2011年作品レビュー
上からだいたいオススメの順になっています

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OPETH「Heritage」

スウェーデンのプログレッシブデスメタル、オーペスの2011年作
1995年にアルバムデビューを果たしてから15年余り、その独自の美学を
知的でプログレッシブな方法論で構築し、激しさと静寂の同居ともいうべき
個性的なサウンドを描き続けてきたこのバンド。ちょうど10作目となる本作は
前作でも聴かれた70年代プログレの要素を前面に出した異色作となった。
やわらかなピアノの音色に導かれ、レトロなオルガンの響きをバックにアナログ的なギターリフが
リズミカルなアンサンブルを描き出す。ミカエルの歌声も70年代英国ロックを意識したような、
ジェントルでやわらかな感触だ。楽曲には70'sプログレ、サイケロックの怪しさもぷんぷん漂う。
静寂の中の張りつめた空気、メロトロンも鳴り渡る、KING CRIMSONもかくやという静かなダイナミズム…
とくにドラム、ベースはじつに生々しいサウンドで、70年代ロックを好む人間にはたまらないだろう。
このバンドの美意識とこだわりが、究極的なレイドバック作品を作り上げた。LPで聴きたくなる。
フルートでBJORN J:SON LINDHが参加しているのも北欧プログレマニアにはにやり。
ドラマティック度・・8 メタル度・・6 70'sプログレ風味度・・9 総合・・9
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Wolves in the Throne Room「Celestial Lineage」

アメリカのブラックメタルバンド、ウルヴズ・イン・ザ・スローン・ルームの2011年作
2007年のデビュー作から、まるで森の中の大自然と一体化したようなサウンドで、
「ネイチャーブラックメタル」ともいうべき幻想的な世界観が個性的だったこのバンド、
3作目となる本作は、妖しい女性スキャットとともにゆったりと幻想的に始まり、
いつも以上にメロウなギターのフレーズで疾走。相変わらずぼんやりとした音像が耳心地よく、
うっすらとしたシンセとともに、美しくも神秘的な雰囲気なプリミティブ・ブラックが楽しめる。
10分以上の大曲3曲を含んでいて、もちろん激しいブラスト疾走もあるのだが、緩急のついた楽曲と
このシンフォニックな薄暗さは、むしろプレグレリスナーでも鑑賞できそうな気がする。傑作!
幻想度・・9 暴虐度・・7 神秘的度・・10 総合・・9
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...And You Will Know Us By the Trail of Dead「Tao of the Dead」

アメリカのロックバンド、トレイル・オブ・デッドの2011年作
今作もまるで映画作品のようなジャケや豪華なブックレットだけでもワクワクするが、
サウンドの方も前作の流れで、壮大なドラマ性を描くようなスケール感が素晴らしい。
アルバムは2部構成となっていて、PART1は35分、PART2は16分におよぶ組曲で、
起伏に富んだ展開と、叙情性、そしてもちろんロックとしての躍動感に富んだダイナミズムが光る。
この手法はまるでプログレッシブロックのスタイルであるのだが、プログレ、ポストロックのリスナーなどにも
楽しめるだけの普遍性を有している。大作を描ききる実力とセンスとは、やはり並のバンドではない。
音に難しさはない。つまりは、ひとつのロックバンドが偉大なドラマを作り上げたということである。
限定盤の2枚組には、トラックの分かれた38分のバージョンに加え、33分におよぶデモを収録。
ドラマティック度・・9 プログレな感性度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Silent Stream of Godless Elegy「Navaz」

チェコのゴシックメタルバンド、サイレント・ストリーム・オブ・ゴッドレス・エレジーの2011年作
男女ツインヴォーカルに、ヴァイオリン奏者などを含む7人編成。おそらく6年ぶりとなる5作目で、
これがまた素晴らしい出来。トラディショナルな土着性を盛り込んだシリアスな世界観で、
単なるゴシックメタルという枠にはとどまらない懐の広いサウンドを展開している。
大人の魅力をたたえた女性ヴォーカルの歌声に、クラシカルなヴァイオリンの音色、
どこかアカデミックな格調高さも覗かせた、優雅でありながら尖ったセンスが素晴らしい。
クラシカル度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Amorphis「Beginning Of Times」

フィンランドのトラッドメタルバンド、アモルフィスの2011年作
トラッドとメタルを融合させた独自のサウンドで、20年近いキャリアを重ねてきたこのバンド、
前作の初期のセルフカヴァー作も興味深い内容だったが、本作はフィンランド神話に伝わる
世界の起源をテーマにしている。海を漂っていた賢者ワイナミョイネンの膝の上に鳥が卵を産み、
その卵の破片から世界は生まれ、黄身は太陽になったという物語を、壮大なトラッドメタルで表現、
ゆるやかな土着メロディとエピックな勇壮さは、MOONSORROWなどにも通じる重厚さで展開、
じつにドラマティックな聴き心地だ。ノーマルヴォイスやアコースティックなパートを絶妙に配しつつ、
メロウなギターフレーズの向こうでは、プログレ的でもあるシンフォニックなシンセワークが効いている。
ベテランでしか出せない音の説得力と神秘的な世界観、そしてメロディの充実ぶりも見事な傑作である。
ドラマティック度・・9 エピック度・・9 フィンラン度・・10 総合・・8.5
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Leaves' Eyes「Meredead」

ノルウェーのゴシックメタルバンド、リーヴズ・アイズの2011年作
北欧の美麗系ゴシックメタルのトップを走るこのバンド、前作では頂点ともいうべき
素晴らしい傑作を作り出したが、基本的には方向性は変わらず。
オーケストラルな美麗なアレンジとリブ・クリスティン嬢の美しい歌声で、
本作も質の高いサウンドを聴かせてくれる。随所に北欧のトラッド風味を取り入れたアレンジも、
これまでになく叙情美にあふれていて、今作ではデスヴォイスの使用が控えめなこともあって、
幻想的な世界観をしっとりと楽しめる。MIKE OLDFIELDのカヴァー“To France”もじつに美しい。
前作ほどの派手さはないが、じわじわとくる叙情と北欧の空気に溢れた傑作だ。
シンフォニック度・・8 北欧幻想度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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White Willow「Terminal Twilight」

ノルウェーのシンフォニックロック、ホワイト・ウィローの2011年作
1997年のデビュー当時はフォーク風味の強い作風であったが、その後、アルバムごとにメンバーが変わり、
それとともに音楽性も変化、前作は女性Voを全面に出したアンビエントなシンフォニックの傑作であったが、
今作でもヴォーカルが代わり、さらにドラムには元ANGLAGARDのマティアス・オルソンが参加している。
そのサウンドは浮遊感を漂わせたサイケ風味のシンフォニックロックで、メロトロンやオルガンなどの
レトロな雰囲気と、かつてのANGLAGARDを思わせる、いかにも北欧的な薄暗さに包まれた作風。
しっとりとしたピアノにフルートの音色、女性ヴォーカルの歌声も優しく、アコースティカルな牧歌性もあって、
じつにやわらかな耳心地。アナログ感のある音作りはWobblerなどにも近いか。幻想的な北欧プログレの傑作です。
シンフォニック度・・8 やわらか叙情度・・9 北欧度・・10 総合・・8.5
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Blood CeremonyLiving With the Ancients

カナダのヴィンデージロックバンド、ブラッド・セレモニーの2011年作
前作は70年代サバスの女性Vo版というイメージで、なかなか気に入っていたが、
本作もアナログ感覚たっぷりの時代的なサウンドを聴かせてくれる。
古き良きギターリフと温かみのあるフレーズに、ヘタウマな女性ヴォーカルの歌声が重なり、
オルガンにフルートも入ったプログレ的な質感もあって、ストーナー化したJACULAというか、
むしろヴィンデージ・プログレ的に楽しめたりする。妖しいアングラ臭さもそのままだが、
今作ではよりメロディアスな聴き心地がよろしい。古めかしさに和みます。
メロディアス度・・8 アンダーグラウン度・・8 70'sレトロ度・・10 総合・・8.5
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Die Apokalyptischen Reiter「MorAL & WahNSInN」

ドイツのゴシックデスメタル、ディ・アポカリプティシャン・レイターの2011年作
今作もジャケからして妖しさプンプンであるが、メロデスばりのツインギターで疾走開始、
…したと思いきや哀愁溢れるアコースティックギターとシンセにドイツ語の歌声が乗り、
すでにのっけからシアトリカルメタルが全開。この異様なクオリティの高さはなんなのだ。
無茶な展開と本気のエピックさに知的なはっちゃけが合わさった、シンフォニック叙情メタル。
中世ゲルマントラッドの世界観とクラシカルな優雅さが、現代的なごった煮センスで絶妙にハマって、
濃密でありながら美しく叙情的という、他に類を見ないサウンドに仕上がっている。
ある意味プログレッシブな深さ…そして、なにも恐れぬセンスに包まれた驚異の傑作!
ドラマティック度・・8 濃密度・・9 ゲルマン度・・8 総合・・8.5
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Septic FleshThe Great Mass

ギリシャのシンフォニックデスメタル、セプティック・フレッシュの2011年作
前作「COMMUNION」は重厚かつ耽美な大傑作だったが、8作目となる本作も
オーケストラルなシンフォニックさと、ブラストする激しさを同居させた強力作だ。
女性コーラスや詠唱のようなチャントを使ったゴシック的で耽美な世界観と、
ミステリアスな神秘性で構築された強固なサウンドは、単なるデスメタルとは異なる
いわば神話や宗教的な深さを内包して、聴き手を太古か中世の闇の中へ導いてゆく。
もはやこのバンドでしか作れえない漆黒の美学を描いた濃密な傑作である。
ドラマティック度・・8 耽美な暗黒度・・9 荘厳度・・9 総合・・8.5
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TORCHBEARERDeath Meditations」

スウェーデンのメロディック・デス/ブラックメタルバンド、トーチベアラーの2011年作
前作「Warnaments」は第一次世界大戦の海戦をテーマにした傑作だったが、
本作は美麗なイントロから、曲が始まるとシンフォブラック的に激烈に疾走する、
美しくも荘厳なサウンドだ。モダンでテクニカルなギターフレーズを織り込みつつ突進し、
随所にメロディックな質感を含めて、スケール感のある重厚な迫力が見事。
メロウなギターを聴かせる部分や、シンセによる巧みな雰囲気作りも効いていて、
暴虐一辺倒ではないのも嬉しい。これはDIMMU BOGIRクラスの強力作ですわ。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・8 荘厳度・・9 総合・・8.5
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VEKTOROuter Isolation

アメリカのスラッシュメタル、ヴェクターの2011年作
80年代を思わせるアナログ感たっぷりの古き良きスラッシュメタルが炸裂した前作に続き
2作目となる本作も、ザクザクとしたギターリフで疾走する往年のスラッシュ風味に
DESTRUCTIONあたりを思わせる、ある意味知的でクールなアレンジセンスにも磨きがかかっている。
金切り声を含んだヴォーカルもシュミーアを思わせる変態的な感じで、個性的なリフによくマッチしており、
ときにブラストビートも含んだ激しさもありつつ、アナログ感のある音作りで、やかましすぎないのもよい。
随所に変則リズムを含んだ気持ちの悪さ(良さ)と、前作以上にスケール感と説得力が備わったのも素晴らしい。
ドラマティック度・・8 古き良きスラッシュ度・・9 クールなスラッシュ度・・9 総合・・8.5
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MOONSORROW
VARJOINA KULJEMME KUOLLEIDEN MAASSA」

フィンランドのヴァイキングメタル、ムーンソロウの2011年作
毎回濃密かつ長大なヴァイキングメタルを作り上げてきたこのバンド、
フルアルバムとしては6作目となる本作は、立ち上がりからヘヴィなギターリフで
重厚に聴かせつつ、うっすらとシンセを含んだ叙情性と母国語による土着的な感触で、
見事な世界観を作り出している。ゆったりとした曲調で音を連ねてゆく反復的な手法は
気の短いリスナーには向かないのだが、じっくりとハマれる人には気持ちいいことこのうえない。
シンセに頼らずギターのリフとフレーズでエピックな勇壮さとフォーキーな質感を生み出すのはさすがであるし、
10分以上の4つの大曲を映画的なSEではさんだ構成も心憎い。これぞ本格派のヴァイキングメタル傑作。
ドラマティック度・・9 ヴァイキング度・・8 壮大度・・9 総合・・8.5
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Suidakra「Book of Dowth」

ドイツのヴァイキングメタル、スイダクラの2011年作
活動はすでに14年、本作が10作目となるベテランバンドである。
前作Crogacht」はエピックな壮大さを漂わせた傑作であったが、
今作期待通りの力作。いくぶんメロデス的な質感もあるツインギターの重ねと
ケルティックな叙情メロディを合わせた作風は、ファンタジックな世界観を含みつつ
適度に激しい疾走感とともに、この手のバンドの中ではずいぶん洗練されている印象。
土着的な感触もイモ臭ささがない分、一般のリスナーにも楽しめるくらいの普遍性があり、
やや方向性は異なるがENSIFERUMなどと同様のクオリティを有しているといっていいだろう。
ゲストの女性ヴォーカルやアコースティカルな要素も効果的で、サウンドを叙情的に彩っている。
ドラマティック度・・9 エピック度・・9 ケルティック度・・8 総合・・8.5
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Devin Townsend ProjectDeconstruction」

の2011年作
2009年の「氣」「addicted」から続く4部構成の3作目となるアルバムで

薄暗い雰囲気のモダンなプログレ風味から始まり、メタリックなヘヴィさが加わると
しだいにいつもの“混沌とした壮大な世界観”が広がってゆく。今作ではシンセだけではなく
オーケストラによる音の厚みがあるので、サウンドにはより説得力が増している。
まるでブラックメタルばりの激しさや、プログレメタリックな知的な狂気ともいうべき表現力、
そして繊細な叙情…10分、16分という大曲を含め、メリハリのある展開と強固な構築性が素晴らしい。
ドラマティック度・・8 知的アレンジ度・・8 内的壮大度・・9 総合・・8.5
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SERENITYDeath and Legacy

オーストリアのシンフォニックメタルバンド、セレニティーの2011年作
過去2作とも質の高いドラマティックなアルバムでにわかに人気を高めているこのバンド、
本作もKAMELOTを思わせるような知的な構築美で聴かせるドラマティックメタルの力作だ。
美麗なシンフォニックアレンジにも磨きがかかり、ときにRHAPSODYを思わせるクワイヤで
映画的な壮大さを演出するなど、サウンドにはもともとあったセンスに加えスケールの大きさが出てきた。
ヴォーカルの表現力やメロディの魅力という点でもさらに向上していて、モダン派のシンフォニックメタルとして
いよいよその地位を確立する傑作となった。DELAINのシャルロッテ嬢、SIRENIAのアイリン嬢がゲスト参加。
シンフォニック度・・9 ドラマティック度・・9 壮大度・・9 総合・・8.5
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Mars Hollow「World in Front of Me」

アメリカのプログレバンド、マーズ・ホロウの2nd。2011作
前作がなかなかの傑作だったので期待していたが、今作もやはり期待通りの傑作!
GENTLE GIANTルーツのテクニカルな展開美にキャッチーなメロディをまぶし、
レトロなシンセワークとともに、アメリカンプログレの王道ともいうべき抜けの良さと
濃密な質の高さで聴かせる、せせこましさのないダイナミズムにあふれるサウンドが素晴らしい
のっけから12分の大曲というのも自信の現れだろう、ジャズやフュージョン的な優雅さと
爽やかなメロディアスさが合わさって、Frogg Cafeあたりにも通じる抜群のセンスを感じさせる。
正直いって、面白さではSPOCK'S BEARDよりも上をゆく。新時代アメリカンプログレの必聴作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・9 楽曲センス・・9 総合・・8.5
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IONA「Another Realm」

イギリスのケルティック・シンフォニックロックバンド、アイオナの7th。2011年作
前作から5年ぶりとなる今作はCD2枚組の大作となった。しっとりとしたジョアンヌ・ホッグの歌声に
雄大なケルティックの風を感じるようなサウンドは、これまで以上に世界観を強めていて、
うっすらとしたシンセをバックに、繊細なギターのつまびきと、ヴァイオリンやパイプの音色が重なり
シンフォニックなケルトロックを描き出す。民族的なフレーズを違和感なくバンドサウンドに取り入れる
コンテンポラリーなセンスはさすがだし、15分を超える大曲などもゆったりと神秘的に聴かせてくれる。
デイブ・ベインブリッジのギターも流麗なフレーズを奏で、ロック的な躍動感をサウンドに付加している。
ベテランならではの自信と確かなアンサンブルが構築する、壮大なダイナミズムにあふれた力作です。
シンフォニック度・・8 ケルティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8.5
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Steve HackettLive Rails

元GENESISのスティーブ・ハケットのライブアルバム。2011年作
アルバム「Out of the Tunnel's Mouthにともなう2009〜2010年の欧州ツアーのステージを収録。
スタジオアルバムでは、年月をへてもそのハケット節ともいうべきメロウなサウンドは不変であったが、
ライブにおいても同様で、よい意味でのマイナー感覚を残して、決してポップへと逃げない姿勢は素晴らしい、
スティーブ自身の泣きのギターは当然のように素晴らしく、味わいのあるヴォーカルも含めて
叙情派メロディックロックとしてのひとつの理想郷を描いている。ロジャー・キングの美しいシンセワークも、
シンフォニックな味わいをサウンドに付加しているし、コーラスもこなす女性ギタリスト、アマンダ嬢の存在も
なにげに効いている。Disc2では“Firth of Fifth”、“Los Endos”といったGENESIS時代のナンバーも披露。
ファン思いのハケットらしい、優しく優雅なライブアルバムである。叙情派の方々は必聴!
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・9 メロウ度・・9 総合・・8.5
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Steve HackettBeyond the Shrouded Horizon

元GENESISのギタリスト、ステーブ・ハケットの2011年作
ライブアルバムに続き、ここのところ活発な活動をしているハケット先生、
その作品にハズレなしという通り、本作も繊細な叙情美に彩られた傑作。
つまびかれるアコースティックギターに、やわらかなヴォーカルとコーラスメロディ
どこか東洋的な色合いを感じさせる旋律とともに、幻想的な世界が広がってゆく。
年月をへても失わない瑞々しい感性が、楽曲の端々にきらめいていて、
ギタリストというよりも作曲家としてのトータルな雰囲気作りが素晴らしい。
もちろんメロウなギターもたっぷりで、女性ヴォーカルやオーケストレーションも含めて
作り込まれたアイデアの多さに感心しながら、泣きの叙情にうっとりとなる。
メロディアス度・・8 叙情度・・9 繊細度・・9 総合・・8.5
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TRANSATLANTIC「More Never Is Enough」

シンフォニックロックのスーパーバンド、トランスアトランティックのライブアルバム。2011年作
3枚のCDにはイギリス、マンチェスターの公演、2枚のDVDにはオランダ、ティルブルグでの公演を収録した5枚組のボックス。
前回のライブ音源「Whirld Tour 2010」も良かったが、こと演奏面での大人の味という点では本作が勝るかもしれない。
CDのDisc1には80分全1曲の大作「THE WHIRLWIND」の完全再現を収録。山あり谷ありの大曲が、職人たちの演奏によって、
なめらかに構築されてゆくのはまさに圧巻である。Disc2には31分の“All of the Above”など3曲71分を収録。
Disc3は33分におよぶドラマティックな名曲“Stranger in Your Soul”で幕を閉じる。CDだけでもおなかいっぱいであるが、
DVDの方もまた必見。CDとは収録地が異なるのも嬉しいが、映像で見ればこのスーパーバンドのスーパーたる所以が分かる。
まず全員がコーラスをとるのもこのバンドの特徴だが、メインパートを歌うニール・モーズ、ロイネ・ストルトのツーフロントを筆頭に、
DREAM THEATERを脱退したマイク・ポートノイのドラムは、むしろDTでのプレイ以上に楽しげで、ときおり観客を煽る様子も楽しい。
ロイネ・ストルトのギターは、ベテランの味をかもしだす渋さと、もはや仙人というような域で、一音ずつ味わいのあるトーンを奏で、
アコースティックギターに、シンセ、マラカスなどもこなす、ノリノリのダニエル・ギルデンロウの姿も、バンドのひとつの華だろう。
各プレイヤーの手元を映すカメラワークもいいし、臨場感あふれる音質も素晴らしい。確かに時間は長いが至福のBOXセットである。
ドラマティック度・・9 ライブ演奏・・9 お腹いっぱい度・・10 総合・・8.5
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VERSAILLESHoly Grail」

日本のV系メタルバンド、ヴェルサイユの2011年作
メジャーデビューとなった前作もなかなかの出来であったが、
本作も美麗なシンフォニック性と、高い演奏力で聴かせる質の高いアルバムだ。
ツインギターの流麗なフレーズと、ナルシスティックなヴォーカルを乗せて疾走、
1曲めから“V系メロディックスピードメタル”というべき、彼らの真骨頂を存分に味わえる。
このバンドの場合、メタルリスナーでも受け入れられるだけのテクニックとアレンジ能力があるので、
洋もののメロスピのあとでも違和感なく聴けるし、かつてのX JAPANを思わせるような
「激しさの中でのキャッチーな聴き心地」というのは、じつに日本人好みといえるだろう。
楽曲の中での盛り上げ所もしっかりとあるので、曲が長めでもテンションが続いて飽きない。
16分を超えるドラマティックな大曲も圧巻で、濃密さにおいて前作を超える出来だ。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・9 疾走度・・8 総合・・8.5
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GALNERYUS 「PHOENIX RISING」

日本のメロディックメタル、ガルネリウスの2011年作
小野正利をVoに迎えての2作目で、きらびやかに疾走するいつも通りのガルネリサウンド。
イントロに続く2曲めからして激しくも美しい、ファンの求めるシンフォンニックメロスピが炸裂だ。
テクニカルかつメロディックなSyuのギタープレイと、シンフォニックなYUHKI氏のシンセワークは
随所にプログレッシブな雰囲気も織り込みながら、楽曲の美麗なメロディパートを支えている。
また今回はドラム面での迫力もひとつ増したという感じで、バンド全体としてのバランスを保ちながら
各メンバーの勢いある演奏がいつも以上に光っている印象。英詞と日本語を曲によって使い分けながら、
キャッチーな聴き心地を付加する小野氏のヴォーカルもさすが。前作以上に密度の濃い力作に仕上がっている。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 濃密度・・9 総合・・8.5
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SERENITY IN MURDER

日本のシンフォニック・デスメタルバンド、セレニティ・イン・マーダーの2011年作
美麗なシンセをふんだんに使いながら、ブラストビート入りで激しく疾走する
シンフォニック・デスメタルサウンド。咆哮するデスヴォイスを歌っているのは女性で、その迫力は
ARCH ENEMYのアンジェラばり。初期のCHILDLEN OF BODOMを思わせるメロディアスさと
シンフォニックで厚みのあるシンセアレンジに流麗なギターフレーズが合わさって、
日本のバンドというレベルを超えた音の説得力がある。日本のメロデス系というと、
SHADOWSERPENTなどが思い出されるが、このバンドもまったく引けをとらないばかりか、
デビュー作にしてそれらを超えようかというレベルの高さ。世界で勝負できるバンドが出現した。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 暴虐度・・8 総合・・8.5
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SAXONCall to Arms

イギリスのベテランメタルバンド、サクソンの20011年作
1979年のデビュー以来、30年以上のキャリアを誇る大ベテランである。
2000年代に入ってからも、そのサウンドは衰えるどころかますますパワフルになり、
本作でも熱き男のHMがこれでもかと炸裂している。タイトルのように戦いをテーマにおいた作風で
いつも以上にエピックで男らしい楽曲がたっぷり。ベテランらしい枯れた味わいの歌声と、
時代の流れか、あえてレイドバックしたような古き良きギターリフとブルージーなアナログ感覚が耳に心地よい。
激しくたたみかけるパワフルさに、叙情的なバラード曲なども含め、随所に聴かせるメロウなギターフレーズが
サウンドに英国的な湿りけを付加している。ドラマティックさという点ではここ最近で最高の出来だろう。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 英国度・・9 総合・・8.5
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AmplifierThe Octopus」

イギリスのプログレ・ロックバンド、アンプリフィアーの2011年作
基本はギター/ヴォーカル、ベース、ドラム、ピアノ(シンセ)という4人編成であるが、
5人のバックヴォーカルやトランペット奏者も含んでいて、まるで大がかりなポストロックバンドのよう。
紙ジャケを開いてみると、PART1、2に分かれたCD2枚組の大作というのにもびっくりだが、
しっとりとしたピアノの音色に、マイルドなヴォーカル、メロウなギターで綴られるサウンドは
PINK FLOYDなどにも通じるような、叙情的でありつつ壮大なビジョンを感じさせるもので、
キャッチーなコーラスワークなど、聴き心地の良さの裏側に、知的なビジョンが見え隠れする。
ギターがヘヴィになると、古き良きオルタナ風味にもなるのだが、アナログ感覚はちゃんとある。
これはプログレ的なポストロックというのが正しいのか、ともかくただものではないセンスが
聴き手の想像力を刺激する。70'sロックの感触が、モダンな知性と融合したというへき力作。
まるで暗号解読のようなブックレットの文字や、付属の意味不明のロゴシールも謎だ。
内的プログレ度・・8 壮大度・・8 ポストロック風味度・・9 総合・・8
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REDEMPTION「This Mortal Coil」

アメリカのプログレメタル、リデンプションの2011年作
2004年のデビューから質の高い正統派のProgMetalを聴かせてくれるこのバンド、
5作目となる本作は、のっけからなにやらヘヴィなリフで重々しく始まるが、
美しいシンセワークと、テクニックのあるギターとともに変則リズムのキメを多用した
スリリングなサウンドに引き込まれる。いわばDREAM THEATERタイプの典型なのだが、
むしろ、今のDT以上に濃密な正統派のプログレメタルを聴かせてくれている。
モダンな硬質感と薄暗い叙情性がドラマティックに構築されてゆく、質の高さとセンスが光る力作。
ボーナスDiscには、Elton John、Starship、TOTO、Journey、UFO、Tri Amosのカヴァーを収録。どういう選曲なんだ?
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 むしろDTよりイイ度・・9 総合・・8
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Scale The SummitCollective」

アメリカのテクニカルメタルバンド、スケール・ザ・サミットの2011年作
いかにもDREAM THEATERのインスト版という感じだった前作から、
本作ではよりアンサンブルが強固になり、どこかスペイシーな浮遊感と
フュージョン的な軽妙さが融合された、テクニカルなサウンドが楽しめる。
歌なしながら、ギターのリフとメロディフレーズで聴かせるセンスはやはり絶品で
適度な緊張感に包まれた奥深いビジョンが楽曲を通してかいま見えてくる。
モダンな味わいの薄暗い叙情とメロウな哀愁を含んだ世界観を抜群の演奏で表現した傑作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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ANIMALS AS LEADERSWeightless

アメリカのテクニカルメタルバンド、アニマルズ・アズ・リーダーズの2011年作
8弦ギターを駆使する黒人ギタリストを擁し、前作はインストによるセンス抜群の作品だったが、
今作もなかなか面白い。テクニカルかつメロディアスな抜群のギターフレーズを軸に
メタルフュージョン的な軽やかさにモダンな硬質感を加えたという作風で、3〜4分台の曲が中心ながら
先の読めない展開で濃密なインストメタルを聴かせる。洒落たプログレ感覚に、Djent風味もありつつも、
ただ複雑なだけでなく、しっかりとメロディを乗せられるセンスは見事。インストなのに飽きません。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽妙センス度・・9 総合・・8
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Anomalous「Ohmnivalent」

アメリカのテクニカルデス、アノマロスの2011年作
BRAIN DRILLTHE FACELESSに在籍したドラマーを擁するバンドで、
こちらも上記バンドを彷彿とさせるような超絶テクニカル変態デスメタル。
ブラストビートでたたみかける暴虐さとスウィープを含んだテクニカルなギターワークで、
音の隙間を埋めてゆくような濃厚サウンドだ。ヘンタイすぎたBDに比べると
こちらはまだ音に美意識というか、シリアスな格好良さのようなものがあって、
変則リズムの中にも、やりすぎ一歩手前で抑えるような構築センスが感じられる。
ブルータルかつテクニカル、そして荘厳なドラマティックさもかいま見える濃密作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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CrimfallThe Writ of Sword

フィンランドのフォークメタルバンド、クリムフォールの2011年作
まるでNightwishTURISAS化したような前作もなかなかの好作であったが、
本作も女性ヴォーカルとデスヴォイスが絡みながら、前作以上に力強い激しさと勇壮な雰囲気で
むしろメロデス風味が増したような印象もある。一方ではシンセによるシンフォニックなアレンジや、
随所にヴァイキング風味とフォーキーな土着性もしっかりと織り込みつつ、
エピックかつドラマティックな世界観を描いてゆく様はなかなか圧巻である。
女性Voメインだった前作に比べ、より重厚な作風で、これは予想外の力作となった。
シンフォニック度・・8 エピック度・・9 フォーキー度・・7 総合・・8
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Amon Amarth「Surtur Rising」

スウェーデンのエピック・デスメタル、アモン・アマースの2011年作
1998年のデビュー作から数えて本作が8作目。重厚かつ硬派なそのサウンドから、
コアなファンの多いこのバンドだが、これまでに決定的な傑作はまだなかった。
前作では北欧神話の雷神トールをテーマにしていたが、本作もまた北欧神話から
炎の剣を手にしたムスペッル族の長スルトをジャケにし、激しくも勇壮な世界を描いている。
前作にあった聴きやすさをそのままに、ドラマティックなエピックメタルとしての質が上がっていて、
これまでになくメロディックなギターフレーズも効果的。戦う漢の熱さが濃密な音から伝わってくる。
これは過去最高のアルバムだろう。ライブ映像をたっぷり収録したDVD付き2枚組はこちら
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 エピック度・・9 総合・・8.5
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FALCONER「Armod」

スウェーデンのヴァイキングパワーメタル、ファルコナーの2011年作
元MITHOTYNの…などという呼称はもう不要だろう、すでに10年目にして7作目となる。
いつになくザクザクとしたヘヴィなギターリフで、土着的なメロディを奏でるサウンドは
基本的にはデビュー時から不変。前々作から復帰したマティアス・ブラッドのマイルドな歌声と
女性コーラスも含んだ牧歌性で、メリハリのある楽曲アレンジがじつにドラマティックだ。
北欧の風を感じさせるトラッド的な叙情とメタルとしてのパワフルさを両立させた力作である。
メロディアス度・・8 重厚度・・8 北欧叙情度・・8 総合・・8
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Arkona「Slovo」

ロシアのペイガンメタル、アルコナの2011年作
毎作質の高いアルバムで、ロシア最高のペイガンメタルとなったこのバンド、これが6作目となる。
今作は壮大なイントロからして、これまで以上にドラマティックな香りを漂わせているが、
楽曲が始まるとブラックメタルばりに激しく疾走、女性Voマーシャ嬢のスクリームを含めたヴォーカルに、
ヴァイオリンやアコーディオン、ガイタ、ハーディ・ガーディなどのフォーキーな音色がかぶさり、
シンフォニックな美麗さと土着性を融合させた、見事なペイガン・フォークメタルを展開する。
荘厳なコーラスにヴァイオリンの艶やかな響き、随所に叙情性を織り込みながら疾走感を同居させた
楽曲のアレンジもさすがという隙のなさだ。物語的なエピックな世界観も感じさせる見事な傑作。
シンフォニック度・・8 フォーキー度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Thulcandra「Under a Frozen Sun」

スウェーデンのメロディックブラック、スルカンドラの2011年作
DISSECTIONタイプの…というよりはリスペクトのメロブラを聴かせた前作に続き、
今作もオールドなトレモロリフで疾走する、モロにディセクションスタイルのサウンド。
曲の雰囲気はもちろん、緩急をつけた展開に、メロディックなギターフレーズと、
すべてがあの頃のメロディックブラックで、なんというか、ここまでやるともう天晴れだ。
いわば90年代的な古き良き邪悪さというべき感触とダークな翳り、そしてドラマティックな叙情性、
DISSECTIONが新作を出したらきっとこんな感じなのだろうと思う。最高だとしか言えない。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 ディセクション度・・9 総合・・8
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NightrageInsidious

ギリシャのモダンメロデスバンド、ナイトレイジの2011年作
3rdあたりからぐっとメロディの魅力を上げ、質の高いモダン派メロデスを聴かせるこのバンド、
5作目となる本作もツインギターのリフと叙情フレーズが気持ち良い爽快なメロデスサウンド。
シンセに頼らずあくまで二本のギターの重ねで勝負しているのが正統派としての誇りを感じるし、
メロディに北欧的な泣きが加わってきているのも嬉しい。オールドスタイルとモダンな硬質感をミックスさせ
随所に激しい疾走感を盛り込みつつ、メロディックな聴き安さとのバランス感覚が見事な高品質作である。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 正統派メロデス度・・8 総合・・8
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INSOMNIUMOne for Sorrow」

フィンランドのメロデスバンド、インソムニウムの5th。2011年作
前作の出来が大変素晴らしかったので期待していたが、本作もいかにもフィンランドらしい
メランコリックな叙情美が炸裂、ある意味ゴシックメタル的な雰囲気も楽しめる好作に仕上がっている。
ツインギターの流麗なメロディはやはり絶品で、そのもの悲しくも甘美なトーンはじつに日本人好み。
メロデス的な激しさや疾走感は控えめだが、その分、メロウな聴き心地にうっとりとなることしばしば。
これぞまさしくフィンランドのメタル。方向性はやや異なるがAMORPHISの持つ芳醇さにも通じる傑作。
メロディアス度・・8 メロデス度・・7 フィンラン度・・9 総合・・8
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MANIGANCE「Recidive」

フランスのメロパワバンド、マニガンスの2011年作
結成は90年代、フルアルバムとしては4作目となる中堅バンドであるが、
本作もじつに正統派のメロパワサウンドを聴かせる。このバンドの特徴ともいうべき
フランス語による歌声と、ときにテクニカルなフレーズを織りまぜたギターワークで、
パワフルかつドラマティックな楽曲を描いてゆく、シンセによるシンフォニックな味付けもあり
古き良き正統派の味わいとモダンなスタイリッシュ性が合わさったスタイルは貫祿充分だ。
前作からのプログレメタル風味の知的な構築性も含めて、クオリティの高い力作である。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 フランス度・・8 総合・・8
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Between The Buried And Me「The Parallex: Hypersleep Dialogue」

アメリカのカオティックメタルバンド、ビトゥウィーン・ザ・バリイド・アンド・ミーのミニ。2011年作
傑作5th「The Great Misdirect」に続く作品で、ミニとはいえ10分前後の曲が3曲と聴き応え充分。
この手のミクスチャー系のテクニカルメタルバンドの中では、そのセンスはずば抜けており、
スクリームヴォイスで激しくたたみかけるブルータルさと、アヴァンギャルドなだけではない知的な構成力、
プログレ的なスケール感とともに、随所にメロディックな聴き心地を盛り込んでいるのも素晴らしい。
混沌と知性、激しさと叙情を同居させた、まさしく現在形のヘンタイメタルバンド。ミニでもやはり必聴です。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 知的(ヘンタイ)センス・・9 総合・・8
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AGENTS OF MERCYBlack Forest

スウェーデンのシンフォニックロックユニット、エージェンツ・オブ・マーシーの2011年作
ロイネ・ストルト、ナッド・シルヴァン、ラレ・ラーションらによるGENESIS懐古風サウンドというべき
このバンドもすでに3作目となる。本作はこれまで以上にミスティックな雰囲気とシアトリカルな作風になっていて、
メロトロンを含んだ表情豊かなシンセワークと叙情たっぷりのギター、P.ガブリエルばりのヴォーカルで、
物語的なコンセプトを感じさせるほの暗いミステリアスさとともにゆったりと楽曲を盛り上げてゆく。
まさに、The Flower KingsGENESISを合わせたような、ドラマティックなシンフォニックの傑作である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 ミスティック度・・8 総合・・8
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The Tangent「Comnn」

イギリスのプログレバンド、タンジェントの2011年作
PARALLEL OR 90 DEGREESのアンディ・ティリソン率いるこのバンドも早くもこれで6作目となにる。
本作はのっけから20分の大曲で、美麗なシンセに叙情的なギターが絡む、シンフォニックの王道だ。
随所に古き良きプログレの感触を含みつつ、The Flower Kingsを思わせるような自然体の構築センスと
大人の味わいを感じさせる哀愁とともに心地よく聴かせてくれる。力みすぎないメロディの流れ方、巧妙な展開美は
さすがというべきもので、ゆるやかな繊細さも含みつつ、ダイナミックでありながら決して派手すぎない
知的な感触は絶品だ。軽やかなフルートやヴァイオリン、ピアノも加わった軽妙なジャズロック風味などもあり、
豊かな音楽性をクールに構成するセンスは、現代シンフォニックのトップクラスといっていいだろう。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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HAKEN「VISIONS」

イギリスのシンフォニックバンド、ヘイケンの2011年作
デビュー作にして新時代のハードシンフォニックの傑作と話題となったこのバンド、
本作も適度にヘヴィなギターワークと、メロディックな叙情性で構築される、
絶品のサウンドが楽しめる。プログレメタル的でもあるインストパートでの展開美は
テクニカルな要素とともに、いかにもプログレ的なシンセアレンジが融合され、
クールでありつつも古き良さもあるという感触が面白い。センスの良さという点では
The TANGENTにもすでに匹敵するだろう。ラストは22分の大曲も圧巻だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス度・・9 総合・・8
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ROYAL HUNTShow Me How to Live

デンマークのシンフォニックメタル、ロイヤル・ハントの2011年作
1993年のデビューから、一貫してきらびやかなクラシカルメタルを標榜してきたこのバンド、
11作目となる本作では、なんと4th「PARADOX」以来となる、D.C.クーパーがバンドに復帰した。
前作の古き良きHR風味も好きだったのだが、中世を感じさせるようなSEのイントロから曲が始まると、
かつての名作「Moving Target」を思わせる雅やかなシンフォニックメタルが展開される。
チェンバロの音色なども含んだアンドレ・アンダーセンのクラシカルなシンセワークと、
これまで以上に様式美を感じさせるギターに、D.C.クーパーのマイルドな歌声が重なって、
これぞロイハンとファンの誰もが思うようなサウンドを描いてゆく。メロディの充実度も素晴らしい。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 これぞロイハン度・・8 総合・・8
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VICIOUS RUMORSRazorback Killers

ヴィシャス・ルーマーズの2011年作
前作から5年ぶりとなる本作も、トレードマークであるボールジャケでまずは一安心。
リーダーのジェフ・ソープとドラムのラリー・ハウを除いてメンバーが交替しているが、
サウンドは前作以上にパワフルになり、徹頭徹尾これぞヘヴィメタル!という内容。
新ヴォーカルの歌声は、力強いハイトーンとともに深みと表現力もあり、
正統派の楽曲をドラマティックに彩っている。また、ツインギターのメロディという点でも
聴き所が増していて、最近のメロパワリスナーでも充分楽しめるだろう。見事な力作だ。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・9 正統派度・・9 総合・・8
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Vreid 「V」

ノルウェーのブラックメタル、ヴレイドの2011年作
北欧的な叙情ギターで疾走するサウンドはそのままに、前作よりもいっそう
古き良きメロブラの質感にレイドバックしたような印象。DISSECTION風味のギターリフと、
随所にうっすらとしたシンセを効かせて、プログレッシブに展開させる叙情性も見事。
10分の大曲を含め、知的な楽曲構成と、メロブラとして激しさを両立させた傑作。
メロディアス度・・7 暴虐度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Deafheaven「Roads to Judah」

アメリカのポストロック風ブラックメタル、デフヘヴンの2011年作
フランスのALCESTあたりを思わせる癒し系のブラックメタルで、
トレモロ風のギターフレーズの重ねによるゆったりとした情感から、ブラストビートで激しく疾走。
音自体はとても激しいのだが、そこにあるのは怒りではなく嘆きや悲しみで、マイナー調のフレーズと
泣きを含んだトレモロリフが聴き手の涙腺を刺激する。楽曲は10分前後と長く、全4曲で38分というのも、
デビュー作にしてはなかなか思い切っている。耳心地のいい悲しみの叙情ブラックサウンドに泣きましょう。
メロディアス度・・8 泣きの叙情度・・8 激しくも悲し度・・9 総合・・8
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WobblerRites at Dawn

ノルウェーのプログレバンド、ウォブラーの2011年作
北欧プログレとしては現在BEARDFISHと並ぶ実力者、前作はじつに素晴らしい傑作であったのだが、
今作もそのレトロなシンセワークと優雅な叙情性が合体した濃密なシンフォニックを聴かせてくれる。
やわらかなヴォーカルハーモニーはYES的でもあり、オルガンやムーグなどのシンセはELP色もあるという、
どこを切ってもプログレ好きにはにんまりのサウンド。10分以上の大曲2曲を含めて構築力もさすがだ。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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FROM.UZ「Quartus Artifactus」

ウズベキスタンのシンフォニックロックバンド、フロム.ウズの2011年作
過去3枚のアルバムを再録した2CDにライブ映像入りのDVDという3枚組。
FROMUZからFROM.UZへと微妙に名前が変化しているが…まあいい。
前作「Seventh Story」の素晴らしさが印象深いが、本作はアコースティックな要素を強めた
新たなアレンジでバンドの力量を見せつける。優雅な軽やかさの中に、チェンバーロック的な
得体の知れなさを練り込んで、適度な緊張感とともに構築されるサウンドに引き込まれる。
楽曲はほとんどが10分以上であるが、切り返しの多い構成や、牧歌的でもあるメロディのセンス、
クラシックなども取り入れた多様性あるアレンジで、飽きずに聴き通せるだけの魅力と演奏力がある。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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SubsignalTouchstones

ドイツのハードプログレバンド、サブシグナルの2011年作
SIEGES EVENのGとVoを中心にしたバンドで、シンセを含んだ美しいアレンジと
キャッチーなメロディが光る高品質なサウンド。IT BITESあたりにも通じる軽妙さと確かな演奏力で、
随所にProgMetal的なテクニカルな展開も織り込みつつ、あくまでメロディアスに聴かせる。
5、6分の曲を中心にしながら、11分の大曲も含んで知的な構築センスも抜群だ。
メタル的なヘヴィさはあまりないので、モダンなハードシンフォニックとしても楽しめる傑作。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 楽曲センス・・9 総合・・8
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MYRATH「Tales of the Sands」

チュニジアのプログレメタルバンド、マイラスの2011年作
前作も民俗色を取り入れた高品質な作品だったが、今作もシンフォニックな美麗さに
中近東的なフレイバーを融合させたORPHAND LANDにも通じるサウンド。
随所に母国語の歌唱を織り込んだり、女性コーラスなどもアクセントになっていて
緻密なアレンジと展開力も含めて、サウンドのスケール感は前作以上だ。
曲は3〜5分台と比較的コンパクトなので難解さもなく、曲によってはクラシカルな質感や
モダンな薄暗系プログレのような情感もあり、バンドとしての懐の深さを感じさせる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 楽曲センス・・8 総合・・8
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ARCH/MATHEOSSympathetic Resonance」

FATES WARNINGのジョン・アーチとジム・マテオスのユニット、アーチ/マテオスの2011年作
2003年のミニアルバム「A TWIST OF FATE」はかつてのFWを思わせる濃密なサウンドで、
コアなファンは続編を期待していたはずだが、ここに待望のフルアルバムが完成。
アーチ&マテオスのFWコンピに今作ではドラムにはボビー・ジャーゾンベクが参加、
独特の浮遊感あるヴォーカルと変則リズムを取り入れたテクニカルな楽曲は、
この二人でしか出せない個性であろう。10分超の曲が3曲と大作志向であるが、
これがまったく飽きない。巧みなギターリフと甘すぎない叙情性とともに、
テクニカルかつメロウに展開するサウンドはじつに通好み。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 FW風浮遊感・・9 総合・・8
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CYNICCarbon Based Anatomy

アメリカのプログレッシブメタル、シニックのミニアルバム。2011年作
2009年に25年ぶりの復活作Traced in Air」を発表し、そのプログレッシブな美しさでファンを喜ばせ、
続くミニ
「Re-Tracedでは意表をついたアレンジで賛否両論を呼んだ。これはそれに続くミニアルバムで、
のっけからしっとりとしたシンセと女性ヴォーカルによるアンビエントな雰囲気で驚かされるが、
2曲めからは彼ららしい知的で芸術的なサウンドを聴かせてくれる。やわらかな聴き心地の中に
もの悲しい情感と未来的なセンスのスケール感を内包し、巧みなアンサンブルで構築してゆく。
ProgMetalとしての質感を残しつつ、ほのかな民俗要素やモダンプログレのアンニュイさも取り込んでいて
そのセンスの良さは、Porcupine Treeなどにも通じるかもしれない。早くフルアルバムが聴きたい。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・8 芸術度・・9 総合・・8
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ELDRITCH「Gaia's Legacy」

イタリアンメタルバンド、エルドリッチの2011年作
1995年のデビューから地道に活動を続けて、本作はすでに8作目くらいだろうか、
初期の頃の怪しげなProgMetal風味から一時期はずいぶんモダンな作風へと変化していたが、
今作では変則リズムたっぷりのかつてのテクニカルな作風に戻りつつあり、
きらびやかなシンセワークがいかにもプログレ的に楽曲を彩っている。
気持ち悪さが魅力でもあった独特のメロディラインと混沌とした雰囲気はまさにイタリア。
ツインギターによる適度なヘヴィさとともにドラマティックに聴かせる、これは久しぶりの快作だ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 イタリア度・・8 総合・・8
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DARK SUNSOrange

ドイツのプログレメタルバンド、ダーク・サンズの4th。2011作
OPETHを思わせる薄暗い叙情と展開美が素晴らしいこのバンドであるが、
本作は、これまでとは異なりオルガンが鳴り響く70年代プログレ風味のサウンドで
アナログ風味のやわらかさと軽やかなアンサンブルに、マイルドなヴォーカルを乗せ
どこかサイケ気味の浮遊感もあって、前作までのダークな重厚さとはガラリと変わった。
曲は4〜6分台がほとんどで中だるみすることなく楽しめる。ラストの14分の大曲もなかなか圧巻。
奇しくもOPETHの2011年作と同じような作風の、プログレリスナー向きの傑作である。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 70年代風度・・8 総合・・8
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Pain of Salvation「Road Salt Two」

スウェーデンのプログレメタル、ペイン・オヴ・サルヴェイションの2011年作
スタイルとしてProgMetalから脱却し、古き良きロックの質感を押し出した前作の続編で
ダニエル・ギルデンロウの熱き歌声を中心にした、アナログ感覚あふれるサウンド。
70年代的なオールドなギタートーンと、どことなく土着的なシンセの旋律、
プログレッシブというよりはヴィンデージ調のロックという言葉がぴったりとくるような。
プログレメタルのファンではなく、間違いなくオールドロックのリスナーが歓喜する音だろう。
血の通ったロックへの回帰、それがダニエルの目指したコンセプトであるなら、
完璧なまでになし遂げた白と黒の2枚と言えるだろう。時間の流れを超えた力作である。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・7 古き良き度・・9 総合・・8
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Believer「Transhuman」


アメリカのテクニカル・スラッシュバンド、ビリーヴァーの2011年作
90年代初頭にアルバム3枚を残して消えたが、その後2009年に復活作「Gabriel」を出し、
それに続く復活後2作目。なにやら荘厳なイントロから、曲が始まるとクールなギターリフと
テクニカルなリズムによるこのバンド独自の知的スラッシュサウンドが展開。
今作では案外シンセによるアレンジが随所に効いていて、ギターの叙情フレーズや、
ヴォーカルの歌い方なども含めて、ずいぶんと音がメロウになっているという印象。
全体的にスピードはやや抑えめであるが、どことなくANNIHILATORあたりに通じる質感もある。
けっこう叙情度・・8 テクニカル度・・8 クールなセンス度・・8 総合・・8
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AKINWay Things End」

フランスのゴシックメタルバンド、アキンの2011年作
フルアルバムとしてはなんと10年ぶりとなる2作目。サウンドの方はメタル色は薄まり
2003年のミニアルバムの延長上と言える、モダンでプログレ的なアプローチが強まった。
艶やかなストリングスの音色も美しく、クラシカルでお洒落なゴシックロックという趣で、
キュートな女性ヴォーカルの歌声とともに、アンニュイな叙情を表現している。
ゴシックメタルというよりも、むしろPaatosWHITE WILLOWなど、
プログレ方面の女性Vo好きリスナーにもアピールする内容だろう。
クラシカル度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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Draconian「Rose for the Apocalypse」

スウェーデンのゴシックメタルバンド、ドラコニアンの2011年作
ドゥーミーな暗黒性と耽美な世界観で重厚なゴシックメタルを聴かせるこのバンド、
4作目となる本作も、ヘヴィなギターと低音デスヴォイス、そして女性ヴォーカルを絡めた
美しくもダークなサウンドだ。初期の頃のようなスローな一本調子ではなく、
PARADISE LOST的な質感のミドルテンポ曲もあって、最後まで飽きずに楽しめる。
女性声の比率がやや少ない感じもするが、それがむしろ効果的な印象を残している。
現存する数少ないヘヴィ系の本格ゴシックメタルとして、今後も応援してゆきたいバンドだ。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Stream of Passion「Darker Days」

オランダのゴシックメタルバンド、ストリーム・オヴ・パッションの2011年作
AYREONのアンソニー・ルカッセンによるバンドとしてスタートし、これが3作目となる。
ルカッセンの手を離れた前作は、良くも悪くも普通のゴシックメタルという出来であったが、
今作ではシンフォニックな美麗さとクラシカルで耽美な世界観が、より強固になって聴こえてくる。
ヴァイオリンも弾きこなすマルセラ嬢の歌声は、以前にも増してしっとりとした表現力がついてきて、
はかなげな叙情美とともに、音の説得力をぐっと高めている。ウィズインがメジャー化したいまとなっては、
オランダのゴシックメタルを引っ張るくらいの存在になっていってもらいたい。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SUNCHILDAs Far As the Eye Can See

ウクライナのプログレバンド、サンチャイルドの2011年作
本作から女性ヴォーカルが加わり、サウンドはよりきらびやかになっている。
のっけから15分の大曲で、男女ヴォーカルの歌声と美しいシンセワークで
やわらかな叙情性が広がってゆく。アレンジ面ではこれまで以上のダイナミズムとともに
メロディックな爽やかさと、いかにもプログレ的な濃厚なインスト部分のバランスもよく、
一方では女性の歌声を活かしたKATE BUSHあたりに通じるキュートなお洒落さや、
フルートやストリングスなど、アコースティカルなやわらかみもあり飽きさせない。これは傑作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 モダンシンフォ度・・8 総合・・8
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PaidarionBehind the Curtains」

フィンランドのシンフォニックロック、パイダリオンの2011年作
女性Voにサックス奏者を含む6人組で、前作もシンフォ、ジャズロックを合わせたような
好作であったが、本作ではゆるやかな叙情美と幻想的な世界観に磨きがかかっている。
うっすらとした優美なシンセにサックスの音色が絡み、軽快さと叙情性を併せ持った楽曲に
男女ヴォーカルの歌声が乗る、北欧らしい涼やかな聴き心地の優雅なシンフォニックロックである。
メロウなギターのフレーズもセンス良く、大仰にならないキャッチーな明快さがなかなか素晴らしい。
10分の大曲を構築するアレンジ力も含めて、知的な美意識に包まれたモダンシンフォニックの傑作。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 優雅度・・9 総合・・8
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MAGIC PIE「The Suffering Joy」

ノルウェーのシンフォニックロックバンド、マジック・パイの3rd。2011年作
過去2作も素晴らしい内容の傑作だったが、本作も24分の組曲で幕を開け、
ProgMetal的なテクニカルな構築センスとドラマティックな展開美で聴かせてくれる。
適度にハードなギターのセンスあるフレーズや、しっかりとプログレしているシンセワークに
キャッチーなヴォーカル、コーラスハーモニーでメロディックな聴き心地と叙情性を描き出す。
緩急のついた構成力とメロディの魅力で、現在北欧シンフォニックの筆頭格といえるバンドです。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 構築度・・9 総合・・8
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NEAL MORSETestimony 2

アメリカのシンフォニックプログレ、ニール・モーズの2011年作
元SPOCK'S BEARDのという肩書きよりも、すでにソロのキャリアの方が上回っている
スタジオアルバムとしては2008年作に続く6作目で、当然のように今回も盟友マイク・ポートノイが
ドラムにて全面参加している。Disc1は22分、22分、32分という長大な組曲3曲による構成で、
のっけからシンフォニックな叙情とキャッチーな哀愁ともいうべきニール節が押し寄せてくる。
当然ながらTRANSATLANTICのような、山あり谷ありの構築性と展開力もあり、
ゆるやかに盛り上げてゆくドラマティックな手法はいかにもというところ。
これまでの作品以上に新鮮味があるということはないが、安心して楽しめる高品質作品である。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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GLASS HAMMER「Cor Cordium」

アメリカのシンフォニックロック、グラス・ハマーの2011年作
1993年のデビューから濃密なシンフォニックロックを作り続けてきたこのバンド、
12作目となる本作は、EL&Pばりのオルガンが鳴り渡る古き良きプログレ感触に
前作から引き継いだYes風味がキャッチーに重なる作風で、のっけから思わずにやり。
やわらかな聴き心地で大人の叙情を表現するのは、このバンドならではのこだわりだろう、
オールドリスナーが好むプログレ感覚を、現代シンフォの構築力で再現するセンスは
相変わらず見事と言う他はない。全6曲中、10分以上が4曲と、いつも同様に余裕の力作。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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KARMAKANIC「In a Perfect World」

スウェーデンのプログレバンド、カーマカニックの2011年作

THE FLOWER KINGSのヨナス・レインゴールドを中心に、前作はよりフラキンに近いイメージの
傑作であったが、本作も美麗なシンセワークでしっとりと始まりつつ、ジャズロック的な軽やかさと
キャッチーなメロディも含んで、大人のシンフォニックロックというべきクオリティの高さで聴かせる。
楽曲のアレンジや盛り上げ方など、フラキンとの差別化が難しいくらいに相通ずるものがあるのだが、
そこも含めての雰囲気が好きな方なら、今作も充分楽しめる作品だろうとは思うし、
やはりジャスロック風味の軽妙さには、余裕とウイットに富んだ演奏が光っている。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Touchstone「City Sleeps」

イギリスの男女Voシンフォニックロックバンド、タッチストーンの2011作
ライブアルバムをはさんでの3作目で、美しい女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、
シンフォニックハードサウンドは前作の延長上ながらよりダイナミックになっている。
この手のバンドにしては重厚さの効いたドラムとエッジのあるギターサウンドに、
美麗なシンセワークも含めて、PALLASあたりを思わせるドラマティックな雰囲気だ。
10分超の大曲も2曲あり、メリハリのある展開と、女性Voの美しさに惚れ惚れする。
ここぞというところで聴かせるメロディと盛り上げ方も上手くなった。なかなかの力作です。
ドラマティック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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KNIGHT AREA「Nine Paths」

オランダのシンフォニックバンド、ナイト・エリアの2011年作

ヨーロッパの中でも、シンフォニック大国のひとつであるオランダの中でも
安定したクオリティのアルバム作りで、すでに中堅というべき存在のこのバンド。
4作目となる本作も、きらびやかなシンセワークとメロディックなギタートーンで、
じつに正統派のシンフォニックロックを聴かせてくれる。マイルドなヴォーカルの歌声と
ゆるやかな叙情パートから、ドラマティックに盛り上げてゆく。この安定感いうのは、
一時期のPENDRAGONを思わせる。意外性は少ないが安心して楽しめる高品質作だ。
シンフォニック度・・8 ドラマティック度・・8 安心度・・9 総合・・8
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Presto Ballet「Invisible Places」

アメリカのプログレバンド、プレスト・バレットの3rd。2011作
METAL CHURCHのカート・ヴァンダーホーフを中心としたバンドであるが、
キャッチーなメロディアスさで聴かせるサウンドは本作も変わらず。
オルガンやムーグの音色など、レトロなシンセワークもふんだんに使い、
メロディアスでやわらかみのあるサウンドは、TRANSATLANTICなどのファンにも楽しめる。
曲はほとんどが7分以上であるが、アレンジ、構築性の点でも高品質で、
SPOCK'S BEARDなどにも通じる、爽やかなハードシンフォニックの力作だ。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 プログレ度・・8 総合・・8
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Gosta Berlings Saga「Glue Works」

スウェーデンのプログレバンド、イエスタ・ベルリング・サーガの2011年作
これが3作目ということだが、聴くのは初めて。ANGLAGARDのマティアス・オルソンがプロデュース、
サウンドは、ムーグやメロトロンなどレトロなシンセが鳴る、ANEKDOTENなどを思わせる
いかにも北欧らしいシンフォニックロックにシリアスなチェンバーロック色が加わったもの。
そう派手さはないものの、じわじわと感じられる静かなダイナミズムと知的なアレンジ、
涼やかな叙情に含まれた硬質な意思のようなものが感じられる、これは通好みの作品だ。
アナログ的なギターサウンドとそのメロウなフレーズにもにんまり。オールインストです。
シンフォニック度・・7 ミステリアス度・・8 北欧度・・9 総合・・8
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Steven WilsonGrace for Drowning

Porcupine Treeスティーブン・ウィルソンのソロ2011年作
PTの他にKING CRIMSONのリミックス、OPETHやORPHAND LANDなどのプロデュースなど
現在もっとも多忙を極めるミュージシャンの一人だろう。本作はVol.1、2に分けられたCD2枚組で、
しっとりとしたピアノやシンセと、繊細なヴォーカルで聴かせる、いわば静謐系の作風であるが、
アコースティカルな素朴さと、KING CRIMSONの静寂部分のような奥深い叙情性が素晴らしい。
もちろんプログレッシブな構築センスと、PT的な薄暗いモダンシンフォの要素も含んで
適度な緊張感とともにその世界観が描かれてゆく。Disc2の23分の大曲も見事な静かなる傑作。
メロウ度・・8 プログレ度・・8 静謐の叙情度・・9 総合・・8
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KATE BUSH50 Words for Snow

英国の歌姫、ケイト・ブッシュの2011年作
セルフカヴァー集だったDirector's Cut続くアルバムで、
オリジナルアルバムとしては 2005年の「Aerial」以来となる作品。
「雪のための50の言葉」と題された本作は、しっとりとしたケイトの歌声をメインに、
冬をコンセプトにした物語を語るような、内省的なヴォーカルアルバム。
ピアノとシンセによるシンプルな音像をバックに、やわらかに響く彼女の歌声は
詩的にセンシティブで、かつてのようなエキセントリックなポップさはないのだが、
繊細で深みのあるヴォーカルと静けさの中にある空間美はやはり素晴らしい。
これもケイトの声の表現力である。まさに雪のように、はかなくも美しい作品だ。
メロディアス度・・7 しっとり繊細度・・9 ケイトの歌声度・・9 総合・・8
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PaatosBreathing」

スウェーデンの女性ヴォーカル・シンフォバンド、パートスの2011年作
前作から5年ぶりとなる4作目で、しっとりとした女性ヴォーカルの歌声と
どこかアンニュイな薄暗さで聴かせる独自のサウンドはこれまで通り。
とことなく、後期のThe Ghateringを思わせるような倦怠感とともに、
メロトロンが鳴るANEKDOTEN風味の北欧プログレ要素がゆるやかに混ぜ合わさり、
さりとて決して濃い口にならないクールさもまたこのバンドの魅力だろう。
シンフォニック度・・7 薄暗叙情度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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FreddeGredde 「Thirteen Eight」

スウェーデンのマルチプレイヤー、フレドリック・ラーソンによる個人プロジェクト作。2011年作
ギター、ベース、シンセにヴォーカルをすべて一人でこなす、期待の若手ミュージシャン、
美麗なシンフォニック性とキャッチーなメロディアスさで構築されるサウンドは、
聴き心地の良さと軽快な展開力を両立させていて、デビュー作にしては相当質が高い。
甘い歌メロとコーラスはMOON SAFARIあたりにも通じるような人懐こさがあり、アコーディオンなど
アコースティック要素も含め、北欧らしい叙情も素晴らしい。アレンジは凝っているのだが難解さは皆無。
精細さとダイナミック、性と動のメリハリという点では、プログレ化したQUEENともいうべきか。
あるいはACTなどのプログレハード好きにも楽しめるかと。今後に大期待のアーティストです。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・9 プログレ度・・8 総合・・8
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Hasse Frberg & Musical Compation「Future Past」

The Flower Kingsハッセ・フレベリのプロジェクト作。20011年作
TFKにおいても、ロイネ・ストルトと並んでフロントマンであるから、
本作のサウンドも当然、随所にフラキン風味を感じさせるもので、
メロディックなギタープレイとキャッチーな歌メロを中心にしつつ、
そこに古き良きハードポップ/ロック要素も付加したという作風になっている。
シンフォニックなシンセアレンジやしっとりと叙情的なパートも含み、
10分台の大曲も4曲と、普通にフラキンクラスの力作に仕上がっている。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 フラキン風味度・・8 総合・・8
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AVA INFERIOnyx」

ポルトガルのゴシックメタルバンド、アヴァ・インフェリの4th。2011年作
女性ヴォーカル歌声を中心に、薄暗いゴシックメタルサウンドを聴かせるこのバンド、
本作もドゥーミィなギターリフでヘヴィな不穏さをかも出しつつ、カルメン嬢のヴォーカルは
ときに魔女のような妖しさで、耽美でシアトリカルな世界観を描き出している。
詠唱的な男性コーラスも加わって、楽曲にはOPETHあたりに通じるセンスも感じさせ、
美しいシンフォニック性と重厚さ、そして神秘的でミステリアスなスケール感が魅力的だ。
ミステリアス度・・9 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Negura Bunget「Focul Viu」

ルーマニアのブラックメタルバンド、ネグラ・バンゲットのライブアルバム。2011年作
すでに活動は10年以上におよぶ中堅バンドであるが、日本での知名度はまだ低い。
このライブ作でも、うっすらとした美しいシンセとパイプの音色でミステリアスな世界観を演出、
プログレッシブともいえる神秘的なペイガン風味のサウンドを聴かせる。
シンフォブラック的に激しく疾走する部分と、パーカッションも含んだフォーキーな土着性が
ほどよいコントラストになっていて、プリミティブな薄暗さをもった雰囲気にうっとりである。
軽く10分を超える曲がいくつもあるので、曲数は少ないがCD2枚で90分超のボリュームだ。
シンフォニック度・・8 ライブ演奏・・8 幻想美度・・9 総合・・8
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Entrails「Tomb Awaits

スウェーデンのデスメタル、エントレイルズの2011年作
もうジャケからして、かつてのENTOMBEDみたいなんですが、サウンドもそのENTOMBEDや
DISMEMBERを思わせる、90年代風味のスウェディッシュデスメタルで思わずにんまり。
ザクザクとしたギターリフと低音のデスヴォイスを乗せながらスラッシーに疾走しています。
ギターは随所にメロディのあるフレーズを聴かせつつも、甘すぎないところがミソで、
そのあたりのセンスの良さはEDGE OF SANITYあたりに近いものも感じますね。
このジャケになにかなつかしさを覚えるような方は、まず聴いて間違いはないです。
ドラマティック度・・8 北欧デス度・・8 オールドデス度・・9 総合・・8
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REVOCATIONChaos of Forms

アメリカのテクニカルスラッシュメタル、レヴォケーションの2011年作
前作同様、切れ味の鋭いリフを乗せて疾走するデスラッシュ的な突進力に
モダンなテクニカルさを備えたサウンドは、オールドスラッシュの質感を残しつつも
随所にプログレッシブな展開力を覗かせる、その思い切りの良いアレンジが素晴らしい。
激しさの中にもメロディックな味わいや洒落たフレーズを入れる余裕と知的なセンスが
聴き手をにやりとさせる。単なるスラッシュではない、器の大きさを感じさせるバンドである。
ドラマティック度・・8 スラッシー度・・8 構築度・・8 総合・・8
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Electro QuarterstaffAykroyd

カナダのテクニカルメタルバンド、エレクトロ・クォータースタッフの2011年作
ヴォーカルのいない、オールインストのテクニカル・ヘンタイメタルという前作から、
2作目となる本作も、トリプルギターでヴォーカルレスという異常な編成から繰り出される
強烈なサウンドに圧倒されます。一部ブラストを含んだ変則リズムの嵐に
ブレイクと緩急をつけた無茶な展開の連続で、聴き手をニヤニヤさせるインパクトは
SPASTIC INKBLOTTED SILENCEかというありさまで、ヘンタイ音楽好きの脳を
じつに心地よくほぐしてくれます。ギターはリフだけでなく随所にメロディも奏でるので
楽曲は複雑ながらも案外聴きやすく、ヘンタイ系初心者でもイケるのではないかと。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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LEPROUSBilateral

ノルウェーのプログレメタル、レプロウスの2011年作
前作はデスヴォイス入りでOPETHばりのパートも含むような作風であったが、
本作は怪しげなジャケのように、サイケ的な浮遊感が強まっていて、
いくぶんのレトロな感触ととともにMotorpsychoばりの不思議系ロックを聴かせる。
スクリームヴォイスも含むモダンなヘヴィさと、グラムロック風味の80年代感覚や
プログレ的なシンセなどが合わさり、一筋縄ではいかない玄人好みの聴き心地である。
ジャンルにとらわれない知的センスを内包したプログレ・サイケメタルの力作。
メロディアス度・・7 プログレ度・・8 知的センス・・9 総合・・8
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Deceased「Surreal Overdose

アメリカのスラッシュ・デスメタル、ディケースドの2011年作
前作のメロディアスさはいくぶん抑え気味に、デスメタルばりに激しくたたみかけるサウンドで、
スプラッター映画的な世界観を描いている。ツインギターのリフはヘヴィでありつつも
オールドスタイルの感触で、随所にメロディックフレーズを織り込んで、適度に緩急をまじえた楽曲は
ある種ドラマティックに展開する。そういう点で、激しいだけのバンドとは一線を画すような
6分、8分というこの手のバンドにしては長い曲を構築する知的なアレンジ力があるのが特徴だ。
硬質すぎず甘すぎずという、古き良きデス/スラッシュ好きはやはり聴く価値ありです。
メロディアス度・・7 疾走度・・9 オールドデス度・・8 総合・・8
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PORTRAITCrimen Laesae Majestatis Divinae

スウェーデンのメタルバンド、ポートレイトの2011年作
WOLFやENFORCER以降も、とどまるところを知らぬ、スウェーデンのオールドメタルムーブメント、
このバンドもツインギターのフレーズで、80年代のジャーマンメタルを思わせるような、
古き良き正統派メタルをやっている。音質のアナログっぽさや、ヴォーカルの声質も含めて
決してメジャーになどならぬぞ、というようなローカルな雰囲気が確信犯的に漂っている。
ツインギターのドラマティックなフレーズには、オールドメタラーは感涙ものだろう。
総合的な古めかしさではENFORCER以上の逸材か。ラストの大曲も見事。…まいりました。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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VOYAGER「The Meaning Of I 」

オーストラリアのメロディックメタルバンド、ヴォイジャーの2011年作
プログレッシブかつ知的なアレンジセンスでじつにクオリティの高いサウンドを聴かせるこのバンド、
4作目となる本作もドラマティックなコンセプト性を匂わせる、期待にたがわぬ力作に仕上がっている。
きらびやかなシンセを含んだシンフォニックな感触と、重厚な硬質感にキャッチーな歌メロも盛り込んで
メロディックに聴かせるサウンドは、ときにもの悲しい叙情も含んで、いかにもモダンメタルという作風。
知的な構築力はProgMetalのリスナーにも楽しめる、いわば「新時代のメタル」というような力作だ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 モダン度・・8 総合・・8
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BLOODBOUNDUnholy Cross

スウェーデンのメロパワバンド、ブラッドバウンドの4th。2011年作
2ndは軽めのメロスピ&メロハー風味で、3rdではモダンなヘヴィネスを取り入れた作風であったが、
本作ではよりレイドバックしたような古き良き正統派メタルの質感が強まっている。
キャッチーなサビとコーラスはGAMMA RAYなどのジャーマンメタル風味でにんまり。
ツインギターのリフとメロディックなフレーズもよろしく、DREAM EVILにも通じるパワフルな感触だ。
これはオールドなメタルサウンドが好きなアニキたちは大喜びのサウンドになったぞ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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Wizards 「The Black Knight」

ブラジルのメロディック・メタルバンド、ウィザーズの2011年作
1995年にポストANGRAと期待されてデビューし、好作を残しながらもバンドはなかなか安定せず、
活動停止とメンバーチェンジなどをへて今作は6作目となる。VoとKey以外はメンバーが変わっており、
前作「The Kingdom U」が微妙な出来であったこともあって、さして期待はしていなかったのだが、
のっけからシンフォニックな美麗さとキャッチーなメロディでたたみかける、かつてのサウンドに一安心。
クラシカルな優雅さとQUEENなどを想起させるやわらかなコーラスワークに、
プログレッシブな知性を感じさせる展開美…これぞウィザーズである。
デビューから15年あまり…今度こそ、この作品でより多くの認知度を得ることを願いたい。
メロディアス度・・8 シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 総合・・8
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Power Quest 「Blood Alliance」

イギリスのメロスピバンド、パワー・クエストの2011年作
DRAGONFORCEとともに英国出身のメロスピバンドとしてデビュー、
やわらかなメロディで疾走する美麗サウンドで人気を博すも、
前作ではほとんどメロハー的な作風となっていて、やや期待外れであったのだが、
5作目となる本作は、パワフルに疾走するメロパワ風味になっていてびっくりだ。
これまでになかったギターによるネオクラ風のフレーズとシンセによる、
厚みのあるサウンドで疾走しつつ、持ち味であったキャッチーな歌メロも健在。
ある意味ドラフォーに肉薄する内容となっている。メロハー的な曲もあるにはあるが
今作ではアルバムの中でのほどよいバランスになっている。期待以上の力作だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 けっこうパワフル度・・8 総合・・8
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Iced Earth「Dystopia」

アメリカのベテランバンド、アイスド・アースの2011年作
90年代初等から活動するベテランバンド、本作はおそらく10作目のアルバムとなる。
本作でもまたヴォーカルが交代しているが、パワフルかつエピックに聴かせる
その正統派メタルサウンドには曇りなし。彼らお得意のストーリーに基づいたドラマ性とともに
重厚に描き出される世界観は、よりダイナミックになり、初期の頃の激しさも戻ってきている。
新Vo、ステュー・ブロックの歌声は、パワフルでありながら、曲によってはじっくり歌い上げることで
サウンドに叙情的な側面も与えている。勇壮さに溢れたドラマティックメタルの傑作である。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 正統派度・・9 総合・・8
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RIOTImmortal Soul

アメリカのベテランバンド、ライオットの2011年作
2009年に「THUNDERSTEEL Reunion」ツアーで来日、トニー・ムーアにボビー・ジャーゾンベクという
かつてのメンバーで行われた感動のライブにて新曲を披露…それから2年、ついに待望の新作が完成した。
バンド名を冠した1曲めの“Riot”からして、ツインギターの流麗なフレーズとともに始まり、トニー・ムーアの
ハイトーンヴォーカルを乗せて疾走する、まさしく“Thundersteel”の続編ともいうべきナンバーで感慨もひとしお。
その後もRIOT節ともいうべきツインリードとともに、大人の哀愁と90年代初頭の雰囲気をぷんぷん漂わせつつ、
ファンの望むRIOTサウンドを聴かせてくれる。曲の雰囲気としては「Nightbreaker」あたりの作風にも近いだろうか。
それにしてもトニー・ムーアの衰えを知らない歌声は素晴らしい。苦難の歴史を通り越し輝きを放ち続ける彼らに幸あれ。
古き良きメタルが再評価される昨今、若いファンもこのアルバムでRIOTというバンドの素晴らしさを知ってもらいたい。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 あの頃のRIOT度・・9 総合・・8
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OMNIUM GATHERUMNew World Shadows

フィンランドのメロデスバンド、オムニウム・ギャザラムの2011年作
メロディックかつ知的なアレンジ力で毎作高品質な作品を出しながら、
なかなか日本での知名度が上がらないこのバンドだが、今作もじつに見事な出来。
これまで以上に叙情的なツインギターのメロディにうっすらとしたシンセが絡み
いかにもフィンランド的な美意識を感じさせるサウンドは、とても日本人好み。
そして、ときおり見せるOPETHなどを想起させるプログレッシブな構築性も素晴らしく、
甘すぎないメランコリックさも絶妙だ。前作での硬派なスラッシー路線も好きだったのだが、
メロディ派の諸兄は、初期チルボド並のフレーズも出てくる本作なら間違いなく気に入るだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 知的構築度・・8 総合・・8
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IMPERIASecret Passion

ノルウェーのゴシックメタルバンド、インペリアの2011年作
このバンドとしては3作目であるが、Voのヘレナ嬢TRAIL OF TEARSの初代Voでもあり、
その活動暦は優に10年以上。本作においても堂々たるその妖艶なる歌声で、
シンフォニックなゴシックメタルを聴かせてくれる。この手のバンドにしては楽曲は激しめで、
美麗なシンセとギターのメロディアスなフレーズを乗せて、ときに疾走したりもする。
サウンドの説得力も素晴らしい。同郷のSIRENIALeaves' Eyesにも引けをとらない力作だ。
シンフォニック度・・8 耽美度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Midnattsol「Metamorphosis Melody」

ノルウェーのゴシックメタルバンド、ミッドナットソルの2011年作
やわらかな女性ヴォーカルの歌声と美麗なシンフォニックアレンジ、
そして北欧的な土着感のあるギターフレーズで聴かせるサウンドは、
本作でいっそう叙情的になり、適度なヘヴィさを保ったバランス感が見事。
リブ・クリスティの妹としても知られるカルメン嬢の歌声はずいぶんと表現力を増し
ファンタジックで幻想的な楽曲を美しく彩っている。ツインギターのメロディも効果的で
3作目にして先輩のLeaves' Eyesにも負けぬだけの作品を作り上げた。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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BattleloreDoombound

フィンランドのファンタジー・ゴシックメタル、バトルローの2011年作
2002年のデビューから、男女ヴォーカルのファンタジー・エピックメタルを標榜するこのバンド、
最高傑作となった前作に続く6作目で、今回はトールキンの物語をテーマにしているようだ。
ツインギターの重厚さと、男女Voの使い分け、シンセによるシンフォニックな味付けが合わさり、
フルートが鳴り響く土着的なトラッド要素も含めて、本格派のファンタジックメタルを展開、
ヴァイキングメタラーをも唸らせる世界観の描写に磨きがかかっている。メンバーのいでたちも含めて、
コスプレ・エピックメタル最高峰の地位は揺るがない。なお、右のジャケはライブDVD付き限定盤
ドラマティック度・・8 ファンタジック度・・9 エピック度・・9 総合・・8
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AUTUMNCold Comfort」

オランダのゴシックメタルバンド、オータムの2011年作
前2作は女性ヴォーカルの歌声とシンフォニックな美麗さの好作であったが、
今作では女性Voをメインにアンニュイなけだるさが強まった作風で、ゴシックというよりは
むしろポーランド系のバンドのような薄暗いシンフォニックロックサウンドである。
たゆたうような美しさはとても耳心地がよく、メタルとして聴かなければとても楽しめる。
しっとり女性声ロックとして、メタル度を減らした頃のThe Gatheringなどが好きならばいかが。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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Turisas「Stand Up And Fight」

フィンランドのヴァイキングメタル、チュリサスの2011年作
コンスタンティノープルまでの旅を壮大に描いた前作からの続編で、
本作もシンフォニックな壮麗さに彩られた力作に仕上がっている。
勇壮なコーラスとオーケストレーションによるエピックな世界観は
RHAPSODYばりに映画的で、視覚的なイメージを想像させてくれる。
アコーディオンなどのフォーキーな要素もちゃんと残っているが、サウンドは洗練されて、
濃密な土着性が薄まったため、1stからのファンにとっては物足りなさもあるかもしれない。
エピックなシンフォニックメタルとしての普遍性が強まったことで一般のリスナーには聴きやすいだろう。
シンフォニック度・・8 フォーキー度・・7 壮大度・・9 総合・・8
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CHILDREN OF BODOM「Relentless.reckless Forever」

フィンランドのメロデスバンド、チルドレン・オブ・ボドムの2011年作
初期の王道のメロデス路線からしだいにモダンなヘヴィネスを含ませたサウンドへ進化させ
いまや世界的なメタルバンドとなったCOBの通算7作目。ぱっと聴きには、シンセによる美麗さと
メロディアスなギターフレーズから、3rd「FOLLOW THE REAPER」の頃を思い出させる作風だ。
かつてのスタイルにレイドバックした感触とともに、音そのものにはモダンな硬質さがあるので、
以前のファンに受け入れられる聴きやすさと、最近のファンにも楽しめる要素が両方まじっている。
楽曲そのもののインパクトや迫力と勢いの点では前作、前々作ほどではない気もするが、
シンフォニックなシンセとギターとの絡みは絶品だし、この質の高さの維持にはやはり敬意を表したい。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 モダン度・・7 総合・・8
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PestilenceDoctrine

オランダのデスメタルバンド、ペスティレンスの復活2作目。2011作
80〜90年代に4枚のアルバムを残し、その後2009年に10年ぶりに復活を果たした、
スラッシュ風味のデスメタルという前作のスタイルから、今作ではよりブルータルになり、
ツインギターの重厚なリフを乗せて疾走、激しいドラムとともにヘヴィにたたみかける。
随所にクールなテクニカルさを織り込んだり、甘すぎないフレーズをまぶしつつ
あくまでオールドスタイルの絡みつくようなデスメタルを聴かせてくれる。
粘着質のわめき声ヴォーカルを含めて、OBITUARYあたりにも近い感触だ。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 オールドデス度・・8 総合・・8
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VADER「Welcome To The Morbid Reich」

ポーランドのデスメタルバンド、ヴェイダーの2011年作
1992年のデビューから一貫してオールドスタイルのブルータルなデスメタルを標榜し続けてきた、
本作でフルレンスとしては9作目となる。前々作のツアー中にメンバーが相次いで脱退し
前作はほぼリーダーのピーターのソロ的な作品であったが、本作では新たにメンバーを決定し、
新生VADERの船出となった。荘厳なイントロから、曲に入ると暴虐にブラスト疾走、
ヘヴィかつスラッシーな、もはやVADER節ともいえるギターリフは相変わらず切れ味抜群だ。
不穏なムードを漂わせる暗黒の帝王じみた迫力とともに、今作ではギターにおける
メロディックなフレーズも効果的で、激しさの中にもダークな叙情というものを感じることができる。
曲は3分前後と比較的シンプルであるが、このバンドのなんたるかを知るには分かりやすい力作だ。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 VADER節度・・9 総合・・8
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Arch Enemy「Khaos Legions」

スウェーデンのエクストリームメタル、アーチ・エネミーの2011年作
初期曲のセルフカヴァーアルバムに続く、通算8作目のアルバムで、
テクニカルかつメロディアスなギターワークをたっぷりと散りばめたサウンドは不変。
そして本作では、パソコンではなく、アンプを通してギターを録音したというように、
古き良きアナログテイストのメタル質感が耳心地よく、往年のファンにも聴きやすいだろう。
アンジェラ嬢の咆哮は、いまや男性のスクリームと遜色ないくらいにバンドにフィットしているし、
ギターの泣きの叙情フレーズにもよく合っている。アンジェラ加入以降では一番耳馴染みのいいアルバムだ。
ちなみに、本作から日本語のバンド表記が「アーク」から「アーチ」へと正常化されたのも興味深い。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 新鮮度・・7 総合・・8
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EXMORTUSBeyond the Fall of Time

アメリカのメロディック・スラッシュメタルバンド、エクスモータスの2011年作
前作はまあまあという程度の出来であったが、今作はなにやらドラマティックなイントロからして違う。
オールドなギターリフで疾走するアナログ的な古き良きメタル感覚にますます磨きがかかり、
随所にメロディを効かせたギターフレーズとともに、まるでArtilleryばりのヨーロピアンなスラッシュサウンドだ。
一連のNWOTHM系バンドのような80年代正統派の質感も多分にあって、オールドファンもにんまり。
前作にはあまりなかった緩急を使った展開や、ドラマティックな世界観もGoodな力作です。
ドラマティック度・・8 スラッシュ度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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HELRUNARSol II-Zweige Der Erinnerung

ドイツのネイチャーブラックメタル、ヘルラナーの2011年作
ドイツ語による語りからゆったりと始まり、ノイジーなギターが加わって
かつての北欧ブラックを思わせるようなトレモロリフと、がなりヴォーカルを乗せて疾走。
本作は2枚作品の後編にあたるようで、コンセプトは不明だが、10分前後の曲が3曲あり、
薄暗く寒々しい叙情と、アコースティカルな静寂パートなども織り込んだ楽曲はなかなか魅力的。
甘すぎない程度のメロディックな聴き心地もよい感じです。アナログ的自然派ブラックの力作。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・8
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A Forest of StarsOpportunistic Thieves of Spring

イギリスのサイケデリック・ブラックメタルバンド、フォレスト・オブ・スターズの2011年作
前作同様、10分以上の大曲を中心にしているが、本作はよりプログレッシブな味わいのあるサウンドとなっていて
緩急のついたドラマティックなメリハリとクラシカルな優雅さ、そして説得力が備わってきている。
薄闇に包まれたような世界観と神秘性に包まれた、いわゆるネイチャーブラックメタルの質感を
英国風に仕立て上げたという雰囲気で、ストリングスの音色やアナログ的な音作りもあって、
ブラックメタル的に疾走する場面でもあまり激しさは感じない。むしろ優雅な聴き心地の作品だ。
ドラマティック度・・8 翳りと叙情度・・8 英国度・・8 総合・・8
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Ascension「Consolamentum」

ドイツのブラックメタル、アセンションの2011年作
初期EMPERORMARDUK的なオールドなギターリフでブラスト疾走しつつ、
知的な構築センスと得体の知れない壮大さを覗かせるサウンドにわくわくする。
ミドルテンポで聴かせるドゥームな感触もあって、激しい疾走パートとのよいメリハリになっている。
ダークな邪悪さよりも内的精神世界に入り込むような世界観と、アナログ感漂う音作りもよい感じで、
サイケやポストロック的な雰囲気を巧みに取り入れた、プログレッシブなブラックメタルの力作である。
ドラマティック度・・8 壮大度・・8 構築センス・・9 総合・・8
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SolstafirSvartir Sandar」

アイスランドのペイガン・サイケメタル、ソルスタファーの2011年作
CD2枚組の大作で、のっけからいきなり11分の大曲という構成もただ者ではないが、
妖しげな雰囲気のサイケデリック性に包まれた、なかなか個性的な聴き心地。
ポストロックのようなミクスチャー感覚とストーナー的なアナログ風味があって、
それを母国語の歌声でいくぶん土着的に仕上げた…という感じもする。
曲によってはポストブラック的な部分もあるが、メロディアスでもなければ
かといってペイガンブラック的な激しさも希薄という、ある種不思議な聴き心地。
むしろ荒涼感のある辺境アヴァンロックとして楽しむべきか。かなりの異色作である。
ドラマティック度・・7 メタル度・・7 構築センス・・8 総合・・8
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RavenWoodsEnfeebling the Throne

トルコのデスメタル、レイヴンウッズの2011年作
ターキッシュデスメタルというのも珍しいが、クオリティはこれがなかなか高い。
ブラストビートで激烈にたたみかける迫力と、かもしだすダークな荘厳さは、
たとえばVADERBEHEMOTHなどと比べても、まったく引けをとらない。
ツインギターのリフはときにテクニカルで、随所にアラビックなフレーズも覗かせるなど
そのセンスの良さも光っている。土着性を活かしたドラマティックなデスメタル傑作!
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 荘厳度・・8 総合・・8
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Fair to MidlandArrows & Anchors」

アメリカのエモーショナル・ヘヴィロックバンド、フェア・トゥ・ミッドランドの2011年作
プログレ的展開のあるエモという感じたった前作から、ぐっとスケール感が増し
メタリックでヘヴィな質感が強まっている。キャッチーでエモーショナルなヴォーカルメロディと
知的なアレンジとともに、プログレッシブ・ヘヴィエモロックというようなサウンドを描いている。
コンセプト的な楽曲の流れで、ドラマティックに構築してゆくセンスはなかなか見事で
ときに壮麗なシンセアレンジも含めて盛り上げる。あるいはこれもモダンプログレのひとつの形か。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 プログレ風味度・・8 総合・・8
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3Ghost You Gave to Me

アメリカのプログレッシブ・エモーショナルロック、スリーの2011年作
COHEED AND CAMBRIAを思わせるエモーショナルなキャッチーさが光るサウンド。
メロディックなギターのフレーズと、センスのよいシンセアレンジとともに、
知的に構築されるサウンドは軽すぎずヘヴィすぎず、とても耳心地がよい。
もの悲しい叙情で聴かせるドラマティックな楽曲もあり、ProgMetal好きにも楽しめる傑作だ。
ヴォーカルは、実際にCOHEED AND CAMBRIAメンバーの兄ということで納得。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 知的アレンジ度・・8 総合・・8
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WHITE ARMS OF ATHENAAstrodrama」

アメリカのテクニカルメタル、ホワイト・アームズ・オブ・アテナの2011年作
スクリームヴォイスとときに激しいブラスト入りで、テクニカルな演奏を聴かせるサウンド。
デスメタル的なヘヴィさもありつつ、ノーマルヴォイスを含めた叙情的なパートも入れながら、
プログレッシブで知的な展開力を見せつけるあたりは、Between The Buried And Meにも通じる感触だ。
一方では軽やかなジャズロック風味というような、遊び心がサウンドに空間的な余裕を生み出していて
テクニカルなだけではないエクスペンタルな聴き心地だ。この手が好きな方なら間違いなく楽しめるだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 構築度・・9 総合・・8
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FLESHGOD APOCALYPSE「Agony」

イタリアのデスメタルバンド、フレッシュゴッド・アポカリプスの2011年作
ブルータルなデスメタルにクラシカルなシンフォニック要素を盛り込んだというサウンドで
マシンガンのようなブラストビートで突進しながら、美麗なオーレストレーションアレンジがかぶさるという、
なかなか極端な作風が面白い。デスヴォイスとノーマルヴォイスも美と醜の対比を思わせ、
女性Voの入ったオペラティックなパートや、随所にメロディックなギターを織り込んで激烈かつ美麗に聴かせる。
激速のブラストはホントすごいし、濃密な音圧にも圧倒されるのだが、楽曲そのものにはシンフォニックな部分以外での
魅力がさほどでもないので何度も聴きたくはならないか。クラシカルなブルータルデスというインパクトは抜群デス。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・9 極端度・・9 総合・・8
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HELLHuman Remains

イギリスのメタルバンド、ヘルの2011年作
1982年に結成、デモやシングルを発表しつつもフルアルバムのレコーディング直前にレーベルが倒産、
バンドは解散状態となるが、2008年にまさかの再結成を果たし、2010年についに本作を完成させる。
壮麗なイントロからしてなにやらドラマティックな雰囲気だが、曲が始まるといかにも80年代的な
古き良き英国メタルが炸裂。たとえばSATANとか、あの頃のNWOBHMの中でもアンダーグラウンドな
世界観を持ったおどろおどろしさを感じさせつつも、スラッシーな激しさとまではいかないところがポイント。
王道のギターリフで疾走しながら、どこか演劇的に歌声を使い分けるヴォーカルの味わいもGood。
10分を超える大曲など、シンセやSEを随所に使い、ロックオペラ的な物語性を感じさせる作風も濃密だ。
Sabbatのメンバーであった、Andy Sneap、Martin Walkyierがゲスト参加しているのも泣かせる。
ドラマティック度・・8 古き良き正統派度・・9 英国メタル度・・8 総合・・8
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ALESTORM「Back Through Time」

スコットランドのパイレーツメタル、エイルストームの2011年作
海賊をモチーフにしたその世界観から、パイレーツメタルと呼ばれるこのバンド
3作目となる本作も、海賊船の冒険活劇が愉快に繰り広げられる。
サウンドにはむしろキャッチーな聴き安さがあって、そこにフォーキーなアコーディオンの音色と
ヴァイオリン、さらにはトランペットやトロンボーンなども加わってきらびやかに盛り上げる。
エピックかつコミカルな世界観で、お子さまから大人まで安心して楽しめる娯楽メタル作品だ。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・8 海賊度・・9 総合・・8

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TYR「The Lay of Thyrm

フェロー諸島のヴァイキング・メロパワバンド、テュールの2011年作
北欧神話、雷神トールのハンマーを盗んだ巨人族の王、スリュムが横たわるジャケからして
漢萌え〜なのだが、サウンドの方もエピックな香りをただよわせたメロパワで、
随所にヴァイキングメタル的な勇壮さを織り込みながら、あくまで正統派の誇り高さを聴かせる。
歌メロにはマイルドな聴き心地があり、ヘヴィすぎない楽曲もある意味絶妙だ。
日本盤のボーナスにはBlack Sabbathの“I”、RAINBOWの“Stargazer”のカヴァーを収録。
ドラマティック度・・8 エピック度・・8 ヴァイキング度・・7 総合・・8
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Svartsot 「Maledictus Eris

デンマークのフォークメタル、スヴァートソットの2011年作
ホイッスル/バグパイプ奏者を含む5人組、前作は正直いまひとつの出来であったが、
本作はコンセプト的な雰囲気で聴かせる、重厚かつドラマティックな力作となった。
ヘヴィなギターリフとデスヴォイスに、牧歌的なホイッスルやパイプ、マンドリンの音色が合わさって、
力強いエピックさと土着性を濃密に融合させている。ゲボゲボ系のデス声はなかなか強烈だし、
デスメタル並にヘヴィであるから、軽めのフォークメタルが好きな方にはややつらいかもしれないが、
武骨な戦士たちの姿を思い起こさせるようなパワフルなサウンドこそがこのバンドの持ち味なのだ。
ドラマティック度・・8 重厚度・・9 フォーキー度・・7 総合・・8
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Falkenbach「Tiurida」

ドイツのフォークメタルバンド、ファルケンバックの2011年作
これまでも幻想的なサウンドで我々を魅了してきたこのバンドの5年ぶりとなる5作目で、
ドイツ語の歌声で聴かせる相変わらず牧歌的なヴァイキング/フォークメタルを聴かせる。
中世を思わせるような世界観と、土臭さのただようやわらかなメロディ、
スリリングさのないゆったりとした楽曲は、のんびりとした聴き心地だ。
気の短いリスナーには合わないが、MOONSORROWなどが好きな方なら気に入るはず。
ドラマティック度・・7 フォーキー度・・8 ヴァイキング度・・8 総合・・8
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GRAY「O Zemle Rodnoy」

タタールスタン共和国(ロシア)のフォークメタル、グレイの2011年作
女性ヴォーカル、女性シンセ奏者、女性フルート奏者を含む6人組で、フルートの音色を乗せて
メロスピばりに疾走、母国語による女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、異国情緒漂うサウンド。
三人の女性によるコーラスワークも美しく、たおやかなフルートの音色が優しく包み込み
じつに耳心地のいいフォークメタルである。しっとりとした叙情と魅力的な女性声にフルート、
疾走するメロスピ要素を融合させた、新しくも美しい土着メタルの傑作。マイスペはこちら
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8

NATURAL SPIRIT「The Price of Freedom

ウクライナのフォークメタル、ナチュラル・スピリットの2011年作
ヴァイオリンやホイッスルが鳴り響き、ダミ声男Voと女性Voが絡む、
辺境的なフォークメタルサウンド。よい意味での垢抜けない土着性は変わらず
アコースティック楽器の頻度が増したことで、より音に説得力が加わっている。
ヴァイオリンに絡むギターもいい感じで、女性ヴォーカルの活躍が増えたのも嬉しい。
ドラマティック度・・7 フォーキー度・・8 辺境度・・9 総合・・8
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Vintersorg「Jordpuls

スウェーデンのフォーキー(ブラック)メタル、ヴィンターソーグの2011年作
BORKNAGARなどでも活動するVintersorg氏のメインバンドであるが、
7作目となる本作は、のっけからブラックメタル的な激しい疾走で勢い充分。
いつものように絶叫ダミ声とジェントルなヴォーカルを使い分けながら、
ときにオーケストレーションを含んだシンフォニックな感触も織りまぜつつ、
随所にフォーキーな牧歌性を盛り込んだサウンドを聴かせてくれる。
プログレッシブな質感もあった前作に比べて楽曲自体はシンプルに分かりやすくなった。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 フォーキー度・・7 総合・・8
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DALRIADA「Igeret」

ハンガリーのフォークメタルバンド、ダルリアダの2011年作
2004年にECHO ofDALRIADAとしてデビューしてからすでに通算6作目。
本作もフィドルの音色が鳴り響くイントロから、女性ヴォーカルの母国語の歌声を乗せて疾走、
ローカルさを漂わせた辺境的フォークメタルが楽しめる。リズム的にはけっこう激しいところもあるのだが、
アコーディオンやフィドルの牧歌的なメロディが脱力気味に加わると、微笑ましい愉快さに包まれる。
本作ではゆったりとしたトラッド的な叙情美も増しているが、ファンにはまず期待通りのサウンドだろう。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 辺境度・・9 総合・・8

CRUACHANBlood on the Black Robe

アイルランドのフォークメタルバンド、クルアチャンの6th。2011作
前作から5年ぶりとなる本作は、ヴォーカルが女性から男性に変わり、
これまでよりもいくぶんパワフル路線のフォークメタルになっている。
ギターに重なるヴァイオリン、ブズーキがフォーキーなメロディを奏で、
ホイッスルやマンドセロなどを響かせつつ、野卑な男性Voが歌い上げる。
ときに激しくい疾走もあったり、重厚なギターリフで聴かせるドラマティックな質感と
本格派のケルティックメタルとしての辺境的でダークな部分も強まってきて、
同郷のWaylanderと同様に、通好みで楽しめるバンドになった。
ドラマティック度・・8 ケルティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Einherjer「Norron」

ノルウェーのヴァイキングメタル、エインヘリヤルの2011年作
2004年の4thを最後に解散したと思っていたヴァイキングメタルの元祖のひとつというべきこのバンドが復活、
ここに新作が完成した。全6曲と少なめだが、1曲めはなんと12分の大曲で、母国語のダミ声ヴォーカルと
土着的なギターフレーズを乗せて怪しく聴かせるエインヘリヤル節は健在。昨今のバンドのようにシンセに頼らず
粘りつくようなギターのリフで本物の辺境性を表現するところは、さすがノルウェイジャンヴァイキングの元祖。
派手さや安易なインパクトはないものの、むしろプログレッシブというようなじわじわと聴かせるサウンドである。
ドラマティック度・・7 ヴァイキング度・・7 ルルウェイジャン度・・10 総合・・8
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Dark Mirror Ov TragedyPregnant of Despair

韓国のシンフォブラックメタル、ダーク・ミラー・オヴ・トラジェディーの2011年作
2004年の1stもなかなか美麗なシンフォブラックであったが、本作は7年ぶりの2作目。
耽美なイントロに続き、いきなり10分を超える大曲で、シンフォニックなシンセと
流麗なフレーズを奏でるツインギター、ダミ声ヴォーカルの絶叫を乗せて疾走する。
ストリングスの音色がもの悲しい静寂パートなどを織り込みながら、
ドラマティックに構築されるサウンドは、暴虐さよりも耽美さが前に出ていて、
日本のSERPENTなどにも通じるような聴き心地である。美しさに磨きがかかった力作だ。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 耽美度・・8 総合・・8
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Acherontas「Vamachara

ギリシャのメロディック・ブラックメタル、アケロンタスの2011年作
ジャケの雰囲気からしてSeptic Fleshのようなサウンドを想像したが、
実際には、メロディックなツインギターで疾走する、聴きやすいメロブラ作品。
いくぶんローカルな古き良き感触と、ギリシャらしいミスティックな雰囲気で、
ギターフレーズの叙情性はときにDISSECTIONなどを思わせる。
6〜7分という長めの曲でもリフとメロディの煽情力で飽きさせない構築力があり、
ラストの10分を超える大曲も含めて、最後までメロディアスに聴き通せる作品だ。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 オールドメロブラ度・・8 総合・・8
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My Dying BrideEnvita

イギリスのゴシックメタルバンド、マイ・ダイイング・ブライドのベストアルバム。2011年作
デビュー20周年を記念して、過去曲をシンフォニックアレンジで新録したCD2枚組で、
艶やかなストリングの音色にソプラノ女性ヴォーカルの歌声で始まり、男性声の語りが加わって
耽美で壮麗な世界が広がってゆく。メタル色の薄いクラシカル楽曲はゴシックアンビエントとして
うっとりと鑑賞できる。2CDで全9曲ながらどれもが10分前後なので、気の短い方には向かないが。
クラシカル度・・8 耽美度・・9 メタル度・・1 総合・・8
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DEICIDETo Hell With God

アメリカのデスメタルバンド、ディーサイドの11th。2011年作
グレン・ベントン率いるキャリア20年以上のベテランバンド、今作ものっけから激しくたたみかける
ブルータルなデスメタルが炸裂。緩急をつけながら、二本のギターのリフと存在感のあるベースによって
うねりのある迫力を聴かせるのはベテランならでは。また前々作で参加していたラルフ・サントーラが再び参加、
随所で流麗なギタープレイを聴かせてくれる。咆哮するベントン先生のデスヴォイスも迫力充分で、
オールドスタイルの格好よさと、アグレッシブな勢いにあふれた力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 ベテランデス度・・9 総合・・8
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DESTRUCTIONDay of Reckoning」

ジャーマンスラッシュのベテラン、デストラクションの2011年作
2000年のシュミーアの復帰から、めざましいばかりの活動で、往年以上のスラッシュを聴かせるこのバンド、
本作も1曲めからデストラ節の激しさでたたみかける強力な内容だ。もちろん激しいだけではなく
クールなギターリフと知的な硬質感を漂わせた演奏には、ベテランならではの質の高さがある。
さすがにもう新鮮味はあまり感じないが、安心して楽しめるのはデストラクションクオリティ。
ドラマティック度・・7 激しさ度・・8 スラッシュ度・・9 総合・・8
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ArtilleryMy Blood

デンマークのスラッシュメタルバンド、アーティレリーの2011年作
2000年の復活作から数えて3作目で、バリバリのスラッシュだった前作に比べて、
いくぶん正統派パワーメタルの質感に近づいたようなサウンドになっている。
前作から加入の元Crystal Eyesのソーレンの歌声も、パワフルなシャウトをまじえ
古き良きメタルの雰囲気をかもしだしていて、ツインギターのリフもどこかオールドな感触。
アラビックな音階をまじえた独特の雰囲気と、90年代的なアナログ感覚のスラッシュが融合、
どこかなつかしいような作風で、オールドスラッシャーには耳心地がよい音である。
随所にかつての傑作「By Inheritance」を思い出させるような力作だ。
ドラマティック度・・8 疾走度・・7 古き良きスラッシュ度・・8 総合・・8
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Morbid Angel「Illud Divinum Insanus」

デスメタルの帝王、モービッド・エンジェルの2011年作
前作から8年ぶり、スタジオ作としては7作目。オリジナルメンバーのデヴィッド・ヴィンセントが復帰、
反対にドラムのピート・サンドヴァルは腰の手術からのリハビリのため、いったんバンドを離脱しており、
臨時メンバー的にDIVINE HERESYのティム・ヤングが参加している。さて、サウンドの方はのっけから
なにやらインダストリアル風味で、あれれ?となるが、3曲めからは、デスメタルとしての本領発揮、
強烈なブラストビートと、トレイ節ともいうべきギターリフでたたみかけるサウンドに溜飲を下げる。
随所にモダンな硬質感を匂わせていて、これまでのファンからすると違和感もあるかもしれないが、
じっくり聴いていれば、知的で荘厳な邪悪ともいうべきモビエンらしさは楽曲の内面にしっかりと感じられ、
これも彼らの作品なのだと納得する。ただ音のみで聴くブルデス好きには問題作となるかもしれない。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・7 モダン風味度・・8 総合・・8
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Cathedral 「Anniversary」

イギリスのドゥームメタル、カテドラルのライブアルバム。2011年作
結成20周年を記念し、ロンドンで行われたライヴを収録した2枚組のライブアルバムで、
Disc1には、なんと伝説の1st「Forest of Equilibrium」をオリジナルメンバーで完全再現。
沈み込むようなスローテンポと、ドゥーミィなダークさが衝撃的だったあの名作が
20年の年月をへて甦る様は感動的だ。これぞカテドラル。これぞドゥームメタルである。
Disc2は過去作から選曲されたベストライブ的セットで、ドゥーム、ストーナー、サイケ、70'ロックの要素を、
独自の世界観で昇華させてきたバンドとしての深化、そしてブレのなさをあらためて確認できる。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・9 ドゥーム度・・9 総合・・8
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TONY MACALPINE

テクニカルギタリスト、トニー・マカパインの2011年作
PLANET XCABなどでの活躍はご存じの通りだが、ソロ名義のアルバムとしては
2001年のChromaticity以来、じつに10年ぶりとなる。セルフタイトルを冠した本作は、
メタリックなヘヴィネスとテクニカルでプログレッシブな質感が融合された力作となった。
自身でギター、ベース、シンセをこなすマルチプレイヤーぶりは相変わらずであるが、
ドラムにはヴァージル・ドナーティ、マルコ・ミネマンという凄腕を迎え、タイトで硬質感のある
技巧的なアンサンブルを描き出している。随所に高度なクラシカルフレーズを織りまぜつつ、
プログレメタリックなモダニズムを卓越したテクニックで作り上げる。マカパイン健在の強力作だ。
メロディアス度・・7 プログレメタリック度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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CABTheatre De Marionnettes

アメリカのフュージョンロックバンド、キャブの2011年作
トニー・マカパイン、バニー・ブルネル、ヴァージル・ドナーティという凄腕3人による
ハード・フュージョンサウンド。マカパインのギターは随所にメロディックでテクニカルなフレーズを
聴かせつつ、あくまで軽妙にさらりと弾き鳴らす。ドナーティのタメの効いたドラムも素晴らしく、
大人の余裕を感じさせるアンサンブルが楽しめる。今回、ブライアン・オーガーは1曲のみの参加で、
代わりにチック・コリア、ミシェル・ポルナレフ他、ゲストによるエレピやオルガンなどが楽曲を優しく彩る。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 軽妙度・・9 総合・・8
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DREAM THEATER「Dramatic Turn Of Events」

アメリカのプログレメタル、ドリーム・シアターの2011年作
バンドのブレインでもあったマイク・ポートノイの衝撃の脱退から、
公開のメンバーオーディションで加入したマイク・マンジーニを迎えてのアルバム。
さて、肝心のサウンドの方は、これがなんの違和感もなく聞き流せるDT節が満載。
メロディにしろ展開にしろ、どこかで聴いたよね、と思いつつ、包み込むようなシンセの美しさや
ラブリエの絶妙の歌い回しで、すべてOK的な、ファンにはひと安心という落ち着いた内容。
新鮮味がどうとか新たな刺激とか、そんな野暮なことを言わなければ85点はとるだろう、という…。
マンジーニのドラムにしても、マイクを意識しながらむしろ控えめなほど楽曲に忠実でバランスがいい。
前作のレビューでも「冒険なしの傑作」と書いた気がするが、本作ではさらにレイドバックしたような
メロディアスでやわらかな感触が、精巧に作られたスリリングさとともに高い演奏力で再現されている。
これを期待通りととるのか、物足りないととるのかは、アナタのDTファンの度合いによるだろう。
誤解をおそれずに言えば、大人のフュージョンを思わせる軽やかな職人技の整合感があり、
ひとことで言うのなら「良くできたドリームシアター的作品である」と…個人的にはそう感じた。
ドラマティック度・・7 新鮮度・・7 DT風味度・・9 総合・・8
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Derek Sherinian「Oceana」

PLANET Xのシンセ奏者、デレク・シェリニアンの2011年作
今作はドラムにはサイモン・フィリップスを固定、ギターはトニー・マカパインをはじめ、
スティーブ・ルカサー、スティーブ・スティーブンス、ベースにはジミー・ジョンソン、トニー・フランクリン
といった名うての実力者を迎え、軽やかなフュージョンタッチのサウンドを繰り広げている。
デレクのシンセはオルガンの音色をはじめ、いくぶんレイドバックしたようなプログレ風味を聴かせ、
PLANET Xに比べるとぐっと肩の力が抜けた、大人の余裕を感じさせるサウンドに仕上がっている。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 プログレフュージョン度・・9 総合・・8
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Odd Dimension「Symmetrical」

イタリアのプログレメタル、オド・ディメンションの2011年作
シンセを含む5人編成で、テクニカルな展開力と重厚さを含んだドラマ性で聴かせる。
シンセのアレンジなどはDREAM THEATERを思わせるセンスもあり、
軽妙なアンサンブルで巧みに構築する演奏力も備わっている。
曲はほとんど6分台で、ときなプログレパワー的なヘヴィさやクラシカルな美意識も含んで
最後まで飽きずに楽しめる。技術とセンスが融合された高品質なProgMetalアルバムだ。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 楽曲・・8 総合・・8
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Devin Townsend Project「Ghost」

の2011年作
先のDeconstruction」と表裏一体の作品で、上記が混沌とした濃密さであるなら
本作はゆったりと優しい自然を感じさせるヒーリング系プログレというべきサウンド。
シンセとヴォーカルを中心にしつつ、アコステッィクギターやフルートなどの素朴な音色と
ときに女性Voも加わって、GANDALFなどにも通じる癒し系の叙情で聴かせる。
メタルファンよりもむしろプログレ、シンフォニックリスナー向けの作品だ。
シンフォニック度・・7 しっとり繊細度・・8 ヒーリング度・・8 総合・・8
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SYMFONIA「In Paradisum」

アンドレ・マトス、ティモ・トルキらによるニューバンド、シンフォニアの2011年作
Revolution Renaissanceで3枚のアルバムを残したあと、ティモ・トルキの今後の活動が注目されたが、
元ANGRA〜SHAMANのアンドレ・マトス、元HELLOWEEN〜MASTERPLANのウリ・カッシュ、
元Kenziner〜SONATA ARCTICAのミッコ・ハルキンといった、キャリアのある面々によるスーパーバンドを結成した。
サウンドの方は、いきなり昔のストヴァリが始まったかと思ったら、ヴォーカルがアンドレ・マトスだったという感じ。
正統派の北欧メタル要素と、シンフォニックな美麗さが合わさった、90年代的なレイドバックスタイルは、
楽曲の新鮮味のなさを差し引いても、往年のストラトファンには嬉しい音であるのは間違いない。
正直、マストのハイトーンは往年に比べると衰え気味にも感じるのだが、そのかすれ声具合も味にはなっている。
継続的な活動に期待したいが、今後はSTRATOVARIUSの影をいかに振り払うかが課題となるかもしれない。
メロディアス度・・8 新鮮度・・7 ストラト度・・8 総合・・8
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RHAPSODY of FIRE「From Chaos to Eternity

イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディー・オブ・ファイアの2011年作
本作は2004年の「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS U」から続いてきた
“THE DARK SECRET SAGA”の完結編。前作ミニでの映画的な作りが賛否両論あったようだが、
今回は物語のラストを飾るべく、ドラマティックにたたみかけるシンフォニックメタル作品となっている。
壮麗でオペラティックなイントロから始まり、クラシカルなギターフレーズを随所に効かせつつ
ファビオ・リオーネの歌声と勇壮なコーラスを重ねて、エピックな壮大さを存分に発揮している。
静と動のメリハリをつけたプログレッシブなアレンジも健在で、これまでの作品における表現手法を
すべて使いながら、ファンを楽しませるべく綺麗なまとめたという印象だ。ラストの19分を超える組曲も圧巻。
エメラルドサーガ四部作の頃のような圧倒的なパワーは感じないが、安心二重丸の力作である。
シンフォニック度・・8 エピック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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EDGUY「Age Of The Joker」

ドイツのメロディックメタル、エドガイの2011年作
ここ数作でよりオーセンティックな正統派のHR/HMへと回帰していた感があったが、
9作目となる本作ではさらなるレイドバック志向が強まった作品となった。
のっけから古めかしいオルガンが鳴り、70年代的なハードロックを思わせるサウンドで、
それがトビアス流のドラマティックメタルに自然と融合されたという印象だ。
彼自身の歌い方にしてもどことなく演劇的で、古き良き物語を語るような雰囲気がある。
派手でパワフルなメタルを好む方には向かないが、キャッチーなメロディアスさとともに
伝統的なHRを現代風に作り替えたという点で評価のできるアルバムだと思う。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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Golden Resurrection「Man With A Mission」

スウェーデンのネオクラシカルメタル、ゴールデン・レザレクションの2011年作
DIVINEFIREのChristian Liljegren、REINXEEDのTommy Johanssonらによるバンドで、
まさに様式美メタルの王道といったデビュー作に続く2作目。今作もエピックでファンタジックな雰囲気に
きらびやかなシンセと随所にネオクラなギターを効かせた、相変わらず質の高いサウンドだ。
疾走のみに頼らないキャッチーな聴き心地は、古き良き正統派北欧メタルの王道といった趣もあり、
パワフルすぎない軽やかさと、いかにも様式美というメロディ作りは、意外性のない定型内の音ながらも、
耳心地の良さで最後まで聴けてしまう。80〜90年代の北欧メタルを甦らせたような好作である。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 様式美度・・9 総合・・8
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Last Chance to ReasonLevel 2」

アメリカのテクニカルメタル、ラスト・チャンス・トゥ・リーズンの2011年作
ヘンタイ系のテクニカルメタルというと、最近ではBraindrillなどを筆頭に、いろいろな出てきているが、
このバンドも変則リズムをたっぷり使った、良い意味で気持ちの悪いサウンドをやっている。
スクリームヴォイスを使いつつも、緩急をまじえた楽曲構成はプログレッシブといってもよく、
スペイシーなシンセのアレンジやノーマル声で聴かせるやわらかなパートなどもあって、
Between The Buried And Meあたりにも通じる知的な構築センスがなかなか見事だ。
曲は3〜5分台が中心なのだが、ひねくれたリズムとスイープを使ったテクニカルなギターフレーズで
緊張感を漂わせながら濃密に聴かせる。ヘンタイメタル好きは要チェックのバンドだろう。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 ヘンタイ度・・8 総合・・8
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GIGANQuasi-Hallucinogenic Sonic Landscapes」

アメリカのテクニカル・デスメタル、ガイガンの2011年作
ギター、ベース、シンセをこなすエリック・ヘルセマンを中心にしたバンドで、
ブルータルな激烈さとカオティックなテクニカル性が同居したサウンド。
ブラストビートを含んだオールドスタイルのデスメタルを基本にしつつ、
サイケ的なギターリフでスペイシーな浮遊感をかもしだしているのが面白い。
GORGUTSCRYPTOPCYなど、ヘンタイ系のテクニカルデスとしても楽しめる。
ドラマティック度・・7 暴虐度・・8 テクニカル度・・8 総合・・8
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Blotted Science 「Animation of Entomology」

アメリカのテクニカルメタルユニット、ブローテッド・サイエンスのミニアルバム。2011年作
ロン・ジャーゾンベクがCannibal Corpseのアレックス・ウェブスターと結成したユニット、
Machinations of Dementiaを発展させ、Behold the Arctopusのドラマーを加えたトリオ編成。
本作は約25分のミニアルバムであるが、内容の濃密さではまさに期待を裏切らない。
矢継ぎ早の変則リズムと、唐突かつテクニカル、アヴァンギャルドに展開する楽曲は
特異な音楽理論に裏打ちされた芸術的ともいうべきセンスで、聴き手を圧倒する。
混沌とした流れの中で変化してゆくメロディやフレーズが、脳を心地よく刺激しながら、
激しさの中にもコロコロとした可愛らしさがあってニヤリ。4パートに分かれた組曲も圧巻です。
メロディアス度・・7 テクニカル度・・9 ヘンタイ度・・9 総合・・8
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Burzum「The Fallen」

ノルウェーのブラックメタル、バーズムの2011年作
2009年に出所したカウント・グリシュナックのシャバ復活2作目となる。
前作で聴かれたメロディックな路線を引き続き、より普遍的なメタル感触がともなってきている。
ノイジーなギターフレーズで激しく疾走する部分は、かつてのブラックメタル質感がちゃんとあるが、
より有機的なリフとフレーズが目立ってきていて、わめき声とともにノーマルヴォイスも使われたりと
プログレッシブ・ブラック的なモダンなアプローチへの意欲も随所に感じられる。
いわばかつての寂寥感を卒業し、楽曲、音楽としての表現手法が強まったことで、
一般的にも聴き安い作品となっているし、ある意味、音楽家としてのセンスは
IHSAHNやSolefaldなどにも通じるこの路線は、個人的にも気に入っている。
メロディアス度・・8 暴虐度・・6 暗黒度・・7 総合・・8
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KAMPFAR「Mare」

ノルウェーのペイガンブラック、カンプファーの2011年作
神秘的なジャケが印象的だが、サウンドの方も前作以上に音の厚みが増し、
シンフォニックな要素も加わった、ミスティックなメロディックブラックを聴かせてくれる。
プリミティブな勢いでは前作だが、サウンドの説得力と完成度はずっと上がっており、
疾走する曲などはEMPERORあたりにも通じるだろう。キターのリフも魅力的になり、
北欧らしい土着的な雰囲気とともに、ミステリアスな美しさが楽しめる力作です。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 北欧度・・8 総合・・8
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ULVERWars of the Roses

ノルウェーのダークメタルバンド、ウルヴェルの2011年作
初期のブラックメタル路線から、インダストリアルやトリップ要素を取り入れて、
現在ではほぼ脱メタルしている。おそらく本作は8作目だろうか、
エレクトロニカ的なシンセ、シーケンサーとを使用したそのサウンドは、
むしろプログレ要素が強く、浮遊感のあるエレクトロ・ロックといっていいものだ。
そんな中にも、うっすらとした北欧的な叙情をかもしだしているのが個性的で、
ARCTURUSがさらにマイルドになったようであるが、それ以上にアーティスティック。
もはやメタルではなく静寂感を内包したアートロックとして聴くべき作品だろう。
メロディアス度・・8 メタル度・・3 プログレ/エレクトロ度・・8 総合・・8
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Fleet FoxesHelplessness Blues

アメリカのフォーク・ロックバンド、フリート・フォクシーズの2011年作
前作はデジパックだったが、ついに紙ジャケとなった。モノクロのメンバー写真も含めて
すべてが70年代的なパッケージとなり、サウンドの方もいよいよ古き良き牧歌的な
フォークロックサウンドに磨きがかかっている。アコースティックな優しさと
ゆったりとした聴き心地は、たとえばHERONのような、あの頃の英国フォークを思い出させ、
その時代錯誤にも思えるヒッピー的ともいうべきラブ&ピースの精神が、
のんびりとした音の中に見え隠れする。やわらかでレトロなフォークアルバム。
メロディアス度・・8 アコースティック度・・8 のんびりフォーク度・・8 総合・・8
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WOLFLegions of Bastards


スウェーデンのメタルバンド、ウルフの2011年作
キャリアはすでに10年以上、まさにNWOTHMの先駆けともいうべき存在のこのバンド、
6作目となる本作も、オールドな正統派スタイルを貫いた見事なサウンドを聴かせてくれる。
ツインギターのリフでパワフルかつに疾走するスタイルは、甘すぎないメロディを含んで
JUDAS PRIESTばりのドラマティックな世界観を追求する男のヘヴィメタルである。
古き良きマインドの上に、現代のバンドとしての確かな構築センスを上乗せした力作だ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良き度・・8 総合・・8
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To Die For「Samsara」

フィンランドのゴシックロック、トゥ・ダイ・フォーの2011年作

HIMとともにフィンランドのメランコリック・ゴシックロックの代表というべきこのバンド
本作は5年ぶりとなる6作目になる。サウンドの方は適度にヘヴィなギターリフと
うっすらとしたシンセワークで、キャッチーでありつつ哀愁を漂わせたサウンドは健在。
女性コーラスなどを含んだ美しさと、メランコリックな叙情はやはり絶品で、
これまで以上にシンフォニックな質感や、後半にはプログレッシブな風味も覗かせる。
メロウなギターフレーズも含めて、メロディの充実ぶりもさすがの力作だ。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・7 メランコリック度・・8 総合・・8
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Visions of Atlantis「Maria Magdalena」

オーストリアのシンフォニックメタル、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスのミニアルバム。2011年作
タイトル通り、イエスの死を見取ったとされる女性、「マグダラのマリア」をコンセプトにした作品で、
ジャケの雰囲気はいつになくゴシック的であるが、サウンドの方もきらびやかなシンフォニック性に
女性ヴォーカルの歌声と男性声の絡みで聴かせつつ、しっとりとしたゴシック風味も覗かせている。
シアトリカルな作風が男性声の意義を強めていて、マキシ嬢の美しいソプラノがいっそう映える。
ELISのサンドラ嬢がいたバンド、DREAMS OF SANTYに通じる雰囲気になった気もして、
個人的にもこの方向性は気に入った。次のフルアルバムが楽しみである。
シンフォニック度・・8 ゴシック風味度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Visions Of Atlantis「Delta」

オーストリアのシンフォメタルバンド、ヴィジョンズ・オブ・アトランティスの2011年作
EDENBRIDGESERENITYとともにオーストリアのシンフォニックメタルを牽引するこのバンド、
今作も男女ヴォーカルの歌声で美麗に聴かせるシンフォニックなサウンド。
これまで以上にギターがクサメロを奏でたり、楽曲の疾走感が増して全体的なメリハリがついたことで
ずいぶんダイナミックになったという印象。女性Voは新たにまた交代していて、マキシ嬢の歌声は、
前の二人のようなオペラティックな唱法とは異なるので、Nightwish的なイメージからはやや離れたか。
モダンなメタリックさと優雅な美しさのパランスもよく、クオリティ的にもEDENBRIDGEに匹敵するレベルにきた。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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ABSYNTH AURA「Unbreakable」

イタリアのゴシック風ヘヴィロック、アブシンス・オーラの2011年作
KILLING TOUCHのメンバーを中心にしたバンドで、実力ある女性ヴォーカルの歌声と
モダンなアレンジで聴かせるヘヴィロックサウンド。同郷のLACUNA COILにも通じる
メジャー感のある作風で、ゴシックメタルと呼ぶにはキャッチーなモダンさが前に出ており、
3、4分台のシンプルな曲が中心。ヴォーカルのクロド嬢の歌声は伸びやかな表現力があり、
そのパワフルな声量で楽曲に生命を吹き込んでいる。適度にシンフォニックなアレンジもくどすぎず、
新鮮味は薄いのだが、一般受けしそうな聴きやすさと、高いアレンジ力を有しているといっていい。
メロディアス度・・8 ゴシック度・・6 女性Vo度・・8 総合・・8
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Evanescence

アメリカのヘヴィロックバンド、エヴァネッセンスの3rd。2011年作
前作から5年ぶりとなる本作では、ギター、ベース、ドラムが交替しているが、
エイミ・ーリーの伸びやかな歌声と、キャッチーさとヘヴィネスの絶妙のバランスで、バンドとしての
健在ぶりを示している。3〜4分台にまとめられたポップなモダンさはいかにも売れセンであるし、
その質の高さには、WITHIN TEMPTATIONの近作と同様にあざとさを感じるのだが、
ヘヴィロックやゴシックのファンだけにとどめない堂々たるメジャー感覚がしっかり音にある。
2曲めのリフなどIce Queenっぽいし、そのままシャロンが歌っても違和感ないようなメロディも
多々あるのだが、歌メロの充実ぶりという点では過去作を上回る出来といってよいだろう。
メロディアス度・・8 ゴシック風味度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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HYDRIA「Poison Paradise」

ブラジルの女性Voシンフォニック・ゴシックメタル、ハイドリアの2011年作
モダンなヘヴィさとNightwishWITHIN TEMPTATIONを思わせるシンフォニックな壮麗さ、
そこに美しい女性ヴォーカルを乗せたスタイルは、ブラジルというよりはヨーロピアンな雰囲気が漂う。
21歳というラクエル嬢の歌声は、たとえばウィズインのシャロンなどに比べれば、まだ表現力は足りないが、
その清艶な声の魅力は、今後の成長に期待できる。ありがちな男性デス声の使い方はいただけないし、
楽曲そのものにも強いインパクトはないのだが、ゴシック的な美しさとヘヴィネスの合わさった力作である。
シンフォニック度・・8 けっこうヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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WITHIN TEMPTATION「The Unforgiving」

オランダのゴシックメタルバンド、ウィズイン・テンプテーションの2011年作
1997年にアルバムデビューを果たし、2nd「Mother Earth」、3rd「The Silent Force」と、
美麗なるシンフォニック・ゴシックメタルでファンを魅了してきたこのバンド、
続く4th「The Heart of Everything」では、よりモダンな要素を打ち出してきたことで、
新たなファン層を獲得、いよいよ世界的バンドへと躍り出たといっていいだろう。
本作はジャケに見られる通り、コミックと連動させたというコンセプト作で、限定盤のDVDには
そのストーリーにそったショートフィルムを収録するなど、新たな試みのされた力作である。
シャロン・アデルの美しい歌声を中心に、モダンかつシンフォニック、そしてキャッチーな聴き心地で、
そのサウンドにはもはやゴシックのゴの字もない、シンフォニック・ハードポップというべき音である。
この堂々たるメジャー感触はメタルではなく、一般のヒットチャートを狙ったというべきものだろうが、
クオリティの高さは他の追随を許さず、女性ヴォーカルロック好きには普通に楽しめる作品だとは思う。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・3 女性Vo度・・8 総合・・8
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Liv MoonGOLDEN MOON

日本の女性Voシンフォニックメタル、リブ・ムーンの2011年作
元タカラジェンヌのAkane Liv嬢の美貌とその卓越した歌唱力で、デビュー作は各方面から大いに話題を呼び、
カヴァーアルバムに続いてのこれが2作目となる。なにやら荘厳でクラシカルなイントロからして
前作以上に重厚なサウンドになっていて、メンバーチェンジの効果もあってか音がよりメタルらしくなった。
オペラティックな美声を乗せて疾走しつつ、Nightwishばりに美麗な世界観と壮麗なアレンジで、
そしてギターリフもよりヘヴィかつテクニカルになっており、全体的に質の高さは前作を超える。
一方でキャッチーな曲においては、やはりアキバ系HRというべき雰囲気もいくぶん残っているが、
今作ではそれもアルバムの中でのよいアクセントになっている。右は限定盤のジャケ。ファンは悶絶ものですな。
シンフォニック度・・8 よりメタルに度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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陰陽座「鬼子母神」

日本の和風メタルバンド、おんみょうざの2011年作

通算10作目はコンセプトアルバムにするという瞬火の当初からのビジョンを具現化した作品で
“鬼子母神伝説”をベースに書き下ろされた戯曲的脚本「絶界の鬼子母神」を原作にして作られた。
12パートに分かれた組曲形式のサウンドであるが、1曲ごとにしっかりとしたメロディとこのバンドらしい
古き良きHR/HMの質感を織り込んであって難解さはまったくない。黒猫と瞬火の男女ヴォーカルの絡みも絶妙で
日本的な情緒とともに描き出されるドラマティックな世界観が光っている。ゆったりとしたバラード曲の存在も
いつも以上に意味を持ち、アルバムとしての流れを含めて、ひとつの物語を紡いでゆくような力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 メタル度・・7 日本的度・・9 総合・・8
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LIGHTNING「JUSTICE STRIKE」

日本のメタルバンド、ライトニングの2011年作
ギタリストIRON-CHINO率いるメロディックメタルバンドの3作目。
前作「Five Rings」からまたヴォーカルが交代しているが、基本的なサウンドに変化はない。
泣きのギターを聴かせるイントロで幕を開け、このバンドの代名詞であるツインリードをたっぷり含みながら
パワフルに疾走するタイトル曲は、まさにLIGHTNING節。新Voの声質も適度にかすれたハイトーンで、
バンドのサウンドになかなかマッチしている。以前からのライブでの定番曲“Soldier Force”や
陰陽座のようにキャッチーな“Destiny Destination”、一転スラッシーなパワーメタル曲“End of the World”
激しい疾走感とメロディが融合した“Save the Truth”と、男気あるメロディックメタルがたっぷりと詰まった一枚。
ボーナストラックにはアニメ「機甲戦記ドラグナー」のOP曲“夢色チェイサー”のカヴァーを収録。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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ALDIOUSDetermination

日本のガールズメタルバンド、アルディアスの2011年作
“キャバ嬢メタル”と呼ばれて話題を振りまきデビュー、内容もしっかりとした質の高いメタルぶりで
その実力を見せつけた1stアルバム、そして成長を感じさせた2ndシングルに続き、2ndフルが完成。
のっけからパワフルなメタルっぷりで、古き良き日本の歌謡ロック的でもあるRami嬢の歌声を乗せて
激しく疾走している。ツインギターのリフのヘヴィさは男顔負けで、ガールズメタルという色モノ視点抜きで
普通に楽しめる格好よさです。いくぶんダークになったというか、きらびやかさが減退している分、
メタルファン以外には愛想がよくないかもしれないが、彼女たちのやりたいのはあくまでメタルなのだろう。
ときにスラッシーなまでのリフも聴かせつつ、勢いにあふれたサウンドは彼女たちの「本気」を物語っている。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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e:cho feat.「none:t」

日本のロックバンド、エコー フィートの2011年作
アルバム「ソラノウタ」を最後にVo依空が脱退、本作はe:choとは別のプロジェクト作品で
LANCER BeeのAYUMI、RAMPANTのHIROKOGUARDIAN HACKERのASAMI、
HIGH and MIGHTY COLORのHALCA、元Mechanical Teddyのyoppyなど
9人の女性ヴォーカルが参加した、震災復興への祈りを込めたアルバムとなった。
適度にヘヴィなモダンさとキャッチーなメロディアスさで、勇気づけられるようなポジティブな歌詞を
それぞれの女性ヴォーカルが歌い上げながら、 爽やかなロックを聴かせてくれます。
メロディアス度・・8 ポジティブ度・・9 女性Vo度・・8 総合・・8
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ISSA「The Storm」

ノルウェーの女性ロックシンガー、イッサの2011年作
キャッチーなメジャー感と北欧の叙情を感じさせる好作だったデビュー作に続く2作目。
本作ものびやかな彼女の歌声と、ポップなメロディで聴かせる正統派メロハーサウンド。
前作での古き良き北欧HRの味わいから、本作ではよりハードポップ路線の聴き心地で、
3〜5分台のシンプルな楽曲はどれもメロディアスで耳心地のよい作風だ。
シンセやギターのアレンジも前に出過ぎることなくあくまで彼女の歌声を引き立たせている。
もちろん彼女自身の歌唱の表現力という点でも成長が感じられる。女性Vo好きは必聴ですね。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・9 女性Vo度・・9 総合・・8
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Coronatus「Terra Incognita」

ドイツの女性Voシンフォニックメタル、コロナタスの2011年作
2ndまでは二人の女性ヴォーカルの歌声で聴かせる壮麗なシンフォメタルだったが、
前作でややモダンなヘヴィさが増し、本作もその流れを組んだ作風になっている。
ヘヴィなギターとシンフォニックなアレンジに女性ヴォーカルの美しい歌声が乗る、
いわばダークめのEDENBRIDGEという感じで楽しめる。曲によってはドイツ語の歌声と
トラッド調のメロディなども顔を覗かせ、最近流行りのゲルマンメタル風味もあったりする。
前作よりは美麗さが戻っているのでひと安心。16分におよぶ組曲も含めてなかなかの力作。
シンフォニック度・・8 ゲルマン度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DOTMA「Sleep paralyses」

フィンランドのシンフォニックメタルバンド、ドトマの2011年作
Nightwishの登場以降、女性Voのシンフォニックメタルは続々と登場しているが、
このバンドも美声のソプラノシンガーをフロントにした壮麗なサウンドをやっている。
シンセによるシンフォニックな広がりと、北欧らしいトラディショナルなメロディを盛り込んだ楽曲は
なかなか質が高く、ヨハンナ嬢の歌声はいくぶん線が細いものの、その分繊細なソプラノで魅了する。
AMBERIAN DWANThaurorodのメンバーなども関わったということもあり、満を持してのデビュー作であろう。
MOONSORROWあたりを思わせるゆったりとした重厚さも含め、世界観の強度という点でも確固たる美意識を感じる。
シンフォニック度・・8 北欧度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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The Dirty YouthRed Light Fix

アメリカのヘヴィロックバンド、ザ・ダーティ・ユースの2011年作
メタル的なヘヴィなギターリフとパワフルな女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンド。
モダンなヘヴィロックながらも、メロディにはときおりメランコリックな質感もあり、
女性Voの歌唱の説得力とともにLACUNA COILなどのファンでも楽しめそう。
とくにギターフレーズのセンスには、北欧メロデスなどからの素養も感じとれ、
いくぶんメタルコア的な激しさも含んだ楽曲は素直に格好いいと思える。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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DRAGONLAND「Under The Grey Banner」

スウェーデンのシンフォニックメタル、ドラゴンランドの5th。2011年作
初期のメロスピ路線から、しだいに疾走を抑えたシンフォニックメタルへと移行し、
本作もまた、壮大なイントロからストーリーを感じさせる流れで聴かせるサウンドになっている。
前作からの延長上である重厚なミドルテンポ曲も含めて、モダンな硬質感も強まっているが、
RHAPSODY
のようなファンタジックな世界観とコンセプチュアルなスケール感に磨きがかかり、
随所に流麗なギターフレーズを聴かせたり、民俗調のメロディなども含んだアレンジ力はさすが。
1曲ごとの派手なインパクトは薄いが、全体としての流れで鑑賞するアルバムに仕上がっている。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 壮大度・・8 総合・・8
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Ancient Bards「Soulless Child」

イタリアのシンフォニックメタル、エインシェント・バーズの2011年作
前作もクサメロ+シンフォニックという感じで、初期DARK MOORばりの好作であったが、
本作も壮麗なイントロから、RHAPSODYばりのクワイヤとともにファンタジックな
シンフォニックメタルが展開される。いくぶん垢抜けない女性ヴォーカルの歌声に
少々のB級っぽさも残っているものの、美麗なシンセアレンジとクサメロを含んだ雰囲気は、
好き者にはたまらないサウンドになっている。メロディ自体にはさして新鮮さはないので
正直これでファビオが歌えばRHAPSODYになるし、エリサが歌えばDARK MOORになりそうだ。
壮大な世界観では前作以上の力作ながら、個性という点ではまだまだこれからだと思う。
シンフォニック度・・8 ファンタジック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8
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Mandrake「Innocence Weakness」

ドイツのゴシックメタルバンド、マンドレイクの5th。2011作
19世紀の「メアリー・セレスト号事件」をテーマにした前作はかなりの力作であったが、
本作も女性ヴォーカルの歌声とデスヴォイスを中心に聴かせる、重厚なゴシックメタル力作。
ツインギターにシンセを含んで、適度にシンフォニックで適度にヘヴィながらも、
今風のモダンさや派手なきらびやかさはあまりない、いわば質実なサウンドで、
少し田舎臭いバージット嬢の歌声も含めて、むしろ垢抜けなさに好感が持てたりする。
昨今なかなか少なくなってきた正統派のゴシックメタルとして応援してゆきたいバンドだ。
メロディアス度・・7 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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NEMESEAQuiet Resistance

オランダのゴシックメタル、ネメシーの2011年作
2004年にデビューしてからこれが3作目となる。デジタル色もあるモダンなシンセアレンジに、
表現力ある女性ヴォーカルの歌声で聴かせる、ゴシック風味のロックサウンド。
3、4分台の楽曲はシンプルであるが、フックのあるキャッチーなメロディには
メジャーなポップフィーリングがあって、大衆受けしそうな堂々たる雰囲気だ。
曲によってはWITHIN TEMPTATIONばりの質感で、ゴシメタ好きにも楽しめる。
EVANESCENCELACUNA COILが好きならばチェックして損はないだろう。
メロディアス度・・8 ゴシックロック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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ASRASAMSARA

仙台出身のヘヴィロックバンド、アスラのミニアルバム。2011年作
Vo、夢華の情感ある歌声と日本的な叙情を含んだサウンドで、1stアルバムもなかなかの好作だったが、
今作は「輪廻転生」をコンセプトにしたということで、よりイメージ的な膨らみが増した音になった。
ヒンドゥー、アジアン的な旋律を、日本語歌詞のハードロックと融合させた独特のサウンドは、
演奏面での向上とともに説得力と深みを強めつつある。次のフルアルバムが大いに楽しみです。
メロディアス度・・8 情感度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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SALTATIO MORTISSturm Aufs Paradies

ドイツの古楽フォークメタル、サルタティオ・モーティスの2011年作
SUBWAY TO SALLYと並ぶ、ゲルマン・トラッドメタルを代表するこのバンド、
8作目となる本作も、ドイツ語のヴォーカルとフォーキーなパイプの音色を響かせつつ
適度なヘヴィさを盛り込んで、勇壮かつエピックな世界観を聴かせてくれる。
武骨さの中にある叙情的な気心地がこのバンドの持ち味で、そのバランスの良さが
サウンドの質の高さとなっている。中世を思わせるゲルマン・トラッドメタルの傑作です。
エピック度・・8 メタル度・・7 ゲルマン度・・9 総合・・8
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RAROG「Vzoydi solntse」

ロシアのペイガンメタル、ラロッグの2011年作
鳴り響くフルートにヴァイオリンなどのアコースティックな叙情性もありつつ、
ダミ声男性ヴォーカルに、女性ヴォーカルも絡んで激しくたたみかけるパートと
メリハリのついた作風で、シンフォニックな音の厚みもある質の高さが光る。
パイプの音色も含めて、どこか愉快な感じもあるので、ブラストパートなどでも
暴虐性はあまり感じない。KALEVALAが激しくなった感じという雰囲気もあり、
近年のロシアのフォークメタルシーンのクオリティの高さを窺わせる作品だ。
ドラマティック度・・8 フォーキー度・・8 女性Vo度・・7 総合・・8

KorpiklaaniUkon Wacka

フィンランドのフォークメタルバンド、コルピクラーニの2011年作
いまや世界規模で盛り上がりを見せるフォークメタルの火付け役ともなったこのバンド、
本作は早くも7作目となる。前作のヘヴィさを残しつつ、アコーディオン、ヴァイオリンによる
フォーキーな土着性が戻ってきていて、ノリノリで疾走する愉快な雰囲気と、
メタルとしてのパワフルさが両立されている。その点ではFINNTROLLにも通じる質感であるが、
彼らはもう少しエピック寄りで、こちらはあくまで陽気で明快なフォークメタル。
正直、新鮮味は薄れてきたが、定番というべき「よい子の土着メタル」を楽しもう。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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SIRENIAThe Enigma of Life

ノルウェーのゴシックメタルバンド、シレニアの2011年作
Theatre of Tragedy、Tristania、Leaves' Eyesとともにノルウェーのゴシックメタルを牽引するこのバンド、
5作目となる本作は、実質的にリーダーのモルテン・ヴェランドと女性ヴォーカル、アイリン嬢のユニットで
可憐な歌声とシンフォニックな味付けで聴かせる、王道のゴシックメタルであるのは変わらず。
かつてのWITHIN TEMPTATIONばりに優美な聴き心地であるが、インパクトの点ではやや薄いか。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Metsatoll「ULG」

エストニアのペイガン/フォークメタルバンド、メトサトルの2011年作
アコースティカルなイントロから、ドラムの音が鳴り響き、ヘヴィなギターリフが加わって
強烈にブラスト疾走開始。前作もフォークメタルとしてはかなりパワフルな力作だったが、
今作ではさらに激しいペイガンブラック的な質感が強まったサウンドになっている。
辺境感を漂わせる母国語の歌声と勇壮なコーラスで、男臭くたたみかけつつ
牧歌的なパイプや笛の音色もまじえて、濃密で荒々しく、重厚な土着メタルを聴かせてくれる。
ドラマティック度・・8 パワフル度・・8 辺境度・・9 総合・・8
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ForlkearthSons of the North

多国籍フォークメタルプロジェクト、フォークアースの2011年作
すでに9作目となる今作は、のっけからメロブラ風に激しく疾走します。
もちろん、しっかりとフォーキーなメロディを盛り込んで土着性もたっぷり。
ヴァイオリンやホイッスルの音色とともに、クサメロのギターフレーズ、
それに女性ヴォーカルも参加していて、しっとりとした叙情パートもよろしいです。
全体的に勇壮なエピックな雰囲気が強く、濃密なアルバムになっています。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・8 エピック度・・8 総合・・8
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BEARDFISHMammoth

スウェーデンのプログレバンド、ビアードフィッシュの2011年作
70年代的なヴィンテージ感覚を有したサウンドで、密かに北欧プログレの筆頭格にまで
上がりつつあるこのバンド、本作は大傑作となった2009年作に続く6作め。
いかにも70年代英国調のアナログ感覚で鳴り響くギターで、よりロック色が強くなった。
もちろんバックではメロトロンが鳴る、北欧プログレの質感もちゃんとあるが、
より自然体の飾らなさがこのバンドの本質を浮き彫りにしているようだ。
一方では15分の大曲ではプログレファンにんまりの展開力を聴かせてくれる。
メロディアス度・・7 ヴィンテージ度・・9 北欧度・・7 総合・・8
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The Intersphere「Interspheres >< Atmospheres」

ドイツのプログレ・ロックバンド、インタースフィアの2011年作
オルタナ風味のモダンなロック感覚を、知的な構築性で聴かせるという点で、
Porcupine Treeなどにも通じるような、新世代のプログレ・ロックバンドである。
キャッチーなヴォーカルメロディと哀愁を含んだようなほの暗い叙情が、
ロックとしての躍動感と合わさり、プログレ化したUKロックというべき雰囲気で、
多くのリスナーが楽しめる普遍性を有している。面白い新鋭が登場した。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 モダンロック度・・8 総合・・8
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Jeavestone1+1=OK

フィンランドのサイケ・プログレバンド、ジェーブストーンの2011年作
前作は「北欧版GONG」というようなレトロなサイケプログレの傑作だったが、
本作も70年代的なアナログ感覚に、メロディックな軽妙さを含んだセンス抜群のサウンド。
楽曲は3〜5分台とコンパクトながら、うねりを効かせたギターとうっすらとしたシンセで
浮遊感のあるシンフォニック性をかもしだしつつ、そこに70年代ハードロックのフリーキーな要素と
得体のしれない妖しさを混ぜ合わせたような聴き心地であるのだが、力の抜け具合が素晴らしい。
BEARDFISHなどのリスナーにも楽しめるだろうし、ユルさを味わえる北欧プログレ風ロック作品です。
メロディック度・・8 サイケロック度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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Le OrmeLA VIA DELLA SETA

イタリアのプログレバンド、レ・オルメの2011年作
おそらく2004年のL' Infinito以来、7年ぶりとなるスタジオアルバムで、
シルクロード〜東方への旅をコンセプトにした、シンフォニックな傑作になっている。
2〜4分の小曲を連ねてゆく前々作からの作風で、メロウなギターワークに
クラシカルなピアノなどを含めて美しいシンセによるインストを中心に、
イタリア語による歌曲もまじえながら、ゆるやかにシルクロードのロマンを描き出してゆく。
ベテランらしい落ち着いた味わいが耳に優しい。繊細系のシンフォニックロック好作。
シンフォニック度・・8 叙情度・・9 イタリア度・・8 総合・・8
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KAYAKAnywhere But Here」

オランダのプログレバンド、カヤックの2011年作
2000年の復活以降コンスタントに活動を続け、本作はそこから数えて7作目となる。
美しいシンセワークと男女ヴォーカルの歌声で、メロディックに聴かせるサウンドは健在で、
3〜4分大の曲を中心にしたシンプルな味わいのプログレハードが楽しめる。
キャッチーながらも欧州的な哀愁を含んだKAYAK節ともいうべきメロディは
デビューから40年近く過ぎても変わらない。愛すべき叙情ロック作品です。
シンフォニック度・・8 メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 総合・・8
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Konchordat「New Crusade」

イギリスのシンフォニックロック、コンコーダットの2011年作
オヤジ二人組によるユニットで、ヴィンデージ感もある美麗なシンセワークを散りばめた、
GENESISタイプを継承する古き良き王道のシンフォニックロックサウンドを聴かせる。
のっけから14分の大曲という力の入れようや、ファンタジックでロマンの香りを感じさせる作風は、
かつてのPENDRAGONPALLASなどにも通じるドラマティックな感触で聴いていてにんまりだ。
いくぶんのやぼったさもあるが、泣きのフレーズを聴かせるギターも含め、メロディのセンスもよろしい。
プログレがモダン化する昨今、こうした往年のシンフォニックを体現するバンドの存在は嬉しいかぎり。
シンフォニック度・・8 GENESIS風度・・8 英国度・・8 総合・・8
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KEBNEKAJSEIdioten

スウェーデンのトラッドプログレバンド、ケブネカイゼの2011年作
70年代に5枚のアルバムを残して消えたこのバンドが2009年にまさかの復活をはたし、
本作は復活2作目である。北欧の土着トラッドのメロディとサイケ風味の浮遊感を合わせた
独自のサウンドは年月をへても健在。なごむようなギターの牧歌的フレーズとパーカッションの響き、
そしてヴァイオリンが重なり、まさに北欧の山林を思わせるような自然派の演奏がじつに耳心地よい。
オールインストでありながら歌うようなギターのメロディにのんびりと聴き入れる好作品です。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 北欧度・・10 総合・・8
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PAR LINDH PROJECT「Time Mirror」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、パル・リンダー・プロジェクトの2011年作
90年代にデビュー、The Flower Kingsとともに北欧のシンフォニックシーンを牽引してきたPLP、
Voのマグダレーナ嬢の死を乗り越え、スタジオアルバムとしては10年ぶりとなる復活作である。
いきなり17分の大曲で幕を開け、ムーグシンセを使用した時代的なキーボードプログレが全開、
クラシカルかつ荘厳なPLPサウンドに翳りなしである。チャーチオルガンの音色とともに、
1st「Gothic Impressions」に回帰したような雰囲気で、ヴォーカルが加わったことで聴きやすさも増した。
いまとなってはいくぶん古めかしさもあるが、北欧版TRACEというような鍵盤プログレが堪能できる。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 キーボー度・・8 総合・・8
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PENDRAGON「Passion」

イギリスのシンフォニックロック、ペンドラゴンの2011年作
2005年の「Believe」から、ダークでヘヴィなサウンドへと変化してきたが、
本作はそのモダンなヘヴィさを残しつつも、シンフォニックな華麗さを加えた
いわば現代風シンフォというべき力作に仕上がっている。重厚なギターサウンドと
シンセによる音の厚みで、感触としてはむしろARENAあたりに通じる作風でもあるが、
ニック・バレットのかすれた歌声と、随所に聴かせるメロウなギターワークは唯一無二のもの。
モダンプログレとしての叙情とともに、新時代のPENDRAGONサウンドを確立したといってよい力作だ。
シンフォニック度・・8 モダンプログレ度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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D PROJECT「BIG FACE」

カナダのプログレユニット、Dプロジェクトの2011年作
SenseのギタリストでもあるStephane Desbiensによるプロジェクト/ユニットで、
自身でギター、シンセ、ヴォーカルこなす、薄暗い叙情性で聴かせる耳心地のよいサウンド。
メロウなギターフレーズと、キャッチーな歌メロ、サックスやチェロなども含んだ
センスのよいアレンジと、ある種、お洒落に構築された軽妙なモダンプログレである。
ぱっと聴きの派手さはないが、大曲ではゆるやかに盛り上げる壮大なシンフォ要素もあり
じっくり味わえる玄人好みの作品だ。Tony Levin、Lalle Larssonなどがゲスト参加。
メロディアス度・・8 プログレ度・・8 構築センス度・・9 総合・・8
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ARENAThe Seventh Degree Of Separation

イギリスのシンフォニックロック、アリーナの2011年作
1995年にデビューしてから、英国のネオプログレ/シンフォニックシーンを引っ張る存在のこのバンド、
本作は前作から6年ぶりとなる7作目で、これまでの薄暗いメロウな叙情性に加え
いくぶんレイドパックしたような古き良き質感を覗かせる作風になっている。
もはや職人技というべきクライブ・ノーランのシンセワークに、IT BITESでも活躍する
ジョン・ミッチェルのメロディックなギターで、大人のシンフォニックロックともいうべき
渋みのあるサウンドを描いてゆく。新加入のVo、ポール・マンズィのかすれた声質も
随所にハードロック的な聴き心地もある楽曲にマッチしている。メイキング映像を収録したDVD付き。
メロディック度・・8 プログレ度・・7 大人のハードシンフォ度・・8 総合・・8
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MAGNUMThe Visitation

英国ドラマティックハードのベテラン、マグナムの2011年作
1978年のデビューから80年代の全盛期をへて、いったんの解散、そして2002年に再結成、
その後は順調に作品を発表し、本作は復活後5作目のアルバムとなる。
重厚なイントロで幕を上げ、いつになくヘヴィめのギターと美麗なシンセが合わさって
ドラマティックな世界観があふれだす。ボブ・カトレイの味わいのある歌声とともにMAGNUM節ともいうべき、
その変わらぬサウンドに嬉しくなる。ときにプログレ風味のシンセワークも覗かせながら
単なるメロディアスハードではない、英国の誇りと叙情に満ちたプログレハード作品として楽しめる。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 英国度・・9 総合・・8
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HOUSE OF LORDS「Big Money」

アメリカのメロディアスハード、ハウス・オブ・ローズの2011年作
1988年にデビューしてから3枚のアルバムを残し、その後バンドは活動休止状態となるが、
2004年に復活、本作は復活後5作目。前作もドラマティックな傑作であったが、
本作も枯れた味わいの大人のハードロックを聴かせる。どっしりとした重厚さと、
アメリカンHR的な哀愁の叙情、かすれ気味の歌声もアダルトな魅力を放っている。
このバンドの魅力であるキャッチーな聴き心地と、古き良き骨太のロックスタイルは健在だ。
メロディアス度・・8 古き良きHR度・・8 大人のメロハー度・・9 総合・・8
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Brighteye Brison「The Magician Chronicles -Part I」

スウェーデンのシンフォニックロックバンド、ブライトアイ・ブライソンの4th。2011年作
前作は大曲を含んだ力作であったが、今作もいきなり23分の大曲から始まる。
オルガンやムーグを含んだ古き良きプログレの香り漂うシンセワークと
キャッチーなヴォーカルメロディとともに、軽やかに展開するシンフォニックロックサウンドで、
これまで以上に肩の力の抜けた、大人の余裕を感じさせる曲展開が光っている。
インパクトの点ではやや薄まったが、安心して楽しめる北欧シンフォニック作だ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The Watch 「Timeless」

イタリアのプログレバンド、ウォッチの2011作
2001年にデビューして以来、そのGENESISフォロワー丸出しのサウンドで
マニアに人気のこのバンド、6作目となる本作も、やわらかで繊細な叙情美と
オルガンやムーグ、メロトロンなどのレトロなシンセの音色が合わさって、耳心地のよい
古き良きシンフォニックロックが楽しめる。もろGENESIS的なあざとさが薄れた分、
バンドとしてのメロディセンスが自然体に溶け込んでおり、ゆったりと鑑賞できる。
シンフォニック度・・8 繊細度・・8 イタリア度・・7 総合・・8
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一ノ瀬大悟デュオ「MILD」

コントラバス奏者、一ノ瀬大悟とガットギターの祥によるデュオ・ユニットの2011年作
コントラバスとクラシックギターで、いったいどんな音楽が出来るのか想像もつかないが、
二本の弦楽器による、対位的な絡みと、静寂の間を使った変則リズムによって、
クラシカルでジャジー、そしてアヴァンギャルドな味わいもある、独特のサウンドを描いている。
重厚なコントラバスが土台となりつつ、ギターが自由度の高いフレーズを奏でたり、
即興的に変化させてゆくリズムに、二つの楽器があうんの呼吸で反応し合いながら、
素朴な音でありながらも曲調は流れるように変化してゆくという、そんな面白さがある。
おそらくライブでは、さらに凄い即興をしているのだろう。生々しい演奏に引き込まれる。
アコースティカル度・・9 プログレ度・・7 演奏度・・9 総合・・8
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Hammers of Misfortune「17th Street」

アメリカのプログレッシブ・メタル、ハマーズ・オブ・ミスフォーチュンの2011年作
オルガン鳴り響く70年代風味のハードロック色に、男女ヴォーカルの歌声で
ProgMetal的な展開力も見せつけるサウンドは、さらにダイナミックになっている。
古き良きヘヴィメタルの感触とレトロなヴィンデージ感覚が自然に融合されており、
本作ではギターのメロディックなフレージングが随所に効果的に聴かれ、
やわらかなシンセワークとのコントラストを描いている。メタルとしてのヘヴィさもちゃんとあり、
まるでPROCOL HARUMMOTORHEADが一緒にバンドをやっているように聴こえたりもする。
ドラマティック度・・8 古き良き度・・8 構築センス・・8 総合・・8
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Alyson Avenue「Changes」

スウェーデンのメロディアスハード、アリソン・アヴェニューの2011年作
Nightwishのアネットが在籍していたバンドで、これが新Voを迎えての再スタート作となる。
サウンドの方は、キャッチーなメロディと美麗なシンセを使用した北欧ハードポップの王道で、
新Voのアラベラ嬢(というにはややお歳のようだが)の歌声は、アネットよりも繊細でむしろキュート。
楽曲が素直すぎて、これだというインパクトは薄いいのだが、北欧的な叙情性と
伸びやかな女性Voで聴かせる、古き良きメロディアスハードとして安心して楽しめる出来だ。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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Bad Habit 「Atmosphere」

スウェーデンのメロディアスハードバンド、バッド・ハビットの2011年作
北欧メロハーの歴史的傑作といえる3rd「ADULT ORIENTATION」の素晴らしさ、
そして前作「Above And Beyond」で聴かせてくれた輝きを継承し、6作目となる本作も
彼ららしいキャッチーな叙情をふんだんにまぶした力作に仕上がっている。印象としては
ギター面でのヘヴィさがサウンドの輪郭を太くしていて、シンセを含んだ北欧らしい透明感と
よいバランスになっている。哀愁を含んだメロディラインはこのバンドの持ち味で、
その泣きの情感は我々日本人の琴線にぴたりと触れる。バドハビ健在の傑作だ。
メロディアス度・・9 キャッチー度・・8 哀愁と叙情度・・9 総合・・8
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GENTLEMAN'S PISTOLS「At Her Majesty's Pleasure」

イギリスのハード・ロック・バンド、ジェントルマンズ・ピストルズの2nd。2011年作
2007年にデビューし、本作が2作目となる。サウンドはいかにも70年代的な英国ハードロックで、
アナログ感たっぷりのギターに、ブルージーな感触のヴォーカルを乗せたスタイルは、
たとえばThe AnswerThieves & Liarsあたりと比べると、よりマイナーな香りがする。
なんともマニア心をくすぐるようなギターリフに思わずにやにやとなるのである。
元CARCASS、現FIREBIRDビル・スティアが加入し、ツインギターになったことも大きいだろう。
メロディアス度・・7 アナログ度・・9 70's英国度・・9 総合・・8
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STEEL PANTHER「BALLS OUT」

アメリカのLAメタルバンド、スティール・パンサーの2011年作
ド派手なファッションやケバいまでのセクシーさを押し出した、まさに80年代LAメタルのきらびやかさを
再現したというべきこのバンド、2作目となる本作も古き良きアメリカンハードロックが炸裂。
勢いの良さとキャッチーなメロディ、ハスキーなヴォーカルまでもがどこか往年の雰囲気漂わせる。
曲は2〜3分台がほとんどでシンプルで明快なのもいいし、かつてのモトリーなどの作風を継承した
爽やかでエロティックという感じがなつかしくもまた新鮮である。安定した演奏力とメロディ志向が、
単なる焼き直しという以上の魅力あるハードロックにしている。いかにも「セカンドアルバム」という感じの好作品。
メロディアス度・・8 往年のLA度・・9 楽曲・・8 総合・・8
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the PoodlesPERFORMOCRACY

スウェーデンのハードロックバンド、プードルズの4th。2011年作
2006年にデビューし、80年代を思わせるメロディアスかつ骨太のサウンドで
素晴らしいアルバムを作り続けるこのバンド。早くもこれが4作目である。
キャッチーでありながらハードロックとしての力強さを保ったサウンドは
アダルトな哀愁の叙情ととに、爽快なエナジーに満ちていてじつにロックである。
古き良き質感と現代的なクオリティが融合した、伝統を受け継ぐHR作品である。
メロディアス度・・8 骨太度・・8 大人の哀愁度・・8 総合・・8
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LOVE.MIGHT.KILLBrace for Impact

ドイツのメタルバンド、ラブ・マイト・キルの2011年作
METALIUMFIREWINDにも参加していたドラマー、マイケル・エーレを中心に結成、
80〜90年代の香りを漂わせる正統派のHR/HMサウンドをやっている。
ミドルテンポ主体のパワフルかつメロディックな楽曲に、伸びやかなヴォーカルを乗せて
ときに疾走もしつつ随所にシンセ入りの美麗さもあって、メジャー感漂うクオリティの高さが光る。
ギターのリフ、フレーズはあくまで古き良きメタルの感触なので、オールドファンにも楽しめる出来ばえだ。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 高品質度・・8 総合・・8
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CAB「Live on Sunset」
フュージョンロックバンド、キャブのライブアルバム。2011作
トニー・マカパイン、バニー・ブルネル、デニス・ハム、ヴァージル・ドナーティという
実力者4人によるライブ演奏で、落ち着いた大人のジャズ/フュージョンを聴かせる。
ドナーティのドラムプレイは、玄人好みのグルーブを効かせ、その上にマカパインのギターが
ときにテクニカルに乗せられる。ブルネルのベースの存在感もさすがというべきで、
この技巧派メンツにおけるアンサンブルの要を担っている印象だ。音質的には
自主レーベルからの発売ということで、おそらくほとんど手を加えられていないだろう、
生々しさが伝わってくる感じが、ライブ的でよい。凄腕メンバーたちの大人の演奏を楽しみたい。
ジャズ・フュージョン度・・9 ライブ演奏・・9 実は超絶度・・9 総合・・8
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CAULDRON「Burning Fortune」

アメリカのメタルバンド、コールドロンの2011年作
前作同様、色っぽいジャケと古めかしいスタイルのヘヴィメタルであるが、
本作ではメロディによりキャッチーな風味が増していて、適度な軽さとともに
耳心地のいい正統派HR/HMが楽しめる。悪く言えばローカルそのものなのだが、
それも狙いであるぞというのが音で分かるし、楽曲自体の出来も上がってきた。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 古き良き度・・9 総合・・8
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Stormwarrior「Heathen Warrior」

ドイツのメロパワバンド、ストームウォーリアーの2011年作
初期HELLOWEENばりの疾走感に、ペイガンメタル風の世界観で
その筋のコアなリスナーから愛されるこのバンド。4作目となる本作は、
のっけからGAMMA RAY風のギターリフで勢いよくスタート、
カイ・ハンセン的なヘタウマのヴォーカルとキャッチーなメロディをまぶしつつ
古き良きジャーマンメタルを甦らせたようなサウンドを聴かせてくれる。
メジャーになりきれない、いい意味でのマイナー臭さと、決して変わることない
メタルへの愛がひしひしと伝わってくる、そんな作品だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 ジャーマン度・・9 総合・・8
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Stormhunter「Crime And Punishment」

ドイツのメロパワバンド、ストームハンターの2011年作
ツインギターの勇壮なフレーズと力強いリフで疾走する、古き良きジャーマンメタルサウンド。
バンド名もそうだが、初期のSTORMWARRIORとか、かつてのHELLOWEENに通じる音で、
微妙にヘタなヴォーカルも含めて、オールドメタルの熱さと微笑ましさを濃密に漂わせている。
RUNNING WILDにも通じるエピックな雰囲気もたまらない。オールドなジャーマンファンはもうにんまりでしょう。
ちなみにギターの片割れはかなりの美女。ところで、どうしてジャケはカラーでなくグレースケールなのだろう?
メロディアス度・・8 疾走度・・8 古き良きジャーマン度・・9 総合・・8
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HIBRIA「Blind Ride」

ブラジルのメロパワバンド、ヒブリアの2011年作
過去2作のクオリティで、あっと言う間に人気バンドとしての地位をつかんだこのバンド、
本作は、中心メンバーであったマルコ・パニーキの脱退を乗り越えて完成させた3作目だ。
のっけから、パワフルな勢いに包まれた、これでもかという正統派のメタルサウンドに一安心。
このバンドの持ち味である、往年のヘヴィメタルへのリスペクトとソリッドなモダンさの同居、
そしてときにテクニカルなフレーズを聴かせるギターと、甘すぎないメロディを融合させた楽曲は、
どこをきっても若々しい勢いと自信に満ちている。驚きはないもののじつに完成された高品質作である。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・8
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VOLCANOMYTHOLOGY

日本のメタルバンド、ヴォルケイノの2011年作
2000〜2005年の間にアルバム2枚、ミニを1枚発表し、その後は音沙汰のなかったこのバンドだが、
本作はアルバムとしてはじつに10年ぶりの作品となる。かつてのメロデス寄りのサウンドから、
今作ではより正統派のメタル質感が増した。GARGOYLE、アニメタルで活躍した屍忌蛇の奏でる泣きのギターと
パワフルなNOVの歌声を乗せて疾走、古き良きヘヴィメタルの格好良さを詰め込んだ雰囲気に
思わずにやりとさせられる。LIGHTNINGのIRON-Chinoにも多大なる影響を与えたそのギターセンスは健在。
新鮮味がないとか、音質面などの問題はあるだろうが、どこを切っても屍忌蛇節満載の好盤である。
メロディアス度・・8 パワフル度・・8 古き良きメタル度・・8 総合・・8
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ChthoniC「Takasago Army」

台湾のシンフォニックブラックメタル、ソニックの2011年作
今やアジアという枠を飛び越えて、世界レベルの質の高さを身につけたといっていいこのバンド、
6作目となる本作は、太平洋戦争における台湾の戦士たち、高砂義勇隊をテーマにしたコンセプト作。
美しいシンセ、オーケストレーションをバックに、ヘヴィなギターと吐き捨てヴォーカルを乗せて疾走するスタイルは、
いっそう迫力を増していて、歴史的なテーマにそった重厚さ、怒りや悲しみなどが音を通して伝わってくる。
民族的な二胡の音色は、台湾文化特有の感触を楽曲に付加していて、いいアクセントになっている。
全体的にはシンフォニックさよりもヘヴィネスが上回っているので、メロディ派のリスナーにはやや物足りないかも。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Night in Gales「Five Scars」

ドイツのメロデスバンド、ナイト・イン・ゲイルスの2011年作
1stの時点ではツインギターのメロディを聴かせる正統派のメロデスであったが、
2nd、3rdとデスラッシュ的なサウンドへシフト、2001年の4th「Necrodynamic」を最後に
それ以降音沙汰がなかったのだが、なんと10年ぶりとなる復活作を出してきた。
もの悲しいイントロに続き、メロディックなギターで疾走するメロデスサウンドが甦る。
ツインギターのフレーズはいかにも往年のメロディックデスの雰囲気で叙情味たっぷり。
Voの迫力不足が惜しいが、初期のIN FLAMESなとが好きな方にもたまらないなかなかの好作デス。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 往年のメロデス度・・8 総合・・8
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Ghost Brigade 「Until Fear No Longer Defines Us」

フィンランドのメランコリック・ドゥームメタル、ゴースト・ブリゲートの2011年作
SENTENCEDを思わせるもの悲しい叙情と、ノーマル声とデスヴォイスを使い分ける
OPETHのような知的な構築性、そしてドゥーミーなヘヴィさで聴かせるサウンド。
KATATONIAのようなアンニュイさを漂わせつつ、ときにメロウなギターフレーズで盛り上げる。
ストーナー的な生々しさを非常にヘヴィな部分で表現しているといってもよいか。
ただのドゥームでもゴシックでもない、これまでありそうでなかったメランコリックヘヴィメタルである。
ドラマティック度・・8 メランコリック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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Hope for the Dying「Dissimulatio」

アメリカのシンフォニック・メロデス、ホープ・フォー・ザ・ダイイングの2011年作
美麗なシンセアレンジとツインギターの叙情メロディで聴かせる質の高いメロデスサウンド。
メタルコア的なモダンさを含んだ激しさと、ツインギターのクラシカルなクサメロが融合し、
キラデス系の質感で疾走する。ときにネオクラ気味のやりすぎ感と、壮麗なコーラスなどを含んで
ヨーロピアンな叙情を覗かせるサウンドは、メタルコア嫌いの自分でも「まいった」という感じ。
なんというか…「メタルコア風クサメロデス」という新ジャンル確立の予感である。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 モダンデス度・・8 総合・・8
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DREAMSHADE「What Silence Hides」

スイスのメロデスバンド、ドリームシェイドの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、きらびやかな美麗系メロデスをやっている。
ギターリフはけっこう古き良き北欧メロデスの質感もあるが、シンセによる美しさと
あくまでメロディにこだわった質感は、初期COBやEToS、Skyfireあたりに近いかもしれない。
ギターもときに流麗なクサメロを奏でてシンセと絡み、楽曲にはモダンなヘヴィネスと構築性もある。
反面、これだというインパクトはやや弱いのだが、ともかく質の高いシンフォニックメロデスである。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 美麗デス度・・8 総合・・8
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Blackguard「Fireflight」

カナダのシンフォニックメロデス、ブラックガードの2011年作
Profugus Mortisから改名しての2作目で、美麗なシンセとメロディックなギターで疾走する
ヴァイキング風味のメロデスサウンド、言うなれば初期CHILDLEN OF BODOM+ENSIFERUMというところか。
いくぶん土着性のあるクサめのメロディは、この手のファンにすればにんまりだろうし、
聴き心地のいい疾走感覚ときらびやかなシンフォニック性で、質の高いサウンドを描いている。
このバンドならではの新鮮味は薄いものの、安心して聴けるキラデス作品ですな。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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MaYaNQuarterpast」

オランダのデスメタルバンド、マイアンの2011年作
EPICAのマーク・ヤンセンとAFTER FOREVERのメンバーによって作られたバンドで、
現在ではそのEPICAのメンバーに加えOBSCURAのベースが参加している。
シンフォニックな壮麗さと、デスメタルとしてのアグレッションが融合したサウンドで、
プログレッシブな展開力もある。低音のデスヴォイスとヘヴィなギターリフ、
そこにEPICAばりのシンセとオーケストレーション、女性Voも加わって、重厚に聴かせる。
ゴシックメタル的な耽美さもいくぶんあり、デスメタル化したEPICAという感じでも楽しめる。
フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)、シモーネ・シモンズ(EPICA)がゲスト参加。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Darkest Era「Last Caress of Light」

ウェールズのケルティックメタルバンド、ダーケスト・エラの2011年作
ツインギターの片割れは女性で、ドラムも女性という珍しい編成の5人組。
マイルドな男ヴォーカルの歌声と、比較的正統派のメタル質感に、土着的なギターフレーズと
アコースティカルな要素も含んで聴かせるサウンド。昨今のキラキラ系のフォーカメタルとは異なり、
シンセが入らない分、安易なクサメロや派手さはなく、むしろ硬派な雰囲気が漂う本格派。
メロディアス度・・7 フォーキー度・・7 硬派・・8 総合・・8
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TormentaLa Ligne Apre

フランスのテクニカルメタルユニット、トーメンタの2011年作
Cheval De FriseやElusiv、Let Jesus Bleedといったバンドに参加していた
ギターとドラムによるユニットで、オールインストによるテクニカルロック/メタルサウンド。
メタリックなリフの反復による無機質さと、アナログ的なドラムが叩き出す変則リズム、
随所にミスティックなアヴァンギャルド性も盛り込んで、緊張感を漂わせる演奏だ。
MATS/MORGANやフレドリック・トーテンダルなどに通じる雰囲気もあるが、
こちらはもっとポストロック的なイメージ力を刺激するゆるやかな作風といえる。
メロディアス度・・7 メタル度・・7 緊張感・・8 総合・・8
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ALARUMNatural Causes

オーストラリアのテクニカルメタル、アラルムの2011年作
ギター、ベース&ヴォーカル、ドラムの3人組で、変則リズムを多用したテクニカルなサウンド。
モダンな硬質感とともに、ダミ声入りのヴォーカルで疾走するメタルコア的な激しさもありながら、
むしろ軽やかなフュージョンメタル風味や、ギターシンセなどを使用したメロディアスさも覗かせる。
ヘンタイ一歩手前というくらいの複雑な楽曲と、巧みなフレーズを聴かせるギタリストのセンスも含め、
テクニカルかつクールなアンサンブルはなかなか見事なものだ。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・8 フュージョンメタル度・・7 総合・・8
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ScarcrossFreidenker

ドイツのプログレッシブ・ペイガンブラック、スカークロスの2011年作
シンセを含む4人組で、ペイガンブラック的な土着性とプログレッシブな大作志向のサウンド。
激しく疾走するだけでなく、メロディックなギターフレーズやアコースティックな叙情も盛り込んだ
静と動の緩急をつけたアレンジで、16分、12分という大曲を構築してゆくセンスはなかなかのもの。
基本はダミ声ヴォーカルながら、ときおりドイツ語による勇壮な歌声も聴かせるなど、
ゲルマンメタルとしての世界観もよい感じだ。総じてドラマティックで好みのサウンドであるが、
現時点ではまだ楽曲と演奏にやや粗さがあるので、今後のさらなる成長に期待したい。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 ゲルマン度・・7 総合・・7.5
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BRYMIRBreathe Fire to the Sun

フィンランドのシンフォニック・エピックメロデス、ブリミアーの2011年作
ツインギターにシンセ入りの6人編成で、エピックなイントロから曲が始まると
シンフォニックなシンセを含んでメロスピばりに疾走。ヴォーカルはダミ声ながら、
ギターのクサメロフレーズとともにヘヴィすぎないサウンドが美麗さを引き立たせている。
随所にヴァイキングメタル的な勇壮さも含みつつ、オーケストラルなシンセアレンジが美しく
あくまでシンフォニックな感触が前に出ている。たとえばNORTHERあたりをよりシンフォニックに、
そしてエピック寄りにしたという雰囲気か。個人的には勇壮な武骨さがもっと欲しいが、とにかく美麗デス。
シンフォニック度・・8 エピック度・・7 壮麗度・・9 総合・・8
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ANTERIOREchoes of the Fallen

イギリスの新世代メロデスバンド、アンテリアの2011年作
古き良き正統派メタルをモダンにメロデス化したような前作はなかなかの快作だったが、
本作もツインギターのオールドなリフで疾走する、じつに正統派のメロデスサウンド。
流麗なギターフレーズのセンスも抜群で、泣きの叙情を含ませて、これでもかと盛り上げる。
吐き捨てヴォーカルはいかにもデスメタル風であるが、サウンド的には正統派メタルの色が強く
ともかくここまでメロウに弾きまくるギターというのはARCH ENEMYか、それ以上だろう。
今風のバンドに通じるモダンなヘヴィさもあるのだが、オールドな質感とほどよく融合されている。
メロディアス度・・8 暴虐度・・7 泣きの叙情度・・8 総合・・8
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ARKAN「SALAM」

フランスのプログレッシブ・デスメタル、アーカンの2011年作
男女ヴォーカルを含む5人組で、アラビックなメロディを取り入れたサウンドに
デスヴォイスと女性ヴォーカルが絡む。モダンなヘヴィさと知的な構築センスという点では
ORPHANED LANDにも通じるスタイルだが、こちらの方がいくぶんメタルコア寄りか。
アコースティカルな叙情も含みつつ、ヘヴィロック色と民族風味のバランスもよく
聴きやすく仕上がっている。中盤以降はややインパクト不足にも思えるが総じて質の高い作品だ。
ドラマティック度・・8 ヘヴィロック度・・7 民族度・・7 総合・・8
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ANDROMEDA 「Manifest Tyranny」

スウェーデンのプログレメタル、アンドロメダの2011年作
2001年のデビュー以来、北欧のプログレメタル勢としてはトップクラスの実力を持つこのバンド、
5作目となる本作は、一聴していくぶんモダン化したという印象であるが、
テクニカルなリズムと適度にヘヴィなギターワーク、シンセによる派手すぎない味付けによる、
センス溢れるProgMetalは健在。歌メロの適度なキャッチーさも硬質感を中和させていて、
複雑すぎずストレートすぎずという、そのあたりのバランス感覚はさすがというところ。
6〜7分台の曲をメインに構築された楽曲は、これだというインパクトはないが、安心して楽しめる。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・8 モダンセンス度・・8 総合・・8
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ANUBIS GATE

デンマークのプログレメタル、アヌビス・ゲートの2011年作
前作は現代のProgMetal作品としてはSeventh Wonderと並ぶくらいの傑作であったが、
5作目となる本作もメロディと展開美のバランスのとれた力作だ。叙情的に歌い上げるヴォーカルと、
シンセを含んだシンフォニックな音の厚み、そしてテクニカルさに頼らないどっしりとした重厚さで、
聴き心地の良いサウンドを描いている。曲は5〜8分台で、長めの曲であってもあくまでメロディとドラマ性を重視し、
決して難解にならないのがこのバンドの特徴である。前作のようなスケール感はないが、やはり質は高い。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Mostly AutumnThat Night in Leamington

イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
バンドを脱退するヘザー・フィンドレイの2010年に行われたラストライブを収録したCD2枚組だ。
これまで看板女性Voとして10年以上活動してきたヘザー嬢がバンドを去るのは残念だが、
PANIC ROOMでも活躍するフルート兼Voのアン・マリー嬢Breathing Spaceオリヴィア嬢という
豪華なヴォーカル陣は健在なので、バンドの今後に不安はない。演奏の方も安定感はさすがで、
過去の代表曲をCD2枚たっぷり楽しめる。MCや観客の反応は、別れの雰囲気をかもしだしていてしんみり。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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PALLAS「XXV」

英国シンフォニックハードの雄、パラスの2011年作
1984年にデビュー、2作の傑作を出したのちに活動休止、10年もの潜伏期間をへて1998年に復活、
その後は2001年、2005年とドラマティックな力作を発表、本作は5年ぶりのスタジオアルバムとなる。
なにやらSF映画的なジャケや、イントロのナレーションから始まる壮大なスケール感にわくわくする。
美麗なシンセワークとメロディックなギター、そしてヴォーカルによるキャッチーな聴き心地で、
これまで通りのPALLAS節というべき、ドラマティックな作風でぐいぐいと聴かせてくれる。
古き良きプログレハードの質感と構築性を融合させ、質の高いサウンドを描く力量はベテランならではで、
より重厚になったハードさが本作の特徴か。1曲ごとのインパクトはさほどではないものの、
ダイナミックさとメロディアスさを合わせた、まさしくシンフォニックハードの力作といえる。
シンフォニック度・・7 ドラマティック度・・8 重厚度・・8 総合・・8
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NEAL MORSE「Testimony Two-Live in Los Angeles

アメリカのシンフォニック職人、ニール・モーズのライブCD+DVD5枚組。2011年作
TRANSATLANTICの方でも大活躍のニールであるが、ソロの方でも大ボリュームのボックスが登場。
CDのDisc1、2は、過去のソロ作からの楽曲をたっぷりと演奏。ドラムには盟友マイク・ポートノイを迎え、
安定感抜群のテクニックと、変幻自在のニールのシンセによる、爽快なシンフォニックサウントが炸裂。
キャッチーなメロディとコーラスハーモニーでドラマティックに展開する、どこを切ってもニール節という
楽しげな演奏に聴いていて笑みが浮かぶ。Disc3では80分に及ぶ「Testimony 2」を完全再現、
正直、新鮮な感動はもうあまりないのだが、やっぱりお腹いっぱい、安心のニールモー祭りである。
2枚のDVDには同ライブの映像に、SPOCK'S BEARDとのコラボ、ツアードキュメンタリーも収録。
ドラマティック度・・8 ライブ演奏・・8 ニールモー祭り度・・10 総合・・8
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Factory of Dreams「Melotronical」

ポルトガルの鍵盤奏者と女性Voによるユニット、ファクトリー・オブ・ドリームスの2011年作
これが3作めで、前作同様、女性ヴォーカルの歌声を中心に、シンフォニックな美麗さと
いくぶんのメタリックな質感で聴かせるサウンド。随所にプログレッシブな構成も取り入れつつ、
女性声と男性声の掛け合いも含めてオペラティックなテイストが増してきていて、
これまで以上にメリハリのついた濃密な作風だ。ジェシカ嬢の歌唱力もずいぶんと向上。
プログレ化したEDENBRIDGEというべきか…美麗にしてドラマティックな力作である。
シンフォニック度・・8 オペラティック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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TEN「Stormwarning」

イギリスのメロディアスハードバンド、テンの2011年作
1996年のデビューから、質の高いドラマティックハードを作り続けてきてた、
ゲイリー・ヒューズ率いるこのバンド、ルイス・ロヨの美麗なジャケを久々に使用した
本作は5年ぶりとなる8作目で、さすがというべき力作に仕上がっている。
効果的にシンセを使った美麗なアレンジとメロウなギターワーク、
そして渋みのあるマイルドなヴォーカルで、湿りけのあるドラマ性を感じさせる
ハードロックを描き出している。強いインパクトはないが落ち着いた味わいだ。
メロディアス度・・8 ドラマティック度・・8 英国度・・9 総合・・8
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LAST AUTUMN'S DREAM「Nine Lives」

メロディアスハードバンド、ラスト・オータムズ・ドリームの2011年作
もはや冬の風物詩となったこのバンドの9作目。ミカエル・アーランドソンとアンディ・マレツェクによる
質の高いメロディアスハードは当然ながら今作も不変で。哀愁の叙情を含んだメロディと
古き良きハードポップの感触をより強くしたサウンドで、安心して浸れる一枚に仕上がっている。
新鮮味がどうのという野暮なことは言わず、冬になったら暖かななつかしさとともに耳を傾ければいい。
メロディアス度・・8 哀愁の叙情度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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The Magnificent

北欧のメロディアスハードユニット、マグニフィセントの2011年作
CIRCUS MAXIMUSのシンガーとLEVERAGEのギタリストを中心にしたバンドで
キャッチーなメロディで聴かせる古き良き感触のメロディアスハード作品。
マイケル・エリクセンの伸びやかな歌声と、シンセアレンジを含めた北欧らしい爽やかさに、
プログレハード的な知的センスも感じられて、じつにクオリティの高いサウンドになっている。
全体的にはこれといった目新しさはないものの、安心して楽しめる好アルバムだろう。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 北欧度・・8 総合・・8
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EMERALD SUNRegeneration

ギリシャのメロパワバンド、エメラルド・サンの2nd。2011作
1stも相当のクサメタル傑作であったが、本作もジャーマンメタル路線のバンドでは
GAMMA RAYをよりクサく仕上げたような力作になっている。ツインギターのフレーズに、
うっすらとしたシンセアレンジ、そしてキャッチーな歌メロで聴かせる、陽性のメロディックメタルには
思わずにやにやとしてしまう。楽曲そのものに前作ほどのインパクトはないが安心して楽しめる出来だ。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 クサメロ度・・7 総合・・8
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FREEDOM CALL「Live in Hellvetia」

ドイツのシンフォニックメタルバンド、フリーダム・コールのライブアルバム。2011年作
1999年にデビューし、現在までにアルバム6枚を発表、ライブアルバムとして2004年以来となる。
本作は2010年のツアーからスイスでのステージをCD2枚に収録している。
ツインギターのフレーズとシンセによる、シンフォニックかつメロディックな演奏は、
ジャーマンメタル的な疾走感と、エピックメタルとしての雰囲気もたっぷり。
楽曲の中に明快でキャッチーなメロディ…つまりクサメロがあるのもこのバンドの魅力で
GAMMA RAY的な陽性のメタルをファンタジックな世界観でやっているのがとてもいい。
ライブにおける演奏も安定していて、ファンならば当然聴いて損はないだろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・7 ライブ演奏・・8 総合・・8
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RING OF MYTH

アメリカのプログレバンド、リング・オブ・ミスの2011年作
前作から6年ぶりとなる3作目である。1stはYESを硬質にしたような作風であったが、
今作ではぐっと肩の力の抜けたような、いわばECHOLYNに通じる感じのウィットに富んだ
大人のプログレをやっている。キャッチーなやわらかみと、ときにブルージーなロック感、
そして少しヒネくれた知的さとともに、ゆるやかに構築されるサウンドは、耳心地の良さと
サイケ風味の浮遊感も含んでいてなかなか楽しめる。通好みの好作品である。
メロディアス度・・7 大人のプログレ度・・8 大人の余裕度・・9 総合・・8
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TRAVELLERS「A JOURNEY INTO THE SUN WITHIN

ポーランドの女性Voロックバンド、トラヴェラーズの2011年作
COLLAGESATELLITEのWOJTEK SZADKOWSKIを中心に結成したバンドで、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるゆるやかなシンフォニックロックサウンド。
10分以上が2曲に8分が2曲という大作志向で、モダンなシンセアレンジと
アンニュイな翳りがミックスされて、独特の浮遊感をまとわせた作風になっている。
しっとりとした女性声が耳に優しく、初期のQUIDAMなどを思わせる部分もあり、
随所にプログレ的な感触を匂わせながら、さらりとクールなお洒落さを感じさせる作品だ。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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magenta 「chameleon」

イギリスのシンフォニックロックバンド、マジェンタの2011年作
スタジオアルバムとしては6作目で、ロブ・リードのプログレ的なシンセワークと
女性ヴォーカル、クリスティーナの歌声で聴かせるシンフォニックロックは本作も健在。
前作「Metamorphosis」に比べると、いくぶん初期の作風に戻った感じもあり
キャッチーで軽快な聴き心地と、しっとりとした叙情が同居したサウンドは、
新鮮味はないものの安心して楽しめるクオリティの高さだ。
シンフォニック度・・8 プログレ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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My Brother the WindI Wash My Soul in the Stream of Infinity」

スウェーデンのプログレバンド、マイ・ブラザー・ザ・ウインドの2011年作
ANEKDOTENMAGNOLIAMAKAJODAMAなどのメンバーが集まったバンドで、
基本は2本のギターに、ベース、ドラムによるインスト演奏であるが、うっすらとしたメロトロンや
オルガンが鳴り響き、サイケロック風味のアナログ感覚と浮遊感とともに神秘的な叙情美を描いてゆく。
10分以上が3曲あり、スリリングさよりもゆったりとした味わいで、オリエンタルな世界感も含めて
Amon Duul IIASHRAなどに通じるような感触もある。70年代スタイルの北欧サイケの力作。
ドラマティック度・・7 プログレ度・・7 サイケ度・・8 総合・・8
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Memories of MachinesWarm Winter

No-ManのTim BownessとNosoundのGiancarlo Erraによる、メモリーズ・オブ・マシンズの2011年作
プロデュースはスティーブン・ウィルソンで、想像通りのしっとりとした薄暗い叙情のサウンド。
うっすらとしたシンセアレンジにもの悲しいヴォーカルの歌声が響きわたり、
アコースティックギターにピアノやチェロの音色が絡み、繊細な情感を描いてゆく。
優しく翳りのあるアンビエントなサウンドが好きな方なら気に入る作品だろう。
ロバート・フリップ、ピーター・ハミル、さらにはジム・マテオスといった多数のゲストが参加。
メロウ度・・8 プログレ度・・7 しっとり度・・9 総合・・8
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FOLLOWBANECeremonia

京都出身のシンフォニック・メロデス、フォローベインの2011年作
ヴォーカル&ギターとギター&ベースの2人組みユニットで、本作はすでに5作目となる。
美麗なシンセアレンジ&オーケストレーションを含んで疾走するきらびやかなサウンドは
初期のCHILDREN OF BODOMや日本のSERPENTなどを思わせるもので、
メロディックなギターフレーズもセンスが良く、楽曲のレベルも自主盤にしてはかなり高い。
ドラムが打ち込みである点は惜しいが、今後が楽しみな逸材といえるだろう。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 美麗キラデス度・・9 総合・・8
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MAN WITH A MISSION

日本のロックバンド、マン・ウィズ・ア・ミッションの2011年作
メンバーは狼に扮した5人組で、基本的にはノリのいいキャッチーなロックサウンド。
古き良きロックの感触に、シーケンサー的なアレンジを織りまぜたミクスチャー感覚で、
ときにダンサブルに聴かせたりもする。抜けのいい解放感はいい意味で日本人離れしており、
ラップ的なタテノリ感をテクノ調のアレンジで包み込むといったセンスもなかなか面白い。
英詞による勢いのいいロックナンバーや日本語によるバラードの叙情などが同居していて、
そのこだわりのなさも若者らしい。往年のロックンロールの普遍性をいまに甦らせるような作品だ。
メロディアス度・・8 ロック度・・8 ミクスチャー度・・8 総合・・8
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DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」

ディル・アン・グレイの2011年作
激しくも混沌としていた前作からの流れにあるものの、本作ではさらに極端なまでの芸術性が
得体の知れない不気味さとともに、いっそうの説得力をともなって描かれている。
狂気をともなったヴォーカルの表現力は、頽廃、耽美というべき世界観をかもしだし
ギターのリフやフレーズの挿入の仕方にも細心の緻密さが窺えるようになった。
プログレッシブなまでのスケール感と、場面ごとの音の重ね方がぴたりと決まっていて、
サウンドとしての完成度は前作を軽く凌いでいる。ドゥーミーなダークさにメタリックな激しさ、
叙情を含んだ唐突な切り返し、そのアヴァンギャルドな感性に演奏が追いついてきている。
ロマンの香りを含んだメロディと、カオティックな混沌が巧みに融合された力作といえる。
ただ、濃密な上に曲が多いので、後半にはさすがに飽きがきてしまうが…
ドラマティック度・・8 メタル度・・8 ダークな激情度・・9 総合・・8
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BLOOD STAIN CHILD「ε 」

日本のモダンメロデスバンド、ブラッド・ステイン・チャイルドの2011年作
クラブミュージック的なアレンジを融合させ、新境地を開いた前作から
本作では新たにギリシャ人女性ヴォーカルが新加入しての5作目となる。
方向性としては前作の延長で、デジタリィなシンセビートとメロデスを合体させたサウンドに、
女性声と男性デス声が重なってゆくもの。なにせ前作のインパクトが相当だったので、
今回はとくに新鮮な驚きはなく、SOPHIA嬢の歌声も悪くはないがやや一本調子にも思える。
正直、メロデスとしての魅力であるはずの、ギターリフやメロディにしびれる部分が案外少なく、
質の高さは間違いないものの悶絶するような凄さは感じない。綺麗にまとまった好作といえる。
シンフォニック度・・7 暴虐度・・7 女性Vo度・・7 総合・・8
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DAZZLE VISION「キラリ」

日本のゴス・ヘヴィロック、ダズル・ヴィジョンの2011年作
1曲めはキャッチーな普通の女性Voロックで、日本語歌詞も含めてJ POP的な感じもあるのだが、
2曲め以降は随所に彼女のスクリームヴォイスが現れて、その迫力はやはりインパクト充分。
ギターはときにヘヴィなリフを奏でながらメロディックなフレーズもこなし、二面性のあるサウンドにマッチしており、
コケティッシュな女性ヴォーカルはより魅力的になり、その表現力がずいぶん上がってきたことで、
スクリームの迫力ばかりで目立っていたこれまでよりも、バランスがとれてきた感じがある。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 女性Vo度・・8 総合・・8
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lynch.I BELIEVE IN ME

日本のV系ラウドロックバンド、リンチの2011年作
メタル並にヘヴィなギターリフとスクリームヴォイスでなかなか激しいサウンドであるが、
ノーマルヴォーカルはV系の雰囲気という、案外これまでありそうでなかったスタイル。
最近のDIR EN GREYにも通じるような質感であるが、こちらの方がよりストレートで明快な音だ。
歌メロ自体は非常にキャッチーなのだが、スクリームも入れば激しい疾走感も随所にあるので、
メタル系のリスナーにもけっこう楽しめる。一方では普通のV系っぽい聴きやすい曲もあり、
そのあたりのバランス感はメジャーバンドらしい。偏見なしに聴いてみると、案外楽しめる。
メロディアス度・・8 メタル度・・8 V系度・・8 総合・・8
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NoGoD「現実」

日本のV系ヘヴィロックバンド、ノーゴッドの2011年作
“V系メタルコア”という感じであった前作「欠片」に続くメジャー2作目で、
モダンなヘヴィネスとテクニックのあるメロディックなギターワークに
いかにもV系という感じの日本語歌詞のヴォーカルで聴かせるサウンド。
前作よりも抜けのよいキャッチーなメロディが前に出てきている分、
ハードロックとしての普遍性が感じられるようになったのがよろしい。
希望を感じさせる爽やかな歌詞も含めて、聴き手に勇気を与えるような作風である。
ヘヴィなインパクトの点では前作なのだろうが、メロディックなロックとしては本作が勝る。
メロディアス度・・8 キャッチー度・・8 メタル度・・7 総合・・8
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王族バンド「クロスピース」

ニコニコ動画で活躍する人気プレイヤーによるユニットの2011年作
本作は「ワンピース」ならぬ「クロスピース」なる架空のアニメのサントラという設定らしい。
もっとアキバよりの音を想像していたが、1曲めのインストは案外に正統派のロック感触で、
ギターのフレージングには古き良きハードロックの質感があって、むしろ渋い演奏だ。
女性ヴォーカル入りの曲は古き良きアニソン風味が感じられ、これがなんだかなつかしい感じ。
グルーブのあるアンサンブルも心地よくてGoodです。影山ヒロノブ、織田かおりらがゲスト参加。
メロディアス度・・8 アニソン風度・・8 ロックしてます度・・8 総合・・8
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MEGADETH「TH1RT3EN」

アメリカのベテランスラッシュメタル、メガデスの2011年作
13枚めのアルバムということで、タイトルにも数字が混じっているのが面白い。
さて、サウンドの方は前作で聴かれた、知的スラッシュメタルへの回帰に、
いくぶんモダンでスタイリッシュな質感を上乗せしてきたという感じだろうか。
メガデスらしいクールなギターリフと、テクニカルな硬質感を軸にしながら、
よりまとまりのあるシンプルさと、随所に感じられるメロディックな聴き心地で
メタルとしての普遍性を押し出したバランス感覚というものが見事。安心して聴ける好作だ。
ドラマティック度・・7 インテレクチュアル度・・8 これぞメガデス度・・8 総合・・8
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DESULTORY「Counting Our Scars」

スウェーデンのデスメタルバンド、デザルトリーの復活作。2011年作
90年代北欧のデスメタルバンドの中でも知る人ぞ知るという存在であったこのバンド、
1994年の2ndは聴いた記憶があるが、さして印象には残っていない。
さて本作のサウンドは、まさに古き良きスラッシュ風味のデスメタルで、
随所に叙情的なメロディを取り入れつつも、決して甘すぎないのがポイント。
若いリスナーがいわゆるメロデスと聞いて想像するのとは違うもので、
むしろ北欧デスラッシュとして聴くと、とてもいい感じに思えるだろう。
オールドなメタルブームが来ている昨今においては、意味のある復活作だ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 オールドなデスラッシュ風度・・8 総合・・8
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OBSCURA「Omnivium」

ドイツのテクニカルデスメタル、オブスキュラの2011年作
かつてのDEATHを継承するようなテクニカルデスの力作となった前作に続く3作目。
叙情的なイントロから、ツインギターのメロディで、メロデス風味を増しつつも、
激しい疾走感とテクニカルな切り返しは健在。今作ではさらにノーマル声で歌う
クリアな叙情パートを盛り込んだり、プログレッシブ・デスへとより接近している。
モダンなデスコア風味でブラストする激しさもあるのだが、メロディの度合いが増したことで、
いくぶん間口が広がったともいえる。力作だとは思うが、この先どうしてゆくのか行き詰まりも感じる。
メロディアス度・・8 デスメタル度・・7 テクニカル度・・8 総合・・8
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WARBRINGERWorlds Torn Asunder

アメリカのスラッシュメタルバンド、ウォーブリンガーの2011年作
古き良き正統派スラッシュメタルサウンドを追求するこのバンド、3作目となる本作も
ザクザクとしたギターリフで勢いよく疾走する、かつてのベイエリアクランチを再現するような
ピュア・スラッシュメタルが炸裂。メロディアスさを抑えた硬質感はEXODUSにも近い感触か、
楽曲自体に個性があるかと問われればやや首をかしげるが、演奏面でのレベルの高さと
ヴォーカルも含めてスラッシーにたたみかける迫力はやはり若手の中では抜きん出ている。
ドラマティック度・・7 疾走度・・8 スラッシュ度・・9 総合・・8
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Dreamtale「Ypsilon」

フィンランドのシンフォニックメタル、ドリームテイルの2011年作
2002年デビューでこれが5作目、華麗なシンセワークとハイトーンヴォーカル、そしてクサメロで疾走する
そのスタイルは本作でも変わらず。SONATA ARCTICAなどが少しずつスタイルを変化させていったのに対して
あくまで疾走にこだわるその姿勢はファンは嬉しいだろう。楽曲自体にさしてもう新鮮味は感じないのだが、
この手のきらびやかなメロスピが好きなら安心して楽しめる。個人的には随所に聴けるケルティック風味を伸ばして欲しいが。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・8
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AXENSTAR「AFTERMATH

スウェーデンのメロパワバンド、アクセンスターの5th。2011作
2002年のデビュー作から常に質の高いメロディックメタルを作り続けてきて中堅バンド、
ややパワーダウンが感じられた前作から5年ぶりとなる本作はなかなかの力作となった。
激しい疾走感も随所に聴かせながら、DREAM EVILのような正統派の重厚さも心地よく
初期のマイルドなメロディ路線から比べるとヘヴィかつモダンな方向へと変化してきている。
もともとあったヴォーカルの弱さはまだ感じられるし、楽曲のインパクトという点でもまだまだ
突き抜けたものが見えないが、メロディックで力強いバランスのとれた高品質なアルバムだ。
メロディアス度・・7 疾走度・・8 パワフル度・・8 総合・・8
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VAN CANTO「METAL A CAPELLA」

ドイツのアカペラメタルバンド、ヴァン・カントの2011年作
歌のみのアカペラでメタルをやってしまうこのバンド、笑いを超えた傑作となった3rdに続いて、
これまで発表された4作から集められた日本独自のカヴァーアルバムが登場。
いきなりMETALLICAの“Battery”で、このバンドを初めて聴く方は思わず笑いそうになるだろう。
なにせ、ドラム以外のベース、ギターパートはすべて声でやっているのだから。
ドンデケドンデケ、ダカダンダカダンと刻まれるギターパートは微笑ましくも、けっこうすごい。
ANGRAの名曲“Carry On”は女性ヴォーカルをメインに意外と美しい仕上がりだし、
MANOWARの“Kings of Metal”もなかなか勇壮である。Deep Purpleの“Stormbringer”、
BLIND GUARDIANの“The Bard's Song”、IRON MAIDENの“Fear of the Dark”、
母国の英雄GRAVE DIGGERRUNNING WILD、さらにはNightwishの“Wishmaster”
そしてラストのMETALLICA“Master of Puppets”まで、見事な人力ヴォイスメタルが楽しめます。
本気でアカペラ度・・10 けっこうメタル度・・8 笑えるが本気度・・10 総合・・8
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EPYSODE「Obsessions

ベルギーのシンフォニック・プログレメタルプロジェクト、エピソードの2011年作
ギタリストのサムエル・アルカンを中心に、多数のゲストを迎えたAYREONを思わせるような壮大なメタルオペラ的作品。
そのAYREONにも参加した女性Voや、PAIN OF SALVATIONBEYOND TWILIGHTなどからもメンバーが集結、
シンフォニックな美麗さと、そして男女ヴォーカルによる歌声で、重厚かつダークなドラマ性を描いてゆくサウンドだ。
曲自体は4〜5分台がメインなので難解さはなく、ミドルテンポ主体のモダンなシンフォニックメタルとして普通に楽しめる。
女性声がメインになるとゴシックメタル的な雰囲気にもなる。全体的にはヘヴィになったAYREONという感じの力作。
ドラマティック度・・8 シンフォニック度・・7 重厚度・・8 総合・・8
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Daedalus「Motherland

イタリアのプログレメタル、ダイダルスの2011年作
前作もじつにイタリアらしい奇妙な構築センス満載の力作であったが、
本作も初期のELDRITCHのようなプログレ感あふれるシンセワークと
聴き心地はキャッチーだがどことなくヒネたメロディに包まれたProgMetalサウンド。
ギターのフレーズは爽やかといってもよいくらいで、メロディアスな叙情性は前作と同様なのだが、
全体的には軽妙なノリと怪しさがやや薄れたのが残念。ときおりヘンなリフもちゃんと出てくるが。
ちなみに、シンセを弾くのはプログレバンドIl Tempio Delle Clessidreの女性奏者で、
その筋のマニアにもニヤり。なぜかMASTERPLANのローランド・グラポウもゲスト参加している。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 イタリア度・・8 総合・・7.5
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EVERWOODWithout Saving

ハンガリーのプログレメタル、エヴァーウッドの2011年作
傑作だった前作から3年ぶりとなるアルバムで、これが3作目となる。
美麗なシンセワークと適度にテクニカルな楽曲で効かせる正統派の作風、
曲は3〜5分台と短めで、キャッチーな分かりやすさがあるので力まずに聴き通せる。
ドラムの録音の貧弱さやヘタウマ気味なヴォーカルは好みを分けるだろうし、
前作ほどの完成度はないものの、やわらかみのあるメロディアスなProgMetalが楽しめる。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 重厚度・・7 総合・・7.5
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Fugatta「Mystic Kingdom」

メキシコのシンフォニックメタル、フーガッタの2011年作
シンセを含む5人組で、シンフォニックで壮麗なイントロから期待感が高まるが、
曲が始まるとハイトーンヴォーカルとともにクサメロで疾走。華麗な雰囲気は
AQUARIAの1stなどを思わせるが、演奏にはいくぶんB級気味の粗さがある。
やはりどこかで聴いたようなメロディや展開も多く、途中で飽きてくるのだが、
シンフォニックでクサメロという、この手が好きな方にはまず嬉しいサウンドだろう。
ラウドな録音面も含めて今後のクオリティアップに期待したい。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SYMPHONY XIconoclaust

アメリカのプログレッシブメタルバンド、シンフォニー・エックスの2011年作
前作「PARADISE LOST」はプログレメタル的な力作だったが、今作はなんと2枚組の大作。
のっけからテクニカルなリズムに、重厚なドラマ性をたたえた世界観で聴き手を引き込む。
マイケル・ロメオのキレのよいギターリフにラッセル・アレンの少々暑苦しいワイルドなヴォーカルが絡み、
シンフォニックなシンセワークとともに、濃密かつ厚みのあるサウンドを描き出す。
ネオクラシカルな要素がいくぶん抑えぎみなので、むしろわざとらしさがなくなり、いい意味で媚びがない。
ただCD2枚はやはり長い…質の高いパワフルな力作なのは確かだが、音圧が同じなので単調に聴こえる。
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・8 ProgMetal度・・8 総合・・7.5
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IN FLAMESSounds of a Playground Fading

スウェーデンのメロデスバンド、イン・フレイムスの2011年作
1994年のデビューから10作目となる本作は、前作でのメロディアスな聴き心地から
モダンなヘヴィロック風味を強めた作風に変化している。メロデス的な質感は減退し、
メランコリックな叙情とモダンヘヴィネス、メタルコア風味の融合というようなサウンドだ。
中心人物であったイェスパー・ストロムブラードの脱退も大きく影響しているのだろう、
所々にメロウなギターによる聴き心地は残っているし、アルバムとしての完成度もまあまあ高いのだが、
楽曲にこれだというインパクトはなく、これまでのファンにとってはやや物足りない内容かもしれない。
メロディアス度・・7 メロデス度・・5 モダンヘヴィ度・・8 総合・・7.5
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Eternal Gray「Your Gods, My Enemies」

イスラエルのデスメタル、エターナル・グレイの2011年作
イスラエルという国柄を考えると、まさに強烈なアルバムタイトルであるが、
サウンドもソリッドなギターリフに咆哮するデスヴォイスを乗せて、激しく疾走する強力な作風。
デスコア的なブルータルな激しさと荘厳な雰囲気に包まれているが、ヘヴィな硬質感の中にも、
シンセによる味付けなどもあって、随所にドラマティックなセンスが光っている。
モダンな音作りも含めて、地域性を抜きにしてクオリティの高い力作に仕上がっている。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・8 荘厳度・・8 総合・・8
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Sarah Jezebel Deva「Corruption of Mercy」

Angtoriaの女性ヴォーカル、サラ・ジェゼベル・ディヴァの2011年作
Angtoriaとはとくにメンバーはかぶっていないので、別バンドということなのだろう。
シンフォニックなアレンジとときにブラックメタルばりのブラスト疾走も入ってくるスタイルは、
ゴシックというよりは、美しい女性ヴォーカルで聴かせるシンフォブラックという雰囲気もある。
シンセによるオーケストレーションもゴージャスで、音の説得力はさすがというところ。
美麗な耽美さもちゃんと残っていて、激しめのゴシックメタルとしても楽しめる作品だ。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・8
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SCHONBERGSPLENDID ROSA BIRTH

日本のシンフォニックメタル、シェーンベルクの2011年作
ダ・ヴィンチの名画「受胎告知」のジャけからして、ヨーロピアンなセンスが漂うが、
サウンドの方も壮麗なオーケストレーションを駆使した優雅なシンフォニックメタル。
女性ヴォーカル、Naruの日本語歌詞の歌声を乗せ、美意識の詰まったメロディに、
キャッチーな聴き心地を融合した独自のスタイルで、クラシカルなギターフレーズを含めて、
こだわりを感じさせる世界観を描いている。疾走する曲以外では、スローからミドルテンポ曲に
おけるロマンティックな感じはどことなく宝塚的でもあり、よい意味での日本らしさを覗かせる。
ヴォーカルの声がメタルらしからぬ揺れる感じやリズム面での平坦さなど、好みを分ける部分はあるが、
LIGHT BRINGERやANCIENT MYTHとも異なる方向性を持っていて、今後も期待のバンドである。
シンフォニック度・・8 クラシカル度・・8 美意識度・・9 総合・・7.5
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In Solitude 「World-the Flesh: the Devil」

スウェーデンのメタルバンド、イン・ソリチュードの2011年作
2009年にデビューして本作が2作目である。 ジャケのB級っぽさやヴォーカルの煮え切らなさも含めて、
ENFORCERと同様に、マイナーなローカルさの漂う古き良き正統派メタルサウンドだ。
いくぶんカルト的なミステリアスさが80年代の英国調でもあり、マニアックなリスナーはにんまりだろう。
ツインギターのフレーズはなかなか叙情的で、IRON MAIDENからの影響も感じさせる。
ただ全体的には楽曲がやや一本調子か。ヴォーカルの表現力がないだけにメロディに工夫がほしい。
メロディアス度・・8 パワフル度・・7 古き良き度・・9 総合・・7.5
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Acid WitchStoned」

アメリカのサイケ・ドゥームメタル、アシッド・ウィッチのアルバム。2011作
このB級ホラーマンガのようなジャケからして笑ってしまうのだが、
サウンドの方も70年代的な古くささ…サバス風味のドゥーム感覚と
オルガンシンセ入りのサイケロック的な浮遊感で聴かせる、ステキな世界観。
ヴォーカルはゲロゲロのデス声ながら、音の怖さはあまりなく、
メロディアスなギターやシンセのおかげで演奏自体はとても聴きやすい。
おどろおどろな雰囲気をかもしだそうとしているのがむしろ微笑ましい。
ドラマティック度・・7 おどろドゥーム度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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WYVERNLords Of Winter

イタリアのメロディックメタル、ワイバーンの2011年作
1990年に1stをリリースしてからまったく音沙汰のなかったバンドであるが、
本作は98〜02年に録音した未発曲を収録したアルバムということになる。
B級気味のローカルさでクサメロとともに疾走するそのサウンドは、やっぱりヘナチョコなのだが、
いうなればマイナーなエピック小説でも読むような気分で、どうにも嫌いになれない。
本作ではさらに美しいシンセアレンジや唐突な展開などで楽しませてくれ、
11分超の大曲が2曲もあったりと、とても気合が入っている。いとおしいバンドです。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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White Wizzard「Flying Tigers」

アメリカのメタルバンド、ホワイト・ウィザードの2011年作
フルアルバムとしては2作目で、前作はIRON MAIDENを思わせる往年の正統派サウンドであったが、
本作も期待通りの古き良きメタルが炸裂。ジャケもそうだが、ドラムパターンやベースラインも含めて
思い切りメイデンしています。ただ楽曲そのもののインパクトや新鮮味という点では当然ながら薄いので
NWOTHM系バンドが当初のインパクトほどはなくなり、徐々に冷静な耳で聴かれ始めたいまとなっては、
安易に絶賛はできなくはなった。本家メイデンが健在であるだけに、その再現バンドという枠にはとどまって欲しくない。
ドラマティック度・・7 メイデン度・・8 古き良き度・・8 総合・・7.5
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STRATOVARIUS「Elysium」

フィンランドのベテラン、ストラトヴァリウスの2011年作
新生STRATOVARIUSの再始動となった前作はなかなかの好作であったが、
本作ではさらにバンドとしての方向性を押し進めた勝負の一作となった。
適度な疾走感とともにハードロック/メタルとしての普遍性を押し出したような作風で
良くも悪くもトルキ時代からの脱却を思わせるモダンなアレンジも随所に盛り込みつつ
ベテランらしい安定感を感じさせるサウンドだ。正直なところ、コティペルトの歌声は深みにかけ、
しばらく聴いていると飽きてしまうし、楽曲自体もメロディ、構成ともにインパクトは薄い。
ラストの18分におよぶタイトル曲はドラマティックでなかなかいい。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 新鮮度・・7 総合・・7.5
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PORCELAIN MOON「...as it were.Here and there」

フィンランドのプログレバンド、ポルセライン・ムーンの2011年作
女性Vo、ツインギター、女性奏者を含むツインシンセを擁するの7人編成で、
オルガンが鳴り響くレトロな感触にハスキーな女性ヴォーカルの歌声とともに、
いくぶんサイケロック気味の浮遊感もあるサウンド。かっちりとした構築性よりも
古き良きロックのユルさ、アナログ感のある音なので、一聴したインパクトはないが、
Curved Airなど70'ブリティッシュロック的な聴き心地でゆったりと楽しめる。
メロディアス度・・7 オルガン度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Thomas Giles「Pulse

Between the Buried and Meのトーマス・ジャイルズのソロ作。2011年作
BTBAMの方は展開の多い、カオティックなスタイルで聴かせるサウンドであるが、
本作はむしろ、薄暗い叙情を漂わせたモダンなエモ風の質感で、
適度なヘヴィさと、シンセを含めたプログレッシブなアレンジも含めて、
耳心地よく楽しめる。やわらかなヴォーカルで聴かせる素朴な楽曲などもあり
BTBAMとはまた違った彼の魅力を発見できる好作品だ。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 モダンロック度・・8 総合・・7.5
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For All We Know
オランダのプログレメタルユニット、フォー・オール・ウイ・ノウの2011年作
WITHIN TEMPTATIONのギタリストRuud Jolieを中心にしたユニットで、
PAIN OF SALVATIONのクリストファー・ギルデンロウも参加している。
サウンドはメランコリックな情緒で聴かせる、モダン派のProgMetal作品で、
適度にテクニカルではあるが、むしろゆるやかで薄暗い世界観を描く感じで
随所にオルガンを含むプログレ的なシンセアレンジやテクニカルなギターフレーズもまじえつつ、
Porcupine TreeMARILLIONなどをメタリックにしたような聴き心地も感じられる。
ゲストヴォーカルに、ジョン・ウェズリー、PAIN OF SALVATIONのダニエル・ギルデンロウ、
WITHIN TEMPTATIONのシャロン・デル・アデルTHRESHOLDのダミアン・ウィルソンらが参加。
ドラマティック度・・7 テクニカル度・・7 薄暗叙情度・・8 総合・・7.5
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TOMBS「Path of Totality」
アメリカのポストブラックメタル、トゥームズの2011年作
トリオ編成で聴かせる、神秘的なサウンドにはさらに磨きがかかり、
静寂パートでの妖しい世界観は荘厳といってもよいくらいの強度である。
激しく疾走する迫力はもちろん、ミドルパートでのギターリフのつなぎも
オールドなデス/ブラックメタルの感触でじっくり聴くことができる。
基本的にメロディアスな部分は薄く、愛想はあまりよくないので、
プリミティブな雰囲気ものを楽しめる方にこそオススメします。
ドラマティック度・・8 暴虐度・・7 神秘的度・・8 総合・・7.5
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ReinXeed「1912」
スウェーデンのメロスピバンド、レイン・エクシードの4th。2011年作
いまやロマン派軟弱系メロスピの筆頭ともいうべきこのバンド、
本作は沈没した客船タイタニック号をテーマにしたコンセプト作で、
美麗なイントロに続き、いつも通りのシンフォニックなサウンドが炸裂。
初期のSONATA ARCTICA的なきらびやかで軽快な疾走感に加え、
ソロパートなどはDRAGONFORCE風味も感じさせ、ファンはにんまりだろう。
個人的にはメロディ、楽曲ともに新鮮味がなく、1度聴けばもう充分ですという感じだが。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 新鮮度・・7 総合・・7.5
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In Legend「Ballads N' Bullets
ドイツのギターレス、ピアノメタル、イン・レジェンドの2011年作
VAN CANTOではドラムを務めるBastian Emigがヴォーカルを担当するバンドで、
ギターレスで鍵盤/ピアノの音色を主旋律にしたメタルという新たなジャンル。
ツーバスのドラムに、パワフルなヴォーカルはいかにもメタルらしいのだが、
ギターの代わりにピアノの音色が響くのでとても優雅な聴き心地だ。
ベースも含めて、けっこうハードめの感触もあり、ときにVAN CANTOのような
コーラスハーモニーも聴かせてくれる。そのVAN CANTOの女性Voもゲスト参加。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 優雅度・・8 総合・・7.5
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Anrian Von ZieglerAcross Acheron」
スイス出身のアーティスト、アンリアン・フォン・ジーグラーの2011年作
打ち込みのインストで、ファンタジックで幻想的な世界観を描いたサウンドは、
映画かゲームサントラのような雰囲気で、ヴォーカルなしの壮麗なシンフォニック作品である。
随所に民俗調のメロディやゴシック的な耽美なダークさもあって、曲によってはメタル色も多少あるので、
あるいはRHAPSODYNightwishなどのファンにも楽しめるかもしれない。ただ大半はシンセなので、
メタル作品として聴くにはややつらいかもしれない。幻想的でシンフォニックなサントラが好きな方はぜひ。
シンフォニック度・・8 メタル度・・2 壮麗度・・8 総合・・7.5
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FIREBIRD「Soul Warming Rage(Душу греет ярость)
ロシアのペイガン・シンフォニックメタル、ファイアバードの2011年作
クサメロのギターとダミ声のロシア語ヴォーカルを乗せて疾走するサウンドで、
ときおり女性ヴォーカルも加わって、クサシンフォニックな味わいがなかなかいい。
ペイガンなヴァイキング風味も一応はあるが、むしろエピックなファンタジー性で
軽めに聴かせるクサメタルといえる。ほとんどの曲が3分台とわりあいあっさりとしているのだが、
メロディアスなギターのフレーズにはにんまりで、B級の辺境シンフォメタルとして充分楽しめる出来だ。
シンフォニック度・・7 ペイガン度・・7 辺境度・・8 総合・・7.5

Dornenreich「Flammentriebe
ドイツのネイチャー・ブラックメタル、ドルネンレイクの4th。2011年作
以前に聴いた2005年作はアコースティカルなゆったりとした作風だったが、
本作はトレモロなギターリフで疾走するブラックメタル要素が戻っていて、
ドイツ語による絶叫ヴォーカルで聴かせるサウンドだ。アナログなメロブラの質感に、
アコースティカルな優雅さ、美しいヴァイオリンの音色やミスティックな神秘性も合わさり、
Drudkhあたりにも通じる、幻想的なアトモスフェリック・ブラックとして楽しめる。
ドラマティック度・・7 ネイチャーブラック度・・8 ゲルマン度・・8 総合・・7.5
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WOLFCHANTCall of the Black Winds
ドイツのペイガンメタル、ウルフチャントの2011年作
2人の男Voとシンセを含む7人編成で、ツインギターのメロディとスクリームヴォイスに
勇壮なノーマルヴォーカルもまじえて聴かせる、エピックなペイガンメタルサウンド。
フォーキーというほどには土着的ではないが、いくぶんのヴァイキング風味と
曲によってはドイツ語の歌声も含んだ、中世ゲルマン的な味わいが楽しめる。
ときおりシンセによる壮麗なアレンジもあって、ドイツ版TURISASという雰囲気もあるのだが、
楽曲やメロディ自体にもうひとつ突き抜けた魅力といか、インパクトが欲しい気がする。
ドラマティック度・・8 ペイガン度・・7 ゲルマン度・・7 総合・・7.5
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netherland dwarf「moi moi」
日本人アーティスト、ネザーランド・ドワーフの2011年作
1曲めから10分超の大曲で、美しいシンセの重ねを軸に、モダンでデジタリィなアレンジとともに
シンフォニックかつ浮遊感のあるサウンドを展開、やわらかで広がりのある独特の質感は、
いわゆるプログレという定型の作りではなく、ゆるやかなリフレインによるシンセポップ的な聴き心地は
打ち込みであるという弱点を逆に味わいにしている。グリンカ、ヘンデル、サン・サーンスといった
クラシックのカヴァー曲をアルバムに散りばめ、はっきりとしたメロディのある濃密さと楽しさを付加し、
全体を優雅な作風に仕立てている。雄大な雰囲気のラスト曲などはシンフォニックファンもにんまりだろう。
今後は魅力的なオリジナル曲をさらに増やしていって欲しい。舵のとり方次第では大きな変化もありそうだ。
なおKAIPAのハンス・ルンディンが1曲ゲスト参加している。マイスペはこちら
クラシカル度・・8 プログレ度・・7 シンセポップ度・・8 総合・・7.5
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RED FANGMurder the Mountains
アメリカのストーナーロック、レッド・ファングの2011年作
アナログ感覚たっぷりのヘヴィなストーナーサウンドを軸に
70年代ハードロックの勢いや、プログレ風味も覗かせる作風で
ノリのよいシンプルな音の中にも、緻密なアレンジ力を感じさせる。
ギターリフのセンスの良さも含めて、メタルファンにも楽しめるだろうし、
SPIRITUAL BEGGARSにも通じるハード系ストーナーロックの力作です。
メロディアス度・・7 アナログ度・・8 70's度・・8 総合・・7.5
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LAKE OF TEARS「illwill」
スウェーデンのダークメタルバンド、レイク・オブ・ティアーズの2011年作
90年代にデビューし、初期はPARADISE LOSTを思わせる耽美なゴシックメタルであったが、
本作ではかつての面影はほとんどなくなり、ザクザクとしたヘヴィなギターのメタルサウンドとなっている。
随所にメランコリックなメロディを覗かせる作風は、むしろSENTENCEDなどに近いかもしれないが、
疾走曲もあればサイケな浮遊感もあったりと、不思議な感触のダークメタルである。ゴシック的な質感も
いくらか残っている。古き良きメタルとしてのラウドさを北欧の薄暗さで包み込んだようなアルバムだ。
ドラマティック度・・7 メランコリック度・・7 北欧度・・7 総合・・7.5
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SABATON「World War Live-Battle of the Baltic Sea
スウェーデンのメロディックメタルバンド、サバトンのライブアルバム。2011年作
2005年の正式デビューからは毎年のようにパワフルなアルバムを出し続けてきたこのバンド、
本作はCD2枚組のライブ音源で、Disc1は“Sabaton Curise”と銘打って客船を借り切っての
23時間の航海を行い、そこでのライブステージを収録したというもの。観客の熱気むんむんの中、
バトルでウォーメタルな濃密サウンドが展開されてゆく。なんといってもヴォーカルの濃さこそが
このバンドの持ち味であるから、その男臭い歌声に惚れ惚れするか辟易するかはアナタしだい。
シンセの音がけっこう前に出ているので、サウンド自体は案外シンフォニックなのだが。
Disc2はヨーロッパツアー各国からの音源で、こちらも濃厚エピックな男のウォーメタルがたっぷり。
濃密度・・9 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7.5
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KATANA「Heads Will Roll」
スウェーデンのメタルバンド、カタナの2011年作
ツインギターに女性ベーシストを含む5人組で、バンド名といいジャケといい、
メンバー写真といい、どこかズレてる微笑ましさが、まさにNWOTHMの精神か。
サウンドの方も、古き良きローカルさの漂うメロディックHR/HMであるが、
歌メロのキャッチーな聴き心地が、どこかメロハー風でもあったりする。
IRON MAIDEN的なツインギターもいい感じの、パワフルすぎない好作である。
メロディアス度・・8 パワフル度・・7 古き良き度・・8 総合・・7.5
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CRYOSHELL
デンマークの女性Voゴシックロックバンド、クライオーシェルの2011年作
美しい女性ヴォーカルの歌声を中心に、モダンなアレンジで聴かせるサウンドは
EVANESCENCEを思わせるものがある。楽曲は3、4分台で比較的コンパクトであるが、
随所に壮麗なシンフォニックさも含んでいてなかなか聴き心地がよい。
キャッチーといってもよいメロディアスさは万人受けしそうな感じがする。
現時点では個性という点でまだまだ突出したものがないので、今後にさらに期待したい。
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Mostly Autumn「Still Beautiful: Live 2011」
イギリスのシンフォニックロックバンド、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
長年フロントを務めたヘザー嬢が脱退、代わりにジャケのオリヴィア嬢がメインヴォーカルとなっての
初のライブアルバム。サウンドの方にはとくに大きな変化はないが、曲によっては以前よりもノリのよい
ロック色が増したかなという印象も。もちろんしっとりとしたシンフォニック路線やフルート入りの叙情性も健在、
メロウなギタートーンも含めて円熟した演奏で、新旧まじえた楽曲をCD2枚たっぷり聴かせてくれる。
メロディアス度・・8 ライブ演奏・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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THE REASONINGLive in the USA :Bottle of Gettysburg
イギリスのメロディックロックバンド、リーゾニングのライブアルバム。2011年作
KARNATAKAのレイチェルを擁するバンドの2011年のアメリカでのライブを収録。
シンセを含んだシンフォニックなメロウさに、ハードロック的な質感もある楽曲と、
女性ヴォーカルの歌声で聴かせるサウンドは、アルバムでの印象同様、
決して悪くはないのだが、メロディや盛り上がりに物足りなさを覚える。
音質の迫力のなさとともにローカルな雰囲気が出てしまっているのが残念。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MEAN STREAK「Declaration of War」
スウェーデンのメタルバンド、ミーン・ストリークの2011年作
WOLF、ENFORCERなどに続いて、NWOTHM系の新鋭として現れたこのバンド
古き良きジャーマンメタル風味だった前作から、本作ではJUDAS PRIEST的な、
いっそうの正統派メタルスタイルへとレイドバックしている。それでもツインギターのフレーズは
ときおりジャーマン風だったりしてにんまりだ。ただクオリティは高いものの、ヴォーカルに関しては
ハイトーンの苦しさもあって非常に微妙…。そのヨレ具合こそが味だと言えばそうなのだが。笑
メロディアス度・・7 正統派度・・9 古き良き度・・9 総合・・7.5
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POWERWOLFBlood of the Saints」
ドイツのメロパワバンド、パワーウルフの2011年作
コスプレぎみの衣装を着て世界観を演出するバンドのようであるが、
サウンドの方はRUNNING WILDあたりを思わせるしごく正統派のメタル。
古き良きメタルの感触とともにIRON MAIDEN的な聴き心地もあり、
それをモダンな構築性で娯楽的な雰囲気に仕上げたという感じか。
これでキラーチューンが加われば、メジャークラスのバンドにもなれるだろう。
メロディアス度・・8 正統派度・・8 ジャーマン度・・7 総合・・7.5
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陰陽座紺碧の双刃
日本の妖怪メタルバンド、おんみょうざのミニアルバム。2011年作
新曲にライブ音源5曲を含む、34分の内容で、タイトル曲はキャッチーな聴き心地の
いかにも陰陽座節らしいサウンド。伸びやかな黒猫の歌声とメロディアスなフックとともに
もはや新鮮味はないが安心の出来ばえだ。ライブ音源は、演奏、歌唱とも堂々たるもので
バンドとしての実力を遺憾なく発揮している。音質も良好でファンであれば買って損はないだろう。
メロディアス度・・8 新鮮度・・7 ライブ音源・・8 総合・・7.5
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TEARS OF TRAGEDY「ELUSIVE MOMENT
日本のメロディックメタルバンド、ティアーズ・オブ・トラジェディーの2011年作
女性ヴォーカルの歌声で激しく疾走するメタルサウンドで、シンセを含んだ
美麗なアレンジとキャッチーなサビのメロディがなかなかいい感じ。
ヴォーカルさんの声質もいわゆるアキバ系とは異なる、しっかりと歌い上げるタイプなので
聴いていて恥ずかしさもない。シンセアレンジのチープさや音質面での薄さを含めて
サウンドが一本調子なのが惜しいが、疾走感たっぷりの楽曲はなかなか魅力的で、
日本の正統派女性Voメロパワとして今後に期待したいバンドです。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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MAN WITH A MISSION「TRICK OR TREAT」
日本のロックバンド、マン・ウィズ・ア・ミッションの2011年作
メンバーが狼に扮した5人組という設定も面白いが、サウンドも古さと新しさを併せ持った、
センス抜群のミクスチャーロック。1曲めはNIRVANAの名曲“Smells Like Teen Spirit”のカヴァーで
そのモダンなアレンジもさすがというところ。さらに3曲の新曲とライブ音源6曲を収録していて、
ノリの良さとキャッチーなメロディのバランスで、厭味のない聴き心地に好感が持てる。
ライブ音源は音質はそこそこ程度ながら、勢いある演奏で臨場感があってよろしい。
メロディアス度・・7 楽曲・・8 ライブ音源・・7 総合・・7.5
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exist†trace「TRUE」
日本のV系女性ロックバンド、イグジスト†トレイスのミニアルバム。2011年作
2010年のアルバム「TWIN GATE」もなかなかの出来であったが、
メジャーデビューとなった本作も、キャッチーなメロディと適度なヘヴィさで、
バランスのとれた聴き心地のハードなロックサウンドが楽しめる。
しっかりと歌い上げる女性ヴォーカルに、いくぶんモダンでダンサブルな味付けや、
ポップな歌謡風の曲もあり、もV系のみならず一般のリスナーにもアピールする内容である。
メロディアス度・・8 ヘヴィロック度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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LIGHT BRINGER「BURNED 07」
日本のシンフォニックハードロックバンド、ライト・ブリンガーのミニアルバム。2011年作
新曲1曲+カヴァー3曲という構成で、タイトル曲はきらびやかな疾走感とともにFuki嬢の歌声も映える
ファン納得の出来。シンフォニックな美麗アレンジとテクニカルなパートも充実している。
カヴァーの方は、Mr.BIG、JUDY AND MARY、ALCATRAZZという渋い選曲で
ギターのKazuが歌う“Just Take My Heart”やFukiの歌声が可愛らしい“motto”、
そして“God Blessed Vodeo”はしっかりラブリー版アレンジになっていて、なかなか面白い。
新曲・・8 カヴァー曲・・7 ファンならどうぞ・・8 総合・・7.5
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LIGHT BRINGER「noah」
ライト・ブリンガーのミニアルバム。2011年作
メジャーデビュー第一弾となるシングルで、2012年のアルバム収録タイトル曲と
インディーズ時代のミニからのリメイク曲、ライブでの定番曲の初音源化などを収録。
期待の新曲は、シンフォニックなアレンジとキャッチーなメロディで疾走し
いっそう魅力を増したFuki嬢の歌声を乗せる、安心のラブリー節。
“Heartfull...”はしっとりとしたバラードで、“Continue!?”は元気のよいポップな曲。
よい意味での爽やかなメジャー感とともに、フルアルバムも期待ですね。
新曲・・8 その他曲・・7 ファンならどうぞ・・8 総合・・7.5
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KNIGHTS OF ROUND「THE GATEWAY TO NEW DIMENSION」
日本のメロスピバンド、ナイツ・オブ・ラウンドのミニアルバム。2011年作
クサメロ愛好家御用達のこのバンド、5曲入りの本ミニもロマンあふれるイントロからして
すでにクサクサでにんまり。ツインギターのクサメロで疾走するお決まりの疾走メロスピ曲も
もはや新鮮味はないが、前作からだいぶ成長してきたアレンジ面での聴かせ所が光っている。
ファンであれば次のフルアルバムもに大きく期待できる内容だろう。
メロディアス度・・8 疾走度・・8 クサメロ度・・8 総合・・7.5
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MANIPULATED SLAVES「LOVE IN THE MYSTIC FOREST」
日本のメロディック・スラッシュメタルバンド、マニピュレイテッド・スレイヴスのミニアルバム。2011年作
「DEATH IN THE WILDERNESS」と対をなす作品で、、いつものスラッシーな疾走感は抑えめだが、
女性コーラスなども加わって、より正統派メタル的なパワフルさで聴かせるサウンドになっている。
4曲入りなのでやっぱり物足りないのだが、前作ミニと合わせて1枚分の作品ということなのだろう。
メロディアス度・・7 疾走度・・7 パワフル度・・8 総合・・7.5
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UNLIMITS 「トランキライザー」
日本のハードロックバンド、アンリミッツの2011年作
ヴォーカルにドラムが女性という4人組で、日本語歌詞による歌声で聴かせる
情緒のあるハードロックをやっている。女性ヴォーカルの歌声はやや素人臭いものの
それが逆にピュアな感じがしなくもない。録音の軽さも含めてまだまだインディーズレベルだが、
キャッチーな哀愁が感じられるメロディはなかなかいいし、今後に期待したいバンドである。
メロディアス度・・8 メタル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Rie a.k.a. SuzakuMother Earth
女性ハードロックミュージシャン、リエa.k.a.スザクの2ndミニ。2011年作
作詩、作曲、プログラミングをこなす、ギタリストにして女性ミュージシャン、
1stミニの出来もなかなかであったが、本作はヴォーカル入り4曲とインスト2曲という構成で、
のっけからメロディアスに疾走する本格派のメロディックメタルが炸裂している。
ギターリフとフレージングのセンスの良さは女性としては特筆もので、
ヘヴィさとキャッチーさのバランスのとれた楽曲構成もなかなか見事だ。
ソロパートでの堂々たるテクニックといい、随所に聴かせる叙情的なメロディもよろしく、
希望に満ちたメッセージ色のある歌詞とともに、ポジティブなバワーにあふれている。
2曲のインストではあらためてメロディメイカーとしての才能も感じさせる。録音面の弱さが残念。
メロディアス度・・8 ギター度・・8 楽曲・・8 総合・・7.5
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Swallow Tail 「Northern Requiem」
東京で活動するゴシックメタルバンド、スワロウテイルのアルバム。2011年作
女性Vo、女性シンセ奏者を含む5人編成で、クラシカルで美麗なシンセワークと
ヘヴィなギターが合わさった重厚なサウンド。美しいソプラノとデスヴォイスを使い分ける
女性ヴォーカル、Aria嬢の歌声はバンドの顔としての存在感充分で、デスヴォイスの迫力などはなかなか強力だ。
ストリングスなども含めたクラシカル要素と、幽玄なシンセワークがかもしだす耽美でシアトリカルな雰囲気は、
この筋のバンドの中でも日本人離れした世界観である。楽曲とメロディの魅力を上げてゆけばさらに楽しみな存在になりそう。
現在は、シンセとベースが交代しており、今後の活動にも注目である。オフィシャルサイトはこちら
シンフォニック度・・8 ゴシック度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5

LANCER>>Beehymenoptera
日本のヘヴィロックバンド、ランサー・ビーの2011年作
どうでもいいが、ヴォーカル嬢はファッション雑誌のモデルさんでもあるらしい。
1曲めはヘヴィなリフでたたみかけるモダンなロックサウンドにエフェクトのかかったヴォーカルが乗る。
全体的には、これといったインパクトはないのだが、シンセアレンジがピコピコだったりオルガン入ってたりして、
プログレや古き良きハードロック色が垣間見えたりするのが面白い。これもミクスチャー的といえばそんな感じかしら。
曲によってはゴシック的な耽美さもあっていい感じなので、今後はサウンドの方向性を絞っていってもらいたい。
メロディアス度・・7 ヘヴィロック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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GUARDIAN HACKER「The Lastman Standing」
日本のヘヴィロックバンド、ガーディアン・ハッカーの2011年作
ジャケを見るとアキバ系バンドになったのかと思ったが、内容の方はちゃんとしてます。
ヘヴィなギターワークとメランコリックな質感に、情感豊かな女性ヴォーカルで聴かせるスタイルは
随所にシンフォニックなアレンジや男性スクリームもまじえ、前作以上に音に厚みが加わってきた。
定型にとどまらない音程のエキセントリックな歌唱は、その危うい感じが好みを分けるだろうが、
ハスキーな声質を含めて、ひとつの個性といってもよいだろう。完成形まであと一歩というところ。
メロディアス度・・7 ヘヴィロック度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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ASRAAHURA MASTER -Marga-
仙台出身のヘヴィロックバンド、アスラのデビューアルバム。2011年作
女性ヴォーカルを含む3人組で、ヘヴィでありながら独特の浮遊感と
Vo、夢華嬢の情感ある歌声で、キャッチーな聴き安さもあるサウンド。
バンド名やジャケのようなインド神話的な雰囲気はさほどでもなく、
むしろ古き良き日本的な情緒と、普遍的なポップ、ロックのセンスが強く感じられる。
多彩なリフと随所にメロディアスなフレーズを折り込むギターのセンスもなかなかで、
魅力的な女性ヴォーカルも含めて、今後にさらに期待したいバンドだ。
メロディアス度・・8 日本度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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新選組魔戦記」
Dragon GuardianKNIGHTS OF ROUNDが人気声優とコラボしたユニットの2011年作
美少女化した新選組というストーリーのようで、ナレーションとセリフ入りの和風メロスピサウンド。
勇者アーサーとYAZINが作曲を分け合っているが、曲調はシンフォニックなメロスピに、
和風テイストの旋律を付加したもので、キャッチーなサビメロで疾走するのはいかにもな感じ。
無茶な物語設定のせいもあるのだろう、セリフ部分はやっぱり恥ずかしく、同人アニメレベルの説得力。
ニコニコ動画で人気らしい“実谷なな”、みーやの女性Vo陣はなかなか頑張っていて、曲自体はけっこうよいのだが。
メロディアス度・・8 メロスピ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Highland Glory「Twist of Faith
ノルウェーのメロパワバンド、ハイランド・グローリーの2011年作
おそらく3作目だと思うが、本作ではヴォーカルが女性に替わっている。
パワフルな正統派メタルサウンドにハスキーな女性Voの歌声を乗せたスタイルは、
イメージとしてはポーランドのCrystal Viperあたりにも近いが、そこまで古き良き感じはない。
女性声を活かしたバラード曲や、Nightwishなどを思わせるシンフォニックメタル風味の曲もあるが、
やはり7曲めあたりのヴァイキングメタル風味の土着的なギターリフに惹かれるものがある。
楽曲そのものにこれだというインパクトはないのだが、なかなか楽しめる一枚だ。
メロディアス度・・7 正統派度・・8 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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4TH DIMENSIONWhite Path to Rebirth
イタリアのシンフォニックメロスピ、フォース・ディメンションの2011年作
シンセを含む5人組で、きらびやかなアレンジと軟弱系のヴォーカルを乗せて疾走する
B級っぽいシンフォメタル/メロスピサウンド。ギター以上にシンセが目立っていて
パワフルさよりも美麗な質感が前に出た、軽めのキラピコ系メロスピといってよい。
クサキャッチーなメロディもなかなかいい感じであるが、これといった個性もさほどない。
同じくイタリアの軟弱系メロスピ、WONDERLANDあたりが許せる方なら楽しめるかと。
シンフォニック度・・8 疾走度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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SCHEEPERS
Primal Fearのシンガー、ラルフ・シーパーズのソロ作。2011年作
TYRAN' PACE〜GAMMA RAY、そしてPRIMAL FEARというキャリアを積み、
名実共にジャーマンメタル界屈指のパワーシンガーとして名を馳せる彼だが、
意外にもソロとしては初の作品となる。サウンドの方は、SINNERやPRIMAL FEARを思わせる
正統派のジャーマンメタルで、正直なところ、バンドでやっていることと大差はないようも思えるが、
まあ、JUDAS PRIESTのようなメタルが好きでたまらないのだろうし、ファンも納得の内容ではある。
盟友マット・シナーをはじめ、マグナス・カールソン(LAST TRIBE)、スノーウィー・ショウ(元KING DIAMOND)
ヴィクター・スモールスキ(RAGE)、ティム・リッパー・オーウェンズ、さらにはカイ・ハンセなどもゲスト参加。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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PASTORE
ブラジルのメタルバンド、パストーレの2011年作
脅威のハイトーンシンガー、マリオ・パストーレ率いる正統派メタルバンドで、
その歌声は全盛期のロブ・ハルフォードか、ジェフ・テイトかというような力強さだ。
サウンドの方も、JUDAS PRIESTを思わせる正統派のメタルながら、
ときおりテクニカルなフレーズを聴かせるギターも含めて古くささはなく、
HIBRIAなどと同様に、新時代のヘヴィメタルを背負うようなバワフルさにあふれている。
ただ、現時点ではアルバム1枚を通して聴くには、楽曲のインパクトが持続しないのが課題。
メロディアス度・・7 パワフル度・・8 正統派度・・8 総合・・7.5
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ANIMETAL USA
マイク・ヴェッセーラ、クリス・インペリテリ、ルディー・サーゾ、スコット・トラヴィスという
地味に豪華なメンバーが集ったシャレのようなプロジェクトバンド、アニメタルUSAの2011年作
のっけから「宇宙戦艦ヤマト」で、様式美ネオクラギターが炸裂。パワフルなヴォーカルを乗せて疾走する。
「ガッチャマン」となんとなく80年代メタル的なアレンジでにんまりだし、「ドラゴンボール」のテクニカルな
ギターリフはなかなかいい感じ。哀愁漂うメロハー風味の「エヴァンゲリオン」もなかなかいい出来ですね。
「北斗の拳」はいかにもメタルっぽいアレンジで、IRON MAIDENのリフを盛り込む遊び心も。
「聖闘士星矢」は当然のように普通に格好いいし、「タイガーマスク」がバラードになっているのは意外。
「巨人の星」はイントロがそのままなのに、曲が始まると“Fast As A Shark”ばりのリフで格好いい。
しかし、妙に激しくなった「ドカベン」は、たぶん日本のリスナーには違和感があるでしょうね。笑
全体的に日本のアニメタルのようなダサ格好いい熱血要素はなく、歌詞が英語であるので、
いわば「アニメソング風味のメタル」として聴けたりする。これはこれで、まあ…いいじゃないですか。
アニソン度・・7 様式美メタル度・・8 これはこれで、まあ…度・・8 総合・・7.5
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CLANDESTINEThe Invalid
アメリカのプログレメタル、クランデスティンの2011年作
韓国人女性Voを擁するバンドで、サウンドはモダンなヘヴィネスと女性ヴォーカルの歌声に、
変則リズム入りのテクニカルな展開力とお洒落な軽やかさを合わせたような感じ。
メタルコア的な激しさとともにポップなキャッチーさもあって、ヘヴィであっても硬質すぎない。
EVANESCENCELACUNA COILをProgMetal化したような、というたとえもできるか。
現時点では楽曲の魅力がまだ足りないが、将来性のあるなかなか面白いバンドだと思う。
メロディアス度・・8 テクニカル度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5
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Trillium「Alloy」
女性シンガー、アマンダ・サマーヴィルを中心にしたのユニット、トリリアムの2011年作
マイケル・キスクとのデュオやAVANTASIAなどにも参加したことでも知られる実力派シンガーで、
サシャ・ピートがプロデュース、彼の片腕であるミロがシンセにアレンジを担当している。
サウンドの方は、アマンダの歌声をメインにした、ゴシック風味のハードロックという感じで、
EVANESCENCEなどにも通じるキャッチーさと適度なヘヴィさ、シンフォニックな叙情性もあって普通に聴きやすい。
全体的にしっとりとした薄暗い曲調であるが、ゴシックメタルというほどでもなく、楽曲のインパクトという点でも
いくぶん中途半端な気もするが、フィメールメタル好きのリスナーはどうぞ。ヨルン・ランデがゲスト参加。
メロディアス度・・7 ゴシック風HR度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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DIVINE ASCENSION「As The Truth Appears」
オーストラリアの女性Voシンフォメタル、ディヴァイン・アセンションの2011年作
ツインギターにシンセ、女性Voを含む6人編成で、シンフォニックな音の厚みと
メゾソプラノくらいの女性ヴォーカルの歌声、適度にモダンなアレンジで聴かせるサウンド。
ヨーロッパのバンドのような翳りはあまりなく、ゴシック方面へゆきそうで行かない雰囲気は
どちらかというとアメリカ系のバンドに近い感触。男性コーラスやテクニカルなギターも入り、
全体的な聴き心地は悪くないのだが、楽曲やメロディにこれといった魅力がないのが惜しい。
シンフォニック度・・8 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Soul of SteelDestiny
イタリアのメロスピバンド、ソウル・オブ・スティールの2011年作
ツインギターにシンセを含む6人組で、SKYLARKなどを思わせるクラシカルなシンセと
力強くない少々ビミョーなヴォーカルを乗せて軽めに疾走するサウンド。ドタバタとしたドラムとか、
演奏力も含めて、明らかにB級なんですが、こういうのけっこう嫌いじゃないんです。
ギターのクサフレーズもいい感じだし。Labyrinthのロブ・タイラントが1曲ゲスト参加しています。
クサメロ度・・8 疾走度・・8 B級度・・8 総合・・7.5
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Nine Stones Close「Traces」
オランダのシンフォニックロックバンド、ナイン・ストーンズ・クロースのアルバム。2011年作
ギター、ヴォーカル、ベース、シンセという4人組で、メロウなギターにうっすらとしたシンセが重なる
叙情的なシンフォニックロック作品。10分、14分という大曲を軸に、ゆったりと聴かせるサウンドだ。
派手な盛り上がりや展開がないので、のんびりと楽しめるが、気の短い方には退屈かもしれない。
メロディアス度・・8 プログレ度・・7 ゆったり叙情度・・8 総合・・7.5
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Beggars OperaLose a Life」
イギリスのプログレバンド、ベガーズ・オペラの2011年作
1970年にデビュー、クラシカルな要素とオルガン入りのプログレッシブロックで多くのファンを魅了、
名作とされる3rd「PATHFINDER」以降はポップ化し、1980年までに7作を出すが、その後は解散、
しかし2007年に突如女性Key/Vo入りのバンドとなって復活、本作はそれに続くアルバムである。
のっけから11分の大曲で、ミステリアスなシンセワークと案外ヘヴィなギターが合わさり、
モダンなサウンドが展開される。シンセ奏者でもあるヴァージニア嬢のスキャット的な歌声を含み、
いわばジャーマンロック的な浮遊感のある反復とテクノ要素がシンフォニックに混ざったというべきか。
ART BEARSの現代版という雰囲気もある。かつてとは別物と認識すれば、それなりに楽しめると思う。
シンフォニック度・・7 プログレ度・・7 浮遊感・・8 総合・・7.5
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VARGTON PROJECT「Progxprimetal」
スウェーデンのテクニカル系ユニット、ヴァーグトン・プロジェクトの2011年作
ギタリスト、マッツ・ヘドベルグを中心に、ドラムはモルガン・アグレン(MATS/MORGAN)
ヴォーカルにビヨルン・ヤンソン(TEARS OF ANGERやRIDE THE SKY)が参加、
サウンドは、変則的なテクニカルメタル風味もあるが、むしろギタリストのソロ作的な雰囲気で、
ヘヴィなリフとメロディックなフレーズをまじえつつ、アラビックなメロディを挿入したりと、
適度にラフな力の抜け具合とともに、よく言えば玄人好み、悪くいうととっつきの悪い作品。
ラーズ・エリック・マットソンやKAIPAのハンス・ルンディンなどがゲスト参加。
メロディック度・・7 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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ORESTIALove Lines & Blood Ties」
イギリスの女性Voヘヴィロックバンド、オレスティアの2011年作
伸びやかな女性ヴォーカルの歌声を中心に聴かせる、ゴシックメタル風味のサウンドで、
ヘヴィロック化したWITHIN TEMPTATIONという雰囲気もいくぶんある。
ギターリフのヘヴィさはメタルコア的でもあるが、このバンドの場合はスクームヴォイスは控えめで
あくまで美麗なフィメールヴォーカルをメインにしている点には、なかなか好感がもてる。
アグレッシブなメタル要素も随所にあり、新鮮味はあまりないが、新人としてはクオリティの高い作品だ。
メロディアス度・・7 ゴシック風味度・・7 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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KANDIA「inward beauty | outward reflection」
ポルトガルのヘヴィロックバンド、カンディアの2011年作
モダンかつヘヴィなギターで聴かせるタイトな楽曲に、ハスキーな女性ヴォーカルの歌声、
女性Voバンドとしては、正統派のアグレッシブさを描こうとしているのがこのバンドの特徴か。
音にはアメリカのヘヴィロック系とはいくぶん異なるミステリアスな雰囲気もあり、
インダストリアル系のモダンヘヴィネスと表現力のある女性Voが融合した聴き心地だ。
メロディアス度・・7 モダンヘヴィ度・・8 女性Vo度・・8 総合・・7.5
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Funeral Moon「Явь」
ロシアのフォークメタルバンド、フューネラルムーンの2011年作
美しいフルートの音色にメロディアスなギター、全体的にはやや軽めのサウンドで、
ギターのフレーズ自体は普通のメタルで、フォーキーな土着性はさほどないが、
女性ヴォーカルの母国語の歌声が絡むとなかなか耳心地のいい音になる。
ノーマル声とダミ声の男性ヴォーカルメインの曲もあり、個人的にはいらない気もする。
フルート、パイプなどの叙情性は悪くないし、ゆったりとした楽曲にときおり疾走をまじえたり
決して一本調子になっていないが、どこか盛り上がりきらない煮え切らなさを感じてしまう。
メロディアス度・・8 フォーキー度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7.5

DEADLOCK「Bizarro World」
ドイツのエクストリームメタルバンド、デッドロックの5th。2011年作
メタルコア風のモダンなアプローチと男女ヴォーカルの歌声で聴かせるこのバンド、
本作も硬質感のあるモダンヘヴィネスに、男性グロウルと女性ヴォーカルを絡め、
コアな激しさとシンフォニックさを両立させたようなサウンドを聴かせる。
正直、これといって魅力を感じないスタイルなのだが、随所に聴かせるメロディックな
ギターフレーズや、In This Mormentのような緩急を付けた楽曲はなかなか質が高い。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 モダンヘヴィ度・・8 総合・・7.5
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TANGENT PLANEProject Elimi
ドイツのプログレメタルバンド、タンジェント・プレーンの2011年作
シンセを含む5人組で、重厚なヘヴィさとテクニカルな展開力で聴かせる
ドラマティックな作風。少々力みすぎのヴォーカルが好みを分けるが、
SF風味の世界観と7〜9分という大曲を構築するセンスはなかなかのもの。
プログレパワー的な疾走感もあり、激しさをもった濃密なサウンドは悪くはないが、
ドタバタとしたところがややB級臭いので、今後のスタイリッシュ化に期待したい。
ドラマティック度・・8 重厚度・・8 楽曲・・7 総合・・7.5
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Infinita SymphoniaMind's Chronicle」
イタリアのシンフォニックメタルバンド、インフィニータ・シンフォニアの2011年作
美麗なイントロから期待させるが、サウンドはギターリフを主体としたプログレパワー的な硬質感と
ハイトーンというほどでもないヴォーカルで聴かせるスタイルで、ときにメロパワ的に疾走したり、
ゆったりした叙情パートを織り込んだりと、アレンジにはProgMetal風味の工夫が見られる。
それなりに質は高いが、楽曲やメロディ自体にもうひとつ突き抜けるようなインパクトが欲しい気も。
RHAPSODYのファビオ・リオーネ、元ICED EARTHのティム・リッパー・オーウェンズがゲスト参加
ドラマティック度・・8 テクニカル度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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ISIS CHILDStrange Days」
アメリカのメロディアスハード、イシス・チャイルドの2011年作
ギタリストFreddy Mazzuccoと女性ヴォーカリストのユニットで、
かつてのHEARTを思わせるような古き良きハードポップサウンド。
80年代を思わせるオーソドックスな曲調はちょっと古くさいし、新鮮味は皆無。
ハスキーがかったナタリー嬢の歌声も、正直さほど好みではないのだが、
古き良きフィメールロックが好きな方ならなつかしく楽しめるかもしれない。
メロディアス度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Syn Ze Sase TriIntre Doua Lumi」
ルーマニアのシンフォニック・ブラックメタル、シン・ゼ・サス・トゥリの2011年作
ルーマニアというと、トランシルヴァニア出身のNegura Bungetが思い浮かぶが
このバンドは美麗系のシンフォニックブラックをやっている。ツインギターのわりとオールドなリフに
美しいシンセを絡め、母国語によるダミ声ヴォーカルを乗せたサウンドは、
初期のDIMMU BORGIR的な雰囲気で、疾走感は控えめで暴虐さはあまりない。
総じて耳触りはいいが、メロディや楽曲そのものに耳に残るものがまだ足りない。
シンフォニック度・・8 暴虐度・・7 楽曲・・7 総合・・7.5
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Beto Vazquez InfinityExistence」
アルゼンチン人、ベト・ヴァスケスによるプロジェクトバンド、インフィニティーの2011年作
毎作多数のゲストを集めた美麗なシンフォニックメタルを聴かせるこのプロジェクト、4作目となる今作は
なんと2枚組の大作で、SYMFONIAのティモ・トルキをはじめ、DARK MOORのアルフレッド・ロメロ
Operatikaスラヴァ嬢FOREVER SLAVEレディ・アンジェリカ嬢Echoteriaメリッサ嬢
Legenda Aureaシモーネ嬢Theatre des Vampiresソーニャ嬢などが参加。
壮麗なシンセでRHAPSODYばりに壮大なスケールのシンフォニックメタルを聴かせるのだが、
やはりどこかローカルなB級感を漂わせているのが、今となってはむしろ持ち味にもなっている。
楽曲ごとにヴォーカルが違うので、曲ごとに印象がまちまちであったり、コンセプト作としては不完全な感じで、
正直、CD2枚を聴くには忍耐が必要だが、B級系のシンフォニックメタルが好きならそれなりには楽しめる。
シンフォニック度・・8 壮麗度・・8 ローカル度・・8 総合・・7.5
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Straight Line StitchFight of Out Lives
アメリカのエクストリームメタルバンド、ストレート・ライン・スティッチの2011年作
これがすでに4作目らしいが聴くのは初めて。サウンドはけっこう激しいヘヴィさとともに
ヒステリックなスクリームヴォイスで聴かせるもの。アフリカ系のアメリカ人というAlexis嬢の歌声は
これといって魅力に欠けるが、ノーマルな女性Voとスクリームの使い分けはなかなか立派。
楽曲はブルータルなヘヴィさが強いわけでもなければ、メロディアスというほどでもない、
いくぶん中途半端なもどかしさを感じる。これが嬢メタルというなら、自分はそんなジャンルはゴメンだ。
メロディアス度・・7 暴虐度・・7 モダンヘヴィ度・・7 総合・・7.5
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DESDEMON「Through The Gates」
アメリカの女性Voシンフォニックメタル、デスデーモンの2011年作作
女性Voにシンセを含む5人組で、2009年のミニアルバム後にヴォーカルが脱退、
本作では新たにドイツのゴシックメタルバンドXANDRIAのチェルシー嬢が加入した。
シンフォニックな美麗さとオペラティックな女性ヴォーカルで聴かせるサウンドは変わらないが
ドラムはけっこう激しく疾走したりして、メタルコア風のシンフォメタルという雰囲気もある。
意気込みは伝わるが、楽曲がややバタバタしていて、女性声を活かしきれていないのと、
メロディ自体にもさして魅力がないのが残念。今後は方向性をより明確にしていって欲しい。
シンフォニック度・・7 女性Vo度・・7 楽曲・・7 総合・・7
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INFINITY OVERTURE「The Infinite Overture Part 1」
デンマークのシンフォニックメタル、インフィニティ・オーバーチャーの2011年作
女性ヴォーカルをフロントにした4人組で、おそらくこれが2作目だと思われる。
正統派のメロパワの質感にネオクラシカル気味のギターと女性Voの歌声、
随所に男性Voも絡んで聴かせる作風で、シンフォニックなアレンジもいくぶんある。
デスヴォイスを折り込むなどサウンドにインパクトを付けようとしているのは分かるが
全体的には楽曲のB級臭さが抜けきれておらず、まだまだ…今後の成長に期待したい。
メロディアス度・・7 ドラマティック度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Heather FindlayPhoenix Suite
Mostly AutumnのVo、ヘザー・フィンドレイのミニアルバム。2011年作
残念ながらMostly Autumnを脱退した彼女だが、今後はソロとしてやってゆくのだろうか。
その指針となる5曲入りのミニであるが、いくぶんダークめのメロディアスロックという感じで、
むしろAll About Eveなどにも近い作風。憂いを含んだ彼女のヴォーカルはよいけれど、
シンフォニックな感触はあまりないので、少々物足りなく感じるのはいたしかたなしか。
メロディアス度・・7 プログレ度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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Mostly Autumn「Live At High Voltage 2011
イギリスのシンフォニックロック、モストリー・オータムのライブアルバム。2011年作
最近やたらとライブ作品を乱発しているこのバンドだが、本作もヘザー脱退後のステージを収録。
CD2枚組なのだが、Disc2はPCで見られるバックステージを収録というファン向けのアイテム。
正直、演奏の方はどうということもなく、音質も最高とは言い難い、いわばオフィシャルブートレベル。
メロディアス度・・7 ライブ演奏・・7 音質・・7 総合・・7
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UNDER FOREST月影ニ鳴ク虚像ノ恋詩
三姉妹という設定の女性三人組ユニット、アンダー・フォレストの2011年作
FEEL SO BADの倉田冬樹が楽曲を手がけ、シンフォニックなシンセアレンジと
けっこうヘヴィなギターで聴かせる、ゴシック的な歌謡メタルというようなサウンド。
ドラムはいかにも打ち込みで、サウンドも宅録っぽい同人系のような感じだが、
ヲタクに受けそうな世界観を狙ったような、少々の痛さとともに、コンセプトは面白い。
正直、アイドルなのか、バンドなのか、メタルなのか、立ち位置がよく分からないのだが、
アニメちっくな曲やメロスピ風味にテクノ風(パフューム?)もあったりして、とりとめのなさもビミョーw
シンフォニック度・・7 メタル?度・・7 女性Vo度・・7 総合・・7
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