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CDレビュー
ポストロック/エモ/ストーナー/その他ロック
Post Rock/Emotional Rock/Stoner/ and Other
掲載バンドは上からABC順になっています
■CDの評価に関しては、私の個人的嗜好が反映されることもあり、なかには納得のいかない
評価もあるかと思いますが、その辺はどうかご了承ください。
■また、「このレビューを参考にしてCDを買ったが気に入らなかった」といったクレームなどに
関しましても、当方は責任を負いかねますので、ご理解ください。
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Acid Witch「Stoned」

アメリカのサイケ・ドゥームロック、アシッド・ウィッチのアルバム。2011作
このB級ホラーマンガのようなジャケからして笑ってしまうのだが、
サウンドの方も70年代的な古くささ…サバス風味のドゥーム感覚と
オルガンシンセ入りのサイケロック的な浮遊感で聴かせる、ステキな世界観。
ヴォーカルはゲロゲロのデス声ながら、音の怖さはあまりなく、
メロディアスなギターやシンセのおかげで演奏自体はとても聴きやすい。
おどろおどろな雰囲気をかもしだそうとしているのがむしろ微笑ましい。
ドラマティック度・・7 おどろドゥーム度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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AIRBOURNE「No Guts No Glory」

オーストラリアのハードロックバンド、エアボーンの2nd。2010作
かつてのAC/DCを思わせる勢いあるロックサウンドでデビューしたこのバンド、
2作目となる本作も、古き良きハードロック魂が炸裂の力作だ。
いくぶんダーティでワイルドなヴォーカルに、アナログ感たっぷりのギター、
時代錯誤なまでにロックンロールの熱さを追求したノリノリの1枚である。
メロディアス度・・7 古き良き度・・9 AC/DC度・・9 総合・・8
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Alabama Thunderpussy「Open Fire」
アメリカのストーナーメタルバンド、アラバマ・サンダープッシーの6th。2007年作
もともとはブギーやブルースなどを根幹にしたアメリカ南部的なロックバンドであったようだが、
本作ではぐっとヘヴィさと勢いを増したアナログ感たっぷりのストーナーメタルになっている。
むしろMOTORHEADや最近だとThe Swordなどのリスナーでも楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 アナログ度・・8 ストーナー度・・8 総合・・7.5
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Ancestors「In Dreams & Time」

アメリカのプログレ・ドゥームロックバンド、アンセスターズの2012年作
最近は、プログレ、サイケ、ドゥーム、ストーナーなどをまたぐボーダーレスなバンドが増えているが、
このバンドもまさしく上記の要素をすべて持ったサウンドをやっていて、9分〜19分という大曲を中心に、
ポストロック的な壮大な世界観を聴かせてくれる。オルガン、ムーグ、メロトロンまで使用したシンセワークに
ドゥーミィなギターリフが重なり、サイケな浮遊感を含んだ妖しげな世界を構築してゆく様はなかなか個性的だ。
基本はスローなドゥーム調であるが、女性ヴォーカルが入ったり、美しいピアノやヴァイオリンなども加わり、
アレンジのセンスには知的でプログレッシブなものを感じさせる。ポストロック的なドゥームロックの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 ドゥーム度・・8 総合・・8
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APULANTA「Eika Vielakaan Ole Edes Ilta」

フィンランドのハードロックバンド、アプランタの2007年作
キャッチーなメロディで聴かせるハードロックを軸に、フィンランド語の歌声と
北欧の土着性を感じさせるサウンドは、RASMUSの母国語版という感じか。
母国語の歌声がトラディショナルな感触となっているのが特徴的で
哀愁の叙情を感じさせるメロディ作りにはバンドのセンスを感じさせる。
トラッドメタル調の曲もあったりと、フォークメタルファンにも楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 フィンラン度・・9 総合・・8
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ATLANTEAN KODEX「Golden Bough」

ドイツのエピック・ドゥームメタル、アトランティーン・コデックスの2010年作
ツインギターによるヘヴィなリフと、朗々としたヴォーカルで聴かせる、
CANDLEMASSを思わせるエピックな雰囲気を漂わせたドゥームメタル。
メロディアスなフレーズは正統派メタル寄りで、中世を思わせる世界観とともに
10分、15分という大曲も含んで、重厚でドラマティックな香りを漂わせる。
ドラマティック度・・8 ドゥーム度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Blood Ceremony

カナダのヴィンテージロックバンド、ブラッド・セレモニーのアルバム。2008作
フルートにオルガンも弾きこなす女性ヴォーカル入りの4人組。
そのサウンドはもろ70年代風のレトロな雰囲気がぷんぷんで、
ストーナーロック的な生々しさに、妖しげな呪術性をともった世界観で
これは初期サバスの女性ヴォーカル版か…と言いたくなるほど。
うねるようなギターの音が妙に心地よく、また唐突に入ってくるフルートの音色は
プログレのJETHRO TULLなどを思わせたりと、とても若手の作品とは思えない濃密さ。
女性のヴォーカルが上手すぎないところも、またアングラ臭をかもしだしていて良いのです。
メロディアス度・・7 アンダーグラウン度・・9 70'sレトロ度・・9 総合・・8
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Blood Ceremony「Living With the Ancients」

カナダのヴィンデージロックバンド、ブラッド・セレモニーの2011年作
前作は70年代サバスの女性Vo版というイメージで、なかなか気に入っていたが、
本作もアナログ感覚たっぷりの時代的なサウンドを聴かせてくれる。
古き良きギターリフと温かみのあるフレーズに、ヘタウマな女性ヴォーカルの歌声が重なり、
オルガンにフルートも入ったプログレ的な質感もあって、ストーナー化したJACULAというか、
むしろヴィンデージ・プログレ的に楽しめたりする。妖しいアングラ臭さもそのままだが、
今作ではよりメロディアスな聴き心地がよろしい。古めかしさに和みます。
メロディアス度・・8 アンダーグラウン度・・8 70'sレトロ度・・10 総合・・8.5
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CATHEDRAL「In Memoriam」

英国のドゥームメタルバンド、カテドラルのデビュー前のデモと、ライブ音源を収録したアルバム。
2nd以降、少しずつドゥームメタルというよりもブリティッシュサイケ風になってゆき、
今や一般的なHRファンに聴かれるバンドにまでなった彼らだが、
自分が一番好きなのは絶望的な暗黒性が漂う1st「Forest of Equilibrium」であった。
なので、ここで聴ける初期の音源は、デスメタルの重さをそのまま持ち込んだような、
まさに悪夢にうなされそうなサウンドで、自分にとっては素晴らしく楽しめる。
どの曲も長く、病的にスローでそして重い。リー・ドリアンのデス声ヴォーカルとともに
これぞドゥームメタルの黎明と叫びたい。1991年のライブ音源は1st収録に近いバージョンで
重量級の曲たちが超低速に演奏されていて、最初期のファンにとっては嬉しい内容だ。
メロディアス度・・5 病的度・・9 暗黒ドゥーム度・・10 総合・・7.5
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CATHEDRAL 「Statik Majik」

イギリスのドゥームロックバンド、カテドラルの企画アルバム。1994作
2nd発表前後のミニアルバムに、シングル、ライブ音源を収録した全70分以上。
暗黒ドゥーム路線の1stが最高という私には、初期の楽曲の方がやはり性に合う。
とくに20分を超える大曲“The Voyage of the Homeless Sapien”は圧巻で
ドゥーミーな曲調に、ヒッピー的な要素とある種の壮大さが加って、大変聴き応えがある。
1992年作の3曲は、1stと2ndの中間的な雰囲気で、ヘヴィな暗さが残っていてなかなかよい。
アルバムとしてのトータル感はないが、偉大なるドゥームロックバンドとしての確かな足跡が聴ける。
メロディアス度・・6 病的度・・8 暗黒ドゥーム度・・8 総合・・7.5
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CATHEDRAL「Caravan Beyond Redemption」

イギリスのドゥームメタルバンド、カテドラルの5th。1998作
沈み込むようなスローなドゥームメタルサウンドで衝撃を与えたデビュー作から
より英国ロック的なヴィンテージ感覚をまとわせて深化してきたこのバンド。
2nd以降の集大成ともいえるのが本作だろう。サーカスを思わせるようなイントロから
BLACK SABBATHの影響を思わせるギターリフとともに、サイケがかったドゥーミィさで
濃密なハードロックを展開。パーカッションやメロトロンの音色なども取り込んで
70年代プログレ的な色合いを覗かせるなど、飽きさせずに聴かせる説得力が加わった。
メロディアス度・・7 ドゥーム度・・7 英国度・・8 総合・・8
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CATHEDRAL「Endtyme」
イギリスのドゥーム・ロックバンド、カテドラルの6th。2001作
本作はダークでドゥーミーなイントロからして初期の香りが漂っていて
楽曲にもコマーシャルな質感はほとんどなく、ヘヴィなギターをたっぷり聴かせてくれる。
ただ、全体的に確かにドゥームメタルとしての復活を感じさせるサウンドながらも、
1stにあった病的な妖気までは感じられない。BLACK SABBATH風のヘヴィさというか、
グルーヴィなドゥームロックというか…これが彼らなりのひとつの答えだったのだろう。
メロディアス度・・6 ヘヴィ度・・8 ドゥーム度・・8 総合・・7.5
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CATHEDRAL「The Garden of Unearthly Delights」

英国のドゥームメタルバンド、カテドラルの8th。2005作
独自の世界観でドゥームメタルというものを深化させてきたリー・ドリアン率いるこのバンド、
本作も古き良きアナログ感覚をまぶした、サイケ、ストーナー的な英国ドゥームロックを聴かせる。
BLACK SABBATHから受け継がれてきたヘヴィなギターリフを中心に比較的ストレートな楽曲が続くが、
ときおり80年代ハードロック的なキャッチーさも出てきて、ヘヴィさと聴きやすさを両立させている。
そしてラストは27分におよぶ女性Vo入りの大曲で、これは次作のプログレ路線への布石ともいえる出来。
メロディアス度・・7 ドゥーム度・・7 英国度・・8 総合・・8
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CATHEDRAL「The Guessing Game」

英国のドゥームメタルバンド、カテドラルの9th。2010作
今作はCD2枚組の大作で、前作から兆しのあったプログレ的な質感を押し進めた作風で、
シンセの使用度が増している。広げると輪廻転生を思わせる壮大なアートワークとともに、
コンセプチュアルな香り漂う雰囲気に、レトロなヴィンテージロック調のやわらかみがある。
うっすらとしたメロトロンの響きも含めて、これまで以上にアナログ感覚をまとわせたサウンドは、
ドゥーミーなヘヴィさよりもむしろサイケロック的な浮遊感が強まっていて、
これは70'sロック、プログレのリスナーなどにも大いにアピールするだろう。
メロディアス度・・7 サイケプログレ度・・8 英国度・・8 総合・・8
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Cathedral 「Anniversary」

イギリスのドゥームメタル、カテドラルのライブアルバム。2011年作
結成20周年を記念し、ロンドンで行われたライヴを収録した2枚組のライブアルバムで、
Disc1には、なんと伝説の1st「Forest of Equilibrium」をオリジナルメンバーで完全再現。
沈み込むようなスローテンポと、ドゥーミィなダークさが衝撃的だったあの名作が
20年の年月をへて甦る様は感動的だ。これぞカテドラル。これぞドゥームメタルである。
Disc2は過去作から選曲されたベストライブ的セットで、ドゥーム、ストーナー、サイケ、70'ロックの要素を、
独自の世界観で昇華させてきたバンドとしての深化、そしてブレのなさをあらためて確認できる。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・9 ドゥーム度・・9 総合・・8
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COHEED AND CAMBRIA
「IN KEEPING SECRETS OF SILENT EARTH:3」
アメリカのメロディック・ロックバンド、コヒード・アンド・カンブリアの2nd。2003作
ちょっと聴きには、聴きやすいキャッチーなメロディックロック、という印象。
メランコリックなギターフレーズにはゴシックメタル的要素も感じるが、
音には軽快さとポップセンスもあり、そのあたりが現代アメリカ的サウンド。
やかましすぎない耳に心地よい音像なので、頭を振りながら聞き流せる感じ。
3拍子系の曲が目立つのはMARS VOLTA同様、最近の流れなのだろう。
ところでアルバムにはストーリーがあるらしいが、2ndなのに何故「3」なのかというと、
1stアルバムでは2章から始めたというわけで、続くこの2ndで3章。全4章で完結するらしい。
メロディアス度・・8 メランコリック度・・8 聴きやすさ度・・9 総合・・8
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COHEED AND CAMBRIA
「Good Apollo, I'm Burning Star IV, Vol. 1: From Fear Through the Eyes of Madness」

アメリカのメロディック・ロックバンド、コヒード・アンド・カンブリアの3rd。2005作
前作「IN KEEPING SECRETS OF SILENT EARTH:3」から2年ぶりとなる3作目。
しかし相変わらず大仰なタイトル…というか、前作の続きなのかそうではない別シリーズの始まりなのか、よくわからん。
さて、クラシカルな美しいイントロに思わず聴き入り、ドラマティックで重厚なBでこのバンドの素晴らしさを再認識。
ノリの良いロック調のCはギターの重ねが気持ち良いし、キャッチーで軽快なDもなかなか。
ただ今回も70分オーバーの大作なので、どうしても中盤で聴いていてだれてしまう。
ファンであればそうでないのかもしれないが、前半の緊張感に比べるとF〜Hあたりはただのエモになってしまっていて、
決して出来は悪くないのだが、アルバム全体からすればいくらか密度を下げてしまっている。
ラストの大曲4部作は、このバンドのプログレッシプなアレンジセンスが存分に活かされた
リズムアプローチが気持ち良く、プログレ/メタル好きにも支持される要素が詰まっている。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレッシヴエモ度・・8 総合・・8
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COHEED AND CAMBRIA 「NO WORLD FOR TOMORROW」

アメリカのプログレ・ロックバンド、コヒード・アンド・カンブリアの4th。2007作
もともとがただのエモーショナルロックとは思えないドラマ性をもったバンドだったが、
ここに来てそれに拍車がかかり、今作の音には風格すらただようようになった。
前作からその傾向はあったのだが、全体を包むコンセプチュアルな物語性がいっそう機能し、
近未来SF的なジャケとともに、イメージとしてのスケール感が増している。
キャッチーな歌メロと絡むギターもけっこうハードになり、かっこいいフレーズを連発、
ときにDREAM THEATERをも思わせるプログレッシブなドラマ性で聴かせてくれる。
前作同様に中盤はややだれる感じもするが、ラストの24分の組曲は圧巻。
メタル、プログレ、エモ、ポストロック、全てのリスナーが聴ける作品だ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレッシヴエモ度・・9 総合・・8
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COHEED AND CAMBRIA「Year of the Black Rainbow」

アメリカのプログレ・ロックバンド、コヒード・アンド・カンブリアの2010年作
DREAM THEATERばりのプログレメタリックなドラマ性が見事だった前作に続き
今作もダイナミックな展開とプログレ的な構築美が素晴らしい濃密な内容だ。
いつになく感情むき出しで歌いあげるヴォーカルと、変則リズムでたたみかけるサウンドは
ダークな叙情を含んだストーリー的なコンセプトの世界観を描き出しながら、
聴き手を引き込むような緊張感をもたらしてくる。モダンなヘヴィさを上手に取り入れつつ、
あくまでエモ的な叙情にもこだわっているのがこのバンドらしい。隙のない傑作。
ドラマティック度・・9 ProgMetal度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Crippled Black Phoenix「Love of Shared Disasters」

イギリスのプログレ・ポストロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2007年作
先に2作目、3作目を聴いていたが、このデビューアルバムでも、アナログ感たっぷりで
ほんのりダークな世界観を構築している。うっすらとした叙情性と、ときおり聴かせる
ロックとしてのダイナミズムが、サウンドのメリハリとなっていて、プログレ的なポストロック…
あるいは、Porcupine Tree系の薄暗系知的ロックとしても鑑賞可能。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 薄暗度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix 「200 Tons Of Bad Luck」

イギリスのプログレ・ポストロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2009年作
MOGWAIのドミニク・アイチソンとElectric
Wizardのジャスティン・グリーヴスを中心にしたバンドで、
アナログ的なロックとポストロック風味の広がりのある、ゆったりとした叙情を聴かせるサウンド。
古き良きロックの香りに、メロトロンやハモンド、ピアノを含めたシンセによる味付けと、
ときにチェロやヴァイオリン、トランペットなども加わって、素朴でありながらも壮大さをかもしだす。
ドラマティック度・・8 ポストロック度・・7 アナログ度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix「I,Vigilante」

イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2010年作
MOGWAIのドミニク・アイチソンとElectric Wizardのジャスティン・グリーヴスを中心にしたバンドで、
サウンドは古き良きドゥームロックの感触に、ポストロック的な広がりのある壮大さが加わったもの。
オルガンの音色を含めアナログ感たっぷりのアンサンブルが心地よく、薄暗い叙情を内包しつつ、
知性的な構築も感じさせるのがプログレ的か。第二次大戦バルジの戦いにおけるバストーニュの戦いを
テーマにするなど、コンセプト風味のストーリー性も感じられる。むしろプログレ、ポストロックのファン向けの力作。
ドラマティック度・・8 ドゥームロック度・・7 アナログ度・・8 総合・・8
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Crippled Black Phoenix「(Mankind)the Crafty Ape」

イギリスのプログレ・ドゥームロックバンド、クリップルド・ブラック・フェニックスの2012年作
第二次大戦「バストーニュの戦い」をテーマにした前作もドラマティックな傑作であったが、
本作は三章に分かれたCD2枚組の大作となった。PINK FLOYDを思わせるような
ゆったりとした叙情性の中に壮大なビジョンを描き出すポストロック的サウンドで、
ときおりシンセによる美しい味付けもあって、プログレファンにもアピールするだろう。
アナログ感をかもしだすギターワークに、ストーナーロック的な質感も織り込んで
ゆるやかなドラマを構築するようなスケール感が素晴らしい。じっくりと味わえる力作だ。
ドラマティック度・・9 壮大度・・9 プログレ度・・8 総合・・8.5
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Dead Meadow 「Old Growth」
アメリカのサイケロック、デッド・メドウの2008年作
2001年にデビューしたオールドスタイルのサイケ/ストーナーロックバンドで、
70年代風味のアナログ感覚で聴かせるユル系のサウンドが心地よい。
古き良きリフを奏でるギターにしても、エッジが尖った感じではなくあくまでユルユルで、
やる気の感じられないマイルドなヴォーカルも含めて脱力具合が絶妙。
メロディアス度・・7 サイケ度・・8 ユル度・・9 総合・・7.5
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Devil's Blood 「Time of No Time Evermore」

オランダのサイケ・ハードロック、デヴィルズ・ブラッドの2010年作
メロディックなギターフレーズを織り込みつつ、サイケ気味の浮遊感に包まれた楽曲に
倦怠ぎみの女性ヴォーカルの歌声が乗る、アナログ感漂う古き良きHRスタイルで、
取り立てて新鮮なものはないが、70年代風味が好きな方にはたまらない音だろう。
アンダーグラウンドな香りもありつつ、メロディはむしろキャッチーなので普通に楽しめる。
メロディアス度・・8 古き良き度・・9 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Devil's Blood「Thousandfold Epicentre」

オランダのサイケ・ハードロック、デヴィルズ・ブラッドの2012年作
静かなピアノのイントロで幕を開け、曲が始まるとサイケな浮遊感と
女性ヴォーカルで聴かせる、レトロな感触のハードロックは前作同様ながら、
妖しげな説得力と雰囲気に磨きがかかり、いっそう魔女めいた迫力がついた。
8分、9分といった長めの曲も多いが、ツインギターのメロディを随所に聴かせたり
アレンジにおけるメリハリのつけ方も上手くなっていて、案外ダレずに聴き通せる。
ラストは15分の大曲で、ストリングスも含んだシンフォニックでプログレ的な雰囲気も漂わせる。
ブックレット内のサイケなイラスト群も強烈です。などが気に入った方もぜひ。
メロディアス度・・8 古き良き度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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DREAM STATE「A Place To Rest My Head」
イギリスのエモーショナルロックバンド、ドリーム・ステイトの2nd。2007作
自分は基本的にありきたりのエモは退屈なのであまり聴かないのだが、
このバンドは良かった。まずふんだんにピアノを使ったそのメロディの美しいこと。
繊細なヴォーカルメロディにゆるやかなシンセアレンジ、そしてつややかなピアノ。
曲によっては美しい女性Voが歌い上げ、うっとりと夢見心地で聴けます。
インパクトはさほどでもないですが、爽やかでとても美しいアルバムです。
メロディアス度・・8 繊細度・・9 女性Voもいい度・・8 総合・・8
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dungen「1999-2001」

スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの1st。2005年作
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、フルート、ヴァイオリンをこなす
マルチプレイヤーのグスタフ氏をを中心にしたバンドで、70年代的なアナログ感と
牧歌的なフォーク風味を含んだユルめの北欧サイケロックサウンド。
オルガンやフルートが鳴る70'sプログレ風味に北欧らしい土着的な雰囲気で、
ウマグマの頃のPINK FLOYDにも通じるようなヒッピーな奔放さと、
日だまりのようなキャッチーな叙情で、のんびりと楽しめるサウンドだ。
14分、18分、11分という全3曲。鳥の声も入っていて耳心地よくまどろめます。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧サイケ度・・9 総合・・8
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DUNGEN「Tio Bitar」

スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの2nd。2007年作
今作は3〜5分という比較的コンパクトな楽曲で、前作のユルさに比べると
1曲めなどはずいぶんロック的な激しさが増した、といっても2曲め以降は
やはり70年代風味のレトロさとサイケな感触は健在で、やわらかなオルガンや
ヴァイオリンの音色とともに、牧歌的なプログレロック風味が楽しめます。
ロックとしてのノリの良さが増した分、一般的には前作よりも聴きやすいかもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・7 北欧サイケ度・・8 総合・・8
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DUNGEN「Ta Det Lugnt」

スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの3rd。2007年作
自然派北欧サイケロックというべき、ユルくてプログレ的な歓声を有したこのバンド、
本作も70'sロックのフリーキーなアナログ感覚と、北欧らしい牧歌的な叙情で
センスの良いサウンドを描き出す。ときにヴァイオリンやサックスなども入って、
ゆるやかでありながらも多様性のあるアレンジと作り込みが素晴らしい。
優しいピアノのつまびきにフルートも加わると、ほとんどプログレの感触で楽しめる。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧サイケ度・・8 総合・・8
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DUNGEN「4」

スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの4th。2007年作
ヴァイオリンが鳴り響き、北欧的な叙情を含んだギターの旋律がじつに美しい。
前作に比べて、繊細な叙情美が前に出ており、やわらかなフルートの音色とともに、
これはスウェーデンのCAMELか?というような、うっとりとする聴き心地です。
曲によっては中近東的なサイケ質感も織り込みつつ、コンパクながらも味わいが深い。
プログレロックとしてもいくぶん洗練されてきた感触で、素敵な好作品に仕上がっています。
メロディアス度・・9 プログレ風味度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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DUNGEN「Skit I Allt」

スウェーデンのサイケロックバンド、ドゥンエンの5th。2010年作
前作のしっとりとした流れを受け継ぎ、フルートの音色を優しく響かせつつ
やわらかなヴォーカルとともに古き良き感触の北欧ソフトロックが楽しめる好盤。
今作ではキュートな女性ヴォーカルも一部に加わったり、優雅なヴァイオリンや
ピアノの響きにうっとりしつつ、ロックとしての躍動感もしっかり残しているのが見事。
サイケなユルさをキャッチーに、北欧の自然の中に溶け込ませたようなサウンドだ。
メロディアス度・・8 プログレ風味度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Efterklang「Parades」

デンマークのポストロックバンド、エフタークラングのアルバム。2007作
先に2nd「Magic Chairs」を聴いて、しっとりとした癒し系のサウンドが気に入ったのだが、
本作もとてもいい。ヴァイオリン、チェロなどのストリングスに、ゆるやかなオーケストレーション、
チャンバーロック的な作風に、美しい女性コーラスなども加わって、壮大な世界観を描き出す。
ゆったりとした優雅さの中に、ふと悲しげな叙情を含んだサウンドは、やわらかな耳心地の良さとともに
なにか、なつかしさと郷愁のようなものを運んでくれる。いうなれば、プログレ系のポストロックとしても、
クラシカルな癒し系シンフォニックとしても楽しめる。涼やかな風、ほんのりとした寂しさ、叙情味たっぷりの傑作。
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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Efterklang「Magic Chairs」

デンマークのポストロックバンド、エフタークラングのアルバム。2010作
センスを感じるジャケのデザインも素敵だが、サウンドの方もゆるやかなピアノ、シンセに包まれ
やわらかなヴォーカルが歌を乗せる、癒し系ポストロックともいうべきもの。
ストリングスやホーンセクションも加わった、奥ゆきと広がりのある空間を描きつつ、
音はあくまで繊細で、とても耳に優しい。叙情の中にあるかすかな寂しさが胸を打つ。
シンフォニック度・・8 ロック度・・7 繊細度・・9 総合・・8
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Electric Wizard「Come My Fanatics...」
イギリスのドゥームメタルバンド、エレクトリック・ウィザードの2nd。1997作
轟音のようなギターリフと、ゆったりとした絡みつくようなヘヴィさで、
まさに極端にまでにドゥーミィなメタルサウンドを聴かせる。
ストーナー気味のラフさとラウドさを含んだ音の壁に圧倒される。
ドラマティック度・・7 ドゥーム度・・9 ヘヴィ度・・9 総合・・7.5
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Fair to Midland「Fables from a Mayfly: What I Tell You Three Times Is True」
アメリカのエモーショナルロックバンド、フェア・トゥ・ミッドランドの2007作
一聴して、普通のエモのような聴きやすいサウンドなのだが、
やわらかな歌声に、ときにダミ声をまじえて歌い分けるヴォーカルや、
曲の展開のセンスには知的なプログレ的要素もいくぶんある。
哀愁溢れる叙情メロディに適度なモダンヘヴィネスを同居させ、
そこにファンタジーを乗せてマイルドに仕上げた好作。
ブックレット内の寓話的なイラストの世界観も面白い。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 楽曲センス・・8 総合・・7.5
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Fair to Midland「Arrows & Anchors」

アメリカのエモーショナル・ヘヴィロックバンド、フェア・トゥ・ミッドランドの2011年作
プログレ的展開のあるエモという感じたった前作から、ぐっとスケール感が増し
メタリックでヘヴィな質感が強まっている。キャッチーでエモーショナルなヴォーカルメロディと
知的なアレンジとともに、プログレッシブ・ヘヴィエモロックというようなサウンドを描いている。
コンセプト的な楽曲の流れで、ドラマティックに構築してゆくセンスはなかなか見事で
ときに壮麗なシンセアレンジも含めて盛り上げる。あるいはこれもモダンプログレのひとつの形か。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレ風味度・・8 総合・・8
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FLEET FOXES

アメリカのロックバンド、フリート・フォクシーズの2008作
牧歌的な叙情でゆるやかに聴かせるサウンドは、古き良き70年代の香りをもっている。
アコースティカルな風味のあるゆったりとしたフォークロック的な質感に、
やわらかなシンセやオルガンのアレンジ、ヴォーカルの歌声も心地よく響く。
70'sブリティッシュロック/フォークのファンなどにも楽しめる作品だろう。
叙情度・・8 ロック度・・7 ゆるやか度・・9 総合・・8
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Fleet Foxes「Helplessness Blues」

アメリカのフォーク・ロックバンド、フリート・フォクシーズの2011年作
前作はデジパックだったが、ついに紙ジャケとなった。モノクロのメンバー写真も含めて
すべてが70年代的なパッケージとなり、サウンドの方もいよいよ古き良き牧歌的な
フォークロックサウンドに磨きがかかっている。アコースティックな優しさと
ゆったりとした聴き心地は、たとえばHERONのような、あの頃の英国フォークを思い出させ、
その時代錯誤にも思えるヒッピー的ともいうべきラブ&ピースの精神が、
のんびりとした音の中に見え隠れする。やわらかでレトロなフォークアルバム。
メロディアス度・・8 アコースティック度・・8 のんびりフォーク度・・8 総合・・8
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GENTLEMAN'S PISTOLS「At Her Majesty's Pleasure」

イギリスのハード・ロック・バンド、ジェントルマンズ・ピストルズの2nd。2011年作
2007年にデビューし、本作が2作目となる。サウンドはいかにも70年代的な英国ハードロックで、
アナログ感たっぷりのギターに、ブルージーな感触のヴォーカルを乗せたスタイルは、
たとえばThe AnswerやThieves & Liarsあたりと比べると、よりマイナーな香りがする。
なんともマニア心をくすぐるようなギターリフに思わずにやにやとなるのである。
元CARCASS、現FIREBIRDビル・スティアが加入し、ツインギターになったことも大きいだろう。
メロディアス度・・7 アナログ度・・9 70's英国度・・9 総合・・8
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Ghost「Opus Eponymous」

スウェーデンのヴィンデージ・ハードロックバンド、ゴーストの2010年作
このジャケットからしてもうアナログ感がたっぷりなのだが、サウンドもしかり。
オルガンの音色をふんだんに使ったレトロなハードロックサウンドは、
BLACK BONZOなどと同様であるが、こちらはかつてのBLACK SABBATHのような
どろどろとした妖しさを全面に出したサウンドで、そのこけおどし感に思わずにやにやしてしまう。
一方では、ギターによるメロディアスなキャッチーさも含んでいて、プログレハード的にも楽しめる。マイスペ
メロディアス度・・8 レトロ度・・8 古き良きHR度・・9 総合・・8
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GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR「f#a#∞」
カナダ出身のポストロックバンド、ゴッドスピード・ユー!ブラックエンペラーの1st。1998作
デビュー作でありながら、16分、17分、29分という大曲3曲という構成にまず圧倒される。
かつてのPINK FLOYDがかくあったかという、空間的な美学を内包したサウンドは
単なるロックの枠ではくくれない不気味なほどの器の大きさを感じさせる。
後のアルバムよりはサウンドコラージュの度合いは薄く、バンドとしてのミニマリズムが直接感じ取れ、
クライマックスにゆくに従って盛り上がるやり方などもこの時点ですでに完成されている。
この長尺感を退屈ととるか、壮大な世界観ととるかで、彼らのサウンドが楽しめるかどうか分かれるだろう。
メロディアス度・・7 壮大度・・8 空間度・・9 総合・・7.5
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GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
「Lift yr. Skinny Fists Like Antennas To Heaven」

カナダ出身の9人組、ゴッドスピード・ユー!・ブラックエンペラーの2nd。2000作
バンド名も長いがタイトルも長い。しかもメンバーはG×3、Dr×2、B、チェロ、ヴァイオリン、テープ編集(?)
という変則の大所帯。ジャンル的には所謂「ポストロック」という部類らしいが、
この曖昧なカテゴライズ名よりもプログレファン向けにあえて明快に言うと、
「チェンバーロック編成の凶暴化したPINK FLOYD」といったところか。
なにしろCD2枚組で全4曲。歌はなし(サウンドコラージュ的なSE、語り入り)。
まるで夢幻の精神世界を音で構築しようと試みたかのようなサウンドは、
不思議な静寂と闇の中に「内面的反抗心」がかいま見得る「音のメッセージ」というところか。
曲はけっして急ぐことなくゆるやかに高揚感を高まらせてゆき、盛り上がりの場面では
ギター、ヴァイオリン、チェロなどが一体となり、まるで壮大なシンフォニック・チェンバーの音像となる。
これを退屈とみるか、本気で音に対峙するかで聴きかたはまったく異なるだろう。
短気な私としては、部分的には退屈に感じつつも、引き込まれるだけの強度を感じた。
壮大度・・9 暗黒度・・8 精神度・・10 総合・・8
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GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
「SLOW RIOT FOR NEW ZERO KANADA E.P.」

ゴッドスピード・ユー!・ブラックエンペラーのミニアルバム。2000作
1stと2ndの間に出たEPで全2曲28分。彼らにしては短いので(笑)、
私のような不熱心なリスナーには、このくらいだとけっこう聴きやすくて助かる(^^;)。
音の方はやはり、静寂と寒々しさを感じさせる深みのあるもので、
そこに響くヴァイオリンの音色がとても美しい。アルバムよりも曲が(これでも)短いので、
退屈する前にゆるやかな盛り上がりが訪れて、とても心地よく聴ける。
壮大度・・8 静謐かつダーク度・・9 精神度・・8 総合・・8
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GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
「YANQUI U.X.O」

カナダ出身のポストロックバンド、ゴッドスピード・ユー!・ブラックエンペラーの3nd。2002作
前作はCD2枚組の大作だったが、今回も全3曲75分と相変わらずのやりたい放題ぶり。
今回はテープによるサウンドコラージュを廃し、純粋な楽器のみの演奏となっていて、
静謐なパートはより(暗く)静かに、たたみかけの部分は壮大かつダイナミックになっている。
このバンドの場合歌がないので、彼らのメッセージは音を通して聴く他はないのだが、
ジャケやタイトルから察するにアメリカへの不信と戦争への怒り、がテーマになっているようで、
じっさい音の方にも管楽器の響きにはもの悲しさを感じるし、今回使用頻度の高いキーボードは
美しくシンフォニックでありながら、静寂パートにおいてはじつにはかなげに鳴っている。
このバンドのアルバムを見渡したとき、曲として良くできているかどうかというのは大いに疑問だが、
音にのめり込み、感じることができる聴き手には、まるで壮大な映画のようにも思えることだろう。
壮大度・・9 静謐かつダーク度・・9 精神度・・9 総合・・8
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Grand Magus「Monument」
スウェーデンのドゥームメタルバンド、グランド・メイガスの2nd。2004作
ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムというトリオ編成で、グルーブ感のある
ヘヴィなドゥームロックサウンドをやっている。アナログ感たっぷりの生々しい演奏と
古めかしい70年代的感覚はCATHEDRALにも通じるものがある。
メロディアス度・・7 ヘヴィ度・・8 アナログ度・・8 総合・・7.5
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The Intersphere「Interspheres >< Atmospheres」

ドイツのプログレ・ロックバンド、インタースフィアの2011年作
オルタナ風味のモダンなロック感覚を、知的な構築性で聴かせるという点で、
Porcupine Treeなどにも通じるような、新世代のプログレ・ロックバンドである。
キャッチーなヴォーカルメロディと哀愁を含んだようなほの暗い叙情が、
ロックとしての躍動感と合わさり、プログレ化したUKロックというべき雰囲気で、
多くのリスナーが楽しめる普遍性を有している。面白い新鋭が登場した。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンロック度・・8 総合・・8
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Kvelertak

ノルウェーのストーナー・メタル、クヴェラータクの2010年作
トリプルギター編成の6人組で、ブラックメタルばりのリフで激しくブラスト疾走しつつ、
そこにストーナー的なアナログ感のあるロック色を融合させたというなかなか面白いサウンド。
ヴォーカルもダミ声なのでブラックメタル的な激しさも随所にあるのだが、古き良きギターリフと
MOTORHEADのようななダーティなロックンロール感触が前に出ているので、暴虐な感じよりも
むしろオールドなハードロックとして楽しめてしまう。いわば、ブラックン・ロールとでもいうべきか。
メロディアス度・・7 ブラックメタル風味度・・7 古き良きHR度・・8 総合・・8
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LAPKO「A New Bohemia」

フィンランドのハードロックバンド、ラプコの2010年作
ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムのトリオ編成で、本作はすでに4作目となる。
メタル的なヘヴィさと、北欧らしい哀愁の叙情に、プログレ的な構築センス、
トリオながらも、ドラムを中心とした勢いのある演奏は迫力充分で、ロックバンドとしての
荒々しさを残しながら、モダンな雑食性というべきボーダーレスな魅力に満ちている。
疾走する突進力とメロディに、自由度の高い古き良きロックの味わいが加わった強力作だ。
メロディアス度・・8 演奏センス・・9 北欧度・・8 総合・・8
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THE MARS VOLTA「DE-LOUSED IN THE COMATORIUM」
元AT THE DRIVE-INのメンバーなどによるバンド、マーズ・ヴォルタのアルバム。2003作
私は上記のATDIというバンドも聴いていないし、何の予備知識もなく買ってみたのだが、
これはなかなか凄い音ですぜ。ひと言で言ったら…というかひと言では言えない音なのですが(^^;)、
…あえていうのなら、「テクニカル・サイケ・プログレ・ロック」とでもいいましょうか。
3拍子系をメインにしたせわしないリズムの上にテクニカルなギターが鳴り、
中性的なVoがエモーショナルに歌い上げます。ドラムの手数の多さは見事。
昨今いわれるポストロックのひと言で片づけるのはいささか気が引けるようなサウンドで
メタラーにはテクニカルメタルとしても鑑賞可能。・・かといってただせわしないだけでなく、
歌をメインにしたパートではじつに美しく聴かせてくれたりもします。
現代版のプログレ?しかもプログレを意識していないところが現代的な音であります。
誤解を恐れずに言うと、PAIN OF SALVATIONあたりのミクスチャー感覚に近いものも感じます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 ジャンル分け不能度・・10 総合・・8.5
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THE MARS VOLTA「FRANCES THE MUTE」
アメリカのテクニカル・ミクスチャーロックバンド、ザ・マーズ・ボルタの2nd。2005作
1stでは、テクニカル&変態系ロック好きの我々の腰を存分に抜かせたこのバンド。
今回は組曲的な大曲をメインに、たっぷりとその演奏を聴かせてくれます。
前作のように、1曲ごとを濃密にまとめた作風から一転、
いかにもポストロック的に、あるいはプログレ的に自分達のビジョンを
たたみかける演奏で構築し、延々と再現しているという印象。
もちろん、テクニカルパートは変拍子たっぷりで威勢よく聴かせ、
プログレ(変態)メタル的な楽しみ方も可能ですが、今回は大曲におけるゆるやかな進行、
そのコラージュされた音の重なりとか、展開なども大いにアートな感性を感じさせ、
ある意味GODSPEED YOU! BLACK EMPERORにも通じる難解さと壮大さを感じます。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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THE MARS VOLTA「Scab Dates」

アメリカの新世代プログレ・ロックバンド、マーズ・ヴォルタのライブアルバム。2005作
のっけから、子供の鳴き声などの不穏な雰囲気のSEに惹きつけられる。
ライブ演奏は予想に反して多くをインプロビゼーションに費やしていて、
内的世界を描き出すポストロック的な手法はじつにプログレッシブ。
バンドの演奏力はやはり大変高く、それだけでなく表現力という点でも
単なる頭でっかちではない、ロックとしての迫力と構築性とを併せ持っているのが感じられる。
作り込まれたスタジオ盤とのあまりの違いに世間では賛否両論のようだが、
「彼らにしか出来ないライブ作品」という点で、個人的にはその挑戦精神を高く評価したい。
メロディアス度・・7 内的プログレ度・・9 即興度・・9 総合・・8
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THE MARS VOLTA「Amputechture」

アメリカのプログレッシブ・ミクスチャーロックバンド、マーズ・ヴォルタの3rd。2006作
テクニカルで変態的なミクスチャー感覚で度肝を抜いたデビュー作、
長大な組曲の中に静寂と鬱ぎみのプログレ感覚を織り込んだ2nd、
そして、まったくアルバムとは雰囲気の異なる即興感覚の演奏のライブ作と、
アルバムごとに進化と深化、そして様々な要素を取捨してきている彼ら。
今回もジャケからしていかにも怪しげかつ意味不明で期待大であるが(笑)、
10分以上の曲が3曲に、他も6〜9分という大曲志向は相変わらず立派。
展開におけるテクニカルな破天荒さはそのままに、今作では長い曲でも濃密さを保っており、
真剣に聴いているととても疲れるのだが、それもまたプログレ者には嬉しい疲労か(笑)
一筋縄でいかないアヴァンギャルドなロックが好きな方、新時代のプログレを聴きたい方は必聴。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 アヴァンギャル度・・9 総合・・8
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The Mars Volta「The Bedlam in Goliath」

アメリカのプログレロックバンド、マーズ・ヴォルタの4th。2008作
このあやしげなジャケや「ゴリアテの混乱」という意味深長なタイトルもそうだが、
(ゴリアテとは、旧約聖書に出てくる羊飼いの少年ダビデに倒された巨人兵士)
サウンドの方も前作から続く変態型モダンプログレ道を今回もまっしぐら。
アラビックなコード進行でサイケがかった浮遊感をともなうサウンドで、イメージは中近東か。
手数の多いドラムを中心に、これまでよりもさらにグルーブ感のある演奏がかなり生っぽい。
もともとが楽曲よりもイメージを重視した演奏志向のバンドであったので、
この破天荒なスタイルに理不尽さを感じるようなまともなリスナーには向かない。
75分の大作に飽きがくるか来ないかは、ひとえに感覚で聴く変態サイケを好むかどうか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 中近東サイケ度・・9 総合・・8
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The Mars Volta「Octahedron」

アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの5th。2009作
じつに素晴らしい創作意欲である。サイケがかった浮遊感と斬新な楽曲構造で毎作感心させられてきたのだが、
本作ではむしろじっくりと聴ける落ち着いた叙情サウンドを核にしてきている。
まるで昨今の英国の薄暗系プログレのような雰囲気もあり、ゆるやかにメロトロンが鳴り響く、
なんとも確信犯的な作りだ。 メロウで煽情的なギターフレーズはこのバンドではこれまで聴かれなかったもので、
彼らの器の大きさというか、センスの多彩さをあらためて思い知らされる。演奏においてはリズム面での
繊細なグルーブの構築を含めて、そのポストロック的なビジョンを描き出す力量もじつに見事だし、
またヴォーカルの表現力が上がったことで、歌もの部分での確かな説得力をしっかりともなっている。
誤解を恐れずに言えば、今DREAM THEATERよりも面白いのはこのバンドなのではないか。
表面的なテクニカルな展開力は控えめだが、それをちゃんと奥底で感じることができるのだ。
全てを出し切らなくともこれだけのものが作れるのだから、まったくおそるべきバンドである。
叙情度・・8 プログレ度・・8 内的センス度・・9 総合・・8
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The Mars Volta 「Noctourniquet」

アメリカの新世代プログレバンド、マーズ・ヴォルタの2012年作
2003年のデビュー作から6作目となる本作は、前作で聴かれた叙情的な作風に
エキセントリックなシンセアレンジを加えた、サイケ気味のモダンプログレサウンドを展開。
ときおりテクニカルなアンサンブルを挟みつつ、軽妙さの中に奇妙な偏屈さを感じさせるセンスとともに、
感情豊かに歌い上げるヴォーカルの表現力も、本作の重要な要素になっており、
薄暗い叙情性を繊細に描きながらも、じつにエモーショナルな聴き心地である。
ラウドな音作りも確信犯的で、他のどのバンドにも似ていないという個性はやはり素晴らしい。
ドラマティック度・・8 モダンプログレ度・・8アレンジセンス・・9 総合・・8
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Memories of Machines 「Warm Winter」

No-ManのTim BownessとNosoundのGiancarlo Erraによる、メモリーズ・オブ・マシンズの2011年作
プロデュースはスティーブン・ウィルソンで、想像通りのしっとりとした薄暗い叙情のサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジにもの悲しいヴォーカルの歌声が響きわたり、
アコースティックギターにピアノやチェロの音色が絡み、繊細な情感を描いてゆく。
優しく翳りのあるアンビエントなサウンドが好きな方なら気に入る作品だろう。
ロバート・フリップ、ピーター・ハミル、さらにはジム・マテオスといった多数のゲストが参加。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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MINSK「Ritual Fires of Abandonment」

アメリカのサイケ・ドゥームメタル、ミンスクの2007年作
ドゥーミィなダークさとポストロック的な壮大なビジョンで描かれるサウンドは
メタルというよりもむしろプログレ的な方法論であるだろうか。スピリチュアルな空間性に
神話性や宗教性も含んだ、サイケデリックな浮遊感とうねりのある重厚なサウンドが
渦を巻くようなイメージで脳を刺激する。ドラマティックな構築力はまだ次作ほどではないが、
13分、14分、15分という大曲3曲を含めて、バンドとしての可能性を感じさせる力作である。
ドラマティック度・・8 ドゥームサイケ度・・8 壮大度・・9 総合・・8
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MINSK「With Echoes in the Movement of Stone」

アメリカのサイケ・ドゥームメタル、ミンスクの2009年作
サイケデリック・ポストメタルとも、サイケ・ドゥームメタルとも呼ばれているようだが、
うねりのあるギターリフとともに、ポストロック的な壮大なビジョンを感じさせるサウンドは
ドゥームメタル的なダークさも含みつつも、むしろ独特の浮遊感があって面白い。
9分、10分という大曲も含めて、プログレッシブな雰囲気も感じさせるシンセアレンジや
ゆるやかに構築してゆく知的センスで、聴き手をぐいぐいと惹きつけてゆく。
プログレ的なドゥームメタル、あるいはヘヴィなポストロックとしても見事な力作。
ドラマティック度・・8 プログレッシブ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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MOGWAI「HAPPY SONGS FOR HAPPY PEOPLE」
スコットランドのソロアーティスト、モグワイの4th。2003作
初期の頃は轟音ギターの激しいサウンドであったそうだが、このアルバムは
全編しっとりとした静謐感に包まれた、メロディアスでやわらかなインスト作品となっている。
ピアノやシンセによる美しく広がりのあるアレンジで、そこにギターが加わりゆるやかに盛り上がってゆく。
楽曲は最長でも8分くらいなので、そう馬鹿に長いわけでもなく、全体的にはコンパクトな印象。
曲や展開にもの凄さは感じないが、ある意味シンフォニックでやさしく浸れるサウンド。
メロディアス度・・8 プログレ度・・6 しっとりゆるやか度・・9 総合・・7.5
Motorpsycho「Trust Us」
ノルウェーのロックバンド、モーターサイコのアルバム。1998作
デビューは1991年というかなりのベテランバンド。日本での知名度はさほど高くないが
その個性派のロックバンドとしてのセンスと質の高さには驚異的なものがある。
本作はCD2枚組みで、ガレージロック的なラフな生々しさを感じさせつつ
随所にポストロック的な壮大さと知的な構築力が光る好作。「Phanerothyme」以降のような
やわらかなメロディアスさは希薄だが、その分ロックとしての純粋な躍動感が感じられる。
メロディアス度・・7 ロック度・・9 壮大度・・8 総合・・7.5
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Motorpsycho「Phanerothyme」

ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの8th。2001作
コアなファンの間ではポップすぎると論議を呼んだアルバムのようだが、
確かに全体的にメロディの良さが光る、これまでになく明快な雰囲気のサウンドだ。
曲によっては優雅なオーケストレーションを使用したり、あるいは北欧のバンドらしく
メロトロンの音色を鳴らしながら、やわらかでキャッチーな歌メロで聴かせる。
ある意味ポストロック的な難解さや長尺の楽曲が持ち味でもあった彼らだが
本作ではぐっと分かりやすい音楽をやっていて、これが純粋に楽しめるのだ。
演奏力については折り紙つきのバンドであるから、こうしたコンパクトなサウンドでも
その音の説得力はその辺の有象無象のバンドとは格が違う。よく聴くとアレンジも緻密。
メロディアス度・・8 ロック度・・8 壮大度・・7 総合・・8
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Motorpsycho「It's a Love Cult」

ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの9th。2002作
前作同様、キャッチーなメロディをしっとりとした叙情に包み込んだ耳心地のいいサウンドで、
70'sロック、プログレ、ポストロックという色々な要素取り入れた器の大きさを随所に感じさせる。
基本はあくまでも3ピースによる、グルーブのある演奏を聴かせるシンプルなものだが、
自然体のやわらかさと、知的なセンス、細やかなアレンジを楽曲の中で効かせていて、
結果として非常に完成度の高い作品に仕上がっている。
また今作ではアコースティカルな素朴さもあって、繊細で優しい歌メロとともに、叙情的な
北欧ロックとして楽しめるのがよろしい。プログレリスナーにも充分アピールするアルバムだ。
メロディアス度・・8 繊細度・・8 壮大度・・7 総合・・8
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MOTORPSYCHO「Black Hole/Blank Canvas」

ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2006年作
2005年にドラマーのホーコンが脱退し、本作はベント(B,Vo,Dr)とハンス(G,Vo)の二人で作られた。
10作目のアルバムとなる本作はCD2枚組の大作であるが、1998年の「Trust Us」などに比べると
同じ2枚組でもより輪郭がくっきりとした、ロックとしてストレートな激しさが感じられる。
といっても、たんなるロックの範疇に入りきらないスケール感と、生々しい躍動感、
そして知的なセンスに包まれた、彼らならではのサウンドがたっぷり楽しめる。
Disc2の7曲目などは、泣きのギターのリフレインが北欧シンフォ的で感動的だ。
メロディアス度・・8 知的ロック度・・9 壮大度・・8 総合・・8
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MOTORPSYCHO「Little Lucid Moments」

ノルウェーのロックバンド、モーターサイコの2008年作
デビューは1991年というキャリアの長いバンドながら、日本ではあまりメジャーでないのが不思議。
前作「Black Hole/Blank Canvas」は彼らの作品にしてはドライでストレートな作風であったが、
本作は正式にドラマーを迎えて作られたということもあり、再び心地よいアンサンブルの妙が聴ける。
サイケ、ガレージロック的な生々しさと、抜群の演奏力からくる余裕ある軽やかさで、
大曲におけるビジョンの描き方はプログレ、ポストロック的な深みを感じ取れる。
レイドバックしたような古き良きロックのたたみかける勢いの良さと、自然体の浮遊感が合わさり、
知性的な構築と即興のバランス、甘すぎない叙情を含んだ、一体感の感じられる傑作だ。
壮大度・・8 古き良きロックの塊度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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MOTORPSYCHO「Heavy Metal Fruit」

ノルウェーのベテランロックバンド、モーターサイコの2010年作
前作「Little Lucid Moments」は、じつに素晴らしい出来だったのだが、
本作では、タイトルのように、よりヘヴィなアプローチを効かせた音作りになっている。
絡みつくようなヘヴィなギターに、メロトロンを含むシンセによるシンフォニックさが加わると
ANEKDOTENばりの重厚なシンフォニックサウンドに包まれる。もちろん彼らの持ち味である、
アンサンブルとしての一体感とサイケロック的な浮遊感覚もあり、自由度のある「ユルさ」を含めた
壮大さとメリハリも魅力となっている。大曲におけるじわじわくる盛り上がりは感動的ですらある。
北欧プログレ、北欧サイケ、北欧ポストロック…なんでもいいので、とにかく聴いていただきたい!
壮大度・・8 サイケ/プログレ度・・9 アンサンブル度・・10 総合・・8.5
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MUSE「ORIGIN OF SYMMETRY」
イギリスのメロディック・ロックバンド、ミューズの2nd。2001作
日本盤も出ていることから俗に言う「UKロック」バンドとしてはかなり知名度は高いようだ。
聴くのはこのアルバムが初めてだが、メタル聴きにとっても非常に聴きやすい音。
ピアノとVoのイントロに続き、けっこうヘヴィなギターリフが始まるのだが
雰囲気は明るすぎず暗すぎず、ひと言で言うとメランコリックロック的で、
クールさと人間臭さがいいバランスでブレンドされた音である。
時折声の裏返るヴォーカルが好みを分けるかもしれないが、
私としてはこの中性的な歌声こそがこのバンドの個性になっていると思う。
きらきらとしたキーボードとメランコリックなギターリフが心地よい。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 メランコリック度・・8 総合・・8
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NEGATIVE「SWEET & DECEITFUL」
フィンランドのゴシックロックバンド、ネガティブの2nd。2004年
1stが出たときは、そのルックスなどからけっこう話題になっていたが、
ゴシック…というよりは、メランコリックな雰囲気もあるメロディック・ロックといったサウンド。
美形ヴォーカリストヤンネの甘い歌声に、厚みはないがなかなかメロウなギター、
そこに2ndから加わったキーボードが曲の美しさを増している。
バンド名ほどにダークな部分は少なく、むしろ聴きやすい北欧ロックで
ゴシックメタル好きからすると物足りないかもしれないが、
キャッチーさとメランコリックさのバランスが良く、軽く聴けて楽しめるアルバムだ。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・5 フィンラン度・・7 総合・・7.5
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North Atlantic Oscillation「Grappling Hooks」

スコットランドのモダンプログレ・ロックバンド、ノース・アトランティック・オシレーションの2010年作
Porcupine Tree、Pineapple Theifに続き、新時代のモダンプログレパンドがデビュー。
ヴォーカル、ギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーとドラムという2人のユニットで、
エモ的なやわらかな叙情と、エレクトロがかったモダンなセンスを合わせたサウンドをやっている。
Sigur Rosを思わせるしっとりとしたやわらかな歌声に、楽曲にはポストロック的な壮大さもあり、
デジタルとアナログの両立というべき、調和のとれた聴き心地のいいミクスチャーロックである。
知的なプログレ風味も随所に覗かせつつ、あくまでモダンなバランス感覚で仕上げられている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンロック度・・9 総合・・8
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OCEANSIZE「Everyone Into Position」
イギリスの5人組エモバンド、オーシャンサイズの2nd。
1stは未聴、ぱっと聴きには普通のエモーショナルロックだが、よく聴けばリズムにプログレなアプローチがあったりする。
マイルドで(やや鬱な感じの)Voも含めて、全体的に非常にまとまっていて心地のよい音だ。
ギターワークはけっこう古めかしいリフなどもありわりとオーソドックス。ヘヴィ過ぎず、軽すぎずというバランスがいい。
スペイシーで広がりのあるシンセや、やや軟弱ぎみなコーラスワークなど、メロディアスな要素が組み合わさり聴きやすい。
大半の曲が6分以上というのも、バンドの方向性がムーディで感覚的な浮遊感を向いているからなのだろう。
やわらかみがあるサウンドは、適度な攻撃性を内包しつつも、バランスを保ったまま耳に馴染んでくる。
一方で静寂美の映えるシンフォロックな曲もあり、ポストロックとしての空間的な雄大さも表現しているのがあなどれない。
メロディアス度・・8 聴きやす度・・8 インパクト・・7 総合・・7.5
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OGRE「Plague of the Planet」

アメリカのドゥーム/ストーナーロックバンド、オウガの2008年作
ギター、ベース&ヴォーカル、ドラムの3人編成で、アナログ感たっぷりの
ストーナーサウンドで、本作はストーリーに基づいた 全1曲37分という作品。
70'ロック的なノリの良さと、ジャケのようなSF仕立てのサイケ的な雰囲気に
ときにオルガンなども絡んで、ある種プログレ的なドゥームロックを聴かせる。
派手なインパクトはないものの、ラストはなかなかドラマティックに盛り上げます。
ドラマティック度・・8 ドゥーム度・・7 アナログロック度・・8 総合・・7.5
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the pineapple thief「Variations On A Dream」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフの3rdの再発盤。2004/2011年作
やわらかなヴォールとしっとりとしたシンセワークで、ほの暗い叙情を聴かせるサウンドは、
Porcupine Treeなどの流れを組む、ポスト・プログレッシブともいうべきもので
やわらかみのあるメロウな聴き心地と、もの淋しい哀愁の表現が素晴らしい。
PTはもちろん、フランスのDemiansやドイツのRPWLなどがお好きならぜひ。
再発盤のDisc2には、2003年の10曲入りミニアルバム、「8 days」を収録。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 哀愁の叙情度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「10 Stories Down」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2005作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine
Tree系のバンドであるが
本家以上にプログレ寄りのサウンドで、個人的にはPTよりも好み。
本作でも、アコースティカルな叙情を織りまぜつつ、プログレ的なシンセワークと
優しいヴォーカルの歌声でしっとりと聴かせる楽曲はじつに耳心地がよい。
モダンな翳りの中にもキャッチーなメロディや、ヴァイオリンなども取り入れた
センスあるアレンジが心憎い。ラストは15分の大曲でゆるやかに盛り上げる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8
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the pineapple thief「Tightly Unwound」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2008作
薄暗い叙情で聴かせる、いわゆるPorcupine Tree系のサウンドだが、
こちらはもっとプログレ色が強く、変拍子入りの巧みなアンサンブルに
ポストロック的でもある深遠な世界観を折り込んでじっくりと構築してゆく。
それなりに技巧的でありつつも、サウンドのやわらかさを保っているのは
マイルドなヴォーカルの歌声と、静かなパートを自然に盛り込むアレンジのセンスだろう。
メロトロンの音色の使い方などは北欧のバンドのようでもあり、
随所にプログレファンを唸らせるものが散りばめられている。
ポーキュパイン系のファンはもとより、RiversideやANEKDOTENのリスナーなどにも勧められる。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 薄暗度・・8 総合・・8.5
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the pineapple thief「3000 Days」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのベストアルバム。2009作
2001年のデビュー作から現在までの楽曲をCD2枚組みで20曲収録。
Porcupine Treeタイプの薄暗い叙情を聴かせるバンドとして注目しているのだが、
こうしてあらためてバンドの初期の音源から聴いてみると、聴き心地のよい
自然体のゆるやかな叙情と、ポストロック的な雄大なシリアスさを同居させつつ、
しだいにプログレッシブなアレンジを効かせるようになってきているのが分かる。
とくに静かに盛り上がってゆく10分を超える大曲などは、聴きごたえありだ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple Thef「Little Man」
イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2010作
Porcupine Tree系としては頭ひとつ抜けたクオリティのこのバンド、
本作は入手困難であった2006年のアルバムのリミックス再発盤だ。
マイルドなヴォーカルの歌声と、薄暗い叙情を含んだけだるい世界観で聴かせる
モダンなサウンドはやはり耳心地がよい。ただ全体の完成度としては、
2008年の傑作「Tightly Unwound」にはまだおよばない。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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The Pineapple Thief 「Someone Here Is Missing」

イギリスのプログレバンド、パイナップル・シーフのアルバム。2010作
ベスト盤や再発盤を除くと、2008年の「Tightly Unwound」以来となるアルバム。
Porcupine Treeへの回答ともいうべき傑作であった前作に続き、本作もメロウな叙情と
モダンな軽妙さ、そしてプログレッシブな展開力を盛り込んだ、なかなかの力作だ。
しっとりとした繊細な美しさとともに、ところによりモダンなヘヴィ感覚も盛り込んでいて
いかにも現代的なミクスチャーロックでもある。自然体の作り込みが「らしい」仕上がりだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 繊細度・・8 総合・・8
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PORCUPINE TREE「Signify」
イギリスのロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーの4th。1996作
今でこそ、世界的にも人気を得ているこのバンドだが、ロックバンドとしての構築性を
曲の中ではっきりと前に出してきたのはこのアルバムからだろう。
次作「In Absentia」でよりメタリックなダイナミズムを打ち出してくるが、
このバンド本来のメランコリックな翳りある叙情は本作ですでに確立されている。
うっすらとしたシンセワークに、メロウなギターワークが耳に心地よい。
アルバムとしての完成度では後の2枚の方が高いだろうが、
ポーキュパインファンならば、これも聴いて損のない作品だろう。
メロディアス度・・7 メランコリック度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「warszawa」
英国の人気バンド、ポーキュパイン・トゥリーのライブアルバム。2001作
2001年ポーランド、ワルシャワでのステージを収録。いわゆるメジャーデビュー前のライブ。
2000年のアルバム「Lightbulb Sun」からの曲がメインであることもあり、
メタリックな質感はほとんどなく、ゆったり淡々とした雰囲気で演奏は進んでゆく。
「In Absentia」以降の曲に比べ、分かりやすいメリハリはあまりないが、
このバンド本来のPINK FLOYD的な鬱ぎみの浮遊感を感じ取ることができる。
メロディアス度・・7 ゆったり浮遊感度・・8 ライブ演奏・・8 総合・・7.5
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PORCUPINE TREE「IN ABSENTIA」
イギリスのプログレ・ロックバンド、ポーキュパイン・ツリーのメジャー第1作。2002作
彼らの音は、いうなれば、現代にマッチした憂鬱なメロディアスロック、ということになるのだろうか。
プログレメタルというほどテクニカルでもないし、厳密にいえばプログレでもない音だが、
DREAM THEATERやPAIN OF SALVATIONのダークな部分の質感にも通じるものがあり、
クールな情感とやや暗鬱な叙情をかもしだすサウンドには不思議な魅力もある。
内的世界の描写を淡々とした演奏で表すところなどはポストロック的で、
そういう点では現代版PINK FLOYDと表現されるのもうなずける。
あるいは、やわらかだが冷たい質感と、しっかりとロックとしてのビートを感じるところは
昨今エモーショナルロック言われるジャンルのバンドたちにも近いものがあるかもしれない。
メロトロン的なキーボードの使い方がどこか北欧的で、ANEKDOTENやPAATOS、
さらにはOPETHなどの静寂部分にも通じるものもあり、メロディアスだがメランコリックという
この「雰囲気」が気に入る方であれば心地よく聴ける音楽だろう。
メロディアス度・・7 プログレ度・・6 心地よい浮遊感度・・8 総合・・8
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PORCUPINE TREE「DEADWING」
イギリスのプログレ・ロックバンド、ポーキュパイン・ツリーのメジャー第2作。2005作
通算では9作目となる今作は、基本的にメジャーデビュー作の前作の延長線上で、
ゆるやかに、静寂感をともなったマイルドだがクールなサウンド。
ときおり現れるメタリックなギターがいいアクセントになっていて、
やはりメロトロンの使用やヴォーカルハーモニーの美しさも魅力となっている。
9分の大曲から始まるので、前作よりもプログレ的な雰囲気が強く感じる。
根底にある、メランコリックな軽い鬱的な部分が、浮遊感となって音に漂っていて、
誤解を恐れずに言うと、近年のDREAM THEATERの現代的なダークな部分に相通じるものも感じる。
けっして爽やかな音ではないが、身を任せるに心地よい空間を構築しているのは確か。
しっとりとピアノが美しいバラードや、メロトロンの鳴り渡るシンフォニックなアレンジも聴き所で、
前作よりもやや音に温かみがあるところが英国的にも思える。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・7 心地よい浮遊感度・・9 総合・・8
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PORCUPINE TREE「Fear Of A Blank Planet」

イギリスのメロディック鬱ロックバンド、ポーキュパイン・トゥリーのアルバム。2007作
メジャー3作目となる今作だが、いよいよその鬱サウンドには磨きが…いや翳りがかかり、
メロトロン音色をはじめしっとりとしたシンセワークと、ゆるやかなヴォーカルが繊細に響きわたる。
前2作にあった叙情メロディとメタリックな展開美は、今作では長い曲の中でやや影をひそめ、
ありていにいって、聴き込まないと良さが分からないというものになっている。
このような完全な非商業音楽がここまで売れているというのも、良く考えれば恐るべき事態だし、
こういう音楽を欲している人が多いのであれば、この世界は相当ヤバイのではないか…とすら思う(^^;)
もちろん、5曲めあたりは普通に美しいと思うし、全体的にもまあ嫌いではないのだが、
前作のように人に勧められるはっきりとした完成度から、さらに深みに入っている音なのでご用心を。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 ディープな鬱ロック度・・9 総合・・7.5
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Porcupine Tree「The Incident」

イギリスのモダン・プログレバンド、ポーキュパイン・トゥリーのアルバム。2009作
2002年のデビュー以降もコンスタントに作品を発表し、今や世界的な知名度を誇るこのバンド、
今作はなんと、14パートに分かれた55分に及ぶタイトル組曲をメインにした2枚組の大作。
鬱ぎみの薄暗ロック作品で賛否がはっきりとした前作に比べ、プログレッシブな雰囲気が戻り
クリムゾン風のヘヴィさとフロイド的な浮遊感を併せ、ポストロック的でもある内的志向の
ゆるやかな世界観構築を聴かせてくれる。派手な盛り上がりがほとんどない分、
前作以上に聴き手を選ぶ作品かもしれないが、この繊細な叙情とほの暗い雰囲気に
浸れる方にはこの上ない傑作となるかもしれない。Disc2はむしろオマケという感じ。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 内的叙情度・・8 総合・・8
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PROCESSION「Cult of Disease」
チリのメロディック・ドゥームメタル、プロセッションのミニアルバム。2008年作
ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムの3人編成で、スローテンポの楽曲に
メロディックなギターフレーズを乗せた、いわゆるエピック・ドゥームのサウンド。
CANDLEMASSタイプの聴きやすさがあって、ジャケのおどろおどろしさに比べて
音はずっと正統派なのでとっつきやすい。11分という大曲もギターのフレージングのセンスで
飽きずに聴かせてくれる。メロディックな感触はただのマイナーバンド以上に楽しめる。
ドラマティック度・・8 ドゥーミィ度・・7 正統派度・・8 総合・・7.5
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PROCESSION「Destroyers Of The Faith」

チリのメロディック・ドゥームメタル、プロセッションの2010年作
デビューミニもなかなかの出来であったが、1stフルアルバムとなる本作は
ぐっとサウンドの重厚さが増している。エピックに歌い上げるヴォーカルと
メロディアスなギターフレーズで、正統派メタル的な聴き心地も残しながら
7〜10分という大曲をドラマティックに聴かせる作風に磨きがかかっている。
叙情的な泣きのメロディも含めて、ドゥーム系以外のリスナーにも楽しめる出来だ。
ドラマティック度・・8 ドゥーミィ度・・7 正統派度・・8 総合・・8
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PURE REASON REVOLUTION「THE DARK THIRD」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2006年作
プログレ側のバンドとは知らずにまったくノーチェックであったが、
サウンドを聴くかぎり、薄暗い質感のシンフォニックロックとしても楽しめそうだ。
PINK FLOYD的な浮遊感ある楽曲に、男女Voの歌声が重なり
内的宇宙を感じさせる広がりのあるシンセアレンジがなかなか魅力的。
PORCUPINE TREE系のオルタナシンフォとポストロックの中間に位置する雰囲気であるが、
女性Voがよいアクセントになっているので、むしろゴシックロック風な美しさが前に出ていて聴きやすい。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 うす暗浮遊感度・・8 総合・・7.5
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Pure Reason Revolution 「Amor Vincit Omnia」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2009年作
前作はPINK FLOYD+Porcupine Treeというイメージの作品であったと思ったが、
今作では冒頭からデジタリィなアレンジを大胆に取り入れていて、
テクノのようなピコピコのシンセ音を確信犯的に使いながら、
まるでかつてのROXY MUSICもかくやというようなサウンドを聴かせる。
機械的なビートに乗る男女ヴォーカルの歌声と、コーラスワークの重ねも
絶妙という他はなく、この「古めかしいモダンさ」の再現はある意味で職人技だ。
もちろんロック的な躍動感や、ポストロック風味も健在で、UKロック的なマイルドさに加え
古くささをお洒落なまでに変換させるこのアレンジセンスには脱帽である。
メロディアス度・・8 レトロなデジタリィ度・・8 アレンジセンス・・9 総合・・8
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「Hammer & Anvil」

イギリスの新世代ロックバンド、ピュア・リーズン・レヴォリューションの2010年作
Porcupine Tree風味のプログレ色を覗かせた1作目、エレクトロなアレンジを大胆に取り入れた2作目、
そして本作では、これまであったエレクトロ色とインダストリアルな質感が増したサウンドになっている。
女性ヴォーカルの歌声を前に出し、プログレ要素がなくなった分だけ、ある意味で分かりやすい作風になった。
モダンなインダストリアルロックでありながら、音の中に知的な洒落っけがあるのは、やはり彼らならではだ。
メロディアス度・・8 モダンロック度・・9 アレンジセンス・・9 総合・・8
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QOPH「Pyrola」
スウェーデンのロックバンド、クォフのアルバム。2004作
北欧、とくにスウェーデンのプログレ/ロックシーンは本当に奥が深い。
このバンド、いまや北欧プログレの代表格、ANEKDOTENとも交流があるバンドで、
メンバーはG、B、Dr、Voのオーソドックスな4人組。肝心の音の方は一筋縄ではいかない、
どちらかというとプログレというよりは、サイケやアシッドといった言葉が最初に浮かぶ。
古いのか新しいのか、一聴しただけでは判別しずらい音だ。
おそらくライブではインプロやジャムのノリで熱い演奏を繰り広げそうな、
そんな自然体のスタイルと楽しさとが伝わってくるようだ。
曲によってはキャッチーでポップですらあるメロディも出てくるが、
多面性のある音の表情からはポストロック的な広がりも垣間見える。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 雑食度・・8 総合・・7.5
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THE RASMUS「DEAD LETTERS」
フィンランドのメロディックロックバンド、ザ・ラスマスの5th。2004作
フィンランド、という地から想像される、ゴシックメタル的要素をメロディに有した
いわば、メランコリック・ロックという呼び名が適当かもしれない。
メロディアスでありながら、どこか寒々しく、哀愁に溢れているというサウンドは
最近のトレンド…というか時代性であろうか。MUSEあたりにも通じるモダンな雰囲気もあるが、
こちらの方がもう少しメタル寄りで北欧的かもしれない。
ゴシック・ロック、メランコリック・ロック、フィンランドにはこうしたバンドがとても似合う。
日本盤には、ボーナス曲4曲に、PCで再生可能なビデオクリップが2曲収録されている。
メロディアス度・・8 メランコリック度・・9 ゴシックメタル度・・7 総合・・8
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The Rasmus「Hide from the Sun」

フィンランドのメランコリックロックバンド、ラスマスの2nd。2006作
1stアルバムのブレイクで、一躍メジャーバンドに躍り出た彼らだが
今作もいかにもフィンランドらしい哀愁のメロディを漂わせた好作だ。
3〜4分台のコンパクトな曲には難解さはなく、ロックとしてのノリを持たせながら
マイルドなヴォーカルがもの悲しいメロディラインを歌い上げてゆく。
キャッチーな聴きやすさと、メランコリックな情緒のバランスが見事だ。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 メランコリック度・・8 総合・・8
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The Rasmus「Black Roses」

フィンランドのメランコリックロックバンド、ザ・ラスマスのアルバム。2008作
傑作となった5th「Dead Letters」から、日本での人気も高まってきているが、
本作は通算7作目のアルバムとなる。サウンドは前2作と同様に
メランコリックな哀愁の叙情とキャッチーな聴きやすさのバランスが見事。
ヘヴィすぎず軽すぎず、ハードロックリスナーから一般のUKロックなどの
リスナーにも対応しつつ、グルーブ感のある薄暗系ロックに仕上げている。
いくぶんモダンなアレンジにあざとさが見られるが、安心して楽しめる好作だ。
メロディアス度・・8 哀愁度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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RED FANG「Murder the Mountains」
アメリカのストーナーロック、レッド・ファングの2011年作
アナログ感覚たっぷりのヘヴィなストーナーサウンドを軸に
70年代ハードロックの勢いや、プログレ風味も覗かせる作風で
ノリのよいシンプルな音の中にも、緻密なアレンジ力を感じさせる。
ギターリフのセンスの良さも含めて、メタルファンにも楽しめるだろうし、
SPIRITUAL BEGGARSにも通じるハード系ストーナーロックの力作です。
メロディアス度・・7 アナログ度・・8 70's度・・8 総合・・7.5
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SIGUR ROS「Agaetis Byrjun」
アイスランドの癒し系エモバンド、シガー・ロスの2nd。2001作
ふんわかしたゆったりめの曲に、優しく気だるげなヴォーカルの歌声。
日常から乖離した夢見がちで儚げなサウンドは、うっとりとしつつ冬の昼間に聴くのにぴったり。
プログレとも、ロックとも単なるVoものともジャンル分けはできないが、このたゆたうような浮遊感は、
しっとり系音楽好きのプログレ聴きには、静謐系たおやかシンフォとして紹介も可能。
まるで母の胎内のような優しい内的宇宙を感じながら、午睡のひとときにもいかがかと。
シンフォニック度・・8 うっとり度・・10 しっとり度・・9 総合・・7.5
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Sigur Ros「()」

アイスランド出身のエモバンド、シガー・ロスの3rd。2002作
儚げな夢見サウンドで新境地を作り上げた、癒し系エモというべきこのバンド。
本作もゆるやかなピアノの音色にうっすらとしたストリングス、
コーラスなのかスキャットなのか、眠った赤子を起こさぬような
優しく声を乗せるヴォーカル…なにもかもが繊細で優しい音楽だ。
シンフォニック度・・7 ロック度・・7 繊細度・・10 総合・・8
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Spiritual Beggars「Mantra III」

スウェーデンのストーナーロックバンド、スピリチュアル・ベガーズの3rd。1998作
ARCH ENEMYのマイケル・アモットによる70年代ドゥームロックへのオマージュ的なバンドとして
スタートしたこのバンド。本作は出世作にして初期の最高作というべきアルバム。
生々しいギターリフとハネるリズム、CATHEDRALのようなアナログ感覚は、
現在のレイドバックブームの先取りでもあったといえる。サイケ気味の能天気さもGood。
メロディアス度・・7 アナログ度・・8 ストーナー度・・8 総合・・8
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Spiritual Beggars「Ad Astra」

スピリチュアル・ベガーズの4th。2000作
前作同様、生々しくも勢いのある躍動感で、グルーヴィーにストーナーロックを描き出す。
随所にシンセによる音の厚みが加わって、うねりを帯びたバンドサウンドが熱情的にまとわりつく。
古き良きハードロックとしての格好よさに、現代的なヘヴィネスをひとつまみ加えたような力作だ。
メロディアス度・・7 アナログ度・・8 ストーナー度・・8 総合・・8
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Spiritual Beggars 「On Fire」

スピリチュアル・ベガーズの5th。2002作
オリジナルメンバーのスパイスが脱退し、代わりにGRAND MAGUSのJBが加入、
サウンドのは、前作の重さをいくらかやわらげ、より70年代的なアナログ感覚で聴かせる。
オルガンやメロトロンなどのシンセワークも効果的に楽曲を彩っていて、耳心地の良さという点では
プログレ的にも楽しめたりする。渋みのあるJBの歌声もバンドサウンドにマッチしていて、
すでに溶け込んでいる。メロディアスさの点では前作を上回っており、個人的にも好きな作品。
メロディアス度・・8 アナログ度・・8 プログレ的度・・8 総合・・8
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Spiritual Beggars 「Demons」

スウェーデンのハードロックバンド、スピリチュアル・ベガーズの6th。2005作
オールドなギターリフとグルーブ感覚で聴かせる懐古主義的なサウンドは
前作の延長であるが、 ヘヴィな音像の合間にメロディアスなギターフレーズを織り込むなど
モダンなメタル的な手法を加えたことで、前作以上にハードな作品となっていて、
その点ではメタルリスナーには嬉しい作風であろう。一方では、ミステリアスな雰囲気もあり、
プログレ的な美しいシンセワークも含めて、随所に壮大さを感じさせる音の迫力が増している。
古き良きHR精神を追求しつつ、メタルの力強さとスケール感を同居させた力作である。
メロディアス度・・8 メタリック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Spiritual Beggars「Return To Zero」

スピリチュアル・ベガーズの7th。2010作
JBに代わって新ヴォーカルにアポロが加入、ジャケはいかにもサイケデリックであるが、
サウンドの方は前作のヘヴィさを保ちつつ、初期のドゥーム/ストーナーに回帰したような
比較的シンプルなリフで聴かせる部分が増しおり、オルガンなどのシンセワークも含めて
古き良きハードロックでありつつ、部分的にはヘヴィなサイケロックとして楽しめたりもする。
楽曲のインパクトが弱い気もしなくもないが、逆を返せばじつに自然体で作られたアルバムで、
マイケル・アモットの長年培われたビジョンが、力を入れすぎずに適度なユルさで表現されている。
メロディアス度・・8 メタリックサイケ度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Thieves & Liars「When Dreams Become Reality」

アメリカのロックバンド、シーヴス&ライアーズの2008年作
ギター、ベース、ドラムのトリオ編成で70年代スタイルのロックを再構築するサウンドは、
LED ZEPPELIN、PINK FLOYD、AC/DCなどが引き合いに出されるようだが、
確かに単なる古き良きロックというだけではなく、8分、9分という大曲を構築するアレンジセンスもあり
数曲で聴けるブリティッシュロック風味のオルガンやヴァイオリンなどの音色もよい感じだ。
基本はノリのよいギターリフで聴かせるシンプルなロックであるが、知性的な側面も備わった好作品。
ドラマティック度・・7 アナログ度・・8 古き良きロック度・・9 総合・・8
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THIEVES & LIARS「American Rock 'N' Roll」
アメリカのロックバンド、シーヴス&ライアーズの2nd。2009年作
2008年にデビューし、LED ZEPPELINやAC/DCなどを思わせるサウンドで評判を呼んだが、
本作はタイトル通り、アメリカン・ロックンロールを全面に出したサウンドだ。
三人編成ということで、無駄を削ぎ落としたストレートで一体感のある生々しいグルーブ感と、
ブルージーなアナログ感覚が、AC/DCなどオールドなロックを愛するものにはたまらないだろう。
メロディアス度・・7 アナログ度・・9 古き良き度・・9 総合・・8
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Thomas Giles「Pulse」
Between the Buried and Meのトーマス・ジャイルズのソロ作。2011年作
BTBAMの方は展開の多い、カオティックなスタイルで聴かせるサウンドであるが、
本作はむしろ、薄暗い叙情を漂わせたモダンなエモ風の質感で、
適度なヘヴィさと、シンセを含めたプログレッシブなアレンジも含めて、
耳心地よく楽しめる。やわらかなヴォーカルで聴かせる素朴な楽曲などもあり
BTBAMとはまた違った彼の魅力を発見できる好作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダンロック度・・8 総合・・7.5
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3「Ghost You Gave to Me」

アメリカのプログレッシブ・エモーショナルロック、スリーの2011年作
COHEED AND CAMBRIAを思わせるエモーショナルなキャッチーさが光るサウンド。
メロディックなギターのフレーズと、センスのよいシンセアレンジとともに、
知的に構築されるサウンドは軽すぎずヘヴィすぎず、とても耳心地がよい。
もの悲しい叙情で聴かせるドラマティックな楽曲もあり、ProgMetal好きにも楽しめる傑作だ。
ヴォーカルは、実際にCOHEED AND CAMBRIAメンバーの兄ということで納得。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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...And You Will Know Us by the Trail of Dead「Source Tags & Codes」

アメリカのロックバンド、トレイル・オブ・デッドの3rd。2002作
伝統的なロックとモダンなラウド風味、そしてエモ的な叙情を重ねた
新時代のロックバンドというべきサウンド。本作がメジャーデビュー作となる。
広がりのある音作りにはポストロック的な壮大さも感じさせ、
知的な構築性はプログレ系のリスナーなどにも楽しめるだろう。
メロディアス度・・8 壮大度・・8 構築度・・9 総合・・8
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...And You Will Know Us by the Trail of Dead「Worlds Apart」

アメリカのロックバンド、トレイル・オブ・デッドの4th。2005作
一聴して前作以上に楽曲にメリハリがつき、ダイナミックさが増している。
エモーショナルロック的な聴き心地の良さと、不思議なスケール感をともなった世界観は、
ストリングスやコーラスなどの緻密なアレンジも含めて隙がなく、
ハイセンスなモダンロック/プログレとして楽しめるだけの完成度がある。
メロディアス度・・8 壮大度・・9 構築度・・9 総合・・8
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...And You Will Know Us by the Trail of
Dead「Century of Self」

アメリカのロックバンド、トレイル・オブ・デッドの2009年作
ラウドロック、ポストロック、プログレなど、多様な要素とともに構築される、ダイナミックなロックを
描き出すこのバンド。本作は6作目で、物語的なジャケ、イラストに想像力をかきたてられるが、
サウンドの方も壮大なスケール感とプログレッシブな展開力、知的なアレンジに彩られた傑作。
ストーナー的なアナログ感覚をかもしだしつつ、ビジョンを描きだすポストロック的な構築力が見事。
演奏における躍動感とダイナミズム、時の移りゆくようなゆるやかな叙情性を同居させながら、
聴き手のイメージ力を惹きつける強固な世界観で、音楽という物語を織り上げてゆく。圧巻の傑作!
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 壮大度・・9 総合・・8.5
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...And You Will Know Us By the Trail of Dead「Tao of the Dead」

アメリカのロックバンド、トレイル・オブ・デッドの2011年作
今作もまるで映画作品のようなジャケや豪華なブックレットだけでもワクワクするが、
サウンドの方も前作の流れで、壮大なドラマ性を描くようなスケール感が素晴らしい。
アルバムは2部構成となっていて、PART1は35分、PART2は16分におよぶ組曲で、
起伏に富んだ展開と、叙情性、そしてもちろんロックとしての躍動感に富んだダイナミズムが光る。
この手法はまるでプログレッシブロックのスタイルであるのだが、プログレ、ポストロックのリスナーなどにも
楽しめるだけの普遍性を有している。大作を描ききる実力とセンスとは、やはり並のバンドではない。
音に難しさはない。つまりは、ひとつのロックバンドが偉大なドラマを作り上げたということである。
限定盤の2枚組には、トラックの分かれた38分のバージョンに加え、33分におよぶデモを収録。
ドラマティック度・・9 プログレな感性度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Tyondai Braxton「Central Market」

ポストハードコアバンド、BATTLESのタイヨンダイ・ブラクストンのソロアルバム。2009作
バトルスの方はよく知らないのだが、ここで聴けるサウンドは、インスト中心の
クラシカルなチェンバーロックとカラフルなポップ感覚の同居というべきもので、
ポストロック、プログレ、アヴァンポップと、どの耳で聴いても楽しめる。
ときに壮麗なシンフォニックさと、おもちゃ箱をひっくり返したようなきらきらとした
先の読めない面白さがあり、風変わりなサントラ的なイメージ豊かな音像である。
アヴァンギャルドさが前に出すぎて、全体的な統一感がやや薄いきらいもあるが、
柔軟な耳で音楽の可能性を楽しむリスナーにはわくわくできる作品だろう。
メロディアス度・・8 アヴァンポップ度・・8 カラフル度・・9 総合・・8
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we vs. death「We Too Are Concerned」

オランダのポストロックバンド、ウィ・ヴァーサス・デスのアルバム。2007作
オランダというとシンフォ系プログレやメロディアスハードのイメージが強いのだが
こうした空間的な音を出すポストロックバンドもいたのかと、少し驚いた。
基本はオールインストで、薄暗さを漂わせるサウンドは音数はシンプルながらも
内的な広がりを感じさせ、そこに重なるトランペットの音色が哀愁を添える。
ぱっと聴きにはジャケのように地味で、モノトーンの寂しい情景を思い描きながらも
どこか引き込まれるような奥深い世界観があって、これはなかなか気に入った。
メロディアス度・・7 静寂の叙情度・・8 内的世界観度・・9 総合・・8
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yndi halda「enjoy eternal bliss」

イギリスのポストロックバンド、インディ・ハルダの2006年作
ヴァイオリン奏者を含む5人組で、静謐感をただよわせながら、ゆるやかな叙情を聴かせるサウンド。
全編歌なしのインストで、曲もどれも10分以上と長く、静かに盛り上がってゆくところは、
かつてのGod Speed You Black Emperorを思わせる雰囲気もある。
ただGSYBEに比べると、もっとメロディアスで難解なところがないぶん、耳心地がよく、
ランドスケープ・ロックともいうべき、自然な情景を描くような優しさがある。
ドラマティック度・・7 壮大度・・8 ゆったり叙情度・・9 総合・・8
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