短くコンパクトになり、落ち着いた大人のポップロックという雰囲気に。
ただメロディの美しさは変わらず、プログレとして考えなければ普通に楽しめる。
ともかくも、オランダを代表するメロディアス系として、聴くべきバンドのひとつである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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EDEN「HEIMKEHR」
ドイツのシンフォニックロックバンド、エデンの未発表曲集。1980作
78〜80年にかけて「Erwartung 」「Perelandra」という2枚のアルバムを残した。
そのサウンドは男女Voを配したたおやかなシンフォニックロックで、ドイツ産シンフォとしては
ANYONE'S DAUGHTERに匹敵するクオリティだった。
これは彼らの1st以前のマテリアルを集めたもので、上記の2作に比べるとやや荒削りで
完成度としては落ちるものの、随所にきらびやかなシンセによるクラシカルなテイストが聴かれ
そこに重なるドイツ語による美しい女性コーラスにはやはりうっとりする。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7
EELA CRAIG「SYMPHONIC ROCK」
オーストリアのシンフォニックロックバンド、イーラ・クレイグのアルバム。
1976年発表の2nd「ONE NITER」と、1977年の3rd「HATS OF GLASS」をカップリングしたもの。
EELA CRAIGといえば、この後の4th「MISSA UNIVERSALIS」が有名であるが、
この2nd、3rdの時点ですでに彼らの持ち味は確立、スペイシーなシンセを中心とした
ゆったりとたゆたうような質感のサウンドは、とてもヨーロピアンな情緒に満ちている。
静か目のパートがメインながら、時折泣きまくるギターも、いかにもドイツ圏のバンドらしい
ロマンティシズムに溢れていて、ここぞと楽曲を盛り上げている。
シンフォニック度・・8 スペイシー度・・8 しっとり繊細度・・9 総合・・7.5
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EKSEPTION「THE VERY BEST OF 」
後にTRACEを結成するリック・ヴァン・ダー・リンデンが在籍したエクセプションのベスト。
1968〜1973年の間に残した6枚のアルバムからの選曲。
鍵盤メインのクラシカルロックとしてはNICEやELPが代表格だが、
彼らはそれよりも大人しめで、クラシック曲のメロディアスさを強調している。
サックスの存在もあって、ジャズ色の濃いナンバーもあり、そのあたりが好みを分けるところか。
しかしクラシカルな曲でのたおやかな美しさは、むしろNICE以上のものがある。
オフィシャルサイトではバンドが今なお健在なのが分かる。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
EKSEPTION「GREATEST HITS Ekseption Classics」
オランダのクラシカルロックバンド、エクセプションのベスト。
こちらはクラシック曲ばかりを集めたアルバムで、ベートーベンやバッハなどの名曲を
バンドアレンジで演奏している。のっけからジャジャジャジャーン♪と“運命”ですよ(笑)
その後も聴いたことのあるクラシック曲が、ときにかろやかなピアノタッチで
ときに典雅なハープシコードで、ときにプログレ的なハモンドで、ドラマティックに演奏されてゆきます。
しかつめらしいクラシックファンからは罵声を浴びそうですが、自分は愉快で好きですね。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・9 キーボー度・・8 総合・・8
ELOY「COLOURS」

ドイツのプログレバンド、エロイのアルバム。1980作
ドイツのプログレ系バンドの中ではもっとも多作であり、1971年のデビューから20作ほども出しており、
これはおそらく8作目。このバンドはジャケが魅力的なものが多く、つい手を出してしまうが
中身は案外地味だったというパターンが多いのだが、そんな中、本作は彼らがシンセを多様し始めた時期の作品で、
厚みのあるシンフォニックなキーボードによるモダンなアレンジが見事な一作だ。
Voも含めて後期のANYONE'S DAUGHTERをさらに今風にしたような質感もあるが、
ドイツ特有の湿りけのある雰囲気もしっかりと感じられて、なかなかよろしい。
プログレとしてよりは、むしろキーボードを多用したハードロックとして聴いても
案外楽しめるかもしれない。リマスターにより音質も格段に向上している。
尚、このバンドの膨大なディスコグラフィーはこのページに載っている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 モダン度・・8 総合・・7.5
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EMTIDI「saat」
ドイツのサイケ・フォークバンド、エムティディのアルバム。1972作
邦題は「芽生えの時」。男女のデュオで、アコースティックギター、シンセの上に
たゆたうような女性Voが歌を乗せる。しっとりとした夢見心地のサウンド。
英国のサイケ、アシッドフォーク的な質感もあり、SPIROGYRAあたりにも通じるが、
こちらの方がよりロマンティックで儚げな雰囲気がする。
ジャーマン特有のシンセミュージック的な自由度と、たおやかなロマンが交差した素朴な作風だ。
シンフォニック度・・7 フォーク度・・7 夢見度・・9 総合・・7.5
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Eskalation
「different music for bassoon,wind synthesizer and sampled percussion」

ドイツのチェンバーロックユニット、エスカレーションのアルバム。2000作
バズーン、コントラバス、シンセを使いこなすステファン・コール氏による個人作で、
UNIVERS ZEROを思わせるダークめのクラシカルなチェンバーサウンドをやっている。
ゲストによるヴァイオリンもアクセントになっており、シンセと打ち込みによるリズムで
緊張感の表現としてはややあざといものの、モダンなセンスの良さも感じさせる。
むしろUZよりもシンフォニックでメリハリが分かりやすい音なので、
チェンバー初心者や若いリスナーにもアピールするかもしれない。
クラシカル度・・8 チェンバー度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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Eureka 「Shackleton's Voyage」
ドイツのマルチプレイヤー、Frank Bossertを中心にしたシンフォニックロックユニット、エウレカの2009年作
1914年、南極横断を目指す航海の途中で漂流の末に奇跡の生還を果たしたアイルランドの探検家、
アーネスト・シャクルトンの冒険をテーマにした作品。IONAのトロン・ドノックリー、RPWLのシンセ奏者らも参加。
雄大なシンセワークを中心に、随所にバグパイプなどによるケルティックなメロディを盛り込むあたりは、
どことなくMIKE OLDFIELD的であったりもする。楽曲自体はインストなのだが、曲間にナレーションを入れることで、
航海の記録的なシリアスさが生まれ、それぞれの曲ごとに描かれる場面を想像することができる。
ただ、派手さはなく、最後まで淡々と進むので、シンフォニックロックとしての盛り上がりにはやや欠けるか。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・7.5
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EVERON「Paradoxes」

ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの1st。1993作
きらきらとしたシンセワークにメロディアスなギター、キャッチーなヴォーカルで聴かせる
耳心地のよいシンフォニック・プログレサウンド。楽曲に難解さはまったくなく
いうなれはせ、カナダのSAGAをさらにまろやかに、メロウにしたという印象。
アルバムを重ねるごとにハードな重厚さを増してゆくが、キャッチーなプログレハードとしては本作が最高だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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EVERON「Flood」

ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの2nd。1995作
美麗なイントロから、哀愁を帯びた歌メロが始まり、ゆるやかに美しい展開美で聴かせる。
楽曲は前作以上にダイナミズムが増し、本格派のシンフォニックプログレとなった。
曲は5、6分台がメインで難解さはなく、キャッチーさとハードさのバランスも見事。
アメリカのMagellanなどと同じように、高品質シンフォニックハードのお手本のような一枚だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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EVERON「FANTASMA」
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの4th。2000作
このアルバムからギターが変わったらしいが、音の方は相変わらず聴きやすい、
プログレ・ハードで、シンフォニックかつ重厚にたたみかける1曲目からして耳を惹きつける。
やわらかみのある歌メロにしろ、華麗なキーボードアレンジにしろ非凡なものを持っているのだが、
全体を通して聴くと「これだ」という部分が意外に少ないのもこのバンドの特徴か。
メタルファン、プログレファンの両方にアピールする代わりに、私のような両刀聴きには
どっちつかずの音に聴こえなくもない。「いっそのこともっとメタルになったら?」とも思う。
5〜9にかけてのタイトル組曲はなかなかの力作。時折入るヴァイオリンが美しい。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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EVERON「BRIDGE」
ドイツのシンフォニックハードバンド、エヴェロンの5th。2002年作
地道に活動を続けるこのバンドだが、アルバム毎に聴かせる、高品質な完成度と
メロディアスでファンタジックなサウンドに比べて、知名度がさほど上がらないのが残念である。
これは次作「Flesh」と対をなすアルバムとなっていて、全体的に以前よりもややヘヴィな作風となっているが、
曲は5分前後のものがメインなので難解さはまったくなく、綺麗な歌メロやメロディアスなギターなど、
じつにドラマティックな雰囲気に包まれている。これならプログレが苦手というメタルリスナーでも聴けるだろう。
現時点でのバンドとしての最高作であり、これはいわば重厚なメロディックシンフォの傑作といってもいい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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EVERON「FLESH」
ドイツのシンフォニック・ハードバンド、エヴェロンの6th。2002作
サウンドは、重厚な1曲目以降はややおとなしい感じのしっとりとしたものが多く、
前作に続きヴァイオリンを効果的に用いたり、女性Voを導入したりとけっこう手が込んでいる。
4曲目の14分のタイトル曲は良いね。シンフォニックかつダイナミック、泣きのギター炸裂。
ただ毎回のことながら全体的に「あと一歩」感がどうしてもあるのは、単に私の好みのせいなのか?
「BRIDGE」に比べジャケが暗いのも売れ行きに関わるだろうね・・。
シンフォニック度・・8 メタル度・・6 楽曲・・7 総合・・7.5
EVERON「North」

ドイツのハード・プログレバンド、エヴェロンのアルバム。2008作
2002年の「Flesh」以来となる7作目。毎作質は高いものの、
どうしてもマニア好みのバンドに甘んじてきた地味さがあったが、
本作では4〜6分台の比較的コンパクトな楽曲で分かりやすい作風だ。
軽すぎず、重すぎずといったプログレハード的なバランス感覚と、
叙情的なメロディラインでシンフォニックに聴かせるサウンドは
相変わらず質が高く、プログレ好きのメタルリスナーなどにも対応。
ただし、やはりこれまで通り、楽曲に決定的なインパクトがないのも惜しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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F
Faust

ジャーマンロックバンド、ファウストの1st。1971年作
ヴュンメという町の廃校にコミューンを形成し、そこでレコーディングされた作品。
このバンドは、その特異な個性においてジャーマンロックの中でも謎多き存在だ。
テープの切り貼りでつなげられコラージュされた楽曲は、不思議な薄暗さをかもしだしつつも、
部分部分の演奏自体は決して難解なものでなく、案外感覚で聴いて楽しめる。
ドラムに乗せるギターと管楽器のフレーズはサイケロックとしてはむしろシンプルであるが、
効果音や意味不明の語りなど、予測のつかない曲の編集によって聴き手を不安にさせる。
ただ決してダイレクトに混沌を表現したものではなく、アヴァンギャルドさの中にも
作品としての整合感を覗かせており、それがある種の静謐感や美しさを作り出している。
今でいうところのポストロック的な内的壮大さもある。ジャーマンロックのひとつの金字塔だろう。
アヴァンギャル度・・10 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8.5
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Faust 「So Far」
ファウストの2nd。1972年作
1曲目はしごくシンプルで、前作よりもロックとしての演奏志向が増している。
2曲目はアコースティック。部分部分の切り貼りで長曲をなしていた1stに比べ、
今作では曲ごとに雰囲気の異なるテーマを聴かせるという作風になっている。
もちろん彼らの描こうとする得体のしれないビジョンと静謐な薄暗さは健在で、
シンセにトランペットが美しい3曲目などはポストロック的だ。
途中から曲調が変わりサイケでドラッギーな緊張感が現れるのがまた面白い。
前作が芸術作品ならこちらは混沌ロックといったところか。
アルバム後半の力の抜け具合はやや物足りないが、つかみ所のなさも味になっている。
アヴァンギャル度・・8 ロック度・・7 幻想度・・7 総合・・8
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FINCH「Glory of the inner force」

オランダのプログレバンド、フィンチの1st。1975年作
オランダを代表するプログレといえば、まずはFOCUSであるが、このFINCHもお忘れなく。
10分前後の4曲の大曲という構成で、クラシカルな美意識とテクニカルな構築に富んだサウンドで、
ヤン・アッカーマンにも決してひけをとらないヨープ・ヴァン・ニムヴェーゲンの巧みなギターと、
オルガンやメロトロンなどのシンセワークを中心に抜群のインストプログレを聴かせる。
泣きの叙情とダイナミックな表現力が合わさったギタープレイはじつに見事。2nd以降に比べると
荒々しい演奏だが、その分勢いがあって濃密。クラシカルなクサメロ炸裂のボーナス曲もGood。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 泣きのギター度・・8 総合・・8
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FINCH「Beyond Expression」

オランダのプログレバンド、フィンチの2nd。1976年作
20分、8分、14分という、さらなる大作志向を追求したアルバムで、
1stに比べるとサウンドがいくぶんソフィスティケイトされたという印象。
名手ヨープのメロウなギターフレーズを軸にした軽やかなサウンドを構築している。
フュージョン風味が加わったともいえるが、反面にロック的な荒々しいキダーも随所に効かせ
それがピアノ、オルガンなどの繊細な鍵盤ワークとコントラストを描いている。
大曲におけるリリカルな引きの叙情とダイナミックな高揚感のメリハリもついた傑作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 泣きのギター度・・8 総合・・8
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FINCH「Galleons Of Passion」

オランダのプログレバンド、フィンチの3rd。1977年作
バンドのラスト作であり、最高傑作ともされる本作は、前の2作よりも
ぐっとメロディの洗練度が増し、リリカルな美しさが全面に溢れている。
シンセとドラムが交替したこともあってか、これまでのロック的な情熱的な演奏から、
シンフォニックなフュージョンプログレ風のスタイリッシュな柔らかさに包まれている。
ヨープ・ヴァン・ニムヴェーゲンの泣きのギターはいっそう叙情的に奏でられ、
聴き手の涙腺を刺激する。まるでYesの“Your is no Disgrace”を思わせるラスト曲まで、
FOCUSの最高傑作にも匹敵するクオリティの高いアルバムだ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 泣きのギター度・・9 総合・・8.5
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FLAIRCK「LIVE IN AMSTERDAM」
オランダのアコースティックバンド、フレアークのライブアルバム。CD2枚組。1980作
そのアートな感性を前面に押し出した演奏で、アコースティックとはいえ
とてもプログレッシブな質感の作品を多く作り出し、現在も活動中のこのバンド。
これはバンドの顔であったフルート奏者、ピーター・ウィーカースが在籍した頃のライブ音源で、
基本はフルート、ヴァイオリン、アコギ×2という4人編成で演奏している。
アコースティック楽器でありながら、ときに恐るべき早弾きや曲芸的な演奏を繰り広げ、
フルートとヴァイオリンが縦横無尽に美しき音色を奏で、アコギの音色がそれを優しく包む。
上手いだけでなく、ゆったりとした楽曲での繊細な表現力もさすが。
アコースティックプログレ度・・9 繊細度・・9 技巧度・・8 総合・・8
FLAIRCK「THE CHILEAN CONCERTS」
オランダの技巧派アコースティック集団、フレアークのライブ。1995作
超人的演奏と同時に叙情性が同居し、そこに旅芸人的な奔放さを内包したサウンド。
アコギ、チェロ、フルートにパーカッション、コーラスも加え繰り出される躍動の芸術。
単なるトラッドの域には到底収まらぬその演奏は、全てのジャンルを超えている。
バンドはいまだに現役。孤高の音楽を創作し続ける。
メロディアス度・・8 大道芸人度・・10 演奏力・・10 総合・・9
FLAIRCK「Oeuvre」

オランダのアコースティカルプログレバンド、フレアークの22枚組みBOX。
彼らのCDは希少なものが多く、コンプリートは不可能…と思っていただけに、これは嬉しい。
さてさて、FLAIRCKはアコースティック楽器を超絶な技術で弾きこなす、
芸術性と大道芸人根性に溢れる、まるでサーカスのようなバンドです。
アコースティックギターに、ヴァイオリン、フルートなどによるアンサンブルはあまりに上手すぎて、
BGMのように聴き流すことも可能なくらいなめらかですが、よくよく聴くと唖然とする…という類。
とくに、超速吹きフルートを聴かせるPETER WEEKERSが脱退するまでの作品は
軽やかな中にも緊張感をたたえた、素晴らしき演奏のサーカスが堪能できます。
このBOXでしか聴けない、完全版のライブ音源などもあり、これは値段の安さも考えると
買わずにはおれない必携のセットかと。下手なプログレを聴くよりはよほど幸せになれます。
曲はバンドのオフィシャルサイトのディスコグラフィーにて試聴可能です。
メロディアス度・・8 アコースティカル度・・9 さらりと超絶演奏度・・10 総合・・9
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FLAMBOROUGH HEAD「UNSPOKEN WHISPER」
オランダのシンフォニックロックバンド、フラムポロウ・ヘッドの1st。1998作
2nd「DEFINING THE LEGACY」は新世代シンフォニックの傑作アルバムとなったが、
この1stの方も同様に、なかなか素晴らしいシンフォニックロックアルバムである。
まずなんといっても魅力なのは、ツインキーボードによる厚みのあるシンセ。
そしてそこに乗るデイブ・ギルモアの如きメロウギターフレージング。
大曲を中心とした、ゆったりとした楽曲はゆるやかに盛り上がってゆき、
聴き手をうっとりとさせながら、後に心地よい感触を残してくれる。
名作の2ndに比べればやはりまだメリハリの付けかたが甘いものの、
歌心のあるVoも含め、この手の「ゆったりシンフォ」としてはかなりの高品質。
シンフォニック度・・8 ゆったりメロウ度・・9 楽曲・・7 総合・・8
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FLAMBOROUGH HEAD「DEFINING THE LEGACY」
オランダ出身のシンフォニックバンド、フラムボロウヘッドの2nd。2000作。
基本はジェネシス的なシアトリカルでシリアスな壮大系シンフォニックサウンド。
90年代以降この手のバンドは各国から頻出しており、大半が過去の焼き増しか、
曲の質が付いていってないバンドばかりなのだが、それらに比してこのバンドのクオリティは凄い。
まず静と動の対比がダイナミック。そしてメロディセンスも抜群。泣きのパートは徹底的に叙情的。
ゆるやかなピアノ、メロウなギターフレージングで夢うつつ。一転、クライマックスでは大盛り上がり。
この吹っ切れは凄い。ここまでやったバンドは最近ではPENDRAGON意外には知らない。
ジャケ絵が無骨なのが惜しまれる。内容は完璧。分厚い音の洪水にうっとり。
シンフォニック度・・10 爽快度・・9 楽曲度・・8 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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FLAMBOROUGH HEAD「ONE FOR THE CROW」
オランダのシンフォニックバンド、フラムボロウ・ヘッドの3rd。2002作
最近の叙情系シンフォ作において、頭一つ抜けるくらいの泣きとメロディをもったバンド。
傑作であった前作に続く今作は、Voに女性を起用し、よりしっとりとした情感を描こうとしている。
前作にあったダイナミズムと楽曲のメリハリが若干減っているのが残念。
女性ヴォーカルの実力もさほどではないので、「歌で聴かせる」までには至っていない。
しかし曲の「引き」のリリカルな情感はやはり見事で、そこからゆるやかに盛り上げてゆく
センスなどはその辺のバンドとは比べ物にならない良さがある。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo・・7 総合・・8
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FLAMBOROUGH HEAD「TALES OF IMPERFECTION」
オランダのシンフォニックロックバンド、フラムボロウ・ヘッドの4th。
美しいキーボードにメロウなギター、たおやかなフルート、そして女性Voによる
ゆるやかシンフォニックサウンド。GENESISタイプの典型的なスタイルだが、
叙情性という点では昨今のバンドの中でも群を抜いており
テクニカルな部分よりはあくまでしっとりとした質感を大切にしている。
スリリングさは無いが、安心してゆったり聴けるシンフォサウンドだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Flamborough Head「Live in Buda Pest」
オランダのシンフォニックロックバンド、フランボロウ・ヘッドのライブアルバム。2007作
現在までにアルバムを4枚出し、その質の高い本格派シンフォニックサウンドで、
人気を博しているこのバンド。これはハンガリーのブダペストで行われた2007年のライブを収録。
ややもったりとしたリズムに乗る、メロウな泣きのギターとたおやかなフルートを、
美しいシンセが包み込む。女性ヴォーカルのやや垢抜けない歌声も含めて、
ローカルな味わいを感じさせる音は、テクニックよりもあくまで叙情志向。
メロトロンの音色とともにゆったりと聴かせるシンフォニックロックのライブである。
シンフォニック度・・8 ゆったり叙情度・・8 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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FLAMBOROUGH HEAD「Looking For John Maddock」

オランダのシンフォニックロックバンド、フランボロウ・ヘッドの2009年作
いまやオランダを代表するシンフォバンドとなったこのバンド、5作目となる本作は、
美しいフルートの音色に70年代風味のシンセワーク、アコースティックギターなどで
ゆったりと聴かせる繊細さが耳に優しい。もちろんGENESISルーツのメロウな泣きのギターと
ドラマティックな展開力も健在で、女性ヴォーカルの歌声とともに、優美でやわらかな
シンフォサウンドを聴かせてくれる。叙情性の点ではここ数作で最高の出来ですね。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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FLYTE 「Dawn Dancer」

オランダ、ベルギーの混合バンド、フライトのアルバム。1980作
のっけから演歌泣きのギターでつかみはOK。その後もCAMELを思わせる甘いメロディと
メロトロンやストリングスシンセなどがシンフォニックに彩りを添えるサウンドで、
ゆるやかなメロディに包まれた好作。ギタリストの奏でるフレーズには
SEBASTIAN HARDIEあたりを思わせる泣きがあるのもGood。
このアルバム1枚のみで消えたのが実に惜しいバンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 泣きメロ度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「IN AND OUT OF FOCUS」

オランダのプログレバンド、フォーカスの1st。1970作
デビューアルバムということで、後の作品よりはゆったりとした作風で、
牧歌的な質感にはどこかブリティッシュロック風の雰囲気も漂っている
「Moving Waves」や「V」に比べると確かにいくぶん地味ながら、
独自のクラシカルな雰囲気はすでにあり、ヤン・アッカーマンのギターの音色、
タイス・ファン・レアーのフルートなど、バンドとしての個性は存在している。
この後続いてゆく、バンド名を付けたインスト曲“Focus”もこれが最初の登場。
全体的にも力を抜いて聴ける、なかなかいいアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「MOVING WAVES」

オランダのプログレバンド、フォーカスの2nd。1971作
フォーカスの初期の代表作として名高い本作は、ハードロック的なギターで幕を開け
オルガンの音色とともに響きわたるヨーデルの歌声があまりにもインパクト大。
その“Hocus Pocus”をはじめ、タイスのフルートが美しい小曲“Janis”、
ヤン・アッカーマンの甘美なギタートーンが魅力的な“FocusU”
そして、23分を超える組曲“Eruption”と、聴きどころたっぷりの傑作アルバム。
個人的にはよりバンドとして脂の乗った次作「3」が最高傑作であるとは思うが、本作は
躍動するロック的な部分と、クラシカルな美意識が融合した個性的なサウンドの最初の成功である。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 ロックの躍動度・・8 総合・・8
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FOCUS「FOCUS 3」

オランダの名バンド、フォーカスの3rd。1972作
クラシックの素養をもつオルガン&フルート奏者タイス・ファン・レアーの作曲能力と
ジャズとロックのテクニックを兼ね揃えた名ギタリスト、ヤン・アッカーマンのセンスが合わさり
奇跡的な均衡をなしながら、クラシカルかつ躍動感のあるサウンドを作り続けたこのバンド。
本作は、アッカーマンのメロディアスなギターが光るキャッチーな名曲“SYLVIA”をはじめ、
たおやかな叙情で聴かせる“FOCUS V”、クラシカルとジャジーな要素が見事に融合した
大曲“ANSWERS? QUESTIONS! QUESTIONS? ANSWERS!”、“ANONYMUS U”など、聴きどころが多く、
67分間濃密な演奏がたっぷり楽しめる。タイスのピアノ、オルガン&フルートが美しい小曲も、
効果的に導入され、全体的に格調のあるクラシカルでメロディアスなアルバムとなっている。
一般的には2nd「MOVING WAVES」が名盤とされているが、内容の濃さでは本作が最高だろう。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 熱き演奏度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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FOCUS「AT THE RAINBOW」

オランダのプログレバンド、フォーカスのライブ作。1973作
叙情的な“FOCUSV”“FOCUSU”、シングルにもなった名曲“SYLVIA”に
組曲の“ERUPTION”等、彼らのベストなナンバーが絶品の演奏で楽しめる。
即興もまじえたアッカーマンのギターのセンスはやはり素晴らしく、
やわらかなハモンドの響きとともに、バンドとしての絶頂期を感じさせる。
リマスターで音質も向上。FOCUS入門用にも最適だろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ギター&ハモン度・・9総合・・8
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FOCUS「HAMBURGER CONCERTO」

オランダのプログレバンド、フォーカスの4作目。1974作
3作目の「FOCUS 3」でバンドとしての絶頂期を迎え、続くライブ作「AT THE RAINBOW」で、
オランダ最高のバンドという地位を不動のものにした彼らだが、この4th制作の時点では、
ギターのヤン・アッカーマンとバンドとの関係はどうも上手くいっていなかったらしい。
本作はのっけからリュートによる小曲で幕を上げるのも異色だが、全体的には「3」のような
荒々しい熱い演奏よりではなく、優雅でやや大人しめの雰囲気に包まれている。
一番の聴き所である20分のタイトル曲は、クラシカルかつシンフォニックな要素が強く
タイスの美しいフルートにオルガンワークなどを堪能できる見事な組曲だ。
逆にアッカーマンのギターはやや抑えぎみなのだが、むしろそれも本作の味になっている。
クラシカル度・・8 優雅度・・8 タイス>アッカーマン度・・9 総合・・8
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FOCUS「Ship of Memories」

オランダのプログレバンド、フォーカスの1976年作
オランダを代表する名バンドであるが、1972年の「FOCUS 3」を頂点に、
4作目の「HAMBURGER CONCERTO」以降は、しだいにリーダーであるタイス・ファン・レアーと
ヤン・アッカーマンの音楽的な相違が表面化し、1975年の「MOTHER FOCUS」を最後に
バンドは解散の道をたどることになる。本作は1973〜75年までの未発マテリアルを収録した作品であるが
単なるデモテイクというには、音楽的に魅力のある楽曲が多数。1曲めからして優雅なフルートの音色と
ジャジーでメロウなギターが合わさって、すでに唯一無二の輝きを放っている。いかにもデモテイク的な曲もあるが、
繊細なメロディの“FOCUS X”やアッカーマンのギターにうっとりの“Red Sky
at Night”など、聴きどころは多い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 意外と曲良い度・・8 総合・・7.5
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FOCUS「OUT OF FOCUS」
オランダの名バンド、フォーカスのライブブートCD。2枚組。
1972年のロンドンBBCスタジオでの音源に、DIAC2にはリーディングフェスティバルでの音源。
BBCの方は音質はとても良好で、代表曲である“FOCUSU”“FOCUSV”あたりに加え、
即興演奏的なプレイも聴けて、全盛期のバンドの勢いをそのまま感じられる。
ヤン・アッカーマンの叙情的なフレーズとロック的なノリを併せ持ったギタープレイに、
軽やかなタイスのオルガンとフルート、アルバム以上に手数の多いドラムなど、熱い演奏が楽しめる。
DIAC2の方はBBCに比べるといかにもブート的で音質もやや落ちるが、
演奏は素晴らしいので、バンドのファンであれば問題なく楽しめる内容だ。
ライブ演奏・・8 音質・・7 フォーカス好きなら買い度・・8 総合・・7.5
FOCUS「The Greatest Hits 」
オランダのプログレバンド、フォーカスのベストアルバム。2004作
オランダ最高のプログレバンドである彼らの代表曲をCD2枚に収録しているが、
正規のアルバム音源ではなく、ライブ音源が中心という少々変則的なベストアルバム。
Disc1はおそらく当時のライブ録音で、ハモンドとフルートが鳴り響くイントロで始まる
“Hocus Pocus”から、大作の“Hamburger Concerto”に“Focus”メドレーなどを収録。
往年の素晴らしき名演がたっぷり堪能できる。Disc2は近年のメンバーによるライブ音源。
“FocusT”から最新の“Z”までを含め、16分の大曲“Eruption”、“Sylvia”などを収録。
アッカーマン不在のためかつてのような勢いはないが、それでもファンなら充分楽しめる。
大人になった演奏に時の流れを感じるとともに、フォーカスというバンドの昔と今を感じられる。
メロディアス度・・8 演奏・・9 フォーカスの昔と今・・9 総合・・8
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FOCUS「Focus 8」

オランダのプログレバンド、フォーカスの8th。2003作
1曲目からヨーデルが炸裂し、あの頃のFOCUSが耳の奥に甦る。
タイス・ファン・レアーのフルートが鳴り響き、落ち着いたハモンドの音色が彩りを添える。
ヤン・アッカーマンはいないものの、このギタリストの実力もなかなかのもので違和感はない。
いくぶんモダンになり、さすがに往年のような大曲はないが、フォーカスサウンドは不変だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 うっとりフルート度・・9 総合・・8
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FOCUS「Focus 9/New Skin」

オランダのプログレバンド、フォーカスの9th。2006作
70年代、オランダプログレの代表格として活躍したバンドが、
2002年に「FOCUS 8」で復活、これはそれに続くアルバムとなる。
一聴して、なつかしさを感じさせるハモンドオルガンの音色と、かつてを思わせるメロディで
まるで70年代のフォーカスが戻ってきたような錯覚におちいる。
ヤン・アッカーマンはいないものの、ギタリストのフレーズにも泣きが満載で
タイスのフルートとヨーデル節も健在。クラシカルかつジャズ的なアンサンブルで聴かせつつ
全体的にはたおやかなしっとりとしたムードが漂う、全73分の力作は、
往年のフォーカスファンをしっかり涙させることだろう。
メロディアス度・・8 たおやか度・・8 フォーカス度・・9 総合・・8
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G
GANDALF「Into the Light」

オーストリアのアーティスト、ガンダルフのアルバム。1999/2005作
1980年代から、自然との調和を感じさせるヒーリング系のシンフォサウンドで
多くの作品を作り続けてきたアーティスト。最近の作品ではシンセを中心とした作風で
ますます環境音楽的な色合いを増してきているが、このあたりのアルバムではまだ
彼の奏でるギターの音色とともに、MIKE OLDFIELD的な音楽を聴くことができる。
アコースティックな12弦ギターの響きに、ゆるやかにシンセが重なり、
ときにフルートやパーカッションなどによる民族色もほのかに感じられる。
美しい森や湖などの自然が眼前に浮かぶような、雄大かつ優しい作品である。
シンフォニック度・・7 ロック度・・5 しっとりゆったり度・・9 総合・・8
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GANDALF「VISIONS 2001」
オーストリアのマルチミュージシャン、ガンダルフのアルバム。CD2枚組。2001作
このアルバムはガンダルフが活動20周年を記念して制作した特別な作品のようで、
1枚目のCDは自身の名前の由来ともなったトールキンの「指輪物語」をテーマにしたもので、
キーボード、ギターの他、チャランゴ(フォルクローレで使われる10弦の楽器)なども使用し
曲によってはゆるやかなシンフォニックトラッドとしても聴ける。
ギターの音色なども昔の彼に比べてこの20年でぐっと深みを増したように感じられる。
2枚目は過去のアルバム群から曲を集めた、集大成的なCDになっていて、
貴重なライブテイクのものなどもあり、彼の活動の精力的な様子を改めて知ることができる。
彼のサウンドの核は、おおまかにいうと、「自然との調和、融合」であり、
キーボード、ギターなどによる所謂シンフォニックロックとしての基盤をもちながら、
フルート等の生楽器を用い、素朴さと静寂の情緒を音に表現しているところにある。
そういう意味でロック、プログレというカテゴライズよりはむしろヒーリング系の音楽として
聴くべきなのだろう。暖かなユートピア思想と、川のせせらぎのような心地よいサウンドは
新世紀が始まってゆく今において、かつてよりも大きな意味を持って耳に響くかもしれない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・5 ヒーリング度・・10 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
GANDALF「Between Earth and Sky」

オーストリアのミュージシャン、ガンダルフのアルバム。2003作
80年代から、数多くの作品を作り続けているアーティストだが、近年の作品は
癒し系のシンセものが多く、アルバムとしてはインパクトに欠ける印象であった。
本作も美しいジャケのように、MIKE OLDFIELDを思わせる自然との融合感覚と、
Tangeline Dreamのような美しいシンセサウンドでしっとりと聴かせるもの。
やわらかなシンセやハープの音色に男女のスキャットヴォイス、そしてフルートが優しく鳴り響く。
これはまさに、スピリチュアルなヒーリング音楽ともいうべき癒しのサウンドである。
シンフォニック度・・8 しっとり度・・9 自然度・・9 総合・・8
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GANDALF「COLORS OF A NEW DAWN」

オーストリアのミュージシャン、ガンダルフのアルバム。2004作。
すでに何作めなのか見当もつかない。映画「ロード・オブ・ザ・リング」のヒットのおかげで
名が売れるようになったのかは分からないが、ここ数年でいっそう多作になっている気がする。
やわらかなシンセを響かせる、「ヒーリングシンフォ」といったサウンドは今回も変わらず、
そこにアコースティックギターがゆったりと鳴り響き、気付けばいつのまにか眠く……
…いやいや(^^;)、今作も大自然との調和のようなうっとり、しっとりとしたサウンドです。
シンフォニック度・・8 ゆるやかヒーリング度・・10 ロック度・・1 総合・・8
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GANDALF「Sacred River」
オーストリアのマルチミュージシャン、ガンダルフのアルバム。2006作
すでにキャリア20年以上の大ベテランで、アルバム数も相当であるはず。
そのシンフォニック系ヒーリング音楽ともいうべき、大自然との融合を思わせるサウンドは
さらなる円熟の境地にあり、今作でもその音楽的理想郷の追求を聴かせてくれる。
プログレ度は薄いが、ゆるやかなシンセとアコースティカルなギターをメインに、
美しくしっとりと、まさに川の流れのような広がりを感じさせるネイチャーシンフォ作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・5 ヒーリング度・・9 総合・・7.5
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Grobschnitt

ドイツのプログレバンド、グロープシュニットの1st。1972作
邦題は「冥府宮からの脱出」。昔このバンドの2ndを聴いたときは、
同じドイツのNOVALISやANYONE'S DAUGHTERなどに比べ
楽曲にまとまりのない粗さや少し下品な感じがダメだったのだが、
今このアルバムを聴くと、改めて彼らの素晴らしさがよく分かります。
13分、17分という2曲の大曲を軸にした本作は、シンフォニックというよりは
AMON DUULUなどにも通じるような壮大なビジョンと、展開に富んだ楽曲で、
過剰なまでにドラマティックであります。手数の多いドラムは無駄にカッコよく、
泣きのギターやオルガン、シンセによる叙情美もあって飽きさせません。
ツインギターも含めて音は厚く、演奏力も抜群。シアトリカルなヴォーカルも
やや暑苦しいながらもじつに濃密ですな。ボーナスには29分の大曲をライブ音源で収録。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5
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Grobschnitt「Ballermann」

ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの2nd。1974作
シアトリカルな語りで幕を開ける本作は、大道芸人的なコンセプトを感じさせる力作。
クセのあるヴォーカルがやや耳障りだが、演奏的には哀愁の叙情も入った泣きのギターに、
ハモンド、ムーグなどが加わって、後のシンフォニック路線へとつながるメロディアスな印象だ。
たとえば、フランスのANGEをハードにしたような作風であるが、濃密さではこちらが上。
とくに33分にもおよぶ“Solar-Music”組曲はドラマティックに聴かせる圧巻の大曲で、
ドイツらしいロマンティシズムを感じさせる叙情性が見事。1stと並んでバンドの代表作。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・8 シアトリカル度・・8 総合・・8
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Grobschnitt 「Jumbo」

ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの3rd。1975作
2ndまでの雑多な大仰さから、シンフォニック寄りの作風へと変化したアルバム。
メロトロンを含めた美しいシンセワークを中心に、コンセプト的な幻想性で聴かせつつ、
シアトリカルなヴォーカルとともに独特の濃密な作風は健在だ。
エロックのソリッドなドラムはやはり見事で、演奏においてはバンドの核をなしており、
きれいなだけのシンフォニック系バンドとはスケールの点でも一線を画している。
後半には同曲のドイツ語バージョンも収録。こちらも違った雰囲気で楽しめる。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Grobschnitt「Rockpommel's Land」

ドイツのプログレバンド、グローブシュニットの4th。1977作
なんとなくロジャー・ディーン風のファンタジックなジャケからそそるものがあるが
内容的にも彼らの作品中もっともシンフォニックロック的な作風となっている。
Yesを思わせる繊細なギターワークと美しいシンセが絡み、やわらかに歌が乗る。
そこにやはりドイツ特有の土臭さも含んで、ファンタジックなストーリーが広がってゆく感じは
このバンドならではの濃密な雰囲気だ。全4曲でラストは20分近い大曲。
2007年リマスター盤にはラストの大曲のライブ音源をボーナス収録。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8
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GROBSCHNITT「2008 Live 2010」

ドイツのプログレバンド、グローブシュニットのライブアルバム。2010年作
以前に出ていた「Live 2008」と「Live 2010」のCD2枚組カップリング盤で、
2008年のドイツ公演を収録したDisc1は、1985年のライブ盤に収録された40分を超える大曲、
“Sonnentanz”の2008年バージョンを中心に、ダイナミックなシンフォニックサウンドを繰り広げる。
70年代の大道芸人的な怪しい濃密さは薄れたが、キャッチーなメロディ感覚が強まったことで
ある種、「ドイツ版YES」というような聴きやすさが増している。Disc2の方は2009年のライブ音源で、
1977年の名作「Rockpommel's Land」から全曲を演奏、10分、20分を超えるドラマティックな大曲は
緩急のついた構成が光る素晴らしいもの。ジャケのようなシアトリカルなステージングを映像で見てみたくなる。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 ドイツ度・・8 総合・・8
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H
HARMONIA 「DELUXE」
ドイツのエレクトロ系バンド、ハルモニアの2nd。1975作
このHARMONIA、メンバー的にはCLUSTERとNEU !(ノイ)の合体バンドで、
そこにGURU GURUのドラムが加わっているという形態のようです。
サウンドとしては、シンセメインのゆったり系音楽。ジャーマンエレクトロ系の中でも
アンビエント方面の要素と適度なロック色が合わさったクオリティの高い作品です。
メロディアス度・・7 ロック度・・5 ゆったりシンセ度・・9 総合・・7.5
HIGH WHEEL「Remember The Colours」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールの1st。1994作
ドイツでは珍しい現役のシンフォ系バンド。EVERONがややハードエッジなタイプなのに対し
こちらは正統派のGENESIS〜MARILLION系のサウンドといえる。
やわらかなキーボードに、メロウなギター、そこにやや牧歌的な歌メロが乗ると、
どことなく田舎臭さのある、ぼんやりとしたメロディアスシンフォとなる。
10分以上の大曲もいくつかあるが、展開力や演奏を聴かせるというよりは、
もわっとした感じの曖昧さが音にあり、そこが退屈に感じるとダメかもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 もわっと度・・8 総合・・7
High Wheel 「Back From The Void」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールの2001年作。
おそらくこれが4作目で、以前に聴いた2作目はさして印象に残らなかったのだが、
本作は12分、31分という大曲の入ったなかなかの力作。キャッチーなヴォーカルメロディと
いくぶんヘヴィなギター、どこかとぼけた味わいのシンセワークと、よくよく聴くと案外個性的で、
GENTLE GIANTルーツのひねくれた雰囲気などもあって、むしろアメリカのバンドに近い雰囲気。
そして31分の大曲は、起伏に富んだ先の読めない展開で、フルートなどの叙情性に
オルガンも含めたレトロなシンセワークで聴かせる、ある種壮大なハードシンフォニック。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ひねくれ度・・8 総合・・8
HIGH WHEEL「Live Before the Storm」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ハイ・ホエールのライブアルバム。2006作
知名度は高くないがバンド歴は優に10年を超え、ドイツではEVERONとともに
ハードシンフォニックの中堅バンドといっていいだろう。
ドイツ版PENDRAGONという感じのメロディックなシンフォサウンドに、
年季を感じさせるライブ演奏は、ハードエッジな部分と、たおやかなフルートなどによる
ゆったりとした美しいパートが合わさった、なかなかドラマティックなもの。
CD2枚組で14分〜26分という大曲もスムーズに聴かせるだけの実力はあるが、
楽曲のインパクトや突き抜けるまでの叙情まではもうひとつといったところ。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
HOELDERLIN「Hoelderlin」

ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの2nd。1975作
1stは女性Vo入りのアシッドフォーク風だったが、緊張感のあるピアノから始まる本作は
クラシカルなテイストのあるシンフォニックロックとなっている。
美しいシンセにヴァイオリンが絡み、やや土着的なパーカッションが加わって、
サイケロック的な質感と優しいフォーク風味を混ぜこんだような独特の味がある。
アコースティックギターとフルートの絡む美しさには、詩的な繊細さがあり
詩人ヘルダーリンの名をバンド名にしているのがうなずける。ロマン溢れるサウンドだ。
2007年リマスター盤には、ボーナストラックにラストの大曲のライブ音源を収録。
シンフォニック度・・7 繊細度・・8 幻想度・・8 総合・・7.5
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HOELDERLIN「Clown & Clouds」

ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの3rd。1976作
アシッドフォーク風だった1stから、2ndではいくぶんシンフォニック色を増し、続く本作も
淡い水彩ジャケの美しさとともに、その延長上にあるメロディアスな作品になっている。
艶やかなヴァイオリンの音色とともに、牧歌的な歌声でのんびりと聴かせるサウンドは、
ソフトなファンタジーロックという趣であるが、アルバム後半ではインストをメインに
ほの暗く幻想的な静謐感をただよわせながら、クラシカルなプログレを展開している。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・8 総合・7.5
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HOELDERLIN「Rare Birds」

ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンの4th。1977作
美しいジャケが印象的だが、サウンドの方はポップな質感が増していて、
やわらかみのある牧歌的なメロディアスロックという雰囲気だ。
曲は6〜8分と、このタイプのサウンドにしてはコンパクトさに欠け、やや間延びした印象。
ポップだが売れセンを狙いきれていない…というもどかしさを感じる。かと思うと、
後半にはプログレっぽい曲もあって、バンドの方向性を模索しているような感じのアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・7
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HOELDERLIN「EIGHT」

ドイツのプログレバンド、ヘルダーリンのアルバム。2007作
1972年から1981年までに6枚のアルバムを出したバンドの復活作、
本作のタイトルは、ライブ盤を含めると8作目になるということなのだろうか。
サウンド的には新たに加わった女性ヴォーカルのしっとりとした歌声で聴かせる
フォーク・プログレといった趣で、かつての面影はほとんどないが、これはこれで悪くない。
アコースティカルな部分とシンセ入りのシンフォニックさが程良く溶け込み、
聴きようによっては北欧のWHITE WILLOWのような薄暗く幽玄な雰囲気もある。
笛やヴァイオリンの音色などがフォーキーで土着的な質感をかもしだしつつも、
モダンなアレンジがされた楽曲には古めかしさはない。いい意味で期待を裏切られた好作。
シンフォニック度・・7 幽玄度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Holger Czukay「Good Morning Story」
元CANのメンバー、ホルガー・シューカイの1999年作
テクノ、トランス的なリズムと独自の浮遊感、サンプラーを使いながらも
完全にデジタルな音になるのではなく、ロック的な質感も残しているのが絶妙。
20分の大曲などはklaus Schulzeにも通じる静謐なシンセサウンドを聴かせる。
メロディアス度・・7 ロック度・・6 トランス度・・8 総合・・7.5
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I
ICE「THE SAGA」

オランダのシンフォニックロックバンド、アイスのアルバム。2005作
かつてMARYSONというバンドで活動していたメンバーによる新バンドで、
イントロに続くのっけからきらびやかなハードシンフォニックサウンドが全快。
基本はGENESIS以降のメロディック作だが、そこにAYREONあたりに通じるドラマティックさと、
現代シンフォのきらびやかさとキャッチーさを付加したような雰囲気で、序盤からぐいぐい聴かせる。
Voもガブリエルかコリンズかという声質で、その筋のファンならにやりとするだろう。
コンセプト作ということで中盤はゆったりとした曲も入りややまったりとなるが
最近の正統派シンフォ系の中ではこれはかなりの出来だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Ines「Eastern Dawning」
ドイツの女性シンセ奏者、イネスの2作目。1996年作
繊細なシンセワークとメロディアなギターを中心に聴かせるシンフォ作。
男性ヴォーカルをメインにしつつも、女性コーラスなども入ってきて
ゆるやかでキャッチーな叙情が耳に優しいサウンドだ。
牧歌的なアコースティカルな要素とモダンなシンフォニック感覚が同居した好作。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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INES「THE FLOW」
ドイツのキーボード奏者イネスの3作目
ジャケからはどう見ても女性Voものとか思えないが、Voは男性でイネスは作曲とKey演奏のみ。
1st、2ndもポンプ&シンフォニックの現代風アレンジ、というなかなか高品質な出来だったが、
シリアスさと、ポップ性、ロック性とのバランスが不完全で未統合だった印象がある。
しかし今作ではなにかがふっきれたのか、コンパクトな楽曲はメロディ中心で分かりやすく、
キャッチーな聴きやすさとシンフォニック性の同居に成功している。。
パーカッションなどの民族色も濃すぎない範囲で絶妙だし、総じて爽やかな耳に心地よいサウンドだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ポップ度・・8 総合・・7.5
IVORY「sad cypress」
ドイツのシンフォニックロックバンド、アイボリーのアルバム。1980作
Zommerlatte親子を中心に作られたこの作品は、80年代ドイツの隠れた傑作としても知られる。
サウンドの方はあまり派手ではなく、落ち着いた感じの大人のシンフォニックロック。
ギターにしろシンセにしろ前に出すぎることなく、ゆるやかなメロディをつむいでしっとりと聴かせる。
このアルバム録音時にすでに60歳を過ぎていたZommerlatte父のクラシックの確かな素養もあってか
全体的にマイナー臭くはあるものの、楽曲のアレンジ、構成にそこはかとない説得力もある。
80年代ドイツのシンフォとしてはAMENOPHISなどとともに聴くに値する作品だろう。
ボーナスには1983、1987年のマテリアルが30分も収録されている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 しっとり大人のシンフォ度・・8 総合・・7.5
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K
KAYAK「SEE SEE THE SUN」

オランダのメロディアスロックバンド、カヤックの1st。1973作
今やオランダ最高のプログレ/シンフォニックバンドとして広く認知されている彼らだが、
これが記念すべきデビュー作。後のアルバムのようなコンパクトなスタイリッシュさよりも、
どことなく北欧シンフォ的な質感のメロウなギターフレーズや美しいピアノなどは、
いかにも70年代シンフォニックの音像で、やや古めかしいながらもこれが楽しめる。
もちろん彼ららしいキャッチーな歌メロも聴かせてくれるが、これが80年代に入って
ポップ化してゆくことを考えると、シンフォニックロックとしての出来は本作が一番かもしれない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAK「KAYAK」

オランダのメロディアス・プログレバンド、カヤックの2nd。1974作
1stに比べて曲がコンパクトになり、メロディはよりキャッチーになっているが、
しっとりとしたピアノやストリングスなどによるシンフォニック性も残っていて
アルバムとしての出来には遜色がない。9分の大曲も聴きどころとなっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK「Royal Bed Bouncer」

カヤックの3rd。1975作
一聴してキャッチーな勢いが増していて、3、4分の曲を中心に
爽快に聴かせるメロディックロックといった趣である。
ピアノの音色でしっとりと聴かせる曲や、泣きのギターも効果的に入ってきたりと
よりメリハリの効かせた楽曲が光る。プログレ的な質感は薄まったが、
分かりやすさが増した分、一般のロックリスナーなどにも受け入れられる作品だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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KAYAK「The Last Encore」
オランダのメロディアス・プログレバンド、カヤックの4th。1976年作
曲は2〜4分台とよりシンプルになり、歌もの的な色合いが増しているが、
カヤック節ともいうべきやわらかなメロディラインはいよいよ本領発揮。
美しいピアノ、シンセと、コーラスによるしっとりとした曲も耳心地がよく、
次作以後のポップな作品への架け橋的なアルバムと言えるだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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KAYAK「Starlight Dancer」

オランダのプログレバンド、カヤックの5th。1977年作
単体としては初CD化となる。サウンドは初期のプログレ路線からよりキャッチーになり、
QUEENにも通じるようなやわらかなメロディとコーラスハーモニーが聴き心地よい。
タイトル曲や“Irene”での叙情性はヨーロピアンなシンフォニックの感触で、
メロウなギターのフレーズなどはいかにもオランダらしい。曲は2〜4分台とシンプルで、
プログレハード的な明快さは万人向けといえる。現在のKAYAK節が確立した中期の好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK「PHANTOM OF THE NIGHT」

オランダのプログレバンド、カヤックの6th。1978年作
単体としては、前作「Starlight Dancer」とともに初CD化となる。
キャッチーなメロディック路線はより洗練されてきており、
やわらかなヴォーカルメロディと、シンセによる美しいアレンジ、
ポップでありながらも泣きもあるというバランス感覚は、まさに現在まで続く
KAYAKサウンドの完成形というべきものだろう。中期の代表作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
KAYAK 「Merlin」

オランダのメロディックロックバンド、カヤックの8th。1981作
日本ではプログレ、シンフォニックファンからの人気が高いバンドだが、
本国やヨーロッパではポップなメロディックロックとして長く支持されている。
今作は70年代からの活動に一区切りをつけるアルバムで、
「アーサー王伝説」をテーマにしたコンセプト作。とはいっても難解さはなく、
キャッチーなメロディで聴かせる良質のプログレハードであり、
やわらかなコーラスワークに、美しいピアノ、シンセワークなどが素晴らしい。
バンドはこの後、2000年に復活し、2003年には本作の完全版となる作品を発表する。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAK「Eyewitness」

カヤックの9th。1981作
スタジオライブにより過去曲を再現した変則的なアルバムで、
本作を最後に、2000年の復活までバンドは長い休止状態に入るのだが、
アルバム「Starlight Dancer」、「Phantom Of The Night」からの曲を中心に、
ポップ性とメロディアスな叙情を併せた、さすがという演奏を聴かせてくれる。
80年代の産業ロック的なキャッチーなプログレハード質感を漂わせながら、
CAMELばりの泣きを聴かせる“Irene”や、ドラマティックな名曲“Starlight Dancer”なども
オリジナル以上に見事な出来で、バンドとしての成熟度を感じさせる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・8
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KAYAK「Close to the Fire」

オランダのメロディック・プログレバンド、カヤックの2000年作
70年代から活動し、そのキャッチーでやわらかなメロディセンスで人気を博したが、
80年代に入り活動を停止。本作は約20年ぶりとなった彼らの復活作だ。
かつてを思わせるメロディセンスと、シンフォニックな壮麗さのバランスがとれた傑作。
この後、「NIGHT VISION」、「MERLIN-BARD OF THE UNSEEN」と
順調にアルバムを発表してゆくが、復活後の入門作として本作が最適だろう。
彼ららしいメロディとしっとりとした叙情の詰まったサウンドを、たっぷり13曲楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 カヤック度・・9 総合・・8
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KAYAK「CHANCE FOR LIVE TIME」
オランダのメロディックロックバンド、カヤックのライブアルバム。CD2枚組
70年代から活動し、1981年の「EYEWITNESS」を最後にいったん解散したが、
2000年になってアルバム「CLOSE TO THE FIRE」をひっさげて再結成。
翌2001年には「NIGHT VISION」を続けて発表するなど精力的に活動。
そして2003年にはシンフォニックな傑作「MERLIN」の完全版を作り上げた。
このライブアルバムは「CLOSE TO THE FIRE」のツアーでの音源で、
70年代のアルバムからも選曲されており、往年のファンにも楽しめる内容となっている。
難解なところのまったくない、メロディと聴きやすさにこだわった楽曲群は、
古めかしさを感じさせず、良質のメロディックロックとして耳になじむ。
キャッチーさとポップセンスとを兼ね揃えたバンドとして、昔も今も変わらず価値ある存在であろう。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 楽曲度・・8 総合・・7.5
KAYAK「NIGHT VISION」
オランダのメロディック・シンフォニック・ロックバンド、カヤックの再結成二作目。2001作
前作「CLOSE TO THE FIRE」で見事に復活をとげたこのバンド、
それに続く今作も同様にメロディック、シンフォニックロックの好作だ。
このバンドの場合「プログレ」とういうよりは、やはり「メロディックロック(ポップ)」と言うのが適当だろう。
同じオランダのVALENTAINにも通じるような、やわらかなポップフィーリングが存在し、
そこに大人の洒落た感覚を混在させて、70年代的キーボードワークで味付けした、という感じ。
「落ち着き過ぎ」なのが退屈な部分もあるが安心して聴ける一枚だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ポップ度・・7 総合・・7.5
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KAYAK「MERLIN-BARD OF THE UNSEEN」
オランダのメロディアス(プログレ)ロックバンド、カヤックの復活後の3作目。2003作
なんと今回は彼らが1981年に発表した「マーリン」の続編、というか完全版(?)となっている。
ポップでキャッチーなアルバムが多いなか、私自身このバンドの異色作にして最高作は
「MERLIN」に他ならない、思っていたので、その再録版が聴けるとは。とても興奮。
タイトル通りアーサー王伝説をコンセプトにしたものだが、もともとはアナログのA面のみ
だった楽曲を今回は新たに曲を書き起こし、全70分の作品に仕上げている。
そういえばメンバーは同郷のシンフォニックプロジェクトAYREONなどにも参加したことがあり、
そうしたシリアス系のコンセプト作に触発されたのかどうか、内容も妥協のないものになっている。
元曲のイメージを崩さぬままに、効果的な女性Voやキーボードの重ね
それにオーケストラも加わり、優雅にしてメロディアス、そして壮大な世界観を描いている。
もちろんメロディには彼ららしい人懐こさがあり、難解さよりは爽快さが前にでて聴きやすい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 壮大度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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KAYAK「NOSTRADAMUS-THE FATE OF MAN」
オランダのメロディック/シンフォニックロックバンド、カヤックのアルバム。2005作
再結成以降順調にアルバムを発表し、これが4作目となる。
今回はCD2枚組みの大作で、テーマはノストラダムス。
やや時期外れな気もするが、サウンドの方はいつものメロディアスなカヤック節。
時にシンフォニックにシリアスに盛り上がりつつも、キャッチーでやわらかなメロディが聴きやすい。
配役ごとに男女Voを配するこだわり方はAYREONあたりとも同様。
全体的にスリリングな要素は希薄だが、安心して楽しめるシンフォニック作だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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KAYAK「Coming Up for Air」

オランダのシンフォニックロックバンド、カヤックのアルバム。2008作
2000年の復活以降、順調にアルバムを発表し続け、そのどれもが充実の内容であったが、
本作も実に見事なアルバムだ。美しいシンセワークとメロディは、もはやカヤック節ともいうべき
耳心地のよいもので、シンフォニック性とキャッチーさのバランスは職人の域である。
そこに乗るハスキーな女性ヴォーカルの歌声もサウンドにマッチしていて、
いくぶんモダンになった楽曲アレンジとともに、いわばお洒落な風情をかもしだしている。
もちろん、従来のKAYAKらしい繊細なメロディック曲もあり、男女Voの使い分けが
サウンドの幅をより広げている印象だ。買って損なしの安心、充実のクオリティ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲・・9 総合・・8.5
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KAYAK「Letters from Utopia」

オランダのプログレバンド、カヤックのアルバム。2009作
2000年の復活以降は、順調な活動で毎作質の高いアルバムを聴かせてくれるこのバンド、
今作は2005年の「NOSTRADAMUS」以来となる2枚組みのアルバムとなっている。
Disc1は比較的キャッチーなナンバーが多く、男女ヴォーカルの歌声と、繊細なシンセワークとともに
彼らの持ち味であるポップセンスが発揮されたメロディアスでコンパクトなサウンドが楽しめる。
Disc2は、ややシリアスな雰囲気となっていて、シンフォニックな美しさとドラマティックさで聴かせる、
かつての「Starlight Dancer」のナンバーを思わせるような曲もあり、往年のファンも満足だろう。
35年もの歴史を誇るオランダ随一のメロディックロックバンド。その質の高さはやはり折り紙付きだ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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KAYAK「Anywhere But Here」

オランダのプログレバンド、カヤックの2011年作
2000年の復活以降コンスタントに活動を続け、本作はそこから数えて7作目となる。
美しいシンセワークと男女ヴォーカルの歌声で、メロディックに聴かせるサウンドは健在で、
3〜4分大の曲を中心にしたシンプルな味わいのプログレハードが楽しめる。
キャッチーながらも欧州的な哀愁を含んだKAYAK節ともいうべきメロディは
デビューから40年近く過ぎても変わらない。愛すべき叙情ロック作品です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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「Somateria Spectas」

オランダのシンフォニックロックバンド、キング・エイダーのアルバム。2005作
北極圏に生息するケワタガモをテーマにしたコンセプトアルバムで
メロウなギターワークと美しいシンセでゆったりと聴かせるシンストメインのシンフォ作。
CAMELを思わせる繊細な美意識と、ときにThe Flower Kingsあたりにも通じる
ギターによる涼やかな叙情メロディが素晴らしい。ときどきヴォーカルも入るが、
GANDALFなどを思わせるゆるやかな自然描写が耳に心地よく、インストだけでもイケる。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 自然派シンフォ度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Irrlicht」

ジャーマン・シンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの1st。1972作
元はTANGERINE DREAM〜ASH RA TEMPELのドラマーであったクラウス・シュルツが
シンセによる多重録音でここまでの世界を作り上げたのは驚嘆すべきことだ。
POPOL VUHの初期作という手本はあったにせよ、自然との同調を目指したフリッケに対して
シュルツの世界観はあくまで深い闇に沈み込むような濃密な落下の感覚がある。
キリストの生誕をテーマにした本作は、シュツルがシンセに初めて触れてから
たった3週間後に作られたという作品ながら、すでに後のアルバムと同等の完成度を誇る。
どこまでも暗く、一条の光すらも見えない世界ながら、奥深い空間性を感じさせるサウンドには
シンセ楽器に無限の可能性を求めた、シュルツの内的志向の冒険心を感じとれる。
ここからジャーマンシンセミュージックの巨匠としての彼のキャリアが本格的にスタートする。
2006年リマスター盤には、24分におよぶ大曲がボーナスに追加されている。
暗黒度・・9ロック度・・0 幻想度・・10 総合・・9
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Klaus
Schulze「Cyborg」

ジャーマン・シンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの2nd。1973作
この後40年あまたりにわたって、アルバムを作り続けてゆくわけであるが、
本作の時点ではまだシーケンサーによるリズムは使っておらず、
1st「Irrlicht」の延長上の、シンセのみによる多重録音で聴かせる
20分以上の大曲4曲という構成。浮遊感と広がりを表現するような
スペイシーなシンセワークが素晴らしい。1st以上に音としての粒が立っていて、
電子楽器としての特性を活かした音響である。吸い込まれるような幻想性もある。
リマスター盤のボーナスには50分を超える大曲を収録。
暗黒度・・8 ロック度・・1 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Picture Music」

クラウス・シュルツの3rd。1974作
2枚組の大作「Cyborg」に続くアルバム。本作からシンセによる
シーケンサー的なリズム感覚を取り入れ、後のテクノなどに通じる使用法を確立する。
うっすらとしたシンセと、そのバックにパーカッション的なシンセがデジタリィに重なり
薄暗さの中にもリズムとしての存在が、作品を聴き安いものにしている。
旧A、B面全てを使った23分ずつという大曲志向は相変わらずだが、
2曲目“MENTAL DOOR”は、翳りの中にも温かみが感じられる美しい作風で、
後半はパーカッションとドラムが加わってロック的な質感が高まる。
2005年リマスター盤には、33分の大曲がボーナスに追加されている。
暗黒度・・8 ロック度・・5 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Blackdance」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの4th。1974作
シンセによる幻想的な音空間に、12弦ギターなども取り入れたアコースティックな質感もある。
同時期に発表された「Picture Music」がシーケンサーによるリズムを取り入れているのに対して
こちらは人間的な叙情が強いように感じる。17分、8分、22分とシュルツェにしてはコンパクトな楽曲の中に、
タイトルのような暗がりの中の躍動のようなイメージが凝縮されている。パーカッションの響きもどこか人間的で
ただシンセを重ねただけの作品にはない、肉感をともなった荒涼というべきものが鬼火のように浮かび上がる。
暗黒度・・8 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「Timewind」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツの5th。1975作
シュルツェの代表作として知られ、ワーグナーの死をテーマにした幻想的な傑作。
美しくも静謐感を漂わせたシンセミュージックで、その荒涼とした薄暗さは
1st「Irrlicht」にも通じる世界観があるが、シンセやシーケンサーの使用については
より計算された質の高さがあって、ぼやけた楽曲の中にも構築性のようなものが感じられる。
全2曲という構成も、深い闇の世界にいざなわれるような、壮大さを味わうにうってつけだ。
リマスター再発盤のボーナスディスクには本作の曲と同時期に収録された別テイク等を収録。
暗黒度・・8 ロック度・・2 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Moondawn」

クラウス・シュルツの6th。1976作
1stから本作まではどれもシュルツ黄金期の傑作と呼んでいいだろう。
シュルツの美麗なシンセワークとともに、元Wallensteinのドラマーが
シーケンサーのリズムと絶妙にリンクするドラムを叩くことで、
これまでシンセ一辺倒だったサウンドに奥行きを生み出している。
うっすらとしたシンセが永遠と続くかと思われた2曲目の中盤から、
ドラムが加わると、サウンドは荘厳なドラマティックさに包み込まれる。
リマスターに際し、25分のボーナスマテリアルを追加収録。
暗黒度・・7 ロック度・・6 幻想度・・9 総合・・8.5
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Klaus Schulze「Mirage」

クラウス・シュルツの7th。1977作
初期の作品に比べると暗黒性が薄れ、シンセの美しさが引き立ったアルバム。
28分、29分という長大な大曲2曲という構成は変わらないが、
幻想的なシンセの重なりは、かつての闇の世界から抜け出して
きらきらした音には光を思わせるような調和性が感じられるようになった。
暗黒シュルツェのファンにはやや物足りないかもしれないが、
むしろ一般向きには聴きやすい作品といっていいだろう。
暗黒度・・6 ロック度・・2 幻想度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「BODY LOVE VOL.2」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの8th。1977年作
映画のサントラとして作られた「ボディ・ラブ」の続編であるが、こちらはサントラではなく、
ジャケはエロティックながら、28分、14分、13分という大曲揃いのいつものシュルツェの作風。
シンフォニックといってもよい美しいシンセの重ねと、ドラムも入ったサウンドは、
初期の作品よりもむしろメロディの輪郭がはっきりしている分とっつき安いだろう。
シーケンサーのリズムが入るとテクノ的な質感も加わるが、幻想的な世界観もいくぶん残している。
同時期に出された「Mirage」の方が評価が高いようだが、本作も決して劣らない出来である。
シンフォニック度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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Klaus Schulze「X」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの1978年作
タイトルの「X」は10作目という意味であるようだ。CD2枚組で150分におよぶ大作で、
シーケンサーのリズムに乗る反復するシンセのフレーズが延々と続きながら、それが
しだいにゆるやかに変化してゆくという作風は、初期のような濃密なダークさはあまりない。
ぼんやりとしながら楽しむトランスミュージック的な聴き方ができる一方で、
生のドラムも入っているので、それがシンセとのいいアクセントになっている。
オーケストラも加わった雄大でクラシカルな美しさも素晴らしく、
包み込むようなシンセとともにうっすらとした幻想美が存分に味わえる力作だ。
暗黒度・・7 ロック度・・3 幻想度・・8 総合・・8
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Klaus Schulze「Dune」

ドイツのシンセ奏者、クラウス・シュルツェの1979年作
70年代シュルツェの作品はどれも素晴らしい名作ばかりであるが、本作もまた然り。
「砂の惑星」の名で知られる小説「デューン」をコンセプトにした作品で、30分のタイトル曲は
想像力をかきたてるSEのような音の連なりから、シンセの重ねによる荘厳で神秘的な
いつものシュルツェサウンドが広がってゆく。ストリングスなどの響きなどクラシカルな要素と
コンセプトのおかげだろうか、よりダイナミックに展開してゆくサウンドがまた素晴らしい。
26分の2曲目にはThe Crazy World〜Kingdom Comeのアーサー・ブラウンが参加、
シーケンサーによるリズムパターンとチェロの音色をバックに即興ぎみの歌を聴かせる。
前作「X」に勝るとも劣らぬ傑作といえるだろう。ボーナスに23分のライブテイクを収録。
荘厳度・・9 幻想度・・8 シンセ度・・9 総合・・8.5
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klaus Schulze「Dig It」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの1980年作
「アナログの死」をテーマに、初のデジタル機材で録音された作品。
コーラスなどのエフェクトにはデジタルな香りを漂わせているが、
全体的にはこれまでのシュルツェの作品とそう変わることはなく、
シンセの重ねによる静謐な雰囲気に、無機質なドラムが重なったサウンド。
以前のような荘厳さは薄れたものの、いくぶんモダンになった空気の中に、
もの悲しい情景が浮かび上がる。70年代から80年代への橋渡し的な作品といってよいだろう。
リマスター盤のボーナスDVDには貴重な1980年のライブ映像を収録。
シンセ度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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KNIGHT AREA「THE SUN ALSO RISES」

オランダのシンフォニックロックバンド、ナイト・エリアの1st。2004作
ここのところ良質のシンフォ勢頻出のオランダだが、また新たなバンドが登場。
ゆったりとしたメロウな泣きのギターにシンフォニックなキーボードという、
まったく類型的なサウンドではあるが、音のまとまりがよくなかなか心地よい。
聴き易くなったARENAという感じで、シリアスすぎず軽すぎず、ときにハードエッジな部分もあるので、
メタル畑メインのシンフォニックファンなどにも十分対応するだろう。
突き抜けた個性はないが、万人受けするシンフォニックロック作品といっていい。
しかし、ブックレットにはメンバーが11人も載っているが、誰がゲストで誰が正規メンバーなのかは不明。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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KNIGHT AREA「Under a New Sign」

オランダのシンフォニックロックバンド、ナイトエリアの2nd。2007作
デビュー作がオーソドックスなシンフォ作ながらなかなかのクオリティだったこのバンド、
メロトロンをバックにメロウなギターが鳴り響く感じは、まさに70年代のGENESISだし、
キャッチーな歌メロはYES的な部分もあり、前作よりもやわらかなサウンドになっている。
もったりとした古めかしさもあるが、あくまで泣きのメロディにこだわる姿勢は素晴らしい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 泣きメロ度・・9 総合・・8
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KNIGHT AREA「Realm of Shadows」

オランダのシンフォニックロックバンド、ナイト・エリアの3rd。2009作
過去2作もクオリティの高いアルバムで、一躍オランダのシーンのトップにきたか
という印象もあるこのバンド。本作も泣きの叙情をたっぷり聴かせる素晴らしい作品だ。
メロウなギターフレーズに美しいシンセが絡み、北欧のバンドを思わせるような
涼やかなシンフォニックロックサウンドで、あくまで王道の美学を貫いているのがよい。
楽曲自体にはさほど意外性はないが、安心して楽しめるドラマティックなアルバムだ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 王道シンフォ度・・9 総合・・8
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KNIGHT AREA「Nine Paths」

オランダのシンフォニックバンド、ナイト・エリアの2011年作
ヨーロッパの中でも、シンフォニック大国のひとつであるオランダの中でも
安定したクオリティのアルバム作りで、すでに中堅というべき存在のこのバンド。
4作目となる本作も、きらびやかなシンセワークとメロディックなギタートーンで、
じつに正統派のシンフォニックロックを聴かせてくれる。マイルドなヴォーカルの歌声と
ゆるやかな叙情パートから、ドラマティックに盛り上げてゆく。この安定感いうのは、
一時期のPENDRAGONを思わせる。意外性は少ないが安心して楽しめる高品質作だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 安心度・・9 総合・・8
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KRAFTWERK「AUTOBAHN」

ジャーマンエレクトロバンドの代表、クラフトワークの4th。1974作
クラシックを学ぶ二人の学生がエレクトロニクスを駆使した実験的な音楽を目指し結成された。
しかし初期作においては彼らの志向にまだテクノロジーが追いついておらず、
そのビジョンを明確に描き出すことに成功した最初のアルバムが本作だろう。
ジャケのイメージ通り、シンセ音を中心に高速道路の風景を音楽として描き出したサウンドは
後のテクノへとつながるデジタリィな感覚とともに、ギターやフルートの音色も使われており、
ほのぼのとした温かみをまだ残している。この後しだいにデジタルな無機質さを表面化させ
コンピューターロックというべきサウンドを作り上げてゆく彼らの、ひとつの分岐点というべき傑作だ。
シンセ度・・7 ほのぼの度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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KRAFTWERK「RADIO-ACTIVITY」

クラフトワークの5th。1976作。邦題は「放射能」
ラジオをテーマに飛び交う電波をイメージして作られたアルバム。
前作よりもシンセの音色に深みが増し、スケール感が高まった。
モーリス信号などを織り込みながら、薄暗くも美しいシンセの響きと
物憂げなヴォーカルが重なり、不思議と叙情的なサウンドを描き出している。
次作「ヨーロッパ特急」からはよりポップなエレクトロ色を増してゆくので、
個人的には、前作「アウトバーン」と本作こそがバンドの代表作だと思う。
シンセ度・・8 薄暗度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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L
Leap Day「Awaking the Muse」

オランダのシンフォニックロックユニット、リープ・デイの2010年作
FLAMBOROUGH HEADやKing Eiderなどのメンバーによるユニットで、
ツインキーボードによる美麗さとソフトな叙情性で聴かせるシンフォ作。
プログレハード的なキャッチーさと、古き良きプログレを思わせるシンセワーク、
ギターの泣きのメロディもよろしく、インパクトはないが安心して楽しめるサウンドだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 叙情度・・8 総合・8
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M
MANGROVE「TOUCH WOOD」
オランダのシンフォニックロックバンド、マングローブの2nd。2004作
やわらかみのあるメロディとゆったりした曲調のシンフォニックロック。
楽曲のメリハリやダイナミズムは薄く、音の緊張感に欠けるのがいかにもマイナー系で
これだという個性も薄いので、とくに長い曲になると、なかなかにつらいものがある。。
たゆたうような雰囲気は悪くはないので、もう少しこのディープな方向性を突き詰めてみるとよいかも。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・7
MARYSON「MASTER MAGICIAN 1」
オランダのキーボーディスト、マリソン率いるシンフォニックロックバンドの1st。1996作
ファンタジー物語のコンセプトらしく、アコースティックな小パートなどを織り交ぜたつながりのある進行で、
大仰に盛り上がるのではなくどちらかというと繊細でほのぼのしたシンフォニックロック。
たとえばPENDRAGONのナイーブでやさしい部分を抽出した感じ、といえばいいか。
同作の続編も聴いたが、伸びやかなギターメロディの煽情度ではこの1作目が上だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ファンタジー度・・9 総合・・7.5
Metamorphosis「Dark」
スイスのプログレバンド、メタモルフォシスの2009年作
渋みのあるヴォーカルとメロウなギター、うっすらとしたシンセで聴かせる、
PINK FLOYDなどの70年代風味にモダンな薄暗さを融合させたようなサウンド。
たとえば、英国のPALLASのようなハードプログレ風味とキャッチーさがあり、
ぱっと聴きの派手さは薄いものの、じっくりと楽しめる雰囲気の作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダンで薄暗度・・8 総合・・7.5
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N
NEU!

ジャーマンロックバンド、ノイの1st。1972作
ジャーマンロックは難解で…というリスナーにも気軽に楽しめる1枚。
KRAFTWERKに参加していた、ミヒャエル・ローターとクラウス・ディンガーにより結成。
ハンマービートと呼ばれるリズムからもテクノ方面の元祖として扱われるようだが、
テクノ=ピコピコという感じはまったくしない。むしろ人の手による暖かさも感じる。
反復するリズムの上に、ギターやシーケンサーなどによるフレーズの断片が乗り
テープのコラージュなどによるエフェクト処理などはFaustも使っていた手法だが、
この作品の場合は暗さや芸術性というよりは、むしろ遊び心と「こんなんやっちゃえ」的な
ノリがあるように思う。アヴァンギャルドな味わいもどこかとぼけた感じで楽しめる。
エレクトロ度・・7 アヴァンギャル度・・7 軽やか度・・8 総合・・8
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Neuschwanstein「Alice in Wonderland」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ノイシュヴァンシュタインの未発音源。2008作
1979年に唯一のアルバム「Battlement」を発表して消えたこのバンド、
本作はデビュー前の1976年の音源で、後のアルバム同様じつに美しい
シンフォニックロックをやっている。ドイツ語の語りから始まるところなどは
同郷のAnyone's Daughterを思わせるが、フルートなども含めてより繊細な
叙情美が光っている。未発音源なので録音はあまりよくはないが、
名作「Battlement」へとつながるバンドの美意識のきらめきを感じられる。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 音質・・7 総合・・7.5
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Nine Stones Close「Traces」
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイン・ストーンズ・クロースの2011年作
ギター、ヴォーカル、ベース、シンセという4人組で、メロウなギターにうっすらとしたシンセが重なる
叙情的なシンフォニックロック作品。10分、14分という大曲を軸に、ゆったりと聴かせるサウンドだ。
派手な盛り上がりや展開がないので、のんびりと楽しめるが、気の短い方には退屈かもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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NOVALIS「銀河飛行+1」

ドイツを代表するメロディアス派プログレバンド、ノヴァリスの2nd。1975作
シンフォ系の少なかった70年代のドイツで、GROBSCHNITTとともに活躍したこのバンド、
代表作としてはジャケットの美しい次作の「SOMMERABENT」が有名であるが
このアルバムも彼らのロマン主義的な哀愁とメロディが感じられる好盤。
とくに8分代のラスト2曲における叙情はいかにもドイツロマン派といった様相。
後のANYONE'S DAUGHTERに比べると、テクニック的には物足りないが、
その分素朴な味わいがある。ボーナストラックのライブ音源もなかなか素敵な演奏が聴ける。
メロディアス度・・7 素朴なシンフォ度・・8 ロマン度・・9 総合・・7.5
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NOVALIS「SOMMERABENT」
ドイツのロマン派シンフォニックロックバンド、ノヴァリスの3rd。1976作
ANYONE'S DAUGHTER以前のドイツのシンフォニックシーンでの代表格であるこのバンド、
その最高傑作とされているのが本作、かつての邦題は「過ぎ去りし夏の幻影」。
音の方もジャケット同様に、いかにもドイツらしいロマンティックなメロディを盛り込んだ
哀愁漂うシンフォニックロックで、9分、10分、18分の全3曲という構成もいかにも大作的。
メロウなギターに、うっすらとしたシンセワーク。技巧的な部分は少ないが、
秋から冬にかけてゆったりと楽しみたいような、そんな雰囲気の楽曲が詰まっている。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 ロマン度・・9 総合・・7.5
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NOVALIS「BRANDUNG」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの4th。1977作
ドイツを代表するロマン派シンフォバンド4作目。このバンドはどれもジャケが美しい。
前作「Sommerabend」に比べ、曲がコンパクトになりキャッチーで軽快になった感がある。
反面、彼らの魅力であった文学的なロマンティシズムはやや薄れており、
聴きやすいアルバムであるが、シンフォニックロックとしてはやや物足りなさもある。
それでもメロウなギターのフレーズ、しっとりとしたキーボードワークにはなお魅力がある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 ロマン度・・7 総合・・7.5
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NOVALIS「Konzerte」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスのライブアルバム。
Anyone's Daughterよりも前に、ドイツのシンフォニックシーンを牽引していたこのバンド、
本作の録音は1977年というから、時期的にはおそらく3rd「Sommerabent」発表後の、
まさにバンドの全盛期だろう。4th以降は徐々にコンパクトなサウンドへ変わってゆくのだが、
本ライブの演奏は2ndと3rdからの大曲を中心に聴かせる、シンフォニックロックの王道のスタイルだ。
メロディアスなフレーズを奏でるギターと、ハモンド、メロトロンを含むうっすらとしたシンセを中心に、
やややぼったいながらも、欧州のロマンティシズムを体現するような叙情性が耳に優しい。
とくに2ndからの代表曲“Impression”、18分にも及ぶ3rdのタイトル曲“Sommerabent”では
このバンドの魅力が詰まった美しく幻想的なシンフォニックロックを楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 ロマン度・・9 総合・・8
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NOVALIS「Vielleicht Bist Du Ein Clown」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスの5th。1978作
ドイツを代表するロマン派シンフォニックロックバンド、いくぶんキャッチーになった
前作「BRANDUNG」に続くアルバムであるが、今作では美しい叙情美が戻ってきている。
メロトロンを含めたやわらかなシンセに、ドイツ語の歌声が合わさった哀愁溢れるメロディと
GENESISを思わせる展開力も加わって、むしろAnyone's Daughterに近い感触になった。
初期のやぼったさを好むファンもいるだろうが、完成度としては最高傑作だろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ロマン度・・8 総合・・8
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NOVALIS「Letztes Konzert 1984」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスのライブアルバム。2009年作
1984年、「BOOMERANG」発表期のハンブルグでのライブ音源をCD2枚に収録
70年代までのシンフォニックな作風からはいくぶんポップになっていて、
ドイツ語のヴォーカルとシンセによる美しさが目立っているが
楽曲そのものはわりとストレートなメロディックロックという趣だ。
一方ではフルートが鳴り響く繊細な一面もあって、いかにもヨーロッパのバンドらしい。
音質はややラウドで、上質のブートというレベルだが、臨場感はたっぷりで、
80年代プログレハードのドイツ版として聴けば、それなりに楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
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O
ODYSSICE「IMPRESSION」
オランダのシンフォニックロックバンド、オディッシスの1st。2000作
G、B、Dr、Keyの四人組で全編インストのシンフォニックロック。
爽やかなギターとキーボードをメインにした、難解なところのないメロディ重視のサウンド。
最近のPENDRAGON、PALLASなどの定型の英国風ポンプ/シンフォニックの音にも近い。
新しさがないのでインパクトは弱いが、安心して聴けるサウンドではある。
普通のシンフォ好きにはもってこい。最近初期のデモ音源が再発されたらしいが、
とりあえずメジャーデビュー作ということでこちらを1stとしておく。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 新鮮度・・6 総合・・7
ODYSSICE「Silence」

オランダのシンフォニックロックバンド、オデュッセスの2010年作
なんと10年ぶりとなるアルバムで、メンバー写真を見るとみんなもういいオッサンだ。笑
たしか前作は古き良きメロディックシンフォという感じの普通の作品だったが、
本作も基本的にはなにも変わらず。泣きのギターと美麗なシンセで聴かせる、
しごく正統派のシンフォニックサウンド。TRIONとメンバーがかぶるが作風もほぼ同じ。
年季をへた分だけと音の説得力が増している。技術よりも叙情重視のインストシンフォ好作。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 泣きの叙情度・・8 総合・・8
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P
PANTHEON「ORION」
オランダのプログレバンド、パンテオンの1st。1972作
やわらかなフルートと、ギター、ハモンドによるサウンドは一聴してFOCUSを思い出させる。
メンバーは当時20歳ほどだったということで、テクニック的にはさほどではなく、
ジャズロック色を抜かしてマイルドになったフォーカス、という印象か。
10分、19分という二つの大曲を中心に、ゆったりと心地よく聴かせてくれるが、
全体的にメロディや楽曲のインパクトはやや弱いか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 FOCUS度・・8 総合・・7.5
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Passport「Passport-Dolidinger」

ドイツのジャズロックバンド、パスポートの1st。1972作
サックス/シンセ奏者、クラウス・ドルディンガーを中心にしたプログレッシブなジャズロックバンドで、
ロックとジャズのクロスオーヴァーという点ではMahavishnu Orchestraなどにも通じるサウンド。
クリムゾンの“21世紀の精神異常者”を思わせるような、サックスが鳴り響くプログレとしても聴け、
オルガンやムーグシンセも含めて、やはり西洋的な方法論を取り入れた作風と言えるだろう。
オールインストながら、存在感のあるベースとどっしりしたドラム、サックスとオルガンの絡みや
ときに美しいフルートなども顔を覗かせ、全体的にも非常に構築された印象だ。
メロディアス度・・7 ジャズロック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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Passport「Second Passport」

ドイツのジャズロックバンド、パスポートの2nd。1972作
前作よりも、シンセとサックスの融合が自然になり、よりメロディアスなサウンドとなった。
いわばフュージョン的ともいえる軽やかさだが、ドラムとベースの存在感の大きさから
ロックとしてのダイナミックさも失われていない。一方では変則リズムを含めた
プログレ的なアヴァンギャルドさも加わっていて、新たな方向性を模索しているという印象もある。
サックスとシンセをメインにした叙情的なナンバーなど、楽曲の幅が広がった力作である。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・7 プログレ度・・8 総合・・8
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PBII「Plastic Soup」

オランダのプログレバンド、プラックバンドの2010年作
元はPLACKBANDという名前で70年代後半から活動していたらしいが、
PBIIと名前を変えて、本作が正式なデビューアルバムとなった。
IT BITESやSPOCK'S BEARDなどを思わせるキャッチーなメロディと
軽妙なアレンジで聴かせるサウンドは、むしろアメリカのバンドっぽいか。
シンセの入れ方などはいかにも年季のあるメンバーらしく、プログレ度を高めていて、
あるいはACTあたりに通じる、メロディックプログレハードとしても楽しめる。
ゲストに、ジョン・ミッチェル(ARENA、IT BITES)、ジョン・ジョウィット(IQ)などが参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽妙度・・8 総合・・8
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POPOL VUH「AFFENSTUNDE」

ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1st。1971作。邦題は「猿の時代」
シンセとパーカッションのみによる多重録音の作品で、後のKlaus schulzeにも
大きな影響を与えただろう、静謐感と浮遊感のただようエレクトロサウンドである。
フローリアン・フリッケは、この後2ndまではシンセをメインにした作品を作るが
それに限界を感じたのか3rd以降は生楽器による静謐感の実現を選んだ。
この作品は、ムーグシンセをメインにした画期的なアルバムであり、
太古の世界を思わせる世界観と、水や土を感じさせる自然感の再現という点でも
ひとつの芸術作品と言い得るだろう。音楽…「音」世界の可能性を広げた作品だ。
静謐度・・9 ロック度・・1 エレクトロ度・・9 総合・・7.5
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POPOL VUH「In Den Garten Pharaos」

ジャーマンプログレの名バンド、ポポル・ヴーの2nd。1972作/邦題「ファラオの庭にて」
17分、19分という大曲2曲という構成で、水音や鳥の鳴き声などのSEと
広がりのあるシンセワークを駆使して、自然のうつろう光景を描いている。
TANGERINE DREAMやKlaus Schulzeなどに通じる手法であるが、
フローリアン・フリッケが描くのは、宗教や古代文明などの神秘性で、
そのメロディは滔々と流れる時のようにゆるやかで、静かに奥深い。
打ち鳴らされるパーカッションに乗って、ゆるやかなシンセ音が続いてゆくそのサウンドは
ゆったりとまどろみながら聴いていると、古代エジプト王の静謐な庭園が脳裏に浮かんでくるようだ。
ロック度・・1 崇高度・・8 神秘度・・10 総合・・8
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POPOL VUH「HOSIANNA MANTRA」

ジャーマンプログレの名バンド、ポポル・ヴーの3rd。1972作
プログレファンであれば一度は目にしたことはあろう名作「ホシアンナ・マントラ」。
紙ジャケリマスターを機に、改めて聴き直してみると、そのなんと美しいこと。
前作まではムーグシンセをメインにしたいわゆるエレクトロ系のサウンドだったが、
今作からはしっとりとしたピアノを中心に聴かせる、自然体の音へと変化している。
ゆるやかなピアノに神秘的な女性Voが絡み、そこに巧みにギターの音色を配した楽曲は
宗教的な荘厳さを秘めながらも、とても耳馴染みがよく、まどろむようにして聴ける。
ジャーマンロックのバンドたちの中でもひときわ異彩で、はかないほど繊細で美しい音だ。
ロック度・・2 崇高度・・9 神秘度・・8 総合・・8
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POPOL VUH「Seligpreisung」

ジャーマンプログレバンド、ポポル・ヴーの4th。1973作/邦題「聖なる賛美」
前作「HOSIANNA MANTRA」で、静謐な神秘性を極めたフローリアン・フリッケは
今作からAMON DUULUのダニエル・フィッヒェルシャーをメンバーに加えたことで
ロック要素を高めた作風へとその音楽性を移行させてゆく。美しいピアノにギターが重なり
そこに東洋的なタブラのリズムがドラムと合わさると、不思議な静謐感とロックが融合された
とても個性的なサウンドとなる。アコースティカルな作風にグルーブ感が加わった
このアプローチは、次作「Einsjager & Siebenjager」への橋渡しとなる。
ロック度・・6 崇高度・・8 神秘度・・7 総合・・8
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POPOL VUH「Einsjager & Siebenjager」

ポポル・ヴーの5th。1974作/邦題「一人の狩人と七人の狩人」
前作からAMON DUULUのダニエル・フィッヒェルシャーがメンバーとなり、
それまでの音にギターとドラムが入ることで、よりロック的なアプローチを取りはじめている。
ピアノに絡む美しいフルート、そこにロック的なギターフレーズが加わって、
音に厚みが増し、一般のプログレファンにも普通に聴きやすいサウンドになっている。
インストの比重が多いので、ときおり入る女性Voはあくまでおまけ程度だが、
サウンドの美しさは不変で、このバンドの入門用としてもお勧めできる。
ラストの19分の大曲も聴きごたえがある。中期の代表作といえるだろう。
ロック度・・7 崇高度・・8 神秘度・・7 総合・・8.5
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POPOL VUH「Das Hohelied Salomos」

ポポル・ヴーの6th。1975作/邦題「雅歌」
聖書の一節をモチーフにした作品で、ジャケからしてすでに美しい。
インスト主体だった前作に比べて楽曲構造はややシンプルになり、
このアルバムが最後となる女性Vo、ディヨン・ユンの歌声がより前に出てきている。
サウンドにはブリティッシュのサイケロックに通じる普遍性が入り込み、
神秘的な薄暗さはなくなった。東洋的なフレーズなどに聴ける無国籍感と自然思想的な
おおらかさが全体をやわらかくしていて、ソフトなAMON DUULUという雰囲気もある。
ロック度・・6 崇高度・・7 神秘度・・7 総合・・8
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POPOL VUH「LETZTE TAGE-LETZTE NACHTE」

ポポル・ヴーの7th。1976作/邦題「最期の日、最期の夜」
芸術家肌のアーティスト、フローリアン・フリッケにより、Tangeline Dreamに通じる
実験的なシンセ音楽からスタートしたこのバンドだが、3rd「HOSIANNA MANTRA」において
アコースティックな神秘性を音楽で表現し、以降はしだいにロック色を増してゆく。
本作は、前作までのたおやかな優雅さに比べると、一聴してサウンドのダイナミズムが増し、
それとともに原初的な神秘性と不穏なサイケデリック要素が音に現れてきている。
いくぶんこもり気味の音の中に、壮大さを詰め込んだ作り方はやはりAMON DUUL2的で、
そのAD2のレナーテ・クナウプが加わってこれまでにない妖艶な歌声を聴かせながら、
明確なフレーズを奏でるギターの重ねによりスケール感のあるサウンドが構築されてゆく。
神秘的なサイケロックとして聴けば、ドイツ屈指の名作と言っても過言ではないだろう。
ロック度・・7 崇高度・・8 神秘度・・8 総合・・8.5
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POPOL VUH「AGUIRRE」

フローリアン・フリッケによるドイツの静謐系バンド、ポポル・ヴーのアルバム。1976作
本作はウェルナー・ヘルツォーク監督「アギーレ、神の怒り」のサントラで、実際の制作時期は
1971年前後と思われる。うっすらとしたシンセを中心とした静謐感漂う神秘的なサウンドだ。
2nd以降はデジタルなシンセを捨てピアノとギターを中心にした作風となってゆくフリッケだが、
このサントラ作では、1stに通じるシンセによる静謐で空間的な広がりを聴かせてくれる。
土着的なパーカッションとともに、桃源郷を思わせるような神秘性の表現が見事だ。
静謐度・・9 ミステリアス度・・10 シンセ度・・9 総合・・7.5
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POPOL VUH「coeur de verre」
ポポル・ヴーによる映画「ガラスの心」のサントラ作。1977作
本作はサントラとはいえ、ドラムとギター、フルートなども入っていて、
バンドとしてのPOPOL VUHの作品とみなしてよい出来だ。
サウンドには独特の静謐感と幻想美、ノスタルジックな情緒もあり、
またAMON DUULUあたりにも通じるオリエンタルなサイケロック色もある。
静謐度・・8 ミステリアス度・・8 ロック度・・7 総合・・7.5
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POPOL VUH「Nosferatu」

ポポル・ヴーによるヴェルナー・ヘルツォーク監督の同名映画のサントラ作。1978作
こちらはピアノとシンセをメインにした、いかにもサントラ的な作風で、
たゆたうような静けさの中に薄暗さとミステリアスな雰囲気とが感じられる。
美しいピアノにオリエンタルなシタールやタブラなどがゆるやかに絡み、
音数は少ないながらも、やはりフリッケらしさの表れた作品といえるだろう。
静謐度・・9 ミステリアス度・・9 ロック度・・1 総合・・7.5
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POPOL VUH「Bruder des Schattens-Sohne des Lichts」

ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1978年作。邦題は「影の兄弟、光の子供達」
本作はサントラ「ノスフェラトゥ」の別バージョンとも言うべき作品で、
曲の方も大半はジャケ違いの同作とかぶるのだが、
タイトル曲である1曲目は18分に拡大された大曲となっていて、
うっすらとしたシンセに、素朴なオーボエと宗教的なコーラスが合わさり、
シタールの音色が鳴り響く、初期を思わせる神秘的な雰囲気で聴かせる。
静謐度・・9 ミステリアス度・・9 ロック度・・1 総合・・7.5
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POPOL VUH「Die Nacht Der Seele」

ジャーマンロックバンド、ポポル・ヴーの1979年作。邦題は「魂の夜」
「ガラスの心」「ノスフェラトゥ」といったサントラ作を経過し、サウンドは音数を絞った静謐感と、
太古への回帰を思わせるような土着的な世界観を感じさせる。アコースティックギター、ピアノ、
パーカッションを主体に<そこに女性スキャットを乗せ、しっとりと神秘的に聴かせるサウンドだ。
崇高度・・8 神秘度・・9 ロック度・・1 総合・・8
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POPOL VUH「Sei Still, Wisse Ich Bin」

ポポル・ヴーの1981年作。邦題は「静謐の時」
中東の死海で撮影されたというイメージビデオのサントラとして作られた作品。
アプローチとしては前作からの流れを押し進めた、ギターとピアノを主体に、
土着的なパーカッションとコーラスが重なる、神秘的で秘教めいたサウンドである。
崇高度・・9 神秘度・・10 ロック度・・2 総合・・7.5
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POPOL VUH「Agape-Agape/Love-Love」

ジャーマンプログレバンド、ポポル・ヴーの1983年作
80年代に入って映像とのコラボ作品の方に力を入れていったフリッケだが、
本作ではレナーテ・クナウプ、ダニエル・フィッヒェルシャーら、かつてのメンバーが集まり
厳かさと静謐感のある宗教的な作風に戻っている。アコースティックギターのつまびきと
パーカッションのリズム、そして太古の儀式を思わせるような男女コーラスが響きわたる。
音質がややこもり気味な分、むしろ内省的で神秘的な雰囲気が味わえる。
崇高度・・8 神秘度・・9 ロック度・・2 総合・・8
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POPOL VUH 「Shepherd's Symphony」
ポポル・ヴーの1997年作。邦題は「羊飼いの交響曲」
デジタリィなリズムの上を、シーケンサー的なシンセの反復フレーズが乗るサウンド。
かつてのような神秘性と静謐感は薄くなったが、スキャット的な女性声も入ったり
ミステリアスな雰囲気をモダンさの中に溶け込ませた独特な感触がある。
これがフリッケ最後のスタジオ作品となった。鬼才の冥福を祈りたい。
静謐度・・5 ミステリアス度・・7 ロック度・・6 総合・・7.5
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POPOL VUH「Messa Di Orfeo」

ポポル・ヴーの1999年作。邦題は「オルフェオのミサ」
音と映像を融合させたイタリアでの1998年のライブを収録した作品。
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声は、ときにセリフの朗読のようでもあり、
シンセやシーケンサーなどによる効果音などとともに、音楽というよりは
演劇的な雰囲気である。おそらく映像を一緒に見ればもっと楽しめるのだろう。
はからずも本作が鬼才フローリアン・フリッケの遺作となってしまった。
芸術度・・9 神秘度・・8 ロック度・・0 総合・・7.5
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R
RAK「Lepidoptera」
スイスのシンフォニックロックバンド、THOKのキーボード奏者のソロ名義作。2004作
変形見開きの美しいジャケに描かれたファンタジーストーリーをもとにしたコンセプト作で、
ゆるやかで繊細なキーボードが美しいシンフォアルバム。
全体的にはPAR LINDH PROJECTあたりの雰囲気に近いものがあるが
ややハードめなギターが加わると、やや荒めのVoの声質もあいまってか
PALLASなどのハードシンフォに近い音像になる。
全20曲のトータル作で、物語的なシンフォ作品が好きな方にはお勧め。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7
RAVANNA「BILDER AUS MITTELERDE」
ドイツのシンフォにクロックバンド、ラヴァーナのアルバム。1984作
80年代にEDENという名前で2枚のアルバムを残したバンドが、その後改名して発表したのが本作。
ややポップな感触になりつつも、伸びやかな男女Voにヴァイオリン、ピアノによる典雅な雰囲気は、
やはりかつてのEDENそのもの。オーケストラと女性Voによる感動的な曲もあれば、
やや軽い曲調のポップなナンバーもありで、そのあたりのギャップが気になるといえば気になるが。
シンフォニック度・・8 ポップ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
RICOCHER「Cathedral of Emotions」
オランダのシンフォニックロックバンド、リコチャーの2nd。2002作
先に3rdを聴いていたが、IQタイプの王道のポンプ/シンフォサウンドで、
オランダにはこの手のタイプのバンドがまだまだいるのだなと思った。
この2ndの方も、メロウなギターにシンフォニックなキーボードが耳に心地よく、
かすかに翳りを含んだ雰囲気がしっとりとしてなかなかよろしい。
目新しさはないが、同郷のFLAMBOROUGH HEADなどが好きなら気に入るだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・6 総合・・7
RICOCHER「CHAINS」
オランダのシンフォニックロックバンド、リコチャーの3rd。2004作
ゆったりとした聴きやすいシンフォニックロックで、厚みのあるキーボードの使い方や
ヴォーカルの声質などは、いわよるネオ・プログレ、ポンプ系のサウンドで、
かつてのIQとか、ARENAとかJADISとか、あたりに通じるサウンド。
曲の展開の起伏がさほど大きくなく、ややもったりとした雰囲気なので、
PENDRAGONほどの情感は感じられず、個性という点でもこのバンドならではのものは薄いか。
全体の出来は悪くない。ARENAあたりの聴きやすいシンフォものが好きな方はいかが。
シンフォニック度・・8 ゆったりポンプ度・・8 楽曲・・7 総合・・7
RPWL「world through my eyes」

ドイツのオルタナ・シンフォニックロックバンド、RPWLの4th。2005作
PORCUPINE TREEの台頭以後、プログレなのかシンフォなのかハードロックなのか、
カテゴライズ不可のバンドが増えてきているが、このバンドはかつて90年代に活動していた
GENESIS系ポンプロックバンド、VIOLET DISTRICTを母体として結成された。
PINK FLOYD的なゆったりとした内的世界にシンフォニックな味付けがなされ、基本的には歌ものながら、
メロトロンなどによる懐古主義とかすかなサイケ風味も加わった質感が耳に心地よい。
PINK FLOYD、GENESIS、MARILLION、最近でいうと、PORCUPINE TREEやKINOあたりにも通じる
やわらかみと、倦怠、ほの暗い叙情、内的世界観、現代的なモダンさ、そしてどこか懐かしい質感、
そうした要素が絡まり合い、とても聴きやすいが、どこかもの悲しく、哀愁があるサウンドである。
ゆったりとした哀愁シンフォニックロックとしても、モダンユーロロックとしても楽しめる。オフィシャルサイトはこちら
メロディアス度・・8 ゆったり叙情度・・8 シンフォ・ピンクフロイ度・・8 総合・・8
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RPWL「Live: Start the Fire」

ドイツのプログレバンド、アルピーヴェエルのライブアルバム。2005作
Porcupine Tree以降の薄暗系オルタナシンフォとして、ドイツでは中堅どころのバンド。
本作は4th「world through my eyes」発表後のライブを収録した2枚組。
うっすらとしたシンセにメロウなギターワーク、そしてマイルドなヴォーカルで聴かせる
耳心地のいいサウンドは、ライブではいっそうPINK FLOYD的な浮遊感をともなっている。
10分以上の長曲もけっこうあるのだが、ゆったりとした叙情とともに聴き通せてしまう。
メロウ度・・8 薄暗度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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RPWL「the rpwl experience」

ドイツのオルタナ・シンフォプログレバンド、RPWLの5th。2008作
PORCUPINE TREEの登場以後、薄暗い叙情を聴かせるバンドが増えているが
このバンドもPINK FLOYDあたりにも通じる浮遊感と、翳りのあるメロディが特徴。
前作よりもさらにモダンなアレンジを取り入れたサウンドは、
ゆるやかなシンセワークとメロウなギターフレーズとともに耳に心地よい。
もはやプログレうんぬんではなく、普遍性のあるメロディックロックとして聴ける。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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S
Schicke・Fuhrs・Frohling「The Collected Works of」

ドイツのテクニカルプログレバンド、SFFのアルバム。1976〜1978年に発表された
1st〜3rdをCD2枚に収録。Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで、
インスト主体のミステリアスなシンフォニックロックを聴かせるこのバンド。
ブックレットの写真にあるギター&ベースのダブルネックを弾きこなす姿からして特異だが
それだけトリオ編成での演奏に強いこだわりがあったのだろう。
楽曲にはクールな構築性とともに、メロトロンを含んだ薄暗い叙情性も感じられ、
スイスのISLANDあたりにも通じるシリアスな緊張感があるのが特徴的だ。
ジャズロック風味が増した2ndは、やや地味ながらもまとまりのある演奏を聴かせ、
3rdではHAPPY THE MANを思わせるカラフルなフュージョン風味が前に出てきている。
70年代ドイツの構築派シンフォとしては頭ひとつ抜けた存在だったといっていい。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 トリオバン度・・9 総合・・8
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SFF「Symphonic Pictures」

ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingのアルバム。1976作
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで3枚のアルバムを残した彼らだが、
やはりもっとも出来がいいのが本作1stだろう。これはその2010年のリマスター再発盤である。
サウンドはインスト主体の軽妙なシンフォニックロックで、ギターとシンセがメロディアスに絡みつつ、
楽曲にはクールな構築性とともにどこか薄暗い叙情性も含んで、シリアスな緊張感があるのが特徴的。
クラシカルな美意識やテクニカルな軽やかさの裏側にある、メロトロンを響かせる幻想的な雰囲気もまたよい。
そして旧B面すべてを費やした“Pictures”は、スイスのIslandばりの展開を聴かせるミステリアスな大曲だ。
リマスターによる音質向上も嬉しい。ボーナスDiscには1975年のライブ音源を収録している。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優雅な構築度・・9 総合・・8.5
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Schicke Fuhrs & Frohling「Sunburst」

ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingの2nd。1977作/2010年リマスター
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで70年代後半に3枚のアルバムを残したこのバンド、
1stはクールに構築されたシンフォニックロックであったが、本作ではコミカルなフレーズとともに、
軽妙なフュージョン風味が加わっている。テクニカルなギターとシンセの絡みは、
HAPPY THE MANを思わせるようにクオリティが高く、1stにあった大曲のようなものはないが、
4〜5分台にまとまったコンパクトな楽曲は非常に聴きやすい。軽快系シンフォの好作である。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・7 優雅な構築度・・9 総合・・8
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SFF「Ticket to Everywhere」

ドイツのプログレバンド、SFFことSchicke Fuhrs & Frohlingの3rd。1978作
Dr、Key、G/B/Keyという変則的なトリオスタイルで70年代後半に3枚のアルバムを残したこのバンド、
本作は事実上のラスト作であり、3作の中ではもっとも洗練されたメロディアスな作品だ。
きらびやかなシンセワークを中心に、クラシカルな美意識と軽妙なモダンさが同居していて、
HAPPY THE MANあたりにも通じる優雅なシンフォニックロックを展開している。
2010年リマスター再発盤にはボーナストラックに1978年のライブ音源を3曲収録。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優雅な構築度・・9 総合・・8
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SHAKARY「THE LAST SUMMER」
スイスのシンフォニックユニット、シャカリーの2nd。2002作
CLEPSYDRAのGなどが中心となって作られたバンドで、2枚組大作の1stは、
壮大さとキャッチーがかみ合った相当の傑作だった。
続くこの2ndもやはりコンセプト作のようで、物語にそって曲が進んでゆく。
演奏力はもちろん、この手のシンフォバンドにしてはVoも力強く、
ギターの奏でるメロディは非常に叙情味溢れている。
楽曲と音の重ねにはハードロック的なダイナミックさもあり、
弱弱しいシンフォが苦手のメタル系リスナーなどもきっと楽しめるだろう。
コンセプト的なものだろうが、序盤はややダレ気味なところがあるが、
ラスト近くでの感動的な盛り上がりには、やはりぐぐっと引き込まれるのであった。
メロディアス度・・8 ハードシンフォニック度・・9 楽曲・・8 総合・・8
SISYPHOS「Paraphernalia」
スイスのプログレバンド、シシフォスの2nd。2004作
ギター、ベース、ドラム、キーボード、という4人編成のテクニカルなメロディアスシンフォ。
YES的なキャッチーなコーラスハーモニーを聴かせつつも、“いかにもプログレ”的な音作りと
テクニカルでひねくれた部分は、YEZDA URFAあたりを思わせるものがある。
曲によってはブルージーなロック要素も前に出てくるのは国柄か。大曲の出来がとくにいい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・7 総合・・7.5
Sky Architect「Excavation」

オランダのプログレバンド、スカイ・アーキテクトの2010年作
ツインギターにシンセ入りの若手5人組で、ハードエッジなテクニカルさと、
ドラマティックな構築性で聴かせる、なかなか質の高いサウンドだ。
センスのあるギターの重ねとシンセワーク、マイルドなヴォーカルの歌声とともに
ほのかに翳りのある叙情性は、Riversideなど、ポーランドのバンドも思わせる。
インストパートを中心に、うるさすぎない耳心地のよいサウンドで、
適度な緊張感を生み出すセンスは、新人とは思えない器の大きさを感じさせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ほの暗叙情度・・8 総合・・8
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Sky Architect 「Dying Man's Hymn」

オランダのプログレバンド、スカイ・アーキテクトの2010年作
ツインギターにシンセ入りの5人組で、前作もドラマティックな力作であったが
本作は10分超の大曲を4曲含め、インストパートをさらに充実させた傑作。
アナログ感のある繊細なシンセワークにメロウなギターフレーズを中心にした
古き良きシンフォニックロックの質感に、ゆったりとした叙情をまぶしながら
コンセプチュアルに構築してゆくセンスは見事。派手さはないがじっくり楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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Subsignal「Touchstones」

ドイツのハードプログレバンド、サブシグナルの2011年作
元SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、シンセを含んだ美しいアレンジと
キャッチーなメロディが光る高品質なサウンド。IT BITESあたりにも通じる軽妙さと確かな演奏力で、
随所にProgMetal的なテクニカルな展開も織り込みつつ、あくまでメロディアスに聴かせる。
5、6分の曲を中心にしながら、11分の大曲も含んで知的な構築センスも抜群だ。
メタル的なヘヴィさはあまりないので、モダンなハードシンフォニックとしても楽しめる傑作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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SYLVAN「Artificial Paradise」

ドイツのプログレバンド、シルヴァンの3rd。2002作
最初に聴いたのは5thだったが、この3作めの時点ですでにバンドの方向性は固まっている。
美しいなシンセ、エレピをバックにギターがメロウなフレーズを奏で、
ヴォーカルが叙情的に歌い上げる、ゆるやかで薄暗いシンフォニックサウンド。
このモダンな叙情美ともいうべき、どこか憂鬱をはらんだような浮遊感は、
同郷のRPWLなどを含めて21世紀のトレンドになりつつあるようだ。
メロウなだけでなく、ヘヴィな部分はメタルリスナーなどにも聴けるだろうし、
ラストの20分の大曲では感動的に盛り上げて締めくくる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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SYLVAN「X-Rayed」
ドイツのプログレバンド、シルヴァンの4th。2004作
前作よりもシャープな質感が増し、叙情性とヘヴィなギターの対比がくっきりしている。
もちろん、シンセをバックにメロウなフレーズを奏でるギターは健在で、
倦怠を含んだヴォーカルの歌声とともに、このバンドのサウンドの核となっている。
全体的にはモダンな雰囲気が前に出て、シンフォニックなテイストはやや薄れたが、
ラストで聴かせる盛り上がりはやはりさすが。これが傑作と呼ばれる次作へとつながる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・8 総合・・7.5
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SYLVAN「Posthumous Silence」

ドイツのシンフォニックロックバンド、シルヴァンの5th。2006作
サウンドは、今流行りのPORCUPINE TREE系といえる、ダークめのシンフォニックロックで、
しっとりとしたピアノ、キーボードが美しく、ヴォーカルもゆったりとした力まない歌を重ねる。
全体的にはARENAあたりに近い感じで、ゆるやかな盛り上がりを繰り返しながら、
曲はほの暗い雰囲気で淡々として進んでゆき、もの悲しい叙情を表現している。
ときおりメタリックなギターが効果的に加わったりもするが、シンセにしろギターにしろ、
決して押しつけがましくはならない演奏で、挿入される映画的なSEなどとともに
繊細なドラマ性と空間美を構築している。オフィシャルサイトで試聴可能
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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SYLVAN「Presets」

ドイツのシンフォニックロックバンド、シルヴァンの6th。2007作
今作も哀愁を漂わせた質の高い薄暗系シンフォサウンドを聴かせてくれる。
3〜4分台の比較的コンパクトな曲を中心にした楽曲は
最近のPORCUPINE TREEよりも耳触りがよく、聴いていて心地よい。
泣きの叙情と盛り上がりは前作ほどではなく、むしろ素朴な感触であるが、
ラストには12分の大曲でドラマティックに締めくくるのはさすが。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 しっとり薄暗度・・8 総合・・8
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Sylvan「Force of Gravity」

ドイツのプログレバンド、シルヴァンの2009年作
RPWLとともにドイツの薄暗系シンフォとしては双璧というべきこのバンド、
本作ももの悲しいピアノや、美しいシンセとメロウなギターで聴かせる
しっとりと叙情的な作品だ。ヴォーカルの歌唱は悲しみの情緒をたたえつつ
UKロック的でもあるマイルドな質感と、ときに激しいまでの感情を表現している。
シンフォニック/プログレ的な要素とともに、モダンロックとしてのエッジの付いたアレンジに
このバンドのバランス感とセンスを感じる。歌と演奏の濃密さでは前作以上の出来。
ラストの14分の大曲も含めて、繊細さとドラマティックさがかみ合った見事な傑作だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 繊細な叙情度・・9 総合・・8.5
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T
Taliesyn「When silence will be unbearable」
ドイツのシンフォニックロックバンド、タリエシンの1996年作
ややハードめなギターと、ヘタウマな感じの女性ヴォーカルをメインに、
ロマンティックなハードシンフォニックをやっている。サウンド面に漂うB級っぽさは、
英国のLEGENDあたりを思わせる。一般的にはイモ臭いマイナーバンドという評価だろうが、
ドイツらしいメロディのクサさも含めて、自分はけっこう好きです。
ロマンティック度・・8 イモクサ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Tangeline Dream「Electronic Meditation」

ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの1st。1970作
2nd以降の幻想的なシンセサウンドとは異なり、本作はAmon Duulなどを思わせる
混沌としたジャーマンロック作品となっている。後にASH RA TEMPELを結成する
クラウス・シュルツェのドカドカとしたドラムの上に、即興ぎみのギターが鳴り響く。
フルートやオルガンの音もどこか怪しげで、得体の知れないアヴァンギャルドさには
無限の可能性を感じる。ジャーマンロック黎明期の火花のような作品だ。
シンセ度・・5 ロック度・・7 混沌度・・9 総合・・8
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TANGERINE DREAM「Alpha Centauri」

ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの2nd。1971作
実験音楽的だったアヴァンギャルドな1stから、クラウス・シュルツらが脱退し、
本作ではタイトル通り、宇宙をイメージした作風へと変わっている。
メロトロンに加えて、ヒュルヒュルとしたシンセ音で星々を表現しようとする試みは
次作以降にくらべるとまだやぼったく、垢抜けないものだが
幽玄な美を感じさせる内省的な響きはすでに存在している。
吹き鳴らされるフルートにパーカッションも加わってきて、
完全なシンセミュージックへと移行する前のサウンドが聴ける。
ノイズまじりのシンセ音が時代的でやや古めかしいながらも、
今後の方向性を決定づけることとなった黎明期のアルバムといえる。
シンセ度・・8 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8
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TANGERINE DREAM「Zeit」

タンジェリン・ドリームの3rd。1972作
POPOL VUHのフローリアン・フリッケが参加していることで
より幽玄な雰囲気となった初期の傑作。LP当時は2枚組だった大作で、
シンセの重ねによる表現力と音の強度がぐんと増して、
前作に比べて聴き手を包み込むような重厚さがある。
暗く沈み込むような音ながら、宇宙空間に放り出されるような感覚で、
怖いながらもじわじわと引き込まれる魅力がある。
シンセ度・・9 ロック度・・1 暗黒度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAM「atem」

タンジェリン・ドリームの4th。1973作
人間の内的宇宙をテーマにした今作は、前作での暗黒の世界から
やや温かみのある美しいサウンドへと変化している。
シンセの重ねによるオーケストラルな効果とともに、
原初的なパーカションのリズムとうっすらとしたコーラスが重なり
神秘的な音世界を描いてゆく。また、静謐感と盛り上がりという
楽曲におけるメリハリもついてきて、幽玄さを保ちながらも音楽としての
聴きやすさも増してきた。完成度の点では次作と並ぶアルバムだろう。
シンセ度・・9 ロック度・・4 幻想度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAM「phaedra」

タンジェリン・ドリームの5th。1974作
個人的には3rd「Zeit」の茫漠とした暗闇の世界が好きなのだが、
最高作をひとつだけ挙げるとするなら、本作ということになるだろう。
ムーグシンセの導入により、表現的にもサウンドに奥行きが増し、
リハーサルテープの編集で作られたという本作の楽曲には
音楽としての起承転結の流れのようなものが感じられる。
シーケンサー的なリズムを聴かせるシンセ音はKlaus Schulzeにも近い質感で、
それまでのイメージを音に投影するような作風から、よりデジタリィなシンセサウンドへと
変化が見られるが、それでいて奥深い幻想空間をちゃんと残しているのが素晴らしい。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・9 総合・・8.5
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TANGERINE DREAM「rubycon」

タンジェリン・ドリームの6th。1975作
前作で聴かせたムーグシンセの可能性をそのまま広げたサウンド。
初期の作品よりもより綺麗なシンセ音にこだわったような質感で、
耳触りはよいが薄暗い幻想性は若干薄まった感がある。
悪くいうと、成功を治めた前作を踏襲した模倣的な作品とも言えるだろう。
この方向性としては今作でやりつくしたということだろうか、この後
ライブ作を挟んで、バンドのサウンドはまた変化してゆくことになる。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAM「ricochet」

タンジェリン・ドリームの7th。1975作
ギター、シンセ、ドラムという編成でのライブ録音を編集したアルバムで、
これまでのスタジオ作に比べるといくぶんロック色が強い。
とはいえ、ライブ音源にさらに厚みが加えられたシンセ音には
スペイシーな幻想美があり、このバンドならではの独自の浮遊感が味わえる。
16分、21分という大曲2曲の構成であるが、演奏の緊張感もあって飽きさせない。
ダイナミックなサウンドという点ではお勧め出来る作品だ。
シンセ度・・8 ロック度・・6 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAM「Stratosfear」

タンジェリン・ドリームの8th。1976作
より明確なメロディで一般的には聴きやすく評価の高いアルバム。
シーケンサーのリズムに乗るはっきりとしたメロディフレーズが
初期の彼らのサウンドを考えると分かり安すぎる気もするが、
これもバンドとして必然の変化だったのかもしれない。
シンセとギターによる叙情美はずいぶん爽やかに聴こえる。
むしろメロトロンやフルートなどのしっとりとした味わいが心地よい作品だ。
メロトロン度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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TANGERINE DREAM「ENCORE」

ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームのライブ作。1977作
ジャケ通り、アメリカでのツアーの模様を収録したライブ作品で当時はLP2枚組みであったもの。
LPの片面を使った大曲4曲という構成で、複数のシーケンサーとシンセが絡み、
アルバム以上に生々しい空間構築で幽玄なサウンドを作り出している。
かつてのような暗さは控えめで、むしろメロディには分かりやすさが増している。
3曲目になるとテクノ的なリズムまで入ってきて、このピコピコ音はやや興ざめながら、
4曲目では逆に初期のような薄暗いスペイシーなシンセサウンドを聴かせてくれて満足。
なお、本作をもってシンセの片翼をになってきたPeter Baumannがソロ活動のため脱退する。
シンセ度・・9 ロック度・・5 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAM「Cyclone」

ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの9th。1978作
本作にはヴォーカル、ベース、フルート、シンセをこなすSteve Jollifeが参加し、
なんと歌が入った曲をやっている。ドラムも入っているのでサウンドはぐっとロック寄りになり、
いい意味で聴きやすくなった。シンセによる幻想性はが薄れたというわけではなく、
むしろシンフォニックロック的な味わい方ができるアルバムと言っていいかもしれない。
シーケンサーによるテクノ的なデジタル感覚と、フルートなどの生楽器の音色が
ミスマッチ気味に重なってくるのも面白い。個人的には歌も含めてとても楽しめるアルバムだ。
シンセ度・・8 ロック度・・7 幻想度・・8 総合・・8
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TANGERINE DREAM「Force Majeure」

ジャーマンロックバンド、タンジェリン・ドリームの10th。1979作
今作からドラマーが正式に加わり、いよいよロックバンド的になってきている。
美しいピアノの響きにゆるやかなシンセ、そこにギターまで加わって、
普通にメロディアスなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
シーケンサーによるリフレインはテクノポップ化への兆しを感じさせつつも
生のドラムの感触がデジタル色を緩和させているのが、微妙な均衡であろうか。
80年代へ向かう手前の、最後の幻想的なTD作品と言えるかもしれない。
シンセ度・・8 ロック度・・8 幻想度・・8 総合・・8
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TAURUS「Illusions of a Night」

オランダのメロディアスプログレバンド、タウラスのアルバム。1981作
軽めのリズムにメロディアスなギターフレーズとキャッチーなヴォーカルが乗るサウンドは
KAYAKなどと同様に難解なところのない、ポップなメロディックロックという感触でもある。
バックに鳴るうっすらとしたシンセも控えめで、いかにもオランダらしいソフトなサウンドだ。
鮮やかな蝶の化石のジャケも美しい。正規アルバムとしては本作が唯一の作品だが、
未発集「Works 1976-1981」の出来もいい。メロディアス系愛好者ならオススメできるバンドです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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TRACE

オランダのプログレバンド、トレースの1st。1974作
EKSEPTIONで活躍したリック・ヴァン・ダー・リンデン率いるクラシカル・キーボードロックバンド。
これでもかとばかりにクラシカルに弾き鳴らされるオルガンにメロトロンがかぶさり、
素朴でありつつもコテコテという、聴いていて思わずにやにやしてしまうサウンド。
オランダのバンドらしいメロディへのこだわりと、良い意味での分かりやすい大衆感覚があり、
ELPのストイックさに比べて肩肘張らすに楽しめます。ドイツのTRIUMVIRATと並ぶ鍵盤プログレの代表。
2nd「鳥人王国」も素晴らしい傑作ですが、まずは熱きクラシカルロックの本作から。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 キーボー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TRACE 「BIRDS」

トレースの2nd。1975作
モロにクラシック的な1stの路線から、バンドとしてのアンサンブルが強化され、
より躍動感に満ちた鍵盤プログレが楽しめる傑作。バッハのカヴァーで始まりつつ
楽曲はよりスタイリッシュになり、EKSEPTION時代を含めてより熟成されている。
鳴り響くオルガン、クラシカルなチェンバロ、ときにジャズタッチのピアノまで、
リック・ヴァン・ダー・リンデンの怒濤の鍵盤さばきがたっぷり楽しめます。
そして22分におよぶ組曲はまさに圧巻。バンドは続く「ホワイト・レディース」を最後に解散。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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TRION「TORTOISE」
オランダのシンフォニックロックバンド、FLAMBOROUGH HEADのKey、G、
ODYSSICEのDrによるシンフォニックトリオ、トリオンのアルバム。2003作
まずは、ロジャーディーンもどきのジャケ!色使いといい、70年代風の雰囲気がプンプン。
サウンドは、バンド名通り(笑)、メロトロン使いまくり、ギター泣きまくりのシンフォ。
全編がインストのゆったりメロディアス系なので、緊迫感はないものの、
上記FHのクオリティをご存じの方なら安心して手を出せるだろう。損はさせません(笑)
シンフォニック度・・8 メロトロン度・・8 楽曲・・7 総合・・8
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Trion「Pilgrim」

オランダのシンフォニックロックユニット、トリオンの2nd。2007作
FLAMBOROUGH HEADのKeyを中心とした3人編成のスタイルで、
前作もレトロな質感のサウンドだったが、今作ものっけからメロトロンが鳴り響く
ゆったりとしてメロウなシンフォニックロックをやってくれている。
たおやかなピアノやハモンドの音色などに、メロディアスなギターも重なって
じつに耳心地のよい繊細なインスト作品に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆるやか度・・9 総合・・8
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TRIUMVIRAT「MEDITERRANEAN TALES」
ドイツのELPと呼ばれた、トリアンビィラートの1st。1972作
クラシカルなキーボードを中心とした、キーボードプログレで、
この1stでは、まだクラシカルな部分と、楽曲の展開がやや強引で、
2nd以降の絶妙のポップセンスと流麗なアレンジがさほど感じられない。
Voには荒々しい部分もあり、バンドしてまだ未完成であるものの
アグレッシブなキーボードサウンドはELPあたりの影響が強い。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・8 楽曲・・7 総合・・7
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TRIUMVIRAT「ILLUSION ON A DOUBLE DIMPLE 」
ドイツのキーボードプログレバンド、トリアンヴィラートの2nd。1973年作
ELP的を思わせるキーボード弾きまくりのなかにも、独特のポップ感があり聴き疲れしないのが特徴。
この2ndアルバムは23分と21分の大曲2曲という構成で、歌メロはたまに顔を出すがほぼインストメイン。
たたみかけるキーボードパートとクラシカルで典雅な部分のバランスが見事で、
キーボードロック好きには必聴のバンドのひとつ。代表作としてはこの2nd〜4thまで。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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TRIUMVIRAT「SPARTACUS」
ドイツのELPといわれたトリアンヴィラートの3rd。1975作
「スパルタカス」をテーマにした作品で、美しいキーボード、ピアノたっぷりのアルバム。
ELPと比較される彼らだが、もっとずっとやわらかくポップ寄りのサウンドだと思う。
軽やかに疾走する中に、アメリカンプログレハードにも通じる陽性の歌メロなど、
ELPよりもぐっと大衆向け。明るめのキーボードプログレが聴きたい人にはうってつけの作品だ。
あるいはのちのRUMBLIN ORCHESTRAの原点はこのバンドだったのでは、とも思う。
メロディアス度・・8 キーボー度・・9 明るめ度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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TRIUMVIRAT「OLD LOVES DIE HARD」
ドイツのELPといわれたトリアンヴィラートの4th。1976作
リマスターCDが最近出たのを機に、これまで稀少だったこのバンドの音が手軽に聴けるようになった。
代表作とされる3rd「SPARTACUS」においてもよく比較されるELPよりはずっとポップで
キャッチーな印象だったが、続くこの4thアルバムだと、もうELP色はほとんどなくなり、
シンセの弾きまくりを抑えめにした、じつに美しくメロディアスなシンフォ作品になっている。
個人的にはむしろこちらのほうがこのバンドにとっては自然な感じでよろしいのではとも思う。
ギターがないのに音の薄さを感じさせないのは、キーボードの重ね方のセンス、無駄のない楽曲によるものだろう。
キャッチーな曲、繊細なピアノ曲、壮大なシンフォニック曲とそれぞれに焦点が絞り込めている。
繊細でポップ、しかもシンフォニックという点では、もしかして当時のドイツでは
ANYONE'S DAUGHTERと並び立つクオリティであったかもしれない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 繊細かつキャッチー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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TRIUMVIRAT「POMPEII」
ドイツのキーボードプログレバンド、トリアンヴィラートの5th。1977作
火山で滅んだ伝説の都市ポンペイをテーマにしたアルバム。
プログレバンドとしての全盛期はやや過ぎた時期のアルバムで、
たたみかけるような演奏よりは、メロディアスさとキャッチーなポップさが前に出ている印象。
美しいピアノをバックにした歌もの曲や、女性Voが加わった曲など、どれもとても聴きやすく、
それでいて、ときおり垣間見せるきらびやかなキーボードワークはさすが。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・7 総合・・7.5
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Twenty Sixty Six and Then「Reflections!」

ドイツのプログレバンド、2066・アンド・ゼンのアルバム。1972作
ハモンドが鳴り響く、やや古めかしいハードプログレサウンド。
たたみかけるような曲調に、ハードロック風のややダーティなヴォーカル、
鳴り響くフルートも叙情というよりもアグレッシブな質感で聴かせる。
10分以上の曲も多く、大作志向のスケールを感じさせる点では
Grobschnittなどにも通じるものがあるが、押すだけではなくアコースティックなパートもあり、
構成力の点でもあなどれない。ただ、全体的にはやはりハードロックの人たちが
プログレ風味のアルバムを作ってみましたという感じで
むしろ70'sブリティッシュロックのリスナーに受けそうな音である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・7.5
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U
Ulysses「The Gift of Tears」
オランダのシンフォニックロックバンド、ユリシーズの2008年作
シンセを含む5人組みで、なかなかドラマティックな正統派のシンフォニックロックをやっている。
ヴォーカルの歌声は好みを分けるが、ムーグの音色などを使ったキーボードは、
いかにもプログレリスナー受けするサウンドだ。ドラムはツーバスがドコドコしていて、
ギターの奏法もときおりメタリックになので、ProgMetal一歩手前という雰囲気もある。
12分、14分という大曲を含む力作であるが、アレンジ面でのつたなさがやや惜しいか。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Unwritten Pages「Noah」
オランダのシンフォニックロックバンド、アンリトゥン・ページスの2010年作
男女Voを含む6人組で、本作は2枚組のコンセプト作。なかなかハードエッジのギターに
美麗なシンセを加えた正統派のシンフォニックロックスタイルで、ほのかに薄暗い叙情性と
男女ヴォーカルの歌を乗せた雰囲気には、ときにゴシックメタル風味の世界観も感じられる。
ジャケなどを含めたSF的な物語性などはAYREON的でもあり、曲自体のインパクトはあまりないが、
ドラマティックな構築性で重厚に聴かせるハードシンフォニックの力作。マイスペはこちら
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5
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US「THE YOUNG AND RESTLESS」
オランダのシンフォニックロックバンド、USのアルバム。2006作。
70年代から活動するベテランバンドということで、これが4作目らしい。
音の方は、GENESIS系といってよいレトロな質感のあるシンフォニックロックで、
昨今のバンドのようなスタイリッシュなきらびやかさはない。
やややぼったいリズムや、アマチュア臭さの残る曲アレンジなどに不満もあるが
やわらかみのあるメロディや70年代風のサウンドには、どかこなつかしい温かみがある。
シンフォニック度・・7 レトロ度・・8 楽曲・・7 総合・・7
US「Climbing Mount Improbable」
オランダのシンフォニックロックバンド、USのアルバム。2008作
たとえモダンな音楽や、薄暗いプログレが世界的に流行ろうとも
時代に流されない牧歌的なシンフォニックロックを作り続けるこのバンド。
今作もテクニックという言葉とは無縁の、ゆったりとしたおおらかなサウンドで、
もったりのんびりと聴かせてくれる。ややヨレ気味の泣きのギターや
素人臭いヴォーカルが気になるような方にはまったく向かないだろう。
つたないながらもシンフォニックロックへの暖かな愛に満ちたサウンドです。
メロディアス度・・8 ゆったり度・・8 もったり度・・8 総合・・7
W
WANIYETULA「A DREAM WITHIN A DREAM」
ドイツのシンフォニックロックバンド、ヴァニエチュラのアルバム。1983年作
80年代に唯一のアルバムを残したこのバンド、かつて「ヨーロピアンロック集成」で
「ANYONE'S DAUGHTERに匹敵する出来」、と書かれていたのを見て以来、
ずっと気になっていたのだが、ここにきてついにCD化された。いざ聴いてみると、
この時期のドイツにしてはメロディアスな、いわゆるGENESIS系サウンドでなかなか聴きやすい。
テクニック的にも安定していて、ときにメロウにときにジャジーなギターのセンスも良い。
ANYONE'S DAUGHTERほどのメロディの魅力はないが、雰囲気的には接近している部分もあり、
)80年代ドイツのメロディック・ポンプ系としては出来のよい方だと思う。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・6 楽曲・・7 総合・・7
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WELCOME
スイスのプログレバンドウェルカム唯一のアルバム。1976作
G&B、Key、Drという変則のトリオ編成で、音的にはELPに近いものがある。
Voは三人全員がとり、ギターは曲によってベースに持ち替えたりしている。
切れの良い演奏とメロディはこの時期のプログレとしてはかなりの高水準。
クラシカルなKeyメロはオランダのTRACEを思わせ、
キャッチーなヴォーカルハーモニーはYesなどをも想起させる。
キーボードメインのプログレとして持っていて損のない作品。
メロディアス度・・8 キーボー度・・8 演奏・・8 総合・・7.5
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WIND「Morning」

ドイツのシンフォニックロックバンド、モーニングの1972年作
これは2作目で元はポップロックであったということなので、シンフォというよりは
メロトロン入りの素朴なポップロックという方が正しいのかもしれない。
テクニカルなところは一切なく、ゆったりとしたゆるやかな雰囲気で
ジャケのような中世風味の世界観も感じさせるメロディアスロック。
ときに語りもまじえた素朴な歌声に、アコースティックギター、
そしてメロトロンが合わさり、じつに耳に優しい繊細な音作りである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 素朴度・・9 総合・・7.5
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XYZ
YWIS「LEONARDO'S DREAM」
オランダのメロディック・シンフォニックロックバンド、イウィスの2nd。1995作
以前1stがZEROコーポレーションから出ていたが、これは久しぶりの2nd、
結成は1982年ということらしいので、相当の寡作バンドということになる。
清涼なキーボードをバックにしたキャッチーでプログレハード的な曲は悪くない。
オランダというと大御所KAYAKあたりが復活して頑張っているが、
このバンドももう一皮剥ければ良いものを作りそうな気配がある。
メロディセンスはあるものの、曲がやや一本調子で新鮮味と迫力に欠ける。
現時点では良質の佳作というところ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
ZENGA「DE ERVARING」
元FLAIRCKのフルート奏者、PETER WEEKERSなどが中心となって結成された
音楽パフォーマンスユニット、ゼンガの4th。自主制作盤。
FLAIRCK自体がアコースティック楽器を手に大道芸人的なパフォーマンスを見せる超絶技巧集団
だったわけだが、そこの看板フルート奏者のバンドなのであるから、当然FLAIRCK同様の路線で、
おそらく舞台上では視覚的にも楽しませる凄いパフォーマンスをやっていると思われる。
曲の方も、ジャズロック的なもの、しっとりとしたシンフォテイストのものから
今風の打ち込みビートを使用したものなど幅が広く、シンセを効果的に用いて奥の深いサウンドである。
PETERもはフレアーク時代のような非常に高度なフルート演奏を聴かせてくれる。
アートな感性のジャケにもなんだか惹かれるものがある。
メロディアス度・・8 アコースティック度・・8 音楽センス・・9 総合・・8
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