CDレビュー プログレ
インドネシア/オセアニア/イスラエル
PROGRESSIVE ROCK/Indonesia,Oceania,Israel,and Others

掲載バンドは上からABC順になっています

■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。

■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。


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ANANE 「The Evolution Ethnic」

インドネシアのプログレバンド、アナネのアルバム。2005作
7人編成+ゲスト2人という大所帯のアンサンブルで、ごった煮感のあるジャズロックサウンドを繰り広げている。
荒々しいエレキギターにサックスが絡み、ガムランやケチャを思わせるコーラスがかぶさりつつ、
2曲目では瑞々しい女性ヴォーカルを乗せて、まるでサムラあたりを思わせる土着ロックとなる。
シンセにフルート、チェロ、パーカッションなども加わって軽快なノリとともに
濃密な民族性とエネルギーとが合わさったサウンドはとても個性的だ。
DISCUSでも聴かれたインドネシア特有の混濁感と構築性がここにもあり、
そして勢いの中にもちゃんと人間的な叙情を有していて、なかなか飽きさせない。
祭りのような熱気を帯びた、民族プログレロックとして大変楽しめつつ、
曲によってはチェンバーロック的なシリアスさも聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 民族度・・9 ハレの熱気度・・10 総合・・8.5


DEWA 19「the best of」

インドネシアのロックバンド、デワ19のベストアルバム。1999年作
1992年にアルバムデビュー、バンドは2000年に新生DEWAとしてスタートするが、
本作はDEWA19名義での1992〜96年までに出された4作からのベスト。
哀愁の叙情とキャッチーなメロデイで聴かせるサウンドは、
うっすらとしたシンセアレンジなどもなにげに効いていて、
単なるポップロックとは異なる、プログレハード的な質感があるのがよい。
泣かせどころを抑えた叙情的なバラードなども絶品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・6 総合・・8

DEWA「★★★★★」

インドネシアのメロディアスロックバンド、デワのアルバム。2000作
元はDEWA19という名前だったらしいが、DEWA名義ではこれが初アルバム。
地元インドネシアでは相当な人気だということだが、音を聴けば確かにそれもうなずける。
しっかりとした演奏力に支えられた楽曲は、ポップで甘いメロディに加え、
キーボード、オーケストレイションによるシンフォニック性がじつに美しい。
母国語の歌い回しがなんかラテン系の歌ものを思わせる感じでエキゾチック。
すごいぞインドネシア。しかしアルバムタイトルが「五つ星」って・・?
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 ポップ度・・8 総合・・8

DEWA「CINTAILAH CINTA」

インドネシアのメロディアスロックバンド、デワの6th。2002作
インドネシアでは人気のポップグループだったらしいが、前作「★★★★★」から
プログレ的なアレンジが冴えその手のファンにもアピールできる内容になっている。
今回も、オーケストラを導入し壮大さを演出しており、そのキャッチーなメロディセンスや
ヴォーカルハーモニーは美しく、しみ入るような叙情と哀愁をともなって胸に届いてくる。
インドネシア語の歌唱も、なんとなく我々アジア人に共感する響きを感じさせ、
たとえばかつて韓国のN.EX.Tなどがそうだったように、言葉を超えた音楽の素晴らしさを
聴く側に伝えてくれている。ときにメロウに奏でられるギターなども良い感じ。
ポップでキャッチーなのに、じんとなる。きっとやさぐれたあなたの心も解かします。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 キャッチー度・・9 総合・・8.5 ◆プログレ名作選入り

DEWA「Atas Nama CintaT/ II」

インドネシア最高のロックバンド、デワのライブアルバム。2004作
「T」と「U」は別売りだったのだが、まとめてレビュー。
話題のDISCUSなどのおかげで、脚光が当たりはじめたインドネシアのロックシーンだが、
現在のところ、人気、実力ともにナンバー1と思われるのがこのバンドだろう。
DEWA 19名義から数えて8枚アルバムを発表しており、とくに5、6枚目は
プログレッシブな質感の曲アレンジから、日本のファンにも人気が高い。
このライブ作はその6th「Cintailah Cinta」発表後なので、同アルバムからの曲がメイン。
哀愁を漂わせた美しいメロディラインは、たとえばQUEENあたりからの影響も思わせつつ、
そこにインドネシアの土着性をブレンドさせたもので、同じアジア人である我々の耳にはとても馴染み安い。
ライブ音源を聴くと演奏力もしっかりとしていて、地元でのステージなのか観客の盛り上がりと歓声もすごい。
6th収録の感動的なシンフォニックバラードには涙チョチョ切れもの(;_;)オフィシャルサイトはこちら
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8


DISCUS「1st」

インドネシアのプログレバンド、ディスクスの1st。1999作
先に2nd「...tot licht!」を聴いていたのでもう驚きませんが、このデビュー作もなかなか。
矢継ぎ早の変態的な展開とメタリックな大仰さではさすがに大傑作の2ndに及びませんが、
それでも、十分に質の高い民族調プログレ・ジャズロックといった感じです。
ガチャガチャとたたみかけると思えば、美しいフルートがたおやかに鳴ったり
優しげな女性Voがうっとりとする歌声を聴かせてくれたりと、やはり無節操でステキ。
艶やかなヴァイオリンとアコースティックギターが奏でる叙情性にもうっとりとなる。
ラストの12分の大曲はプログレとしての彼らの魅力が炸裂。オフィシャルサイトで試聴可能
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ごった煮度・・8 総合・・8

DISCUS「...tot licht!」

インドネシアのプログレバンド、ディスクスの2nd。2003作
いろんな所で「凄い」と評価されていたアルバムだが…ホント、コリャ凄い。
やっていることは素晴らしく、無節操で高度な演奏と矢継ぎ早の展開に唖然…。
やや変態入ったジャズロックかと思いきや、なにげにバックではギターがメタルリフを弾いているし、
かと思うとガムランの詠唱みたいのが始まってゆったりとしたサックスのメロディ〜
シンフォチックなキーボード、美声の女性Voのたおやかな歌声などにうっとりしていたら
次の曲では、アヴァンギャルドな変則リズムに乗せて歪み系男Voがガナってますよ(^^;)
プログレ…ジャズ、シンフォ、メタル、民族音楽と、様々な要素を叩き込み
彼らのセンスにおいてゴッタ煮にして仕上げましたという感じで、
結果として恐るべきプログレッシブな作品になっています。楽しみ所満載で怖いほど。
最終曲のダイナミズムと感動的な盛り上がりには何故か日本のMr.SIRIUSを思い出した。
テクニカルでメロディアス度・・9 プログレ度・・10 ごった煮度・・10 総合・・9◆プログレ名作選入り
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ERWIN GUTAWA「ROCKESTRA」

インドネシアのミュージシャン、エルウィン・グタワの2006年作
ロンドンシンフォニーオーケストラが参加、大規模なオケとロックを融合させた本作は、
まるでENIDのような壮麗かつダイナミックなサウンドを描き出す。
インドネシア伝説のロックバンドGodblessのメドレーからスタート、その後も
インドネシアンロックの哀愁とシンフォニックなオーケストラが合わさった壮大なロックオペラ的な
世界観で、女性ヴォーカル曲や、牧歌的なバラードなどを感動的に聴かせてくれる。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 ロック度・・7 総合・・8


EPHRAT「No One's Words」

イスラエルのプログレバンド、エフェラトのアルバム。2008作
まったく知らなかったバンドなのだが、これがなかなかいい。
適度にメタリックなギターとシンセを中心に、薄暗い叙情で聴かせるサウンドは
ときにゆったりとメロウに、ときにフルートなども入った民族色もあり、
じっくりと盛り上げるドラマ性は、ProgMetal系のリスナーにも勧められる。
のっけから10分を超える大曲に、その後も8分、9分という大作指向で、
新人にしては堂々たる自身が窺える。ラストの18分の組曲もなかなか圧巻。
ゲストヴォーカルにはなんとPain of Salvationのダニエル・ギルデンロウに
PAATOSの女性Vo、Petronella Nettermalm嬢が参加している。
バンドの中心人物、オマー・エフェラトの若き才能に今後も注目だ。マイスペで試聴可能
メロディアス度・・7 メタリック度・・7 薄暗度・・8 総合・・7.5
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FromuzOverlook」

ウズベキスタンのハード・シンフォニックロックバンド、フロムズのアルバム。2008作
さすがにマニアな私ですらも、ウズベクのバンドというのは初めてだ。
しかしこれがなかなかいい。歌なしのインストによるハードシンフォニック作で
全5曲でそれぞれが15分、14分、10分、11分、17分というものすごい大作志向。
メロディアスなギターに美しいシンセが絡みつつ、随所にProgMetal的なテクニカルさや、
オリエンタルなメロディを盛り込むなど、演奏、楽曲ともになかなかいいセンをいっている。
ともかく歌がない上に、曲が長いので、気が短い人には向かないのだが
むしろ長曲に慣れたシンフォ系リスナーにはとても心地よいサウンドではないかと思う。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 長大度・・8 総合・・7.5
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FROMUZ「Seventh Story」

ウズベキスタンのシンフォニックロックバンド、フロムズの2010年作
前作は全曲が10分以上という大作であったが、本作も20分、16分、18分という
大曲を含む全6曲78分という力作である。まるで映画的のようなイントロから始まり、、
ときにハードフュージョン/ジャズロック的な軽やかさと、シンフォニックな音の厚みが合わさった
濃密なサウンドが展開される。これまで以上にコンセプト的なシリアスさが出ていて
ミステリアスな雰囲気が壮大な質感となり、ギターによる叙情フレーズでここぞと盛り上げる。
インストが中心ながらも細かなアレンジによる楽曲構築が見事で、聴き手を飽きさせないだけの
音の説得力もついた。ドラマティックなセンスで、辺境性を感じさせない力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・9 濃密度・・9 総合・・8.5
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FROM.UZ「Quartus Artifactus」

ウズベキスタンのシンフォニックロックバンド、フロム.ウズの2011年作
過去3枚のアルバムを再録した2CDにライブ映像入りのDVDという3枚組。
FROMUZからFROM.UZへと微妙に名前が変化しているが…まあいい。
前作「Seventh Story」の素晴らしさが印象深いが、本作はアコースティックな要素を強めた
新たなアレンジでバンドの力量を見せつける。優雅な軽やかさの中に、チェンバーロック的な
得体の知れなさを練り込んで、適度な緊張感とともに構築されるサウンドに引き込まれる。
楽曲はほとんどが10分以上であるが、切り返しの多い構成や、牧歌的でもあるメロディのセンス、
クラシックなども取り入れた多様性あるアレンジで、飽きずに聴き通せるだけの魅力と演奏力がある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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godbless「36th」

インドネシアのロックバンド、ゴッドブレスの2009年作
1973年から数えて36年というキャリアを誇る大ベテランで、
見た目はみんないいオッサンなのだが、サウンドの方は熱い熱い。
オルガン入りの英国風ハードロックで、インドネシア語のヴォーカルによる
キャッチーな聴き心地と、ときに哀愁の叙情も含んだ楽曲はなかなかいい感じ。
年季の入ったバンドらしい演奏力もさすがというところ。シンフォニックに盛り上げる
プログレハード風の曲や泣きのバラードもGood♪
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8


RISHAD SHAFI & GUNESH

トルクメニスタンのプログレジャズロックバンド、ガネッシュのアルバム
1980年の1stと84年の2ndを併せて収録したもの。
旧ソ連時代の作品ということで、東欧独特のスケールの大きさとシンセによる浮遊感、
そこにエネルギッシュな爆発力が加わって、ただのジャズロックではない迫力が生まれている。
このジャケのインパクトもそうだが、リーダーRISHAD SHAFIの手数の多いドラムプレイは
明らかにジャズというよりもロック、それもプログレ的な変態感があり、
サウンドは単なる辺境モノでは片づけられない存在感をかもしだしている。
ヴォーカル入りの曲では、一転してエキゾチックな郷愁を漂わせる中東的な色が前に出る。
テクニカルさと民族色を融合させた、質の高い変態ジャズロックプログレ作だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8

RISHAD SHAFI & GUNESH 「45°IN A SHADOW」

トルクメニスタンのプログレジャズロックバンド、ガネッシュの1984〜1990の曲を集めたCD。
こちらは未発集ということらしいが、それでも録音以外はかなりのクオリティ。
手数の多いドラム、ツインキーボード、ツインギターを中心に、
かなりテクニカルな演奏でぐいぐいとたたみかけてゆくさまは圧巻。
サックス、パーカッションなどがときに民族的な雰囲気をかもし出しながら、
シンセは陽性なメロディを奏でつつ、随所に重厚になったり、ジャズ調になったりもする。
やはり、要はリーダーであるRISHAD SHAFIのドラムで、陽気にドカドカと叩きまくり
一人でロック度を高めている。辺境からの民族調ジャズロック異色の力作。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 バカジャズロック度・・9 総合・・7.5
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IMANISSIMO「Z's Diary」

インドネシアのプログレバンド、イマニシモのアルバム。2004作
恐るべき完成度を誇ったDISCUSの2ndを聴いてからというもの、インドネシアのシーンへの
興味はかなり高まっていたのだが、そんな中現れたこのバンドもまたしても驚異のクオリティだ。
基本は、ギター、ベース、ドラム、キーボードという編成なのだが、
メロディアスでシンフォニック、テクニカルで適度にメタリックというサウンドは、
たおやかなフルートやパーカッション、そして民族的な色合いをかもし出しつつのきらびやかな
プログレッシブハード系作品となっている。DISCUSほどにはたたみかけるようなインパクトはないが、
組曲形式の43分の大曲では、メロウな旋律とシンフォニックでゆるやかな盛り上がりが相まって、
内的宇宙のスケールを感じるまでに壮大な世界観を感じさせてくれる。おそるべしインドネシア…
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8


IN MEMORIAM「The Ultimate Terrorizing Aura Of Unlogic Mind
インドネシアのプログレバンド、イン・メモリアムのアルバム。2003作
写真を見ると若手の5人組み。牧歌的で壮大なイントロから曲が始まると
プログレメタル的な質感のサウンドに音程の危うい女性コーラス、
シンフォニックなシンセに男Voのオペラティックな歌(というほどには上手くないが)が乗る。
ジャズ風なピアノや、ラップ調のヴォーカル(ときにおちゃらけ入り)も入り交じり、ゴシックメタル風で
ときおり民族入りプログレメタル風という、奇怪なごった煮サウンド(結果として変態?)が進行してゆく。
だが同郷のDISCUSに比べると、演奏技術、楽曲、センスともに遠くおよばず、
無理矢理感のあるアヴァンギャルドな部分は、かえって音の浅い感じがする。
技量的に消化しきれていないキワモノ系サウンドはむしろ気持ちが悪いという見本。
シンフォニック度・・8 アヴァンギャル度・・9 ごった煮度・・9 総合・・7


MADDEN AND HARRIS「FOOLS PARADISE」
オーストラリアのフォークデュオ、マッデン&ハリスのアルバム。1975作
音の方は簡単に言えば、男Voのフォークロック、メロトロン入り、という感じ。
まあ、やわらかものあるサウンドで、のんびり聴くにはうってつけだが、
今のご時世にこのアルバムをのんびりかけてくろげることも少ないと思うので
時代性込みで考えれば、名作とは言い切れないのが私的な感想。
曲も途中であっさり終わってしまうようなのもあって、トータルな完成度は高くはないと思う。
これが女性Voだったら話は別だったが。メロトロン好きにはいいかもしれない。
メロディアス度・・7 メロトロン度・・7 しっとりゆるやか度・・9 総合・・7.5


MARIO MILLO「EpicV」

オーストラリアのSebastian Hardieのギタリスト、マリオ・ミーロのソロ作。1979作
セバスチャン・ハーディの2枚のアルバム「哀愁の南十字星」、「ウインド・チェイス」は
オーストラリアのプログレシーンにおける金字塔的なアルバムだったが、
その後に発表された本作も、マリオ・ミーロの魅力が詰まった隠れた名作として名高い。
なんといっても14分におよぶ、1曲目のタイトル曲が素晴らしい。
かつてのSebastian Hardieを思わせつつ、テクニカルなリズムにキャッチーな歌メロを乗せ、
プログレ的なシンセワークで聴かせる見事な大曲だ。もちろん以降の曲も雰囲気が良く、
マリオ・ミーロのメロディアスなギターがたっぷり楽しめる。ゲストによる男女ヴォーカル入りの曲や
アコギとフルートによる繊細な小曲に、ゆるやかなストリングスのアレンジもじつに美しい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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nerv 「ragam」

インドネシアのプログレバンド、ネルフの2005年作
女性ヴィオラ奏者を含む6人組で、叙情的な笛の音色にシンセが加わり、
パーカッションのリズムにロックギターがかぶさると、民族色の濃いプログレとなる。
同郷のANANEに比べると、もっとスタイリッシュでバランスのよさ聴き心地である。
美しいヴィオラの音色がうねるようなビートに包まれて、インストながらも濃密な作風。
たとえば、日本のKENSOあたりが好きな方でも楽しめるクオリティの高さである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 民族度・・8 総合・・8


RAINBOW THEATRE「Fantasy Of Horses」

オーストラリアのプログレバンド、レインボウ・シアターの2nd。1976作
オセアニアのプログレ名盤のひとつとされながら、これまで出回っていたCDは海賊版のみで、
これが初の正規CD化とのこと。以前にその海賊盤を聴いていたが、正直あまりパッとしなかった
という印象がある。今回は正規音源からのリマスターということもあり、音質もよくなっている。
管楽器を大胆に取り入れたサウンドは、当時のロックシーンではなかなか個性的だったことだろう。
ただ改めて聴いてみても、唐突なトランペットやトロンボーンの音色にやや脱力してしまうのも否めず、
まるで吹奏楽バンドがプログレをやろうしているようにも聴こえてしまう。軽快な1曲めに続き、
2曲め以降は、11分、22分の組曲がメインで、ゆったりとした曲調にオペラチックなヴォーカルも入り、
静かなパートではフルートにストリングスも加わり、壮大な叙情性も感じられてなかなかよい。。
オセアニアのプログレ傑作というと、ALEPHSEBASTIAN HARDIEがダントツだと思うが、
それらの次あたりには本作を聴いてみるのもいいかもしれない。
メロディアス度・・7 シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 総合・・7.5
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SEBASTIAN HARDIE「Four Moments」

オーストラリアのプログレバンド、セバスチャン・ハーディーの1st。1975作
「哀愁の南十字星」と題された本作は、オーストラリアの70年代作品では屈指の叙情傑作だ。
マリオ・ミーロの奏でる甘美なギタートーンと、うっすらとした美しいシンセワークを中心に
じつに繊細なメロディックロックを聴かせる。泣きのメロディがたまらない名曲“Rosanna”をはじめ、
CAMELを思わせるようなゆるやかな叙情美にうっとりだ。2ndWindchaseも同等の傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 泣きの叙情度・・9 総合・・8
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Sebastian HardieWindchase

オーストラリアのプログレバンド、セバスチャン・ハーディーの2nd。1976作
豪州随一のメロディアス系バンドとして、彼らの残した2枚のアルバムは、世界的に見ても
名作の名に値するだろう。有名なのは「哀愁の南十字星」と題された1stの方だろうが、
本作の方も内容としてはむしろそれ以上の出来だ。とくに20分を超えるタイトル曲は
マリオ・ミーロの泣きの叙情ギターをふんだんに楽しめるメロディアスな大曲だ。
技術的にはCAMELFOCUSなどには及ばないものの、泣きの哀愁メロディにおいては
引けをとらないばかりか、雄大な自然を感じさせるゆるやかな叙情は何物にも代えがたい。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 泣きの叙情度・・9 総合・・8
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SEBASTIAN HARDIE「LIVE IN LA.」

オーストラリアのプログレバンド、セバスチャン・ハーディのライブアルバム。1999作
70年代に名作「哀愁の南十字星」「ウインドチェイス」といった傑作を残したこのバンドが
なんんと復活し、1994年にアメリカのPROGFESTで行ったライブの音源である。
「プログフェスト94」のビデオは見ていたので、CDを買うのは控えていたが、
こうして全10曲の完全版を聴けるのはやはり嬉しい。
絶品のメロディを奏でるマリオ・ミーロのギターと、自身の枯れた味わいの歌声は
聴くものにかつてのアルバムにあった美しい哀愁を呼び起こさせる。
「ROSANNA」「WINDCHACE」といった名曲が聴けるのも嬉しく、
録音面でのノイズもあるが、それを差し引いてもファンにはたまらないライブ作品だろう。
メロディアス度・・8 音質・・7 往年の名曲度・・9 総合・・7.5
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Solstice Coil「A Prescription for Paper Cuts」
イスラエルのプログレロックバンド、ソルスティス・コイルのアルバム。2005作
詳細は不明だが、どうやらデビューアルバムらしい。
サウンドの方は、昨今で言ういわゆるPORCUPINE系のオルタナシンフォで、
ゆったりとしたもの悲しい叙情をモダンなアレンジと浮遊感とともに聴かせる。
ヴォーカルのやや軟弱な声質は好みを分けるだろうが、イスラエル産ということで
彼らの描く悲しみとけだるげな諦観とに、どこか説得力を感じてしまう(^^;)
アレンジ面や曲のメリハリのなさなどにやや不満はあるが、今後に注目したい新人だ。
メロディアス度・・7 オルタナシンフォ度・・8 楽曲・・7 総合・・7


SOUL ENEMA「Thin Ice Crawling」

イスラエルのハードシンフォニックロック、ソウル・エネマの2010年作
イスラエルという国にも、あなどれないようないいバンドはいるのであった。
このバンドもシンセを含む5人組で、じつにドラマティックなシンフォプログレをやっている。
魅力的な女性ヴォーカルの歌声と、美麗なシンセアレンジで構築されるそのサウンドは
随所にテクニカルなProgMetal風味と、プログレ的で優雅なエッセンスを含んでとてもセンスが良く、
楽曲は7〜9分台と長めながら飽きさせない。ときに中近東的な民俗調のメロディも取り込んだりと
アレンジ面での引き出しの多さも見事。美しいシンフォニック性と地域性を両立させたような傑作。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 構築度・・8 総合・・8


TRESPASS「IN HAZE OF TIME」

イスラエルのキーボードトリオ、トレスパスの1st(?)。2002作
イスラエルのプログレというとZINGALEくらいしか知らなかったのだが、
このバンドはキーボードメインのテクニカルアンサンブルで、ときにクラシカルに、
あるいはジャジーに弾きまくるところなどはELP+NICE(つまりはTRACE?)という感じか。
インストメインだが英詞の歌も違和感なく、「どこのバンド?」と尋ねなければ
イギリス、ヨーロッパの一級バンドだと思い込んでしまいそう。
熱情的な演奏の中にもある種の気品とエレガントさが聴かれ、
5曲目の叙情的なクラシカルインスト曲にハッとしないリスナーはいまい。
メロディアス度・・8 クラシカル度・・8 キーボー度・・9 総合・・8.5
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TRESPASSMorning Lights

イスラエルのプログレバンド、トレスパスの2nd。2006作
驚愕のクオリティの傑作であった前作「IN HAZE OF TIME」に続く期待の2作目。
NICETRACEかという、素晴らしいキーボードロックサウンドはそのままで、
国名を知らずに聴けば、あるいは英国あたりのバンドかと思われそうなほど。
メロディには古典的なバロックの香りが感じられ、リズム面を含めての確かな演奏力に加え、
西洋的センスのアレンジ力も見事で、総じて音には気品と優雅さとが漂っている
フルートの音色も美しく、クラシカルなエッセンスが満喫できるキーボードプログレの傑作だ。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・9 キーボー度・・9 総合・・8.5
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UNITOPIAMore Than a Dream

オーストラリアのシンフォニックロックバンド、ユニトピアの1st。2005作
メロトロンなどを使用しながらも、サウンドはむしろモダンでキャッチー、
リズムや歌メロにはポップともいってよい質感があり、コーラスなどには
アメリカのバンド的な抜けの良さがある。しかしながら、レトロなプログレ感覚も
ちゃんと残しているあたり、NEAL MORSEなどに近いセンスも感じる。
楽曲やメロディの点で、もう少し聴かせどころが欲しいが、それは次作で開花。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 総合・・7.5
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UNITOPIA「The Garden」

オーストラリアのシンフォニックロックバンド、ユニトピアの2nd。2008作
基本は前作同様キャッチーでモダンなシンフォニックロックだが、
今作はCD2枚組の大作で、ドラマティックな壮大さが増している。
美しいシンセワークに、かつてのGENESIS的なロマンティシズムを聴かせつつ、
NEAL MORSE風のメロディアスさと楽曲展開のダイナミズムが光る。
CD1には22分、CD2には16分という大曲を収録し、合計100分というボリューム。
バンドとしての自信に溢れた現在形シンフォニックロックの力作だ。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 総合・・8
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UNITOPIA「Artificial」

オーストラリアのシンフォニックロックバンド、ユニトピアの3rd。2010作
2枚組の力作であった前作に続き、本作もコンセプト的な壮大さを感じさせる力作。
うっすらとしたシンセに絡むアダルトなサックスの音色、渋みのあるギターに穏やかなヴォーカルの歌声、
長曲は1曲のみだが、その分マイルドな聴き心地で落ち着いたシンフォニックサウンドが楽しめる。
メロディにはアメリカのバンドのようなキャッチーさもあって、やはりクオリティの高いアルバムである。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ゆったり度・・8 総合・・8
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VANTASMA 「Beyond Fallen Dreams」

インドネシアのシンフォニックロックバンド、ヴァンタスマのアルバム。2006作
インドネシア産とは思えない正統派のシンフォニックスタイルで、歌詞も全編英詞。
CAMELを思わせる甘美なギターのトーンに、GENESIS以降のヨーロピアンシンフォ系バンドに通じる
ある種のロマンティックさに溢れている。細かい演奏やつなぎの部分にはまだ稚拙さもあるが、
それにもましてこの執拗なまでの泣きは、同じアジア人である我々の琴線に大きくうったえてくる。
メロディの中にある温かみと人懐こさは、やはりインドネシア独特のものだろう、
土着性が薄い分、辺境系愛好リスナー以外にも十分聴かせられる。
8分〜13分という大曲の中にいくつも泣きのメロディがあり、シンフォファンならたっぷり満足できる。
メロディアス度・・9 シンフォニック度・・8 インドネシア度・・7 総合・・8


ZINGALE「PEACE」

イスラエルのプログレバンド、ツィンガーレのアルバム。1977作
LP時代からイスラエル産バンドの幻の傑作とされてきた作品。邦題は「平和への希求」
メンバー表記は二人の作詞者を含む8人編成。艶やかなヴァイオリンの鳴り響くサウンドは、
演奏面、楽曲のクオリティともに西欧のバンドに引けをとらないレベル。
ジャズロック的にたたみかける部分と、美しいピアノとシンセ、やわらかなヴォーカルで
しっとりと聴かせる部分とが、なかなかよいコントラストになっている。
辺境ものプログレとしては、傑作といってよいクラスにある作品だろう。
アルバムタイトルの「PEACE」=平和や、曲名の“Soon The War is Over”が、
イスラエルというお国柄の現実の重みを感じさせる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 辺境度・・7 総合・・8
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