CDレビュー プログレ
南米・中米
PROGRESSIVE ROCK/SOUTH AMERICA

掲載バンドは上からABC順になっています

M

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


CDレビュートップ   プログレCD譲ります

 音楽ページTOP



AETHER「VISIONS」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、イーサー(エーテル)の1st。1999作
美しいシンセとメロウなギターを中心とした、南米らしいやわらかみのある
ゆったりとしたシンフォニック作。非常に耳に心地よい音ではあるが、
楽曲にスリリングな緊張感はないので、まったりとして聴くのがよいだろう。
演奏面のつたなさもそうだが、少々イモくさいヴォーカルが入るとややB級っぽくなるが、
ときにSAGRADOを思わせるようなゆるやかな叙情にはうっとりとなる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5

AETHER
「INNER VOYAGES BETWEEN OUR SHADOWS」


ブラジルのシンフォニックロックバンド、イーサー(エーテル)の2nd。2002作
G、KEY&Vo、B、Drの四人組。メンバー写真を見るとドラム以外は皆中年の方々。
音のほうは、ひとことでいうとじじくさくなったTEMPUS FUGITという感じで
目新しさはないが、CAMELにも通じる叙情的なギターワークと、
南米らしい優しげなキーボードに彩られたなかなかの好作。
ムソグルスキーの「はげ山の一夜」のシンフォニックアレンジもやっている。
ただ前作同様、SAGRADOのような迫り来る情感やロック的な躍動感はなく、
全体的に落ち着いた大人のシンフォで、聴きようによっては平坦に聴こえてしまうのが惜しい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


AISLES「THE YEARNING」

チリのシンフォニックロックバンド、アイスルズのアルバム。2005作
最近のチリのプログレ/シンフォニックシーンは良作の宝庫だが、
このバンドもまた素晴らしい叙情をまとったシンフォニック作だ。
軽快でありながら、しっとりとしたたおやかな質感が実に耳に心地よく、
南米というよりもむしろ北欧あたりのバンドかと思ってしまうほど。
大仰さや熱情よりは、とにかくこのリリカルな繊細さにうっとりとなる。
ギターといいキーボードといい、音数を増やし過ぎずやわらかみのある音作りで
聴き手を癒しながら、しっかりとプログレとしても楽しませてくれる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 しっとりたおやか度・・10 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る


ALAS

アルゼンチンのプログレ・ジャズロックバンド、アラスの1st。1976作
15分、17分という大曲2曲の構成で、せわしないテクニカルなリズムに
ジャズ的なピアノやELP的なハモンドを乗せて軽やかに聴かせる。
かと思うと南米らしい叙情的なヴォーカルも出てきたりと、
単なるジャズロックでもないごった煮感が本作の魅力かもしれない。
タンゴに通じる情熱的な情緒とクールな構築性、たおやかさと荒々しい勢い、
軽やかなジャズと濃密なプログレがミックスされた、混沌として整然たる作品。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ANACRUSA
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの1st/2ndカップリング。1973/1974作。
たおやかなフルートの音色にビブラフォン、アコギにピアノなどが美しい、
南米特有のやわらかみのあるメロディで聴かせるフォルクローレ。
スペイン語の女性ヴォーカルが入ると、いかにもラテンミュージック的になる。
後のアルバムのようなダイナミズムはまだなく、総じて繊細で素朴な雰囲気だが、
のんびりと耳を傾けると、心なごむこと請け合いのアコースティックサウンドだ。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 女性Vo度・8 総合・・7.5

ANACRUSA「DOCUMENTOS」
アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの3rd/4thのカップリング。1975/76作
たおやかなフルートにピアノ、オーボエなどのアコースティック楽器と、
ゆるやかなパーカッションのリズムの上を、スペイン語の女性ヴォーカルが歌い上げる。
民族的なメロディにジャズ風味の繊細さも加わって、ゆったりとした感触で楽しめる。
ボサノバを思わせるようなやわらかさのあるサウンドに、ジャズタッチのピアノや
繊細なフルート音色など、南米らしい温かみのあるメロディが耳に心地よい。
ラストは15分の大曲でプログレ的なフォークロワを聴かせてくれる。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

ANACRUSA「El Sacrificio」

アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーサの5th。1978作
6th「FUERZA」と並んで傑作と名高い本作をようやく入手。
初期はたおやかなフォルクローレをやっていたバンドだが、
今作からロック的なダイナミズムを取り入れだしている。
フルートに絡むエレキギター、バックには壮大なオーケストレーション、
そこにスペイン語による情熱的な女性ヴォーカルが歌を乗せ、
クラシカルなシリアスさとともに、厚みのあるサウンドが素晴らしい。
ピアノやサックスなどにはジャズロック的な質感も垣間見せつつ、
クラシックとフォルクローレをロックと融合させた見事な音楽を聴かせてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 クラシカル度・・8 総合・・8

ANACRUSA「FUERZA」

アルゼンチンのクラシカル・フォルクローレバンド、アナクルーザの6th。1982作
ロック、プログレ、というよりはクラシカルな叙情派南米音楽といった方がいいのかも知れない。
オーケストラ、ストリングスによる盛り上がりや、熱情的な女性ヴォーカルが特徴的。
クラシカルでシリアスな部分はイタリアのOPUS AVANTAを思わせるが、
ゆったりとした壮大さと、叙情はやはり南米特有のもの。
たおやかなストリングスが良いかと思えば、時にサックスやフルートが前に出たり、
ゆるやかなピアノが心地よかったりと、うるさい音ではないのになかなかに密度が濃い。
楽曲にはプログレ、シンフォファンにも届く躍動感があり、
今で言えばAFTER CRYINGのようなクラシカルなダイナミズムが堪能できる作品である。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 シリアス度・・8 総合・・8

ANACRUSA「ENCORDADO」

アルゼンチンのフォルクローレバンド、アナクルーザの復活作。2005作
オリジナル・メンバーのJose Luis Castineira de Dios、Susana Lagoを中心に、
作られた本作は、新曲に加え、過去曲のリメイクなどを収録。
たおやかなフルートにピアノ、サックス、オーボエと、かつてのような
しっとりと聴かせるサウンドは不変ながら、エレキギターやドラムも入って、
フォルクローレとジャズ、ロックの自然な融合を感じさせる。
きらきらしたビブラフォンの響きに、ヴァイオリンなどのストリングスも入ってきたり、
クラシカルな優雅さも味わえる。落ち着いた大人の味わいで楽しめるアルバムだ。
アコースティカル度・・9 南米度・・8 しっとり優雅度・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


AngulArt「Donde RENACEN las horas」
チリのプログレバンド、アングルアートのアルバム。2004作
ここ最近のチリのプログレシーンは、ENTRANCEMATRAZなどをはじめ
高品質なシンフォバンドの宝庫と化しているが、このバンドもなかなかの個性を持った新人だ。
けっこうメタリックなギターにツーバスも使用するドラム、
そこにいかにもプログレ的なキーボードと、母国語の歌唱とが合わさり、
少々奇妙なハードシンフォサウンドを形作っている。
このバンドの場合、ただのメロディアスなシンフォではなく、
ややひねくれた偏屈さがあるのが個性となっていて、癖のあるヴォーカルが
辺境的な雰囲気をかもし出しているのが好みを分けるところかもしれない。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5


Anima Mundi「Jagannath Orbit」

キューバのシンフォニックロックバンド、アニマ・ムンディのアルバム。2008作
中米といえばメキシコあたりはシンフォニックロックの盛んな国だと思うが、
まさかキューバからこのような本格派のシンフォバンドが出てくるとは。
しかもクオリティがえらく高い。ヴィンテージなシンセ群を使いまくり、
のっけから展開の被い17分の大曲を聴かせてくれる。イモ臭さはまったくなく、
むしろTRANSATLANTICばりにスタイリッシュな構築性が素晴らしい。
キャッチーなコーラスワークに、抜けのいいギターでメロディアスにたたみかけ
中米にありがちなリズムの弱さもない。基本的にはアメリカ的な陽性の音であるが、
ここぞというときにはドラマティックに押してくる。若干やぼったいヴォーカルを別にしても
シンフォニックロック愛好家にはたまらない音がたっぷりと詰まっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

ANIMA MUNDI「The Way」

キューバのシンフォニックロックバンド、アニマ・ムンディの2010年作
前作が大変素晴らしかったこのバンドだが、3作目となる今作もまた大変な力作。
女性シンセ奏者を含む5人編成で、メロディアスかつ繊細な叙情と、見事な展開力で、
キューバという地域性を吹き飛ばすような濃密なシンフォニックロックをやっている。
なにしろ1曲目から14分の大曲で、2曲目が26分の組曲という気合の入りようだ。
ときにゆったりとしたスペイシーな壮大なビジョンを描きつつ、アコースティックな素朴さも織り込みながら、
あくまでやわらかなメロディでじわじわと盛り上げて行くサウンドは、TRANSATLANTICにも負けていない。
泣きのギターと美麗なシンセが重なってゆく瞬間は、すべてのシンフォニックロックファンが降参するだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


ARBATEL「Sumerios」

チリのプログレバンド、アルバテルの2010年作
古代文明の宗教/哲学観をコンセプとにした作品で、妖しげな女性スキャットから始まり、
土着的なパーカッションとともに、男女ヴォーカルの呪術的な歌声が響きわたる1曲めはやや異色だが、
2曲めからは美しいシンセとテクニカルなリズムによるシンフォニックサウンドで、
Jaime Rosasあたりを思わせる古き良きプログレ的なシンセワークがなかなか魅力的。
スペイン語による女性ヴォーカルはヘタウマながらオペラティックでなかなか美しく、
シアトリカルな雰囲気がELP風のシンセとミスマッチで、どこかローカルさをかもしだしている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 妖しさ度・・8 総合・・7.5


ARION

ブラジルのシンフォニックロックバンド、アリオンの1st。2001作
RENAISSANCEのアニー・ハズラムを思わせる(そこまで上手くはないが)女性Voに
クラシカルなピアノ、キーボード、そして南米らしい叙情的なギターと、全体的に
新人バンドとしてはなかなかの出来。曲のインパクトとしては突き抜けたものはないが、
女性Voシンフォ好きなら聴いて損はない。ジャケが美しいので画像掲載。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


ASA DE LUZ「The Link」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、アサ・デ・ラズのアルバム。1998作
SAGRADO以来、この手の南米シンフォものには目がない筆者である。
TEMPUS FUGITQUATERNA REQUIEMDOGMAAETHER、等々…
この手のバンドは叙情性とシンフォニックという点で期待を裏切らない。
このバンドのサウンドも、ややハードめのギターにピアノ、そして艶やかなヴァイオリンが絡み、
なかなかドラマティックなシンフォニックサウンドを形成している。
主に英語で歌われるヴォーカルメロディも分かりやすいし、
ギタリストの奏法などには、ハードロック的な感触もあったりするので、
メタル系のリスナーにも聴きやすいバンドかもしれない。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 南米度・・8 総合・・8


ASTRALIS「Bienvenida al Interior」
チリのシンフォニックロックバンド、アストラリスのアルバム。2006作
ENTRANCEのGのバンド、AUSTRALISとは似たような名前だが別バンド。
シンセにかぶさるギターがメロウなフレーズを奏で、そこにスペイン語のVoが歌を乗せる。
ときおりギターがハードめになるのもENTRANCEに通じる部分で、
メロディアスな抜けの良さととやぼったさが同居しているのがいかにも南米的だ。
緑の自然を描いたジャケのような爽やかな美しさを目指しているのかもしれないが、
スペイン語の歌唱のせいもあってか、やはりどこか暑苦しくなってしまう(笑)
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5


ATEMPO「A bismos del Tiempo」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、アテンポのアルバム。2002作
同郷のNEXUSのメンバーを含むバンドで、ゆるやかに聴かせるシンフォサウンド。
シンフォニックなシンセワークに、ときにハケットを思わせるメロウなギター、
そこに乗るスペイン語の女性ヴォーカルもヘタウマ気味ながら、いい味を出している。
47分の組曲を含む力作で、けっこうな長尺感でもったりしすぎる場面もあるが、
南米らしい濃密なドラマティックさを求めるリスナーなら楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5

ATEMPO「simple」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、アテンポのアルバム。2005作
濃密だった前作に比べて、曲もややシンプルになり(といっても10分以上が2曲)、
交代した女性ヴォーカルも美声のタイプで、なかなか聞こえが良くなった。
ややクサめのメロウなギターや、一昔前のゴシックメタル的な雰囲気になったりと
全体的にはもったりとしたダサさがあるのだが、そこも含めての南米シンフォ、
あるいは女性Voものとして楽しめる方なら許せるだろう。ラスト曲は何故かジャズロック 調。
シンフォニック度・・7 南米度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5


AUSTRALIS「terraustralis」
チリのシンフォニックロックバンド、ENTRANCEのギタリストRICHARD PILNIKによる
プロジェクトバンド、アウストラリスのアルバム。2005作
ギターメインのハードめのシンフォニックロックで、ツーバスを叩くドラムもメタリックな雰囲気をかもしだす。
スペイシーなキーボードの使い方は意識的なのだろうが、ピコピコしていてやや安っぽい印象。
聴きようによってはPLANET Xあたりに通じる硬質感もあるが、そこまでテクニカルではなく
ホールズワース的なギターは、あくまでメロディを主体に奏でておりとても聴きやすい。
演奏のレベルも高いが、音のトーンが一本調子なので意外性は薄い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ギターオリエンテッ度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




BACAMARTE「DEPOIS DO FIM」

ブラジルのプログレバンド、バカマルテのアルバム。1983作
80年代の南米シンフォニックシーンは、SAGRADOMARCO ANTONIO ARAUJOを除くと
ワールドレベルのバンドはあまりいなかったのだが、その例外となるのがPabloと本作である。
スパニッシュ風の素朴なギターから始まり、美しいシンセが加わってのダイナミズムは
ちっょと筆舌に尽くしがたい。南米的なやわらかな叙情と躍動感、フルートなども入った
フォルクローレ風味のロマンティシズム、そして情熱的な女性ヴォーカルも加わって、
雄大で鮮やかなシンフォニックロックを聴かつつ、一方では土臭い人懐こさもある。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 南米度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


BANANA「AUN ES TIEMPO DE SONAR」

アルゼンチンのロックバンド、バナナの2nd。1979作
もともとがポップロックバンドだったバンドが、いきなりプログレ的な作品を作ったというのは、
イタリアンロックなどにはよくあるのだが、これはアルゼンチンのバンドなのだから珍しい。
やわらかなオルガンやシンセの音色に、メロディアスなギター、甘いヴォーカルで聴かせるサウンドは、
ゆったりと優しく、そして叙情的。スペイン語による歌唱もどこかイタリア的に響いて聞こえる。
9分、10分という長い曲を聴かせる構築美も備えた、繊細な美しさに溢れた南米プログレの傑作です。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


BANDHADA

チリのメロディックプログレバンド、バンドハダのアルバム。2004作
1984年に自主制作で出ていた作品らしいが、たしかにこうして発掘されるだけの内容である。
一聴すると、プログレというよりはメロディアスなフュージョン的な軽やかさがあるが、
そこにメロウな旋律を奏でるギター、シンセ、そしてたおやかなフルートが重なると
全盛期のCAMELもかくやという叙情ゆたかなメロディアスシンフォサウンドとなる。
とにかくこのメロディアスなことといったら、CAMELGOTICSEBASTIAN HARDIE
といったバンドの最良部分を集めたようなほどで、聴いていてたまらずうっとりとなる。。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 しっとりフルート度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

BANDHADA「Open Cage」

チリのプログレバンド、バンドハダの2009年作
1984年に自主制作で発表した音源が2004年になってCD化されたが、
本作はなんと新録による25年ぶりの復活アルバムということになる。
前作は「フュージョン化したCAMEL」というようなサウンドだったが、
本作も軽やかなジャズロック/フュージョン風味のメロディック作だ。
センスのいいギターフレーズとやわらかなシンセ、ピアノが絡み、
ときにサックスやフルートの音色もまじえつつ、適度なシンフォニック性とともに、
大人の余裕を感じさせる優雅なアンサンブルを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 軽やか度・・8 南米度・・7 総合・・8


BARROQUEJON
「CONCERNING THE QUEST,THE BEARER AND THE RING」

チリの一人シンフォニックもの、バロックエジョンのアルバム。2003作
「LORD OF THE RING」をモチーフにしたドラマティックな作風で、
民謡的なメロディをたっぷりと折り込んだサウンドは、大仰かつファンタジック。
キーボード、ピアノ、オーケストレイション、ヴォーカルを一人でこなしていて、
QUEENばりのコーラスの重ねも全て一人でやっているのだから、
よほど友達がいな…いや、こだわりがあるのだろう。
ジャケの雰囲気のようなダークさはあまりなく、むしろ爽やかに聴き通せる。
打ち込みやオーケストレイションがメインなので演奏的にはやや平坦だが
この手のケルトな雰囲気が好きなメタルリスナーにもお勧め出来る。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 プログレ度・・7 総合・・7.5


BLEZQI ZATSAZ (FAVIO RIBEIRO)
「RISE AND FALL OF PASSIONAL SANITY」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、V MILENIOのキーボード奏者、ファビオ・リベイロのソロ作。1990作
トレ・ミレニオ自体も濃密かつシアトリカルなシンフォニックサウンドであるが、
本作はそれ以上に大仰かつドラマティックなキーボードシンフォニックが全開。
きらびやかなシンセの重なりでオーケストラルな華麗さを描き出しつつ、
怒濤のように盛り上げてゆく様は、まさにラテン系の熱き魂か。
キーボードシンフォとしては世界最高レベルの派手さ。こりゃすごいです。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・10 ドラマティック度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

BLEZQI ZATSAZ「THE TIDE TURNS」
III MILENIOのキーボード奏者、FABIO RIBEIROのソロバンド、ブレヅキィ・ザッサズの2nd。2002作
何と12年ぶりの新作。1stは大仰極まりないキーボードシンフォの怪作であったが、
この2ndでは、やや落ち着いた感じのメロディアスなシンフォニックサウンドである。
多重録音の美しいキーボートと流麗なギターによるインストで、
どこを切り取ってもシンフォ好きには心地よい音が詰まっている。
TEMPUS FUGITQUATERNA REQUIEMなどが好きなら聴くべし。
シンフォニック度・・8 コテコテ度・・9 キーボー度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


BUBU「ANABELAS」

アルゼンチンのプログレバンド、ブブのアルバム。1978作。
70年代のアルゼンチン産バンドの中では名作に挙げられる1枚。
フルート、サックス、ヴァイオリンが鳴り響き、そこにヘヴィめのギターも加わって、
KING CRIMSON的な質感のスケールの大きいサウンドが展開される。
ときにサックスなどが弾きまくり、アヴァンギャルドさを覗かせつつも、全体的には
非常に構築されたチェンバーロック的なシリアスさに、ほのかな叙情性を感じさせる。
19分、11分、9分の全3曲という構成で、70年代の南米を思うと圧巻の完成度を誇る。
メロディアス度・・7 ヘヴィシンフォニック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




CAST「THIRD CALL」
メキシコのプログレバンド、キャストの3rd。1994作
GENESISCAMELなどの雰囲気を感じさせながらももっと軽やかで
弾きまくりのシンセやギターのフレーズには南米らしい熱さを感じさせつつも
音のまとまりがあるので案外繊細に聴こえる。歌の弱さはいかんともしがたいが、
メロディの抜けの良さはやはり見事だし、近作ほどのクオリティではないにしろ
当時の中米のシンフォニック作としては相当のレベルといえるだろう。
メロディアス度・・8 コテコテ度・・8 されど繊細度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「four aces」
メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストの4th。1995作
活動15年近くになるベテランで、中米最高のシンフォバンドといっていいだろう。
出来としては近作になるほど良いのだが、このあたりの初期作もなかなか。
美麗なシンセを中心に、英語による歌メロもキャッチーで聴きやすく、
10分、17分という大曲も、あくまでメロディアスに構築されてゆく。
サウンドにメリハリがないのが残念だが、シンフォ好きの耳には心地よいはず。
バンドのディスコグラフィーが載るオフィシャルサイトはこちら
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「Angels and Demons」

メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストのアルバム。1997作
キャリアとしては15年を超え、アルバムも現在までに20枚近く発表している
中米きってのベテラン。今作はたぶん6作目あたりではないだろうか。
今作も美麗なシンセと泣きのギターで聴かせるCAST節がのっけから炸裂。
10分を超える大曲2曲を含めて、73分間シンフォニックしまくりのアルバムだ。
彼らの魅力はあくまでメロディにこだわる点と、きらびやかさの中にも
繊細な叙情が存在している点。なので濃密であっても耳に心地よいのである。
シンフォニック度・・9 濃密度・・9 叙情度・・8 総合・・8

CAST「LEGACY」

メキシコのベテランシンフォニックロックバンド、キャストのアルバム。2000作
CAMELを思わせるメロディアスなギターにたおやかなフルートが美しい。
初期の作品はややリズムや曲そのものが弱かった記憶があるが、
さすがにここまでくると演奏にも年季が入ったもの。
きらきらとしたキーボードも美しく、実に堂々とした演奏だ。
中米シンフォの代表として、もっと評価されていいバンドだと思う。
やわらかなメロディが心地よいメロディアスシンフォ作品。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 たおやか度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「castalia」

メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストのライブアルバム。2001作
スタジオ盤では毎作「これでもか」というほどの濃厚シンフォを作り出すこのバンド。
ライブにおいてもその志は変わらず。美しいシンセを中心に、たおやかなフルートの音色、
泣きのギターフレーズとヴォーカルが加わって、濃密なシンフォサウンドが描かれる。
しかしながらあくまで叙情的なので、コテコテなのにどこか爽やかなのがこのバンドの特徴。
シンフォニック度・・8 濃密かつ叙情的度・・9 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「AL-BANDALUZ」

メキシコのベテランシンフォニックロックバンド、キャストのアルバム。2003作
メキシコというとICONOCLASTAに代表されるような「演奏が粗い」というイメージがあり、
これまで手を出せずにいたのだが、キャストのこの2枚組アルバムは、なかなかの高品質だ。
中米らしい甘いメロディにイタリア的な情熱を加味して、分かりやすく心地よいサウンドに仕上げている。
ベテランらしく演奏もしっかりしており、なによりプロダクションが良い。
メロディアスなギターとキーボードの絡みなどは、シンフォニック好きなら思わずにんまりする。
爽快な疾走感もあり、気持ちよく聴けるインストシンフォ作品。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「NIMBUS」

メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストのアルバム。2004作
おそらく14thくらい。今回はジャケもそうだが、ややシリアスなハードシンフォサウンド
組曲的な大曲もあることから、どうもコンセプトアルバムのようだ。もちろんベテランらしく、
聴かせどころはツボを心得ていて、メロウな泣きのフレーズを奏でるギターに、音色豊かなシンセ、
哀愁をまとわせたヴォーカルと、フルート、それにゲストの女性Voもよいアクセントになっている。
昨今勢いのあるチリのMylodonレーベルからの配給ということもあってか、
しっとりとした部分は繊細に、ハードな部分はプログレメタル的にもなり、
同レーベルの新鋭MATRAZを思わせるドラマティックな構成美が光る。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレメタル的度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「Com.Union」

メキシコのシンフォニックロックバンド、キャストのアルバム。2007作
今や中米のみならず、世界的に見ても素晴らしいシンフォニックロックバンドとなった感があるが、
今作もベテランらしい充実の完成度。いかにもプログレ的な軽やかなリズムにシンフォニックなシンセと
ギターが絡み、そこに重なるフルートの音色はイタリアンプログレ的な叙情を感じさせる。
軽快かつメロディアスで、非常に濃密な作風ながらも、かっちりと合わさったアンサンブルが
抜群の一体感となっていて音に煩さを感じさせないのが見事だ。
スペイン語の歌唱が加わると、分厚いサウンドはときにハードシンフォニック的な
重厚さをかもし出しつつも、ピアノによる艶やかな叙情パートでは泣きの哀愁も覗かせる。
これだけ詰め込んでいながらも、全体的にはしっかりとメロディアスで聴きやすく、
ぱっと出の新人では作れない貫祿がある。世界基準で見ても傑作といい得る内容だ。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 濃密度・・10 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

CAST「Originallis」

メキシコのプログレバンド、キャストのアルバム。2008作
ライブ盤などを含めるとディスコグラフィーは20枚にもおよぶ、まさに中米最大のシンフォニックロックバンドである。
ここ数作は、どれもが世界気ベルの傑作であり、前作「Com.Union」は素晴らしいアルバムであったが、
今作はなんとCD2枚組の大作。やわらかみのあるシンセが美麗に鳴り響き、たおやかなフルートの音色に
泣きのギター、哀愁溢れるスペイン語の歌唱と女性コーラス。のっけからシンフォニック全開で聴かせつつ、
今作ではジャズロック的な軽やかな展開力も覗かせて、前作にもましてカラフルな趣だ。
しかし、毎度のことながらこのメロディと叙情美へのこだわりはハンパではない。
往年のCAMELGENESISを足して3倍濃縮させたかのような場面の連続に、
思わずにんまりとしつつ、泣きのメロディと哀愁に胸を打たれるのである。またしても傑作。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


CHANETON「The First Light of the Century」
ブラジルのシンフォバンド、チャネトンのアルバム。2004作
ゆったりめの曲調でたおやかなキーボード、ギターに少々癖のあるヴォーカルと、
典型的なポンプロックで、初期GENESISMARILLIONタイプ
あまりに普通すぎて面白みにかけるが、今どき珍しいくらいのまっとうなポンプサウンドだ。
8分以上の曲が4曲、うち12分の大曲ありと、大作志向のゆるやかシンフォ作。
シンフォニック度・・7 ポンプロック度・・9 楽曲・・7 総合・・7


CODICE「ALBA Y OCASO」
メキシコのシンフォニックバンド、コーディスの1999年発表の恐らく1st。
サウンドはまさしくシンフォニックの王道。CD2枚組大作。
メロディアスなギターにキーボード、意外と歯切れのよいリズム。
キャメルを早くしたような曲や、女性Vo入りの曲、アコースティックギターを聴かせるパートなど
どれもそれなりにセンスがよく、ラテン的叙情を感じさせてくれる。
中米のメキシコという国からここまで洗練されたシンフォッニクグループが現れるとは驚きだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮大度・・9 総合・・7.5


CRISALIDA

チリのハードシンフォニックバンド、クリサリダのアルバム。2006作
MATRAZをはじめ、ハードめのシンフォニックバンドの多いこの国だが、
このバンドもDREAM THEATERに影響を受けたとおぼしきメタリックなテイストと
スペイン語の女性Voの情熱的な歌唱が特徴的な、クオリティの高いサウンドをやっている。
かなりハードエッジなギターワークは、メタルファンでも普通に楽しめるくらいにテクニカルだし、
きらきらとしたシンセワークもなかなかのもの。曲は3〜6分台で比較的シンプルにまとまっていて
聴きやすく、プログレメタルとしても充分出来が良い。オフィシャルサイトで試聴可能。
シンフォニック度・・7 メタリック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

CRISALIDA「RACO」
チリのハードシンフォニック(プログレメタル)バンド、クリサリダの2009年作
前作はDREAM THEATERを思わせるプログレメタリックなサウンドと
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるなかなかのアルバムであったが、
本作では、しっとりとしたシンフォニックな楽曲もあって、
女性Voのスペイン語の歌唱がより引き立ってきている。
もちろんハードメタリックなProgMetal要素も残っているが、
今作ではトータルなバランスでの完成度を高めてきたという印象だ。
贅沢をいえば、もう少し派手さというか、明快な聴かせどころがあればと思う。
シンフォニック度・・7 メタリック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5




DOGMA「ALBUM」
ブラジルのシンフォニックロックバンド、ドグマの1st。1992作
すでに2nd「TWIN SUNRISE」の方は聴いていたので、安心して購入。
全編インストながら、ギターの奏でるゆるやかなメロディには親しみ易さがあり、
SEBASTIAN HARDIEの南米盤という言い方もできるかも。
やかましくない、ゆったり系の音なので緊張感は薄いが、
優しい系シンフォが好きな方にはお薦め。クオリティは2ndの方が上か。
SAGRADOのマルクス・ヴィアナもヴァイオリンでゲスト参加。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5

DOGMA「TWIN SUNRISE」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、ドグマの2nd。1995作
美しいピアノとシンフォニックなシンセ、そこに叙情的なギターワークが合わさって
まるでSAGRADOを思わせるような雄大かつ繊細なサウンドが現れる。
楽曲は主にインスト中心でありながら、この引き込まれるような器の大きさ…
そして絶品のメロディと叙情美。女性ヴォーカルの歌声もいいアクセントになっている。
90年代の南米シンフォを代表する1枚と言っていい内容だろう。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




Echoes「Nature Existence」

ヴェネズエラのプログレバンド、エコーズのアルバム。2010作
トリプルギターにシンセ入りの6人組で、ヴォーカルパートは全てゲストという面白い編成。
シンフォニックなシンセと厚みのあるギターサウンドで、泣きのメロディを聴かせる楽曲は、
いくぶんメタリックで薄暗い叙情とともに、QuidamSylvanあたりに通じる質感もある。
広がりを感じさせる繊細なシンセワークと、ときにメロウなフレーズを奏でるギターに
耳心地のよいヴォーカルメロディが重なって、重厚なのだがやかましくないのが素晴らしい。
TEMPANOのVoをはじめ、スラッシュバンドANGEL BLEAKのVoなどもゲスト参加している。
メロディアス度・・8 メロウな叙情度・・8 ProgMetal風味も度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ENTRANCE
チリのシンフォニックプログレバンド、エントランスの1st。1999作
2nd「EN LA TIERRA」の好評価があって、その後にリリースされたらしい。
サウンドはひと言で言えば「ゴリ押し弾き倒しシンフォ」
アルゼンチンのNEXUSあたりに通じる音だが、こちらの方が少々粗いかもしれない。
シンフォニックなキーボードや、ときにメタリックでもあるギターなど、なかなかいい感じなのだが、
メロディというか、曲そのものに「もう少しで心地よいのに」という不完全感があり、
結果として傑作にはなりきれぬ雰囲気があるのが残念。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 けっこうメタリック度・・8 総合・・7

ENTRANCE 「en la tierra」

チリのシンフォニックロックバンド、エントランスの2nd。2002年作
JAME ROSASのきらきらとしたキーボードワークにけっこうメタリックなギター
そこにスペイン語の歌唱が合わさり、濃いめのハードシンフォニックサウンドを形成。
基本は押しまくりのスタイルだが、メロディには南米らしい歌心が感じられ
そこがやはり欧州のバンドとは異なる質感を生み出している。
組曲形式の大曲が多いが、キレのある演奏と起伏のある構成で聴かせる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 南米度・・9 総合・・8

ENTRANCE「ODISEA」

チリのシンフォニックロックバンド、エントランスのライブアルバム。2006作
2003年メキシコでのライブを収録。現在はすでにバンドは解散しているが、
MATRAZらとともにチリ産ハードシンフォを盛り上げていた彼ら。
解散後に出されたこのライブ盤でも、スタジオ盤以上に濃密な演奏を聴かせてくれる。
ハードめのギターと手数の多いドラムにはメタリックな質感もあり、
そこに壮麗なキーボードとスペイン語の男ヴォーカルが加わると
「これでもか」という押しの強いハードシンフォサウンドとなる。
たたみかける系のコテコテのシンフォがお好きならぜひ聴きましょう。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 コテコテ濃密度・・9 総合・・8

ENTRANCE「entre dos mundos」

チリのシンフォニックロックバンド、エントランスの3rd。2008作
アルバム2枚とライブ作1枚を出してから解散していたと思われていたこのバンドが、
ソロ活動から戻ってきたシンセ奏者ハイメ・ロサスを迎えて復活した。
サウンドの方は相変わらずのコテコテのハードシンフォニック全開。
縦横無尽のロサスのシンセワークを中心に、ときにProgMetal的なハードさと、
スペイン語の歌声とともに濃密に聴かせる。全体的に優雅さよりも暑苦しさを感じさせるところは
イタリアンのバンドにも通じる勢いがあり、この手が好きなリスナーなら間違いない。
シンフォニック度・・8 濃密度・・9 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


EQUILIBRIO VITAL「Retorno」

ヴェネズエラのシンフォニックロックバンド、エクイリブリオ・バイタルの2010年作
てっきりフランスのMINIMUM VITAL関連のバンドかと思いきや、まったく別のこちらは南米のバンド。
アコースティックギターにシンセを絡めた南米らしい繊細な質感と、シンフォニックな叙情性、
シリアスでありつつも音に硬さはなく、美麗なシンセの合間にアコースティカルな素朴さがある。
フルートやサックスなどを自然に取り込んでいる質感はPFMなどイタリアのバンドにも通じるか。
楽曲の優雅な雰囲気と、メロディアスでありつつべたつかないセンスのよさが光る。かなりの傑作。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


ESPIRITU「V」
アルゼンチンのメロディアスシンフォバンド、エスピリトゥの3rd。1982作
南米らしいやわらかなメロディに、シンフォニックなキーボードが交差する。
全体的にはスペイン語の歌唱を中心とした、落ち着いた感じの小曲でまとめられていて、
さしたるインパクトはないものの、優しい心地よさに包まれるサウンドである。
ややハードでブルージーなギターと繊細な歌メロの対比もいい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5


ESTRUCTURA「mas alla de tu mente」

ヴェネズエラのプログレバンド、エストラクトゥラのアルバム。1978作
バンドの詳細は不明だが、女性Voに女性Gを含む8人編成で
のっけからたたみかけるようなシンセに、神秘的なコーラスが入ってきてなにやら壮大な雰囲気。
33分、28分という大曲2曲の構成もすごいが、中身の濃さも年代と国を考えれば相当すごい。
スペイシーかつクラシカルなシンセワークに、南米らしい情熱的なメロディを奏でるギター、
そこにスパニッシュ美声の女性ヴォーカルが加わると…もうタマりまへん!
ピアノなどによる叙情的なパートでしっとりと聴かせつつも、ボサノバELP(?)風の愉快なパートや、
男Voによるメロウな歌ものパート、クラシカルなキーボードなど、組曲の中でいろいろな側面を見せつける。
曲が長いせいで散漫なところもままあるが、ラストの大団円的な盛り上がりは感動的だ。
ヴェネズエラのみならず、70年代の南米を語る上で異色の傑作として語る価値のある作品だろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8


I

ICONOCLASTA「SOLILOQUIO」
メキシコのシンフォニックプログレバンド、イコノクラスタの3rd。1987作
のっけからギター、キーボードによる大げさシンフォニックロック
イタリアのバンドにも通じる情熱的なサウンド。そこに中米のラテン気質も付加されてとても押しが強い。
しかし叙情もしっかりとありフルートも大活躍。女性Voも効果的に華を添える。
演奏力としては並であるが、このくどいまでに元気のいいシンフォサウンドには魅力も多い。
盛り上げ系シンフォ好きはB級ながらも受け入れられるだろう。
シンフォニック度・・8 情熱度・・9 楽曲度・・8 総合・・7.5


INVISIBLE「El Jardin de Los Presentes」

アルゼンチンのメロディックロックバンド、インビジブルのアルバム。1976作
名うてのギタリスト、ルイス・アルベルト・スピネッタ率いるバンドで、
ALASのKey奏者も参加している。サウンドはうっすらとしたシンセと、
アコースティカルなギターワークをバックに、伸びやかな歌声で聴かせるもの。
一聴してのインパクトは薄いものの、じわじわとくる叙情には温かみがある。
ブルージーなロック色のあるナンバーは、プログレファンからすると外れるかもしれないが
南米ロックという大枠でとらえて聴けば、じつに味わいのある作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Jaen Kief「Las Hadas No Vuelan Mas/I.Vagas Nubes」
コロンビアのシンフォニックロックバンド、ジェーン・キーフのアルバム。2003作
男女ヴォーカルにフルート、サックス奏者を含む8人組で、美しいシンセに泣きのギター、
アコースティカルな風味もまじえたシンフォニックロックをやっている。
女性Voの歌声にやわらかなフルートの音色がしっとりと耳に優しく、
南米のマイナー系特有のやぼったさもあって、その垢抜けなさもまた微笑ましい。
楽曲としてはこれだという盛り上がりやインパクトに欠けるのが惜しいが、
ゆったりと聴けるやわらか系シンフォニックロックとしてはなかなか楽しめる。
シンフォニック度・・7 しっとり度・・8 やわらか度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jaen Kief「Las Hadas No Vuelan Mas/U Elagua de frente
コロンビアのシンフォニックロックバンド、ジェーン・キーフのアルバム。2008作
いかにも南米的なやわらかなメロディで聴かせるマイナー系シンフォというサウンドだった
その前作の続編となるアルバムで、本作もしっとりとしたシンセに女性ヴォーカル、
フルートなどが合わさり、繊細な叙情シンフォニックロックを聴かせる。
男女ヴォーカルのスペイン語の歌唱にはやややぼったさは感じるものの、
アコースティカルな要素も含めて、大曲の中でのダイナミックな緩急も活かされていて、
前作以上に雄大な雰囲気を感じさせる。南米シンフォニックの力作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


JAIME ROSAS 「VIRGO」

チリのシンフォバンド、ENTRANCEのKey奏者、ハイメ・ロサスのソロ作。2003作
ENTRANCE自体は2枚のアルバムを残して分裂してしまったようだが、
中心人物のジェイム・ロサスは今後はソロとして作品を出してゆくようだ。
サウンドは打ち込みリズムとオーケストレイションによる、いわゆる“一人シンフォニック”
組曲、大曲を中心とした四部構成で、音色の使い方や、ドラマティックなメロディには
日本の桜庭統あたりを感じさせるものもあり、リズムが打ち込みということもあってか、
どこかゲームミュージック的な感触もある。綺麗なシンセの音色は現代的シンフォ音像で、
この手のキーボードプログレ好きにとっては美味しい作品には違いない。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 キーボー度・・9 総合・・8

JAIME ROSAS TRIO 「EXTREMOS」
チリのENTRANCEのKEY奏者、ハイメ・ロサスのソロ2作目。2004
バンド形式となっての1作目。やはり打ち込みではないドラムが加わると
いかにもプログレという音になって聴いていても嬉しいものだ。
キーボードトリオといってもELPタイプというよりは、常にメロディを意識しているという点で
日本の桜庭統にも通じるものがあり、ところにより繊細なタッチのピアノも聴かせるなど、
曲とメロディには南米らしいやわらかみが感じられる。手数の多いドラムもなかなか。
次作では一人メンバーが増えてJAME ROSAS CUARTETOになる(笑)
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 キーボー度・・7 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

JAIME ROSAS CUARTETO「CRECIENDO」

ENTRANCEの元Key、ハイメ・ロサスのバンドの2作目。2005作
ソロ名義の第一弾は打ち込みリズムにより一人シンフォニックだったが、
その後、ギター、ベース、ドラムを入れてバンド体制となった。
ENTRANCE自体がゴリ押し畳みかけ系のシンフォサウンドであったが、
今作も正しくそれを受け継いだ濃密なシンフォプログレ。演奏陣が加わったことで、
ロックとしての躍動感も加わって、ハイメ・ロサスのクラシカルなKeyフレーズもますます冴え渡る。
まるでこれは日本のDEJA-VU(桜庭統)か?という、美麗なきらきらキーボード弾きまくりのシンフォニックロック快作!
シンフォニック度・・8 きらきら度・・9 キーボー度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jaime Rosas Cuarteto「Viajetos Astral-Live In Brazil」

チリのシンセ奏者、ヘイメ・ロサスによるユニットのライブアルバム。2008作
ENTRNCEのシンセ奏者でもあり、ソロ作としても3作を発表
その濃密なキーボードシンフォニックサウンドは、南米のPar Lindhといってもいい。
これは2005年ブラジルでのステージを収録したライブアルバムで、
ソロ作からの曲をはじめ、ENTRNCEの曲などもギター入りの四人編成で演奏している。
ELP桜庭統かというクラシカルなフレーズでキーボード、ハモンドオルガンを掻き鳴らし、
手数の多いドラムとともに熱い演奏でたたみかける。これが南米鍵盤シンフォの最高峰だ。
シンフォニック度・・8 キーボー度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Jaime Scalpello「El Rugido De Los Dioses」

ENTRANCEのVoを中心にしたシンフォニックロックバンド、ヘイメ・スカルペロのアルバム。2008作
SUBTERRAのシンセ奏者、ENTRANCEのドラマー、JAIME ROSAS CUARTETOのギターらが参加した
いわばチリのシンフォニックシーンのスーパーバンド。クラシカルなシンセワークにメロウなギター、
スペイン語の歌唱で聴かせる濃密な作風は、やはりENTRANCEに通じるもので、いかにも南米的。
どこかべったりとしたリズムと、ハードエッジなシンフォニックサウンドが、こってりしていてクドいのだが、
ギターとドラムの入らないシンセメインの曲はしっとりと優美に響く。チリのパワーを感じさせるシンフォ力作。
シンフォニック度・・8 濃密度・・8 南米度・・9 総合・・8


Jinetes Negros「Omniem」

アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ジネテス・ネグロスの3rd。2007作
1曲めからRICK WAKEMANのようなクラシカルなシンセメロディが鳴り響き、
スペイン語の歌が入ってくると、とたんに南米テイストの音に早変わり。
ベースがブイブイのフュージョンロック的なテイストも入ってきたり、
王道シンフォニックのキーボードに、曲によってはフルート、ストリングスなども加わって、
なかなか派手やかなのだが、曲は長すぎず4、5分にまとめられているのもポイント。
濃密でありながらもさらりと聴けるあたりはRUMBLIN' ORCHESTRAにも通じるか。
そして、南米らしい繊細な叙情もしっかりとある。これはなかなか質の高い作品だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 南米度・・8 総合・・8


JOSE LUIS FERNANDEZ LEDESMA Q.「SOLCENTRAL」
メキシコのアーティスト、ホセ・ルイス・フェルナンデス・レデスマのアルバム。2000作
ヴォーカルとパーカッションもこなす、Margarita Botello嬢とのユニットらしい。
これまでに聴いた彼の作品のようなたおやかなシンフォニックではなく、
チェンバーロック色もあるアヴァンギャルドに展開する異色のサウンドだ。
35分におよぶ組曲は、エレクトロ的なシンセにエフェクトのかかった女性声と、
パーカッションにオーボエ、男性コーラスなどが重なる、混沌とした雰囲気。
クラシカルなシリアスさを垣間見せながら、ミステリアスな薄暗さで聴かせる作品だ。
クラシカル度・・7 チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・7

Jose Luis Fernandez Ledesma
「Dicen que somos dioses y nos sonamos hombres」

メキシコのプログレバンド、NIRGAL VALLIS のメンバーでもある、
ホセ・ルイス・フェルナンデス・レデスマ(長い名前じゃ…)のアルバム。2001作
ジャケはなんだか怪しいが、おそらく物語的なコンセプトがあるのだろう、
シンセとギターをメインにした美麗なシンフォ作で、ときどき女性Voも入る。
艶やかなピアノやヴァイオリンなども美しく、クラシカルで幻想的なサウンドは
録音面の安っぽさを差し引いても、うっとりと聴き入れるような世界観がある。
ときおり入るケルト風味なども独特の優雅さと土着性をサウンドに付加していて、
メキシコというとCASTICONOCLASTAなど、コテコテ系のイメージがあるが
この作品はヨーロピアンな繊細さをともなった美意識に溢れていてとても耳に優しい。
シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・8 サウン度・・7 総合・・7.5

Jose Luis Fernandez LedesmaDesignios

メキシコのシンフォ系アーティスト、ホセ・ルイス・フェルナンデスのアルバム。2002作
90年代初頭から活動し、NIRGAL VALLISを含め多くの作品に参加。
今作は、たおやかなフルート、アコースティックギターの音色に、
女性ヴォーカルが歌を乗せる、しっとりと聴かせるシンフォ作品だ。
クラシカルな美意識と、ゆるやかな自然を感じさせる静寂感に包まれながら、
ここぞという所ではお約束のシンフォニックなキーボードで盛り上げる。
スパニッシュ系の民族色も取り入れた、やわらかみのある好作だ。
シンフォニック度・・7 アコースティカル度・・8 やわらか度・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

Jose Luis Fernandez Ledesma「Hibridos」
NIRGAL VALLISのkey奏者であるホセ・ルイス・フェルナンデスのアルバム。2007作
女性Vo、Margarita Botelloのデュオ・ユニットで、これが何作目なのかは不明だが、
2002年のDesigniosはクラシカルかつアコースティカルな見事なシンフォ作品だった。
本作でのサウンドは民族的なパーカッションのリズムにサンポーニャ、フルートなどの音色、
女性スキャットを乗せた、アヴァンギャルドなチェンバーロックといった雰囲気。
アコーディオンやサックス、ヴァイオリンなどが奔放に加わり、ときにジャーマンロック的な
シンセサウンドとともにミステリアスなイメージを描き出している。
クラシカル度・・7 プログレ度・・7 アヴァンギャル度・・8 総合・・7
Amazon.co.jp で詳細を見る




LA BIBLIA
アルゼンチンの名盤として知られる、ビブリアのアルバム。1974作
チャーリー・ガルシア(SUI GENERIS)を中心に21人のミュージシャンとオーケストラによる
一大シンフォニックプロジェクトで、邦題にもある通り「天地創造」をテーマにしている。
壮大なオーケストラをバックにスパニッシュな熱情と哀愁ただよう歌を聴かせてくれる。
プログレ/シンフォニックという範疇からすると、ブルーズ寄りなラフな質感がやや好みから外れるか。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・7 壮大度・・8 総合・・7


LA MAQUINA DE HACER PAJAROS

アルゼンチンのシンフォバンド、ラ・マクイナ・デ・ヘーサー・パジャロスの1st。1976作
2ndのシンフォニックさに比べると、こちらはややジャズロック風味の演奏で、
プログレというよりはラテン調ロックといった趣が強いが、
チャーリー・ガルシアの繊細なキーボードメロディはさすがに素晴らしい。
南米的な熱い演奏とブルージーなロック色、そしてシンフォニック性が合わさった
個性的なサウンドは、アルゼンチンのプログレシーンでも屈指のものだ。右はオリジナルのジャケ
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

LA MAQUINA DE HACER PAJAROS「PELICULAS」

アルゼンチンのシンフォバンド、ラ・マクイナ・デ・ヘーサー・パジャロスの2nd。1977作
ジャケの雰囲気からは想像もできないくらいの繊細なメロディを聴かせるサウンドで
南米シンフォの才人チャーリー・ガルシアのピアノやシンセワークを中心に
自身のやさしげなヴォーカルもしっとりと聴かせる曲調にマッチしている。
曲は4〜5分台のものが中心で、プログレ的な難解さはかけらもなく、
どの曲もやわらかなメロディにあふれていて、とても耳に心地よい。
シンセに絡むクラシカルなストリングスの響きも素晴らしい。じわじわと来る大叙情。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Luis Alberto Spinetta「A 18' del Sol」

アルゼンチンのギタリスト、ルイス・アルベルト・スピネッタのアルバム。1977作
INVISIBLEのギタリストでもあるが、本作で聴けるのはもっとたおやかで
ジャズ的なエッセンスも入ったサウンド。スペイン語によるヴォーカルにもやわらかみがあり
流麗なギターのフレーズに軽やかなピアノも合わさって、じつに優雅な雰囲気だ。
フュージョン/ジャズロック風味のテクニカルさも聴かせながら、あくまで本質は繊細で、
いかにも南米らしい作品だ。スピネッタのギターもさすがのテクニックをさりげなく聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Marcio Rocha「Juno」
ブラジルのアーティスト、マルシオ・ロチャのアルバム。2000作
うっすらとしたシンセに艶やかなヴァイオリンが絡む、やわらかなインスト作品
スパニッシュ風味のギターやパーカッションなど、民族色をただよわせつつ、
TEMPUS FUGITのKeyによるプログレ的なシンセワークや、
GENESIS風味の泣きのギターも出てきたりして、なかなか聴かせてくれる。
MARCUS VIANA(SAGRADO)あたりを思わせる叙情美はやはり南米ならではで、
ヴァイオリンをメインにしたクラシカルなシンフォニック作としてもゆったり楽しめる。
シンフォニック度・・7 ゆるやか叙情度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


MARCO「MARCOLAPSOS」
メキシコのシンフォニックロックバンド、マルコのアルバム。2002作
ギテリストのマルコ・A・ゴメス氏を中心とした個人プロジェクトバンドらしい。
まるで子供のお絵描きのようなジャケットと安っぽい紙ジャケ風の作りであるが、
サウンドは泣き泣きのギターを聴かせるシンフォニックロックでなかなかよい。
バックのうっすらとした美しいキーボードもよいが、やはりなんといってもこの
日本人好みのクサメロを弾き奏でるギターワークは、ときおりヨレぎみながらもしびれますな。
サウンドの平坦さがB級臭いですが、ICONOCLASTAあたりがいければ聴いてみては?
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5


MARCO ANTONIO ARAUJO「INFLUENCIAS」

ブラジルのアーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの1st。1982作
彼が80年代に残した4枚のアルバムは、どれも南米シンフォの傑作に数えられる。
艶やかなアコースティックギターにたおやかなフルート
いかにも南米らしい優しげな叙情に満ちあふれたサウンドで、
エレキギターとシンセが入っても決して押しつけがましくならず、
大仰さよりは繊細さと素朴さが音を通して心地よく感じられる。
曲としてのメロディのつなぎ方も自然なアレンジで素晴らしく、
アントニオ・アラウージョのコンポーサーとしてのセンスの高さが伺える。
フルートにうっとり、優しくおだやかな叙情シンフォの名作。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 南米的叙情度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

MARCO ANTONIO ARAUJO「CISNE」

ブラジルのシンフォ系アーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの2nd。1982作
たおやかなピアノに導かれ、アコースティックギターが鳴りだすと、すでにその美しさにうっとりとなる。
チェロやヴァイオリン、フルートの音色は優雅かつクラシカルで、
繊細なピアノやアコギととともに、ゆるやかなシンフォニックサウンドを形作ってゆく。
序盤はドラムレスでロック色は薄いが、エレキギターも出てきてフルートを愉快に鳴らす曲や
ミステリアスなヴァイオリンとギター、ピアノによるインプロヴィゼーション的な曲もあり、飽きさせない。
全体的に派手さはないが、たおやか系の南米シンフォとして大切に語り継ぎたいサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8

MARCO ANTONIO ARAUJO
「ENTRE UM SILENCIO E OUTRO」


ブラジルのアーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの3rd。1983作
彼の残した4枚のアルバムは、どれもが叙情的でクラシカルな名作とされているのだが、
まだまだコアなシンフォニックファンくらいにしか知られていないようだ。
今作は“Fantasia”と題された20分の大曲2曲に、CD化にあたって3曲のボーナスが追加されている。
アコースティックギターにやわらかに絡むフルート、そして優雅なヴァイオリン。
オールインストながら、クラシカルで南米らしい温かみのあるメロディが耳に優しい。
音楽でしっとり、うっとりとなりたい方は、一度聴いてみるべきアーティストです。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 たおやか度・・9 総合・・8

MARCO ANTONIO ARAUJO「LUCAS」

ブラジルのプログレ系アーティスト、マルコ・アントニオ・アラウージョの4th。1984作
SAGRADOMARCUS VIANAと並び、ブラジル最高のシンフォ系アーティスト。
前3作はいずれも素晴らしい出来だったが、ラスト作となる本アルバムもまさに絶品。
冒頭のピアノとフルートからしてもう絶品の美しさ。この繊細な音色ときたら…もう。
今作は16分の大曲を冒頭に、これまでのキャリアの集大成的な内容で、
クラシカルかつたおやかに聴かせる演奏は本当に素晴らしい。
アカデミックな細やかなアレンジと、メロディアスな聴きやすさのバランスも見事で、
CAMELの最良部をとり出してもかなわないほどの叙情美にはうっとりとなる。
後半の小曲もピアノやアコギなどが実に味わい深い。彼はこの作品を残して夭逝するが、
南米シンフォニックの名作として、もっと多くの人々に語られるべき内容だろう。
メロディアス度・・10 クラシカル度・・9 繊細度・・10 総合・・9


MARCUS VIANA「PANTANAL」

SAGRADOのリーダー、マルクス・ヴィアナのソロアルバム。1990作
タイトルの"パンタナル"というのはブラジル最大の湿地帯の名前で、
その自然を壊滅から救おうという運動が盛り上がり、TV番組になったときのこれはサントラ作品。
サウンドはヴィアナのヴァイオリンが中心で、そこにピアノやシンセ、パーカッションが絡んだ
インスト作。大自然をテーマにしただけあってサウンドには静謐さと雄大な叙情が感じられ
ロック作品ではないものの、しっかりとしたメロディと構成により、素直に聴き通せる。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 雄大な自然度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

MARCUS VIANA「TRILHAS & TEMAS」

SAGRADOのリーダー、マルクス・ヴィアナのソロアルバム。1992作
こちらはサントラではなく音楽として純粋な彼のソロアルバムで、
サグラドの静かな叙情美をそのまま取り出したようなサウンド。
クラシカルで格調高いが、どこか優しさを感じるヴィアナのヴァイオリンがたっぷり堪能できる。
クラシカルで室内楽的でありながら、自然体でシンフォニック。サグラドファンも満足の一枚。
ヴァイオリンはもちろん、彼自ら弾くピアノも実に美しい。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・9 たおやか度・・10 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


Mar de Robles「MdR」

チリのテクニカルシンフォバンド、マール・デ・ロブレスのアルバム。2003作
ENTRANCE一派やMATRAZなど、高品質なシンフォニックバンドが続出しているこの国だが、
このバンドもかなりのクオリティと個性を持ったバンドだ。
RUSHDREAM THEATERからの影響を感じさせる展開の多さに、
フルート、サックスなどのジャズロック的な味付けと、民族性を付加したようなサウンドで、
一聴してガチャガチャとしているのだが、硬質感よりは南米的な味わいが前に出ている。
変態的シンフォニックロックというか、飽きさせない多様性の点でDISCUSあたりにも通じるものがあり、
演奏の確かさもあって、ハードめのドライブ感と叙情性が同居しているのも苦にならない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 変態度・・8 総合・・8

Mar de RoblesIndigena

チリのプログレバンド、マール・デ・ロブレスのアルバム。2007作
前作「MdR」は、テクニカルで多様性に富んだ異色の傑作であったが、
今作も適度に偏屈がかったインスト重視の見事なプログレアルバムだ。
サックス、フルート奏者で歌も歌えるメンバーや、スティックベースを弾きこなす凄腕、
妖しくサイケなフレーズも奏でるギター、手数の多いドラムにパーカッショニストという、
個性とセンスあるメンバーたちが織りなすのは、ときにアラビックだったり、南米的だったりする
無国籍感たっぷりのインストで、ごった煮感の中にも壮大な世界が見え隠れするのが凄い。
誤解を恐れずにいうと、南米版THE MARS VOLTAというところか。吹っ切れの良さが凄い。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 演奏センス・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


MATRAZ 「TIEMPO」
チリのプログレバンド、マトラスの1st。1999作
彼らの2ndはDREAM THEATER的な方法論を、シンフォニックロックの繊細さで
再構築したような素晴らしい作品だった。この1stは全4曲という大作志向。
メンバーは4人でシンプルな構成(2ndでは女性Voが加入する)、
演奏の方は南米シンフォの中ではメタリックな要素が強い部類で、
あるいは普通にプログレメタルとしても聴けるかもしれない。
2ndに比べ音質はやや落ちるし、大曲における散漫さも多少あるが、
この時点でもバンドとしての演奏力はかなり高く、テクニカルなキメも
余裕を持って聴かせるところなどにはやはり非凡なセンスを感じる。
なんにしろ、久々に優れたセンスと演奏力を持ったバンドが南米から現れたものだ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレメタル度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

MATRAZ「GRITARE」

チリのシンフォニックロックバンド、マトラスの2nd。2004作
今やシンフォニック大国となりつつあるチリだが、このバンドもワールドクラスの実力を持つ。
スリリングでテクニカルな演奏はメタル色の薄いDREAM THEATERといった印象もあり、
音はけっしてやかましくならないが流れるような演奏はまるでKENSOのように優雅で、
たたみかける場面でもどこかクールな「静けさの美」を持つセンスが素晴らしい。
クラシカルなピアノはサウンドに格調高さをもたらし、スペイン語の女性Voの歌唱は、
インストだけでは硬質になりすぎるところを、上手い具合にやわらかなバランスを保たせている。
南米なのに涼やかで、適度に硬質で、シンフォニックかつクラシカル。傑作アルバムです。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 クールな叙情度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る


MIA「CORNONSTIPICUM」

アルゼンチンのシンフォバンド、ミアの3rd。1978作
南米を代表するシンセ奏者、リト・ヴィターレが在籍していたバンドで、
本作は「魔法の壺」という邦題で日本盤も出ていた。
クラシカルなピアノ、フルートに導かれた繊細なる楽曲は、
リト・ヴィターレの絶品のシンセワークとともに、あくまで南米らしい
やわらかな叙情で紡がれてゆく。男女ヴォーカルの歌声もどこか牧歌的で
サウンドにはほんのりとした薄暗さと、はかない幻想美をただよわせる。
そしてタイトル曲である17分の組曲では、静と動を織りまぜた構築性が素晴らしい。
シンフォニック度・・8 南米度・・9 やわらか叙情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


MONTESANO「HOMENAJE」

CRUCISのKey奏者、グスタヴォ・モンテサノのアルバム。1977作
美しいシンセにたおやかなフルートが鳴り響く、やわらかなシンフォアルバム。
メロトロンやハモンドを鳴らしながら、メロディアスなギターを聴かせる
軽快なナンバーでは、演奏面での充実もあって、9分の大曲ながらさらりと楽しめる。
しっとりとしたピアノをバックに、甘い歌声を聴かせる小曲など、
南米らしい叙情とメロディに彩られたサウンドはじつに耳に心地よい。
CRUCISのメンバーに加え、大御所チャーリー・ガルシアも参加していて、
ソロというよりはむしろCRUCISの最高傑作という位置づけもできる出来の良さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




NEXUS「DETRAS DEL UMBRAL」

アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスの1st。1998作
かつは南米のシンフォニックロックといえばブラジルだったのだが、
最近は、アルゼンチン、チリなどの周辺国にもにわかに注目が集まっている。
このバンドは女性Voを含む5人組で、基本はたたみかける押しのシンフォニックロック。
ときに大仰に、ときにELPばりに華麗に弾きまくりのいかにもプログレ的なキーポードと、
けっこうハードめなギターをメインにした、重厚で濃い目のハードシンフォサウンド。
女性Voはやや添え物的で、スペイン語の歌唱も南米っぽくて良いのだが
バックが濃すぎるためあまり目立ってはいない(笑)
キーボード主導という点では日本のGERARDあたりにも近いかもしれないが、
こちらは、ドラム、ベースのリズム面がやや軽快さに欠ける気もする。
全体的にはコテコテのシンフォファンには満足する一作であろう。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・6 コテコテで押します度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

NEXUS「live at nearfest 2000」
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスのライブアルバム。
2000年のアメリカ、ペンシルバニアでのプログレ系ライブイベントの音源。
ブラジルの大御所SAGRADO以降、南米は新手のシンフォニック大国と化している。
SAGRADOを除くと近年もっとも出来のいい南米のシンフォバンドはQUATERNA REQUIEM
TEMPUS FUGITだと思うが、このバンドもそれらに続くだけの勢いを持っている。
多くの南米産シンフォがそうであるように、エマーソンばりの派手なキーボードに
あくまでメロディアスさにこだわった曲、そこに女性Voが絡むのだから悪かろうはずはない。
ただ、TEMPUS FUGITらに比べると曲に無駄が多く、時々退屈する。
スタジオ盤は未聴だが、このライブ音源を聴くかぎりは音にまだ粗削りな部分があり、
音質もややラウドで、叙情系というよりはゴリ押しに近いシンフォサウンドである。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

Nexus「Metanoia」

アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、ネクサスの2nd。2001作
前作も濃密なシンフォ作であったが、本作もオルガンをまじえたELPを思わせる
華麗なシンセワークを中心に、コテコテに弾き倒す72分の濃厚力作。
もちろんたたみかけるだけでなく、南米らしいやらわかな叙情もあり、
メロウなギターフレーズにシンセが絡み、女性声が歌を乗せる美しさも味わえる。
そのスペイン語による女性ヴォーカルの活躍が少し増えているのも嬉しい。
14分の大曲を含めて、総じて「シンフォでしかありえない」というこのサウンドには
少々うんざりする方もおるかもしれないが。胃もたれしないようにお聴きください(笑)
シンフォニック度・・8 濃密度・・9 南米度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Nito Mestre 「Y Los Desconocidos De Siempre」
SUI GENERISニト・メストレによるバンドの1978年作
ゆったりとしたアコースティカルな響きに、美声の女性ヴォーメルが歌い上げる、
まるで英国フォークを思わせるような牧歌的な雰囲気のサウンド。
プログレというよりはやはりフォークロック的な趣が強く、
ややヨレ気味のギターがどことなくサイケがかっていたり、
アコギにかぶさるたおやかなフルートの音色といい、
南米というよりは70年代初頭のブリティッシュの香りがする。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国フォーク風味度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




PABLO "EL ENTERRADOR"

アルゼンチンのシンフォニックバンド、パブロ・エル・エンテラドーの1983年作
アルゼンチンのシンフォは、同じ南米系でもブラジルのような壮大な叙情とは若干趣を異にし、
たとえばリト・ヴィターレBANANAなどのように繊細で、クドすぎないというイメージが強い。
このパブロのサウンドにも、溢れる叙情性をメインにしながらもけっして押し過ぎず、
自然体のやわらかさでメロディをつむぐという性質が見える。
手法的には特に目新しさはないが、楽曲の繊細なアレンジセンスも見事で、
ジャケのような田舎っぽい稚拙さは微塵もない。さわやかなメロディと叙情が駆け抜けてゆく。
80年代南米シンフォとしてサグラド、バカマルテとともに3本に入る傑作だろう。
2005年のリマスター再発盤には1985年のライブ音源を4曲追加収録。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

PABLO EL ENTERRRADOR「2」

アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、パブロ・エル・エンテラドーの2nd。1998作
80年代に南米シンフォを代表する名作を生み出したこのバンドが、10数年の時をへてなんと復活作を発表した。
美しいキーボードにメロウなギターが素敵なかつてのシンフォサウンドは
ここでも充分に聴くことができ、かつての名作のような輝きとまではいかないものの
南米らしい優しさに溢れた叙情にはやはりうっとりとなる。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 しっとりたおやか度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る


PIG FARM ON THE MOON「ORBITAL」

ヴェネズエラのプログレバンド、ピッグ・ファーム・オン・ザ・ムーンのアルバム。2002作
ツインギターにキーボード入りの5人組みで、サウンドはプログレメタリックな質感も漂わせつつ、
基本はメロディアスな聴きやすさにあり、展開の多い楽曲は濃密でアレンジの質もなかなか高い。
のっけから16分の組み曲ではじまり、その後も9分、12分、18分と続く大曲揃いの力作であるが、
メリハリのある展開力や、巧みな叙情パートの配し方などもセンスが良く、飽きさせない。
清涼感のあるシンセワークや、英語による歌唱もあって、地域的なマイナーさもあまり感じないし、
ゲストによるヴァイオリンやチェロなども楽曲に壮大さを加味している。
曲によってはもろにDREAM THEATER風な部分もあり、チリのMATRAZあたりとともに
プログレメタル好きなシンフォニックリスナーにも勧められる作品だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 Prog Metal度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


Polifemo
アルゼンチンのロックバンド、ポリフェモのアルバム。1976作
のっけからプログレというよりはカントリー調で始まるが
2曲目からは南米らしいやわらかな歌メロで聴かせてくれる。
どちらかというとむしろギターが主導のスタイルなので、
ハードロック的な要素が強く、シンフォとして聴くにはややつらいが、
熱い演奏にはイタリアのバンドにも通じる押しの強さもあって、
ブルージーなハードプログレとして聴けばなかなかの出来だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 南米度・・8 総合・・7
Amazon.co.jp で詳細を見る


PORCHETTO「VOLANDO DE VIDA」

アルゼンチンのシンガー、ラウル・ポルチェットのアルバム。1978作
ゆるやかにつまびかれるアコースティックギターに、女性的なナイーブさを感じさせる
中性的な歌声でしっとりと聴かせる。SUI GENERISALASのメンバーも参加し、
プログレ的な要素もちゃんとあって、軽やかな演奏力はさすがのひとこと。
歌をメインにしつつも、バックのシンセやピアノなどもじつに美しく、
南米らしいやわらかな叙情と哀愁が感じられる素晴らしいアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとりゆるやか度・・10 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


PROJETO CALEIDOSCOPIO「O SETE」
ブラジルの男女ユニット、プロジェト・カレイドスコピオの1st。1999作
美しい女性ヴォーカルの歌声とキーボード、ギターをメインとしたやさしく叙情的なサウンド。
たたみかけるような展開はないが、どの曲もしっとり牧歌的になごませてくれる。
シンフォニック・フォークとも言えるような温かみがじつに耳に心地よい作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

PROJETO CALEIDOSCOPIO「CARROSSEL」
ブラジルのシンフォデュオ、プロジェト・カレイドスコピオの2nd。2001作
今作はしっとりゆったり&女性Voを前面に押し出していて、1stよりも
アルバムとしての方向がはっきりしてきていて、なかなか好感がもてる。
プログレというよりは「ゆったりシンフォフュージョン」という雰囲気で、
スリリングさのかけらもない、なんとも幸せな雰囲気が全編に漂っている。
おそらく恋人同士だろうジャケ裏の二人のラブラブ写真にはなんだか少し腹が立つが(笑)
サウンドは素敵な女性Voシンフォとしてその手のファンにお薦めできる。
多数のゲストの中にはSAGRADOのマルクス・ヴィアナの名前もある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 女性Vo度・・8 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




Quaterna Requiem「Quasimodo」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、カテルナ・レクイエムの2nd。1994作
1st「Velha Gravura」はヴァイオリン、フルート入りのシンフォニックロック力作であったが、
続く本作はも38分の組曲入りのド級のシンフォ大作。イントロの荘厳さからして
ドラマティックなプレリュードというように胸踊る。今作にはヴァイオリン奏者は参加していないが、
まるで南米のPAR LINDHかというようにクラシカルに弾きまくる女性シンセ奏者を中心に、
壮麗きわまりないコテコテのクラシカル・シンフォニックロックを展開。そしてラストの大曲は
グレゴリアンチャントまで入った悶絶級の出来。90年代の南米シンフォを代表する濃密傑作だ。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・9

QUATERNA REQUIEM「LIVRE」
ブラジルのシンフォニックバンド、カテルナ・レクイエムのライブアルバム。1999作
女性キーボードを含む4人組みで全編ほぼインストの作風だが、
曲はとんでもなくシンフォニックで壮大かつメロディアス。
北欧で言うならPAR LINDH状態で、たたみかけるキーボードに良く泣くギター、
そして10分以上の大曲多数で、最後までとことん盛り上げる。
良い意味でのマイナー思考、キャッチーよりも泣きと盛り上がりにこだわる様は
たとえれば英国のPENDRAGONのように一徹な精神で、ある意味恐れ入る。
個人的にはこれで女性Voが歌えば世界最高のシンフォバンドになれる気がする。
シンフォニック度・・10 ドラマティック度・・9 演奏・・8 総合・・8




Raimundo RodulfoMare et Terra

ヴェネズエラ出身のギタリスト、レイモンド・ロドルフォのアルバム。2009作
Museaの企画アルバム「INFERNO」に収録されていた楽曲が素晴らしかったので購入。
のっけからなんと36分の大曲で、スパニッシュ風味のアコースティックギターが奏でられ、
フルートとピアノがクラシカルに絡む、PFMばりの優雅さにうっとりとなりつつ、
エレキとシンセが加わって、ゆるやかなシンフォニックロックとなってゆく。
ゲストによる艶やかなヴァイオリン、チェロ、トランペット、サックスなども効果的で、
男女ヴォーカルも入った優美でたおやかな、絶品のクラシカル・シンフォが楽しめる。
全5曲78分という力作であるが、民俗色の濃いナンバーなどもあり、飽きずに聴き通せる。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 優美度・・9 総合・・8.5
Amazon.co.jp で詳細を見る




SAGRADO CORACAO DA TERRA「FLECHA」

南米ブラジルを代表するシンフォニックバンド、サグラドの2nd。1987作
最近のサグラドはやや現代風のアレンジで、なにやら多少違和感を感じるアルバムもありますが、
やはり、この頃の素朴な音は良いですなー。雄大で自然を感じる音、というのか。
マルクス・ヴィアナのヴァイオリンは実に繊細でその音色に聞き惚れる。
キーボードもうるさすぎず、しっとりと楽曲を盛り上げている。美しい女性コーラスなども絶妙。
ゆったりとした叙情美の1st、華麗なダイナミズムの3rdとすればこの2ndはその中間くらいだろうか。
今考えても80年代の世界のプログレシーンで、これほどクオリティの高いバンドはめったになかった。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 雄大度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「Sacred Heart of Earth」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドのアルバム。2001作
マルクス・ヴィアナ率いる南米最高のシンフォニックロックバンド。
本作は1984年の1stから1994年の4thまでの楽曲をリマスター&リミックスし、
一部ヴォーカルを英語に差し替えた音源を収録した、いわば新たなベストアルバム。
全編にわたって艶やかなヴァイオリンが鳴り響き、繊細なピアノやシンセワークとともに、
優美に奏でられるサウンドは、自然や地球との融和をイメージするようなスケールの大きさと、
南米らしいぬくもりのあるやわらかなメロディで聴かせる優しさに溢れている。
現在1st「捧げもの」、2nd「シンフォニア」、3rd「自由の灯」、4th「偉大なる精霊」までが
リマスター再発されているので、まずはそちらのオリジナル音源を。どれも素晴らしい作品です。
シンフォニック度・・8 優美度・・9 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「COLETANEA T- CANCOES」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドのベストアルバム1。
80年代に「SAGRADO CORACAO DA TERRA(邦題「捧げもの」)」でデビューして以来、
サグラドは南米最高のシンフォバンドとして君臨し、現在までに6枚のアルバムを発表。
その間にもリーダーでありヴァイオリニストのマルクス・ヴィアナ
数多くのサントラ、ソロ作を出し続け、今やサグラドの名は世界レベルの存在となっている。
このアルバムは、その世界最高峰の叙情派シンフォニックロックバンドのベスト盤であり、
「I」と「U」とに分けられたそれぞれのCDには「歌ものベスト」「インストベスト」という構成で
かつてのアルバムから名曲の数々がチョイスされていて、まさにサグラドのベストといえる
(私の大好きな3rd「FAROL DA LIVERDADE(自由の灯)」の1曲目も入っているし)
前作にあたる「SACRED HEART OF EARTH」は歌詞を英語版にしたリレコーディングバージョンで
サグラド本来のたおやかな叙情は、いくぶん現代風のアレンジとともに薄められていたのだが、
今回のベストは原曲をそのままに、リマスターで音質をアップしたものになっていてとても嬉しい。
情感ゆたかなヴァイオリンの音色、ソウルフルな母国語の歌唱、
雄大な大自然が眼前に浮かび上がるような、壮大かつ牧歌的な音像!
シンフォニック度・・9 雄大な叙情度・・10 音質向上度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る

SAGRADO「COLETANEA U- INSTRUMENTAL」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、サグラドのベストアルバム2。
こちらは歌なしのインスト曲を中心としたベストです。むろん黙って買いです。
歌がない分、楽曲的に演奏そのものの盛り上がりがダイレクトに伝わってくる曲が多いです。
ヴァイオリン、ピアノ、ギターなどがその叙情性も含めて一体となって音に重なり、
それがメロディとなって「ぐわーん」と押し寄せてくる様はまさに圧巻。
音質向上により、音のダイナミズムがかつてのアルバム盤以上になっていて、
静のパートでも繊細なピアノ、ヴァイオリンの音色がしっかり楽しめます。
まるで映画サントラ並の雄大さに、ここまでの泣きのメロディを情感たっぷりに
演奏されたら、・・・たまりません。降伏しましょう。地球に優しいシンフォニックサウンド。
うっとりと、雄大な大自然を思い浮かべるように、この音に聞き入りましょう。
シンフォニック度・・9 雄大な叙情度・・9 音質向上度・・9 総合・・9
Amazon.co.jp で詳細を見る


SERU GIRAN
アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、セル・ギランの1st。1978作
アルゼンチンを代表するシンセ奏者、チャーリー・ガルシアが、
LA MAQUINA解散後、ALASのメンバーらと組んだバンドで、
この1stの時点から、さすがに演奏、楽曲のセンスともにこなれている。
ゆるやかなオーケストレーション、繊細なピアノ、シンセに導かれて
やわらかなヴォーカルが加わってゆく、じつに南米らしい優しい叙情サウンドだ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 南米度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る

SERU GIRANLa Grasa De Las Capitales}

アルゼンチンのロックバンド、セル・ヒランの2nd。1979年作
LA MAQUINA DE HACER PAJAROSのチャーリー・ガルシアが率いるバンドで、
本作は一聴してキャッチーかつポップな感触のメロディックロック。
爽やかなコーラスにラテンポップ的な哀愁も含んだメロディは耳心地がよく、
軽やかなアンサンブルの中にはプログレ、ジャズロック的な質感も垣間見える。
とくに優雅なピアノや美しいシンセワークなどはさすがというもので、
バンドとしての高度なアンサンブルが素晴らしい。南米らしいやわらかなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅で軽やか度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SERU GIRANPeperina」

アルゼンチンのシンフォニックロックバンド、セル・ギランの4th。1981作
アルゼンチンを代表するシンセ奏者、チャーリー・ガルシアが、
LA MAQUINA解散後、ALASのメンバーらと組んだバンド。
のっけから南米らしいやわらかな叙情を満喫できる歌もので、
シンセはもちろんのこと、バックの演奏陣もさりげなく上手い。
アコースティカルに聴かせるゆったりとした情緒も耳に優しく、
適度なポップ感覚のある普遍的なメロディアスロックといった趣だ。
メロディアス度・・8 叙情度・・8 南米度・・9 総合・・7.5
Amazon.co.jp で詳細を見る


SLEEPWALKER SUN「same」

プラジルのハードシンフォニックバンド、スリープウォーカー・サンのアルバム。2006作
SAGRADOのマルクス・ヴィアナ参加ということで、てっきり南米シンフォ系かとおもいきや、
男女Voのゴシックメタル風のサウンド。しかもプログレメタリックなリズムの質感もあり、これは良いです。
ヴィアナの艶やかなヴァイオリンはもちろん、キーボーディストのセンスも素晴らしく、
プログレ的な匂いをかもしだしつつ、ときにクラシカルなピアノも奏でています。
そして、そこに女性ヴォーカルが乗ると、楽曲は薄暗い叙情美に満ちあふれて
南米というよりはむしろポーランドあたりの質感を感じます。オフィシャルサイトで試聴可
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゴシック度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

SLEEPWALKER SUN「Stranger In The Mirror」
プラジルのハードシンフォニックバンド、スリープウォーカー・サンの2009年作
女性ヴォーカル、ジアナ嬢の美しい歌声と薄暗い叙情美で聴かせるサウンドは、
適度なヘヴィさとプログレ的なシンセワークで構築されたハードシンフォニック作。
いくぶんゴシックメタル風であった前作に比べると、華麗なシンセが前に出ていて
プログレ度が強まっている印象。メロウなギターワークもなかなかセンスがよいが、
長い曲ではやや焦点がしぼりきれていないという印象もあるのが惜しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5


SUBTERRA「Sombras De Invierno」
チリのシンフォニックロックバンド、サブテッラの1st。2001作
先に聴いた2ndはモダンで薄暗いオルタナシンフォ系のサウンドだったのだが
こちらの1stはまだ正統派の香りが漂うハードシンフォニックをやっている。
メロウなギターフレーズに、うっすらとしたシンセが合わさり、
ときにメタリックな質感もまとわせたドラマティックな楽曲が耳に心地よい。
イギリスのARENAあたりに近い雰囲気だが、Voの弱さがマイナー感を漂わせていて
ほの暗くしっとりとした部分に魅力はあるのだが、どこか煮え切らなさも残る。
シンフォニック度・・8 うす暗度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5

SUBTERRA「cautiverio」
南米はチリのシンフォニックロックバンド、サブテッラの2nd。2005作
1stは未聴なのだが、このアルバムはややダークなハードシンフォサウンド。
スペイン語による歌唱が南米的な趣をかもしだしているが、
南米系の多くのバンドのようにやわらかで人懐こいメロディはさほどなく、
どちらかというと現代的で、やや薄暗い硬質感が全体に漂っている。
リズム的にもテクニカルなプログレメタル要素もあるのだが、
曲の展開はゆるやかなので、どうもどっちつかずの印象になってしまっている。
もしかして、DPORCUPINE TREEあたりに近づこうとしているのかもしれないが
南米的な雰囲気とはややミスマッチな感は否めず。中途半端なモダンさが惜しい。
メロディアス度・・7 モダンでクール度・・7 南米度・・7 総合・・7




TELLAH「CONTINENTE PERDIDO」
ブラジルのメロディアスプログレバンド、テッラのアルバム。1980作
ギター、ベース、ドラムというシンプルなトリオ。キーボードはベースとドラマーが兼ねる。
当時にしてはハードめのサウンドで、ときにジャジーにときにメロウに奏でるギターと
時代的なストリングス系キーボード、そして時折入るポルトガル語の歌…というサウンド。
これが現代風になればTEMPUS FUGETになるのかな、という感じのハードシンフォ作だが
いかんせん今聴くには少々古くさい…。もちろん嫌いな音ではないが。
メロディアス度・・7 ハードシンフォ度・・8 南米度・・8 総合・・7.5


TEMPANO「THE AGONY AND THE ECSTASY」
ヴェネズエラのシンフォニックプログレバンド、テンパノのアルバム。2002作
何枚目なのかは知らないが、キャリアとしてはけっこう長いらしいこのバンド。
一聴した感じだと、南米らしからぬ硬質さとシリアスさをもったサウンドで、
コンセプト作らしく、随所に小曲を配置するなどして、アルバムとしての構築性を高めている。
どちらかというとAFTER CRYINGあたりに近い雰囲気で、重厚でクラシカルな雰囲気。
インスト中心の曲が大半なので、アルバムとしては力作であるには違いないが、
全体的には曲として印象に残りにくいのが欠点かもしれない。
どうしても「南米=分かりやすいシンフォニック」という偏見があるからかもしれないが。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・8 重厚度・・8 総合・・7.5


TEMPUS FUGITTales from a Forgotten World

ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの1st。1997作
SAGRADO
の登場以降、90年代の南米にはにわかにシンフォニックバンドが増えていったが、
このバンドもDOGMAQUATERNA REQUIEMと並ぶ質の高いアルバムを残した。
これぞシンフォプログレといわんばかりのシンセワークに、メロウなギターフレーズが重なり、
南米的なやわらかみに包まれて、GENESISを思わせるロマンティシズムが溢れだす。
リマスター盤にはボーナストラックに1993年のデモ音源を収録。
シンフォニック度・・8 メロウなロマン度・・9 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

TEMPUS FUGIT「The Dawn After the Storm

ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの2nd。1999作
GENESISタイプの前作に比べて、より爽快なメロディで聴かせる抜けのよいサウンドになった。
メロディックなギターフレーズと美しいシンセによるインスト演奏は
Sebastian Hardieあたりを思わせるもので、じつに耳心地がよい。
楽曲構造、アレンジも含めて、その辺のマイナーバンドとは一線を画する出来で、
世界レベルでも一線級の内容だろう。叙情派シンフォとしては前作、軽快なメロディアス作としては本作。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 南米度・・7 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る

TEMPUS FUGIT「LIVE」
ブラジルのシンフォニックバンド、テンパス・フュージットのオフィシャルブートレッグライブ。
南米シンフォニックの好作としてこれまで2枚のアルバムを出している彼ら。
そのスタジオアルバムを聴いた限りでは、このバンドのイメージは、
CAMELのメロディアスな部分を抜き出して、ほんのりとGENESIS風味をつけました
というものだったが、このライブの音ではイントロにいきなり語りを入れるなど、
シアトリカルな要素を増した濃い目のシンフォの様相である。
ほぼ全編インストなので、重要なのはギターとキーボードメロディがいかに引っ張るかということ。
このバンドではGのフレーズにもセンスがあるので、嫌味なく延々と続く演奏を聴きとおせる。
ただ音質のせいか、ぱたぱたとドラムがせわしなく聞こえ、せっかくの叙情ギターを損なっている気もする。
メロディアス度・・8 演奏・・7 音質・・6 総合・・7

Tempus FugitChessboard」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、テンパス・フュージットの2009作
90年代後半に高品質のアルバム2枚を残し、その後音沙汰のなかったこのバンドだが、
10年ぶりに3作目が届けられた。メンバーはみなオヤジになっているが、
サウンドの方はかつてと変わらず、メロディアスなギターと美しいシンセが重なる
叙情派のシンフォニックロック。哀愁を含んだギターフレーズと、南米らしい優雅さが合わさり、
10分以上の長い曲でも濃密すぎることなく楽しめる。やはりいいバンドなのである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 南米度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


TOCCATA 「CIRCE」

メキシコのシンフォニックロックバンド、トッカータのアルバム。2005作
WORLD DISQUEの宣伝文句にはCAST+ALHAMBRAとか書かれていた気がするが、
なるほどシンフォニックかつテクニカルで、ところによりハードというサウンド。
きらきらとしたキーボードにメロウなギター、そして情熱的な女性Voの母国語の歌唱と、
どれもが濃くそして熱い、いかにも中米らしいシンフォニックロックである。
やや唐突ながら次々に展開してゆく楽曲は、この手のハードシンフォ好きにはたまらないし、
新人にしては演奏力も問題なし。ジャケがダサすぎるのが玉に傷であるが…。
8曲中8分以上の曲が5曲と大作志向であるが、なにせ展開が多いので飽きさせない。
メロディアスで大仰、テクニカルかつ情熱的なシンフォニックアルバム。たっぷり濃厚です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 熱情度・・9 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る


V MILENIO「ALIANCA DOS TEMPOS」

南米はブラジルのシンフォニックバンド「トレ・ミレニオ」の1990作。
内容を一言であらわすと大仰シアトリカルシンフォ。つまりは壮大ですごく濃い。
同じ南米のサグラドが大自然を思わせる雄大な叙情美であるのに対し本作はいわば演劇的でコテコテ。
部分的にはスロヴェニアの演劇ゴシックバンド、デヴィルドールさえ思わせる。
かすれ声からキンキン声まで歌い分けるVoが好みを分けるが、あとは壮大なキーボード、
メロディアスなギター、大仰コーラス、合唱隊など、緩急織り交ぜた出来の良い組曲が続いてゆく。
シンフォニック度・・9 演劇的度・・9 濃度・・9 総合・・7.5(少しうざったいので)
Amazon.co.jp で詳細を見る


TRINDADE「SAME」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、SAGRADOのマルクス・ヴィアナのプロジェクト作で
1993年に自主制作されたものの再発。トリンダーデ、と読むのか?
サウンドはたおやかなヴァイオリン、ピアノ、アコギなどによるしっとりとしたもので、
そこに女性Voがポルトガル語で歌を乗せる。つまりはSAGRADOの優しい部分を抽出した感じ。
実際、SAGRADOで聴いたことのある曲もあり、たおやか系シンフォ好きにはお薦めしたい逸品。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
Amazon.co.jp で詳細を見る




Wiermann & Vogel「A Mao Livre」

ブラジルのシンフォニックロックバンド、QUATERNA REQUIEM
女性キーボード奏者、Elisa WiermannとヴァイオリンのKleber Vogelによるデュオ作。
シンセをバックに艶やかなヴァイオリンをメインにした、たおやかなサウンドで、
QUATERNA REQUIEMからギターとドラムを除いて、しっとりとした叙情性を加味した雰囲気。
ゆるやかなオーボエの音色や、ピアノ、チェロなどによるアコースティカルな美しさが耳に優しい。
ロック色はほぼ皆無なので、ドラマティックな盛り上がりには欠けるものの
ゆったりとした優雅なシンフォニックアルバムとして楽しめる。
SAGRADOのマルクス・ヴィアナのソロ作などが好きな方にはお勧めしたい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 しっとりゆるやか度・・9 総合・・7.5


■2000年以前の所有CD、バンド紹介は
 音楽ページTOPからそれぞれのページでご覧になれます