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HEAVY METAL CD REVIEW 2012
by 緑川 とうせい
★2012年に聴いたメタルCDのレビュー(過去3カ月以内のものです)
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*ゲルマン系フォーク・ペイガンメタル特集ページ
作りました!(70)
Scarcross「Freidenker」

ドイツのプログレッシブ・ペイガンブラック、スカークロスの2011年作
シンセを含む4人組で、ペイガンブラック的な土着性とプログレッシブな大作志向のサウンド。
激しく疾走するだけでなく、メロディックなギターフレーズやアコースティックな叙情も盛り込んだ
静と動の緩急をつけたアレンジで、16分、12分という大曲を構築してゆくセンスはなかなかのもの。
基本はダミ声ヴォーカルながら、ときおりドイツ語による勇壮な歌声も聴かせるなど、
ゲルマンメタルとしての世界観もよい感じだ。総じてドラマティックで好みのサウンドであるが、
現時点ではまだ楽曲と演奏にやや粗さがあるので、今後のさらなる成長に期待したい。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 ゲルマン度・・7 総合・・7.5
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SALTATIO MORTIS「Sturm Aufs Paradies」

ドイツの古楽フォークメタル、サルタティオ・モーティスの2011年作
SUBWAY TO SALLYと並ぶ、ゲルマン・トラッドメタルを代表するこのバンド、
8作目となる本作も、ドイツ語のヴォーカルとフォーキーなパイプの音色を響かせつつ
適度なヘヴィさを盛り込んで、勇壮かつエピックな世界観を聴かせてくれる。
武骨さの中にある叙情的な気心地がこのバンドの持ち味で、そのバランスの良さが
サウンドの質の高さとなっている。中世を思わせるゲルマン・トラッドメタルの傑作です。
エピック度・・8 メタル度・・7 ゲルマン度・・9 総合・・8
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INGRIMM「Ihr Sollt Brennen」
ドイツのフォークメタル、イングリムの1st。2007年作
比較的オーソドックなメタルサウンドを基本に、ドイツ語の歌声と、ときおりパイプや笛の音色が絡む、
いわばフォーク気味のゲルマンメタル。垢抜けない質感は初期のIn Extremoに近いかもしれないが、
こちらはそこにパワフルなジャーマンメタル要素が加わっている。フォーク要素がもっと増えるとよいね。
ドラマティック度・・7 フォーキー度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・7.5
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INGRIMM「Boses Blut」

ドイツのフォークメタル、イングリムの3rd。2010年作
フォーキーなパイプの音色とヘヴィなギターが合わさり、ドイツ語の歌声で聴かせる
パワフルなフォークメタルは、デビュー時よりもぐっとメロディアスに洗練されてきて、
メタル的な激しさと牧歌性のコントラストがよりくっきりとなった。重厚なヘヴィさと、
ゲルマンな民族性が上手く融合され、サウンドの説得力が高まってきている。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・7 ゲルマン度・・8 総合・・8
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WOLFCHANT「Call of the Black Winds」
ドイツのペイガンメタル、ウルフチャントの2011年作
2人の男Voとシンセを含む7人編成で、ツインギターのメロディとスクリームヴォイスに
勇壮なノーマルヴォーカルもまじえて聴かせる、エピックなペイガンメタルサウンド。
フォーキーというほどには土着的ではないが、いくぶんのヴァイキング風味と
曲によってはドイツ語の歌声も含んだ、中世ゲルマン的な味わいが楽しめる。
ときおりシンセによる壮麗なアレンジもあって、ドイツ版TURISASという雰囲気もあるのだが、
楽曲やメロディ自体にもうひとつ突き抜けた魅力といか、インパクトが欲しい気がする。
ドラマティック度・・8 ペイガン度・・7 ゲルマン度・・7 総合・・7.5
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Die Apokalyptischen Reiter「Soft and Stronger」

ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの1st。1997年作
のちのシアトリカルな完成度に比べ、本作の時点ではまだ「変態的なブラックメタル」という感じが強い。
ただ、シンフォニックといってもよいシンセアレンジと、どこかフォーキーで牧歌的なメロディを乗せて疾走しつつ
随所にメロウなギターフレーズを織り込んだり、ときに勇壮なヴォーカルパートで歌い上げるなど、
そのとりとめのなさと濃密な感じは、すでに確立しているのがさすがこのバンドである。
ブラックメタル的な激しさから唐突にフォークメタルへと変わるそのヘンテコさに思わずにんまりします。
低音デスヴォイスとダミ声ブラックのヤケクソ気味の掛け合いもなんかすごいし、
「メタル、ウィル、ネヴァー、ダァ〜イ!」という力強い叫びは、恥ずかしさを通り越して格好よい。笑
ちなみにこれは2003年の再発盤で、ボーナスが3曲追加され、ジャケも変わっているようです。
ドラマティック度・・8 濃密度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「All You Need Is Love」

ドイツのシアトリカル・ブラックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの3rd。2000年作
本作では、のっけからけっこう真剣な感じでブラックメタル度がアップしています。
シンフォニックな美しさに、ギターの泣きメロがじつにいい感じで、ヘンタイ度が薄れた分、マトモに楽しめるのですが
やはり随所にフォーキーな感触やエピックな世界観、そしてどこかプログレッシブな知性を感じさせるアレンジ力で、
只者ではない懐の深さを感じさせてくれます。ラストの10分超の大曲は、後半がまるでジャーマンプログレのようです。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ヘンタイ度・・7 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「SAMURAI」

ドイツのシアトリカル・エピックメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイター5th。2005年作
サウンドはいよいよ力強くなり、ドイツ語による歌声とともに、エピックな重厚さに説得力が加わってきた。
メタルとしてのパワフルでメロディアスな聴き心地に、ときにキャッチーでシンフォニックな風味もまじえつつ
なにものも恐れぬ勢いで突き進む。ブラックメタルばりの激しさから叙情パートへの極端なまでの切り返し、
それを冗談のように本気でやっていて、このごった煮感覚というものは、聴き手をにやにやさせる。
初期に比べていくぶんモダンなアレンジが加わっていて、それを洗練ととるのか、ヘンタイととるのか、
正直、それすらもどうでもいい。彼らなら、なにをやっても許されるのだ。そう思えるような力作。
ドラマティック度・・8 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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Die Apokalyptischen Reiter「Riders on the Storm」

ドイツのシアトリカル・エピック、ディ・アポカリプティシャン・レイターの6th。2006年作
どのアルバムの濃密で、ある意味ハズレがないというこのバンドであるが、本作もまた素晴らしい。
のっけからエピックなゲルマン魂で激しくたたみかけてきますよ。シンフォニックで大げさで、
暑苦しくてキャッチーでありつつ、そこに本気の叙情も感じられる。中世的なロマンティシズムに
シンフォニックメタル要素と、モダンなヘヴィロック感覚と分裂症気味の唐突さでもって、
ごった煮なのに嘘くさくないという、その力押しのシアトリカルメタルは、完成の域に近づいている。
素晴らしい、すごい、にんまりだ…あらゆる賛辞を贈りたくなるが、ちょっと待てよおい、と我に返る。傑作。
ドラマティック度・・9 濃密度・・9 ヘンタイ度・・8 総合・・8.5
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RAGNAROEK「RACHE」
ドイツのフォークメタル、ラグナロクの2009年作
鳴り響くパイプの音色にドイツ語の歌声で、SUBWAY TO SALLYや
SALTATIO MORTISなどに通じる雰囲気のゲルマン・トラッドメタル。
ヘヴィなギターと土着的なメロディに、ダミ声のヴォーカルが合わさった武骨な味わいとともに、
ときおりアコースティカルな叙情とともに、中世を思わせるロマンも感じさせるサウンドだ。
メロディアス度・・7 中世トラッ度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・7.5
Corvus Corax「Venus Vina Musica」
ドイツの古楽バンド、コーヴス・コラックスの2006年作
デビューは1989年というベテランであるが、情報もあまりない、謎に包まれたバンド。
本作では、ドイツ語による詠唱のようなイントロから、パイプの音色が鳴り響き、
パーカッションのリズムとともに、中世の祝祭を思わせるサウンドを繰り広げる。
ギターやドラムなどは入らないので、メタルというよりは、激しめの中世音楽という趣だ。
修道士を思わせる滔々とした歌声や、パイプの響きに中世のロマンを感じる世界観である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・1 中世度・・9 総合・・7.5
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KAMPFAR「Heimgang」
ノルウェーのペイガンブラック、カンプファーの2008年作
北欧らしい土着的なギターフレーズを乗せて、古めかしいブラックメタルスタイルで疾走。
音質のぼやけ方も含めて、所期のBURZUMとか、90年代ブラックの薄暗い感触がある。
媚びのないプリミティブな雰囲気と、マイナー臭さも含めてマニア向けのアルバムだろう。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 北欧度・・8 総合・・7.5
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KAMPFAR「Mare」

ノルウェーのペイガンブラック、カンプファーの2011年作
神秘的なジャケが印象的だが、サウンドの方も前作以上に音の厚みが増し、
シンフォニックな要素も加わった、ミスティックなメロディックブラックを聴かせてくれる。
プリミティブな勢いでは前作だが、サウンドの説得力と完成度はずっと上がっており、
疾走する曲などはEMPERORあたりにも通じるだろう。キターのリフも魅力的になり、
北欧らしい土着的な雰囲気とともに、ミステリアスな美しさが楽しめる力作です。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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HEOROT「RAGNAROK」

フィンランドのヴァイキング・フォークメタル、ヘオロットの2007年作
フォーキーな笛の音色とアコースティックギターのイントロから、曲が始まると、
武骨なダミ声ヴォーカルとともに疾走、ときおりブラストも入りつつ、激しさと愉快なフォーク風味が
同居したスタイルで、いうなれば「ときどき戦士にもなる森の木こり」というようなイメージだろうか。
ぴーひゃらと鳴り響く笛を乗せて疾走するところは、どことなく可愛い感じもありますが、
曲によってはMOONSORROWのような勇壮さも聴かせてくれる、なかなかの好作です。
メロディアス度・・8 ヴァイキング度・・7 フォーキー度・・8 総合・・7.5
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Rauta「Haudanmaa」

フィンランドのフォークメタル、ラウタのアルバム。2007年作
女性ヴァイオリン奏者、アコーディオン奏者を含む6人組で
のっけから優雅なアコーディオンの音色に、ギターとヴァイオリンが重なり、
北欧トラッド調のメロディを奏でてゆく、やわらかなフォークメタルサウンド。
母国語で歌うヴォーカルはマイルドなノーマルヴォイスで、
この軽やかな聴き心地は、むしろプログレファンなどでも楽しめそう。
激しさよりも優雅なアンサンブルで、北欧土着メロディが楽しめる傑作です。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・9 北欧度・・9 総合・・8
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2/3
ナイトウィッシュにラブリーに(55)
Nightwish「Imaginaerum」

フィンランドのシンフォニックメタル、ナイトウィッシュの2012年作
看板であったターヤの脱退により、新シンガーを迎えた前作は、ファンの間では賛否を呼びながらも
バンドとしての楽曲のバリエーションを広げる力作であったことは確かであろう。
オルゴールの音色からしっとりと始まる本作は、映画と連動した作品ということで、
全体的にはシアトリカルな雰囲気が強まっているが、彼ららしいシンフォニックな美麗さと、
キャッチーなメロディにアネットの歌唱がよくマッチしていて、クオリティの高さはさすがというところ。
よりメジャー感のある、いわばポップな感触も含みながら、随所にマルコの武骨な歌声が加わることで
ヘヴィな奥行きも残しつつ、曲ごとに物語の場面を想起させるように、インスト曲やバラード、土着的なメロディもまじえた
前作と同じくバラエティに富んだ作風である。13分の大曲などはほとんど映画の語りのようで、
シンフォニックメタルとしてはややもの足りないのだが、これはこれでしっとりと楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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LIGHT BRINGER「Genesis」

日本の女性Voハードロックバンド、ライト・ブリンガーの2012年作
3作目のフルアルバムで、メジャーデビュー作となる本作は、前作「Midnight Circus」における
シンフォニックな美麗さを残しつつ、よりキャッチーな聴きやすさが増したという印象の力作。
確かな演奏力によるテクニカルな側面と、緻密なアレンジに支えられた楽曲は
紅一点、Fuki嬢の爽快なヴォーカルが乗せられて、華やいだパワーにあふれてゆく。
随所にポップなほどの感触も聴かせながら、シンフォニックメタル的な激しさも含んでいて
先行シングルとなった“noah”の完成度や、ポジティブでキャッチーな好曲“merrymaker”
Fuki嬢の新たな歌唱スタイルを聴かせる、陰陽座を思わせるようなハード曲“espoir”、
そしてラストのメロスピ的な疾走曲“Love You”まで、堂々たるクオリティの充実作である。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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GUARDIAN HACKER「The Lastman Standing」

日本のヘヴィロックバンド、ガーディアン・ハッカーの2011年作
ジャケを見るとアキバ系バンドになったのかと思ったが、内容の方はちゃんとしてます。
ヘヴィなギターワークとメランコリックな質感に、情感豊かな女性ヴォーカルで聴かせるスタイルは
随所にシンフォニックなアレンジや男性スクリームもまじえ、前作以上に音に厚みが加わってきた。
定型にとどまらない音程のエキセントリックな歌唱は、その危うい感じが好みを分けるだろうが、
ハスキーな声質を含めて、ひとつの個性といってもよいだろう。完成形まであと一歩というところ。
メロディアス度・・7 ヘヴィロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Entrails「Tomb Awaits」

スウェーデンのデスメタル、エントレイルズの2011年作
もうジャケからして、かつてのENTOMBEDみたいなんですが、サウンドもそのENTOMBEDや
DISMEMBERを思わせる、90年代風味のスウェディッシュデスメタルで思わずにんまり。
ザクザクとしたギターリフと低音のデスヴォイスを乗せながらスラッシーに疾走しています。
ギターは随所にメロディのあるフレーズを聴かせつつも、甘すぎないところがミソで、
そのあたりのセンスの良さはEDGE OF SANITYあたりに近いものも感じますね。
このジャケになにかなつかしさを覚えるような方は、まず聴いて間違いはないです。
ドラマティック度・・8 北欧デス度・・8 オールドデス度・・9 総合・・8
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Quinta enmienda「Ne bis in idem」

スペインのメロスピバンド、クインタ・エンミエンダの2010年作
美麗なシンセアレンジとスペイン語の歌声を乗せて疾走するサウンドで
所期のWARCRYあたにり通じる、クサメロ満載のメロスピ具合が気持ちいい。
ヘヴィさよりも軽めの疾走感で、サビでのキャッチーなほどの歌メロに、
ギターフレーズのクサっぷりもかなりのもの。これはクサメタラーは歓喜の1枚!
メロディアス度・・8 疾走度・・8 スパニッシュ度・・8 総合・・8
Dawn of Silence「Moments of Weakness」
スウェーデンのメロディックメタル、ドーン・オブ・サイレンスの2009年作
ツインギターの正統派なリフで聴かせる、IRON MAIDENタイプのサウンド。
適度にハイトーンな歌声と、古き良き感触を伝えるメロディアスさでなかなか質は高い。
インパクトはさほどではないが、いまどき珍しいくらいの正統派メタルです。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 正統派度・・9 総合・・7.5
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SAMAN
ハンガリーのメタルバンド、シャマンの2005年作
ツインギターのリフとパワフルなヴォーカルで疾走する正統派メタル。
RIOTを思わせるようなドラマティックかつ古き良きメタルサウンドに、
母国語の歌声が合わさって、いくぶんの辺境が味になっている。
オールドメタルファンならにんまりのギターのフレーズも随所に聴かせつつ、
パワフルなヴォーカルも含め、地域性を考えればけっこうクオリティは高い。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
Folkearth「Fatherland」
フォーク/ペイガンメタルプロジェクト、フォークアースの6作目。2008年作
今作は7ヶ国11名のメンバーが参加し、相変わらず辺境的なフォークメタルを聴かせてくれる。
フィドルや笛の音などを響かせながら、曲によってはブラックメタル風味に疾走したりと、
曲ごとにバラツキがあるのも変わらず。女性声もけっこう入っていて、こもり気味の音質も含めて
幻想的な世界観が楽しめます。マニアックなペンガンメタラーはチェックしてください。
メロディアス度・・7 フォーキー度・・8 辺境度・・9 総合・・7.5
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FOLKODIA「In A Time Of Legends」

リトアニアのフォーク・ペイガンメタル、フォーコディアの2nd。2009年作
FOLKEARTHにも参加しているメンバーたちが集ったプロジェクトバンドで、
メロブラ風味のリフを乗せて激しく疾走しつつ、フルートやホイッスル、パイプ、ヴァイオリンなどの
フォーキーな音色と、朗々とした男性ヴォーカルの歌声とコーラスが響きわたる。
いかにも武骨で辺境的なローカルさと土着的な雰囲気が合わさって、
マニア好みのフォークメタルを聴かせてくれる。垢抜けなさはフォークアースと同様だ。
メロディアス度・・7 フォーキー度・・8 辺境度・・8 総合・・7.5
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Angeli Di Pietra 「Storm Over Scaldis」
ベルギーのフォークメタル、エンジェリ・ディ・ピエトラの2009年作
男女Voを含む6人編成で、デスヴォイスを乗せてけっこう激しく疾走しつつ
土着的なギターフレーズと美しい女性ヴォーカルの歌声が絡むサウンド。
随所にネオクラ気味のギターも聴かせたりと、いくぶん唐突な展開も含めて、
B級メタルの香りも漂っているが、その垢抜けなさも味になっている。
フォーキーな質感は控えめだが、辺境メタルファンならそこそこ楽しめるだろう。
メロディアス度・・7 フォーキー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Arcane Order「In the Wake of Collisions」

デンマークのメロデスバンド、アルカン・オーダーの2008年作
元AUTUMN LEAVESのギタリストが在籍するバンドで、荘厳なイントロから曲が始まると
ブラックメタルばりにブラスト入りで激しく疾走、うっすらとしたシンセアレンジとともに
モダンなヘヴィさと古き良きデスラッシュ的な勢いが合わさったサウンドで、なかなか質が高い。
随所にメロディックなギターフレーズも織り込んで、ドラマティックに構築してゆくセンスも見事だ。
荘厳な世界観と、硬質な激しさ、そして適度なメロディアスさを両立させた力作デス。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 荘厳度・・8 総合・・8
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「On Evil Days」
スペインのサイケデリックメタル、リキッド・グレイヴヤードの2009年作
女性ヴォーカルを含む4人編成で、スクリームと美しいソプラノを使い分けながら、
テクニカルで浮遊感のある個性的なサウンドを描いてゆく。デスメタルというには激しさはあまりなく、
ようするにデス声入りのサイケメタルとでもいうべきか。さほど強いインパクトはないのだが、
うねりのあるギターリフとともにいくぶんのユルさも含んだ、不思議な感触の作品です。
メロディアス度・・7 サイケメタル度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ライトニングのレコ発行ってきたよ!(43)
LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」

日本のメタルバンド、ライトニングの2011年作
ギタリストIRON-CHINO率いるメロディックメタルバンドの3作目。
前作「Five Rings」からまたヴォーカルが交代しているが、基本的なサウンドに変化はない。
泣きのギターを聴かせるイントロで幕を開け、このバンドの代名詞であるツインリードをたっぷり含みながら
パワフルに疾走するタイトル曲は、まさにLIGHTNING節。新Voの声質も適度にかすれたハイトーンで、
バンドのサウンドになかなかマッチしている。以前からのライブでの定番曲“Soldier
Force”や
陰陽座のようにキャッチーな“Destiny Destination”、一転スラッシーなパワーメタル曲“End
of the World”
激しい疾走感とメロディが融合した“Save the Truth”と、男気あるメロディックメタルがたっぷりと詰まった一枚。
ボーナストラックにはアニメ「機甲戦記ドラグナー」のOP曲“夢色チェイサー”のカヴァーを収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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LIGHT BRINGER「BURNED 07」
日本のシンフォニックハードロックバンド、ライト・ブリンガーのミニアルバム。2011年作
新曲1曲+カヴァー3曲という構成で、タイトル曲はきらびやかな疾走感とともにFuki嬢の歌声も映える
ファン納得の出来。シンフォニックな美麗アレンジとテクニカルなパートも充実している。
カヴァーの方は、Mr.BIG、JUDY AND MARY、ALCATRAZZという渋い選曲で
ギターのKazuが歌う“Just Take My Heart”やFukiの歌声が可愛らしい“motto”、
そして“God Blessed Vodeo”はしっかりラブリー版アレンジになっていて、なかなか面白い。
新曲・・8 カヴァー曲・・7 ファンならどうぞ・・8 総合・・7.5
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LIGHT BRINGER「noah」

ライト・ブリンガーのミニアルバム。2011年作
メジャーデビュー第一弾となるシングルで、2012年のアルバム収録タイトル曲と
インディーズ時代のミニからのリメイク曲、ライブでの定番曲の初音源化などを収録。
期待の新曲は、シンフォニックなアレンジとキャッチーなメロディで疾走し
いっそう魅力を増したFuki嬢の歌声を乗せる、安心のラブリー節。
“Heartfull...”はしっとりとしたバラードで、“Continue!?”は元気のよいポップな曲。
よい意味での爽やかなメジャー感とともに、フルアルバムも期待ですね。
新曲・・8 その他曲・・7 ファンならどうぞ・・8 総合・・7.5
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ASRA「SAMSARA」

仙台出身のヘヴィロックバンド、アスラのミニアルバム。2011年作
Vo、夢華の情感ある歌声と日本的な叙情を含んだサウンドで、1stアルバムもなかなかの好作だったが、
今作は「輪廻転生」をコンセプトにしたということで、よりイメージ的な膨らみが増した音になった。
ヒンドゥー、アジアン的な旋律を、日本語歌詞のハードロックと融合させた独特のサウンドは、
演奏面での向上とともに説得力と深みを強めつつある。次のフルアルバムが大いに楽しみです。
メロディアス度・・8 情感度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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陰陽座「紺碧の双刃」

日本の妖怪メタルバンド、おんみょうざのミニアルバム。2011年作
新曲にライブ音源5曲を含む、34分の内容で、タイトル曲はキャッチーな聴き心地の
いかにも陰陽座節らしいサウンド。伸びやかな黒猫の歌声とメロディアスなフックとともに
もはや新鮮味はないが安心の出来ばえだ。ライブ音源は、演奏、歌唱とも堂々たるもので
バンドとしての実力を遺憾なく発揮している。音質も良好でファンであれば買って損はないだろう。
メロディアス度・・8 新鮮度・・7 ライブ音源・・8 総合・・7.5
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Marchen Station「For The Sake Of God」
Cafe Au LaitとLeo Figaroによるユニット、メルヘン・ステーションの2009年作
きらびやかなシンセアレンジと、デジタリィでダンサブルな1曲めから、
2曲めはギターも入ったシンフォニックメタル風味になる。ドラムは打ち込みなので
メタル的な重さはあまりなく、DragonGuardianあたりと同じようにライトなアキバ系サウンド。
ほぼDTMの宅録作品なので、上級の同人音楽としてとらえれば、まあまあ楽しめる。
シンフォニック度・・7 メタル度・・7 同人度・・8 総合・・7
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e:cho feat.「none:t」

日本のロックバンド、エコー フィートの2011年作
アルバム「ソラノウタ」を最後にVo依空が脱退、本作はe:choとは別のプロジェクト作品で
LANCER BeeのAYUMI、RAMPANTのHIROKOGUARDIAN HACKERのASAMI、
元HIGH and MIGHTY COLORのHALCA、元Mechanical Teddyのyoppyなど
9人の女性ヴォーカルが参加した、震災復興への祈りを込めたアルバムとなった。
適度にヘヴィなモダンさとキャッチーなメロディアスさで、勇気づけられるようなポジティブな歌詞を
それぞれの女性ヴォーカルが歌い上げながら、 爽やかなロックを聴かせてくれます。
メロディアス度・・8 ポジティブ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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exist†trace「TRUE」
日本のV系女性ロックバンド、イグジスト†トレイスのミニアルバム。2011年作
2010年のアルバム「TWIN GATE」もなかなかの出来であったが、
メジャーデビューとなった本作も、キャッチーなメロディと適度なヘヴィさで、
バランスのとれた聴き心地のハードなロックサウンドが楽しめる。
しっかりと歌い上げる女性ヴォーカルに、いくぶんモダンでダンサブルな味付けや、
ポップな歌謡風の曲もあり、もV系のみならず一般のリスナーにもアピールする内容である。
メロディアス度・・8 ヘヴィロック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MAN WITH A MISSION「TRICK OR TREAT」
日本のロックバンド、マン・ウィズ・ア・ミッションの2011年作
メンバーが狼に扮した5人組という設定も面白いが、サウンドも古さと新しさを併せ持った、
センス抜群のミクスチャーロック。1曲めはNIRVANAの名曲“Smells Like Teen Spirit”のカヴァーで
そのモダンなアレンジもさすがというところ。さらに3曲の新曲とライブ音源6曲を収録していて、
ノリの良さとキャッチーなメロディのバランスで、厭味のない聴き心地に好感が持てる。
ライブ音源は音質はそこそこ程度ながら、勢いある演奏で臨場感があってよろしい。
メロディアス度・・7 楽曲・・8 ライブ音源・・7 総合・・7.5
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SOLITUDE「BRAVE THE STORM」

日本のメタルバンド、ソリチュードの2009年作
2001年のミニアルバムから、8年ぶりとなる1stフルアルバムで、
古き良き正統派のギターリフと、かすれ気味のヴォーカルで聴かせるサウンドは
80〜90年代のヘヴィメタルを受け継ぐパワフルな作風で、オールドメタラーには嬉しいだろう。
随所にメロディックなギターフレーズで泣きを表現するのがやはり日本のバンド的で
全体的にはミドルテンポ主体ながら、ドラマティックな味わいが楽しめる好作である。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Faith And Fire「Accelerator」

RIOTのトニー・ムーアと、マイク・フリンツによるバンド、フェイス・アンド・ファイアの2007年作
2011年にRIOTとしての復活新作を出すことになる、その布石ともいうべき作品で、
古き良きハードロックを基本に、哀愁の叙情を感じさせるメロディラインと、
随所にRIOTを思わせる煽情的なツインギターを含んだサウンドは、
衰えを知らぬトニー・ムーアの歌声とともに、アダルトなハードロックファンには感涙もの。
泣きのバラード曲も素晴らしい。RIOTファン、トニー・ムーアファンは必聴の傑作。
メロディアス度・・8 古き良きHR度・・9 RIOT風味度・・8 総合・・8
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To Die For「Samsara」

フィンランドのゴシックロック、トゥ・ダイ・フォーの2011年作
HIMとともにフィンランドのメランコリック・ゴシックロックの代表というべきこのバンド
本作は5年ぶりとなる6作目になる。サウンドの方は適度にヘヴィなギターリフと
うっすらとしたシンセワークで、キャッチーでありつつ哀愁を漂わせたサウンドは健在。
女性コーラスなどを含んだ美しさと、メランコリックな叙情はやはり絶品で、
これまで以上にシンフォニックな質感や、後半にはプログレッシブな風味も覗かせる。
メロウなギターフレーズも含めて、メロディの充実ぶりもさすがの力作だ。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・7 メランコリック度・・8 総合・・8
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Sarah Jezebej Deva「Sign of Sublime」
Angtoriaの女性ヴォーカルでもある、サラ・ジェゼベル・ディヴァの2010年作
Cradle of Filthでも美しいソプラノヴォイスでコーラスを担当していた大きなお姉様で、
本作はシンフォニックなシンセアレンジと耽美な世界観で聴かせるゴシックメタル。
シンフォブラック的ないくぶんの激しさもまじえつつ、妖艶な歌声が響きわたる。
楽曲にさほどのインパクトがないのが惜しいが、美麗なシンフォゴシックメタル作です。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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今年も聴きまくっております(30)
Ancient Bards「Soulless Child」

イタリアのシンフォニックメタル、エインシェント・バーズの2011年作
前作もクサメロ+シンフォニックという感じで、初期DARK MOORばりの好作であったが、
本作も壮麗なイントロから、RHAPSODYばりのクワイヤとともにファンタジックな
シンフォニックメタルが展開される。いくぶん垢抜けない女性ヴォーカルの歌声に
少々のB級っぽさも残っているものの、美麗なシンセアレンジとクサメロを含んだ雰囲気は、
好き者にはたまらないサウンドになっている。メロディ自体にはさして新鮮さはないので
正直これでファビオが歌えばRHAPSODYになるし、エリサが歌えばDARK MOORになりそうだ。
壮大な世界観では前作以上の力作ながら、個性という点ではまだまだこれからだと思う。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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「Terra Incognita」

ドイツの女性Voシンフォニックメタル、コロナタスの2011年作
2ndまでは二人の女性ヴォーカルの歌声で聴かせる壮麗なシンフォメタルだったが、
前作でややモダンなヘヴィさが増し、本作もその流れを組んだ作風になっている。
ヘヴィなギターとシンフォニックなアレンジに女性ヴォーカルの美しい歌声が乗る、
いわばダークめのEDENBRIDGEという感じで楽しめる。曲によってはドイツ語の歌声と
トラッド調のメロディなども顔を覗かせ、最近流行りのゲルマンメタル風味もあったりする。
前作よりは美麗さが戻っているのでひと安心。16分におよぶ組曲も含めてなかなかの力作。
シンフォニック度・・8 ゲルマン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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CRYOSHELL

デンマークの女性Voゴシックロックバンド、クライオーシェルの2011年作
美しい女性ヴォーカルの歌声を中心に、モダンなアレンジで聴かせるサウンドは
EVANESCENCEを思わせるものがある。楽曲は3、4分台で比較的コンパクトであるが、
随所に壮麗なシンフォニックさも含んでいてなかなか聴き心地がよい。
キャッチーといってもよいメロディアスさは万人受けしそうな感じがする。
現時点では個性という点でまだまだ突出したものがないので、今後にさらに期待したい。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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VAN CANTO「METAL A CAPELLA」

ドイツのアカペラメタルバンド、ヴァン・カントの2011年作
歌のみのアカペラでメタルをやってしまうこのバンド、笑いを超えた傑作となった3rdに続いて、
これまで発表された4作から集められた日本独自のカヴァーアルバムが登場。
いきなりMETALLICAの“Battery”で、このバンドを初めて聴く方は思わず笑いそうになるだろう。
なにせ、ドラム以外のベース、ギターパートはすべて声でやっているのだから。
ドンデケドンデケ、ダカダンダカダンと刻まれるギターパートは微笑ましくも、けっこうすごい。
ANGRAの名曲“Carry On”は女性ヴォーカルをメインに意外と美しい仕上がりだし、
MANOWARの“Kings of Metal”もなかなか勇壮である。Deep Purpleの“Stormbringer”、
BLIND GUARDIANの“The Bard's Song”、IRON MAIDENの“Fear of the Dark”、
母国の英雄GRAVE DIGGERやRUNNING WILD、さらにはNightwishの“Wishmaster”
そしてラストのMETALLICA“Master of Puppets”まで、見事な人力ヴォイスメタルが楽しめます。
本気でアカペラ度・・10 けっこうメタル度・・8 笑えるが本気度・・10 総合・・8
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Kissin' Dynamite 「Addicted to Metal」

ドイツのメタルバンド、キッシン・ダイナマイトの2010年作
昨今、古き良きHR/HMサウンドの復興が強まってきているが、
このバンドも80年代を思わせるじつに正統派のメロディックメタルをやっている。
ウド・ダークシュナイダーが参加した1曲めからして、ACCEPTばりのパワフルなナンバーで、
よい意味でそこにキャッチーな質感が加わった作風が、若手ながらなかなか心憎い。
この手にありがちなマイナー臭さも、アメリカのバンドのようにポップすぎることもなく、
叙情的なドラマティックさを含んだバランス感は、最近のEDGUYなども思わせる質の高さだ。
メロディアス度・・8 古き良き度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Signum Regis

スロバキアのメタルバンド、シグナム・レジスの2008年作
VINDEXというバンドのメンバーを中心に、ヴォーカルにはヨラン・エドマンが参加している。
そのサウンドはミドルテンポで聴かせる正統派のスタイルで、キャッチーな歌メロも含んだ
古き良き様式美HRといった趣。ツインギターによるネオクラシカル風味も技巧的というよりは
ひと昔前の味わいのあるフレージングで、いわば80年代的な暖かみを感じさせるものだ。
いまどきのバンドとは思えぬ録音面の弱さも、かえってよい意味での古めかしさになっていて耳に優しい。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 様式美度・・8 総合・・7.5
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LAST AUTUMN'S DREAM「Nine Lives」

メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2011年作
もはや冬の風物詩となったこのバンドの9作目。ミカエル・アーランドソンとアンディ・マレツェクによる
質の高いメロディアスハードは当然ながら今作も不変で。哀愁の叙情を含んだメロディと
古き良きハードポップの感触をより強くしたサウンドで、安心して浸れる一枚に仕上がっている。
新鮮味がどうのという野暮なことは言わず、冬になったら暖かななつかしさとともに耳を傾ければいい。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The Magnificent

北欧のメロディアスハードユニット、マグニフィセントの2011年作
CIRCUS MAXIMUSのシンガーとLEVERAGEのギタリストを中心にしたバンドで
キャッチーなメロディで聴かせる古き良き感触のメロディアスハード作品。
マイケル・エリクセンの伸びやかな歌声と、シンセアレンジを含めた北欧らしい爽やかさに、
プログレハード的な知的センスも感じられて、じつにクオリティの高いサウンドになっている。
全体的にはこれといった目新しさはないものの、安心して楽しめる好アルバムだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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the Poodles「PERFORMOCRACY」

スウェーデンのハードロックバンド、プードルズの4th。2011年作
2006年にデビューし、80年代を思わせるメロディアスかつ骨太のサウンドで
素晴らしいアルバムを作り続けるこのバンド。早くもこれが4作目である。
キャッチーでありながらハードロックとしての力強さを保ったサウンドは
アダルトな哀愁の叙情ととに、爽快なエナジーに満ちていてじつにロックである。
古き良き質感と現代的なクオリティが融合した、伝統を受け継ぐHR作品である。
メロディアス度・・8 骨太度・・8 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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TERRY BROCK「Diamond Blue」

アメリカのシンガー、テリー・ブロックの2010年作
復活したGIANTのヴォーカルであり、THE SIGNやPHANTOM'S OPERAなどにも参加した
実力派のシンガーで、本作のサウンドもキャッチーなメロディのハードポップを基本に、
その伸びやかな歌声を聴かせてくれる。やわらかなバラード曲なども含めて
全体的に爽やかなプログレハード風で、ハードロックというにはやや軽めなのだが、
その分ゆったりと耳心地よく楽しめる。80年代的な雰囲気もなつかしい好作です。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 ハードポップ度・・8 総合・・7.5
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ADRAMELCH「Irae Melanox」

イタリア伝説のメタルバンド、アドラメルクの1988年作/2010年再発盤
ツインギターのメロディックなフレーズとエピックな香りを漂わせた世界観で、
たとえばCIRITH UNGOLあたりをよりドラマティックにしたという雰囲気のサウンドは、
マニア好みのマイナー臭さに満ちていて、これかどうしてけっこうよい感じなのだ。
6〜7分台という当時にしては長めの楽曲は、随所にプログレッシブな質感も感じさせ
どことなく混沌とした感じがいかにもイタリアのバンドらしい。随所にクサメロも含んだ好盤だ。
Disc2には1987年のデモ音源を収録。さらにダサい感じのクサいメタルぶりに悶絶♪
ドラマティック度・・7 エピック度・・8 マイナー度・・8 総合・・7.5
Grimmstine
GRIM REAPER〜LIONSHEARTなどで活躍したヴォーカリスト、スティーヴ・グリメットと
アメリカのギタリスト、スティーヴ・スタインによるユニット、グリムスタインの2009年作
パワフルな歌声で聴かせる正統派のメタルサウンドで、キャッチーなメロディアスさもある。
随所に聴かせる泣きのギターも含めて、古き良き感触のHR/HMが好きならそれなりに楽しめるが、
曲が多い割には楽曲にフックがやや乏しく、よくも悪くも時代的な感じがする。グリメットのファンならどうぞ
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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HERMAN FRANK「Loyal to None」
ACCEPT、VICTORY、MOON'DOCなどで活躍してきたギタリストであり、
ジャーマンメタルにおける名プロデューサーでもある、ハーマン・フランクの2008年作
本作で聴けるのはACCEPTを思わせるようなパワフルかつ正統派のメタルサウンドで、
VICTORYの現ヴォーカルであるイオッティ・パルカリディスの力強い歌声と、
メロディアスかつ古き良きテイストを感じさせるギターワークも光っている。
ACCEPTやRUNNING WILDで活躍した名ドラマー、ステファン・シュワルツマンに
RUNNING WILDでベースを務めたピーター・ピヘルが参加。大人のHR/HM魂が炸裂だ。
メロディアス度・・7 古き良き度・・8 正統派ジャーマン度・・8 総合・・7.5
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「Monument」

ノルウェーのメロディックブラック、コル・スコルピの2009年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、メロディックなギターフレーズと北欧的な叙情を匂わせつつ、
美麗に聴かせるスタイル。音は比較的軽めで、ツインギターの泣きの旋律をたっぷりと含み
シンセやピアノによる美しいアレンジとともに疾走、暴虐さよりむしろクラシカルで優雅な感触が前に出ている。
メロデスでいうとEMBRACEDあたりに通じる美へのこだわりがあって、シンフォニックな耳心地の好作品だ。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 美旋律度・・9 総合・・8
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October Falls「Collapse of Faith」

フィンランドのネイチャーブラック、オクトーバー・フォールズの2010年作
北欧の土着的な叙情を感じさせる、フォーキーなブラックメタルサウンドで、
本作は全3曲、それぞれ18分、17分、5分という大作志向のアルバムになっている。
激しい疾走もありながら、メロディックなギターフレーズとアコースティカルな要素も含んで
暴虐さよりも耳触りの良さが前に出ている。北欧の森を思い起こさせる自然派ブラックの力作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 北欧土着度・・8 総合・・8
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HELRUNAR「Baldr ok Iss」
ドイツのネイチャーブラックメタル、ヘルラナーの2007年作
先に2011年作「Sol II」を聴いてとても気に入ったのだが、本作もドイツ語の語りから始まり、
チリチリとしたノイジーなギターリフでブラスト疾走開始。古き良きブラックメタルの感触と
アナログ的な土着性で聴かせる、ミスティックな雰囲気はこのバンドの持ち味だ。
もの悲しい叙情パートも随所にあるが、のちの作品に比べるとブラックメタル度が高いアルバム。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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1/11
2012年もよろしくお願いいたします♪(14)
Crimfall「The Writ of Sword」

フィンランドのシンフォニック・ヴァイキングメタルバンド、クリムフォールの2011年作
まるでNightwishをTURISAS化したような前作もなかなかの好作であったが、
本作も女性ヴォーカルとデスヴォイスが絡みながら、前作以上に力強い激しさと勇壮な雰囲気で
むしろメロデス風味が増したような印象もある。一方ではシンセによるシンフォニックなアレンジや、
随所にヴァイキング風味とフォーキーな土着性も織り込みつつ、エピックかつドラマティックな世界観を
描いてゆく様はなかなか圧巻である。前作に比べより重厚な作風で、これは予想外の力作となった。
シンフォニック度・・8 エピック度・・9 フォーキー度・・7 総合・・8
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Breathe Fire to the Sun」

フィンランドのシンフォニック・エピックメロデス、ブリミアーの2011年作
ツインギターにシンセ入りの6人編成で、エピックなイントロから曲が始まると
シンフォニックなシンセを含んでメロスピばりに疾走。ヴォーカルはダミ声ながら、
ギターのクサメロフレーズとともにヘヴィすぎないサウンドが美麗さを引き立たせている。
随所にヴァイキングメタル的な勇壮さも含みつつ、オーケストラルなシンセアレンジが美しく
あくまでシンフォニックな感触が前に出ている。たとえばNORTHERあたりをよりシンフォニックに、
そしてエピック寄りにしたという雰囲気か。個人的には勇壮な武骨さがもっと欲しいが、とにかく美麗デス。
シンフォニック度・・8 エピック度・・7 壮麗度・・9 総合・・8
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DRAUGNIM「Horizons Low」

フィンランドのシンフォニック・ヴァイキングブラック、ドラウグニムの2010年作
シンフォニックな壮麗さと、ヴァイキング風味の勇壮さも含んだサウンドで、
随所にブラックメタル的な疾走感もある。6〜10分の比較的長めの曲で、
MOONSORROWをシンフォブラック寄りにした感じのドラマティックな作風。
楽曲にいくぶん長尺感はあるものの、音の厚みは充分の質の高い作品だ。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 ヴァイキング度・・7 総合・・8
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Adorned Brood 「Hammerfeste」

ドイツのヴァイキングメタル、アドーンド・ブロードの2010年作
4分近くもある壮麗なイントロから、曲が始まると激しく疾走開始、
勇ましい勢いの良さでたたみかけ、随所に美しいフルートの音色を響かせる。
辺境的な土着性が薄い分、エピックなメロデスという感じでも楽しめたりする。
激しい疾走感と、フルート、アコーディオンなどのフォーキーな牧歌性が極端で、
ヴァイキングというよりはもパワー・フォークメタルという方が正しいかもしれない。
メロディの濃密さという点では物足りないが、クオリティは高いので安心して聴ける。
ドラマティック度・・8 ヴァイキング度・・7 勇壮度・・8 総合・・7.5
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ARSTIDIR LIFSINS「Jotunheima Dolgferd」

ドイツのフォーク・ブラックメタル、アルスティディア・リフシンスの2010年作
映画的な語りによるイントロから、曲が始まるといかにもペイガン的な世界観で
ブラスト入りで激しい疾走もしつつ、メロディはあくまで勇壮で土着的。
ダミ声ヴォーカルとジェントルな歌をまじえつつ、プログレッシブな感触で展開する様は
ノルウェーのSolefaldあたりを思わせ、 土着性のあるゲルマンな感じはENIDなどにも近いか。
詠唱のようなコーラスなども秘教的で、アコースティカルな要素なども随所に盛り込んで
まるでひとつの物語を描くように聴かせる力作だ。中世の書物のような豪華なブックレットもよいね。
ドラマティック度・・8 ペイガン度・・9 土着度・・8 総合・・8
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Bad Habit 「Atmosphere」

スウェーデンのメロディアスハードバンド、バッド・ハビットの2011年作
北欧メロハーの歴史的傑作といえる3rd「ADULT ORIENTATION」の素晴らしさ、
そして前作「Above And Beyond」で聴かせてくれた輝きを継承し、6作目となる本作も
彼ららしいキャッチーな叙情をふんだんにまぶした力作に仕上がっている。印象としては
ギター面でのヘヴィさがサウンドの輪郭を太くしていて、シンセを含んだ北欧らしい透明感との
ほどよいバランスになっている。哀愁を含んだメロディラインはこのバンドの持ち味で、
その泣きの情感は我々日本人の琴線にぴたりと触れる。バドハビ健在の傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・8
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Trillium「Alloy」

女性シンガー、アマンダ・サマーヴィルを中心にしたのユニット、トリリアムの2011年作
マイケル・キスクとのデュオやAVANTASIAなどにも参加したことでも知られる実力派シンガーで、
サシャ・ピートがプロデュース、彼の片腕であるミロがシンセにアレンジを担当している。
サウンドの方は、アマンダの歌声をメインにした、ゴシック風味のハードロックという感じで、
EVANESCENCEなどにも通じるキャッチーさと適度なヘヴィさ、シンフォニックな叙情性もあって普通に聴きやすい。
全体的にしっとりとした薄暗い曲調であるが、ゴシックメタルというほどでもなく、楽曲のインパクトという点でも
いくぶん中途半端な気もするが、フィメールメタル好きのリスナーはどうぞ。ヨルン・ランデがゲスト参加。
メロディアス度・・7 ゴシック風HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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MEGADETH「TH1RT3EN」

アメリカのベテランスラッシュメタル、メガデスの2011年作
13枚めのアルバムということで、タイトルにも数字が混じっているのが面白い。
さて、サウンドの方は前作で聴かれた、知的スラッシュメタルへの回帰に、
いくぶんモダンでスタイリッシュな質感を上乗せしてきたという感じだろうか。
メガデスらしいクールなギターリフと、テクニカルな硬質感を軸にしながら、
よりまとまりのあるシンプルさと、随所に感じられるメロディックな聴き心地で
メタルとしての普遍性を押し出したバランス感覚というものが見事。安心して聴ける好作だ。
ドラマティック度・・7 インテレクチュアル度・・8 これぞメガデス度・・8 総合・・8
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VEKTOR「Outer Isolation」

アメリカのスラッシュメタル、ヴェクターの2011年作
80年代を思わせるアナログ感たっぷりの古き良きスラッシュメタルが炸裂した前作に続き
2作目となる本作も、ザクザクとしたギターリフで疾走する往年のスラッシュ風味に
DESTRUCTIONあたりを思わせる、ある意味知的でクールなアレンジセンスにも磨きがかかっている。
金切り声を含んだヴォーカルもシュミーアを思わせる変態的な感じで、個性的なリフによくマッチしており、
ときにブラストビートも含んだ激しさもありつつ、アナログ感のある音作りで、やかましすぎないのもよい。
随所に変則リズムを含んだ気持ちの悪さ(良さ)と、前作以上にスケール感と説得力が備わったのも素晴らしい。
ドラマティック度・・8 古き良きスラッシュ度・・9 クールなスラッシュ度・・9
総合・・8.5
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Between The Buried And Me「The Parallex: Hypersleep Dialogue」

アメリカのカオティックメタルバンド、ビトゥウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーのミニ。2011年作
傑作5th「The Great Misdirect」に続く作品で、ミニとはいえ10分前後の曲が3曲と聴き応え充分。
この手のミクスチャー系のテクニカルメタルバンドの中では、そのセンスはずば抜けており、
スクリームヴォイスで激しくたたみかけるブルータルさと、アヴァンギャルドなだけではない知的な構成力、
プログレ的なスケール感とともに、随所にメロディックな聴き心地を盛り込んでいるのも素晴らしい。
混沌と知性、激しさと叙情を同居させた、まさしく現在形のヘンタイメタルバンド。ミニでもやはり必聴です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的(ヘンタイ)センス・・9 総合・・8
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CYNIC「Carbon Based Anatomy」

アメリカのプログレッシブメタル、シニックのミニアルバム。2011年作
2009年に25年ぶりの復活作「Traced in Air」を発表し、そのプログレッシブな美しさでファンを喜ばせ、
続くミニ「Re-Traced」では意表をついたアレンジで賛否両論を呼んだ。これはそれに続くミニアルバムで、
のっけからしっとりとしたシンセと女性ヴォーカルによるアンビエントな雰囲気で驚かされるが、
2曲めからは彼ららしい知的で芸術的なサウンドを聴かせてくれる。やわらかな聴き心地の中に
もの悲しい情感と未来的なセンスのスケール感を内包し、巧みなアンサンブルで構築してゆく。
ProgMetalとしての質感を残しつつ、ほのかな民俗要素やモダンプログレのアンニュイさも取り込んでいて
そのセンスの良さは、Porcupine Treeなどにも通じるかもしれない。早くフルアルバムが聴きたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8
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Last Chance to Reason「Level 2」

アメリカのテクニカルメタル、ラスト・チャンス・トゥ・リーズンの2011年作
ヘンタイ系のテクニカルメタルというと、最近ではBraindrillなどを筆頭に、いろいろな出てきているが、
このバンドも変則リズムをたっぷり使った、良い意味で気持ちの悪いサウンドをやっている。
スクリームヴォイスを使いつつも、緩急をまじえた楽曲構成はプログレッシブといってもよく、
スペイシーなシンセのアレンジやノーマル声で聴かせるやわらかなパートなどもあって、
Between The Buried And Meあたりにも通じる知的な構築センスがなかなか見事だ。
曲は3〜5分台が中心なのだが、ひねくれたリズムとスイープを使ったテクニカルなギターフレーズで
緊張感を漂わせながら濃密に聴かせる。ヘンタイメタル好きは要チェックのバンドだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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ANIMALS AS LEADERS「Weightless」

アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2011年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリストを擁し、前作はインストによるセンス抜群の作品だったが、
今作もなかなか面白い。テクニカルかつメロディアスな抜群のギターフレーズを軸に
メタルフュージョン的な軽やかさにモダンな硬質感を加えたという作風で、3〜4分台の曲が中心ながら
先の読めない展開で濃密なインストメタルを聴かせる。洒落たプログレ感覚に、Djent風味もありつつも、
ただ複雑なだけでなく、しっかりとメロディを乗せられるセンスは見事。インストなのに飽きません。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽妙センス度・・9 総合・・8
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ANDROMEDA 「Manifest Tyranny」

スウェーデンのプログレメタル、アンドロメダの2011年作
2001年のデビュー以来、北欧のプログレメタル勢としてはトップクラスの実力を持つこのバンド、
5作目となる本作は、一聴していくぶんモダン化したという印象であるが、
テクニカルなリズムと適度にヘヴィなギターワーク、シンセによる派手すぎない味付けによる、
センス溢れるProgMetalは健在。歌メロの適度なキャッチーさも硬質感を中和させていて、
複雑すぎずストレートすぎずという、そのあたりのバランス感覚はさすがというところ。
6〜7分台の曲をメインに構築された楽曲は、これだというインパクトはないが、安心して楽しめる。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 モダンセンス度・・8 総合・・7.5
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CLANDESTINE「The Invalid」

アメリカのプログレメタル、クランデスティンの2011年作
韓国人女性Voを擁するバンドで、サウンドはモダンなヘヴィネスと女性ヴォーカルの歌声に、
変則リズム入りのテクニカルな展開力とお洒落な軽やかさを合わせたような感じ。
メタルコア的な激しさとともにポップなキャッチーさもあって、ヘヴィであっても硬質すぎない。
EVANESCENCEやLACUNA COILをProgMetal化したような、というたとえもできるか。
現時点では楽曲の魅力がまだ足りないが、将来性のあるなかなか面白いバンドだと思う。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MAJESTIC「Arrival」
アメリカのプログレメタルユニット、マジェスティックの2009年作
OSUMIUMというバンドのメンバーによるプロジェクトバンドで、女性ヴォーカルをフロントにした
シンフォニックなプログレメタルをやっている。テクニカルというよりは雰囲気重視の作風で、
美麗なシンセをメインにメタル色はさほど強くなく、プログレ系のシンフォニックリスナーにも聴ける。
1曲めが22分、ラストが36分という大作志向で、さすがに長さは感じるが、なかなか質の高い力作だ。
シンフォニック度・・8 テクニカル度・・7 大作度・・9 総合・・7.5
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ANIMETAL USA

マイク・ヴェッセーラ、クリス・インペリテリ、ルディー・サーゾ、スコット・トラヴィスという
地味に豪華なメンバーが集ったシャレのようなプロジェクトバンド、アニメタルUSAの2011年作
のっけから「宇宙戦艦ヤマト」で、様式美ネオクラギターが炸裂。パワフルなヴォーカルを乗せて疾走する。
「ガッチャマン」となんとなく80年代メタル的なアレンジでにんまりだし、「ドラゴンボール」のテクニカルな
ギターリフはなかなかいい感じ。哀愁漂うメロハー風味の「エヴァンゲリオン」もなかなかいい出来ですね。
「北斗の拳」はいかにもメタルっぽいアレンジで、IRON MAIDENのリフを盛り込む遊び心も。
「聖闘士星矢」は当然のように普通に格好いいし、「タイガーマスク」がバラードになっているのは意外。
「巨人の星」はイントロがそのままなのに、曲が始まるとACCEPTの“Fast As A Shark”ばりのリフで格好いい。
しかし、妙に激しくなった「ドカベン」は、歌メロの脱力感とともに日本のリスナーには違和感があるでしょうね。笑
全体的に日本のアニメタルのようなダサ格好いい熱血要素はなく、歌詞が英語であるので、
いわば「アニメソング風味のメタル」として聴けたりする。これはこれで、まあ…いいじゃないですか。
アニソン度・・7 様式美メタル度・・8 これはこれで、まあ…度・・8 総合・・7.5
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