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プログレCDレビュー
70年代ブリティッシュロック
PROGRESSIVE ROCK/70's BRITISH
掲載アーティストは上からABC順になっています
| A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K |
| M | N | P | Q | R | S | T | U | V | W | XYZ |
A
AARD VARK
ブリティッシュ・オルガンロックの名作のひとつとされる、アードバークの1970年作
音の方はプログレというよりは、ややハードでラフな部分があるサウンドで、
STILL LIFEをたおやか系のオルガンロックとすれば、こちらはもう少し凶暴な雰囲気。
唸りをあげるハモンドに、手数の多いロック的ドラム、エフェクトのかかったヴォーカルなど
この年代のブリティッシュロックとしては、勢いのある演奏を聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 ハモン度・・8 総合・・7
AFFINITY「Affinity」
ブリティッシュロックの名作、アフィニティーのアルバム。1970作
キーフによるジャケが有名だが、音の方はリンダ・ホイルのヴォーカルを中心に、
やや無骨なギターに、ハモンドオルガン、サックスなどによるサイケ調なロック。
さすがに今聴くと曲そのものに時代的な古さを感じざるをえないが
女性Voのブルージーなオルガンロックとして普通に聴け、当時の英国ロックの熱が感じ取れる。
リマスター盤には、ボーナストラックとしてアルバム発表前のデモなど、8曲を収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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Linda Hoyle「Pieces of Me」
元AFFINITYの女性Vo、リンダ・ホイルのアルバム。1971作
プログレのフィールドで語られるAFFINITYに比べ、ここではもっとジャズ寄りのサウンドで、
軽やかなピアノとブルージーなギターに、力強いリンダの歌声がソウルフルに響きわたる。
バックの演奏陣もカール・ジェンキンズやクリス・スペディングなど実力者ぞろいで、
プログレではまったくないが、リンダの歌唱が最大限に活きたアルバムとなっている。
プログレ度・・6 ジャズ&ブルーズ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Annie Haslam「Annie in Wonderland」

RENAISSANCEのアニー・ハズラムのソロ1977年作。邦題は「不思議の国のアニー」
当時恋人であったロイ・ウッドのプロデュースのもと作られた本作は、
やはりルネッサンスに通じる美しいアレンジと、キャッチーな聴きやすさが合わさった好作だ。
伸びやかなアニーの歌声がじつに素晴らしく、ルネッサンスでのクラシカルな構築性よりは、
英国フォーク的なやわらかな質感とともに、爽やかで自然体のサウンドとなっている。
ほのぼのとした童話的なジャケも楽しい。まさに彼女の絶頂期の作品といえるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アニー度・・10 総合・・8
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ANTHONY PHILLIPS「THE GEESE & THE GHOST」

元GENESISのアンソニー・フィリップスの1st。1977作
この童話的な美しいジャケットのイメージ通りの、じつにたおやかなアルバムだ。
この作品を端的に表現するなら、繊細、幻想的、英国貴族的優雅さ、ということになるだろう。
自身のつまびくやわらかなアコースティックギターの音色、ピアノ、シンセなどに加え
フルート、チェロ、オーポエ等をゲストに迎え、英国中世風のクラシカルなイメージを
うっとりするくらいの繊細なサウンドで表現している。マイク・ラザフォードやフィル・コリンズが
参加していることもあり、曲によっては初期GENESISの幻想美をそのまま抽出したようなイメージ。
流行やコマーシャリズムとは無縁の、ゆるやかな時間に生きる繊細な感性の結晶がここにある。
2008年のエクスパンデッドエディションには、ボーナスDiscにデモ音源等を多数収録。
アコースティカル度・・9 英国貴族度・・10 しっとり繊細度・・10 総合・・8.5
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ANTHONY PHILLIPS「Private Parts & Pieces 1 & 2」

アンソニー・フィリップスのカップリング盤。1978/1980作
彼のライフワークともいうべきPP&Pシリーズの最初の2枚で
1の方はピアノとアコーステイックギターを中心にした小曲集であるが、
優雅でやわらかな楽曲の中にアンソニーの繊細な感性が輝いている。
2の方は一転して、エレキギターのメロウなフレーズとシンセを使った
シンフォニックロック的な感触も楽しめる。もちろんアコースティカルな美しさもあり、
ミニマムな手法で幻想的な世界観を聴かせるアンソニー節が確立された傑作だ。
アコースティカル度・・9 優雅度・・10 繊細度・・10 総合・・8
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ANTHONY PHILLIPS「WISE AFTER THE EVENT」
元GENESISのG、アンソニー・フィリップスのソロ作。1978作
彼のソロ作は日本ではほとんど注目されてきていないが、
初期の作品は「THE GEESE & THE GHOST」に代表されるように、
おとぎ話のような繊細で、しっとりと優しいアコースティック作となっている。
このアルバムは珍しく歌ものメインで、全編ゆったりとした夢見心地の音楽が詰まっていて、
自身のヴォーカルや、やわらかなアコギ、ピアノなどがはかなくも美しい。
メロディアス度・・8 ロック度・・7 ゆったりしっとり度・・9 総合・・7.5
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ANTHONY PHILLIPS「ANTHOLOGY」
GENESISの初代ギタリストでもある、アンソニー・フィリップスのベスト。2001作
1977〜1994までの作品から集められた17曲を収録しています。
貴族的なイメージのつきまとうアンソニーらしい、とてもたおやか〜な音楽です。
アコースティックギター中心なので、ロック的な要素は希薄ですが、
まるで吟遊詩人が奏でる音色のように、しっとり、うっとりと耳に心地よく響きます。
中世やヨーロッパの秋を思わせる世界観で、まさに秋の夜長にぴったりの音楽。
amazonだとかなりの低価格なので、とりあえず聴いてみるのというのもよいかと。
メロディアス度・・8 ロック度・・5 たおやか度・・9 総合・・7.5
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ANTHONY PHILLIPS「SLOW DANCE」
GENESISの初代ギタリスト、アンソニー・フィリップスのアルバム。1990作
アンソニー・フィリップスというと「アコースティックギター」というイメージがあるのだが、
このアルバムに関しては壮麗なキーボード・オーケストレイションによるシンフォニック作品となっている。
「SLOW DANCE PART 1、2」という大曲2つの構成はMIKE OLDFIELDの「OMMADAWN」のようだが、
こちらはアコースティック色や民族色は薄く、音だけをとれば現代的な印象のサウンド。
ゆるやかに流れてゆく楽曲はオールインストで、ときに重厚ときに優しげに重ねられるシンセをメインに、
ときおりフルートやオーボエなどが、たおやかでしっとりとした味わいを付け加えている。
個人的にはここにギターが加わるとTHE ENIDなみの大シンフォニックになると思うのだが、
あえてそうしなかったのはやはりアンソニーの美意識が「大仰よりも繊細」に向いているからなのだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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ARC「...at this」

ブリティッシュロックバンド、アークの1971年作
邦題は「我が王国よ」。サウンドはやや古めかしいロックスタイルで
ブルージーでハードロック的なギターを中心に、3〜4分のコンパクトな楽曲で聴かせる。
ときおりオルガンやピアノが入ったりもするが全体的にはプログレ度は低く、
英国ロックの初期を感じさせるような素朴な味わいがある。
ツインギターで聴かせる部分にしても、ハードさよりも英国的な気品を感じる音だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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Argent「In Deep + Nexus」

イギリスのハード・プログレバンド、アージェントの4th、5thのカップリング。1973/74作
Rod Argentが、THE ZOMBIES解散後UNIT 4+2のRuss Ballardと共に結成したバンド。
4th「In Deep」はハモンドが鳴る、ややブルージーなハードロックという感じだが、
いかにも70'sブリティッシュ然とした雰囲気は英国ロック好きにはたまらないだろう。
5th「Nexus」になるとのっけからメロトロン入りでクラシカルな雰囲気をかもし出す。
ELP的になったハモンドの音色とムーグシンセが合わさり、プログレ的な質感が増した。
5曲目後半などはGENESISにも通じる情感があり、明らかにジャケで損をしている好作だ。
プログレ度・・7 ハモン度・・8 英国度・・9 総合・8
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ARMAGEDDON

ブリティッシュロックバンド、アルマゲドンのアルバム。1975作
元YARDBIRDS、RENAISSANCEのVo、キース・レルフと
元CAPTAIN BEYONDのDr、ボビー・コールドウェルらによるバンドで、
キーボードなしのオーソドックスな4人編成のハードロックながら、
8分、11分という起伏に富んだ大曲が中心という異色作。
いくぶんブルージーな感触を覗かせつつ、英国ハードロックの王道的な雰囲気であるが、
やはりCaptain Beyondの延長上のプログレッシブなアプローチも随所に聴ける。
やはり要となるのはボビー・コールドウェルの手数の多いドラムで、抜群のテクニックと
グルーブ感が素晴らしい。ヴォーカルのキースのやわらかな歌声も魅力的だ。
バンドは本作のみで解散、その後1976年にキースは感電死でこの世を去ってしまう。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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ART BEARS「Hopes & Fears」

HENRY COWのクリス・カトラー、フレッド・フリス、ダグマー・クラウゼによるアート・ベアーズの1st。1978作
印象的なダグマーの歌声から始まる本作は、三人編成という必要最低限の表現手段により
より鋭角的な切り口で社会的メッセージ色の強いインパクトを与えようというバンドの意図が感じられる。
ピアノやヴァイオリンによる緊張感のある現代クラシック的な質感に、ダグマーの生々しい歌声が合わさり
ときにイタリアのOPUS AVANTRAを思わせるような、うす暗い芸術性が見え隠れする。
チェンバーロック的な静けさの中に、ジャズやクラシックをともなったフリーキーなセンスと
先鋭的なアヴァンギャルドさが混ざり合い、上品な毒ともいうべき感触で聴かせる音だ。
チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・8 女性声力度・・8 総合・・8
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ART BEARS「Winter Songs」

アート・ベアーズの2nd。1979作
アヴァンギャルドなクラシカルロックという方向性はそのままに1stよりも音の焦点が絞れてきて、
同時に美しさと毒気が増した。ダグマー・クラウゼの歌声はときにオペラティックに
ときにヒステリックに響きわたり、その存在感とインパクトはものすごい。
暗がりの中の呪術性と、クラシカルな格調高さが混在しているようなサウンドは
より迫力ある強度をともなっている。濃密なる静寂。ジャズロック的な混沌。優雅な闇。
各メンバーの引き出しの多さが、無秩序の中にもひとつの引力をともなって音を組み立てている。
前作にも増してキレたような鋭い展開が痛快に思える、これは音による先鋭芸術だ。
チェンバー度・・9 アヴァンギャル度・・9 女性声力度・・9 総合・・8.5
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ART BEARS「The World As It Is Today」

アート・ベアーズの3rd。1980作
ダグマーのヴォーカルはついに絶叫の域にまで達した。
ジャズロック的なけだるさのなかに、狂気をはらんだ歌声が響きわたる。それは恐ろしくも、
なんとも艶めいており、まるで世界の不条理に叫び続ける娼婦でもあるかのようだ。
かと思えば、闇の静寂のごとき空気をともない、激しさと静けさを対比させる、
シアトリカルな音楽性もなんとも壮大で美しい。これまで以上にシンセが使われていることで、
ある種、夢の中にいるかのような幻想的な雰囲気も増している。
ピアノの不協和音が鳴り、遠くではけたたましくヴァイオリンが響いている。
世界の裏側をさらけだすような背徳的な快感がこの作品には詰まっている。
チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・10 女性声力度・・10 総合・・9
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ART BEARS「Revisited」

イギリスのチェンバーロックバンド、アート・ベアーズのリミックスプロジェクト作。2003年作
結成25周年を記念して制作されたリミックス34曲に、シングル曲、未発表再生曲を加えた2枚組で、
ジョン・ローズ、ジョン・オズワルド、大友良英/GROUND-ZERO、ザ・レジデンツ、宇都宮泰、
ジョスリン・ロベール、ボブ・ドレイク、バイオタ、トーマス・ディムジオ、クリスチャン・マークレイ他が参加、
原曲のクラシカルかつ不穏な世界観を、現代的なリミックスで再構成していて、
ダグマー・クラウゼの妖艶なヴォーカルがインダストリアルなサウンドと面白く融合している。
もともとアートでアヴァンギャルドなセンスが持ち味のサウンドであったが、
その前衛的な部分がモダンなリミックスで甦り、原曲とはまた違った味わいで楽しめる。
チェンバー度・・8 アヴァンギャル度・・9 リミックス度・・8 総合・・8
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Arthur Brown's Kingdom Come「Kingdom Come」

鬼才アーサー・ブラウン率いる、キングダム・カムの2nd。1972作
先に3rd「Journey」を聴いていたのだが、あまりにちもチープなリズムマシンの音に我慢ができなかった。
本作はちゃんとバンドとして聴ける。クラシカルなピアノに乗る語りのような演劇的なヴォーカルは、
フランスのANGEなどにも通じる雰囲気がある。唐突に入って来るオルガンや、変則リズム、ブレイクと
アヴァンギャルドで予測不可能な展開はとても面白い。精神分裂的なプログレとでもいうのか、
当時の英国ではGENTLE GIANTなどとともに、飛び抜けた個性だったに違いない。
部分的にはキャッチーですらある70'sロックであるのだが、変態的サイケロックとしても成り立っている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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Arthur Browns Kingdom Come 「Journey」
鬼才アーサー・ブラウンによるバンド、キングダム・カムの3rd。1972作
ドラムマシーンの無機質なリズムに乗る、スペイシーなシンセワーク。
まるでジャーマン・エレクトロロックのようだが、それとも若干異なる。
サイケな香りをぷんぷんさせつつも、ブリティッシュロック的な素朴さと
ロマンティックな世界観も感じられ、それが奇妙なテイストで混ざり合っている。
プログレというよりはスペース・サイケロックとして楽しむのが正しいだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 エレクトロ度・・8 総合・・7
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ASIA

ジョン・ウエットン、スティーブ・ハウ、カール・パーマー、ジェフ・ダウンズという
名うてのメンバーたちが集結したスーパーバンド、エイジアの1st。1982作
かつてのプログレッシブロックで培われたテクニックを駆使しつつ、
メロディはぐっとキャッチーで、明快なサウンドは多くのリスナーに支持を得た。
時代を代表するような1曲“Heat of the Moment”をはじめ、
透明感に溢れたきらびやかなプログレハードサウンドは今なお色あせない。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 キャッチー度・・9 総合・・8.5
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ASIA「GOLD」

エイジアの1st〜3rdまでの全曲をCD2枚組みにまとめたアルバム。
1st「ASIA」、2nd「ALPHA」、3rd「ASTRA」に、「THEN AND NOW」収録の未発曲、
それらが全て聴ける上、リマスターされて音質も向上…という、まさにお得盤!!
1stの楽曲はキャッチーながらも、プログレハードとしても聴けるドラマティックさもあり
とくにスティーブ・ハウのギターワーク、とジェフ・ダウンズのキーボードの重なりが美しい。
よりポップさを増した2ndも美しいコーラスハーモニーが気持ち良く、楽曲のクオリティも高い。
ハウ脱退後の3rdはいっそうポップでコンパクトになっていて、バンドのメジャー志向化がうかがえる。
ともかくも、プログレハードのスーパーバンド、エイジアの初期作がたっぷり味わえる2CDだ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・9 プログレ度・・6 総合・・8
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Atomic Rooster

ブリティッシュロックバンド、アトミック・ルースターの1st。1970作
オルガンを中心にしたギターレスのトリオ編成ながら、
ELPのようなクラシカル志向ではなく、あくまでもハードロック、
そしてブルーズロック的な質感で聴かせるサウンド。
ドラムを叩くのは後にそのELPに加入するカール・パーマーで、
手数の多いドラミングはこのサウンドの核をになっている。
朗々とした歌声とほのぼのとしたオルガンの音色のギャップがある意味個性的で、
フルート入りの曲もあったりとプログレとハードロックの狭間を行き来する。
オルガン度・・9 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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Atomic Rooster「Death Walks Behind You」

アトミック・ルースターの2nd。1971作
リーダーのヴィンセント・クレイン以外はメンバーが替わり、
サウンドの方もヴォーカル、ギター、ドラムの変化によりヘヴィーさと
ブルーズロック色が増した。ハモンドのイメージが強かった1stよりも
むしろピアノやギターリフが目立っていて、その分HR的になった印象だ。
オルガンにギターを絡めたアンサンブルも前作よりまとまってきており、
渋いながらもアルバムとしての完成度は高まった。プログレ/HR両対応作。
オルガン度・・7 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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Atomic Roster「In Hearing of」
アトミック・ルースターの3rd。1971作
今作では新たにリードヴォーカルを迎えた4人編成となり、
それとともにサウンドにはブルージーなジャズロック色が加わっている。
ハードロック、プログレ、サイケ、ジャズ、クラシックと、雑多な要素が聴けるが、
プログレ寄りの1st、ハードロック寄りの2ndに比べて、ややインパクトに欠ける。
曲によってはジャジーなプログレサイケ風味でなかなか悪くないのだが、
全体的には方向性を定めきれていないような、微妙な散漫さも感じられる。
今作の後、ヴィンセントは他のメンバーを解雇し、ファンク色を増した4thを発表する。
オルガン度・・6 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7
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AUTUMN「OCEANWORLD」
イギリス幻のシンフォニックロックバンド、オータムの未発表音源のCD化作品。1978作
正規にアルバムを発表することなしに消えていったこのバンドだが、メンバーには
THE ENIDのオリジナルドラマーに、後にスティーブ・ハケット・バンドに参加するキーボードなど
実力者がいることもあって、演奏、楽曲ともにレベルは高い。
サウンドはそのTHE ENIDにも通じるシンフォニック性とキャッチーな部分を併せ持った
爽快なシンフォニックロックで、HAPPY THE MANにも通じる軽快さが素晴らしい。
できれば正規録音のフルアルバムを聴きたかったと思わせるバンドである。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・8 総合・・7.5
B
Babe Ruth

ブリティッシュロックバンド、ベーブ・ルースの3rd。1975作
ハードロック的なギターとムーグの音色、そこにパワフルな女性Voが歌を乗せる。
ときに泣きのメロディを奏でるギターのセンスもかなりのものだし、
女性Voジャニタ・ハーン嬢の歌声はハスキーにして力強く、とても魅力的だ。
プログレ的なキーボードもときおりにやりとさせられ、ハードな雰囲気と
ノリの良い中にもちゃんとメロディがあり、聴き所の多いアルバムになっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Babe Ruth「GRAND SLAM」
ブリティッシュロックバンド、ベーブ・ルースのベストアルバム。2004作
197〜1975年の間に発表された1stから3rdまでの曲を中心に選曲されていて、
初期の曲はプログレというよりはブルーズがかったロックという雰囲気。
メロディという点でも曲の完成度でも、やはり3rdからの曲が図抜けている印象で、
ジャニタ嬢の歌唱に、テクニックと表現力を兼ね揃えたギターが素晴らしい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 3rdがあればいいや度・・9 総合・・7.5
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Barclay James Harvest「...Their First Album」
英国叙情派バンドの代表、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの1st。1970作
地道な長い活動に比して、知名度の点ではいま一つというのがもったいない。
このデビュー作では、まだやや粗削りな部分もあるが、メロトロンを含めて
ゆるやかで牧歌的な叙情は、決して派手ではないがじんわりと耳に優しい。
曲によってはオーケストラも使用していて、クラシカルな質感で
雄大に聴かせる12分の大曲などは、泣きのギターとともに耳を引く出来だ。
リマスター盤には、初期のBBC音源などをなんと13曲も追加収録。
叙情度・・8 素朴度・・9 英国度・・10 総合・・7.5
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Barclay James Harvest「Once Again」

バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの2nd。1971作
のっけから溢れるメロトロンと泣きのギターで、叙情度が増したサウンドは、
ロック的なダイナミズムとともにプログレらしい質感が強まっている。
いかにも英国的な気品とやわらかなメロディに包まれた、温かみのある
シンフォニックロックが楽しめる。初期の最高傑作といえるアルバムだ。
メロトロンに重なるしっとりとしたピアノも美しい。オーケストラも使用している。
リマスター盤には未発表音源などを5曲追加収録。
叙情度・・9 素朴度・・8 英国度・・10 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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BARCLAY JAMES HARVEST
「AND OTHER SHORT STORIES/BABY JAMES HARVEST」
英国の叙情派ロックバンドバークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの3rdと4thのカップリングCD。
名作と呼ばれる3rdは1971作、4thは1972作。その音には素朴さとやさしい叙情性に溢れ、
壮大なオーケストラやメロトロンに彩られた楽曲は、今聴いても十分うっとりできる。まさに英国。
このころのBJHはルネッサンスと並び、たおやかメロディアスロックとして最高のバンドであった。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ゆったり素朴度・・9 総合・・7.5
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BARCLAY JAMES HARVEST「...BBC IN CONCERT 1972」
バークレイ・ジェームス・ハーヴェストのライブアルバム。1972作。
ロンドンでのオーケストラとの競演ステージの録音で、生オケ入りということで
このバンドのクラシカルで壮大な部分がいっそう強調されている。
CD2枚組なのだが、それぞれモノラル版、ステレオ版となっていて曲目は一緒。
シンフォニック度・・8 たおやか度・・9 演奏・・8 総合・・7.5
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BARCLAY JAMES HARVEST「Everyone Is Everybody Else」

バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの5th。1974作/邦題は「宇宙の子供」
このバンドの音楽をひとことで言うのなら、それはまさに「素朴な叙情」である。
テクニカルな部分は皆無。そういう意味ではプログレではないかもしれない。
基本は暖かみのある歌と、素朴だが実にメロディアスなバックの演奏。
キーボード群によるゆるやかなオーケストレイション。古き良きイギリスの田園風景が浮かぶようである。
ゆったりとなごめるやさしい音楽。BJHの70年代の作品はどれも美しくおすすめ。
メロディアス度・・8 ゆったり素朴度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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Baclay James Harvest「Time Honoured Ghosts」

英国の叙情派バンド、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの6th。1975作
「神話の中の亡霊」という邦題とこの美しいジャケが印象的な本作は、
次作「Octoberon」とともに中期を代表する傑作。初期のクラシカルな作風よりも
だいぶポップな雰囲気が漂っているが、このバンドならではの牧歌的な叙情は健在。
やわらかなオルガンの音色にアコースティカルな素朴さも含んだ好作。
メロディアス度・・8 ゆったり素朴度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Baclay James Harvest「Octoberon」

英国の叙情派バンド、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの7th。1976作
この時期のBJHの作品はどれもが好きなのだが、とくに本作「妖精王オクトベロン」は
ジャケの美しさからもお気に入りだ。ゆったりとした牧歌的な楽曲に、雄大なオーケストラ、
やわらかなヴォーカルと英国的なオルガン、ときに厳かな混声合唱も加わって
シンフォニックロック的な美しさもある。ジャケを眺めながらうっとりと鑑賞したい作品だ。
ラストの飛び下り自殺へ至るSEはある意味衝撃的。リマスター盤には未発音源を5曲収録。
メロディアス度・・8 ゆったり素朴度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Barclay James Harvest「Gone to Earth」

イギリスの叙情派バンド、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの8th。1977作
英国きっての叙情派プログレバンド、本作はポップになり始めた時期のアルバムだが、
1曲目の“Hymn”は荘厳な美しさが素晴らしいシンフォニック曲でうっとり。
それ以降は素朴にして牧歌的なやわらかさのキャッチーなナンバーが中心で
初期のようなクラシカルな色合いは薄れたが、耳心地のいいメロディックロックが楽しめる。
次作「]U」まではバンドの黄金期の作品として、シンフォニック好きにもおすすめできる。
リマスター盤には、シングルバージョンや未発曲など5曲を追加収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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Barclay James Harvest「]U」

英国の叙情派バンド、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストの9th。1978作
英国きってメロディ派として、1970年のデビューから毎年のように作品を発表、
本作はポップ化し始めてからの作品であるが、オルガンの音色とともに聴かせる
英国的な叙情は健在。やわらかなヴォーカルメロディとギターフレーズが合わさり、
3〜4分台のコンパクトな楽曲はとても聴きやすい。しっとりとしたピアノも美しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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Barclay James Harvest「Live Tapes」

バークレイ・ジェームス・ハーヴェストのライブ作。1978/2009作
WOOLLY在籍時の全盛期のライブ演奏で、メロトロンを含むしっとりとした美しいシンセワークと
牧歌的なヴォーカルメロディで、やわらかな英国シンフォサウンドが楽しめるライブアルバム。
叙情的かつシンフォニックなサウントがじつに耳心地がよく、メロウなギタープレイも
随所に光っているが、歪ませたときのギターのノイジーな音がやや耳障りなのが惜しい。
もともとCD2枚組で全13曲だったが、2009年リマスター盤にはボーナスが3曲追加収録。
シンフォニック度・・8 英国度・・8 メロウな叙情度・・9 総合・・7.5
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John Lees' Barclay James Harvest
「“Legacy”Live at Shepherds Bush Empire 2006」

イギリスの叙情派バンド、バークレー・ジェームス・ハーヴェストのライブ作。2007作
2006年ロンドンでのライブを収録。Les Holroydのバンドと二派に分かれたBJHだが、
音の叙情性においてはWooly Wolstenholmeのいるこちらに軍配が上がるだろう。
ジョン・リーズのメロディアスなギターワークに、ウーリーのメロトロンの音色が重なると
これぞ英国の叙情シンフォニックというサウンドが美しく響きわたる。
“Medicine Man”“Suicide”“Hymn”といった過去の名曲にはやはりぐっとくる。
音質も良好で、BJHファンとしては聴くべき内容だ。同タイトルのDVDもあり。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Beggar's Opera「Act One」

ブリティッシュロックバンド、ベガーズ・オペラの1st。1970作
宇宙飛行士ジャケで有名な3rdはヴァーティゴの裏名盤として一般的にも
代表作とされるようだが、クラシカルでごった煮的な面白さからいえば本作だろう。
キーフの手によるこの怪しげなジャケからしてすでにキワモノだが、
サウンドの方はクラシックのメロディを取り入れたオルガン入りロックで、
NICEやTRACEなどに通じる印象がある。ヴォーカルの微妙な力の抜け具合が
コミカルな雰囲気をかもしだしているが、トルコ行進曲のメロディに乗せた11分の大曲では
ハモンドにサイケ的なギターが重なり、濃密かつマニアックなブリティッシュロックが楽しめる。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・9 濃密度・・9 総合・・8
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BEGGARS OPERA「PATHFINDER」

英国のプログレバンド、ベガーズ・オペラの3rd。1972作
リマスター&紙ジャケで、この「馬に乗った宇宙飛行士」の6面開きのジャケも再現している。
英国プログレの裏名盤として知られる本作はクラシカルなメロディを取り入れたいかにも英国らしいロックで、
鳴り響くハモンドに荒々しく跳ねるリズム、そしてマーティン・グリフィスの力強いヴォーカルが個性的。
サイケデリックなアヴァンギャルドさも含んでおり、ドラマテイックさと英国らしさを兼ね揃えたサウンドだ。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Beggars Opera「Lose a Life」
イギリスのプログレバンド、ベガーズ・オペラの2011年作
1970年にデビュー、クラシカルな要素とオルガン入りのプログレッシブロックで多くのファンを魅了、
名作とされる3rd「PATHFINDER」以降はポップ化し、1980年までに7作を出すが、その後は解散、
しかし2007年に突如女性Key/Vo入りのバンドとなって復活、本作はそれに続くアルバムである。
のっけから11分の大曲で、ミステリアスなシンセワークと案外ヘヴィなギターが合わさり、
モダンなサウンドが展開される。シンセ奏者でもあるヴァージニア嬢のスキャット的な歌声を含み、
いわばジャーマンロック的な浮遊感のある反復とテクノ要素がシンフォニックに混ざったというべきか。
ART BEARSの現代版という雰囲気もある。かつてとは別物と認識すれば、それなりに楽しめると思う。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 浮遊感・・8 総合・・7.5
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BIG SLEEP「Bluebell Wood」

ブリティッシュロックバンド、ビッグ・スリープのアルバム。1971作
EYES OF BLUEのメンバーによる別名バンドらしいが、そちらは未聴。
まずはしっとりとしたピアノでフォーク風に始まりつつ、
艶やかなストリングスやオルガンの音色が合わさって、
いかにも英国風なゆるやかな叙情をが広がってゆく。
アコースティックで牧歌的な素朴さと、薄暗い湿りけを含んだサウンドは、
よく言えば70年代特有のおおらかな空気が伝わってくるような雰囲気だ。
演奏力もかなりのもので、フォーク、サイケ風味も併せて、これぞ英国という作品。
素朴度・・9 プログレ度・・7 英国度・・10 総合・・8
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BLACK WIDOW「Sacrifice」

ブリティッシュロックバンド、ブラック・ウィドウの1st。1970年作
Dr.Zなどとともに、70年代英国ロックのアンダーグラウンドシーンで、
異彩を放った、いわば黒魔術系の世界観をもったバンドとして語られる。
BLACK SABBATHほどのヘヴィさはなく、妖しげに鳴り響くオルガンの音色に
サックスが絡み、フルートなども入った、いかにも英国らしい湿りけのあるサウンド。
幻想的な雰囲気が耳心地よく、薄暗いプログレとしても普通に楽しめる作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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BLACK WIDOW
ブリティッシュロックバンド、ブラック・ウィドウの2nd。1970年作
前作の妖しげな暗さが薄れて、むしろ普通のブリティッシュロックになっている。
オルガン入りのロックにサックスが加わった、けっこう軽快な作風で
1stのイメージで聴くとやや拍子抜けする。これはこれで悪くはないが。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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BLACK WIDOW「III」

ブリティッシュロックバンド、ブラック・ウィドウの3rd。1971年作
サウンドにより広がりが出てきて、ブリティッシュロックとしての普遍性が
感じられるようになった。ギターにかぶさるオルガンの音色もいい感じで、
メロディにはキャッチーさが増し、楽曲としてのドラマティックなメリハリがついた。
妖しい世界観では1stだが、内容的にはこれが最高作といっていいだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 英国度・・9 総合・・8
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BRIAN ENO「Another Green World」

元Roxy Musicのブライアン・イーノのソロ3作目。1975作
ノイジーなギターを取り入れながらも、やわらかな聴き心地を失わないセンスと、
ポップさとアヴァンギャルド性を内包しつつも、ニューエイジ的なモダンさも光る。
ヴォーカル曲におけるポップさと、バックのギターの鳴り具合の対比も面白い。
ジャーマンロック的な実験色をアンビエントな流暢さで包み込んだような傑作。
ポップ感覚度・・8 プログレ度・・7 ハイセンス度・・9 総合・・8
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C
CAMEL
イギリスのプログレバンド、キャメルの1st。1973作
CAMELといえばやはり代表作となるのは「MIRAGE」、「SNOW GWOOSE」だと思うが、
この1stは2nd「MIRAGE」同様、やや粗さを残したロックしている部分が多いアルバム。
その中でもアンディ・ラティマーの奏でるギターはじつにメロディアスで
ピート・バーデンスのメロトロンが美しい、名曲「NEVER LET GO」をはじめ
メロディックロックとしての確かな存在感を感じさせる。リマスター盤にはボーナス2曲入り。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ロック度・・8 総合・・8
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CAMEL「Mirage」

イギリスのプログレバンド、キャメルの2nd。1974作
CAMELの最高作を挙げるなら、美しさでは次作「白雁」だろうが、メロディックロックとしては本作だ。
アンドリュー・ラティマーのメロディアスなギターが鳴り響く躍動的な1曲目は、
ギターフレーズで聴かせるプログレが好きな方ならにんまりだろうし、
しっとりとしたフルートの美しい2曲目や、ファンタジックな大曲“Nimrodel”など
聴き所は多いのだが、さらにラストには素晴らしき組曲“Lady Fantasy”が待ち構えている。
繊細なメロディと英国ロックとしての魅力が合わさった初期の傑作である。
リマスター盤のボーナスにはライブ音源3曲に、大曲“Lady Fantasy”のデモなどを収録。
メロディアス度・・9 ロック度・・8 たおやか度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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CAMEL「The Snow Goose」

イギリスのプログレバンド、キャメルの3rd。1975/2009作
ポール・ギャリコの小説「白雁」をテーマにしたコンセプトな大傑作。
雁たちの鳴き声から静かに始まり、ピアノをバックに美しいフルートがメロディを奏で出す。
インストの小曲を連ねて情景を描き出し聴かせてゆくという手法ながら、メロディを大切にした作りなので
難解さはまったく感じられない。アンディ・ラティマーのやわらかなギターメロディも素晴らしい。
2nd「Mirage」のような躍動感は薄いが、その分丁寧にまとめられたアルバムともいえる。
これはまさに聴く小説作品だ。リマスターにより音の繊細な美しさが際立って聴こえる。
2009年デラックスエディションはDisc2に1975年のBBCでのライブ音源を12曲収録。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 繊細度・・10 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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CAMEL「Moonmadness」

イギリスのプログレバンド、キャメルの4th。1976/2009作
タイトルとジャケの幻想性ということならなら本作が最高だろう。
サウンドの方も、シンセに絡むゆるやかなフルートの音色がとても美しく、
しっとりと聴かせるヴォーカルメロディとともに、月夜を眺めるような感覚になる。
シンフォニックかつたおやかでスタイリッシュにまとめられた音は、
これ以降のシンフォバンドのお手本とするような部分もあるだろう。
全体的には前2作に比べやや地味だが、このバンドの美しさをよく味わえる1枚だ。
2009年デラックスエディションはDisc2に1976年のライブ音源をたっぷり収録。
大曲“Lady Fantasy”を含む素晴らしい演奏で、これは必聴級の音源です。
メロディアス度・・8 幻想度・・9 たおやか度・・9 総合・・8.5
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CAMEL「Rain Dances」

キャメルの5th。1977作/邦題は「雨のシルエット」
Hatfield and the Northのリチャード・シンクレアを迎えて作られた本作は
4thまでの幻想的な作風に、キャッチーなポップセンスが加えられたサウンドであり
次作「BREATHLESS」から正式メンバーとなるメル・コリンズのサックスも活躍していて、
いわばジャズ/フュージョン的な軽妙さも光る好作となっている。もちろん、
アンディ・ラティマーのメロウなギターと、ピート・バーデンスの美しいシンセも見事で
繊細でやわらかなメロディを乗せたとても聴きやすいアルバムだ。
リマスター盤のボーナスには1977年のBBC音源などを収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 軽快度・・8 総合・・8
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CAMEL「A LIVE RECORD」

キャメルのライブアルバムCD2枚組
録音は1974〜1977までのもので、曲によってはやや参加メンバーが異なる。
しかし要はやはりアンドリュー・ラティマーのメロウなギターフレージングで
高度なテクニックがありながらゆるやかな叙情を表現できるセンスはさすが。
やはり目玉はDisk2における「THE SNOW GOOSE」の完全再現で、
バックにオーケストラを交え、静かに盛り上がりを見せる楽曲は
ギターメインのメロディック系シンフォとしては金字塔のひとつといっていい。
また今は亡きピート・バーデンスのシンセも素朴でやさしげな音色を奏でている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 素朴度・・8 総合・・8
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CAMEL「BREATHLESS」

イギリスのメロディックロックバンド、キャメルの6th。1978作
初期のアルバムと比べるとずいぶんとソフトになった印象だが、
メロディの良さは相変わらずで、全体的に非常に聴きやすいアルバムだ。
ほのぼのとしたピート・バーデンスのキーボードに、アンディ・ラティマーのメロウなギターワーク、
それにたおやかなフルートもなかなか効いている。歌メロはかなりポップで、
もはやプログレというよりはソフトなメロディックロックという印象であるが
GENESISの「DUKE」などと同様、キャッチーでありながら質が高いのも確か。
メロディアス度・・8 プログレ度・・3 たおやか度・・8 総合・・7.5
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CAMEL「I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE」

キャメルの7th。1979作。邦題は「リモート・ロマンス」
本作でHAPPY THE MANのキット・ワトキンスが加入したこともあって聴いてみた。
ぱっと聴きには前作以上にポップになっているが、アンドリュー・ラティマーの流麗なギターは
やはり耳に心地よいし、ワトキンスのシンセワークも、HTMを思わせるシンフォフュージョン風で、
こちらもなかなか頑張っており、自身の作曲である3曲目などはとても美しい出来だ。
ラストの“Ice”は10分におよぶインスト曲で、ラティマーの泣きのギターがたっぷりと堪能できる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ポップ度・・8 総合・・7.5
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CAPABILITY BROWN「FROM SCRATCH」
イギリスのプログレバンド、キャパビリティ・ブラウンの1st。1972年作
一般的には「唇にチャック」ジャケが有名な2ndの方が人気のようですが、
本作もブリティッシュロックとしてはなかなか良質のアルバムです。
キャッチーなコーラスワークで聴かせる比較的シンプルなメロディックという趣で、
プログレ風味は薄いですが、いかにも70年代英国の牧歌性でのんびりと楽しめます。
ラストの9分超の大曲は、次作の20分の大曲というほどではないが、なかなかの出来。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ブリティッシュ度・・8 総合・・7.5
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Capability Brown「Voice」

イギリスのプログレバンド、キャパビリティ・ブラウンの2nd。1973作
これまでずっと聴きたかったが見つからない、貴重なアルバムであったが2008年に再発。
元HARMONY GLASSのメンバーによるバンドで、ヒプノシスによるジャケがインパクト大。
前半はポッフな感触のキャッチーな英国ロックという感じで、正直、悪くはない程度なのだが、
旧B面にあたる20分の大曲は、チェンバロとリュートの音色で始まるクラシカルな雰囲気に
泣きのギターが合わさり、QUEEN風のコーラスにメロトロンまで加わった叙情派プログレの作風。
この曲の存在によってプログレ方面のリスナーにとって、幻の名作的な存在になったのだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ラストの大曲度・・9 総合・・8
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CAPTAIN BEYOND

元DEEP PURPLEのロッド・エヴァンスらによるキャプテン・ビヨンドのアルバム。1972作
のっけから変拍子のリズムで始まる本作は、テクニカルロックの元祖というべき名盤だ。
今でいうとメタリックなハードなギターと、抜群のリズム、グルーブ感の素晴らしい演奏、
プログレッシブともいうべき複雑な楽曲構成には古くささは微塵も感じない。
この細かなリズムアプローチと部分ごとのキメの連続は、Deep Purpleを上回る緻密さで
この年代のバンドとしては見事という他はない。むしろ、ロッド・エヴァンスのヴォーカルが
一番英国的な雰囲気をただよわせている。バンドはこの後メンバーを変えながら
1973年、77年に2作を発表するが、いずれも本作ほどのインパクトはなかった。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・9
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CARAVAN
「If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over You」

イギリスのカンタベリーロックバンド、キャラバンの2nd。1970作
一般的には次作「グレイとピンクの地」が代表作とされるが、本作も決して劣らない。
カンタベリー的な軽やかさに、デイヴ・シンクレアのオルガンが重なると、
ジャズロックというよりは、ブリティッシュロックとしての湿りけをかもしだす。
牧歌的なヴォーカルメロディで聴かせる素朴な耳心地のよさと、
大曲における軽妙な展開力とテクニックもバランスがよくとれていて、
普通にメロディアスなプログレとして楽しめる。ピアノやフルートの音色も美しい。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・7 英国度・・8 総合・・8
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CARAVAN「In the Land of Grey and Pink」

「グレイとピンクの地」として知られるキャラバンの初期の代表作。1971作
前作で確立した、いわゆる“カンタベリー系”と呼ばれるサウンドをさらに追求し、
ジャズロックとしてのテクニックと牧歌的な世界観が合わさった、軽やかな構築を聴かせる。
ジャズとしてならむしろ次作「ウォータールー・リリー」が、プログレとしてなら「夜ごとに〜」の方が
分かりやすいと思うのだが、本作はそのどちらともいえないカンタベリーな雰囲気、つまりは
素朴な情緒が魅力なのだろうと思う。とくに旧LPのB面すべてを費やした22分の組曲は見事。
デイブ・シンクレア在籍最後のアルバムということで、オリジナルキャラバンが好きな方には一番だろう。
プログレ度・・7 ジャズロック度・・7 カンタベリー度・・9 総合・・8
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CARAVAN「Waterloo Lily」

カンタベリー系を代表するバンド、キャラヴァンの4th。1972作
前作を最後にデイブ・シンクレアが脱退、代わりにスティーヴ・ミラーが参加し、ややジャズ色が強まった作品。
とはいっても軽やかなアンサンブルと、ある種のキャッチーな聴きやすさは健在で、
パイ・ヘイスティングズのギターにリチャード・シンクレアのベースの存在感、
そしてスティーヴの弾くピアノ、オルガンを含めたインスト部分はとても魅力的だ。
10分を超える長曲2曲なども、適度に力みの抜けた音に余裕を感じさせる。
プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 軽やか度・・9 総合・・8
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CARAVAN「For Girls Who Grow Plump in the Night」

キャラヴァンの5th。1973作。邦題は「夜ごと太る女のために」
一般的には、3rd「グレイとピンクの地」が代表作とされているが、
メロディの魅力という点では、むしろこちらを最高作にしてもよいと思う。
キャッチーでややポップな歌メロに、ジャズロック風の軽やかな演奏と
フルートなどのたおやかな叙情性や、オーケストラ入りの大曲もあり、
ポップでありながらも作品としては充分に聴きごたえがある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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CARAVAN「Caravan & the New Symphonia」

キャラヴァンのオーケストラとの共演ライブ作。1974作
1974年、ロンドンのシアター・ロイヤルでのステージを収録。
時期的には「夜ごとに太る女のために」が発表された直後で、まさに全盛期のライブ。
ジャズロック風味もある軽やかな楽曲に生のオーケストラが加わり、
サウンドにはシンフォニックな味わいと適度な優雅さが感じられる。
かといって、オケが前に出すぎることはなく、あくまでバンドの演奏がメインである
というバランスも見事。プログレの傑作ライブアルバムというのはもちろんのこと、
オーケストラ入りのロックアルバムとして見渡しても間違いなく上位にくる出来だ。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 オケバランス度・・9 総合・・8
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CARAVAN「Live at the Fairfield Halls, 1974」

イギリスのカンタベリーロックバンド、キャラバンのライブアルバム。1974/2002作
1974年のFairfield Halls公演を収録したライブ作で、時期的に「夜ごと太る女のために」からの曲が中心。
音質も良好で、安定したリズムの上に乗るオルガンプレイや、エレクトリック・ヴィオラの音色など、
メロディとアンサンブルのバランスのとれたバンド絶頂期の素晴らしい演奏がたっぷり楽しめる。
テクニックあるインストから、キャッチーな歌ものまで、アルバム以上に魅力的な演奏だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏度・・8 音質・・9 総合・・8.5
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CARAVAN「Cunning Stunts」

キャラヴァンの6th。1975作。邦題は「ロッキン・コンチェルト」
ヒプノシスのジャケがユニークだが、内容も彼らの代表作のひとつにしてもよい出来だ。
サウンドは前作からの流れでポップではあるものの、しっかりシンセも効いていて、
オーケストラによるアレンジが美しいシンフォニックな曲にはうっとりとなる。
そして後半の18分の組曲はリラックスしたメロディで聴かせるシンフォニック・ポップで、
やわらかなサウンドと同時にプログレ的な構成力が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Catapilla「Changes」

ブリティッシュロックバンド、キャタピラの2nd。1972作
変形紙ジャケを広げると、菜っ葉から顔を出したのは芋虫であった。
ジズロックとサイケの中間のような、ぼやけた浮遊感のあるサウンドで、
けだるげなサックスに女性ヴォーカルの歌声がアンニュイに響く。
ヨレ気味のギターといいスキャットぎみの女性Voといい、つかみ所のない危うさが
魅力といえば魅力か。はっきりとした音楽が好きな方は聴かない方がいいだろう。
ヒッピー気味の気だるげサイケ、ジャズロックとしてまったり聴くのが正解。
ジャズロック度・・7 気だるげ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Cirkus「One」

イギリスのプログレバンド、サーカスのアルバム。1971作
美しいストリングスをバックに、ハモンドにメロトロンが鳴り響く、
いかにも英国的なサウンドは、元気のよいBJHという雰囲気。
曲は3〜5分台と割とコンパクトで、ドラマティックな叙情性と
キャッチーなメロディのバランスがとれていて聴きやすい。
押しは強くないが、牧歌的な繊細さとともにゆったり楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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COLOSSEUM「Valentyne Suite」

イギリスのジャズロックバンド、コロシアムの2nd。1969作
プログレという言葉もまだなかった60年代に作られた傑作。
アルバム前半こそ比較的オーソドックスなジャズロックという感じだが、
やはり後半の17分にも及ぶ“ヴァレンタイン組曲”は素晴らしい。
テクニックのあるメンバーたちによる緊張感のある演奏は、激しいリズム展開の中で、
デイブ・グリーンスレイドのハモンドオルガンが鳴り響くプログレッシブなアプローチに
激しめのギターとサックスが絡んで、ときにNICEばりのクラシカルさも聴かせる。
プログレッシブ・ジャズロックの最初の完成と言うべき作品だ。キーフによる神秘的なジャケも印象深い。
リマスター盤のDisc2には、アメリカ盤デビュー作のために録音された音源などを追加収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ハモン度・・8 総合・・8
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COLOSSEUM「Daughter of Time」

イギリスのジャズロックバンド、コロシアムの3rd。1970作
前作「ヴァレンタイン組曲」がバンドの代表作として名高いが、本作もひけをとらないばかりか
演奏のテンションの高さに関してはむしろ上回っている。ジョン・ハイズマンの激しいドラムに、
クリス・ファーロウの歌声がかぶさり、吹き鳴らされるデイブ・グリーンスレイドのオルガン、
吹き鳴らされるサックスなどが一体となった、じつに熱いプログレ・ジャズロックを繰り広げている。
また楽曲におけるドラマティックな構築性はいかにも英国的な雰囲気をかもしだしていて、
単なるジャズロックの枠を超え、ブリティッシュロックとしての普遍的なスケール感も感じさせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 英国度・・8 総合・・8.5
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COLOSSEUM「Live」

イギリスのジャズロックバンド、コロシアムのライブアルバム。1971作
実質的にCOLOSSEUMのラスト作であり、ライブアルバムの名作とされている。
テクニックと重量感のあるドラムに、いかにもプログレ的でクラシカルなオルガンワーク、
やや暑苦しいヴォーカルと、けたたましく鳴り響くサックスという情熱的な演奏は、
いわゆるカンタベリー系のジャズロックバンドとはまったく違う濃密なアプローチ。
即興もまじえた楽曲構成は、アルバムでのドラマティックな構築性とは異なり、
じつにフレキシブルな雰囲気で、あらためてメンバーの演奏力の高さが伺える。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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COLOSSEUMU「Strance New Flesh」

イギリスのジャズロックバンド、コロシアムUのアルバム。1976作
COLOSSEUM解散後、ジョン・ハイズマンはTempestをへて、新たに本バンドを結成、
当時はまだ無名のギタリストだったゲイリー・ムーアが加入して制作されたこのアルバムは、
ブリティッシュロックの名盤としてのみならず、テクニカルロックの元祖としても名高い傑作だ。
ジョン・ハイズマンの叩きだす強力なリズムに、ドン・エイリーのカラフルなシンセワークが乗り、
ゲイリー・ムーアのハードかつ叙情的なギターが合わさって、プログレッシブな構築性と
ハードロックリスナーからも支持をされるだけの重厚さ、そしてメロディアスさが合わさった
まさに奇跡的な均衡をなしえている。バンドはこの後1977年に2nd、3rdと順調に発表するも、
1978年になるとゲイリー・ムーアがThin Lizzyに加入するため脱退、バンドは自然消滅となる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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COMUS「Song to Comus」
英国のアシッド・フォークロックバンド、コーマスの1st、2ndカップリング盤
1971年の1stは、エキセントリックな女性ヴォーカルに男性ヴォーカル、
ヴァイオリンやパーカッションなどが合わさって、ある種呪術的で
ハイテンションな異色のフォークロックが繰り広げられる。一方では、
女性声の美しさやフルートなどのアコースティカルな美しさも持ち味で、
そこに薄暗い幻想性が重なると、大変個性的な質感が現れる。
1974年の2ndでは、妖しさがやや薄れ全体的に牧歌的な聴きやすさが増す。
しっとりとした男女ヴォーカルの歌声と、夢見心地のやわらかさに
ブリティッシュロック的な湿りけを含んだフォークロック異形の好作。
メロディアス度・・8 妖しげフォーク度・・10 英国度・・9 総合・・8
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Cressida

ブリティッシュロックバンド、クレシダの1st。1970年作
先に2nd「Asylum」を聴いていたが、こちらの1stもなかなかの出来。
曲は2〜5分台とコンパクトながら、ハモンドオルガンを中心とした
いかにも英国然とした叙情的なメロディが素晴らしい。
リズムのハネ方はジャズロック的でもあり、マイルドなヴォーカルの歌声も
哀愁をただよわせていてよい感じだ。2ndに比べるとややおとなしめで
小粒な印象ながら、むしろやわらかみのある作風は万人向けかもしれない。
メロディアス度・・8 ハモン度・・8 英国度・・9 総合・・7.5
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Cressida「Asylum」

ブリティッシュロックバンド、クレシダの2nd。1971年作
キーフのジャケが印象的な、ブリティッシュオルガンロックの傑作。
鳴り響くハモンドとともに、ドラマティックに展開する楽曲構造が見事で、
美しいストリングスも加わって盛り上がる部分は繊細にして壮麗だ。
またオルガンだけでなく、泣きのメロディやときにブルージーなフレーズもこなす
ギターもなかなか魅力的で、サウンドに厚みと奥深さを巧みに作り出している。
オルガンロック云々というよりもブリティッシュロックの傑作と呼べるだけの内容だ。
メロディアス度・・8 ハモン度・・9 英国度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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CRRIS SQUIRE「Fish out of Water」

YESのベーシスト、クリス・スクワイアのアルバム。1975作
ビル・ブラッフォード、パトリック・モラーツらが参加しており、
サウンド的にもほとんどYesの延長上の作品という感じになっている。
やたら大きなベースの音は、本人のソロなのだからまあ仕方ないが、
自身のヴォーカルも、どことなくジョン・アンダースンっぽい。
ギターが入っていない分、ロックというよりは、オーケストラの美しさや、
シンセワークなどで聴かせる優雅さが前に出ている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 Yes度・・9 総合・・8
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CURVED AIR「PHANTASMAGORIA」

イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアの3rd。1972作
歌姫ソーニャ・クリスティーナを要するバンドで、一般的に最高作と言われるアルバム。
昔聴いたときには、その焦点のぼやけたようなサウンドや、
プログレというよりサイケロック気味のギターなどが気に入らなかったのだが、
サイケやフォークも聴くようになり、ヘタウマの良さも理解できる今あらためて聴くと悪くない。
彼らの良さは英国フォーク色にサイケロック風味を加え、そこに女性ヴォーカルを乗せた
独特の浮遊感とやわらかな質感にあるので、構築的な完成度は求めてはいけない。
フルートやヴァイオリンの音色も美しく、幻想性を感じさせるゆるやかな音で聴かせるアルバムだ。
メロディアス度・・8 ふんわりゆるやか度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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CURVED AIR「AIR CUT」

イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアの4th。1973作
いったんバンドを離れたダリル・ウェイに代わり、若き日のエディ・ジョブソンが参加。
そのことからも現在ではエディファンからの人気が高い作品であり、
バンドのディスコグラフィー中でも異色のアルバムといえるだろう。
サウンドは初期の頃に比べるとずいぶんすっきりと整理されてきていて
軽やかで優雅な演奏に乗るソーニャー・クリスティーナの歌声が美しい。
エディの艶やかなピアノはやはり素晴らしく、またヴァイオリンの方もダリルに負けじと
テクニカルに弾きまくっていて、このアルバムをクラシカルに彩っている。
前作「ファンタスマゴリア」とともにバンドの代表作と呼ぶにふさわしい出来だ。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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CURVED AIR「LIVE」

イギリスの女性Vo入りプログレバンド、カーヴド・エアのライブアルバム。1975作
選曲は1st、2ndの曲を3曲ずつに、3rdから1曲という構成。
力強くシャウトするソーニャ・クリスティーナの歌声に、
出戻りのダリル・ウェイのヴァイオリンも艶やかで
アルバム以上にダイナミックな演奏を聴かせてくれる。
地味だった1st「Air Conditioning」からの曲も、ここで聴く方が良さが分かる。
当時のバンドとしての熱さが伝わってくる、出来のよいライブアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アルバムより激しい度・・9 総合・・8
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CURVED AIR 「MASTERS FROM THE VAULTS」
イギリスのプログレバンド、カーブド・エアのライブアルバム。2003作
1972年のBBCのTV音源から4曲、計28分を収録。同タイトルのDVDも有り。
年代を考えれば音質も良好で、歌姫ソーニャ・クリスティーナの歌唱とともに、
スタジオ盤に以上にハードでブルージーな演奏が聴ける。
PCで再生可能な同ライブ映像も収録していて、美しきソーニャのお姿や、
大曲“Vivaldi”でのダリル・ウェイのヴァイオリンのキレっぷりなども必見。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 貴重度・・9 総合・・7.5
CURVED AIR「reborn」

英国のプログレバンド、カーヴド・エアの復活作。2008作
70年代に歌姫ソーニャ・クリスティーナを擁したクラシカルなヴァイオリンロックで、
プログレファンからも人気の高いこのバンドがまさかの復活作を発表。
新曲の3曲以外はすべて過去のリメイク曲であるが、なかなかモダンにアレンジされており、
ダリル・ウェイのヴァイオリンに乗るソーニャの歌声を再び聴けるというだけでも、
ファンには感涙ものだろう。3rd「Phantasmagoria」あたりからのナンバーはやはり美しく、
たとえばRENAISSANCEの優雅さとは別の、英国クラシカルロックを堪能できる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 往年度・・8 総合・・8
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CZAR

ブリティッシュロックバンド、ツァールのアルバム。1970作
初期BLACK SABBATH的な質感に、メロトロン、ハモンドを加え、
英国の湿りけある叙情をかもしだすハードロックサウンド。
妖しい薄暗さと、ややアンダーグラウンドな雰囲気を残しながら、
鳴り響くハモンドやメロトロン、クラシカルなハープシコードが美しく、
ときにギター以上にキーボードが目立っていることで、プログレリスナー向きだ。
70年台初頭の英国ロックシーンの器の大きさを示すマニアックな一枚といえる。
リマスター再発盤にはボーナスにデモやシングル曲など8曲を追加収録。
メロトロンとハモン度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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D
Darryl Ways Wolf「Canis Lupis」

CURVED AIRを脱退したダリル・ウェイ率いる、ウルフの1st。1973作
本作はイアン・マクドナルドがプロデュースしたということで3作中では一番叙情的な作品。
軽やかなリズムにジャズロック風味のピアノと艶やかなヴァイオリンの音色がかぶさり、
キッャチーな歌メロとともに、ジョン・エスリッジのメロディアスなギターも光っている。
完成度では、次作「飽和点」のテクニカルなサウンドに軍配があがるが、
英国的なプログレとしてはやはり本作も捨てられない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・7 総合・・7.5
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DARRYL WAY'S WOLF「SATURATION POINT」

CURVED AIRを脱退したダリル・ウェイのバンド、ウルフの2nd。
前作「Canis-Lupus」よりさらにインスト重視で、テクニカル性が目立った作風。
のっけから炸裂するウェイの艶やかなヴァイオリンがサウンドを支配する。
叙情よりも押しの強さで勝負に出たアルバムという印象。
こうなると2曲のみのヴォーカル曲もかえってコントラストになっていて、
1stで指摘されたVoの弱さ云々もここではさほど気にならない。
メロディアス度・・8 アグレッシブ度・・8 ヴァイオリン度・・8 総合・・8
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DARRYL WAYS WOLF「Night Music」
元Curved Airのダリル・ウェイ率いるバンド、ウルフの3rd。1974作
邦題は「群狼の夜の歌」。前作「飽和点」はテクニカルにたたみかける内容の濃さで
バンドの最高作というべき出来であったが、この3作目はそれよりはやや落ち着いた印象で、
叙情性と硬質感のバランスがとれていることから、1stと2ndの中間といった感じだろうか。
ジャズロック的なアンサンブルと、古き良きブリティッシュロックのテイストがブレンドされ
適度な緊張感とともにヴァイオリン、シンセによるプログレ的な掛け合いが楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・7 総合・・7.5
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Dave Stewart & Barbara Gaskin「As Far As Dreams Can Go」

デイヴ・スチュワート & バーバラ・ガスキンの1988年作/2010年再発版
アメリカ盤「Up From the Dark」に収録の日本未発表7曲と、86年のシングル「Locomotion」を含む全9曲入り編集アルバム。
リトル・エヴァの“The Locomotion”のカヴァーをはじめ、お洒落なポップセンスを巧みなアレンジで聴かせ、
どこかアンニュイなバーバラの歌声が耳に優しい。他にもテンプテーションズ“I'm
Losing You”、
XTC“Roads Girdle The Globe”、ハニーバス“(Do I Figure)In Your Life”などのカヴァーも収録。
2010年盤ボーナスには“The Locomotion”のシングルミックスと、2010年のリメイク曲を2曲追加収録。
プログレ度・・7 お洒落でアンニュイ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Dave Stewart & Barbara Gaskin「Green and Blue」

英国カンタベリーシーンを代表する、デイヴ・スチュワート & バーバラ・ガスキンの2009年作
1991年「Spin」以来約18年振りとなる作品で、サウンドの方はポップな味わいのある歌ものながら、
デイヴのきらびやかなシンセワークと、大人の女性の魅力あるバーバラの歌声で、
耳心地のよいシンプルさの中にも奥深いアレンジと洒落たセンスを感じ取れる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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David Sancious and Tone「Transformation (The Speed of Love)」
イギリス出身の黒人キーボーディスト、デビッド・サンシャスの2nd。1976作
ジャズ畑の人であるが、プログレ好きとしても知られる彼のソロ作の中でも最高傑作とも言われるアルバム。
3rd、4thも悪くはなかったが、どちらかというとキャッチーなジャズ・フュージョンという雰囲気だった。
今作も基本的にはジャズ色のあるプログレ的サウンドなのだが、全4曲という大作志向で、
ギター、ベース、ドラムによるシンプルなアンサンブルに、センスの良いシンセワークが光る。
とくに18分のラスト曲での構築性は、テクニカルなシンフォニックプログレとしても見事だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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DAVID SANCIOUS「TRUE STORIES」
ジャズを畑にする黒人キーボーディスト、デビッド・サンシャスの3rd。1978作
彼の初期ソロ作はプログレ寄りのものが多く、この3rdもカラフルなキーボードワークに、
軽快なアンサンブルで、中期以降のYES的な歌もの楽曲が揃っている。
とくに間奏部やコーラスなどはかなりYESからの影響が濃く出ていて、
プログレファンの鑑賞をも可能にしている。
メロディアス度・・7 キャッチー度・・8 YES度・・8 総合・・7.5
DAVID SANCIOUS「JUST AS I THOUGHT」
デビッド・サンシャスの4th。1979作
プログレ方面としてはピーター・ガブリエルなどのセッションKeyとしても有名。
私は彼の作品はこれで初めて聴くのだが、印象としては
プログレ好きにも聴けるシンフォなジャズ・フュージョンという感じ。
自身の弾くギターに、ときにUKばりのキーボード。
全編インストながら、軽快なサウンドで気持ちよく聞き流せる。
たとえていえば、ジャズ寄りになったセバスチャン・ハーディという感じか。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 フュージョン度・・8 総合・・7.5
DEEP FEELING
ブリティッシュロックバンド、ディープ・フィーリングのアルバム。1971作
長く廃盤となっていた作品だが、韓国盤での紙ジャケ500枚プレスで再発。
オルガンやメロトロンが鳴る、いかにも70'sブリティッシュスタイルのサウンドながら、
このバンドの音は暗さよりもキャッチーな歌メロやコーラスが適度にスタイリッシュで、
アンダーグラウンドな雰囲気はあまり感じない。リズム面も含めて演奏力もしっかりしていて
クラシカルな叙情にも古くささはあまりない。MOODY BLUSEあたりと同じ感覚で聴ける好作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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Dr.Z「Three Parts To My Soul」

ブリティッシュロックバンド、ドクターZのアルバム。1971作
ヴァーティゴレーベル随一のレアアイテムとされ、そのバンド名などからも
謎の多き1枚とされてきた本作であるが、観音開きの紙ジャケで見事に復刻。
クラシカルなチェンバロの音色と、ダミ声Voにドカドカのドラムが合わさって、
優雅なんだけどけたたましいという…なんだか不思議な感触のサウンドだ。
人の持つ魂をテーマにしているということで、内省的で神秘的な雰囲気があり、
サイケロック風の大仰さやどことなく未完成な感じには、聴くごとに引き込まれる。
このマニアックさは、ある意味ブリティッシュロックの奥深さを表した作品ともいえるかと。
クラシカル度・・8 サイケ度・・8 マニアック度・・9 総合・・7.5
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DUNCAN MACKAY「CHIMERA」

当時南アフリカに住んでいたイギリス人で、後に10ccに加入する
シンセ奏者、ダンカン・マカーイのアルバム。1974作
サウンドはNICEやELPを思わせるクラシカルなキーボードロックで、
やわらかなハモンドや、ムーグシンセの音色に、ジャズ風味のピアノも絡んでくる。
メロディアスな歌メロのおかげで、あまりマニアックさは感じさせないのもいい。
やわらかに鳴り響くハモンドなどはやはりブリティッシュロックの質感で聴け、
大曲3曲の構成もキーボードプログレ好きならにんまりとするだろう完成度だ。
ようやく2009年に正規盤でCD化された。音もよくなってボーナスも収録。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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E
egg

イギリスのプログレバンド、エッグの1st。1970作
ELPと同様にトリオ編成で、デイブ・スチュアートのハモンドオルガンをメインに、
少し古めかしいながらもクラシカルな鍵盤ロックを聴かせる。
ヴォーカル曲のやぼったさや、全体的に時代的な薄暗さも感じさせつつも、
後半の20分のインストの組曲などは、クラシカルな優雅さが詰まったプログレが楽しめる。
より演奏力と切れ味の増した2nd「優雅な軍隊」の出来にはおよばないが、
ELPとはまた違った暗めのハモンドロック作品として、聴いてみて損はない。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ハモン度・・8 総合・・7.5
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EGG「THE POLITE FORCE」
エッグの2nd。1970作。邦題は「優雅な軍隊」
いわゆるカンタベリーシーンのバンドとされているようだが、
要はELPスタイルのキーボードトリオで、メロディにはクラシカルな要素がたっぷり。
後にスチュワート&ガスキンで名を馳せるデイブ・スチュワートのオルガン/ピアノプレイは
クラシカルでたおやかなメロディから、ジャジーで前衛的なタッチまで多彩で素晴らしい。
タイトル通りの優雅な雰囲気でありながら、変拍子リズムやアヴァンギャルドな要素も混ざり
1970年という年代を考えるとかなり先鋭的で、今聴いても曲にさほど古くささがないのが凄い。
とくにB面全てを使った組曲が白眉。またブラス入りの曲もアルバムの中でいいアクセントになっている。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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EGG「The Civil Surface」

名鍵盤奏者、デイヴ・スチュワート率いるプログレバンド、エッグの3rd。1974作
アルバム2枚を残していったんは解散するが、その後に本作を発表する。
サウンドの方は、2nd「優美な軍隊」で聴かれたアヴァンギャルドな作風を残しつつ、
そこにカンタベリー調のジャズロックが合わさった雰囲気で、やはり質は高い。
後にNATIONAL HEALTH結成するデイブのオルガンワークを軸に、
ピアノやフレンチホルンなどが楽曲にクラシカルな彩りを添える。
優雅で上品な室内楽的な質感と、鍵盤ロックとしての勢いが混在し、
全体的には方向性にバラつきはあるが、スタイリッシュな楽曲アレンジはさすがだ。
クラシカル度・・7 プログレ度・・8 ジャズロック度・・7 総合・・8
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EMERSON,LAKE & PALMER

イギリスのプログレバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマーの記念すべきデビュー作
キース・エマーソンにとってはNICEというバンドでの下地があったからだろう、
ギターレスのキーボードトリオという特異な編成ながら、1stにしてすでに完成度は高い。
Atomic Roosterからカール・パーマーを、KING CRIMSONからグレッグ・レイクを迎え
それぞれの名前をバンド名にしたことからも、スーパーバンド的な自負が窺える。
歪んだベースにハモンドが鳴る、いかにも初期ブリティッシュロック的な“未開人”から始まり、
たおやかなピアノにレイクの歌声が乗る大曲“石をとれ”、軽快に聴かせる“ナイフエッジ”
そしてチャーチオルガンの音色から始まり、エマーソンの卓越したピアノさばきが見事な
“運命の三人の女神”と、鍵盤ロックとしての可能性を見せつけるかのようなアルバムだ。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・8
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EMERSON,LAKE & PALMER「Tarkus」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの2nd。1971年作
アルマジロ戦車こと「タルカス」の組曲はELPの最高傑作である。
LPでいうA面すべてを費やした7パートに分かれた20分の長大な組曲は、
エマーソンのキーボードワークが縦横無尽に炸裂し、リズム面での緩急のつけ方や
ドラマティックな構成力が前作以上にプログレッシブロックとしての美学を感じさせる。
ムーグシンセを導入したことで、ハモンド、ピアノというそれぞれの異なる音を使い分け、
サウンドの幅が大きく広がっている。冒頭の組曲が凄すぎて2曲目以降の印象が弱いのだが、
後半もじっくりと聴けばクラシカルで優雅な味わいとともに、絶品の鍵盤さばきを堪能できる。
なんにしてもこのアルバムで聴ける世紀のキーボード大曲は、時代を超えて輝き続けている。
クラシカル度・・8 プログレ度・・9 キーボー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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Emerson Lake & Palmer
「Pictures at an Exhibition(Deluxe Edition)」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのアルバム。1971/2008作
ムソグルスキーの「展覧会の絵」を独自の解釈でロック化したELPの名作のデラックスエディション。
元々が海賊対策としてライブ音源をアルバム化したもので、Disc1にはその正規音源である
71年のニューキャッスル公演と、ワイト島ライブでのメドレーをボーナス収録、
Disc2には70年のライシアム公演を丸々収録したデラックスエディション。
パイプオルガン鳴り響くイントロから、テクニカルなリズムとともに緊張感のある演奏が始まり、
ハモンドやムーグを中心としたエマーソンの変幻自在の鍵盤使いが炸裂する。
クラシック曲をプログレとしてここまで上手くアレンジした作品というのはそうはあるまい。
SACDでないのは残念だが、リマスター効果で音の迫力も増している。
そしてDisc2での70年の音源は、バンドデビュー間もない頃ということで、
むしろ演奏の勢いではこちらに軍配が上がるかもしれない。聴く価値ありのボーナスだ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5
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EMERSON,LAKE & PALMER「Trilogy」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの4th。1972作
タルカスや頭脳改革の影に隠れて地味なイメージのある本作だが、じつは出来はすこぶる良い。
派手さはないものの、クラシカルな美しさとメロディの聴きやすさが組合わさり、
バランストのとれた作風は、バンドの全盛期における余裕を感じさせる。
1stで聴けたようなエマーソンの繊細なピアノタッチが聴ける小曲や、
レイクの弾き語りのようなアコースティック曲、軽やかなハモンド曲“HOEDOWN”
美しいピアノから始まり、トリオとしての実力を巧みに見せつけるプログレ曲“トリロジー”、
そしてその名の通りボレロ風味の“奈落のボレロ”と、バラエティーに富んでいながらも、
バンドとしての成熟したセンス織り込んだ、聴き応え充分の好アルバムだ。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・8
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EMERSON,LAKE & PALMER「Brain Salad Surgery」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの5th。1973作。邦題は「恐怖の頭脳改革」
ギーガーの手によるジャケのインパクトもあいまって、一般的には最高作とされるアルバム。
“聖地エルサレム”の荘厳さに惹きつけられ、“TOCCATA”のプログレぶりに悶絶しつつ、
3、4曲目でひと息ついていると、極めつけの大曲“悪の教典#9”が襲いかかってくる。
3部構成、30分近くにおよぶこの長大な曲には、ELPというバンドの攻撃性とクラシカルな要素、
そしてハモンド、ムーグという鍵盤をロックのメイン楽器としたキース・エマーソンの野望、
そのすべてが詰まっており、まさにバンドとしての集大成的な作品である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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EMERSON,LAKE & PALMER「Ladys & Gentlemen」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのライブアルバム。
ELPのロックバンドとしての代表作は、タルカスでも頭脳改革でもなく本作である。
アルバムでのクラシカルなキーボードロックはそのままに、ライブでの彼らの演奏は
凄まじい勢いに満ちており、たった3人とは思えない音圧で聴き手を圧倒する。
“聖地エルサレム”から始まり、代表曲である“タルカス”“悪の教典”と、CD2枚にわたって
アドリブを含んだ濃密な演奏が楽しめる。バンドの絶頂期ライブというのはこれほど凄いのだ。
メロディアス度・・8 キーボー度・・10 ライブ演奏・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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EMERSON LAKE & PALMER「WORKS Vol.1」
エマーソン・レイク・アンド・パーマーの1977年作
名作「恐怖の頭脳改革」から4年後、プログレッシブロックバンドとしての
アイデンティティを失いかけていた彼らは、「四部作」と題された本作を発表する。
これは旧LP2枚組の片面ずつを、3人のメンバーそれぞれが受け持ち、
最後にバンド編成での曲を加えるという、変則的な作品となった。
キース・エマーソンのパートは、オーケストラをバックにした美しいピアノコンチェルトで、
もはやロックとは呼べないが、キースのクラシカルで軽やかな鍵盤さばきが楽しめる。
グレッグ・レイクのパートは、渋めのメロディックロックという感じで、オーケストラも入っていて
これはこれで悪くはないが、ELPという観点からするとどうしても普通の歌もの曲に聴こえてしまう。
カール・パーマーのパートはオケをバックにドラムを叩きまくっていて、チェンバーロックみたいで
案外面白いかも…と思っていたら、残りはインストのポップスみたいな曲でこれはいただけない。
バンド作の2曲はなかなか出来がよく、とくに“海賊”はELPらしいクラシカルな味わいの大曲。
2枚通して聴くにはやや散漫な印象になってしまうが、70年代ELPの最後の輝きが感じ取れる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ELP度・・7 総合・・7.5
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EMERSON,LAKE & PALMER「Love Beach」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの1978年作
バハマ諸島での休暇中に作られたという本作は、とかくプログレファンからは駄作呼ばわりされているが、
実際のところはどうなのかと聴いてみる。確かにこれまでのELPの攻撃的な鍵盤プログレからすると
ずいぶんとキャッチーであるが、完全なポップ作品ではなく、ASIAのようなプログレハードとして聴けるではないか。
随所に聴かせるエマーソンの鍵盤さばきはさすがだし、とくに20分を超える“将校と紳士の回顧録”は
クラシカルな美意識とPROCOL HARUMのようなゆったりとした英国的叙情が合わさった絶品の組曲だ。
全体としては作品として散漫な印象だった「WORKS」よりも、聴き心地の良いアルバムに思える。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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EMERSON,LAKE & PALMER
「Live at the Isle of Wight Festival 1970」

ELPのライブアルバム。1970年ワイト島でのデビューライブを収録。
ELPのライブ作といえば、絶頂時の怒濤の演奏が楽しめる「レディース&ジェントルメン」が名高いが
これは、彼らのデビュー直後の瑞々しい演奏が楽しめるという点で価値がある。
年代を考えれば音質も非常に良く、エマーソンのシンセワークやピアノの音色はもちろん、
カール・パーマーの勢いのあるドラミングも見事で、当時のバンドの熱気と臨場感が味わえる。
「展覧会の絵」もフルバージョンで演奏しており、後に出るアルバム盤と聴き比べるのもよいだろう。
ELPファンならば上記「レディース〜」とともに必携のライブ作と言っていい。
キーボー度・・8 ライブ演奏・・9 音質・・8 総合・・8
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Emerson Lake & Palmer「A Time & A Place」
大御所プログレバンド、EL&Pの未発ライブ音源集。CD4枚組。2010作
Disc1は1970〜74年の音源で、デビュー直後の1970年のワイト島ライブから、
1972、74年という、まさにプログレ絶頂期の勢いある時期の音源を収録。
大曲“Karn Evil 9”などは正規のライブ音源にも劣らぬ迫力ある演奏が素晴らしい。
Disc2は1977〜78年の音源を収録。バンドとしてポップ化している時期なので、
演奏の方も綺麗にまとまっている感じなのだが、“Pictures At An Exhibition”や
“Tarkus”などが、いくぶんモダンな感じで聴けて面白い。Disc3は1992〜98年の音源で
機材的にもデジタル化が進んで、サウンドの方もプログレというよりはキーボードロック。
Disc4はリスナー録音によるブート音源。70年代の録音が中心で音質もまずまず。
ドラムソロを含む15分におよぶ“Toccata”は圧巻。ファンなら聴いて損のない音源だ。
ライブ演奏・・9 音質・・8 ファンなら買い度・・9 総合・・8
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EMERSON,LAKE & POWELL

頭文字はELPながら、カール・パーマーではなく、コージー・パウエルが参加した
唯一のアルバム、エマーソン・レイク・アンド・パウエルのアルバム。1986作
70年代のELPはまさしくプログレッシブ・ロックの偉大な旗手であったわけだが、
80年代に入りプログレの衰退とともに、彼らも他のメジャーバンド同様にポップな道を歩みはじめる。
しかし、よくよく聴けば、この作品におけるエマーソンのプレイは、結果として90年代以降の
シンフォニックロック系のバンドに大きな影響を与えていることが聴きとれる。
ポップでありつつも華麗で現代的であるシンセの使用法は、かつてのプログレのイメージとは異なるが
しっかりとシンフォニックかつクラシカルなメロディを奏で、それはホルストの「火星」でも聴かれる
シリアスさと大衆向けのキャッチーさとの両立に現れている。またコージー・パウエルのドラムは、
まさしくハードロックサイドからのアプローチで、むしろモダン化の進んだこのサウンドにはぴったりとくる。
中盤はジャズタッチの軽やかな曲がやや凡庸だが、このアルバムの意義はやはり大きかったのだと思う。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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Emerson,Lake & Powell「Live in Concert」
エマーソン・レイク&パウエルのライブ音源。2010作
公式なライブ音源は残されず、わずか1年あまりの活動であったが、
このメンバーで残した唯一のアルバムは、ELPとハードロックの融合ともいうべき
質の高い傑作として愛されている。本作は1986年北米ツアーのステージを収録した
いわばオフィシャルブートレグ音源である。サウンドボード録音なので音質も良好、
エマーソン御大のシンセプレイもさすがのひと言であるが、やはりなんといっても
故コージー・パウエルのプログレッシブ寄りのライブ演奏が楽しめる貴重な音源である。
“Knife Edge”、“Pirates”、“Lucky Man”といったEL&P名義のナンバーも、
コージーのドラムとともによりロック的な躍動感で演奏されている。
プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・8
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Emerson,Lake & Powell「The Sprocket Sessions」
エマーソン・レイク・アンド・パウエルのオフィシャルブートレッグ音源。2010作
EL&Powellの正規のライブ音源としては「Live in Concert」に続くものだが、
本作は1986年のワールドツアーのためのリハーサル音源である。
故コージー・パウエルのタイトなドラムプレイと、きらびやかなエマーソンのシンセワーク、
従来のプログレ路線に、80年代的なキャッチーなポップ感覚をまとわせたサウンドは、
むしろ現在のシンフォニックロック系バンドにも大きな影響を与えている。
“Tarukus”や“Pictures at an Exhibition”といった、ELP時代の大曲も演奏され、
リハーサルということで、ライブのような勢いや臨場感はないが、音質もまずまず。
プログレ度・・7 演奏・・7 音質・・7 総合・・7.5
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ENGLAND「GARDEN SHED」
イギリスシンフォニックの名作とされるイングランドのアルバム。1977作
とにかくこの英国的なジャケと「枯れ葉が落ちる庭園」というロマンテイックなアルバムタイトルで、
日本でも人気の高い作品。昔聴いたときそんなに好きになれなかったのは、
その頃はYES自体が嫌いだったからで、今になって改めて聴くと…やはりいいのだな。
雰囲気もそうだがとくにヴォーカルラインのキャッチーさはYESを手本としたことが明らかで、
全体的には軽めで陽性の音ながら、そこに響くメロトロンの音はやはりブリティッシュ。
A〜Bのしっとりとした美しさは初期のGENESISにも通じ、個性云々を言えば仕方ないが
あの頃の英国の音を封じ込めたアルバムとして、しっとりと鑑賞したい作品だ。
日本盤紙ジャケはリマスター&ボーナストラックを収録。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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England 「Live in Japan-KIKIMIMI

英国の伝説的シンフォニックロックバンド、イングランドのライブアルバム。2006作
かつて1977年という、英国ではプログレに斜陽が射しはじめた時期に、「枯れ葉が落ちる庭園」という
なんともロマンティックなタイトルと、美しいジャケで現れたこのバンドのサウンドは
YesやGenesisを手本にしながらもより繊細な感性が、我々日本人の琴線に届いたのである。
それが30年のときをへてこの日本の地で再現ライブを行った。「聴耳」と題されたタイトルや、
日本的なジャケのデザインもなかなか素晴らしいが、演奏の方もハモンドやメロトロンを鳴らし
まるで70年代の空気まで蘇らせたかのような、温かみのあるレトロさに包まれている。
アルバムの曲をほぼ全曲再現し、さらに新曲や未発の大曲までも披露してくれていて、
ファンにはまさに感涙もののライブだったことだろう。テクニック的には決して突出したものはないが、
プログレを愛するものには愛しくてたまらぬ音が詰まっている。奇跡の来日を記録した作品だ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 愛すべきイングラン度・・10 総合・・8
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ROBERT JOHN GODFREY「FALL OF HYPERION」
エニドのリーダーである、ロバート・ジョン・ゴドフリーの1973年のソロ作。
長らく廃盤状態が続いており、高額な値で取引されていたアルバムだ。
ただ、残念なことに紙ジャケであるがリマスターものではなく、既存のCDからの盤起こしとのこと。
サウンドの方は、ゴドフリーの求めるクラシカルなロックをそのまま体現したような音で、
優雅なピアノタッチに、やわらかなヴォーカル、壮大なシンセ群とめくるめくようなオーケストレイション、
本物のオケを使わずともここまで壮麗なサウンドを作れるのだという、
クラシックを愛するゴドフリーの理想の追求ともいうべき瑞々しさが音の端々に感じられる。
ヒプノシスによる印象的なアートワークもこの音楽の世界観を見事に表現している。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・10 壮麗度・・10 総合・・8.5
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The Enid「In the Region of the Summer Stars」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの1st。1976/2010作
これまではLPでしか聴けなかった、幻のオリジナル音源がついにCD化された。
これまでのCDで聴けた再録バージョンよりも、ずっと生々しく躍動感にあふれた
クラシカルロックである。ギターの旋律に絡む優美なピアノや、静と動のコントラスト、
クラシック的な緊張感を漂わせつつ、優雅なメロディがかぶさってゆく楽曲構造は、これまでのプログレ、
ロックにはないもので、このバンドのシンフォニーロックとしての原点を垣間見るような瑞々しいサウンドだ。
Inner Sanctum盤がLPからの盤おこし音源であったのに対し、その後に出たOperation
Seraphim(EMI)盤は
正真正銘のオリジナルマスターからの音源で確かに音質良好であるのだが、 両方を聴き比べてみると、
むしろInner Sanctumの盤の方がアナログで聴いているに近い生々しい感動がある気がする。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 優雅度・・9 総合・・8.5
Inner Sanctum盤 EMI盤をAmazonで見る
THE ENID「Aerie Faerie Nonsense」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの2nd。1977/2010作
初期ENIDの最高傑作と名高い本作も、ついにオリジナル音源がCDになる。
前作よりもさらにクラシカルな優雅さに磨きがかかり、1曲目の“Prelude”から心踊る。
これまでの再録盤CDとは曲順も異なるため、印象もずいぶん違うように思う。
そして楽曲おけるダイナミックな感触は、音質の平坦さを差し引いてもこちらが上回る。
本作の最大の聴きどころである組曲“Fand”のじわじわとくる情感的な美しさと盛り上がりは、
筆舌に尽くしがたい。まさに一瞬の輝きを封じ込めたような奇跡的なアルバムであったのだ。
Inner Sanctum盤がLPからの盤おこし音源であったのに対し、その後に出たOperation
Seraphim(EMI)盤は
正真正銘のオリジナルマスターからの音源で確かに音質良好であるのだが、 両方を聴き比べてみると、
むしろInner Sanctumの盤の方がアナログで聴いているに近い生々しい感動がある気がする。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・10 雄大かつ優雅度・・10 総合・・9
Inner Sanctum盤 EMI盤をAmazonで見る
THE ENID「Aerie Faerie Nonsense」
英国のシンフォニックロックバンド、エニドの2nd。1984/2002作
1984年の再録バージョンであるが、それでも、このバンドのシンフォニーロックとしての素晴らしさは
充分に味わえるわけで、優雅でクラシカルであり、そしてオーケストラのごとき雄大さをもった楽曲は
初めてこのバンドの音を聴く方にはかなりの衝撃となるだろう。
簡単に言えば、バンド編成でオーケストラのシンフォニーを再現したといっていい。
この2ndは彼らのディスコグラフィー中でも最もそれが顕著に出ている作品で、
とくに30分近くにも及ぶ長大な組曲“FAND”での高揚感はただごとではない。
エニドをまだ知らないシンフォニックファンは急いで手に入れてほしい。
なお、2002年盤には、組曲FANDの1999年バージョンがボーナス収録されている。
シンフォニック度・・10 クラシカル度・・9 雄大かつ優雅度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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THE ENID 「TOUCH ME」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの3rd。1978作
70年代のエニドの作品はどれも素晴らしいのだが、2ndと並んで好きなのが本作。
オーケストラではなくバンド編成でやっているというのが信じがたいほどに
じつに優雅なクラシカル・シンフォニーである。ピアノも含めて厚みのあるシンセの重なりに
メロウなギターが合わさり、ロックとしてのダイナミズムを決して無骨にならないくらいに
絶妙に盛り込んでいるのが奇跡的といえる。このバンドの前ではクラシカルロックと言われる
ほとんどのバンドがかすんでしまうだろう。格調高き英国の音にうっとりとなる。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・9 優雅度・・10 総合・・9
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ENID「Six Pieces」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの4th。1980作
タイトル通り6人のメンバーがそれぞれに持ち寄った楽曲からなる作品で、
初期のクラシカル路線によい意味でのダイナミックなキャッチーさが加わった傑作。
クラシカルなシンセワークと抜群のギターワークで、軽やかなアンサンブルと繊細さを同居させ、
いわば、90年代以降の構築センスを感じさせる、楽曲ごとの濃密さが魅力。
むしろ、初期のエニドでは優雅すぎるという方にはお勧めの作品だ。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲度・・9 総合・・8.5
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ENID「Something Wicked This Way Comes」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの5th。1983年作
壮麗なシンフォニック路線をドラマティックなコンセプトに昇華させた傑作。
これまでになくヴォーカルパートにこだわったサウンドは、
キャッチーなコーラスなども含めて、バランスのとれた作風でとても聴きやすい。
ステファン・スチュアートの泣きのギターメロディも冴えていて、
シンフォニックロックの「ロック」としての叙情も本作の魅力となっている。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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ENID「The Spell」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの6th。1984年作
クラシカルなシンフォニー路線に回帰した作品で、シンセとオーケストレーションをメインにした
うっとりとするような優雅な作風。このバンドのクラシックへの憧憬がもっとも表れた1枚で、
いうなれば、2ndの組曲“Fand”の路線を受け継いだクラシック手法でのアルバムといえる。
ロック度は薄めながらも、シンフォニーとしての側面からいうとまぎれもない傑作であろう。
クラシカル度・・9 シンフォニック度・・9 優雅度・・9 総合・・8.5
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The ENID(GODFREY & STEWART)「THE SEED AND THE SOWER」

ロバート・ジョン・ゴドフレイとステファン・スチュワート名義のアルバム。1988作
このころのエニド自体が、この二人の音楽性が中心だったのだから、このアルバムもほぼエニドの音だ。
ゴドフレイのクラシカルなキーボードワークに、スチュワートの叙情に溢れたギターワークは鉄壁のコンビネーション。
ゆるやかに盛り上がる、ダイナミックさと繊細さを兼ねそろえたサウンドは格調高く、まさに「英国の音」だ。
同時期に出た、本家エニドの「SALOME」よりもずっとENIDらしい。なお、ジャケが何種類かあってまぎらわしい。
シンフォニック度・・9 クラシカル度・・9 ゆるやかで格調高し度・・9 総合・・8
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THE ENID「WHITE GODDESS」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドのアルバム。1998作
70〜80年代をへて、いったん活動を停止したかに思われたエニドが復活をとげた作品。
初期作のようなたたみかける大叙情はないものの、優雅でクラシカルな質感は彼らならでは。
ゴドフリーのたおやかなシンセワークと、繊細なピアノの響きにうっとりしつつ、
ときおり聴かせるメロウなギターのフレーズも心地よい。初めて聴くのならまずは初期作を推すが、
こうして紙ジャケ再発されて、エニドの各アルバムが手に入るようになったのは喜ばしいことだ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 たおやか度・・10 総合・・8
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THE ENID「AN ALTERNATIVE HISTORY」

英国のシンフォニックロックバンド、エニドの未発音源集。2007作
もとは1000枚限定というレアなアナログ盤だったらしいが、今回の紙ジャケ再発で
1と2まとめてCD化。VOL.1の方は1974〜1975年というバンド創成期の貴重な音源を収録。
後のアルバムバージョンに収録される曲も含めて、エニドファンならとても楽しめる。
VOL2の方は「THE STAND 1985」、「ANARCHY ON 45」と重複する楽曲があるが、
なんといっても最大の目玉は彼らの代表曲“FAND”のオリジナルデモバージョンだ。
知ってのとおり現在CD化されたアルバムに入っているのは再録バージョンなので、
そのオリジナル音源は貴重な廃盤LPでしか聴けないわけだから、
それに近いこの初期のデモバージョンはファンにはまさに感涙ものだろう。
きれいに作られた正規アルバムの音よりもむしろ素朴さがあり、胸をうつ部分もしばしば。
シンフォニック度・・8 音質・・7 希少価値度・・9 総合・・8
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The ENID「JOURNEY's END」


イギリスのシンフォニックロックバンド、エニドの2010年作
先日待望の1st、2ndのオリジナルマスター音源がついに発表され、ファンは狂喜したが、
本作は実に12年ぶりとなるバンドの新作である。いきなり歌入りのモダンな曲調に面食らうが、
クラシカルな美意識もちゃんと残っていて、しっとりと優雅な叙情を織りまぜつつ、
思いの外ギターが前に出た現代的ロック風味とのコントラストになっている。
シンフォニーロックとしての意義を残しながら、モダンなアレンジを取り込んだ好作だ。
クラシカル度・・8 優雅な叙情度・・8 エニ度・・8 総合・・8
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ESPERANTO「DANCE MACABRE」

プログレバンド、エスペラントの2nd。邦題は「死の舞踏」1974作
2人のヴァイオリンにチェロを含む10人編成という大がかりなスタイルで
イギリス、ベルギーなど多国籍のメンバーが織りなす名盤中の名盤。
不穏なヴァイオリンの音色から始まり、ブレイクを多様した複雑な楽曲構成で
テクニカルにたたみかける。ピート・シンフィールドのプロデュースも相まって、
1stに比べてメンバーの力量と奔放なセンスが遺憾なく発揮されている印象だ。
クラシカルな硬質さがプログレッシブロックとの融合を奇跡的に果たしており、
絶妙の緊張感と均衡を生み出している。この優雅なアヴァンギャルドさは必聴級。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・8 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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ESPERANTO「LAST TANGO」

ベルギー、イギリス混合のプログレバンド、エスペラントの3rd。1975作
ビートルズの“ELEANOR RIGBY”の大胆なカヴァーで始まる本作は、
前衛的だった前作に比べて歌もの度が増し、ずいぶん聴きやすくなっている。
ヴァイオリンとチェロによるクラシカルな部分と、リズム面でのシンプルなビートが合わさり
ロック色の点では前作よりも強まった。男女ヴォーカルの歌声も違和感なく溶け込んでいて
バンドサウンドとしてより成熟している印象だ。インパクトの点では前作に及ばないが、
ジャズやタンゴといった要素を大人のアレンジで組み入れたクラシカルロックである。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 アダルト度・・8 総合・・8
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F
FLASH 「Our Of Our Hands」

ブリティッシュロックバンド、フラッシュの3rd。1973年作
Yesの初代ギタリスト、ピーター・バンクスが率いるこのバンド、
セールス的には恵まれず本作をもってラスト作となるのだが、
サウンドの方はそう悪くない。ピーターの絶妙のギターワークに
うっすらとしたメロトロン、キャッチーなヴォーカルハーモニーで、
Yesをややラフにしたような叙情的な英国プログレハードが楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 英国度・・8 総合・・8
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FRUUPP 「The Prince of Heaven's eyes」

アイルランド出身のプログレバンド、フループの3rd。1974作/2009年リマスター盤
私が無人島に持ってゆくとアルバムを選ぶとしたら、GENESISの「月影の騎士」とPFMの「友よ」と一緒にまず最初に選ぶのが本作だ。
かつての邦題は「太陽の王子〜虹の果ての黄金伝説」。太陽を「Heaven's eye」と表したセンスもなんとなくグッとくるではないか。
当時の日本盤は今はなきテイチクの「ブリテイッシュ・プログレクラシックス」から出ており、ジャケに惹かれて本作を手にとったのが出会い。
ややチープな絵だが、いかにも少年の冒険を思わせるファンタジックな雰囲気と、帯に書かれた邦題が私の心をときめかせたのだ。
サウンドは、美しいストリングスシンセに導かれて、ジャケ通りの牧歌的な雰囲気のシンフォニックロックがゆるやかに展開されてゆく。
一聴した感じは地味ながらも、何度聴いても音の心地よさと涼やかな雰囲気から聴き疲れがまったくしないのが良い。
そうして聴き込んでいくうちに、脳裏にはジャケの少年が繰り広げる冒険の物語が浮かんでくるのである。
いかにも旅の始まりを感じさせるワクワクとするような1曲目、7曲め“Seaward Sunset”のピアノとコーラスによるしっとりとした美しさ、
そして“The Perfect Wish”での後半の大盛り上がりからラストへの展開などは、いつ聴いても素晴らしく感動的だ。
エンディング的な“Prince of Heaven”で幕を閉じるまで、淡い色をした幻想の物語にゆったりと浸れるじつに素敵なアルバムである。
メロディアス度・・8 ほのぼの度・・9 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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FRUUPP「Modern Masquerades」

アイルランド出身のプログレバンド、フループの4th。1975作/2009年リマスター盤
イアン・マクドナルドがプロデュースした本作「当世仮面舞踏会」は、
前作「太陽の王子」とともにバンドの代表作として名高い傑作だ。
冒頭の泣きのギターメロディからしてもうたまらない。アコースティカルな響きにかぶさる
メロトロンやソリーナのシンセ、この繊細な叙情美にはただもう涙あるのみである。
初期の2作に比べるとずいぶん洗練されてきて、メロディを活かすコンパクトな楽曲アレンジが
全体としての聴きやすさにつながっている。素朴な田舎っぽさを残しつつ、
たおやかなピアノの音色やキャッチーなコーラスなどには、
70年代ロックのやわらかなメロディアスさがあり、耳心地の良さも抜群。
メロディアス度・・8 ほのぼの度・・9 ファンタジック度・・8 総合・・8.5
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FRUUPP「IT'S ALL UP NOW ANTHOLOGY」
イギリス、アイルランド出身のプログレバンド、フループのベストアルバム。2004作
1973〜1975年の間に4枚のアルバムを残し、日本でも密かにファンの多いこのバンド。
もし私が「イギリスのプログレで一番好きなアルバムは?」と訊かれたとしたら、
GENESISの「SELLING ENGLAND〜」かFRUUPPの「太陽の王子」かで迷うことだろう。
私にとっては「宮殿」よりも「危機」よりも、このバンドの3rdにはそれだけの思い入れがあるのだ。
ちなみに日本盤での邦題を挙げてゆくと、1st「FUTURE LEGENDS/知られざる伝説」
2nd「SEVEN SECRETS/七不思議」、3rd「THE PRINCE OF HEAVENS EYE/太陽の王子」
4th「MODERN MASQUERADES/当世仮面舞踏会」と、なかなか気の利いたタイトルがつけられている。
このベスト盤はCD2枚組でDISC1に1stと2ndが、DISC2に3rdと4thの楽曲が収録され
各アルバムの代表曲をしっかり聴けるというお得な作りである。1stの頃はやや粗削りな感じだか、
すでに傑作3rdへと続くメロディの原石が所々に光っていて、なかなか素朴な味わいがある。
2ndは躍動感という点では1番か。ロック的な熱情とアイルランドを感じるメロディが融合していて
曲を盛り上げるヴァイオリンの音色も美しい。一転して優しげな歌メロが胸にしみるこれも好盤。
3rdは少年の冒険を描いたコンセプト作で、繊細でほのぼのとした雰囲気が耳に優しい素敵なサウンド。
いかにも旅の始まりを予感させるように軽快に始まり、シンフォニックに盛り上げて締める構成も素晴らしい。
決してテクニックのあるバンドではないが、聴く者の感性にやわらかに触れてくる、
じわじわとくるタイプの音楽だ。無人島にゆくならぜひこれを持ってゆきたい。
4thはイアン・マクドナルドプロデュースで、一番たおやかで優雅なアルバムだ。
メロディアス度・・8 英国度・・9 ほのぼの度・・9 総合・・8.5
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Fusion Orchestra「Skeleton in Armour」
イギリスのロックバンド、フュージョン・オーケストラのアルバム。1973作
ジャズロックとハードロックを合体させたようなガチャガチャとしたサウンドに、
やや力んだようなエキセントリックな女性ヴォーカルが絡む。
唐突にブラスやピアノ、フルートなどが入ったりする展開は、ESPERANTOなどにも通じる
ミクスチャー感覚だが、こちらはもっとブルーズ色が強く、ジャジーなハードロックが基本にある。
一方ではハモンドが鳴り響く英国らしいナンバーもあり、アルバムとしても飽きさせない。
ジャケットの「死の舞踏」の版画といい、時代を考えるとかなり先鋭的なセンスを持ったバンドだった。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ミクスチャー度・・8 総合・・7.5
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G
Genesis 1970-1975

ジェネシスの初期アルバムボックスセット。2008作(SACD)
2nd「トレスパス」〜6th「魅惑のブロードウェイ」までの名作をリマスター、
さらには高音質のSACD+DVD-Audioという、まさに究極のGENESISボックスの登場だ。
初期の未発音源CDに加えて、各DVDにはインタビューなど貴重な映像も入った豪華13枚組!
僕はこのためにSACDブレイヤーを買った。値段は少々張ってもその価値はある。
これぞ長らくジェネシスファンの待ち望んだBOXセット。以下アルバム別にレビューを掲載。
名作度・・9 音質・・10 値段・・7 総合・・9
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Genesis「Trespass(SACD)」

ジェネシスの2nd。1970/2008作(SACD)
プログレバンドとしてのGENESISの歴史は本作から始まったと言っていいだろう。
スティーブ・ハケット加入前ということで、アンソニー・フィリップスのギターが
ハモンド、メロトロン、そしてたおやかなピアノと調和していて素朴な味わいを出している。
楽曲面でのドラマティックさはすでに完成されつつあり、ガブリエルの歌声も映えている。
繊細なフルートの音色やアコースティックな部分も魅力的で、名曲“Visions of
Angels”をはじめ
あらためてSACDで聴き直してみると、決して次作以降の名作たちにも引けをとらない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細&素朴度・・9 総合・・8
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Genesis「Nursery Cryme(SACD)」

ジェネシスの3rd。1971/2008作(SACD)
そして、彼らの幻想音楽は頂点に達した。新たにステファン・ハケットを迎え、
黄金の体制となったバンドは、物語性をともなった強固な世界観を構築、
名曲中の名曲“The Musical Box”の妖しげな空気は、最高の音質とともに耳に迫ってくる。
リマスターにより迫力を増したドラムとともにハケットのギターの音色も際立っていて、
後半からラストへの流れは泣きの叙情が押し寄せるじつに感動的なもの。
全体的な完成度からすれば、「Foxtrot」、「Selling England〜」の方が上かもしれないが、
この幻想的な物語世界はGENESISの作品中でも最高のものだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・10 総合・・8.5
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Genesis「Foxtrot(SACD)」

ジェネシスの4th。1972/2008作(SACD)
1曲め“Watcher of the Skies”のイントロのメロトロンからもう胸が踊る。
サウンドにはダイナミックさが加わり、プログレとしてのインパクトの点では
本作を次作とともにGENESISの代表作と位置づけることにもうなずける。
バンドとしての黄金期を感じさせる迷いのなさが、ドラマティックな世界観を強固にする。
そしてラストの大曲“Supper's Ready”は、プログレ的な緩急をつけた展開とストーリー性で
聴かせる22分を超える見事な大曲。前作、次作とともにGENESISの傑作三部作と呼びたい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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Genesis「Selling England by the Pound(SACD)」

ジェネシスの5th。1973/2008作(SACD)
GENESISの最高作をあえて選ぶなら本作となるだろう。
彼らの世界観である幻想美と、楽曲におけるドラマティックさが結実、
それがバンドの成熟とともに最高の形で組合わさったのが本作だ。
ガブリエルのヴォーカルの表現力も増し、ハケットの奏でるメロウなギターに
トニー・バンクスのシンセワークがもっとも素晴らしいのもまた今作だ。
そしてGENESIS最高の名曲“Firth of Fifth”はイントロのピアノから感涙必至。
SACDの音質はロマンに満ちた当時の空気すらも運んでくるようだ。
これぞ英国が生んだ幻想のシンフォニックロック。繊細にして感動的な名作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 幻想度・・9 総合・・9
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Genesis「The Lamb Lies Down on Broadway(SACD)」

ジェネシスの6th。1974/2008作(SACD)
CD2枚組のコンセプト作で、ファンの間では意外と評価の分かれるアルバム。
それもそのはず。バンド自体も黄金期の終焉を思わせるゴタゴタがあったらしい。
ともあれ、シアトリカルなドラマ性とともにガブリエルの歌声がもっとも生き生きとして
また、1曲ごとはコンパクトなので、聴きやすくキャッチーな作品と言えるだろう。
じつのところ、このアルバムは長尺なイメージであまり好きではなかったのだが、
SACDの臨場感のおかげか、シンセとギターを中心とした楽曲アレンジの細かさが実感でき、
それまでは歌ものという印象だったのが、プログレ作品としてちゃんと聴けるようになった。
じっくりと聴き込めば感動的なラストが待っている。やはりこれも名作といってよいですな。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8.5
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Genesis「Trick of the Tail(SACD)」

ジェネシスの7th。1976年作(SACD)
フロントマンであったピーター・ガブリエルが脱退し、ドラムのフィル・コリンズがヴォーカルを兼任、
初期の妖しい幻想性が薄れ、テクニカルな味わいのある1曲めからしてこれまでの雰囲気とは異なるが
より強固になったアンサンブルと英国的な叙情とのバランスがとれたサウンドは、良い意味で垢抜けてきていて、
むしろ初期の作品が苦手なリスナーには本作を好む向きも多い。とくにラスト曲“Los Endos”のダイナミズムは白眉。
SACD音質ではドラムの臨場感がいっそう際立っていて、静と動のメリハリのある迫力ある音が楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・8
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Genesis「Wind & Wuthering(SACD)」

ジェネシスの8th。1976年作(SACD)
ジャケの美しさもさることながら、サウンドの方も泣きの叙情にあふれた傑作。
前作ではやや抑え気味であったスティーブ・ハケットのメロウなギターが炸裂し、
トニー・バンクスの美しいシンセワークとともに、かつてのGENESISサウンドを甦らせている。
フィル・コリンズのヴォーカルも前作よりずいぶんこなれてきていて、すでにバンドサウンドと
違和感なく溶け込んでいる。一方では後の作品につながるキャッチーなメジャー感覚もあって、
プログレハード的な聴き方もできるかもしれない。シンフォニックという点では本作が最後の輝きであった。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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GENESIS「ARCHIVE 1967-1975」
英国プログレの大御所、ジェネシスの初期ライブなどを集めたアーカイブ。CD4枚組み。
ジェネシスマニアにはたまらない全盛期のライブを堪能できるこの4枚組みボックスセットであるが、
disc1、2には1974年の「The Lamb Lies Down On Broadway」完全再現ライブを収録、
disc2には1971〜1973年のライブ音源に、当時のシングル曲などを加え、
disc4には60年代後半の初期メンバーによるデモを収録、という豪華な内容。
disc1、2のライブは確かに音質がいいのだが、「ブロードウェイ〜」にはさして思い入れがないので、
個人的にはこのセットのハイライトは間違いなくdisc3です。全盛期メンバーによる
“Dancing With the Moonlit Knight ” “Firth of Fifth ” “ Supper's Ready ”はまさに感動もの。
少々値が張る代物だが、GENESISはガブリエル在籍時に限る、という方には聴くべきブツですね。
資料価値満載の豪華大型ブックレットもファンにはたまらない。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 初期ジェネシス好きなら度・・9 総合・・7.5
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GENESIS 「Seconds Out」

ジェネシスのライブアルバム。1977作
ピーター・ガブリエル脱退後に行われたライヴで、ビル・ブラッフォードが参加してのダブルドラムという
珍しい編成での演奏が聴ける。ブラッフォードとチェスター・トンプソンによる
二台のドラムの迫力は大きく、
“Firth of Fifth”、“Supper's Ready”などのかつての名曲もなかなか新鮮に聴こえる。
私のような初期のファンからすれば、フィル・コリンズがヴォーカルをとりだしたこの中期以降は
サウンドの輪郭がややはっきりとしてきて、あまり好みではないのだが、4枚組みアーカイブを除けば、
ジェネシスのライブアルバムのベストに本作を選んでもかまわないくらいにはクオリティが高い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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GENESIS「DUKE」

3人組ジェネシスの2作目。通算10作目のアルバム。1980作
ハケットの抜けたジェネシスを私は今まで頑固に聴きませんでしたが、
本作の音は爽快でポップでメロディアス、それにシンセもけっこう美しくて
かろうじて往年のファンにもアピールできる内容だと思います。
しかし、やはり、ここに湿りけのあるギターが欲しい…などとつい思ってしまう私は
70年代GENESISの幻影を追いつづけている、時の止まったプログレッシャーですかな。
いや、なかなかいいアルバムですよ。意外としっかり聴けます。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・6 総合・・7.5
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GENESIS「abacab」

ジェネシスの11th。1981作
昔の自分なら「ポップになったジェネシスなど聴きたくない」と思ったろうが
最近は「DUKE」もまあ悪くないかな、と思えるようになったので聴いてみた。
当然ながら音のほうはやはり、もはやプログレとは呼べないが、
キーボード入りのメロディックロックとして聴けばなかなか悪くない。
キャッチーでポップでデジタルな雰囲気もあるが、トニー・バンクスのキーボードは
それでもまだ瑞々しさを失っていないし、曲には爽快なメロディアスさがある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ポップ度・・8 総合・・7.5
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GENESIS「GENESIS」
イギリスの大御所、ジェネシスの12th。1983作
ポップ化して以降のアルバムとしては比較的評価の高いアルバムのようだが、
個人的には前作「abacab」の方が良かった。シングル曲の「ママ」にしろ何が魅力なのかよく分からない。
曲のアレンジがシンプルになり、音数も少ないので、どうしてもサウンドが薄く感じられてしまうのだ。
往年のファンが考えるところのプログレッシブな雰囲気はほぼ皆無、
エフェクトのかかったドラム処理もビートミュージック的でどうにも気に入らない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・2 ポップ度・・8 総合・・7
Genesis「We can't Dance(SACD)」

ジェネシスの14th。1991作(SACD)
個人的には彼らをプログレとして聴けるのは81年の11th「ABACAB」までで、
以降のヒット路線には興味もなかったのだが、SACDで本作を聴き直すと、
これが…なかなか悪くない、のである。フィル・コリンズのヴォーカルで聴かせる
キャッチーなポップさとともに、しっとりとした叙情的なメロディが合わさった、
大人のメロディックロックというべきサウンド。とくにトニー・バンクスの美しいシンセワークは絶品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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GENESIS「Calling All Stations(SACD)」

ジェネシスの1997/2007作(SACD)
脱退したフィル・コリンズに代わり、ヴォーカルにレイ・ウィルソンが加わった本作は
当時さほど評価の高くなかったアルバムなのだが、個人的にはモダンさの中にも
かつてのシリアスなプログレ感触をいくぶん取り戻していて、なかなか悪くないと思う。
肝心のヴォーカルも、若手にしては落ち着いた歌声で、大人のジェネシスサウンドに
貢献している。トニー・バンクスのうっすらとした叙情シンセのセンスはやはり素晴らしく、
マイク・ラザフォードのギターもメロウなフレーズが耳心地がいい。アルバム後半はやや退屈だが。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 落ち着き度・・9 総合・・7.5
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GENESIS「Live Over Europe 2007」

10年ぶりに復活したジェネシスのライブアルバム。2007作
2007年のヨーロッパツアーから集めたライブテイクをCD2枚組で収録。
フィル・コリンズ、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスの3人編成時代の曲を中心に、
ガブリエル時代の曲も何曲か披露。演奏は年季を感じさせる枯れた味わいとともに
年を経てもなおロックとしての瑞々しさとダイナミズムもあり、なかなか楽しめる。
かつての幻想プログレ時代をへて、こうしたマイルドなメロディックロックへと辿り着いた。
大人の演奏を聴かせる大人のジェネシス。肩の力の抜けた自然体の味わいだ。
プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 楽曲・・8 総合・・8
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GENTLE GIANT「Three Friends」
イギリスのプログレバンド、ジェントル・ジャイアントの3rd。1972作
英国プログレを代表するバンドであり、そのテクニカルでありつつもどこかとぼけたサウンドは
通好みのバンドとして人気が高い。本作は三人の幼なじみの歩んでゆく人生を描いた、
トータル作ということだが、5〜7分台の曲を中心に、よく練られた楽曲を聴かせる。
ギターもシンセも決して前に出すぎることなく、ぱっと聴きには地味ながらも
アンサンブルの中ではさりげないテクニックを見せつけている。
牧歌的なやわらかなさと、キャッチーなコーラスークなども含めて、
柔軟性の高さでは当時ピカイチのバンドだったことが察せられる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 やわらか度・・8 総合・・7.5
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GENTLE GIANT「Octopus」


ジェントル・ジャイアントの4th。1973年作
GGの代表作として人気のアルバム。サウンドに流れるようなスタイリッシュさが出てきて、
されとともにキャッチーな歌メロと、テクニカルなアンサンブルの対比もくっきりした傑作。
ピアノやハモンドなどの使い方も効果的で、ときにジャズタッチだったり、
哀愁溢れる叙情味を感じさせたりと、いろいろな要素を聴かせてくれる。
クラシカルなヴァイオリンの音色が加わったと思えば、ファンキーなパーカションや、
サックス、トランペットなどの管楽器が鳴り出し、また繊細なピアノと、曲は3〜4分台ながら
まるで万華鏡のように色の変わってゆく、濃密で構築的なプログレがたっぷり堪能できる。
右側はアメリカ盤のジャケで、一般的には左のロジャーディーンのジャケが有名だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 構築度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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GENTLE GIANT「In a Glass House」

ジェントル・ジャイアントの5th。1974作/35周年リマスター盤
一般的には、前作「オクトパス」の人気が高いようだが、
よりテクニカル志向で日本人好みなのはむしろ本作の方か。
ガラスの壊れる音がしだいにリズムになってゆくイントロから惹きつけられるが、
演奏もエッジの立った硬質さが増し、ハードなたたみかけと小洒落たユーモア、
そして叙情性とが、それぞれに際立って聴こえるようになった。
曲も7〜8分台と長めになり、より我々の想像するプログレをやってくれていて、
「ガラスの家」というタイトル通り、涼やかな心地よさが作品に統一感を持たせている。
知性をともなった演奏力と、構築センスが見事に一体となった傑作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 構築度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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GENTLE GIANT「The Power and the Glory」

ジェントル・ジャイアントの6th。1975作/35周年リマスター盤
一聴してややポップになった雰囲気だが、本質はやはり複雑音楽。
1曲目は軽やかなエレピにキャッチーなコーラスが重なりつつ、
予想に反してそこにヘヴィなギターが加わってくるという意外性がニクい。
前2作の構築性よりも、さらに余分な力を抜いた柔軟な曲作りである。
全体的には明るめの雰囲気ながら、ときおり奇妙な展開を盛り込むなど
遊び心はさすがのGG。聴きやすさとひねくれ者を両立させている作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 構築度・・8 総合・・8
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GENTLE GIANT「FREEHAND / INTERVIEW」
イギリスの名バンド、ジェントル・ジャイアントの7thと8thのカップリング。1975/1976作
「FREEHAND」はキャッチーさとテクニカルさのバランスがとれた傑作。
初期の数作よりもずいぶん録音もよく、シンセによるコミカルな味わいも強調されつつ
超絶なテクニックをさらりと聴かせる曲アレンジがいよいよ冴えを見せている。
「INTERVIEW」も基本的には同路線で、耳触りの良さと変態的な展開が同居し
爽快なキャッチーさをあえてひねくれさせるという、彼ら独自のセンスが見事。
今作を最後にバンドはポップ化する。傑作と名高い2枚のお得なカップリングアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 アレンジセンス度・・9 総合・・8
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GENTLE GIANT「Playing the Fool」

ジェントル・ジャイアントのライブアルバム。1977作/35周年リマスター盤
1976年のヨーロッパツアーからの音源で、正規のライブ音源としては唯一の作品。
多くのブートやレア音源などが発掘されているGGだが、まずはこの定番ライブ作を聴くべし。
音質も良好で、スタジオ盤以上にダイレクトにそのテクニカルな演奏が伝わってくる。
聴いていると、難解な楽曲をいとも簡単に…むしろ余裕をもってこなしており、
やはり彼らの演奏力はただごとではないのだ…と再確認ができる。
キャッチーなコーラスワークとどこかとぼけた軽やかな曲展開には、
楽しみながらも唖然と出来ること請け合い。GG絶頂期の超絶なライブの記録である。
なお、35周年バージョンはCD2枚組で、ボーナスに1974年のライブ映像が1曲収録されている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 ライブ演奏・・10 総合・・8.5
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GENTLE GIANT「Totally out of the Woods」

イギリスプログレの名バンド、ジェントル・ジャイアントのBBCのライブ音源集。2000作
1970〜'75の録音で、1枚ものもあるようだがこちらは完全版の2枚組み。
5人全員がヴォーカルをとり、楽器を持ち替えるテクニシャン揃いなので、
ライブ演奏においてはスタジオ盤以上に躍動感のあるサウンドが楽しめる。
鳴り響くハモンドにピアノ、フルート、巧みなリズムチェンジ、シリアスとユーモアの境界を
行き来するような余裕とともに、メンバー自身が音楽というものを楽しんでいるのがまた凄い。
PFMにも通じる軽やかな演奏力と、英国特有のウィットに富んだ土着性で聴かせる楽曲たちは、
ときにメロディアスでときにポップですらあるが、そこには何度聴いても飽きない奥深さがある。
音質もおおむね良好で、これは全盛期のGGの素晴らしいライブ演奏が楽しめる必携盤だ。
プログレ度・・9 ライブ演奏・・10 音質・・8 総合・・8.5
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GENTLE GIANT「EDGE OF TWILIGHT」

イギリス70年代を代表するプログレバンド、ジェントル・ジャイアントの2枚組ベスト。
1st〜6thまでのアルバムから大半の曲が収録されており、GG初心者にもうってつけ。
リマスターされて音質もよいので、70年代初期の録音のショボさも多少は改善され、
技巧的でありながらどこかとぼけた味のある彼らの演奏がたっぷり楽しめる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・9 たっぷり31曲度・・9 総合・・8
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GILGAMESH「Another Fine Tune You've Got Me Into」

イギリスのジャズロックバンド、ギルガメッシュの2ndアルバム。1978作
鍵盤奏者アラン・ゴウエンを中心に結成されたが、1st発表後に
National Healthに吸収合併という形でバンドは消滅、その後SOFT MACHINEの
ヒュー・ホッパーが加わり再結成させて発表されたのが本作ということになる。
インスト主体のサウンドは、アラン・ゴウエンの優雅なピアノタッチで聴かせる
やわらかなジャズロック。たとえばHatfield and the Northのようなスケール感はないが
ゆったりと耳を傾けられる落ち着きのある雰囲気が魅力。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 優雅な叙情度・・8 総合・・8
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GNIDROLOG「In Spite Of Harry's Toe-Nail/Lady Lake」

イギリスのプログレバンド、ニドロローグの1st、2ndカップリングCD。1972/2004作
ブリティッシュプログレの中ではマニア向けされる部類のバンドだろうが、
初めて聴いてみて、とても面白いサウンドをやっていると感じた。
クリムゾンあたりを思わせるややダークめでヘヴィなジャズロック的な質感と、
フルートなどによる古楽的な叙情が合わさって、時代を考えればかなり個性的な音作りだ。
唐突とも思えるせわしない展開の仕方はかなり変態がかってもいて、
7〜9分台の曲を中心に聴かせつつ、先の予測できないような楽しさがある。
同年に出た2ndになると、美しいジャケのように叙情性が引き立ってきていて
楽曲の整合性も向上し、やや風変わりなシンフォニック系としても聴ける。
フルートの音色はやはりKING CRIMSONやJETHRO TULLなどを思い出させる。
ただのプログレに飽き足らないという通好みな方には、ぜひ一聴をお勧めする。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 けっこう変態度・・8 総合・・8
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Gracious!

ブリティッシュロックバンド、グレイシャスの1st。1970作
2004年紙ジャケリマスター&ボーナストラック3曲入り。
この!マークのジャケからしてもうインパクト大だが、内容的にも
VERTIGOレーベルのマニアックな側面を代表するようなバンドだ。
ややハードなギターとエフェクトのかかったドラムで粗野にたたみかけながらも、
クラシカルなチェンバロやメロトロンの響きには、ブリテイッシュプログレ好きなら引き寄せられる。
2曲目の美しさはこのバンドの繊細な側面を表しているし、ギターとチェンバロによる4曲目もなかなか
味わいがある。そして、ラストは16分という大曲で、ベートーベンの“月光”のフレーズを取り入れつつ、
サイケロック的なごった煮感で展開してゆく。昔聴いたときには音の粗さが気に入らなかったのだが
今聴き直すと、むしろこの売れ筋から顔をそむけた、ある種の潔さに好感を抱くのだ(笑)
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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Gravy Train「Ballad of a Peaceful Man」
ブリティッシュロックバンド、グレイヴィ・トレインの2nd。1971作
このバンドはブルース風味のハードロックというイメージであったが、
本作では壮麗なオーケストラを導入した作風で
たおやかなフルートの音色とともにプログレ的な美しさで聴かせる。
後半はややハードで、JETHRO TULLなどにも通じる雰囲気になる。
ヴォーカルの力み具合が好みを分けるところだが、フルートの大活躍という点では
ヴァーティゴレーベルの中でも個性的なバンドといえるだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 フルート度・・8 総合・・7.5
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Gleenslade

デイヴ・グリーンスレイド率いる英国ロックバンド、グリーンスレイドの1st。1973年作
ギターレス、ツインキーボードという編成で、レトロなオルガンを鳴らしながら
軽やかに聴かせるサウンドで、英国らしい湿りけとキャッチーな聴き心地が魅力的。
クラシカルな優雅さを含みつつも、大仰にはならないシンプルなポップ感覚というものがあって、
濃密にプログレ、プログレしていないところが70年代前半の作品ではかえって珍しい。
オルガンにかぶさるメロトロンの響きも美しい。英国鍵盤ロックの名バンドである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・8
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Gleenslade「Beside Manners Are Extra」
グリーンスレイドの2nd。1973年作
ブリティッシュの香り漂うメロディアスかつやわらかみのあるサウンドは
前作以上に洗練され、クラシカルなピアノとハモンドオルガンがしっとりと美しい。
幻想的なメロトロンの響きにたおやかなフルートの音色、プログレ的に鳴り響くオルガンとともに、
楽曲におけるメリハリとシンフォニックな質感という点でもバンドの最高傑作だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 オルガン度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Gleenslade「Spyglass Guest」

グリーンスレイドの3rd。1974年作
1曲めはクラシカルなオルガンで軽快に聴かせつつ、ムーグシンセやメロトロンを絡ませて、
これまで以上に鍵盤を意識した楽曲はオランダのTRACEあたりを思わせる作風。
一方で、歌入りの曲ではよりポップな質感も増していて、ゲストによるギターも入ってきて
新たな方向性の模索が感じられる。5曲めでは艶やかなヴァイオリンとオルガンの絡みが美しい。
ただ全体として決して悪い出来ではないが、作品としてはまとまりきれていない印象もしてしまう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・8 総合・・7.5
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Gleenslade「Time & Tide」

グリーンスレイドの4th。1975年作
ベースのトニー・リーヴスが去り、ギターとベースを弾くマーティン・ブライリーが加入、
サウンドはぐっとポップなロック色が強まり、2ndまでの英国的な鍵盤ロックからは脱却している。
曲によってはクラシカルなプログレ風味も残しているが、全体的には大人のロック風味で、
モダンで軽妙なアレンジはお洒落ですらある。本作を最後にバンドは解散、2000年の復活を待つことになる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 オルガン度・・7 総合・・7.5
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GRYPHON「GRYPHON/MIDNIGHT MUSHRUMPS」
中世音楽をロック的に解釈した英国のグリフォンの1st+2ndカップリング。1973/1974作。
1stはリコーダーやマンドリンを駆使した本格的中世古楽で、ロック色はまだ少ない。
2ndではキーボードを効果的に導入し、リズム面においてもダイナミックさが増している。
古楽器とロックの融合が見事になされ、疾走感もありメロディアス。
たおやかで格調高い中世的サウンドが満喫できる。特に19分にもおよぶタイトル曲は華麗で劇的。
バンドはこの後3rd「女王失格」で古楽ロックとしての頂点をきわめる。
メロディアス度・・8 中世音楽度・・9 古楽&ロック融合度・・10 総合・・8
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GRYPHON
「Red Queen to Gryphon Three/Raindance」

イギリスの古楽プログレバンド、グリフォンの3rd、4thカップリング。1974/1975作
トラディショナルな古楽をロックと融合させるという個性的なサウンドで、
プログレリスナーにもファンが多い。1stの時点ではまだアコースティックな色が強かったが、
3rd「女王失格」では、プログレ的なシンセにテクニカルな展開力が加わり
やわらかなリコーダーの響きが自然にロックと融合されている。
4曲の大曲で聴かせるサウンドは優雅でありながらじつに奥深く、
2nd「真夜中の饗宴」とともにバンドの代表作といえる完成度である。
4th「レインダンス」になると古楽色が薄れ、キャッチーなキーボードが前に出た
ずいぶんとコンパクトなサウンドになっているが、優雅な繊細さは残っていて
土着的な音が苦手な方には、むしろ普通にプログレとして楽しめかもしれない。
中盤はやや散漫だが、ラストの15分の大曲は前作に通じる圧巻のプログレ曲だ。
プログレ度・・8 古楽度・・8 英国度・・9 総合・・8
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GRYPHON「ABOUT AS CURIOUS AS IT CAN BE」
イギリスのトラッドロックバンド、グリフォンのライブアルバム。2002(1974〜1975)作
1974と1975に録音された、ラジオ放送用の音源のCD化だが、音質は良好。
古楽を現代的に取り入れロックと融合させるという偉業をなしえ、
5枚のアルバムを残した彼らのライブ演奏が、公式アルバムとして初めて聴けるわけだ。
楽曲は2nd「MIDNIGHT MUSHRUMPS」、4th「RAINDANCE」のものが中心。
アコースティック楽器のみを用いていても、メンバーの技量の高さだろう
躍動感のある演奏が耳に楽しく(フルートぴーひゃら♪)、トラッドプログレとして純粋に楽しめる。
欲を言えば、最高作「RED QUEEN TO GRYPHON THREE」からの曲も聴きたかった。
メロディアス度・・8 トラッ度・・9 ライブ演奏・・9 総合・・8
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GRYPHON「Glastonbury Carol」
英国の古楽プログレバンド、グリフォンの未発ライブ音源集。2003作
先に出ていた「About as Curious as It Can Be」の音源よりも古く、
1972年、74年のBBCラジオでのセッションライブ音源を収録。72年の音源では
トラッド曲を基本にしつつ、まだロック色は皆無で、リコーダーとアコギを中心に、
AMAZING BLONDELにも通じる雅やかな古楽を展開している。
74年の音源は、2nd「真夜中の狂宴」から大曲“Midnight Mushrumps”を収録。
ドラムが加わり、よりプログレらしくなった抜群の演奏を聴かせる。
音質は良好で、グリフォンファンなら聴いて損のない音源だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 古楽度・・9 総合・・7.5
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H
Hatfield and the North

イギリスのジャズロックバンド、ハットフィールド・アンド・ザ・ノースの1st。1973作
基本は上品で軽やかなジャズロックながら、リチャード・シンクレアの歌には、
キャッチーなポップセンスがあり、バックの高度な演奏をやわらかに緩和している。
2、3分台の小曲を連ねつつ、8分、10分という大曲では、ジャズロックの中に
プログレッシブな質感と、幻想的な世界観を織り込んで聴かせてくれる。
デイブ・スチュワートの繊細なピアノ、オルガンワークも素晴らしく、
美しい女性コーラスやフルートなどもじつに効果的に使われている。
テクニカルな演奏力の中にも、やわらかみのある叙情が光る傑作だ。
ジャズロック度・・8 やわらか叙情度・・8 優雅で軽やか度・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Hatfield and the North 「The Rotters' Club」

カンタベリー系ジャズロックバンド、ハットフィールド・アンド・ザ・ノースの2nd。1975作
前作よりもさらに整合感が増し、一般的に聴きやすくなっている。
リチャード・シンクレアの歌うメロディもより明快になっていて、
むしろジャズロック的な歌もの曲としても楽しめたりする。
デイブ・スチュワートのシンセワークはプログレ的で、フィル・ミラーのギターとともに
ややもすると地味になりがちな軽やかなアンサンプルに彩りを与えている。
テクニカルな構築感をさりげなく聴かせつつ、決して力まない上質のセンスがさすがで、
ラストの20分の組曲では見事なプログレ・ジャズロックを繰り広げる。
カンタベリーサウンドを代表する1枚として語り継がれるに足る作品だ。
ジャズロック度・・8 やわらか叙情度・・8 優雅で軽やか度・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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HAWKWIND「In Search of Space」

イギリスのサイケロックバンド、ホークウインドの2nd。1971作
元Amon duulUのデイヴ・アンダーソンをベースに迎えた本作は、
「宇宙の探究」というタイトル通り、スペイシーな浮遊感と
サイケロック的なドライブ感覚で聴かせる初期の傑作。
ヨレ気味のギターと、ドカドカとした粗野なドラム、
そしてややチープなピコピコとしたシンセが合わさり
一種独特な、B級SF映画めいた世界観が面白い。
そこに宇宙をイメージさせるロマンを感じるかどうかで、
こうしたアルバムへの評価はまったく変わるのだろう。
メロディアス度・・7 サイケ度・・9 スペース度・・8 総合・・7.5
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HAWKWIND「Doremi Fasol Latido」

イギリスのサイケロックバンド、ホークウインドの3rd。1972作
「ドレミファソラシド」というふざけたタイトルの本作は、
前作で確立されたバンドの方向性をさらに確かにしたアルバムで、
後にMotorheadを結成するレミーのベースとともにドライブ感を増したサウンドを聴かせる。
いかにもサイケらしいギターの反復コードで突き進むノリの良さは、プログレというよりは
むしろハードロック的でもある。サイケとしての彼らは次作「Space Ritual」で頂点を迎える。
メロディアス度・・6 サイケ度・・9 スペース度・・8 総合・・7.5
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HAWKWIND「Space Ritual」

イギリスのサイケロックバンド、ホークウインドのアルバム。1973作
個人的には次作「Hall of the Mountain Grill」のメロディアスさが好きなのだが、
サイケとしての押しの強さなら間違いなくライプ録音である本作だろう。
ヨレ気味のギターに浮遊感をかもしだすシンセ、フルート、サックスなどが、
得体の知れない音の塊となって押し寄せてくる。これでCD2枚は濃すぎる…(笑)
音楽的うんぬん、楽曲うんぬんではなく、このトリップ感覚を味わうのが正しい作品。
ブックレット内の写真も含めて、すべてが宇宙的なまでにサイケしている。
サイケロック度・・10 宇宙度・・9 トリップ度・・9 総合・・8
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HAWKWIND「Hall of the Mountain Grill」

イギリスのサイケロックバンド、ホークウインドのアルバム。1974作
最高傑作といわれる前作「Space Ritual」の勢いある濃厚なサウンドから、
本作ではだいぶ整合感が増した印象で、とても聴きやすくなっている。
スペイシーなシンセワークに艶やかなヴァイオリンも美しく、
サイケロックとしての空間的美意識のようなものが感じられるようになった。
広がりのあるメロトロンの使い方などはシンフォニックですらありますな。
シンフォニック度・・7 スペイシー度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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HAWKWIND「Warrior on the Edge of Time」

イギリスのサイケロックバンド、ホークウインドのアルバム。1975作
鳴り響くメロトロンに美しいフルートの音色でシンフォニック色が増したアルバム。
マイケル・ムアコックのファンタジー小説を題材にしていることもあって、
幻想的な世界観がマイルドなサイケロックとほどよく融合している。
そのムアコックもヴォーカルでゲスト参加。「Space Ritual」の頃のドラッギーな
高揚感は薄れたものの、エコーのかかったヴォーカルとシンセを中心に
スペイシーな壮大さは残しており、前作のシンフォ路線を進めた傑作と言っていい。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 サイケ度・・7 総合・・8
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Henry Cow「Unrest」

イギリス、カンタベリー系を代表するバンド、ヘンリー・カウの2nd。1974年作
ケンブリッジ大学の学生であったフレッド・フリス、ティム・ホジキンソンによって結成、
その後、ジョン・グリーブス、クリス・カトラーらが加わり本格的に活動を開始し、
アンサンブルを重視したフリーキーな演奏と、思想的な側面を併せ持った独自の音楽性を作り上げてゆく。
2作目となる本作ではサッキス奏者のジェフ・リーに代わり、バスーン、オーボエ奏者のリンゼイ・クーパーが加入、
フリーキーなジャズロック風味に加え、より現代音楽的な複雑さを際立たせた、唯一無二の演奏を聴かせる。
優雅なクラシカルさと、毒気をはらんだ底のしれない不気味さは、チェンバーロック的でもあり、
ART BEARSやSLAPP HAPPYなどと同様に、芸術性を備えた遊び心がたっぷりの傑作。
クラシカル度・・8 ジャズロック度・・7 芸術度・・9 総合・・8.5
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High Tide「Sea Shanties」

イギリスのサイケ・プログレバンド、ハイ・タイドの1969年作
ヘヴィなギターが鳴り響くブルーズロックに英国的な雰囲気をただよわせたサウンド。
のちにサード・イヤー・バンド、ホークウインドに加入するサイモン・ハウスのオルガン、
そして鳴り響くヴァイオリンが、うねりをあげる凶暴なギターとのコントラストになっている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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HOME「The Alchemist」

イギリスのプログレバンド、ホームの1973年作/2010年リマスター盤。
後にWISHBONE ASHへ加入するローリー・ワイズフィールドが在籍していたことで知られる、
バンドの3作目にしてラスト作。サウンドは、ゆったりとした牧歌的な叙情で聴かせる
キャッチーなもので、MOODY BLUESあたりに通じるやわらかな雰囲気もありつつ、
ときおりハードロック的なギターも顔を覗かせる。いかにも70年代英国らしい音だ。
たおやかなピアノやオルガン、メロトロンも美しい。ブリティッシュロックファンは要チェック。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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I
IAN MACDONALD「DRIVERS EYES」
KING CRIMSONの初代キーボーディスト、イアン・マクドナルドのソロアルバム。1999作
KC脱退後はマクドナルド&ジャイルズ、フォーリナーなどの活動やプロデュースを手がけた彼だが、
意外にもそのキャリアの割にソロ作はこれが初めてとなる。
ゲストにはジョン・ウェットン、スティーブ・ハケットをはじめ草々たる顔ぶれが名を連ねるが、
自身がシンセに加え、ギター、サックス、フルート、ヴォーカルまでもこなすマルチプレイヤーなだけに、
あくまで楽曲においては彼の色が全てであり、全編センスの良い音の重ねが心地よい。
Keyやピアノによるシンフォニックなものから軽快なロックナンバーにいたるまで、
全てにおいてさすがに細密な音作りと大人の落ち着きと余裕が感じられる。
プログレというよりは、アダルトでゆるやかなメロディックロックの趣。
メロディアス度・・8 プログレ度・・3 落ち着き度・・8 総合・・7
ILLUSION「Out of the Mist」

イギリスのクラシカルロックバンド、イリュージョンの1st。1977作。邦題は「醒めた炎」
元ヤードバーズのキース・レルフとジム・マッカーティを中心に、キースの妹ジェーン・レルフも加わって結成された
そのオリジナル・ルネッサンスは短命に終わり、その後キースはアルマゲドン、ナウといったバンドを作るが
ギターの感電によって死去、残されたジムとジェーンはキースの意志を引き継いでイリュージョンを結成する。
美しいピアノとともに男女ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるそのサウンドは、
ルネッサンスの華やかさとはまた少し異なる、湿りけのある叙情が耳に優しい。
ややブルージーなギターの音色と哀愁を感じさせるメロディは、ほのかに翳りを含んだ質感で、
落ち着いた大人の雰囲気をかもしだしている。ストリングス入りのクラシカルなラスト曲も素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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ILLUSION

イギリスのクラシカルロックバンド、イリュージョンの2nd。1978作。邦題は「幻想の翼」
まずこの美しいジャケに目を引かれるが、内容もじつにたおやかなブリティッシュロック。
前作同様に、艶やかなピアノの音色と男女ヴォーカルの歌声で、やわらかみのある
繊細なサウンドを聴かせつつ、本作ではクラシカルな雄大さも増している。
ときにメロウなフレーズを奏でるギターに、メロトロンなどのシンフォニックな味わいもあって、
本家ルネッサンスにも決して負けないほどの叙情美が素晴らしい。
アコースティカルな牧歌性もほのかに残していて、たおやかな優美さが光る傑作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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J
JETHRO TULL「This Was」

ブリティッシュロックバンド、ジェスロ・タルの1st。1968/2008作
英国を代表するバンドのひとつ、記念すべきデビューアルバムの2枚組コレクターズエディション。
ディスク1には初CD化であるモノ・ミックスに68年のBBC音源を9曲収録。
ディスク2はPeter Mewによるニュー・ステレオ・ミックスと同時期のシングルのモノ・ミックスを収録。
やはりモノラルよりはステレオ音源の方が耳心地がよい。後のアルバムに比べプログレ要素は薄いが、
イアン・アンダーソンのフルートが舞う、ブルージーで土の香りのするブリティッシュロックを味わえる。
ブルーズロック度・・8 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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JETHRO TULL「Stand Up」

ブリティッシュロックバンド、ジェスロ・タルの2nd。1969作
4th以降のプログレッシブなアプローチに比べて、本作はブルーズ色のあるブリティッシュロックで、
URIAH HEEPの1stあたりに通じるハードな質感の中に、イアン・アンダーソンのフルートが鳴り響く。
後のトラッド風味の萌芽を感じさせる牧歌的なナンバーもあり、いかにも英国的な雰囲気が楽しめる。
牧歌度・・7 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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JETHRO TULL「Aqualung」

ブリティッシュロックバンド、ジェスロ・タルの4th。1971作
一般的に代表作との呼び声も高い傑作。ブルーズロック的な渋さを残しつつ
ハードさのあるブリティッシュロックとアコースティカルな牧歌性が融合され、
楽曲の構成力の点でもひとつ階段を上ったというべき作品である。
プログレとして聴くなら次作の「Thick As A Brick」が好みなのだが、
ジャケのイメージも含めて、最初のコンセプトアルバムとしての本作の歴史的価値は高い。
牧歌度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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JETHRO TULL「Thick As A Brick」

最高作とも名高い、ジェスロ・タルの5th。1972作。
邦題は「ジェラルドの汚れなき世界」。20分以上の大曲が2曲というコンセプトアルバム。
アコースティックギターとともに、イアン・アンダーソンのフルートの音色がしっとりと美しい。
案外ヘヴィなベースと時にハードなギターが合わさり、曲はドラマティックに進行してゆく。
ピアノやハモンドも効果的に使われていて、ヴォーカルメロディの叙情性を助長しつつ、
アコギとフルートによるフォーキーなパートでは牧歌的なやわらかみが耳に心地よい。
初期のアルバムよりもずっとプログレしていて、まさにバンドの代表作と呼ぶにふさわしい出来だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 フルート度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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JETHRO TULL「A PASSION PLAY」
ブリティッシュロックの名バンド、ジェスロ・タルの6th。 1973作
このアルバムは傑作と名高い「THICK AS A BRICK」に続くコンセプト作。
全2曲です。ストーリーについては輸入盤ですので、よく分かりませんが、
曲だけを聴いていても、初期の頃よりはずっとプログレしている印象で、
イアンのフルートはもちろん全体のアンサンブルも技巧的で、構成も練られたものです。
途中セリフが入ったりして、演劇的な要素が高く、難解な気もしますが、
私はハードロック色が強い「AQUALUNG」あたりよりもむしろ気に入りました。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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JETHRO TULL「MINSTREL IN THE GALLERY」

ジェスロ・タルの8th。1975作。邦題「天井桟敷の吟遊詩人」
ひと言でいうと、ジャジーかつフォーキーなアルバム。
アコースティックギターを効果的に使用し、タイトル通り中世の吟遊詩人のように
肩の力を抜いた曲調で、楽しげに演奏しているという印象。
この後の英国トラッド調への傾倒を予感させるアルバム。
所々でストリングスも使用して、雰囲気を盛り上げている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 トラッ度・・7 総合・・7.5
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JETHRO TULL「Too Old to Rock: Too Young Die」

ブリティッシュロックバンド、ジェスロ・タルの9th。1976作
次作「神秘の森」でトラッド色が全面開花する、その一歩前の作品。
「ロックンロールにゃ老(とし)だけど死ぬにはチョイと若すぎる」という邦題もイカすが、
前作「天井桟敷の吟遊詩人」からの流れの、肩の力の抜けた牧歌的な雰囲気で
アコースティックギターにフルート、サックスが絡み、バンドとしての円熟期を感じさせる音だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 トラッ度・・7 総合・・7.5
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JETHRO TULL「SONGS FROM THE WOOD」
ジェスロ・タルの10th。1977年作。邦題は「神秘の森」
ここにきてついにトラッド色が全開。アコギにフルートがぴーひゃら。
田舎くさいメロディを織りまぜつつ、演奏はかっちりとしていて
非常に高品質のトラッドロックになっています。
リズムに躍動感もあり、効果的にシンセも活躍していて、非常に美しく心地よい音像。
トラッド・プログレ好きにはぜひ聴いて欲しい傑作アルバムです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 トラッ度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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JETHRO TULL「Heavy Horses」

ジェスロ・タルの11th。1978作
邦題は「逞しい馬」。サウンドは前作「神秘の森」の延長上のもので、
アコースティックなフォークテイストを前面に出した作品になっている。
艶やかなヴァイオリン、フルートの音色と、ロック的リズムが融合し、
愉快なノリの良さとハードエッジな部分とを同居させた聴きやすさがある。
古き良きイングランドの田園風景を感じさせるトラッドプログレは、
このアルバムできわめられたといってもよいだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フォーク/トラッ度・・8 総合・・8
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JETHRO TULL「Stormwatch」

ジェスロ・タルの12th。1979作邦題は「北海油田の謎」。
今回はイアン・アンダーソン船長が北海油田を探しにゆくというストーリーもので、
当時すでに問題になりだしていた天然資源、環境問題などへの警鐘的な色合いもある。
サウンドの方は、これまでのトラッドロックとしての本質はそのままに、
よりドラマ性を感じさせるメリハリがあって、全体的にも濃密な作品となっている。
楽曲によって愉快なフルートの音色や、叙情的なオーケストラアレンジなども聴かせてくれ
バンドとしてのスケールの大さを示した、中期タルの集大成的なアルバムと言ってもよい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 フォーク/トラッ度・・7 総合・・8
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JETHRO TULL「The Broadsword and the Beast」
ジェスロ・タルの14th。1982作
前作からモダンなアプローチを取り入れ始め、今作では中期のトラッド要素と
シンセを含む現代的なサウンドとが融合されている。
メロディそのものは人懐こいので、ポップ化したとはいえ非常に聴きやすい。
初期から中期のファンには、あまり好ましくない作品だろうが、
むしろハードロック、ハードポップ系のリスナーには受け入れられる音かもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ポップ度・・7 総合・・7.5
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Jonesy「Keeping Up...」

イギリスのプログレバンド、ジョーンズィーの2nd。1973作
ゆるやかに鳴り響くメロトロンをバックに、初期クリムゾンに通じる70年代的な叙情を聴かせる。
ギターはややガチャガチャとした印象だが、美しいピアノにかぶさる特徴的なトランペットの音色や、
随所に聴かせる艶やかなストリングスなどが、哀愁ただよう雰囲気をかもし出している
楽曲のインパクトや個性には欠けるものの、とても英国らしい叙情に溢れたアルバムだ。
メロディアス度・・7 メロトロン度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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Julian's Treatment「A Time Before This」

ドミニカ共和国出身の小説家、ジュリアン・ジェイ・サバリンを中心にしたバンドで、
自身のSF小説を題材にしたコンセプト作。クラシカルなオルガンの優雅な響きに、
メロウなギターと女性ヴォーカルが重なり、妖しいサイケロック風味と英国的な情緒が混ざった
幻想的なサウンド。牧歌的なフルートの音色もいい。1970年作というから英国シンフォの先駆けだろう。
本作のあと、1973年にJulian Jay Savarin名義で2ndを発表。そちらも同傾向の好作である。
シンフォニック度・・7 オルガン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Julian Jay Savarin「Waiters on the Dance」

ドミニカ共和国出身の小説家、ジュリアン・ジェイ・サバリンは
自身のSF小説を題材にした音楽を作ろうと英国でJulian's Treatmentを結成、
1970年に「A Time Before This...」を発表し、その翌年にソロ名義で出したのが本作。
サウンドは鳴り響くオルガンとメロトロン、美しい女性ヴォーカルによる幻想的なブリティッシュロック。
いかにもロック的なギターとやわらかなハモンドの音色が好対照で、そこに歌を乗せる
元Catapillaの女性Voiは、歌唱力というよりもその物憂げな雰囲気の声質がとてもよろしい。
実は大半の曲は「A Time Before This」のフランス盤に収録されていて、すでに聴いていたが、
こうして単体で聴いてみると、やはり今作の方が英国然としたファンタジックな音作りが素敵です。
シンフォニック度・・8 ハモン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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K
KING CRIMSON
「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」
キング・クリムゾンの1969年作、「クリムゾン・キングの宮殿」2009年盤。
ロック史上に燦然と輝く名作。ともかく、1曲目“21世紀の精神異常者”のインパクトたるやハンパではない。
サックスが不穏に鳴り響き、叫びのような歌声が狂気を振りまく、この始まりとジャケのインパクトがリンクして
1度聴いたらもう誰も忘れられない作品となる。続く“風に語りて”では、美しいフルートの音色とともに素朴な叙情を聴かせ、
名曲“エピタフ”の壮大かつ静謐な世界観にうっとりとなる。“ムーンチャイルド”でひと休みさせておいて、
ラストのタイトル曲のメロトロンの盛り上がりで圧倒される。楽曲ごとの不思議な魅力と、アルバムとしての構成も含め、
飽きることのない名盤に仕上がっている。60年代末に来た最初の衝撃。すべてはここから始まった!
いったい何度再発すれば気が済むのかという気分にもなるのだが、今回は40周年エディションのCD2枚組。
現在のところ2004年の発掘された新たなマスターによる盤が最高であることは変わらないが、
今回のDisc1には2009年のステレオミックス音源を収録、Porcupine Treeのスティーブ・ウィルソンによる
このニューミックスがなかなか面白い。音の迫力が増しているのはもちろん、これまで聴こえなかった
細部での楽器音が鳴っていたり、全体的にもダイナミックなメリハリが効いていて、新鮮な発見がそこかしこにある。
ボーナスには“Moonchild”のフルバージョンや“風に語りて”の別バージョンなど5曲を収録。
Disc2には現行の2004年のリマスター盤音源に加え、BBCセッションの音源と
シングルのモノラル音源など5曲をボーナス収録。聴き比べたりしていろいろと楽しめる。
5.1chミックスの入ったDVD付きの盤などもあるので、予算に合わせてどうぞ。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・9 名盤度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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KING CRIMSON「In the Wake of Poseidon」

キング クリムゾンの2nd。1970作/30thリマスター盤。
本作「ポセイドンのめざめ」はやはり基本的には1stの延長的に作られているという印象であるが
脱退したイアン・マクドナルドに代わって加入した、キース・ティペット(piano)、メル・コリンズ(sax)の色もあり
前作の雄大な雰囲気よりはジャジーなアプローチが増している。フルートやメロトロンなどの美しい叙情も含んで、
歌もの曲ではグレッグ・レイクの歌唱が時代的な懐かしさを感じさせ、4曲目のタイトル曲なども美しい。
11分超の組曲もなかなか圧巻であるが、全体的にはあの奇跡の1枚に手が届きそうで届いていない。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「Lizard: 40th Anniversary Series」

キング・クリムゾンの1970年作/40周年記念エディション
正直、この「リザード」はクリムゾンの作品群の中でもどうも煮え切らないイメージだったのだが、
スティーブ・ウィルソンの手によるニューミックスとDVDの5.1chミックスが良いらしいので聴いてみる。
CDの方は、各楽器の音の分離が鮮明になり、ぼやけていた輪郭がはっきりした分、
ずいぶんとダイナミックなサウンドになった。静寂の中の美しいメロトロンや、ピアノの音色に
メル・コリンズのサックスが重なってゆくと、音の厚みもたっぷりで、とても重厚に聴こえる。
シンバル類を含めてドラムの音にも臨場感が増した。ジャズロック色の強い曲はさほど好みではないが
23分を超えるタイトル組曲は、管楽器類を取り込んだゆったりとした叙情美に聴き惚れる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・8 DVD5.1は必聴・・9 総合・・8.5
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KING CRIMSON「ISLANDS」

キング・クリムゾンの4th。1971作/30thリマスター盤。
本作「アイランズ」は、いわゆる「叙情クリムゾン」としての最後のアルバムで
ピート・シンフィールドが在籍していた、本作までが好きというファンも多いだろう。
不穏なチェロの音色に、美しいピアノとフルートがかぶさり、ほの暗い叙情とともに、
しっとりと聴かせる1曲めは素晴らしい。サックスの音色を含めジャジーなフリーキーさも混在していて
ユルさの中にある静かなる緊張というべきものが、じわじわと広がってゆく。
プログレ=テクニカルというリスナーは眠くなるかもしれないが、これも好アルバム。
ドラマティック度・・7 フリーなプログレ度・・8 静寂と叙情度・・9 総合・・8
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KING CRIMSON「Earthbound」

キング・クリムゾンのライブアルバム。1972作
カセットレコーダーによる録音ということで、音質の悪さが物議をかもすライブ作品。
今回の30周年リマスターとなって、音の分離はだいぶ改善されているが、
それでも歪みやノイズまじりのサウンドは、言い換えれば臨場感たっぷり。
“21世紀の精神異常者”からして、まさにタガが外れた獣のように暴れまくっている。
とくに、イアン・オォーレスのドラムとメル・コリンズのサックスの荒々しい勢いは、
かえって音質の悪さが強力な迫力を生み出しているという気もする。
このパワフルな演奏の前には、正直、途中から音の悪さもさほど気にならなくなる。
ライブ演奏・・9 暴れ度・・9 音質・・5 総合・・8
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KING CRIMSON「LARKS' TONGUES IN ASPIC」
キング・クリムゾンの5th。1973作/30thリマスター
「太陽と戦慄」の邦題で知られる、第二期クリムゾンの傑作。
ジョン・ウェットン、ビル・ブラッフォード、デヴィッド・クロスらの
黄金メンバーが結集した、ヘヴィ・クリムゾンの幕開けである。
のっけから緊張感のあるヴァイオリンとギターの音で、聴き手は引き込まれる。
1973年というこの時期、にこまで重厚なロックを演奏したバンドはいまい。
変拍子を力強く叩くブラッフォードのドラムは、マイケル・ジャイルズとは対照的で
新たなバンドの核になっている。キーボードパートはこれまでより大幅に減っていて、
代わりに張りつめたヴァイオリンの音色が静寂パートでは効果的に響く。
重厚度・・9 プログレ度・・9 演奏・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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KING CRIMSON「RED」
キング・クリムゾンの7th。1974作/30thリマスター。
黄金期クリムゾンの最後を飾る一枚。ギター、ベース、ドラムのシンプルだが
重厚かつヘヴィな曲で幕を開け、最後には初期を思わせる叙情曲で閉めるという構成が、
70年代クリムゾンの終焉をしみじみと感じさせる。「宮殿」から生まれ、「太陽と戦慄」で頂点を極め、
そしてこの「RED」にてバンドはこの時期のプログレスを完了することになったわけである。
最終曲「STARLESS」のリフレインされるメロディが、実にもの悲しく、また美しい。
重厚度・・8 プログレ度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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KING CRIMSON「USA」
キング・クリムゾンのライブアルバム。1975作/30thリマスター。
もとは海賊盤対策として発表されたアルバムで、綿密にオーバーダビングされた音は、
やや荒々しいのだがスタジオテイク以上に迫力がある。
やはりウィリアム(ビル)・ブラッフォードのドラムは素晴らしく、ハイハットの一音までが「立って」聴こえる。
“21st CENTURY SCIZOID MAN”、“STARLESS”等のバンドを代表する名曲も収録、
70年代クリムゾンの正規ライブ作品として、まず手に入れるべき。
重厚度・・8 プログレ度・・9 演奏・・9 総合・・8
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KING CRIMSON「Discipline」

キング・クリムゾンの8th。1981作/30thリマスター盤
いわゆる「80年代クリムゾン」として活動を再開した1作目で、
エイドリアン・ブリューをギタリストに迎え、メカニカルな緻密さを押し出し始めた作風。
バンドしての機能を重視してか、メンバーの誰一人もでしゃばることなく、
整然とした演奏で、楽曲を構築している。よくよく聴けば複雑なリズムパターンに、
変拍子の取り入れかたなども高度なのだが、案外メロディアスな要素もあり、
ロック的なヴォーカルラインや聴き応えのあるギターの絡みなど、難解すぎるという印象はない。
実験的でありつつも、メカニカル化とプログレ、ロックサウンドをバランス良く両立させた作品。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「Three of a Perfect Pair」

キング・クリムゾンの10th。1984作
「Discipline」、「Beat」から続く三部作にして、第三期クリムゾンのラスト作。
メカニカルな緻密さを押し出した「ディシプリン」、ポリリズムを突き進めた「ビート」、
そして本作では、ヴォーカルの歌声とともに一聴してこれまでにないキャッチーな曲調が耳を引く。
クリムゾンがポップな歌ものを?…と、思いきや、よくよく聴けば、リズム面でのアプローチもあるし、
ブラッフォードのドラムとレヴィンのベースもさすがの存在感。エイドリアン・ブリューの歌もなかなかいい。
後半はうって変わって実験色が強くなり、前半との対比でより緊張感が際立って聞こえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲センス・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「THRAK」

キング・クリムゾンの1995年作
1994年のミニアルバム「VROOOM」に続き、姿を現した第四期クリムゾンの全貌。
ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィン、ビル・ブラッフォードに加え、
トレイ・ガンとパット・マステロットを加えた6人編成で、リズム隊が4人もいるという
ダブル・トリオと呼ばれる面白い編成で作られた。硬質感を重視したサウンドは
いわゆる「メタルクリムゾン」などともと言われるが、中盤以降には、ゆったりと聴かせる叙情ナンバーもある。
随所にサウンドスケープ的なシンセやメロトロンの音色が散りばめられ、ヘヴィなダークさを緩和させながら、
2〜5分台のコンパクトな楽曲を連ねてゆく感じだ。エイドリアン・ブリューの歌も80年代作品で聴かれた
キャッチーな雰囲気とともに、立派に作品の世界観に貢献している。かつての名作「Red」や
「太陽と戦慄」あたりの感触を垣間見せつつ、90年代という時代に対応させたプログレ作品である。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「EPITAPH VOLUMES ONE & TWO」

キングクリムゾン第一期(1969年)のオフィシャルブートレッグ。CD2枚組。1997作
「KCのアルバムは色々聴いたが結局一番好きなのは宮殿なんだよなぁ」
…という私のようなファンにはうってつけ第一期のメンバーによる当時のライブ音源がよみがえった。
タイトルでもある名曲“EPITAPH”は3音源を収録し、どれもアレンジが違うという凝りよう。
グレッグ・レイクのVoにイアン・マクドナルドのフルート&メロトロン!すべてはここから始まった。
音質も年代を考えれば思いのほか良好で、臨場感溢れる演奏に涙。
叙情度・・9 プログレ度・・9 音質・・7 総合・・9
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KING CRIMSON「EPITAPH VOLUMES THREE & FOUR」
キングクリムゾン第一期(1969年)のオフィシャルブートレッグ第二弾。「続・エピタフ」
さて、第一期クリムゾンのファンにとっては垂涎のこのシリーズ。1969年のライブ音源満載。
音質的にはやや難があるが(とはいってもこのへん年代のブートにしてはかなり上質)、
当時のバンド勃発期の力強く熱いエネルギーは十分につたわってくる。
イアン・マクドナルドのフルート&メロトロンが美しい。マイケル・ジャイルズのトラムも切れ味鋭く、
そしてロバート・フリップのギターにグレッグ・レイクのヴォーカル。
歌詞と演出を担当するピート・シンフィールドという第五のメンバーがいたことも今となっては興味深い。
たった一年で分散したこの最高のメンバーが、一つになっていたこの瞬間に創造された壮絶な音の記録。
「21世紀の精神異常者」「エピタフ」「クリムゾンキングの宮殿」はライブごとにプログレスしてゆく。
そのアレンジの変遷、即興性、すべてを含めて「真のプログレ」を体現していたバンドであった。
叙情度・・8 プログレ度・・10 音質・・6 総合・・8
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KING CRIMSON「The Night Watch」

「太陽と戦慄」期クリムゾンの伝説のライブ、1973.11.23アムステルダムライブの完全版。CD2枚組。1998作
アルバム「STARLESS AND BIBLE BLACK」はこの時の音源が元になっているというのは有名な話。
メンバーは、ロバート・フリップ他、ジョン・ウェットン、ビル・ブラッフォード、デイビィッド・クロス
演奏的にはブラッフォードのドラムとウェットンのベース、そこに重なるロバート・フリップのギター
によるインプロバトルが聞きどころ。ゆるやかな即興パートでの余裕と圧倒的な突進力の演奏は
まさにバンドの黄金期を感じさせる。ヴァイオリン&メロトロンのデイビッド・クロスの演奏は
それほど目立たず、他の3人の邪魔をしないように無難に弾いているという印象。
この頃の音楽性を好むかどうかによって、同時期のアルバムへの人それぞれの評価も変わるのだと思う。
ライブ演奏・・9 プログレ度・・8 音質・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「the construKtion of light」

キング・クリムゾンの2000年作
前作「THRAK」のあと活動休止に入ったが、バンド30周年を記念して活動を再開、
ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、パット・マステロット、トレ・イガンの4人編成で
第六期クリムゾンは始動。サウンドは90年代の作品に比べ、よりモダンなアプローチがなされており、
ドラムとベースを中心にしたポリリズムの中に、浮遊感のあるギターが乗せられ、
一聴した感じはダークなものだが、どの楽曲も緻密きわまりないアプローチがなされている。
タイトル曲はもちろん、“太陽と戦慄パートW”や、パートXとなるほずだった、“フラクチャード”など、
聴き応えのあるナンバーが揃っている。全体像としては、まだ過渡期というようなバラつきも感じ取れるが、
新世紀を迎えようとするクリムゾンの新しい形が見え始めた作品なのは確か。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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KING CRIMSON「The Power To Believe」

キング・クリムゾンの2003年作
ロバート・フリップのかがげる“ヌゥオヴォ・メタル”というコンセプトによって作られた本作は、
「the construKtion of light」から続くメンバーによって、より熟成されたメタル・クリムゾンを聴かせる。
インダストリアルな無機質さを加えたリズムは、ずっしりとしてヘヴィで重く、
そこに乗るギターサウンドもいつになくハードで、楽曲に硬質な緊張感をもたらしている。
一方では、薄暗い叙情をともなったヴォーカルナンバーは、モダンな雰囲気で
先端をゆくロックバンドとして、常に時代の変化とともにあることを感じさせる。
奥行きのあるサウンドプロダクションも見事で、前作よりも統一感のある作品に仕上げている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 時代のクリムゾン・・9 総合・・8
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KING CRIMSON「The Great Deceiver:Part One/Part Two」


かつて4枚組ボックスで発売されていた第二期クリムゾンのライブ音源の再発盤。2007作
「太陽と戦慄」〜「レッド」期のクリムゾンが最も好きだというファンも多いだろうが、
本作でのライブ演奏の勢いを聴けば、さらにその思いを強くするかもしれない。
Part One、TwoともDisc1は1974年の音源で、録音もなかなか良好。
ブラッフォードのドラムのさすがの躍動感と、ジョン・ウェットンの歌声も絶好調、
そしてデビッド・クロスの弾くメロトロンも効いていて、ときに即興演奏をまじえながら、
熱情的な激しさとともに叙情性もしっかりとある、バランスのとれた演奏が見事。
Disc2で聴ける1973年の音源では、より張りつめた緊張感が炸裂していて、
同時期のライブ音源である「The Night Watch」と聴き比べてみるのも面白い。
ライブ演奏・・9 プログレ度・・8 音質・・8 総合・・8
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M
MAINHORSE

ブリティッシュロックバンド、メインホースの1971年作
のちにRefugee、Yesへ加入するパトリック・モラーツが在籍したバンドで、本作が唯一の作品。
サウンドはELPばりにオルガンを鳴り響かせつつ、ブルージーなギターとバトルするような
勢いのあるハードロックであるが、やはりモラーツのクラシカルな鍵盤さばきがアクセントになっている。
10分を超える大曲も2曲あり、プログレ的にも楽しめる。やわらかなオルガンの響きが素敵な逸品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8
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Mandalaband

イギリスのシンフォニックロックバンド、マンダラバンドの1st。1975作
異色にして壮大なるスケール感。この大曲を演奏するためにバンドが結成されたという
その“曼陀羅組曲”は、4部構成に分かれた、まさに一大叙事詩ともいうべき濃密な完成度を誇る。
泣きのギターと壮麗なるシンセ、オーケストレーションが重なって、チベット語で歌われる歌唱と
混声コーラスなどが一体となった重厚なるシンフォニックロックを展開。また押しだけではなく、
クラシカルなピアノの響きなど、繊細な叙情美も兼ね揃えていて、感動的なまでに美麗なサウンドだ。
バンドは、1978年に2作目となる「The Eye of Wender」を発表、こちらもファンタジックな傑作である。
シンフォニック度・・9 壮大度・・9 美麗度・・9 総合・・9
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Mandalaband「The Eye of Wendor:Prophecies」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マンダラバンドの2nd。1978作
圧倒的な完成度を誇った1st「曼陀羅組曲」からメンバーが大幅に入れ替わった本作は
「魔石ウェンダーの伝説」というタイトル通り、ファンタジックな物語的コンセプトアルバム。
前作の濃密シンフォニック路線から一転、繊細かつメロディックな爽やかなサウンドで、
牧歌的なやわらかさと、オーケストレーションを含めた壮大な美しさが合わさった、
前作に勝るとも劣らぬ傑作だ。Woolly Wolstenholmeの美麗なシンセワークも素晴らしく、
流れるように曲が連なってゆく構成には、ついつい引き込まれてしまう。壮麗なるシンフォ傑作。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・9 壮大度・・9 総合・・9
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Mandalaband III「Bc-Ancestors」

イギリスのプログレバンド、マンダラバンドの復活作。2009作
70年代に「曼陀羅組曲」、「魔石ウェンダー」という素晴らしい完成度の2作品を発表後
すっかり音沙汰のとぎれていたこのバンドが、なんと30年ぶりとなる復活作を発表。
Barclay James Harvest〜Maestosoのウーリー・ウォルステンホルムをはじめ、
かつてのメンバーに加え、元IONAのトロイ・ドノックリーやCARAVANのヴァイオリニストなども参加、
エジブトやギリシャ、ヒマラヤなどの古代文明、神話などをテーマにしたミステリアスな作品を作り上げた。
壮麗かつ濃密なかつてのシンフォニックサウンドとはやや異なり、パイプの音色なども含めてときにケルティックな質感や
神秘的な女性コーラスなども入った作風は、GANDALFやMIKE OLDFIELDなどに通じる雄大な自然派プログレの感触もある。
もちろん、ASHLEY MULFORDの泣きのギターやウーリーのメロトロンなど、シンフォニックな要素も健在の力作である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 神秘的度・・8 総合・・8
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Mandalaband「Resurrection」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マンダラバンドの1975/1978/2010年作
1975年の1st「曼陀羅組曲」と、1978年の2nd「The Eye of Wender」を新たにリミックス
2枚組として再発したもの。あの感動的なまでの名作がいかに甦ったのか、さっそく聴いてみる。
かつては曲が始まったとたんに圧倒的なダイナミズムがあふれだすような迫力だったのが、
今回のリミックスでは、ドラムやギターの音が丸くなり、ずいぶんと優雅な雰囲気になったという印象。
シンセによるオーケストレーションや雄大なコーラスワークなど、壮大な世界観はそのままに
よりマイルドな仕上がりだ。音の迫力ではオリジナルに劣るが耳心地の良さは本盤というところか。
もともとが優雅な作風だった「魔石ウェンダー」の方は、このマイルドなリミックスがよく合っている。
美麗な美しさとファンタジックな世界観にうっとりとなる。ともかく、これまで廃盤状態だったものが再発され、
はじめて耳にするリスナーにも、この伝説的なプロジェクトバンドの凄さを知ってもらえるのではないだろうか。
シンフォニック度・・9 ダイナミック度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Marsupilami

イギリスの隠れた名バンド、マルスピラミの1st。1970作
2nd「ARENA」はブリティッシュプログレの裏名盤とも言うべき傑作だが、
その彼らの1stが再発された。オルガン、フルート奏者を含む5人組で、
ややダークめでジャジーなブリティッシュロックをやっている。
鳴り響くハモンドに絡むギターとフルートがどこか妖しげな雰囲気をかもし出し、
古代ローマをテーマにした2ndほどの完成度と壮大さはないものの、
サイケロック的な底知れなさを感じさせるサウンドがなかなか通好みである。
まずはぜひ2ndから聴いて、英国ロックの奥の深さに驚嘆していただきたい。
メロディアス度・・7 英国度・・8 ダークな湿りけ度・・8 総合・・7.5
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MARSUPILAMI「Arena」

ブリティッシュロックバンド、マルスピラミの2nd。1971作
英国プログレの裏名盤ともいうべき完成度を誇る歴史的傑作。2007年リマスター盤に買い換え。
本作は古代ローマを舞台にした壮大なコンセプト作で、まだ粗削りだった1stに比べ
サウンドの輪郭がはっきりしてきており、楽曲におけるメリハリのつけ方もドラマティックになった。
ヴォーカルはときに物語を語るように静かで、かと思うと戦闘をする戦士のように激しくもなる。
たたみかけるドラムに、ハモンドオルガン、それにメロトロンやフルートを聴かせる叙情パートもあり、
息つかせる暇もなく楽曲は展開してゆく。ジャズロック的な軽やかさと、ハードな質感が同居し、
シンフォニックな要素がなくとも、不思議と音には広がりと壮大さを感じるのが凄い。
ある意味これも英国からしか出て来ない音。普通のプログレで飽き足らない方にお勧め。
ドラマティック度・・9 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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Matching Mole

イギリスのジャズロックバンド、マッチング・モウルの1st。1972作
SOFT MACHINEを脱退したロバート・ワイアットが、元CARAVANのデイヴ・シンクレア
フィル・ミラーらと結成したこのバンド。サウンドの方はしっとりとしたメロトロンが鳴り響く中
ワイアットの優しい歌声で聴かせる1曲目から、SOFT MACHINEとは異質の叙情性を感じる。
大半の曲をワイアットが作っていることから、当然ながらワイアットのソロ色が強い。
半身不随となって後の「Rock Botom」などにも通じる繊細な感性がここでも光っている。
もちろんテクニカルな要素もあるが、むしろユーモアと哀愁を漂わせた雰囲気が魅力。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・7 繊細叙情度・・8 総合・・8
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McDONALD AND GILES

元KING CRIMSONのイアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズによるアルバム。1971作
言わずと知れた名盤であるが、リマスター盤が安かったので購入し直してみた。
ロック史に燦然と輝く世紀の傑作「クリムゾンキングの宮殿」発表後、
地位も名誉も捨ててバンドを脱退した二人が生み出したのは、
「宮殿」とは似て非なるたおやかさと叙情に溢れた本作であった。
ここには静寂に彩られた緊張感の代わりに、自然体である喜びが存在する。
マクドナルドのフルートやサックスの音色にも自由の息吹が感じられ、
ジャイルズ兄弟のリズム隊は堅苦しさとは無縁のロックの楽しさを表している。
美しきストリングス、ピアノ、ハモンドに彩られた“組曲ハ長調”、
繊細な小曲“アイビスの飛行”、20分を超える大曲“バードマン”、
どれもが英国の叙情と、音楽への愛情、温かみ、繊細なる息吹に満ちている。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 自然体度・・10 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「TUBULARBELLS」

マイク・オールドフィールドの記念すべき1st。1973作/2000年リマスター盤
初期のマイクの最高作といえば、「OMMADAWN」だと思うし、それは今でも変わらないが、
改めてこの作品を聴くと1973年という時代を考えれば、これはまぎれもなく彼の金字塔であり、
ロック史、プログレ史に名を残すものであると思える。それぞれ25分、23分の全2曲という構成は
LP時代を考えれば最大の長さであり、そこに自身の内的世界と、世界への共感とを音楽にして詰め込んだ楽曲は
ロック、プログレ、フォーク、クラシック、ジャズといったさまざまな要素を混在させて
ひとつの宇宙ともいうべき空間を作り出している。楽曲としての完成度では「オマドーン」には及ばないが、
マイク・オールドフィールドという一人のアーティストの瑞々しい感性の結晶として、
時代を超えて輝き続けるものが確かにここには存在している。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 内的世界度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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MIKE OLDFIELD「Tubular Bells」

マイク・オールドフィールドの記念すべき1st。1973作/2009年リミックス盤
25分、23分の全2曲という構成の中にロック、フォーク、クラシック、ジャズといった要素を混在させ、
個人で完成させた内的宇宙ともいうべき歴史的な1枚が、最新リミックス音源で甦った。
正直なところ、今までのリマスターでは、よくも悪くも年代性を感じさせる古めかしいサウンドであったのだが、
この新たなステレオリミックスでは原曲の素朴さを残しながら、よりクリアな音が楽曲の流れの中で輝いている。
これまでにもSACD盤や2003年の新録盤などがあったのだが、オリジナルバージョンのリミックスとしては
これが最高の内容と言っていいだろう。本作があったからこそ、現在のマイクの成功があったというべき名作だ。
1973年のオリジナルマスターCDと5.1サラウンド音源入りDVD付きの3枚組限定盤もあり
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 内的世界度・・9 総合・・8.5
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MIKE OLDFIELD「Hergest Ridge」

マイク・オールドフィールドの2nd。1974/2000年リミックス盤
以前所有していた旧日本盤を売って、このHDCD盤に買い換えてみたのだが…
なんということだ、大幅なリミックスが行われていて前に聴いたものとは別物に。
慌ててLP盤で聴き直してみたら、明らかに本CDよりも音数が多く、感動的なサウンドである。
作品としての素晴らしさは、前作「チューブラーベルズ」以上で、牧歌的な叙情という点では
マイクの全作品中でも最高のアルバムなのだ。それだけにこの無粋なリミックスは残念…
もちろん、リミックス盤でも、その魅力のいったんである美しさは充分に堪能できる。
ただ、やはりこれを聴いてからでいいので、オリジナルLPの方をぜひとも聴いていただきたい。
ただ地味に手直しされた本CDに比べて、すべての音が遥かに生き生きとしている。
このリミックス盤はまるで生け捕りにして無理やり餌を与えられた小鳥のようだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 牧歌的度・・9 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「Hergest Ridge」

マイク・オールドフィールドの2nd。1974/2010年リミックス盤
以前に出ていた2000年のリミックス版は、LP版の良さを消してしまっていたのだが、
今回の最新リミックスでは、どうやらオリジナルバージョンが使用されていて、
以前のCDよりもはるかにひとつひとつの音が自然で生き生きとしている。
アコースティカル牧歌的な叙情性という点では前作「Tubular Bells」以上の作品で、
ギターやマンドリン、管楽器音などの重ね方、やさしいメロディの美しさなど、
どれもが繊細にして細密。次作「Ommadawn」とともに必聴の名作といえる作品だ。
なお1974年のオリジナルマスターと5.1サラウンド音源入りDVD付きの3枚組限定盤もあり
オリジナルリミックス度・・9 繊細度・・10 牧歌的叙情度・・10 総合・・9
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MIKE OLDFIELD「OMMADAWN」

マイク・オールドフィールドの3rd。1975/2000年リミックス盤
MIKE OLDFIELDの作品の中でも傑作中の傑作。リマスター&HDCD盤に買い換え。
初期の4枚のアルバムはどれも素晴らしいのだが、その中でもとくに
メロディの美しさと幻想的な牧歌性、民族音楽とロックの融合、大曲としての完成度、
そのすべての部分で奇跡的な結合を生み出しているのが本作である。
このアルバムのあと、精神的な疲労から次作「呪文」を発表するまで3年のブランクが
あったというのもうなずける。それだけの力を注ぎ完成された世界観がこの作品にはあったのだ。
サウンドの方は、ケルティックなメロディや、アフリカンなパーカッションなど、民族色が濃いもので
そこに幻想的なキーボード類と、繊細なギターを重ねて、ときにシンフォニックに聴かせる。
全体的に当時の彼の精神状態が窺い知れるような、靄のかかったようなほの暗く、湿った質感があり、
19分、17分というふたつの大曲の中で、何度も高揚と降下を繰り返しながら、音そのものとしての緊張感は
「チューブラー・ベルズ」に譲るが、幻想世界と現実、自然とが一体となった彼の世界観が織り込まれてゆく。
子供達の歌声が響きわたるラストの大団円は、マイク自身の世界との出会いを示しているかのようで、
何度聴いても感動的だ。商業音楽にとらわれない音楽を愛する人間なら必ず聴くべき名作である。
民族シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 世界融合度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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MIKE OLDFIELD「Ommadawn」

マイク・オールドフィールドの3rd。1975/2010年リミックス盤
とにかく、ここまで感動的な音楽というのは世界中探してもなかなかありはしない。
ただのロックでもトラッドでもない。ましてや流行りのポップソングでもありはしない。
商業音楽に敢然と背を向け、自らの繊細な内的感性を見つめて生み出した、孤高の傑作。
オリジナルのLP版やCDでのリミックス版、結局どう形を変えても素晴らしい名作であったのだが、
これはオリジナル音源をもとにした2010年の最新リミックス版。音はよりクリアに、鮮明になっているが、
素朴な美しさはそのままで、まさに名作が「究極の名作」となったといってもいいだろう。
前作よりもさらに民俗音楽を色濃く取り入れつつ、シンフォニックな音の重ねにも磨きがかかり、
牧歌的にして壮大…世界すべてを包み込むような大きさと、人間的な優しさにあふれている。
19分、17分という大曲2曲の構成の中に、当時のマイクの瑞々しい感性がすべて詰まっている。
アコースティック楽器に、ギターとシンセを巧みに融合させ、伝統的なトラッドを盛り込んだ楽曲は
希望に満ちた子供たちの歌声が加わってラストを迎える。泣かずにはいられない必聴作。
1975年のオリジナルマスター(ボーナスにデモ音源収録)と5.1ch音源入りDVD付きの3枚組限定盤もあり。
オリジナルリミックス度・・10 繊細にして壮大度・・10 牧歌的叙情度・・10
総合・・10
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MIKE OLDFIELD「Incantations」

マイク・オールドフィールドの4th。1978/2000年リマスター盤
マイクのアルバムでどれか一枚をお勧めするとしたら、前作「OMMADAWN」と
本作「呪文」とで迷った後に、この作品のリマスター&HDCD盤を差し出すだろう。
たおやかなフルートの音色に、美しいシンセ、メロウなギターワークが重なって
絶品の叙情を聴かせるサウンドは、リマスター効果で素晴らしい音質となっている。
LPでは2枚組みであった全4曲の大曲は、そのどれもが濃密にして清涼、
まるで爽やかな風のように、暖かで素朴なメロディが耳に優しく響いてくる。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・9
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MIKE OLDFIELD「Incantations: Deluxe Edition」

マイク・オールドフィールドの1978年の名作「呪文」の2011年デラックスエディション
2CD+DVDの3枚組で、Disc1にはオリジナル音源の通常リマスター音源、
Disc2には楽曲そのものに手を加えられた新規リミックス音源を収録。
繊細な美しさという点ではもともとマイクの作品中でも随一だったのだが、
鮮明なリマスターによりさらにその叙情美が際立った。 美しいフルートがゆるやかに鳴り響き、
ケルティックなメロディをたっぷり取り入れたサウンドは、70年代のマイクの作品路線を
集約したような味わいで、アコースティカルな素朴さや神秘的な女性ヴォーカルの歌声も含み、
4曲の大曲はそれぞれにやわらかな輝きを放っている。Disc2の音源に関しては本編とは別物の
レアトラックスとして楽しむのがいいだろう。より素朴なサウンドで、先の「Ommadawn」のリミックスに比べると
インパクトはやや薄いか。DVDにはDisc2のマテリアルの5.1chと、1979年の「Exposed」のライブを収録。
叙情度・・9 プログレ度・・7 リマスター度・・9 総合・・8.5
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MIKE OLDFIELD「Exposed.」
マイク・オールドフィールドのライブアルバム。CD2枚組み。1979作
DISC1では中期の傑作「INCANTATIONS」をすべて演奏、
DISC2では名作と名高い「TUBULAR BELLS」を完全再現している。
初期作における特徴でもある伸びやかなギターに、オーケストラ、混声合唱団が加わり、
アルバム盤以上の説得力と雄大さをもって繰り広げられる楽曲は、壮大このうえない。
雄大な大地との融合を思わせるサウンドは、メロディアスかつシンフォニックでありながら
どこか牧歌的で、心をなごませてくれるものがある。
マイクの最近の作品しか知らないリスナーにはぜひとも聴いて欲しい。
メロディアス度・・8 壮大度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「Five Miles Out」

マイク・オールドフィールドの1982年作
80年代のマイクの作品はずいぶんポップなものだろうとタカをくくっていたが、
1曲目の24分を超える大曲“TaurusU”の素晴らしさに完全にやられました。
モダンなビート感覚の中に、かつてのトラッドロックの叙情をしっかりと残していて、
メロディアスなギターを前に出し、ケルティックなフレーズを織り込みながら
80年代的なポップ性と伝統的なプログレ性を融合させた絶妙なアレンジが光る。
女性ヴォーカル入りのポップな小曲や13分の大曲などもあり、聴きどころの多い好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アレンジ度・・8 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「The Songs of Distant Earth」

マイク・オールドフィールドの1994年作
アーサーCクラークの小説「遥かなる地球の歌」を題材にした作品で、
小曲の連なりによるひとつの大きなシンフォニーを描き出すという構成。
サウンドはシンセによる美しさとデジタルなアレンジに女性コーラスなどが加わった
ADIEMUSなどにも通じる雄大な作風で、メロディラインにはかつてのマイクを思わせる
トラッド的な旋律も入っている。モダンにはんったが、初期のファンにも充分楽しめると思う。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 雄大度・・9 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「Tubular Bells 2003」

マイク・オールドフィールドの記念すべき1stの、2003年の再録音盤。
1973作のオリジナルから30年後に新たに録音され直した本作は、
かつての素朴なアナログ感覚は薄れて、デジタル処理された美しさが
いわばヒーリング系ミュージックの感触になっているという点で、
オリジナルとは別物ととらえた方がプログレファンにはよいだろうと思う。
ギターの音もシンセも現在の音になり、重厚で、野暮ったさは消えた。
作品としての完成度は明らかに上がっているが、その反面、青臭いような爽やかさ、
若きマイクの描く精一杯の表現の魅力という点では、やはりオリジナルの方をとりたい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 雄大度・・8 総合・・8
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MIKE OLDFIELD「Music of the Spheres」

マイク・オールドフィールドの2008年作
「天上の音楽」と題された本作は、近年のモダンなアプローチから一転、
カール・ジェンキンス指揮による壮麗なオーケストラで聴かせるアルバム。、
雅びやかなストリングスに、たおやかなピアノやアコースティックギターが加わり、
ADIEMUSに通じる大自然との融合を思わせる優しい質感に聞き惚れる。
オペラティックな女性ヴォーカルもじつに美しい、クラシカルなヒーリングサウンド。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・6 雄大自然度・・10 総合・・8
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THE MOODY BLUES「Days of Future Passed」

「サテンの夜」で有名な、ムーディ・ブルースの1st。1967作。
クリムゾンもデビュー前のこの当時、プログレなどという言葉はなかったであろうが、
現在でもプログレファンから愛聴されているのは、この新生ムーディーズとしての1作目以降だろう。
ロックバンドのオーケストラとの競演アルバムとしては、もっとも古いもののひとつで、
今聴いても、この作品でのオケの美しさは素晴らしいものがある。
反面バンドとしての持ち味はやや薄く、本来の彼らの魅力を知るには次作以降を聴くべきだろう。
オケをバックにした歌もの曲には、しっとりとしたたおやかな情感と
メロディアスな聴きやすさがあり、古めかしさを超えてこのアルバムの魅力となっている。
メロディアス度・・8 ロック度・・7 オーケストラ度・・9 総合・・8
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THE MOODY BLUES「IN SEACH OF THE LOST CHORD」
イギリス、プログレッシブロックの創世記を支えたムーディ・ブルースの2nd。1968作
プログレというよりはやはり年代的にもブリティッシュロックとしてとらえる方がいいだろう。
適度な湿りけとキャッチーなメロディセンスをもった牧歌的な雰囲気の楽曲は
かすかな薄暗さを感じさせながら、ゆったりと聴き入ることができる。
バックのピアノ、メロトロンも美しい。初期の傑作といえるだろう。邦題は「失われたコードを求めて」
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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THE MOODY BLUES「On the Threshold of a Dream」

ムーディ・ブルースの3rd。1969作
前作「失われたコードを求めて」で、ブリティッシュロックとしての地位と
独自のプログレッシブな方向性を確立して、続く本作もその延長上のサウンド。
やわらかでキャッチーなコーラスワークやしっとりとしたフルートの音色、
ほのぼのとした牧歌的な味わいで、英国ロックのおだやかな叙情が楽しめる。
全体的にはやや地味な雰囲気ではあるが、後半の組曲は前作を思わせる壮大さがあり、
メロトロンの響きとともに、ゆるやかに聴かせる音作りはやはりとても耳心地がいい。
ボーナスにはバージョン違いやBBCラジオの音源などを9曲収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国的叙情度・・9 総合・・8
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THE MOODY BLUES「To Our Childrens Children」

ムーディ・ブルースの4th。1969作
いったい何事かと思うような大仰なイントロで始まるが、
ムーディブルースのアルバムにはこうしたコンセプト的な作品が多く、
60年代のイギリスのバンドの中でもユニークな存在だったことだろう。
やはりゆったりとした曲での歌メロの美しさは彼らならではで、
しっとりとしたアコギの音色などは、英国的な優雅さも感じさせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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THE MOODY BLUES「Question of Balance 」

ムーディ・ブルースの5th。1970作
傑作2作にはさまれて、地味な印象の本作であるが、内容は決して悪くない。
英国的な牧歌性にアコースティカルな叙情をまじえて、素朴な味わいが楽しめる。
コーラスワークのキャッチーな聴き心地に、哀愁を感じさせるゆるやかな作風の好作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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THE MOODY BLUES
「every good boy deserves favour」
ムーディ・ブルースの6th。1971作。「童夢」の邦題で知られるアルバム。
幻想的なジャケのおかげもあってか、日本でも人気が高い作品である。
実は昔聴いたときはあまりにも自分の想像していたプログレの音とは違っていたので
売ってしまったのだが、こうして改めてリマスター盤を聴いてみるとけっこういい作品ですな。
なにやら意味ありげなイントロから、曲が始まると軽やかなロック調…きっと昔はこれがダメだったのだな。
ブルージーなロック風ギターがやや無骨な感じもするが、歌メロはキャッチーだし、メロトロンは美しい。
ただ初期にあった薄暗さが消えてきているので、それが好きな方にはさほど傑作とも思えないかもしれない。
個人的にはメロディアスさに勝る次作「Seventh Sojourn」の方をお勧めする。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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THE MOODY BLUES「SEVENTH SOJOURN」
ブリティッシュ・プログレバンド、ムーディー・プルースの7th。1972作
デビュー作が1967年というから、プログレとして語られるバンドの中では最古参のひとつ。
のっけからメロトロンをバックにしたコーラスハーモニーが美しく、胸にしみます。
プログレっぽさはさほどないですが、本格的にオーケストラを導入するなど、
雄大でしっとりとした雰囲気のメロディアスなアルバムです。
メロディアス・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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THE MOODY BLUES「Octave」

ムーディー・プルースの8th。1978作/2008年リマスター盤
前作から5年のブランクの後発表された本作は、一般的にはさして評価は高くないらしいが、
やわらかみのある音作りは往年からまったく変わっていないし、
メロディアスという点ではむしろ上回っている。オーケストラ入りで繰り出される
英国らしい優雅さと、しっとりと聴かせるメロディはやはり耳に心地よく、
とくにゆったりとしたバラード曲においては、広がりのある雄大な叙情美を聴かせてくれる。
この感触は、あるいはBarclay James Harvestあたりにも通じるものもある。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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THE MOODY BLUES「Long Distance Voyager」

ムーディー・プルースの9th。1981作/2008年リマスター盤
前作の流れから、さらに80年代らしいキャッチーなポップ感を増した作品。
ただし、モダンにはなってもプログレ的なシンセワークはしっかりと残しつつ、
ストリングスの美しさとともに、やわらかな叙情が合わさったサウンドは非常に高品質だ。
プログレハード的な軽快さの中にも、哀愁を漂わせるメロディを盛り込むのはさすが。
適度なポップさとメロディアスな聴きやすさでバランスのとれた好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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MORGAN「Nova Solis」
元THE LOVE AFFAIRのシンセ奏者、モーガン・フィッシャー率いるバンドの1st。1972作
きらびやかなシンセ、ピアノなどを軸にしたクラシカルなサウンドで、
英国というよりも、どことなくイタリアンロック的な濃密でバロック的なものを感じさせる。
QUEENの前身バンド、SMILEに在籍していたティム・スタッフェルの歌声は、
フレディ・マーキュリーを思わせるような、やや独特の押しの強さがある。
ラストは20分の大曲で、ホルストの「惑星」のテーマとともにクラシカルに聴かせる。
シンセの音がやや古めかしいものの、時代的に考えればなかなかの好作だ。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 英国度・・7 総合・・7.5
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N
NARNIA「Aslan Is Not A Tame Lion」

イギリスのフォークロックバンド、ナルニアの1974年作
近年映画にもなった「ナルニア国物語」をコンセプトにした作品で、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、キャッチーなフォークロックサウンド。
うっすらとメロトロンも響き、ファンタジックな雰囲気も漂わせつつ
オランダのEarth and Fireあたりに通じるやわらかな聴き心地だ。
自主制作盤ということで手に入りにくいが、英国の隠れた逸品として愛聴したい作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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NATIONAL HEALTH

イギリスのジャズロックバンド、ナショナル・ヘルスのアルバム。1978作
Hatfield and the Northのデイブ・スチュワートとフィル・ミラー、GILGAMESHのアラン・ガウエンを
中心に結成された、まさにカンタベリーシーンのスーパーグループともいうべきバンド。
軽快なリズムの上を、デイヴのオルガン、ガウエンのシンセが鳴り響き、テクニカルなインストを聴かせつつ
途中にはしっとりと美しいピアノに女性ヴォーカルも入ってきたりと、展開力も見せつける。
クラシックの要素もあったEGGをさらに優雅に繊細にしたという雰囲気もあり、
ジャズロックとしての名作という以上にメロディアスな美しさがあるのが素晴らしい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8.5
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National Health「Of Queues And Cures」

イギリスのジャズロックバンド、ナショナル・ヘルスの2nd。1979作
Hatfield and the
Northのデイブ・スチュワートとフィル・ミラーを中心に結成された、
カンタベリーシーンのスーパーグループ。そのの2作目にしてラスト作である。
ジャズロック的な軽やかなリズムの上に、クラシカルな素養を感じさせるデイブのオルガン、
シンセワークが鳴り響き、そこにセンスあるギターフレーズが重なって、じつに優雅で
メロディアスなサウンドを構築してゆく。1作目に比べていっそう肩の力が抜けたような
自然体のアンサンブルが、むしろテクニカルなフュージョン的な味わいで楽しめる。
個人的には女性声入りの1stが好きなのだが、完成度ではこちらも勝るとも劣らない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8.5
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NEKTAR「Journey to the Centre of the Eye(SACD)」

イギリス出身、ドイツで活躍したプログレバンド、ネクターの1st。1971/2004作(SACD)
NEKTARといえば、6作目の「Recycled」はシンフォニックの傑作として名高いが、
本作はまだ古めかしいサイケ風味のブリティッシュロックというサウンドだ。
ハモンドやメロトロンの叙情と、サイケロックがかったギターが合わさり、
ジャーマンロック的なラフさと浮遊感もある。元の音質がさほどでもないのか、
SACDで聴いているという感動はそんなにはないが、やはりアナログシンセの音は
この高音質メディアならではの臨場感がある。コンセプト的につながってゆく楽曲構成で
最後までのんびりと聴ける。ポップ化した後期の作品に比べ、英国めいた翳りがあるのもよい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 レトロな叙情度・・8 総合・・7.5
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NEKTAR「Tab in the Ocean」

イギリス出身のプログレバンド、ネクターの2nd。1972作
サイケロックぎみだった1stから、大きく変化したサウンドは
1曲めのタイトル曲からしてハードロック的方法論で構築された16分の大作で、
ギターとオルガンを中心に、山あり谷ありの展開でドラマティックに聴かせる。
後にIRON MAIDENがカヴァーする名曲“King of Twilight”を含め、
アルバムとしての完成度はかなり高く、本作は初期の最高傑作といえるだろう。
リマスター盤には1976年のニューミックスバージョンを全曲追加収録。
ドラムの音がパワフルになり、シンセやギターもややモダンな感じになっています。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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NEKTAR「Remember the Future(SACD)」

ネクターの4th。1973/2004作(SACD)
2曲の大曲で構成されたトータル作で、初期の代表作とされている。
1stに比べると音がだいぶやわらかくなり、メロディにもキャッチーさが増した。
曲の方は、長いわりにはなかなか盛り上がらないもどかしさ、散漫さがあって、
そのいわば洗練されきれないイモ臭さというものが、このバンドの魅力なのかも。
音自体は聴き心地のよい、後の英国プログレハード的な質感をもっているので
あまり身構えずに、この牧歌的なゆるやかさを楽しみつつのんびり鑑賞するが正しいのだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 のんびり度・・8 総合・・7.5
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NEKTAR「Down to Earth」
イギリス出身のプログレバンド、ネクターの5th。1974作
傑作「Recycled」の前作にあたり、それまでドイツを拠点としていたバンドが
アメリカ進出を狙ったアルバムということで、のっけからこれまでになくポップな印象。
キャッチーな歌メロなどはいかにも脱プログレしているようだが、じっくり聴けば
彼ら特有の屈折感というか、どこかポップになりきれないマイナーな香りが漂っている。
ジャケのようにサーカスをテーマにしているということもあって、哀愁を感じさせる叙情とともに
メロディアスなプログレ風ロックとして聴けば、それなりに楽しめる。
リマスター盤には別ミックス音源など7曲を追加収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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NEKTAR「Recycled」

イギリス出身のプログレバンド、ネクターの6th。1975作
欧米においては前々作「Remember the Future」の人気が高いらしいが、
とくにシンフォニックロックの点では、本作の出来がずば抜けて素晴らしい。
11パートに分かれた組曲方式の大作で、シンフォニックなシンセとギターが
絶品のバランスで組合わさり、ヴォーカルがまたドラマティックに歌を乗せる。
テーマや曲をつなげるプログレ的なアイディアも多く、たくさんのパートがやがて
スケールの大きな流れを生み出してゆく様は圧巻だ。適度な緊張感とともに、
濃密に聴かせる理想的なハードシンフォニックサウンドが繰り広げられる。
リマスター盤にはジェフ・エメリックによる別ミックス音源を全曲収録。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5
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NEKTAR「SUNDAY NIGHT AT THE LONDON ROUNDHOUSE」
ネクターのライブアルバム。1974作。CD2枚組。
2002年に復活ライブを果たし往年のファンを喜ばせたが、これはその彼らの全盛期のライブ音源。
おそらく3rd「REMEMBER THE FUTURE」発表後のステージで、
IRON MAIDENもカヴァーした初期の名曲“KING OF TWILIGHT”で幕を開ける。
年代を考えれば音質も良好で、2nd収録のメロディアスな佳曲“DESOLATION VALLEY”や、
CD2には、大曲“REMEMBER THE FUTURE”PART ONE、PART TWOを収録。
やや長尺感はあるものの、アルバム以上に躍動感に溢れた演奏が楽しめる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・8 総合・・7.5
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NEKTAR「Live in New York(SACD)」

ネクターのライブアルバム。1977/2004作(SACD)
1974年アメリカ、ニューヨークでのライブを収録した2枚組。
4th「Remember the Future」の成功を受けてのアメリカ進出ということらしいが、
演奏そのものもバンドの全盛期らしく、スタジオ盤以上にノリがよく、
ロックとしての勢いが感じられる。こういう生音のライブこそSACDだと
臨場感が増してよいのである。とくにDisc2での“Desolation Vally”や
“Cryng the Dark”〜“King of Twilight”あたりの流れはドラマティックだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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NEKTAR「GREATEST HITS LIVE」
70〜80年代ドイツ〜アメリカにかけて活動していたイギリス出身のバンド、ネクターのライブ作。
2002年アメリカ、Nearfestでの復活のライブステージを収録したCD2枚組。同タイトルのDVDもあり。
初期のアルバムから多く選曲されたこの復活ライブ作は、往年のファンにとってもまさに感動もの。
初期の彼らは、いうなればGENESIS的なメロディックな楽曲に、ハードロック的な感性をまぶし
聴きやすくブレンドしたという音楽性で、おそらく現在のHR好きにもアピールすることをやっていた。
IRON MAIDENがカヴァーした“KING OF TWILIGHT”を含め、名曲多数。
大作の「RECYCLED」はやはり見事で、構築されたシンフォニックかつハードロック的な楽曲は
70年代当時の作曲と考えれば素晴らしいクオリティ。ちなみに彼らのデビューは1971年。
キャリアではGENESISあたりと充分タメが張れるのだが、案外に知名度が低いのが惜しい。
シンフォニック&プログレハードの隠れたる名バンド。時を超えて2002年に復活音源が聴けるとは!
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 HR好きにもお薦め度・・9 総合・・8.5
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NEKTAR「Evolution」

イギリス出身のプログレバンド、ネクターの2004年作
主要メンバーの脱退などもあり80〜90年代は活動休止していたこのバンドが、
2001年になって突如新作を出してファンを驚かせたが、本作はその復活2作目となる。
サウンドの方は、さすがに枯れた味わいのメロディックなロックという雰囲気ながら、
随所にかつてのプログレ的な雰囲気を甦らせている。誤解を恐れずにいえば、
アメリカ的なキャッチーさとヨーロピアンな質感の合わさった世界観は、
KANSASあたりと同様の聴き心地で、まさにベテランならではの好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 大人の味わい度・・8 総合・・7.5
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The Nice
ナイスの3rd。1969作
ご存じの通り、後にELPを結成するキース・エマーソンが在籍していたバンド。
当初は女性シンガーのバックバンドとして結成され、ギター入りの4人編成であったが、
キーボードトリオとなった本作では、ELP前夜というべき演奏を聴かせてくれる。
若きエマーソンのクラシカルなピアノ、オルガンプレイはさすがであるが、
やや粗雑なヴォーカルや、ジャズ、クラシック風味の混ざったごった煮感が
楽曲としてまだ焦点のしぼりきれていないような感じがする。
逆に言うと、このバンドでの下地が後のELPに活かされたということだろう。
クラシカル度・・7 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7
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THE NICE「Five Bridges」

イギリスのクラシカルロックバンド、ナイスの4th。1970作
ご存じの通り、後にELPを結成するキース・エマーソンが在籍していたバンド。
本作はバンドのラスト作であり、1969年のFairfield Halls公演を収録したライブ作。
オーケストラとの競演によるステージで、タイトル組曲をはじめ、クラシカルな優雅さに
バンドサウンドが加わったサウンドで、エマーソンの巧みなオルガンプレイはすでにELP的だ。
クラシックとジャズ、ロックの融合をなしとげ、鍵盤に焦点をあてたこのバンドの意義は
ELPへと受け継がれてゆく。本作はオーケストラ入りロック作品の最初の輝きとも言えるだろう。
クラシカル度・・8 オーケストラ度・・9 オルガン度・・8 総合・・7.5
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P
Peter Gabriel

ピーター・ガブリエルの1stソロアルバム。1977作
「眩惑のブロードウェイ」を最後にGENESISを脱退したガブリエルは、
しばしの沈黙の後にソロ活動を開始。本作にはロバート・フリップ、トニー・レヴィンなども参加。
GENESIS時代の面影をいくぶん残しながら、よりモダンでポップな感覚をセンスよく取り入れ、
独自の世界観を描いてみせている。アレンジ面でも、オーケストレーションなどを含めて、
随所に細やかな繊細さが感じられ、既存のプログレ、ロックにとらわれない伸びやかさを感じる。
自身のヴォーカルはもちろん、フルートの美しい音色も、彼の新たな出発を告げるように輝いている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 内的叙情度・・8 総合・・8
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Peter Gabriel「V」

ピーター・ガブリエルの3rdソロアルバム。1980作
一般的にガブリエルのソロ代表作とされているのが本作だろう。
サウンドはより表現志向が強まり、ビートリズムの上にのるガブリエルの歌声も、
いよいよ力強さ増し、アレンジ面での思い切った仕掛けやダイナミズムとともに
作品としての強度が強まっている。ここにきてGENESISの影を完全に払拭し、
アフリカンなトラッドテイストも含めてワールドミュージックへの傾倒も感じさせる、
アーティスト、ガブリエルとしての己の求める音楽を確立させたというべき作品。
ロバート・フリップ、トニー・レヴィン、フィル・コリンズ、ケイト・ブッシュらがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 音楽表現度・・9 総合・・8
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Peter Gabriel「4(SACD)」

ピーター・ガブリエルの4thソロアルバム。1982作(SACD)
前作で聴けたワールドミュージックへの傾倒を、より内省的なサウンドの中に取り入れ、
あくまでポップな楽曲の中に、翳りあるモダンさというべき質感が内包されている。
80年代ロックへの回答というような、ガブリエル流の産業ロックという作風だ。
肝心のSACDだが、マルチではなく2chのみ。音的な迫力はあまりない。
トニー・レヴィン、デビッド・ローズ、ピーター・ハミルらがゲスト参加。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 音楽表現度・・8 総合・・7.5
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PINK FLOYD「Piper at the Gates of Dawn」

ピンクフロイドの1st。1967年作/邦題「夜明けの口笛吹き」
シド・バレットを中心にしたオリジナル・ピンク・フロイドの唯一のアルバムで、
サウンドはサイケ色の強い奇妙なポップロックという雰囲気で、
コーラスハーモニーはキャッチーであるのだが、どこか妖しい緊張感がある。
リック・ライトのオルガンがいかにもブリティッシュロック的に響きわたり、
狂気を含んだシドの声にはドラッグの香りが漂う。サイケとしての傑作。
英国度・・8 プログレ度・・7 サイケ度・・9 総合・・8
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PINK FLOYD「A Saucerful of Secrets」

ピンクフロイドの2nd。1968年作/邦題「神秘」
前作のポップサイケ路線から打って変わり、12分のタイトル曲をはじめとして
じわりとプログレ的な雰囲気が増した作品。東洋思想を思わせる観念的な静謐感と、
サイケロック寄りの浮遊感が融合し、しっとりとしたピアノやメロトロンなども美しい。
本作のレコーディング途中でシド・バレットがノイローゼのためグループを去り
デヴィット・ギルモアがグループに加入している。いわば新生フロイドとしての
生まれ変わりの途中のアルバムといえるだろう。地味ながら味わいのある好作だ。
英国度・・8 プログレ度・・8 サイケ度・・8 総合・・8
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PINK FLOYD 「More」

ピンク・フロイドの3rd。1969年作
映画のサウンドトラックに使われた音源で、鳥の鳴き声をバックにした
アコースティックな牧歌性と、サイケロック風味が合わさった作風は、
いくぶん統一感には欠けるものの、これはこれでフロイドらしくもある。
2、3分台の短い曲が多いのがいかにもサントラという感じで、物足りなさはあるが。
英国度・・8 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・7.5
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PINK FLOYD「Ummagumma」

ピンク・フロイドの4th。1969年作/邦題「ウマグマ」
スタジオアルバムとライブ音源の2枚組という変則的な作品であるが、
内容は初期の実験的な精神性の集大成ともいえるアルバム。
のっけから妖しげなメロトロンが鳴り響き、続いて美しいピアノの音色が
やがてアヴァンギャルドな不協和音へと変わる。鳥の鳴き声などが聞こえる
サイケロック的なピクニック感覚と、神秘的な静謐感が合わさった音作りは
聴き手をぐいぐいと引き込んでしまう深みがある。幻想的なメロトロンの音も美しいが
アコースティカルなフォーク的な牧歌性もいかにも英国的な情緒をかもしだしている。
ライブアルバムの方は1st、2ndから4曲を演奏。スタジオ盤以上に躍動的な演奏が楽しめる。
英国度・・9 プログレ度・・8 幻想度・・9 総合・・8.5
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PINK FLOYD「Atom Heart Mother」

ピンク・フロイドの5th。1970年作/邦題「原子心母」
オーケストラを導入したフロイド最高のシンフォニック作がこれ。
もっとも有名なアルバムである「狂気」のイメージが強いこのバンドだが、
実のところ筆者が一番好きなのは本作であり、オールインストの23分のタイトル曲は
オーケストラルな雄大さとドラマティックな美しさに満ちた見事な大曲だ。
もちろんフロイドらしい内的な情緒もあって、深みのあるコーラスワークに
ハモンドの音色が絡む部分などは、厳かな空気すらただよわせている。
実際のレシピが付いた“アランのサイケデリック・ブレックファスト”も洒落が効いている。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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PINK FLOYD 「Meddle」

ピンク・フロイドの6th。1971年作/邦題「おせっかい」
プロレスファンにはブッチャーの入場曲として知られる“吹けよ風、呼べよ嵐”で幕をあけ、
ラストには23分の大曲“エコーズ”が待っているという本作は、フロイドの代表作のひとつともされる。
ほの暗い叙情と英国フォーク風味の牧歌性を含んだサウンドは、耳には優しいものの、
A面2曲め以降はプログレとしての刺激はあまりないのだが、やはり聴き所は“エコーズ”だろう。
ゆったりと静かに始まりながら、メロウなギターとオルガン、キャッチーな歌メロが合わさって
楽曲はゆるやかに盛り上がる。後半のサイケ気味のパートも含めて、このバンドらしい好曲だ。
英国度・・8 プログレ度・・7 牧歌的度・・8 総合・・7.5
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PINK FLOYD「Obscured By Clouds」

ピンク・フロイドの7th。1972年作/邦題「雲の影」
「ラ・ヴァレー」という映画のサウンドトラック作品で、
ギターをメインにしたロック寄りの作風は「モア」に比べると分かりやすく、
牧歌的な叙情も含んだ耳心地の良さで普通に楽しめるアルバムだ。
かつてのサイケ的な感触が希薄な分、初期が好きな方には退屈かもしれない。
英国度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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PINK FLOYD「Dark Side of the Moon(SACD)」

ピンク・フロイドの8th、1973年作/名作、「狂気」のSACD盤
かつてプログレ初心者の頃、本作を聴いて、いったいこれのどこが名作なのだろうかと
さっぱり分からず売ってしまった記憶があるが、本作の真の魅力はLPで聴くか、
あるいはそれに匹敵する自然なフォーマットの音で聴かないと分からなかったのだ。
このSACDでは、この作品の本来の精細なダイナミズムというべきものが存分に味わえる。
とくにリチャード・ライトのシンセサウンドのこだわりは見事で、作品世界形成の核をになっている。
曲間の静かな部分にすら、なんらかの空気がただよっている。これはこれまでの通常CDでは
なかなか感じ取れなかったものだ。音を通じて作品そのものに引き込まれるような感覚…
これが名作たるゆえんだったのだ。そう理解出来る。まさにSACDで聴くべきアルバムだ。
プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 世界観度・・10 総合・・9
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PINK FLOYD「Wish You Were Here」

ピンク・フロイドの9th。1975年作/邦題「炎」
ベストセラーとなった「狂気」に続くアルバムで、こちらも負けずにファンの多い傑作。
なんといっても、このアルバムの聴きどころといえば、2部に分かれた計26分におよぶ
“クレイジー・ダイアモンド”だろう。シド・バレットに捧げたといわれるこの大曲は、
美しいシンセワークともの悲しいギタートーンとともにゆるやかに始まり、
哀愁と泣きの叙情を含んで、やわらかなヴォーカルメロディでじわりと盛り上がる。
リックライトのシンセが光る佳曲“ようこそタイムマシーンへ”、そしてタイトル曲である
“あなたがここにいてほしい”と、曲ごとの魅力は「狂気」以上ともいってよいかもしれない。
英国度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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PINK FLOYD「ANIMALS」

ピンク・フロイドの10th/1977年作
「資本家」「インテリ」「小市民」を豚・犬・羊に例えるという、痛烈な社会批評が込められた作品だが、
サウンドの方には難解さはなく、おだやかな薄暗さというものが感じられるメロディアスなアルバム。
とくにデイブ・ギルモアの流麗なギターワークが全編楽しめるという点では一番かもしれない。
ヒプノシスの手によるジャケットも広げて見るとまた素晴らしい。
最初とラストの小曲は、その優雅に空を飛んでゆくブタの光景が見えるようだ。
「炎」ではソフトすぎ、「狂気」では難解すぎ、という方にはうってつけの作品。
むしろPORCUPINE TREEなどを好む若いリスナーなどは本作から入るのもいいだろう。
曲で聴かせるコンセプト作としては次作「The Wall」と並ぶ出来だと思う。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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PINK FLOYD「The Wall」

ピンク・フロイドの11th/1979年作
「狂気」のブレイクにより、しだいにバンド内での立場を強めたロジャー・ウォーターズが
自身の考えたコンセプトに基づいて作り上げた2枚組のロックオペラ作品。
薄暗い叙情の好作「Animals」に続くアルバムとしては妥当な内容だと思うが、
初期のフロイドが好きな人間には、評価の微妙なアルバムのようである。
「聴衆との間に存在する壁」という、コンセプトとしては難解なテーマかもしれないが、
曲単位で聴けばむしろメロディアスな小曲の連続として、叙情的なサウンドが楽しめる。
重厚なシリアスさと、アコースティカルな素朴さを同居させた楽曲は、
決して派手なものではないが、ゆるやかなギターフレーズの泣きのメロウさや、
うっすらとしたシンセ、オルガンに包まれて、メッセージ的な歌声がやわらかに響く。
メロウ度・・8 壮大度・・9 コンセプト度・・9 総合・・8.5
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PINK FLOYD「Final Cut」

ピンク・フロイドの12th。1983年作
傑作「The Wall」の大成功の影で、バンド内では亀裂が大きくなり、リック・ライトが脱退し、
本作はロジャー・ウォーターズ主導により「ザ・ウォール」からの連続した作品として発表された。
歌ものとしてのキャッチーさとメロウな叙情性を含んで、ゆったりと聴かせるサウンドは、
やはり「The Wall」に通じるような雰囲気で、地味ながらもじっくりと味わえる。
本作を残してウォーターズは脱退。バンドはデイブ・ギルモアを中心に存続してゆくことになる。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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PINK FLOYD「Momentary Lapse of Reason」

ピンク・フロイドの13th。1987年作/邦題「鬱」
ロジャー・ウォーターズの脱退もありながら、バンドはデイブ・ギルモアを中心に存続、
本作ではゲスト扱いながらもリック・ライトが復帰し、他にも多くのゲストを迎えた内容になっている。
うっすらとした美しいシンセワークに、繊細なギターのトーン、日本盤タイトルから連想される暗さよりも、
むしろ、ゆるやかな曲調の中には随所に光があり、ギルモアのギターがメロディックに奏でられる。
社会的な大きなテーマを含んだロジャー時代の作風に比べると、いくぶんライトなというか、
コンセプトよりも音そのものが音楽であるという雰囲気に、過去のファンは物足りないかもしれないが、
ロックとしては普通に聴きやすい。次作「対」はよりメロウな美しさが際立った傑作となる。
メロウ度・・7 プログレ度・・7 叙情度・・7 総合・・7.5
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PINK FLOYD「PULSE」

1994年の「対」ツアーの公演を収録したピンク・フロイドの2枚組ライブアルバム。1995作
ロジャー・ウォータース脱退後のフロイドには賛否両論があるようだが、
伸びやかに弾きまくるギルモアのギターが魅力的な「対」はじつにいい作品だったと思う。
本作でのライブ演奏でも、ギルモアのギター、ヴォーカルを中心に、リック・ライトの絶妙のシンセワークや、
多数のゲストコーラスを加えてのベテランらしい気負いのないアンサンブルでじっくりと聴かせてくれる。
Disc2には名作「狂気」の完全再現を収録。これだけでも本作を聴く価値はあるだろう。
また、本ツアーの映像を収録したDVD「驚異」も必見だ。
プログレ度・・7 ギルモア度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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PINK FLOYD
「Is There Anybody out There? The Wall: Live 1980-1981」

ピンク・フロイドの代表作「The Wall」を完全再現したライブ作。2000年作
1980年から1981年にかけて行われたツアーから、イギリスのアールズ・コートでのライヴを収録。
時間をかけた壮大なステージセットや、アルバムの世界観を再現する演出の数々は
ブックレットの写真を見るだけでも感心するが、おそらくこの当時だからこそできたものだろう。
サウンドもステージの大きさに負けぬくらいに見事なもので、ゆったりとした曲調の中にも
緊張感と静寂の叙情があふれ、4人編成とは思えぬ濃密な空間を描き出している。
アルバム盤以上に楽しめるスケールの大きなライブ作品だ。
メロディアス度・・8 壮大度・・10 ライブ演奏・・8 総合・・8.5
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PINK FLOYD「ECHOES THE BEST OF PINK FLOYD」

ピンク・フロイドの2枚組みベストアルバム。2001年作
メンバー自身の選曲と、新たなリマスタリングがほどこされた楽曲の数々は、
単なるベスト盤というよりは編集し直されたひとつの作品として聴き通すことができる。
コンセプト作である「The Wall」、「狂気」、そしてシンフォニックな異色作「原子心母」は
オリジナルアルバムで聴くべき作品だが、これからこのバンドの全貌を知りたいという方には
駆け足のベストとして機能するだろう。このバンドの持つゆるやかな叙情と独特の薄暗さ、
プログレ黎明の60〜70年代の空気を俯瞰して味わえる、なかなかお得な企画ものだと思う。
プログレ度・・7 フロイ度・・9 ベスト度・・8 総合・・8
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Procol Harum

英国のロックバンド、プロコル・ハルムのアルバム。1967/2009作
名曲“青い影”で有名なこのバンドの1stの40周年記念エディション。
まず、かつての日本盤と異なり“青い影”がボーナストラック扱いとなっているのに驚くが
もともとオリジナルはそうだったのだろう。ブルージーなギターとハモンドオルガンの音色で
優雅に牧歌的に聴かせるサウンドは、いかにも英国の60年代という素朴さに溢れている。
プログレとして聴くには、よりクラシカルな傑作である次作「月の光」の方を薦めるが、
英国クラシカルロックの源流たる雰囲気をじっくり味わえる作品である。
クラシカル度・・7 プログレ度・・6 英国度・・9 総合・・7.5
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Procol Harum「Shine on Brightly」

英国のロックバンド、プロコル・ハルムのアルバム。1968/2009作
プロコルハルムといえば「青い影」の入った1stと、中期の傑作「グランド・ホテル」が有名だが
プログレッシブロックとして聴くとなると、本作「月の光」こそが最高傑作であると思う。
エレガントなハモンドオルガンの響きに、クラシカルな要素をもったコード進行、
どこをとっても英国らしさを感じる、気品と情緒に溢れたサウンドはじつに耳に心地よい。
アルバムのハイライトは17分にもおよぶ大作“IN
HELD 'Twas IN
I”で
プログレッシブな感性とクラシックのフレーズなどを取り入れた大胆な展開が素晴らしい。
TRANSATLANTICがカヴァーしたこの曲を含め、シンフォニックファンにもお薦めしたい作品だ。
40周年記念エディションには別バージョンやシングルなど11曲をボーナス収録。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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PROCOL HARUM「A SOLTY DOG」

ブリティッシュロックバンド、プロコル・ハルムの3rd。1969/1999作
クラシカルな傑作であった前作の流れを引き継ぐしっとりと優雅な1曲目から、
牧歌的なポップさの漂うカントリー調の2曲目という構成には、ややギャップを感じるが、
船乗りをテーマにした作品ということや、アメリカの市場を意識してのサウンドなのかもしれない。
もちろん英国らしい叙情性やオーケストラ入りの曲もあるが、前作「SHINE ON BRIGHTLY」に比べると
サウンドがシンプルに、より大衆的になったという印象で大人の渋さが光っている。
プログレファン以外はむしろ本作を気に入るかもしれない。リマスター盤には別テイクなどのボーナス5曲入り。
メロディアス度・・7 クラシカル度・・7 英国度・・7 総合・・7.5
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PROCOL HARUM
「Live〜In Concert With The Edmonton Symphony Orchestra」

ブリティッシュロックバンド、プロコル・ハルムのライブアルバム。1972/2009作
1971年、カナダはエドモントンでのライブ音源で、地元のオーケストラとの競演作。
オルガンの響きに優雅なオーケストラが合わさったことで、アルバム曲が壮大かつ
格調高い音に生まれ変わり、このバンドのクラシカルな側面がいっそう助長されている。
圧巻はやはり2nd「SHINE OF BRIGHTLY」収録の組曲、“In Held'Twas In I”で、
これがまたオケと絶妙にマッチしていて、クラシカルかつ壮大な一大組曲になっている。
40周年記念エディションには、ボーナスにシングルやリハーサル音源など3曲を追加収録。
クラシカル度・・9 英国度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Procol Harum「Grand Hotel」

英国のロックバンド、プロコル・ハルムのアルバム。1973/2009作
本作はポップ化の始まった時期のアルバムと言われるが、たおやかなピアノに絡む
ストリングスが美しいタイトル曲は、シンフォニックでじつに優雅な絶品の名曲。
2曲目以降も、確かにポップにはなっているが、英国ロックとしての質感は不変で、
ハモンドオルガンの音色にオーケストラ、しっとりとしたピアノのバラードなど、叙情性はたっぷり。
Srackridgeなどを思わせるユーモアのあるポップロック曲もあるが、それもなかなか味わいがある。
40周年記念エディションには、ボーナスに別バージョン2曲を追加収録
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 英国度・・9 総合・・8
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Procol Harum「Exotic Birds and Fruit」

英国のロックバンド、プロコル・ハルムのアルバム。1974/2009作
「異国の鳥と果物」というタイトルとこの美しいジャケがとても印象的だが、
内容も前作「グランド・ホテル」にさほど劣らない。いくぶんポップなテイストを含みつつ
オルガンやピアノがクラシカルに鳴らされ、バックにはオーケストラも美しい。
インパクトは薄いが、バンドとしての成熟がうかがえる安定したサウンドが楽しめる。
40周年記念エディションには、ボーナスに別ミックス曲など2曲を追加収録
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 英国度・・9 総合・・7.5
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PROCOL HARUM「Something Magic」

英国のメロディックロックバンド、プロコル・ハルムの1977年作
プログレ的に見るとこのバンドの最高作は2nd「月の光」だと思うが、
あるいはそれに続くのは18分の大曲を含む本作「輪廻」かも知れない。
中期の傑作「グランド・ホテル」以降のキャッチーなポップ感覚を残しつつ、
美しいオーケストラアレンジをバックに哀愁のメロディを聴かせてくれる。
そしてラストは、クラシカルなピアノの響きとともにシリアスに展開してゆく組曲で、
仏教の輪廻からテーマをとった壮大なシンフォニックロックが楽しめる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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Q
QUATERMASS

ブリティッシュロックバンド、クォーターマスのアルバム。1970作
ヒプノシスによるこのプテラノドンジャケが有名だが、
内容はハモンドオルガンが鳴り響くプログレ風味のハードロック。
ギターレスのトリオ編成でありながら、同じスタイルのELPとは違い
あくまでヴォーカル重視で聴かせる分かりやすいサウンドだ。
オルガンをバックに歌われるパワフルな歌唱にはマイナー臭さはなく
9分、10分という大曲では英国的な哀愁と叙情とを含んだ、
プログレ的な展開美も楽しめる。年代を考えればかなりの傑作だろう。
オルガン度・・9 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8
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R
RARE BIRD「As Your Mind Flies By」

ブリティッシュロックバンド、レア・バードの2nd。1970作
ギターレスのツインキーボードという個性的な編成で
ハモンドの鳴り響く叙情的なブリティッシュロックを聴かせる。
年代的にもプログレ前夜の牧歌的な味わいがあり、
ヴォーカルの粗さも含めてレトロな時代性を感じさせる音だ。
クラシカルな質感はPROCOL HALMあたりにも通じるものがあり、
とくに19分の組曲“Flight”は構成力の光る見事な出来だ。
2007年リマスター盤にはシングル曲など3曲をボーナス収録。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・7.5
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Refugee

イギリスのプログレバンド、レフュジーの1974年作
後にYESに加入するパトリック・モラーツと元NICEのメンバーによる唯一のアルバム。
きらびやかなモラーツのシンセワークを中心にした、NICEやELPを思わせるクラシカルな鍵盤プログレ。
いくぶんドタドタとしたドラムに、強引なまでにムーグシンセで押しまくりつつ、オルガンやピアノも鳴り響き
ときに歌もので盛り上げたりもするサウンドは、オランダのTRACEをやや粗削りにしたという雰囲気もある。
とくに長い組曲の出来が白眉で、クラシカルな優雅さと暑苦しい濃密さが同居した傑作である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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Refugee「Live in Concert-Newcastle City Hall 1974」
レフュジーのライブアルバム。2007作
1974年のニューキャッスルでのライブ音源を収録。
ハモンドとムーグを掻き鳴らす、クラシカルな繊細さとELPばりの勢いで
濃密に聴かせるライブ演奏は臨場感もあって、音質もなかなか良好。
クラシカル度・・8 ライブ演奏・・8 音質・・7 総合・・7.5
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Renaissance「Ashes Are Burning」

英国のクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1973作
「燃ゆる灰」のタイトルで知られるバンドを代表する傑作。紙ジャケリマスター盤。
美しいピアノが鳴り響く、1曲目の“Can You Understand”のイントロからして、
このバンドのクラシカルな叙情美がすべて味わえるという…もう最高である。
そこに瑞々しいアニー・ハズラムの歌声が加わると、世界はしっとりとした優しさに包まれる。
どこかまだフォーク的な牧歌性を残したメロディに、艶やかなストリングスが重なって
雄大でありながらも、英国の優雅な土臭さともいうべき感触がとても耳に優しい。
ライブでの定番曲“Carpet of the Sun”の爽やかさにはうっとりと聞き入ってしまうし、
11分に及ぶラストのタイトル曲は、フォーキーなやわらかさで始まりつつ、
クラシカルな間奏部をはさんでラストに向かって盛り上がる感動的な名曲だ。
クラシカル度・・9 叙情度・・9 女性Vo度・・9 総合・・9
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Renaissance「Turn of the Cards」

イギリスのクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1974作
「運命のカード」のタイトルで知られる名曲多数の傑作。紙ジャケリマスター盤。
名作「燃ゆる灰」と「シェラザード夜話」にはさまれて、今一つ注目度の低い本作だが、
内容では決して引けをとらない。艶やかなピアノによるクラシカルなイントロから、
軽快なリズムで始まる“Running Hard”は、典雅なハープシコードがオーケストラと合わさり
シンフォニックに聴かせる屈指の名曲。アニー・ハズラムの瑞々しい歌声も素晴らしい。
“Things I Don't Understand”はクラシカルで叙情味豊かなドラマティックな大曲で、
ラスト曲の“Mother Russia”の雄大な美しさとともにこのアルバムの核をなしている。
やはり聴き直しても本作も素晴らしい作品だ。この時代のルネッサンスに外れなし。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 壮麗度・・8 総合・・8.5
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Renaissance 「Scheherazade and other stories」

イギリスのクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1975作
「Prologue」から始まり「Ashes Are Burning」、「Turn of the Cards」、
そして本作と続く 第二期Renaissanceの初期4作はどれもが必聴の傑作なのだが、
その中でもクラシカルな壮大さの点では「シェエラザード夜話」のタイトルで知られる、
本作こそが最高傑作であると断言できる。紙ジャケ盤を見つけたので買い直しだ。
クラシカルなピアノのイントロから、アニー・ハズラムの艶やかな歌声が加わると、
ファンタジックなシンフォニックロック的質感にぐいぐいと引き込まれてゆく。
名曲“Ocean Gypsy”の泣きの叙情で軽く昇天した後、24分を超える組曲
“Song of Scheherazade”はまさに本作のハイライトというべき、
ドラマティックかつ壮麗なクラシカルロックサウンドで感動させてくれます。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 壮麗度・・9 総合・・9
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Renaissance「Live at Carnegie Hall」

英国のクラシカルロックバンド、ルネッサンスのライブアルバム。1976作/紙ジャケリマスター盤
バンド全盛期の1975年に行われたアメリカ、ニューヨークでのオーケストラとの共演ライブを収録。
一般的には後から出た「キングビスケット」ライブの方が評価が高くなってしまったが、
個人的にはこちらの音源の方が、音の湿りけがあるような感じで気に入っている。
“Prologue”からスタートして“Ocean Gypsy”、“Can You Understand”という流れは、
まさにこのバンドの美味しいところをすべて含んだ選曲で、クラシカルなピアノの響きと
アニー・ハズラムの絶品の歌声には何度聴いてもうっとりとなる。バックのストリングスの音が
少しくぐもっているのも、むしろメロトロン風味に聴こえたりしてシンフォニックでよろしいかと。
CD2は“Scheherazade”、“Ashes are Burning”という大曲2曲だけという構成も心憎い。
なんにしても、英国クラシカルロックバンドの必聴のライブアルバムである。
クラシカル度・・9 ライブ演奏度・・9 女性Vo度・・9 総合・・9
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Renaissance「Novella」


イギリスのクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1977作
最初に聴いたRenaissanceのアルバムがこれだった。今では「シェラザード〜」と「燃ゆる灰」が一番のお気に入りだが、
幻想的なジャケや「お伽話」というタイトルを含めて、本作は最初に聴くときにはとてもワクワクしたものだ。
壮麗なオーケストラから幕をあけ、アニー・ハズラムの絶品の歌声が響きわたる“Can
Tou Hear Me?”、
クラシカルな“Midas Man”にうっとりし、ラストを締めくくる壮麗な“Tuching
Once”まで、優しいお伽話に浸れる。
初期のようなフォークっぽさが薄れ、スタイリッシュな作風になった点で、一般のリスナーにも人気の高い一枚だ。
なお、イギリス盤とアメリカ盤ではジャケが異なる。右のアメリカ盤はリマスターされていて比較的入手しやすい。
クラシカル度・・8 美麗度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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RENAISSANCE「A Song for All Seasons」

英国のクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1978作
個人的にルネッサンスの傑作というと「プロローグ」から「ノヴェラ」まで、
という思い込みがあったので、まだこのアルバムを聴いておりませんでした。
しかしながら、実際にはその素晴らしさはむしろ前作以上で、
雄大なオーケストラをバックに、初期よりもキャッチーになったメロディと、
歌姫アニー・ハズラムの美声がじつに耳に優しく響きます。
「四季」というタイトルのように、自然体の美しさとやわらかさで聴かせる作品。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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RENAISSANCE「BBC SESSIONS」
ルネッサンスのライブ2枚組。1975〜1978の間にテレビ用に録音された音源。
オーケストラなしのバンドのみでの演奏なので、より生の彼らの音を感じることができる。
初期の名作「プロローグ」から「四季」までのベスト的な選曲で、音質も良好。
アニー・ハズラムの美声Voは言うに及ばず、リズムセクションの切れもよく、
オケなしでも楽曲の優雅な雰囲気はまったく損なわれていない。
音質・・8 演奏・・9 クラシカル度・・9 総合・・9
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RENAISSANCE
「KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS」
英国が誇るクラシカルロックグループ、ルネッサンスのライブアルバム。
1977年ロイヤルアルバートホールでの録音。CD2枚組。
これまでルネッサンスのライブCDといえば「カーネギーホール」だったが、
本作は録音的にはそれを上回る。何よりバックのピアノ、オーケストラの音が良い。
荘厳なオーケストラをバックに堂々としたアニー・ハズラムの歌唱。
「Song of Scheherazade」組曲のオケ入り再現は感動的。
Disc2では名曲「燃ゆる灰」、名作「運命のカード」からの楽曲がやはり素晴らしい。
メロディアス度・・9 クラシカル度・・9 オーケストラ度・・9 総合・・9
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Renaissance「Tuscany」

英国クラシカルロックバンド、ルネッサンスの復活作となる2001年作
アニー・ハズラムの美しい歌声に、クラシカルなピアノ、シンセワーク、
これぞルネッサンス節という往年を思わせるサウンドで聴かせる好作。
楽曲自体はコンパクトなものが中心ながらも、元CAMELのMickey Simmonsによる
美しいシンセアレンジも随所に効いていて、ゆるやかな美意識に包まれた音にうっとりとできる。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 アニーハズラム度・・8 総合・・8
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Renaissance「In The Land of the Rising Sun」

英国のクラシカルロックバンド、ルネッサンスのライブアルバム。2002作
2001年の「Tuscany」で復活を果たし、待望の来日公演を成功させたこのバンド、
その来日ステージをCD2枚に収録。1曲目の“Carpet pf the sun”から往年を思わせる
アニー・ハズラムの歌声にうっとり。続くのは「四季」の1曲目“Opening Out”、
シンセによるオーケストレーションも美しい。「NOVELA」からの“Midas Man”、
アルバム「トスカーナ」からの楽曲も素朴でいい感じだしMIKE OLDFIELDのカヴァー
“Moonlight Shadow”もアニーの歌声にマッチしている。Disc2は「運命のカード」からの
クラシカルな大曲“Mother Russia”〜「シェラザード夜話」の“Trip to the
Fair”の流れで
いきなり感涙。そしてラストは20分におよぶ“Ashes are Burning”で感動的に幕を閉じる。
まさに往年のファンも感動もののライブステージであったろう。これは生で見たかった!
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 ルネッサンス度・・9 総合・・8
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RENAISSANCE
「Dreams & Omens"Live" at the Tower Theatre 1978」

イギリスのクラシカルロックバンド、ルネッサンスのライブ音源。2008作
アメリカ、フィラデルフィアでの1978年のライブ音源を収録したもの。
1曲目はアルバム「お伽話」からの“Can You Hear Me”で幕を開ける。
定番曲ながら、歌姫アニー・ハズラムの瑞々しい歌唱はやはり素晴らしい。
「燃ゆる灰」からの“Carpet of the Sun ”をはさんで、「四季」からのダイナミックな大曲
“Day of the Dreamer ”へと続いてゆく。オーケストラはなくとも、美しいピアノの音色や
バンド自体の演奏も全盛期ということで安定しており、発掘音源にしては音質もまず良好だ。
ラストは「運命のカード」収録の“ Things I Don't Understand ”。ファンならば聴いて損のない音源だろう。
ライブ演奏・・8 音質・・8 ルネッサンス全盛期度・・9 総合・・8
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Renaissance「Live in Chicago」
英国クラシカルロックの代表格、ルネッサンスのライブアルバム。2010作
タイトル通り1983年のアメリカ、シカゴでのライブ音源で、時期的にはバンドとして
ポップになってきた頃なので、音にもクラシカルな優雅さよりもキャッチーな雰囲気が強い。
これまでの公式音源に比べると音質はやや落ちるので、ファン向けのアイテムだろうが、
“Ocean Fypsy”、“Ashes Are Burning”といった代表曲にはやはりうっとりである。
クラシカル度・・7 ライブ演奏・・7 音質・・6 総合・・7.5
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RICK WAKEMAN「Six Wives of Henry VIII」

元YESのキーボード奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1973作
「ヘンリー八世の六人の妻」という、いかにもリックの時代的なロマン主義が反映された本作は
鍵盤の魔術師リックのピアニストとしての魅力もたっぷりと味わえる逸品だ。
ムーグやハモンドなどの時代的な音色と、クラシカルなピアノの音色がゆるやかに交差し、
中世を思わせるロマンティックな世界観と、格調高い英国の気品が凝縮されている。
“Catherine Howard”の優雅なピアノの旋律には、誰もがうっとりとなるだろうし、
“Jone Seymour”での荘厳なパイプオルガンやハープシコードの雅びな響きも格別、
そして彼の代表曲ともなる“Catherine Parr”のハモンドの早弾きは圧巻である。
クラシカル度・・9 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8.5
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RICK WAKEMAN「Journey to the Center of the Earth」

元YESのキーボード奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1974作
「ヘンリー八世〜」に続くソロ2作目は、ジュール・ヴェルヌの「地底探検」をテーマにした作品である。
壮麗なオーケストラとコーラス隊をバックにしたがえ、リックのきらびやかなシンセワークが鳴り響き、
本家YES以上にクラシカルなサウンドが描かれてゆく。またキャッチーなメロディで歌われる
ヴォーカルパートは、物語を語るようなナレーションとともにロマンティックな趣で聴かせてくれる。
ライブ録音ということで音質は完璧ではないのだが、かえってそれが臨場感を高めている。
次作「アーサー王と円卓の騎士たち」を含め、文芸三部作とも呼ばれるリックの代表作である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・8 総合・・8
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RICK WAKEMAN
「Myths & Legends Of King Arthur & The Knights Of The Round Table」

元YESのキーボード奏者、リック・ウェイクマンのソロアルバム。1975作
「ヘンリー八世と六人の妻」、「地底探検」と、クラシカルで幻想的な作品を作り出してきた
ウェイクマンの極めつけのアルバム。「アーサー王と円卓の騎士たち」というタイトル通り、
アーサー王伝説をモチーフにしたファンタジックなシンフォニックロック作品である。
壮麗なオーケストラとともに、雄大でエピックな世界を描き出す手法は今作で完成されたといっていい。
中世を思わせる優美なチェンバロの音色や、リックの奏でるたおやかなピアノも美しい。
ヴォーカルパートのバランスもよく、いわゆる初期の文芸三部作の中では一番の完成度だろう。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 ファンタジック度・・9 総合・・8.5
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RICK WAKEMAN「"THE KING ARTHUR "CONCERT」
YESのキーボード奏者としておなじみ、リック・ウェイクマンのライブ(おそらくブート)アルバム。1976録音
ソロ作として数えきれないほどの膨大なアルバムを作り続けているウェイクマンだが、
やはり私としては初期のいわゆる文芸三部作("地底探検""ヘンリー八世""アーサー王")が思い入れ深い。
このCDはそのひとつ「アーサー王と円卓の騎士たち」の曲をメインにしたライブアルバムである。
ブートだと思われるが音質は年代を考えれば良好で、当時の生のライブサウンドを楽しめる。
クラシカルなメロディとでドラマ性に富んだ楽曲は、中世の世界を脳裏にかいま見せてくれる。
こうしたシリアスさ、シアトリカルなイメージが彼の鍵盤さばきと見事にマッチしていたと感じる音源だ。
クラシカル度・・8 キーボー度・・9 音質・・7 総合・・8
RICK WAKEMAN「Criminal Record」

イエスの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1977年作
邦題の「罪なる舞踏」という通り、犯罪をテーマにした作品であるが
美しいピアノやパイプオルガンなどクラシカルで優雅な美麗さと
オーケストラをバックにしたムーグシンセの軽やかな鍵盤さばきは
「地底探検」など初期の作風に近い。さすがという、きらびやかな鍵盤ロックである。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・9 総合・・8
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RICK WAKEMAN「WHITE ROCK」

イエスの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1977作
ソロ作は膨大な数にのぼるウェイクマンだが、やはり70年代の作品はどれもいい。
これは1976年オーストリアで行われた冬季オリンピックのための記録映画用の作品であるが、
いかにもウェイクマンらしい縦横無尽のシンセワークが楽しめる。きらびやかでありながら、
ときにしっとりとした幻想的な美しさもあり、ピアノも含めた巧みなシンセアレンジはさすが。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・9 総合・・8
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RICK WAKEMAN 「1984」

イエスの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1981年作
ジョージ・オーウェルの小説をモチーフにしたコンセプト作で、これは隠れた傑作。
華麗でクラシカルな序曲で幕を開けつつ、ヴォーカルの入ったキャッチーな感触と
80年代的なモダンなポップさが融合されたサウンドは、いま聴いてもじつに質が高い。
ウェイクマンの優雅な鍵盤さばきに、ゲスト参加のチャカ・カーンの伸びやかな歌声がまじり
シンフォニックな叙情性も含んでしっとりと耳心地がよい。次にジョン・アンダースンが歌いだすと
とたんにYESっぽくなるが、あくまでシンセワークが前に出ているのがやはりウェイクマン。
壮麗に盛り上がるラスト曲も素晴らしい。トータルな世界観を構築する力作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・8 総合・・8
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RICK WAKEMAN
「THE VERY BEST OF RICK WAKEMAN(1973-1979)」
リック・ウェイクマンのベストアルバム。
YES在籍時からソロ作を発表し続け、現在にいたるまでに100枚近くのアルバムを
出している大多作家キーボーディストであるリックの、70年代の曲を集めたベスト作がこれ。
「ヘンリー八世の六人の妻」「地底探検部」「アーサー王と円卓の騎士たち」
あたりの楽曲はクラシカルかつ優雅なシンフォニックとしてやはり素晴らしい。
いままであまり注目しなかった「ホワイトロック」「罪なる舞踏」といったアルバムからの曲も
こうして聴くとクラシカルで繊細なピアノの響きにはリックらしいメロディセンスを感じる。
おそらく選曲的にもベストでリック・ウェイクマンを初めて聴くという方にもオススメ。
全曲24ビットデジタルリマスターで音質もばっちり。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・8
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RICK WAKEMAN「LIVE」
リック・ウェイクマンのライブアルバム。1995作
曲順からすると「IN CONCERT」というタイトルで出ているキングビスケットの音源と
同一であると思われる。とすると1975年の録音。amazonでとんでもなく安く買える。
「地底探検」、「ヘンリー八世〜」、「アーサー王〜」という往年の名作からセレクトされた楽曲は、
リックのクラシカルなキーボードとともに、ライブでのロックアレンジもされていて
この頃のアルバムが好きだった私のようなファンからすると嬉しいかぎり。
音質もなかなか良好で、70年代のウェイクマンの音楽性をしっかりと伝えてくれる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
RICK WAKEMAN 「Retro」

YESの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンの2006年作
タイトル通り、ハモンドやムーグ、クラヴィネット、メロトロンなど、ヴィンデージな機材を使いまくった、
レトロなプログレアルバムで、まるで70年代に戻ったかのような作風に思わずにやにやします。
かつての名作「アーサー王」あたりで聴いたようなフレーズなども顔を覗かせ、
ヴォーカルにかつての盟友、アシュレー・ホルトが参加している点も大きいですね。
懐古主義と言われればそれまでですが、この古き良きサウンドはやっぱ心地いいんです。
クラシカル度・・8 古き良き度・・9 キーボー度・・9 総合・・8
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Rick Wakeman 「Retro 2」
英国を代表するプログレキーボーディスト、リック・ウェイクマンのソロ作。2007作
前作「1」は未聴だが、引っ越しの整理中に古めかしい機材を発見した
ウェイクマンが思い立って作ったところ、好評だったということで、これはその続編。
タイトル通り、ハモンド、ムーグ、クラビネット、メロトロンといった、古き良き時代の
レトロなシンセを使ったアルバムだが、鍵盤メインのソロ作というよりは、
ギターやヴォーカルも活躍する、意外とバンド編成の音になっている。
肝心の楽曲の方だが、往年のようなクラシカルな輝きは薄まり、
枯れた味わいの大人のロックと化しているのがやや残念だが、
曲によっては「ヘンリー八世〜」や「アーサー王〜」の頃を思い出すものもあって、
独特のムーグの音色を聴いていると、それら初期の名作たちがなつかしくなる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 レトロシンセ度・・8 総合・・7.5
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Rick Wakeman
「The Six Wives of Henry VIII: Live at Hampton Court Palace」

プログレ界を代表する鍵盤弾き、リック・ウェイクマンのライブアルバム。2009作
歳をへてもなお多作ぶりは変わらず、ヴィンテージ楽器をふんだんに使用したアルバム「Retro」で
プログレファンをまた喜ばせたと思ったら、なんと今回はあの名作「ヘンリー八世と六人の妻たち」の
完全再現ライブときた。壮麗なオーケストラを従えて、あの名曲たちが時代を超えて蘇る。
当時を思わせるムーグやハモンドの音色にオーケストラが加わり、クラシカルな楽曲たちが再現されてゆく。
早弾き部分でのプレイなどには、さすがに往年のような輝きはないが、ロマンに満ちた優雅さはこれぞR.W!
クラシカル度・・8 ライブ演奏・・7 名作再現度・・8 総合・・8
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Robert Wyatt「Rock Bottom」

元SOFT MACHINE〜Matching Moleのロバート・ワイアットのソロ作。1974作
事故による下半身不随を乗り越えて作られたソロ2作目。
リチャード・シンクレアやヒュー・ホッパー、フレッド・フリス、マイク・オールドフィールドといった
名うてのミュージャンが参加していることで、演奏的にも抜群で説得力があるのだが、
それ以上に、 悲しみと哀愁を感じさせながらも、どこかにやわらかなまなざしと
人間への希望が込められたようなこのサウンドには、とても暖かな深みがある。
プログレとして聴いて少々物足りないと思われた若いリスナーの方は、
人生の悲しみを味わった大人になったとき、もう一度聴き返してみて欲しい。
プログレ度・・7 悲しみ度・・9 優しさ度・・10 総合・・8
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S
Sally Oldfield「Water Bearer」

MIKE OLDFIELDの姉、サリー・オールドフィールドのアルバム。1978作
水音から始まる本作は、しっとりとしたアコースティカルな風味と
サリーの美しい歌声で聴かせる耳に優しいサウンドだ。
指輪物語をモチーフにした12分の組曲をはじめ、ファンタジー性に溢れた作品で、
やはりMIKE OLDFIELDにも通じる、自然との融合を感じさせる音作りで、
おおらかな質感と女性らしい繊細さが合わさった、実に優雅な味わいの作品だ。
ゆったりとまどろみながら、いつまでも聴いていたい。
メロディアス度・・9 しっとり繊細度・・10 女性Vo度・・9 総合・・8
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SAVAGE GRACE「The Complete」
アメリカのロックバンド、サヴェージ・グレイスの1970/71年作のカップリング2CD
同名のメタルバンドもいるが、こちらはアメリカのプログレ風ロックバンド。
キーボードを含む4人組で、70年作の方は、ブリティッシュロック的な牧歌性を
アメリカらしいおおらかなキャッチーさで包み込んだようなサウンド。
クラシカルなピアノの響きなど、PROCOL HARUMを思わせるような部分もあり
70'ロックとしての魅力はたっぷり。2ndになると、いくぶんハードなR&B色が強くなる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・7.5
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SKY「Squared」
イギリスのクラシカル・フュージョンバンド、スカイの2枚組ベストアルバム。1998作
クラシック・ギター界の貴公子と言われるジョン・ウィリアムスを中心に、
元CurvedAirのフランシス・モンクマンなども参加してデビューを飾ったバンド。
本作は1978年の1stから1984年の6thまでの曲を順番に収録したベスト盤だ。
クラシックギターの音色と、シンセなどによるフュージョン感覚が合わさって、
素朴なのだがモダンさもあるという不思議な質感を生み出している。
本格的にエレキギターを取り入れた2ndからは、プログレフュージョン的な色合いが増し
アレンジ的にもぐっとこなれて、やわらかなメロディが楽しめる優雅なサウンドとなっている。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 フュージョン度・・7 総合・・7.5
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SLAPP HAPPY「Casablanca Moon/Desperate Straights」

アンソニー・ムーア、ピーター・ブレグヴァド、ダグマー・クラウゼの3人によるスラップ・ハッピーのアルバム。1974/75作
のちに「Acnalbasac Noom」のタイトルで発表される楽曲を録り直した2nd「Casablanca Moon」と、
Henry Cowと合体して作られた3rd「Desperate Straights」のカップリング盤。
2ndはオシャレなタンゴ調で始まり、ダグマーの美しい歌声を中心に、カフェミュージックのポップ感覚や
チェンバーロック、牧歌的なカントリー風味などを感じさせながら、ゆったりと聴かせるサウンド。
3rdはHenry Cowのシリアスなアヴァンギャルド性が強く出ていて、プログレとしてより楽しめる。
チェンバーロック的な不穏な空気と、ジャズロック的な演奏が合わさり、ダクマーの歌唱にも力が入る。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SLAPP HAPPY「Acnalbasac Noom」

スラップ・ハッピーのアルバム。1973/80作
1973年に録音されたがポリドールから発売を拒否されたといういわくつきのアルバムで、
これを録音し直した「Casablanca Moon」の方が一般的には認知度が高い。
同じ曲であるのに、こちらの方は飾らない素朴さが、音のエッジを引き立てていて、
優雅でポップな印象の再録版に比べると、ぐっと玄人好みの雰囲気である。
ドイツのFAUSTのメンバーが参加していることもあり、演奏自体にいくぶんロック色が強まっている。
シャンソン風味のお洒落な軽やかさでは再録版を、バンドとしての方向性ではこちらを選びたい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SLAPP HAPPY「CAVA」

英国のカンタベリーポップバンド、スラップ・ハッピーのアルバム。1997作
アルバムとしては25年ぶりとなる本作は、かつてのような張りつめたアヴァンギャルドさはなくなり
ダグマー・クラウゼの歌声を中心にしながら、聴き安いキャッチーさが増しているが、
たゆたうような翳りの中に聴こえてくる独自のポップ感覚…その世界観は健在だ。
己の内側に向かうかのようなダグマーの静かな情感的な歌唱があるからだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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SOFT MACHINE「THIRD」

イギリスのプログレ・ジャズロックバンド、ソフト・マシーンの3rd。1971作
ロバート・ワイアット、ヒュー・ホッパー、マイク・ラトリッジの3人が中心となり、
硬派なジャズロック的側面と、サイケがかったアヴァンギャルドな要素が交錯した
濃密な作風で聴かせる。エルトン・ディーンのサックスがメロディを重ねると、
シリアスな構築型ジャズロックとしての整合感が現れる。
フリージャズ的な緊張感がサウンドの硬質感をひとつ高めていて、
18分以上の大曲が4曲という物凄い構成も含めて、聴き手をぐいぐい惹きつける。
また2007年の再発盤には1970年のライブ音源を収録したボーナスDiscが付いていて、
これが音質も良好な素晴らしいライブテイクとなっている。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・8 硬派度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SOFT MACHINE「4」

イギリスのジャズロックバンド、ソフト・マシーンの4th。1971作
エルトン・ディーンが正式加入し、サウンド的には前作にもあったフリージャズ要素が
さらに強くなっている。軽やかなリズムの上に鳴り響くサックスはジャズそのもの。
個人的にはプログレ的なスケールの大きさを感じた前作の方が好みだが、
バンドにとってはジャズへの傾倒を極めることも深化の過程に必要だったのだろう。
本作を最後にロバート・ワイアットはバンドを脱退する。
ジャズ度・・9 プログレ度・・7 硬派度・・8 総合・・7.5
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SOFT MACHINE「6」

イギリスのプログレ・ジャズロックバンド、ソフト・マシーンの6th。1973作
新たに鍵盤奏者としてサックスにオーボエもこなすカール・ジェンキンスが加入。
サックスに絡むエレピが美しく、また同時にフリーキーなジャズロックの中に
プログレッシブなスリリングさが戻ってきていて、雰囲気としては3rdに近いか。
ライブ録音とスタジオ録音の混合という形は、バンドとしての不安定な模索を感じさせるが
その中で出てきた緊張感が上手く音に現れているという言い方もできるかもしれない。
これまで以上にテクニカルなリズムが強調され、その点では最もプログレリスナーに
楽しめるアルバムかもしれない。個人的にもこれと3rdが初期〜中期ソフツのお気に入り。
ジャズロック度・・8 プログレ度・・8 硬派度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SOFT MACHINE「Seven」

イギリスのプログレ・ジャズロックバンド、ソフト・マシーンの7th。1973作
オリジナルメンバーはマイク・ラトリッジのみとなり、サウンドはフュージョン化が進み、
それとともに、これまでにあったような大曲は影を潜めてコンパクトになっている。
カール・ジェンキンスのシンセワークが前に出てきていることもあって、
これまでにないメロディアスな聴きやすさが本作の特徴だろう。
プログレ・フュージョン的な軽やかな質感が好みを分けるかもしれないが、
ジャズ、フュージョン、ロックをセンスよくクロスオーヴァーさせた好作である。
フュージョンロック度・・8 プログレ度・・7 硬派度・・7 総合・・8
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SOFT MACHINE「Bundles」

イギリスのプログレ・ジャズロックバンド、ソフト・マシーンの8th。1975作
長く廃盤だった本作が2010年リマスター再発された。日本でも人気の高いこのアルバムは、
ギタリストにアラン・ホールズワースが加わり、テクニカルなフュージョン風味がいっそう強まった作品。
前作「seven」より顕著になったカール・ジェンキンスのシンセを主導にしたフュージョン路線は、
テクニカルなホールズワースのギターと組み合わさることで、よりその密度を濃くしている。
インストのダイナミズムは、これまでのフリーキーなジャズロックのはるかに上をゆくもので、
聴き応えの点ではバンドの作品中でも次作「Softs」と並ぶ出来だろう。フュージョン・ジャズロックの傑作。
フュージョンロック度・・8 プログレ度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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SOFT MACHINE「SOFTS」

イギリスのプログレ・ジャズロックバンド、ソフト・マシーンの9th。1976作
前作「Bundles」とともに長く廃盤であった本作は、アラン・ホールズワースに代わって
元WOLFのジョン・エスリッジを迎えて作られた、プログレッシブ・フュージョンロックを極めた1枚。
ジョン・マーシャルの抜群のドラムとエスリッジのセンスあふれるテクニカルなギターワーク、
カール・ジェンキンスのシンセも楽曲をゆるやかに構築し、軽妙さと緊張感がせめぎ合う
見事なサウンドを描き出している。スケール感を感じさせる演奏という点では前作以上で
バンドとしてのひとつの到達点でもあるだろう。フュージョン・ジャズロックの最高傑作。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 プログレ・フュージョン度・・9 総合・・8
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SOFT MACHINE「Land of Cockayne」

イギリスのジャズロックバンド、ソフト・マシーンの1981年作
ほぼKARL JENKINSのソロプロジェクトとなったラスト作の、2010年リマスター再発盤。
John Marshall、Jack Bruce、Alan Holdsworthなど、名うてのメンバーが参加しているが、
サウンド自体は、緊張感の薄い、ゆったりとしたフュージョン風味のジャズロック。
ジェンキンスの美しいシンセにサックスが絡み、ときおり女性コーラスなども入ってきて、
のちのアディエマスに通じるようなアンビエントな質感もある。プログレとして楽しむには厳しいが、
これはこれとしてのんびり鑑賞できるし、よく言えば優雅でお洒落なモダンさが耳心地よい作品だ。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・7 フュージョン風度・・8 総合・・7.5
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Spring

イギリスのプログレバンド、スプリングのアルバム。1971作
その昔、トリプルメロトロンという触れ込みで、心踊らせて聴いてみたけれども、
牧歌的すぎてピンと来なかったのですが、今聴くとゆったりとした情緒が心地よいですね。
もちろんバックに鳴り響くメロトロンにもうっとりですが、
美しいピアノやアコースティカルなギターワークもいかにも英国的。
ブルージーなギターにハモンドなども重なって、70年代ロックとしての躍動感もあります。
2000枚限定の紙ジャケリマスター盤には、ボーナス3曲を収録。
メロディアス度・・7 牧歌的度・・8 メロトロン度・・8 総合・・7.5
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STACKRIDGE

英国のプログレポップバンド、スタックリッジの1st。1971作。
このバンドの音は、基本はビートルズ的なキャッチーなポップミュージックなのだが、
音がかもしだす雰囲気、曲のアレンジにはプログレファンにアピールするものがある。
ポップさの中にも皮肉めいたしたたかさや、ときおり聴かせるシンフォニックな音の重ねには
ついつい嬉しくなるとき、このバンドのセンスの良さをしみじみと感じるのである。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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STACKRIDGE「FRIENDLINESS」

英国のプログレポップロックバンド、スタックリッジの2nd。1972作。
ポップでキャッチーでありながら、時折見せる凝ったアレンジの曲つくりから、
「プログレファン向けのビートルズ」という評価もあるのがこのバンド。
やわらかみのあるヴォーカルメロディはまさに「英国」の音作り。
陽気なロックナンバーからストリングス入りのシンフォニックアレンジのものまで、
すべてがセンス良くまとめられ力まずに聴けるくせに、隠されたプログレ味に思わずにやりとする。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 隠しプログレ度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Stackridge「The Man in the Bowler Hat」

イギリスのメロディックロックバンド、スタックリッジの3rd。1973作
「山高帽の男」の邦題で知られるバンドの代表作。
まるでビートルズのようなポップなメロディに、プログレ的な感覚をまぶしたサウンドは、
まさに知的なメロディックロック。美しいヴァイオリンの音色を響かせながら、
キャッチーなコーラスハーモニーとともにやわらかに聴かせてくれる。
ジャケやタイトルを含め英国的なウイットに富んだ傑作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 英国度・・8 総合・・8
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STACKRIDGE「BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT」
イギリスのメロディアスロックバンド、スタックリッジのライブアルバム。
1972〜1975年までのBBCラジオでのスタジオライブの音源で、音質もまず良好。
たおやかなフルートが美しい“God Speed The Plough”から始まり、
キャッチーで軽快な“Lummy Days”の楽しいメロディとヴァイオリン、メロトロンの音色にうっとり。
この手のポップセンスのあるロックバンドとしては演奏力も抜群で、そういう点でもプログレファン向きだ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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STACKRIDGE「Extravaganza」

英国メロディアスロックバンド、スタックリッジの4th。1975作
70年代にそれぞれに質の高い5枚のアルバムを残した彼ら。
このアルバムは初期の3枚に比べると、さらにポップでキャッチーになっており、
大曲もなくコンパクトにまとまっているという印象。メンバーチェンジのせいもあってか、
初期の魅力であった牧歌的な雰囲気も薄れ、普通のソフトロックとしてさらりと聴ける。
美しいピアノやヴァイオリンなども含め、演奏力の高さはさすがだが、
プログレリスナーにとってはやや物足りないアルバムかもしれない。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 プログレ度・・6 総合・・7.5
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STACKRIDGE「MR.MICK」
イギリスのメロディック・ロックバンド、スタックリッジの5th。1976作
1st〜3rdあたりまでは、「作り込まれたキャッチーなロック」という雰囲気の
質の高いアルバムだったが、このアルバムでは意外とインストパートが多く、メロトロンやピアノ、
ハープシコードなどが多く使用されていて、サウンドにコンセプト的な色合いが強く出ている。
ところで、この作品自体は、1曲目がビートルズのカヴァーであるなど、
レコード会社による介入がバンド側としては気に入らなかったらしく
2000年には「THE ORIGINAL MR.MICK」として、曲順を変えた完全版が発表された。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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STACKRIDGE「SOMETHING FOR THE WEEKEND」

イギリスのポップ・ロックバンド、スタックリッジのアルバム。1999作
70年代に5枚のアルバムを残したあのスタックリッジのなんと新作である。
かつて「プログレ化したビートルズ」と形容された雰囲気はそのままに、
ブリティッシュロックの叙情と、キャッチーなポップセンスを今なお伝えてくれる。
マイク・エヴァンスのやわらかな歌声、楽しげなヴァイオリンやピアノの音色は
ソフトロックとして時代を超えてきたバンドとしての変わらぬ魅力に溢れている。
メロディアス度・・8 ポップでソフト度・・8 プログレ度・・6 総合・・7.5
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STACKRIDGE「Pick of the Crop」

復活したスタックリッジのライブアルバム。2000作
ポップだがけっこうプログレ受けする作品を70年代に何枚も発表していたこのバンドが
1999年に新作を出して復活、これはそれにともなうライブアルバムである。
もともと演奏力は抜群で、キャッチーな中にも楽曲にはひとひねりが加わっているので、
のんびりと耳を傾けつつ聴け、しかも案外飽きさせない。
ゲストによるヴァイオリン、フルート、アコーディオンなども加わり、じつに楽しげな演奏だ。
メロディアス度・・8 ポップでキャッチー度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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STACKRIDGE「The Original Mr. Mick」
イギリスのメロディックロックバンド、スタックリッジのアルバム。1976/2000作
1976年に発表されたアルバムは、レーベル側に編集されたものであったとして、
その24年後にバンド側が自分達の希望していたオリジナルな形で蘇らせた作品。
彼らにとってそれだけ思い入れのあった作品であったのだろう。
さて、ビートルズのカバーで始まったレーベル版に比べると、コンセプト作ということで
曲順はもちろん曲そのものも多くが差し替えられていて、かなり印象が異なる。
正直なところを言えば、彼らの持つやわらかでキャッチーな音楽性の魅力を考えると、
つかみのインパクトはやや弱く、ちゃんと聴き込まないと良さが分かりにくい気がする。
熱心なファンなら両方のバージョンを聴き比べるなどして楽しめるとは思うが、
ジャケを含めて考えると、個人的にはレーベル版の方が聴きやすくて好きかもしれない。
メロディアス度・・7 コンセプト度・・8 ジャケ・・1 総合・・7.5
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STEVE HACKETT「Voyage of the Acolyte」

スティーブ・ハケットのソロ1作目。1975作。2005年リマスター盤
キム・プーアの幻想的なジャケに包まれたこの作品は、ハケットの初期の最高作と名高い。
サウンドの方は、このアルバム制作時はまだGENESISに在籍していたこともあり、
フィル・コリンズ、マイク・ラザフォードらも参加していて、初期GENESISの面影を感じさせるものとなっている。
軽やかでメロディアスな1曲目から、2曲目以降はしだいにしっとりとした雰囲気となり
たおやかなフルートの音色に、つまびかれるアコースティックギター、
ゆるやかなメロトロンなどがジャケのような幻想的な美しさをかもし出す。
ボーナストラックには、1曲目“Ace of Wands”のライブバージョンと、
大曲、“Shadow of the Hierophant”のロングバージョンを収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり優美度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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STEVE HACKETT「Please Don't Touch!」

英国を代表するプログレギタリスト、スティーヴ・ハケットのソロ2作目。
静かで幻想的な作風だった前作に比べ、KANSASのスティーブ・ウォルシュをはじめ
多くのゲストを迎えて制作された本作は、キャッチーでコンパクトなサウンドが目立つ。
「ナルニア国物語」をテーマにした1曲目をはじめ、歌もの的で聴きやすい曲が多く、
アコースティカルな部分と、シンセなどのエレクトリックな要素がバランスよく使われている。
全体的に肩の力を抜いて聴け、メリーゴーランドのように楽しめるアルバムだ。
2005年リマスター盤には、ボーナストラック3曲を追加収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 幻想度・・7 総合・・8
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STEVE HACKETT「Spectral Morning」
スティーブ・ハケットのソロ3作目。1979作
全体的にプログレというよりは、聴きやすいキャッチーなメロディックロックであるが、
スティーブの繊細なギタープレイと、ピート・ヒックスやわらかなヴォーカルは、
プログレハード風の質感もあり、ニック・マグナスのキーボードの美しさもあいまって、
シンフォニック度ではおそらく同時期のGENESISのアルバムより上だろう。
2005年リマスター盤には、ボーナストラックにシングルや別バージョンなど7曲を追加収録。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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STEVE HACKETT「Defector」

スティーブ・ハケットのソロ4作目。1980作。2005年リマスター盤
ハケットの初期4枚はGENESISフリークにとっては、どれも聴いて損のないアルバムだろう。
ゆったりとしたテンポの上にギターのアラビックなメロディが乗る1曲目は、ややダークな雰囲気ながら、
ニック・マグナスによるシンセワークも美しく、ハケット節ともいえる繊細なフレージングが楽しめる。
続く2曲目は歌入りでキャッチーかつ爽やかな雰囲気だが、プログレ的な展開を聴かせる3曲目から、
それ以降も小曲中心ながら、内省的なゆるやかな質感と適度なプログレ感覚を巧みに織り込んでいる。
アコースティカルな美しさとたおやかなフルート、メロトロンも鳴りだす6曲目あたりも聴きどころ。
ボーナストラックにはライブ音源4曲を含む5曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆるやか繊細度・・8 総合・・8
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Steve Hackett「Highly Strung」

スティーブ・ハケットの1982年作
ソロ6作目となる本作は、前作「CURED」での80年代ポップ感覚を上手く昇華して
歌を含めてキャッチーなメロディをロックとしての躍動感に溶け込ませている。
伸びやかなハケットのギターはもちろん、ニック・マグナスのシンセワークも
きらびやかに輝いていて、随所にプログレ風味も感じさせてくれるのが嬉しい。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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STEVE HACKETT
「Guitar Noir & There Are Many Sides to the Night」

スティー・ブハケットの1993年のアルバム「Guitar Noir」と、
1995年のライブ作「There Are Many Sides〜」をカップリングしたお得な2枚組。
ソロとしては11作目くらいにあたる「Guitar Noir」は、ゆるやかなシンセをバックに
ハケットらしい繊細なトーンのギターが鳴り響く、耳に心地よいサウンド。
意外性やプログレ的な部分は少ないが、エレガントなギターの音色に
やわらかなヴォーカルメロディが上品でしっとりとした空気を運んでくる。
「There Are Many Sides〜」はギターとキーボードによる二人のみのライブ演奏であるが、
アコースティックギターの音色がとても美しく、静かでありながらも空間的なサウンドを聴かせてくれる。
自身のソロ曲をメインに、GENESISのナンバーも取り上げていて、優雅でゆったりとした音に浸れる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったりエレンガン度・・9 総合・・8
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STEVE HACKETT 「THE TOKYO TAPES」
スティーブ・ハケットの1996年日本公演のライブアルバム。CD2枚組。
メンバーは、ジョン・ウエットン、イアン・マクドナルドらの豪華布陣。
まずのっけから「WATCHER OF THE SKIES」で往年のGENESISファンの心を鷲づかみ。
ハケット自身のソロ作からの曲に加え、ASIAやKING CRIMSONの曲も披露。
とくに「THE COURT OF THE CRIMSON KING」はイアン・マクドナルドの存在も相まって
じつに素晴らしい演奏だ。「GENESIS REVISITED」に感激した往年のファンは必聴。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 名曲度・・9 総合・・8
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STEVE HACKETT「GENESIS FILES」
スティーブ・ハケットのGENESIS時代の曲のリアレンジをメインとしたアルバム。
CD2枚組みで全20曲収録だが、多くが1996年の「GENESIS REVISITED」とかぶるので、
あくまでファン向けのコンピレーションといったところだろうか。
その他にも近年のライブ作「TOHYO TAPES」からや、自身のソロ作からも収録された楽曲は
どれもがハケットらしい英国的な優雅さとメロディに満ちていて、かつてのGENESISファンには楽しめると思う。
メロディアス度・・8 GENESIS度・・8 GENESIS REVISITEDを持ってなければ買い度・・9 総合・・7.5
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STEVE HACKETT「Darktown」

スティーブ・ハケットのアルバム。1999作
のっけからビートロック調の曲で始まって驚くが、続くタイトル曲では
低い囁き声のようなエフェクトの入ったヴォーカルに、ダークな音色のギターで、
メロディアスでありつつも陰鬱であるという、異色な質感を聴かせる。
4曲めはオーケストレーションに加え、やわからみのあるヴォーカルが優しく歌を乗せる。
アルバム中盤以降は、ゆるやかなメロディとハケット節のメロウなギターが堪能できてひと安心。
全体的にはハケット自身の内的な世界観を表現した、やや暗めの叙情に包まれていて
とっつきは悪いかもしれないが、ディープな部分での彼の作り出す音がうす闇の中に見えてくる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 暗がりの叙情度・・8 総合・・7.5
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STEVE HACKETT「To Watch The Storms」
スティーブ・ハケットのソロアルバム。2003作。
これはかなりの傑作だ。アコースティカルな音色も聴かせる繊細なギターワークと
全体的にしっとりとしたシンフォニックな雰囲気は、黄金期のGENESISを思わせ、
そこにやわらかなヴォーカルラインが重なって、英国的な情感を作り上げている。
ロジャー・キングのキーボードワークも見事で、盛り上がる場面でのハケットのギターとの絡みは白眉。
「21世紀の精神異常者」へのオマージュを思わせるFなど、様々な曲調の詰まったアルバムだが、
翳りと湿りけを含んだ、ハケットらしいメロディアスロック作品だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとり繊細度・・9 総合・・8
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STEVE HACKETT「Wild Orchids」

英国を代表する叙情派ギタリスト、スティーブ・ハケットの2006年作
前作「To Watch th Storm」もかなりの完成度であったが、
今作ではのっけからオーケストラ入りでぐっとシンフォニックに聴かせてくれる。
2曲目以降はエスニック音楽をモダンに取り入れた曲や、アコースティカルな歌ものなど
楽曲の幅の広さは前作以上で、音楽家ハケットの懐の広さを改めて思い知らされる。
プログレ的なまとまりのある完成度では前作に軍配を上げるところだが、
今作ではひとつところにとどまらないハケットの音楽探究の精神を垣間見る思いがする。
シンフォニック度・・7 しっとりメロウ度・・8 多様度・・8 総合・・8
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Steve Hackett「Out of the Tunnel's Mouth」

英国を代表する叙情派ギタリスト、スティーブ・ハケットの2009年作
前作「Wild Orchids」から3年ぶりのアルバムとなる。
サウンドの方はシンフォニックかつ繊細なアレンジと、ハケットの流麗なギタープレイが光る
前作以上にメロウな内容。35年以上もここまで叙情にこだわり続けているのが素晴らしい。
前作で聴かれたモダンなリズムアプローチなど、曲のバラエティも豊富で飽きさせない。
ゆったりとしたアコースティックなナンバーも含めて、まさに円熟の極みという作品だ。
ボーナスDisc付きの2枚組には、2009年のライブ音源を収録。
メロディアス度・・8 しっとりメロウ度・・8 繊細叙情度・・9 総合・・8
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Steve Hackett「Live Rails」

元GENESISのスティーブ・ハケットのライブアルバム。2011年作
アルバム「Out of the Tunnel's Mouth」にともなう2009〜2010年の欧州ツアーのステージを収録。
スタジオアルバムでは、年月をへてもそのハケット節ともいうべきメロウなサウンドは不変であったが、
ライブにおいても同様で、よい意味でのマイナー感覚を残して、決してポップへと逃げない姿勢は素晴らしい、
スティーブ自身の泣きのギターは当然のように素晴らしく、味わいのあるヴォーカルも含めて
叙情派メロディックロックとしてのひとつの理想郷を描いている。ロジャー・キングの美しいシンセワークも、
シンフォニックな味わいをサウンドに付加しているし、コーラスもこなす女性ギタリスト、アマンダ嬢の存在も
なにげに効いている。Disc2では“Firth of Fifth”、“Los Endos”といったGENESIS時代のナンバーも披露。
ファン思いのハケットらしい、優しく優雅なライブアルバムである。叙情派の方々は必聴!
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 メロウ度・・9 総合・・8.5
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Steve Hackett「Beyond the Shrouded Horizon」

元GENESISのギタリスト、ステーブ・ハケットの2011年作
ライブアルバムに続き、ここのところ活発な活動をしているハケット先生、
その作品にハズレなしという通り、本作も繊細な叙情美に彩られた傑作。
つまびかれるアコースティックギターに、やわらかなヴォーカルとコーラスメロディ
どこか東洋的な色合いを感じさせる旋律とともに、幻想的な世界が広がってゆく。
年月をへても失わない瑞々しい感性が、楽曲の端々にきらめいていて、
ギタリストというよりも作曲家としてのトータルな雰囲気作りが素晴らしい。
もちろんメロウなギターもたっぷりで、女性ヴォーカルやオーケストレーションも含めて
作り込まれたアイデアの多さに感心しながら、泣きの叙情にうっとりとなる。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
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STILL LIFE

英国ハモンドロックの名盤とされる、スティル・ライフのアルバム。1971作。
怪盤の宝庫として知られる英ヴァーティゴレーベルの作品。紙ジャケ/リマスターで再発だ。
その内容はこれ全篇ハモンド鳴りっぱなし。曲自体は特異な展開もないオーソドックスで
なかなか渋い感じのブリティッシュロックなのだが、聴き所はやはりハモンドオルガン!
懐かしくやわらかなこの音色はじつに耳に心地よく、何か古きよき郷愁を誘うのである。
また、エモーショナルなヴォーカルのせいもあって、音にはマイナー臭さがさほどない。
そしてこの美しいジャケだが、広げると花びらの下に現れる骸骨というセンスもお見事。
メロディアス度・・7 英国度・・9 ハモン度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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STRAWBS「Just a Collection of Antiques and Curios」

ブリティッシュロックバンド、ストローブスの3rd。1970年作
ジャケのように古楽器を用いて録音されたアコースティックなアルバムで、
前作のゲストであったリック・ウェイクマンが加入しての初の作品となる。
典雅なチェンバロの音色で聴かせる中世風味のフォークサウンドに、
リックの奏でるオルガンやクラシカルなピアノも素晴らしい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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STRAWBS「From the Witchwood」

英国ロックバンド、ストローブスの4th。1971作/邦題は「魔女の森から」。
前作「骨董品」から参加したRICK WAKEMANが正式加入してのアルバム。
ゆるやかな叙情で聴かせる、アコースティカルで牧歌的なフォークロック風味のサウンド。
哀愁ただよわせるトラッド風のメロディや典雅な雰囲気には古楽的な香りもただようが、
リックのオルガンが入るとプログレらしさも現れ、MOODY BLUESあたりに通じる味わいもある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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STRAWBS「Grave New World」

英国ロックバンド、ストローブスの5th。1972作
前作を最後にウェイクマンは脱退したが、今作はストーリー的なコンセプト作ということで、
プログレ度はむしろ高まっている。オルガンの音色に絡むメロウなギターワーク、
クラシカルなピアノやメロトロンが鳴り、シンフォニックな美しさも聴かせてくれる。
英国らしい優雅さと素朴な叙情が合わさった傑作。BJHあたりが好きな方にもお薦め。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 英国度・・8 総合・・8
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STRAWBS「Hero and Heroine」

英国ロックバンド、ストローブスの6th。1974作
本作もコンセプト的な流れで聴かせるじつに美しいアルバム。
メロトロンが鳴り、たおやかなピアノにやわらかなコーラスワークなど、
叙情的で繊細な質感が増し、やわらかみのあるサウンドが耳に優しい。
一方ではポップなロック色もあり、初期のフォーク色は薄まってきている。
キャッチーな大衆性をしっとりとした情緒と融合させた好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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STRAWBS「Ghosts」

英国ロックバンド、ストローブスの7th。1974作
前作からの流れで、サウンドはよりキャッチーになり、
ポップなブリティッシュロックという雰囲気が強まった。
もちろん、彼らの持ち味である牧歌的なやわらかさは残っていて、
アコースティカルな情緒を折り込んだ優しいメロディックロックとなっている。
曲によってはメロトロンが鳴り響くドラマティックな要素もある好作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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Syd Barret「The Madcap Laughs」

元PINK FLOYDのシド・バレットのアルバム。1970作。邦題は「帽子が笑う…不気味に」
彼の飼っていた「ピンク」と「フロイド」という二匹のネコからバンド名をとり、PINK
FLOYDを結成、
だが皮肉にもバンドの人気が増すにつれ、精神的な疲れからシドはドラッグに浸るようになり
2nd「神秘」の制作途中に脱退を余儀なくされる。それから1年のブランクののちに発表された本作は、
SOFT MACHINEのメンバーが参加、ロジャー・ウォーターズ、デイブ・ギルモアのプロデュースで話題を呼ぶ。
サウンドの方はシドの内的な世界を映すような、孤独や愛への渇望などを綴った歌を中心にしたもので
初期フロイド的な浮遊感とサイケロック風味を含みながら、独自のポップ感性が光っている。
2006年にこの世を去った、「狂ったダイアモンド」ことシド・バレット。彼の残したソロ2作は今も語り継がれる。
メロディアス度・・7 内的度・・8 サイケ度・・7 総合・・8
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Syd Barret「Barret」

シド・バレットのアルバム。1970作。邦題は「その名はシド・バレット」
プロデュースは前作に引き続きデイブ・ギルモアと、離れていったロジャー・ウォータースに代わり
リチャード・ライトが参加。1st「帽子が笑う〜」同様に、浮遊感のあるサイケ風の感触に、
キャッチーで牧歌的なメロディを乗せた、ゆるやかな作風である。
シドの歌声は、ときにやわらかな優しさで愛を歌い、ときに不気味な怪しさで
人生の不条理を口ずさむ。愛に飢えた狂人。あるいは人はみなそうなのかもしれない。
本作の後、シドは公の音楽活動から離れ、二度と作品を発表することはなかった。
メロディアス度・・7 内的度・・8 サイケ度・・7 総合・・8
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T
T.2「It's All work Out In Boomland」
ブリティッシュロックバンド、T.2のアルバム。1972作
ギター、ベース、ドラムというシンプルな三人編成で、
基本はインスト主体のハードロックでドラムがヴォーカルをとる。
ブルージーなギターとドカドカとしたドラムでたたみかけるやや大味なサウンドながら、
クラシカルなピアノやブラスなども使われており、ジャズロック的なアプローチもある。
そして21分におよぶ大曲では、プログレ的な展開力でドラマティックに聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 英国度・・8 総合・・7.5
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TEMPEST「Tempest/Living in Fear」

ブリティッシュロックバンド、テンペストの1st、2ndカップリング。1973/1974作
元COLOSSEUMのジョン・ハインズマンがアラン・ホールズワース、マーク・コラークらと
結成したバンドで、ジャズロックのメンツでハードロックをやっているというサウンドが新鮮。
シンセやブラスなどは使わず、ギター主導のオーソドックスな編成なので、
ジャズロックというよりはテクニカルなブリテイッシュロックとして普通に楽しめる。
ホールズワースのジャジーでありながら、流麗なフレーズを聴かせるギターも聴き所だ。
2nd「Living in Fear」では、ホールズワースとポール・ウィリアムスが脱退し
代わってギターにオリー・ハルソールが加入。硬派な英国ロックであった1stに比べ
ハルソールの多彩なギターワークとともに、音にはキャッチーなポップ感覚が増したものの、
サウンドの要となるハインズマンの重厚なドラムテクニックはやはり素晴らしい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 英国度・・8 総合・・8
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Three Man Army「Third of a Lifetime」

ブリティッシュロックバンド、スリー・マン・アーミーの1st。1971年作
GUNのガーヴィッツ兄弟が、元SPOOKY TOOTHのドラムを迎えて結成したバンドで、
トリオ編成ながらも音の薄さはまったく感じさせず、のっけからハードに弾きまくるギターで
軽快にたたみかける。曲によってはWISHBORN ASH並にツインギターの格好よさも聴かせつつ、
ストリングス、メロトロンが鳴り響く叙情的なバラード曲も美しい。70年代英国ハードロックの傑作である。
メロディアス度・・8 スリリング度・・8 英国度・・8 総合・・8.5
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Three Man Army

ブリティッシュロックバンド、スリー・マン・アーミーの2nd。1973年作
2枚めがセルフタイトルで、3枚めが「Two」とは、なんともややこしいバンドであるが、
ツインギターで聴かせる格好いいブリティッシュ・ハードロックサウンドは1stの延長。
ブルージーな質感をかもしだしつつも、LED ZEPPELINなどとはまた違った、
ドラマティックなロックスタイルで、70年代の英国の音が好きなら問答無用で楽しめる。
メロディアス度・・8 スリリング度・・7 英国度・・8 総合・・8.5
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TOM NEWMAN「Faerie Symphony」

イギリスのミュージシャン、トム・ニューマンの1977年作
MIKE OLDFIELDの名作「Tubular Bells」のエンジニアとしても知られ、ソロとしてはこれが2作目。
ジャケの美しさもさることながら、サウンドの方も素朴な情緒に彩られた繊細なもの。
牧歌的なマンドリンにフルートの美しい調べ、しっとりと優しいアコースティックサウンドは、
Anthony Phillipsを思わせるような、中世の世界観を幻想的に甦らせる。
ケルティックなトラッド要素はやはりMIKE OLDFIELDにも通じる作風だ。
アコースティカル度・・8 幻想度・・8 繊細度・・9 総合・・8
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Tony Banks「A Curious Feeling」

GENESISのシンセ奏者、トニー・バンクスのソロ作。1979/2009作
2009年リマスター再発盤。かつてのジェネシスがポップ化した時期に出された本作は、
「GENESISよりもGENESISらしい」とファンの間でも長く人気の1作だ。
繊細かつ美しいシンセワークで、うっとりとするようなサウンドが楽しめる一方で
爽やかなヴォーカルの入ったメロディアスな歌もの曲にも味わいがある。
やはりこの人のシンセは耳に優しくて、実に気持ちいいのだなあ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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U
U.K.

イギリスのプログレバンド、UKの1st。1978作
プログレッシブロックに斜陽が差しはじめた70年代末に、
ジョン・ウェットン、ビル・ブラッフォード、エディ・ジョブソン、アラン・ホールズワースという
名うてのミュージシャン四人が終結し、ここにスーパーバンドを立ち上げた。
そのサウンドは、モダンなキャッチーさとテクニカルな構築性を有した、
ある意味、現代のプログレハード系バンドにも通じるスタイリッシュさを感じさせる。
きらびやかなシンセと聴きやすい歌メロを軸に、さりげなくテクニックを織り込んだ構成には、
大衆受けを狙いながらも、音楽的な高度な追求を成し遂げようとする意気込みがここにある。
しかし、ソロ志向の強かったブラッドフォードとホールズワースは本作かぎりで脱退、
結局、四人編成のスーパーバンドは奇跡的な1枚限りでの邂逅となった。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 スタイリッシュ度・・9 総合・・8
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U.K.「Danger Money」

イギリスのプログレバンド、UKの2nd。1979作
テリー・ボジオを迎えて三人編成となったことで、方向性が明確化するとともに
バンドでのエディ・ジョブソンの役割が相対的に大きくなったのは必然だろう。
ときに時代的なハモンドの音色も交えた絶品のシンセワークをバックに、
キャッチーなヴォーカルメロディを聴かせる楽曲は、GERARDやVIENNAなど
日本のプログレバンドたちにも大きな影響を与えたに違いない。
過去のプログレ感覚を要素のひとつとして取り入れたこのサウンドの心地よさは、
プログレ好きのためのプログレといえるだろう。きらびやかさでは前作以上の出来だ。
しかし、やはり本国においては日本ほどの人気は得られず、
バンドは伝説的なライブアルバムを残して終焉を迎えることになる。
つまり本作は、70年代最後の英国プログレの輝きであった。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ジョブソン度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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U.K.「NIGHT AFTER NIGHT」
イギリス伝説のプログレバンド、UKのライブアルバム。1979作
ジョン・ウェットン、エディ・ジョブソン、テリー・ボジオの3人編成となっての大傑作ライブ。
79年というプログレ衰退のこの時期に、堂々と変拍子を用いてテクニカルな演奏を見せつけつつ
ELP風味のいかにもなキーボードを曲に取り入れていたりと、確信犯的なプログレをしています。
この軽やかなセンスさは曲によっては日本のGERARDなどを連想するほどで、
エディのヴァイオリンも切れ味鋭く、楽曲、演奏共に超A級のライブアルバムの名盤です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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UKZ「Radiation」

エディ・ジョブソンを中心に、アレックス・マクヘイサック、トレイ・ガン、マルコ・ミネマン、アーロン・リッパート
という凄腕のメンバーが集結。バンド名からはどうしてもかつてのU.K.のような音を想像してしまうが、
実際はもっとヘヴィでモダンなサウンド。ダークめの質感にはKING CRIMSON色をいくぶん含みつつ、
随所にテクニカルなインタープレイを聴かせるあたりはさすが。メロディアスなプログレを期待すると
やや肩すかしだが、現代におけるプログレッシブロックのひとつの存在の仕方を提示しているという点では
大きな意義がある。4曲入りで21分という長さはやや物足りないが、フルアルバムに期待したい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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URIAH HEEP「Very 'Eavy...Very 'Umble」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの1st。1970作
オルガン入りのハードロックということで、プログレファンからも評価が高いこのバンドだが、
この1stの時点では、後のプログレッシブな構築性よりは、むしろ暴れ回るオルガンに
ヘヴィなギターで聴かせる、BLACK SABBATHを思わせる薄暗さを感じるスタイルで、
ほのかにブルージーな香りも残している。未完成な荒さの中にも英国然とした質感が魅力的だ。
リマスター盤には、未発音源やBBCセッションの音源など8曲をボーナス収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・7.5
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URIAH HEEP「Salisbury」

ユーライア・ヒープの2nd。1971作
前作よりも楽曲の構築力が上がり、プログレ的な雰囲気が増している。
うなりを上げるギターにオルガン、メロトロンの音色が美しく、まさに
ブリティッシュロックのすべてがここに詰まっているというサウンドである。
歌メロやコーラスワークなどにはQueenなどと同様の当時の英国らしい美しさもあり、
アコースティカルなパートでの楽曲のメリハリなども含めて、よりプログレ的に洗練されている。
とくに15分を超えるタイトル曲はドラマティックなアレンジが見事。バンド初期の代表作といえる。
リマスター盤には、未発音源やシングルバージョンなど6曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8
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URIAH HEEP「Look at Yourself」

ユーライア・ヒープの3rd。1971作
「対自核」という邦題で有名なバンドの代表作。GAMMA RAYもカヴァーしたタイトル曲をはじめ、
いかにも英国らしい叙情と、勢いのあるオルガン入りのハードロックが楽しめる傑作。
ギターリフ、メロディの格好よさに磨きがかかり、まさにバンドの絶頂期というべき音が溢れており、
前作までの土臭さが薄らぎ(それも好きなのだが)スタイリッシュになった分とっつきがよくなった。
ブリティッシュロックとしての代表作が前作なら、本作はハードロックとしてのヒープの代表作だろう。
リマスター盤には、別バージョンやBBCセッションの音源など7曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 英国度・・9 総合・・8
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URIAH HEEP「Demons and Wizards」

ユーライア・ヒープの4th。1972作
「悪魔と魔法使い」というタイトルとロジャー・ディーンによる美しいジャケが印象的。
サウンドも前作とはうって変わり、アコースティカルで牧歌的な“The Wizard”で幕を開ける。
全体的には、後のポップ化の萌芽もかすかに感じられる聴きやすいキャッチーさと、
コンパクトにまとまった曲が多く、前2作に比べると濃密さではやや聴き劣りはするが、
もちろん彼ららしいオルガン鳴り響くハードなナンバーもあり、バランスのとれた好作である。
リマスター盤には、未発音源や別バージョンなど5曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・8
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URIAH HEEP「The Magician's Birthday」

ユーライア・ヒープの5th。1972作
邦題は「魔の饗宴」、一般の評価としては前作に劣るということだが、
個人的には前作の続編的に楽しめるアルバムだと思う。
曲によってはよりキャッチーでシンプルなものもあるが、
英国的な叙情とドラマティックな雰囲気はまだ充分に残っているし、
とくにヴォーカルのデビット・バイロンの歌声は今作がとくに素晴らしい。
リマスター盤には、未発音源や別バージョンなど9曲をボーナス収録。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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URIAH HEEP「Sweet Freedom」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの6th。1973作
「悪魔と魔法使い」、「魔の饗宴」の成功で勢いを得たバンドが、アメリカ進出を狙った1作。
前作までの幻想的な世界観は薄まり、キャッチーなメロディで聴かせるサウンドは
一聴してポップになった風にも感じるが、ヘヴィなギターに絡むケン・ヘンズレーのオルガンは
いかにも英国的で、全体的にもブリティッシュロックとしての質感はちゃんと残っている。
メロディアスなヒープという点では、むしろ代表作にもなりうる傑作だと思う。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 英国度・・9 総合・・8
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URIAH HEEP「Live '73」

ユーライア・ヒープのライブアルバム。1973作
4th「Demons and Wizards」以降、メロディックでキャッチーな作風へと変化してきた彼らだが、
ここで聴けるのは、まさしく初期を思わせるブリティッシュ・オルガンハードロックで、
スタジオ作以上熱気を帯びた演奏が楽しめる。掻き鳴らされるケン・ヘンズレーのオルガンの音色に、
デヴィッド・バイロンのヴォーカルの存在感も素晴らしい。英国を代表するバンドの熱きライブ作だ。
リマスター盤のボーナスDiscには、ラジオ音源などを12曲収録。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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URIAH HEEP 「Wonderworld」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの7th。1974作
アメリカ進出を狙った前作のキャッチーさを引き継ぎつつも、
プログレハード的な聴き心地を残した好作。1曲めのタイトル曲のバラードは
しっとりした英国的な聴き心地の佳曲。その後はブルージーなハードロックに
キャッチーなヴォーカルメロディを乗せた、比較的シンプルな曲が多く
インパクトには欠けるが、総じて出来はそう悪くない。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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URIAH HEEP 「Innocent Victim」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの11th。1978作
ヴォーカルにジョン・ロートンを迎えての2作目。ポップな印象の前作の流れをくみつつも
より洗練されたキャッチーさでハードポップとしての醍醐味を味わえる好作に仕上がっている。
ジョン・ロートンの伸びやかな歌声に、やわらかなオルガンの音色が交差し
やはりどう聴いても英国からしか出て来ないサウンドである。中期の傑作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 英国度・・8 総合・・8
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URIAH HEEP 「Fallen Angel」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの12th。1978作
かつてクリス・アチレオスのファンタジックなジャケに惹かれて買ったアルバムだが、
内容の方も今聴くと、アダルトなブリティッシュハードとして普通に楽しめる。
キャッチーなコーラスハーモニーや、オルガンを含むシンセアレンジで、
耳心地のよい英国ハードロックを聴かせてくれる。派手さはないがなかなかの好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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URIAH HEEP「Wake the Sleeper」

ブリティッシュロックバンド、ユーライア・ヒープの2008年作
1998年の「SONIC ORIGAMI」以来10年ぶりのアルバムで
のっけから激しく疾走する勢いの良さに、オルガンの音色が絡む
全盛期のヒープサウンドを彷彿とさせる作風で、むしろびっくり。
古き良きブリティッシュハードの香りをしっかりと残しつつ、
ただ古臭くはならないパワフルな演奏はさすがベテランである。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 ヒープ度・・9 総合・・8
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V
VAN DER GRAAF GENERATOR
「The Least We Can Do Is Wave to Each Other」

イギリスのプログレバンド、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの2nd。1970作
派手さはないが通好みのバンドとして評価が高い彼らの初期の傑作。
ゆるやかなベースのグルーブ感に、ピアノやサックス、メロトロンが重なり
薄暗い叙情をかもしだすサウンドに、ピーター・ハミルの歌声が乗る。
インスト部分はジャズロック的な質感もあるが、軽やかでもテクニカルでもなく、
もっと内的表現的な穏やかなやわらかみがあるのが特徴。
ハミルの歌声はときにじつに繊細に、優しく詩を歌い上げるかのようで、
クリムゾンの宮殿にも通じる叙情美はじつに耳に心地よい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
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VAN DER GRAAF GENERATOR「H to He Who Am the Only One」

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの3rd。1970作
一聴して演奏面でのまとまりが増し、バンドサウンドとして完成された印象。
プログレッシブな構成力が強まったことで、シンセやサックスの役割がはっきりとなり
楽曲自体が生き生きとしてきた。変即リズムを取り入れたテクニカルな要素も増え、
しっとりしたフルートやハミルの歌声を聴かせる叙情曲とのメリハリがついた。
スケールの大きな大作志向も顕著になってきたが、楽曲の密度も上がっている。
プログレという点に関しては、本作と次作「Paun Hearts」が最高であろう。
2005年リマスター盤には、15分の未発曲やバージョン違い曲をボーナス追加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・7 総合・・8
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VAN DER GRAAF GENERATOR「Pawn Hearts」

イギリスのプログレバンド、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの4th。1971作
一般的にVDGGの最高作とされるアルバム。どこかスペイシーなハモンドの音色に、
ピーター・ハミルの個性的な歌声が響きわたり、不思議な壮大さが広がってゆく。
サックスも入ってジャズロック的な要素もありながら、絡みつくような濃密さが音にあり、
気持ち悪い一歩手前という雰囲気が、つまりはとても個性的でもある。
KING CRIMSONにも匹敵する音の強度と、アヴァンギャルドな感覚を有して
たたみかけるこの質感は、後のイタリアのヘヴィプログレなどにも影響を及ぼしたと思われる。
全3曲という大作志向のアルバムで、とくに後半の23分の組曲が圧巻だ。
2005年リマスター盤には、未発曲やバージョン違いなど5曲をボーナス追加。
プログレ度・・9 濃密度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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VAN DER GRAAF GENERATOR「Godbluff」

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの5th。1975作
いったんはソロ活動に身を置いていたピーター・ハミルが4年ぶりにVDGGとしての
活動を再開。バンド第二期のスタートを告げるのが本作である。
サウンドの方は、初期の雑多な音楽性からはいくぶん整理され、
ずいぶんとスマートになっている。ハモンドとフルートが美しく鳴る中を
ハミルの歌声が詩情豊かに重なって、じつに叙情的な雰囲気だ。
もちろんプログレ的な展開力もしっかりと随所で聴かせてくれ、
ボーナスを除くと4曲32分という短さであるが完成度の点でも隙がない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 叙情度・・9 総合・・8
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VAN DER GRAAF GENERATOR「Still Life」

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの6th。1976作
よりメロディアスに聴きやすくなり、ピーター・ハミルの歌ものとしての最高作といえる。
ハモンドやシンセの美しい音色にサックスが絡み、厚みを増したサウンドが
ハミルの歌唱を感動的なまでに盛り上げる。ときに少年のようにやわらかく繊細に
ときに狂気をはらんでガナりたてるその歌の表現力は、いよいよ孤高の域にまで高まっており、
楽曲の説得力を否が応にも引き立てる。しっとりと聴かせながらもどこか張りつめた
彼の心の緊張感がただようような、じつに美しい作品だ。これも代表作の1枚。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・10 総合・・8.5
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Van der Graaf Generator「World Record」

イギリスのプログレバンド、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの7th。1976作
1975年の「Godbluff」、76年の「Still Life」と素晴らしい完成度のアルバムを立て続けに発表し、
本作が全盛期のVDGG名義としてはラスト作となる。ハミルの歌唱がメインであった前作に比べ
今作はより楽曲志向の構成になっていて、オルガンに絡む大胆にサックスの使い方など、
ジャズロック的なアプローチもかいま見せつつ、スペースサイケ風の壮大さとともに
ごった煮的なアヴァンギャルド要素を炸裂させて濃密に聴かせる。20分を超える大曲“MeuglysV”も圧巻。
叙情性の点では前2作に軍配が上がるが、プログレッシブということでは本作が一番かもしれない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 叙情度・・7 総合・・8
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Van Der Graaf「Quiet Zone/Pleasure Dome」

ヴァン・ダー・グラフの1977年作
ヒュー・バントンとデヴィッド・ジャクソンが脱退し、ニック・ポッターとグラハム・スミスを迎え、
バンド名を短縮して発表された作品。A面、B面が別のタイトルがつけられたアルハムで
ヴァイオリンが鳴る軽やかなジャズロック風味と、ピーター・ハミルの独特の歌声で
適度な緊張感とユルさの同居した作風で、これはこれでなかなか味がある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 叙情度・・7 総合・・7.5
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PETER HAMMILL「FOOL'S MATE」

ヴァン・ター・グラフ・ジェネレーターのリーダー、ピーター・ハミルのソロアルバム。1971作
4th「Paun Hearts」でVDGGの活動に一区切りをつけたピーターはソロに転じ本作を発表。
ここで聴けるのは、VDGGの大作志向とはやや異なり、3〜4分台のコンパクトな曲ばかりで、
明るめのロックナンバーから、薄暗い叙情曲などさまざまだが、結局はハミルの歌声が入ると
どれもが彼の楽曲になる。ピアノやシンセのアレンジなどにクラシカルな素養を覗かせながら、
味わいのある小曲が続く。VDGGのような壮大さはないので、肩の力を抜いて聴けるアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 ハミル度・・9 総合・・8
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Peter Hammill「The Silent Corner And The Empty Stage」

VDGGのピーター・ハミルのソロ3作目。1974年作
バンド解散中に作られたアルバムで、次作の「In Camera」と並んで評価の高いアルバム。
アコースティカルな素朴さの中に、己の内面をえぐりだすようなハミルの歌声に引き寄せられる。
不穏なギターの響きやダークな世界観は、VDGGにも通じるものだが、より私的で繊細な感情が
ここには込められている。ラストの12分の大曲もプログレッシブな構成で圧巻の出来だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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PETER HAMMILL「In Camera」

ヴァン・ター・グラフ・ジェネレーターのピーター・ハミルのソロ4作目。1974年作
VDGGのいったんの解散後に作られた3作目のアルバムで、ファンの間ではハミルの最高作とされる。
確かに、静かな叙情性と薄暗さの同居した世界観という点で、ディープなアルバムだ。
美しいピアノに重なる、詩人ハミルの歌声には、どこか厳かな悟りのようなものも感じられ
作品全体に静かなるパワーのようなものがある。効果的に使われるムーグシンセの音も
プログレファンには受けるだろう。後半の2つの大曲も聴きどころ。濃密なアルバムだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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PETER HAMMILL「Over」

ヴァン・ター・グラフ・ジェネレーターのピーター・ハミルの1977年作
長年のパートナートの別れを感情で表現するようなハミルの歌声が響きわたる。
VDGGのメンバーが録音に参加しているので、ロック/プログレ色もけっこうあり、
テーマを気にせずに聴いても普通に楽しめる。ヴァイオリンやピアノが美しい
しっとりとした曲では、己の内なる悲しみを吐露するような歌声がまたよいんです。
一転、アコースティックギターの音色とともにハミルの感情が爆発する曲もステキです。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 悲しみの情感度・・8 総合・・8
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Van Der Graaf Generator「Present」

イギリスのプログレバンド、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの復活作。2005作
1977年の「The Quiet Zone/The Pleasure Dome」以来、じつに28年ぶりとなるアルバムで、
歌入り6曲とインプロで聴かせるインスト10曲を分けたCD2枚組という編成。
サックスが鳴り響き、レトロなオルガンの音色がかぶさる中を、ゆったりとそして朗々と
ピーター・ハミルの歌声が響きわたると、それだけでもうかつてのVDGGが甦るようだ。
この声に秘められた思いそのものがハミルの表現なのだ。70年代のサウンドを色濃く残しつつ
いくぶんモダンでヘヴィな質感も取り入れている。歌もののDisc1に対してDisc2での演奏は、
ジャズロック的な優雅な軽やかさと、即興的な自由度と大人の余裕を聴かせる演奏が素晴らしい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 VDGG度・・9 総合・・8
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W
web「i spider」

イギリスのジャズロックバンド、ウェブのアルバム。1970作
このジャケのインパクトがなかなか強烈なwebのサードアルバム。
基本はサックス入りのジャズロックなのだが、サイケがかった妖しさと、
ブリティッシュロック的な湿りけが感じられるので、プログレとしても楽しめる。
いくぶんアクのあるヴォーカルとともに押しの強い演奏に気押されていると、
優雅なピアノが鳴りだして繊細なパートがしっかりあるのがなかなか心憎い。
まさにマニア好みのブリティッシュロックのレアアイテムというべき作品。
ジャズロック度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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The Who「Tommy(SACD)」

ザ・フーのアルバム。1969/2003作(SACD)
LP2枚組のロックオペラとして作られた本作は、少年の頃の事件をきっかけに
なにも見えず、聴こえず、話せなくなってしまったトミーという名の若者が
苦難のはてに、やがて心の自由を得るまでを描いた壮大なコンセプト作。
基本は牧歌的な温かみのある古き良きメロディックロックの質感でありながら、
曲間をつなげるプログレ的な構成で、壮大なストーリーを感じさせる作りが見事。
デラックスエディションのDisc2にはデモや未発曲などを収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・8
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WISHBONE ASH「Pilgrimage」

ブリティッシュロックバンド、ウィッシュボーン・アッシュの2nd。1971作
「巡礼の旅」と題された本作は、名盤「百眼の巨人アーガス」へとつながる作品であるが、
次作のような流麗なツインギターはさほど聴かれず、ややブルージーな感触の
ブリティッシュロックという趣だ。8分、10分という大曲ではプログレ的な展開力と
英国らしい叙情性も盛り込んで、なかなか楽しませてくれる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 英国度・・8 総合・・7.5
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WISHBONE ASH「ARGUS」

ブリティッシュロックバンド、ウィッシュボーン・アッシュの3rd。1972作
「百眼の巨人アーガス」という邦題でおなじみの名作。リマスター&ボートラ入り再発盤。
イントロのアコースティックギターの音色からもう哀愁を誘いますが、
楽曲の方もいくぶんブルージーな色を残しながら、前作よりもさらに洗練された雰囲気で、
ツインギターによるメロディがとても美しい、いかにも英国然としたロックサウンドです。
とくにラスト曲の美しさは絶品。ブリティッシュロックの名作として扱われるのが分かります。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・6 英国度・・9 総合・・8
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YZ
YES「YES」
英国プログレを代表するバンド、イエスの1st。1969作
プログレッシブロックとして語られる3rd以降よりは、まだぐっと“ロック”しているアルバム。
それでいながら、同世代のブリティッシュロックバンドのどれよりも、音には構築性が感じられる。
スティーブ・ハウ、リック・ウェイクマンらの凄腕メンバーが加入する前なので、演奏には
けっこう素朴な温かみがあり、トニー・ケイのキーボードワークは技巧的というよりは叙情的に響く。
歌メロや美しいコーラスハーモニーには、後の黄金期の萌芽が見られ、
この年代のデビュー作としては、クリムゾンの「宮殿」と同様突出したクオリティだ。
2003年リマスターには、シングルやデモバージョンなどボーナス6曲収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ブリティッシュ度・・8 総合・・8
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YES「TIME AND A WORD」

イエスの2nd。邦題は「時間と言葉」。1970作
この時点ではまだ、プログレというよりはブリティッシュロックという音の質感で、
スティーブ・ハウの加入前なので、演奏自体にあまり派手さはないが、
トニー・ケイのやわらかなキーボード、ビル・ブラッフォードの緻密なドラムなどはさすが。
オーケストラを導入していて、楽曲にかぶさるストリングスの響きが美しい。
2003年リマスター盤で別バージョン等4曲のボーナストラック入り。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ブリティッシュ度・・8 総合・・8
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YES「The Yes Album」

イエスの3rd。1971作。邦題は「サードアルバム」
2003年リマスター盤に買い換え。名曲“Your is no Disgrace”から始まる本作は、
人気の高い次作「こわれもの」に比べると、まだコンパクトに完成されていない分、
ロックとしての本質的な温かみと躍動に満ちている。個人的には大好きなアルバムだ。
リマスターの音質向上により、スティーブ・ハウの細やかなギターワークがクリアに聴こえ
ビル・ブラッフォードのダイナミックなドラムもやはり素晴らしいと実感できる。
リック・ウェイクマン加入前ということで、トニー・ケイのやや素朴なシンセワークも
むしろブリティッシュ的な質感でこのサウンドにはよくマッチしている。
完全なメジャーバンドとなる一歩手前の、彼らの本質が聴ける素晴らしい作品だ。
ボーナスには代表曲“Starship Trooper”のシングルバージョンを含む3曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲度・・8 総合・・8
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YES「FRAGILE」
イエスの4th。1972作。邦題は「こわれもの」
本作は、個人的には「危機」や「サードアルバム」に比べるとポップなメロディが耳について
あまり好きではなかったのですが、音質が大幅向上したこの2003年リマスター盤で聴くと
サウンドの鮮明さが段違いに良くて、印象がやや変わりましたね。
キャッチーなメロディとテクニカルさとのバランスがとれていて、
聴きやすいながらも、細かなアレンジに職人的な技を感じます。
リマスターに加えボーナストラック入りなのも嬉しい。完全再現された紙ジャケもいい感じです。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 リマスター度・・9 総合・・8
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YES「CLOSE TO THE EDGE」
イエスの5thアルバム。「危機」のタイトルで知られる1972年作の名作。
言わずと知れたYESの最高傑作であり、18分にもおよぶタイトル曲の素晴らしさは彼らの絶頂期の勢いと
あふれ出すセンスをすべて凝縮したものである。張りつめた緊張感と演奏のテンション、
そこにドラマティックな展開美と、爽快なメロディを盛り込んで練り上げたこの大作は、
そのままこのアルバムの価値となっている。12分過ぎに鳴り響く荘厳なチャーチオルガン、
リック・ウェイクマンのソロパートを含めて、盛り上がりを見せる間奏部は圧巻。
また本作の魅力として、もうひとつの大曲“And You And I”の美しい牧歌性も見逃せない。
2003年のリマスター盤は音質が向上。今まで聴こえにくかった細かな響きがはっきりと聴こえるようになった。
それによりサウンドのダイナミックさが際立って聴こえます。とくにキーボード、ギター関連はくっきり。
今までのCDを持っている人も買い換えて損はない。ボーナストラックとして別バージョン等4曲を追加収録。
シンフォニック度・・9 名作度・・10 音質UP度・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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YES「YES SONGS」
イエスの2枚組ライブアルバム。1973作/2010年リマスター盤
名盤である「危機」を筆頭にして、スタジオアルバムにおいて緻密な構築力を持つこのバンドであるが、
それはライブにおいても同様で、本作で聴ける演奏は、じつに緻密でダイナミックである。
バンドを離れることになったビル・ブラッフォードの代わりに、急遽アラン・ホワイトが呼び戻されて、
1972年のアメリカ公演をこなした。その音源を中心にしながら、ブラッフォード時代のテイクなども含まれた、
バンドとしては苦労の末に作られたライブ作品なのだが、そうしたものも含めた緊張感も確かに感じられる。
ジョン・アンダースンの伸びやかなヴォーカルとスティーブ・ハウのセンス抜群のギターフレージング、
そしてリック・ウェイクマンのクラシカルなキーボードプレイはやはり抜群だ。初期の名曲を網羅しながら、
それを最高の演奏力で再現したこのライブアルバムは、バンドの代表作とも言える完成度であろう。
Disc2の“Close To The Edge”完全再現は感動的だし、個人的には“Your Is No
Disgrace”も名曲。
メロディアス度・・9 ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・10 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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YES「Tales From Topographic Oceans」

イエスの6th。1973作。邦題は「海洋地形学の物語」
LP時代から2枚組の大作として賛否両論のあった本作で、かくいう私自身も
最初にこのアルバムを聴いたときは、ただ静かで単長という印象しかもたなかった。
今回の最新リマスター盤で改めて聴いてみるに、それぞれ20分におよぶ大曲には、
ゆったりとした美しさの中にも、それぞれに神秘的で深遠なテーマが感じられ
前作「危機」の濃密な作風とは違った、力まないゆるやかな叙情美が楽しめる。
3曲目にはYESらしからぬアヴァンギャルドな風味もあって、これはこれで面白いし、
ラストの4曲目のシンフォニックロックとしての美しさには思わずうっとりだ。
ボーナスに収録の、アルバム1、3曲目のラフテイクはファンにとって嬉しい貴重音源だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ゆったり叙情度・・9 総合・・8
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YES「RELAYER」
イエスの7thアルバム。1974作
個人的なYES評価を述べさせていただくと、Yesの私的アルバムランキングでは、
1「イエスソングス」、2「危機」、3「サードアルバム」となり、それに続くのこの「リレイヤー」。
リック・ウェイクマン好きな私としては、リック脱退後のこのアルバムを手にとるきっかけは
この美しいジャケット(ロジャー・ディーン)のおかげに他ならなかった(YESのジャケで一番好き)。
あらためて聴くと、パトリック・モラーツのキーボードはリックのクラシカルな感じとはまた異なり、
いかにも70'sプログレ然としていて悪くない。リックが嫌いだったメロトロンもかなり使っている。
そして演奏は緊張感に溢れていて、楽曲自体も「危機」ばりの構築性も感じさせる。
とくに1曲目“錯乱の扉”は素晴らしい。リマスター盤は音質も向上しているのでぜひ聴いてみて欲しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 演奏・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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YES「GOING FOR THE ONE」
イエスの8th。邦題は「究極」1977作。2003年度リマスター盤。ボーナス7曲入り。
ジャケもロジャー・ディーンからヒプノシスに変わり、音の方も若干ポップになっている。
復帰したリック・ウェイクマンのキーボードが大活躍で、
リマスター効果も手伝って、チャーチオルガン、ピアノの音色もとても綺麗。
スティーブ・ハウのギターも冴え渡っており、全体的にバンドとして、
もはやプログレ云々の呪縛から解かれたような、伸びやかさが音に現れている。
演奏と楽曲のバランスという点では、最も良いアルバムといっていいかもしれない。
ボーナスのリハーサル音源やデモバージョンも興味深い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 伸びやか度・・9 総合・・8
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YES「TORMATO」
イエスの9th。1978作。
前作「究極」で吹っ切れたのか、「ポップでもよいのだ」という開き直りが音に感じられる。
相変わらず見事なスティーヴ・ハウのギターワークとウェイクマンのキーボードが冴える。
キャッチーさとポップな雰囲気の中にもしっかりとプログレッシブな色が感じられ、
きらきらとしたイエスサウンドが堪能出来る。やはり黄金メンバーの演奏はよいですな。
たぶんプログレとしてイエスを聴けるのはこのアルバムまでかもしれない。
2003年リマスターには、ボーナストラックにデモや未発表曲など9曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ポップ度・・8 総合・・7.5
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YES「DRAMA」

イエスの10th。1980作。2004年リマスター盤、未発等10曲のボーナストラック収録。
ジョン・アンダースンもリック・ウェイクマンも抜け、ジェフ・ダウンズ、トレヴァー・ホーンが加入。
のっけからややヘヴィなギターで幕を明け、リズムセクション的にもかなりカッチリとしている。
ジェフ・ダウンズのヴォーカルは、ジョン・アンダースンを意識したのか以前のYESとさほど違和感がない。
やはりバグルスにおけるポップでキャッチーなものが強く出たような曲もあるが、
ときおり大御所バンドとしての格調を保ったドラマティックな雰囲気もしっかりかもしだしており、
なかなかあなどれない好作アルバムだと思う。ベースの充実ぶりも見事な仕事だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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YES「90125」

イエスの11th。1983作。2004年リマスター盤
いわゆるポップ期の代表作で、邦題は「ロンリーハート」
商業的には最も成功したアルバムで、1曲目はTV、CMなどでたくさん流れていた。
今作ではすでにウェイクマンもハウもいないので、当然ながらプログレ色は薄く、
これでジョン・アンダーソンが歌っていなかったらYESとは思えなかったかもしれない。
しかしながら、あくまでキャッチーなメロディを聴かせるというトレイバー・ホーンのプロデュースは
見事に成功しており、トニー・ケイのモダンなシンセワークもこのサウンドにはぴったりハマっている。
プログレとして聴くのはつらいが、出来の良い商業ロックサウンドしてなら充分に楽しめる。
リマスターにより音質も格段に向上。ボーナスにはリミックスや別バージョンなど6曲を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 キャッチー&ポップ度・・8 総合・・8
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Anderson ,Bruford,Wakeman,Howe「閃光」

アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのアルバム。1989作
権利の問題からYESを名乗れなかったようだが、メンバーがメンバーだけに
これはまさしくイエスそのもの。リック・ウェイクマンのきらびやかなシンセワークに、
スティーブ・ハウのギター、そして衰えを知らないジョン・アンダースンのヴォーカルと、
全体的にキャッチーではあるが、この時期のYESよりもイエスらしいサウンドを楽しめる。
10分近い大曲をいくつか含みつつ、プログレというよりはゆるやかなメロディで聴かせ、
5のようなピアノの美しいバラード曲などとともに、ゆったりと和める。そんな作品です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 イエス度・・9 総合・・8
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YES「THE LADDER」

イエスのアルバム。1999作
前作「Open Your Eyes」の不評から一転、これは往年を思わせる傑作だ。
最初の1曲でもう、あのシンフォニックなイエスが戻ってきたと嬉しくなる。
ジョン・アンダースンの歌声に、スティーブ・ハウの巧みなギターワークはもちろん
前作から加わったイゴール・コロシェフのシンセワークも、
この美麗なサウンドを作るひとつの要素といっていいだろう。
80〜90年代での彼らのアプローチであったキャッチーなポップさも残しつつ、
往年を思わせるシンフォニックな質感を融合させたことで、
バンドとしてのひとつの解答を示したといえるアルバムだ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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YES「MAGNIFICATION」

イエスの2001年作
キーボードの代わりに、オーケストラを全面的に融合させた作品で、
シンフォニックで優雅なイエスサウンドが楽しめる。
オケをバックに弾きまくるスティーブ・ハウのギターはいつになく楽しそうだし、
キャッチーなメロディを歌い上げるジョン・アンダースンの歌唱も往年となんら変わらない。
楽曲はどれも聴きやすく、これをプログレと呼ぶにはどうかと思うが、
オーケストラ入りのメロディックロックとして聴けばよく出来ているし、
後半の10分を超える大曲2曲もなかなか素晴らしい。
2004年盤には、“Close to the Edge ”“ Gates of Delirium”といった
往年の名曲の2000年のライブ音源を収録した2CDでお買い得。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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ZAKARRIAS

ブリティッシュロックバンド、ザカリアスのアルバム。1971作
70's英ロックの中でも謎めいたアルバムとされる今作は、
プログレともサイケともハードロックとも言えない曖昧さが逆に個性的だ。
うねるように太いベースとハモンドを中心に聴かせるサウンドで、
決してうるさい音ではないが、そこには知的な主張と静謐感が存在している。
アコースティックギターやフルートをバックに哲学的な恋の歌を乗せる、
ザカリアスとはいったい何者なのだろう?後半にはストリングスも加わって、
音のシリアスさが増す。ほのかにヒッピーとサイケの香りも漂う一品である。
メロディアス度・・7 静謐サイケ度・・8 英国度・・8 総合・・7.5
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