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PROGRESSIVE ROCK CD REVIEW 2012
by 緑川 とうせい
★2012年に聴いたプログレ(トラッド・その他含む)CDレビュー(過去6カ月以内のものです)
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プログレの2012年もスタートです(13)
magenta 「chameleon」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2011年作
スタジオアルバムとしては6作目で、ロブ・リードのプログレ的なシンセワークと
女性ヴォーカル、クリスティーナの歌声で聴かせるシンフォニックロックは本作も健在。
前作「Metamorphosis」に比べると、いくぶん初期の作風に戻った感じもあり
キャッチーで軽快な聴き心地と、しっとりとした叙情が同居したサウンドは、
新鮮味はないものの安心して楽しめるクオリティの高さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Heather Findlay「Phoenix Suite」
元Mostly AutumnのVo、ヘザー・フィンドレイのミニアルバム。2011年作
残念ながらMostly Autumnを脱退した彼女だが、今後はソロとしてやってゆくのだろうか。
その指針となる5曲入りのミニであるが、いくぶんダークめのメロディアスロックという感じで、
むしろAll About Eveなどにも近い作風。憂いを含んだ彼女のヴォーカルはよいけれど、
シンフォニックな感触はあまりないので、少々物足りなく感じるのはいたしかたなしか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Steven Wilson「Grace for Drowning」

Porcupine Treeのスティーブン・ウィルソンのソロ2011年作
PTの他にKING CRIMSONのリミックス、OPETHやORPHAND LANDなどのプロデュースなど
現在もっとも多忙を極めるミュージシャンの一人だろう。本作はVol.1、2に分けられたCD2枚組で、
しっとりとしたピアノやシンセと、繊細なヴォーカルで聴かせる、いわば静謐系の作風であるが、
アコースティカルな素朴さと、KING CRIMSONの静寂部分のような奥深い叙情性が素晴らしい。
もちろんプログレッシブな構築センスと、PT的な薄暗いモダンシンフォの要素も含んで
適度な緊張感とともにその世界観が描かれてゆく。Disc2の23分の大曲も見事な静かなる傑作。
メロウ度・・8 プログレ度・・8 静謐の叙情度・・9 総合・・8
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Memories of Machines 「Warm Winter」

No-ManのTim BownessとNosoundのGiancarlo Erraによる、メモリーズ・オブ・マシンズの2011年作
プロデュースはスティーブン・ウィルソンで、想像通りのしっとりとした薄暗い叙情のサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジにもの悲しいヴォーカルの歌声が響きわたり、
アコースティックギターにピアノやチェロの音色が絡み、繊細な情感を描いてゆく。
優しく翳りのあるアンビエントなサウンドが好きな方なら気に入る作品だろう。
ロバート・フリップ、ピーター・ハミル、さらにはジム・マテオスといった多数のゲストが参加。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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Subsignal「Touchstones」

ドイツのハードプログレバンド、サブシグナルの2011年作
元SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、シンセを含んだ美しいアレンジと
キャッチーなメロディが光る高品質なサウンド。IT BITESあたりにも通じる軽妙さと確かな演奏力で、
随所にProgMetal的なテクニカルな展開も織り込みつつ、あくまでメロディアスに聴かせる。
5、6分の曲を中心にしながら、11分の大曲も含んで知的な構築センスも抜群だ。
メタル的なヘヴィさはあまりないので、モダンなハードシンフォニックとしても楽しめる傑作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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DEMIANS「Building an Empire」

フランスのミュージシャンNicolas Chapel氏の個人ユニット、デミアンズの2008年作
うっすらとしたシンセにいくぶんヘヴィめのギターとともに、メランコリックな叙情を描く
いわゆるPorcupine Tree系のサウンド。PTに比べるとシンフォニックな要素が強く、
暗すぎない程度のメロウさや、ストリングスなどのアレンジも入った泣きもよろしい。
16分の大曲も含めて、ゆったりと聴かせる耳心地の良さがいい感じですね。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 薄暗メロウ度・・8 総合・・8
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mindflower「Little Enchanted Void」

イタリアのシンフォニックロックバンド、マインドフラワーの2008年作
妖精世界の創造から終末までをテーマにしたコンセプト作ということだが、
細かく分けされた25のパートで、まるでクラシックの組曲を聴くような味わいだ。
つややかなピアノの音色に導かれて、優雅なストリングスの響きが加わり、
クラシカルで繊細なシンフォニックサウンドを描き出す。ときおり入る男性ヴォーカルは
静かに物語を語るようで、派手な盛り上がりはさほどないが、じっくりと楽しめる逸品です。
クラシカル度・・9 プログレ度・・7 イタリア度・・7 総合・・8
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Moongarden「A Vulgar Display of Prog」

イタリアのシンフォニックロックバンド、ムーンガーデンの6th。2009年作
前作「Songs From the Lighthouse」はなかなかの力作だったが、
本作も適度にモダンな質感のシンフォニックサウンドを聴かせてくれる。
ときにデジタリイなシンセアレンジと、いくぶんのヘヴィさをともなった作風は、
新世代のハードシンフォニックという雰囲気で、若いプログレファンにも楽しめるだろう。
ラストの17分の大曲も含めて、随所にドラマティックな盛り上がりもある力作。
シンフォニック度・・8 重厚度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
Hasse Frberg & Musical Compation「Future Past」

The Flower Kingsのハッセ・フレベリのプロジェクト作。20011年作
TFKにおいても、ロイネ・ストルトと並んでフロントマンであるから、
本作のサウンドも当然、随所にフラキン風味を感じさせるもので、
メロディックなギタープレイとキャッチーな歌メロを中心にしつつ、
そこに古き良きハードポップ/ロック要素も付加したという作風になっている。
シンフォニックなシンセアレンジやしっとりと叙情的なパートも含み、
10分台の大曲も4曲と、普通にフラキンクラスの力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン風味度・・8 総合・・8
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Anima Morte「Face the Sea of Darkness」

スウェーデンのシンフォニックロック、アニマ・モルテの2007年作
北欧らしい薄暗い叙情とミステリアスな雰囲気で聴かせるシンフォニックロック。
たおやかなフルートの音色に、美しいシンセとメロウなギターがかぶさり
かつてのANGLAGARDに通じるような質感と、レトロなヴィンデージ風味も感じられる。
キーボードたっぷりで、MORTE MACABLEをより美しくしたという言い方もできるか。
オールインストなので濃密さの点ではやや物足りないが、メロディの豊穣さで飽きさせない。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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SUNCHILD 「THE WRAP」
ウクライナのプログレバンド、サンチャイルドの2010年作
Karfagenのシンセ奏者を中心としたバンドで、シンフォニックな美麗さと
東欧らしいクールな構築センスが同居したサウンドで、なかなか質は高い。
MARILLIONなどを思わせるメロウな叙情性と適度な硬質さが溶け合って
やわらかな聴き心地の中にも適度な緊張感を作り出している。
38分の大曲を含むドラマティックなモダンシンフォニックの力作である。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 モダンシンフォ度・・8 総合・・7.5
SUNCHILD「As Far As the Eye Can See」

ウクライナのプログレバンド、サンチャイルドの2011年作
本作から女性ヴォーカルが加わり、サウンドはよりきらびやかになっている。
のっけから15分の大曲で、男女ヴォーカルの歌声と美しいシンセワークで
やわらかな叙情性が広がってゆく。アレンジ面ではこれまで以上のダイナミズムとともに
メロディックな爽やかさと、いかにもプログレ的な濃厚なインスト部分のバランスもよく、
一方では女性の歌声を活かしたKATE BUSHあたりに通じるキュートなお洒落さや、
フルートやストリングスなど、アコースティカルなやわらかみもあり飽きさせない。これは傑作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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SOUL ENEMA「Thin Ice Crawling」

イスラエルのハードシンフォニックロック、ソウル・エネマの2010年作
イスラエルという国にも、あなどれないようないいバンドはいるのであった。
このバンドもシンセを含む5人組で、じつにドラマティックなシンフォプログレをやっている。
魅力的な女性ヴォーカルの歌声と、美麗なシンセアレンジで構築されるそのサウンドは
随所にテクニカルなProgMetal風味と、プログレ的で優雅なエッセンスを含んでとてもセンスが良く、
楽曲は7〜9分台と長めながら飽きさせない。ときに中近東的な民俗調のメロディも取り込んだりと
アレンジ面での引き出しの多さも見事。美しいシンフォニック性と地域性を両立させたような傑作。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・8 構築度・・8 総合・・8
12/22
高品質なシンフォ系新作多数(208)
HAKEN「VISIONS」

イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2011年作
デビュー作にして新時代のハードシンフォニックの傑作と話題となったこのバンド、
本作も適度にヘヴィなギターワークと、メロディックな叙情性で構築される、
絶品のサウンドが楽しめる。プログレメタル的でもあるインストパートでの展開美は
テクニカルな要素とともに、いかにもプログレ的なシンセアレンジが融合され、
クールでありつつも古き良さもあるという感触が面白い。センスの良さという点では
The TANGENTにもすでに匹敵するだろう。ラストは22分の大曲も圧巻だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス度・・9 総合・・8
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AGENTS OF MERCY「Black Forest」

スウェーデンのシンフォニックロックユニット、エージェンツ・オブ・マーシーの2011年作
ロイネ・ストルト、ナッド・シルヴァン、ラレ・ラーションらによるGENESIS懐古風サウンドというべき
このバンドもすでに3作目となる。本作はこれまで以上にミスティックな雰囲気とシアトリカルな作風になっていて、
メロトロンを含んだ表情豊かなシンセワークと叙情たっぷりのギター、P.ガブリエルばりのヴォーカルで、
物語的なコンセプトを感じさせるほの暗いミステリアスさとともにゆったりと楽曲を盛り上げてゆく。
まさに、The Flower KingsとGENESISを合わせたような、ドラマティックなシンフォニックの傑作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ミスティック度・・8 総合・・8
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FreddeGredde 「Thirteen Eight」

スウェーデンのマルチプレイヤー、フレドリック・ラーソンによる個人プロジェクト作。2011年作
ギター、ベース、シンセにヴォーカルをすべて一人でこなす、期待の若手ミュージシャン、
美麗なシンフォニック性とキャッチーなメロディアスさで構築されるサウンドは、
聴き心地の良さと軽快な展開力を両立させていて、デビュー作にしては相当質が高い。
甘い歌メロとコーラスはMOON SAFARIあたりにも通じるような人懐こさがあり、アコーディオンなど
アコースティック要素も含め、北欧らしい叙情も素晴らしい。アレンジは凝っているのだが難解さは皆無。
精細さとダイナミック、性と動のメリハリという点では、プログレ化したQUEENともいうべきか。
あるいはACTなどのプログレハード好きにも楽しめるかと。今後に大期待のアーティストです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 プログレ度・・8 総合・・8
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GLASS HAMMER「Cor Cordium」

アメリカのシンフォニックロック、グラス・ハマーの2011年作
1993年のデビューから濃密なシンフォニックロックを作り続けてきたこのバンド、
12作目となる本作は、EL&Pばりのオルガンが鳴り渡る古き良きプログレ感触に
前作から引き継いだYes風味がキャッチーに重なる作風で、のっけから思わずにやり。
やわらかな聴き心地で大人の叙情を表現するのは、このバンドならではのこだわりだろう、
オールドリスナーが好むプログレ感覚を、現代シンフォの構築力で再現するセンスは
相変わらず見事と言う他はない。全6曲中、10分以上が4曲と、いつも同様に余裕の力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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Le Orme「LA VIA DELLA SETA」

イタリアのプログレバンド、レ・オルメの2011年作
おそらく2004年の「L' Infinito」以来、7年ぶりとなるスタジオアルバムで、
シルクロード〜東方への旅をコンセプトにした、シンフォニックな傑作になっている。
2〜4分の小曲を連ねてゆく前々作からの作風で、メロウなギターワークに
クラシカルなピアノなどを含めて美しいシンセによるインストを中心に、
イタリア語による歌曲もまじえながら、ゆるやかにシルクロードのロマンを描き出してゆく。
ベテランらしい落ち着いた味わいが耳に優しい。繊細系のシンフォニックロック好作。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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KNIGHT AREA「Nine Paths」

オランダのシンフォニックバンド、ナイト・エリアの2011年作
ヨーロッパの中でも、シンフォニック大国のひとつであるオランダの中でも
安定したクオリティのアルバム作りで、すでに中堅というべき存在のこのバンド。
4作目となる本作も、きらびやかなシンセワークとメロディックなギタートーンで、
じつに正統派のシンフォニックロックを聴かせてくれる。マイルドなヴォーカルの歌声と
ゆるやかな叙情パートから、ドラマティックに盛り上げてゆく。この安定感いうのは、
一時期のPENDRAGONを思わせる。意外性は少ないが安心して楽しめる高品質作だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 安心度・・9 総合・・8
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NEAL MORSE「Testimony Two-Live in Los Angeles」

アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズのライブCD+DVD5枚組。2011年作
TRANSATLANTICの方でも大活躍のニールであるが、ソロの方でも大ボリュームのボックスが登場。
CDのDisc1、2は、過去のソロ作からの楽曲をたっぷりと演奏。ドラムには盟友マイク・ポートノイを迎え、
安定感抜群のテクニックと、変幻自在のニールのシンセによる、爽快なシンフォニックサウントが炸裂。
キャッチーなメロディとコーラスハーモニーでドラマティックに展開する、どこを切ってもニール節という
楽しげな演奏に聴いていて笑みが浮かぶ。Disc3では80分に及ぶ「Testimony 2」を完全再現、
正直、新鮮な感動はもうあまりないのだが、やっぱりお腹いっぱい、安心のニールモー祭りである。
2枚のDVDには同ライブの映像に、SPOCK'S BEARDとのコラボ、ツアードキュメンタリーも収録。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 ニールモー祭り度・・10 総合・・8
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IT BITES「It's Live」

イギリスのプログレハードバンド、イット・バイツのライブアルバム。2010年作
2008年に復活アルバム「The Tall Ships」を発表し、2009年に来日を果たした。そのステージをCD2枚に収録。
キャッチーなメロディをテクニックアルアンサンブルで聴かせるイット・バイツサウンドは再結成後でも不変。
きらびやかなシンセに軽快なリズムとギターワーク、楽しそうなメンバーたちの顔が目に浮かぶようだ。
ジョン・ミッチェルのヴォーカルは大人の味わいがあって、フランシス・ダナリーとはまた違った魅力がある。
“Kiss Like Judas”、“All in Red”、“Yellow Christian”といった往年の楽曲が甦る様はファンには感涙だろうし
新曲の雰囲気も違和感なくセットリストに溶け込んでいる。20年のときをまたいだ来日公演の記録である。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 イット・バイツ度・・9 総合・・8
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NICK MAGNUS「Children of Another God」

Steve Hackettバンドに参加するKey奏者、ニック・マグナスのソロ2010年作
ソロ名義としては4作目で、上記スティー・ハケット、ジョン・ハケット兄弟も参加している。
プログレ好きならにんまりとなる、美しいシンセワークと、やわらかなヴォーカルを中心に
メロディアスに聴かせるサウンドは、随所にさわやかなキャッチーさも盛り込んで耳心地がよい。
一方では、ハケットばりのしっとりとした叙情性や女性ヴォーカル入りのナンバーなど、
シンフォニックな繊細さも素晴らしい。派手さはないがじっくり聴きたい傑作です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・9 総合・・8
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「Live At High Voltage 2011」
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
最近やたらとライブ作品を乱発しているこのバンドだが、本作もヘザー脱退後のステージを収録。
CD2枚組なのだが、Disc2はPCで見られるバックステージを収録というファン向けのアイテム。
正直、演奏の方はどうということもなく、音質も最高とは言い難い、いわばオフィシャルブートレベル。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7
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12/15
トランスアトランティックの5枚組(198)
TRANSATLANTIC「More Never Is Enough」

シンフォニックロックのスーパーバンド、トランスアトランティックのライブアルバム。2011年作
3枚のCDにはイギリス、マンチェスターの公演、2枚のDVDにはオランダ、ティルブルグでの公演を収録した5枚組のボックス。
前回のライブ音源「Whirld Tour 2010」も良かったが、こと演奏面での大人の味という点では本作が勝るかもしれない。
CDのDisc1には80分全1曲の大作「THE WHIRLWIND」の完全再現を収録。山あり谷ありの大曲が、職人たちの演奏によって、
なめらかに構築されてゆくのはまさに圧巻である。Disc2には31分の“All of the
Above”など3曲71分を収録。
Disc3は33分におよぶドラマティックな名曲“Stranger in Your Soul”で幕を閉じる。CDだけでもおなかいっぱいであるが、
DVDの方もまた必見。CDとは収録地が異なるのも嬉しいが、映像で見ればこのスーパーバンドのスーパーたる所以が分かる。
まず全員がコーラスをとるのもこのバンドの特徴だが、メインパートを歌うニール・モーズ、ロイネ・ストルトのツーフロントを筆頭に、
DREAM THEATERを脱退したマイク・ポートノイのドラムは、むしろDTでのプレイ以上に楽しげで、ときおり観客を煽る様子も楽しい。
ロイネ・ストルトのギターは、ベテランの味をかもしだす渋さと、もはや仙人というような域で、一音ずつ味わいのあるトーンを奏で、
アコースティックギターに、シンセ、マラカスなどもこなす、ノリノリのダニエル・ギルデンロウの姿も、バンドのひとつの華だろう。
各プレイヤーの手元を映すカメラワークもいいし、臨場感あふれる音質も素晴らしい。確かに時間は長いが至福のBOXセットである。
ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・9 お腹いっぱい度・・10 総合・・8.5
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RING OF MYTH

アメリカのプログレバンド、リング・オブ・ミスの2011年作
前作から6年ぶりとなる3作目である。1stはYESを硬質にしたような作風であったが、
今作ではぐっと肩の力の抜けたような、いわばECHOLYNに通じる感じのウィットに富んだ
大人のプログレをやっている。キャッチーなやわらかみと、ときにブルージーなロック感、
そして少しヒネくれた知的さとともに、ゆるやかに構築されるサウンドは、耳心地の良さと
サイケ風味の浮遊感も含んでいてなかなか楽しめる。通好みの好作品である。
メロディアス度・・7 大人のプログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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「Still Beautiful: Live 2011」

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
長年フロントを務めたヘザー嬢が脱退、代わりにジャケのオリヴィア嬢がメインヴォーカルとなっての
初のライブアルバム。サウンドの方にはとくに大きな変化はないが、曲によっては以前よりもノリのよい
ロック色が増したかなという印象も。もちろんしっとりとしたシンフォニック路線やフルート入りの叙情性も健在、
メロウなギタートーンも含めて円熟した演奏で、新旧まじえた楽曲をCD2枚たっぷり聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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THE REASONING「Live in the USA :Bottle of Gettysburg」
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングのライブアルバム。2011年作
元KARNATAKAのレイチェルを擁するバンドの2011年のアメリカでのライブを収録。
シンセを含んだシンフォニックなメロウさに、ハードロック的な質感もある楽曲と、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドは、アルバムでの印象同様、
決して悪くはないのだが、メロディや盛り上がりに物足りなさを覚える。
音質の迫力のなさとともにローカルな雰囲気が出てしまっているのが残念。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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「City Sleeps」

イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2011作
ライブアルバムをはさんでの3作目で、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンドは前作の延長上ながらよりダイナミックになっている。
この手のバンドにしては重厚さの効いたドラムとエッジのあるギターサウンドに、
美麗なシンセワークも含めて、PALLASあたりを思わせるドラマティックな雰囲気だ。
10分超の大曲も2曲あり、メリハリのある展開と、女性Voの美しさに惚れ惚れする。
ここぞというところで聴かせるメロディと盛り上げ方も上手くなった。なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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「A JOURNEY INTO THE SUN WITHIN」

ポーランドの女性Voロックバンド、トラヴェラーズの2011年作
COLLAGE〜SATELLITEのWOJTEK SZADKOWSKIを中心に結成したバンドで、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるゆるやかなシンフォニックロックサウンド。
10分以上が2曲に8分が2曲という大作志向で、モダンなシンセアレンジと
アンニュイな翳りがミックスされて、独特の浮遊感をまとわせた作風になっている。
しっとりとした女性声が耳に優しく、初期のQUIDAMなどを思わせる部分もあり、
随所にプログレ的な感触を匂わせながら、さらりとクールなお洒落さを感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Unthanks「Here's the Tender Coming」

イギリスのトラッド/フォークユニット、アンサンクスの2009年作
レイチェル・アンサンクとベッキー・アンサンクの姉妹ヴォーカルをフロントに、
伝統的な英国トラッドをしっとりと聴かせるサウンド。しっとりとしたピアノにヴァイオリン
チェロなどのストリングスをバックに、二人のヴォーカルハーモニーが美しい。
随所に入るトランペットなどの管楽器もよいアクセントで、全体的に派手さはないが、
どこかなつかしい感じのする耳心地の良さがあります。ジャケもいいですね。
アコースティカル度・・8 英国トラッ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Unthanks「Last」

イギリスのトラッド/フォークユニット、アンサンクスの2011年作
美しいストリングスにしっとりと響く二人の女性ヴォーカルの歌声、
前作同様の作風ながら、より優雅な格調高さが加わっていて、
英国トラッドを宮廷風に仕上げたというような感触がなんとも絶妙。
ストリングスに重なるトランペットもよろしく、チェンバーロック風味のクラシカルさも味わえる。
KING CRIMSONの“Starless”のカヴァーもハマってます。これは素晴らしい傑作。
アコースティカル度・・8 優雅な英国度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Mary Jane「Eve」
イギリスのフォークロックバンド、マリー・ジェーンの2010年作
女性ヴォーカルにギター、ベース、ドラムというロック編成に、ヴァイオリンなどが加わった
フォーキーな質感と、70年代的な古き良き英国ロックの牧歌性を継承したような雰囲気。
上手すぎない女性ヴォーカルの歌声もむしろローカルな感じでよろしい。
土着的要素が薄めなので、普通にCurved Airのようなプログレとしても聴けたりする。
フォークロック度・・8 英国度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Katharine Blake「Midnight Flower」

Medieval Baebesのシンガーでもあるキャサリン・ブレイクの2009年作
美しいフルートの音色にアコースティックギターの響き、女性ヴォーカルで聴かせる
ゴシック的な雰囲気もある幻想的なサウンド。トラッド調のメロディも出てきたかと思えば、
素朴なハーモニカ入りのカントリー調、ドラムと男性ヴォーカルが入ってユルめのサイケ風味に、
アラビックな曲もあったりと、なんだかとりとめがない。艶っぽい彼女の歌声はいい感じなので、
曲自体はもっとシンプルでも良い気がするのだが。妖しい感じの女性ものアルバムです。
アコースティカル度・・7 トラッ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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WOODLAND 「TWILIGHT」

アメリカのケルティックロックバンド、ウッドランドの2003年作
ゆるやかなハープの音色と、ピアノのつまびき、ストリングスも美しく、
ドラム、パーカッションのリズムに美しい女性ウォーカルが歌を乗せる。
ジャケのようなファンタジックで優雅なケルトロックサウンドで、少々薄口。
サウンドに土臭さがないので、一般のリスナーにも楽しめると思う。
ファンタジック度・・8 ケルティック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
KAYAK「Starlight Dancer」

オランダのプログレバンド、カヤックの1977年作
単体としては初CD化となる。サウンドは初期のプログレ路線からよりキャッチーになり、
QUEENにも通じるようなやわらかなメロディとコーラスハーモニーが聴き心地よい。
タイトル曲や“Irene”での叙情性はヨーロピアンなシンフォニックの感触で、
メロウなギターのフレーズなどはいかにもオランダらしい。曲は2〜4分台とシンプルで、
プログレハード的な明快さは万人向けといえる。現在のKAYAK節が確立した中期の好作だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
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KAYAK「PHANTOM OF THE NIGHT」

オランダのプログレバンド、カヤックの1978年作
単体としては、前作「Starlight Dancer」とともに初CD化となる。
キャッチーなメロディック路線はより洗練されてきており、
やわらかなヴォーカルメロディと、シンセによる美しいアレンジ、
ポップでありながらも泣きもあるというバランス感覚は、まさに現在まで続く
KAYAKサウンドの完成形というべきものだろう。中期の代表作。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・7 総合・・8
11/23
女性Vo、トラッドものなどいろいろ(185)
White Willow「Terminal Twilight」

ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの2011年作
1997年のデビュー当時はフォーク風味の強い作風であったが、その後、アルバムごとにメンバーが変わり、
それとともに音楽性も変化、前作は女性Voを全面に出したアンビエントなシンフォニックの傑作であったが、
今作でもヴォーカルが代わり、さらにドラムには元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加している。
そのサウンドは浮遊感を漂わせたサイケ風味のシンフォニックロックで、メロトロンやオルガンなどの
レトロな雰囲気と、、かつてのANGLAGARDを思わせる、いかにも北欧的な薄暗さに包まれた作風。
しっとりとしたピアノにフルートの音色、女性ヴォーカルの歌声も優しく、アコースティカルな牧歌性もあって、
じつにやわらかな耳心地。アナログ感のある音作りはWobblerなどにも近いか。幻想的な北欧プログレの傑作です。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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SIENA ROOT「Far from the Sun」

スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの3rd。2008年作
70年代英国を思わせるアナログ感たっぷりのブルージーなロックサウンドに、
サイケ的な浮遊感をまじえた牧歌性をまじえて聴かせる懐古主義的作風だ。
ときおりオルガンなども使用しているがプログレ色は薄く、基本は70'sハードロックの感触。
そこにフルートなどが加わると妖しげなヘヴィサイケ風味になり、なかなかいい感じだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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SIENA ROOT「Different Realities」

スウェーデンのサイケロックバンド、シエナ・ルートの4th。2009年作
今作は25分の組曲が2曲という構成で、前作に比べてずいぶんプログレ風味が強まった。
70年代風味のアナログ感覚はそのままに、静かな叙情性とスケール感が増して
楽曲にはメリハリのあるダイナミズムがついてきた。そしてヴォーカルが女性となったことで、
メロウなやわらかみが北欧的な薄暗さとともに耳に心地よく響いてくる。
BEARDFISHあたりと比べると、よりサイケ気味の妖しい雰囲気が魅力である。
アルバム後半になると、パーカッションのリズムにフルートやシタールなどが乗る、
アコースティカルなトラッド&中近東サイケ風味も聴かせる。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Maze of Time「Tales from the Maze」

スウェーデンのシンフォニックロック、メイズ・オブ・タイムの2006年作
メロディックなギターとシンセワークで聴かせる、GENESIS系のシンフォニックサウンド。
やわらかみのあるキャッチーな感触は、MOON SAFARIあたりにも通じるが、
こちらももっとやぼったく、洗練されきれないマイナーさが少々じれったいかもしれない。
曲は8〜9分台と長めで、全体的にスリリングさは希薄ながら安心して楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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ITHACA「Game for All Who Know」

イギリスのアシッド・フォーク系バンド、イサカの1973年作
女性Voを含む3人編成で、本作が唯一の作品。美しいピアノに導かれて、
アコースティックギターにマンドリンでゆったりと聴かせるサウンド。
そこに男女ヴォーカルが夢見ごちな歌声を乗せてゆく。
たおやかなフルートの音色に女性ヴォーカル、不思議な浮遊感と
いかにも英国らしい優しい叙情性に包まれた牧歌的な耳心地の良さ。
CD化にあたって3曲が追加収録されている。
アコースティカル度・・8 牧歌的度・・9 英国度・・8 総合・・7.5
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「Spindle」
Fairport Conventionのオリジナルシンガーである、ジュディ・ダイブルの2006年作
Fairport Convention脱退後はTrader Horneに参加、その後30余年をへてソロで復活、
本作は復活2作目でKING CRIMSONのロバート・フリップなども参加している。
シーケンサーなども使ったデジタリイでモダンなアレンジに、浮遊感のある女性ヴォーカル、
艶やかなストリングスなどを含めて、たんなるフォークではない厚みのあるサウンドである。
随所に70年代風味の英国ロック/フォーク色も感じさせ、プログレリスナーにも楽しめると思う。
英国度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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「Talking with Strangers」

ジュディ・ダイブルの2009年作
本作はNO-MANのTim Bownessとコンビを組み、ロバート・フリップ、パット・マステロト、イアン・マクドナルドの
KING CRIMSON組に、FAIRPORT CONVENTIONのサイモン・ニコル、PENTANGLEのジャッキー・マクシー、
ALL ABOUT EVEのジュリアンヌ・リーガン、TREESのセリア・ハンフィリスらをゲストに迎え、
より70年代英国の世界に回帰したような、幻想的なアシッド・フォークを聴かせる。
ゆるやかに響くフルートの調べに、しっとりとしたシンセ、ときにメロトロンなども使いながら
KING CRIMSONの叙情部を思わせる美しさと、儚く夢見ごちの歌声でやわらかなサウンドを描いてゆく。
ラストにいたっては19分の大曲で、サックスも含んで変拍子アレンジのクリムゾン的なプログレ曲が炸裂。
英国度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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The Curator「Sometime Soon」

NO-MANやJudy Dybleなどに参加したAlistair Murphyによるソロプロジェクト、キュレイターの2010年作
艶やかなヴァイオリンにしっとりとしたピアノ、妖しげな女性コーラスが合わさって、
彼自身のマイルドな歌声とともに、ゆるやかな味わいのサウンドを描き出す。
キャッチーなメロディアスさに哀愁を含ませながら、美しいシンセ、オルガンが鳴り響く
いかにも英国らしい叙情美にうっとりとなる。ロック色の薄いアンビエントな雰囲気ながら、
女性VoにJudy Dybleをはじめ、元ALL ABOUT EVE〜THE MICEのJulianne Reganらが参加していて、
モノトーンになりそうなサウンドを優しく彩っている。ドラムにはKING CRIMSONのPat
Mastelotto、
ヴァイオリンで元NO-MANのSteve Binghamが参加、チェンバー風味の曲などもあり最後まで楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり叙情度・・9 総合・・8
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Blackmore's Night「Autumn Sky」

リッチー・ブラックモア率いる、ブラックモアズ・ナイトの2010年作
1997年から始まったリッチー御大の中世音楽の旅もこれが7作目(クリスマスアルバム除く)、
リッチーはすでに65歳を超え、2008年に結婚した妻のキャンディスも40歳になる。
サウンドは初期の中世音楽色をしっかりと残しつつ、エレキギターとシンセを加えた美麗なアレンジで、
曲によってはモダンな感触がずいぶん増して来ているという印象。キャンディス夫人の歌声には
しっとりとした大人の女性の魅力が加わって、アコースティカルな曲での表現力はとくに見事だ。
中世の香りを現代的なビート感覚に同居させる作風は円熟の域にきているといっていい。
アコースティカル度・・7 ロック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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December's End「Thirst for Rain」

イギリスの女性Voフォークロックバンド、ディセンバーズ・エンドの2010年作
やわらかなアコースティックギターにヴァイオリンの音色、バウロンのリズムをバックに
女性ヴォーカルがしっとりと歌い上げる。かつてのAll About Eveのような翳りある叙情性と
アコースティカルな素朴さ、どこかもの悲しい雰囲気と切なさをかもしだす歌声が素敵です。
声質といい歌い方といい、このヴォーカルさんは本当にジュリアンヌ・リーガンのようですわ。
アコースティカル度・・8 切ない叙情度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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THE EDEN HOUSE「Smoke and Mirrors」

イギリスの女性声ロックユニット、エデン・ハウスの2009年作
NFDというゴシック系バンドのメンバーを中心に、All About Eveのジュリアンヌ・リーガンも参加、
シーケンサーを使ったモダンなアレンジと、シンフォニックな美しさに、けだるげな女性ヴォーカルが歌を乗せる。
もの悲しい雰囲気はAAE的でもあり、ゴシック的な倦怠感と翳り、そして浮遊感がサウンドを包んでいる。
曲によっては少々長尺感もあるが、All About Eveの2作目などが好きな方ならとても楽しめるだろう。
シンフォニック度・・8 倦怠と翳り度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Florence & the Machine「Lungs-Lep Version」

イギリスの女性Voユニット、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの2009年作
キャッチーでモダンなポップ感と古き良き英国ロックの要素が融合したような作風で、
フローレンス嬢の表現豊かな歌声が、ときにしっとりとときに情感的に響きわたる。
ぱっと聴きには適度にメジャー感のあるポップロックなのだが、エキセントリックな楽曲アレンジは
どことなくプログレ者にもアピールするという、いわばかつてのKATE BUSHにも通じる感触も。
アーティスティックなダイナミズムと奔放な自然体が同居する、センスにあふれた作品だ。
メロディアス度・・8 ポップ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Fursaxa 「Mycorrhizae Realm」

アメリカのフォークユニット、フラクサの2010年作
つまびかれるハープの音色、幽玄なチェロの響き、そこに乗る物憂げな女性ヴォーカル、
しっとりと聴かせながらも、どこか妖しさを内包した、夢見心地のフォークサウンド。
まどろむように聴けますが、心地よすぎて本当に寝ちゃいますな。笑
アコースティカル度・・8 幻想度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Shave the Monkey「Dragonfly」

イギリスのトラッドロックバンド、シェーヴ・ザ・モンキーの2nd。1994年作
牧歌的なマンドリンの音色にフルートが絡み、ブズーキやパイプも加わった
なかなか本格派のトラッドサウンド。ドラムが加わるといくぶんロック色もあり、
女性ヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせる曲もあって飽きさせない。
やわらかなアコーディオンにフルートが重なる優しい聴き心地と
うっすらとシンセを含んだ現代的なアレンジのバランスも絶妙だ。
アコースティカル度・・8 プログレ度・・8 モダントラッ度・・8 総合・・8
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Valravn「Koder P Snor」

デンマークのラジカルトラッドバンド、ヴァルラウンの2009年作
バンド名はデンマーク神話に出てくるワタリガラスを意味するらしい。
フェロー諸島出身という女性ヴォーカル、アンナの透明感のある美しい歌声とパーカッションのリズム
ハーディガーディ、ニッケルハルパ、マンドラといった古楽器を使った本格派のトラッド質感に、
モダンなアレンジを加えたサウンドは、GARMARNAやGjallarhornなどにも通じる雰囲気だ。
シンセやプログラミングによる空間的な音作りは、いかにも新時代のトラッドバンドといった感じで
リズム面での現代的なビート感覚を含めて、土着的すぎない、いわばコンテンポラリーなアレンジセンスは、
あまりトラッドが得意ではない若いリスナーにも楽しめる普遍性がある。
アコースティカル度・・7 モダントラッド・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Lisa O Piu「When This Was the Future」

スウェーデンのアシッドフォークユニット、リサ・オ・ピウの2009年作
女性ヴォーカル、リサの表現力ある歌声と、アコースティックギターやフルートなどで聴かせる
しっとりとしたフォークサウンドで、どこか神秘的な薄暗さと古楽的な雰囲気も感じさせる。
曲によってはヴァイオリンやフィドル、ハープ、それに1曲メロトロンなども使用していて
ほのかにプログレッシブな味わいもあるのがいい。うっとりする聴き心地の絶品の傑作。
アコースティカル度・・8 しっとり叙情度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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TARUJEN SAARI「Levoton hauta」

フィンランドのトラッドバンド、タルエン・サーリの2002年作
艶やかなフィドルの音色をバックに、女性ヴォーカルの母国語の歌声がエキセントリックに響く、
ハネるリズムはVARTTINAあたりを思わせ、ラジカルトラッド的なプログレッシブさも感じる。
マンドリンやシタール、キタラやブズーキなどの古楽器の素朴な音色と北欧の土着性が合わさって
本格派のトラッドを形成しながら、それに現代的なダイナミズムを加えた力作だ。
アコースティカル度・・8 ラジカルトラッ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
Sinikka Langeland「Runoja」

ノルウェーのシンガー/カンテレ奏者、シニカ・ランゲランドの2002年作
素朴で美しいカンテレの響きに母国語による歌声で、シンプルな音数で聴かせる
北欧の薄暗さを含んだ神秘的なトラッドサウンド。ウッドベースとドラムによるリズムも加わって、
静謐な躍動感というべき土着的でフリーキーな演奏に、ときにアヴァンギャルドな妖しさや
トランペットも入ってのチェンバー的な味わいも入り交じる。彼女のシンガーとしての表現力も見事だ。
アコースティカル度・・9 静謐度・・8 神秘的度・・9 総合・・8
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CONTRARIAN「Minor Complexities」
アメリカのプログレバンド、コントラリアンの2007年作
ヴァイオリン鳴り響くメロディアスなシンフォニックロックで、KANSASを思わせる
キャッチーな歌メロと美麗なシンセ、いくぶんハードエッジなギターとともに、
ドラマティックなサウンドを聴かせてくれる。いかにもアメリカンプログレハード的な
軽快なロック感触もあり、そこにオルガンやムーグなどのシンセが加わって、
結果としてSPOCK'S BEARDをややマイナーにしたような雰囲気にもなっている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 アメリカン度・・8 総合・・7.5
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SERU GIRAN「La Grasa De Las Capitales}

アルゼンチンのロックバンド、セル・ヒランの2nd。1979年作
LA MAQUINA DE HACER PAJAROSのチャーリー・ガルシアが率いるバンドで、
本作は一聴してキャッチーかつポップな感触のメロディックロック。
爽やかなコーラスにラテンポップ的な哀愁も含んだメロディは耳心地がよく、
軽やかなアンサンブルの中にはプログレ、ジャズロック的な質感も垣間見える。
とくに優雅なピアノや美しいシンセワークなどはさすがというもので、
バンドとしての高度なアンサンブルが素晴らしい。南米らしいやわらかなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 優雅で軽やか度・・9 総合・・8
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10/22
旧作ばかりですが一応更新(165)
KING CRIMSON「Lizard: 40th Anniversary Series」

キング・クリムゾンの1970年作/40周年記念エディション
正直、このアルバムはクリムゾンの作品群の中でもどうも煮え切らないイメージだったのだが、
スティーブ・ウィルソンの手によるニューミックスとDVDの5.1chミックスが良いらしいので聴いてみる。
CDの方は、各楽器の音の分離が鮮明になり、ぼやけていた輪郭がはっきりした分、
ずいぶんとダイナミックなサウンドになった。静寂の中の美しいメロトロンや、ピアノの音色に
メル・コリンズのサックスが重なってゆくと、音の厚みもたっぷりで、とても重厚に聴こえる。
シンバル類を含めてドラムの音にも臨場感が増した。ジャズロック色の強い曲はさほど好みではないが
23分を超えるタイトル組曲は、管楽器類を取り込んだゆったりとした叙情美に聴き惚れる。
プログレ度・8 音質向上度・・9 DVD5.1は必聴・・9 総合・・8.5
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MAINHORSE

ブリティッシュロックバンド、メインホースの1971年作
のちにRefugee、Yesへ加入するパトリック・モラーツが在籍したバンドで、本作が唯一の作品。
サウンドはELPばりにオルガンを鳴り響かせつつ、ブルージーなギターとバトルするような
勢いのあるハードロックであるが、やはりモラーツのクラシカルな鍵盤さばきがアクセントになっている。
10分を超える大曲も2曲あり、プログレ的にも楽しめる。やわらかなオルガンの響きが素敵な逸品です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 英国度・・9 総合・・8
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RICK WAKEMAN 「Retro」

YESの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンの2006年作
タイトル通り、ハモンドやムーグ、クラヴィネット、メロトロンなど、ヴィンデージな機材を使いまくった、
レトロなプログレアルバムで、まるで70年代に戻ったかのような作風に思わずにやにやします。
かつての名作「アーサー王」あたりで聴いたようなフレーズなども顔を覗かせ、
ヴォーカルにかつての盟友、アシュレー・ホルトが参加している点も大きいですね。
懐古主義と言われればそれまでですが、この古き良きサウンドはやっぱ心地いいんです。
クラシカル度・・8 古き良き度・・9 キーボー度・・9 総合・・8
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Klaus Schulze「BODY LOVE VOL.2」

ジャーマンシンセミュージックの巨匠、クラウス・シュルツェの8th。1977年作
映画のサントラとして作られた「ボディ・ラブ」の続編であるが、こちらはサントラではなく、
ジャケはエロティックながら、28分、14分、13分という大曲揃いのいつものシュルツェの作風。
シンフォニックといってもよい美しいシンセの重ねと、ドラムも入ったサウンドは、
初期の作品よりもむしろメロディの輪郭がはっきりしている分とっつき安いだろう。
シーケンサーのリズムが入るとテクノ的な質感も加わるが、幻想的な世界観もいくぶん残している。
同時期に出された「Mirage」の方が評価が高いようだが、本作も決して劣らない出来である。
シンフォニック度・・8 ロック度・・5 幻想度・・7 総合・・8
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POPOL VUH「Agape-Agape/Love-Love」

ジャーマンプログレバンド、ポポル・ヴーの1983年作
80年代に入って映像とのコラボ作品の方に力を入れていったフリッケだが、
本作ではレナーテ・クナウプ、ダニエル・フィッヒェルシャーら、かつてのメンバーが集まり
厳かさと静謐感のある宗教的な作風に戻っている。アコースティックギターのつまびきと
パーカッションのリズム、そして太古の儀式を思わせるような男女コーラスが響きわたる。
音質がややこもり気味な分、むしろ内省的で神秘的な雰囲気が味わえる。
崇高度・・8 神秘度・・9 ロック度・・2 総合・・8
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Carol Tatum「Music for Harp」

アメリカのハープ奏者、キャロル・タタムのアルバム。2001年作
女性三人によるユニット、Angels of Veniceのメンバーでもある彼女だが
本作はケルティックハープをメインに聴かせるしっとりとしたインストアルバム。
うっすらとしたシンセをバックに優しいハープのつまびきが響きわたる、
幻想的なサウンド。個人的にはここに女性Voでも加わったら最高なのだが。
美麗度・・7 ハープ度・・9 繊細度・・9 総合・・7.5
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Faun 「Zauberspruche」

ドイツのゴシック古楽トラッドバンド、ファウンの1st。2001年作
フルートやフィドルなどアコースティカルな素朴な音色と中世を思わせる薄暗い世界観、
男女ヴォーカルのドイツ語の歌声で聴かせる、神秘的なトラッドサウンド。
パーカッションの響きに牧歌的なバグパイプのメロディが絡まり、
妖しい土着性を感じさせる幻想的な雰囲気作りが見事にハマっている。
アコースティカル度・・9 中世度・・9 ゲルマン度・・8 総合・・8
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MELNITSA 「Doroga Sna」

ロシアのフォークバンド、メルニツサの2003年作
アコースティックギターのつまびきに繊細なフルートの音色、女性ヴォーカルで聴かせる、
幻想的なフォークサウンド。ケルティックなバウロンのリズムに、ヴァイオリンとフルートが重なり
異国的な母国語の歌声が響きわたると、ペイガンちっくな世界観にうっとりと浸れる。
アコースティカル度・・9 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
The Moon and The Nightspirit「Of Dreams Forgotten and fables untold」

ハンガリーのゴシック・フォークバンド、ザ・ムーン・アンド・ナイトスピリットの2005年作
アコースティックギターにヴァイオリンやフルートの音色をバックに、美しい女性ヴォーカルの歌声で
幻想的に聴かせるしっとりとしたフォークサウンド。薄暗い叙情が神秘的な雰囲気をかもしだし
どこかファンタジックな物語性を感じさせる。うっとりとするような女性声で耽美にまどろめます。
フォーキー度・・8 薄暗度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8
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RHAGAIR「Prologo」
アルゼンチンのトラッドバンド、ラーガーの2000年作
たおやかなフルートにハープのつまびき、ヴァイオリンによる繊細なサウンド。
“Dany Boy”や“Scarborough Fair”といった定番曲や、Lorrena McKenittのカヴァーなども、
しっとりとした女性ヴォーカルの歌声とともに聴かせてくれる。
アコースティカル度・・9 繊細度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Sarana VerLin「Bats & Butterflies」
アメリカのフォーク系シンガー、サラ・ヴァーリンの2010年作
ヴォーカル、ギター、シンセにヴァイオリンもこなすシンガーソングライターで、
適度にポップ感覚のあるカントリー調のフォークサウンドをやっている。
彼女の歌声は落ち着いた中音域で、サンディー・デニーなどに近いか。
牧歌的なマンドリンの音色やアコーディオン、フルートなども顔を覗かせ、
のんびりとした70年代英国調のフォークを聴かせる。
アコースティカル度・・8 フォーク度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7
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Spelman 「Pa Nye Vingar」
スウェーデンのトラッドユニット、スペルマンの1996年作
鍵盤奏者Merit Hemmingsonを含む女性4人組で、ヴァイオリン、フルートの優しい音色と
アコースティックギターのつまびきをバックに、母国語による土着的な歌声が響く。
パーカッションのリズムとともにうっすらとしたシンセによる適度にモダンな味付けもよい。
北欧らしい叙情性とやわらかな女性ヴォーカルでしっとりと楽しめる1枚です。
北欧度・・8 トラッ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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TAO「FAR EAST」

日米ハーフのヴォーカリスト、デヴィッド・マンを中心にした日本のロックバンド、タオの1983年作
アニメ「銀河漂流バイファム」のテーマ曲でも知られるこのバンド(後のEUROXの母体)、
本作におけるオリジナル曲の方もシンセをたっぷりと使った、当時にしては斬新なスタイルで、
高い演奏力とともに、やはりどこかプログレッシブな味わいもある。キャッチーなメロディアスさは
ASIAなど80年代のプログレハードに通じるやわらかな感触で楽しめる。そしてやはり特徴的なのは
エレクトリックヴァイオリンで、英語の歌詞も含めてアニメの主題歌にしては異様に格好良かった。
U.K.ばりの本格派の演奏と日本的なメロディアスさが融合した、じつに良いバンドだった。
メロディアス度・・8 プログレハー度・・8 バイファムは名曲度・・10 総合・・8
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10/5
久々のプログレレビュー!(152)
Steve Hackett「Beyond the Shrouded Horizon」

元GENESISのギタリスト、ステーブ・ハケットの2011年作
ライブアルバムに続き、ここのところ活発な活動をしているハケット先生、
その作品にハズレなしという通り、本作も繊細な叙情美に彩られた傑作。
つまびかれるアコースティックギターに、やわらかなヴォーカルとコーラスメロディ
どこか東洋的な色合いを感じさせる旋律とともに、幻想的な世界が広がってゆく。
年月をへても失わない瑞々しい感性が、楽曲の端々にきらめいていて、
ギタリストというよりも作曲家としてのトータルな雰囲気作りが素晴らしい。
もちろんメロウなギターもたっぷりで、女性ヴォーカルやオーケストレーションも含めて
作り込まれたアイデアの多さに感心しながら、泣きの叙情にうっとりとなる。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
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The Tangent「Comnn」

イギリスのプログレバンド、タンジェントの2011年作
PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソン率いるこのバンドも早くもこれで6作目となにる。
本作はのっけから20分の大曲で、美麗なシンセに叙情的なギターが絡む、シンフォニックの王道だ。
随所に古き良きプログレの感触を含みつつ、The Flower Kingsを思わせるような自然体の構築センスと
大人の味わいを感じさせる哀愁とともに心地よく聴かせてくれる。力みすぎないメロディの流れ方、巧妙な展開美は
さすがというべきもので、ゆるやかな繊細さも含みつつ、ダイナミックでありながら決して派手すぎない
知的な感触は絶品だ。軽やかなフルートやヴァイオリン、ピアノも加わった軽妙なジャズロック風味などもあり、
豊かな音楽性をクールに構成するセンスは、現代シンフォニックのトップクラスといっていいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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IONA「Another Realm」

イギリスのケルティック・シンフォニックロックバンド、アイオナの7th。2011年作
前作から5年ぶりとなる今作はCD2枚組の大作となった。しっとりとしたジョアンヌ・ホッグの歌声に
雄大なケルティックの風を感じるようなサウンドは、これまで以上に世界観を強めていて、
うっすらとしたシンセをバックに、繊細なギターのつまびきと、ヴァイオリンやパイプの音色が重なり
シンフォニックなケルトロックを描き出す。民族的なフレーズを違和感なくバンドサウンドに取り入れる
コンテンポラリーなセンスはさすがだし、15分を超える大曲などもゆったりと神秘的に聴かせてくれる。
デイブ・ベインブリッジのギターも流麗なフレーズを奏で、ロック的な躍動感をサウンドに付加している。
ベテランならではの自信と確かなアンサンブルが構築する、壮大なダイナミズムにあふれた力作です。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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NARNIA「Aslan Is Not A Tame Lion」

イギリスのフォークロックバンド、ナルニアの1974年作
近年映画にもなった「ナルニア国物語」をコンセプトにした作品で、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、キャッチーなフォークロックサウンド。
うっすらとメロトロンも響き、ファンタジックな雰囲気も漂わせつつ
オランダのEarth and Fireあたりに通じるやわらかな聴き心地だ。
自主制作盤ということで手に入りにくいが、英国の隠れた逸品として愛聴したい作品。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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RICK WAKEMAN 「1984」

イエスの鍵盤奏者、リック・ウェイクマンのソロ作。1981年作
ジョージ・オーウェルの小説をモチーフにしたコンセプト作で、これは隠れた傑作。
華麗でクラシカルな序曲で幕を開けつつ、ヴォーカルの入ったキャッチーな感触と
80年代的なモダンなポップさが融合されたサウンドは、いま聴いてもじつに質が高い。
ウェイクマンの優雅な鍵盤さばきに、ゲスト参加のチャカ・カーンの伸びやかな歌声がまじり
シンフォニックな叙情性も含んでしっとりと耳心地がよい。次にジョン・アンダースンが歌いだすと
とたんにYESっぽくなるが、あくまでシンセワークが前に出ているのがやはりウェイクマン。
壮麗に盛り上がるラスト曲も素晴らしい。トータルな世界観を構築する力作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 しっとり優雅度・・8 総合・・8
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吉松隆「タルカス クラシックmeetsロック」

「新・音楽の未来遺産」として行われた、東京フィルハーモニー交響楽団による2010年3月のコンサートを収録。
クラシックとロックの融合をテーマに、EL&Pの名作「TARKUS」を吉松隆の編曲により見事にオーケストラ化、
原曲のもつ躍動感をそのまま壮大なオケでダイナミックに仕立てたサウンドはじつに感動的だ。
まさにプログレとクラシックの双方の魅力を引き立たせつつ、優雅さと緊張感をもって融合されている。
現代音楽の古典とされる黛敏郎の「BUGAKU」は静謐な緊張感を漂わせつつ、とくに第二部が圧巻。
ドヴォルザークの「アメリカ」は艶やかなピアノを中心に、美しいアレンジでシンフォニックに楽しめます。
そして吉松隆による「アトムハーツ・クラブ」はプログレを意識して書かれたというオリジナル曲で、
現代クラシック的な構築と随所に感じさせるプログレセンスがさすが。この壮大な本気遊びに拍手。
シンフォニック度・・10 プログレ度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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KARMAKANIC & AGENTS OF MERCY「THE POWER OF TWO」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックとエージェンツ・オブ・マーシーのライブアルバム。
ヨナス・レインゴールド率いるKARMAKANICと、ロイネ・ストルトのAgents of Mercyの合体バンドによる
2009年アメリカLAでのライブを収録。前半がエージェンツ、後半がカーマの曲という構成で、
ドラムにはSPOCK'S BEARDのニック・ディヴァージリオが参加、しっとりと聴かせるGENESISタイプの
Agents of Mercyはまさにシンフォニックの王道という感じで、叙情豊かな聴き心地はライブでも素晴らしい。
一転してKARMAKANICでは、軽妙な躍動感とアンサンブルの妙で、実力者たちの演奏にじっくり聞き入る。
とくに、ラレ・ラーソンの絶品の鍵盤さばきは、クラシカルにしてテクニカルな驚嘆のプレイぶりである。
シンフォニック度・・8 叙情度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・8
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Positive Wave

フィンランドのプログレバンド、ポジティブ・ウェイブの2010年作
ハスキーな女性ヴォーカルの歌声を中心に、70年代的なポップなレトロさで聴かせるサウンド。
ブルージーな味わいのギターとサイケ気味のヨレ加減がとても今のバンドとは思えない感じで、
それが北欧トラッド的な土着風味と合わさって、そのユルめの感触がなかなか面白い。
サックスが加わるとジャズロック的な雰囲気にもなったりと、ややとりとめがないが、そこが魅力か。
プログレ度・・7 ゆる系度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
Forever Twelve 「Taking Forever」

アメリカのシンフォニックロック、フォーエバー・トウェルブの2010年作
女性Voを含む5人編成で、軽快なキャッチーさとテクニカルなアンサンブル、
そこに女性ヴォーカルの歌声を乗せたサウンドは、イギリスのMAGENTAあたりを
複雑にしたという感じで、YEZDA URFAをはじめとする90年代以降のアメリカプログレの
ヒネくれ気味のどこかとぼけたアレンジ感覚というものを有している。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Pekka Pohjola「B the Magpie」

フィンランドの音楽家、ペッカ・ポーヨラの1974年/2010年リマスター
WIGWAMのベーシストとしても知られるペッカの2枚めのソロアルバムで、
「Harakka Bialoipokku/ カササギ鳥の一日」という別題もついている。
クラシカルなピアノの小曲で幕を開け、WIGWAMに通じるジャズロック色と
優雅さを兼ね揃えた軽妙なサウンド。叙情的なサックスの音色が重なりつつ、
アカデミックな知的さと演奏力がありながらもどこかとぼけたような味わいはペッカならでは。
次作「The Mathematician's Air Display」に比べるとジャズ色の強い作品である。
メロディアス度・・8 ジャズロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Den Fule「Lugumleik」

スウェーデンのトラッドロックバンド、デン・フーレの1993年作
フィドルにサックス奏者を含む6人編成で、土着的な北欧メロディを
ロック的な躍動感と融合して聴かせるスタイル。 とくに叙情的なフィドルの音色は
KEBNEKAJSEにも近い雰囲気で、北欧的な音が好きな方ならにんまりだろう。
一方では、エレキギターを含んだ軽妙なジャズロック/フュージョン的感触もある。
メロディアス度・・8 トラッ度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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FROMAGE「Ondine」

日本のシンフォニックロックバンド、フロマージュの1984年作
以前のCD化の際にはモローのジャケが使われていたが、紙ジャケ盤はLPオリジナル盤を採用。
初期には中島一晃、永川敏郎といったメンバーも関わっていたことで知られるバンドで、
ロマンあふれる世界観と詩情豊かな日本語歌詞の本格派の日本産シンフォニックロック。
繊細なフルートの調べにメロウでやわらかなギターのつまびき、そして中性的なヴォーカルの歌声で、
甘やかな夢を描くような音楽性は、硬派なプログレファンにはなかなか恥ずかしいかもしれないが、
17分の大曲「月に吠える」をはじめとして、シンフォニックロックとしての美意識が詰まっている。
当時の関西におけるJAP'sプログレシーン…シェラザードやノヴェラの裏側に隠れたロマン派バンドとして
聴くべき価値のある作品だ。バンドは1988年に2nd「OPHELIA」を残して消えてゆく。まさに儚い夢のように。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 ロマン度・・9 総合・・8
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Pageant「奈落の舞踏会」

日本のプログレバンド、ページェントの1987年作
中嶋一晃の楽曲と永井博子(大木理紗)の絶品の歌声とともに耽美な世界観を描いた1st「螺鈿幻想」は
JAP'sプログレの名作として知られるが、本作はリメイク音源とスタジオライブ音源によって構成された
実質上の2ndといってもよい内容。前半のリメイク曲は、細かなアレンジが変えられてよりスタイリッシュになり、
メロウなギターとともに、小娘と大人の声色を使い分ける永井博子の歌唱も表現豊かにいっそう引き立っている。
後半のスタジオイブでは、新曲のタイトル曲を含め、よりリラックスした演奏でこのバンドの実力が再確認できる。
メロディアス度・・8 幻想ロマン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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美狂乱「風魔 -ライヴ Vol.2」

日本のプログレバンド、びきょうらんのライブ音源。
1982年のデビューアルバム発売直後の東京ACBでのライブを中心に収録。
収録されているのはアルバム未発曲が大半で、本作でしか聴けないというのがいかにもマニア泣かせ。
リーダーである須磨邦雄の即興たっぷりのギタープレイとともに、日本のクリムゾンとも呼ばれる彼らの
緊張感あふれるライブ演奏が楽しめる。ピンポイントマイクによる録音なので音のレンジは狭いが
その分生々しい臨場感が伝わってくる。1983年大阪での伝説のテイクも2曲含み、コアなファンは必聴。
ライブ演奏・・8 クリムゾン度・・8 音質・・6 総合・・7.5
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美狂乱「乱-ライヴ Vol.3」

日本のプログレバンド、びきょうらんのライブ音源。
1983年の大阪バーボンハウスでの伝説のライブテイクを収録。
音質的にもライヴvol.2よりもずいぶん聴きやすく、バンドの演奏の素晴らしさが窺える。
全4曲収録のうち「警告」、「組曲‘乱’」、「二重人格」は各16〜17分という長さであるが、
うっすらとしたメロトロンの音色に日本的な情緒を含んだヴォーカル、そしてクリムゾン的と評される
緊張感あるアンサンブルで構築されるサウンドはじつに見事。どの曲もアルバム以上のダイナミックな演奏で、
ライブバンドとしての彼らの凄さがあらためて確認できる。正規のライブアルバムとしてもよいほどの1枚だ。
ライブ演奏・・9 クリムゾン度・・7 音質・・8 総合・・8
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8/24
マイクの呪文はやはり名作!(137)
MIKE OLDFIELD「Incantations: Deluxe Edition」

マイク・オールドフィールドの1978年の名作「呪文」の2011年デラックスエディション
2CD+DVDの3枚組で、Disc1にはオリジナル音源の通常リマスター音源、
Disc2には楽曲そのものに手を加えられた新規リミックス音源を収録。
繊細な美しさという点ではもともとマイクの作品中でも随一だったのだが、
鮮明なリマスターによりさらにその叙情美が際立った。 美しいフルートがゆるやかに鳴り響き、
ケルティックなメロディをたっぷり取り入れたサウンドは、70年代のマイクの作品路線を
集約したような味わいで、アコースティカルな素朴さや神秘的な女性ヴォーカルの歌声も含み、
4曲の大曲はそれぞれにやわらかな輝きを放っている。Disc2の音源に関しては本編とは別物の
レアトラックスとして楽しむのがいいだろう。より素朴なサウンドで、先の「Ommadawn」のリミックスに比べると
インパクトはやや薄いか。DVDにはDisc2のマテリアルの5.1chと、1979年の「Exposed」のライブを収録。
叙情度・・9 プログレ度・・7 リマスター度・・9 総合・・8.5
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Dave Stewart & Barbara Gaskin「As Far As Dreams Can Go」

デイヴ・スチュワート & バーバラ・ガスキンの1988年作/2010年再発版
アメリカ盤「Up From the Dark」に収録の日本未発表7曲と、86年のシングル「Locomotion」を含む全9曲入り編集アルバム。
リトル・エヴァの“The Locomotion”のカヴァーをはじめ、お洒落なポップセンスを巧みなアレンジで聴かせ、
どこかアンニュイなバーバラの歌声が耳に優しい。他にもテンプテーションズ“I'm
Losing You”、
XTC“Roads Girdle The Globe”、ハニーバス“(Do I Figure)In Your Life”などのカヴァーも収録。
2010年盤ボーナスには“The Locomotion”のシングルミックスと、2010年のリメイク曲を2曲追加収録。
プログレ度・・7 お洒落でアンニュイ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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KARMAKANIC「In a Perfect World」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2011年作
THE FLOWER
KINGSのヨナス・レインゴールドを中心に、前作はよりフラキンに近いイメージの
傑作であったが、本作も美麗なシンセワークでしっとりと始まりつつ、ジャズロック的な軽やかさと
キャッチーなメロディも含んで、大人のシンフォニックロックというべきクオリティの高さで聴かせる。
楽曲のアレンジや盛り上げ方など、フラキンとの差別化が難しいくらいに相通ずるものがあるのだが、
そこも含めての雰囲気が好きな方なら、今作も充分楽しめる作品だろうとは思うし、
やはりジャスロック風味の軽妙さには、余裕とウイットに富んだ演奏が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Gosta Berlings Saga「Glue Works」

スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2011年作
これが3作目ということだが、聴くのは初めて。ANGLAGARDのマティアス・オルソンがプロデュース、
サウンドは、ムーグやメロトロンなどレトロなシンセが鳴る、ANEKDOTENなどを思わせる
いかにも北欧らしいシンフォニックロックにシリアスなチェンバーロック色が加わったもの。
そう派手さはないものの、じわじわと感じられる静かなダイナミズムと知的なアレンジ、
涼やかな叙情に含まれた硬質な意思のようなものが感じられる、これは通好みの作品だ。
アナログ的なギターサウンドとそのメロウなフレーズにもにんまり。オールインストです。
シンフォニック度・・7 ミステリアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Paatos「Breathing」

スウェーデンの女性ヴォーカル・シンフォバンド、パートスの2011年作
前作から5年ぶりとなる4作目で、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と
どこかアンニュイな薄暗さで聴かせる独自のサウンドはこれまで通り。
とことなく、後期のThe Ghateringを思わせるような倦怠感とともに、
メロトロンが鳴るANEKDOTEN風味の北欧プログレ要素がゆるやかに混ぜ合わさり、
さりとて決して濃い口にならないクールさもまたこのバンドの魅力だろう。
シンフォニック度・・7 薄暗叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Anyone's Daughter「Calw Live」

ドイツのシンフォニックロックバンド、エニワンズ・ドウターのライブアルバム。2011年作
1978〜84年までに5枚のアルバムを出し、その後解散、そして2001年に復活をとげアルバム2枚を発表する。
本作は2002年にヘルマン・ヘッセの故郷カルフで行われた、ヘッセ生誕125周年イベントでのライブを収録、
Disc1は2ndの1曲め“Swedish Nights”からスタート、美しいシンセワークにメロウなギター、マイルドな歌声で
かつてのリリカルなサウンドが甦るようだ。同じく2ndからの“Between The Rooms”に続き、
いよいよ名作「Piktors Verwandlungen」の完全再現。ヘッセの詩の朗読をはさみながら、メロディアスかつ
ダイナミックに展開してゆく演奏に聴き惚れます。そういえばあのアルバムもライブ録音だった。
Disc2は2001年の復活作「Danger World」からの楽曲を中心に、いくぶんポップさを増した感触だが、
これはこれでキャッチーなメロディックロックとして充分楽しめる。ラストは何故かイマジンのドイツ語バージョン。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 エニワン度・・9 総合・・8
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NOVALIS「Letztes Konzert 1984」

ドイツのシンフォニックロックバンド、ノヴァリスのライブアルバム。2009年作
1984年、「BOOMERANG」発表期のハンブルグでのライブ音源をCD2枚に収録
70年代までのシンフォニックな作風からはいくぶんポップになっていて、
ドイツ語のヴォーカルとシンセによる美しさが目立っているが
楽曲そのものはわりとストレートなメロディックロックという趣だ。
一方ではフルートが鳴り響く繊細な一面もあって、いかにもヨーロッパのバンドらしい。
音質はややラウドで、上質のブートというレベルだが、臨場感はたっぷりで、
80年代プログレハードのドイツ版として聴けば、それなりに楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 音質・・7 総合・・7.5
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SBB「Blue Trance」

ポーランドのベテランバンド、SBBの2010年作
1974年のデビューから、いったい何作目になるのか見当もつかない。
活動停止などはあったにせよ、ともかく、これだけ継続できるというのが凄い。
本作もトリオ編成による作品で、1曲めから往年のプログレ的なシンセが鳴り響き、
東欧らしいミステリアスなスケール感と、硬質な構築性はかつてのSBBそのままである。
2曲め以降は母国語による歌声とともに、大人の哀愁を漂わせた感触と、枯れた味わいのギターで
じっくり聴かせる作風で、全体的にはプログレというよりはアダルトな東欧ロックとして聴くべき作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 東欧度・・9 総合・・7.5
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MANEIGE「Libre Service」

カナダのシンフォニックロックバンド、マネイジュの4th。1978年作
カナダ、ケベック州を代表するプログレバンド、ジャケも美しかった前作に比べ
今回はややダークなイメージで、前作のクラシカルで優雅な軽やかさに比べると
一聴してややシンプルなバンドアンサンブルへと変化してきている。
全体的にギターの活躍が増えながらも、フルートやピアノなどが絡む部分などは
チェンバーロック風味のシリアスさと軽妙なコミカルさの同居具合が面白く、
いわばそれがこのバンドの個性になっている。派手さはないが完成度の高い作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 軽妙度・・8 総合・・8
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MIA MARTINI 「Il Giorno Dopo」

イタリアの女性ヴォーカル、ミア・マルティーニの1977年作
1971年の 「Oltre La
Collina...」は実に美しい傑作だったが、
本作もイタリア語による彼女の絶品の歌声と、ストリングスによるクラシカルなアレンジで
しっとりと聴かせてくれる。オルガンなども入ったサウンドはプログレリスナーにも楽しめる。
シンフォニック度・・8 イタリア度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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8/4
まずマーズホロウ!(127)
Mars Hollow「World in Front of Me」

アメリカのプログレバンド、マーズ・ホロウの2nd。2011作
前作がなかなかの傑作だったので期待していたが、今作もやはり期待通りの傑作!
GENTLE GIANTルーツのテクニカルな展開美にキャッチーなメロディをまぶし、
レトロなシンセワークとともに、アメリカンプログレの王道ともいうべき抜けの良さと
濃密な質の高さで聴かせるサウンドは、せせこましさのないダイナミズムが素晴らしい。
のっけから12分の大曲というのも自信の現れだろう、ジャズやフュージョン的な優雅さと
爽やかなメロディアスさが合わさって、Frogg Cafeあたりにもつ通じる抜群のセンスを感じさせる。
正直いって、面白さではSPOCK'S BEARDよりも上をゆく。新時代アメリカンプログレの必聴作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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FROM.UZ「Quartus Artifactus」

ウズベキスタンのシンフォニックロックバンド、フロム.ウズの2011年作
過去3枚のアルバムを再録した2CDにライブ映像入りのDVDという3枚組。
FROMUZからFROM.UZへと微妙に名前が変化しているが…まあいい。
前作「Seventh Story」の素晴らしさが印象深いが、本作はアコースティックな要素を強めた
新たなアレンジでバンドの力量を見せつける。優雅な軽やかさの中に、チェンバーロック的な
得体の知れなさを練り込んで、適度な緊張感とともに構築されるサウンドに引き込まれる。
楽曲はほとんどが10分以上であるが、切り返しの多い構成や、牧歌的でもあるメロディのセンス、
クラシックなども取り入れた多様性あるアレンジで、飽きずに聴き通せるだけの魅力と演奏力がある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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ARBATEL「Sumerios」
チリのプログレバンド、アルバテルの2010年作
妖しげな女性スキャットから始まり、土着的なパーカッションとともに、
男女ヴォーカルの呪術的な歌声が響きわたる1曲めはやや異色だが、
2曲めからは美しいシンセとテクニカルなリズムによるシンフォニックサウンドで、
Jaime Rosasあたりを思わせる古き良きプログレ的なシンセワークがなかなか魅力的。
スペイン語による女性ヴォーカルはヘタウマながらオペラティックでなかなか美しく、
シアトリカルな雰囲気がELP風のシンセとミスマッチで、どこかローカルさをかもしだしている。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・8 南米度・・7 総合・・7.5
Greenrose Faire「Beggars & Thieves」
フィンランドのフォークロックバンド、グリーンローズ・フェアーのミニアルバム。2010年作
女性Voにヴァイオリン、マンドラ奏者を含む6人組で、アコースティックなアンサンブルに
シンフォニックなシンセを絡め、そこに女性ヴォーカルの歌唱を乗せたスタイル。
ジャケのイメージのような中世風味と、コンテンポラリーなプログレ風のアレンジが合わさって
なかなかいい雰囲気であるが、楽曲における魅力と音の説得力という点では、まだまだこれからという印象。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Luar Na Lubre「Hai Un Paraiso」

スペインのケルティックバンド、ルア・ナ・ルブレの2004年作
素朴なガイタ(ガリシアン・パイプ)の音色にアコーディオン、フルート、
ヴァイオリンが絡み、そこにスペイン語の女性ヴォーカルが優美に歌を乗せる。
前作「ESPIRAL」でのダイナミックなシンフォニック・トラッドサウンドをさらに押し進め、
今作ではアコースティックを主体にした深みのあるガリシアントラッドを追求している。
いっそう表現力を増したロサ嬢の歌声とともに、哀愁の叙情にあふれたサウンドがしっとりと響く。
ケルティック度・・8 スパニッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Luar Na Lubre「saudade」

スペインのケルティックバンド、ルア・ナ・ルブレの2005年作
すでに結成から20年を数えるベテランとなったこのバンド、
本作もアコースティカルな素朴さと哀愁の叙情が光る傑作だ。
新加入のサラ嬢の歌声は、前任のロサ嬢よりも若々しく良い意味でキュート。
アコースティックギターのつまびきに、アコーディオン、フルートの音色…
南北アメリカへと渡ったガリシア人の足跡を綴るというコンセプト通り、
キューバ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンからのヴォーカルをゲストに、
まるで各国を旅をするような情緒豊かな雰囲気が味わえる。
ケルティック度・・7 スパニッシュ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Luar Na Lubre「Caminos Da Fin Da Terra」

スペインのケルティックバンド、ルア・ナ・ルブレの2008年作
本作は、久しぶりにドラムが入った、トラッドロック的な作風の傑作。
前2作での純ガリシアントラッド風味も悪くないが、個人的にはやはりこうした
コンテンポラリーなフォーマットの方がこのバンドに関しては好みかもしれない。
もちろん、アコースティックギターにヴァイオリンが鳴り響く哀愁の叙情もたっぷりで、
女性ヴォーカルの歌声にうっとりとしながら楽しめる。ガイタやフルートなどの
素朴なケルティック感触もより繊細に表現され、一方では爽やかな躍動感も魅力的。
ケルティック度・・8 スパニッシュ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Luar Na Lubre 「Ao VIvo」

スペインのケルティックバンド、ルア・ナ・ルブレのライブアルバム。2010年作
いまやスパニッシュケルトの大御所となったこのバンドの2010年のライブ音源を収録、
素朴なフルートの音色に、ガイタとヴァイオリンが絡み、アコースティカルでありながら
厚みのあるアンサンブルを形成、ライブ演奏においても見事な構築力で聴かせてくれる。
躍動感と叙情性、トラッドの伝統をセンスよく今につなげる、バンドの魅力にあふれた演奏です。
ケルティック度・・8 ライブ演奏度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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Maria Del Mar Bonet 「Terra Secreta」

スペインの女性歌手、マリア・デル・マール・ボネットの2007年作
カタルーニャ出身のトラッド系シンガーとして、70年代から歌い続けるキャリアをもつ。
美しいハープのつまびきに、優しい彼女の歌声が響きわたると、そこはもうマジョルカの大地、
ラテンの哀愁と叙情が交差する、シンプルながらもじつに味わい深い歌曲だ。
2曲めのピアノ曲も、マリアの母性的な歌声がじつに映えていて素晴らしいし
アコーディオンの音色から始まる3曲めは、ギリシャの大御所シンガー、ハレス・アレクシーフのカヴァー。
全体的にこれまでの硬派なトラッド路線からはずいぶん肩の力を抜いた作風で、クラシック、ジャズ、
ブルースなどの要素を取り入れつつ、彼女の魅力的な歌を堪能できる逸品に仕上がっている。
アコースティカル度・・9 スパニッシュ度・・8 女性Vo度・・9 総合・・8.5
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Susanne Lundeng「Nattevak」

ノルウェーの女性ヴァイオリン奏者、スザンヌ・ルンデングの2006年作
土着的な旋律を奏でるヴァイオリンの音色で、ノルディックな清涼感とともに
女性特有の優雅な情緒を描き出す。ジャケのような自然の中に溶け込み
生きる喜びを感じさせるような、凛然とした強さを含んだメロディに聴き惚れる。
伝統的な素朴なつましさと、木々や土の香りを含んだ優しい響きにうっとりです。
アコースティカル度・・9 北欧度・・9 ヴァイオリン度・・9 総合・・8
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Mercedes Peon「Ajru」

スペインの女性トラッドミュージシャン、メルセデス・ペオンの2003年作
ガリシア出身の彼女はシンガーであると同時に、パンデイレータ(タンバリン)や
ガイタ(ガリシアン・パイプ)の名手でもある。モダンなリズムビートに乗せる
コーラスの重ねはVARTINAあたりを思わせ、エキセントリックなラジカルトラッド的。
鳴り響くガイタの音色、ときに優雅なアコーディオン、お洒落ですらあるアレンジ力、
どれをとってもじつに見事。伝統と革新の融合…プログレッシブなトラッド作品である。
アコースティカル度・・7 プログレ度・・8 ラジカルトラッ度・・8 総合・・8
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「Songs of Innocence and Experience」

ロシアの女性ヴォーカルバンド、キャプライスの2nd。2002年作
美しい女性ヴォーカルの歌声に、しっとりとしたフルートやクラリネット、ヴァイオリン、
チェロなどが絡む、クラシカルで艶やかなサウンドにうっとりと癒されます。
イナ嬢の歌声は、ドネラ・デル・モナコを思わせるアカデミックな雰囲気が魅力的。
ロック色は皆無で、アコースティカルな暖かみと、涼やかな叙情が同居する美麗作。
クラシカル度・・8 ロック度・・1 女性Vo度・・8 総合・・8
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godbless「36th」

インドネシアのロックバンド、ゴッドブレスの2009年作
1973年から数えて36年というキャリアを誇る大ベテランで、
見た目はみんないいオッサンなのだが、サウンドの方は熱い熱い。
オルガン入りの英国風ハードロックで、インドネシア語のヴォーカルによる
キャッチーな聴き心地と、ときに哀愁の叙情も含んだ楽曲はなかなかいい感じ。
年季の入ったバンドらしい演奏力もさすがというところ。シンフォニックに盛り上げる
プログレハード風の曲や泣きのバラードもGood♪
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 叙情度・・8 総合・・8
ERWIN GUTAWA「ROCKESTRA」

インドネシアのミュージシャン、エルウィン・グタワの2006年作
ロンドンシンフォニーオーケストラが参加、大規模なオケとロックを融合させた本作は、
まるでENIDのような壮麗かつダイナミックなサウンドを描き出す。
インドネシア伝説のロックバンドGodblessのメドレーからスタート、その後も
インドネシアンロックの哀愁とシンフォニックなオーケストラが合わさった壮大なロックオペラ的な
世界観で、女性ヴォーカル曲や、牧歌的なバラードなどを感動的に聴かせてくれる。
シンフォニック度・・9 壮麗度・・9 ロック度・・7 総合・・8
nerv 「ragam」

インドネシアのプログレバンド、ネルフの2005年作
女性ヴィオラ奏者を含む6人組で、叙情的な笛の音色にシンセが加わり、
パーカッションのリズムにロックギターがかぶさると、民族色の濃いプログレとなる。
同郷のANANEに比べると、もっとスタイリッシュでバランスのよさ聴き心地である。
美しいヴィオラの音色がうねるようなビートに包まれて、インストながらも濃密な作風。
たとえば、日本のKENSOあたりが好きな方でも楽しめるクオリティの高さである。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 民族度・・8 総合・・8
DEWA 19「the best of」

インドネシアのロックバンド、デワ19のベストアルバム。1999年作
1992年にアルバムデビュー、バンドは2000年に新生DEWAとしてスタートするが、
本作はDEWA19名義での1992〜96年までに出された4作からのベスト。
哀愁の叙情とキャッチーなメロデイで聴かせるサウンドは、
うっすらとしたシンセアレンジなどもなにげに効いていて、
単なるポップロックとは異なる、プログレハード的な質感があるのがよい。
泣かせどころを抑えた叙情的なバラードなども絶品だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 プログレ度・・6 総合・・8