CDレビュー プログレ
アメリカ・カナダ
PROGRESSIVE ROCK /NORTH AMERICA

掲載バンドはABC順になっています

M XYZ

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


音楽ページTOP  プログレCD譲ります

*アメリカンシンフォニック特集
  



AD ASTRA
アメリカのプログレ・フュージョンバンド、アド・アストラの2008年作
G、B、Dr、Keyの4人組で、メロディアスなインストプログレをやっている。
あまりテクニカルすぎないリズムに、メロディックなギターフレーズとシンセを重ねた
軽やかな聴き心地の良さは、確かにフュージョンロック的な質感であるが、
あくまでメロディ主導なので、キャッチーなAOR感覚のインストとしても楽しめる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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ADVENT「Cantus Firmus」

アメリカのシンフォニックロックバンド、アドベントのアルバム。2006作
結成は80年代と古く、1997年に1stを出していたようだがそちらは未聴。
サウンドは、軽快な抜けの良さがある爽やかなシンフォニックロックで、
ジャケなどにも表れているようにところどころに中世音楽色もある。
やわらかなヴォーカルライン、コーラスワークなど、聴きやすくキャッチーな部分と
古楽的な格調高さ、しっとりとした質感も併せ持っているのが個性的。
オフィシャルサイトにて試聴可能。KENSOのBが一曲でゲスト参加している。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとり&爽快度・・8 総合・・8
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AFTER THE FALL「kNOwleDGE」
アメリカのシンフォニックロックバンド、アフター・ザ・フォールのアルバム。2005作
アメリカらしい聴きやすいキャッチーな質感とドラマティックな展開が合わさった、
いかにもプログレ好きのオヤジ連中が作った…という雰囲気のサウンド。
お約束のプログレキーボードに、メロウななフレーズを奏でるギターもなかなかのもの。
楽曲にはメリハリがあるし、20分の大曲をこなすなど、気合も充分な力作なのだが、
細かなところでのアレンジや録音面などにやや素人臭さが見え隠れしてしまっているのが惜しい。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5


Agah Bahari「The Second Sight of a Mind」
カナダ在住のイラン人ギタリスト、アガ・バハリのソロ作。2009作
キーボードにはデレク・シェリニアン、ドラムにはヴァージル・ドナーティが参加、
当然ながら音の方もPLANET Xばりのテクニカル・フュージョンロックが炸裂。
いくぶんのメタル色もありながら、技巧的なだけではなくしっとりとした曲もこなすあたりが
多彩なセンスを感じさせる。ドナーティのさすがのドラムプレイやデレクのシンセワークも
作品としての質を高めている。個人的にはもっと派手な超絶プレイを増やして欲しいか。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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AJALON「On The Threshold Of Eternity」

NEAL MORSEのソロ作でベースを務める、Randy Georgeのバンド、アジャロンの2005年作
サウンドは爽やかなメロディが心地よいプログレハードで、キャッチーで叙情的な好作品。
Randyはベースの他、ギター、キーボードもこなしていてマルチプレイヤーぶりを発揮している。
ラスト2曲はそれぞれ10分を超える大作で、NEAL MORSEのアルバムにも通じる
アメリカ的な爽快さとメロディアスな盛り上がりが光る、なかなかドラマティックな曲。
ゲストにはNEAL MORSEの他、RICK WAKEMANも参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽やか叙情度・・8 総合・・8
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Ajalon「This Good Place」

NEAL MORSEのソロ作でベースを担当するRandy Georgeのバンド、アジャロンの2009年作
前作も爽やかなメロディが心地よいプログレハード作であったが、
今作もじつにやわらかで優しい叙情が楽しめる好作品である。
ASIAを思わせるコーラスハーモニーに、AOR的なポップ感覚とともに、
曲によってはフュージョン・プログレ的な軽やかさもあって、
新鮮味や派手さはないが、とても耳心地のいいサウンドを聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽やか叙情度・・8 総合・・8
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ALAN MORSE「Four O'Clock and Hysteria」
SPOCK'S BEARDのギタリスト、アラン・モーズのソロ作。2007作
この人って、ソロ作が作れるほどに作曲/演奏能力があったのね。
内容の方は、プログレ的な質感もあるにはあるが、基本は聴きやすい
ハードフュージョン系のインストで、巧みに弾きまくるギターのセンスはなかなかのもの。
実弟であるニール・モーズのシンセワークもしっかりと曲に映えており、
ドラムやベースのプレイも一流のメンバーらしく、テクニカルさと軽やかさのバランスのとれた、
良い意味でマニアックさの薄いサウンドとなっている。曲によってはブルージな渋みが前にでて、
スポビで聴かせるハードプログレよりのプレイよりも、もっと大人の香りがただよう作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 軽やかインスト度・・8 総合・・7.5
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All Over Everywhere「Inner Firmaments Decay」

アメリカのフォークプログレバンド、オール・オーバー・エブリウェアの2010年作
Deluge Granderのシンセ奏者も参加しているバンドで、アコースティックギターに
うっすらとしたシンセがかぶさり、女性ヴォーカルの歌声がやわらかに乗るという、
ゆったりと夢見がちなアシッドフォーク・プログレ風味のサウンド。ヴァイオリンにビオラ、
チェロ、フルート、オーボエ、さらにはアコーディオンやシタール、ダルシマーなど、
豊富な種類のアコースティック楽器を織りまぜ、ときにメロトロンを含めたシンフォニックさも含めて、
単なるフォークではないミステリアスで壮大な雰囲気を描き出す。うっとりとする幻想的な美しさです。
アシッドフォーク度・・8 幻想度・・9 女性Vo度・・7 総合・・8
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AMBROSIA

アメリカのプログレハードバンド、アンブローシアの1st。1975作
3rd以降の商業的なAORサウンドとはやや異なり、初期の彼らは英国プログレからの
影響を受けたサウンドをやっていた。かつての日本盤ジャケは差し替えだったが、
こちらのオリジナルのジャケはいかにもプログレ的である。
美しいシンセワークにYESを思わせるようなキャッチーなコーラス、
やわらかみのあるメロディとともと、ときにプログレ風に展開する曲調も魅力的だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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AMBROSIA「Somewhere I've Never Travelled」

アメリカのプログレハードバンド、アンブローシアの2nd。1976作
スタイリッシュな統一感が増し、美しいコーラスハーモニーに彩られた傑作。
きらきらとしたシンセークがときにシンフォニックに包み込み、
繊細なピアノにフルートの音色、壮麗なオーケストレーションなどとともに、
しっとりとした叙情美とキャッチーなメロディアスさを聴かせる。
前作同様、ときどきプログレ風味も顔を覗かせて楽しませてくれる。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 プログレ度・・7 総合・・8
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American Tears「Tear Gas」

アメリカのプログレハードバンド、アメリカン・ティアーズの1975年作
後にTOUCHを結成するマーク・マンゴールド率いるバンドで、
ポップなフィーリングとともに素朴な哀愁を感じさせるキャッチーなサウンド。
オルガンやムーグなどを使ったシンセの音色には時代的なプログレ色もあり、
トリオ編成ということで、若き日のマンゴールドの鍵盤さばきがたっぷり楽しめる。
本作に続く3作目を出してバンドは消滅、そのスタイルはTOUCHに受け継がれるが、
同時代のAMBROSIAとともに、プログレッシブロックへの憧憬が感じられる好作である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 シンセ度・・8 総合・・8
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Andrew Gorczyca「Reflections」

2004年に他界したアーティストAndrew Gorczycaの残した楽曲を、兄弟であるChris Gorczyca
まとめあげ、SPOCK'S BEARDのメンバーら多くのゲストとともに仕上げた作品。2009作
サウンドはASIAやKANSASあたりを思わせるキャッチーなプログレハードで、
シンプルな聴きやすさと爽やかなコーラスハーモニーが耳に心地よい。
実力者の揃った演奏はプログレ・フュージョン的な軽やかさの中にも、
さりげなくテクニカルなものを聴かせるのが心憎い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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ASTRA「The Weirding」

アメリカのプログレバンド、アストラのアルバム。2009作
リヴァイバルブームやレトロな懐古主義が広まる中で、またしても凄いバンドが登場。
なにやらJethro Tullのようなフルートが鳴りつつ、曲が始まると、こもり気味のドラムを含めて
まるでスタジオで一発録りしているような音質にまたにやり。サイケかがった浮遊感に
メロトロンやオルガンもたっぷりと鳴らしつつ、70年代英国風味のレトロロックを繰り広げる。
曲はどれも長いのだが、古めかしいファズギターの音色とともに演奏の力の抜け具合が耳に心地よく、
ときに二台の音色が重なる美しいメロトロンの響きに耳を傾けつつ、まったりとした気分で聴けてしまう。
Bigelf
に続いてやりすぎなまでのレトロなアナログ・プログレバンドが現れた。
メロディアス度・・7 アナログ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
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ASTRA「Astra The Black Chord」

アメリカのプログレ・サイケロック、アストラの2012年作
メロトロン、ムーグ、オルガンなどレトロなシンセをふんだんに使ったサウンドで、
前作もなかなかに衝撃的な作品であったが、本作もまた期待を裏切らない。
サイケ気味の浮遊感に、メロトロンやハモンドの鳴るヴィンデージな雰囲気で、
70年代的プログレを再構築するような作風は、聴いていてにやにやである。
14分の大曲も含めて、8分、9分と長曲も多く、あくまでインスト主体ながらも、
アナログ的な耳心地の良さで最後までゆったり楽しめる。
メロディアス度・・7 サイケ度・・8 レトロ度・・9 総合・・8
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A Triggering Myth「Between Cages」

アメリカのプログレバンド、ア・トリガリング・ミスの3rd。1995作
彼らのサウンドにはアメリカのバンドらしからぬシリアスな雰囲気があるのが特徴。
キーボード二人(片方はギターも弾く)のユニットなのだが、シンセメインの楽曲には
クラシカルな美しさと同時に、どこか緊張感がただよう硬質さがある。
以前に1stを聴いたときには、とっつきにくくてあまり印象に残らなかったのだが、
最高作との評価も高い今作では、そのシリアスな説得力に磨きがかかり、
さらに相反するベクトルなのだがメロディとしての聴きやすさも増している。
とてもクールな音なのにシンフォニックでメロディアス、そしてリズムは打ち込みであるが
ミニマルミュージックとしてのテクニカルな質感もあり、チェンバーロック的な冷徹さも感じられる。
まるで冷たい水の流れるゆるやかな川のように、美しくもどこかに突き詰めたた芸術志向がある音だ。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 クールな美度・・9 総合・・8
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A Triggering Myth「The Sins of Our Saviours」

アメリカのプログレバンド、ア・トリガリング・ミスの4th。1998作
冷徹なるチェンバーシンフォニックロックともいうべきこのバンドのサウンドは今作も変わらず、
クラシカルなキーボードの音色には、メロディアスでありながらも冷たくシリアスな質感がある。
インスト中心でありながら、音の中にある緊張感はときに重厚な空間を描き出し、
決して攻撃的ではないが、ピアノの切迫した音色には美しさと同時に鋭利な硬質感を内包している。
DEUS EX MACHINAのVoが参加しての歌入り曲では、イタリアのAREAのようなジャズロック色もある。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 冷徹度・・9 総合・・8
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audiosynchrocy
アメリカのテクニカルシンフォバンド、オーディオシンクロシーのアルバム。2002作
フュージョン的なリズムをヒネくれさせ、ギターとシンセで味付け、
そこに脱力系のヴォーカルとヴァイオリンも加わった、なかなか面白いスタイル。
いわゆる偏屈系のテクニカルプログレであるが、ノリの軽さがいかにもアメリカ的で
ECHOLYNあたりに通じるおおらかさと技巧の同居に、にやりとさせられる。
このつかみ所のなさに、まっとうなシンフォファンは眉をひそめるだろうが、
年を経た懐の深いプログレリスナーならけっこう楽しめると思う。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヒネくれ度・・8 総合・・7.5


AZIGZA「AZIGZA」

アメリカのサイケ・ジャズロックバンド、アジグザの1st。2000作
ジャンルわけすると中近東系プログレ…となるのだろうか。じっさいはアメリカのバンド。
G,B,Dr,に加えタブラ、6弦Vin、などが中近東系のメロディをジャズロック調の変拍子曲で演奏。
女性Voが彩りをそえる。不思議なバンド。異文化融合サイケ、民族ジャズロックプログレ傑作。
プログレ度・・8 民族度・・8 異文化度・・9 総合・・8
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AZIGZA「Kriya」
アメリカのサイケ・ジャズロックバンド、アジグザの2nd。2003作
中近東音楽やエスニックの要素をサイケロック風に聴かせる個性的なバンドで、
1stでは浮遊感のある女性Voが歌っていたが今回はゲスト扱いで、男ヴォーカルがメインになっている。
相変わらず、とてもアメリカのバンドとは思えない異国的な中近東サウンドは健在で、
リズミカルなパーカッションにアラビア音階のギター、艶やかなヴァイオリンが重なり、
そこにときに詠唱(お経?)のような不思議な歌声(女性コーラスもあり)が乗ると、軽くトリップするような錯覚に陥る。
大曲や組曲が中心だが、演奏力があるので、音にはいかがわしさと同時にちゃんと説得力も備わっている。
やはりなかなか面白いバンドだ。オフィシャルサイトで試聴可能。民族系プログレが好きならチェック。
サイケ度・・8 ブログレ度・・8 中近東?インド?度・・9 総合・・7.5


AZURETH「Yesterday's Future,Tomorrow's Past」
アメリカのシンフォニックロックバンド、アザレスのアルバム。2004作
YESタイプのシンフォニックロックで、ややメタルの入ったピロピロとしたギターに、
軽やかに弾きまくる華麗なキーボードを中心にした構築型サウンド。
GLASS HAMMERをややハードめにしたという雰囲気だが、
ヴォーカルの素人くささと、楽曲アレンジ面では印象的なパートの足りなさなどが
聴いていてややもどかしく、全体的にはまだB級シンフォニックの域に甘んじている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・6 総合・・7




BABYLON「BABYLON」
アメリカのシンフォニックバンド、バビロンのアルバム。1978作
唯一のアルバムを残して消えた幻のバンド。聴いてみてなかなか品質は高い。
基本は少しこもり気味のGENESIS系。メロウだが明るくもなりすぎず、しっとりとした質感。
全4曲。7分10分9分7分という大曲主義。
どの曲もキーボードが効いていて、そこにハケットのような繊細なギターが乗る。
曲に吹っ切れがなく、あくまで大げさになりすぎないのが中期GENESIS的ともいえる。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 中期GENESIS度・・8 総合・・7.5


BIG ELF「Closer to Doom」

アメリカのハード・プログレバンド、ビッグエルフのアルバム。1996作
ジャケからしてすでにヴィンテージの香りプンプンですが、音の方もメロトロンやハモンド、
ミニムーグなど、レトロなシンセを取り入れた70年代サウンドで、URIAH HEEP
DEEP PURPLEなどを思わせる点で言うと、今のBLACK BONZOの先駆けか。
それにメンバーの顔やファッションなどもどことなく70年代風だし(笑)
たっぷりと使用されるメロトロンの音色には、ANEKDOTENなどが好きなプログレファンにも受けそう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 70'sレトロサウン度・・9 総合・・8
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BIGELF「Money Machine」

アメリカのヴィンテージロックバンド、ビッグエルフの2nd。2000作
今作もハモンドにメロトロンが鳴り響く、レトロな70's風ロックが炸裂。
押しまくりだった前作よりも肩の力が抜けたように、
自然体でハードプログレしている雰囲気が気に入った。
ANEKDOTENなどが好きならこのバンドもチェックしてもいいと思う。
メロディアス度・・7 レトロロック度・・9 メロトロン度・・8 総合・・8
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BIGELF「HEX」

アメリカのヴィンテージロックバンド、ビッグエルフの3rd。2003作
本作から、リーダーであるDamon Fox以外のメンバーが変わり、4人編成となった。
サウンドの方は前作からの延長だが、音の厚みが増していて、
ギターのヘヴィさも加わって、ドライブ感のあるアンサンブルで聴かせる。
楽曲におけるメリハリもついていて、バックで鳴り響くメロトロンの叙情に、
歌メロにも印象的なメロディラインが増えたことで、飽きずに楽しめる。
バンドとしてのスケール感も出てきて、単なるレトロな懐古サウンド以上の出来だ。
メロディアス度・・8 レトロロック度・・9 メロトロン度・・8 総合・・8.5
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BIGELF「Cheat the Gallows」

アメリカのヴィンテージ・ロックバンド、ビッグエルフの4th。2008年作
過去3作もオルガンやメロトロン鳴り響く、70年代ロックを再現したような力作であったが、
今作ではどんなコンセプトがあるのか、アリーナロック的な派手やかさが加わっている。
美しいオーケストラアレンジや、まるでQUEENのような泣きの叙情メロディなど、
なんとも確信犯的な世界観を感じさせる。一方で、ドロドロとしたアンダーグラウンド臭もあって、
これまでになく濃密な作風になっている。従来の持ち味であったヴィンテージ色はやや薄れたが
ハードロックとプログレの中間的な立ち位置とともに、ある種壮大なドラマ性が感じられる力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 レトロ度・・7 総合・・8
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Birds and Buildings「Bantam to Behemoth」

アメリカのプログレバンド、バーズ・アンド・ビルディングスのアルバム。2008作
Deluge GlanderのKeyによる別バンドで、浮遊感のある軽妙なプログレ作。
テクニカルなリズムの上をメロトロンが鳴り響くクリムゾン風味とともに
フリーキーなサックスが加わると、軽快なジャズロック風にもなる。
9分以上が5曲と長曲揃いだが、雰囲気で聴かせられる器の大きさが感じられ、
一筋縄でいかないサウンドながら、その演奏に思わず引き込まれてしまう。
メロトロン入りの変態的ジャズロックでもあり、サックス入りのヘヴィシンフォでもあり、
これをMAGMA+KING CRIMSONといっていいものか。マイスペにて試聴可能。
そして、最近気づきましたが、このジャケはボッシュの絵画「快楽の園」の一部なんですね。
シンフォニック度・・7 ジャズロック度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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Black MountainWilderness Heart

カナダのヴィンデージロックバンド、ブラック・マウンテンの3rd。2010作
映画「スパイダーマン3」のサウンドトラックへも楽曲提供するなど、
いまやカナダを代表する若手ロックバンドとなった彼らだが、
本作も70年代テイスト全開のサウンド。この手のバンドにしては珍しい
男女ヴォーカルの歌声と、オルガンやうっすらとメロトロンまで使い
絶妙なユルさと、オールドなブリティッシュロックの雰囲気を再現している。
アコースティカルな部分は英国フォーク的な情緒もあり、その筋のリスナーにも対応。
どう聴いても現代のバンドとは思えない、天晴れなまでのレトロロックです♪
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 70'sブリティッシュ風度・・9 総合・・8
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BOZZIO LEVIN STEVENS「BLACK LIGHT SYNDROME」
テリー・ボジオトニー・レヴィンスティーブ・スティーブンスの三人によるセッションバンドの1st。1997作
MAGNA CARTAレーベルのマイク・ヴァーニーを通じて集まったこの名だたる3人が、
たった5日間でレコーディングしたという、即興演奏を中心にしたアルバム。
スティーブ・スティーブンスのフラメンコちっくなギターやトニー・レヴィンのスティックなど
自由な演奏の中にも聴き所は多く、とくにテリー・ボジオのドラミングは
金物からタムに至るまで1音1音に主張があり、ドラム好きならとても楽しめる。
静かでゆるやかな部分にもよく聴けば緊張感が漂っていて、そこがインプロヴィゼーションの良さだろう。
メロディアス度・・6 プログレ度・・7 即興度・・8 総合・・7.5
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BOZZIO LEVIN STEVENS「SITUATION DANGEROUS」

テリー・ボジオトニー・レヴィンスティーブ・スティーブンスの三人による2nd。2000作
今回は、1週間のリハーサルをとったというだけあって、前作よりも曲としてまとまっている。
のっけからのヘヴィプログレ的な演奏は音に迫力があり、即興だった前作に比べて
各メンバーがイメージを共有できているようなリラックスした部分も感じる。
スティーブ・スティーブンスの奏でるギターにもメロディアスなものが増え、
曲の聴かせ所と演奏のメリハリが備わったことで、アルバムとしての完成度もずっと高まっている。
GORDIAN KNOTLIQUID TENTIONなどが好きな方もぜひ聴いて欲しい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 演奏・・9 総合・・8
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Bubblemath「Such Fine Particles of the Universe」

アメリカのプログレパンド、バブルマスのアルバム。2002作
テクニカルな展開とアメリカらしいキャッチーな歌メロを乗せた
偏屈きみの軽やかなサウンドは、一聴してEcholynを思わせる。
ただこちらはよりせわしない変則リズムのアプローチと、シンセのアレンジも含めて
レトロさよりももっとモダンな無機質感覚を含んでいて、ややとっつきは悪い。
ただいったんハマれば、延々と知的なジョークを聴かされているかのような、
うざったさの中にもくすりとする楽しさが感じられる。そんな質の高いアルバムだ。
メロディアス度・・7 知的度・・8 テクニカル度・・8 総合・・7.5
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CAIRO

アメリカのネオプログレッシブバンド、カイロの1st。1995作
MAGELLANSHADOW GALLERYに続きMAGNA CARTAレーベルからデビューしたこのバンド、
現在までアルバム3枚を発表しているが、この1stはB誌で絶賛されたこともあり、メタルリスナーの中にも
聴いた方は多かったと思う。サウンドはELP+YESという、少々あからさまな70年代プログレへのオマージュ
といってよい内容で、新鮮味には欠けるが、今になって聴きなおしてみるとなかなか出来はよい。
10分近い曲がほとんどの大作志向で、もろYES風の爽やかな雰囲気のAから、
ギターのメロディセンスが映えるSHADOW GALLERYを思わせるプログレメタリックな作風のB、
ELP的なハモンドに、ギターが絡むCなど、どれもセンスよくまとめられクオリティは高いが、
傑作である2ndに比べると曲調に一貫性がなく、70年代的要素をまだ融合しきれていない感もある。
ラストの22分の大曲は“現代版TARKUS”という感じで、イエス的な歌メロや美しいピアノなど、聴き所も多い。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 YESにELPです度・・8 総合・・8
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CAIRO「CONFLICT AND DREAMS」

アメリカのハード・プログレバンド、カイロの2nd。1998作。
1stの時点ではあまりにもYES/ELP色が強すぎたが、本作は楽曲に独自の色が出始めた傑作となった。
ヴォーカルの歌唱には今だYES臭さがのこるし、シンセのいかにもELP的な色も顕著に表れているが、
なにより曲が良くなった。同レーベルの先輩でSHADOW GALLERYにも通じるメタリックなアレンジが功を奏し、
長い曲でも決してだれることなく緊張感と叙情を展開の中で保たせることに成功している。
以前はシンセに隠れて目立たなかったギターのフレーズも本作では効果的に聴かれ、
メロディアスにシンセと絡みながらいっそうシンフォニックに音の厚みを加えている。
70年代的プログレの香りを受け継ぐテクニカル・ハードプログレ作。3rd「TIME OF LEGENDS」も素晴らしい。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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CAIRO「TIME OF LEGENDS」

アメリカのプログレバンド、カイロの3rd。2001作。
ELPYESなどの70年代の音を再構築し、そこに90年代以降のプログレメタルの構築性を加味した、
ある意味懐古主義ともいえるバンドであるのだが、前作2ndで有無を言わせぬ完成度の作品を作り上げた。
続く今作では、前作のようなダイナミックさは若干抑えられた、とても落ち着いた感じのサウンドである。
同レーベルの先輩、MAGELLANにも通じるキャッチーなコーラスワーク、
しっとりとした美しいキーボード、センスの良いギターと、どれもが高品質。
70年代の音を融合させ、今や違和感なく自分たちのサウンドに溶け込ませている。
シンフォニック度・・9 テクニカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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CANNATA 「MYSTERIUM MAGNUM」

かつてARCANGELというバンドを率いたJEFF CANNATAのバンド。2006作
美しいシンセにゆるやかなギターワーク、枯れた味わいのヴォーカルで聴かせる、
80年代風のメロディアスなプログレハードサウンド。
TOTOKANSASなどを思わせるいかにもアメリカ的なキャッチーさに加え、
プログレ的なフルートなども加わって、ときにシンフォニックに聴かせたり、
コーラスハーモニーなどにはYESを思わせるような感触もある。
総じて新鮮味はないが、質は高く、安心して楽しめるメロディアスな作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 プログレハー度・・8 総合・・8
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Cathedral「STAINED GLASS STORIES」

アメリカのシンフォニックロックバンド、カテドラルのアルバム。1978作
メロトロンなどによるGENESIS的な叙情性に、今でいうANEKDOTEN的な薄暗さもあり、
曲展開の奇妙さもあって、ジャケのイメージよりはもっとヒネたサウンドだ。
YEZDA ULFAなどとともに70年代のアメリカのプログレシーンでは、
突出した傑作のひとつとされているが、個人的にはややとっつきにくい。
メロディ志向なのかテクニカル志向なのかが、どっちつかずの感もあり
偏屈なつかみ所のなさとときおり聴かせる叙情が、アメリカらしいおおらかなパラけ方でもって
つくろわれているという風に聴こえるのだ。悪くはないのだが、完成度の点でいうと
偏屈を極めたYEZDA ULFAの方に軍配を上げたい。2007年に復活作を発表。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 偏屈度・・8 総合・・7.5
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CATHEDRAL「the bridge」

アメリカのプログレバンド、カテドラルの復活作。2007作
70年代に「STAINED GLASS STORIES」というアルバム1枚のみを残し
マニアの間ではアメリカンプログレの幻の傑作という評価を得たバンドだが、
なんとここにきて復活作を発表。適度にテクニカルでありつつもほの暗く、
メロトロン入りのややヒネくれたな構築性は、むしろクリムゾン的か。
昨今のシンフォ系バンドのように大仰さな泣きのメロディで聴かせるわけではなく、
ゆるやかな間のとり方とセンスでうっすらとしたサウンドを描いている。
たとえばメタルでいうとCYNICのような玄人好みのバンドかもしれない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 ひねくれ叙情度・・8 総合・・8
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Celestial O'euvre「Second Chance」
アメリカのシンフォニックロックバンド、セレスティアル・オーエウヴレのアルバム。2005作
美しいジャケに惹かれて聴いてみれば、サウンドYES的なキャッチーさを持った
ややB級ぎみのシンフォニックロック。KANSASあたりを思わせるプログレハード質感もあるが、
楽曲、演奏ともにやはりどこか垢抜けない…というかアレンジがなんとなくマイナー(素人)臭い。
アメリカのプログレバンドにはオヤジの道楽の延長のようなバンドが多いが、これもそのうちのひとつか。
オヤジプログレの輝ける星、GLASS HAMMERのレベルにはまだまだ遠い。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 オヤジ度・・8 総合・・7


Cerebus Effect「Acts of Deception」

アメリカのテクニカル・プログレバンド、セレバス・エフェクトのアルバム。2005作
目まぐるしいテクニカルなリズムの変態プログレ。せわしない展開の中にあっても、
メロディがしっかりと感じられて、けっしてメタリックにならないというのが特徴。
変態的なリズム構造とシンセのシンフォニックな美しさとが巧みに組み合わさっている点では、
Leger De Mainあたりを思い出させる部分もあるが、こちらの方がより混沌とした音だ。
もちろん変態プログレメタルファンにも勧められるが、アヴァンギャルドなテクニカルロックでありながら、
硬質さよりも時代的なプログレ精神が前に出ているのが面白い。 オフィシャルサイトで試聴可能。
なお、KeyとDrはこの後、Deluge Granderを結成。そちらも注目すべきバンドである。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 変態度・・9 総合・・8


Cirrus Bay「Step Into Elsewhere」

アメリカのシンフォニックロックバンド、シルス・ベイのアルバム。2008作
二人の女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせるシンフォニックロック。
随所にアコースティカルな要素もあって、初期のQUIDAMあたりにも通じる雰囲気。
美麗なシンセワークにメロウなギターが絡むさまは、やはりGENESISルーツの
シンフォニックサウンドで、その繊細さにはアメリカのバンドとは思えない情緒がある。
ラストは16分の大曲で美しく盛り上げてくれる。女性声系シンフォ好きは要チェック。
シンフォニック度・・8 繊細度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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CITADEL「THE CITADEL OF CYNOSURE & OTHER TALES」

幻のアメリカンプログレハードロックバンド、シタデルの唯一のアルバム。1990作。
ハードロック的音像の中にもキャッチーな歌メロ、キーボードワークが光る良質のプログレハード。
コーラスも兼ねる女性ベーシスト、ギター&ヴォーカルの甘い性質、そしてセンスの良いキーボードと、
内容充実の力作。とてもなごやかで、さわやかなメロディ満載の好アルバムです。
シンフォニックプログレハードとして、1作で消えてしまうにはまったく惜しいバンドでした。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 さわやかキャッチー度・・9 総合・・8
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CONTRARIANMinor Complexities
アメリカのプログレバンド、コントラリアンの2007年作
ヴァイオリン鳴り響くメロディアスなシンフォニックロックで、KANSASを思わせる
キャッチーな歌メロと美麗なシンセ、いくぶんハードエッジなギターとともに、
ドラマティックなサウンドを聴かせてくれる。いかにもアメリカンプログレハード的な
軽快なロック感触もあり、そこにオルガンやムーグなどのシンセが加わって、
結果としてSPOCK'S BEARDをややマイナーにしたような雰囲気にもなっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アメリカン度・・8 総合・・7.5
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CONVENTUM「A L'affut D'un Complot」

カナダのクラシカルチェンバーロックバンド、コンヴェンタムのアルバム。1977作
アコースティックギターにヴァイオリン、フルートが絡む室内楽的な質感と
フランス語の歌唱によるシアトリカルな味わいが面白い。
優雅さの中にもヒネくれたセンスを垣間見せるあたりは、
ヨーロピアンなチェンバーロック的でもあり、耳心地はいいが一筋縄ではいかない。
繊細な美しさを増した2ndも同様の出来だ。リマスター再発盤にはライブ音源を7曲追加収録。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 チェンバー度・・8 総合・・8
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ConventumLe Bureau Central des Utopies

カナダ、ケベック出身のプログレバンド、コンヴェンタムの2nd。1980作
艶やかなヴァイオリンに、アコースティックギター、マンドリンなどによる
繊細でクラシカルな室内楽的サウンドは、ロック色は薄いものの、
高度なテクニックによる複雑な楽器の絡みによる知性的な美しさがある。
曲によってはエレキギターが絡んで、ややダークめの不思議な味わいを聴かせる。
カナダのチェンバーロックとしては屈指の作品であるのは間違いない。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 チェンバー度・・8 総合・・8
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Cryptic Vision「Momentst of Clarity」

アメリカのプログレハードバンド、クリプティック・ヴィジョンの2003年作
IT BITESACTなどにも通じるキャッチーなプログレハードサウンドで、非常に聴きやすく、
KANSASを思わせる歌メロなども耳に心地よい。ヴォーカルはMILLENIUMのトッド・プラント。
ゲストによるヴァイオリンも美しく、メロディアスさと哀愁とキャッチーさが合わさった楽曲は
自主レベルとは思えない完成度。12分を超えるタイトル曲も聴きどころ。
ゲストギタリストにはラルフ・サントーラ(MILLENIUM)の名前もある。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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CRYPTIC VISION「Live at ROSFest」
アメリカのプログレハードバンド、クリプテイック・ヴィジョンのライブ作。2005作
2005年のRITES of SPRING FESTIVALでのステージを収録。
KANSASACTあたりを思わせるメロディアスで高品質なサウンドを聴かせるこのバンド、
このライブ作でも1stの曲を中心に、キャッチーなプログレハードを演奏している。
録音のせいか、演奏面でのエッジの弱さはややアマチュア臭い感じもしてダイナミックさに欠けるが、
レトロなプログレ風味とモダンな構築性を有した彼らのサウンドはとても聴きやすい。
SPOCK'S BEARD、KANSAS、YES、DREAM THEATER、GENESIS、ELP…という、
マニアックなプログレメドレーも楽しめるし、ラストには2nd収録の大曲のデモも収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・7 総合・・7.5
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CRYPTIC VISION「IN A WORLD」

アメリカのプログレハードバンド、クリプティック・ヴィジョンの2nd。2006作
前作は自主制作ながらもキャッチーなメロディを聴かせるプログレハードの佳作として
密かに話題になったが、ライブアルバムをはさんで続くこの2作目も期待通りの出来。
今回はいきなり16分を超える組曲から始まるという気合の入り方で、
いっそうのシンフォニックかつドラマティックさを増したサウンドが素晴らしい。
また、部分部分ではしっとりとした叙情も聴かせ、巧みに緩急を配した曲構成も心憎い。
トッド・プラント(MILLENIUM)の歌うやわらかみのあるヴォーカルメロディとともに
NEAL MORSETRANSATLANTICあたりにも接近したような雰囲気で、
キャッチーさとシンフォニックのバランスも絶妙だ。録音の質も上がっていてマイナー臭さも消えた。
センスとメリハリのある、ドラマティックなプログレシンフォ傑作。コレ買いです!
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Dave KuljuNotes in the Margin」

アメリカのシンフォニックロックバンド、ELECTRUMのデイブ・クルジュの2ndソロ、2010作
ギターにベース、シンセをこなすマルチプレイヤーで、本作はモダンなアレンジで聴かせる
メロディアスなインストプログレに仕上がっている。軽やかなフュージョン風味とゆったりとした
大人のメロディを含んだ、力みのない作風で、29分の組曲なども決して大仰にはならず、
シンセとギターによるゆるやかな叙情性を、女性ヴォーカルの歌声とともにやわらかに構築している。
派手さよりも軽妙さで構成された、大人のシンフォというべき好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 大人のシンフォ度・・8 総合・・8
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David Minasian「Random Acts of Beauty」
シンフォニック系マルチミュージシャン、デビッド・ミナシアンの2010年作
CAMELのDVD制作を手がけた人物ということで、サウンドの方もCAMELばりの泣きのギターと
美しいシンセワークを中心に聴かせる、ゆったりとしたメロディックなシンフォニック作。
曲は長めで、とくに10分以上のものはスリリングさが希薄なだけ正直長尺に感じられるが、
全体的には、プログレバード風味のキャッチーさで耳心地よく聴ける好作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・7.5
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Deadwood Forest「MELLODRAMATIC」

アメリカのプログレバンド、デッドウッドフォレストの2000年作
ANGLAGARDのメンバープロデュースしたバンドだが、
その特徴はなんといってもメロトロン。ほぼ全篇で鳴っている!
曲調は陰鬱さとメロディアスさが同居したレトロな感触の北欧風のサウンドで、
やはり、アングラガルドやANEKDOTEN的といえる部分もあるが、
そこまでの構築性はなく、どちらかというと少しラフでほんわかとした印象。
曲そのもののクオリティ、アレンジの密度が上がれば、さらに音の説得力が増すはず。
メロディアス度・・7 メロトロン度・・9 薄暗度・・ 総合・・7.5
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Deluge Grander「August in the Urals」

アメリカのプログレバンド、デリュージ・グランダーのアルバム。2006作
基本的にはG、Key、B、Drの四人を中心とした新人バンドで、のっけから25分の大曲。
メロウでありながら涼しげな感触は、アメリカというよりもむしろ北欧のバンドを思わせる。
と、思っていると、どことなくヒネた曲展開はGENTLE GIANTあたりからの影響も感じさせ、
メロディアスなのだが曲調にはミステリアスな風味が加わって、一筋縄ではいかない。
A Triggering Myth + HAPPY THE MANというマニアックなたとえが当てはまるかはともかく、
ようするにクールなんだが、分裂ぎみにはじけているということで。そして演奏の質も高い。
25分から始まって、15、12、8、7と徐々に曲が短くなる構成もひねくれている(笑)
しかし、ジャケがCANDLEMASSのAncient Dreamsと同じなので、どうも違和感があるな。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ひねくれ度・・8 総合・・8
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Deluge Grander「Form of the Good」

アメリカのプログレバンド、デリュージ・グランダーの2nd。2009作
1stはGENTLE GIANTHAPPY THE MANを思わせるヒネくれ気味の濃密作であったが、
中心人物のシンセ奏者はBirds and Buildingsというシンフォ・ジャズロックバンドをやったりと、
なかなか精力的に活動をしているようだ。DGとしての期待の2作目となる本作は、
しっとりとしたメロトロンが鳴り響き、幻想的に始まるが、それも束の間、リズムが加わると
ヴァイオリンの音色とともに、ミステリアスな世界観と先の読めないヒネくれたセンスが炸裂、
おちゃらけと幽玄な叙情とが合体し、まるで不思議の迷宮に入り込んだような錯覚にとらわれる。
音自体はやわらかみのあるシンフォニックといってもいいものなのだが、それをこうも奇妙に仕上げる才能には
ただ感嘆するばかり。得体の知れない器の大きさは着実に磨かれてきている。ゲストによるフルート、チェロや
サックス、トランペット、オーボエといった管弦楽器による味付けはチェンバーロック的でもあり、
壮大な迷宮感覚を描くビジョンの豊かさはポストロック風でもある。ともかく濃厚な幻想プログレの傑作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・9 サウンドセンス・・9 総合・・8.5
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Discipline「PUSH & PROPFIT」

アメリカのシンフォニックロックバンド、ディシプリンの1st。1993作
メロディアスな曲調にややシアトリカルなヴォーカル、
うるさすぎない余裕のある演奏がバランスを保っていてとても聴きやすい。
GENESISにクリムゾン風味を取り入れ、そこにアメリカ的なキャッチーなメロディをほどよく
まぶしたという質感で、 どこかひねくれていながらも楽曲には小洒落たモダンさがある。
しっとりとしたヴォーカルを聴かせる曲もあり、こうした叙情性はSPOCK'S BEARDに通じる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲センス度・・8 総合・・8
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Discipline「Unfolded Like Staircase」
アメリカのプログレバンド、ディシプリンの2nd。1997作
GENESIS+KING CRIMSONという雰囲気の1stはなかなかの好作だったが、
今作は13分×2、22分、16分という大曲ばかりの構成がまずすごい。
曲はゆったりと始まりつつ、ギターとシンセ、サックスがゆるやかに絡まり、
叙情的でありながらも、やはりどこかヒネくれた展開を効かせて展開してゆく。
ややクセのあるシアトリカルなヴォーカルは好みを分けるところだが、
クリムゾン風のダークさとアメリカンプログレのマニアックさが上手くミックスされた作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ヒネくれ度・・8 総合・・7.5
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District 97Hybrid Child」
アメリカのシンフォニックロックバンド、ディストリクト97の2010年作
女性Vo、女性チェロ奏者を含む6人組で、サウンドは古き良きロック質感と
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるしっとりとしたシンフォニック性が合わさったもの。
クラシカルなチェロの響きがプログレ的なシンセに絡むのがややミスマッチであったり、
けっこうヘヴィなギターとドラムの激しい部分には、メタル風味も感じられるなど、
全体的なまとまりという点ではやや散漫さも感じられるが、ラストの27分の組曲など、
意気込みは充分。スケールの大きな女性声のハードシンフォニックとして今後に期待。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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D PROJECT「BIG FACE」

カナダのプログレユニット、Dプロジェクトの2011年作
SenseのギタリストでもあるStephane Desbiensによるプロジェクト/ユニットで、
自身でギター、シンセ、ヴォーカルこなす、薄暗い叙情性で聴かせる耳心地のよいサウンド。
メロウなギターフレーズと、キャッチーな歌メロ、サックスやチェロなども含んだ
センスのよいアレンジと、ある種、お洒落に構築された軽妙なモダンプログレである。
ぱっと聴きの派手さはないが、大曲ではゆるやかに盛り上げる壮大なシンフォ要素もあり
じっくり味わえる玄人好みの作品だ。Tony Levin、Lalle Larssonなどがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 構築センス度・・9 総合・・8
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DREAMSHIP「ANCESTRAL VOYAGE」
アメリカのシンフォニックユニット、ドリームシップのアルバム。2002作
詳細は不明だが、ネット上で知り合った2人が意気投合し、
メールでの音源のやりとりによって完成させたという、なんとも現代的な経緯の作品。
音の方は、ジャケに描かれた帆船通り、冒険的なテーマのシンフォニック作品で、
たおやかなギター、キーボード、ヴォーカルをメインにしたもの。
大作が中心で、曲の流れ的に大きな起伏に欠けるためダイナミックさは希薄。
また、雰囲気はいいのだが、インパクトのあるメロディが少ないため、
全体的にもったりとした、いかにもアマチュア的な長尺さが感じられるのが残念。
メール上でもう少し厳しいやりとりをして音を詰めてもらいたい。
シンフォニック・・8 たおやか度・・8 楽曲・・6 総合・・7




Eccentric Orbit「Attack of the Martians」
アルリカのシンフォニックロックバンド、エキセントリック・オービットのアルバム。2004作
ハモンドやメロトロンなどのアナログシンセの音色で聴かせるキーボードプログレ。
ELP的な質感もあるが、もう少し薄暗い感じで、ANEKDOTENほどにはヘヴィではない。
オールインストで10分台の曲2曲を含む全5曲。メロディアスというほどはキャッチーではなく
テクニカルなたたみかける部分も多くはないので、聴いていてやや飽きるのは否めない。
ただ演奏のまとまりは良く、質もそれなりには高い。意外とベースが活躍している。
マイルドなキーボードプログレが好きな方なら、そこそこ気に入るだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
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ECHOLYN 「SUFFOCATING THE BLOOM」

アメリカのプログレバンド、エコリンの2nd。1992作
歌心のあるメロディアスな楽曲に巧みな演奏能力は、今でいうと
SPOCK'S BEARDにも通じる雑食性のあるメロディックサウンドである。
GENTLE GIANT的な素養の深さを持ちながら、単なる技巧のみに走らず、
結果として聞きやすいポップセンスを持っているのがアメリカのバンド的。
乾いていながら優しく、展開が多いのに聴きやすく爽やか、という
90年代以降のアメリカ産メロディアスロック・プログレの新たな形を体現した1枚。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 演奏・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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ECHOLYN「As the World」

アメリカのプログレバンド、エコーリンの3rd。1995作
なんとこのアルバムは天下のEpic Sonyから日本盤が出ていたのだ。
そのおかげで多くの方は中古屋などで目にする機会もあったろうし、
またこの妖しげなジャケのせいで手にとることもなくスルーしたことだろう(笑)
自分もそうであったが、彼らがアメリカでも屈指のテクニカルプログレと知り、再評価。
さて、本作であるが、メジャーデビューということで気合が入ったのだろう、
どちらかというと硬質感のあるかっちりとした演奏で、彼らにしてはとてもソリッドな印象だ。
演奏の実力的には相当なものなので、こうしたハードめの音をやってもサマになるのが凄い。
個人的にはもっとやわらかみのあるすっとぼけたサウンドの方が彼らの持ち味だと思うが
バンドの作品中でも特異な一作として、計算されたプログレロックを楽しむことができる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 かっちりしてます度・・9 総合・・8
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ECHOLYN「When the sweet turns sour」
アメリカのプログレバンド、エコリンの4th。1996年作
前作「As The World」でメジャーデビューしたアメリカ最高のテクニカルプログレバンド、
キャッチーな歌メロとGENTLE GIANTを思わせる屈折した曲展開でマニア受けするサウンドは、
このアルバムあたりから聴きやすさのバランスがとれだして、完成の域に達しつつある。
後のSPOCK'S BEARDにも受け継がれる、テクニックがありながらも、
どこかほのぼのとしたおおらかな雰囲気は独特のもの。ライブ音源も2曲収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ほのぼの度・・8 総合・・7.5
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ECHOLYNCowboy Poems Free

アメリカのプログレバンド、エコリンの5th。2000作
90年代初頭から活動し、キャッチーなメロディを難解すぎないテクニカルさで
包み込んだサウンドは、玄人好みのプログレリスナーから支持されてきた。
本作もアメリカらしい抜けのよいメロディと叙情性ををたっぷりと聴かせつつ、
SPOCK'S BEARDなどにも通じるセンスの良さで楽曲を構築している。
小曲を巧みに配することで、曲間につながりを持たせ、コンセプト的に聴かせる。
あくまでキャッチーな歌メロやコーラスに、遊び心と余裕に溢れたリズム感覚、
その中にもしっかりとプログレへの愛情を感じさせるのが心憎い。右は再発盤のジャケ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽やかセンス度・・9 総合・・8
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ECHOLYN「mei」

アメリカのプログレバンド、エコリンの6th。2002作
今作は全1曲49分というえらく気合の入ったアルバムで、
のっけからなにやら美しいイントロでじわじわと始まってゆく。
やがて鳴り響くハモンドに、マイルドなヴォーカルメロディが加わり
エコリン節ともいうべきキャッチーかつテクニカルなサウンドが繰り広げられる。
曲が長いだけにゆるやかな盛り上がりと展開を何度も繰り返しながら、
ときにSPOCK'S BEARDDREAM THEATERすらも思わせる構成力と叙情性で
聴き手をぐいぐいと惹きつけてゆく。さすがに途中からは長尺感を感じてしまうが、
ドラマティックという点だけならばECHOLYNの最高傑作と言っていいかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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ECHOLYN「THE END IS BEAUTIFUL」

アメリカのプログレバンド、エコリンの7th。2005作
デビューは1991年なのですでに活動15年のベテラン。
アルリカンな陽気なメロディアスさとたたみかける技巧、そしてややヒネくれた楽曲センスとで、
昔から玄人受けするバンドであったが、このアルバムではかつてよりも音にはこなれた上品さを感じる。
といっても、SPOCK'S BEARD的にメロディアスでありながら、しっかりとロックとしての躍動感を兼ね揃えた
彼らならではのサウンドは変わらず、叙情パートでは大人の余裕を感じさせてくれるし、
楽しげにたたみかける演奏はやはり見事といってよい。まさに現代のGENTLE GIANT
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 大人の技巧ロック度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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EdensongThe Fruit Fallen

アメリカのシンフォニックロックバンド、エデンソングのアルバム。2008作
美しいピアノの音色にメロトロン、ハモンドなどのヴィンテージシンセがかぶさり、
フルートやアコースティックギターなどとともに、しっとりとした叙情を聴かせる。
優しいヴォーカルの歌声とともに素朴でキャッチーなメロディが耳心地がよく、
この繊細な音作りは、アメリカというよりもむしろ英国のバンドの質感に近いか。
艶やかなヴァイオリンなども加わるとクラシカルな雰囲気が増して、
ほのかに薄暗い美意識は、日本のOuter Limitsなども思い出させる。
トラッド的な質感も取り入れたしっとりとした部分もありつつ、
意外とヘヴィなパートもあったりと、ややとりとめがない感じもあるが、
おそらくコンセプトのストーリィに基づいた流れなのだろう。なかなかの力作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 繊細度・・8 総合・・8
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Edensong「Echoes of Edensong: from the Studio & Stage

アメリカのシンフォニックロックバンド、エデンソングの2010年作
前作は、ヴィンテージ色も含んだなかなかの力作シンフォニックであったが、
本作は新曲3曲にライブ3曲入りで計56分という変則的なセカンドアルバム。
レトロなオルガンの音色に、けっこうヘヴィなギターが絡み、ツーバスのドラムと
やわらかなフルートの音色が合わさった、不思議な感触のハードプログレサウンド。
たとえればBIGELFのヴィンテージロックをプログレメタル化といような感じだろうか。
長い楽曲における展開力と細やかなアレンジセンスにはさらに磨きがかかっていて、
Riversideあたりのファンでも楽しめるようなほの暗い叙情と質の高さが光る力作だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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Elf Project「Mirage」
アメリカのプログレバンド、エルフ・プロジェクトの2009年作
浮遊感のあるサイケ風味のサウンドをシンフォニックに仕上げたという感じで、
そこにエレクトリックシタールなどを使った中近東風味の質感も取り入れている。
どことなくかつてのKingston Wallあたりを思わせる雰囲気もあり、
個性的なサイケ・プログレが好きならば聴いてみて損はない。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・7.5
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Ephemeral Sun「Harvest Aorta」

アメリカのプログレバンド、エフェメラル・サンの2009年作
ヘヴィなギターにメロトロンがかぶさるダークめのハードシンフォニックサウンド。
メロウなギターが薄暗い叙情をかもしだしつつ、ときにメタリックな部分も含めて
Riversideあたりにも通じる展開美を聴かせる。全4曲でラストは40分超という大曲であるが
起伏のある構築性がなかなかセンスよく、シンセやギターのフレーズもツボを押さえている。
ポストロック的な茫漠とした壮大さ、得体の知れぬミステリアスな雰囲気もいい感じだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・9 総合・・8
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ERE G「Au-dela des ombres」
カナダのたおやか系シンフォバンド、エレ・ジュの1st。2002作
メロトロンにフルート、アコギなどを効果的に使用した耳に優しいサウンド。
派手な切り返しや盛り上がりはないものの、演奏技術はしっかりとしており
ただ弱々しいだけの音でなく、幻想美と構築された叙情が堪能できる。
フランス語による歌唱とともに、しっとりと聴けるソフトなシンフォ。これで女性Voだったらね・・
シンフォニック度・・7 たおやか度・・9 幻想度・・9 総合・・7.5


et cetera「same」

カナダのプログレバンド、エト・セテラのアルバム。1976作
本作はカナディアンプログレの名作のひとつとされており、
GENTLE GIANT的なハネ方とヒネ方をもちつつ、ジャズロック的な軽やかな優雅さと
ゆったりとした優しいメロディアスさも備えているという、なかなかの作品。
たおやかなピアノとフランス語による女性Voの歌声も素敵で、
独特のエレガンスな感触とともに、プログレとしての複雑さもしっかりと聴かせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅度・・9 総合・・8
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ETHOS「ARDOUR」

アメリカのプログレバンド、イーソスのアルバム。1975作
70年代に2枚のアルバムを残して消えたバンドだが、この1stは美しいジャケもあって、
アメリカンプログレの隠れた逸品として語られてきた。昔売ってしまったが買い直してみました。
当時のアメリカのシーンにおいてはKANSASの影に隠れて、マイナーバンド扱いだったのだろうが
今聴いてみると、サウンドにマイナーくささはなく、むしろスケールの大きな叙情性は
KANSASを凌ぐかという気もする。決して前に出過ぎないが、シンセは実にいい仕事をしており、
他の各パートもあくまでもアンサンブル重視で、楽曲をしっかりと構築しているのが素晴らしい。
またマイナー系にありがちな歌の弱さもなく、たとえばSTARCASTLEのようにYESや有名バンドからの
あからさまな影響も感じさせない。あえていえばKING CRIMSON的な硬質感と叙情の均衡が聴ける。
演奏陣の実力の高さとともに、センスの良さとスケールの大きさで聴かせる傑作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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ExCubus「Memoires incubussiennes」

カナダのプログレバンド、エクスキュブスのアルバム。2008作
1974年の幻のマテリアルに加え、2008年にメンバーが新たに録音した音源を収録したもの。
鳴り響くオルガンにメロトロン、70sブリティッシュロック的なギターの音色による
アンダーグラウンドな質感と、カナダらしいどこかとぼけた曲展開で聴かせるサウンドは、
発掘音源というには出来がよく、ELP+Atomic Roosterという感じで、なかなかの迫力だ。
2008年の新録の方はいくぶん妖しさは薄れたが、基本的には同路線で、たっぷりと鳴らされるオルガンの響きに
レトロな風味のギター、やわらかなヴォーカルが合わさって、70年代懐古主義というべきプログレが楽しめる。
メロディアス度・・7 オルガン&メロトロン度・・8 むしろブリティッシュ風度・・9 総合・・8
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EYESTRINGS「Consumption」
アメリカのプログレバンド、アイストリングスのアルバム。2005作
DISCIPLINEのメンバーがいるだけあって、メロディアスだがややダークなサウンドで、
寒々しいメロトロンの感触などはANEKDOTEN的でもある。
レトロな質感とシンフォニック性、そこにヘヴィめのギターが合わさった作風は、
意外にキャッチーな歌メロも含めて、SPOCK'S BEARDなどに通じる部分もあり、
10分台、20分台の大曲をこなすあたりも、非凡な構築センスを感じさせる。
最近のバンドではLITTLE ATLASに近いか。あとはメロディにもうひとつ抜けが出れば。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5




FAR CORNER
アメリカのチェンバー/ジャズロックバンド、ファー・コーナーのアルバム。2004作
キーボード、ベース、チェロ、ドラムという4人組で
全編インストのクラシカルなチェンバーロックをやっている。
テクニカルでありながらダークという、UNIVERS ZERO的なベクトルを持ちつつ、
重厚な演奏はKING CRIMSONを、ハモンドの使い方などはELP的な部分も思わせる。
テクニカルな変拍子の上にピアノとチェロがかぶさり、
プログレッシブでクラシカルなサウンドはシリアスな緊迫感に満ちていて
ジャズロック風でありながらもある種アカデミックな硬質感がある。
大曲においての繰り返しや、静寂パートにはもう少し工夫が必要か。
クラシカル度・・8 ダークなチェンバー度・・9 楽曲・・7 総合・・7.5
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FIREBALLET「Night on Bald Mountain」

イタリア系のミュージシャンによる、アメリカのプログレバンド(ややこしい…)
ファイアーバレエのアルバム。1975作。プロデュースはイアン・マクドナルド。
ムーグなどを使ったいかにもプログレ受けするキーボードを中心に、
クラシカルな雰囲気と展開の多い楽曲は、時代を考えればかなりの出来。
歌メロにはYESあたりに通じるキャッチーさもあり、実にメロディアスで
アメリカらしからぬ抜けの良いドラマティックさが素晴らしい。
そして、アルバムタイトル通り「はげ山の一夜」をカヴァーしていて、
18分の中に多くの聴かせ所を盛り込んで構築してゆくセンスは見事。
原曲は重厚で暗いのに彼らがやるとどこか優雅な感じがするのも面白い。
盤起こしの音の甘さを考慮しても聴くに足る内容だ。これで音が良ければ名作クラス。
とくにボーナストラックでは普通に音とびしてますから…(^_^;
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・9 音質・・7 総合・・8


Flying Colors

マイク・ポートノイ、ニール・モーズらによるユニット、フライング・カラーズの2012年作
TRANSATLANTICのニール・モーズに、Deep PurpleやDixie Dregsで活躍する・スティーヴ・モーズ
そして元DREAM THEATERのマイク・ポートノイという、凄腕のメンバーが集結したユニットで、
キャッチーなメロディで聴かせる古き良き感じのプログレハードサウンド。
やはりメロディにはNEAL MORSEの色が強く、彼のソロやTRANSATLANTICでの
キャッチーな部分に通じる味わいが感じられる。演奏の方はさすがというような玄人好みのプレイで、
随所にテクニカルなギタープレイを盛り込んだり、ポートノイのドラムに乗せるデイブ・ラルーのベースも
軽やかなグルーブが効いていて、アンサンブルとしての肩の力の抜け具合がとても爽快だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 アンサンブル度・・9 総合・・8
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Forever Twelve 「Taking Forever」
アメリカのシンフォニックロック、フォーエバー・トウェルブの2010年作
女性Voを含む5人編成で、軽快なキャッチーさとテクニカルなアンサンブル、
そこに女性ヴォーカルの歌声を乗せたサウンドは、イギリスのMAGENTAあたりを
複雑にしたという感じで、YEZDA URFAをはじめとする90年代以降のアメリカプログレの
ヒネくれ気味のどこかとぼけたアレンジ感覚というものを有している。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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FROGG CAFE「Creatures」
アメリカのプログレ・ジャズロックバンド、フロッグ・カフェの2nd。2003作
先に3rdを聴いていたが、なかなかクオリティが高かったのでこちらも購入。
のっけからメロトロンをバックにメロディアスなギターがかき鳴らされて耳を引かれる。
歌にはやや古めかしさがあって、いかにも旧態のプログレ質感を感じさせるが、
マリンバやピアノが出てくると、とたんにチェンバー/ジャズロック要素が現れ、
曲によってアヴァンギャルド風味とメロディアスプログレ風味とのギャップが面白い。
7分台と8分台の曲が2曲ずつ、そして最後は21分の大曲でまたシンフォニックに戻る。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 シンフォ/ジャズ/チェンバー?度・・8 総合・・7.5
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FROGG CAFE「Fortunate Observer of Time」

アメリカのプログレバンド、フロッグ・カフェの3rd。2005作
ジャズロック的なリズムの上を伸びやかなヴァイオリンの音色が舞い、
フルートやマリンバなどもやわらかに彩りを添える。マイルドな演奏でありながら、
リズムや展開などにはひねたアレンジがあるのがチェンバーロック的な香りもする。
軽やかなアレンジセンスと適度に肩の力が抜けた大人のプログレといった感じで、
メロディアスなフュージョンとしてもテクニカルなプログレ・ジャズロックとしても楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 なにげにテクニカル度・・8 総合・・8
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Frogg Cafe「Safenzee Siadies」

アメリカのプログレバンド、フロッグ・カフェのライブアルバム。2007作
2001年にデビューし、フュージョン、ジャズロック風味の軽やかなサウンドで、
2005年のアルバム「Fortunate Observer of Time」はかなりの傑作であった。
本作は2005〜2006年のライブ音源をCD2枚に収めたもので、大人の余裕を感じさせる
軽妙なアンサンブルに、ヴァイオリン、トランペット、トロンボーンなどが加わった
とぼけた味わいのあるチェンバーロック的な風味とともに、見事な演奏を聴かせる。
テクニカルさに頼らず歌心のあるキャッチーさも魅力で、10分以上の曲も多いが、
飄々と曲を構築する雰囲気はECHOLYNあたりにも通じる。玄人好みのバンドである。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Gekko Projekt 「Electric Forest」
アメリカのプログレバンド、ゲコ・プロジェクトの2012年作
ギター、シンセ、ベース、ドラムの4人組で、軽やかなフュージョン風のプログレをやっている。
この手のバンドとしてはFrogg Cafeなどを思い出すが、そこまでのテクニックはなく、
ときおり入るヴォーカルも含めてアマチュア臭さを残している。メロウなギターフレーズや
プログレ的なシンセワークなど、なかなか悪くないので、今後は楽曲の質向上を期待したい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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GLASS HAMMER 「journey of the dunadan」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの1st。1993作
今やアメリカシンフォニックロックの最高峰にまで成長している彼らのこれがデビュー作。
ファンタジックなジャケもそうだが、曲間に映画的な語りを導入するなど、
この時点からすでに濃密な作風で、「指輪物語」をテーマにしたシンフォニックロックが展開されてゆく。
かつてのYESにあったキャッチーな聴きやすさと、シンセによる派手な盛り上がりを聴かせつつ
アコースティカルで素朴な曲もあったりで、適度な力の抜け具合がよろしい。
後の4作目の完成度には及ばないまでも、十分高品質なシンフォニック作品と言えるだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ファンタジック度・・8 総合・・8

Glass Hammer「Perelandra」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの2nd。1995作
今やアメリカンシンフォニックの代表格として知られるこのバンド、
当時はこの美しいジャケからてっきり女性Voものと勘違いして買った記憶がある。
あらためて聴き返せば、美麗なシンセワークを中心にたおやかに聴かせる
繊細なシンフォニックロックとして、すでに充分90年代アメリカのトップクラスの出来だ。
キャッチーなヴォーカルに女性コーラスを絡めつつ、メロディ豊かなやわらかな聴き心地。
4th以降のような壮大さはまだないが、演奏、楽曲ともにクオリティが高く、安心して楽しめる。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 たおやか度・・9 総合・・8
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GLASS HAMMER「On to Evermore」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの3rd。1998作
前作のキャッチーな繊細さをそのままに、よりファンタジックなコンセプト的な世界観でしっとりと聴かせる。
あくまでシンセ主体のサウンドなので、迫力の点では物足りない部分もあり、このやわらかな作風に
物足りなさを覚えるリスナーもいるかもしれないが、90年代のアメリカでここまで本格的な
シンフォニックロックを標榜するバンドはなかなかいなかった。バンドはこの後4th「CHRONOMETREE」
70年代回帰型の濃密な傑作を作り上げ、いよいよ壮麗な作風を極めてゆく。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 たおやか度・・9 総合・・7.5
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GLASS HAMMER「CHRONOMETREE」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの4th。2000年作。
90年代シンフォの新鋭とデビューして7年、ついにバンドとしての最高傑作が誕生した。
高度な演奏力と作曲能力に裏打ちされた彼らのサウンドは、ファンタジーへの傾倒と、
楽曲における確かな構築美とともに、素晴らしく強固な世界観を作り出した。
ELPばりの弾きまくりパートと、叙情重視のハーモニーパートが絶妙にブレンドし
まさにYESの名作「危機」を思わせる、濃密な作風で一気に聴かせる。
メロディと展開力を兼ねそろえた、見事なシンフォニック傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 楽曲度・・8 総合・・8.5◆プログレ名作選入り
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GLASS HAMMER「THE MIDDLE EARTH ALBUM」
アメリカンシンフォニックの重鎮、グラス・ハマーの5th。2001作
タイトル通りファンタジー小説の古典「指輪物語」をコンセプトにしたトータル作。
のっけから素朴なトラッド曲で面食らったが、そのうちに彼ららしいシンセ入りの重厚シンフォが始まるだろうと、
聴き続けるも、いっこうにそうはならず、全編がアコースティックメイン。コリャ本物のトラッドアルバムだぁ。
私的には期待はずれなものもあったが、ある意味この吹っ切れと誤解を恐れぬ手法は凄い。
このアルバムで初めてGLASS HAMMERを知った人もいるわけで、そういった人が
「グラスハマーってこんなの?」と思ったらそれは大いなる誤解なのだが...。
なんにしてもコンセプトに本気で取り組み、自分たちのサウンドを隅にやってまで
「指輪」の世界を真摯にを描き出そうとする彼らの「本気」度は物凄いものがある。
楽曲を聴いていると中世の居酒屋で戦士や吟遊詩人たちが騒ぎながら歌声を上げる様が目に浮かぶ。
途中から女性Voも加わり、アコギやマンドリンが優雅に響いて聞き手を中世へと誘うようだ。
シンフォニック度・・6 プログレ度・・5 中世トラッ度・・9 総合・・7
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GLASS HAMMER「Lex Rex」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの6th。2002作
4th「CHRONOMETREE」において、往年のYesを思わせる古典的王道の濃密な傑作を作り、
次作ではいきなり「指輪物語」をテーマにしたアコースティックなアルバムを発表するなど
新世紀に入ってさらにバンドとしての勢いを感じさせているが、本作もまた見事な作品。
物語的な語りから始まり、壮麗なシンセワークとギターによる厚みのあるサウンドに、
女性コーラスなどによるしっとりとした美しさが加わって、楽曲にアクセントを生み出している。
ドラマティックな構成力にいっそうの磨きがかかり、展開により適度な緊張感を生み出しているのが見事。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8
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GLASS HAMMER「Live at NEARfest」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーのライブアルバム。2004作
2003年のアメリカNEARFESTでのステージをを収録。
楽曲は7th「LEX REX」からのものを中心に、シンフォニックなキーボードを中心に
きらびやかな演奏を聴かせる。三人の女性Voも加わったサウンドには厚みがあり、
曲調の抜けの良さもあって、爽快感溢れるシンフォプログレを堪能できる。
終盤には混声合唱団も登場し、さらに壮麗に盛り上げてくれる。
以前に見た「LEX LIVE」のDVDよりはずっと楽しめる内容だ。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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GLASS HAMMER「SHADOWLANDS」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの7th。2004作
王道のシンフォバンドとしては恐らく現在アメリカ最高のバンドといってよいと思う。
4th「CHRONOMETREE」において、コテコテの濃密引き倒しシンフォでマニアを唸らせ、かと思えば
続く5th「THE MIDDLE EARTH ALBUM」では中世風トラッドアルバムに挑戦、とやりたいことをやっている。
今作「SHADOWLANDS」は、濃密なシンフォ路線と軽快なメロディアス性が融合されたサウンドで、
なにに近いかといえばやはり「危機」の頃のYESといっていいかと思う。
わざわざ生音にこだわり本物のパイプオルガンを使用したり、ストリングスも生音というこだわりようで、
大変力が入っていながら、さりとてヤボったくなりすぎず、ある意味上手く力が抜けた爽快さが音にある。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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GLASS HAMMER「The Inconsolable Secret」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの8th。2005作
このバンドの核をなすのは、マルチプレーヤーのフレッド・シェンデルとスティーブ・バーブのオヤジ2人組。
プログレオタク友から、ついにはアメリカを代表するシンフォバンドとなったという。
今回のジャケはロジャー・ディーンその人。Yesをリスペクトする彼らの夢がついに叶ったということか。
CD2枚組、計100分弱という本作は、これまでになく70年代風の質感を増した雰囲気で、
ELP風のキーボードにYES風コーラスワークなど…それらを現代のシンフォ感覚で構築し直したという作風。
大曲における密度は、傑作「CHRONOMETREE」あたりに比べるとやや薄いが、
その分ゴリ押しではないゆるやかな叙情とキャッチーなメロディアスさが際立っていて、
音色豊富なキーボードワークと美しいストリングス、それに女性コーラスに混声合唱などが合わさり、
壮大かつマイルドなシンフォニックロックを形作っている。ゆったりと聴ける大作です。
シンフォニック度・・8 ゆるやかに壮大度・・9 キーボー度・・8 総合・・8.5
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GLASS HAMMERCulture of Ascent

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの9th。2007作
1993年のデビューから一貫して幻想的で壮大なシンフォニックサウンドを
つくり続けてきたこのバンド、今やアメリカ最高のシンフォバンドの地位を築き
前作ではロジャー・ディーンによるジャケとともにCD2枚組の大作を完成させた。
それに続く本作も、バンドの円熟さらなる探究心を感じさせる力作に仕上がっている。
曲ごとに男女Voをそれぞれをフロントにして、巧みなシンセワークと、山あり谷ありの
ドラマティックな構成で9分、9分、7分、16分、19分という長曲を飽きさせずに聴かせる。
ヴァイオリン、チェロなどの生のストリングスは説得力のある優雅さをサウンドにもたらし、
古くささのないモダンな重奏アレンジとともに、たんなるプログレ、シンフォというよりも、
もっと普遍性のある美しきドラマティックロックにまで昇華されたという印象だ。
ジョン・アンダースンのゲスト参加という話題性もあるが、それはただの要素にすぎない。
ゆるやかなる音の洪水に心地よく飲み込まれてゆける、これは素晴らしい傑作である。
シンフォニック度・・9 プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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Glass HammerThe Compilations」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの未発曲集。2007作
1993年にデビューしてから、現在までにアルバム10作以上、ライブやDVD作品を入れると
15作を超えるという、名実ともにアメリカのシンフォニックシーンを代表するこのバンド。
本作は1996〜2004年の間の未発曲、別バージョン、ライブ音源などを収録。
壮麗なシンセワークを中心に、アメリカらしいキャッチーなメロディと往年のプログレ感覚に
壮大でファンタジックな世界観をブレンドさせた、彼らならではのシンフォニックワールドは
未発曲とはいえ、そのクオリティは他のバンドを寄せつけない。ファンは必聴の音源だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Glass Hammer「Three Cheers For The Broken-Hearted」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーのアルバム。2009作
毎作、濃密かつ壮麗なシンフォニックアルバムで、コアなリスナーを魅了してきたこのバンドが、
今回はなんと、女性ヴォーカルをメインにしたしっとり系のアルバムで攻めてきた。
10分、20分当たり前という作風だったのが、今作では3〜5分台のコンパクトな楽曲で
メロディアスかつコケティッシュなサウンドに変貌している。これはびっくりである。
もちろん美麗なシンフォニックアレンジはそこかしこに健在であるが、歌ものということで、
本作ではそれらもやや控えめ。これがクドすぎずなかなか絶妙なのである。
ほんのり翳りのあるゴシックロック的な倦怠感もあって、その筋のリスナーにも楽しめる。
シンフォニック度・・7 しっとり叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Glass Hammer「If」

アメリカのシンフォニックロックバンド、グラス・ハマーの2010年作
1993年のデビューから濃密かつ幻想的なシンフォニックロックを作り続けてきた
アメリカを代表するシンフォ系バンド。前作は女性Voをメインにした作風であったが、
今作では再び以前のYESタイプの路線に戻っている。レトロな雰囲気を感じさせるシンセワークに
キャッチーなヴォーカルメロディで、耳触りのやわらかなシンフォニックロックが楽しめる。
10分超が2曲に、ラストは24分の大曲という力作であるが、濃密すぎない爽やかさがよろしい。
シンフォニック度・・8 爽やか度・・9 Yes風味度・・8 総合・・8
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GLASS HAMMER「Cor Cordium」

アメリカのシンフォニックロック、グラス・ハマーの2011年作
1993年のデビューから濃密なシンフォニックロックを作り続けてきたこのバンド、
12作目となる本作は、EL&Pばりのオルガンが鳴り渡る古き良きプログレ感触に
前作から引き継いだYes風味がキャッチーに重なる作風で、のっけから思わずにやり。
やわらかな聴き心地で大人の叙情を表現するのは、このバンドならではのこだわりだろう、
オールドリスナーが好むプログレ感覚を、現代シンフォの構築力で再現するセンスは
相変わらず見事と言う他はない。全6曲中、10分以上が4曲と、いつも同様に余裕の力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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Growing Dream 「Seeds」
カナダのシンフォニックロックバンド、グローイング・ドリームのアルバム。1995作
ジャケからしていかにもマイナー臭いが、内容は女性ヴォーカルの正統派シンフォ。
美しいピアノに乗る、アニー・ハズラムに少し似た感じの歌声がなかなかよろしい。
ゆったりと聴かせるタイプで派手さはあまりないが、サックスやフルートが加わると、
ジャズロック的な質感にもなる。個人的にはクラシカルな感じでゆくのなら
サックスなどは不要だし、気の抜けたような男性Voもいらないと思うのだが。
シンフォニック度・・7 メロディアス度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7


GUY LeBLANC「ALL THE RAGE」
カナダのシンフォニックロックバンド、NATHAN MAHLのKEY奏者、ギー・ルブランのソロ作。2004作
硬質シンフォのNATHAN MAHLに比べ、ここではたおやか系のキーボードシンフォをやっている。
ときにギターと絡みながら、キーボードはムーグ的な音色や、ストリングス系しっとりとしたピアノなどを使い
うるさすぎない耳に優しいプログレサウンドは、「HERETIK」三部作をやややわらかくしたような雰囲気。
自身によるしわがれ声のヴォーカルや、リズムが打ち込みである点を差し引いても
メロディアス&シンフォ系プログレファンならばなかなか楽しめる出来だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
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Hamadryad「Conservation of Mass」

カナダのプログレバンド、ハマドライアドのアルバム。2000作
軽やかでメロディックな演奏と、ProgMetal的なハードな質感もあるサウンドで、
展開にはややひねくれた屈折感があってなかなか面白い。
ヴォーカルはときにYesのジョン・アンダースンを思わせる雰囲気で、
どこかアラビックなフレーズとともにサイケロック的な浮遊感も聴かせる。
演奏力も高く、とくにドラマーの細かなテクニックはかなりのもの。
同じくカナダのPOLLENRUSHのような高度なつかみ所のなさに、
YESのキャッチーさを加えたような、玄人好みの作品と言ってよいだろう。
メロディアス度・・8 屈折度・・8 ProgMetal風味度・・7 総合・・8 Amazon.co.jp で詳細を見る

Hamadryad「Safe In Conformity」

カナダのプログレバンド、ハマドライアドの2nd。2005作
デビュー作はProgMetal的な質感にYes風のキャッチーさを合わせたような
なかなかの秀作だったが、今作ではハードさをやや抑えた叙情性に磨きをかけた作風。
オルガンを含めた美しいシンセワークやギターの泣きメロも耳に心地よく、
ジョン・アンダースンのようだったヴォーカルも、しっとりと歌い上げる部分が多くなり、
今作ではむしろGENESISのガブリエル風味をかもしだしたりしている。
SPOCK'S BEARDGENTLE GIANTを思わせる、ヒネくれた展開美も盛り込みつつ
古き良きプログレの質感を上品なモダンさで包み込んだような印象だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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HAMADRYADLive in France 2006」
カナダのプログレバンド、ハマドライアドのライブアルバム。2007作
以前に聴いた1st、2ndもセンスのよいメロディアスなプログレアルバムであったが、
ライブにおける演奏力もなかなかのもの。G、B、Dr、Keyという4人編成で、
息のあったアンサンブルとともに、初期のSPOCK'S BEARDにも通じるキャッチーさと
いくぶんヒネくれた構成力で聴かせる楽曲は、じっくり楽しめる玄人好みのものだ。
メロディックなギターフレーズとプログレ的なシンセが絡み、GENESIS的なヴォーカルが乗る
爽快なシンフォニックロックであり、そこにカナダ的な構築センスを効かせた作風である。
9分以上の曲が4曲と、わりと長めなので、どうしても長尺感は感じてしまうが。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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HAPPY THE MAN

アメリカのプログレバンド、ハッピー・ザ・マンの1st。1977作
紙ジャケ/リマスターで買い換え。まだこのバンドのことを知らない方は大いなる不幸である。
ひとことで言うなら、テクニカル化したCAMELというべき彼らのサウンドは、切れの良いリズムに
叙情的なキーボードが重なり、ギターにサックス、フルート、そしてときおり聴かせる甘いヴォーカルと、
ジャズロック的なテクニカルさとシンフォニックとの高度な融合なされており、非常に日本人好みなのだ。
たたみかける展開の中にもしっとりとしたパートもあり、シンセを中心にしたメロディの洪水にうっとりだ。
この軽やかなセンスと美意識は、年代を思えば実に見事である。より洗練された次作も必聴だ。
メロディアス度・・9 テクニカル度・・8 軽やか度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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HAPPY THE MAN「CRAFTY HANDS」

ハッピー・ザ・マンの2nd。1978作。紙ジャケ/リマスター盤。
1stでアメリカのプログレのイモ臭さを完璧に払拭した彼らが生み出した最高傑作。
前作の流れをそのままに音にはダイナミックな広がりが増し、インストをメインにしながら、
キレのよいリズムアンサンブルにギターとシンセの重なる叙情味溢れるメロディが素晴らしい。
その絶妙に洗練されたサウンドには、アメリカのバンドらしからぬ吹っ切れを感じさせ、
とくにリーダーであるキット・ワトキンスの巧みなシンセワークは、繊細なクラシカルさと同時に
フュージョン的でもあるモダンな感触を生み出していて、今聴いてもそのセンスは輝いている。
プログレ後進国といわれたアメリカの70年代でこのクオリティは奇跡的。テクニカルシンフォの名作だ。
メロディアス度・・9 テクニカル度・・8 軽やか度・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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HAPPY THE MAN「BETTER LATE...」

ハッピーザマンの3rd。1979作。とにかくこのバンドの1st、2ndを聴いてから、
アメリカ70年代のプログレを見直すことになったのだ。彼らはそれだけの凄いバンドなのだ。
最高作2nd「CRAFTY HANS」では彼らのテクニカルなセンスに打ちのめされたわけだが
この3rdでは音的には「たおやか」といってよいほど、ぐっと落ち着いた雰囲気である。
もちろんよく聴けばその演奏は確固たる技術に裏打ちされたものなのだが、
表面上はそんなものさらとも出さず、しっとりとした叙情美を構築してゆく。
もはやテクニックなど見せびらかすものではない、と3作目にしてすでに悟っているかのようだ。
なんてハイセンスな奴らだ。お前ら本当にアメリカ人なのか?といいたくなるほど。
余裕ある演奏でじっくりとメロディをつむぎあげ極上のシンフォプログレを作っている。
メロディアス度・・8 ギターも素晴らしい度・・9 演奏・・9 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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HAPPY THE MAN「LIVE」

アメリカ最高のテクニカル・シンフォニックバンド、ハッピーザマン。1978年のライブ。
時期的には2ndを出した直後ということで、演奏曲は1st、2ndから。
このアルバムで彼らのライブでの音を初めて聴いたわけだが、
やはりアルバム同様、メロディアスで叙情的ながらも非常にタイトで緻密な演奏である。
YES「YES SONGS」を聴いたときに近い感覚だろうか。
こののちCAMELへ加入するキット・ワトキンスのキラキラしたキーボードワークが冴える。
何度もいうが当時のアメリカという国でこれほどの音楽を作って見せたバンドはそういない。
メロディアス度・・8 演奏・・9 音質・・7 総合・・8
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HAPPY THE MAN「BEGINNINGS」

アメリカ屈指のシンフォバンド、ハッピーザマンの未発表曲集。
録音の時期は1st発表以前の1974〜1975のものだが、曲、演奏のクオリティは到底未発表曲のレベルとは思えん。
プログレ後進国と言われたアメリカで、ここまでハイセンスな楽曲を作り、演奏したバンドがいただけでも凄い。
3枚のアルバムを発表した後、メインライターであるKeyのキット・ワトキンスCAMELへと引き抜かれたわけだが、
もしそうならなければ今現在も最高のシンフォバンドが活動をしていたかと思うと複雑な気がする。
とにかくYESCAMELは知っているがHAPPY THE MANを知らないというプログレファンは
彼らのアルバムを聴いて欲しい。まずは2ndの「CRAFTY HANS」を。フランスのMUSEAから再発盤が出ている。
このバンドの才能、アレンジセンスと演奏能力、メロディの質は世界的に見てもトップクラスである。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 演奏・・9 総合・・8
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HAPPY THE MAN「THE MUSE AWAKENS」

アメリカ伝説のテクニカルシンフォバンド、ハッピー・ザ・マンの復活作。2004作
70年代に3枚の傑作アルバムを残して解散したこのバンド、
メロディメーカーであったキット・ワトキンスがCAMELに引き抜かれたことは有名だが、
まさか、この2004年になってから完全な新作を発表するとは…まったく驚いた。
肝心の音の方だが、これがびっくりするくらいに「あの」ハッピーザマンである。
軽やかな変拍子に耳に馴染むメロディを載せ、たたみかけるように展開してゆく様は
まさに高密度なテクニカル・シンフォニックロックというに相応しい。
また、引きの部分のシンセの美しさは、現代の機材のおかげでいっそう奥行きを増し
サウンド的にもキット・ワトキンス不在をまったく感じさせない。
時代を超えて甦った、まさにハピマン節全開の傑作だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ハッピーザマン度・・10 総合・・8.5
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Hobson's Choice「new horizons」
アメリカのシンフォニックロックバンド、ホブソンズ・チョイスのアルバム。1996作
アメリカにはこの手の自主制作ものが多いが、これはその中でも比較的クオリティが高い。
ハモンドなどのレトロなシンセワークに、ときにブルージーにもなるメロウなギター、
ゆるやかな楽曲に乗るのは、ヴォーカルと古めかしいコーラスワーク…
録音の弱さも手伝って、まるで70年代の発掘バンドの音にも聞こえる。
プログレマニア気質のシンセとオヤジ的なロックギターが融合されたサウンドは
ときに哀愁のメロを乗せて泣きを誘いつつ、決して枠から外れないある種の安堵感がある。
メロディアス度・・8 オヤジプログレ度・・8 レトロ度・・8 総合・・7.5


I

ILUVATAR「CHIILDREN」
アメリカのシンフォニックロックバンド、イルヴェイターの2nd。1995作
いわゆるPENDRAGONにも通じるロマンティックなシンフォニックロックで、
Voの声質などからMARILLION等のポンプロックサウンドも思い出される。
メロウなギターにツボをつくキーボードによる楽曲はアメリカらしくなく、
しっとりとした感触で盛り上げ方もゆるやかな正統派の長尺シンフォ。
緊張感やアンサンブル的な見どころはないので、この手のゆったり系シンフォが
苦手だと退屈に感じるだろう。まだPENDRAGONレベルの泣きまではもう一歩。
メロディアス度・・8 壮大度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5


INFINITY「same」
アメリカのシンフォニックロックバンド、インフィニティのアルバム。
いわゆるマイナー系アメリカシンフォバンドの発掘音源。レーベルはあのSYN-PHONICです。
メロディアスなギター、美しいピアノ、キーボードに、YESからの影響を感じさせるコーラスワーク。
全体的にとても爽やかでキャッチーな音ですが、曲にただようマイナー臭さと
やはりどことなくECHOLYNを生み出したアメリカならではのひねくれがあるのもミソ。
メロディアスかつシンフォニックで、曲の出来はまあまあ良いのですが、スリリングな部分は少ないです。
PENTWATERYEZDA URFACATHEDRALLIFTREALMNOWあたりを聴く方ならこれもどうぞ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 マイナー度・・8 総合・・7


IZZ「I MOVE」

アメリカのプログレバンド、イズの2nd。2002作
テクニックもあり、メロディアスでキャッチー、だが一筋縄ではいかない。
こういうバンドのレビューは面倒だ。なにせ1曲聴いただけでは全体像がつかめない(^^;)。
感触としてはSPOCK'S BEARDをひねくれさせた感じ・・・ということは
SOMNAMBULISTあたりにも近いものがあるといっていいだろう。
最近のアメリカの傾向なのか、かつて70年代に存在した偉大なバンドHAPPY THE MAN
遺伝子を脈々と受け継いでいる気がするバンドが出始めている。
一聴して分かりやすい気がするのに、曲調はコロコロ変わるし、じつに面白い。
キャッチーだがプログレ、というこのアメリカのマイナーシーンの現在を表すバンドのひとつ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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izz 「ampersand」

アメリカのプログレバンド、イズのアルバム。2004作
2ndの未収録曲7曲とライブ音源4曲という変則のアルバム。
このバンドの2nd、3rdはアメリカンプログレとしては本当にクオリティの高い作品で
ロック的なグルーヴ感を有した抜群の演奏力と、聴きやすいメロディアスさが際立っていたが、
このCDでの未発曲もレベルが高く、楽曲自体はアルバムよりもいい具合に力の抜けた感じで
ゆったりとした中にもしっかりとした演奏を聴かせてくれる。数曲で歌う女性Voも良い感じだ。
後半はライブ音源で、こちらもさすがの演奏力で複雑な曲をさらりとこなしているのが見事。
今アメリカでSPOCK'S BEARDECHOLYNに続く実力があるのはこのバンドだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 演奏センス度・・9 総合・・8
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IZZ「my river flows」

アメリカのプログレバンド、イズの3rd。2005作
前作はテクニックとメロディに加えヒネたセンスを兼ね揃えた傑作であったが、
今作は一聴するとシンプルなロック化したような雰囲気もある。しかしECHOLYNの近作などと同様、
よくよく聴けばリズムのひねくれ方や細かなアレンジなどにはやはり唸らされる部分が多い。
リフとメロディを巧みに使い分けるギターのバックには、レトロな質感をかもしだすキーボードの音色、
そしてテクニックのあるドラムのプレイも見事で、ぐいぐいと演奏でたたみかける場面もある。
キャッチーなコーラスワークの奥には、むしろイギリス的な叙情も垣間見せたりと、
さらりとしているようで聴き所は多く、見方によってはSPOCK'S BEARDを超えているとも。
ラストは20分の大曲で、女性ヴォーカルも含めてドラマティックな展開美で聴かせる。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 演奏センス度・・9 総合・・8
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IZZ「LIVE AT NEARFEST」

アメリカのプログレバンド、イズのライブアルバム。2007作
これまで企画もの含め4枚のアルバムを出している、アメリカンプログレの中堅バンド。
ツインドラムに2人の女性Voを含む7人編成というのも面白いが、
彼らのサウンドはむしろスタイリッシュなロック的な普遍性に
適度なテクニカル性とヒネたアレンジを織り込んで聴かせるというもの。
このライブ演奏では、いかにもプログレ的なシンセワークと変拍子でたたみかける初期の楽曲と
歌メロを大切にしたキャッチーなナンバーや、うるさすぎないメロディックロックが同居していて、
このバンドの変遷を知れるとともに、プログレ初心者からマニアからまで楽しめる内容となっている。
SPOCK'S BEARDの背後に、彼らのような優秀なバンドもいることを知るべきだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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JACK FOSTER V「RaptorGnosis」
アメリカのギタリスト、ジャック・フォスターのアルバム。2005作
すでに3作目らしいが聴くのはこれが初めて。MAGELLANのトレント・ガードナー全面参加ということで
大いに期待していたが、サウンドはゆったりとした大人のメロディアスロックのプログレ風という雰囲気。
スリリングさはほとんどないが、トレント・ガードナーも作曲に参加しているとあって、
ときおりマジェラン風の歌メロもでてきてにやりとする。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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JACK FOSTER VJazzraptor's Secret

アメリカのミュージシャン、ジャック・フォスターのアルバム。2008年作
MAGELLANのトレント・ガードナーに、マルチミュージシャンのロバート・ベリーという
3人編成で制作された本作は、キャッチーなメロディと美麗なシンフォニックが合わさった
なかなか素晴らしい作品となった。ゆったりとしたメロディアスロック風であった前作に比べ
今作ではぐっとプログレ的な展開力が増え、MAGELLANを思わせるドラマティックさが
やわらかな繊細さと融合されたようなサウンドは、耳心地がよく、なおかつ壮麗だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Jellyfiche 「tout ce que j' ai reve」

カナダのプログレバンド、ジェリーフィッシュのアルバム。2008作
70年代風味のレトロなシンセワークにフランス語の歌唱、
ゆったりとした浮遊感とともに心地よく聴かせるシンフォニックロックだ。
たおやかなフルートの音色に、叙情的なヴォーカルハーモニーが響きわたる。
あくまでメロディ主体で難解さはなく、 泣きのギターによるGENESIS的な叙情に加え、
サックスが鳴り響くサイケロック的な浮遊感もあり、演奏のメリハリもあって飽きない。
幻想的な夢見心地を感じさせるサウンドには新人らしからぬ強度があり、
PINK FLOYD的なまどろみ感覚が味わえる。しっかりとした世界観をもった作品だ。
シンフォニック度・・8 やわらか度・・9 レトロ度・・8 総合・・8
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K2「BOOK OF DEAD」

アメリカのシンフォニックロックバンド、K2のアルバム。2004作
ギターには何とアラン・ホールズワースが参加、Keyはリョウ・オクモト(SPOCK'S BEARD)という
豪華なメンツ。古代エジプトの「死者の書」をテーマにしているアルバムのようだが、
そういうのはあまり関係なく…というか、どうでもいいようにさえ感じてしまうようなサウンド。
@からホールズワースの深みと枯れた味わいのあるギターに、つややかなヴァイオリンと
壮麗なKeyが絡むという極上のシンフォニックロックで、そこにかすれ気味のVoが重なると
初期GENESIS風の幻想的な味わいを現代のダイナミズムで再現したような雰囲気にもなる。
テクニカルさと同時に大人のシンフォ的な落ち着きもある良質の作品である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ダイナミック度・・8 総合・・8
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K2「Black Garden」

アメリカのシンフォニックロックバンド、K2の2010年作
前作はアラン・ホールズワースの参加が話題となったが、6年ぶりとなる本作は
前作にもあったGENESIS的なシンフォニック路線をより重厚に仕上げたという力作。
SPOCK'S BEARDでも活躍するリョウ・オクモトのシンセワークに、メタリックなキレのあるギター、
そしてガブリエル調のヴォーカルで、古き良き濃密なシンフォニックロックを構築している。マイスペ
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 GENESIS度・・8 総合・・8
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KANSAS

アメリカのプログレバンド、カンサスの1st。1974作
2nd以降の構築性に比べるとまだプログレ色は濃くなく、
ヴァイオリンとハモンドの入った軽快なロックという印象。
逆にいうとプログレが苦手な方にも曲調が分かりやすく、
メロディアスでありつつもロックとしての熱さを持ったアルバムだ。
そんな中にも泣きの叙情を感じさせるバラードや、7〜9分の大曲では
プログレバンドとしてのドラマティックな側面をしっかりと聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 後半はドラマティック度・・8 総合・・8
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KANSAS「SONG FOR AMERICA」

アメリカのプログレハードのベテラン、カンサスの2nd。1975作
いきなりノリのいいロック調の@はさておき、名曲“SONG FOR AMERICA”の美しいメロディと
ヴァイオリンの音色にはやはりうっとりとなる。壮大さとプログレ的な構成力を感じる
“Lamplight Symphony”とともにバンドとしての絶頂期の始まりを思わせる。初期の傑作の1枚。
リマスター&ボーナストラック付きで“SONG FOR AMERICA”シングルバージョン他を収録。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・8
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KANSAS「MASQUE」

70年代アメリカを代表するプログレバンド、カンサスの3rd。1975作
2001年デジタルリマスター、ボーナストラック付き。
序盤は意外に普通のアメリカンロックナンバーが続くが、
ヴァイオリンに変拍子リズムのプログレ風味が加わるCなどは
ヴォーカルといいメロディといい、これぞカンサス節でとてもシンフォニック。
大曲Gなどの展開もスリリングで実にドラマティック。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KANSAS「Leftoverture」

カンサスの4th。邦題は「永遠の序曲」。1976作
1曲目の“Carry On Wayward Son”は誰もが口ずさめるメロディで印象に残る1曲、
そして2曲目の“The Wall”は、泣きのヴァイオリンにギターとシンセが合わさり
感動的に聴かせる、バンド史上でも美しさの点では最高の名曲だ。
ラストの“Magnum Opus”はプログレ的な大曲だが、全体的には明るめのキャッチーさと
ドラマ性とのバランスがとれたアルバムだ。スタジオアルバムでどれか1枚となると、
やはり本作ということになるだろう。リマスター盤にはボーナスにライブ音源を2曲収録。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8.5
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KANSAS「Point of Know Return」

カンサスの5th。邦題は「暗黒への曳航」。1977作
前作よりさらにキャッチーな質感が増し、初期からの大曲志向は影をひそめたが、
3〜4分台の曲を中心に、ノリの良い軽快な作風とメロディアスな明快さで聴かせる
KANSAS節ともいうべきアメリカンプログレハードが堪能出来る。
プログレとしてはやや物足りないかもしれないが、美しいシンセとヴァイオリンの音色は不変で、
やや小粒な印象ながらもとても聴きやすいアルバムだ。
リマスター盤にはボーナスにライブ音源1曲とリミックス曲を追加収録。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 ドラマティック度・・7 総合・・8
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KANSAS「Two for the Show」

アメリカのプログレバンド、カンサスのライブアルバム。1978/2008作
この「偉大なる聴衆へ」は、間違いなくKANSASの作品中最高のアルバムであり、
またプログレとしてだけでなく、ロックを代表する傑作ライブアルバムとしても名高いが、
これはリリースから30周年を記念して出された、2枚組のいわば完全版だ。
キャッチーなメロディに鳴り響くヴァイオリン、そしてドラマティックな楽曲群…
“Lamplight Symphony”から名曲“The Wall”への流れはやはり感動的だ。
Disc2には未発のライブ音源を11曲に、さらにCD化する際に削られた曲も収録。
リマスターで音質も向上。プログレ者なら必ず聴くべき作品である。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 買い換え度・・10 総合・・9
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KANSASMonolith」

カンサスの1979年作。邦題は「モノリスの謎」
前作「Point of Know Return」あたりからポップな部分が増してきているが、
ともかく本作まではドラマティックなプログレ性が残っているので、それなりに楽しめる。
キャッチーな歌メロにはホップさがあるが、美しいシンセワークにヴァイオリンの音色も含めて
叙情的なサウンドはさすがカンサスである。とくにドラマティックな1曲目が白眉。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・7 総合・・8
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KANSAS 「FREAKS OF NATURE」

アメリカのプログレハードの雄、カンサスのアルバム。1996作
80年代に入るとバンドは一時休止に陥り、それ以降はなかなか往年のファンを満足させるだけの
アルバムを作れなかった彼らだが、この作品は全盛期を思わせるドラマティックなサウンドが味わえる。
とくに序盤のたたみかけるような、はねるリズムと美しいヴァイオリンの音色はまさしく「あのカンサス」。
オリジナルメンバーではないという点や、これといった名曲がないなど、完璧なアルバムとは言えないが、
メロディアスハード的なギターとそれに絡むヴァイオリンは、アルバムを通して充分聴きどころになっている。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 カンサス度・・8 総合・・8
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KANSAS「always Never the same」

カンサスのオーケストラとの共演作。1998作
過去の名曲とBEATLESのカヴァーと新曲を1曲をオーケストラとのコラボで再現、
という少々変則的な内容だが、ライブ録音ではなくれっきとしたスタジオ作。
元々がメロディアスな楽曲のおかげもあるのだろう、バンドサウンドがオーケストラに負けることなく、
しっかりとシンフォニーとロックの両立をしており違和感なく聴ける。“Song for America”、
“THE WALL”など名曲のオケ入りバージョンが聴けるというだけでも聴く価値はある。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・6 壮大度・・8 総合・・8
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KANSAS「SOMEWHERE TO ELSEWHERE」

ついにオリジナルメンバーで復活した、カンサスの2000年作
約20年ぶりにケリー・リヴグレンとロビー・スタインハートという往年のメンバーが復帰したのだから驚きだ。
美しいピアノのイントロから始まる“Icarus U”からして、往年のドラマティックカンサスの復活を告げてくれ
メロディアスな歌メロとスリリングな間奏部分が素晴らしい、これは彼らの新しい名曲だ。
アルバム全体を通して言えば、曲にややばらつきがあるのは否めないが、
7分以上の大曲が5曲もあり、彼らのプログレハードバンドとしての意気込みが感じられる。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 カンサス度・・8 総合・・8
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KANSAS「DEVICE-VOICE-DRUM」

アメリカの大御所、カンサスのライブアルバム。2002作
2002年にアトランタで行われたライブの録音。同タイトルのDVDも出ている模様。
艶やかなヴァイオリンの音色に、メロディアスなヴォーカルライン…瑞々しい演奏と楽曲
年月が経っても変わらない。中でもやはりFの“THE WALL”はイントロだけでもう鳥肌もの!
あとは“Song for America”“Journey from Mariabronn”あたりの
プログレッシブな大曲がやはり良いし、なにげに“Icarus U”などもすごく格好いい。
録音の良さも手伝って、近年のライブ作品ではピカイチの内容だろう。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 ライブ演奏・・9 総合・・8
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KANSAS「There's Know Place Like Home」

アメリカプログレの最高峰、カンサスのライブアルバム。2009作
バンドデビュー35周年を記念してのオーケストラとの競演ライブを収録。
メンバー交代や活動休止などがありながらも、一貫してメロディアスなロックを追求し続け、
活動を続けるこのバンドこそ、プログレという壁を超えて今も多くのロックファンに愛される、
それだけの音楽性の中身をともなった数少ないプログレハードバンドであろう。
デビッド・ラグズデールのヴァイオリン鳴り響き、スティーブ・ウォルシュの変わらぬ歌声が
“Point of Know Return”、“Song for America”、“The Wall”、“Carry on Waywardson”など
過去の名曲たちを歌いあげる。演奏自体はベテランらしい落ち着いた成熟を感じさせるもので、
スリリングな部分はそうないが、バックのオーケストラとともに壮麗に蘇るカンサスサウンドを
芳醇なワインを味わうようにじっくりと楽しみたい。同タイトルのDVDや2CDの完全版もあり。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 オーケストラ度・・8 総合・・8
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KIT WATKINS「LABYRINTH」
アメリカのテクニカルシンフォバンドHAPPY THE MANのKEYだったキット・ワトキンスのソロ作。
制作時期は1981年というからCAMEL脱退直後くらいなのだろうか。
サウンドはHAPPY THE MAN時代を思わせるテクニカルな部分と、
CAMELで培われたと思われるキャッチーで落ち着いた部分の融合したもの。
HAPPY THE MAN時代の曲のリアレンジも数曲あり、やはりプログレ者としてはそこでにんまりする。
他の曲においてもKEYの音色などにはかつてを思わせるワトキンス節がかいま見え、
このときにHAPPY THE MANを再結成していてくれたら、という仕方のない思いもついこみ上げてきてしまう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・7.5
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KLAATU「Klaatu/Hope」

カナダのプログレバンド、クラトゥの1st、2ndカップリング。1976/1977作
中期ビートルズのサウンドを思わせる作風から、「ビートルズの覆面バンド」とも呼ばれたらしいが、
確かに今でいうSPOCK'S BEARDなどにも通じる、やわらかなメロディが爽快なプログレ作である。
美しいメロトロン、オーケストラをバックに、優しいヴォーカルの歌声が心地よく、
ポップなメロディと70年代的な温かみのあるロック感覚が合わさった音を聴かせる。
2ndになると、キャッチーなサウンドの中にもドラマティックな泣きが加わって、
プログレ的な聴き応えが上がっている。メロディアスなロックが好きな方にお勧めだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 爽快キャッチー度・・9 総合・・8
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Kurt Rongey「That Was Propaganda」
The Underground Railroadのキーボーディスト、カート・ロンギィのソロ作。2000作
自身のシンセとヴォーカルを中心に、ギターと打ち込みドラムによるサウンドながら、
クラシカルで優雅な味わいと、アメリカらしいキャッチーさが合わさった質の高い作品だ。
レニングラードの歴史をテーマにしたシリアスな側面を覗かせつつ、
アカデミックな硬質感とともに、きらきらとした美しいシンセワークが耳に心地よい。
THE ENIDの優雅さに、MAGELLANのような歌メロが合わさったといえばいいのか、
そして、そこに東欧的なシリアスなシンセサウンドを組み合わせた雰囲気で、
プログレ、シンフォニックというよりも、幾分屈折感のあるシンセ作品として楽しめる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 シンセサウン度・・9 総合・・7.5




LANDS END「Natural Selection」
アメリカのプログレバンド、ランズ・エンドのアルバム。1997作
シンフォニックなシンセをメインに、テクニックはないが時々メロウな泣きを聴かせるギター、
アメリカらしいキャッチーな歌メロとともに、ゆったりのんびり聴かせるサウンド。
10分以上の大曲が4曲(うち1曲は30分)というけっこうな大作志向で、
さすがに長尺すぎると思いつつも、耳触りがいいのでなかなか嫌いにはなれない。
マニア気質の美意識で描かれる世界観は、スケール感と奥深さには欠けるものの、
どことなくポストロック的なもどかしさもあり、演奏はつたないが、まどろみつつ聴けたりする。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ゆるやか度・・9 総合・・7
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Leah Waybright「Beauty gone wild」
アメリカの女性シンセ奏者、リア・ウェイブライトの1999年作
ブックカバーのついた本のような装丁に、中にも美しいイラスト入りの物語が描かれた
ファンタジックなコンセプト作。ゆるやかなシンセをメインに聴かせるインストで、
フルートの音色とともに、女性らしいナイーブさに満ちたメロディが耳に優しい。
リズム隊がHAPPY THE MANのメンツなので、カッチリしすぎていてどうも
やわらかなサウンドと不似合いな気もするが…ともかく、淡い水彩画のような音楽である。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 やわらか度・・8 総合・・7.5
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L'ENGOULEVENT「L'LE OU VIENT LES LOUPS」

カナダ、ケベック出身のフォークロックバンド、アングルヴァンのアルバム。1977作
邦題「オオカミの住む島」。艶やかなヴァイオリン、チェロの音色にクラシカルなピアノ、
そこにアコースティックギターが絡まり、美しいアンサンブルを聴かせる。
メインは男ヴォーカルながら、ときに男女のコーラスがサウンドを彩り
しっとりとした叙情と優雅な雰囲気が全体を包んでいる。
フォークというよりはアコースティカルなシンフォとしても鑑賞できる作品だ。
ボーナスとして、同一メンバーによる別バンド、ETOIFILANの1979年の音源を収録。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 アコースティカル度・・8 総合・・8
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The Light 「ON A NEW HORIZON」

アメリカのプログレハードバンド、ザ・ライトのアルバム。1996作
キャッチーで軽快なプログレハードサウンドが始まった…と思ったら、
KANSASにも通じる叙情性とシンフォニックなキーボード、泣きのギターも加わって
楽曲には案外壮大な雰囲気もあり、これはなかなか楽しめるサウンド。
プログレハード的であっても古くささはあまりなく、アレンジの質も高いと思われる。
ヴォーカルはやや弱いが、綺麗なコーラスハーモニーも手伝って気持ちよく聴き通せるし、
プログレメタル的な質感を垣間見せる曲もあり、キャッチーさとドラマティックさを上手く両立させている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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LITTLE ATLASSurface Serene
アメリカのシンフォニックロックバンド、リトル・アトラスの1st。2004作
2nd「Wanderlust」がなかなかの好作だったので、こちらもゲット。
TRANSATLANTICあたりを思わせる適度にテクニカルなリズムに
キャッチーなメロディが乗るサウンドは、レトロさとモダンな感覚が合わさっていて、
やはりクオリティが高い。かつてのSPOCK'S BEARDに通じるカラフルなシンセワークも
シンフォ系リスナーにはぴったりくるだろうし、4〜6分台にまとめられた楽曲も非常に聴きやすい。
中盤にやや中庸な曲が続くので、全体的には2ndほどの完成度はないが、
アメリカの新世代シンフォプログレバンドの中では、かなり上位にくるバンドだと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 トランス・ビアー度・・8 総合・・7.5
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LITTLE ATLAS「Wanderlust」

アメリカのシンフォニックロックバンド、リトル・アトラスの2nd。2005作
1stに比べ楽曲、演奏ともに格段にクオリティがアップした。基本はGENESISタイプなのだが、
モダンなアレンジとTRANSATLANTICあたりに近いキレの良さもあって、古めかしさをあまり感じない。
シンフォニックなシンセーワークに、軽すぎないギター、ときにキャッチーにときに哀愁をまとわせる
ヴォーカルメロディは、SPOCK'S BEARDのファンにもアピールする魅力があるだろう。
ジャケも含めてマイナーなアメリカンシンフォに思われそうだが、内容はなかなかどうして質が高い。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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LITTLE ATLAS「Hollow」
アメリカのシンフォニックロックバンド、リトル・アトラスの3rd。2007作
アメリカの新人バンドとしては前作はSPOCK'S BEARDにも匹敵するクオリティで、
大いに期待していた。今作もやはり演奏、楽曲センスともに非凡なものは感じるが、
やや肩の力が抜けたようなキャッチーさが前に出ていて、それも悪くはないのだが
ドラマティックな部分でのたたみかけるような魅力はやや落ちたかもしれない。
軽めのシンフォとして聴くぶんにはいいが、アルバムの密度としてはもの足りなさも残る。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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THE LOAD「Praise The Load」
アメリカのプログレバンド、ザ・ロードのアルバム。1976作
かつてシンフォニックロック狂いだった頃(今でもそうだが…)、SYN-PHONIC
The Laser's Edgeといったアメリカのマイナー系レーベルのCDを探し漁っていた時期があった。
YEZDA ULFANightwindsなどを除けば、たいていのバンドはB級以下の代物で、
ほとんど売ってしまったので、このバンドも当時に聴いたような気がするが手元になかったので買ってみた。
キーボード、ドラム、そしてギター兼ベースの3人組で、おそらくこれが唯一のアルバム。
内ジャケの写真を見ると、ベースとギターの両方ついたダブルネック持った姿が(笑)
肝心の音の方は、これが意外に良い。もちろん70年代アメリカシンフォらしいマイナー臭さがあるのだが、
キーボードの弾くメロディには魅力があり、曲としても充分に鑑賞に耐えうる。
雰囲気としてはThe Quillあたりに近い気もするが、クラシカルな部分ではこちらの方が上かもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 マイナー度・・9 総合・・7.5




Madrigal「Waiting...」

アメリカのプログレバンド、マドリガルの1st。1989作
1996年の2ndOn My HandsECHOLYNばりに聴かせる高品質な作品であったが、
本作もGENTLE GIANT直系ともいうべき、ヒネくれた余裕を感じさせるプログレサウンドだ。
ギターやシンセによる叙情的なメロディと、キャッチーな耳心地の良さ、
いくぶん素人臭いがマイルドなヴォーカルの歌唱が合わさって、小洒落たとぼけ具合と、
唐突な展開を巧みな演奏力で構築している。後のSPOCK'S BEARDへつながるような音だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ひねくれ度・・8 総合・・8

MADRIGALOn My Hands

アメリカのプログレバンド、マドリガルの2nd。1996作
ECHOLYNあたりに通じるキャッチーなメロディと高い演奏力で聴かせるサウンド。
コロコロとしたメロディとは対照的にロック的なリズムの跳ね方が心地よ<
歌ものであるが、独自のセンスとプログレッシブな音楽性の取り入れ方が絶妙だ。
サックスやフルートなどの使用も曲の中で上手く叙情性をかもし出している。
5分前後で聴かせる曲が多く、パッと聴きには難解さはまったくないので
アルバムとしてのインパクトは少ないかもしれないが、大人の味わいで楽しめる作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 演奏センス度・・9 総合・・8
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MAGELLAN「Hour of Restoration」

アメリカのネオプログレバンド、マジェランの1st。1991作
80年代も終わり、プログレッシブロックが死に絶えたと思われていた90年代初頭に
突如としてアルリカからネオプログレ復興の旗手が現れた。マイク・ヴァーニーによる
その名もMagna Cartaレーベルからデビューしたこのバンドは、偉大な航海者マゼランの名を冠し、
まるでYesの「こわれもの」のジャケにでも飛んでいそうなレトロな宇宙船を描いたジャケからしても、
ワクワクするようなロマンに満ちているではないか。サウンドの方もかつてのプログレッシブ・ロックを
ルーツにしながらも、それをモダンなアレンジと融合、1曲目から14分の大曲を構築させる力作で、
ハードなシンフォニックロックともいうべききらびやかさに溢れている。このマグナ・カルタレーベルからは
SHADOW GALLERY、CAIRらといった素晴らしい後続を生み出し、新たなプログレシーンに貢献した。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ロマン度・・9 総合・・8
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MAGELLAN「Impending Ascension」

アメリカのハードプログレバンド、マジェランの2nd。1993作
MAGNA CARTAレーベルからプログレ復興の新鋭バンドとしてデビューしたこのバンド、
1st「Hour of Restoration」はロマン溢れるアートワークとともに
華麗なサウンドにキャッチーな歌メロをまぶしたなかなかの出来であったが、
本作も基本的には同路線。QUEENばりのコーラスとシンフォニックなシンセを中心に、
きらびやかでドラマティックなハードプログレを聴かせてくれる。
ドラムが打ち込みであるぶん、ハードロック的な重厚さはまだないが、
その分、リーダーであるトレント・ガードナーの嗜好する世界観がよく現れている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・7 総合・・8
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MAGELLAN「Test of Wills」

アメリカのハードプログレバンド、マジェランの3rd。1997作
本作ではドラマーが加わり、一聴して音にハードエッジな部分が増した。
楽曲的な要素としては、過去のプログレへのオマージュ的な雰囲気は消え
よりモダンに、現時点でのバンドの色を出そうとしているのが窺える。
とはいえ、ドラマティックな質感や、彼ららしいキャッチーなメロディも健在で
ProgMetal的な硬質感にYesを思わせる構築力を同居させるセンスはさすが。
より歌メロに比重が置かれる次作への橋渡し的な楽曲もあり、
バンドとしての深化と変化が感じられるアルバムである。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・7 総合・・7.5
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MAGELLAN「HUNDRED YEAR FLOOD」

アメリカのハード・プログレバンド、マジェランの4th。2002作
今回はベトナム戦争で戦死した兄弟をテーマにしたコンセプト作ということで、
のっけから34分という長大な組曲。歌メロに比重が置かれていることもあって、
大作でありながらもコーラスワークや、メロディアスな歌のせいかけっこう聴きやすい。
もちろんバンドの核であるトレント・ガードナーの多彩なキーボードワークも光っており、
EXPLORER'S CLUBなどにおける曲作りの経験がフィードバックされているのだろう。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 重厚度・・7 総合・・8
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MAGELLAN「IMPOSSIBLE FIGURES」

アメリカのシンフォニック・プログレ・ハードバンド、マジェランの5th。2003作
中心人物のトレント・ガードナーは、EXPLORE'S CLUBなどへの参加から評価が上がってきたようで、
本作は軽快なシンフォニック性とマジェラン節ともいえるキャッチーな歌メロが見事に融合した傑作となった。
多彩なシンセの音色はもちろん、どこかレトロなピアノの使用法や、時代的なコンセプトに基づいた世界観なども見事。
また、これまでにないドラムの手数の多さもポイントで、レーベルがINSIDE OUTに変わったことも作用しているのだろう、
プログレメタル、プログレハードとしても充分に聴ける。シンフォニックでキャッチーだが、全体的に締まった密度の高さがある。
シンフォニック度・・8 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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MAGELLAN「SYMPHONY FOR A MISANTHROPE」

アメリカのハードシンフォニックバンド、マジェランの6作目。2005作
前作でなにか吹っ切れた感があるサウンドに変化したが、今回もさらなる力作を作り込んできた。
ジャケやブックレットからは映画的なコンセプト作であることが垣間見えるが、曲だけでも充分ドラマティック。
前作から取り入れたややメタリックなギターと、今回はやたら美しいキーボードによるシンフォニックな音圧が、
厚みを増して押し寄せてくる。トレント・ガードナーお得意のキャッチーな歌メロもバックの壮大さに乗って、
いつも以上にドラマティックに盛り上げている。とにかく音のダイナミックさが心地よい。
とくにシンフォニックさの点では同時期に出たSHADOW GALLERYの「ROOM V」を上回る。
シンフォニック度・・9 メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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Magellan「Innocent God」

アメリカのハードシンフォニックバンド、マジェランの7th。2008作
レーベルがINSIDE OUTからMUSEAへと変わったようだが、地道にでも活動を続けていて嬉しいかぎり。
前作「SYMPHONY FOR A MISANTHROPE」がシンフォニックな傑作であったのだが、
本作はその流れを汲みつつも、より歌もの的なキャッチーさが前に出てきた作風となっている。
ドラマティックなコンセプトの中で、抜けのよいメロディを聴かせつつ展開してゆくサウンドは、
いわばNEAL MORSEあたりにも通じる質感だろうか。難解さはなく、むしろプログレハード的だ。
壮大なシンフォニック性は減退したが、随所に光る美しいシンセワークは健在だし
やわらかなコーラスハーモニーなどとともに、爽やかなメロディアスさが心地よい作品だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ドラマティック度・・7 総合・・8
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Mahavishnu Orchestra「The Inner Mounting Flame」

アメリカのジャズロックバンド、マハビシュヌ・オーケストラの1st。1971作
ギターのジョン・マクラフリンを中心に結成、フュージョンとジャズの要素をロックに融合させ
プログレの方面からも非常に評価の高いこのバンドのデビュー作。
手数の多いドラムが引っ張るリズムに、テクニカルなギターに絡む艶やかなヴァイオリン、
シンセによる音の厚みはプログレ的なミステリアスな雰囲気もかもしだしていて、
単なるジャズロックの枠を超えた壮大さなビジョンを感じさせるサウンドだ。
即興気味の緊張感と、実力のある演奏者の巧みなアンサンブルが合わさって、
硬質でありながややわらかで、テクニカルでありつつメロディアスという、絶妙の均衡が音にはある。
ジャズロックでありながら、チェンバー的な構築性と、まさにオーケストラルな一体感が見事な傑作。
シンフォニック度・・8 ジャズロック度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8.5
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Mahavishnu Orchestra「Birds of Fire」

アメリカのジャズロックバンド、マハビシュヌ・オーケストラの2nd。1973作
「火の鳥」と題された本作は、前作以上にスリリングなアンサンブルを見せつける傑作。
1曲目から、うなりを上げるようなジョン・マクラフリンのギターも冴え渡り、
シリアスなヴァイオリンが絡むサウンドは、ジャズロックというにはあまりに重厚。
今作では、楽曲におけるクラシック的な構築美が増していて、緊張感あふれる演奏と
強固なアンサンブルが、聴き手を圧倒するように押し寄せてくる。
音の切れ味という点では最高傑作とも言える。張りつめた創造性が生み出した傑作。
クラシカル度・・8 ジャズロック度・・8 テクニカル度・・9 総合・・8.5
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Mahavishnu Orchestra「Between Nothingness & Eternity」

アメリカのジャズロックバンド、マハビシュヌ・オーケストラの3rd。1973作
ライブアルバムとして発表された本作は、12分、8分、21分という3曲を収録、
ジャズというよりはほとんどプログレというべき大作志向が結実した作品。
スタジオ盤以上に躍動感にあふれた演奏は、構築と即興の狭間というべき
じつに高度なアンサンブルを聴かせてくれる。ムーグシンセの音色も含めて、
ときにスペイシーな壮大さも感じさせつつ、マクラフリンの緩急自在のギターが冴え渡る。
ドラマティック度・・8 演奏度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
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Mahavishnu Orchestra「Apocalypse」

アメリカのジャズロックバンド、マハビシュヌ・オーケストラの4th。1974作
ギターのジョン・マクラフリンを除くメンバーががらりと変わった、バンドの第二期の作品。
「黙示録」と題されたジャケも美しい本作は、14分、19分という大曲を中心にした力作で、
ストリングスカルテットを含め、参加メンバーが増えたこともあり、よりクラシカルな優雅さが増した。
以前のようなたたみかけるような勢いは薄らぎ、代わりにしっとりとした叙情性で聴かせる、
いわばシンフォニックな作風である。チェンバーロック的な壮大さと緊張感が素晴らしい傑作。
クラシカル度・・9 ジャズロック度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8.5
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Mahavishnu Orchestra「Visions of the Emerald Beyond」

アメリカのジャズロックバンド、マハビシュヌ・オーケストラの5th。1975作
前作でのクラシカルなアプローチをそのままに、さらにプログレッシブな構築性を増した傑作。
ジャズロックとしてのテクニカルな軽やかさを残しつつ、ときにMAGAMAを思わせるようなスキャットも入り、
艶やかなヴァイオリンの音色に絡む、マクラフリンの巧みなギターワークも相変わらず絶品だ。
クラシック、ジャズ、ロックの完璧な融合がここに結実。緊張感を保ちながらも優雅で叙情的という
奇跡的なバランスで描かれるサウンドは感動的である。大曲はないものの質の高い小曲が連なった濃密作。
クラシカル度・・8 ジャズロック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8.5
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Mahavishnu Orchestra「The Lost Trident Sessions」

マハビシュヌ・オーケストラのライブ音源。1999作
実質的に3rdとなるはずだった、トライデントスタジオでの1973年のセッション音源で
「Between Nothingness & Eternity」と楽曲がかぶっているが、音質も含めて演奏の勢いでは
むしろこちらの方が上かもしれない。鳴り響くヴァイオリンにかぶさるギターもかなりハードで、
正規アルバムでの叙情性よりもアンサンブルの突進力が前に出ている点では荒々しい印象。
このバンドのライブセッションにおけるテクニカルな側面が存分に味わえる発掘音源だ。
ドラマティック度・・8 演奏度・・9 テクニカル度・・9 総合・・8
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MANEIGE「ni vent...ni nouvelle」

カナダのシンフォニックロックバンド、マネイジュの3rd。1976作
以前に買ったのは海賊盤だったのだが、2006年についに正規にCD化された。
このファンタジックなジャケットも素晴らしいが、内容もたおやかに聴かせる見事なシンフォ・ジャズロック。
繊細なフルートやころころとしたマリンバの音色、それにサックスが入るとジャズロック風味になるが、
軽やかなアンサンブルには、ケベック州出身のバンドということで、ヨーロピアンな情緒があるのもいい。
決して派手ではないが、やわらかな感触の味のあるカナディアン・シンフォニックアルバムである。
ボーナストラックには79年のライブ音源を4曲収録。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 たおやか度・・8 総合・・8
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MANEIGELibre Service

カナダのシンフォニックロックバンド、マネイジュの4th。1978年作
カナダ、ケベック州を代表するプログレバンド、ジャケも美しかった前作に比べ
今回はややダークなイメージで、前作のクラシカルで優雅な軽やかさに比べると
一聴してややシンプルなバンドアンサンブルへと変化してきている。
全体的にギターの活躍が増えながらも、フルートやピアノなどが絡む部分などは
チェンバーロック風味のシリアスさと軽妙なコミカルさの同居具合が面白く、
いわばそれがこのバンドの個性になっている。派手さはないが完成度の高い作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 軽妙度・・8 総合・・8
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Man on FireThe Undefined Design

カナダのプログレバンド、マン・オン・ファイアの2003年作
薄暗い叙情とキャッチーなメロディで聴かせるモダンなプログレ・ロックで、
80年代の産業ロック的でもあるデジタリィなアレンジを取り入れている。
たとえば、スウェーデンのACTなどに通じるメロディアスなポップさと
知的なプログレセンスの融合というような、じつに玄人好みのサウンドだ。
グラム風味のノリはPure Reason Revolutionあたりも思わせる、いわば
モダンプログレの先駆け的傑作。KANSASのデヴィッド・ラグズデールがゲスト参加。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレセンス・・8 総合・・8
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Man on FireHabitat

カナダのプログレバンド、マン・オン・ファイアの2005年作
ポップなキャッチーさを、モダンなアレンジで包み込んだプログレ・ロックは、
本作でもセンスよく、そのバランス感覚はじつに見事。ポップすぎず、
しっかりとプログレ風味を効かせながらも難解にならないという点で、
IT BITESやACT、あるいはRUSHなどのリスナーにも楽しめるだろう。
本作にはエイドリアン・ブリュー、デヴィッド・ラグズデールがゲスト参加。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレセンス・・8 総合・・8
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Mars Hollow

アメリカのプログレバンド、マーズ・ホロウのアルバム。2010作
ギター、ベース、ドラム、シンセという4人組で、全員がヴォーカルをとる。
少しヒネくれ気味のメロディアスなサウンドは初期のSPOCK'S BEARD的か。
オルガンの音色を含めて古き良きプログレの質感を感じさせるシンセワークに
泣きのギターが合わさり、シンフォニック要素とテクニカルなキメを同居させながら、
アメリカ的な抜けのよい歌メロも効果的。キャッチーな爽やかさと叙情のバランスもいい。
自主制作っぽいがクオリティはメジャー級。スポビやエコリンが好きならぜひ。マイスペ
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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Mars Hollow「World in Front of Me」

アメリカのプログレバンド、マーズ・ホロウの2nd。2011作
前作がなかなかの傑作だったので期待していたが、今作もやはり期待通りの傑作!
GENTLE GIANTルーツのテクニカルな展開美にキャッチーなメロディをまぶし、
レトロなシンセワークとともに、アメリカンプログレの王道ともいうべき抜けの良さと
濃密な質の高さで聴かせる、せせこましさのないダイナミズムにあふれるサウンドが素晴らしい
のっけから12分の大曲というのも自信の現れだろう、ジャズやフュージョン的な優雅さと
爽やかなメロディアスさが合わさって、Frogg Cafeあたりにも通じる抜群のセンスを感じさせる。
正直いって、面白さではSPOCK'S BEARDよりも上をゆく。新時代アメリカンプログレの必聴作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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MASTERMIND「VOLUME TWO “BRAINSTORM”」

アメリカのハードプログレバンド、マスターマインドの2nd。1991作
キーボード奏者はおらず、シンセの音色をMIDIギターにより再現するという独自の発想と、
クラシカルかつ濃密なメロディを激しめの演奏でたたみかけるハードプログレの傑作。
いかにもELP的だった1stに比べて、サウンドはより壮大になり、ドカドカとせわしないドラムと
鳴り響くMIDIギターにより、説得力を増した押しの強いシンフォニックロックを構築してゆく。
のっけから21分の組曲というのも凄いが、それ以上にワーグナーの“ワルキューレの騎行”や
ロッシーニの“ウィリアムテル序曲”といったクラシックのカヴァーもすごい迫力だ。
クラシカル度・・8 シンフォニック度・・8 濃密度・・9 総合・・8
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MASTERMIND「Excelsior!」

アメリカのプログレバンド、マスターマインドの5th。1998作
MIDIギターを使いこなす、ベレンズ兄弟のハードシンフォニックサウンドは、
初期のELP風味から脱却し、Key奏者として新たにイェンス・ヨハンソンを迎えた本作では
テクニカルなインタープレイとジャズロックばりの軽やかなアンサンブルが際立った。
手数の多いドラムに乗るギターとシンセによる重なりは、サウンドにより厚みを与え、
初期のプログレヲタク的な質感を破り、ドラマティックなインストを展開させている。
バンドはこの後女性Voを迎えるなど、再び方向性の模索を始めるが、
アルバムとしての勢いと明確なスタイルの点では本作が最高傑作だろう。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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MASTERMIND「ANGELS OF THE APOCALYPSE」

アメリカのプログレバンド、マスターマインドの6th。1999作
デビュー時から、MIDIギターによるキーボード音の再現や、テクニカルでクラシカルな楽曲で
マニアックなプログレファンの間では認知度も高いこのバンド。
しかし、何を思ったのかこのアルバムでは突如女性Vo入りのメタリックなサウンドへと変化している。
ツーバスで疾走するドラムに、ヤンス・ヨハンソンのキーボード、そして流麗なギターと、
歌い上げるリサ嬢のヴォーカルという、これはまさにシンフォニックメタルの音像だ。
ただし、インスト部分でのプログレッシブなアプローチは健在で、ベレンズ兄弟のギターとドラム、
そしてヤンスのキーボードが一体となったテクニカルな側面を存分に見せつけてくれる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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MASTERMIND「BROKEN」
アメリカのハードプログレバンド、マスターマインドのミニアルバム。2005作
ベレンズ兄弟率いるこのバンド、前作はメタリックな要素を前面にだした作風だったが、
今回は新作からの新曲2曲に、スタジオライブ音源4曲等が入ったミニアルバム。
サウンドはややハードでメタル的な質感はそのままに、女性Voの歌唱とテクニカルな演奏に、
オリエンタルなメロディがサイケな風味となりアクセントになっている。
反面、彼らならではの魅力がどの辺にあるのか、やや分散されてしまっている感もぬぐえない。
スタジオライブの「ウィリアムテル序曲」はやや唐突にも聴こえるが、このごった煮感がこのバンドらしいとも。
メロディアス度・・7 メタリック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7

MASTERMIND「Insomnia」
アメリカのハードプログレバンド、マスターマインドの2010年作
ギターとドラムのベレンス兄弟を中心に結成され、MIDIギターなどによるクラシカルな要素を取り入れた
濃密な作風で話題を呼んだこのバンド、5作目からはSTRATOVARIUSのイェンス・ヨハンソンを迎え、
さらに6作目では女性ヴォーカルをフロントに立て、メタリックな要素を強めたサウンドへと進化、
そして本作は2005年のミニ以来の作品で、アルバムとしては10年ぶりということになる。
そのサウンドは、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるモダンロックという印象で、
前作ミニ同様プログレ的な要素はあまりなく、ややダークめのヘヴィさが前に出ている。
女性声ロックとしては悪くはないものの、プログレとして聴くにはやはり物足りなさも残る。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5 
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Maxwell's Demon「Diablo」
アメリカのシンフォニックロックバンド、マックスウェルズ・デモンのアルバム。2009作
ギター、ベース、ドラム、シンセという4人組で、ハモンドやメロトロンを使用したヴィンテージ感のある
シンフォニックロックをやっている。KING CRIMSON的ないくぶんダークな叙情性と緊張感に、
ストリングス隊を含めたクラシカルな感触をもったインスト演奏は、なかなかプログレファンのツボをつく。
ANGLAGARDANEKDOTENに比べると、やや小ぶりな印象なのが惜しいが、なかなかの力作だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 ヴィンテージ度・・8 総合・・8
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MIRTHRANDIR「For You The Old Women」

アメリカのプログレバンド、ミルスランディアのアルバム。1976作
アメリカの元祖偏屈系バンドととして、YEZDA ULFAとともにマニアには密かに知られていたバンド。
GENTLE GIANTを思わせるひねくれた楽曲は、唐突な切り返しの多いせわしないアレンジながらも、
随所にはしっかりとメロディを聴かせる場面もあり、飽きさせない。
演奏中心ながらも、今聴くとハイトーンのヴォーカルもなかなか頑張っていて、
“せわしないYES”というような感覚で、ドラマティックなプログレとしても案外鑑賞可能。
ラストの14分の大曲まで濃密に突っ走る。年代を考えればかなりの傑作だろう。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ひねくれ度・・9 総合・・8


MYSTERY「Beneath the Veil of Winter's Face」

カナダのプログレバンド、ミステリーのアルバム。2008作
80年代に結成され、すでにベテランの域にあるバンドで、
そのサウンドはYESを思わせるキャッチーなメロディで聴かせる美しいシンフォニックロック。
本作ではそのYESの'09年北米ツアーに参加したYESトリビュート・バンドのヴォーカルが加入、
ジョン・アンダースンばりの透明感のある歌声を聴かせてくれる。
メロディアスなギターフレーズと美麗なシンセによって爽やかさに彩られた楽曲は
音の厚みも充分。スリリングなドラマ性よりもプログレハード的な爽快感が気持ちいい。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ドラマティック度・・7 総合・・8
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NATHAN MAHL「Parallel Eccentricities」
ギー・ルブラン率いるカナダのプログレバンド、ネイサンマールの1st。1982作
弾きまくりのキーボードを中心にした、シンフォジャズロックサウンドは
このデビュー作から炸裂しており、どこを切ってもELP +HAPPY THE MANともいうべき、
たたみかけるような熱い演奏が聴ける。30分弱だがおなかいっぱい。
1999年の再リリース盤にはバンドのヒストリーが見られるCD-ROMトラック入り。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 濃密度・・9 総合・・7.5

NATHAN MAHL「THE CLEVER USE OF SHADOWS」
カナダのテクニカル・シンフォバンド、ネイサンマールの2nd。
一聴してまず思い浮かぶのは、日本のケンソー、アメリカのハッピーザマンあたり。
あるいはキャメルをうんとテクニカルにした、と言い方もある。
せわしないリズムの上をメロディアスなギターとキーボードで彩られたインスト作。
曲の起承転結のなさという点で、ジャズロック的な側面もあるといえる。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ジャズロック度・・7 総合・・7.5

NATHAN MAHL「LIVE NEARFEST 1999」
ネイサン・マールのライブ作。2003作
1999年、アメリカNEARFESTでのライブを収録。 曲は2ndからのものが中心ながら、
当時未発売の新作である「HERETIK」からも1曲披露してくれる。
ギー・ルブランの華麗なキーボードを主体に、テクニカルな展開が光るサウンド。
ときおりジャズロック的なたおやかさも垣間見せつつ、
ELP + HAPPY THE MANという雰囲気でメロディアスにたたみかける。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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NATHAN MAHL「HERETIK VOLUME T」

カナダのテクニカルシンフォバンド、ネイサンマールの3rd。
前作では硬質なテクニカルジャズロックという趣だったが、
コンセプト作のパート1となった今回は彼らの叙情的なセンスが復活、
フルート、キーボードによる美しいメロディとともに、テクニカルな部分をも際立たせる快作となった。
せわしない展開とキャメル的叙情が、両者絶妙に絡み合う様は、
テクニカル系シンフォプログレとしては濃密で高いクオリティを誇る。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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NATHAN MAHL「HERETIK VOLUME U」

カナダのテクニカルシンフォバンド、ネイサン・マールの4作目。2001作。
「ヘレティック」三部作の2作目ということで、今回ものっけから23分の大曲で始まる。
ELP的な弾きまくりキーボードに、案外ハードめなギターも加わり、シンフォニックにたたみかける。
ギー・ルブラン氏の楽曲アレンジもだいぶこなれてきていて、楽曲はただ押しまくるだけではなく、
キャッチーでコミカルな部分や、反対にゆったりとしたパートもあって、なかなか起伏に富んでいる。
またジャズロック風の要素もあって、しっとりと聴かせるピアノの美しさなども見事なものだ。
ギターの弾くメロディの良さも効果的で、全体的にも質の高い傑作。三部作とも聴くべし。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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NATHAN MAHL「HERETIK VOLUME V」

カナダのテクニカル弾き倒しシンフォプログレバンド、ネイサン・マールの5作目。2002作
「HERETIK」シリーズ三部作の完結編は全一曲54分という気合の入った構成となった。
今回もほぼオールインストで、変拍子リズム込みの軽快でテクニカルな演奏を全編で堪能出来る。
HAPPY THE MANにも通じる切れ味にELPばりに弾きまくりのキーボードによる楽曲は
あきれる程にコテコテでありながらも、やはりこの手のプログレ者には受けることだろう。
テクニック、メロディセンスともによろしいのであるが、50分も続けてこれを聴かされると
なんだか自分が本当にプログレを好きなんだか疑問をもってくるような気もしないでもないが。笑
三枚立て続けに好きな音楽性を続けられるというのが商業にとらわれないプログレの良い面ではあるが、
反面、もう少し自己抑制を身に付けたシンプルさが欲しいな、などとつい思ってしまう。
これをちゃんと聴き込む時間と体力があるリスナーにとっては、テクニカルシンフォとしては必聴クラス。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 コッテリ50分1曲度・・10 総合・・8
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NATHAN MAHL「EXODUS」

カナダのシンフォニックロックバンド、ネイサン・マールのアルバム。2008作
1982年にデビュー、シンセ奏者のギー・ルブランを中心としたキーボードプログレで、
3部作の濃密なシンフォニックロック大作、「HERETIK」シリーズを完成させるなど、
コアなファンの間では評価も高い。本作は2003年の「SHADOWS UNBOUND」以来
5年ぶりとなるアルバムで、タイトル通り、旧約聖書の「出エジプト記」をコンセプトにしている。
のっけからドラマティックな雰囲気で幕を開け、NEAL MORSEばりのキャッチーな歌メロに、
メロディックなギタープレイに重なるヴァイオリンなどはKANSASを思わせるような雰囲気もある。
テクニカルに押すだけではなく、これまでになく余裕のある大人のアンサンブルが加わっていて、
軽妙なノリが耳心地よく、なおかつドラマティックな部分での叙情も味がある。これは見事な傑作。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 軽妙度・・8 総合・・8
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NEAL MORSE「THE TRANSATLANTIC DEMOS」
ニール・モーズを中心としたスーパーバンド、トランスアトランティックのデモ音源。2003年作
打ち込みのドラム以外は全て自身による演奏で、デモとはえい曲としてきっちりと完成しており、
後のアルバムにおけるメロディや曲展開はこの時点でおおかた固まっていたようだ。
これを聴くとTRANSATLANTICというプロジェクトのアイデアの大半はこのニール・モーズの
持っていたものであったことが分かり、また正規アルバムと聴き比べるなどして楽しむことができる。
メロディアス度・・8 楽曲完成度・・8 デモなのに高品質度・・8 総合・・7.5
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NEAL MORSE「TESTIMONY」

SPOCK'S BEARDのVo/KEY、ニール・モーズの2003年作
宗教活動を理由にスポックス・ビアードを脱退したニールだが、それから1年もたたずしてプログレ界に復帰。
これも神の啓示なのか(笑)どうかはともかく、内容は長大な5つの組曲を連ねたCD2枚組の大作
SPOCK'S BEARD時代以上にシンフォニックしており、ある種の吹っ切れさえも感じられるサウンドである。
マイク・ポートノイがドラムを叩いていることもあって、かなりTRANSATLANTICに接近した音で
もしギターがロイネだったら、まんまトランスアトランティックの新作になっていたかもしれない。
ニールの歌唱は、やはり神に触れて感化されたのか(笑)やさしさと温かさとに満ちており、
自身のピアノ、キーボードワークもやわらかなレトロさと壮大なシンフォニック性のバランスが見事。
宗教しながらこんないいアルバムを作れるのなら、ファンにとってはスポビ脱退もOKだろう。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・9 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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NEAL MORSE「ONE」

SPOCK'S BEARDニール・モーズの2004年作
今回も前作同様コンセプチュアルなシンフォニックロックを聴かせてくれる。
Drにはおなじみマイク・ポートノイ、今作もヴァイオリンやチェロ等のゲスト迎え
盛り上げ所はとことんシンフォに、やさしい所はおだやかに、そしてキャッチーさも有りと
全80分、たっぷり詰め込んでおれます。安心、シンフォニック印のニール・モーズ(笑)
もはや新鮮さはないですが、ハズレもなしということで、ファンなら買いですな。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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NEAL MORSE「?」

SPOCK'S BEARDニール・モーズの2005年作
スポビ脱退後の3作目であるが、いつものようにドラムにはマイク・ポートノイ、そして今回はゲストに
ロイネ・ストルトスティーブ・ハケットジョーダン・ルーデスという凄いメンツが名を連ねる。
今回もストーリー付きのコンセプト作らしいが、輸入盤なので詳細は分からず。
もちろんサウンドの方は、いつものニール節メロディがたっぷり聴けるメロディアスなもので、
テクニカルに、キャッチーに、ときにジャジーに、そしてしっとりと、楽曲は起伏に富んでいる。
上記の豪華ゲストの演奏も曲中に自然体で折り込まれていて、
ヴァイオリン、チェロ、サックス、コーラス隊などもここぞとサウンドを盛り上げる。
さすがにもはや音に新鮮味はないが、プログレ作りの名人たるニールの腕が冴える。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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NEAL MORSE「ONE DEMOS」
アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズのデモ音源集。2007年作
SPOCK'S BEARD脱退後のソロ2作目、2004年のアルバム「ONE」のデモ音源集で、
ドラム以外は全て自身による演奏で、楽曲はほぼアルバムに近いアレンジで完成されている。
デモとはいえクオリティはとても高く、ファンであれば完成版と聴き比べるなどして楽しめる。
メロディアス度・・8 楽曲完成度・・8 デモなのに高品質度・・8 総合・・7.5
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NEAL MORSE「Sola Scripture」

アメリカを代表するシンフォニック職人、ニール・モーズの2007年作
今作は宗教改革で有名なルターをモチーフにしたコンセプト作で、
毎度おなじみのマイク・ポートノイに加え、ゲストにはポール・ギルバートの名前も。
のっけから30分近い大曲で、いつものようにメロディアスかつドラマティックな
シンフォニックサウンドが全開。続く2曲目も25分で、全4曲75分という力作となっている。
ニールのキーボードワークとヴォーカルメロディには、さすがにもう新鮮味はないが、
テクニカルな部分としっとりとしたメロディアスパートによる緩急自在の曲展開に、
ここぞという場面では、ストリングスなどでぐっと盛り上げてゆくその緻密なアレンジ力はさすが。
テーマがテーマだけに、もう少し荘厳な雰囲気が欲しかった気もするが、質は相変わらず高い。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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NEAL MORSE「? LIVE」

アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズのライブ作。2007年作
オランダでのライブステージでメンバーも地元のミュージシャンを起用。
Disc1はアルバム「?」の完全再現で、ポートノイ等は不参加ながら、
演奏陣の実力もなかなかのもので、ダイナミックなサウンドを繰り広げる。
DIsc2では「One」からの曲を中心にドラマティックに盛り上げつつ、
アンコールではなんとTRANSATLANTICSPOCK'S BEARDのメドレーを演奏。
ドラマティックなシンフォをたっぶりと堪能でき、ニールファンならば押さえておきたい。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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NEAL MORSELifeline

アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズの2008年作
スポビ脱退後5作目となる本作も、相変わらずドラマティックなプログレ、シンフォニックで、
メロトロンの音色を含めてレトロかつきらびやかなシンセワークを中心に、
キャッチーな歌メロと、ときにProgMetal的なテクニカルさも見せつける。
今作もドラムを叩くのはマイク・ポートノイで、やはり随所にDREAM THEATER的な雰囲気もある。
タイトルからして命綱を伝って生還するというようなコンセプトがあるのだろうか。
ラストは感動的に盛り上げる。ともかく28分の大曲も含めて濃密なシンフォニックロック作だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 安心クオリティ度・・9 総合・・8
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NEAL MORSE「So Many Roads」

アメリカのプログレ/シンフォニック職人、ニール・モーズの3枚組みライブアルバム。2009作
SPOCK'S BEARD脱退後、TRANSATLANTICやソロ作と、むしろさらに活動は活発になったという感じだが
ライブ作でも2007年の「? LIVE」、2008年のDVD作品に続き、ここのところ年1作のハイペースである。
本作は2008年のヨーロッパツアーからの収録で、演奏陣はDVD作品のメンツと同じオランダ系ミュージシャン。
SPOCK'S BEARDの傑作「X」からの曲で幕を開け、相変わらずキャッチーなメロディで爽快に聴かせる
ニール節のシンフォニックロックが炸裂。演奏陣の安定感も抜群で、山あり谷ありでドラマティックに展開してゆく
楽曲たちは圧巻だ。アルバム「?」「Testimony」の各30分オーバーのメドレーに、アルバム「Lifeline」の大曲、
そしてラストはTRANSATLANTICからの“Stranger in Your Soul”〜“Bridge Across Forever”という構成で、
CD3枚、合計3時間半を超えるという大ボリューム。まさにNEAL MORSEのシンフォニック祭りである。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・8 総合・・8
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NEAL MORSETestimony 2

アメリカのシンフォニックプログレ、ニール・モーズの2011年作
スタジオアルバムとしては2008年作に続く6作目で、当然のように今回も盟友マイク・ポートノイが
ドラムにて全面参加している。Disc1は22分、22分、32分という長大な組曲3曲による構成で、
のっけからシンフォニックな叙情とキャッチーな哀愁ともいうべきニール節が押し寄せてくる。
当然ながらTRANSATLANTICのような、山あり谷ありの構築性と展開力もあり、
ゆるやかに盛り上げてゆくドラマティックな手法はいかにもというところ。
これまでの作品以上に新鮮味があるということはないが、安心して楽しめる高品質作品である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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NEAL MORSE「Testimony Two-Live in Los Angeles
アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズのライブCD+DVD5枚組。2011年作
TRANSATLANTICの方でも大活躍のニールであるが、ソロの方でも大ボリュームのボックスが登場。
CDのDisc1、2は、過去のソロ作からの楽曲をたっぷりと演奏。ドラムには盟友マイク・ポートノイを迎え、
安定感抜群のテクニックと、変幻自在のニールのシンセによる、爽快なシンフォニックサウントが炸裂。
キャッチーなメロディとコーラスハーモニーでドラマティックに展開する、どこを切ってもニール節という
楽しげな演奏に聴いていて笑みが浮かぶ。Disc3では80分に及ぶ「Testimony 2」を完全再現、
正直、新鮮な感動はもうあまりないのだが、やっぱりお腹いっぱい、安心のニールモー祭りである。
2枚のDVDには同ライブの映像に、SPOCK'S BEARDとのコラボ、ツアードキュメンタリーも収録。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 ニールモー祭り度・・10 総合・・8
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NEW EDEN ORCHESTRA「ANYMAN」

アメリカのプログレバンド、ニュー・エデン・オーケストラのアルバム。2003作
かなり前から活動してるバンドらしいが詳細は不明。テクニカルなリズムに、
キャッチーなメロディ、爽やかでありながらときおり偏屈になったりもする楽曲構造は、
SPOCK'S BEARDあたりにも通じるセンスを感じさせる。
古き良きロックサウンドと、現代的なプログレ感覚を融合させているという点でも
ACTやスポビ好きのリスナーにアピールするはず。Yes風のキーボードもポイント高し。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Nightwinds

カナダのプログレバンド、ナイトウインズのアルバム。1979/1991作
70年代のカナダといえばOPUS 5POLLENあたりが有名だが、
ことメロディアスな作品という点では、このアルバムが一番のお気に入りだ。
うっすらとしたシンセをバックに適度にテクニカルなアンサンブルと、
特徴的なハイトーンヴォーカルで聴かせる、メロディアスなサウンドには
アメリカのバンドよりもずっとクールで軽やかな雰囲気が漂っていて、
いかにもケベック州のバンドらしい。RUSHあたりに通じる知的なセンスも感じさせる。
とくにラスト曲のドラマティックな展開とリリカルな幕引きは素晴らしいことこのうえない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8
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NOW「EVERRYTHING IS DIFFERENT NOW」
アメリカのマイナー系シンフォバンド、ナウのアルバム。1986作
女性Dr擁する4人組みでGENESISCAMELを基本にしたような
ゆるやかなシンフォニックロックをやっている。
いかにもSYN-PHONICレーベル系のあまり抜けのよくないサウンドは
かなりマイナーっぽく、ややもやっとした雰囲気は悪くはないのだが、
曲にはっとするメロディの聴きどころや爽快感がさして多くないのが惜しい。
シンフォニック度・・7 楽曲・・7 マイナーシンフォ度・・8 総合・・7




Oblivion Sun

アメリカのプログレバンド、オブリビオン・サンのアルバム。2007作
2004年に復活したHAPPY THE MANのメンバー二人を含むバンドで、
サウンドの方は、ほぼハピマンの新作といってよいほどだ。
軽やかなリズムの上をきらびやかなシンセとギターが絡み、
ジャズロック/フュージョン的な質感で聴かせるシンフォニックロック。
テクニカルなインスト曲と、歌入りのキャッチーな曲のバランスがよく、
聴き疲れせずに楽しめる。ハピマンファンはまず必聴といっていいだろう。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 ハピマン度・・8 総合・・8
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OPUS 5「CONTRE COURANT」

カナダのプログレバンド、オビュス・サンクのアルバム。1976作
POLLENなどと並ぶ70年代カナダを代表するバンドとされる。
ポーレンの方がややサイケがかったサウンドであるのに対し、
こちらの方はしっとりしとた、どちらかというとクラシカルなおもむき。
たおやかなフルート、凛と響くピアノの音色に導かれ、流麗なアコギに次いで
優しげな歌メロが顔を出す。タイトなリズムはPFMあたりを思わせ、
ジャズロック的な確かなアンサンブルが素晴らしい。
時にシンフォニックなシンセがバックに鳴り響くと、清廉な美が場を支配する。
フランス語の歌唱も含め、気品の漂うアンサンブリーなシンフォニックサウンドである。
メロディアス度・・8 たおやか度・・9 アンサンブル度・・9 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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PARALLEL MIND「COLOSSUS ADEA」
アメリカのテクニカルプログレバンド、パラレル・マインドの2005年作
FAR CORNERのBを含むキーボードトリオで、こちらはもっと分かりやすいプログレをやっている。
変拍子の上をキーボードが跳ねる様はELPHAPPY THE MANにも通じる部分があるが、
どこか音が内省的で、ときどきひねくれている所がチェンバー的でもある。
ドラムはツーバスで案外重厚な音(ようするにメタルドラマー風)なので、
テクニカルメタル好きの人間にも対応するかもしれない。全体的に濃すぎず薄すぎずという
音のバランスが良く、ゲストによるギターソロやヴァイオリン、チェロ等も曲の中でしっかり光っている。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 キーボー度・・8 総合・・7.5
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PENTWATER「same」
アメリカのシンフォニックロックバンド、ペントウォーターのアルバム。1977作
未発表作「OUT OF THE ABYSS」の方はだいぶ前からCDになっていたが、
こちらの幻の正規アルバムも2003年になってようやくCD化された。
サウンドはメロトロンやハモンドなどを使った、ビンテージ色の強いシンフォで、
展開の多い曲調とアメリカらしいくぐもったミステリアスな雰囲気が重なっている。
ややアクの強いVoや、メロディアスでありながらもヒネくれた質感が好みを分けるかもしれないが、
70年代アメリカのプログレシーンを考えればなかなか個性的な作品と言うこともできるだろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 70'sアメリカ度・・8 総合・・7


PhideauxDoomsday Afternoon」
アメリカのミュージシャンPhideaux Xavierを中心にしたバンドの2007年作
ジャケはなんだか怖いが、サウンドの方はゆったりとしたメロディアスなシンフォニックロック。
やわらかな叙情を感じさせるヴォーカルに、ストリングスによる美しいアレンジを盛り込みつつ、
優雅に聴かせるサウンドはなかなか見事。クラシカルな美しさとややヒネくれた芸術感覚の混在は
CLEARLIGHTなど、どことなくフランス系バンドの香りも漂わせる。優雅な叙情に包まれた好作である。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 優雅な叙情度・・9 総合・・8
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Phideaux「Number Seven」

アメリカのミュージシャンPhideaux Xavierを中心にしたバンドの2009年作
前作に引き続き、優雅なクラシカルさと構築性の光るシンフォニックロックで、
巧みなシンセワークに女性ヴォーカルやストリングスなどもまじえたアレンジで、
アメリカというよりはむしろヨーロピアンな、気品ある情緒を感じさせるサウンドだ。
メロウなギターフレーズもよい感じで、美しさに磨きがかかったシンフォニックの力作。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 優雅な叙情度・・9 総合・・8
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POLYPHONYWithout Introduction
アメリカのプログレバンド、ポリフォニーの1972年作
これもアメリカ70年代シンフォの幻のアルバムのひとつ。
14分、15分という大曲を中心に、ときにELPばりのキーボードサウンドと、
いかにもアメリカのマイナー系らしい怪しさをかもしだす雰囲気が合わさった作品。
時代的なオルガンとムーグの音色はマニア心をくすぐるだろうが、キーボードとは反対に
アグレッシブなドラムやギターには70年代のブリテイッシュHR風の色があるのも面白い。
メロディアス度・・7 70'sプログレ度・・8 マニアック度・・9 総合・・7.5
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PRESTO BALLETPeace Among the Ruins

アメリカのプログレバンド、プレスト・バレットの1st。2005作
METAL CHURCHのカート・ヴァンダーホーフを中心としたバンドの一作目。
適度なテクニカルな展開にキャッチーなメロディを乗せたサウンドは、
メタルというよりはSPOCK'S BEARDのような感触のハードプログレとして楽しめる。
メロトロンやハモンドなどをふんだんに使ったキーボードワークも聴きどころで、
レトロなプログレ感覚とメロディアスなプログレハードの融合した高品質作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・7 総合・・8
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PRESTO BALLET「The Lost Art of Time Travel」

アメリカのプログレバンド、プレスト・バレットの2nd。2008作
METAL CHURCHのカート・ヴァンダーホーフを中心としたユニットで
テクニカルな展開とキャッチーなメロディアスさで聴かせるサウンド。
9分以上の曲が4曲と、大作志向ながら、きっちりとした構成と演奏力が見事で
ハモンドやメロトロンを含むレトロなシンセワークも魅力。メタル的なヘヴィさはほとんどなく、
むしろECHOLYNSPOCK'S BEARDなど、ハードプログレ的に楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ProgMetal度・・7 総合・・8
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Presto Ballet「Invisible Places」

アメリカのプログレバンド、プレスト・バレットの3rd。2011作
METAL CHURCHのカート・ヴァンダーホーフを中心としたバンドであるが、
キャッチーなメロディアスさで聴かせるサウンドは本作も変わらず。
オルガンやムーグの音色など、レトロなシンセワークもふんだんに使い、
メロディアスでやわらかみのあるサウンドは、TRANSATLANTICなどのファンにも楽しめる。
曲はほとんどが7分以上であるが、アレンジ、構築性の点でも高品質で、
SPOCK'S BEARDなどにも通じる、爽やかなハードシンフォニックの力作だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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PROTO-KAW「BEFORE BECOME AFTER」
KANSASの初代オリジナルメンバーによる再結成バンド、プロト・カウの2004年作
ブックレットのメンバー写真を見ると、おじさん達大集合といった趣だが、
音のほうはなかなかいい感じのハードシンフォニック/メロディック作。
アコギも巧みに弾きこなす年季を感じさせるケリー・リーガンのギターワークに、
古き良きプログレサウンドをかもし出すキーボードが音を厚みを支えている。
テクニカルすぎず歌ものすぎず、メロディアスな部分はしっとりと美しく、フルートも効果的で、
やはりKANSASの曲調にも通じる、アメリカらしいプログレハードな雰囲気が実に心地よい。
ライブ音源等を収録したボーナスディスク付きの限定版もある。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 プログレハー度・・8 総合・・7.5
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PROTO-KAW「The Wait of Glory」
KANSASの初代オリジナルメンバーたちによる再結成バンド、プロト・カウの2nd。2006作
前作はまさにプロト・カンサスともいうような、爽快なメロディアスハード作で良かったが、
今回は全曲が書き下ろされた新曲ということもあってか、70年代テイストは薄まり幾分モダンになった。
前半がやや地味な曲が続くので、前作のキャッチー&メロディックを期待するとやや肩すかしだが、
渋みのあるヴォーカルラインや、味わいのあるケリー・リーガンのギターワーク、
それにフルートやサックスを取り入れたアレンジなどにはなかなか魅力がある。
後半にはドラマティックなプログレハード曲も出てくる。限定版はライブ映像入りのDVD付き。
メロディアス度・・7 プログレハー度・・7 渋い味わい度・・8 総合・・7.5
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Puppet Show「Tale of Woe」

アメリカのシンフォニックロックバンド、パペット・ショウの2007年作
1997年に1stを出し、それから10年ぶりとなる2作目ということらしい。
基本はGENESISタイプのシンフォニックサウンドで、アメリカらしいキャッチーな
メロディをまぶしながら叙情的に聴かせる。ヴォーカルの声質もいくぶんガブリエル風で
Big Big TrainAGENTS OF MERCYあたりが好きなら、きっと楽しめるだろう。
これといった個性は薄いが、10分以上が3曲と、なかなかのシンフォ力作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 GENESISタイプ度・・8 総合・・8
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QUILL「SURSUM CORDA」
かつてアメリカキーボードシンフォ幻の傑作とされていた、クイルの1978作
キーボード、ベース、ドラムというELPスタイルの3人組みで、
アルバムはT、Uに分けられた組曲のみを収録という大作志向。
音の方は、ELPというよりはジャケなどの雰囲気から感じられるように
もっとロマンティックでナイーブな感じのメロディアスシンフォ。
テクニック的にはごく標準であるが、リリシズム溢れるストリングスシンセや
ハープシコード、ピアノ、メロトロンの音色などはなかなか美しく
この手のキーボードプログレ(日本のソシ・テンとか)が好きならお勧め出来る。
シンフォニック度・・7 キーボー度・・8 ロマンティック度・・8 総合・・7.5




REALM/VAIL 「Time Tales」

アメリカのシンフォニックロックバンド、レルム(ヴェイル)のアルバム。1983/1997作
かつてSyn-Phonicレーベルから出ているREALM名義の2ndを聴いたが、
本作はヴェイルの表記で残されていた実質の1stらしい。どうもややこしい。
2ndの方は、弱々しいマイナー調のシンフォサウンドだったという記憶があるが、
こちらの1stはキーボードを中心とした、なかなかテクニカルなサウンドを聴かせる。
基本はアメリカらしいYESを思わせるメロディ重視のキーボードシンフォであるが、
20分、19分という大曲2曲の構成で、合計20パートに分かれた曲の展開には
ヒネくれた部分も多く、同時代のYEZDA ULFAあたりを思わせる複雑さと押しの強さがある。
歌の弱さはあるものの、弾きまくりの濃密キーボードシンフォが好きなら楽しめる作品だろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 濃密に押します度・・9 総合・・7.5
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REALM「The Path」

アメリカのシンフォニックロックバンド、レルムの1992年作
Key奏者のスティーブ・ヴェイルを中心としたバンドで、
1983年にVAIL名義でデビュー作となる「Time Tales」を発表している。
濃密なキーボードサウンドで聴かせた前作に比べ、こちらはもっと牧歌的で
Yesを思わせるキャッチーなヴォーカルハーモニーが耳に心地よい。
もちろん美しいシンセワークもなかなかのもので、録音面などには素人臭さもあるが、
やわらかみのあるメロディアスシンフォニックの好作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり度・・8 総合・・7.5
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The Rebel Wheel「We Are in the Time of Evil Clocks」

カナダのプログレバンド、レベル・ホエールの2010作
女性サックス奏者を含む4人組で、テクニカルでヒネくれ気味のインストをメインにした
濃密なプログレをやっている。変則リズムに乗るサックスの音色などは変態系の
チェンバーロック的でもあるのだが、ときにキャッチーなヴォーカルが入ってくると、
GENTLE GIANTのようなとぼけた味わいの感触になる。かと思えばジャズ的な優雅さやしっとりと聴かせる
女性ヴォーカルパートなどもあって、なかなか一筋縄ではいかない。近年でいうとDeluge Granderのような
得体の知れない壮大なビジョンも感じさせつつ、30分を超える組曲などは圧巻だ。マイスペで試聴可能。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ヒネくれ度・・8 総合・・8
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RETURN TO FOREVERRomantic Warrior」

アメリカのフュージョン・ジャズロックバンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーの1976年作
チック・コリアとスタンリー・クラークを中心に1972年にデビュー、本作はバンドの最高作と名高い傑作。
アル・ディメオラの巧みなギターに、チック・コリアのきらきらとしたシンセワークが美しく重なり、
軽妙かつテクニカルなアンサンブルとともに、メロディアスでプログレ的な質感を生み出している。
コロコロとしたムーグシンセの音色は今で言うアヴァンポップ風でもあり、絶妙のアンサンブルは
ジャズ、フュージョン、ロックのクロスオーヴァーを自然体でなし遂げているとも言える。
上品な優雅さの中にテクニックを溶け込ませた、プログレ・フュージョンロックの傑作だ。
メロディアス度・・8 フュージョンロック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8.5
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REWIRING GENESIS
「A Tribute to the Lamb Lies Down on Broadway」

アメリカ人ミュージシャンによるプロジェクト、リワイリング・ジェネシスの2008作
タイトル通りGENESISの名作、「魅惑のプロードウェイ」の再現アルバムで、
もちろん曲順も同じの2枚組。元ネタを聴いていることが楽しむには必要条件だが
これはけっこうコアなファンにも対応した再現度だと思う。ヴォーカルには若干クセがあるが、
現代の機材を使ってややモダンな感触にしながら、原曲の持つ雰囲気はしっかりと残している。
Disc2ではヴァイオリン、サックス、フルートといった管弦楽器を随所に取り入れるなど、
いくぶん自由度を高めたアレンジで楽しく聴かせてくれる。オリジナルと聴き比べるのもよし。
シンフォニック度・・8 魅惑度・・8 ブロードウェイ度・・9 総合・・8
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RING OF MYTHUnbound

アメリカのプログレバンド、リング・オブ・ミスの1996作
サウンドは日本盤帯のタタキにある通り、YES系のメロディアスシンフォニックロックで、
Voの声質もジョン・アンダースンほど通らないが、高音を出してなかなか頑張っている。
楽曲はテクニカルな部分が多く、演奏にはYESよりもむしろ硬質さが感じられ、
せわしない展開の連続が飽きさせない。それでいてメロディをちゃんと感じさせるセンスは
この手のマイナーものとしては相当の出来といってよいだろう。2005年には2作目を発表している。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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RING OF MYTH「WEEDS」

アメリカのシンフォニックロックバンド、リング・オプ・ミスの2nd。2005作
YES風味もあった前作もかなりの傑作だったが、今作ではテクニカルな硬質性を強めた
スタイルできた。8分、9分という長曲を軸に、センスある展開力と演奏力で聴かせる。
もちろんキャッチーなメロディも随所に混ぜているので、複雑であっても聴き疲れはしない。
とくにリズム面での流れるような変化は見事で、変態ちっくなノリをさらりと混ぜこんでいてにやりとする。
偏屈さとセンスある構築性、そしてメロディが絶妙に組み合わさった、高品質なアルバムだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 変態度・・8 総合・・8
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RING OF MYTH

アメリカのプログレバンド、リング・オブ・ミスの2011年作
前作から6年ぶりとなる3作目である。1stはYESを硬質にしたような作風であったが、
今作ではぐっと肩の力の抜けたような、いわばECHOLYNに通じる感じのウィットに富んだ
大人のプログレをやっている。キャッチーなやわらかみと、ときにブルージーなロック感、
そして少しヒネくれた知的さとともに、ゆるやかに構築されるサウンドは、耳心地の良さと
サイケ風味の浮遊感も含んでいてなかなか楽しめる。通好みの好作品である。
メロディアス度・・7 大人のプログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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RUSH「2112」

カナダのプログレバンド、ラッシュの4th。1976作
ハードロック路線を残しながらプログレッシブな手法を取り入れ、SF的なコンセプト作に挑戦した初期の代表作。
なんといっても20分を超えるタイトル組曲が圧巻で、ドラマティックに展開するインストパートと、
ハイトーンヴォーカルによるサウンドは、むしろHR/HMの耳で聴く方が馴染みやすい。
緩急をつけた知的なアレンジ力と、メタルバンドとは異なる繊細な叙情を同居させていて、
この後のハード・プログレ、ProgMetal系バンドへも多大な影響を与えた歴史的作品だ。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ハードロック度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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RUSH「HEMISPHERES」

カナダの大御所、ラッシュの6th。1978作
前作「A Farewell to Kings」よりシンセを導入し、よりプログレッシブ色を打ち出してきたのが今作。
なんといってもまず1曲めの18分におよぶ組曲“Cygnus X-1 Book U”に圧倒される。
メロディアスさとテクニカルな演奏が合わさった楽曲は、おそらく後のDREAM THEATERなどにも
大きな影響を与えたと思われる。プログレッシブなハードロックという点では前作以上の出来。
「2112」から続く壮大な三部作のラストを飾る作品。完成度的にもまずはこのあたりから入るのもいいかと。
個人的にはBあたりのキャッチーな小曲にも惹かれるものがある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 壮大度・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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RUSH「PERMANENT WAVES」

ラッシュの7th。1980作
彼らのディスコグラフィー中でも次作「MOVING PICTURES」と並んで人気が高いアルバム。
とくに@“THE SPIRIT OF RADIO”と、Aの“FREEWILL”は名曲として知られる。
全体的には曲をコンパクトに、よりメロディアスになってきた時期の作品で、
プログレ以外のファンにも聴きやすくなっているかと思われる。
どちらかというとシンセは控えめで、ALEX LIFESONの緻密かつ奔放なギターが耳を引く。
個人的にはBあたりのプログレメタル的なリズムとリフの組み合わせが気持ちいい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ロック度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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RUSH「MOVING PICTURES」

ラッシュの8th。1981作
基本は前作からの流れだが、シンセの頻度が増えて音に厚みが増している。
変拍子リズムを自然に曲に取り入れるアレンジにますます磨きがかかり、
プログレとしても、知的なハードロックとしても楽しめるサウンドだ。
キャッチーな部分も増していて、全体的に肩の力が抜けた演奏にも思える。
B“YYZ”、C“LIMELIGHT”はライブでの定番曲。中期RUSHの代表アルバム。
メロディアス度・・7 ロックの中にもプログレ度・・8 聴きやすさ度・・8 総合・・8
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RUSH「Signals」

ラッシュの9th。1982年作
前作「MOVING PICTURES」でプログレとハードロックとの融合という
ひとつの完成形を見たバンドは、よりキャッチーな作風へと深化をはじめる。
軽快なリズムと、これまで以上に重要になったシンセアレンジで、
本作のサウンドはある種ポップなまでにメロディアスであるが、
それでいてこれが必然の音であるという説得力も強く感じさせる。
またバンドとしての強固なアンサンブルも素晴らしく、
シンセによる音の厚みを含めての知性ある浮遊感が気持ちよい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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RUSHGrace Under Pressure」

ラッシュの10th。1984年作
前作「Signals」でのキャッチーな作風の流れを組みつつ、本作ではよりシーケンサーによる
シンセ音を効果的に使用していて、音の厚みととともにやわらかみが増している。
一方でしっかりとエッジの効いたギターワークもよいコントラストになっていて
ポッフさもありつつも、しっかりとプログレ的な感触は残っていて、
バランスのとれた聴き心地である。軽妙なセンスとキャッチーなメロディ
プログレ性の同居という点ではUKあたりのファンにも楽しめるアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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RUSHPower Windows

ラッシュの11th。1985年作
「Signals」Grace Under Pressure」と続いてきたキャッチーな路線の延長で
シンセアレンジを効果的に取り入れた空間的な広がりを感じさせるサウンド。
80年代的なポップ感覚と、バンド本来の躍動感がいいバランスで合わさっていて
25年たった今でも、というか今だだらこそ、そのセンスの見事さが再確認できる。
ベースのかもしだす抜群のグルーブ感と、伸びやかなギターワークも魅力的。
聴き心地の良さという点では、この路線での完成系というべきアルバムだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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RUSHHold Your Fire

ラッシュの12th。1987年作
一聴して前作よりも音数がシンプルになり、いかにも80年代のハードポップ的な作風。
キャッチーなメロディで4、5分台の曲をさらりと聴かせつつ、その鉄壁のアンサンブルはやはりさすが。
全体的にはスリリングさには欠けるのだが、耳心地のよさでゆったり楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 キャッチー度・・9 総合・・8
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RUSHPresto
ラッシュの13th。1989年作
ウサギさんのジャケからして異色な感じだが、サウンドの方も前作より硬質感を強め、
キャッチーさを抑えめにしたロックバンドとしてのアンサンブル志向が窺える。
曲によってはそこそこテクニカルではあったり、前作のようにポップな感触もあるが、
アルバム全体としてはプログレとしてもメロディックロックとしてもやや中途半端な印象。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 キャッチー度・・7 総合・・7.5
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RUSHCounterparts

ラッシュの15th。1993年作
90年代に入りサウンドの硬質感を増し、ハードなダイナミックさが光る好作。
ヘヴィなギターはメタル的でもあり、テクニカルなアンサンブルが戻ってきたので、
かつてのクールな構築性を90年代的にアップデートしたような感触もある。
シンセが入るとドラマティックなプログレ風味にもなってなかなかいい。
現在形ロックとしてのモダンさも取り込みながら、バンドの実力を再確認させる好作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 構築度・・8 総合・・8
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RUSH「Different Stage/Live」
ラッシュのライブアルバム。CD3枚組み。1998作
1997年のアメリカツアーからの音源をメインに、2CDに22曲を収録
「2112」の完全再現をはじめ、過去の名曲が熱く甦る。
時代をへてなお現役で活動を続けるバンドとして、そのケミストリーと演奏力は、
衰えるどころかいっそうのキレ味を見せつけている。
トリオ編成のロックバンドとしては世界最高のライブ演奏だろう。
加えてDISC3には1978年のロンドンでのライブ公演を収録。
こちらも大曲“Cygnus X-1”をはじめ、初期の名曲が楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8
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RUSH「Snakes & Arrows」

カナダのベテランプログレバンド、ラッシュのアルバム。2007作
名実共にカナダを代表するバンドであり、プログレ、ハードロックの垣根を超えて
30年以上にわたって多くのファンに支持され続けているのは、素晴らしいことである。
個人的には前作「Vapor Trails」はいまひとつ楽しめなかったのであるが、5年ぶりとなる本作では、
従来までのヘヴィさがアンサンブルとしての一体感の中にうまく溶け込んでいて、
一聴して地味にも思えるものの、じつは完成度の高まった見事な作品となった。
ニール・パートのドラムとゲディ・リーのベースは、鉄壁のアンサンブルを構築し、
アレックス・ライフソンのギターはときに硬質かつヘヴィに、ときにアコースティックやマンドリン
なども含めた叙情性を楽曲に付加している。パックに鳴らされるメロトロンの音色も
レトロな哀愁をかもしだす。まさに大人のサウンド、大人のプログレッシブハード作品だ。
メロディアス度・・7 大人のプログレ度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8
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RUSH「Snakes & Arrows Live」

カナダのハードプログレバンド、ラッシュのライブアルバム。2009作
2007年の「Snakes & Arrows」ツアーのオランダ公演を収録したCD2枚組。
同アルバムからの楽曲を中心にしたステージで、デビューから30年以上をへてなお、
その演奏に磨きをかけ続ける、一体感のあるグルーブと抜群のテクニックを聴かせる。
“Limelight”、“Freewill”、“The Spirit of Radio”、“YYG”といった往年の代表曲はもちろん、
“Digtal Man”、“Entre Nous”、“Circumstances”といったライブではレアな曲も披露。
音質も良好で、コアなファンにも楽しめるだけの見事なライブ作品となっている。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 楽曲・・9 総合・・8
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SAGA「IMAGES AT TWILIGHT」

カナダのプログレハードバンド、サーガの2nd。1979作
初期の彼らの音はプログレハードというよりもむしろハードポップともいうべきもので
たとえばASIAあたりよりもさらにキャッチーでやわらかな質感のサウンドだ。
おそらく当時は類を見なかったトリプルキーボードによるシンフォニックな美しさと
歌メロ、コーラスワークのキャッチーなセンスが一体となっていて、
ただのポップロックでもなく、モダンなシンフォサウンドとしても鑑賞可能。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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SAGA「SILENT KNIGHT」
カナダのプログレハードバンド、サーガの3rd。1980作
前作のメロディアスな路線をさらに推し進めたようなサウンドは、ぐっと洗練され
キャッチーな歌メロとともにしっとりとしたシンフォニックな質感をまとわせている。
聴きようによってはかなりポップでありながら、ロックとしてのかっちりとした部分もあり、
ギターとキーボードの重ね方や曲のアレンジにも無駄がなくなっていることもあって、
プログレハードとしてのSAGAが完成されたアルバムといってよいだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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SAGA「Worlds Apart」

カナダのプログレハードバンド、サーガの4th。1981作
現在も活動を続けるベテランバンドだが、日本では今だに一部の通好みのリスナーに
支持されるバンドというイメージがあるかと思う。本作は初期の全盛期を代表する作品で、
今作でアメリカ進出を果たしたことで、サウンド的にもメジャー路線となった感がある。
きらびやかなキーボードの重ねとキャッチーなメロディを、ある種のポップさで聴かせる曲調だ。
リズム面には適度にデジタリィでダンサブルな質感もあり、その辺が80年代を感じさせる。
プログレハードというにはやや軽すぎる気もするが、迷いのない爽快さが魅力ともいえる。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・7 ポップ度・・8 総合・・7.5
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SAGA「Heads Or Tales」

カナダのプログレハードバンド、サーガの5th。1983作
前作「Worlds Apart」同様にファンには人気の高い作品。
ギター的にはややヘヴィさを増していて、シンセとのバランスがとれてきたという印象。
キャッチーなコーラスワークとともに、ギター部分での聴き所も増したことで、
これまでシンセメインだったサウンドにはメリハリが付いた。
プログレハードとして考えれば、むしろ前作よりも楽しめる内容だろう。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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SAGA 「Full Circle」

カナダのプログレハードバンド、サーガのアルバム。1999作
1978年にデビューしてから、30年以上のキャリアを誇るベテラン。
個人的にはキッャチーでポップなプログレハードというイメージで、
どの作品も悪くはないがいまひとつ、という印象がぬぐえないのだが。
本作もきらびやかなシンセワークに、キャッチーな歌メロの聴きやすいサウンド。
逆にいえば、この押しつけがましくない中庸さがオシャレなのだとも言える。
ベテランらしい肩の力の抜けかたが、聴き心地の良さになっている。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・7.5
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SAGA「House of Cards」

カナダのプログレハードバンド、サーガのアルバム。2001作
前作のキャッチーな感覚をそのままに、アダルトなポップロック的質感がいっそう強まった。
ギターに絡む美しいシンセアレンジと軽やかなビートが小洒落た感じで、
ドラマティックなプログレハードとして聴くにはややつらいか。
むろんこれこそが彼らの魅力と思える人もいるだろうし、中盤以降には
なかなか魅力的な曲もある。バラエティに富んだ大人のメロディックロック作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・6 総合・・7.5
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SAGA「Marathon」

カナダのプログレハードバンド、サーガのアルバム。2003作
ライブ盤等を除くとおそらくこれが15作目あたりになるだろう。
曲ごとにバラつきのあった前作に比べ、今作ではのっけから往年を思わせる
キャッチー&メロディックなサーガ節が全開。シンセに絡むテクニカルなギターも冴え、
インストパートでの聴き所がぐっと強まった。大人のメロディックロックとしての
ポップな聴き心地と軽妙さ、プログレハード的なドラマ性のバランスのとれた好作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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SAGA「Network」

カナダのプログレハードバンド、サーガのアルバム。2004作
前作で、“Chapter”シリーズの楽曲にひと区切りをつけ、
バンドとしても新たな気分での作品となったのだろう。
キャッチーなサーガ節はそのままにギターサウンドがいくぶんヘヴィになり、
全体的にもドラマティックな雰囲気が増したという印象。
歴代のジャケをあしらったデザインからも、これまでの作品をリンクさせた
集大成的な色合いが感じられる。一方ではアコースティカルなしっとりとした曲もあり、
プログレ、シンフォニック方面のリスナーにも対応。さすがの貫祿という好盤である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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SAGA「The Chapters Live」

カナダのプログレハードバンド、サーガのライブアルバム。2005作
1978年のデビュー作から2003年の「Marathon」まで、断片的に収録されたきた
“Chapter”シリーズ1〜16までの楽曲を、順番に並べて再現したライブアルバム。
繊細かつキャッチーなメロディに、ドラマティックなストーリー性が加わった、
ベテランに作れないやわらかなサウンドはじつに耳心地が良く、
曲ごとに作られた年代が違うにも関わらず、通して聴いてもまったく違和感がない。
25年にも渡る長い長いコンセプトの完成形が楽しめるのというのは、ある意味感動的だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 チャプター完成度・・10 総合・・8
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SAGA 「TRUST」

カナダのプログレハードバンド、サーガのアルバム。2006作
前作「Network」、前々作「Marathon」と、質の高い作品を作り続けているベテランバンド、
“Chapter”シリーズの楽曲にひと区切りをつけたことが、新たなバンドの息吹となったのだろう。
本作はシンセによるシンフォニックな味付けとキャッチーなメロディが融合した、
往年の質感を取りもどした初期を思わせるプログレハードサウンドとなっている。
ポップさを控えめにしたことで湿りけを含んだドラマティックな雰囲気が強まり、
従来の大人のメロディックロック路線から、プログレ側に再び接近した傑作である。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレハー度・・8 総合・・8
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SALEM HILL「THE ROBBERY OF MURDER」

アメリカのシンフォニックロックバンド、セーラム・ヒルの2nd。1998作
次作の3rd、「Not Everybody's Gold」の出来の良さに驚きこのバンドを知ったのだが、
CDの方は自主流通が多く、なかなか手に入らないバンドでもある。
サウンドの方は、ゆるやかな雰囲気のメロディアスシンフォ作で、
美しいピアノや優しげなヴォーカルなど、センスよくまとめられたアルバムだ。
3rdほどの抜けの良さはないが、アメリカのバンドにしては珍しい湿りけと
GENESIS系の流れを受け継ぐシアトリカルな部分が感じられる。
なにげにドラムも上手いし、ヴァイオリンによるKANSAS風味もよい…と思っていたら
弾いていたのは再結成カンサスのメンバーであるデヴィット・ラグスデイルだった。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 しっとりたおやか度・・8 総合・・7.5
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SALEM HILLNot Everybody's Gold」

アメリカのシンフォニックロックバンド、セーラム・ヒルの3rd。2000作
ハードプログレ的なキレの良さと、KANSASあたりを彷彿させるキャッチーなメロディで聴かせる
新時代のアメリカンシンフォニックロック。随所に英国のプログレ的な香りを残しつつも、
決してレトロなだけでなく、現代的なアレンジセンスと新鮮味のある曲作りが素晴らしい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 KANSAS度・・8 総合・・8
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SALEM HILL「Puppet Show」
アメリカのシンフォニックロックバンド、セーラム・ヒルのライブアルバム。2002作
KANSASを思わせるキャッチーなメロディと、SPOCK'S BEARDに匹敵する構成力で、
質の高いシンフォニックロックを生み出しているこのバンド。
このライブ作においても、持ち味である聴きやすいメロディと、
哀愁を感じさせる泣きの叙情を、演奏の中で上手く消化している。
とくに、ピアノからメロトロン風の音までこなすシンセワークは、プログレファンにはたまらない。
音質的にはややラフなのが残念だが、CD2枚でたっぷりと彼らの演奏が楽しめるし、
90年代以降のアメリカのシンフォニックロックを語るには外せないバンドなのは間違いない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
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SALEM HILL「BE」

アメリカのシンフォニックロックバンド、セーラム・ヒルの4th。2003作
コンセプト作でタイトルが「Be」とくれば…プログレメタルバンド、PAIN OF SALVATIONを思い浮かべるが
奇しくもこちらもそのPOSと同様に、サウンド的にはやや地味な歌ものメインの作品となった。
もちろん、こうしたトータル的なアルバムは歌詞を読み理解すれば、ずっと楽しめるのだろうが
我々日本人はどうしても音そのものだけで聴いてしまい、評価がやや落ちるのは仕方がない
だが、シンフォニックロックとして傑作だった前作との比較をいっさいなしにすれば、
内的な雰囲気がただようこの作品には、歌ものとしての魅力や、ゆったりと落ちついた雰囲気、
ナイーブなピアノなど、音の中にはバンドとしての経験と深みも感じさせ、一概に駄作とはいえない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 じっくり聴けます度・・8 総合・・7.5
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SALEM HILLMimi's Magic Moment

セーラム・ヒルの5th。2005作
4th「Be」は未聴なのだが、今作は心機一転、大曲4曲という構成のドラマティックシンフォ作となった。
アメリカらしいキャッチーさと同時に、NEAL MORSEあたりに通じる哀愁味のあるヴォーカルメロディが素晴らしく、
(と思ってブックレットを見たら、そのニール・モーズもゲスト参加してました)、しっとりとしたピアノに巧みなキーボードアレンジ、、
そしてすっかりゲストにはおなじみとなった、デビッド・ラグスデイルのヴァイオリンも鳴り響く。
派手な華麗さよりも、たおやかな質感が心地よいシンフォニックロックアルバムだ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 NEAL MORSE的な質感度・・8 総合・・8
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Seven Steps to the Green Door「Step in 2 My World」

アメリカのプログレバンド、セブン・ステップス・トゥ・ザ・グリーン・ドアの2008年作
女性Vo+男Vo2人を含む7人編成で、シンセ入りの美しさとキャッチーなメロディで聴かせる
軽やかなシンフォニックロック。男女ヴォーカルのやわらかな歌声を中心に、
5〜7分の比較的コンパクトな楽曲で、軽妙に楽しめるセンスはIT BITESあたりにも近いか。
モダンなプログレ感覚にあふれたメロディアスな好作だ。じっくりゆったり楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 軽妙センス度・・8 総合・・8
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Sigmund Snopek V「Who's afraid of Virginia Woolf?」
アメリカのプログレアーティスト、シグムンド・スノペック三世の1972年作
1982年作の「ROY ROGERS MEETS ALBERT EINSTEIN」
アメリカン・テクニカルシンフォニックの驚異の傑作であったが、
本作は物語的なコンセプトらしく、ロックオペラ風の流れで楽しめる力作だ。
ヴァイオリンなどの入ったクラシカルな部分と、サックスなどによるジャズ的な要素が
曲によって意図的に混在しており、ときにプログレ的なテクニカルさを垣間見せつつ、
一筋縄ではいかないシンフォニックサウンドを展開している。優雅なクラシカルさの中にも、
どこかとぼけたセンスがあって、それが不思議でシアトリカルな世界観を引き立てている。
プログレとして聴くにはやや難解な感じもするが、風変わりなロックオペラとして楽しめる。
後半のボーナスにはアヴァンギャルドな多重録音曲などを収録、詳細は謎。
クラシカル度・・8 プログレ度・・8 ロックオペラ度・・8 総合・・7.5
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Sigmund Snopek 「nobody to dream」
アメリカのシンフォニック系アーティスト、シグムンド・スノペックのアルバム。
70年代から活躍するアーティストだが、全貌はよほどのマニアでないと知られていないだろう。
元々はクラシック系の出身ということらしい。このアルバムも艶やかなヴァイオリンで始まり、
まるでクラシック作品のような雰囲気だ。2曲目からはヴォーカルも入るが、
ピアノやストリングスを中心に男女の混成コーラスは、ロックというよりもオペラのよう。
おそらくストーリーのあるコンセプト作なのだろうが、プログレとして聴くにはややつらいか。
シンフォニック度・・7 クラシカル度・・8 プログレ度・・5 総合・・7

SIGMUND SNOPEK V
「ROY ROGERS MEETS ALBERT EINSTEIN」

アメリカのプログレ系アーティスト、シグムンド・スノペック三世のアルバム。1982作
30年のキャリアを持つ鬼才のこのコンポーザー&プログレ鍵盤奏者の名作と名高いのが本作。
まず28分にも及ぶ組曲で幕を開ける。たたみかける展開の中をシンフォニックなキーボード、
メロウなギターが切れ味よく乱舞し、そのクオリティはHAPPY THE MANもかくやというほど。
むろん押し一辺倒ではなく、フルートやピアノなどのしっとりとしたパートもあり実に起伏に富んでいる。
メロディの質といい曲のアレンジセンスといい、アメリカのシンフォ系プログレ作品としては最高峰の一枚だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 完成度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り
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Signs of One「Innerlands」

カナダのプログレバンド、サイン・オブ・ワンの2007年作
いかにも北米のバンドらしいキャッチーなメロディで軽快に聴かせるサウンドで、
YES的な構築性とモダンなアレンジが合わさった、プログレハード的な質感もある。
ヴォーカルの声質も含めてRUSHからの影響もそこはかとなく感じさせるが、
それは演奏力の高さとキレの良さ、楽曲のアレンジセンスにも表れている。
適度なテクニカル性と叙情性によるメリハリの効いた構成も見事で、
シンフォニックな美しさとともにProgMetal的なスケールの大きさも感じさせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 アレンジセンス・・8 総合・・8
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Somnambulist

アメリカのプログレバンド、ザムナンビュリストの1st。1996年作
この不気味なジャケで今まで聴かずにいたのだが、2ndが良かったのでこちらもと購入。
内容はメロトロンやハモンドの鳴り響くヘヴィめのテクニカルプログレで、これはとても良い。
クリムゾン的な構築性を有しつつも、メロディはアメリカらしく意外にキャッチーで、
よりやわらかみの増した2ndに比べ、こちらは硬質感がまだ残っている所が、
このバンドの演奏力とセンスをいっそうくっきりさせている感じがする。
レトロなプログレ要素を90年代風のアレンジで再構築しているのが見事だ。
そして、変態的な混沌の中に希望の光が見えるような(分かる?)曲構成も素晴らしい。
けっこうメロディアス度・・8 プログレ度・・9 メロトロン度・・8 総合・・8◆プログレ名作選入り
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SOMNAMBULIST「THE PARANORMAL HUMIDOR」

アメリカのテクニカル・シンフォバンド、ザムナンビュリストの2nd。2001作
GENTLE GIANT的なテクニカルでとぼけた部分に、現代風のヘヴィさとモダンさを加えつつ、
ところによってはメロトロンなども使用。キャッチーなメロディラインはSPOCK'S BEARD的か。
シンフォニックな音像を失わないまま、独自の現代感覚で彩られたサウンドである。
DREAM THEATERやTRANSATLANTICあたりのリスナーも聴けるだろう。これは掘り出し物。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 楽曲センス・・8 総合・・8
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SONIC MUSIC「the prisoner」
アメリカの1人シンフォニックプロジェクト、ソニック・ミュージックのアルバム。2005作
Larry Benignoなる人物がほとんどすべてのパートを手がけた作品で、ドラムは打ち込み。
サウンドはYESUKあたりに通じる構築感とキャッチーなメロディを聴かせつつ、
軽やかなジャズロック風味や、ときおり垣間見せるユーモアのある展開もなかなか面白い。
総じて音にはアメリカ的な抜けの良さがあって、やわらかなヴォーカルメロディも聴きやすい。
新鮮さという点では物足りないが、個人作としては曲作りのクオリティは高く、
SPOCK'S BEARD
あたりのリスナーも充分楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・7.5


Spaced OutEponymous II」

カナダのテクニカルプログレバンド、スペイスト・アウトの2nd。2001作
テクニカルに聴かせるハードフュージョン風のジャズロックサウンド。
PLANET Xなどにも通じる技巧的なキメと変則リズムで聴かせるインスト作だ。
テクニカルなギターとスラッピングの効いたベースの存在感が際立っているが、
本作の時点ではまだキーボーディストがいる分、ただ押しまくるだけでなく
ときおりほんのりと叙情性もあって、複雑な音楽ながらも案外聴きやすい。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・8
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Spaced OutUnstable Matter
カナダのテクニカルプログレバンド、スペイスト・アウトの4th。2006作
ギター、ドラム、そしてシンセプログラムも担当するベースの3人組で、
PLANET Xを思わせるような、テクニカルなハード・ジャズロックをやっている。
重厚でメタリック雰囲気と、シンセによるスペイシーなメロディが合わさり、
楽曲は複雑ながら押し一辺倒ではない聴きやすさもあるのがポイント。
フュージョン的な軽やかさではなく、あくまでロックとしてのハードさを持っている点が
むしろRUSHあたりにも通じるバランス感覚か。愛想はないが冷徹でもない音だ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ジャズロック度・・7 総合・・7.5
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SPACED OUT「Live At The Crescendo Festival」
カナダのテクニカルプログレバンド、スペイスト・アウトのライブ作。2007作
ドラム、ギター、ベースという3人編成でテクニカルでゴリ押しのプログレ・ジャズロックをやっている。
手数の多いドラムの変則リズムの上に、ツブのしっかりしたベースが絡み、
そこにメロディも奏でられるギターが器用に音を乗せている。全員がバカテク。
ときおりシンセの音色が聴こえるのは、ベーシストがペダルかなんかで操っているのか?
そういうわけでRUSH的な尖った屈折感にPLANET X的な変態リズム精神が合わさった
その筋のリスナーにはキモチ良い(キモチ悪い)だろうテクニカルインストサウンドである。
ライブ作ながらテンションは高く演奏も凄いのだが、その反面曲調が唐突すぎて耳に残らない
という印象もある。ともかく、PLANET X的な超絶テクニカルフュージョンがお好きならどうぞ。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 変態度・・8 総合・・7.5

Spaced Out「Evolution」

カナダのテクニカルプログレバンド、スペイスト・アウトの5th。2008作
テクニカルに聴かせるハードフュージョン風のジャズロックサウンドで、
PLANET Xなどにも通じる技巧的なセンスを聴かせるこのバンド。
超絶なタッピングベースに、ザクザクとしたメタリックなギター、
基本的には変則リズムとキメの連続による技巧派のスタイルながら、
ギターのフレーズやシンセワークにはメロディアスな要素もあり、案外聴きやすい。
過去のアルバムよりも音の迫力が増していて、ミステリアスなスケール感も出てきた。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 メタリックフュージョン度・・8 総合・・8
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SPOCK'S BEARD「BEWARE OF DARKNESS」

アメリカのメロディアスプログレバンド、スポックス・ビアードの2nd。1996作
本作はイントロからいきなりTRANSATLANTICみたいな始まりかた。
この2ndからライブでの演奏も考慮してキーボードがもう一人(リョウ・オクモト)加わり
いよいよバンドは本格始動…という感じで音にものびのびとした部分が感じられる。
大曲の間に小曲やアコースティック曲などを混ぜ、全体として非常にバランスのとれた内容。
ほぼすべての作曲を手がけているニールのメロディセンスはやはり絶品で、
音色に70年代的な色を感じさせつつも、ギターとKEYの重ねやコーラスワークなどには
なつかしいような温かみがあり、とても聴きやすくキャッチーだ。
メロディアス度・・9 プログレ度・・7 楽曲・・8 総合・・8

SPOCK'S BEARD「The Kindness Of Strangers」

アメリカのメロディアスプログレバンド、スポックス・ビアードの3rd。1998作
ポップさとかつての古き良きプログレマインドを融合させたこのバンド。
日本人キーボーディスト、Ryo Okumotoが加わった2nd以降はライブ活動も積極的にこなし、
世界的な評価も高まっており、今やアメリカを代表するプログレバンドになっている。
今回は前作のコンパクトさをそのままに、10分台の曲も3曲入れるなど、
いよいよ彼らの本領が発揮されたアルバムになっている。
爽やかで、優しい歌メロと、テクニカルさをひけらかさず、あくまで自然体なバックの演奏が
一体となり、この独特の「新しき懐古主義」ともいうべきサウンドを構築している。
この肩の力の抜け具合はもはや年季の入ったベテランバンドのそれで、
ただ盛り上がるだけのシンフォバンドとは明らかにスタンスが違う。
力まず、身構えず、心地よく聴けるメロディアスなプログレアルバムである。
メロディアス度・・8 ホップ度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SPOCK'S BEARD「DAY FOR NIGHT」
アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードの4th。1999作
名実ともに安定期に入った彼らが、ほぼ毎年のように作品を発表していた時期の作品。
傑作である3rd「THE KINDNESS of STRANGERS」と5th「X」にはさまれて、
少々評価が低いものの、内容的にはまったく高品質の安心して聴けるアルバムである。
軽快なバンドの演奏には余裕が感じられ、ニールの歌メロのキャッチーなセンスは冴えまくり、
プログレ云々というよりは、キャッチーなロックとして聴ける作品で、
バンドとして自信と充実に満ちていたことが音にも感じられる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 演奏・・9 総合・・8
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SPOCK'S BEARD「Don't Try This at Home」
アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードのライブ作。2000作
1999年オランダでのステージから収録。4th発表後のツアーだったらしく、
4th「Day for Night」から4曲、3rd「The Kindness of Strangers」から2曲という構成。
メンバーは実力者ぞろいなので、演奏は安定していて、アルバム通りに
メロディアスかつレトロな質感をともなったスポビサウンドが楽しめる。
とくに、ラストの完全版で再現される20分の大曲“The Healing Colours of Sound”は圧巻。
演奏の緊張感や曲としての新鮮味は今となっては薄いが、スポビのライブが聴きたいならどうぞ。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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SPOCK'S BEARD「X」

アメリカのメロディアスプログレバンド、スポックス・ビアードの5th。2000作
のっけから16分の大作、小曲を3つはさんで27分の大曲という構成になっている。
それまでのポップな感性をまじえながら、よりシンフォニックロックとしての
本格的なアルバム作りにこだわったという印象の傑作である。
TRANSATLANTICでの曲づくりが自信になったのか、ニールの生み出す
メロディや歌メロ、曲展開のすべてには堂々とした吹っ切れが見られ、
バンドの絶頂期はこうあるべきという力強さに溢れている。
相変わらず70年代テイストのハモンド・メロトロンのキーボードサウンドは
ニールのやさしげな歌メロとともに、なにか郷愁に満ちた古き良き音を感じさせ
最近の硬質系シンフォとは一線を画した暖かな叙情が胸を打つ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SPOCK'S BEARD「SNOW」

アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードの6th。2002作
先天性色素欠乏症のため「SNOW」とあだ名をつけられた男の人生を描いたコンセプトアルム。
2枚組という構成やシリアスなテーマなどからGENESISの「魅惑のプロードウェイ」と比較される通り、
この作品も歌詞が重要なテーマを構築するという、歌もの的な部分が大きい。
もちろんメロトロンなどのキーボードワーク、コーラスなどにより従来の心地よいシンフォニック性も健在だが、
前作あたりに比べるとプログレというよりもギターのエッジが効いた「ロック的」な色合いの曲が目立つ。
我々日本人からすると、歌詞やテーマうんぬんよりも、まずは楽曲という聴き方をしてしまうので、
こうした作品への評価は難しい部分があるが(じっさい私はGENESISのプロードウェイを好きではない)
あまりプログレという言葉を意識しなければ、気持ちよく聴けるサウンドであることは間違いない。
尚、このアルバムを最後にニール・モーズは脱退。ソロ活動を開始する。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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SPOCK'S BEARD「Feel Euphoria」

アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードの7th。2003作
ニール・モーズが脱退し、4人編成となった新生スポビの第一弾。
一聴してギターがハードになり、サウンドがよりヘヴィになった印象。
新しくヴォーカルをとるのはドラマーのニックで、その声質はニールに比べると
ややナルシスティックな感じに聴こえてしまい、はじめは違和感がある。
楽曲の方はかつてのレトロでやわらかなメロディよりは、ややダークな部分が前に出ているが、
そこはリョウ・オクモトのキーボードワークの力もあって、ちゃんとバランスをとっている。
以前よりも増したロックとしての乾いた質感は好みを分けるところだろうが、
ここぞというドラマティックな部分での盛り上げ方などはさすがである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 プログレハー度・・8 総合・・7.5
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SPOCK'S BEARD「OCTANE」

アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードの8th。2005作
今作はのっけからドラマティックイントロで、ぐつと期待感が高まる。
鬱屈していたものを爆発させたような前作に比べ、サウンドから感じられる世界観がしっかりとあり、
全体を流れるシンフォニックロックとしての空間美と、コンセプチュアルなトータル感がうれしい。
やや力みすぎだったヴォーカルの歌唱にもやわらかみがついて、安心して聴けるし、
前作のようなヘヴィな曲もあるが、流れの中でのアクセントとなっているので、むしろ好感が持てる。
ソリッドな演奏とロックとしての躍動感をともないながら、従来のシンフォファンも満足させてくれ、
バンドの全ディスコグラフィーを通して「X」とともに代表作となれるだけのアルバムだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 空間美度・・8 総合・・8
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SPOCK'S BEARD「Cluttons for Punishment」
アメリカのプログレバンド、スポックス ビアードのライブアルバム。2005作
今までにもブート等でライブアルバムは出ていたが、公式のライブ作品ということでは初めて。
実のところ、ニール・モーズ脱退後のアルバム「Feel Euphoria」「Octane」は今だ聴いていないのだが、
このライブ演奏を聴けば、バンドがニールの脱退をものともせず、あるべき方向へと前進していることが分かる。
楽曲は過去の曲からもいくつか取り上げていて、メロディアスでありながらどこかレトロで、
そしてキャッチーなセンスとテクニカルな部分とが融合したスポビ節は健在。
2枚組みのCD2では傑作アルバム「X」からの30分の大曲“At the End of The Day”も披露、
年季が入ったバンドらしい、力み過ぎない演奏がたっぷり堪能出来る。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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SPOCK'S BEARD

アメリカのプログレバンド、スポックス ビアードの9th。2006作
ニール・モーズ脱退後、バンドはそれまでの方向性の呪縛から逃れるべきかと
試行錯誤していたようにも思えるが、ここにきて初期のキッャチーな路線を捨て
シリアス&ドラマティック路線で勝負にきた。久しぶりの日本盤も発売される今作は
前作から見られたヘヴィなサウンドをそのままに、そこに哀愁の泣きを盛り込むことに成功。
もちろん従来からのレトロなプログレ感覚も捨てきることはせず、それを風味程度に活かして
モダンな硬質感と上手く同居させている。楽曲の方も比較的コンパクトであるが、11分の大曲や
17分の組曲を織り込むなど意欲的にメリハリをつけ、それがアルバムとしての密度にもつながっている。
メタリックな質感を前に出したこともあり、HRファンからも受け入れられるサウンドだろうし、
NEAL MORSE時代を好む向きにも対応をした、ベテランらしい隙のない作品といえる。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 キャッチー度・・7 総合・・8
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SPOCK'S BEARD「X」

アメリカのプログレバンド、スポックス・ビアードの2010年作
すでにデビューから15年以上、名実共に90年代以降のアメリカンプログレの牽引者。
ちょうど10作目となる本作は、10分以上の楽曲をいくつも揃えた力作であるが、
軽妙なモダンさがプログレ風味と融合していて、これまで以上にスタイリッシュなサウンドを聴かせる。
キャッチーな歌メロや美しいシンセワークはもちろん健在で、ドラマティックなインスト部分は
まるでTRANSATLANTICのようでもある。ニール・モーズ脱退後も良作を作り続けているが
今回も前作同様にメロディと展開美のバランスのとれたじつに見事な傑作といえる。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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SPOCK'S BEARD「The X Tour Live」
アメリカのプログレバンド、スポックス ビアードのライブアルバム。2012年作
現在までにアルバム10枚を発表、名実共に現代アメリカンプログレの代表格たるこのバンド、
ライブアルバムとしては2008年以来となる。Disc1ではアルバム「X」からほぼ全曲を演奏、
ダイナミックかつ叙情的な楽曲を、デビューから15年以上というキャリアの脂の乗った演奏で聴かせる。
Disc2は過去のアルバムからのナンバーに、ドラムソロ、シンセソロなども収録。ファンなら楽しめるライブ作だ。
メロディアス度・・8 プログレ度・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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StarCastle「Song of Times」

アメリカのプログレハードバンド、スターキャッスルの復活アルバム。2007作
1976年にデビューした時は「完全なYESのフォロワー」として注目されたが、
その後プログレハード色を強め、1978年までに4作を発表、その後解散した。
スタジオ作としては実に29年ぶりとなる。今作ものっけから典型的な
アメリカン・プログレハード色が全開で、オールドファンにはうれしいかぎりだろう。
レトロな音色のキーボードに、歳をとったジョン・アンダースンという雰囲気のヴォーカル、
新鮮味は皆無だが、キャッチーでややハードめなシンフォニックサウンドが楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 プログレハー度・・9 総合・・7.5
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STARDRIVE「Intergalactic Trot」
アメリカのシンセ奏者、ロバート・メイスン率いるスタードライヴのアルバム。1973作
かつて日本盤が出ていたのはじつは2ndで、本デビュー作は初CD化となる。
きらびやかなシンセを中心にした軽やかなサウンドは、プログレフュージョン的で、
サックスの音色に絡むシンセワークは、時代的に考えるとなかなかきらびやか。
ELPとはまた違ったスタイルで、独自のムーグシンセをピコピコとかき鳴らす、
アヴァンギャルドなセンスは、アメリカ70年代では異色の作品といってよいだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 シンセ度・・8 総合・・7.5
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STARDRIVE

アメリカのシンセ奏者、ロバート・メイスン率いるスタードライヴのアルバム。1974作
メイスン氏は独自のムーグシンセを開発した人物でもあり、CDジャケ裏の大がかりな装置がそれらしい。
確かに、時代を考えればこの多彩なシンセサウンドはなかなか立派なもので、
スペイシーに弾き鳴らされるムーグの音色は、録音のショボさを差し引いても聴く価値がある。
曲調の方はギター入りのものは普通の70年代ロック風なのだが、間断なく鳴っているシンセのおかげで
とてもけたたましくカラフルな印象だ。むしろシンセのみによるスペイシーな演奏の方が雰囲気がある。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 シンセ度・・9 総合・・7.5
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Supernal Endgame「Touch the Sky」

アメリカのプログレバンド、スーパーナル・エンドゲームの2010年作
オヤジ3人によるトリオバンドで、美しいシンセとメロディックなギターで、
TRANSATLANTICあたりを思わせる、キャッチーかつダイナミックに聴かせるサウンド。
やわらかなメロディが耳に優しく、ゲストによるヴァイオリンなども楽曲に彩りを添える。
難解さのない陽性のシンフォニックロック。ロイネ・ストルトが1曲でゲスト参加。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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SURPRISE 「ASSAULT ON MERRYLAND」

アメリカのシンフォニックロックバンド、サプライズのアルバム。1977作
70年代のアメリカのシンフォといえばマイナーな存在が多く、
なかなかいいバンドがアルバム1枚だけ残して消えた、というパターンがけっこうある。
このバンドもそんなひとつで、内容が抜群なだけにもう2〜3枚アルバムを作らせたかった気がする。
基本はギター兼ベース、キーボード、ドラム、ヴォーカルの4ピースなのだが、
キーボードがけっこうな芸達者でピアノからオルガン、ムーグまで使用しており、
またヴォーカルもフルートやトランペットを吹いたりしていてなかなか音に厚みと広がりがある。
牧歌的でメロディアスなのだが、ときどきギターの音色がハードロック風になったり、
ただの弱々しいシンフォとも違う。少しカナダのNIGHT WINDSあたりを思い出した。
とにかく曲の完成度、演奏、センスともにマイナーな存在ではもったいないクオリティ。
アメリカのシンフォシーンを語るとき再評価すべきバンドのひとつだと思う。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 楽曲・・8 総合・・8


Symphonic Slam
カナダのプログレ・ハードロックバンド、シンフォニック・スラムのアルバム。1976作。邦題は「宇宙讃歌」
ギター/ヴォーカル、シンセ、ドラムという3人編成で、サウンドの方はギターシンセを使用した
妖しげなハードロックという趣。序盤はジャケのような神秘的な作風でムーグシンセの音色などには
プログレ色もあるが、3曲目以降はヴォーカルを主体にしたノリのよいファンキーなロックンロールもあったり、
アルバムとしてのトータルな完成度はさほど高くはない。当時としてはギターシンセのサウンドは
それだけで新鮮だったのだろう。なお、Keyの、David Stoneは、後にRAINBOWへ参加している。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 神秘度・・7 総合・・7
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SYZYGY「The Allegory of Light」

アメリカのシンフォニックロックバンド、シヅィギーのアルバム。2003作
バンドの詳細は不明だが、音を聴くかぎりなかなかクオリティの高いテクニカルなシンフォをやっている。
軽快なリズムの上に、メロディアスなギターとプログレ的なキーボードが重なり、
ときおりキャッチーな歌メロを聴かせつつ、全体的にはアメリカらしい抜けの良さがある。
メインはやはりインスト演奏で、HAPPY THE MANECHOLYNSPOCK'S BEARDあたりにも通じる
ややひねくれた感性も覗かせながら、やはりシンフォニックなメロディ心を忘れないでいるところがミソ。
組曲構成や大曲も多いが、起伏に富んだ展開で飽きさせないし、総じて内容の濃いアルバムである。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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SYZYGY「Realms of Eternity」

アメリカのテクニカルプログレバンド、シジィギーのアルバム。2009作
前作はHAPPY THE MANあたりを思わせるインスト主体のテクニカルな好作であったが、
本作でもシンセとギターが絡み、しっかりとメロディアスさのあるプログレに仕上がっている。
のっけから10分の大曲で始まると、一聴して音のスケール感が増していて、
MAGELLANなどにも通じるシンフォニックな要素と抜けのいいヴォーカルメロディが印象的だ。
“The Sea”と題された8パートに分かれた28分の組曲は、アコースティカルな叙情をまぶしつつ、
ゆるやかに盛り上げるシンフォニックなサウンドで、随所に光るテクニカルなアンサンブルもさすが。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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TALISMA「CORPUS」

カナダのプログレバンド、タリスマのアルバム。2003作
ギター、ベース、ドラムの3人組、音の方はメタリックなシンフォ度を高めたクリムゾンという感じで、
ヘヴィな反復リフを重厚なリズムの載せた緊張感のあるインストでアルバムが始まる。
バックでは美しくシンセが美しく鳴っていて、これがシンフォニック度を高めており、
時折サウンドの質感がANEKDOTEN的になったりもするのが面白い。
女性スキャット入りの曲ではギターもメロウなフレーズを弾きはじめ、
こうなるとクリムゾンというよりは、メロディアスなシンフォニックの音になる。
全体的に曲としての未完成感はあるが、総じてセンスが良く音の乗せ方が気持ちよい。
シンフォニック度・・8 メタルクリムゾン度・・8 サウンドセンス・・9 総合・・7.5
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TALISMA「Chromium」

カナダのプログレバンド、タリスマの2nd。2005作
先に聴いていた3rd「Quelque Part」は、カナダのANEKDOTENかという素晴らしい傑作だったが、
本作もやっぱりいい。G、B/Key、Drという3人編成による、基本はシンプルなアンサンブルなのだが、
ポストロック風味の雄大なビジョンを描くことができる力量があり、躍動感のあるリズムに乗る
ギターやギターシンセ、アコギにクラシックギターなど、どれにも素晴らしく味わいがある。
音数はさほどでもないのに異様に奥深いという、じつに玄人好みのプログレになっているのである。
ミステリアスな壮大さと演奏の緊張感が合わさった、現代プログレのひとつの理想形が楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 サウンドセンス・・9 総合・・8
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TALISMA「Quelque Part」

カナダのプログレバンド、タリスマのアルバム。2008作
おそらくこれが3作目で、1作目はクリムゾンをシンフォニックにしたような好作であったが、
本作ではさらに楽曲はダイナミックになり、抜けの良いメロディアスさが加わってきている。
存在感のあるベースとドラムがしっかりとボトムを形成し、その上にメロトロンが鳴り響くと
ANEKDOTEN的なヘヴィシンフォニックの質感で、美しくも重厚に聴かせる。
インストがメインであるが、音の重ねるサウンドのセンスには相変わらず見事なものがあり、
女性声入りの曲もあったりして最期まで飽きさせない。カナディアンらしい構築力をともなった強力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 サウンドセンス・・9 総合・・8.5
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TCP「The Way」
アメリカのプログレバンド、TEMPORAL CHAOS PROJECTのアルバム。2008作
アメリカからEcholynIZZを思わせるハイセンスのメロディアスプログレバンドが登場。
キャッチーな歌メロで聴かせるサウンドには難解さはなく、さりげないテクニカルさをまぶしつつ
叙情的なギターやメロトロンを鳴らしながら、いくぶんのモダンな質感もあって古くささは感じない。
曲が長くても決して大仰にならないところがポイントで、爽やかに聞き流せるのだが、
反面もう少し曲ごとのインパクトというか、濃密さも欲しい気がする。
デビュー作としては上々の出来なので、今後に期待したいバンドです。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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The Tea ClubGeneral Winter's Secret Museum」
アメリカのロックバンド、ティー・クラブの2008年作
シンセのいない3人編成で、本作の時点ではプログレ色はまださほどはなく、
70年代風味のブリティッシュロックスタイルのサウンドをやっている。
やわらかなコーラスハーモニーを含んだ、薄暗い叙情性と、
アナログ感のあるアンサンブルがなかなか耳心地いい。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・7 総合・・7.5
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The Tea Club「Rabbit」

アメリカのプログレロックバンド、ティー・クラブの2010年作
メンバーが一人増えて4人になり、ゲストにシンセ奏者を加えたことで、
前作よりも音の厚みが増し、シンフォニックといってもよいサウンドになった。
70年代風味のレトロさと、Porcupine Treeに通じる薄暗系ロックのセンスが合わさり、
クリムゾンやANEKDOTEN的な叙情プログレとして楽しめる音像である。
楽曲的なダイナミズムが強まったことで、適度な緊張感も出てきた。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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TEMPESTTurn of the Wheel

アメリカのトラッドロックバンド、テンペストのアルバム。1996作
MAGELLANやSHADOW GALLERYらと同じMagna Cartaレーベルからのデビューとあって、
てっきりProgMetal系かと思いきや、実際はJETHRO TULLを思わせるフルートが鳴り響く、
プログレシッブなトラッドロック。牧歌的なマンドリンの音色にヴァイオリン、ケルティックなフルートに加え
シンセによるシンフォニックな味付けもあって、古めかしさの中にも現代的な味わいを感じさせる。
新時代のケルト・ロックサウンドだ。キース・エマーソン、ロバート・ベイリーがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ケルティック度・・8 総合・・8
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TEMPESTDouble Cross

アメリカのケルトロックバンド、テンペストの2006年作
デビューは1991年ということで、すでに活動20年を数えるベテランバンド、
本作はおそらく8作目くらいで、鳴り響くフィドルに素朴なマンドリンの音色で聴かせる
ハードロックとフォーク/ケルトの融合という路線は、年季を経た説得力とともに深みを増し
まったく嘘くささがなく、かつてのJETHRO TULLの後継者といってもいいほどのサウンドだ。
ハードめのギターにオルガンが重なるところなどは、ヴィテンージロックとしても楽しめるし、
近年人気のフォークメタルのリスナーなどにも充分アピールするだろう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ケルティック度・・8 総合・・7.5
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TEN JINNAs on a Darkling Plain
アメリカのシンフォニックロックバンド、テン・ジンの1st。1999作
初期GENESIS的な上品な質感に、ときおり聴かせるテクニカルな部分と、
コロコロとしたメロディの感触はHAPPY THE MAN的か。
キャッチーな歌メロやコーラスワークにはプログレハード的な要素もあり、
70年代風味と現代的な要素が合わさった雰囲気で、クオリティもなかなか高い。
1曲目が40分の組曲というのも気合いが入っているが、起伏に富んだ展開で聴かせる。
多少の詰めの甘さもあるが、キャッチーで展開力のあるシンフォが好きならお勧めできる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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TEN JINN「ALONE」
アメリカのシンフォニックロックバンド、テン・ジンの3rd。2003作
GENESIS + HAPPY THE MANといった感じだった2ndに比べて、こちらは1曲めから歌もので、
シンフォニックなキーボードに乗る歌メロとコーラスハーモニーがキャッチーなサウンド。
今回はSPOCK'S BEARD的に攻めてきたかという印象だが、
軽快な分かりやすさと、シンフォニックな叙情性のバランスが良く、
曲は4〜5分台のものがほとんどで、コンパクトな聴きやすさが魅力となっている。
やや力みすぎだった前作よりも、むしろプログレハード的な聴き方もできる好作。
ドラマティックなギターとリリカルなピアノが素晴らしい後半の曲がとくに良い。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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TEN POINT TEN「12 25」

アメリカのシンフォニックロツクバンド、テン・ポイント・テンの2005年作
バンドの詳細は不明だが、アルバムはこの1枚のみのようだ。
クリスマスアルバムということだが、サウンドは一級品のシンフォニックロックとしてちゃんと楽しめる。
キャッチーな希望的メロディとともに華麗に弾き鳴らされるキーボードを含め、曲のアレンジも見事で
マイルドな声質の男ヴォーカルに、ときおり絡む女性Voの歌声も耳に優しく響く。
派手すぎる音でもなく、適度にテクニカルでありつつも実に素直なメロディで聴かせるシンフォニック傑作。
疲れ気味のアナタにも、シンフォニック好きのアナタにもうってつけのアルバムです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 優しげ度・・9 総合・・8.5
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Thirteen of Everything「Welcome Humans」
アメリカのシンフォニックロックバンド、サーティーン・オブ・エブリシングのアルバム。2005作
GENESISを基盤に、SPOCK'S BEARDTRANSATLANTICなどを思わせる
キャッチーさと爽快な展開力で聴かせる、なかなか質の高いサウンドだ。
メロウなギターフレーズにはハケットを、いかにもなシンセワークにはELPからの影響も感じさせ
ややプログレヲタク的な香りも漂うが、アメリカらしい抜けのよいメロディで心地よく感じさせてしまう。
9分、10分という大曲にラストには26分の組曲もあり、全73分という力作。あとはVoの弱さをなんとかして、
楽曲のアレンジに独自の個性が出てくれば、スポビクラスまで手が届きそう。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 爽快度・・9 総合・・7.5
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TODD RUNDGREN'S Utopia

トッド・ラングレンが70年代に自身のバンドとして立ち上げたユートピアの1st。1974作
今でこそポップサイドやプロデューサーとして有名な彼だが、本作はそのトッドが
もっともプログレに接近した作品として70年代アメリカプログレの傑作としても名高い。
トリプルキーボードを駆使したそのサウンドは、この時代の音楽としてはとても音が厚く、
ライブ録音の1曲目からして、きらびやかなシンセの渦に引き込まれるようだ。
キーボードに絡むトッドのギターは奔放で、ときにダイナミックにロックしているが、
ヴォーカルパートにおいてはそのポップでキャッチーなセンスを垣間見せている。
全4曲で、それぞれ14分、10分、4分、30分という作りもいかにもプログレ的だが、
一方では、これが彼の引き出しのひとつにすぎなかったという事実にも驚嘆させられる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キーボー度・・8 総合・・8
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Todd Rundgren「Initiation」

トッド・ラングレンの6th。1975作/邦題は「未来神」
バンドとしてのUTOPIAの1stの後に出したソロ名義のアルバム。
前半はポップなロックナンバーがメインなのだが、なんといっても本作の聴きどころは
“宇宙炎に関する論文”と題された35分にもおよぶ一大組曲で、
重ねられたシンセを主体にしたスペイシーで幻想的なサウンドが楽しめる。
とはいっても決して暗くはならず、どこかトリップ感のある楽園的な世界観なのが
いかにもトッドらしい。プログレとして聴くのなら本作か、UTOPIAの3rdあたりまでか。
メロディアス度・・8 前半はポップ度・・8 後半はプログレ度・・8 総合・・8
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UTOPIA「RA」

トッド・ラングレンのバンド、ユートピアの3作目。1977作/邦題は「太陽神」
トリプルシンセ編成での1stの頃とは異なり、本作はドラム、ベースを含むバンド編成。
プログレハード的なダイナミックさで聴かせるサウンドは、ブリティッシュロックの質感にも近いが、
コーラスも含めた歌入りのキャッチーな感触には、やはりアメリカならではの抜けの良さがある。
あくまでバンドとしてのバランス感覚を重視しつつも、シンセの重ねかた、その旋律には
トッド独特の浮遊感のようなものがあり、単なるポップさとも違う懐の深さを感じる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・8
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TRANSATLANTIC「SMPTe」

ロイネ・ストルト(THE FLOWER KINGS)、ニール・モーズ(元SPOCK'S BEARD)、マイク・ポートノイ(DREAM THEATER)、
ピート・トレワヴァス(MARILLION)による、プログレバンド、トランスアトランティックのデビューアルバム。2000作
まさしく、スーパーバンドというにふさわしい驚異のユニットがここに誕生。メンバーの頭文字からとったアルバムタイトルが示す通り、
各名人たちの技量とセンスが濃縮され、のっけから30分を超す大曲“All of the Above”から、メロディアスかつキャッチー、
そしてテクニカルなサウンドでたたみかける。やはり要となるのは、ニールの作る優しいメロディとその歌声、
リズムを支えるポートノイのドラムの貢献もさすがである。プログレ/シンフォニックの希望の星の誕生だ。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 総合・・8.5
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TRANSATLANTIC「LIVE IN AMERICA」

ロイネ・ストルト(THE FLOWER KINGS)、マイク・ポートノイ(DREAM THEATER)、
ニール・モーズ(元SPOCK'S BEARD)、ピート・トレワヴァス(MARILLION)
によるスーパーグループ、トランスアトランティックのライブアルバム。2001作
皆がテクニックの持ち主なので安定した演奏でシンフォニックでキャッチ−なプログレハードが楽しめる。
専任ヴォーカルがいないという歌の弱さを除けば、全篇プログレファンを楽しませてくれる。
ジェネシスの名曲のカヴァー、フラワーキングス、ドリームシアターなどのセルフカヴァーメドレーも有り。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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TRANSATLANTIC「BRIDGE ACROSS FOREVER」

シンフォニックハードのスーパーバンド、トランスアトランティックの2nd。2001作
1stではいきなり1曲目から30分の大曲だったが、今回も全4曲うち25分以上が2曲という大作志向。
サウンドの方は、もはやメンバーがメンバーだけになんの心配もない。
全篇高密度かつ叙情的な、メロディアスシンフォニックのオンパレード。
恐らく前回よりも録音に金がかけられたのか、音質も向上し、曲の盛り上がりはよりド迫力に。
ロイネのメロディアスなギターフレージングは相変わらず素晴らしく、
ニール・モーズのキーボードワークも音色、メロディともに冴え、HRファンには不評な彼の歌も
バックの美しいコーラスハーモニーの中で問題なく聴ける。まさにシンフォニックの理想郷。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・9 プログレ度・・7 総合・・9 ◆プログレ名作選入り
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TRANSATLANTIC「SMPTe THE ROINE STOLT MIXES」

トランスアトランティックの1stのロイネ・ストルトによるリミックス作品。2003作
収録曲、曲順ともに正規盤と同じなのだが、それにギターパートを追加したバージョン。
音質的にも各パートの分離が良くなり、リズムは切れ良く聴こえるし
その上ロイネによるギターパートが効果的に追加されている。
また、ギターのもならずメロトロン、キーボードなどにもずいぶんと変化が聴かれ
全体としてはよりダイナミックに、かつメリハリのあるサウンドになっている。
ファンはもちろん、THE FLOWER KINGS、そしてロイネのファンにもたまらない出来だ。
むしろ正規盤より完成度上だろう。傑作がさらに素晴らしい作品に生まれ変わった!
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 正規盤より良いわぁ度・・9 総合・・8.5
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TRANSATLANTIC「LIVE IN EUROPE」

SPOCK'S BEARDのニール・モーズ、DREAM THEATERのマイク・ポートノイ、
THE FLOWER KINGSのロイネ・ストルトらによる、トランスアトランティックのライブアルバム。2003作
スタジオアルバム2枚とライブ作2枚を残して解散したこのスーパーバンドであるが、
こうしてライブ音源を改めて聴くにつけ、実力者たちによる卓越した演奏は、
その辺のシンフォバンドでは真似の出来ない強力なパワーを有していたと知れる。
とくにライブ盤としては2作目となる本作は、アルバム1作目、2作目の代表曲を網羅しており、
Disc2での“Stranger In Your Soul” “All The Above”という大曲2曲はまさに圧巻だ。
キーボードを弾きながら楽しげに歌うニール・モーズ、DTでの演奏よりも肩の力が抜けた
マイク・ポートノイのドラミングが目に浮かぶようだ。アルバムを持っている方も必聴のライブ作であり、
このスーパーバンドを初めて聴くという方にもお薦めできるだけの内容だ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 ライブ演奏・・9 総合・・8.5
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TRANSATLANTIC「Whirlwind」

ニール・モーズ、マイク・ポートノイ、ロイネ・ストルトらによるスーパーバンド、トランスアトランティックの2009年作
まさかの復活である。「SMPTe」「Bridge Across Forever」という2作を残して解散したと思っていたのだが、
8年の歳月を経て、あのメンバーたちが再び集結。なんと77分全1曲という驚異の作品をひっさげてのカムバックだ。
12パートに分かれた長大な楽曲はどこを切ってもニール・モーズ節炸裂で、ゆるやかなメロディで上昇と下降を繰り返しながら
しだいにドラマティックに盛り上がる楽曲を展開させてゆく。マイク・ポートノイの細やかなドラムと安定したリズムを土台に、
ピート・トレワバスのベースの存在感もこれまで以上に光っていて、渋みを増したロイネのギターが合わさると、
まさに鉄壁のケミストリーというべきグルーブ感が曲を支配する。ニールらしいキャッチーな歌メロとコーラスワークに、
古き良きプログレのレトロさを、時代に流されない人間味のあるロックに落とし込んだ、見事な力作であろう。
ただし、誤解を恐れずにいえば、全体的にはいくぶん大人の渋みを増したプログレッシブロックとなっていて、
シンフォニックな盛り上がりは後半からなので、即効性を求める気の短いリスナーには向かないのだが、感動的なラストは
ぜひ味わって欲しい。2枚組エディションには、未発曲に、GENESIS、Procol Harum、The Beatles、Santanaのカヴァーを収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 ドラマティック度・・9 総合・・8.5
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TRANSATLANTICWhirld Tour 2010」

復活したスーパーバンド、トランスアトランティックのライブアルバム。2010作
2009年の「Whirlwind」で再び飛翔を開始したスーパーバンド、2010年ロンドンでの公演を収録。
ニール・モーズ、マイク・ポートノイ、ロイネ・ストルト、ピート・トレワヴァスの4人に
ツアーメンバーのダニエル・ギルデンロウ(PAIN OF SALVATION)を含めたステージで、
のっけから当然のように80分近い大作「Whirlwind」を完全再現。
華麗にシンセを弾きこなしながら、情感の込もった歌声を聴かせるニール・モーズを筆頭に、
より渋みをましたロイネのギターワークは、決して派手さはないがその一音一音が実に味がある。
DREAM THEATERでのプレイ以上に楽しげにドラムをプレイするポートノイ、
存在感あるベースを聴かせるトレワヴァス、そしてマラカスにシンセ、エレキにアコギと、
なにげに大活躍のダニエルは、映像で見ると元気いっぱいでその若々しいはっちゃけぶりがかわいい。
この5人のケミストリーが一体となり、ひとつの大きなビジョンを作り上げてゆくがごとき
素晴らしい演奏ぶりは、スタジオ盤で感じたいくぶんの長尺感を吹き飛ばすものだ。
全員がヴォーカル/コーラスをとる、キャッチーなメロディアスさとドラマティックな展開力、
そして名人の域に達している各人のプレイぶりは、ぜひともDVDでも見ていただきたい。
ようやく80分の大曲が終わったかと思うと、次は30分の“All of The Above”が始まり、
同じく30分のドラマティックな大曲“Stranger in Your Soul”まで、全6曲180分超という…
濃密なハードプログレが炸裂する。ファンであれば、3CD+2DVDの豪華ボックスを迷わず買うべし!
ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・9 お腹いっぱい度・・10 総合・・9
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TRANSATLANTIC「More Never Is Enough」

シンフォニックロックのスーパーバンド、トランスアトランティックのライブアルバム。2011年作
3枚のCDにはイギリス、マンチェスターの公演、2枚のDVDにはオランダ、ティルブルグでの公演を収録した5枚組のボックス。
前回のライブ音源「Whirld Tour 2010」も良かったが、こと演奏面での大人の味という点では本作が勝るかもしれない。
CDのDisc1には80分全1曲の大作「THE WHIRLWIND」の完全再現を収録。山あり谷ありの大曲が、職人たちの演奏によって、
なめらかに構築されてゆくのはまさに圧巻である。Disc2には31分の“All of the Above”など3曲71分を収録。
Disc3は33分におよぶドラマティックな名曲“Stranger in Your Soul”で幕を閉じる。CDだけでもおなかいっぱいであるが、
DVDの方もまた必見。CDとは収録地が異なるのも嬉しいが、映像で見ればこのスーパーバンドのスーパーたる所以が分かる。
まず全員がコーラスをとるのもこのバンドの特徴だが、メインパートを歌うニール・モーズ、ロイネ・ストルトのツーフロントを筆頭に、
DREAM THEATERを脱退したマイク・ポートノイのドラムは、むしろDTでのプレイ以上に楽しげで、ときおり観客を煽る様子も楽しい。
ロイネ・ストルトのギターは、ベテランの味をかもしだす渋さと、もはや仙人というような域で、一音ずつ味わいのあるトーンを奏で、
アコースティックギターに、シンセ、マラカスなどもこなす、ノリノリのダニエル・ギルデンロウの姿も、バンドのひとつの華だろう。
各プレイヤーの手元を映すカメラワークもいいし、臨場感あふれる音質も素晴らしい。確かに時間は長いが至福のBOXセットである。
ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・9 お腹いっぱい度・・10 総合・・8.5
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THE UNDERGROUND RAILROAD「The Origin Consciousness」

アメリカのシンフォニックロックバンド、アンダーグラウンド・レイルロードの2nd。2005作
A TRIGGERING MYTHSALEM HILLなどとともにアメリカの現在形シンフォニックシーンの代表。
オールドプログレ的質感に、シリアスさと硬質な感触を携えたサウンドは
ときにYESばりにメロディアスでありながら、どこかひねくれたアヴァンギャルドなものも感じさせる。
演奏力、構築力という点では上記したバンド中でも最高レベルにあり、
爽快なメロディにはクラシカルな部分を含みつつ、ジャズロックばりのテクニックも持ち合わせている。
まさに現代形のシンフォニックロックサウンド。インスト中心ながらとても聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 硬質度・・8 総合・・8
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Victor Peraino's Kingdom Come「No Man's Land
Arthur Browns Kingdom Comeのシンセ奏者、ヴィクター・ペラノイズによる1975年作
完全自主制作盤であったため、これまでは一部のマニアのみぞ知るコレクターズアイテムであったが、
2010年リマスターにより再発。さらには1981年の録音音源、2010年新録を加えたSHM仕様である。
スペイシーに鳴らされるメロトロンに、Yesなどを彷彿とさせるキャッチーなヴォーカルメロディは、
やはり当時のイギリスのアーティストとは一線を画す、ポップでサイケデリックなセンスがある。
かと思えば、フルートの鳴り響く3曲目などはイタリアンロック風味であったりして、いささかとりとめがない。
内容の怪しい濃さと音質面もふくめて、やはりマニア好みの作品といえる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
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VISIBLE WIND「A MOMENT BEYOND TIME」

カナダのプログレバンド、ヴィジブル・ウインドの2nd。1996作
カナダのバンドらしいクールな構築センスに溢れたメロディアスプログレだ。
叙情とテクニカルさのバランスが絶妙で、メロディアスさを重視した作風で、大仰すぎずクサすきず、
シンフォニックだが素朴さもあるという点がやはりカナダ、ケベック州という土地柄か。
時々歌にフランス語がまじるのも隠し味。フルートの音色などもじつに美しい。
メロディアス度・・8 シンフォだがクサすぎず度・・9 楽曲・・8 総合・・8 ◆プログレ名作選入り
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White & Edsey Lucas 「Lwe」
アメリカのキーボードプログレバンド、LWEのアルバム。2006作
日本人顔のキーボーディスト、フランク・ルーカスを中心にした3人組で、
シンセとピアノをメインにした軽快できらびやかなジャズ・フュージョンロックをやっている。
プログレというよりはモダンで、メジャー感のあるメロディアスな作風のインスト作品。
変拍子などテクニカルなキメの部分は、難しくないPLANET Xという雰囲気もあり、
キーボードトリオといっても古めかしさはなく、むしろJORDAN RUDESSあたりにも通じる
メロディフレーズと軽やかなキーボードタッチが、プログレフュージョン的質感を生み出している。
音が綺麗なので楽しく聴けるが、全体的にやや一本調子で飽きが来るのも正直なところ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 フュージョン度・・8 総合・・7.5
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Woodenhead「Perseverance」
アメリカのプログレ・ジャズロックバンド、ウッデンヘッドのアルバム。2003作
女性シンセ奏者を含む4人組みで、オールインストのレトロがかったプログレをやっている。
ピアノやオルガンを中心とした鍵盤に、70'ロック的なギターの音色で聴かせる
フュージョン風味もある軽やかなインストロックという印象。トロンボーンの音色にも
なんとなく和ませられる。派手さはないが、ほのぼのと楽しめるサウンドだ。
メロディアス度・・7 レトロ度・・8 ジャズロック度・・8 総合・・7.5
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XYZ

YEZDA URFA「boris」

アメリカのプログレバンド、イエッダ・ウルファのアルバム。1975作
かつてSyn-PhonicレーベルからCD化させていた「Secred Baboon/聖なる野獣」は聴いていたが、
それより前に自主マテリアルとして制作されたこのアルバムは、アメリカン・テクニカルプログレの
幻の傑作とされており、以前からとても聴きたかったのだが、ついにCD化された。
女性Vo入りのやさしい牧歌的な雰囲気で始まるが、いかにもプログレ的なキーボードと、
絡みつくようなリズムがしだいに威力を発揮してゆき、やはり一筋縄でいかない。
楽曲は10分台のものが3曲もあり、どれも後のECHOLYNにも通じるテクニカルかつメロディアスなもので、
アコースティカルな部分や、やわらかな歌メロが意外としっかりアクセントになっていて、
複雑なことをやっていてもさほど硬質感がないというのもGENTLE GIANT系列の音といってよいか。
年代と国柄を考えれば、70年代アメリカというプログレ不毛の地における最高のマテリアルだろう。
ブックレットには、あてつけなのか、当時の各レコード会社からの不採用の返信文がそのまま載せられている(笑)
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Zen Rock and RollThe Birthright Circle」
アメリカのシンフォニックロックバンド、ゼン・ロック・アンド・ロールのアルバム。2004作
ZENシリーズとしてはこれが3作目になるらしい。
繊細なメロディとアメリカらしい抜けの良さが同居したサウンドで、
へんに難解な部分のない、聴きやすい陽性のシンフォニックロックだ。
美しいシンセワークにキッャチーな歌メロで聴かせつつ、しっとりとした叙情もある。
GENESISのブロードウェイあたりを思わせるドラマ性も感じさせ、
ラストの23分の大曲ではメロトロンの音色とハケット風のメロウなギターで盛り上げる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 キャッチー度・・8 総合・・7.5
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Zolder and Clark

アメリカのプログレバンド、ゾルダー&クラークのアルバム。1977作
アメリカンシンフォニックの隠れた名作とされるアルバムの初の正式CD化。
HOUSE OF LORDSのJames Christian、ARCANGELCANNATAのJeff Cannataら
メロディアスハード系の人脈が在籍していたバンドであるがサウンドの方にはハード色はなく、
70年代アメリカ的なローカルな雰囲気と、展開の多くせわしなさのあるプログレだ。
ジャケなどもそうだが、どことなくB級アングラ小説的な妖しげな世界観も感じさせつつ、
メロディアスなキャッチーさと、いかがわしい曲調とがアンバランスでけっこう面白い。
そんな中でもカンナタののシンセワークはさすがで、がちゃがちゃとした楽曲を
ときにシンフォニックな叙情で彩っている。アメリカ70年代の隠れた逸品だろう。
メロディアス度・・9 プログレ度・・8 妖しげ度・・8 総合・・8
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VA 「PROGDAY 2001」
プログレ系のライブイベント、その名もプログデイでのステージを収録したCD。
参加バンドは、YETI、SIGMUND SNOPEK V、THE MUFFINS、
POLYDACTYL、AZIGZA、ARS NOVAという、なかなかマニアックなメンツ。
YETIはクリムゾンタイプのインストプログレで、ヘヴィなうねりとサイケ風の混沌とした
サウンドが持ち味。全体的にやや単調さもあるが、演奏の質自体はなかなか高い。
SIGMUND SNOPEK Vは、ベテランらしい演奏力とヒネた感性で構築する大人のプログレ。
ギター、シンセに、チェロやサックス、フルートも入り、独特の浮遊感で聴かせる。
THE MUFFINSはサックスを中心としたジャズロックに、プログレ的なシンセを加えたサウンド。
POLYDACTYLはトリオ編成で、レトロなシンセでゆったりと、そして適度にテクニカルに聴かせる。
AZIGZAは中近東的で浮遊感のあるサイケロックに、女性Voが加わった個性的なサウンド。
日本から参加のARS NOVAはこの中では唯一の正統的なキーボードシンフォをやっています。
総じてややマニアックなメンツですが、コアなプログレ好きにはなかなか楽しめる企画ものかと。
プログレ度・・8 ライブ演奏・・8 マニアック度・・9 総合・・7.5

VA/ PROGFEST '95
アメリカで行われたプログレイベント、プロッグフェスト1995の1996年作
参加アーティストは日本のARS NOVAをはじめ、LANDBERK、DEUS EX MACHINA、WHITE WILLOW、
SPOCK'S BEARD、SOLARISという、なかなか豪華かつマニアックな顔ぶれをCD2枚に収録。
日本のアルス・ノヴァは女性トリオ時代の編成で、美麗なシンセを主体にした濃密なインストプログレ。
スウェーデンのランドベルクは貴重なライブ音源だろう。メロトロン鳴り響くしっとりとした北欧サウンド。
イタリアのデウス・エクス・マキーナはテクニカルな展開力とイタリア的な混沌とした気配が魅力。
ノルウェーのホワイト・ウイローは美しい女性ヴォーカルで聴かせる幻想的なシンフォニックロック。
アメリカのスポックス・ビアードはNEAL MORSEの在籍時のキャッチーな大曲を披露。
ハンガリーのソラリスは弾きまくりのシンセとフルートが絡む。コテコテのシンフォニックサウンド。
どのバンドの演奏も総じて質が高く、この手のオムニバス作品としては内容の濃いものとなっている。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 濃密度・・8 総合・・7.5
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VA 「PROGFEST'97」
アメリカのプログレライブイベント、プログフェスト1997の2枚組CD。
参加バンドは、THE JHON WETTON BAND、LE ORME、ARENA、THE FLOWER KINGS、
SPOCK'S BEARD、BIG ELF、SINKADUS
というマニアックな計7バンド。
ジョン・ウェットンバンドは、UKKING CRIMSONの名曲「STARLESS」などを演奏。
イタリアのレ・オルメは彼らの70年代の名作「FELONA & SORONA」の組曲等を、
イギリスからは現在活躍中のアリーナがさすがの重厚な演奏を聞かせてくれる。
ビッグ ・エルフはメロトロンを多用したメロディアスな70年代風ハードロック。
スウェーデンのシンカドゥスはかつてのANGRAGALDにも通じる北欧的な静寂をもったバンド。
とりわけ素晴らしいのは、今や北欧シンフォの代名詞たるTHE FLOWER KINGSとSPOCK'S BEARDで、
フラワーキングスは雄大でメロウな大曲を、懐古主義に陥らずにセンスよくこなしているし、
スポックス・ビアードはこの手のバンドにしては非常にキャッチーかつ軽快な演奏が耳を引く。
全体としては決してマニアックになりすぎない、実力者の揃ったレベルの高い内容ある。
シンフォニック度・・8 参加バン度・・8 演奏・・8 総合・・7.5
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VA 「WORKING MAN」
MAGNA CARTAレーベルによるラッシュトリビュートアルバム。1996作
参加アーティストはセバスチャン・バックエリック・マーティンビリー・シーン
トレント・ガードナー(MAGELLAN)、マイケル・ロメオ(SYMPHONY X)
ジャイムス・ラブリエジョン・ペトルーシマイク・ポートノイ(以上DREAM THEATER)
ジェイク・E・リージェームス・マーフィーデヴィン・タウンゼントFATES WARNING、他
ミックスには実際のRUSHを手がけたテリー・ブラウン起用するというこだわりよう。
DTのメンバーがRUSH好きであるのは公の事実だし、他のメンバーも凄腕ぞろいときては
技巧的なRUSHの曲を完璧にこなせるのもうなずける。。“FREEWILL”、“THE TREES”あたりから
“JACOB'S LADDER”、“LA VILLA STRANGIATO”などの長めの曲などもなかな格好いい。
叩きまくりのポートノイのドラムもそうだが、全体的にメタル色が高めになっている。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 カヴァー度・・8 総合・・7.5
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